(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】ホルダ
(51)【国際特許分類】
B23B 27/16 20060101AFI20250311BHJP
【FI】
B23B27/16 B
(21)【出願番号】P 2024549508
(86)(22)【出願日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 JP2024010127
【審査請求日】2024-08-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503212652
【氏名又は名称】住友電工ハードメタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 諒真
(72)【発明者】
【氏名】竹村 彰太
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-506279(JP,A)
【文献】特開平07-060508(JP,A)
【文献】特開2019-084603(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0593467(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第103240427(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削インサートを保持するホルダであって、
前記ホルダは、超硬合金製であり、且つ、
前端面と、
前記前端面の反対にある後端面と、
前記前端面に連なる第1側面と、
前記前端面に連なり且つ前記第1側面の反対にある第2側面と、
前記切削インサートの上面を押さえる押さえ面と、
前記切削インサートの背面を支持する第1支持面と、
前記切削インサートの底面を支持する第2支持面と、を備え、
前記ホルダには、前記第1側面と前記第2側面との間を貫通するスリットが設けられており、
前記スリットは、前記押さえ面に連なる上端面と、前記第1支持面および前記上端面の各々に連なる下端面とにより形成されており、
前記第1側面から前記第2側面に向かう方向に見て、
前記ホルダは、直線状の底辺と、前記底辺の反対にある上辺と、を有し、
前記底辺に対して垂直な方向における前記上端面と前記上辺との距離は、規定範囲において、前記前端面から前記後端面に向かうにつれて単調増加し、
前記前端面から前記後端面に向かう方向において、前記スリットの後端を第1位置とし、前記
上端面の前端を第2位置とし、前記第1位置から、前記第1位置と前記第2位置との距離の80%の長さの位置を第3位置とすると、前記規定範囲は、前記第1位置から前記第3位置までの範囲であり、
前記前端面から前記後端面に向かう方向において、前記第1支持面は、前記第2位置と前記第3位置との間に位置している、ホルダ。
【請求項2】
前記第1側面から前記第2側面に向かう方向に見て、前記上端面の少なくとも一部は、第1曲率半径を有する第1円弧領域と、前記第1円弧領域に連なり且つ第2曲率半径を有する第2円弧領域とを有し、
前記前端面から前記後端面に向かう方向において、前記第1円弧領域は、前記前端面と前記第2円弧領域との間に位置し、
前記第2曲率半径は、前記第1曲率半径よりも小さい、請求項1に記載のホルダ。
【請求項3】
前記底辺に平行な方向をX方向とし、
前記第1側面から前記第2側面に向かう方向に見て、前記底辺に垂直な方向をY方向とし、
前記X方向において、前記距離が単調増加し始める位置を原点とした場合、
前記X方向における位置をXとし、且つ、前記距離を、前記距離が単調増加し始める位置における前記距離で割った値をYとする関数の接線の傾きは、0mm
-1より大きく且つ3.5mm
-1よりも小さく、
Xの単位はmmであり、Yの単位は無次元である、請求項1または請求項2に記載のホルダ。
【請求項4】
前記ホルダは、前記前端面から前記後端面に向かうにつれて、前記底辺に垂直な方向における前記上端面と前記底辺との距離が単調に増加する部分を有し、
前記上辺と前記底辺との最大距離は、29mm以上35mm以下である、請求項1または請求項2に記載のホルダ。
【請求項5】
前記ホルダは、前記前端面から前記後端面に向かうにつれて、前記底辺に垂直な方向における前記上端面と前記底辺との距離が単調に減少する部分を有し、
前記上辺と前記底辺との最大距離は、20mm以上29mm未満である、請求項1または請求項2に記載のホルダ。
【請求項6】
前記第1側面から前記第2側面に向かう方向に見て、前記上端面の少なくとも一部は、第1曲率半径を有する第1円弧領域と、前記第1円弧領域に連なり且つ第2曲率半径を有する第2円弧領域とを有し、
前記前端面から前記後端面に向かう方向において、前記第1円弧領域は、前記前端面と前記第2円弧領域との間に位置し、
前記第2曲率半径は、前記第1曲率半径よりも小さく、
前記底辺に平行な方向をX方向とし、
前記第1側面から前記第2側面に向かう方向に見て、前記底辺に垂直な方向をY方向とし、
前記X方向において、前記距離が単調増加し始める位置を原点とした場合、
前記X方向における位置をXとし、且つ、前記距離を、前記距離が単調増加し始める位置における前記距離で割った値をYとする関数の接線の傾きは、0mm
-1より大きく且つ3.5mm
-1よりも小さく、
Xの単位はmmであり、Yの単位は無次元である、請求項1に記載のホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2015/029009号(特許文献1)は、切削インサートと、切削工具ホルダブレードとを有する旋削用切削工具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本開示に係るホルダは、切削インサートを保持するホルダであって、超硬合金製であり、且つ、前端面と、後端面と、第1側面と、第2側面と、押さえ面と、第1支持面と、第2支持面と、を備える。後端面は、前端面の反対にある。第1側面は、前端面に連なる。第2側面は、前端面に連なり且つ第1側面の反対にある。押さえ面は、切削インサートの上面を押さえる。第1支持面は、切削インサートの背面を支持する。第2支持面は、切削インサートの底面を支持する。ホルダには、第1側面と第2側面との間を貫通するスリットが設けられている。スリットは、押さえ面に連なる上端面と、第1支持面および上端面の各々に連なる下端面とにより形成されている。第1側面から第2側面に向かう方向に見て、ホルダは、直線状の底辺と、底辺の反対にある上辺と、を有し、底辺に対して垂直な方向における上端面と上辺との距離は、規定範囲において、前端面から後端面に向かうにつれて単調増加する。前端面から後端面に向かう方向において、スリットの後端を第1位置とし、スリットの前端を第2位置とし、第1位置から、第1位置と第2位置との距離の80%の長さの位置を第3位置とすると、規定範囲は、第1位置から第3位置までの範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るホルダの構成を示す側面模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るホルダの構成を示す第1斜視模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るホルダの構成を示す第2斜視模式図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るホルダのX方向における位置と、T/T0との関係を示す模式図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係るホルダの構成を示す側面模式図である。
【
図8】
図8は、第3実施形態に係るホルダの構成を示す断面模式図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態に係るホルダの構成を示す断面模式図である。
【
図10】
図10は、切削インサートをホルダに取り付けた状態を示す側面模式図である。
【
図11】
図11は、比較例に係るホルダの構成を示す側面模式図である。
【
図12】
図12は、X方向における位置と、スリットの上端面とホルダの上辺との距離との関係を示す模式図である。
【
図13】
図13は、X方向における位置と、ホルダの応力との関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様(本実施形態とも称する)を列記して説明する。
【0007】
(1)本開示に係るホルダは、切削インサートを保持するホルダであって、超硬合金製であり、且つ、前端面と、後端面と、第1側面と、第2側面と、押さえ面と、第1支持面と、第2支持面と、を備える。後端面は、前端面の反対にある。第1側面は、前端面に連なる。第2側面は、前端面に連なり且つ第1側面の反対にある。押さえ面は、切削インサートの上面を押さえる。第1支持面は、切削インサートの背面を支持する。第2支持面は、切削インサートの底面を支持する。ホルダには、第1側面と第2側面との間を貫通するスリットが設けられている。スリットは、押さえ面に連なる上端面と、第1支持面および上端面の各々に連なる下端面とにより形成されている。第1側面から第2側面に向かう方向に見て、ホルダは、直線状の底辺と、底辺の反対にある上辺と、を有し、底辺に対して垂直な方向における上端面と上辺との距離は、規定範囲において、前端面から後端面に向かうにつれて単調増加する。前端面から後端面に向かう方向において、スリットの後端を第1位置とし、スリットの前端を第2位置とし、第1位置から、第1位置と第2位置との距離の80%の長さの位置を第3位置とすると、規定範囲は、第1位置から第3位置までの範囲である。
【0008】
(2)上記(1)に係るホルダによれば、第1側面から第2側面に向かう方向に見て、上端面の少なくとも一部は、第1曲率半径を有する第1円弧領域と、第1円弧領域に連なり且つ第2曲率半径を有する第2円弧領域とを有してもよい。前端面から後端面に向かう方向において、第1円弧領域は、前端面と第2円弧領域との間に位置してもよい。第2曲率半径は、第1曲率半径よりも小さくてもよい。
【0009】
(3)上記(1)または(2)に係るホルダによれば、底辺に平行な方向をX方向とし、第1側面から第2側面に向かう方向に見て、底辺に垂直な方向をY方向とし、X方向において、距離が単調増加し始める位置を原点とした場合、X方向における位置をXとし、且つ、距離を、距離が単調増加し始める位置における距離で割った値をYとする関数の接線の傾きは、0mm-1より大きく且つ3.5mm-1よりも小さくてもよい。Xの単位はmmであり、Yの単位は無次元である。
【0010】
(4)上記(1)から(3)のいずれかに係るホルダによれば、ホルダは、前端面から後端面に向かうにつれて、底辺に垂直な方向における上端面と底辺との距離が単調に増加する部分を有してもよい。上辺と底辺との最大距離は、29mm以上35mm以下であってもよい。
【0011】
(5)上記(1)から(3)のいずれかに係るホルダによれば、ホルダは、前端面から後端面に向かうにつれて、底辺に垂直な方向における上端面と底辺との距離が単調に減少する部分を有してもよい。上辺と底辺との最大距離は、20mm以上29mm未満であってもよい。
【0012】
(6)上記(1)に係るホルダによれば、第1側面から第2側面に向かう方向に見て、上端面の少なくとも一部は、第1曲率半径を有する第1円弧領域と、第1円弧領域に連なり且つ第2曲率半径を有する第2円弧領域とを有してもよい。前端面から後端面に向かう方向において、第1円弧領域は、前端面と第2円弧領域との間に位置してもよい。第2曲率半径は、第1曲率半径よりも小さくてもよい。底辺に平行な方向をX方向とし、第1側面から第2側面に向かう方向に見て、底辺に垂直な方向をY方向とし、X方向において、距離が単調増加し始める位置を原点とした場合、X方向における位置をXとし、且つ、距離を、距離が単調増加し始める位置における距離で割った値をYとする関数の接線の傾きは、0mm-1より大きく且つ3.5mm-1よりも小さくてもよい。Xの単位はmmであり、Yの単位は無次元である。
【0013】
本開示の実施形態の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るホルダ100の構成を示す側面模式図である。
図1に示されるように、第1実施形態に係るホルダ100は、前端面13と、後端面14と、第1側面11と、第2側面12(
図2参照)と、上面30と、底面40と、を有している。前端面13は、被削材に対向する面である。前端面13は、例えば平面状である。後端面14は、前端面13の反対にある。後端面14は、例えば平面状である。後端面14は、前端面13と実質的に平行である。
【0015】
第1側面11は、前端面13および後端面14の各々に連なる。第1側面11は、例えば平面状である。第2側面12は、第1側面11の反対にある。第2側面12は、例えば平面状である。第2側面12は、前端面13および後端面14の各々に連なる。第2側面12は、第1側面11と実質的に平行である。ホルダ100は、超硬合金製である。超硬合金は、炭化タングステン(WC)と、コバルト(Co)とを含む。炭化タングステンの組成は、例えば84.8質量%である。コバルトの組成は、例えば15.2±0.3質量%である。炭化タングステンの粒度は、例えば4.0μmである。
【0016】
図2は、第1実施形態に係るホルダ100の構成を示す第1斜視模式図である。底面40は、第1底面領域41と、第2底面領域42と、底辺43とを有している。第1底面領域41は、第1側面11および前端面13の各々に連なっている。第1底面領域41は、第1側面11および前端面13の各々に対して傾斜している。第2底面領域42は、第2側面12および前端面13の各々に連なっている。第2底面領域42は、第2側面12および前端面13の各々に対して傾斜している。第1底面領域41と第2底面領域42との境界は、底辺43を形成する。
【0017】
図1に示されるように、第1側面11から第2側面12に向かう方向に見て、底辺43に平行な方向は、X方向とされる。第1側面11から第2側面12に向かう方向に見て、底辺43に垂直な方向は、Y方向とされる。第1側面11から第2側面12に向かう方向は、Z方向とされる。Z方向は、X方向およびY方向の各々に垂直である。X方向は、前端面13から後端面14に向かう方向と実質的に同じである。Y方向は、底面40から上面30に向かう方向と実質的に同じである。Z方向に見て、ホルダ100の底辺43は、直線状である。
【0018】
図3は、第1実施形態に係るホルダ100の構成を示す第2斜視模式図である。上面30は、第1上面領域31と、第2上面領域32と、第3上面領域33と、第4上面領域34と、第5上面領域35とを有している。第1上面領域31は、第1側面11に連なっている。第1上面領域31は、第1側面11に対して傾斜している。第2上面領域32は、第2側面12に連なっている。第2上面領域32は、第2側面12に対して傾斜している。
【0019】
第3上面領域33は、第1上面領域31および第2上面領域32の各々と連なっている。X方向において、第3上面領域33は、第1上面領域31および第2上面領域32の各々と、前端面13との間に位置する。第3上面領域33は、例えば平面状である。第5上面領域35は、第3上面領域33と連なっている。X方向において、第5上面領域35は、第3上面領域33と、前端面13との間に位置する。第4上面領域34は、第5上面領域35と連なっている。X方向において、第4上面領域34は、第5上面領域35と、前端面13との間に位置する。第4上面領域34は、例えば平面状である。
【0020】
図2および
図3に示されるように、ホルダ100は、押さえ面60と、第1支持面90と、第2支持面50と、正面部93とを有している。第1支持面90は、切削インサートの背面を支持する。第2支持面50は、切削インサートの底面を支持する。押さえ面60は、切削インサートの上面を押さえる。正面部93は、押さえ面60および第4上面領域34の各々に連なっている。正面部93は、被削材に対向する。
【0021】
図2に示されるように、押さえ面60は、第1押さえ面部61と、第2押さえ面部62と、第3押さえ面部63とを有している。第1押さえ面部61は、第1側面11に連なっている。第2押さえ面部62は、第2側面12に連なっている。第3押さえ面部63は、第1押さえ面部61および第2押さえ面部62の各々に連なっている。Z方向において、第3押さえ面部63は、第1押さえ面部61と第2押さえ面部62との間に位置している。Y方向において、第1押さえ面部61および第2押さえ面部62の各々は、第3押さえ面部63と第4上面領域34との間に位置している。
【0022】
図3に示されるように、第2支持面50は、第1底面支持部51と、第2底面支持部52と、第3底面支持部53とを有している。第1底面支持部51は、第1側面11に連なっている。第2底面支持部52は、第2側面12に連なっている。第3底面支持部53は、第1底面支持部51および第2底面支持部52の各々に連なっている。Z方向において、第3底面支持部53は、第1底面支持部51と第2底面支持部52との間に位置している。Y方向において、第1底面支持部51および第2底面支持部52の各々は、第3底面支持部53と底面40との間に位置している。
【0023】
ホルダ100は、板状である。X方向におけるホルダ100の最大厚みは、Y方向におけるホルダ100の最大厚みよりも大きい。X方向におけるホルダ100の最大厚みは、Y方向におけるホルダ100の最大厚みの2倍以上20倍以下であってもよい。Y方向におけるホルダ100の最大厚みは、Z方向におけるホルダ100の最大厚みよりも大きい。Y方向におけるホルダ100の最大厚みは、Z方向におけるホルダ100の最大厚みの2倍以上20倍以下であってもよい。
【0024】
図1に示されるように、ホルダ100には、貫通孔82と、スリット81と、が設けられている。貫通孔82およびスリット81の各々は、第1側面11と第2側面12との間を貫通する。Y方向において、貫通孔82は、第2支持面50と底面40との間に設けられている。Z方向に見て、貫通孔82は、環状である。Y方向において、スリット81は、第2支持面50と上面30との間に設けられている。Z方向に見て、スリット81は、環状ではなく、一部が開いている。
【0025】
図4は、
図1の領域IVの拡大模式図である。
図4に示されるように、スリット81は、上端面71と、下端面72とにより形成される。上端面71は、押さえ面60に連なる。下端面72は、第1支持面90に連なる。前端面13から後端面14に向かう方向において、スリット81の後端は、第1位置A1とされ、且つ、スリット81の前端は、第2位置A2とされる。スリット81の上端面71は、第1位置A1において押さえ面60に連なる。下端面72は、第2位置A2において上端面71に連なる。
【0026】
ホルダ100は、上辺37を有する。上辺37は、底辺43の反対にある。上辺37は、例えば、第3上面領域33と、第4上面領域34と、第5上面領域35と、第1上面領域31と第2上面領域32との境界線36と、により形成される。Z方向に見て、底辺43に対して垂直な方向における上端面71と上辺37との距離Tは、規定範囲において、前端面13から後端面14に向かうにつれて単調増加する。前端面13から後端面14に向かう方向において、第1位置A1と第2位置A2との距離は、第1長さL1とされる。前端面13から後端面14に向かう方向において、第1位置A1から、第1距離の80%の長さの位置を第3位置A3とすると、規定範囲は、第1位置A1から第3位置A3までの範囲である。前端面13から後端面14に向かう方向において、規定範囲の長さは、第2長さL2とされる。
【0027】
図4に示されるように、第1側面11から第2側面12に向かう方向に見て、上端面71の少なくとも一部は、第1円弧領域1と、第2円弧領域2と、第3円弧領域3と、を有していてもよい。第1円弧領域1は、第1曲率半径を有する。第2円弧領域2は、第2曲率半径を有する。第3円弧領域3は、第3曲率半径を有する。第2曲率半径は、第1曲率半径よりも小さい。第3曲率半径は、第2曲率半径よりも小さい。
【0028】
第1曲率半径は、例えば16mmである。第1曲率半径は、12mm以上18mm以下であってもよい。第2曲率半径は、例えば9mmである。第1曲率半径は、11mm以上7mm以下であってもよい。第3曲率半径は、例えば2.6mmである。第1曲率半径は、1mm以上4mm以下であってもよい。
【0029】
第2円弧領域2は、第1円弧領域1に連なる。前端面13から後端面14に向かう方向において、第1円弧領域1は、前端面13と第2円弧領域2との間に位置している。第3円弧領域3は、第2円弧領域2に連なる。前端面13から後端面14に向かう方向において、第2円弧領域2は、第1円弧領域1と第3円弧領域3との間に位置している。
【0030】
図4に示されるように、第1側面11から第2側面12に向かう方向に見て、上端面71の少なくとも一部は、第5円弧領域5と、第6円弧領域6と、を有していてもよい。第5円弧領域5は、第5曲率半径を有する。第6円弧領域6は、第6曲率半径を有する。第5曲率半径は、第6曲率半径よりも小さくてもよい。第1曲率半径は、第6曲率半径よりも小さくてもよい。
【0031】
第5曲率半径は、例えば2mmである。第5曲率半径は、1mm以上3mm以下であってもよい。第6曲率半径は、例えば11mmである。第6曲率半径は、9mm以上13mm以下であってもよい。
【0032】
第5円弧領域5は、押さえ面60および第6円弧領域6の各々に連なる。前端面13から後端面14に向かう方向において、第5円弧領域5は、押さえ面60と第6円弧領域6との間に位置している。第6円弧領域6は、第5円弧領域5および第1円弧領域1の各々に連なる。前端面13から後端面14に向かう方向において、第6円弧領域6は、第5円弧領域5と第1円弧領域1との間に位置している。
【0033】
図4に示されるように、第1側面11から第2側面12に向かう方向に見て、下端面72の少なくとも一部は、第4円弧領域4と、第7円弧領域7と、第8円弧領域8と、第9直線領域9と、を有していてもよい。第4円弧領域4は、第4曲率半径を有する。第7円弧領域7は、第7曲率半径を有する。第8円弧領域8は、第8曲率半径を有する。
【0034】
第4曲率半径は、第3曲率半径よりも小さくてもよい。第7曲率半径は、第4曲率半径よりも大きくてもよい。第8曲率半径は、第7曲率半径よりも小さくてもよい。
【0035】
第4曲率半径は、例えば1.1mmである。第4曲率半径は、0.5mm以上2mm以下であってもよい。第7曲率半径は、例えば5mmである。第7曲率半径は、3mm以上7mm以下であってもよい。第8曲率半径は、例えば2.2mmである。第8曲率半径は、1mm以上4mm以下であってもよい。
【0036】
第4円弧領域4は、第3円弧領域3および第7円弧領域7の各々に連なる。第4円弧領域4は、第3円弧領域3と第7円弧領域7との間に位置している。第7円弧領域7は、第8円弧領域8および第4円弧領域4の各々に連なる。前端面13から後端面14に向かう方向において、第7円弧領域7は、第8円弧領域8と第4円弧領域4との間に位置している。第8円弧領域8は、第9直線領域9および第7円弧領域7の各々に連なる。前端面13から後端面14に向かう方向において、第8円弧領域8は、第9直線領域9と第7円弧領域7との間に位置している。
【0037】
円弧領域の特定は、以下の方法で行われる。まず、第1側面11から第2側面12に向かう方向に見たスリット81の画像が、画像寸法測定器により取得される。画像寸法測定器として、例えば株式会社キーエンス製の画像寸法測定器IMシリーズが用いられる。取得された画像に基づき、スリット81の上端面71および下端面72における各円弧領域が特定される。
【0038】
図4に示されるように、第1側面11から第2側面12に向かう方向に見て、第9直線領域9は、例えばX方向に沿って延びている。第1支持面90は、例えばY方向に沿って延びている。第9直線領域9は、第1支持面90に連なる。ホルダ100は、ぬすみ領域91を有している。ぬすみ領域91には、切削インサートの底面と背面との境界部が配置される。ぬすみ領域91は、第2支持面50および第1支持面90の各々に連なる。第1側面11から第2側面12に向かう方向に見て、ぬすみ領域91は、円弧状である。
【0039】
図5は、第1実施形態に係るホルダ100のX方向における位置と、T/T0との関係を示す模式図である。Y軸の値は、TをT0で割った値である。ここで、Tは、Y方向におけるスリット81の上端面71とホルダ100の上辺37との距離である。T0は、上端面71とホルダ100の上辺37との距離が単調増加し始める位置における、上端面71とホルダ100の上辺37との距離である。Xの単位はmmである。Yの単位は無次元である。
【0040】
X方向は、底辺43に平行な方向とされる。Y方向は、第1側面11から第2側面12に向かう方向に見て、底辺43に垂直な方向とされる。X方向において、Tが単調増加し始める位置は、原点とされる。
図5に示されるように、X方向における位置をXとし、且つ、T/T0の値をYとする関数Bの接線Cの傾きは、0mm
-1より大きく且つ3.5mm
-1よりも小さい。接線Cの傾きは、0.1mm
-1より大きくてもよいし、0.2mm
-1よりも大きくてもよい。接線Cの傾きは、3mm
-1よりも小さくてもよいし、2mm
-1より小さくてもよい。
【0041】
図1に示されるように、ホルダ100の上辺37と底辺43との最大距離は、第1距離H1とされる。第1距離H1は、例えば20mm以上29mm未満である。第1距離H1は、22mm以上であってもよいし、24mm以上であってもよい。第1距離H1は、28mm以下であってもよいし、26mm以下であってもよい。
【0042】
ホルダ100の底辺43に垂直な方向において、スリット81の上端面71とホルダ100の底辺43との距離は、第2距離H2とされる。スリット81の上端面71は、第1部分71aと、第2部分71bとを有している。第1部分71aは、前端面13から後端面14に向かうにつれて、第2距離H2が単調に増加する部分である。第2部分71bは、前端面13から後端面14に向かうにつれて、第2距離H2が単調に減少する部分である。
【0043】
X方向において、第1部分71aは、押さえ面60と、第2部分71bとの間に位置している。第2部分71bは、第1位置A1に連なっている。X方向における第1部分71aの長さは、第1長さL1の20%以下であってもよいし、第1長さL1の10%以下であってもよい。X方向における第2部分71bの長さは、第1長さL1の30%以上であってもよいし、第1長さL1の50%以上であってもよいし、第1長さL1の70%以上であってもよい。X方向において、第2部分71bの長さは、第1部分71aの長さよりも長い。
【0044】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るホルダ100の構成について説明する。第2実施形態に係るホルダ100は、主に、上辺37と底辺43との最大距離が長い点において、第1実施形態に係るホルダ100と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係るホルダ100と実質的に同じである。以下、第1実施形態に係るホルダ100と異なる構成を中心に説明する。
【0045】
図6は、第2実施形態に係るホルダ100の構成を示す側面模式図である。
図7は、
図6の領域VIIの拡大模式図である。
【0046】
図6に示されるように、第1距離H1は、例えば29mm以上35mm以下である。第1距離H1は、30mm以上であってもよいし、31mm以上であってもよい。第1距離H1は、34mm以下であってもよいし、33mm以下であってもよい。
【0047】
スリット81の上端面71は、第1部分71aと、第2部分71bとを有している。X方向において、第1部分71aの長さは、第2部分71bの長さよりも長い。X方向における第1部分71aの長さは、第1長さL1の30%以上であってもよいし、第1長さL1の40%以上であってもよい。X方向における第2部分71bの長さは、第1長さL1の40%以下であってもよいし、第1長さL1の30%以下であってもよい。
【0048】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るホルダ100の構成について説明する。第3実施形態に係るホルダ100は、主に、切削油を供給するための給油穴が設けられている点において、第1実施形態に係るホルダ100と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係るホルダ100と実質的に同じである。以下、第1実施形態に係るホルダ100と異なる構成を中心に説明する。
【0049】
図8は、第3実施形態に係るホルダ100の構成を示す断面模式図である。
図8に示される断面は、X方向およびY方向の各々に平行であり、且つ、Z方向におけるホルダの中間位置と交差する。
【0050】
図8に示されるように、第3実施形態に係るホルダ100には、第1流路21と、第2流路22と、第3流路23と、第4流路24と、接続穴29と、第1給油穴25と、第2給油穴26とが形成されている。第1給油穴25は、第4上面領域34に位置している。第1給油穴25は、第4上面領域34における第1流路21の開口部である。第1流路21は、第3流路23に向かってに延びている。第1流路21は、第3流路23に連なっている。第3流路23は、第3上面領域33から接続穴29に向かって延びている。第3流路23は、接続穴29に連なっている。
【0051】
第2給油穴26は、前端面13に位置している。第2給油穴26は、前端面13における第2流路22の開口部である。第2流路22は、第4流路24に向かってに延びている。第2流路22は、第4流路24に連なっている。第4流路24は、前端面13から接続穴29に向かって延びている。第4流路24は、接続穴29に連なっている。
【0052】
ホルダ100は、第1埋め栓27と、第2埋め栓28とを有している。第1埋め栓27は、第3上面領域33における第3流路23の開口を塞いでいる。第2埋め栓28は、前端面13における第4流路24の開口を塞いでいる。
【0053】
接続穴29は、ツールブロック(図示せず)に接続される。切削油は、ツールブロックから接続穴29を通して、第3流路23および第4流路24に供給される。切削油は、第1流路21および第3流路23を介して第1給油穴25からホルダ100の外部に排出され、且つ、第2流路22および第4流路24を介して第2給油穴26からホルダ100の外部に排出される。
【0054】
なお、第1流路21、第2流路22、第3流路23および第4流路24の各々の断面形状は、円であってもよいし、楕円であってもよいし、多角形であってもよい。
図8に示されるように、Z方向に見て、第1流路21、第2流路22、第3流路23および第4流路24の各々は、直線状であってもよい。Z方向に見て、第1流路21、第2流路22、第3流路23および第4流路24の各々は、曲線状であってもよい。Z方向に見て、スリット81は、第1流路21と第4流路24との間に位置していてもよい。
【0055】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係るホルダ100の構成について説明する。第4実施形態に係るホルダ100は、主に、切削油を供給するための給油穴が設けられている点において、第2実施形態に係るホルダ100と異なっており、その他の構成については、第1実施形態に係るホルダ100と実質的に同じである。また第4実施形態に係るホルダ100は、主に、上辺37と底辺43との最大距離が長い点において、第3実施形態に係るホルダ100と異なっており、その他の構成については、第3実施形態に係るホルダ100と実質的に同じである。以下、第2実施形態に係るホルダ100および第3実施形態に係るホルダ100の各々と異なる構成を中心に説明する。
【0056】
図9は、第4実施形態に係るホルダ100の構成を示す断面模式図である。
図9に示される断面は、X方向およびY方向の各々に平行であり、且つ、Z方向におけるホルダの中間位置と交差する。
【0057】
図9に示されるように、第4実施形態に係るホルダ100には、第1流路21と、第2流路22と、第3流路23と、第4流路24と、接続穴29と、第1給油穴25と、第2給油穴26と、が形成されている。第3流路23および第4流路24の各々は、X方向において前端面13と後端面14との中間位置にある中間仮想面Dと交差する。中間仮想面Dは、Y方向に平行である。X方向において、接続穴29は、中間仮想面Dと後端面14との間に位置している。
【0058】
図10は、切削インサートをホルダ100に取り付けた状態を示す側面模式図である。
図10に示されるように、切削インサート70の背面は、第1支持面90に支持される。切削インサート70の底面は、第2支持面50に支持される。切削インサート70の上面は、押さえ面60によって押される。切削インサート70は、背面が第1支持面90に接した状態で、押さえ面60と第2支持面50とによって挟まれることにより、ホルダ100にクランプされる。切削インサート70がホルダ100にクランプされた状態で、切削インサート70の切れ刃75を回転する被削材に押し当てることにより、被削材が旋削加工される。具体的には、被削材の回転方向に対して略垂直な方向に切削インサート70が移動することにより、被削材に対して突っ切り加工が行われる。
【0059】
次に、本実施形態に係るホルダ100の作用効果について説明する。
本実施形態に係るホルダ100によれば、底辺43に対して垂直な方向におけるスリット81の上端面71とホルダ100の上辺37との距離は、規定範囲において、前端面13から後端面14に向かうにつれて単調増加する。前端面13から後端面14に向かう方向において、スリット81の後端を第1位置A1とし、スリット81の前端を第2位置A2とし、第1位置A1から、第1位置A1と第2位置A2との距離の80%の長さの位置を第3位置A3とすると、規定範囲は、第1位置A1から第3位置A3までの範囲である。これにより、ホルダ100に切削インサート70を取り付けた場合において、ホルダ100の特定箇所に応力が集中することを抑制できる。そのため、ホルダ100が破損することなく、切削インサート70をクランプすることができる。
【0060】
また本実施形態に係るホルダ100は、切削インサート70の背面を支持する第1支持面90を有している。そのため、切削インサート70の刃先の位置精度を向上することができる。
【0061】
本実施形態に係るホルダ100によれば、第1側面11から第2側面12に向かう方向に見て、上端面71の少なくとも一部は、第1曲率半径を有する第1円弧領域1と、第1円弧領域1に連なり且つ第2曲率半径を有する第2円弧領域2とを有してもよい。前端面13から後端面14に向かう方向において、第1円弧領域1は、前端面13と第2円弧領域2との間に位置してもよい。第2曲率半径は、第1曲率半径よりも小さくてもよい。これにより、ホルダ100における応力分布をより均一化することができる。そのため、ホルダ100の特定箇所に応力が集中することをさらに抑制できる。
【0062】
本実施形態に係るホルダ100によれば、前端面13から後端面14に向かうにつれて、底辺43に垂直な方向におけるスリット81の上端面71と底辺43との距離が単調に増加する部分を有してもよい。これにより、スリット81の下端面72と底辺43との距離を大きくすることができる。結果として、ホルダ100の剛性を高めることができる。
【0063】
本実施形態に係るホルダ100によれば、前端面13から後端面14に向かうにつれて、底辺43に垂直な方向におけるスリット81の上端面71と底辺43との距離が単調に減少する部分を有してもよい。これにより、上辺37と底辺43との最大距離が小さい場合であっても、スリット81の上端面71とホルダ100の上辺37との距離を大きくすることができる。そのため、上辺37と底辺43との最大距離が小さい場合であっても、ホルダ100が破損することなく、切削インサート70をクランプすることができる。
【実施例】
【0064】
次に、実施例について説明する。サンプル1は、実施例に係るホルダ100である。具体的には、サンプル1は、第1実施形態に係るホルダ100である(
図1参照)。サンプル2は、比較例に係るホルダ100である。
【0065】
図11は、比較例に係るホルダ100の構成を示す側面模式図である。
図12は、X方向における位置と、スリット81の上端面71とホルダ100の上辺37との距離との関係を示す模式図である。
【0066】
図11および
図12に示されるように、サンプル2に係るホルダ100においては、底辺43に対して垂直な方向における上端面71と上辺37との距離は、第1位置A1から第3位置A3までの範囲において、前端面13から後端面14に向かうにつれて単調増加する。一方、サンプル1に係るホルダ100において、底辺43に対して垂直な方向における上端面71と上辺37との距離は、第1位置A1から第3位置A3までの範囲において、前端面13から後端面14に向かうにつれて単調増加していない。
【0067】
図13は、X方向における位置と、ホルダ100の応力との関係を示す模式図である。応力は、有限要素法を用いたシミュレーションにより算出された。ホルダ100を形成する材料のヤング率およびポアソン比は、それぞれ620GPaおよび0.21とされた。切削インサート70がホルダ100にクランプされた状態を再現するため、ホルダ100の底辺43が、X方向、Y方向およびZ方向において回転しないように拘束した状態で、押さえ面60の前端をY方向に強制変位させた。強制変位量は、0.2mmとされた。応力は、最大主応力とされた。
【0068】
図13に示されるように、サンプル2に係るホルダ100の応力の最大値は、2300MPa程度であった。一方、サンプル1に係るホルダ100の応力の最大値は、1700MPa程度であった。以上の結果より、実施例に係るホルダ100は、比較例に係るホルダ100と比較して、応力の最大値を低減可能であることが確かめられた。
【0069】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0070】
1 第1円弧領域、2 第2円弧領域、3 第3円弧領域、4 第4円弧領域、5 第5円弧領域、6 第6円弧領域、7 第7円弧領域、8 第8円弧領域、9 第9直線領域、11 第1側面、12 第2側面、13 前端面、14 後端面、21 第1流路、22 第2流路、23 第3流路、24 第4流路、25 第1給油穴、26 第2給油穴、27 第1埋め栓、28 第2埋め栓、29 接続穴、30 上面、31 第1上面領域、32 第2上面領域、33 第3上面領域、34 第4上面領域、35 第5上面領域、36 境界線、37 上辺、40 底面、41 第1底面領域、42 第2底面領域、43 底辺、50 第2支持面、51 第1底面支持部、52 第2底面支持部、53 第3底面支持部、60 押さえ面、61 第1押さえ面部、62 第2押さえ面部、63 第3押さえ面部、70 切削インサート、71 上端面、71a 第1部分、71b 第2部分、72 下端面、75 切れ刃、81 スリット、82 貫通孔、90 第1支持面、91 ぬすみ領域、93 正面部、100 ホルダ、A1 第1位置、A2 第2位置、A3 第3位置、B 関数、C 接線、D 中間仮想面、H1 第1距離、H2 第2距離、L1 第1長さ、L2 第2長さ、T 距離。
【要約】
ホルダは、超硬合金製であり、且つ、前端面と、後端面と、第1側面と、第2側面と、押さえ面と、第1支持面と、第2支持面と、を有する。押さえ面は、切削インサートの上面を押さえる。第1支持面は、切削インサートの背面を支持する。第2支持面は、切削インサートの底面を支持する。ホルダには、第1側面と第2側面との間を貫通するスリットが設けられている。スリットは、押さえ面に連なる上端面と、第1支持面および上端面の各々に連なる下端面とにより形成されている。第1側面から第2側面に向かう方向に見て、底辺に対して垂直な方向における上端面と上辺との距離は、第1位置から第3位置までの範囲において、前端面から後端面に向かうにつれて単調増加する。