(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】自動移載システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20250311BHJP
【FI】
B65G1/137 E
(21)【出願番号】P 2021112320
(22)【出願日】2021-07-06
【審査請求日】2024-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】中川 基
(72)【発明者】
【氏名】込山 和由
(72)【発明者】
【氏名】林 恭矢
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-126997(JP,U)
【文献】特開2004-034132(JP,A)
【文献】特開2001-048323(JP,A)
【文献】実開平02-022931(JP,U)
【文献】特開2006-013396(JP,A)
【文献】特開2006-284554(JP,A)
【文献】特表昭63-501419(JP,A)
【文献】特開昭50-161388(JP,A)
【文献】特開2000-289815(JP,A)
【文献】特開2015-040121(JP,A)
【文献】特開2012-229097(JP,A)
【文献】実公平06-50418(JP,Y2)
【文献】特公平06-099010(JP,B2)
【文献】特開平11-347498(JP,A)
【文献】特開平07-285659(JP,A)
【文献】特開平09-202439(JP,A)
【文献】特開2015-013741(JP,A)
【文献】特開平02-265811(JP,A)
【文献】特開平06-144517(JP,A)
【文献】登録実用新案第3002048(JP,U)
【文献】特開平08-243508(JP,A)
【文献】特開2018-076176(JP,A)
【文献】特開2009-018915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側方が解放部となっている受皿部と、前記受皿部内に配置される枠体部とが分離可能に組み合わされて構成された、商品を収容可能なピッキング用容器と、
ピッキングエリアで商品が収容された1つ以上の前記ピッキング用容器を所定箇所で停止させる循環ラインと、
前記循環ラインの前記所定箇所に沿って設けられ前記商品が落下可能な1つ以上の開口部を有するホッパー部と、
前記循環ラインを挟んで前記ホッパー部に対向して設けられ、前記循環ラインの前記所定箇所において停止している前記ピッキング用容器の前記枠体部を、前記受皿部と前記ホッパー部の前記開口部上との間を前記受皿部の前記解放部を経て平行移動させる移動手段と、
前記ホッパー部の下方を通過し、前記移動手段による前記ピッキング用容器の前記枠体部の平行移動中に1つ以上の出荷用容器を前記開口部の下に一時停止させると共に、前記商品の投入が完了した前記出荷用容器を搬送する出荷用容器搬送ラインと、
を備えることを特徴とする自動移載システム。
【請求項2】
前記ピッキング用容器は、前記枠体部の対向する2つの側板の外側にそれぞれ突起部が設けられていて、
前記移動手段は、板状のベース部と、前記ベース部から立設された前記所定数組のアーム部を有し、前記アーム部が前記突起部を下方から支持し前記枠体部を挟持すると共に前記ベース部が前記枠体部を押すことで前記枠体部を前記ホッパー部上に平行移動させることを特徴とする請求項1に記載の自動移載システム。
【請求項3】
前記出荷用容器搬送ラインは、前記ピッキング用容器が前記ホッパー部に到達してから前記出荷用容器への商品の移載が完了するまでの所定時間、前記出荷用容器の搬送を一時停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動移載システム。
【請求項4】
前記ホッパー部の前記開口部は、上部から下部に向けて漸次幅が狭くなるテーパ状になっていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の自動移載システム。
【請求項5】
前記循環ラインと前記出荷用容器搬送ラインは、それぞれ前記出荷用容器のサイズ毎に少なくとも1つの分岐部が設けられ、前記循環ラインの前記分岐部に沿い前記ホッパー部及び前記移動手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の自動移載システム。
【請求項6】
前記ホッパー部の下方に位置する前記出荷用容器搬送ラインに沿って、前記出荷用容器を固定するクランプ機構が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の自動移載システム。
【請求項7】
上部が開口部になっていると共に、底部に開閉可能な扉部を有する箱状のピッキング用容器と、
前記ピッキング用容器をピッキングエリアと出荷エリアとの間で循環させる搬送ラインと、
前記搬送ラインから分岐され平行に配置された複数の分岐ラインと、
前記分岐ライン間を接続する、開口部を有するホッパー部と、
1つの前記分岐ラインから他の前記分岐ラインに前記ピッキング用容器を平行移動させる移載機構と、
前記ホッパー部の下方を通過する、出荷用容器を搬送する出荷用容器搬送ラインと、
を備えることを特徴とする自動移載システム。
【請求項8】
前記ホッパー部の前記開口部の下側には商品を前記出荷用容器搬送ライン上の前記出荷用容器内に導くスライダーが設けられていることを特徴とする請求項7に記載の自動移載システム。
【請求項9】
前記出荷用容器搬送ライン沿いであって前記スライダーの下端部と対向する位置に、前記出荷用容器の転倒を防止する転倒防止ガイドが設けられていることを特徴とする請求項8に記載の自動移載システム。
【請求項10】
板状の底板と、前記底板上に配置される枠体部とが分離可能に組み合わされて構成された、商品を収容可能なピッキング用容器と、
前記ピッキング用容器を載置可能な載置エリアの間に前記商品が通過可能な1つ以上の開口部が設けられた循環ラインと、
前記循環ラインの搬送方向下流側において前記開口部に隣接する前記載置エリア上に載置されている前記ピッキング用容器の前記枠体部を所定時間固定する固定手段と、
前記開口部の下部に設けられ、上部から下部に向けて漸次幅が狭くなるテーパ状の筒部を有するホッパー部と、
前記循環ラインの下方において前記循環ラインと少なくとも一部が平行になるように設けられ、出荷用容器を搬送すると共に、前記固定手段により固定された前記枠体部の下方に前記開口部が移動し前記枠体部内の前記商品が前記開口部から前記ホッパー部を経て前記出荷用容器内に落下するまで前記出荷用容器を一時停止させると共に、前記商品の投入が完了した前記出荷用容器を搬送する出荷用容器搬送ラインと、
を備えることを特徴とする自動移載システム。
【請求項11】
前記循環ラインに前記ピッキング用容器を供給するピッキング用容器投入用ラインと、
前記出荷用容器搬送ラインに前記出荷用容器を供給する出荷用容器供給用ラインと、
を備え、
前記ピッキング用容器投入用ラインは、前記ピッキング用容器を前記循環ラインの前記開口部間の間隔と同間隔となるように前記循環ラインに投入し、
前記出荷用容器供給用ラインは、前記出荷用容器を前記循環ラインの前記開口部間の間隔と同間隔となるように前記出荷用容器搬送ラインに投入する
ことを特徴とする請求項10に記載の自動移載システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送センター等においてピッキング用容器内にピッキングされた商品を出荷箱に移載する自動移載システムに関する。
【背景技術】
【0002】
配送センター等の物流拠点では、多種多様な商品が倉庫に収容されていて、出荷の際には注文書に基づいて倉庫から出荷する商品がピッキングされ、出荷先毎に出荷箱に収容され、出荷が行われている。
【0003】
従来、これらの各工程の作業は作業者による手作業で行われていたが、近年の社会情勢により通信販売や宅配サービスの需要が増加し、取り扱う商品の種類や注文数量が増加しているため、業務負担を低減しより迅速に各工程の処理を行うべく、各工程の自動化が図られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、倉庫からの商品のピッキング工程を自動化する自動ピッキング手段が開示されている。こうした自動ピッキング手段では、自動ピッキング手段が商品を倉庫部から自動的にピッキングし、ピッキングした商品を折り畳みコンテナ等のピッキング用容器内に収容する。
【0005】
そして、ピッキング用容器に収容された商品は、出荷工程において出荷用の段ボール箱に移載されて出荷が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ピッキング工程後の出荷工程において、ピッキング用容器から出荷用の段ボール箱への商品の移載工程についても自動化することで手作業よりも迅速に処理することが望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ピッキング用容器から出荷用容器への商品の移載を自動的かつ迅速に行うことができる自動移載システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る自動移載システムは、一側方が解放部となっている受皿部と、前記受皿部内に配置される枠体部とが分離可能に組み合わされて構成された、商品を収容可能なピッキング用容器と、ピッキングエリアで商品が収容された1つ以上の前記ピッキング用容器を所定箇所で停止させる循環ラインと、前記循環ラインの前記所定箇所に沿って設けられ前記商品が落下可能な1つ以上の開口部を有するホッパー部と、前記循環ラインを挟んで前記ホッパー部に対向して設けられ、前記循環ラインの前記所定箇所において停止している前記ピッキング用容器の前記枠体部を、前記受皿部と前記ホッパー部の前記開口部上との間を前記受皿部の前記解放部を経て平行移動させる移動手段と、前記ホッパー部の下方を通過し、前記移動手段による前記ピッキング用容器の前記枠体部の平行移動中に1つ以上の出荷用容器を前記開口部の下に一時停止させると共に、前記商品の投入が完了した前記出荷用容器を搬送する出荷用容器搬送ラインと、を備えることを特徴とする。
【0010】
これにより、複数のピッキング用容器内の商品が枠体部の平行移動に伴い移動し、ホッパー部の開口部から落下し複数の出荷用容器内に一度に収容されるため、ピッキング用容器から出荷用容器への商品の移載を自動的かつ迅速に行うことができる。
【0011】
本発明の第2の態様に係る自動移載システムは、第1の態様において、前記ピッキング用容器は、前記枠体部の対向する2つの側板の外側にそれぞれ突起部が設けられていて、前記移動手段は、板状のベース部と、前記ベース部から立設された前記所定数組のアーム部を有し、前記アーム部が前記突起部を下方から支持し前記枠体部を挟持すると共に前記ベース部が前記枠体部を押すことで前記枠体部を前記ホッパー部上に平行移動させることを特徴としてもよい。
【0012】
これにより、簡易な構成を用いて枠体部の平行移動を実現することができる。
【0013】
本発明の第3の態様に係る自動移載システムは、第1又は第2の態様において、前記出荷用容器搬送ラインは、前記ピッキング用容器が前記ホッパー部に到達してから前記出荷用容器への商品の移載が完了するまでの所定時間、前記出荷用容器の搬送を一時停止することを特徴としてもよい。
【0014】
これにより、ホッパー部から落下する商品を確実に出荷用容器に移載することができる。
【0015】
本発明の第4の態様に係る自動移載システムは、第1乃至第3の態様において、前記ホッパー部の前記開口部は、上部から下部に向けて漸次幅が狭くなるテーパ状になっていることを特徴としてもよい。
【0016】
これにより、商品を出荷用容器内にガイドすることができ、商品が出荷用容器からこぼれることを効果的に防止することができる。
【0017】
本発明の第5の態様に係る自動移載システムは、第1乃至第4の態様において、前記循環ラインと前記出荷用容器搬送ラインは、それぞれ前記出荷用容器のサイズ毎に少なくとも1つの分岐部が設けられ、前記循環ラインのそれぞれの前記分岐部に沿い前記ホッパー部及び前記移動手段が設けられていることを特徴としてもよい。
【0018】
これにより、出荷する商品の種類や数量が増加して、複数種類の出荷用容器を用いる必要が生じた場合にも効率的かつ迅速に商品の移載を行うことができる。
【0019】
本発明の第6の態様に係る自動移載システムは、第1乃至第5の態様において、前記ホッパー部の下方に位置する前記出荷用容器搬送ラインに沿って、前記出荷用容器を固定するクランプ機構が設けられていることを特徴としてもよい。
【0020】
これにより、商品の移載の際に衝撃により出荷用容器が転倒することを効果的に防止することができる。
【0021】
本発明の第7の態様に係る自動移載システムは、上部が開口部になっていると共に、底部に開閉可能な扉部を有する箱状のピッキング用容器と、前記ピッキング用容器をピッキングエリアと出荷エリアとの間で循環させる搬送ラインと、前記搬送ラインから分岐され平行に配置された複数の分岐ラインと、前記分岐ライン間を接続する、開口部を有するホッパー部と、1つの前記分岐ラインから他の前記分岐ラインに前記ピッキング用容器を平行移動させる移載機構と、前記ホッパー部の下方を通過する、出荷用容器を搬送する出荷用容器搬送ラインと、を備えることを特徴としてもよい。
【0022】
これにより、ピッキング用容器がホッパー部の開口部上に到達すると、扉部が開口部内に落ち込むように開き、ピッキング用容器内の商品が開口部から落下して出荷用容器内に移載されるため、ピッキング用容器から出荷用容器への商品の移載を自動的かつ迅速に行うことができる。
【0023】
本発明の第8の態様に係る自動移載システムは、第7の態様において、前記ホッパー部の前記開口部の下側には商品を前記出荷用容器搬送ライン上の前記出荷用容器内に導くスライダーが設けられていることを特徴としてもよい。
【0024】
これにより、商品を出荷用容器内にガイドすることができ、商品が出荷用容器からこぼれることを効果的に防止することができると共に、商品の破損も効果的に防止することができる。
【0025】
本発明の第9の態様に係る自動移載システムは、第8の態様において、前記出荷用容器搬送ライン沿いであって前記スライダーの下端部と対向する位置に、前記出荷用容器の転倒を防止する転倒防止ガイドが設けられていることを特徴としてもよい。
【0026】
これにより、商品の移載の際に衝撃により出荷用容器が転倒することを効果的に防止することができる。
【0027】
本発明の第10の態様に係る自動移載システムは、板状の底板と、前記底板上に配置される枠体部とが分離可能に組み合わされて構成された、商品を収容可能なピッキング用容器と、前記ピッキング用容器を載置可能な載置エリアの間に前記商品が通過可能な1つ以上の開口部が設けられた循環ラインと、前記循環ラインの搬送方向下流側において前記開口部に隣接する前記載置エリア上に載置されている前記ピッキング用容器の前記枠体部を所定時間固定する固定手段と、前記開口部の下部に設けられ、上部から下部に向けて漸次幅が狭くなるテーパ状の筒部を有するホッパー部と、前記循環ラインの下方において前記循環ラインと少なくとも一部が平行になるように設けられ、出荷用容器を搬送すると共に、前記固定手段により固定された前記枠体部の下方に前記開口部が移動し前記枠体部内の前記商品が前記開口部から前記ホッパー部を経て前記出荷用容器内に落下するまで前記出荷用容器を一時停止させると共に、前記商品の投入が完了した前記出荷用容器を搬送する出荷用容器搬送ラインと、を備えることを特徴としてもよい。
【0028】
これにより、複数のピッキング用容器内の商品が枠体部の平行移動に伴い移動し、開口部からホッパー部を経て落下し複数の出荷用容器内に一度に収容されるため、ピッキング用容器から出荷用容器への商品の移載を自動的かつ迅速に行うことができる。
【0029】
本発明の第11の態様に係る自動移載システムは、第10の態様において、前記循環ラインに前記ピッキング用容器を供給するピッキング用容器投入用ラインと、前記出荷用容器搬送ラインに前記出荷用容器を供給する出荷用容器供給用ラインと、
を備え、前記ピッキング用容器投入用ラインは、前記ピッキング用容器を前記循環ラインの前記開口部間の間隔と同間隔となるように前記循環ラインに投入し、前記出荷用容器供給用ラインは、前記出荷用容器を前記循環ラインの前記開口部間の間隔と同間隔となるように前記出荷用容器搬送ラインに投入することを特徴としてもよい。
【0030】
これにより、ピッキング用容器から出荷用容器への商品の移載を確実に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0031】
上述した構成からなる本発明によれば、ピッキング用容器から出荷用容器への商品の移載を自動的かつ迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る自動移載システムを示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る自動移載システムで用いられるピッキング用容器を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る自動移載システムにより商品がピッキング用容器から出荷用容器に移載される様子を示す部分拡大斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態の変形例に係る自動移載システムにおいて循環ラインと出荷用容器搬送ラインに設けられた分岐部を示す模式図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る自動移載システムを模式的に示す平面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る自動移載システムを模式的に示す側面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る自動移載システムに用いられるピッキング用容器を模式的に示す側面断面図である。
【
図8】本発明の第3実施形態に係る自動移載システムを模式的に示す平面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る自動移載システムを模式的に示す側面図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る自動移載システムに設けられた循環ラインとピッキング用容器投入用ラインを示す平面図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る自動移載システムに設けられた出荷用容器搬送ラインと出荷用容器供給用ラインを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0034】
まず、本発明の第1実施形態に係る自動搬送システムについて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動移載システム1を示す斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る自動移載システム1で用いられるピッキング用容器2を示す斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係る自動移載システム1により商品Gがピッキング用容器2から出荷用容器Bに移載される様子を示す部分拡大斜視図である。
【0035】
図1に示すように、自動移載システム1は、ピッキングされた商品Gを収容するピッキング用容器2と、ピッキング用容器2を物流拠点内のピッキングが行われるピッキングエリア(不図示)と出荷用の梱包や仕分けが行われる出荷エリア(不図示)の間で循環させる循環ライン3と、循環ライン3に沿って設けられたホッパー部4と、循環ライン3を挟んでホッパー部4に対向して設けられた移動手段5と、ホッパー部4の下部を通過し出荷用容器Bを搬送する出荷用容器搬送ライン6と、を備えて構成されている。
【0036】
図1及び
図2に示すように、ピッキング用容器2は、ピッキングエリアにおいてピッキングされた商品Gを収容する容器であり、平面視が四角い板状の底板211及び底板211の3辺に立設された周壁212を有し一側方が解放部213となっている受皿部21と、受皿部21内に配置され平面視がロ字状である枠体部22とが分離可能に組み合わされて構成されている。枠体部22の対向する2つの側板の外側には、それぞれ突起部221が設けられている。
【0037】
循環ライン3は、ベルトコンベヤやローラーコンベヤ等の搬送手段を適宜組み合わせて構成されている搬送手段である。循環ライン3の駆動は、図示しない制御部により制御されていて、必要に応じて駆動がオンオフ制御される。
【0038】
ホッパー部4は、循環ライン3に併設して設けられている長板状の構成であり、商品Gが通過可能な複数(本実施形態においては5つ)の開口部41が形成されている。開口部41は上部から下部にかけて漸次縮径するテーパ状になっていて、商品Gを出荷用容器B内にガイドすることができ、移載の際に商品Gが出荷用容器Bからこぼれることを効果的に防止することができる。また、ホッパー部4には、所定の位置において枠体部22を停止させるためのストッパ部42が形成されている。
【0039】
図1及び
図3に示すように、移動手段5は、制御部により駆動が制御される駆動手段(不図示)を有する本体部51と、本体部51から突出して設けられ駆動手段により進退動作が行われるバー52と、バー52の先端部に固定されている板状のベース部53と、ベース部53から立設された所定数組(本実施形態においては5組)のアーム部54を有している。1組のアーム部54は、これらの間にピッキング用容器2の枠体部22を挟み込むことが可能な距離だけ離間して設けられている。
【0040】
出荷用容器搬送ライン6は、ベルトコンベヤやローラーコンベヤ等の搬送手段を適宜組み合わせて構成されている搬送手段である。出荷用容器搬送ライン6の駆動は、図示しない制御部により制御されていて、必要に応じて駆動がオンオフ制御される。
【0041】
出荷用容器搬送ライン6のホッパー部4の下方に位置する部分の周辺には、商品Gの移載時に出荷用容器Bを固定するクランプ機構61が設けられている。
【0042】
次に、上述した構成を備える自動移載システム1による、ピッキング用容器2から出荷用容器Bへの商品Gの移載動作について説明する。
【0043】
まず、ピッキングされた商品Gが収容された複数のピッキング用容器2が、循環ライン3によりピッキングエリアから移動手段5が設けられている箇所まで所定の間隔を開けて移動する。
【0044】
そして、ピッキング用容器2が、移動手段5が設けられている所定の箇所まで移動すると、図示しないセンサが感知して、制御部が循環ライン3の駆動を所定時間停止する。
【0045】
また、ピッキング用容器2の移動に同期して、出荷用容器搬送ライン6が所定数(本実施形態においては5つ)の出荷用容器Bをそれぞれホッパー部4の開口部41の下に移動させる。このとき、出荷用容器Bの開口部41の下への移動を図示しないセンサが検知して、制御部が出荷用容器搬送ライン6の駆動を、ピッキング用容器2がホッパー部4に到達してから出荷用容器Bへの商品Gの移載が完了するまでの所定時間停止する。これにより、ホッパー部4から落下する商品Gを確実に出荷用容器Bに移載することができる。
【0046】
そして、開口部41の下で停止した出荷用容器Bは、クランプ機構61により把持固定される。これにより、商品Gの移載の際に衝撃により出荷用容器Bが転倒することを効果的に防止することができる。なお、クランプ機構61の動作は制御部により制御される。
【0047】
次に、移動手段5は、循環ライン3上に載置されている所定数(本実施形態においては5つ)のピッキング用容器2の枠体部22を、受皿部21とホッパー部4の開口部41上との間を受皿部21の解放部213を経て平行移動させる。具体的には、本体部51が退避位置、すなわちアーム部54が循環ライン3の外側にある状態から、セット位置、すなわちアーム部54が枠体部22を挟み込む位置まで移動する。
【0048】
そして、本体部51が上昇し、アーム部54が枠体部22の突起部221を下方から支持し枠体部22を持ち上げると共に、本体部51がホッパー部4の方向に前進し、ベース部53が枠体部22を押すことで、枠体部22をホッパー部4上に平行移動させる。
【0049】
このとき、移動する枠体部22に押されることにより、ピッキング用容器2内の商品Gがホッパー部4上に平行移動する。そして、商品Gは、ホッパー部4に形成されている開口部41から下方にある出荷用容器搬送ライン6上にある出荷用容器B内へと移載される。
【0050】
次に、本体部51が後退し、アーム部54が平行移動して枠体部22が受皿部21上に位置するまで戻り、その状態で更に本体部51が降下することで、枠体部22が受皿部21上に戻ると共に、アーム部54による枠体部22の支持が解除される。
【0051】
また、このときクランプ機構61が出荷用容器Bの把持固定を解除すると共に、出荷用容器搬送ライン6の駆動が再開され、商品Gが移載された出荷用容器Bが、出荷先毎の仕分け作業が行われる下流のエリアへと搬送される。
【0052】
上述した第1実施形態に係る自動移載システム1によると、複数のピッキング用容器2内の商品Gが枠体部22の平行移動に伴い移動し、ホッパー部4の開口部41から落下し複数の出荷用容器B内に一度に収容されるため、ピッキング用容器2から出荷用容器Bへの商品Gの移載を自動的かつ迅速に行うことができる。
【0053】
また、アーム部54が枠体部22の突起部221を下方から支持すると共に、ベース部53が枠体部22を押すという構成を採用することで、簡易な構成を用いて枠体部22の平行移動を実現することができる。
【0054】
なお、上述した第1実施形態においては
図1に示すように循環ライン3と出荷用容器搬送ライン6は1つずつ設けられていたが、本発明においてはこれに限らず、循環ライン3と出荷用容器搬送ライン6がそれぞれ複数のラインに分岐してもよい。
【0055】
図4は、本発明の第1実施形態の変形例に係る自動移載システム10において循環ライン3と出荷用容器搬送ライン4に設けられた分岐部30(60)を示す模式図である。
【0056】
図4に示すように、循環ライン3は、分岐部30において、複数(
図4においては5つ)の分岐ライン3a、3b、3c、3d、3eに分岐している。また、出荷用容器搬送ライン6も、分岐部60において、複数(
図4においては5つ)の分岐ライン6a、6b、6c、6d、6eに分岐している。複数のサイズの出荷用容器Bが用いられる場合に、それぞれのサイズの出荷用容器B毎に少なくとも1つの分岐ライン6a、6b、6c、6d、6eが割り当てられている。
【0057】
また、移動手段、移動手段5a、5b、5c、5d、5eが分岐ライン3a、3b、3c、3d、3eの各々コンベヤラインの上流側から見て、右のコンベヤ端端側に設けられていると共に、ホッパー部4a、4b、4c、4d、4eが、分岐ライン6a、6b、6c、6d、6eの各々の真上に設置されている。
【0058】
各ピッキング用容器2にはバーコードやQRコード(登録商標)等が印刷された情報ラベルが付されていて、内部に収容している商品G、及び、商品Gの総体積等に基づき使用される出荷用容器Bが紐付けられて図示しない記憶部に記憶されている。
【0059】
そして、センサ9がピッキング用容器2の情報ラベルを読み取ると、制御部に情報ラベルの情報が送信される。制御部は情報ラベルの情報に基づき循環ライン3の駆動を制御し、分岐ライン3a、3b、3c、3d、3eの何れかのラインにピッキング用容器2を搬送する。
【0060】
このような態様により、出荷する商品Gの種類や数量が増加して、複数種類の出荷用容器Bを用いる必要が生じた場合にも効率的かつ迅速に商品Gの移載を行うことができる。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態に係る自動搬送システムについて説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る自動移載システム100を模式的に示す平面図である。
図6は、本発明の第2実施形態に係る自動移載システム100を模式的に示す側面図である。
図7は、本発明の第2実施形態に係る自動移載システム100に用いられるピッキング用容器200を模式的に示す側面断面図である。
【0062】
図5乃至
図7に示すように、第2実施形態に係る自動移載システム100は、上部が開口部203になっていると共に、底部201に開閉可能な扉部205を有する箱状のピッキング用容器200と、ピッキング用容器200をピッキングエリアと出荷エリアとの間で循環させる、第1ライン300Aと第2ライン300Bに分岐した搬送ライン300と、第1ライン300Aと第2ライン300Bとの間を接続するホッパー部400と、ホッパー部400の下方を通過する、出荷用容器Bを搬送する出荷用容器搬送ライン600と、を備えて構成されている。
【0063】
ピッキング用容器200は、
図7に示すように、底部201及び底部201の4辺から立設される周壁202を備えて構成されている。底部201には開口部206が形成されていると共に、この開口部206を開閉する板状部材である扉部205が蝶番204を介して取り付けられている。
【0064】
搬送ライン300は、ベルトコンベヤやローラーコンベヤ等の搬送手段が適宜組み合わされて構成されている搬送手段である。搬送ライン300の駆動は図示しない制御部により制御されている。搬送ライン300のうち、第1ライン300Aと第2ライン300Bのホッパー部400に隣接する部分310A、310Bには、それぞれピッキング用容器200を
図5の左右方向に移動することも可能とする移載機(不図示)が設けられている。
【0065】
ホッパー部400は、第1ライン300Aから第2ライン300Bの方向に向けてピッキング用容器200を搬送すべく、2本の幅狭ベルトコンベヤ404が所定の間隔を開けて平行に配置されて構成されている。2本の幅狭ベルトコンベヤ404の間には、開口部401を有する板状の台座部403が配置されている。開口部401は、平面視が矩形の開口である。台座部403の開口部401の周縁部には、台座部403から下方に伸びるスライダー402が形成されている。スライダー402が形成されていることにより、開口部401から落下する商品Gを出荷用容器B内にガイドすることができ、商品Gが出荷用容器Bからこぼれることを効果的に防止することができると共に、商品Gの落下速度が適度に減速されることで、商品Gの破損を効果的に防止することができる。
【0066】
出荷用容器搬送ライン600は、ベルトコンベヤやローラーコンベヤ等の搬送手段が適宜組み合わされて構成されている搬送手段である。出荷用容器搬送ライン600の駆動は図示しない制御部により制御されている。
【0067】
また、出荷用容器搬送ライン600沿いであって、スライダー402の下端部と対向する位置に、出荷用容器Bの転倒を防止する転倒防止ガイド700が設けられている。転倒防止ガイド700が設けられていることで、商品Gの移載の際に衝撃により出荷用容器Bが転倒することを効果的に防止することができる。
【0068】
次に、上述した構成を備える自動移載システム1による、ピッキング用容器2から出荷用容器Bへの商品Gの移載動作について説明する。
【0069】
まず、ピッキング用容器200が第1ライン300Aのホッパー部400に隣接する位置に到達すると、図示しないセンサがピッキング用容器200を感知し、当該感知信号が制御部に送信される。
【0070】
そして制御部は、第1ライン300の移載機を駆動し、ピッキング用容器200をホッパー部400へと移動させる。
【0071】
また、このとき制御部は出荷用容器搬送ライン600の駆動を制御し、出荷用容器Bをスライダー401の先端部近傍に待機させる。
【0072】
そして、ピッキング用容器200がホッパー部400上に移動すると、ピッキング用容器200の扉部205が開口部401内に落ち込むことでピッキング用容器200の開口部206が解放され、ピッキング用容器200内の商品Gが開口部401へと落ちていく。
【0073】
開口部401内に落ちた商品Gは、スライダー402に沿い滑り落ち、スライダー402の先端部から、出荷用容器搬送ライン600上で待機する出荷用容器B内に移載される。
【0074】
そして、ピッキング用容器200は幅狭ベルトコンベヤ404及び第2ライン300Bの移載機により第2ライン300B上に移動されると、扉部205が閉じると共に、ピッキング用容器200の移動を図示しないセンサが検知し、当該検知信号が制御部に送信される。
【0075】
そして制御部は、出荷用容器搬送ライン600の駆動を再開し、商品Gが移載された出荷用容器Bは、出荷先毎の仕分け作業が行われる下流のエリアへと搬送される。
【0076】
上述した第2の実施形態に係る自動移載システム100によると、ピッキング用容器200がホッパー部400の開口部401上に到達すると、扉部402が開口部401内に落ち込むように開き、ピッキング用容器内200の商品Gが開口部401から落下して出荷用容器B内に移載される。そのため、ピッキング用容器200から出荷用容器Bへの商品Gの移載を自動的かつ迅速に行うことができる。
【0077】
次に、本発明の第3実施形態に係る自動搬送システムについて説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係る自動移載システム700を模式的に示す平面図である。
図9は、本発明の第3実施形態に係る自動移載システム700を模式的に示す側面図である。
図10は、本発明の第3実施形態に係る自動移載システム700に設けられた循環ライン703とピッキング用容器投入用ライン708を示す平面図である。
図11は、本発明の第3実施形態に係る自動移載システム700に設けられた出荷用容器搬送ライン706と出荷用容器供給用ライン710を示す平面図である。
【0078】
図8乃至
図11に示すように、本実施形態に係る自動搬送システム700は、底板702aと枠体702bが分離可能に組み合わされたピッキング用容器702と、開口部703aが設けられた循環ライン703と、循環ライン703上のピッキング用容器702を固定する固定手段704と、開口部703aの下部に設けられたホッパー部705と、ホッパー部705の下方を通過する出荷用容器Bを搬送する出荷用容器搬送ライン706と、を備えて構成されている。
【0079】
ピッキング用容器702は、平面視が四角い板状の底板702aと、底板702a上に配置され平面視がロ字状である枠体部702bとが分離可能に組み合わされて構成された、商品を収容可能な容器である。底板702aは、周縁部が傾斜面となっている。これにより、後述するように底板702aから枠体部702bがスライド移動する際に移動をスムーズにすることができる。
【0080】
循環ライン703は、ピッキング用容器702をピッキングエリアと出荷エリアとの間で循環させる、ベルトコンベヤやローラーコンベヤ等の搬送手段が適宜組み合わされて構成されている搬送手段である。循環ライン703には、ピッキング用容器702を載置可能な載置エリア703bと、隣接する載置エリア703bの間に設けられた、枠体部よりも小さな開口であり商品が通過可能な所定数の(本実施形態においては5つの)開口部703aが設けられている。
【0081】
なお、本実施形態に係る自動搬送システム700においては、循環ライン703の下流には、枠体部702bと分離した底板702aを回収する箱状の底板回収部709が設けられているが、本発明においては底板回収部709は必須の構成ではなく、適宜省略することができる。また、底板702aと分離した枠体部702bは、そのまま循環ライン703により搬送され下流において作業員により回収される他、自動回収機を用いて回収してもよい。
【0082】
固定手段704は、ピッキング用容器200から出荷用容器Bに商品の移載が行われるエリアにおいて、載置エリア703b上に載置されているピッキング用容器702の枠体部702bを所定時間固定する。固定手段704は、図示しない駆動手段により進退動作を行う長板状のベース部704aと、ベース部704aから循環ライン703の進行方向に対して横断する方向に立設して設けられた2つで1組となっている棒状の動作規制部704bを開口部703aと同数の所定の組(本実施形態においては5組)有して構成されている。動作規制部704bは、ピッキング用容器702bを挟み込める間隔を開けて設けられている。
【0083】
ホッパー部705は、開口部703aから落下する商品Gを出荷用容器B内にガイドする機能を有し、上部から下部に向けて漸次幅が狭くなる複数(本実施形態においては5つ)のテーパ状の筒部705bと、筒部705bの基端部が固定され筒部705bを支持する長板状の台部705aを有して構成されている。各筒部705bは、開口部703aの下部に位置するよう配置されている。
【0084】
出荷用容器搬送ライン706は、ベルトコンベヤやローラーコンベヤ等の搬送手段が適宜組み合わされて構成されている搬送手段である。出荷用容器搬送ライン706は、少なくともピッキング用容器200から出荷用容器Bに商品の移載が行われるエリアにおいて、循環ライン703の下方において循環ライン703と平行になる部分が設けられている。そして、出荷用容器搬送ライン706は、ホッパー部705の下方を通過し、それぞれの筒部705bの下方に出荷用容器Bを搬送すると共に、固定手段704により固定された枠体部702bの下方に開口部703aが移動し枠体部702b内の商品が開口部703aからホッパー部705を経て出荷用容器B内に落下するまで出荷用容器Bを一時停止させ、商品の投入が完了したら、出荷用容器Bの搬送を再開する。
【0085】
なお、本実施形態においては出荷用容器搬送ライン706上に台板707が載置され、この台板707上に5つの出荷用容器Bが載置されているが、本発明においてはこの台板707は必須の構成ではなく、適宜省略することができる。
【0086】
また、本実施形態に係る自動搬送システム700は、循環ライン703にピッキング用容器702を供給するピッキング用容器投入用ライン708と、出荷用容器搬送ライン706に出荷用容器Bを供給する出荷用容器供給用ライン710を備えている。ピッキング用容器投入用ライン708と出荷用容器供給用ライン710は、ベルトコンベヤやローラーコンベヤ等の搬送手段が適宜組み合わされて構成されている搬送手段である。
【0087】
なお、循環ライン703へのピッキング用容器702の配置は、
図10に示すように、ピッキング用容器投入用ライン708により行われる。ピッキング用容器投入用ライン708は、ピッキング用容器200から出荷用容器Bに商品の移載が行われるエリアにおいて、循環ライン703へと垂直合流するように設けられていて、循環ライン703上に開口部703a間の間隔と同じ間隔を開けて5つのピッキング用容器702を1組として、投入タイミングを調整しながら配置していく。
【0088】
出荷用容器供給用ライン710は、出荷用容器搬送ライン706に垂直に設けられていて、出荷用容器搬送ライン706上に開口部703aの間隔と該同じ間隔となるように5つの出荷用容器Bを1組として配置していく。
【0089】
ピッキング用容器投入用ライン708と出荷用容器供給用ライン710をこのように配置することで、自動移載システム700をコンパクトに形成することができる。なお、ピッキング用容器投入用ライン708と出荷用容器供給用ライン710の配置はこれに限らず、物流拠点の面積や他の装置構成との兼ね合いにより、適宜変更することができる。
【0090】
次に、上述した構成を備える自動移載システム700による、ピッキング用容器702から出荷用容器Bへの商品の移載動作について説明する。
【0091】
まず、ピッキング用容器702がピッキング用容器供給用ライン708から循環ライン703上に、開口部703aと該同じ間隔を開けて投入される。
【0092】
次に、循環ライン703上の5つのピッキング用容器702がそれぞれ載置エリア703b上に到達すると、図示しないセンサがピッキング用容器702を検知し、制御部が循環ライン703を停止すると共に、循環ライン703上から退避していた固定手段704が前進し、各組の動作規制部704bがそれぞれピッキング用容器702の搬送方向における前後からピッキング用容器702を挟み込む。これによりピッキング用容器702が固定されることになる。
【0093】
一方、出荷用容器Bは出荷用容器供給用ライン710から出荷用容器搬送ライン706上に、開口部703aと該同じ間隔を開けて投入される。
【0094】
次に、5つの出荷用容器Bが開口部703aの下側に到達すると、図示しないセンサが出荷用容器Bを検知し、制御部が出荷用容器搬送ライン706を停止する。
【0095】
次に、動作規制部704bの前進が完了し固定手段704によるピッキング用容器702の枠体部702bの固定が完了すると、制御部は循環ライン703の駆動を再開する。このとき、枠体部702bは動作規制部704bにより固定される一方、底板702aは循環ライン703の駆動に伴い搬送方向へと移動していく。これにより枠体部702bは底板702aや循環ライン703に対して相対的に平行にスライド移動すると共に、枠体部702b内にある商品も枠体部702bに伴いスライド移動することになる。
【0096】
そして、枠体部702bが循環ライン703の開口部703a上に到達すると、枠体部702b内にある商品が開口部703a内に落下する。
【0097】
開口部703a内に落下した商品は、更に開口部703aの下部にあるホッパー部705の筒部705bにガイドされ、ホッパー部705の下部に位置する出荷用容器B内へと移載される。
【0098】
そして、図示しないセンサにより出荷用容器Bへ投入される商品を検知してから所定時間経過した後、制御部は出荷用容器搬送ライン706の駆動を再開し、商品Gが移載された出荷用容器Bは、出荷先毎の仕分け作業が行われる下流のエリアへと搬送される。この所定時間は、ピッキング用容器702から出荷用容器Bへの商品の移載が完了するのに十分な時間が設定される。
【0099】
上述した第3の実施形態に係る自動移載システム700によると、複数のピッキング用容器702内の商品は枠体部702bの平行移動に伴いずらされ開口部703aの位置まで移動され、その結果、開口部703aから落下し複数の出荷用容器B内に一度に収容されるため、ピッキング用容器702から出荷用容器Bへの商品の移載を自動的かつ迅速に行うことができる。
【0100】
なお、本発明は上述した各実施形態に係る自動移載システム1、100、700の態様に限定されず、種々の変形を採用することができる。
【0101】
例えば、ピッキング用容器2、200、702の底板21、211、702aや扉部205、更に出荷用容器Bの底部にクッション材を敷設してもよい。これにより、商品Gの収容時の衝撃を緩和し、商品Gの破損を効果的に防止することができる。
【0102】
また、上述した各実施形態に係る自動移載システム1、100、700では、移動手段5が設けられている箇所に移動したピッキング用容器2、200、702の数量、開口部41、401、703aの数、開口部41、401、703aの下に移動した出荷用容器Bの数量が、それぞれ同数である場合を示したが、異なった数であってもよい。
【0103】
上述のようにすることで、移動手段5が設けられている箇所に移動させるピッキング容器2、200、702の数量および開口部41、401、703aの下に移動させる出荷用容器Bの数量は、開口部41、401、703aの数以内であれば増減可能であり、商品Gの出荷数量に合わせてピッキング用容器2、200、702および出荷用容器Bの搬送を適宜調整することで搬送のムダを無くすことができる。
【符号の説明】
【0104】
1、10、100、700 自動移載システム
2、200、702 ピッキング用容器
3、300、703 搬送ライン
4、400、705 ホッパー部
5、500 移動手段
6、600、706 出荷用容器搬送ライン
704 固定手段
21 受皿部
22 枠体部
41、401、703a 開口部
204 蝶番
205 扉部
213 解放部
221 突起部
B 出荷用容器
G 商品