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特許7646901基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、及び学習済モデル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、及び学習済モデル
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20250310BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20250310BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/304 643A
H01L21/304 648L
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024025805
(22)【出願日】2024-02-22
(62)【分割の表示】P 2020093544の分割
【原出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2024045749
(43)【公開日】2024-04-02
【審査請求日】2024-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】川根 旬平
(72)【発明者】
【氏名】澤崎 尚樹
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-149495(JP,A)
【文献】特開2020-004817(JP,A)
【文献】特開2017-033988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象基板を処理液で処理する手順を示す処理時手順情報に基づいて前記処理対象基板に前記処理液を供給して、前記処理対象基板を処理する処理ユニットと、
前記処理ユニットから排気される気体が流入する排気管と、
前記処理ユニットから前記排気管に流入する気体の圧力を調整する圧力調整機構と、
前記処理時手順情報が入力されると前記圧力調整機構の動作を規定する処理時圧力調整情報を出力する学習済モデルに対し前記処理時手順情報を入力して、前記学習済モデルから前記処理時圧力調整情報を取得し、取得した前記処理時圧力調整情報に基づいて前記圧力調整機構を制御する制御部と
を備え、
前記学習済モデルは、学習対象基板を前記処理液で処理した結果を示す処理結果情報と、学習対象情報とが関連付けられた学習用データを機械学習することで構築され、前記学習対象情報は、前記学習対象基板の処理時における前記圧力調整機構の動作を示す学習時圧力調整情報と、前記学習対象基板を前記処理液で処理する手順を示す学習時手順情報とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記学習済モデルを記憶する記憶部を更に備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記学習対象情報は、前記処理液の濃度を示す濃度情報と、前記処理ユニットの内部の温度を示す温度情報と、前記処理ユニットの位置を示す位置情報と、前記処理ユニットから排気された気体が前記排気管の下流端から排出されるまでの距離を示す距離情報とのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
処理対象基板を処理液で処理する手順を示す処理時手順情報に基づいて前記処理対象基板に前記処理液を供給して、前記処理対象基板を処理する処理ユニットと、
前記処理ユニットから排気される気体が流入する排気管と、
前記処理ユニットから前記排気管に流入する気体の圧力を調整する圧力調整機構と、
前記圧力調整機構を制御する制御部と
を備える基板処理装置において前記処理対象基板を処理する方法であって、
前記処理時手順情報が入力されると前記圧力調整機構の動作を規定する処理時圧力調整情報を出力する学習済モデルに対し前記処理時手順情報を入力して、前記学習済モデルから前記処理時圧力調整情報を取得するステップと、
取得した前記処理時圧力調整情報に基づいて前記圧力調整機構を制御するステップと
を包含し、
前記学習済モデルは、学習対象基板を前記処理液で処理した結果を示す処理結果情報と、学習対象情報とが関連付けられた学習用データを機械学習することで構築され、前記学習対象情報は、前記学習対象基板の処理時における前記圧力調整機構の動作を示す学習時圧力調整情報と、前記学習対象基板を前記処理液で処理する手順を示す学習時手順情報とを含む、基板処理方法。
【請求項5】
基板処理装置が学習対象基板を処理した結果を示す処理結果情報を取得するステップと、
学習対象情報を取得するステップと、
前記処理結果情報と、前記学習対象情報とを関連付けて学習用データとして記憶部に記憶するステップと
を包含し、
前記基板処理装置は、
前記学習対象基板を処理液で処理する手順を示す学習時手順情報に基づいて前記学習対象基板に前記処理液を供給して、前記学習対象基板を処理する処理ユニットと、
前記処理ユニットから排気される気体が流入する排気管と、
前記処理ユニットから前記排気管に流入する気体の圧力を調整する圧力調整機構と、
前記圧力調整機構を制御する制御部と
を備え、
前記学習対象情報は、前記学習対象基板の処理時における前記圧力調整機構の動作を示す学習時圧力調整情報と、前記学習時手順情報とを含む、学習用データの生成方法。
【請求項6】
請求項5に記載の学習用データの生成方法に従って生成された学習用データを取得するステップと、
前記学習用データを学習プログラムに入力して前記学習用データを機械学習するステップと
を包含する、学習方法。
【請求項7】
請求項5に記載の学習用データの生成方法に従って生成された学習用データを記憶する記憶部と、
前記学習用データを学習プログラムに入力して前記学習用データを機械学習する学習部と
を備える、学習装置。
【請求項8】
請求項5に記載の学習用データの生成方法に従って生成された学習用データを取得するステップと、
前記学習用データを機械学習することで学習済モデルを生成するステップと
を包含する、学習済モデルの生成方法。
【請求項9】
請求項5に記載の学習用データの生成方法に従って生成された学習用データを機械学習させることで構築される学習済モデルであって、
処理対象基板を処理液で処理する手順を示す処理時手順情報が入力されると前記処理対象基板を処理する処理ユニットから排気管に流入する気体の圧力を調整する圧力調整機構の動作を規定する処理時圧力調整情報を出力するように、前記圧力調整機構を制御する制御部を機能させる、学習済みモデル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、及び学習済モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の処理ユニットを備える基板処理装置が知られている。例えば、特許文献1の基板処理装置は、複数の処理ユニットと、1つの排気流路(共通排気管)とを備える。特許文献1の基板処理装置において、各処理ユニットから排気される排気ガス(気体)は、1つの排気流路に流入して、基板処理装置の外部に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-91758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の処理ユニットから排気される気体が1つの共通排気管に流入する構成では、共通排気管を流れる気体の流量が変動し易い。換言すると、共通排気管の排気圧が変動し易い。共通排気管の排気圧が変動すると、各処理ユニットの排気圧が変動して、パーティクルが発生する可能性がある。
【0005】
例えば、同時に基板を処理している処理ユニットの数の変動に応じて、共通排気管の排気圧が変動する。また、同時に基板を処理している処理ユニットの数が同じである場合でも、同時に基板を処理している処理ユニットの位置が異なると、共通排気管の排気圧が変動する。各処理ユニットから共通排気管までの距離が処理ユニットごとに異なり、処理ユニットごとに圧力損失が異なるためである。共通排気管の排気圧が変動する要因は、このように多岐にわたる。したがって、処理ユニットの排気圧を適切に調整することは容易ではない。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理ユニットの排気圧をより適切に調整できる基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、及び学習済モデルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、処理ユニットと、排気管と、圧力調整機構と、制御部とを備える。前記処理ユニットは、処理対象基板を処理液で処理する手順を示す処理時手順情報に基づいて前記処理対象基板に前記処理液を供給して、前記処理対象基板を処理する。前記排気管には、前記処理ユニットから排気される気体が流入する。前記圧力調整機構は、前記処理ユニットから前記排気管に流入する気体の圧力を調整する。前記制御部は、前記処理時手順情報が入力されると前記圧力調整機構の動作を規定する処理時圧力調整情報を出力する学習済モデルに対し前記処理時手順情報を入力して、前記学習済モデルから前記処理時圧力調整情報を取得し、取得した前記処理時圧力調整情報に基づいて前記圧力調整機構を制御する。前記学習済モデルは、学習対象基板を前記処理液で処理した結果を示す処理結果情報と、学習対象情報とが関連付けられた学習用データを機械学習することで構築される。前記学習対象情報は、前記学習対象基板の処理時における前記圧力調整機構の動作を示す学習時圧力調整情報と、前記学習対象基板を前記処理液で処理する手順を示す学習時手順情報とを含む。
【0008】
ある実施形態において、上記基板処理装置は、前記学習済モデルを記憶する記憶部を更に備える。
【0009】
ある実施形態において、前記学習対象情報は、前記処理液の濃度を示す濃度情報と、前記処理ユニットの内部の温度を示す温度情報と、前記処理ユニットの位置を示す位置情報と、前記処理ユニットから排気された気体が前記排気管の下流端から排出されるまでの距離を示す距離情報とのうちの少なくとも1つを更に含む。
【0010】
本発明の別の局面によれば、基板処理方法は、基板処理装置において処理対象基板を処理する方法である。前記基板処理装置は、処理ユニットと、排気管と、圧力調整機構と、制御部とを備える。前記処理ユニットは、前記処理対象基板を処理液で処理する手順を示す処理時手順情報に基づいて前記処理対象基板に前記処理液を供給して、前記処理対象基板を処理する。前記排気管には、前記処理ユニットから排気される気体が流入する。前記圧力調整機構は、前記処理ユニットから前記排気管に流入する気体の圧力を調整する。前記制御部は、前記圧力調整機構を制御する。当該基板処理方法は、前記処理時手順情報が入力されると前記圧力調整機構の動作を規定する処理時圧力調整情報を出力する学習済モデルに対し前記処理時手順情報を入力して、前記学習済モデルから前記処理時圧力調整情報を取得するステップと、取得した前記処理時圧力調整情報に基づいて前記圧力調整機構を制御するステップとを包含する。前記学習済モデルは、学習対象基板を前記処理液で処理した結果を示す処理結果情報と、学習対象情報とが関連付けられた学習用データを機械学習することで構築される。前記学習対象情報は、前記学習対象基板の処理時における前記圧力調整機構の動作を示す学習時圧力調整情報と、前記学習対象基板を前記処理液で処理する手順を示す学習時手順情報とを含む。
【0011】
本発明の更に別の局面によれば、学習用データの生成方法は、基板処理装置が学習対象基板を処理した結果を示す処理結果情報を取得するステップと、学習対象情報を取得するステップと、前記処理結果情報と、前記学習対象情報とを関連付けて学習用データとして記憶部に記憶するステップとを包含する。前記基板処理装置は、処理ユニットと、排気管と、圧力調整機構と、制御部とを備える。前記処理ユニットは、前記学習対象基板を処理液で処理する手順を示す学習時手順情報に基づいて前記学習対象基板に前記処理液を供給して、前記学習対象基板を処理する。前記排気管には、前記処理ユニットから排気される気体が流入する。前記圧力調整機構は、前記処理ユニットから前記排気管に流入する気体の圧力を調整する。前記制御部は、前記圧力調整機構を制御する。前記学習対象情報は、前記学習対象基板の処理時における前記圧力調整機構の動作を示す学習時圧力調整情報と、前記学習時手順情報とを含む。
【0012】
本発明の更に別の局面によれば、学習方法は、上記の学習用データの生成方法に従って生成された学習用データを取得するステップと、前記学習用データを学習プログラムに入力して前記学習用データを機械学習するステップとを包含する。
【0013】
本発明の更に別の局面によれば、学習装置は、記憶部と、学習部とを備える。前記記憶部は、上記の学習用データの生成方法に従って生成された学習用データを記憶する。前記学習部は、前記学習用データを学習プログラムに入力して前記学習用データを機械学習する。
【0014】
本発明の更に別の局面によれば、学習済モデルの生成方法は、上記の学習用データの生成方法に従って生成された学習用データを取得するステップと、前記学習用データを機械学習することで学習済モデルを生成するステップとを包含する。
【0015】
本発明の更に別の局面によれば、学習済モデルは、上記の学習用データの生成方法に従って生成された学習用データを機械学習させることで構築される。この学習モデルは、処理対象基板を処理液で処理する手順を示す処理時手順情報が入力されると前記処理対象基板を処理する処理ユニットから排気管に流入する気体の圧力を調整する圧力調整機構の動作を規定する処理時圧力調整情報を出力するように、前記圧力調整機構を制御する制御部を機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、及び学習済モデルによれば、処理ユニットの排気圧をより適切に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置を備える基板処理学習システムの模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る基板処理装置の内部を示す平面図である。
図3】本発明の実施形態に係る基板処理装置の右部の構成を示す右側面図である。
図4】本発明の実施形態に係る基板処理装置の左部の構成を示す右側面図である。
図5】本発明の実施形態に係る基板処理装置の中央部の構成を示す右側面図である。
図6】第1個別排気管、第2個別排気管、及び第3個別排気管を示す正面図である。
図7】処理ユニットの内部を示す側面図である。
図8】処理ユニット、切換機構、及び第1個別排気管~第3個別排気管を示す平面図である。
図9】切換機構の正面図である。
図10】複数の処理ユニットからの排気路の系統図である。
図11】本発明の実施形態に係る基板処理装置の平面図である。
図12】本発明の実施形態に係る基板処理装置を示すブロック図である。
図13】ダンパ開度調整情報を取得する処理を示すフロー図である。
図14】装置情報を示す図である。
図15】処理時手順情報の一例を示す図である。
図16】本発明の実施形態に係る基板処理装置の動作の一例を示す図である。
図17】基板処理装置を示すブロック図である。
図18】テストレシピデータを示す図である。
図19】学習時手順情報の一例を示す図である。
図20】学習用データ生成装置を示すブロック図である。
図21】本発明の実施形態に係る学習用データ生成方法のフロー図である。
図22】本発明の実施形態に係る学習装置を示すブロック図である。
図23】本発明の実施形態に係る学習方法及び学習済モデルの生成方法のフロー図である。
図24】本発明の他の実施形態に係る基板処理装置の排気路の系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面(図1図24)を参照して、本発明による基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、及び学習済モデルの実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0019】
まず、図1を参照して、本実施形態の基板処理装置100を備える基板処理学習システム200を説明する。図1は、基板処理学習システム200の模式図である。図1に示すように、基板処理学習システム200は、基板処理装置100と、基板処理装置100Lと、検査装置300と、学習用データ生成装置400と、学習装置500とを備える。
【0020】
基板処理装置100は、処理対象基板を処理液で処理する。基板処理装置100は、処理対象基板を1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。典型的には、処理対象基板は略円板状である。
【0021】
基板処理装置100Lは、学習対象基板を処理液で処理する。なお、学習対象基板の構成は、処理対象基板の構成と同じである。典型的には、学習対象基板は略円板状である。基板処理装置100Lは、学習対象基板を1枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置100Lの構成は、基板処理装置100の構成と略同じである。基板処理装置100Lは、基板処理装置100と同一物であってもよい。例えば、同一の基板処理装置が過去に学習対象基板を処理し、その後、処理対象基板を処理してもよい。あるいは、基板処理装置100Lは、基板処理装置100と略同じ構成を有する別の製品であってもよい。
【0022】
本明細書の以下の説明において、学習対象基板を「学習対象基板WL」と記載し、処理対象基板を「処理対象基板Wp」と記載することがある。また、学習対象基板WLと処理対象基板Wpとを区別して説明する必要のないときは、学習対象基板WL及び処理対象基板Wpを「基板W」と記載することがある。
【0023】
基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、又は、太陽電池用基板である。
【0024】
基板処理装置100Lは、学習対象基板WLを処理することにより、学習対象情報LTDを取得する。例えば、基板処理装置100Lは、学習対象基板WLを処理する度に、学習対象情報LTDを取得してもよい。あるいは、基板処理装置100Lは、所定枚数の学習対象基板WLを処理する度に、学習対象情報LTDを取得してもよい。具体的には、1ロットを構成する複数枚の学習対象基板WLの全てに対する処理が終了する度に、学習対象情報LTDを取得してもよい。学習対象情報LTDは、例えば、処理ユニット1(図8参照)から排気される気体の圧力(排気圧)の時系列データを含む。以下、基板処理装置100Lによって処理された後の学習対象基板WLを、「処理後基板WLa」と記載することがある。
【0025】
学習対象情報LTDは、学習用データ生成装置400に入力される。例えば、学習対象情報LTDは、通信によって、学習用データ生成装置400に入力されてもよい。あるいは、学習対象情報LTDは、記憶媒体を介して学習用データ生成装置400に入力されてもよい。記憶媒体は、例えばCD(コンパクト ディスク)のような光ディスクであってもよいし、USB(ユニバーサル シリアル バス)メモリのような記憶装置であってもよい。あるいは、学習対象情報LTDは、作業者が、キーボード、マウス又はタッチセンサのような入力装置を操作して入力してもよい。
【0026】
詳しくは、学習対象情報LTDは、基板情報と関連付けられて学習用データ生成装置400に入力される。基板情報は、例えば、ロット識別情報、基板識別情報、及び処理順番情報を含む。ロット識別情報は、ロットを識別するための情報(例えば、ロット番号)である。ロットは基板Wの処理単位を示す。1つのロットは、所定枚数の基板Wによって構成される。基板識別情報は、基板Wを識別するための情報である。処理順番情報は、1つのロットの中で各学習対象基板WLが処理された順番を示す情報である。
【0027】
検査装置300は、処理後基板WLaを検査して、処理結果情報RSを作成する。処理結果情報RSは、処理後基板WLaごとに作成されてもよいし、所定枚数の処理後基板WLaごとに作成されてもよい。例えば、1ロットごとに作成されてもよい。
【0028】
処理結果情報RSは、学習対象基板WLを処理液で処理した結果を示す。具体的には、検査装置300は、パーティクルを測定する装置であり、処理結果情報RSは、処理後基板WLaに発生しているパーティクルの数を示す。あるいは、検査装置300は、パーティクルの数が規定値を超えているか否かを判定してもよい。この場合、処理結果情報RSは、パーティクルの数が規定値を超えているか否かを判定した結果を示す。なお、検査装置300が測定したパーティクル数を参照して、作業者が、パーティクル数が規定値を超えているか否かを判定してもよい。この場合、処理結果情報RSは、作業者によって作成される。
【0029】
処理結果情報RSは、学習用データ生成装置400に入力される。例えば、処理結果情報RSは、通信によって、学習用データ生成装置400に入力されてもよい。あるいは、処理結果情報RSは、記憶媒体を介して学習用データ生成装置400に入力されてもよい。あるいは、処理結果情報RSは、作業者が入力装置を操作して入力してもよい。
【0030】
詳しくは、処理結果情報RSは、基板情報と関連付けられて学習用データ生成装置400に入力される。処理結果情報RSが、通信によって、学習用データ生成装置400に入力される場合、基板情報は、処理結果情報RSと共に、通信によって、学習用データ生成装置400に入力される。この場合、検査装置300に基板情報が入力される。処理結果情報RSが記憶媒体を介して学習用データ生成装置400に入力される場合も同様である。作業者が学習用データ生成装置400に処理結果情報RSを入力する場合、基板情報は、処理結果情報RSと共に、作業者が入力装置を操作して学習用データ生成装置400に入力される。
【0031】
学習用データ生成装置400は、学習対象情報LTDと処理結果情報RSとを関連付けて、学習用データLFDを生成する。具体的には、学習用データ生成装置400は、基板情報を用いて、学習対象情報LTDと処理結果情報RSとを関連付ける。学習用データLFDは、学習対象基板WLごとに作成されてもよいし、所定枚数の学習対象基板WLごとに作成されてもよい。例えば、1ロットごとに作成されてもよい。
【0032】
学習装置500は、複数の学習用データLFD(学習用データセット)を機械学習することによって、学習済モデルLMを生成する(構築する)。詳しくは、学習装置500は、複数の学習用データLFDの中から一定の規則を見出し、その規則を表現するためのモデル(学習済モデルLM)を生成する。
【0033】
基板処理装置100は、装置情報MDを学習済モデルLMに入力する。この結果、学習済モデルLMからダンパ開度調整情報PAが出力される。装置情報MDは、基板処理装置100が処理対象基板Wpを処理液で処理する手順を示す処理時手順情報を含む。ダンパ開度調整情報PAは、処理ユニット1(図8参照)から排気される気体の圧力を調整する際に参照される情報である。具体的には、第1ダンパ73(図8参照)の開度を規定する時系列データである。
【0034】
続いて、図2図15を参照して基板処理装置100を更に説明する。図2は、基板処理装置100の内部を示す平面図である。図2に示すように、基板処理装置100は、複数(例えば、4つ)のキャリア載置部150と、搬送機構151と、基板載置部152Aと、搬送機構153Aと、処理ユニット1A1、1B1、1C1、1D1とを備える。
【0035】
複数のキャリア載置部150は、基板処理装置100の端部に配置される。本明細書では、便宜上、前後方向、及び左右方向を用いて実施形態を説明することがある。ここでは、複数のキャリア載置部150が配置される側が、基板処理装置100の前側である。
【0036】
搬送機構151は、複数のキャリア載置部150の後側に配置される。基板載置部152Aは、搬送機構151の後側に配置される。搬送機構153Aは、基板載置部152Aの後側に配置される。
【0037】
処理ユニット1A1、1B1、1C1、1D1は、搬送機構153Aの周囲に配置される。ここでは、処理ユニット1A1、1B1は、搬送機構153Aの右側に配置され、処理ユニット1C1、1D1は、搬送機構153Aの左側に配置される。また、処理ユニット1B1は、処理ユニット1A1の後側に配置される。処理ユニット1D1は、処理ユニット1C1の後側に配置される。
【0038】
複数のキャリア載置部150は左右方向に並ぶ。キャリア載置部150にはそれぞれ、1つのキャリアCが載置される。キャリアCは、複数枚の基板Wを収容する。キャリアCは、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)である。
【0039】
処理ユニット1A1、1B1、1C1、1D1には、搬送機構153Aによって基板Wが搬入される。処理ユニット1A1、1B1、1C1、1D1の各々は、搬送機構153Aによって搬入された基板Wを保持した後、処理液を基板Wに供給して、基板Wを処理する。
【0040】
図2に示すように、基板処理装置100は、第1個別排気管41Aと、第2個別排気管42Aと、第3個別排気管43Aと、切換機構51A1と、制御装置101とを更に備える。
【0041】
第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、第3個別排気管43A、及び切換機構51A1は、処理ユニット1A1の近傍に配置される。本実施形態では、第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、第3個別排気管43A、及び切換機構51A1は、処理ユニット1A1に隣接する。第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、及び第3個別排気管43Aは、上下方向にのびる。
【0042】
処理ユニット1A1から排気される気体は、第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、及び第3個別排気管43Aのいずれかに流入する。具体的には、切換機構51A1が、第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、及び第3個別排気管43Aの間で、処理ユニット1A1から排気される気体の流入先を切り換える。切換機構51A1は、制御装置101によって制御される。
【0043】
詳しくは、処理ユニット1A1は、複数種類の処理液を基板Wに供給可能である。したがって、処理ユニット1A1から排気される気体は、複数種類の処理液に対応する複数種類の気体を含む。本実施形態では、複数種類の処理液は、第1処理液、第2処理液、及び第3処理液を含む。処理ユニット1A1は、第1処理液、第2処理液、及び第3処理液を基板Wに供給可能である。
【0044】
切換機構51A1は、処理ユニット1A1が基板Wに第1処理液を供給している際に、処理ユニット1A1から排気される気体を第1個別排気管41Aに流入させる。切換機構51A1は、処理ユニット1A1が基板Wに第2処理液を供給している際に、処理ユニット1A1から排気される気体を第2個別排気管42Aに流入させる。切換機構51A1は、処理ユニット1A1が基板Wに第3処理液を供給している際に、処理ユニット1A1から排気される気体を第3個別排気管43Aに流入させる。
【0045】
図2に示すように、基板処理装置100は、第1個別排気管41Bと、第2個別排気管42Bと、第3個別排気管43Bと、切換機構51B1とを更に備える。第1個別排気管41B、第2個別排気管42B、第3個別排気管43B、及び切換機構51B1は、処理ユニット1B1の近傍に配置される。切換機構51B1は、制御装置101によって制御される。第1個別排気管41B、第2個別排気管42B、第3個別排気管43B、及び切換機構51B1の構成は、第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、第3個別排気管43A、及び切換機構51A1の構成と略同様であるため、ここでの説明は割愛する。
【0046】
図2に示すように、基板処理装置100は、第1個別排気管41Cと、第2個別排気管42Cと、第3個別排気管43Cと、切換機構51C1とを更に備える。第1個別排気管41C、第2個別排気管42C、第3個別排気管43C、及び切換機構51C1は、処理ユニット1C1の近傍に配置される。切換機構51C1は、制御装置101によって制御される。第1個別排気管41C、第2個別排気管42C、第3個別排気管43C、及び切換機構51C1の構成は、第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、第3個別排気管43A、及び切換機構51A1の構成と略同様であるため、ここでの説明は割愛する。
【0047】
図2に示すように、基板処理装置100は、第1個別排気管41Dと、第2個別排気管42Dと、第3個別排気管43Dと、切換機構51D1とを更に備える。第1個別排気管41D、第2個別排気管42D、第3個別排気管43D、及び切換機構51D1は、処理ユニット1D1の近傍に配置される。切換機構51D1は、制御装置101によって制御される。第1個別排気管41D、第2個別排気管42D、第3個別排気管43D、及び切換機構51D1の構成は、第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、第3個別排気管43A、及び切換機構51A1の構成と略同様であるため、ここでの説明は割愛する。
【0048】
なお、第1個別排気管41A~41Dを区別して説明する必要のないときは、第1個別排気管41A~41Dを「第1個別排気管41」と記載することがある。同様に、第2個別排気管42A~42Dを区別して説明する必要のないときは、第2個別排気管42A~42Dを「第2個別排気管42」と記載することがある。また、第3個別排気管43A~43Dを区別して説明する必要のないときは、第3個別排気管43A~43Dを「第3個別排気管43」と記載することがある。
【0049】
図2に示すように、基板処理装置100は、給気管44A~44Dを更に備える。給気管44Aは、処理ユニット1A1の近傍に配置される。給気管44Bは、処理ユニット1B1の近傍に配置される。給気管44Cは、処理ユニット1C1の近傍に配置される。給気管44Dは、処理ユニット1D1の近傍に配置される。給気管44A~44Dは、上下方向に延びる。
【0050】
続いて、図3及び図4を参照して基板処理装置100を更に説明する。図3は、基板処理装置100の右部の構成を示す右側面図である。図3に示すように、基板処理装置100は、処理ユニット1A2~1A6と、処理ユニット1B2~1B6とを更に備える。
【0051】
処理ユニット1A2~1A6は、処理ユニット1A1の下方に配置される。具体的には、処理ユニット1A1~1A6は、上下方向に沿って1列に並ぶ。より詳しくは、処理ユニット1A1~1A6は、この順に上から下に向かって積層される。処理ユニット1A2~1A6は、処理ユニット1A1と略同様の構成を有する。
【0052】
処理ユニット1B2~1B6は、処理ユニット1B1の下方に配置される。具体的には、処理ユニット1B1~1B6は、上下方向に沿って1列に並ぶ。より詳しくは、処理ユニット1B1~1B6は、この順に上から下に向かって積層される。処理ユニット1B2~1B6は、処理ユニット1B1と略同様の構成を有する。
【0053】
なお、処理ユニット1A1~1A6を区別して説明する必要のないときは、処理ユニット1A1~1A6を「処理ユニット1A」と記載することがある。同様に、処理ユニット1B1~1B6を区別して説明する必要のないときは、処理ユニット1B1~1B6を「処理ユニット1B」と記載することがある。
【0054】
給気管44Aは、処理ユニット1A1~1A6に清浄な空気を供給する。また、給気管44Bは、処理ユニット1B1~1B6に清浄な空気を供給する。
【0055】
図3に示すように、基板処理装置100は、切換機構51A2~51A6を更に備える。切換機構51A2~51A6は、切換機構51A1の下方に配置される。切換機構51A2~51A6はそれぞれ、処理ユニット1A2~1A6に対応する。切換機構51A2~51A6は、切換機構51A1と略同様の構成を有する。切換機構51A2~51A6は、図2を参照して説明した制御装置101によって制御される。
【0056】
図3に示すように、基板処理装置100は、切換機構51B2~51B6を更に備える。切換機構51B2~51B6は、切換機構51B1の下方に配置される。切換機構51B2~51B6はそれぞれ、処理ユニット1B2~1B6に対応する。切換機構51B2~51B6は、切換機構51B1と略同様の構成を有する。切換機構51B2~51B6は、図2を参照して説明した制御装置101によって制御される。
【0057】
なお、切換機構51A1~51A6を区別して説明する必要のないときは、切換機構51A1~51A6を「切換機構51A」と記載することがある。同様に、切換機構51B1~51B6を区別して説明する必要のないときは、切換機構51B1~51B6を「切換機構51B」と記載することがある。
【0058】
図4は、基板処理装置100の左部の構成を示す右側面図である。図4に示すように、基板処理装置100は、処理ユニット1C2~1C6と、処理ユニット1D2~1D6とを更に備える。
【0059】
処理ユニット1C2~1C6は、処理ユニット1C1の下方に配置される。具体的には、処理ユニット1C1~1C6は、上下方向に沿って1列に並ぶ。より詳しくは、処理ユニット1C1~1C6は、この順に上から下に向かって積層される。処理ユニット1C2~1C6は、処理ユニット1C1と略同様の構成を有する。
【0060】
処理ユニット1D2~1D6は、処理ユニット1D1の下方に配置される。具体的には、処理ユニット1D1~1D6は、上下方向に沿って1列に並ぶ。より詳しくは、処理ユニット1D1~1D6は、この順に上から下に向かって積層される。処理ユニット1D2~1D6は、処理ユニット1D1と略同様の構成を有する。
【0061】
なお、処理ユニット1C1~1C6を区別して説明する必要のないときは、処理ユニット1C1~1C6を「処理ユニット1C」と記載することがある。同様に、処理ユニット1D1~1D6を区別して説明する必要のないときは、処理ユニット1D1~1D6を「処理ユニット1D」と記載することがある。更に、処理ユニット1A~1Dを区別して説明する必要のないときは、処理ユニット1A~1Dを「処理ユニット1」と記載することがある。
【0062】
給気管44Cは、処理ユニット1C1~1C6に清浄な空気を供給する。また、給気管44Dは、処理ユニット1D1~1D6に清浄な空気を供給する。なお、給気管44A~44Dを区別して説明する必要のないときは、給気管44A~44Dを「給気管44」と記載することがある。
【0063】
図4に示すように、基板処理装置100は、切換機構51C2~51C6を更に備える。切換機構51C2~51C6は、切換機構51C1の下方に配置される。切換機構51C2~51C6はそれぞれ、処理ユニット1C2~1C6に対応する。切換機構51C2~51C6は、切換機構51C1と略同様の構成を有する。切換機構51C2~51C6は、図2を参照して説明した制御装置101によって制御される。
【0064】
図4に示すように、基板処理装置100は、切換機構51D2~51D6を更に備える。切換機構51D2~51D6は、切換機構51D1の下方に配置される。切換機構51D2~51D6はそれぞれ、処理ユニット1D2~1D6に対応する。切換機構51D2~51D6は、切換機構51D1と略同様の構成を有する。切換機構51D2~51D6は、図2を参照して説明した制御装置101によって制御される。
【0065】
なお、切換機構51C1~51C6を区別して説明する必要のないときは、切換機構51C1~51C6を「切換機構51C」と記載することがある。同様に、切換機構51D1~51D6を区別して説明する必要のないときは、切換機構51D1~51D6を「切換機構51D」と記載することがある。更に、切換機構51A~51Dを区別して説明する必要のないときは、切換機構51A~51Dを「切換機構51」と記載することがある。
【0066】
続いて、図2図5を参照して基板処理装置100を更に説明する。図5は、基板処理装置100の中央部の構成を示す右側面図である。図5に示すように、基板処理装置100は、基板載置部152Bと、搬送機構153Bとを更に備える。
【0067】
基板載置部152Bは、基板載置部152Aの下方に配置される。搬送機構151は、複数のキャリア載置部150と基板載置部152Aとの間、及び複数のキャリア載置部150と基板載置部152Bとの間で基板Wを受け渡す。搬送機構151は、制御装置101によって制御される。
【0068】
具体的には、搬送機構151は、複数のキャリア載置部150のいずれかにアクセスして、基板Wを把持する。その後、搬送機構151は、基板載置部152Aと基板載置部152Bとのうちの一方に基板Wを搬送する。例えば、搬送機構151は、基板載置部152Aと基板載置部152Bとに交互に基板Wを搬送する。
【0069】
また、搬送機構151は、搬送機構153Aによって基板載置部152Aに基板Wが載置されると、基板載置部152Aにアクセスして基板Wを把持する。その後、搬送機構151は、複数のキャリア載置部150のいずれかに基板Wを搬送する。詳しくは、複数のキャリア載置部150のいずれかに基板Wを収容する。
【0070】
同様に、搬送機構151は、搬送機構153Bによって基板載置部152Bに基板Wが載置されると、基板載置部152Bにアクセスして基板Wを把持する。その後、搬送機構151は、複数のキャリア載置部150のいずれかに基板Wを搬送する。
【0071】
搬送機構153Aは、基板載置部152Aと、図3及び図4を参照して説明した処理ユニット1A1~1A3、処理ユニット1B1~1B3、処理ユニット1C1~1C3、及び処理ユニット1D1~1D3との間で基板Wを受け渡す。搬送機構153Aは、制御装置101によって制御される。
【0072】
具体的には、搬送機構153Aは、基板載置部152Aにアクセスして、基板載置部152Aに載置されている基板Wを把持する。その後、搬送機構153Aは、処理ユニット1A1~1A3、処理ユニット1B1~1B3、処理ユニット1C1~1C3、及び処理ユニット1D1~1D3のいずれか1つに基板Wを搬入する。また、搬送機構153Aは、処理ユニット1A1~1A3、処理ユニット1B1~1B3、処理ユニット1C1~1C3、及び処理ユニット1D1~1D3のいずれか1つにアクセスして基板Wを搬出する。その後、搬送機構153Aは、基板載置部152Aまで基板Wを搬送する。
【0073】
搬送機構153Bは、搬送機構153Aの下方に配置される。搬送機構153Bは、基板載置部152Bと、図3及び図4を参照して説明した処理ユニット1A4~1A6、処理ユニット1B4~1B6、処理ユニット1C4~1C6、及び処理ユニット1D4~1D6との間で基板Wを受け渡す。搬送機構153Bは、制御装置101によって制御される。
【0074】
具体的には、搬送機構153Bは、基板載置部152Bにアクセスして、基板載置部152Bに載置されている基板Wを把持する。その後、搬送機構153Bは、処理ユニット1A4~1A6、処理ユニット1B4~1B6、処理ユニット1C4~1C6、及び処理ユニット1D4~1D6のいずれか1つに基板Wを搬入する。また、搬送機構153Bは、処理ユニット1A4~1A6、処理ユニット1B4~1B6、処理ユニット1C4~1C6、及び処理ユニット1D4~1D6のいずれか1つにアクセスして基板Wを搬出する。その後、搬送機構153Bは、基板載置部152Bまで基板Wを搬送する。
【0075】
なお、搬送機構151、153A、153Bは、ある処理ユニット1が基板Wを処理している際に、基板Wの処理中でない他の処理ユニット1に基板Wを搬送する。したがって、基板処理装置100は、同時に複数枚の基板Wを処理し得る。以下、搬送機構153A、153Bを区別して説明する必要のないときは、搬送機構153A、153Bを「搬送機構153」と記載することがある。
【0076】
続いて、図6を参照して基板処理装置100を更に説明する。図6は、第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、及び第3個別排気管43Aを示す正面図である。
【0077】
図6に示すように、第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、及び第3個別排気管43Aは、処理ユニット1A6から、基板処理装置100の上壁まで延びる。切換機構51A1~51A6は、第1個別排気管41A、第2個別排気管42A、及び第3個別排気管43Aに接続している。
【0078】
なお、図示しないが、第1個別排気管41B~41D、第2個別排気管42B~42D、及び第3個別排気管43B~43Dも同様に、最下段の処理ユニット1(処理ユニット1B6~1D6)から基板処理装置100の上壁まで延びる。また、切換機構51B1~51B6は、第1個別排気管41B、第2個別排気管42B、及び第3個別排気管43Bに接続している。切換機構51C1~51C6は、第1個別排気管41C、第2個別排気管42C、及び第3個別排気管43Cに接続している。切換機構51D1~51D6は、第1個別排気管41D、第2個別排気管42D、及び第3個別排気管43Dに接続している。
【0079】
続いて、図7を参照して処理ユニット1を説明する。図7は、処理ユニット1の内部を示す側面図である。図7に示すように、処理ユニット1は、処理筐体2と、基板保持部31と、回転駆動部32と、第1ノズル33と、第1ノズル移動部33aと、第2ノズル34と、第2ノズル移動部34aと、第3ノズル35と、第3ノズル移動部35aと、第4ノズル36と、第4ノズル移動部36aと、カップ37と、吹出ユニット38とを備える。また、基板処理装置100は、第1処理液供給配管333と、第2処理液供給配管343と、第3処理液供給配管353と、リンス液供給配管363と、給気配管39とを更に備える。
【0080】
処理筐体2は箱形状を有する。処理筐体2は、基板保持部31、回転駆動部32、第1ノズル33、第1ノズル移動部33a、第2ノズル34、第2ノズル移動部34a、第3ノズル35、第3ノズル移動部35a、第4ノズル36、第4ノズル移動部36a、カップ37、及び吹出ユニット38を収容する。また、処理筐体2は、第1処理液供給配管333の一部、第2処理液供給配管343の一部、第3処理液供給配管353の一部、リンス液供給配管363の一部、及び給気配管39の一部を収容する。処理ユニット1に搬入された基板Wは、処理筐体2の内部に収容される。
【0081】
基板保持部31は、基板Wを水平に保持する。基板保持部31は、例えばバキューム式のスピンチャックである。なお、基板保持部31が基板Wを保持する方式は、バキューム式に限定されない。基板保持部31が基板Wを保持する方式は、例えば、挟持式、又はベルヌーイ式であってもよい。
【0082】
回転駆動部32は、回転軸線AXを中心として基板保持部31を回転させる。この結果、回転軸線AXを中心として基板Wと基板保持部31とが一体に回転する。回転軸線AXは、上下方向に延びる。
【0083】
第1ノズル33は、基板Wの上方から、基板Wに第1処理液を供給する。詳しくは、第1ノズル33は、回転中の基板Wに向けて第1処理液を吐出する。第1ノズル移動部33aは、第1ノズル33を処理位置と退避位置との間で移動させる。第1ノズル33は、処理位置に移動すると、平面視において基板Wと対向する。第1ノズル33は、退避位置に移動すると、平面視において基板Wと対向しない。詳しくは、第1ノズル33は、退避位置に移動すると、平面視において基板Wの周囲に退避する。
【0084】
具体的には、第1ノズル移動部33aは、第1ノズルアーム331と、第1ノズル駆動部332とを有する。第1ノズルアーム331は略水平方向に沿って延びる。第1ノズルアーム331の先端部に第1ノズル33が配置される。第1ノズル駆動部332は、上下方向に延びる回転軸線を中心に第1ノズルアーム331を略水平面に沿って旋回させる。この結果、上下方向に延びる回転軸線を中心とする周方向に沿って、第1ノズル33が周方向に移動する。第1ノズル駆動部332は、正逆回転可能な電動モータを含む。
【0085】
第1処理液供給配管333は、第1ノズル33に第1処理液を供給する。第1処理液供給配管333は、第1処理液が流通する管状部材である。本実施形態では、第1処理液は、酸性液である。例えば、第1処理液は、フッ酸(フッ化水素酸)、塩酸過酸化水素水(SPM)、硫酸、硫酸過酸化水素水、フッ硝酸(フッ酸と硝酸との混合液)、又は塩酸である。
【0086】
第2ノズル34は、基板Wの上方から、基板Wに第2処理液を供給する。詳しくは、第2ノズル34は、回転中の基板Wに向けて第2処理液を吐出する。第2ノズル移動部34aは、第1ノズル移動部33aと同様に、第2ノズル34を処理位置と退避位置との間で移動させる。具体的には、第2ノズル移動部34aは、第1ノズル移動部33aと同様に、第2ノズルアーム341と、第2ノズル駆動部342とを有する。第2ノズルアーム341及び第2ノズル駆動部342の構成は、第1ノズルアーム331及び第1ノズル駆動部332と同様であるため、説明を割愛する。
【0087】
第2処理液供給配管343は、第2ノズル34に第2処理液を供給する。第2処理液供給配管343は、第2処理液が流通する管状部材である。本実施形態では、第2処理液は、アルカリ液である。例えば、第2処理液は、アンモニア過酸化水素水(SC1)、アンモニア水、フッ化アンモニウム溶液、又は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)である。
【0088】
第3ノズル35は、基板Wの上方から、基板Wに第3処理液を供給する。詳しくは、第3ノズル35は、回転中の基板Wに向けて第3処理液を吐出する。第3ノズル移動部35aは、第1ノズル移動部33aと同様に、第3ノズル35を処理位置と退避位置との間で移動させる。具体的には、第3ノズル移動部35aは、第1ノズル移動部33aと同様に、第3ノズルアーム351と、第3ノズル駆動部352とを有する。第3ノズルアーム351及び第3ノズル駆動部352の構成は、第1ノズルアーム331及び第1ノズル駆動部332と同様であるため、説明を割愛する。
【0089】
第3処理液供給配管353は、第3ノズル35に第3処理液を供給する。第3処理液供給配管353は、第3処理液が流通する管状部材である。本実施形態では、第3処理液は、有機溶剤である。例えば、第3処理液は、イソプロピルアルコール(IPA)、メタノール、エタノール、ハイドロフルオロエーテル(HFE)、又はアセトンである。
【0090】
第4ノズル36は、基板Wの上方から、基板Wにリンス液を供給する。詳しくは、第4ノズル36は、回転中の基板Wに向けてリンス液を吐出する。第4ノズル移動部36aは、第1ノズル移動部33aと同様に、第4ノズル36を処理位置と退避位置との間で移動させる。具体的には、第4ノズル移動部36aは、第1ノズル移動部33aと同様に、第4ノズルアーム361と、第4ノズル駆動部362とを有する。第4ノズルアーム361及び第4ノズル駆動部362の構成は、第1ノズルアーム331及び第1ノズル駆動部332と同様であるため、説明を割愛する。
【0091】
リンス液供給配管363は、第4ノズル36にリンス液を供給する。リンス液供給配管363は、リンス液が流通する管状部材である。例えば、リンス液は、純水、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、又は、希釈された塩酸水である。
【0092】
カップ37は、基板保持部31の周囲に配置される。カップ37は、基板保持部31に保持される基板Wの側方を囲む。カップ37は、回転中の基板Wから飛散する第1処理液~第3処理液及びリンス液を受け止める。
【0093】
給気配管39は、給気管44と吹出ユニット38とを連通させる。給気管44を流通する気体(例えば、清浄空気)は、給気配管39を介して吹出ユニット38に供給される。吹出ユニット38は、給気管44から供給された気体を、処理筐体2の内部に供給する。吹出ユニット38は、処理筐体2の上板21に取り付けられる。吹出ユニット38は、気体を下方に吹き出す。
【0094】
続いて、図8を参照して、処理ユニット1、切換機構51、及び第1個別排気管41~第3個別排気管43を説明する。図8は、処理ユニット1、切換機構51、及び第1個別排気管41~第3個別排気管43を示す平面図である。
【0095】
図8に示すように、切換機構51は、切換筐体52を有する。切換筐体52は内部空間54を有する。切換筐体52の内部空間54は、気体が流通する流通空間である。以下、内部空間54を「流通空間54」と記載することがある。
【0096】
切換筐体52は、入口開口53を有する。入口開口53は、流通空間54に連通している。切換筐体52の入口開口53は、処理ユニット1(処理筐体2)の内部空間と連通する。したがって、処理ユニット1(処理筐体2)から流通空間54に気体が流入する。処理ユニット1(処理筐体2)から流通空間54に流入した気体は、流通空間54を流通する。
【0097】
切換筐体52は、第1出口開口55~第3出口開口57を更に有する。第1出口開口55~第3出口開口57は、流通空間54に連通する。
【0098】
第1個別排気管41の内部空間は、第1出口開口55を介して流通空間54に連通する。具体的には、第1個別排気管41は、第1出口開口55に対向する開口41kを有する。
【0099】
同様に、第2個別排気管42の内部空間は、第2出口開口56を介して流通空間54に連通する。具体的には、第2個別排気管42は、第2出口開口56に対向する開口42kを有する。
【0100】
また、第3個別排気管43の内部空間は、第3出口開口57を介して流通空間54に連通する。具体的には、第3個別排気管43は、第3出口開口57に対向する開口43kを有する。
【0101】
図8に示すように、切換機構51は、第1開口開閉部61~第3開口開閉部63を更に有する。第1開口開閉部61~第3開口開閉部63は、流通空間54に配置される。
【0102】
第1開口開閉部61~第3開口開閉部63はそれぞれ第1出口開口55~第3出口開口57に対応する。換言すると、第1開口開閉部61~第3開口開閉部63はそれぞれ第1個別排気管41の開口41k~第3個別排気管43の開口43kに対応する。
【0103】
第1開口開閉部61は、開放位置と閉塞位置との間で移動可能である。開放位置は、第1開口開閉部61が第1出口開口55を開放する位置である。閉塞位置は、第1開口開閉部61が第1出口開口55を閉塞する位置である。本実施形態では、第1開口開閉部61は、上下方向に延びる回転軸線A1を中心に揺動可能である。第2開口開閉部62及び第3開口開閉部63も、第1開口開閉部61と同様に、開放位置と閉塞位置との間で移動可能である。
【0104】
切換機構51は、処理ユニット1(処理筐体2)の内部空間から流通空間54に流入した気体を、第1個別排気管41~第3個別排気管43のいずれかに流入させる。例えば、第1個別排気管41に気体を流入させる際には、第1開口開閉部61が第1出口開口55を開放し、第2開口開閉部62及び第3開口開閉部63が第2出口開口56及び第3出口開口57を閉塞する。この結果、第1個別排気管41の開口41k~第3個別排気管43の開口43kのうち、第1個別排気管41の開口41kのみが流通空間54に連通する。したがって、処理ユニット1(処理筐体2)から流通空間54に流入した気体が、第1個別排気管41に流入する。
【0105】
続いて、図8を参照して基板処理装置100を更に説明する。図8に示すように、基板処理装置100は、第1圧力センサ71と、第1ダンパ73とを更に備える。第1ダンパ73は、第1圧力調整機構の一例である。
【0106】
第1圧力センサ71は、処理ユニット1(処理筐体2)から第1個別排気管41~第3個別排気管43に流入する気体の圧力を計測する。換言すると、処理ユニット1の排気圧を計測する。例えば、第1圧力センサ71は、切換筐体52の入口開口53又はその近傍に配置されて、切換筐体52の入口開口53に流入する気体の圧力を計測する。
【0107】
第1ダンパ73は、処理ユニット1(処理筐体2)から第1個別排気管41~第3個別排気管43に流入する気体の圧力を調整する。換言すると、処理ユニット1の排気圧を調整する。具体的には、第1ダンパ73の開度が調整されることにより、処理ユニット1の排気圧が調整される。本実施形態では、第1ダンパ73は、切換機構51に設けられる。例えば、第1ダンパ73は、切換筐体52の入口開口53又はその近傍に配置されて、切換筐体52の入口開口53に流入する気体の圧力を調整する。
【0108】
第1ダンパ73の開度は、制御装置101によって制御される。具体的には、制御装置101は、第1圧力センサ71が計測した値に基づいて、第1ダンパ73の開度を調整する。詳しくは、第1圧力センサ71が計測する値が所定値となるように、第1ダンパ73の開度を調整する。
【0109】
続いて、図9を参照して切換機構51を更に説明する。図9は、切換機構51の正面図である。図9に示すように、基板処理装置100は、第1開閉駆動部64~第3開閉駆動部66を更に備える。
【0110】
第1開閉駆動部64は、第1開口開閉部61を開放位置と閉塞位置との間で移動させる。本実施形態では、第1開閉駆動部64は、回転軸線A1を中心に第1開口開閉部61を揺動させる。第1開閉駆動部64は、制御装置101によって制御される。第1開閉駆動部64は、正逆回転可能な電動モータを含む。
【0111】
第2開閉駆動部65は、第2開口開閉部62を開放位置と閉塞位置との間で移動させる。本実施形態では、第2開閉駆動部65は、上下方向に延びる回転軸線A2を中心に第2開口開閉部62を揺動させる。第2開閉駆動部65は、制御装置101によって制御される。第2開閉駆動部65は、正逆回転可能な電動モータを含む。
【0112】
第3開閉駆動部66は、第3開口開閉部63を開放位置と閉塞位置との間で移動させる。本実施形態では、第3開閉駆動部66は、上下方向に延びる回転軸線A3を中心に第3開口開閉部63を揺動させる。第3開閉駆動部66は、制御装置101によって制御される。第3開閉駆動部66は、正逆回転可能な電動モータを含む。
【0113】
続いて、図10を参照して基板処理装置100を更に説明する。図10は、複数の処理ユニット1(複数の処理筐体2)からの排気路の系統図である。図10に示すように、基板処理装置100は、第1圧力センサ71A1~71A6、71B1~71B6、71C1~71C6、71D1~71D6と、第1ダンパ73A1~73A6、73B1~73B6、73C1~73C6、73D1~73D6とを備える。第1ダンパ73A1~73A6、73B1~73B6、73C1~73C6、73D1~73D6は、第1圧力調整機構の一例である。
【0114】
第1圧力センサ71A1~71A6、71B1~71B6、71C1~71C6、71D1~71D6はそれぞれ、処理ユニット1A1~1A6、1B1~1B6、1C1~1C6、1D1~1D6に対応する。同様に、第1ダンパ73A1~73A6、73B1~73B6、73C1~73C6、73D1~73D6はそれぞれ、処理ユニット1A1~1A6、1B1~1B6、1C1~1C6、1D1~1D6に対応する。
【0115】
図8を参照して説明した第1圧力センサ71は、第1圧力センサ71A1~71A6、71B1~71B6、71C1~71C6、71D1~71D6を含む。第1圧力センサ71A1~71A6、71B1~71B6、71C1~71C6、71D1~71D6の構成は、図8を参照して説明した第1圧力センサ71と同様であるため、その説明は割愛する。以下、第1圧力センサ71A1~71A6、71B1~71B6、71C1~71C6、71D1~71D6を区別して説明する必要のないときは、第1圧力センサ71A1~71A6、71B1~71B6、71C1~71C6、71D1~71D6を「第1圧力センサ71」と記載することがある。
【0116】
図8を参照して説明した第1ダンパ73は、第1ダンパ73A1~73A6、73B1~73B6、73C1~73C6、73D1~73D6を含む。第1ダンパ73A1~73A6、73B1~73B6、73C1~73C6、73D1~73D6の構成は、図8を参照して説明した第1ダンパ73と同様であるため、その説明は割愛する。以下、第1ダンパ73A1~73A6、73B1~73B6、73C1~73C6、73D1~73D6を区別して説明する必要のないときは、第1ダンパ73A1~73A6、73B1~73B6、73C1~73C6、73D1~73D6を「第1ダンパ73」と記載することがある。
【0117】
図10に示すように、基板処理装置100は、共通排気管81A、82A、83A、81B、82B、83Bを備える。
【0118】
共通排気管81Aには、第1個別排気管41A、41Bが接続する。したがって、複数の処理ユニット1Aから第1個別排気管41Aに排気される気体は、第1個別排気管41Aを介して共通排気管81Aに流入する。また、複数の処理ユニット1Bから第1個別排気管41Bに排気される気体は、第1個別排気管41Bを介して共通排気管81Aに流入する。
【0119】
共通排気管82Aには、第2個別排気管42A、42Bが接続する。したがって、複数の処理ユニット1Aから第2個別排気管42Aに排気される気体は、第2個別排気管42Aを介して共通排気管82Aに流入する。また、複数の処理ユニット1Bから第2個別排気管42Bに排気される気体は、第2個別排気管42Bを介して共通排気管82Aに流入する。
【0120】
共通排気管83Aには、第3個別排気管43A、43Bが接続する。したがって、複数の処理ユニット1Aから第3個別排気管43Aに排気される気体は、第3個別排気管43Aを介して共通排気管83Aに流入する。また、複数の処理ユニット1Bから第3個別排気管43Bに排気される気体は、第3個別排気管43Bを介して共通排気管83Aに流入する。
【0121】
共通排気管81Bには、第1個別排気管41C、41Dが接続する。したがって、複数の処理ユニット1Cから第1個別排気管41Cに排気される気体は、第1個別排気管41Cを介して共通排気管81Bに流入する。また、複数の処理ユニット1Dから第1個別排気管41Dに排気される気体は、第1個別排気管41Dを介して共通排気管81Bに流入する。
【0122】
共通排気管82Bには、第2個別排気管42C、42Dが接続する。したがって、複数の処理ユニット1Cから第2個別排気管42Cに排気される気体は、第2個別排気管42Cを介して共通排気管82Bに流入する。また、複数の処理ユニット1Dから第2個別排気管42Dに排気される気体は、第2個別排気管42Dを介して共通排気管82Bに流入する。
【0123】
共通排気管83Bには、第3個別排気管43C、43Dが接続する。したがって、複数の処理ユニット1Cから第3個別排気管43Cに排気される気体は、第3個別排気管43Cを介して共通排気管83Bに流入する。また、複数の処理ユニット1Dから第3個別排気管43Dに排気される気体は、第3個別排気管43Dを介して共通排気管83Bに流入する。
【0124】
以下、共通排気管81A、81Bを区別して説明する必要のないときは、共通排気管81A、81Bを「共通排気管81」と記載することがある。共通排気管82A、82Bを区別して説明する必要のないときは、共通排気管82A、82Bを「共通排気管82」と記載することがある。共通排気管83A、83Bを区別して説明する必要のないときは、共通排気管83A、83Bを「共通排気管83」と記載することがある。
【0125】
図10に示すように、基板処理装置100は、第2圧力センサ84A、85A、86A、84B、85B、86Bと、第2ダンパ87A、88A、89A、87B、88B、89Bとを備える。第2ダンパ87A、88A、89A、87B、88B、89Bは、第2圧力調整機構の一例である。
【0126】
第2圧力センサ84A、85A、86A、84B、85B、86Bはそれぞれ、共通排気管81A、82A,83A、81B、82B,83Bに対応する。同様に、第2ダンパ87A、88A、89A、87B、88B、89Bはそれぞれ、共通排気管81A、82A,83A、81B、82B,83Bに対応する。
【0127】
第2圧力センサ84Aは、共通排気管81Aの内部の気体の圧力を測定する。換言すると、共通排気管81Aの排気圧を測定する。同様に、第2圧力センサ85A、86A、84B、85B、86Bはそれぞれ、共通排気管82A、83A、81B、82B、83Bの内部の気体の圧力(排気圧)を測定する。
【0128】
第2ダンパ87Aは、共通排気管81Aの内部の気体の圧力を調整する。具体的には、第2ダンパ87Aの開度が調整されることにより、共通排気管81Aの内部の気体の圧力が調整される。例えば、第2ダンパ87Aは、共通排気管81Aの入口付近に配置される。同様に、第2ダンパ88A、89A、87B、88B、89Bはそれぞれ、共通排気管82A、83A、81B、82B、83Bの内部の気体の圧力を調整する。
【0129】
第2ダンパ87Aの開度は、制御装置101によって制御される。具体的には、制御装置101は、第2圧力センサ84Aが計測した値に基づいて、第2ダンパ87Aの開度を調整する。詳しくは、第2圧力センサ84Aが計測する値が所定値となるように、第2ダンパ87Aの開度を調整する。同様に、制御装置101は、第2圧力センサ85A、86A、84B、85B、86Bが計測する値に基づいて、第2ダンパ88A、89A、87B、88B、89Bのそれぞれの開度を制御する。
【0130】
以下、第2圧力センサ84A、84Bを区別して説明する必要のないときは、第2圧力センサ84A、84Bを「第2圧力センサ84」と記載することがある。同様に、第2圧力センサ85A、85Bを区別して説明する必要のないときは、第2圧力センサ85A、85Bを「第2圧力センサ85」と記載することがある。第2圧力センサ86A、86Bを区別して説明する必要のないときは、第2圧力センサ86A、86Bを「第2圧力センサ86」と記載することがある。
【0131】
また、第2ダンパ87A、87Bを区別して説明する必要のないときは、第2ダンパ87A、87Bを「第2ダンパ87」と記載することがある。同様に、第2ダンパ88A、88Bを区別して説明する必要のないときは、第2ダンパ88A、88Bを「第2ダンパ88」と記載することがある。第2ダンパ89A、89Bを区別して説明する必要のないときは、第2ダンパ89A、89Bを「第2ダンパ89」と記載することがある。
【0132】
続いて、図11を参照して共通排気管81~83を更に説明する。図11は、基板処理装置100の平面図である。
【0133】
共通排気管81A、82A、83Aはそれぞれ、前端81Af、82Af、83Afを有する。共通排気管81B、82B、83Bはそれぞれ、前端81Bf、82Bf、83Bfを有する。
【0134】
前端81Af、82Af、83Af、81Bf、82Bf、83Bfはそれぞれ、共通排気管81A、82A、83A、81B、82B、83Bの上流端に相当する。
【0135】
以下、前端81Af、81Bfを区別して説明する必要のないときは、前端81Af、81Bfを「前端81f」と記載することがある。同様に、前端82Af、82Bfを区別して説明する必要のないときは、前端82Af、82Bfを「前端82f」と記載することがある。前端83Af、83Bfを区別して説明する必要のないときは、前端83Af、83Bfを「前端83f」と記載することがある。
【0136】
共通排気管81の下流端は、第1工場配管に接続される。第1工場配管は、およそ一定の圧力に減圧されている。詳しくは、共通排気管81の下流端は、第1工場配管を介して、第1排気処理設備に接続される。第1排気処理設備は、共通排気管81から気体を回収する。第1排気処理設備は、例えば、基板処理装置100が設置される工場に設けられる。同様に、共通排気管82の下流端は、第2工場配管を介して、第2排気処理設備に接続される。共通排気管83の下流端は、第3工場配管を介して、第3排気処理設備に接続される。
【0137】
図11に示すように、第1個別排気管41Bは、第1個別排気管41Aよりも下流側で共通排気管81Aに接続する。第2圧力センサ84Aは、第1個別排気管41Bと共通排気管81Aとの接続位置よりも下流側に設置される。第2個別排気管42Bは、第2個別排気管42Aよりも下流側で共通排気管82Aに接続する。第2圧力センサ85Aは、第2個別排気管42Bと共通排気管82Aとの接続位置よりも下流側に配置される。第3個別排気管43Bは、第3個別排気管43Aよりも下流側で共通排気管83Aに接続する。第2圧力センサ86Aは、第3個別排気管43Bと共通排気管83Aとの接続位置よりも下流側に配置される。
【0138】
また、第1個別排気管41Dは、第1個別排気管41Cよりも下流側で共通排気管81Bに接続する。第2圧力センサ84Bは、第1個別排気管41Dと共通排気管81Bとの接続位置よりも下流側に設置される。第2個別排気管42Dは、第2個別排気管42Cよりも下流側で共通排気管82Bに接続する。第2圧力センサ85Bは、第2個別排気管42Dと共通排気管82Bとの接続位置よりも下流側に配置される。第3個別排気管43Dは、第3個別排気管43Cよりも下流側で共通排気管83Bに接続する。第2圧力センサ86Bは、第3個別排気管43Dと共通排気管83Bとの接続位置よりも下流側に配置される。
【0139】
前端81f~83fは、基板処理装置100の外部に開放される。例えば、前端81f~83fは、基板処理装置100が設置されるクリーンルームに開放される。前端81f~83fから共通排気管81~83に基板処理装置100の外部の気体が流入する。前端81f~83fから共通排気管81~83に流入した気体は、共通排気管81~83を流通する。また、第1個別排気管41、第2個別排気管42、及び第3個別排気管43のいずれかに流入することがある。
【0140】
第2ダンパ87Aは、第1個別排気管41Aと共通排気管81Aとの接続位置よりも上流側に配置される。例えば、第2ダンパ87Aは、前端81Af付近に配置される。同様に、第2ダンパ88Aは、第2個別排気管42Aと共通排気管82Aとの接続位置よりも上流側に配置される。第2ダンパ89Aは、第3個別排気管43Aと共通排気管83Aとの接続位置よりも上流側に配置される。
【0141】
第2ダンパ87Bは、第1個別排気管41Cと共通排気管81Bとの接続位置よりも上流側に配置される。例えば、第2ダンパ87Bは、前端81Bf付近に配置される。同様に、第2ダンパ88Bは、第2個別排気管42Cと共通排気管82Bとの接続位置よりも上流側に配置される。第2ダンパ89Bは、第3個別排気管43Cと共通排気管83Bとの接続位置よりも上流側に配置される。
【0142】
共通排気管81Aの内部の圧力は、第1個別排気管41Aから共通排気管81Aに流入する気体の流量の変動と、第1個別排気管41Bから共通排気管81Aに流入する気体の流量の変動とに起因して変動する。制御装置101は、第2圧力センサ84Aが計測した値に基づいて、共通排気管81Aの内部の圧力が所定値となるように第2ダンパ87Aの開度を制御する。同様に、制御装置101は、第2ダンパ88A,89A、87B、88B、89Bの開度を調整する。
【0143】
以上、図2図11を参照して基板処理装置100の構成を説明した。なお、図1を参照して説明した基板処理装置100Lは、図2図11を参照して基板処理装置100と略同じ構成を有するため、その説明は割愛する。
【0144】
続いて、図1図12を参照して基板処理装置100を更に説明する。図12は、基板処理装置100を示すブロック図である。図12に示すように、制御装置101は、制御部102と、記憶部103とを含む。また、基板処理装置100は、表示部104と、入力部105と、通信部106とを更に備える。
【0145】
制御部102は、プロセッサーを有する。制御部102は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又は、MPU(Micro Processing Unit)を有する。あるいは、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
【0146】
記憶部103は、制御プログラムPG1及びデータを記憶する。制御プログラムPG1は、コンピュータプログラムである。データは、レシピデータRPを含む。レシピデータRPは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容及び処理手順等を規定する。
【0147】
記憶部103は、主記憶装置を有する。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。記憶部103は、補助記憶装置を更に有してもよい。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリ及びハードディスクドライブの少なくも一方を含む。記憶部103はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部103に記憶されている制御プログラムPG1及びデータに基づいて、基板処理装置100の各部の動作を制御する。
【0148】
本実施形態では、記憶部103は、位置情報MPDと、距離情報MLDと、学習済モデルLMと、ダンパ開度調整情報PAとを更に記憶する。位置情報MPD及び距離情報MLDは、図1を参照して説明した装置情報MDの一部である。
【0149】
位置情報MPDは、基板処理装置100における複数の処理ユニット1のそれぞれの位置を示す。位置情報MPDは、基板処理装置100における複数の処理ユニット1のそれぞれの座標を示してもよい。距離情報MLDは、基板処理装置100における各排気経路距離を示す。各排気経路距離は、処理ユニット1A、1Bから排気された気体が共通排気管81A~83Aの下流端から排出されるまでのそれぞれの距離と、処理ユニット1C、1Dから排気された気体が共通排気管81B~83Bの下流端から排出されるまでのそれぞれの距離とを含む。
【0150】
処理ユニット1A、1Bにおいて、排気経路距離は処理ユニット1ごとに異なる。同様に、処理ユニット1C、1Dにおいて、排気経路距離は処理ユニット1ごとに異なる。排気経路距離は、共通排気管81~83の内部の圧力(排気圧)に影響を与える因子である。また、複数の処理ユニット1のそれぞれの位置も、共通排気管81~83の内部の圧力(排気圧)に影響を与える因子である。
【0151】
学習済モデルLMは、図1を参照して説明したように、装置情報MDに基づいてダンパ開度調整情報PAを出力する。具体的には、制御部102が装置情報MDを学習済モデルLMに入力すると、学習済モデルLMからダンパ開度調整情報PAが出力される。
【0152】
ダンパ開度調整情報PAは、処理時圧力調整情報の一例である。ダンパ開度調整情報PAは、第1ダンパ73の動作と、第2ダンパ87、88、89の動作とを規定する情報である。詳しくは、ダンパ開度調整情報PAは、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを時系列に沿って示す時系列データである。制御部102は、処理対象基板Wpの処理時に、ダンパ開度調整情報PAに基づいて、第1ダンパ73の動作(第1ダンパ73の開度)と、第2ダンパ87、88、89の動作(第2ダンパ87、88、89の開度)とを制御する。
【0153】
表示部104は、各種画面や各種情報を表示する。表示部104は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。表示部104は、例えば、レシピデータRPの設定画面、位置情報MPDの設定画面、及び距離情報MLDの設定画面を表示してもよい。
【0154】
入力部105は、作業者からの入力を受け付けて、制御部102に各種情報を出力する。例えば、入力部105は、レシピデータRP、位置情報MPD、及び距離情報MLDの入力を受け付けてもよい。入力部105は、例えば、タッチパネル及びポインティングデバイスを含む。タッチパネルは、例えば、表示部104の表示面に配置される。入力部105と表示部104とは、例えば、グラフィカルユーザーインターフェースを構成する。
【0155】
通信部106は、ネットワークに接続されて、外部装置と通信する。ネットワークは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話網、及び、近距離無線ネットワークを含む。通信部106は、通信機であり、例えば、ネットワークインターフェースコントローラーである。本実施形態では、通信部106は、学習装置500との間で通信を実行する。通信部106は、学習装置500から学習済モデルLMを受信する。制御部102は、通信部106が受信した学習済モデルLMを記憶部103に記憶させる。
【0156】
続いて図12及び図13を参照して、ダンパ開度調整情報PAを取得する処理を説明する。図13は、ダンパ開度調整情報PAを取得する処理を示すフロー図である。ダンパ開度調整情報PAを取得する処理は、制御部102が実行する。図13に示す処理は、入力部105が作業者から処理対象基板Wpの処理の開始の指示を受け付けることによって開始する。
【0157】
制御部102は、入力部105が作業者から処理対象基板Wpの処理の開始の指示を受け付けると、装置情報MDを取得する(ステップS1)。制御部102は、装置情報MDを取得すると、学習済モデルLMに装置情報MDを入力する(ステップS2)。その結果、学習済モデルLMからダンパ開度調整情報PAが出力される。制御部102は、学習済モデルLMから出力されたダンパ開度調整情報PAを取得する(ステップS3)。その結果、図13に示す処理が終了する。
【0158】
続いて、図14を参照して装置情報MDを説明する。図14は、装置情報MDを示す図である。図14に示すように、装置情報MDは、処理時手順情報MPRと、処理対象枚数情報MCと、位置情報MPDと、距離情報MLDとを含む。
【0159】
処理時手順情報MPRは、処理対象基板Wpを処理液で処理する手順を示す。制御部102は、レシピデータRPから処理時手順情報MPRを取得してもよい。
【0160】
処理対象枚数情報MCは、処理対象基板Wpを処理する枚数の単位を示す。既に説明したように、ダンパ開度調整情報PAは時系列データであり、処理対象基板Wpを処理する枚数によって内容が異なる。処理対象基板Wpを処理する枚数は、例えば、ロット単位で示される。例えば、処理対象枚数情報MCは、1ロットを示す。処理対象枚数情報MCが1ロットを示す場合、ダンパ開度調整情報PAは、1ロットを構成する複数枚の処理対象基板Wpを処理する際の第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを時系列に沿って示す。制御部102は、レシピデータRPから処理対象枚数情報MCを取得してもよい。
【0161】
位置情報MPD及び距離情報MLDは、図12を参照して説明したように記憶部103に記憶されている。制御部102は、記憶部103から位置情報MPD及び距離情報MLDを取得する。
【0162】
続いて図15を参照して処理時手順情報MPRを説明する。図15は処理時手順情報MPRの一例を示す図である。図15は、処理対象基板Wpを処理する手順の一例を示す。図15に示すように、処理対象基板Wpは、第1処理液及び第2処理液で薬液処理されてもよい。
【0163】
続いて図16を参照して、基板処理装置100の動作の一例を説明する。図16は、基板処理装置100の動作の一例を示す図である。詳しくは、図16は、1枚の処理対象基板Wpを処理する際の基板処理装置100の動作を示す。なお、処理対象基板Wpを処理する前に、図13を参照して説明した処理により、記憶部103にダンパ開度調整情報PAが記憶されている。
【0164】
図16に示すように、ステップS11において、処理対象基板Wpが処理ユニット1に搬入される。搬入された処理対象基板Wpは、基板保持部31によって保持される。具体的には、処理対象基板Wpは、搬送機構153によって処理ユニット1に搬入される。
【0165】
ステップS12において、処理対象基板Wpに第1処理液が供給される。具体的には、第1ノズル33から処理対象基板Wpの上面に第1処理液が吐出される。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第1個別排気管41を介して、共通排気管81に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを、ダンパ開度調整情報PAを参照して調整する。
【0166】
第1処理液による処理の終了後、ステップS13において、処理対象基板Wpにリンス液が供給される。具体的には、第4ノズル36から処理対象基板Wpの上面にリンス液が吐出される。この結果、処理対象基板Wpから第1処理液が除去される。詳しくは、第1処理液の液膜がリンス液の液膜に置換される。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第1個別排気管41を介して、共通排気管81に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを、ダンパ開度調整情報PAを参照して調整する。
【0167】
リンス処理後、ステップS14において、処理対象基板Wpに第2処理液が供給される。具体的には、第2ノズル34から処理対象基板Wpの上面に第2処理液が吐出される。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第2個別排気管42を介して、共通排気管82に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを、ダンパ開度調整情報PAを参照して調整する。
【0168】
第2処理液による処理の終了後、ステップS15において、処理対象基板Wpにリンス液が供給される。この結果、処理対象基板Wpから第2処理液が除去される。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第2個別排気管42を介して、共通排気管82に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを、ダンパ開度調整情報PAを参照して調整する。
【0169】
リンス処理後、ステップS16において、処理対象基板Wpに第3処理液が供給される。具体的には、第3ノズル35から処理対象基板Wpの上面に第3処理液が吐出される。この結果、処理対象基板Wpからリンス液が除去される。詳しくは、リンス液の液膜が第3処理液の液膜に置換される。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第3個別排気管43を介して、共通排気管83に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを、ダンパ開度調整情報PAを参照して調整する。
【0170】
リンス液を第3処理液に置換した後、ステップS17において、制御部102は、回転駆動部32を制御して、処理対象基板Wpを乾燥させる。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第3個別排気管43を介して、共通排気管83に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを、ダンパ開度調整情報PAを参照して調整する。
【0171】
具体的には、制御部102は、処理対象基板Wpの回転速度を増大させて、処理対象基板Wp上の第3処理液に大きな遠心力を付与する。この結果、処理対象基板Wpに付着している第3処理液が処理対象基板Wpの周囲に振り切られる。このようにして、処理対象基板Wpから第3処理液を除去し、処理対象基板Wpを乾燥させる。
【0172】
なお、制御部102は、例えば処理対象基板Wpの高速回転を開始してから所定時間が経過した後に、回転駆動部32による処理対象基板Wpの回転を停止させる。
【0173】
処理対象基板Wpの乾燥処理が終了した後、ステップS18において、処理ユニット1から処理対象基板Wpが搬出されて、図16に示す処理が終了する。具体的には、処理対象基板Wpは、搬送機構153によって処理ユニット1から搬出される。なお、図16に示す処理は、処理対象枚数情報MCによって規定される枚数の処理対象基板Wpが処理されるまで繰り返される。
【0174】
以上、図1図16を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明した。本実施形態によれば、ダンパ開度調整情報PAを参照して、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを調整することができる。したがって、第1圧力センサ71の計測値と第2圧力センサ84、85、86の計測値とにのみ基づいて第1ダンパ73の開度と第2ダンパ87、88、89の開度とを調整する場合と比べて、各処理ユニット1の排気圧をより適切に調整できる。
【0175】
詳しくは、第1圧力センサ71の計測値にのみ基づいて第1ダンパ73の開度を調整する場合、第1圧力センサ71の計測値の変動を検出してから、第1ダンパ73の開度が実際に調整されるまでの間に、若干の遅れが生じる。したがって、処理ユニット1の排気圧が適切でない時間帯が生じる。これに対し、本実施形態によれば、ダンパ開度調整情報PAを参照して、第1ダンパ73の開度を調整することができる。したがって、第1圧力センサ71の計測値によることなく、第1ダンパ73の開度を調整することができる。その結果、第1圧力センサ71の計測値の変動を検出してから第1ダンパ73の開度を調整する場合よりも早いタイミングで第1ダンパ73の開度を調整することができる。よって、各処理ユニット1の排気圧をより適切に調整できる。
【0176】
第2圧力センサ84、85、86の計測値にのみ基づいて第2ダンパ87、88、89の開度を調整する場合も同様に、第2圧力センサ84、85、86の計測値の変動を検出してから、第2ダンパ87、88、89の開度が実際に調整されるまでの間に、若干の遅れが生じる。したがって、共通排気管81~83の内部の圧力(排気圧)が適切でない時間帯が生じる。各処理ユニット1の排気圧は、共通排気管81~83の内部の圧力の影響を受けるため、共通排気管81~83の内部の圧力が適切でない時間帯が生じることにより、各処理ユニット1の排気圧が適切でない時間帯が生じる。これに対し、本実施形態によれば、ダンパ開度調整情報PAを参照して、第2ダンパ87、88、89の開度を調整することができる。したがって、第2圧力センサ84、85、86の計測値の変動を検出してから第2ダンパ87、88、89の開度を調整する場合よりも早いタイミングで第2ダンパ87、88、89の開度を調整することができる。よって、各処理ユニット1の排気圧をより適切に調整できる。
【0177】
続いて、図17を参照して基板処理装置100Lを説明する。図17は、基板処理装置100Lを示すブロック図である。図17に示すように、基板処理装置100Lは、図12を参照して説明した基板処理装置100と比べて、複数の第1ダンパ開度センサ107と、複数の第2ダンパ開度センサ108と、複数の温度センサ109と、複数の第1濃度センサ110と、複数の第2濃度センサ111と、複数の第3濃度センサ112と、複数の風量センサ113とを更に備える。
【0178】
複数の第1ダンパ開度センサ107は、複数の第1ダンパ73の開度を計測する。複数の第1ダンパ開度センサ107の計測値から、学習対象基板WLの処理時における各第1ダンパ73の動作を示す情報(学習時圧力調整情報)が生成される。
【0179】
複数の第2ダンパ開度センサ108は、第2ダンパ87、88、89の開度を計測する。複数の第2ダンパ開度センサ108の計測値から、学習対象基板WLの処理時における各第2ダンパ87、88、89の動作を示す情報(学習時圧力調整情報)が生成される。
【0180】
温度センサ109は、処理ユニット1ごとに設けられる。温度センサ109は、処理筐体2の内部の温度を計測する。温度センサ109の計測値から、処理ユニット1の内部の温度を示す温度情報が生成される。
【0181】
第1濃度センサ110は、処理ユニット1ごとに設けられる。第1濃度センサ110は、図7を参照して説明した第1処理液供給配管333に配置されて、第1処理液の濃度を計測する。第1濃度センサ110の計測値から、第1処理液の濃度を示す濃度情報が生成される。
【0182】
第2濃度センサ111は、処理ユニット1ごとに設けられる。第2濃度センサ111は、図7を参照して説明した第2処理液供給配管343に配置されて、第2処理液の濃度を計測する。第2濃度センサ111の計測値から、第2処理液の濃度を示す濃度情報が生成される。
【0183】
第3濃度センサ112は、処理ユニット1ごとに設けられる。第3濃度センサ112は、図7を参照して説明した第3処理液供給配管353に配置されて、第3処理液の濃度を計測する。第3濃度センサ112の計測値から、第3処理液の濃度を示す濃度情報が生成される。
【0184】
風量センサ113は、処理ユニット1ごとに設けられる。風量センサ113は、図7を参照して説明した給気配管39に配置されて、給気配管39を流通する気体の流量を計測する。風量センサ113の計測値から、吹出ユニット38から処理ユニット1(処理筐体2)の内部に吹き出す気体の流量を示す流量情報が生成される。
【0185】
なお、基板処理装置100は、基板処理装置100Lと同様に、複数の第1ダンパ開度センサ107と、複数の第2ダンパ開度センサ108と、複数の温度センサ109と、複数の第1濃度センサ110と、複数の第2濃度センサ111と、複数の第3濃度センサ112と、複数の風量センサ113とを更に備えてもよい。
【0186】
図17に示すように、基板処理装置100Lにおいて、記憶部103は、制御プログラムPG2、複数のテストレシピデータTRP、複数の時系列データTR、位置情報TPD、及び距離情報TLDを記憶する。
【0187】
制御プログラムPG2は、コンピュータプログラムである。制御部102は、記憶部103に記憶されている制御プログラムPG2及びデータに基づいて、基板処理装置100Lの各部の動作を制御する。
【0188】
テストレシピデータTRPは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、学習対象基板WLの処理内容及び処理手順等を規定する。複数のテストレシピデータTRPは、互いに異なる内容を含む。
【0189】
複数の時系列データTRは、制御部102が、複数の第1ダンパ開度センサ107、複数の第2ダンパ開度センサ108、複数の温度センサ109、複数の第1濃度センサ110、複数の第2濃度センサ111、複数の第3濃度センサ112、及び複数の風量センサ113から計測値を取得して作成する。
【0190】
例えば、制御部102は、第1濃度センサ110の測定値を用いて、第1処理液の濃度の時系列に沿った変化を示すデータ(時系列データ)を作成する。第1処理液の濃度の時系列データは、第1処理液の濃度を示す濃度情報の一例である。例えば、制御部102は、1ロットを構成する複数枚の学習対象基板WLの処理時に第1濃度センサ110によって測定された測定値を時系列に沿って並べて、第1処理液の濃度の時系列データを作成する。第1処理液の濃度の時系列データは、第1濃度センサ110ごとに作成される。
【0191】
複数の時系列データTRは、複数の第1ダンパ73のそれぞれの動作を示す複数の第1ダンパ時系列データを含む。詳しくは、各第1ダンパ時系列データは、各第1ダンパ73の開度の時系列に沿った変化を示す。第1ダンパ時系列データは、制御部102が、第1ダンパ開度センサ107の計測値に基づいて作成する。第1ダンパ時系列データは、第1ダンパ開度センサ107ごとに作成される。複数の第1ダンパ時系列データは、学習時圧力調整情報の一部である。
【0192】
また、複数の時系列データTRは、第2ダンパ87、88、89のそれぞれの動作を示す複数の第2ダンパ時系列データを含む。詳しくは、複数の第2ダンパ時系列データは、第2ダンパ87、88、89のそれぞれの開度の時系列に沿った変化を示す。第2ダンパ時系列データは、制御部102が、第2ダンパ開度センサ108の計測値に基づいて作成する。第2ダンパ時系列データは、第2ダンパ開度センサ108ごとに作成される。複数の第2ダンパ時系列データは、学習時圧力調整情報の一部である。
【0193】
位置情報TPDは、基板処理装置100Lにおける複数の処理ユニット1のそれぞれの位置を示す。位置情報TPDは、基板処理装置100Lにおける複数の処理ユニット1のそれぞれの座標を示してもよい。距離情報TLDは、基板処理装置100Lにおける各排気経路距離を示す。
【0194】
続いて、図18を参照してテストレシピデータTRPを説明する。図18は、テストレシピデータTRPを示す図である。図18に示すように、テストレシピデータTRPは、学習時手順情報TPRと、学習対象枚数情報TCと、第1ダンパ開度設定情報DS1と、第2ダンパ開度設定情報DS2とを含む。
【0195】
学習時手順情報TPRは、学習対象基板WLを処理液で処理する手順である学習時処理手順を示す。学習対象枚数情報TCは、図14を参照して説明した処理対象枚数情報MCと同様に、学習対象基板WLを処理する枚数の単位を示す。例えば、学習対象枚数情報TCは、1ロットを示す。
【0196】
第1ダンパ開度設定情報DS1は、各第1ダンパ73の開度の設定値を示す。例えば、第1ダンパ開度設定情報DS1は、学習対象基板WLを処理液で処理する手順に沿って変化する各第1ダンパ73の開度の設定値を示してもよい。
【0197】
第2ダンパ開度設定情報DS2は、第2ダンパ87、88、89の開度の設定値を示す。例えば、第2ダンパ開度設定情報DS2は、学習対象基板WLを処理液で処理する手順に沿って変化する第2ダンパ87、88、89の開度の設定値を示してもよい。
【0198】
第1ダンパ開度設定情報DS1及び第2ダンパ開度設定情報DS2は、学習対象基板WLの処理時における第1ダンパ73の開度、及び第2ダンパ87、88、89の開度を示す。学習時処理手順に沿って学習対象基板WLを処理する際に、第1ダンパ73の開度、及び第2ダンパ87、88、89の開度は、第1ダンパ開度設定情報DS1及び第2ダンパ開度設定情報DS2に設定されている開度に制御される。
【0199】
既に説明したように、複数のテストレシピデータTRPは、互いに異なる内容を含む。例えば、学習時手順情報TPR及び学習対象枚数情報TCが同じテストレシピデータTRPの間では、第1ダンパ開度設定情報DS1と第2ダンパ開度設定情報DS2との少なくとも一方が異なる。
【0200】
続いて図19を参照して、学習時手順情報TPRを説明する。図19は学習時手順情報TPRの一例を示す図である。図19は、学習対象基板WLを処理する手順の一例を示す。図19に示すように、テストレシピデータTRPは、学習対象基板WLを第1処理液及び第2処理液で薬液処理する手順を示してもよい。
【0201】
続いて図16を参照して、基板処理装置100Lの動作の一例を説明する。まず、ステップS11において、学習対象基板WLが処理ユニット1に搬入される。次に、ステップS12において、学習対象基板WLに第1処理液が供給される。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第1個別排気管41を介して、共通排気管81に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ開度設定情報DS1と第2ダンパ開度設定情報DS2とに基づいて、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを制御する。
【0202】
第1処理液による処理の終了後、ステップS13において、学習対象基板WLにリンス液が供給される。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第1個別排気管41を介して、共通排気管81に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ開度設定情報DS1と第2ダンパ開度設定情報DS2とに基づいて、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを制御する。
【0203】
リンス処理後、ステップS14において、学習対象基板WLに第2処理液が供給される。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第2個別排気管42を介して、共通排気管82に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ開度設定情報DS1と第2ダンパ開度設定情報DS2とに基づいて、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを制御する。
【0204】
第2処理液による処理の終了後、ステップS15において、学習対象基板WLにリンス液が供給される。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第2個別排気管42を介して、共通排気管82に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ開度設定情報DS1と第2ダンパ開度設定情報DS2とに基づいて、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを制御する。
【0205】
リンス処理後、ステップS16において、学習対象基板WLに第3処理液が供給される。この結果、リンス液の液膜が第3処理液の液膜に置換される。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第3個別排気管43を介して、共通排気管83に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ開度設定情報DS1と第2ダンパ開度設定情報DS2とに基づいて、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを制御する。
【0206】
リンス液を第3処理液に置換した後、ステップS17において、制御部102は、回転駆動部32を制御して、学習対象基板WLを乾燥させる。このとき、処理ユニット1から排気される気体は、第3個別排気管43を介して、共通排気管83に排気される。また、制御部102は、第1ダンパ開度設定情報DS1と第2ダンパ開度設定情報DS2とに基づいて、第1ダンパ73の開度と、第2ダンパ87、88、89の開度とを制御する。
【0207】
学習対象基板WLの乾燥処理が終了した後、ステップS18において、処理ユニット1から学習対象基板WLが搬出されて、図16に示す処理が終了する。なお、図16に示す処理は、学習対象枚数情報TCによって規定される枚数の学習対象基板WLが処理されるまで繰り返される。
【0208】
続いて、図20を参照して学習用データ生成装置400を説明する。図20は、学習用データ生成装置400を示すブロック図である。図20に示すように、学習用データ生成装置400は、制御装置401を備える。制御装置401は、制御部402と、記憶部403とを含む。
【0209】
制御部402は、プロセッサーを有する。制御部402は、例えば、CPU又はMPUを有する。あるいは、制御部402は、汎用演算機を有してもよい。記憶部403は、制御プログラムPG3及びデータを記憶する。制御プログラムPG3は、コンピュータプログラムである。記憶部403は、主記憶装置を有する。記憶部403は、補助記憶装置を更に有してもよい。記憶部403はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部402は、記憶部403に記憶されている制御プログラムPG3及びデータに基づいて、各種処理を実行する。
【0210】
具体的には、制御部402は、基板処理装置100Lから取得した学習対象情報LTDを記憶部403に記憶させる。また、制御部402は、検査装置300から取得した処理結果情報RSを記憶部403に記憶させる。そして、学習対象情報LTDと処理結果情報RSとを関連付けて、学習用データLFDを生成する。なお、図1を参照して説明したように、制御部402には、学習対象情報LTDと共に基板情報が入力される。また、制御部402には、処理結果情報RSと共に基板情報が入力される。
【0211】
図20に示すように、学習対象情報LTDは、学習時手順情報TPR、学習対象枚数情報TC、複数の時系列データTR、位置情報TPD、及び距離情報TLDを含む。
【0212】
図20に示すように、学習用データ生成装置400は、表示部404と、入力部405と、通信部406とを更に備える。
【0213】
表示部404は、各種画面や各種情報を表示する。表示部404は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。表示部404は、制御部402に各種データを入力するための入力画面を表示してもよい。
【0214】
入力部405は、作業者からの入力を受け付けて、制御部402に各種情報を出力する。入力部405は、例えば、タッチパネル及びポインティングデバイスを含む。入力部405は、学習用データLFDを生成する指示の入力を受け付けてもよい。
【0215】
通信部406は、ネットワークに接続されて、外部装置と通信する。通信部406は、通信機であり、例えば、ネットワークインターフェースコントローラーである。本実施形態では、通信部406は、基板処理装置100L及び検査装置300との間で通信を実行する。
【0216】
通信部406は、基板処理装置100Lから学習対象情報LTD及び基板情報を受信する。制御部402は、通信部406が受信した学習対象情報LTD及び基板情報を記憶部403に記憶させる。また、通信部406は、検査装置300から処理結果情報RS及び基板情報を受信する。制御部402は、通信部406が受信した処理結果情報RS及び基板情報を記憶部403に記憶させる。
【0217】
続いて、図20及び図21を参照して、本実施形態の学習用データ生成方法を説明する。図21は、本実施形態の学習用データ生成方法のフロー図である。学習用データLFDの生成は、学習用データ生成装置400において行われる。
【0218】
図21に示すように、ステップS111において、学習用データ生成装置400(制御部402)が、学習対象情報LTDを取得する。典型的には、学習用データ生成装置400(制御部402)は、基板処理装置100Lから学習対象情報LTDを取得する。記憶部403は、取得した学習対象情報LTDを記憶する。詳しくは、学習用データ生成装置400(制御部402)は、学習対象情報LTDと共に基板情報を取得する。
【0219】
ステップS112において、学習用データ生成装置400(制御部402)が、処理結果情報RSを取得する。典型的には、学習用データ生成装置400(制御部402)は、検査装置300から処理結果情報RSを取得する。記憶部403は、取得した処理結果情報RSを記憶する。詳しくは、学習用データ生成装置400(制御部402)は、処理結果情報RSと共に基板情報を取得する。
【0220】
ステップS113において、学習用データ生成装置400(制御部402)が、学習対象情報LTDと処理結果情報RSとを関連付けて、学習用データLFDを生成する。詳しくは、学習用データ生成装置400(制御部402)は、基板情報を用いて、学習対象情報LTDと処理結果情報RSとを関連付ける。記憶部403には、複数の学習用データLFDが記憶される。例えば、1ロットごとに学習用データLFDが記憶される。
【0221】
なお、学習用データ生成装置400は、複数の基板処理装置100Lと通信可能に接続されてもよい。
【0222】
続いて、図22を参照して学習装置500を説明する。図22は、学習装置500を示すブロック図である。図22に示すように、学習装置500は、制御装置501を備える。制御装置501は、制御部502と、記憶部503とを含む。制御部502は、学習部の一例である。
【0223】
制御部502は、プロセッサーを有する。制御部502は、例えば、CPU又はMPUを有する。あるいは、制御部502は、汎用演算機を有してもよい。制御部502は、NCU(Neural Network Processing Unit)を更に有してもよい。
【0224】
記憶部503は、制御プログラムPG4及びデータを記憶する。制御プログラムPG4は、コンピュータプログラムである。記憶部503は、主記憶装置を有する。記憶部503は、補助記憶装置を更に有してもよい。記憶部503はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部502は、記憶部503に記憶されている制御プログラムPG4及びデータに基づいて、各種処理を実行する。
【0225】
記憶部503は、学習プログラムLPGを更に記憶する。制御部502は、学習用データ生成装置400から取得した複数の学習用データLFDを記憶部503に記憶させる。
【0226】
学習プログラムLPGは、複数の学習用データLFDの中から一定の規則を見出し、見出した規則を表現する学習済モデルLMを生成するための機械学習アルゴリズムを実行するためのプログラムである。制御部502が学習プログラムLPGを実行することにより、複数の学習用データLFDが機械学習されて、推論プログラムのパラメータが調整される。この結果、学習済モデルLMが生成される。
【0227】
機械学習アルゴリズムは、教師あり学習であれば、特に限定されず、例えば、決定木、最近傍法、単純ベイズ分類器、サポートベクターマシン、又は、ニューラルネットワークである。したがって、学習済モデルLMは、決定木、最近傍法、単純ベイズ分類器、サポートベクターマシン、又は、ニューラルネットワークを含む。学習済モデルLMを生成する機械学習において、誤差逆伝搬法を利用してもよい。
【0228】
例えば、ニューラルネットワークは、入力層、単数又は複数の中間層、及び、出力層を含む。具体的には、ニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)、又は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)であり、ディープラーニングを行う。例えば、ディープニューラルネットワークは、入力層、複数の中間層、及び、出力層を含む。
【0229】
図22に示すように、学習装置500は、表示部504と、入力部505と、通信部506とを更に備える。
【0230】
表示部504は、各種画面や各種情報を表示する。表示部504は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。表示部504は、制御部502に各種データを入力するための入力画面を表示してもよい。
【0231】
入力部505は、作業者からの入力を受け付けて、制御部502に各種情報を出力する。入力部505は、例えば、タッチパネル及びポインティングデバイスを含む。入力部505は、学習済モデルLMを生成する指示の入力を受け付けてもよい。
【0232】
通信部506は、ネットワークに接続されて、外部装置と通信する。通信部506は、通信機であり、例えば、ネットワークインターフェースコントローラーである。本実施形態では、通信部506は、学習用データ生成装置400との間で通信を実行する。また、通信部506は、図12を参照して説明したように、基板処理装置100との間で通信を実行する。
【0233】
通信部506は、学習用データ生成装置400から複数の学習用データLFDを受信する。制御部502は、通信部506が受信した複数の学習用データLFDを記憶部503に記憶させる。また、通信部506は、基板処理装置100に学習済モデルLMを送信する。
【0234】
続いて、図22及び図23を参照して、本実施形態の学習方法及び学習済モデルの生成方法を説明する。図23は、本実施形態の学習方法及び学習済モデルの生成方法のフロー図である。学習用データLFDの学習及び学習済モデルLMの生成は、学習装置500において行われる。
【0235】
図23に示すように、ステップS121において、制御部502は、記憶部503から複数の学習用データLFDを取得する。
【0236】
次に、ステップS122において、制御部502は、学習プログラムLPGに基づいて複数の学習用データLFDを機械学習する。
【0237】
次に、ステップS123において、制御部502は、複数の学習用データLFDの機械学習が終了するか否かを判定する。機械学習を終了するか否かは、予め定められた条件にしたがって決定される。例えば、機械学習は、所定数以上の学習用データLFDを機械学習すると終了する。
【0238】
機械学習が終了しない場合(ステップS123においてNo)、処理は、ステップS121に戻る。その場合、機械学習が繰り返される。一方、機械学習が終了した場合(ステップS123においてYes)、処理は、ステップS124に進む。
【0239】
ステップS124において、制御部502は、複数の学習済パラメータ(係数)を適用したモデル(1以上の関数)を、学習済モデルLMとして出力する。記憶部503は学習済モデルLMを記憶する。この結果、学習方法が終了し、学習済モデルLMが生成される。
【0240】
なお、学習装置500は、複数の学習用データ生成装置400と通信可能に接続されてもよい。
【0241】
以上、図17図23を参照して、学習済モデルLMを生成する処理を説明した。本実施形態によれば、学習用データLFDは、処理結果情報RSと学習対象情報LTDとが関連付けられて生成される。学習対象情報LTDは、学習時手順情報TPRと、学習対象枚数情報TCと、第1ダンパ開度設定情報DS1と、第2ダンパ開度設定情報DS2とを含む。図1を参照して説明したように、処理結果情報RSは、処理後基板WLaに発生しているパーティクルの数を示す。あるいは、処理結果情報RSは、パーティクルの数が規定値を超えているか否かを判定した結果を示す。したがって、学習済モデルLMから出力されるダンパ開度調整情報PAを参照して第1ダンパ73の開度及び第2ダンパ87、88、89の開度を調整することにより、パーティクル数を抑制することができる。
【0242】
また、本実施形態によれば、処理対象基板Wpの処理に用いる処理液の種類や、処理対象基板Wpを処理する手順に応じて、処理ユニット1の排気圧を変更することができる。したがって、処理ユニット1の排気圧が一定値に制御される構成と比べて、パーティクル数を抑制することができる。例えば、第1処理液がSPMである場合、ヒュームが発生してパーティクル数が増加することがある。これに対し、本実施形態によれば、第1処理液がSPMである場合に、処理ユニット1の排気圧を大きくして、ヒュームの発生を抑制することができる。
【0243】
なお、本実施形態では、基板処理装置100の記憶部103が学習済モデルLMを記憶したが、基板処理装置100の記憶部103は学習済モデルLMを記憶しなくてもよい。この場合、基板処理装置100は、装置情報MDを学習装置500に送信して、学習装置500からダンパ開度調整情報PAを取得してもよい。
【0244】
また、本実施形態では、学習用データ生成装置400が学習用データLFDを生成したが、基板処理装置100Lが学習用データLFDを生成してもよいし、学習装置500が学習用データLFDを生成してもよい。
【0245】
また、本実施形態では、学習装置500が学習済モデルLMを生成したが、基板処理装置100Lが学習済モデルLMを生成してもよいし、学習用データ生成装置400が学習済モデルLMを生成してもよい。
【0246】
また、本実施形態では、学習対象情報LTDは、第1処理液~第3処理液のそれぞれの濃度を示す時系列データ(濃度情報)と、処理ユニット1の内部の温度を示す時系列データ(温度情報)と、吹出ユニット38から処理ユニット1(処理筐体2)の内部に吹き出す気体の流量を示す時系列データ(流量情報)と、位置情報TPDと、距離情報TLDとを含むが、学習対象情報LTDは、濃度情報と、温度情報と、流量情報と、位置情報TPDと、距離情報TLDとのうちの一部を含んでもよいし、これらの情報を含まなくてもよい。
【0247】
以上、図面(図1図23)を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0248】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0249】
例えば、図1図23を参照して説明した実施形態では、複数の処理ユニット1Aと、複数の処理ユニット1Bと、複数の処理ユニット1Cと、複数の処理ユニット1Dとが設けられたが、複数の処理ユニット1Aと、複数の処理ユニット1Bと、複数の処理ユニット1Cと、複数の処理ユニット1Dとのうちの1つ、2つ、又は3つが設けられてもよい。あるいは、複数の処理ユニット1Aと、複数の処理ユニット1Bと、複数の処理ユニット1Cと、複数の処理ユニット1Dとに加えて、上下方向に積層される別の複数の処理ユニット1が更に設けられてもよい。
【0250】
また、図1図23を参照して説明した実施形態では、複数の処理ユニット1Aと、複数の処理ユニット1Bと、複数の処理ユニット1Cと、複数の処理ユニット1Dとが設けられたが、1つ処理ユニット1Aと、1つの処理ユニット1Bと、1つの処理ユニット1Cと、1つの処理ユニット1Dとが設けられてもよいし、1つ処理ユニット1Aと、1つの処理ユニット1Bと、1つの処理ユニット1Cと、1つの処理ユニット1Dとのうちの2つ又は3つの処理ユニット1が設けられてもよい。
【0251】
また、図1図23を参照して説明した実施形態では、処理ユニット1は6段に積層されたが、処理ユニット1は2段、3段、4段、又は5段に積層されてもよい。あるいは、処理ユニット1は7段以上に積層されてもよい。
【0252】
また、図1図23を参照して説明した実施形態では、処理ユニット1は、3種類の処理液を用いて基板Wを処理できる構成であったが、処理ユニット1は、1種類の処理液又は2種類の処理液を用いて基板Wを処理する構成であってもよいし、4種類以上の処理液を用いて基板Wを処理する構成であってもよい。
【0253】
また、図1図23を参照して説明した実施形態では、1つの処理ユニット1に対して3本の個別排気管(第1個別排気管41、第2個別排気管42、第3個別排気管43)が設けられたが、例えば、1種類の処理液を用いて基板Wを処理する構成である場合、1つの処理ユニット1に対して1本の個別排気管が設けられる。
【0254】
また、図1図23を参照して説明した実施形態では、第1圧力調整機構としてダンパ(第1ダンパ73)が用いられたが、第1圧力調整機構は、処理ユニット1から第1個別排気管41~第3個別排気管43に流入する気体の圧力を調整できる限り、ダンパに限定されない。例えば、第1圧力調整機構として、ファンが用いられてもよい。この場合、処理時圧力調整情報は、第1圧力調整機構の動作として、ファンの動作を規定する。具体的には、ファンの回転数を規定する。また、学習時圧力調整情報は、第1圧力調整機構の動作として、学習対象基板WLの処理時におけるファンの回転数の時系列データを示す。なお、第1圧力調整機構として、ファン及びダンパが用いられてもよい。
【0255】
また、図1図23を参照して説明した実施形態では、第2圧力調整機構としてダンパ(第2ダンパ87、88、89)が用いられたが、第2圧力調整機構は、共通排気管(共通排気管81~83)内部の気体の圧力を調整できる限り、ダンパに限定されない。例えば、第2圧力調整機構として、ファンが用いられてもよい。この場合、処理時圧力調整情報は、第2圧力調整機構の動作として、ファンの動作を規定する。具体的には、ファンの回転数を規定する。また、学習時圧力調整情報は、第2圧力調整機構の動作として、学習対象基板WLの処理時におけるファンの回転数の時系列データを示す。なお、第2圧力調整機構として、ファン及びダンパが用いられてもよい。
【0256】
また、図1図23を参照して説明した実施形態では、切換機構51に第1ダンパ73が設けられたが、例えば図24に示すように、第1ダンパ73は排気管(排気管40)に設けられてもよい。以下、図24を参照して、本発明の他の実施形態に係る基板処理装置100を説明する。
【0257】
図24は、本発明の他の実施形態に係る基板処理装置100の排気路の系統図である。詳しくは、図24は、排気路の一部を示す。図24に示す基板処理装置100は、複数の排気管40と、複数の切換機構50と、複数の第1ダンパ73とを備える。
【0258】
図24に示すように、排気管40、切換機構50、及び第1ダンパ73は、処理ユニット1ごとに設けられる。したがって、処理ユニット1には、1本の排気管40が接続する。第1ダンパ73は、排気管40に設けられる。排気管40は、処理ユニット1から排気された気体を切換機構50へ流通させる。切換機構50は、排気管40から流入した気体を、第1個別排気管41、第2個別排気管42、及び第3個別排気管43のいずれかに流入させる。
【産業上の利用可能性】
【0259】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、及び学習済モデルに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0260】
1 :処理ユニット
41 :第1個別排気管
42 :第2個別排気管
43 :第3個別排気管
51 :切換機構
73 :第1ダンパ
81 :共通排気管
82 :共通排気管
83 :共通排気管
87 :第2ダンパ
88 :第2ダンパ
89 :第2ダンパ
100 :基板処理装置
102 :制御部
103 :記憶部
500 :学習装置
502 :制御部
503 :記憶部
LFD :学習用データ
LM :学習済モデル
LTD :学習対象情報
MPR :処理時手順情報
PA :ダンパ開度調整情報
RS :処理結果情報
TPR :学習時手順情報
TR :時系列データ
W :基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24