(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-07
(45)【発行日】2025-03-17
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20250310BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20250310BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20250310BHJP
G01G 19/414 20060101ALN20250310BHJP
【FI】
G07G1/12 331A
G07G1/00 331C
G07G1/01 301D
G07G1/00 311E
G01G19/414 Z
(21)【出願番号】P 2024079655
(22)【出願日】2024-05-15
(62)【分割の表示】P 2023045558の分割
【原出願日】2019-08-06
【審査請求日】2024-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永森 周平
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された情報に基づいて商品の情報を取得する商品情報取得部と、
商品を保持する商品保持部を撮像する撮像部と、
前記撮像部の出力に基づいて前記商品保持部が保持する商品の増減を検知する増減検知部と、
前記商品保持部の移動を検知する移動検知部と、
前記増減検知部が商品の増減を検知したが前記商品情報取得部が商品の情報を取得せず且つ前記移動検知部が前記商品保持部の移動を検知すると、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う報知処理部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記増減検知部は、前記撮像部が出力した画像の変化から商品の増減を検知する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記報知処理部は、前記増減検知部が商品の増加を検知したことを受けての商品の登録を促す注意の報知と、前記増減検知部が商品の減少を検知したことを受けての商品の返品登録を促す注意の報知と、の少なくともいずれかを行う
請求項
1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記報知処理部は、前記移動検知部の出力に基づいて、前記商品保持部の移動距離が所定値に至ったとされると、前記報知を行う
請求項
1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記報知処理部は、前記移動検知部の出力に基づいて、前記商品保持部の移動開始からの経過時間が所定値に至ったとされると、前記報知を行う
請求項
1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置
に、
入力された情報に基づいて商品の情報を取得する
機能と、
所定の商品保持部が保持する商品を撮像する機能と、
前記商品保持部が保持する商品の増減を検知する
機能と、
前記商品保持部の移動を検知する
機能と、
商品の増減を検知した
が商品の情報を取得せず且
つ前記商品保持部の移動を検知すると、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う
機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店内を移動するユーザによって、商品の運搬に用いるショッピングカートや買物籠とともに、セルフ登録用のPOSとして、タブレット端末やスマートフォンなどの情報処理装置が用いられるようになってきている。このような情報処理装置においては、運搬する商品を保持する商品保持部に対して投入/取出しされる商品と、当該商品の情報の登録/返品登録と、の対応を確認し、対応していなければその旨をユーザに報知して修正を促す(例えば特許文献1)。
【0003】
しかしながら、従来の技術は、ユーザに商品の登録を促すタイミングでないときに報知を行ってしまうなどの不都合が起こり得るもので、商品保持部に対する商品の投入(または取出し)と、当該商品の情報の登録(または返品登録)とが対応していないとの判断を適切にする上で、改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザに商品の登録を促すべきタイミングでその旨を報知可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報処理装置は、入力された情報に基づいて商品の情報を取得する商品情報取得部と、商品を保持する商品保持部を撮像する撮像部と、前記撮像部の出力に基づいて前記商品保持部が保持する商品の増減を検知する増減検知部と、前記商品保持部の移動を検知する移動検知部と、前記増減検知部が商品の増減を検知したが前記商品情報取得部が商品の情報を取得せず且つ前記移動検知部が前記商品保持部の移動を検知すると、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う報知処理部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態のカートPOSの外観を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、タブレットPOSの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、タブレットPOSの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、タブレットPOSが行う処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、監視処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、登録忘れ時処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、返品忘れ時処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【
図8-1】
図8-1は、登録忘れ時処理における通知の例を示す図である。
【
図8-2】
図8-2は、返品忘れ時処理における通知の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態のカートPOS1の外観を示す斜視図である。カートPOS1は、小売りの店舗に設置されて商品の運搬に用いられるものであって、店舗内を移動しながら購入する商品を収納する。カートPOS1は、顧客が押して店内を移動させるものである。カートPOS1は、取っ手2、カゴ載置部3、キャスター4、スキャナ5、タブレットPOS10を備える。
【0008】
取っ手2は、顧客が把持してカートPOS1を移動させるための部分である。カゴ載置部3(商品保持部の一例)は、商品を収納するカゴKを載置する台であって、上下段に設けられている。キャスター4は、カートPOS1に4脚備えられる。それぞれのキャスター4が個別に回転することで、カートPOS1は顧客に押されて店内を自由に移動することができる。
【0009】
スキャナ5は、顧客が購入する商品に付されたバーコード等のシンボル(商品を特定するための情報)を読み取る装置である。スキャナ5は、シンボルを光学的または撮像して読み取る。スキャナ5は、シンボルをデコードしたものをタブレットPOS10に送信する。
【0010】
タブレットPOS10は、本実施形態における情報処理装置の一例である。タブレットPOS10は、売上登録処理(後述)を実行する。タブレットPOS10は、いわゆるタブレット型コンピュータ(タブレット端末)のような外観および機能を有し、本体部11、表示部12および操作部13を備えている。
【0011】
表示部12は、例えば液晶ディスプレイなど、板状の表示デバイスである。操作部13は、表示部12の表面に重ねられたタッチ入力デバイス(タッチパネル)である。本体部11は、一面に開口部を有する薄い箱状の筐体で、上記各部を収納する。本体部11の開口部は、操作部13が操作を受け付ける領域を露出させる。
【0012】
図2は、タブレットPOS10の構成を概略的に示すブロック図である。タブレットPOS10は、制御部110、記憶部120、I/F(Interface、インタフェース)130などをさらに備え、各部がデータバスやアドレスバス等のシステムバス101を介して相互に接続されて構成されている。また、カートPOS1は、重量センサ7および回転センサ8を、さらに備えている。
【0013】
重量センサ7は、例えば
図1に示すような板状(或いはシート状)の装置であって、上下のカゴ載置部3の底に設けられている。また、重量センサ7は、例えばロードセル(或いは複数並べて配置された感圧センサ)を内蔵し、商品を収納するカゴKの重量に応じた信号を出力する。回転センサ8は、キャスター4に設けられ、キャスター4の回転に応じた信号を出力する。
【0014】
I/F130は、スキャナ5、重量センサ7および回転センサ8の接続を受け、スキャナ5、重量センサ7および回転センサ8と制御部110との通信を仲介する。
【0015】
制御部110は、コンピュータ構成であって、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを備える。ROMは、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAMは、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。制御部110は、CPUがROMや記憶部120に記憶されたプログラムを実行することにより機能し、タブレットPOS10の動作を統括的に制御する。
【0016】
記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部120は、制御部110(CPU)が実行可能な各種のプログラムや、設定情報等を記憶する。
【0017】
また記憶部120は、PLUファイル(商品マスタ)を、記憶している。PLUファイルは、各商品に一意に割り当てられた商品コードと、商品に関する情報(商品情報)とを、対応付けて格納している。商品情報は、例えば、商品の名称(商品名)、価格(単価)、商品分類、重量の基準値などである。ここで、重量の基準値は、商品の特性に応じて所定の幅を持たせて設定されている。例えば、青果は、工業製品に比べて、幅の広い基準値が設定される。
【0018】
タブレットPOS10は、売上登録処理において、スキャナ5が読み取ったシンボルをデコードして商品コードを取得し、当該商品コードで特定される商品に係る商品情報をPLUファイルから読み出し、読み出した商品情報を表示部12に表示するとともに、商品情報を商品情報記憶部(記憶部120の一部領域)に記憶する。
【0019】
図3は、タブレットPOS10の機能構成を示すブロック図である。制御部110は、商品情報取得部111、増減検知部112、重量照会部113、移動検知部114、報知処理部115を備える。制御部110は、ROMや記憶部120に記憶されたプログラムを実行することで、上記各機能部を実現する。
【0020】
商品情報取得部111は、スキャナ5からI/F130を介して入力される情報(商品コード)に基づいて、商品情報を取得する。すなわち、商品情報取得部111は、商品コードで特定される商品に係る商品情報(商品名、価格、重量の基準値など)を、PLUファイルから読み出す。
【0021】
増減検知部112は、所定の商品保持部(カゴ載置部3)が保持する商品が増減したかを検知する。より詳細には、増減検知部112は、I/F130を介して入力される重量センサ7の出力に基づいて、カゴ載置部3が保持する商品の増減に応じた信号を出力するものであって、例えば、カゴ載置部3が保持する商品の重量に応じた値を出力する。
【0022】
重量照会部113は、増減検知部112の出力に基づくカゴ載置部3が保持する商品の重量の増減値と、商品情報取得部111が取得した商品情報に含まれる重量の基準値と、を照らし合わせる。そして増減値が基準値から掛け離れている(例えば基準値として設定された所定の幅内から増減値が外れる)と、重量照会部113は、商品の登録についてユーザに注意を促す情報を示す報知を行う。
【0023】
移動検知部114は、商品保持部(カゴ載置部3)が移動したかを検知する。より詳細には、移動検知部114は、I/F130を介して入力される回転センサ8の出力に基づいて、カゴ載置部3の移動状況に応じた信号を出力する。この信号は、本実施形態では、移動距離を算出可能なものである。
【0024】
報知処理部115は、増減検知部112の出力が商品の増減を示したにも関わらず、商品情報取得部111が商品情報を取得せず、且つ、移動検知部114の出力が、カゴ載置部3が移動したことを示すと、商品の登録についてユーザに注意を促す情報(通知)を報知する。通知の具体例としては、増減検知部112の出力が商品の増加を示したことを受けての商品の登録を促す注意と、増減検知部112の出力が商品の減少を示したことを受けての商品の返品登録を促す注意とがある。また、報知処理部115は、移動検知部114の出力に基づいて、カゴ載置部3の移動距離が所定値に至ったとされると、上述の報知を行う。
【0025】
以上のような構成のタブレットPOS10が行う処理について、次に説明する。
図4は、タブレットPOS10が行う処理の流れを概略的に示すフローチャートである。制御部110は、まず、「登録忘れフラグ」および「返品忘れフラグ」を初期化する(ステップS1)。ここで、フラグの初期状態はOFFである。
【0026】
次に、制御部110は、監視処理(後述、
図5参照)を行い(ステップS2)、その結果のフラグ(登録忘れフラグおよび返品忘れフラグ)の状態に応じて、続く処理を選択する(ステップS3)。
【0027】
ステップS3で、登録忘れフラグがONであった場合、制御部110は、登録忘れ処理(後述、
図6参照)を行う(ステップS4)。また、ステップS3で、返品忘れフラグがONであった場合、制御部110は、返品忘れ処理(後述、
図7参照)を行う(ステップS4)。そして、ステップS3でいずれのフラグもOFFであった場合、制御部110は、商品登録または返品登録を実施する(ステップS6)。
【0028】
そして、制御部110は、ステップS4,S5,S6の後、会計処理に移るかの判断を行う(ステップS7)。ステップS7において会計処理に移ると判断された場合(ステップS7のYes)、制御部110は本処理を終了する。ステップS7において会計処理に移らないと判断された場合(ステップS7のNo)、制御部110は、処理をステップS2に戻す。
【0029】
図5は、監視処理(ステップS2)の流れを概略的に示すフローチャートである。監視処理において制御部110は、増減検知部112の出力からカゴ載置部3の重量の変化を確認し(ステップS11)、変化(増減)があれば(ステップS11のYes)、商品情報取得部111の出力から商品情報の読み取りの有無を確認する(ステップS12)。読み取りがなければ(ステップS12のYes)、移動検知部114の出力からカゴ載置部3の移動状況を確認する(ステップS13)。
【0030】
ステップS13においてカゴ載置部3の移動距離が所定値に至っていると(ステップS13のYes)、制御部110は、重量の変化が増加であるか減少であるかに応じて(ステップS14)、次の処理を選択する。すなわち、制御部110は、ステップS14において重量は増加の場合(ステップS14のYes)、登録忘れフラグをONにする(ステップS15)。また、制御部110は、ステップS14において重量は減少の場合(ステップS14のYes)、返品忘れフラグをONにする(ステップS16)。
【0031】
制御部110は、ステップS15およびS16の後、本処理を終了する。また、制御部110は、ステップS11において重量の変化がなかった場合(ステップS11のNo)と、ステップS12において商品情報の読み取りがあった場合(ステップS12のNo)と、ステップS13において移動がなかった場合(ステップS13のNo)とに、本処理を終了する。
【0032】
図6は、登録忘れ時処理(ステップS4)の流れを概略的に示すフローチャートである。制御部110はまず、表示部12に登録画面と通知を表示し(ステップS21)、画面操作を待機する(ステップS22のNo)。
【0033】
図8-1は、登録忘れ時処理における通知の一例を示す図である。通知は、例えば、登録画面に重ねたポップアップウィンドウとして、表示させる。通知の文面は、例えば、「商品登録をしていない商品がかごに入りました。正しい商品を取り出し、バーコードをスキャンしてください。」である。通知のポップアップウィンドウは「OK」ボタンを備えている。
【0034】
通知の文面を読み終えたユーザが「OK」ボタンに触れると、当該操作を操作部13が受け付け、操作部13から信号を受けた制御部110は、ステップS2において画面操作があったとして(ステップS22のYes)、通知のポップアップウィンドウを閉じて登録画面のみの表示にし(ステップS23)、商品登録が可能な状態にする。
【0035】
続いて制御部110は、ユーザ操作によるバーコードのスキャンを受けて(ステップS24)商品情報を取得し(ステップS25)、商品情報をメモリ(例えばRAM)上に保持する(ステップS26)。続いて制御部110は、ユーザが商品をカゴKに入れるのを受けて(ステップS27)、増減検知部112の出力に基づいて、カゴKに入った商品の実際の重量を取得する(ステップS28)。
【0036】
続いて制御部110は、重量照会部113として、商品の実際の重量が商品情報における重量(基準値)に合うか判断する(ステップS29)。このステップS29において、実際の重量が商品情報における重量(基準値)に合う場合(ステップS29のYes)、制御部110は、商品登録を行う。すなわち、ステップS24でメモリに保持させた商品情報を、記憶部120の商品情報記憶部に、保存する(ステップS30)。そして、制御部110は、登録忘れフラグをOFFに設定して(ステップS31)、本処理を終了する。
【0037】
図7は、返品忘れ時処理(ステップS5)の流れを概略的に示すフローチャートである。制御部110はまず、表示部12に返品登録画面と通知を表示し(ステップS41)、画面操作を待機する(ステップS42のNo)。
【0038】
図8-2は、返品忘れ時処理における通知の例を示す図である。通知は、例えば、返品登録画面に重ねたポップアップウィンドウとして、表示させる。通知の文面は、例えば、「返品登録を忘れています。取り出した商品のバーコードをスキャンしてください。」である。通知のポップアップウィンドウは「OK」ボタンを備えている。
【0039】
通知の文面を読み終えたユーザが「OK」ボタンに触れると、当該操作を操作部13が受け付け、操作部13から信号を受けた制御部110は、ステップS42において画面操作があったとして(ステップS42のYes)、通知のポップアップウィンドウを閉じて返品登録画面のみの表示にし(ステップS43)、返品商品登録が可能な状態にする。
【0040】
続いて制御部110は、ユーザ操作によるバーコードのスキャンを受けて(ステップS44)商品情報を取得し(ステップS45)、商品情報をメモリ(例えばRAM)上に保持する(ステップS46)。
【0041】
続いて制御部110は、重量照会部113として、実際に減った重量が商品情報における重量(基準値)に合うか判断する(ステップS47)。このステップS47において、実際に減った重量が商品情報における重量(基準値)に合う場合(ステップS47のYes)、制御部110は、返品登録を行う。すなわち、ステップS46でメモリに保持させた商品情報を、記憶部120の商品情報記憶部から削除する(ステップS48)。そして、制御部110は、登録忘れフラグをOFFに設定して(ステップS49)、本処理を終了する。
【0042】
このように、本実施形態によれば、商品保持部(カゴ載置部3)内の商品の総重量が増減して、カゴKへの商品の投入または取出しがあったと推定されるにもかかわらず、スキャナ5による商品コードの読み取りが行われなく、ユーザの登録(又は返品)操作忘れの可能性が発生した場合に、カートPOS1の移動の有無や程度を参照することによって、当該商品の読み取りが行われないことがほぼ確実と考えられる状態になるまで待機し、ほぼ確実と考えられる状態になったところで報知することができる。したがって、本実施形態によれば、ユーザに商品の登録を促すべきタイミングでその旨を報知することができる。
【0043】
これにより、例えば、ユーザが、カゴK内の商品を、確認するなどの都合で一旦取出して再度カゴK内に戻すような場合には、従来であれば、取出しからある程度の時間が経過したタイミングでエラー発報されるところであるが、本実施形態によれば、そのような場合には停止していると考えられるので、不要なエラー発報でユーザを煩わせることを避けることができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、例えば、ユーザが、商品が大きい場合などに、当該商品を、スキャンに先立ってカゴKに投入し、その後にスキャナ5を手に取って商品の読み取りを行うような場合に、従来であれば、投入からある程度の時間が経過したなどのタイミングでエラー発報されるところであるが、本実施形態によれば、そのような場合には停止していると考えられるので、不要なエラー発報でユーザを煩わせることを避けることができる。
【0045】
なお、本実施形態においては、カートPOS1に設置されたタブレットPOS10を情報処理装置の一例として説明したが、実施にあたってはこれに限らない。例えば、情報処理装置は、ユーザが手に提げて持ち運ぶ買物籠を商品保持部として、カートPOS1でなく買物籠とともに用いられるのであってもよい。またこの場合の重量センサ7は、買物籠の底に設置される。またこの場合、移動検知部114は、本実施形態と別の手法で、買物籠の移動を検知する。
【0046】
また、本実施形態における移動検知部114は、キャスター4に設けられた回転センサ8により移動を検知するが、実施にあたってはこれに限らない。例えば、移動検知部114は、店内の複数箇所に配置されたビーコンが発する信号を受信し、受信するビーコンの移り変わりを認識することで、商品保持部の移動を検知してもよい。また移動検知部114は、例えばGPSを利用して位置検知を行って、商品保持部の移動を検知してもよい。また移動検知部114は、例えば、店内を撮像しての画像認識によって移動の動線を検出して、商品保持部の移動を検知してもよい。また移動検知部114は、例えば、商品に付されたRFIDタグの移動を検知することで、商品保持部の移動を検知してもよい。
【0047】
また、本実施形態における移動検知部114が出力する信号は、移動の程度に応じたものであって移動距離を算出可能なものであるが、実施にあたってはこれに限らず、最低限、移動の有無を判別可能なものであればよい。また、この場合の報知処理部115は、移動検知部114の出力に基づいて、カゴ載置部3の移動開始からの経過時間が所定値に至ったとされると、報知を行う。
【0048】
また、本実施形態における報知処理部115は、商品の登録を促す報知(
図6のステップS21、
図8-1)と、商品の返品登録を促す報知(
図7のステップS41、
図8-2)との両方を行っているが、実施にあたってはこれに限らず、上述の報知の少なくともいずれかを行うのであってもよい。
【0049】
また、本実施形態では、カートPOS1への適用例を説明したが、実施にあたっては、これに限らない。例えば、スマートフォンのような携帯型でカメラ付きの端末が情報処理装置の一例であって、商品保持部としての手持ちの籠内に設置されたシート型の重量センサの出力を端末で受信するよう構成してもよい。
【0050】
また、実施にあたって、PLUファイルは、タブレットPOS10が商品を一般物体認識(オブジェクト認識)により特定する際に用いる、各商品の特徴量または基準画像等を記憶していてもよい。尚、特徴量とは、商品の基準画像から読み取られた、商品の色合いや商品の表面の凹凸状況等のデータである。
【0051】
この場合、例えば、スキャナ5に代えて、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備える読取装置を用いるようにし、当該撮像素子で撮像した画像(撮像画像)から、商品の情報を読み取る。より詳しくは、読取装置は、商品の表面に付されたバーコードや二次元コードなどのコードシンボルを読み取った(デコードした)コード情報や、商品の外観を撮像した画像(撮像画像)を、タブレットPOS10に対して出力する。
【0052】
またこの場合、商品情報取得部111は、取得したコード情報や撮像画像に合致する商品の商品情報を、PLUファイルから取り出す。より具体的には、商品情報取得部111は、取得したのがコード情報である場合には、当該コード情報と一致する商品コードをPLUファイルから探し出し、当該商品コードに対応付けられた商品情報を取得する。また、商品情報取得部111は、取得したのが撮像画像である場合には、当該撮像画像に基づいて一般物体認識(オブジェクト認識)を行って特徴量を得て、当該特徴量が合致する商品の商品情報を、PLUファイルから取得する。なお、上述の商品コードおよび特徴量は、商品を認識可能な情報の一例である。
【0053】
画像中に含まれる物体を認識する一般物体認識(generic object recognition)については、例えば下記の文献において認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”、情報処理学会論文誌、Vol.48、No.SIG16 [平成30年1月5日検索]、インターネット<URL:http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf>
【0054】
また、本実施形態における増減検知部112は、商品保持部(カゴ載置部3)が保持する商品の重量の増減に応じた信号を出力するものとして説明したが、実施にあたってはこれに限られるものではない。例えば、増減検知部112は、情報処理装置(タブレットPOS10)が撮像した商品保持部内の商品の画像の変化により、商品の増減を示す信号を出力するようにしてもよい。
【0055】
また、本実施形態では、タブレット端末やスマートフォンなどを情報処理装置の例として説明したが、実施にあたってはこれらに限らない。例えば、タブレット端末とインターネット上のサーバーとを連携させるシステムが、情報処理装置が備える各部を実現するよう構成されていてもよい。
【0056】
なお、本実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施形態の情報処理装置で実行されるプログラムは、上述した各部(商品情報取得部111、増減検知部112、重量照会部113、移動検知部114、報知処理部115)を含むモジュール構成となっている。CPU(プロセッサ)は、上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を主記憶装置上にロードする。これにより、商品情報取得部111、増減検知部112、重量照会部113、移動検知部114、報知処理部115が、主記憶装置上に生成される。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1…カートPOS、2…取っ手、3…カゴ載置部(商品保持部)、4…キャスター、
5…スキャナ、7…重量センサ、8…回転センサ、
10…タブレットPOS(情報処理装置)、
11…本体部、12…表示部、13…操作部、101…システムバス、
110…制御部、120…記憶部、130…I/F、
111…商品情報取得部、112…増減検知部、113…重量照会部、
114…移動検知部、115…報知処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】