(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】光ファイバのための融着接続システム、融着接続機、モデル作成装置、及び光ファイバを融着接続する方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/255 20060101AFI20250311BHJP
【FI】
G02B6/255
(21)【出願番号】P 2022515378
(86)(22)【出願日】2021-04-12
(86)【国際出願番号】 JP2021015210
(87)【国際公開番号】W WO2021210546
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2024-02-21
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2020/016860
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110309
【氏名又は名称】住友電工オプティフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】大木 一芳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】遊佐 英明
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-020997(JP,A)
【文献】特開2016-152011(JP,A)
【文献】特開2016-097228(JP,A)
【文献】特開2015-172736(JP,A)
【文献】特開2019-118940(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102567745(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36- 6/40
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いて機械学習を行い、接続しようとする光ファイバの種類を前記接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルを作成するモデル作成装置と、
一対の光ファイバを撮像して撮像データを生成する撮像部、前記撮像部から提供された撮像データから得られる特徴量を前記判別モデルに入力し、前記一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する判別部、及び、前記判別部における判別結果に基づいて、前記一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じた接続条件にて前記一対の光ファイバを相互に融着接続する接続部を有する複数の融着接続機と、
を備え、
前記モデル作成装置は、前記複数の融着接続機を撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類してグループ毎に前記サンプルデータを集めて前記判別モデルを作成し、
各融着接続機の前記判別部は、前記各融着接続機が属する前記グループに対応する前記判別モデルを用いて前記一対の光ファイバそれぞれの種類を判別
し、
前記二以上のグループは、各融着接続機の検査の際に基準となる光ファイバを前記撮像部により撮像した際の環境条件である第1の環境条件の類似性、各融着接続機の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性、各融着接続機の使用場所における環境条件である第2の環境条件の類似性、および、各融着接続機の劣化状態の類似性のうち少なくとも一つの類似性に基づいて分類される、光ファイバのための融着接続システム。
【請求項2】
前記機械学習は深層学習である、請求項1に記載の融着接続システム。
【請求項3】
前記二以上のグループは、各融着接続機の検査の条件及び各融着接続機の検査の結果のうち少なくとも一方の類似性に
更に基づいて分類される、請求項1又は請求項2に記載の融着接続システム。
【請求項4】
前記二以上のグループは、各融着接続機の検査の際に基準となる光ファイバを前記撮像部により撮像して得られた撮像データの類似性に基づいて分類される、請求項3に記載の融着接続システム。
【請求項5】
前記撮像データの類似性は、前記一対の光ファイバの径方向における輝度情報から求めた特徴量の類似性を含む、請求項4に記載の融着接続システム。
【請求項6】
前記
第1の環境条件は、温度、湿度、及び気圧のうち少なくとも1つを含む、請求項
1から請求項5のいずれか1項に記載の融着接続システム。
【請求項7】
前記二以上のグループは、
各融着接続機の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性に代えて、或いは各融着接続機の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性とともに、各融着接続機の前記撮像部の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性に基づいて分類される、請求項1から請求項
6のいずれか1項に記載の融着接続システム。
【請求項8】
前記二以上のグループは、
各融着接続機の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性に代えて、或いは各融着接続機の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性とともに、各融着接続機の観察用光学部の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性に基づいて分類される、請求項1から請求項
7のいずれか1項に記載の融着接続システム。
【請求項9】
前記
第2の環境条件は、温度、湿度、及び気圧のうち少なくとも1つを含む、請求項
1から請求項8のいずれか1項に記載の融着接続システム。
【請求項10】
前記劣化状態は、製造日からの経過時間、使用時間、放電回数、接続頻度、放電電極の汚れ具合、前記撮像部の反対側から前記一対の光ファイバを照明する光源の調光状態、前記撮像部の観察用光学部の汚れ具合、及び機器診断結果のうち少なくとも1つを含む、請求項
1から請求項9のいずれか1項に記載の融着接続システム。
【請求項11】
前記二以上のグループは、各融着接続機において接続対象とされる光ファイバ種類の類似性に
更に基づいて分類される、請求項1から請求項
10のいずれか1項に記載の融着接続システム。
【請求項12】
一対の光ファイバを撮像して撮像データを生成する撮像部と、
接続しようとする光ファイバの種類を前記接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルであって、光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記特徴量を得た光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いた機械学習により作成された前記判別モデルに、前記撮像部から提供された撮像データから得られる特徴量を入力し、前記一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する判別部と、
前記判別部における判別結果に基づいて、前記一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じた接続条件にて前記一対の光ファイバを相互に融着接続する接続部と、
を備え、
前記判別モデルは、複数の融着接続機を撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類してグループ毎に前記サンプルデータを集めて作成されたものであり、
前記判別部は、当該融着接続機が属する前記グループに対応する前記判別モデルを用いて前記一対の光ファイバそれぞれの種類を判別
し、
前記二以上のグループは、前記複数の融着接続機それぞれの検査の際に基準となる光ファイバを前記撮像部により撮像した際の環境条件である第1の環境条件の類似性、前記複数の融着接続機それぞれの製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性、前記複数の融着接続機それぞれの使用場所における環境条件である第2の環境条件の類似性、および、前記複数の融着接続機それぞれの劣化状態の類似性のうち少なくとも一つの類似性に基づいて分類される、融着接続機。
【請求項13】
光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いて機械学習を行い、接続しようとする光ファイバの種類を前記接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルを作成する判別モデル作成部を備え、
前記判別モデル作成部は、複数の融着接続機を撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類してグループ毎に前記サンプルデータを集めて前記判別モデルを作成し、
前記二以上のグループは、各融着接続機の検査の際に基準となる光ファイバを撮像した際の環境条件である第1の環境条件の類似性、各融着接続機の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性、各融着接続機の使用場所における環境条件である第2の環境条件の類似性、および、各融着接続機の劣化状態の類似性のうち少なくとも一つの類似性に基づいて分類され、
各融着接続機が属する前記グループに対応する前記判別モデルを各融着接続機に提供する、モデル作成装置。
【請求項14】
光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いて機械学習を行い、接続しようとする光ファイバの種類を前記接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルを作成する工程と、
一対の光ファイバを撮像して撮像データを生成する工程と、
前記撮像データを生成する工程において生成された撮像データから得られる特徴量を前記判別モデルに入力し、前記一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する工程と、
前記判別する工程における判別結果に基づいて、前記一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じた接続条件にて前記一対の光ファイバを相互に融着接続する工程と、
を含み、
前記判別モデルを作成する工程では、前記撮像データを生成する工程、前記判別する工程、及び前記融着接続する工程を行う複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類して、前記複数の融着接続機から前記サンプルデータを集めて前記判別モデルをグループ毎に作成し、
前記判別する工程では、前記判別する工程を行う前記融着接続機が属する前記グループに対応する前記判別モデルを用いて前記一対の光ファイバそれぞれの種類を判別
し、
前記二以上のグループは、各融着接続機の検査の際に基準となる光ファイバを撮像した際の環境条件である第1の環境条件の類似性、各融着接続機の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性、各融着接続機の使用場所における環境条件である第2の環境条件の類似性、および、各融着接続機の劣化状態の類似性のうち少なくとも一つの類似性に基づいて分類される、光ファイバを融着接続する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光ファイバのための融着接続システム、融着接続機、モデル作成装置、及び光ファイバを融着接続する方法に関する。本出願は、2020年4月17日出願の国際出願第PCT/JP2020/016860号に基づく優先権を主張し、前記国際出願に記載された全ての記載内容を援用する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2には、融着接続システム、融着接続機、及び光ファイバ種判別方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-20997号公報
【文献】特開2020-20998号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示の融着接続システムは、モデル作成装置と複数の融着接続機とを備える。モデル作成装置は、光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いて機械学習を行い、接続しようとする光ファイバの種類を前記接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルを作成する。複数の融着接続機のそれぞれは、撮像部と判別部と接続部とを有する。撮像部は、一対の光ファイバを撮像して撮像データを生成する。判別部は、撮像部から提供された撮像データから得られる特徴量を判別モデルに入力し、一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。接続部は、判別部における判別結果に基づいて、一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じた接続条件にて一対の光ファイバを相互に融着接続する。モデル作成装置は、複数の融着接続機を撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類して、グループ毎にサンプルデータを集めて判別モデルを作成する。各融着接続機の判別部は、前記各融着接続機が属するグループに対応する判別モデルを用いて一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。
【0005】
本開示の融着接続機は、撮像部と判別部と接続部とを備える。撮像部は、一対の光ファイバを撮像して撮像データを生成する。判別部は、接続しようとする光ファイバの種類を前記接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルであって、光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記特徴量を得た光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いた機械学習により作成された判別モデルに、撮像部から提供された撮像データから得られる特徴量を入力し、一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。接続部は、判別部における判別結果に基づいて、一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じた接続条件にて一対の光ファイバを相互に融着接続する。判別モデルは、複数の融着接続機を撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類して、グループ毎にサンプルデータを集めて作成されたものである。判別部は、その融着接続機が属するグループに対応する判別モデルを用いて、一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。
【0006】
本開示のモデル作成装置は、判別モデル作成部を備える。判別モデル作成部は、光ファイバの撮像データから得られる特徴量と光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いて機械学習を行い、接続しようとする光ファイバの種類を接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルを作成する。判別モデル作成部は、複数の融着接続機を撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類してグループ毎にサンプルデータを集めて判別モデルを作成する。モデル作成装置は、各融着接続機が属するグループに対応する判別モデルを各融着接続機に提供する。
【0007】
本開示の光ファイバを融着接続する方法は、判別モデルを作成する工程と、撮像データを生成する工程と、判別する工程と、融着接続する工程と、を含む。判別モデルを作成する工程では、光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いて機械学習を行い、接続しようとする光ファイバの種類を前記光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルを作成する。撮像データを生成する工程では、一対の光ファイバを撮像して撮像データを生成する。判別する工程では、撮像データを生成する工程において生成された撮像データから得られる特徴量を判別モデルに入力し、一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。融着接続する工程では、判別する工程における判別結果に基づいて、一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じた接続条件にて一対の光ファイバを相互に融着接続する。判別モデルを作成する工程では、撮像データを生成する工程、判別する工程、及び融着接続する工程を行う複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類して、複数の融着接続機からサンプルデータを集めて判別モデルをグループ毎に作成する。判別する工程では、前記判別する工程を行う融着接続機が属するグループに対応する判別モデルを用いて一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る光ファイバ融着接続システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、融着接続機の外観を示す斜視図であって、風防カバーが閉じている状態の外観を示す。
【
図3】
図3は、融着接続機の外観を示す斜視図であって、風防カバーが開けられて融着接続機の内部構造が見える状態の外観を示す。
【
図4】
図4は、融着接続機の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、融着接続機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、一方の光ファイバの端面を正面から見た図である。
【
図10】
図10は、撮像部において得られる撮像データを模式的に示す図である。
【
図11】
図11は、モデル作成装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図12】
図12は、モデル作成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、一実施形態に係る方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示が解決しようとする課題]
光ファイバには様々な種類が存在する。光ファイバの種類は、例えば、用途及び光学特性に関する特徴、並びに構造的な特徴によって区別される。用途及び光学特性に関する特徴としては、シングルモードファイバ(SMF:Single Mode Fiber)、マルチモードファイバ(MMF:Multi Mode Fiber)、汎用シングルモードファイバ、分散シフト・シングルモードファイバ(DSF:Dispersion Shifted SMF)、及び非零分散シフト・シングルモードファイバ(NZDSF:Non-Zero DSF)、といった特徴がある。構造的な特徴としては、光ファイバの直径、コア径、コア及びクラッドの材質、径方向の屈折率分布等がある。そして、一対の光ファイバ同士を融着接続する際の最適な融着条件、例えば放電時間及び光ファイバ同士の相対位置は、一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じて変化する。しかしながら、既に敷設された光ファイバの種類は不明であることが多い。したがって、接続対象である一対の光ファイバの種類の組み合わせを、融着接続機において正確に判別することが重要となる。
【0010】
例えば、特許文献1に記載されたシステムでは、光ファイバの径方向の輝度分布データからその光ファイバの種類を判別し得る判別モデルを、機械学習を用いて作成している。しかしながら、融着接続機が備える撮像装置には機械的及び構造的なばらつきが存在する。故に、全く同一の光ファイバを撮像した場合であっても、得られる撮像データは融着接続機毎に僅かに異なる。したがって、複数の融着接続機から得られる撮像データに基づいて機械学習を行っても、判別の精度には限りがある。
【0011】
[本開示の効果]
本開示によれば、光ファイバ種類の判別精度を高めることができる光ファイバのための融着接続システム、融着接続機、モデル作成装置、及び光ファイバを融着接続する方法を提供することが可能となる。
【0012】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態を列記して説明する。一実施形態に係る光ファイバのための融着接続システムは、モデル作成装置と複数の融着接続機とを備える。モデル作成装置は、光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いて機械学習を行い、接続しようとする光ファイバの種類を前記接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルを作成する。複数の融着接続機のそれぞれは、撮像部と判別部と接続部とを有する。撮像部は、一対の光ファイバを撮像して撮像データを生成する。判別部は、撮像部から提供された撮像データから得られる特徴量を判別モデルに入力し、一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。接続部は、判別部における判別結果に基づいて、一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じた接続条件にて一対の光ファイバを相互に融着接続する。モデル作成装置は、複数の融着接続機を撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類して、グループ毎にサンプルデータを集めて判別モデルを作成する。各融着接続機の判別部は、前記各融着接続機が属するグループに対応する判別モデルを用いて一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。
【0013】
一実施形態に係る融着接続機は、撮像部と判別部と接続部とを備える。撮像部は、一対の光ファイバを撮像して撮像データを生成する。判別部は、接続しようとする光ファイバの種類を前記接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルであって、光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記特徴量を得た光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いた機械学習により作成された判別モデルに、撮像部から提供された撮像データから得られる特徴量を入力し、一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。接続部は、判別部における判別結果に基づいて、一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じた接続条件にて一対の光ファイバを相互に融着接続する。判別モデルは、複数の融着接続機を撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類して、グループ毎にサンプルデータを集めて作成されたものである。判別部は、その融着接続機が属するグループに対応する判別モデルを用いて一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。
【0014】
一実施形態に係る光ファイバを融着接続する方法は、判別モデルを作成する工程と、撮像データを生成する工程と、判別する工程と、融着接続する工程と、を含む。判別モデルを作成する工程では、光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いて機械学習を行い、接続しようとする光ファイバの種類を前記接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルを作成する。撮像データを生成する工程では、一対の光ファイバを撮像して撮像データを生成する。判別する工程では、撮像データを生成する工程において生成された撮像データから得られる特徴量を判別モデルに入力し、一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。融着接続する工程では、判別する工程における判別結果に基づいて、一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じた接続条件にて一対の光ファイバを相互に融着接続する。判別モデルを作成する工程では、撮像データを生成する工程、判別する工程、及び融着接続する工程を行う複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類して、複数の融着接続機からサンプルデータを集めて判別モデルをグループ毎に作成する。判別する工程では、前記判別する工程を行う融着接続機が属するグループに対応する判別モデルを用いて一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。
【0015】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法では、光ファイバの撮像データから得られる特徴量と前記特徴量を得た光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いて機械学習を行い、得られた判別モデルを用いて光ファイバの種類を判別する。したがって、機械学習に基づく高精度の判別が可能となる。更に、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類し、グループ毎にサンプルデータを集めて判別モデルを作成する。そして、自機が属するグループに対応する判別モデルを用いて、一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。これにより、撮像部の機械的及び構造的なばらつきが少ないグループ内に限定して機械学習を行うことができる。故に、機械学習に基づく光ファイバ種類の判別精度を更に高めることができる。
【0016】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法において、機械学習は深層学習であってもよい。この場合、光ファイバ種類の判別精度を更に高めることができる。
【0017】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法において、二以上のグループは、各融着接続機の検査の条件及び各融着接続機の検査の結果のうち少なくとも一方の類似性に基づいて分類されてもよい。検査の条件及び検査の結果の類似性は、撮像データの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0018】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法において、二以上のグループは、各融着接続機の検査の際に基準となる光ファイバを撮像部により撮像して得られた撮像データの類似性に基づいて分類されてもよい。検査の際に基準となる光ファイバを撮像して得られた撮像データの類似性は、撮像データの傾向の類似性を表す。したがって、この場合、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。この場合、撮像データの類似性は、一対の光ファイバの径方向における輝度情報から求めた特徴量の類似性を含んでもよい。
【0019】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法において、二以上のグループは、各融着接続機の検査の際に基準となる光ファイバを撮像部により撮像した際の環境条件の類似性に基づいて分類されてもよい。検査の際に基準となる光ファイバを撮像した際の環境条件の類似性は、撮像データの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。この場合、環境条件は、温度、湿度、及び気圧のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0020】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法において、二以上のグループは、各融着接続機の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性に基づいて分類されてもよい。融着接続機の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性は、撮像データの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0021】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法において、二以上のグループは、各融着接続機の撮像部の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性に基づいて分類されてもよい。撮像部の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性は、撮像データの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、これらの場合、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0022】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法において、撮像部は観察用光学部(レンズ)を有してもよい。その場合、二以上のグループは、各融着接続機の観察用光学部の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性に基づいて分類されてもよい。観察用光学部の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性は、撮像データの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0023】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法において、二以上のグループは、各融着接続機の使用場所における環境条件の類似性に基づいて分類されてもよい。融着接続機の使用場所における環境条件の類似性は、撮像データの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。この場合、環境条件は、温度、湿度、及び気圧のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0024】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法において、二以上のグループは、各融着接続機の劣化状態の類似性に基づいて分類されてもよい。融着接続機の劣化状態の類似性は、撮像データの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。この場合、劣化状態は、製造日からの経過時間、使用時間、放電回数、接続頻度、放電電極の汚れ具合、撮像部の反対側から一対の光ファイバを照明する光源の調光状態、撮像部の観察用光学部の汚れ具合、及び機器診断結果のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0025】
上記の融着接続システム、融着接続機、及び融着接続する方法において、二以上のグループは、各融着接続機において接続対象とされる光ファイバ種類の類似性に基づいて分類されてもよい。接続対象とされる光ファイバ種類の類似性は、撮像データの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0026】
一実施形態に係るモデル作成装置は、判別モデル作成部を備える。判別モデル作成部は、光ファイバの撮像データから得られる特徴量と光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータを用いて機械学習を行い、接続しようとする光ファイバの種類を接続しようとする光ファイバの撮像データに基づいて判別するための判別モデルを作成する。判別モデル作成部は、複数の融着接続機を撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類してグループ毎にサンプルデータを集めて判別モデルを作成する。モデル作成装置は、各融着接続機が属するグループに対応する判別モデルを各融着接続機に提供する。
【0027】
上記のモデル作成装置では、複数の融着接続機を、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類し、グループ毎にサンプルデータを集めて判別モデルを作成する。これにより、各融着接続機の機械的及び構造的なばらつきが少ないグループ内に限定して機械学習を行うことができる。故に、機械学習に基づく光ファイバ種類の判別精度を更に高めることができる。
【0028】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の、光ファイバのための融着接続システム、融着接続機、モデル作成装置、及び光ファイバを融着接続する方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0029】
図1は、本開示の一実施形態に係る融着接続システム1Aの構成を概略的に示す図である。この融着接続システム1Aは、複数の融着接続機10と、モデル作成装置20とを備える。融着接続機10は、光ファイバの融着接続を行う装置である。モデル作成装置20は、光ファイバの種類を判別するための判別モデルを作成する装置である。モデル作成装置20は、情報通信網30を介して複数の融着接続機10と通信可能なコンピュータである。情報通信網30は、例えばインターネットである。モデル作成装置20の所在地域は、融着接続機10の所在地域から離れている。
【0030】
図2及び
図3は、融着接続機10の外観を示す斜視図である。
図2は風防カバーが閉じている状態の外観を示し、
図3は風防カバーが開けられて融着接続機10の内部構造が見える状態の外観を示す。
図2及び
図3に示すように、融着接続機10は箱状の筐体2を備えている。この筐体2の上部には、光ファイバ同士を融着接続するための接続部3と、加熱器4とが設けられている。加熱器4は、接続部3において融着接続された光ファイバ同士の接続部分に被せられたファイバ補強スリーブを加熱収縮させる部分である。融着接続機10は、筐体2の内部に配置された撮像部(後述)によって撮像された光ファイバ同士の融着接続状況を表示するモニタ5を備えている。さらに、融着接続機10は、接続部3への風の進入を防止するための風防カバー6を備えている。
【0031】
接続部3は、一対の光ファイバホルダ3aを載置可能なホルダ載置部と、一対のファイバ位置決め部3bと、一対の放電電極3cとを有している。融着対象の光ファイバそれぞれは光ファイバホルダ3aに保持固定され、光ファイバホルダ3aはそれぞれホルダ載置部に載置固定される。ファイバ位置決め部3bは、一対の光ファイバホルダ3aの間に配置され、光ファイバホルダ3aのそれぞれに保持された光ファイバの先端部を位置決めする。放電電極3cは、アーク放電によって光ファイバの先端同士を融着するための電極であって、一対のファイバ位置決め部3bの間に配置されている。
【0032】
風防カバー6は、接続部3を開閉自在に覆うように筐体2に連結されている。風防カバー6の側面6aのそれぞれには、接続部3へ、すなわち光ファイバホルダ3aのそれぞれへ光ファイバを導入するための導入口6bが形成されている。
【0033】
図4は、融着接続機10の機能的な構成を示すブロック図である。
図5は、融着接続機10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、融着接続機10は、機能的には、接続部3、通信部11、撮像部12、特徴量抽出部13、判別部14、及び融着制御部15を備える。撮像部12は、撮像素子と、撮像対象物の拡大像を撮像素子に出力する観察用光学部とを含む。観察用光学部は、例えば一又は複数のレンズを含む。融着接続機10は、
図5に示すように、CPU10a、RAM10b、ROM10c、入力装置10d、補助記憶装置10e、及び出力装置10f等のハードウェアを備えるコンピュータを制御部として含む。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、融着接続機10の各機能が実現される。制御部におけるこれらの要素は、前述した接続部3、モニタ5、通信部11としての無線通信モジュール、及び撮像部12と電気的に接続されている。入力装置10dは、モニタ5に一体として設けられたタッチパネルを含んでもよい。
【0034】
通信部11は、例えば、無線LANモジュールにより構成される。通信部11は、インターネット等の情報通信網30を介して、モデル作成装置20との間で各種データの送受信を行う。撮像部12は、接続対象である一対の光ファイバを、その一対の光ファイバが互いに対向した状態で、観察用光学部(レンズ)を介して光ファイバの径方向から撮像し、撮像データを生成する。特徴量抽出部13は、撮像部12から得られる撮像データから、光ファイバの種類を特定するための二以上の特徴量を抽出する。特徴量は、光ファイバの径方向における輝度情報を含む。光ファイバの径方向における輝度情報は、例えば、光ファイバの径方向における輝度分布、光ファイバの外径、コアの外径、コア外径と光ファイバの外径の比、光ファイバのコアとクラッドの面積の割合、光ファイバの輝度の総和、光ファイバの断面内における輝度分布の変曲点位置や数、光ファイバのコア部とクラッド部の輝度差、及び特定の輝度以上となるコア部の幅のうち少なくとも一つを含む。また、特徴量の抽出に用いる撮像データには、接続対象である一対の光ファイバを互いに対向させた状態で放電しつつ取得したものが含まれてもよい。この場合、特徴量は、例えば、特定位置における光強度、及び特定位置における光強度の時間変化のうち少なくとも一つを含む。
【0035】
判別部14は、光ファイバの種類を判別するための判別モデルMdを記憶して保持している。判別部14は、特徴量抽出部13から得られる特徴量を判別モデルMdに入力し、一対の光ファイバそれぞれの種類を判別する。判別部14による判別結果は、モニタ5に表示される。使用者は、モニタ5に表示された一対の光ファイバそれぞれの種類が誤りである場合、正しい種類を入力装置10dを介して入力し、判別結果を訂正する。或いは、使用者は、判別部14による判別結果に関わりなく、一対の光ファイバそれぞれの種類を入力装置10dを介して入力してもよい。その場合、使用者による入力が優先して採用され、光ファイバそれぞれの種類が特定される。或いは、光ファイバの種類ごとに予め設定された製造条件の一を選択することで、対応する光ファイバの種類そのものの入力に代えても良い。
【0036】
融着制御部15は、接続部3の動作を制御する。すなわち、融着制御部15は、使用者によるスイッチの操作を受けて、接続部3における一対の光ファイバの先端同士の当接動作およびアーク放電を制御する。一対の光ファイバの先端同士の当接動作には、ファイバ位置決め部3bによる光ファイバの位置決め処理、すなわち各光ファイバの先端位置の制御が含まれる。アーク放電の制御には、放電パワー、放電開始タイミング及び放電終了タイミングの制御が含まれる。光ファイバの先端位置及び放電パワーといった各種の接続条件は、一対の光ファイバの種類の組み合わせ毎に予め設定されており、例えばROM10cに格納されている。融着制御部15は、判別部14によって判別された、又は使用者によって入力された一対の光ファイバの種類の組み合わせに応じて、接続条件を選択する。すなわち、接続部3は、判別部14における判別結果又は使用者による入力結果に基づいて、一対の光ファイバの種類の組み合わせを認識し、その組み合わせに応じた接続条件にて、一対の光ファイバを相互に融着接続する。
【0037】
接続部3の動作は次のとおりである。まず、
図6に示されるように、使用者が、接続対象である一対の光ファイバF1及びF2を、それぞれ光ファイバホルダ3aに保持させる。このとき、光ファイバF1の端面F1aと、光ファイバF2の端面F2aとが、互いに対向して配置される。次に、使用者が、融着接続機10に融着接続の開始を指示する。この指示は、例えばスイッチ入力を介して行われる。この指示を受けて、
図7に示すように、融着制御部15が、接続条件として設定された端面F1a,F2aの位置に基づいて、光ファイバF1,F2の位置決めを行う。その後、
図8に示すように、融着制御部15が、一対の放電電極3c間のアーク放電を開始する。
【0038】
アーク放電の開始直後は、端面F1a,F2aが互いに離れている。そのアーク放電は、端面F1a,F2aを融着前に予め軟化させるための予備放電に相当する。アーク放電が開始されると、融着制御部15は、ファイバ位置決め部3bの位置を制御することにより、端面F1a,F2aを互いに近づけ、互いに当接させる。そして、融着制御部15は、アーク放電を継続することにより本放電を行う。これにより、端面F1a,F2aが更に軟化し、互いに融着する。
【0039】
本実施形態において、接続条件には、放電開始前における各端面F1a,F2aの位置、放電開始前における端面F1a,F2a同士の間隔、予備放電時間、本放電時間、端面F1a,F2a同士が接した後の押し込み量、端面F1a,F2a同士を押し込んだ後の引き戻し量、予備放電パワー、本放電パワー、及び引戻し時の放電パワーのうち少なくとも一つが含まれる。
【0040】
放電開始前における各端面F1a,F2aの位置とは、
図7に示された状態、すなわち予備放電の開始時点における、一対の放電電極3cの中心軸を結ぶ線、すなわち放電中心軸を基準とした各端面F1a,F2aの位置をいう。これらの端面位置に応じて、放電中心軸と各端面F1a,F2aとの距離が変わる。これにより加熱量すなわち溶融量が増減する。加えて、端面F1a,F2a同士が当接するまでの移動に要する時間が変化する。放電開始前における端面F1a,F2a同士の間隔とは、
図7に示された状態、すなわち予備放電の開始時点における端面F1a,F2a同士の間隔をいう。この間隔に応じて、端面F1a,F2a同士が当接するまでの移動に要する時間が変化する。予備放電時間とは、
図7に示された状態でアーク放電を開始してから、端面F1a,F2a同士を当接させるために光ファイバF1,F2の相対的な移動を開始するまでの時間をいう。本放電時間とは、端面F1a,F2a同士が当接してから、アーク放電を終了するまでの時間、言い換えると、一対の放電電極3cへの電圧の印加を停止するまでの時間をいう。予備放電と本放電とは、時間的に連続して行われる。端面F1a,F2a同士が接した後の押し込み量とは、光ファイバF1,F2を相対的に移動させて端面F1a,F2a同士を当接させてから、放電中において更に同じ向きに光ファイバF1,F2を相対的に移動させる際の各光ファイバホルダ3aの移動距離をいう。端面F1a,F2a同士を押し込んだ後の引き戻し量とは、端面F1a,F2a同士を当接させた後、更に端面F1a,F2aを押し込んでから、放電中において逆向き、すなわち端面F1a,F2a同士が離れる向きに光ファイバF1,F2を相対的に移動させる際の各光ファイバホルダ3aの移動距離をいう。予備放電パワーとは、
図7に示された状態でアーク放電を開始してから、端面F1a,F2a同士を当接させるために光ファイバF1,F2の相対的な移動を開始するまでの期間におけるアーク放電パワーをいう。
【0041】
ここで、
図9は、一方の光ファイバF2の端面F2aを正面すなわち光軸方向から見た図である。図中の矢印MSX及びMSYは、撮像部12による撮像方向を示している。すなわち、この例では撮像部12が少なくとも2個設置され、2つの撮像部12が、光ファイバF1,F2の径方向であって互いに直交する方向から端面F1a,F2aをそれぞれ撮像する。光ファイバF1,F2を挟んで撮像部12と対向する位置には、光ファイバF1,F2を照明するための光源が配置される。光源は例えば発光ダイオードである。
【0042】
図10は、方向MSXから撮像する撮像部12において得られる撮像データPX、又は方向MSYから撮像する撮像部12において得られる撮像データPYを模式的に示す図である。
図10に示されるように、これらの撮像データPX,PYにおいて、光ファイバF1,F2の位置及び形状は、コアCR及びクラッドCLの輪郭により確認される。コアCRは、光源からの照明光によって明るくなる。クラッドCLは、光源からの照明光の屈折により暗くなる。
【0043】
図11は、モデル作成装置20の機能的な構成を示すブロック図である。
図12は、モデル作成装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
図11に示すように、モデル作成装置20は、機能的には、通信部21及び判別モデル作成部22を備える。モデル作成装置20は、
図12に示されるように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、入力装置20d、通信モジュール20e、補助記憶装置20f、及び出力装置20g等のハードウェアを備えるコンピュータを含む。これらの構成要素がプログラム等により動作することによって、モデル作成装置20の各機能が実現される。
【0044】
図11に示される通信部21は、インターネット等の情報通信網30(
図1を参照)を介して複数の融着接続機10との間で通信を行う。通信部21は、情報通信網30を介して、複数の融着接続機10から、撮像データPX,PYから抽出された特徴量、及び光ファイバF1,F2の種類に関する情報を受信する。通信部21は、撮像データPX,PYから抽出された特徴量に代えて、撮像データPX,PYそのものを受信してもよい。その場合、モデル作成装置20が撮像データPX,PYから特徴量を抽出する。光ファイバF1,F2の種類に関する情報は、使用者によって入力された情報のみであってもよい。言い換えると、通信部21は、使用者によって入力された光ファイバF1,F2の種類に関する情報と、光ファイバF1,F2の撮像データPX,PYから抽出された特徴量又は撮像データそのものを、各融着接続機10から受信する。使用者によって入力された光ファイバF1,F2の種類に関する情報は、光ファイバF1,F2の種類そのものの入力に代えて、光ファイバF1,F2の種類ごとに予め設定された製造条件の一を選択する場合を含む。通信部21は、受信したこれらの情報を、光ファイバF1,F2の撮像データPX,PYから得られる特徴量と、光ファイバF1,F2の種類との対応関係を示すサンプルデータDaとして、判別モデル作成部22に提供する。
【0045】
判別モデル作成部22は、通信部21から提供されたサンプルデータDaを用いて機械学習を行う。そして、判別モデル作成部22は、撮像データPX,PYに基づいて光ファイバF1,F2の種類を判別するための判別モデルMdを作成する。機械学習は、好ましくは深層学習(ディープラーニング)である。機械学習の技法としては、例えばニューラルネットワーク、サポートベクターマシン等、いわゆる教師あり学習に含まれる様々な技法を適用できる。判別モデル作成部22は、稼働中である多数の融着接続機10から得られる膨大なサンプルデータDaを用いて機械学習を継続的に行い、判別モデルMdの精度を高める。本実施形態の判別モデル作成部22は、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類する。そして、判別モデル作成部22は、グループ毎にサンプルデータDaを集めて、判別モデルMdをグループ毎に作成する。判別モデルMdをグループ毎に作成するとは、或るグループに属する複数の融着接続機10から得られるサンプルデータDaのみを用いて機械学習を行い、作成された判別モデルMdを、そのグループに属する融着接続機10のみに提供することを意味する。
【0046】
撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループは、例えば下記の項目(1)から(9)のうち少なくとも1つに基づいて分類される。
【0047】
(1)融着接続機10の検査結果の類似性
融着接続機10の検査結果、特に撮像部12に関する検査項目における検査結果が複数の融着接続機10において互いに類似している場合、それらの融着接続機10においては撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される。例えば、各融着接続機10の検査の際に基準となる光ファイバを撮像部12により撮像し、得られた撮像データPX,PYにおける輝度分布等の輝度情報が、複数の融着接続機10において互いに類似している場合等である。また、例えば、各融着接続機10の検査の際に基準となる光ファイバを撮像部12により撮像して得られた撮像データPX,PYにおいて、光ファイバの軟化度合いの相違すなわち端面位置の変化量、及び軟化後の光ファイバの形状のうち少なくとも一方が、複数の融着接続機10において互いに類似している場合等である。また、例えば、各融着接続機10の検査の際に、基準となる光ファイバの軟化度合いを同程度としたときの放電パワーが、複数の融着接続機10において互いに類似している場合等である。
【0048】
(2)融着接続機10の検査条件の類似性
融着接続機10の検査条件、特に撮像部12に関する検査項目における検査条件が複数の融着接続機10において互いに類似している場合、それらの融着接続機10においては撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される。例えば、各融着接続機10の検査の際に基準となる光ファイバを撮像部12により撮像した際の環境条件が、複数の融着接続機10において互いに類似している場合等である。環境条件は、例えば、温度(気温)、湿度、及び気圧のうち少なくとも1つを含む。
【0049】
(3)融着接続機10の製造者及び製造日時の類似性
融着接続機10の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方が複数の融着接続機10において互いに類似している場合、それらの融着接続機10においては撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される。製造日時が類似しているとは、例えばロットが同じであることを意味してもよい。製造者が類似しているとは、例えば同じ製造者又は同じ工場において製造されたことを意味してもよい。
【0050】
(4)撮像部12の製造者及び製造日時の類似性
撮像部12の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方が複数の融着接続機10において互いに類似している場合、それらの融着接続機10においては撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される。製造日時が類似しているとは、例えばロットが同じであることを意味してもよい。また、製造者が類似しているとは、例えば同じ製造者又は同じ工場において製造されたことを意味してもよい。
【0051】
(5)撮像部12の観察用光学部(レンズ)の製造者及び製造日時の類似性
撮像部12の観察用光学部(レンズ)の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方が複数の融着接続機10において互いに類似している場合、それらの融着接続機10においては撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される。製造日時が類似しているとは、例えば製造ロットが同じであることを意味してもよい。また、製造者が類似しているとは、例えば同じ製造者又は同じ工場において製造されたことを意味してもよい。
【0052】
(6)融着接続機10の使用場所における環境条件の類似性
融着接続機10の使用場所における環境条件が複数の融着接続機10において互いに類似している場合、それらの融着接続機10においては撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される。環境条件は、例えば、温度(気温)、湿度、及び気圧のうち少なくとも1つを含む。例えば、高温多湿地域において使用されている複数の融着接続機10をまとめて1つのグループとし、寒冷地域において使用されている複数の融着接続機10をまとめて別のグループとし、高地において使用されている複数の融着接続機10をまとめて更に別のグループとする等の分類が考えられる。
【0053】
(7)融着接続機10の劣化状態の類似性
融着接続機10の劣化状態が複数の融着接続機10において互いに類似している場合、それらの融着接続機10においては撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される。融着接続機10の劣化状態は、例えば、製造日からの経過時間、使用時間、放電回数、接続頻度、放電電極3cの汚れ具合、撮像部12の反対側から光ファイバを照明する光源の調光状態、撮像部12の観察用光学部の汚れ具合、及び機器診断結果のうち少なくとも1つを含む。
【0054】
(8)接続対象光ファイバの種類の類似性
融着接続機10が使用される現場において主に接続対象とされている光ファイバF1,F2の種類が、複数の融着接続機10において互いに類似している場合、それらの融着接続機10においては撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される。ここでいう光ファイバF1,F2の種類とは、例えばシングルモードファイバとマルチモードファイバ、或いは汎用ファイバと分散シフトファイバ等といった、光ファイバの大まかな種類を指す。
【0055】
(9)融着接続機10の放電状態の類似性
撮像データPX,PYとして放電した状態のものを使用する場合は、融着接続機10の放電状態が複数の融着接続機10において互いに類似している場合、それらの融着接続機10においては撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される。ここでいう放電状態とは、一対の光ファイバを設置していない状態で放電を行いつつ取得された撮像データから得られる輝度情報の特徴量で代表され得る。この特徴量の類似度でグループ分けがなされる。この場合、特徴量は、例えば、放電電極3cの中心軸方向を基準として定められた特定点における光強度、及び特定方向における撮像データの光強度分布形状のうち少なくとも一つを含む。特定方向とは、例えば、放電方向と直交する方向、又は放電方向と平行な方向である。
【0056】
こうしてグループ毎にサンプルデータDaを集めて作成された判別モデルMdは、通信部21を介して、対応するグループに属する融着接続機10に送信される。各融着接続機10の判別部14は、その融着接続機10が属するグループに対応する判別モデルMdを用いて、一対の光ファイバF1,F2それぞれの種類を判別する。
【0057】
図13は、本実施形態に係る、光ファイバを融着接続する方法を示すフローチャートである。この方法は、上述した融着接続システム1Aを用いて好適に実現され得る。まず、モデル作成工程ST1として、光ファイバの撮像データから得られる特徴量とその光ファイバの種類との対応関係を示すサンプルデータDaを用いて機械学習を行う。そして、接続しようとする光ファイバF1,F2の種類を光ファイバF1,F2の撮像データPX,PYに基づいて判別するための判別モデルMdを作成する。このモデル作成工程ST1では、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類する。そして、グループ毎にサンプルデータDaを集めて判別モデルMdを作成する。次に、撮像工程ST2として、一対の光ファイバF1,F2を撮像して撮像データPX,PYを生成する。続いて、判別工程ST3として、撮像工程ST2において生成された撮像データPX,PYから得られる特徴量を判別モデルMdに入力し、一対の光ファイバF1,F2それぞれの種類を判別する。この判別工程ST3では、その判別工程ST3を行う融着接続機10が属するグループに対応する判別モデルMdを用いて、一対の光ファイバF1,F2それぞれの種類を判別する。続いて、接続工程ST4として、判別工程ST3における判別結果に基づいて、一対の光ファイバF1,F2の種類の組み合わせに応じた接続条件にて一対の光ファイバF1,F2を相互に融着接続する。
【0058】
以上に説明した本実施形態の融着接続システム1A、融着接続機10、及び融着接続する方法によって得られる効果について説明する。本実施形態では、光ファイバF1,F2の撮像データPX,PYから得られる特徴量と光ファイバF1,F2の種類との対応関係を示すサンプルデータDaを用いて機械学習を行う。そして、得られた判別モデルMdを用いて光ファイバF1,F2の種類を判別する。したがって、機械学習に基づく高精度の判別が可能となる。更に、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類し、グループ毎にサンプルデータDaを集めて判別モデルMdを作成する。そして、自機が属するグループに対応する判別モデルMdを用いて、一対の光ファイバF1,F2それぞれの種類を判別する。これにより、撮像部12の機械的及び構造的なばらつきが少ないグループ内に限定して機械学習を行うことができるので、機械学習に基づく光ファイバ種類の判別精度を更に高めることができる。
【0059】
前述したように、機械学習は深層学習であってもよい。この場合、光ファイバ種類の判別精度を更に高めることができる。
【0060】
前述したように、上記二以上のグループは、各融着接続機10の検査の条件及び結果のうち少なくとも一方の類似性に基づいて分類されてもよい。検査の条件及び結果の類似性は、撮像データPX,PYの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0061】
前述したように、上記二以上のグループは、各融着接続機10の検査の際に基準となる光ファイバを撮像部12により撮像して得られた撮像データPX,PYの類似性に基づいて分類されてもよい。検査の際に基準となる光ファイバを撮像して得られた撮像データPX,PYの類似性は、撮像データPX,PYの傾向の類似性を表す。したがって、この場合、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0062】
前述したように、上記二以上のグループは、各融着接続機10の検査の際に基準となる光ファイバを撮像部12により撮像した際の環境条件、例えば温度、湿度、及び気圧の類似性に基づいて分類されてもよい。検査の際に基準となる光ファイバを撮像した際の環境条件の類似性は、撮像データPX,PYの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0063】
前述したように、上記二以上のグループは、各融着接続機10の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性に基づいて分類されてもよい。融着接続機10の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性は、撮像データPX,PYの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0064】
前述したように、上記二以上のグループは、撮像部12の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性に基づいて分類されてもよい。撮像部12の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性は、撮像データPX,PYの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0065】
前述したように、上記二以上のグループは、撮像部12の観察用光学部の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性に基づいて分類されてもよい。撮像部12の観察用光学部の製造者及び製造日時のうち少なくとも一方の類似性は、撮像データPX,PYの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、この場合、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0066】
前述したように、上記二以上のグループは、各融着接続機10の使用場所における環境条件、例えば温度、湿度、及び気圧の類似性に基づいて分類されてもよい。融着接続機10の使用場所における環境条件の類似性は、撮像データPX,PYの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0067】
前述したように、上記二以上のグループは、各融着接続機10の劣化状態の類似性に基づいて分類されてもよい。融着接続機10の劣化状態の類似性は、撮像データPX,PYの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0068】
前述したように、上記二以上のグループは、各融着接続機10において接続対象とされる光ファイバ種類の類似性に基づいて分類されてもよい。接続対象とされる光ファイバ種類の類似性は、撮像データPX,PYの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0069】
前述したように、上記二以上のグループは、各融着接続機10の放電状態の類似性に基づいて分類されてもよい。各融着接続機10の放電状態の類似性は、撮像データPX,PYの傾向の類似性に影響すると考えられる。したがって、この場合、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに適切に分類することができる。
【0070】
本実施形態のモデル作成装置20は、判別モデル作成部22を備える。判別モデル作成部22は、光ファイバF1,F2の撮像データPX,PYから得られる特徴量と光ファイバF1,F2の種類との対応関係を示すサンプルデータDaを用いて機械学習を行う。そして、接続しようとする光ファイバF1,F2の種類を、接続しようとする光ファイバF1,F2の撮像データPX,PYに基づいて判別するための判別モデルMdを作成する。判別モデル作成部22は、複数の融着接続機10を、撮像データPX,PYの傾向が類似していると推定される二以上のグループに分類し、グループ毎にサンプルデータDaを集めて判別モデルMdを作成する。モデル作成装置20は、各融着接続機10が属するグループに対応する判別モデルMdを各融着接続機10に提供する。これにより、各融着接続機10の機械的及び構造的なばらつきが少ないグループ内に限定して機械学習を行うことができる。故に、機械学習に基づく光ファイバF1,F2の種類の判別精度を更に高めることができる。
【0071】
本開示による光ファイバのための融着接続システム、融着接続機、モデル作成装置、及び光ファイバを融着接続する方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、撮像データの傾向が類似していると推定される二以上のグループの分類方法は、上記実施形態に例示されたものに限られない。
【符号の説明】
【0072】
1A…融着接続システム
2…筐体
3…接続部
3a…光ファイバホルダ
3b…ファイバ位置決め部
3c…放電電極
4…加熱器
5…モニタ
6…風防カバー
6a…側面
6b…導入口
10…融着接続機
10a…CPU
10b…RAM
10c…ROM
10d…入力装置
10e…補助記憶装置
10f…出力装置
11…通信部
12…撮像部
13…特徴量抽出部
14…判別部
15…融着制御部
20…モデル作成装置
20a…CPU
20b…RAM
20c…ROM
20d…入力装置
20e…通信モジュール
20f…補助記憶装置
20g…出力装置
21…通信部
22…判別モデル作成部
30…情報通信網
CL…クラッド
CR…コア
Da…サンプルデータ
F1,F2…光ファイバ
F1a,F2a…端面
Md…判別モデル
MSX,MSY…方向
PX,PY…撮像データ
ST1…モデル作成工程
ST2…撮像工程
ST3…判別工程
ST4…接続工程