(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】オーディオデータ処理方法及び装置、並びにサウンドボックスシステム
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20250311BHJP
H04R 1/40 20060101ALI20250311BHJP
H04R 1/26 20060101ALI20250311BHJP
H04R 1/32 20060101ALI20250311BHJP
H04R 1/28 20060101ALI20250311BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20250311BHJP
H04S 7/00 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04R1/40 310
H04R1/26
H04R1/32 310A
H04R1/28 310E
H04R1/02 101Z
H04S7/00 300
(21)【出願番号】P 2023513303
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 CN2021103324
(87)【国際公開番号】W WO2022042009
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】202010880205.9
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジポン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】ペン,シチアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,シアンユィ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ファン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ハイティン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ティジォン
【審査官】齊田 寛史
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-539535(JP,A)
【文献】米国特許第9762999(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第110798760(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0055649(KR,A)
【文献】特許第4819963(JP,B1)
【文献】実公昭51-38353(JP,Y1)
【文献】特開2010-21705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/02
H04R 1/26 - 1/40
H04R 3/00
H04S 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全周波数サウンドボックス本体及び第1締結部を有する全周波数サウンドボックスであって、
前記全周波数サウンドボックス本体はM個のスピーカを有し、前記M個のスピーカは、前記全周波数サウンドボックス本体において平面的に分布し、前記M個のスピーカはK対の音響ダイポールを構成し、Mは2よりも大きい正の整数であり、Kは2以上の正の整数であり、
前記第1締結部は、前記全周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置され、前記第1締結部は、当該全周波数サウンドボックスが低周波数サウンドボックスへ物理的に接続されるか又はそれから分離されるように、前記低周波数サウンドボックスの本体に配置されている、前記第1締結部と対をなす第2締結部に接続可能であるよう構成され、前記第1締結部は第1通信部を有し、前記第1通信部は、当該全周波数サウンドボックスが前記低周波数サウンドボックスと通信することを可能にするよう構成され、前記第1通信部はマルチチャネルオーディオデータ伝送をサポートし、
前記低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は、当該全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れて
おり、
一対の音響ダイポールは一対のスピーカに対応し、
前記K対の音響ダイポールのうちの少なくとも2対の音響ダイポールは、次の、d
i
≠d
j
という条件を満足し、d
i
は、i番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカの間の距離であり、d
j
は、j番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカの間の距離であり、i及びjの夫々は、1、2、・・・、Kのうちの1つであり、i≠jであり、Kは2以上の正の整数であり、
前記i番目の対の音響ダイポールを構成する前記2つのスピーカは、ターゲットオーディオデータの第1周波数バンドを再生するよう構成され、前記j番目の対の音響ダイポールを構成する前記2つのスピーカは、前記ターゲットオーディオデータの第2周波数バンドを再生するよう構成され、前記第1周波数バンド及び前記第2周波数バンドは異なる周波数バンドである、
全周波数サウンドボックス。
【請求項2】
前記K対の音響ダイポールの配置方向は、次の、水平方向、垂直方向、又は斜め上向き方向、のうちの少なくとも2つを有する、
請求項1に記載の全周波数サウンドボックス。
【請求項3】
d
i>d
jの場合に、前記i番目の対の音響ダイポールを構成する前記2つのスピーカによって再生することができるオーディオデータの中心周波数は、前記j番目の対の音響ダイポールを構成する前記2つのスピーカによって再生することができるオーディオデータの中心周波数よりも小さい、
請求項
1又は2に記載の全周波数サウンドボックス。
【請求項4】
パッシブフィルムが前記M個のスピーカのうちの少なくとも1つのスピーカに配置され、前記パッシブフィルムは、当該スピーカの低周波応答を広げるよう構成され、
前記少なくとも1つのスピーカの夫々は1つのパッシブフィルムに対応し、前記パッシブフィルムは当該スピーカのキャビティの背面に取り付けられ、あるいは、前記少なくとも1つのスピーカの夫々は2つのパッシブフィルムに対応し、前記2つのパッシブフィルムは当該スピーカのキャビティの両側に夫々位置する、
請求項1乃至
3のうちいずれか一項に記載の全周波数サウンドボックス。
【請求項5】
当該全周波数サウンドボックスはN個のスピーカを更に有し、Nは正の整数であり、NはM以下であり、
前記N個のスピーカは、N個の背中合わせのスピーカ対を構成するよう前記M個のスピーカのうちのN個のスピーカと背中合わせに夫々配置され、前記M個のスピーカは第1平面に面し、前記N個のスピーカは第2平面に面し、前記第1平面及び前記第2平面は、当該全周波数サウンドボックスの垂直投影に対して垂直な2つの平面であり、前記第1平面は前記第2平面に平行であり、あるいは、
前記N個のスピーカは、N個の向かい合ったスピーカ対を構成するよう前記M個のスピーカのうちのN個のスピーカと向かい合って夫々配置され、前記M個のスピーカのキャビティは第1平面に面し、前記N個のスピーカのキャビティは第2平面に面し、前記第1平面及び前記第2平面は、当該全周波数サウンドボックスの垂直投影に対して垂直な2つの平面であり、前記第1平面は前記第2平面に平行である、
請求項1乃至
4のうちいずれか一項に記載の全周波数サウンドボックス。
【請求項6】
前記N個の背中合わせのスピーカ対のうちの各対の2つのスピーカは1つのキャビティを共有し、
パッシブフィルムが、前記N個の背中合わせのスピーカ対のうちの少なくとも1つのスピーカ対のキャビティに配置され、前記少なくとも1つのスピーカ対のうちの1つのスピーカ対は2つのパッシブフィルムに対応し、前記2つのパッシブフィルムは背中合わせであり、当該スピーカ対に隣接している前記キャビティ内の2つの側面に夫々取り付けられる、
請求項
5に記載の全周波数サウンドボックス。
【請求項7】
前記全周波数サウンドボックス本体は、次の、輪、円、木、W字、のうちの1つの形状をとる、
請求項1乃至
6のうちいずれか一項に記載の全周波数サウンドボックス。
【請求項8】
前記第1締結部は、前記全周波数サウンドボックス本体を支持するよう更に構成される、
請求項1乃至
7のうちいずれか一項に記載の全周波数サウンドボックス。
【請求項9】
前記第1締結部は、前記全周波数サウンドボックス本体に接続された第1のシート状部分であり、あるいは、
前記第1締結部は、前記全周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凹部である、
請求項1乃至
8のうちいずれか一項に記載の全周波数サウンドボックス。
【請求項10】
当該全周波数サウンドボックスは、プロセッサ及び前記プロセッサへ接続されるトランシーバを有し、
前記プロセッサは、再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行し、フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行してターゲットオーディオデータを取得するよう構成され、前記ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分が、当該全周波数サウンドボックスによって再生され、
前記トランシーバは、前記第1通信部を使用することによって、前記ターゲットオーディオデータの低周波数成分を前記低周波数サウンドボックスへ送るよう構成され、前記ターゲットオーディオデータの前記低周波数成分が、前記低周波数サウンドボックスによって再生される、
請求項1乃至
9のうちいずれか一項に記載の全周波数サウンドボックス。
【請求項11】
低周波数サウンドボックス本体及び第2締結部を有する低周波数サウンドボックスであって、
前記低周波数サウンドボックス本体は、1つ以上の低周波数スピーカを有し、前記第2締結部は、前記低周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置され、前記第2締結部は、当該低周波数サウンドボックスが全周波数サウンドボックスへ物理的に接続されるか又はそれから分離されるように、前記全周波数サウンドボックスの本体に配置されている、前記第2締結部と対をなす第1締結部に接続可能であるよう構成され、前記第2締結部は第2通信部を有し、前記第2通信部は、当該低周波数サウンドボックスが前記全周波数サウンドボックスと通信することを可能にするよう構成され、前記第2通信部はマルチチャネルオーディオデータ伝送をサポートし、
当該低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は、前記全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れており、前記全周波数サウンドボックスの周波数バンド範囲は、当該低周波数サウンドボックスの周波数バンド範囲よりも広
く、
当該低周波数サウンドボックスは、カメラ又はマイクロホンを更に有し、当該低周波数サウンドボックスは、前記カメラを使用することによってリスナーの画像情報を捕捉するよう、又は前記マイクロホンを使用することによってリスナーの音響信号を捕捉するよう構成され、前記リスナーの前記画像情報又は前記リスナーの前記音響信号は、フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータの音場拡張処理を実行するために使用される、
低周波数サウンドボックス。
【請求項12】
前記第2締結部は、前記低周波数サウンドボックス本体に接続された第2のシート状部分であり、あるいは、
前記第2締結部は、前記低周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凸部である、
請求項
11に記載の低周波数サウンドボックス。
【請求項13】
当該低周波数サウンドボックスは充電ポートを更に有し、前記充電ポートは外部電源へ接続されて、電力を当該低周波数サウンドボックスへ供給するよう、あるいは、当該低周波数サウンドボックスが前記全周波数サウンドボックスへ接続される場合に当該低周波数サウンドボックスを使用することによって前記全周波数サウンドボックスを充電するよう構成される、
請求項
11又は
12に記載の低周波数サウンドボックス。
【請求項14】
当該低周波数サウンドボックスは、プロセッサ及び前記プロセッサへ接続されるトランシーバを有し、
前記プロセッサは、再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行し
て前記フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータを取得し、
前記フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行し
てターゲットオーディオデータを取得するよう構成され、前記ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分が、前記全周波数サウンドボックスによって再生され、
前記トランシーバは、前記第2通信部を使用することによって前記ターゲットオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分を前記全周波数サウンドボックスへ送信するよう構成され、前記ターゲットオーディオデータの低周波数成分が、当該低周波数サウンドボックスによって再生される、
請求項
11乃至
13のうちいずれか一項に記載の低周波数サウンドボックス。
【請求項15】
請求項1乃至
10のうちいずれか一項に記載の全周波数サウンドボックスと、請求項
11乃至
14のうちいずれか一項に記載の低周波数サウンドボックスとを有し、
前記全周波数サウンドボックスは、前記第1締結部及び前記第2締結部を使用することによって前記低周波数サウンドボックスへ物理的に接続され、前記全周波数サウンドボックスは、前記第1通信部及び前記第2通信部を使用することによって前記低周波数サウンドボックスと通信し、前記第1締結部及び前記第2締結部は、一群の対に成った接続部であり、前記第1通信部及び前記第2通信部は、一群の対に成った通信部である、
サウンドボックスシステム。
【請求項16】
前記全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータを再生するよう、あるいは、前記ターゲットオーディオデータの高周波数成分及び/又は中間周波数成分を再生するよう構成され、
前記低周波数サウンドボックスは、前記ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生するよう構成される、
請求項
15に記載のサウンドボックスシステム。
【請求項17】
前記全周波数サウンドボックスは、前記第1締結部及び前記第2締結部を使用することによって積み重ね又は取り付けモードで前記低周波数サウンドボックスへ接続される、
請求項
15又は
16に記載のサウンドボックスシステム。
【請求項18】
前記第1締結部が第1のシート状部分であり、前記第2締結部が第2のシート状部分であり、前記第1のシート状部分が前記第2のシート状部分に接触して結合される場合に、前記全周波数サウンドボックスは、積み重ねモードで前記低周波数サウンドボックスへ接続される、
請求項
17に記載のサウンドボックスシステム。
【請求項19】
前記第1締結部が、前記全周波数サウンドボックス本体の片側に沿って外側に延在する第1のシート状部分であり、前記第2締結部が、前記低周波数サウンドボックス本体の片側に沿って外側に延在する第2のシート状部分であり、前記第1のシート状部分が前記第2のシート状部分に接触して結合される場合に、前記全周波数サウンドボックスは、取り付けモードで前記低周波数サウンドボックスへ接続される、
請求項
17に記載のサウンドボックスシステム。
【請求項20】
前記第1締結部は、バックル結合又は磁気結合モードで前記第2締結部へ接続される、
請求項
18又は
19に記載のサウンドボックスシステム。
【請求項21】
前記第1締結部が、前記全周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凹部であり、前記第2締結部が、前記低周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凸部であり、前記凹部が前記凸部に接触して結合される場合に、前記全周波数サウンドボックスは、積み重ねモードで前記低周波数サウンドボックスへ接続される、
請求項
17に記載のサウンドボックスシステム。
【請求項22】
前記第1締結部は、バックル結合又はネジ結合モードで前記第2締結部へ接続される、
請求項
21に記載のサウンドボックスシステム。
【請求項23】
当該サウンドボックスシステムは、少なくとも1つの全周波数サウンドボックスを更に有し、当該サウンドボックスシステムに含まれる少なくとも2つの全周波数サウンドボックスは協働することができる、
請求項
15乃至
22のうちいずれか一項に記載のサウンドボックスシステム。
【請求項24】
当該サウンドボックスシステムは、少なくとも1つの全周波数サウンドボックス及び少なくとも1つの低周波数サウンドボックスを更に有し、
当該サウンドボックスシステムにおいて、1つの全周波数サウンドボックスは、1つのサウンドボックスサブシステムを構成するように、1つの低周波数サウンドボックスに対応し、当該サウンドボックスシステムに含まれる少なくとも2つのサウンドボックスサブシステムは協働することができる、
請求項
15乃至
22のうちいずれか一項に記載のサウンドボックスシステム。
【請求項25】
端末によって、請求項1乃至
10のうちいずれか一項に記載の全周波数サウンドボックスの前記第1通信部が請求項
11乃至
14のうちいずれか一項に記載の低周波数サウンドボックスの前記第2通信部へ接続されているかどうかを検出することと、
前記端末が、検出により、前記第1通信部が前記第2通信部へ接続されていないことを見つける場合に、前記端末によって、再生されるべきオーディオデータを前記全周波数サウンドボックスへ送ること、
前記端末が、検出により、前記第1通信部が前記第2通信部へ接続されていることを見つける場合に、前記端末によって、第1オーディオデータを前記全周波数サウンドボックスへ送り、第2オーディオデータを前記低周波数サウンドボックスへ送ることであり、前記第1オーディオデータは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分であり、前記第2オーディオデータは、前記再生されるべきオーディオデータの低周波数成分である、こと、
前記端末によって、再生されるべきオーディオデータを前記全周波数サウンドボックスへ送ること、又は
前記端末によって、再生されるべきオーディオデータを前記低周波数サウンドボックスへ送ること、と
を有するオーディオデータ処理方法。
【請求項26】
請求項1乃至
10のうちいずれか一項に記載の全周波数サウンドボックスに適用されるオーディオデータ処理方法であって、
再生されるべきオーディオデータを取得することと、
前記再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、前記再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得することと、
前記再生されるべきオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分並びに前記低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得することと、
前記ターゲットオーディオデータの前記低周波数成分を前記低周波数サウンドボックスへ送ることと
を有し、
前記ターゲットオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分は、前記全周波数サウンドボックスによって再生され、前記ターゲットオーディオデータの前記低周波数成分は、前記低周波数サウンドボックスによって再生される、
方法。
【請求項27】
請求項
11乃至
14のうちいずれか一項に記載の低周波数サウンドボックスに適用されるオーディオデータ処理方法であって、
再生されるべきオーディオデータを取得することと、
前記再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、前記再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得することと、
前記再生されるべきオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分並びに前記低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得することと、
前記ターゲットオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分を前記全周波数サウンドボックスへ送ることと
を有し、
前記ターゲットオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分は、前記全周波数サウンドボックスによって再生され、前記ターゲットオーディオデータの前記低周波数成分は、前記低周波数サウンドボックスによって再生される、
方法。
【請求項28】
請求項
15乃至
24のうちいずれか一項に記載のサウンドボックスシステムとの通信接続を端末が確立するシナリオに適用されるオーディオデータ処理方法であって、
前記端末がユーザの第1操作を受け取る場合に、前記端末によって前記第1操作に応答して、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御すること、又は
前記端末が前記ユーザの第2操作を受け取る場合に、前記端末によって前記第2操作に応答して、協働するよう前記全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御すること
を有する方法。
【請求項29】
前記端末によって前記第1操作に応答して、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御することは、
前記端末によって、前記第1操作に応答して第1命令を前記サウンドボックスシステムへ送ることを有し、
前記第1命令は、独立して作動するよう前記全周波数サウンドボックスを制御するために使用され、
前記全周波数サウンドボックスが独立して作動することは、前記全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータを再生することを意味する、
請求項
28に記載の方法。
【請求項30】
第1命令を前記サウンドボックスシステムへ送ることは、
前記第1命令を前記低周波数サウンドボックスへ送ることを有する、
請求項
29に記載の方法。
【請求項31】
前記端末によって前記第2操作に応答して、協働するよう前記全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御することは、
前記端末によって前記第2操作に応答して、第2命令を前記サウンドボックスシステムへ送ることを有し、
前記第2命令は、作動するよう前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスを制御するために使用され、
前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスが協働することは、前記全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、前記低周波数サウンドボックスが前記ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することを意味する、
請求項
28乃至
30のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
第2命令を前記サウンドボックスシステムへ送ることは、
前記第2命令を前記低周波数サウンドボックスへ送ることを有する、
請求項
31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1操作は、前記端末の第1インターフェース内の第1オプションに対して前記ユーザによって行われた選択操作であり、前記第1オプションは、前記全周波数サウンドボックスが独立して作動することに対応し、
前記第2操作は、前記端末の前記第1インターフェース内の第2オプションに対して前記ユーザによって行われた選択操作であり、前記第2オプションは、前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスが協働することに対応する、
請求項
28乃至
32のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記全周波数サウンドボックスが独立して作動する場合に、当該方法は、
現在再生されるべきオーディオデータが深部低周波オーディオデータであると前記端末が決定する場合に、前記端末によって第1プロンプト情報を表示することを更に有し、
前記第1プロンプト情報は、前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスが協働することをプロンプトするために使用される、
請求項
28乃至
33のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
当該方法は、
前記端末によって第3操作を受け取ることと、
前記端末によって前記第3操作に応答して、前記低周波数サウンドボックスのカメラ又はマイクロホンを制御して起動させることと
を更に有する、
請求項
28乃至
34のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記サウンドボックスシステムは、複数の全周波数サウンドボックスを有し、当該方法は、
前記端末によって、オーディオデータのチャネルと前記複数の全周波数サウンドボックスとの間の対応を、前記複数の全周波数サウンドボックスの位置情報に基づき決定し、前記オーディオデータの前記チャネルと前記複数の全周波数サウンドボックスとの間の前記対応に関する情報を表示することを有する、
請求項
28乃至
35のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
請求項
15乃至
24のうちいずれか一項に記載のサウンドボックスシステムとの通信接続を端末が確立するシナリオに適用されるオーディオデータ処理方法であって、
前記端末によってターゲットオーディオデータのタイプを決定することであり、前記ターゲットオーディオデータの前記タイプは深部低周波又は非深部低周波を有する、ことと、
前記ターゲットオーディオデータの前記タイプが前記非深部低周波であるとき、前記端末によって、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御すること、又は
前記ターゲットオーディオデータの前記タイプが前記深部低周波であるとき、前記端末によって、協働するよう前記全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御すること、と
を有する方法。
【請求項38】
前記端末によって、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御することは、
前記端末によって第1命令を前記サウンドボックスシステムへ送ることを有し、
前記第1命令は、独立して作動するよう前記全周波数サウンドボックスを制御するために使用され、前記全周波数サウンドボックスが独立して作動することは、前記全周波数サウンドボックスが前記ターゲットオーディオデータを再生することを意味する、
請求項
37に記載の方法。
【請求項39】
第1命令を前記サウンドボックスシステムへ送ることは、
前記第1命令を前記低周波数サウンドボックスへ送ることを有する、
請求項
38に記載の方法。
【請求項40】
前記端末によって、協働するよう前記全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御することは、
前記端末によって第2命令を前記サウンドボックスシステムへ送ることを有し、
前記第2命令は、前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスを作動するよう制御するために使用され、前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスが協働することは、前記全周波数サウンドボックスが前記ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、前記低周波数サウンドボックスが、前記ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することを意味する、
請求項
37乃至
39のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
第2命令を前記サウンドボックスシステムへ送ることは、
前記第2命令を前記低周波数サウンドボックスへ送ることを有する、
請求項
40に記載の方法。
【請求項42】
検出モジュール及び送信モジュールを有し、
前記検出モジュールは、請求項1乃至
10のうちいずれか一項に記載の全周波数サウンドボックスの前記第1通信部が請求項
11乃至
14のうちいずれか一項に記載の低周波数サウンドボックスの前記第2通信部へ接続されているかどうかを検出するよう構成され、
前記送信モジュールは、前記検出モジュールが、検出により、前記第1通信部が前記第2通信部へ接続されていないことを見つける場合に、再生されるべきオーディオデータを前記全周波数サウンドボックスへ送るよう構成され、あるいは、
前記送信モジュールは、前記検出モジュールが、検出により、前記第1通信部が前記第2通信部へ接続されていることを見つける場合に、第1オーディオデータを前記全周波数サウンドボックスへ送り、第2オーディオデータを前記低周波数サウンドボックスへ送るよう構成され、前記第1オーディオデータは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分であり、前記第2オーディオデータは、前記再生されるべきオーディオデータの低周波数成分であり、あるいは、
前記送信モジュールは、再生されるべきオーディオデータを前記全周波数サウンドボックスへ送るよう構成され、あるいは、
前記送信モジュールは、再生されるべきオーディオデータを前記低周波数サウンドボックスへ送るよう構成される、
端末。
【請求項43】
全周波数サウンドボックスであって、
取得モジュール、フィルタリングモジュール、処理モジュール、及び送信モジュールを有し、
前記取得モジュールは、再生されるべきオーディオデータを取得するよう構成され、
前記フィルタリングモジュールは、前記再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、前記再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得するよう構成され、
前記処理モジュールは、前記再生されるべきオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分並びに前記低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得するよう構成され、
前記送信モジュールは、第1締結部に含まれている第1通信部を介して前記ターゲットオーディオデータの前記低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送るよう構成され、前記第1締結部は、当該全周波数サウンドボックスの本体の前もってセットされた締結領域に配置され、前記第1締結部は、当該全周波数サウンドボックスが前記低周波数サウンドボックスへ物理的に接続されるか又はそれから分離されるように、前記低周波数サウンドボックスの本体に配置されている、前記第1締結部と対をなす第2締結部に接続可能であるよう構成され、前記第1通信部は、当該全周波数サウンドボックスが前記低周波数サウンドボックスと通信することを可能にするよう構成され、前記第1通信部はマルチチャネルオーディオデータ伝送をサポートし、
前記ターゲットオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分は、前記全周波数サウンドボックスによって再生され、前記ターゲットオーディオデータの前記低周波数成分は、前記低周波数サウンドボックスによって再生され
、
当該全周波数サウンドボックスの前記本体は、前記本体において平面的に分布しているM個のスピーカを有し、前記M個のスピーカはK対の音響ダイポールを構成し、Mは2よりも大きい正の整数であり、Kは2以上の正の整数であり、
一対の音響ダイポールは一対のスピーカに対応し、
前記K対の音響ダイポールのうちの少なくとも2対の音響ダイポールは、次の、d
i
≠d
j
という条件を満足し、d
i
は、i番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカの間の距離であり、d
j
は、j番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカの間の距離であり、i及びjの夫々は、1、2、・・・、Kのうちの1つであり、i≠jであり、Kは2以上の正の整数であり、
前記i番目の対の音響ダイポールを構成する前記2つのスピーカは、ターゲットオーディオデータの第1周波数バンドを再生するよう構成され、前記j番目の対の音響ダイポールを構成する前記2つのスピーカは、前記ターゲットオーディオデータの第2周波数バンドを再生するよう構成され、前記第1周波数バンド及び前記第2周波数バンドは異なる周波数バンドである、
全周波数サウンドボックス。
【請求項44】
低周波数サウンドボックスであって、
取得モジュール、フィルタリングモジュール、処理モジュール、及び送信モジュールを有し、
前記取得モジュールは、再生されるべきオーディオデータを取得するよう構成され、
前記フィルタリングモジュールは、前記再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、前記再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得するよう構成され、
前記処理モジュールは、前記再生されるべきオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分並びに前記低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得するよう構成され、
前記送信モジュールは、第2締結部に含まれる第2通信部を介して前記ターゲットオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送るよう構成され、前記第2締結部は、当該低周波数サウンドボックスの本体の前もってセットされた締結領域に配置され、前記第2締結部は、当該低周波数サウンドボックスが前記全周波数サウンドボックスへ物理的に接続されるか又はそれから分離されるように、前記全周波数サウンドボックスの本体に配置されている、前記第2締結部と対をなす第1締結部に接続可能であるよう構成され、前記第2通信部は、当該低周波数サウンドボックスが前記全周波数サウンドボックスと通信することを可能にするよう構成され、前記第2通信部はマルチチャネルオーディオデータ伝送をサポートし、
前記ターゲットオーディオデータの前記中間周波数成分及び/又は前記高周波数成分は、前記全周波数サウンドボックスによって再生され、前記ターゲットオーディオデータの前記低周波数成分は、前記低周波数サウンドボックスによって再生され
、
当該低周波数サウンドボックスは、画像捕捉モジュール又はオーディオ捕捉モジュールを更に有し、
前記画像捕捉モジュールは、リスナーの画像情報を捕捉するよう構成され、あるいは、
前記オーディオ捕捉モジュールは、リスナーの音響信号を捕捉するよう構成され、
前記リスナーの前記画像情報又は前記リスナーの前記音響信号は、フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータの音場拡張処理を実行するために使用される、
低周波数サウンドボックス。
【請求項45】
請求項
15乃至
24のうちいずれか一項に記載のサウンドボックスシステムとの通信接続を確立するシナリオで使用される端末であって、
受信モジュール及び制御モジュールを有し、
前記制御モジュールは、前記受信モジュールがユーザの第1操作を受け取る場合に、前記第1操作に応答して、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するよう構成され、あるいは、
前記制御モジュールは、前記受信モジュールが前記ユーザの第2操作を受け取る場合に、前記第2操作に応答して、協働するよう前記全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御するよう構成される、
端末。
【請求項46】
前記端末は、送信モジュールを更に有し、
前記制御モジュールは、前記第1操作に応答して、第1命令を前記サウンドボックスシステムへ送るように前記送信モジュールを制御するよう特に構成され、
前記第1命令は、独立して作動するよう前記全周波数サウンドボックスを制御するために使用され、
前記全周波数サウンドボックスが独立して作動することは、前記全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータを再生することを意味する、
請求項
45に記載の端末。
【請求項47】
前記送信モジュールは、前記第1命令を前記低周波数サウンドボックスへ送るよう特に構成される、
請求項
46に記載の端末。
【請求項48】
前記端末は、送信モジュールを更に有し、
前記制御モジュールは、前記第2操作に応答して、第2命令を前記サウンドボックスシステムへ送るように前記送信モジュールを制御するよう特に構成され、
前記第2命令は、作動するよう前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスを制御するために使用され、
前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスが協働することは、前記全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、前記低周波数サウンドボックスが前記ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することを意味する、
請求項
45乃至
47のうちいずれか一項に記載の端末。
【請求項49】
前記送信モジュールは、前記第2命令を前記低周波数サウンドボックスへ送るよう特に構成される、
請求項
48に記載の端末。
【請求項50】
前記第1操作は、前記端末の第1インターフェース内の第1オプションに対して前記ユーザによって行われた選択操作であり、前記第1オプションは、前記全周波数サウンドボックスが独立して作動することに対応し、
前記第2操作は、前記端末の前記第1インターフェース内の第2オプションに対して前記ユーザによって行われた選択操作であり、前記第2オプションは、前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスが協働することに対応する、
請求項
45乃至
49のうちいずれか一項に記載の端末。
【請求項51】
前記端末は、表示モジュールを更に有し、
前記表示モジュールは、前記全周波数サウンドボックスが独立して作動し、現在再生されるべきオーディオデータが深部低周波オーディオデータであると前記端末が決定する場合に、第1プロンプト情報を表示するよう構成され、
前記第1プロンプト情報は、前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスが協働することをプロンプトするために使用される、
請求項
45乃至
50のうちいずれか一項に記載の端末。
【請求項52】
前記受信モジュールは、第3操作を受け取るよう更に構成され、
前記制御モジュールは、前記第3操作に応答して、前記低周波数サウンドボックスのカメラ又はマイクロホンを制御して起動させるよう更に構成される、
請求項
45乃至
51のうちいずれか一項に記載の端末。
【請求項53】
前記端末は、決定モジュール及び表示モジュールを更に有し、前記サウンドボックスシステムは、複数の全周波数サウンドボックスを有し、
前記決定モジュールは、オーディオデータのチャネルと前記複数の全周波数サウンドボックスとの間の対応を、前記複数の全周波数サウンドボックスの位置情報に基づき決定するよう構成され、
前記表示モジュールは、前記オーディオデータの前記チャネルと前記複数の全周波数サウンドボックスとの間の前記対応に関する情報を表示するよう構成される、
請求項
45乃至
52のうちいずれか一項に記載の端末。
【請求項54】
請求項
15乃至
24のうちいずれか一項に記載のサウンドボックスシステムとの通信接続を確立するシナリオで使用される端末であって、
決定モジュール及び制御モジュールを有し、
前記決定モジュールは、ターゲットオーディオデータのタイプを決定するよう構成され、前記ターゲットオーディオデータの前記タイプは深部低周波又は非深部低周波を有し、
前記制御モジュールは、前記ターゲットオーディオデータの前記タイプが前記非深部低周波であるとき、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するよう構成され、あるいは、
前記制御モジュールは、前記ターゲットオーディオデータの前記タイプが前記深部低周波であるとき、協働するよう前記全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御するよう構成される、
端末。
【請求項55】
前記端末は、送信モジュールを更に有し、
前記制御モジュールは、第1命令を前記サウンドボックスシステムへ送るように前記送信モジュールを制御するよう特に構成され、
前記第1命令は、独立して作動するよう前記全周波数サウンドボックスを制御するために使用され、前記全周波数サウンドボックスが独立して作動することは、前記全周波数サウンドボックスが前記ターゲットオーディオデータを再生することを意味する、
請求項
54に記載の端末。
【請求項56】
前記送信モジュールは、前記第1命令を前記低周波数サウンドボックスへ送るよう特に構成される、
請求項
55に記載の端末。
【請求項57】
前記端末は、送信モジュールを更に有し、
前記制御モジュールは、第2命令を前記サウンドボックスシステムへ送るように前記送信モジュールを制御するよう特に構成され、
前記第2命令は、前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスを作動するよう制御するために使用され、前記全周波数サウンドボックス及び前記低周波数サウンドボックスが協働することは、前記全周波数サウンドボックスが前記ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、前記低周波数サウンドボックスが、前記ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することを意味する、
請求項
54乃至
56のうちいずれか一項に記載の端末。
【請求項58】
前記送信モジュールは、前記第2命令を前記低周波数サウンドボックスへ送るよう特に構成される、
請求項
57に記載の端末。
【請求項59】
メモリ及び前記メモリへ接続される少なくとも1つのプロセッサを有し、
前記メモリは、命令を記憶するよう構成され、
請求項
26に記載の方法は、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって読み出された後に実行される、
全周波数サウンドボックス。
【請求項60】
コンピュータプログラムを有し、
請求項
26に記載の方法は、前記コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるときに実行される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項61】
メモリ及び前記メモリへ接続される少なくとも1つのプロセッサを有し、
前記メモリは、命令を記憶するよう構成され、
請求項
27に記載の方法は、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって読み出された後に実行される、
低周波数サウンドボックス。
【請求項62】
コンピュータプログラムを有し、
請求項
27に記載の方法は、前記コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるときに実行される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項63】
メモリ及び前記メモリへ接続される少なくとも1つのプロセッサを有し、
前記メモリは、命令を記憶するよう構成され、
請求項
25、請求項
28乃至
36のうちいずれか一項、又は請求項
37乃至
41のうちいずれか一項に記載の方法は、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって読み出された後に実行される、
端末。
【請求項64】
コンピュータプログラムを有し、
請求項
25、請求項
28乃至
36のうちいずれか一項、又は請求項
37乃至
41のうちいずれか一項に記載の方法は、前記コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるときに実行される、
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施形態は、オーディオ技術の分野に、特に、オーディオデータ処理方法及び装置、並びにサウンドボックスシステムに関係がある。
【背景技術】
【0002】
オーディオソフトウェア及びハードウェア技術の発展とともに、オーディオ再生デバイス(例えば、全周波数サウンドボックス)が急速に増えている。オーディオ再生デバイスの重要な性能指標は、オーディオ再生デバイスのサウンド品質である。
【0003】
様々な既存の全周波数サウンドボックス製品について、現在、全周波数サウンドボックスの可搬性と全周波数サウンドボックスのサウンド品質との間で望ましいトレードオフを達成することは困難である。例えば、サイズが小さく、重さが小さく、可搬性が高い全周波数サウンドボックスの場合に、全周波数サウンドボックスのサウンドキャビティのサイズが小さくされるので、低音品質が影響を受ける。結果として、サウンド品質は悪い。他の例として、サウンド品質が高い全周波数サウンドボックスの場合に、多くのオーディオユニットが全周波数サウンドボックス(中間及び高周波数スピーカ/全周波数スピーカ、及び低周波数スピーカを含む)に組み込まれるので、全周波数サウンドボックスはサイズが大きく、重さが大きく、電力消費が高く、可搬性に乏しい。
【0004】
これに基づき、優れたサウンド品質を有する可搬型の全周波数サウンドボックス製品の研究及び開発は、解決すべき難しい課題である。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施形態は、オーディオ再生デバイスのサウンド品質を改善するために、オーディオデータ処理方法及び装置、並びにサウンドボックスシステムを提供する。
【0006】
上記の目的を達成するために、以下の技術的解決法が本願の実施形態で使用される。
【0007】
第1の態様に従って、本願の実施形態は、全周波数サウンドボックス本体及び第1締結部を含む全周波数サウンドボックスを提供する。全周波数サウンドボックス本体はM個のスピーカを含み、M個のスピーカは、全周波数サウンドボックス本体において平面的に分布し、M個のスピーカはK対の音響ダイポールを構成し、このとき、Mは2よりも大きい正の整数であり、Kは2以上の正の整数である。第1締結部は、全周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置され、第1締結部は、低周波数サウンドボックスへ物理的に接続し又はそれから分離するよう構成され、第1締結部は第1通信部を含み、第1通信部は、全周波数サウンドボックスが低周波数サウンドボックスと通信することを可能にするよう構成され、第1通信部はマルチチャネルオーディオデータ伝送をサポートする。低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は、全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れている。
【0008】
本願のこの実施形態で提供される全周波数サウンドボックスに従って、全周波数サウンドボックスに含まれているM個のスピーカは音響ダイポールの複数の対を構成するので、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータ(つまり、ターゲットオーディオデータ)を、全周波数サウンドボックスを使用することによって再生することは、優れた音場拡張効果を達成し、サウンド品質を改善することができる。更に、全周波数サウンドボックスの第1締結部が低周波数サウンドボックスへ接続された後、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは、オーディオデータを再生するよう結合形式で使用される。これは、オーディオデータの再生効果を大幅に改善することができる。更に、ユーザは、全周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生すること、又は全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生することを柔軟に選択し得る。これは、ユーザの種々の要求を満足することができる。
【0009】
可能な実施において、K対の音響ダイポールの配置方向は、次の、水平方向、垂直方向、又は斜め上向き方向、のうちの少なくとも2つを含む。
【0010】
具体的に、K対の音響ダイポールは、次のタイプの音響ダイポール:水平方向での音響ダイポール、垂直方向での音響ダイポール、又は斜め上向き方向での音響ダイポール、のうちの少なくとも2つを含む。水平方向は、全周波数サウンドボックス本体の垂直投影に平行な方向であり、垂直方向は、全周波数サウンドボックス本体の垂直投影に垂直な方向である。斜め上向き方向は、複数の異なるプリセット方向を含んでもよく、異なるプリセット方向と水平方向との間の夾角は異なる。ここでのプリセット方向は、異なる角度で空を指す方向(略して上空方向)として理解されてよい。
【0011】
可能な実施において、音響ダイポールの各対は一対のスピーカに対応し、K対の音響ダイポールのうちの少なくとも2対の音響ダイポールは、次の、di≠djという条件を満足し、このとき、diは、i番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカの間の距離であり、djは、j番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカの間の距離であり、i及びjの夫々は、1、2、・・・、Kのうちの1つであり、i≠jであり、Kは2以上の正の整数である。i番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカは、ターゲットオーディオデータの第1周波数バンドを再生するよう構成され、j番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカは、ターゲットオーディオデータの第2周波数バンドを再生するよう構成される。第1周波数バンド及び第2周波数バンドは異なる周波数バンドである。
【0012】
可能な実施において、di>djの場合に、i番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカによって再生することができるオーディオデータの中心周波数は、j番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカによって再生することができるオーディオデータの中心周波数よりも小さい。
【0013】
本願のこの実施形態で、音響ダイポールの対を構成するスピーカ対によって再生されるオーディオデータの周波数バンドは、スピーカ対に含まれている2つのスピーカの間の距離に関係がある。具体的に、音響ダイポールの対を構成する2つのスピーカによって再生されるオーディオデータの中心周波数は、スピーカ間の距離が大きくなるにつれて小さくなる。距離が小さいスピーカ対は、高バンドのオーディオデータに対して優れた再生効果がある。
【0014】
全周波数音響ボックスのスピーカレイアウトは、音響ダイポールの複数の対を構成するスピーカ対の中の2つのスピーカ間の間隔が同じであるか又は異なるように、調整される。異なる周波数バンドのオーディオデータは、異なる間隔を有するスピーカ対を使用することによって再生され、それにより、異なる周波数バンドの音場効果が生成され得る。
【0015】
可能な実施において、1つのスピーカは、音響ダイポールの1つ以上の対によって共有されてよい。
【0016】
可能な実施において、パッシブフィルムがM個のスピーカのうちの少なくとも1つのスピーカに配置され、パッシブフィルムは、そのスピーカの低周波応答を広げるよう構成される。少なくとも1つのスピーカの夫々は1つのパッシブフィルムに対応し、パッシブフィルムはそのスピーカのキャビティの背面に取り付けられる。パッシブフィルムは、スピーカのキャビティの背面に配置され、パッシブフィルム及びボックス本体内のキャビティは、共振周波数がスピーカの共振周波数よりも低い空気バネを構成する。スピーカは、共振周波数で共振するよう空気バネを押す。これは、スピーカの低周波応答を広げる(例えば、低周波応答の範囲、エネルギ、及び振幅を増大させる)ことができ、全周波数サウンドボックスの低音品質を改善することができる。代替的に、少なくとも1つのスピーカの夫々は2つのパッシブフィルムに対応し、2つのパッシブフィルムはそのスピーカのキャビティの両側に夫々位置する。パッシブフィルムは、パッシブフィルムの有効な共振エリアを更に広げ、全周波数サウンドボックスの低音品質を更に大幅に改善するように、スピーカのキャビティの両側に配置される。
【0017】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供される全周波数サウンドボックスはN個のスピーカを更に含み、このとき、Nは正の整数であり、NはM以下である。N個のスピーカは、N個の背中合わせのスピーカ対を構成するようM個のスピーカのうちのN個のスピーカと背中合わせに夫々配置される。M個のスピーカは第1平面に面し、N個のスピーカは第2平面に面し、第1平面及び第2平面は、全周波数サウンドボックスの垂直投影に対して垂直な2つの平面であり、第1平面は第2平面に平行である。代替的に、N個のスピーカは、N個の向かい合ったスピーカ対を構成するようM個のスピーカのうちのN個のスピーカと向かい合って夫々配置される。M個のスピーカのキャビティは第1平面に面し、N個のスピーカのキャビティは第2平面に面し、第1平面及び第2平面は、全周波数サウンドボックスの垂直投影に対して垂直な2つの平面であり、第1平面は第2平面に平行である。
【0018】
可能な実施において、N個の背中合わせのスピーカ対のうちの各対の2つのスピーカは1つのキャビティを共有する。パッシブフィルムが、N個の背中合わせのスピーカ対のうちの少なくとも1つのスピーカ対のキャビティに配置される。少なくとも1つのスピーカ対のうちの1つのスピーカ対は2つのパッシブフィルムに対応する。2つのパッシブフィルムは背中合わせであり、キャビティ内にあってスピーカ対に隣接している2つの側面に夫々取り付けられる。
【0019】
可能な実施において、全周波数サウンドボックス本体の形状は、次の、輪、円、木、W字、のうちの1つである。
【0020】
可能な実施において、第1締結部は、全周波数サウンドボックス本体を支持するよう更に構成される。
【0021】
例えば、全周波数サウンドボックス本体が輪状であるとき、第1締結部は、輪状のサウンドボックス本体を支持するための基台として使用されてよく、それにより、輪状のサウンドボックス本体はテーブルトップ上に安全に置かれる。
【0022】
可能な実施において、第1締結部は、全周波数サウンドボックス本体に接続された第1のシート状部分であり、第1のシート状部分は、低周波数サウンドボックス本体の第2のシート状部分へ物理的に接続するか又はそれから分離するよう構成される。
【0023】
可能な実施において、第1締結部は、全周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凹部であり、凹部は、低周波数サウンドボックス本体の凸部へ物理的に接続するか又はそれから分離するよう構成される。
【0024】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供される全周波数サウンドボックスは、プロセッサ及びプロセッサへ接続されるトランシーバを含む。プロセッサは、再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行し、フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行してターゲットオーディオデータを取得するよう構成され、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分が、全周波数サウンドボックスによって再生される。トランシーバは、第1通信部を使用することによって、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送るよう構成され、ターゲットオーディオデータの低周波数成分が、低周波数サウンドボックスによって再生される。
【0025】
留意すべきは、本願のこの実施形態において、ターゲットオーディオデータは、音場拡張処理を通じて取得されたオーディオデータである点である。記載を容易にするために、音場拡張処理を受けていないオーディオデータは、生オーディオデータと呼ばれ、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータは、ターゲットオーディオデータと呼ばれ、つまり、ターゲットオーディオデータは、生オーディオデータに音場拡張処理を実行することによって取得される。生オーディオデータ及びターゲットオーディオデータは両方とも、再生されるべきオーディオデータであることが理解されるべきである。
【0026】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスのトランシーバは、再生されるべきオーディオを受けるよう更に構成される。再生されるべきオーディオデータは、生オーディオデータ又は生オーディオデータの異なる周波数バンドの成分(例えば、生オーディオデータの中間周波数成分又は高周波数成分)であってよい。再生されるべきオーディオデータは、代替的に、ターゲットオーディオデータ又はターゲットオーディオデータの異なる周波数バンドの成分(例えば、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分又は高周波数成分)であってよい。
【0027】
第2の態様に従って、本願の実施形態は、低周波数サウンドボックス本体及び第2締結部を含む低周波数サウンドボックスを提供する。低周波数サウンドボックス本体は、1つ以上の低周波数スピーカを含み、第2締結部は、低周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置される。第2締結部は、全周波数サウンドボックスへ物理的に接続し又はそれから分離するよう構成され、第2締結部は第2通信部を含み、第2通信部は、低周波数サウンドボックスが全周波数サウンドボックスと通信することを可能にするよう構成され、第2通信部はマルチチャネルオーディオデータ伝送をサポートする。低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は、全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れており、全周波数サウンドボックスの周波数バンド範囲は、低周波数サウンドボックスの周波数バンド範囲よりも広い。
【0028】
本願のこの実施形態で提供される低周波数サウンドボックスに従って、低周波数サウンドボックスの1つ以上のスピーカは、オーディオデータの低周波数成分を再生する。これはオーディオデータの低音品質を改善することができる。更に、低周波数サウンドボックスは、第2通信部を使用することによって全周波数サウンドボックスへ接続されてよく、結合形式で全周波数サウンドボックスとともに使用される。低周波数サウンドボックスは、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、全周波数サウンドボックスはオーディオデータを再生する。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは、協調して使用される。これはオーディオ再生効果を改善することができる。更に、ユーザは、全周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生すること、又は全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生することを選択し得る。これは、ユーザの種々の要求を満足することができる。
【0029】
可能な実施において、低周波数サウンドボックス本体の形状は、平面円筒形、長い円筒形、立方体、直方体、又は他の形状であってよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0030】
可能な実施において、第2締結部は、低周波数サウンドボックス本体に接続された第2のシート状部分であり、第2のシート状部分は、全周波数サウンドボックス本体の第1のシート状部分へ物理的に接続するか又はそれから分離するよう構成される。
【0031】
可能な実施において、第2締結部は、低周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凸部であり、凸部は、全周波数サウンドボックス本体の凹部へ物理的に接続するか又はそれから分離するよう構成される。
【0032】
可能な実施において、低周波数サウンドボックスは充電ポートを更に含む。充電ポートは外部電源へ接続して、電力を低周波数サウンドボックスへ供給するよう、あるいは、低周波数サウンドボックスが全周波数サウンドボックスへ接続される場合に低周波数サウンドボックスを使用することによって全周波数サウンドボックスを充電するよう構成される。
【0033】
可能な実施において、低周波数サウンドボックスは、カメラ及びマイクロホンを更に含む。カメラは、ユーザの画像に基づきユーザの位置を決定するために、ユーザ(リスナー)の画像を捕捉するよう構成される。同様に、マイクロホンは、ユーザの音響信号に基づきユーザの位置を決定するために、ユーザの音響信号を捕捉するよう構成される。
【0034】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供される低周波数サウンドボックスは、プロセッサ及びプロセッサへ接続されるトランシーバを含む。プロセッサは、再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行し、フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得するよう構成され、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分が、全周波数サウンドボックスによって再生される。トランシーバは、第2通信部を使用することによってターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送信するよう構成され、ターゲットオーディオデータの低周波数成分が、低周波数サウンドボックスによって再生される。
【0035】
本願のこの実施形態で、低周波数サウンドボックスのトランシーバは、再生されるべきオーディオデータを受けるよう更に構成される。再生されるべきオーディオデータは、生オーディオデータ及び生オーディオデータの低周波数成分であってよく、あるいは、再生されるべきオーディオデータは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分であってよい。
【0036】
第3の態様に従って、本願の実施形態は、第1の態様及び第1の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに従う全周波数サウンドボックスと、第2の態様及び第2の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに従う低周波数サウンドボックスとを含むサウンドボックスシステムを提供する。全周波数サウンドボックスは、第1締結部及び第2締結部を使用することによって低周波数サウンドボックスへ物理的に接続され、全周波数サウンドボックスは、第1通信部及び第2通信部を使用することによって低周波数サウンドボックスと通信する。第1締結部及び第2締結部は、一群の対に成った接続部であり、第1通信部及び第2通信部は、一群の対に成った通信部である。
【0037】
本願のこの実施形態で提供されるサウンドボックスシステムに従って、サウンドボックスシステムの全周波数サウンドボックスは、独立して作動してよく、あるいは、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは、協働する。従って、ユーザは、全周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生すること、又は全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生することを柔軟に選択し得る。これは、ユーザの種々の要求を満足することができる。
【0038】
可能な実施において、全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータを再生するよう、あるいは、ターゲットオーディオデータの高周波数成分及び/又は中間周波数成分を再生するよう構成される。低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生するよう構成される。
【0039】
全周波数サウンドボックスが独立して作動する場合に、全周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの中間周波数成分又は高周波数成分を再生することは、全周波数サウンドボックスが中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有しているので、サウンド品質を改善することができる。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働する場合に、低周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することは、低周波数サウンドボックスの低周波再生効果が全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れているので、オーディオデータの低音品質を改善することができる。更に、全周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生することは、全周波数サウンドボックスが中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有しているので、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分の再生効果を改善することができる。このようにして、オーディオデータの再生効果は、オーディオデータの全周波数バンドで改善され得る。
【0040】
可能な実施において、全周波数サウンドボックスは、第1締結部及び第2締結部を使用することによって積み重ね又は取り付けモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。
【0041】
可能な実施において、第1締結部が第1のシート状部分であり、第2締結部が第2のシート状部分であり、第1のシート状部分が第2のシート状部分に接触して結合される場合に、全周波数サウンドボックスは、積み重ねモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。第1のシート状部分は第1通信部を含み、第1通信部は、全周波数サウンドボックス本体の垂直投影内に位置する。第2のシート状部分は、低周波数サウンドボックス本体に位置し、第2のシート状部分は第2通信部を含む。第2通信部は、第2のシート状部分に配置される。
【0042】
可能な実施において、第1締結部が、全周波数サウンドボックス本体の片側に沿って外側に延在する第1のシート状部分であり、第2締結部が、低周波数サウンドボックス本体の片側に沿って外側に延在する第2のシート状部分であり、第1のシート状部分が第2のシート状部分に接触して結合される場合に、全周波数サウンドボックスは、取り付けモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。第1のシート状部分は第1通信部を含み、第1通信部は、全周波数サウンドボックス本体の垂直投影の外に位置し、第2のシート状部分は第2通信部を含み、第2通信部は、低周波数サウンドボックス本体の垂直投影の外に位置する。
【0043】
可能な実施において、第1締結部は、バックル結合又は磁気結合モードで第2締結部へ接続される。
【0044】
可能な実施において、第1締結部が、全周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凹部であり、第2締結部が、低周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凸部であり、凹部が凸部に接触して結合される場合に、全周波数サウンドボックスは、積み重ねモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。
【0045】
可能な実施において、第1締結部は、バックル結合又はネジ結合モードで第2締結部へ接続される。
【0046】
まとめると、第1通信部は、磁気吸引インターフェースの磁気吸引メスコネクタであり、第2通信部は、磁気吸引インターフェースの磁気吸引オスコネクタである。代替的に、第1通信部は、USBインターフェースのプラグであり、第2通信部は、USBインターフェースのソケットである。代替的に、第1通信部及び第2通信部は、整合関係を有しかつ取り外し可能な機構を有している他の通信部であってもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0047】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスは、サイズを小さくされ、軽量化され、持ち運びが容易である。全周波数サウンドボックスと比較して、低周波数サウンドボックスは、わずかにより大きいサイズ及びより大きい重さを有するが、より強いデータ処理能力を有する。
【0048】
可能な実施において、サウンドボックスシステムは、少なくとも1つの全周波数サウンドボックスを更に含み、サウンドボックスシステムに含まれる少なくとも2つの全周波数サウンドボックスは協働することができる。
【0049】
可能な実施において、サウンドボックスシステムは、少なくとも1つの全周波数サウンドボックス及び少なくとも1つの低周波数サウンドボックスを更に含む。サウンドボックスシステムにおいて、1つの全周波数サウンドボックスは、1つのサウンドボックスサブシステムを構成するように、1つの低周波数サウンドボックスに対応する。この場合に、サウンドボックスシステムに含まれる少なくとも2つのサウンドボックスサブシステムは協働し得る。
【0050】
第3の態様におけるサウンドボックスシステム内の全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスの関連する内容及び技術的効果の記載については、第1の態様における関連する記載を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0051】
第4の態様に従って、本願の実施形態は、オーディオデータ処理方法を提供する。方法は、端末が、第1の態様及び第1の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに従う全周波数サウンドボックスの第1通信部が、第2の態様及び第2の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに従う低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続されているかどうかを検出する、ことを含む。端末が、検出により、第1通信部が第2通信部へ接続されていないことを見つける場合には、端末は、再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送り、端末が、検出により、第1通信部が第2通信部へ接続されていることを見つける場合には、端末は、第1オーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送り、第2オーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送り、第1オーディオデータは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分であり、第2オーディオデータは、再生されるべきオーディオデータの低周波数成分であり、あるいは、端末は、再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送るか、あるいは、端末は、再生されるべきオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送る。
【0052】
本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法に従って、端末は、端末の全周波数サウンドボックスの第1通信部が低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続されているかどうかを検出することによって、オーディオデータを全周波数サウンドボックス及び/又は低周波数サウンドボックスへ送ることを決定し、それにより、全周波数サウンドボックスはオーディオデータを処理し、かつ/あるいは、低周波数サウンドボックスはオーディオデータを処理する。これは、優れた音場拡張効果を達成し、サウンド品質を改善する。
【0053】
可能な実施において、端末は、全周波数サウンドボックスとのインタラクションを通じて、第1通信部が第2通信部へ接続されているかどうかを検出してよい。例えば、端末は、全周波数サウンドボックスから、第1通信部に対応する全周波数サウンドボックスの第1ポートのステータス情報を取得し、第1ポートのステータス情報に基づき、第1通信部が第2通信部へ接続されているかどうかを決定する。第1ポートのステータス情報は、第1通信部が第2通信部へ接続されていない場合には“0”である。この場合に、ステータス“0”を取得した後、端末は、第1通信部が第2通信部へ接続されていないと決定する。第1通信部が第2通信部へ接続されている場合には、第1ポートのステータス情報は“1”である。この場合に、ステータス“1”を取得した後、端末は、第1通信部が第2通信部へ接続されていると決定する。
【0054】
端末は、代替的に、他の実施可能な方法を使用することによって、第1通信部が第2通信部へ接続されているかどうかを検出してもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0055】
可能な実施において、端末が再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送ることは、具体的に、端末が生オーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送ることを含む。端末が生オーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る場合に、全周波数サウンドボックスは、元のデータに対して分周を行い、異なる周波数バンドの成分に対して音場拡張処理を実行してターゲットオーディオデータを取得し、ターゲットオーディオデータを再生することが理解されるべきである。
【0056】
可能な実施において、端末が再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送ることは、具体的に、端末がターゲットオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送ることを含む。端末がターゲットオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る場合に、ターゲットオーディオデータは、他のデバイスによって、生オーディオデータに分周及び音場拡張処理を実行することによって取得されてよく、そして、全周波数サウンドボックスへ送られる。次いで、全周波数サウンドボックスはターゲットオーディオデータを再生する。他のデバイスは、端末、低周波数サウンドボックス、又はこれら2つのデバイス以外のデバイスであってよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0057】
可能な実施において、端末が第1オーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送り、第2オーディオデータを低周波数サウンドボックへ送ることは、具体的に、端末が生オーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、生オーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送ることを含む。具体的に、端末は、生オーディオデータに分周を実行して、生オーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得し、次いで、端末は、生オーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、全周波数サウンドボックスは、元のデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分に音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を取得する。更に、端末は、生オーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送り、低周波数サウンドボックスは、生オーディオデータの低周波数成分に音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を取得し、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生する。
【0058】
可能な実施において、端末が第1オーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送り、第2オーディオデータを低周波数サウンドボックへ送ることは、具体的に、端末がターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送ることを含む。具体的に、端末又は他のデバイスは、生オーディオデータに分周を実行し、分周を通じて取得される中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に音場拡張処理を実行し、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送る。次いで、全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生する。
【0059】
可能な実施において、端末が再生されるべきオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送ることは、具体的に、端末が生オーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送ることを含む。端末が生オーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送る場合に、低周波数サウンドボックスは、元のデータに分周を実行し、異なる周波数バンドの成分に音場拡張処理を実行してターゲットオーディオデータを取得することが理解されるべきである。次いで、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生し、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、全周波数サウンドボックスは、中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生する。
【0060】
可能な実施において、端末が再生されるべきオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送ることは、具体的に、端末がターゲットオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送ることを含む。端末がターゲットオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送る場合に、ターゲットオーディオデータは、他のデバイスによって、生オーディオデータに分周及び音場拡張処理を実行することによって取得されてよく、そして、低周波数サウンドボックスへ送られることが理解されるべきである。次いで、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生し、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、全周波数サウンドボックスは、中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生する。
【0061】
第5の態様に従って、本願の実施形態は、オーディオデータ処理方法を提供する。方法は、第1の態様及び第1の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに従う全周波数サウンドボックスに適用され、再生されるべきオーディオデータを取得することと、再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得することと、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得することと、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送ることとを含み、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分は、全周波数サウンドボックスによって再生され、ターゲットオーディオデータの低周波数成分は、低周波数サウンドボックスによって再生される。
【0062】
本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法に従って、全周波数サウンドボックスがオーディオデータに対する音場拡張処理を完了した後、1つの側面において、全周波数サウンドボックスは、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータの高周波数成分及び/又は中間周波数成分を再生する。全周波数サウンドボックスは中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有しているので、中間周波数成分及び/又は高周波数成分のサウンド品質は改善され得る。他の側面においては、全周波数サウンドボックスは、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送り、低周波数サウンドボックスは低周波数成分を再生する。低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れているので、オーディオデータの低音品質は改善され得る。
【0063】
可能な実施において、マルチバンドフィルタリングは高周波数フィルタリング、バンドパスフィルタリング、及び低周波数フィルタリングを含んでよく、かつ/あるいは、マルチバンドフィルタリングは、高周波数フィルタリング及び低周波数フィルタリングを含む。高周波数フィルタリングは、オーディオデータの高周波数成分を得るようオーディオデータに対して実行され、バンドパスフィルタリングは、オーディオデータの中間周波数成分を得るようオーディオデータに対して実行され、低周波数フィルタリングは、オーディオデータの低周波数成分を得るようオーディオデータに対して実行されることが理解されるべきである。
【0064】
マルチバンドフィルタリングがオーディオデータに実行される場合に、フィルタリング周波数バンドの設定は、全周波数サウンドボックスにおいてダイポールを構成するスピーカ対の2つのスピーカ間の距離に関係がある。フィルタリング周波数バンドは、フィルタリングされた高周波数成分、中間周波数成分、及び低周波数成分に対応する周波数バンドを決定する。
【0065】
可能な実施において、音場拡張処理は、全周波数サウンドボックスがフィルタリングされたオーディオデータの高周波数成分に対して高バンドダイポール処理を実行し、かつ/あるいは、フィルタリングされたオーディオデータの中間周波数成分に対して中間バンドダイポール処理を実行する、ことを含む。
【0066】
スイートポイント(sweet point)領域が全周波数サウンドボックスのスピーカの音場に存在する、ことが理解され得る。スイートポイント領域は、優れたサウンド効果が達成され得る領域である。一般に、スイートポイント領域は、前もってセットされた角度だけ全周波数サウンドボックスの中間から外れている領域である。ユーザ(又はリスナー)は、ユーザがスイートポイント領域に位置しているときに、望ましい聴取経験を有する。ユーザがスイートポイント領域から離れる(例えば、ユーザと全周波数サウンドボックスの中心との間の夾角が前もってセットされた角度よりも大きい)場合には両耳クロストークが起こる。結果として、ユーザの聴取経験は悪くなる。
【0067】
本願のこの実施形態で、一対の音響ダイポールは一対のスピーカに対応し、振幅が同じだが位相が異なる信号は、一対のスピーカを使用することによって再生される。水平方向が一例として使用される。右チャネルは1つの音響ダイポールに対応し、左チャネルは1つの音響ダイポールに対応する。例えば、右チャネル信号がユーザの左耳への到着時に大きいエネルギを有する場合に、左右の耳でクロストークが起こり、つまり、右チャネル信号が左耳と干渉する。その結果、音場は狭められる。左右の耳の間のクロストークは、右チャネル信号のエネルギがユーザの左耳への到着時に小さいときに小さい。
【0068】
本願のこの実施形態で、音場拡張処理は、高バンドダイポールアルゴリズムに従ってオーディオデータの高周波数成分に対して実行され、音場拡張処理は、中間バンドダイポールアルゴリズムに従ってオーディオデータの中間周波数成分に対して実行される。右チャネル信号について、右チャネル信号のエネルギは左耳への到着時に低減され得る一方で、右チャネル信号のエネルギは右耳への到着時には低減されないことが確かにされる。左チャネル信号について、左チャネル信号のエネルギは右耳への到着時に低減され得る一方で、左チャネル信号のエネルギは左耳への到着時には低減されないことが確かにされる。このようにして、両耳クロストークはキャンセルされる。本願のこの実施形態で、右チャネル信号のエネルギがユーザの左耳への到着時により小さい場合に、右チャネル信号のエネルギは、ユーザの右耳への到着時により大きい。この場合に、より良い両耳クロストークキャンセル効果が達成される。同様に、左チャネル信号のエネルギが右耳への到着時により小さい場合に、左チャネル信号のエネルギは、左耳への到着時により大きい。この場合に、より良い両耳クロストークキャンセル効果が達成される。
【0069】
可能な実施において、音場拡張処理は、低音強化アルゴリズムに従って、フィルタリングされたオーディオデータの低周波数成分を処理することを含む。このようにして、低周波数信号(つまり、低周波数成分)のエネルギは、スピーカにダメージを与えずに(振動板の最大変位を超えずに)動的に増大するので、オーディオデータの低音品質は大幅に改善される。スピーカのパラメータ(TSパラメータ)は、低音強化アルゴリズムに従って前もって取得され、モデリングがスピーカのパラメータに基づき実行されて、処理モデルが得られる、ことが理解されるべきである。
【0070】
可能な実施において、1つの周波数バンドは、音響ダイポールの1つ以上の対に対応する。例えば、高周波数バンドは、音響ダイポールの複数の対に対応する。このようにして、高バンドダイポールアルゴリズムに従って処理された後、高周波数フィルタリングを通じて得られた高周波数成分は、ダイポールの複数の対に対応するスピーカを使用することによって再生される。
【0071】
可能な実施において、本願のこの実施形態で、オーディオデータはマルチチャネルオーディオデータである。例えば、マルチチャネルは、左チャネル(L)及び右チャネル(R)を含むデュアルチャネルである。他の例として、マルチチャネルは、左チャネル(L)、左サラウンドチャネル(Ls)、左リアチャネル(Lb)、左上チャネル(Lh)、右チャネル(R)、右サラウンドチャネル(Rs)、右リアチャネル(Rb)、右上チャネル(Rh)、センターチャネル(C)を含む。
【0072】
第6の態様に従って、本願の実施形態は、オーディオデータ処理方法を提供する方法は、第2の態様及び第2の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに従う低周波数サウンドボックスに適用され、再生されるべきオーディオデータを取得することと、再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得することと、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得することと、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送ることを含み、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分は、全周波数サウンドボックスによって再生され、ターゲットオーディオデータの低周波数成分は、低周波数サウンドボックスによって再生される。
【0073】
本願のこの実施形態で、低周波数サウンドボックスがオーディオデータに対する音場拡張処理を完了した後、1つの側面において、低音強化処理を通じて得られた低周波数成分は、低周波数サウンドボックスのウーファーを使用することによって再生される。低周波数サウンドボックスの低周波再生効果が全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れているので、オーディオデータの低音品質は改善され得る。他の側面においては、低周波数サウンドボックスは、音場拡張処理により得られたオーディオデータの高周波数成分及び/又は中間周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、次いで、全周波数サウンドボックスは、高周波数成分及び/又は中間周波数成分を再生する。全周波数サウンドボックスは中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有するので、中間周波数成分及び/又は高周波数成分のサウンド品質は改善され得る。
【0074】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法は、低周波数サウンドボックスのカメラを使用することによってリスナーの画像情報を捕捉すること、又はマイクロホンを使用することによってリスナーの音響信号を捕捉することを更に含み、リスナーの画像情報又はリスナーの音響信号は、フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行するために使用される。具体的に、低周波数サウンドボックスは、リスナーの画像情報又は音響信号を解析して、リスナーの位置情報を決定する。ユーザの位置情報は、ユーザとサウンドボックスシステムの中心軸との間の夾角を含む。更に、一対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカによって信号を再生する位相間の差が、リスナーの位置情報に基づき調整される。位相差は、高バンドダイポール処理及び/又は中間バンドダイポール処理のための設定パラメータである。
【0075】
本願のこの実施形態で、ユーザの聴取経験を改善するために、高バンドダイポールアルゴリズム又は中間バンドダイポールアルゴリズムにおける設定パラメータ(つまり、設定パラメータは、一対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカによって信号を再生する位相間の差である)は、オーディオデータに音場拡張を実行する過程で調整されてよい。このようにして、両耳クロストークキャンセル効果は改善され、それにより、ユーザは、現在の位置で良好な聴取経験を達成する。具体的に、位相差はユーザの現在位置に関係があるので、位相差は、上記のステップAからステップCを実行することによって調整される。このようにして、音場拡張処理は、両耳クロストークを取り除くよう、調整された位相差を使用することによってオーディオデータに対して実行される。このようにして、音場拡張は、ユーザの現在位置で実行され、ユーザの聴取経験は実時間で改善される。
【0076】
第7の態様に従って、本願の実施形態は、オーディオデータ処理方法を提供する。方法は、第3の態様及び第3の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに従うサウンドボックスシステムとの通信接続を端末が確立するシナリオに適用され、端末がユーザの第1操作を受け取る場合に、端末が第1操作に応答して、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御すること、又は端末がユーザの第2操作を受け取る場合に、端末が第2操作に応答して、協働するよう全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御することを含む。
【0077】
本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法に従って、ユーザは、対応する操作を端末に対して実行する。この場合に、ユーザの操作に応答して、端末は、サウンドボックスシステムの全周波数サウンドボックスを独立して作動するよう制御するか、又は全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを協働するよう制御する。これは、ユーザの経験を改善し、かつ、優れた音場拡張効果を達成することができる。
【0078】
全周波数サウンドボックスが独立して作動する場合に、全周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの中間周波数成分又は高周波数成分を再生することは、全周波数サウンドボックスが中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有しているので、サウンド品質を改善することができる。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働する場合に、低周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することは、低周波数サウンドボックスの低周波再生効果が全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れているので、オーディオデータの低音品質を改善することができる。更に、全周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生することは、全周波数サウンドボックスが中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有しているので、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分の再生効果を改善することができる。このようにして、オーディオデータの再生効果は、オーディオデータの全周波数バンドで改善され得る。
【0079】
可能な実施において、具体的に、端末が第1操作に応答して、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御することは、端末が第1操作に応答して第1命令をサウンドボックスシステムへ送ることを含む。第1命令は、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するために使用され、全周波数サウンドボックスが独立して作動することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータを再生することを意味する。
【0080】
可能な実施において、端末が第1命令をサウンドボックスシステムへ送ることは、具体的に、端末が第1命令を低周波数サウンドボックスへ送ることを含む。
【0081】
具体的に、サウンドボックスシステムの全周波数サウンドボックスが低周波数サウンドボックスへ接続される(第1締結部が第2締結部へ接続され、第1通信部が第2通信部へ接続される)場合に、低周波数サウンドボックスは、サウンドボックスシステム全体を制御及び管理し、つまり、端末が第1命令をサウンドボックスシステムへ送ることは、第1命令をサウンドボックスシステムの低周波数サウンドボックスへ送ることを意味する。
【0082】
可能な実施において、具体的に、端末が第2操作に応答して、協働するよう全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御することは、端末が第2操作に応答して第2命令をサウンドボックスシステムへ送ることを含む。第2命令は、作動するよう全周波数サウンドボックス及び全周波数サウンドボックスを制御するために使用される。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、低周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することを意味する。
【0083】
可能な実施において、端末が第2命令をサウンドボックスシステムへ送ることは、具体的に、端末が第2命令を低周波数サウンドボックスへ送ることを含む。
【0084】
可能な実施において、第1操作は、端末の第1インターフェース内の第1オプションに対してユーザによって行われた選択操作であり、第1オプションは、全周波数サウンドボックスが独立して作動することに対応する。第2操作は、端末の第1インターフェース内の第2オプションに対してユーザによって行われた選択操作であり、第2オプションは、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することに対応する。
【0085】
可能な実施において、全周波数サウンドボックスが独立して作動する場合に、本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法は、現在再生されるべきオーディオデータが深部低周波オーディオデータであると端末が決定する場合に、端末が第1プロンプト情報を表示することを更に含み、第1プロンプト情報は、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することをプロンプトするために使用される。
【0086】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法は、端末が第3操作を受け取ることと、端末が第3操作に応答して、低周波数サウンドボックスのカメラ又はマイクロホンを制御して起動させることとを更に含む。
【0087】
可能な実施において、サウンドボックスシステムは複数の全周波数サウンドボックスを含む。本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法は、端末が、オーディオデータのチャネルと複数の全周波数サウンドボックスとの間の対応を、複数の全周波数サウンドボックスの位置情報に基づき決定し、オーディオデータのチャネルと複数の全周波数サウンドボックスとの間の対応に関する情報を表示することを更に含む。
【0088】
第8の態様に従って、本願の実施形態は、オーディオデータ処理方法を提供する。方法は、第3の態様及び第3の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに係るサウンドボックスシステムとの通信接続を端末が確立するシナリオに適用され、端末がターゲットオーディオデータのタイプを決定することであり、ターゲットオーディオデータのタイプは深部低周波又は非深部低周波を有する、ことと、ターゲットオーディオデータのタイプが非深部低周波であるとき、端末が、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御すること、又はターゲットオーディオデータのタイプが深部低周波であるとき、端末が、協働するよう全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御すること、とを含む。
【0089】
本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法に従って、端末は、ターゲットオーディオデータのタイプに基づき、サウンドボックスシステムの全周波数サウンドボックスを独立して作動するよう制御するか、又は全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを協働するよう制御する。これは、優れた音場拡張効果を達成することができる。
【0090】
全周波数サウンドボックスが独立して作動する場合に、全周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの中間周波数成分又は高周波数成分を再生することは、全周波数サウンドボックスが中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有しているので、サウンド品質を改善することができる。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働する場合に、低周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することは、低周波数サウンドボックスの低周波再生効果が全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れているので、オーディオデータの低音品質を改善することができる。更に、全周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生することは、全周波数サウンドボックスが中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有しているので、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分の再生効果を改善することができる。このようにして、オーディオデータの再生効果は、オーディオデータの全周波数バンドで改善され得る。
【0091】
可能な実施において、具体的に、端末が、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御することは、端末が第1命令をサウンドボックスシステムへ送ることを含む。第1命令は、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するために使用され、全周波数サウンドボックスが独立して作動することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータを再生することを意味する。
【0092】
可能な実施において、端末が第1命令をサウンドボックスシステムへ送ることは、具体的に、端末が第1命令を低周波数サウンドボックスへ送ることを含む。
【0093】
可能な実施において、具体的に、端末が、協働するよう全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御することは、端末が第2命令をサウンドボックスシステムへ送ることを含む。第2命令は、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを作動するよう制御するために使用される。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、低周波数サウンドボックスが、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することを意味する。
【0094】
可能な実施において、端末が第2命令をサウンドボックスシステムへ送ることは、具体的に、端末が第2命令を低周波数サウンドボックスへ送ることを含む。
【0095】
第9の態様に従って、本願の実施形態は、検出モジュール及び送信モジュールを含む端末を提供する。検出モジュールは、第1の態様及び第1の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに従う全周波数サウンドボックスの第1通信部が、第2の態様及び第2の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに係る低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続されているかどうかを検出するよう構成される。送信モジュールは、検出モジュールが、検出により、第1通信部が第2通信部へ接続されていないことを見つける場合に、再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送るよう構成される。代替的に、送信モジュールは、検出モジュールが、検出により、第1通信部が第2通信部へ接続されていることを見つける場合に、第1オーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送り、第2オーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送るよう構成され、第1オーディオデータは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分であり、第2オーディオデータは、再生されるべきオーディオデータの低周波数成分である。代替的に、送信モジュールは、再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送るよう構成される。代替的に、送信モジュールは、再生されるべきオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送るよう構成される。
【0096】
第10の態様に従って、本願の実施形態は、取得モジュール、フィルタリングモジュール、処理モジュール、及び送信モジュールを含む全周波数サウンドボックスを提供する。取得モジュールは、再生されるべきオーディオデータを取得するよう構成される。フィルタリングモジュールは、再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得するよう構成される。処理モジュールは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得するよう構成される。送信モジュールは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送るよう構成され、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分は、全周波数サウンドボックスによって再生され、ターゲットオーディオデータの低周波数成分は、低周波数サウンドボックスによって再生される。
【0097】
第11の態様に従って、本願の実施形態は、取得モジュール、フィルタリングモジュール、処理モジュール、及び送信モジュールを含む低周波数サウンドボックスを提供する。取得モジュールは、再生されるべきオーディオデータを取得するよう構成される。フィルタリングモジュールは、再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得するよう構成される。処理モジュールは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得するよう構成される。送信モジュールは、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送るよう構成され、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分は、全周波数サウンドボックスによって再生され、ターゲットオーディオデータの低周波数成分は、低周波数サウンドボックスによって再生される。
【0098】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供される低周波数サウンドボックスは、画像捕捉モジュール又はオーディオ捕捉モジュールを更に含む。画像捕捉モジュールは、リスナーの画像情報を捕捉するよう構成され、あるいは、オーディオ捕捉モジュールは、リスナーの音響信号を捕捉するよう構成され、リスナーの画像情報又はリスナーの音響信号は、フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータの音場拡張処理を実行するために使用される。
【0099】
第12の態様に従って、本願の実施形態は、端末を提供する。端末は、第3の態様及び第3の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに係るサウンドボックスシステムが通信接続を確立するシナリオで使用され、受信モジュール及び制御モジュールを含む。制御モジュールは、受信モジュールがユーザの第1操作を受け取る場合に、第1操作に応答して、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するよう構成され、あるいは、制御モジュールは、受信モジュールがユーザの第2操作を受け取る場合に、第2操作に応答して、協働するよう全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御するよう構成される。
【0100】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供される端末は、送信モジュールを更に含む。制御モジュールは、第1操作に応答して、第1命令をサウンドボックスシステムへ送るように送信モジュールを制御するよう特に構成される。第1命令は、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するために使用され、全周波数サウンドボックスが独立して作動することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータを再生することを意味する。
【0101】
可能な実施において、送信モジュールは、第1命令を低周波数サウンドボックスへ送るよう特に構成される。
【0102】
可能な実施において、制御モジュールは、第2操作に応答して、第2命令をサウンドボックスシステムへ送るように送信モジュールを制御するよう特に構成される。第2命令は、作動するよう全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御するために使用される。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、低周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することを意味する。
【0103】
可能な実施において、送信モジュールは、第2命令を低周波数サウンドボックスへ送るよう特に構成される。
【0104】
可能な実施において、第1操作は、端末の第1インターフェース内の第1オプションに対してユーザによって行われた選択操作であり、第1オプションは、全周波数サウンドボックスが独立して作動することに対応する。第2操作は、端末の第1インターフェース内の第2オプションに対してユーザによって行われた選択操作であり、第2オプションは、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することに対応する。
【0105】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供される端末は、表示モジュールを更に含む。表示モジュールは、全周波数サウンドボックスが独立して作動し、現在再生されるべきオーディオデータが深部低周波オーディオデータであると端末が決定する場合に、第1プロンプト情報を表示するよう構成される。第1プロンプト情報は、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することをプロンプトするために使用される。
【0106】
可能な実施において、受信モジュールは、第3操作を受け取るよう更に構成される。制御モジュールは、第3操作に応答して、低周波数サウンドボックスのカメラ又はマイクロホンを制御して起動させるよう更に構成される。
【0107】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供される端末は、決定モジュールを更に含む。サウンドボックスシステムが複数の全周波数サウンドボックスを含む場合に、決定モジュールは、オーディオデータのチャネルと複数の全周波数サウンドボックスとの間の対応を、複数の全周波数サウンドボックスの位置情報に基づき決定するよう構成される。表示モジュールは、オーディオデータのチャネルと複数の全周波数サウンドボックスとの間の対応に関する情報を表示するよう更に構成される。
【0108】
第13の態様に従って、本願の実施形態は、端末を提供する。端末は、第3の態様及び第3の態様の可能な実施のうちのいずれか1つに係るサウンドボックスシステムが通信接続を確立するシナリオで使用され、決定モジュール及び制御モジュールを含む。決定モジュールは、ターゲットオーディオデータのタイプを決定するよう構成され、ターゲットオーディオデータのタイプは深部低周波又は非深部低周波を含む。制御モジュールは、ターゲットオーディオデータのタイプが非深部低周波であるとき、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するよう構成され、あるいは、制御モジュールは、ターゲットオーディオデータのタイプが深部低周波であるとき、協働するよう全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御するよう構成される。
【0109】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供される端末は、送信モジュールを更に含む。制御モジュールは、第1命令をサウンドボックスシステムへ送るように送信モジュールを制御するよう特に構成される。第1命令は、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するために使用され、全周波数サウンドボックスが独立して作動することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータを再生することを意味する。
【0110】
可能な実施において、送信モジュールは、第1命令を低周波数サウンドボックスへ送るよう特に構成される。
【0111】
可能な実施において、本願のこの実施形態で提供される端末は、送信モジュールを更に含む。制御モジュールは、第2命令をサウンドボックスシステムへ送るように送信モジュールを制御するよう特に構成される。第2命令は、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを作動するよう制御するために使用される。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、低周波数サウンドボックスが、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することを意味する。
【0112】
可能な実施において、送信モジュールは、第2命令を低周波数サウンドボックスへ送るよう特に構成される。
【0113】
第14の態様に従って、本願の実施形態は、メモリ及びメモリへ接続される少なくとも1つのプロセッサを含む全周波数サウンドボックスを提供する。メモリは、命令を記憶するよう構成され、第5の態様に従う方法は、命令が少なくとも1つのプロセッサによって読み出された後に実行される。
【0114】
第15の態様に従って、本願の実施形態は、コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読記憶媒体を提供する。第5の態様に従う方法は、コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるときに実行される。
【0115】
第16の態様に従って、本願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第5の態様に従う方法を実行することができる。
【0116】
第17の態様に従って、本願の実施形態は、メモリ及びプロセッサを含むチップを提供する。メモリは、コンピュータ命令を記憶するよう構成される。プロセッサは、第5の態様に従う方法を実行するように、メモリからコンピュータ命令を呼び出し実行するよう構成される。
【0117】
第18の態様に従って、本願の実施形態は、メモリ及びメモリへ接続される少なくとも1つのプロセッサを含む低周波数サウンドボックスを提供する。メモリは、命令を記憶するよう構成され、第6の態様に従う方法は、命令が少なくとも1つのプロセッサによって読み出された後に実行される。
【0118】
第19の態様に従って、本願の実施形態は、コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読記憶媒体を提供する。第6の態様に従う方法は、コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるときに実行される。
【0119】
第20の態様に従って、本願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第6の態様に従う方法を実行することができる。
【0120】
第21の態様に従って、本願の実施形態は、メモリ及びプロセッサを含むチップを提供する。メモリは、コンピュータ命令を記憶するよう構成される。プロセッサは、第6の態様に従う方法を実行するように、メモリからコンピュータ命令を呼び出し実行するよう構成される。
【0121】
第22の態様に従って、本願の実施形態は、メモリ及びメモリへ接続される少なくとも1つのプロセッサを含む端末を提供する。メモリは、命令を記憶するよう構成され、第4の態様、第7の態様、第8の態様、並びに第4の態様、第7の態様、及び第8の態様の可能な実施のうちの1つに係る方法は、命令が少なくとも1つのプロセッサによって読み出された後に実行される。
【0122】
第23の態様に従って、本願の実施形態は、コンピュータプログラムを含むコンピュータ可読記憶媒体を提供する。第4の態様、第7の態様、第8の態様、並びに第4の態様、第7の態様、及び第8の態様の可能な実施のうちの1つに係る方法は、コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるときに実行される。
【0123】
第24の態様に従って、本願の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されるとき、コンピュータは、第4の態様、第7の態様、第8の態様、並びに第4の態様、第7の態様、及び第8の態様の可能な実施のうちの1つに係る方法を実行することができる。
【0124】
第25の態様に従って、本願の実施形態は、メモリ及びプロセッサを含むチップを提供する。メモリは、コンピュータ命令を記憶するよう構成される。プロセッサは、第4の態様、第7の態様、第8の態様、並びに第4の態様、第7の態様、及び第8の態様の可能な実施のうちの1つに係る方法を実行するように、メモリ内のコンピュータ命令を呼び出し実行するよう構成される。
【0125】
本願の実施形態の第9の態様乃至第12の態様並びに対応する可能な実施における技術的解決法によって達成される有利な効果については、第1の態様乃至第8の態様及び第1の態様乃至第8の態様の対応する可能な実施の技術的効果を参照されたい、ことが理解されるべきである。詳細はここで再び記載されない。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【
図1】本願の実施形態に係る全周波数サウンドボックスの構造の模式
図1である。
【
図2】本願の実施形態に係る全周波数サウンドボックス本体の形状の模式図である。
【
図3】本願の実施形態に係る全周波数サウンドボックスの構造の模式
図2である。
【
図4】本願の実施形態に係る全周波数サウンドボックスにおけるダイポールの模式図である。
【
図5】本願の実施形態に係る輪状の全周波数サウンドボックスのスピーカの略レイアウト図である。
【
図6】本願の実施形態に係る全周波数サウンドボックスにおけるパッシブフィルムの位置の模式図である。
【
図7】本願の実施形態に係る向かい合ったスピーカ対及び背中合わせのスピーカ対の模式図である。
【
図8】本願の実施形態に係る低周波数サウンドボックスの構造の模式図である。
【
図9】本願の実施形態に係るサウンドボックスシステムの構造の模式図である。
【
図10】本願の実施形態に係って積み重ねモードで全周波数サウンドボックスを低周波数サウンドボックスへ接続する模式
図1である。
【
図11】本願の実施形態に従って取り付けモードで全周波数サウンドボックスを低周波数サウンドボックスへ接続する模式図である。
【
図12】本願の実施形態に係る全周波数サウンドボックスの略上面図である。
【
図13】本願の実施形態に従って積み重ねモードで全周波数サウンドボックスを低周波数サウンドボックスへ接続する模式
図2である。
【
図14】本願の実施形態に係る全周波数サウンドボックスのハードウェア構造の模式図である。
【
図15】本願の実施形態に係る低周波数サウンドボックスの模式
図1である。
【
図16】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法の模式
図1である。
【
図17】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法の模式
図2である。
【
図18】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法で右チャネルに対応するダイポールの指向性の図である。
【
図19】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法の模式
図3である。
【
図20】本願の実施形態に係るデュアルチャネルオーディオデータ処理の略フローチャート1である。
【
図21】本願の実施形態に係るマルチチャネルオーディオデータ処理の略フローチャート1である。
【
図22】本願の実施形態に係るデュアルチャネルオーディオデータ処理の略フローチャート2である。
【
図23】本願の実施形態に係るマルチチャネルオーディオデータ処理の略フローチャート2である。
【
図24】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法の模式
図4である。
【
図25(a)】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法における表示効果の模式
図1である。
【
図25(b)】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法における表示効果の模式
図1である。
【
図26(a)】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法における表示効果の模式
図2である。
【
図26(b)】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法における表示効果の模式
図2である。
【
図27】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法の模式
図5である。
【
図28】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法における表示効果の模式図
3である。
【
図29】本願の実施形態に係るオーディオデータ処理方法における表示効果の模式図
4である。
【
図30】本願の実施形態に係るサウンドボックスシステムのネットワーキングの模式図である。
【
図31】本願の実施形態に係る全周波数サウンドボックスの構造の模式
図3である。
【
図32】本願の実施形態に係る低周波数サウンドボックスの模式
図1である。の構造の模式
図2である。
【
図33】本願の実施形態に係る端末の構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0127】
本明細書中の「及び/又は」という用語は、関連するオブジェクトについて記載する関連付け関係のみを記載するものであり、3つの関係が存在する可能性があることを表す。例えば、A及び/又はBは、次の3つの場合:Aのみ存在、AとBの両方が存在、Bのみ存在、を表し得る。
【0128】
本願の実施形態における明細書及び特許請求の範囲で、「第1」、「第2」などの用語は、オブジェクトの特定の順をしめすものではなく、異なるオブジェクトどうしを区別するよう意図される。例えば、第1締結部及び第2締結部は、部分の特定の順序について記載するのではなく、異なる部分どうしを区別するために使用される。第1オーディオデータ及び第2オーディオデータは、オーディオデータの特定の順序について記載するのではなく、異なるオーディオデータどうしを区別するために使用される。
【0129】
更に、本願の実施形態において、「例えば」又は「例」などの用語は、例、実例、又は記載を与えることを表すために使用される。本願の実施形態で「例」又は「例えば」として記載される如何なる実施形態又は設計スキームも、他の実施形態又は設計スキームよりも好ましいもの又はより多くの利点があるものとして説明されるべきではない。まさに、「例えば」又は「例」などの用語の使用は、関連する概念を具体的に提示するよう意図される。
【0130】
本願の実施形態の記載において、別なふうに述べられない限りは、「複数の・・・」は2つ以上を意味する。例えば、複数の処理ユニットは2つ以上の処理ユニットであり、複数のシステムは2つ以上のシステムである。
【0131】
図1に示されるように、本願の実施形態は、全周波数サウンドボックスを提供する。全周波数サウンドボックスは、全周波数サウンドボックス本体101及び第1締結部102を含む。全周波数サウンドボックス本体はM個のスピーカ1011を有し、M個のスピーカ1011は、全周波数サウンドボックス本体において平面的に分布し、M個のスピーカ1101は、K対の音響ダイポールを構成し、このとき、Mは2よりも大きい正の整数であり、Kは2以上の正の整数である。第1締結部102は、全周波数サウンドボックス本体101の前もってセットされた締結領域に配置され、第1締結部102は、低周波数サウンドボックスへ物理的に接続し又はそれから分離するよう構成され、第1締結部102は第1通信部1021を有し、第1通信部1021は、全周波数サウンドボックスが低周波数サウンドボックスと通信することを可能にするよう構成され、第1通信部はマルチチャネルオーディオデータ伝送をサポートする。低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は、全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れている。
【0132】
図1は、第1締結部102及び第1通信部1021の形状などの他の特徴を限定するのではなく、単に、第1締結部102及び第1通信部1021の位置の模式図であることに留意されたい。
【0133】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータを再生するよう構成されるか、あるいは、全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの高周波数成分及び/又は中間周波数成分を再生するよう構成され、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生するよう構成される。
【0134】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスのスピーカを使用することによって再生されるターゲットオーディオデータは、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータであることに留意されたい。記載を容易にするために、音場拡張処理を受けていないオーディオデータは、生オーディオデータと呼ばれ、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータは、ターゲットオーディオデータと呼ばれ、つまり、ターゲットオーディオデータは、生オーディオデータに音場拡張処理を実行することによって取得される。生オーディオデータ及びターゲットオーディオデータは両方とも、再生されるべきオーディオデータであることが理解されるべきである。すなわち、全周波数サウンドボックス又は低周波数サウンドボックスによって得られる再生されるべきオーディオデータは、生オーディオデータ(又は生オーディオデータの異なる周波数バンドの成分、例えば、中間周波数成分、高周波数成分、又は低周波数成分)であってよく、あるいは、生オーディオデータに対して音場拡張処理を実行することによって得られたターゲットオーディオデータであってもよい。
【0135】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスによって得られた再生されるべきオーディオデータが生オーディオデータ(又は生オーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分)である場合に、全周波数サウンドボックスは、生オーディオデータ(又は生オーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分)に対して音場拡張処理を実行する。全周波数サウンドボックスによって得られた再生されるべきオーディオデータがターゲットオーディオデータ(又はターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分)である場合に、ターゲットオーディオデータ(又はターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分)は、他のデバイスによって、生オーディオデータに分周(具体的に、マルチバンドフィルタリング技術を使用することによって実施される)を実行し、生オーディオデータの異なる周波数バンドの成分に音場拡張処理を実行することによって取得される。
【0136】
同様に、低周波数サウンドボックスによって得られた再生されるべきオーディオデータが生オーディオデータ(又は生オーディオデータの低周波数成分)である場合に、低周波数サウンドボックスは、生オーディオデータ(又は生オーディオデータの低周波数成分)に対して音場拡張処理を実行する。低周波数サウンドボックスによって得られた再生されるべきオーディオデータがターゲットオーディオデータの低周波数成分である場合に、ターゲットオーディオデータの低周波数成分は、他のデバイスによって、生オーディオデータに分周(具体的に、マルチバンドフィルタリング技術を使用することによって実施される)を実行し、生オーディオデータの異なる周波数バンドの成分に音場拡張処理を実行することによって取得される。
【0137】
任意に、全周波数サウンドボックス本体の形状は、次の、輪、円、木、W字、のうちの1つである。
図1に示される全周波数サウンドボックス本体が輪の形状をとることは、全周波数サウンドボックス本体の形状を制限するのではなく、一例として使用される。確かに、M個のスピーカが音響ダイポールの複数の対を構成する場合に、全周波数サウンドボックス本体の形状は、代替的に、輪、円、木、又はW字以外の他の形状であるよう設計されてもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0138】
図2は、いくつかの形状での全周波数サウンドボックス本体の略正面図である。
図2の(a)は、輪状の全周波数サウンドボックス(つまり、サウンドリング)であり、M個のスピーカは輪に配置されており、
図2の(b)は、円形の全周波数サウンドボックスであり、M個のスピーカは円表面に配置されており、
図2の(c)は、木形状の全周波数サウンドボックスであり、
図2の(d)は、W字形の全周波数サウンドボックスである。本願のこの実施形態で、M個のスピーカは、全周波数サウンドボックス本体の1つの平面に配置され、つまり、M個のスピーカは同一平面上にあり、全周波数スピーカの同じ面に面している。
【0139】
本願のこの実施形態で、第1締結部は、全周波数サウンドボックス本体を支持するよう更に構成される。例えば、
図3に示されるように、全周波数サウンドボックス本体が輪状であるとき、第1締結部は、輪状のサウンドボックス本体を支持するための基台として使用されてよく、それにより、輪状のサウンドボックス本体はテーブルトップ上に安全に置かれる。
【0140】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスのM個のスピーカは、K対の音響ダイポールを構成し、一対の音響ダイポールは一対の音響スピーカに対応する。例えば、
図2の(a)に示される輪状の全周波数サウンドボックスが8つのスピーカを含む。スピーカ1及びスピーカ5は一対の音響ダイポールを構成し、スピーカ2及びスピーカ4は一対の音響ダイポールを構成し、スピーカ6及びスピーカ8は一対の音響ダイポールを構成し、スピーカ3及びスピーカ7は一対の音響ダイポールを構成する。
【0141】
全周波数サウンドボックスでスピーカによって構成されるK対の音響ダイポールの配置方向は、次の、水平方向、垂直方向、又は斜め上向き方向、のうちの少なくとも2つを含むことが理解されるべきである。具体的に、K対の音響ダイポールは、次のタイプの音響ダイポール:水平方向での音響ダイポール、垂直方向での音響ダイポール、又は斜め上向き方向での音響ダイポール、のうちの少なくとも2つを含む。
図3を参照して、水平方向は、全周波数サウンドボックス本体の垂直投影に平行な方向であり、垂直方向は、全周波数サウンドボックス本体の垂直投影に垂直な方向である。例えば、全周波数サウンドボックスは、
図2の(a)に示される輪状の全周波数サウンドボックスである。輪状の全周波数サウンドボックスで、スピーカ1及びスピーカ5は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、スピーカ3及びスピーカ7は、垂直方向での一対の音響ダイポールを構成する。
【0142】
本願のこの実施形態で、上記のプリセット方向の夾角、及びここでのプリセット方向は、異なる角度で空を指す方向(略して上空方向)として理解されてよい。例えば、
図4の(a)に示されている方向は、その方向と第1方向との間の夾角が180度未満であり、上空方向である。例えば、
図4の(b)に示される輪状の全周波数サウンドボックスにおいて、
斜め上向き方向は、複数の異なるプリセット方向を含んでもよく、異なるプリセット方向と水平方向との間の夾角は異なる。ここでのプリセット方向は、破線ボックス内の2つのスピーカは上空方向での音響ダイポールを構成する。記載を容易にするために、本願のこの実施形態で、他のプリセット方向での音響ダイポールは、上空方向での音響ダイポールと総称される。
【0143】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスによって再生されるターゲットオーディオデータは、生オーディオデータに対して音場拡張処理を実行することによって得られたオーディオデータである。音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータは、全周波数サウンドボックスの異なる方向でのダイポールに対応することに留意されたい。例えば、水平方向での音響ダイポールを構成するスピーカ対は、水平方向での音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータを再生するよう構成され、垂直方向での音響ダイポールを構成するスピーカ対は、垂直方向での音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータを再生するよう構成され、上空方向での音響ダイポールを構成するスピーカ対は、上空方向での音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータを再生するよう構成される。垂直方向での音場拡張及び他のプリセット方向での音場拡張を実行することは、オーディオデータ再生の3D効果を改善することができる本願のこの実施形態で、音場拡張は、オーディオデータの高周波数成分に対して高バンドダイポールを実行し、オーディオデータの中間周波数成分に対して中間バンドダイポール処理を実行し、オーディオデータの低周波数成分に対して低音強化処理を実行することを含む。詳細は、以下の方法実施形態で詳細に説明される。
【0144】
任意に、全周波数サウンドボックスに含まれるスピーカの数Mは、本願のこの実施形態で制限されず、具体的には、実際の要件に基づきセットされる。例えば、ある実施では、本願のこの実施形態で提供される全周波数サウンドボックスは6つのスピーカ又は8つのスピーカを含む。
【0145】
本願のこの実施形態で提供される全周波数サウンドボックスは、オーディオデータの中間周波数成分及び高周波数成分に対して優れた再生効果を有する。M個のスピーカのうちの1つ以上は、全周波数スピーカであるか、あるいは、M個のスピーカのうちの1つ以上は、中間及び高周波数スピーカである。これは本願のこの実施形態で制限されない。例えば、全周波数サウンドボックスは8つのスピーカを含み、8つ全てのスピーカが全周波数スピーカであってもよく、あるいは、8つのスピーカのうちの4つが全周波数スピーカであり、4つのスピーカが中間及び高周波数スピーカである。
【0146】
ある実施では、本願のこの実施形態で提供される全周波数サウンドボックスのM個のスピーカはK対の音響ダイポールを構成し、一対の音響ダイポールは一対のスピーカに対応し、K対の音響ダイポールのうちの少なくとも2対の音響ダイポールは、次の、di≠djという条件を満足し、このとき、diは、i番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカの間の距離であり、djは、j番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカ対の間の距離であり、i及びjの夫々は、1、2、・・・、Kのうちの1つであり、i≠jであり、Kは2以上の正の整数である。更に、i番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカは、ターゲットオーディオデータの第1周波数バンドを再生するよう構成され、j番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカ対は、ターゲットオーディオデータの第2周波数バンドを再生するよう構成される。第1周波数バンド及び第2周波数バンドは異なる周波数バンドである。
【0147】
音響ダイポールの対を構成するスピーカ対によって再生されるオーディオデータの周波数バンドは、そのスピーカ対に含まれている2つのスピーカの間の距離に関係がある。具体的に、音響ダイポールの対を構成する2つのスピーカによって再生されるオーディオデータの中心周波数は、スピーカ間の距離が大きくなるにつれて小さくなる。di>djの場合に、i番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカによって再生することができるオーディオデータの中心周波数は、j番目の対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカによって再生することができるオーディオデータの中心周波数よりも小さい。
【0148】
例えば、i番目の対の音響ダイポールを構成するスピーカ対によって再生されるオーディオデータの周波数バンドは、600Hzから2600Hzであwってよく、j番目の対の音響ダイポールを構成するスピーカ対によって再生されるオーディオデータの周波数バンドは、2600Hzから12kHzであってよい。距離が小さいスピーカ対は、高バンドのオーディオデータに対して優れた再生効果がある。
【0149】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスのスピーカレイアウトは、音響ダイポールの複数の対を構成するスピーカ対の中の2つのスピーカの間の間隔が同じであるか又は異なるように、調整される。異なる周波数バンドのオーディオデータは、異なる間隔を持ったスピーカ対を使用することによって再生され、それにより、異なる周波数バンドの音場効果が生成され得る。
【0150】
例えば、
図5は、輪状の全周波数サウンドボックスのスピーカの2種類の異なるレイアウトを示す。
図5の(a)に示されるように、輪状の全周波数サウンドボックスは、異なる間隔で水平方向において4対の音響ダイポールを含む。スピーカ1及びスピーカ4は、水平方向での音響ダイポールの第1対を構成し、スピーカ8及びスピーカ5は、水平方向での音響ダイポールの第2対を構成し、スピーカ2及びスピーカ3は、水平方向での音響ダイポールの第3対を構成し、スピーカ7及びスピーカ6は、水平方向での音響ダイポールの第4対を構成する。
図5の(b)に示される輪状の全周波数サウンドボックスは、水平方向での2対の音響ダイポールと、垂直方向での2対の音響ダイポールとを含む。スピーカ1及びスピーカ3は、互いから離れている水平方向での音響ダイポールの対を構成し、スピーカ5及びスピーカ4は、互いに近い水平方向での音響ダイポールの対を構成し、スピーカ5及びスピーカ2は、互いから離れている垂直方向での音場拡張の対を構成し、スピーカ5及びスピーカ6は、互いに近い垂直方向での音響ダイポールの対を構成する。
【0151】
上記の実施形態の説明に基づき、スピーカ対に含まれる2つのスピーカ間の距離が大きくなるにつれて、そのスピーカ対によって再生されるオーディオデータの中心周波数は下がるので、
図5の(a)を参照して、水平方向での4対の音響ダイポールを構成する4つのスピーカ対によって再生されるオーディオデータの中心周波数は順次高まり、つまり、水平方向での音響ダイポールの第1対に対応するオーディオデータの中心周波数が一番低く、水平方向での音響ダイポールの第2対に対応するオーディオデータの中心周波数は、水平方向での音響ダイポールの第1対に対応するオーディオデータの中心周波数よりも高く、水平方向での音響ダイポールの第3対に対応するオーディオデータの中心周波数は、水平方向での音響ダイポールの第2対に対応するオーディオデータの中心周波数よりも高く、水平方向での音響ダイポールの第4対に対応するオーディオデータの中心周波数が高い。
【0152】
任意に、本願のこの実施形態で、1つのスピーカは、音響ダイポールの1つ以上の対によって共有されてもよい。例えば、
図4の(b)を参照して、スピーカ5及びスピーカ4は、水平方向での音響ダイポールの対を構成し、スピーカ5及びスピーカ2は、垂直方向での音響ダイポールの対を構成し、スピーカ5及びスピーカ6は、垂直方向での音響ダイポールの他の対を構成する。スピーカ5は、音響ダイポールの複数の対によって共有されていることが分かる。
【0153】
任意に、本願のこの実施形態で、パッシブフィルムが、全周波数サウンドボックスのM個のスピーカのうちの少なくとも1つのスピーカに配置され、パッシブフィルムは、そのスピーカの低周波応答を広げるよう構成される。実施において、少なくとも1つのスピーカの夫々は1つのパッシブフィルムに対応する。
図6の(a)に示されるように、パッシブフィルムはスピーカのキャビティの背面に取り付けられ、図中の601はパッシブフィルムを表す。パッシブフィルムは、スピーカのキャビティの背面に配置され、パッシブフィルム及びボックス本体内のキャビティは、共振周波数がスピーカの共振周波数よりも低い空気バネを構成する。スピーカは、共振周波数で共振するよう空気バネを押す。これは、スピーカの低周波応答を広げる(例えば、低周波応答の範囲、エネルギ、及び振幅を増大させる)ことができ、全周波数サウンドボックスの低音品質を改善することができる。他の実施においては、少なくとも1つのスピーカの夫々は2つのパッシブフィルムに対応する。
図6の(b)に示されるように、2つのパッシブフィルムはスピーカのキャビティの両側に夫々位置し、図中の602及び603は、2つのパッシブフィルムを表す。パッシブフィルムは、パッシブフィルムの有効な共振エリアを更に広げ、全周波数サウンドボックスの低音品質を更に大幅に改善するように、スピーカのキャビティの両側に配置される。
図6は、パッシブフィルムの位置の模式図にすぎないことに留意されたい。
【0154】
任意に、本願のこの実施形態で提供される全周波数サウンドボックスは、N個のスピーカ(Nは正の整数であり、NはM以下である)を更に含み、N個のスピーカは、N個の背中合わせのスピーカ対を構成するようM個のスピーカのうちのN個のスピーカと背中合わせに夫々配置される。M個のスピーカは第1平面に面し、N個のスピーカは第2平面に面し、第1平面及び第2平面は、全周波数サウンドボックスの垂直投影に対して垂直な2つの平面であり、第1平面は第2平面に平行である。代替的に、N個のスピーカは、N個の向かい合ったスピーカ対を構成するようM個のスピーカのうちのN個のスピーカと向かい合って夫々配置される。M個のスピーカのキャビティは第1平面に面し、N個のスピーカのキャビティは第2平面に面し、第1平面及び第2平面は、全周波数サウンドボックスの垂直投影に対して垂直な2つの平面であり、第1平面は第2平面に平行である。相応して、N個のスピーカも同一平面上にある。例えば、1つのスピーカ対が一例として使用される。
図7の(a)は、2つの向かい合ったスピーカの模式図であり、
図7の(b)は、2つの背中合わせのスピーカの模式図である。
【0155】
本願のこの実施形態で、N個の背中合わせのスピーカ対のうちの各対の2つのスピーカは1つのキャビティを共有する。実施において、パッシブフィルムが、N個の背中合わせのスピーカ対のうちの少なくとも1つのスピーカ対のキャビティに配置される。少なくとも1つのスピーカ対のうちの1つのスピーカ対は2つのパッシブフィルムに対応する。1つのスピーカとして使用される。スピーカ対に対応する2つのパッシブフィルムは背中合わせであり、キャビティ内にあってそのスピーカ対に隣接している2つの側面に夫々取り付けられる。例えば、
図7の(b)の701及び702は2つのパッシブフィルムを表す。
【0156】
任意に、第1締結部は、全周波数サウンドボックス本体へ接続される第1のシート状部分であってよく、第1のシート状部分は、低周波数サウンドボックス本体の第2のシート状部分へ物理的に接続するか又はそれから分離するよう構成される。代替的に、第1締結部は、全周波数サウンドボックスの前もってセットされた締結領域に配置された凹部であり、凹部は、低周波数サウンドボックス本体の凸部へ物理的に接続するか又はそれから分離するよう構成される。
【0157】
本願のこの実施形態で提供される全周波数サウンドボックスに従って、全周波数サウンドボックスに含まれているM個のスピーカは音響ダイポールの複数の対を構成するので、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータ(つまり、ターゲットオーディオデータ)を、全周波数サウンドボックスを使用することによって再生することは、優れた音場拡張効果を達成し、サウンド品質を改善することができる。更に、全周波数サウンドボックスの第1締結部が低周波数サウンドボックスへ接続された後、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは、オーディオデータを再生するよう結合形式で使用される。これは、オーディオデータの再生効果を大幅に改善することができる。更に、ユーザは、全周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生すること、又は全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生することを柔軟に選択し得る。これは、ユーザの種々の要求を満足することができる。
【0158】
本願の実施形態は、低周波数サウンドボックスを提供する。
図8に示されるように、低周波数サウンドボックスは、低周波数サウンドボックス本体801及び第2締結部802を含む。低周波数サウンドボックス本体は、1つ以上の低周波数スピーカ8011を含む。第2締結部802は、低周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に位置し、第2締結部802は、全周波数サウンドボックスへ物理的に接続し又はそれから分離するよう構成され、第2締結部802は、第2通信部8021を含む。第2通信部8021は、低周波数サウンドボックスが全周波数サウンドボックスと通信することを可能にするよう構成され、第2通信部はマルチチャネルオーディオデータ伝送をサポートする。低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は、全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れており、全周波数サウンドボックスの周波数バンド範囲は、低周波数サウンドボックスの周波数バンド範囲よりも広い。
【0159】
図8は、第2締結部802及び第2通信部8021の形状などの他の特徴を限定するのではなく、単に、第2締結部802及び第2通信部8021の位置の模式図であることに留意されたい。
【0160】
低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生するよう構成される、全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータ、あるいは、ターゲットオーディオデータの高周波数成分及び/又は中間周波数成分を再生するよう構成される。同様に、ターゲットオーディオデータは、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータである。
【0161】
任意に、低周波数サウンドボックス本体の形状は、平面円筒形、長い円筒形、立方体、直方体、又は他の形状であってよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
図8は、低周波数サウンドボックス及び第1通信部の具体的な形状などの特徴を限定するのではなく、単に、平面円筒形が低周波数サウンドボックスとして使用される模式図であることに留意されたい。
【0162】
任意に、第2締結部は、低周波数サウンドボックス本体に接続された第2のシート状部分であり、第2のシート状部分は、全周波数サウンドボックス本体の第1のシート状部分へ物理的に接続するか又はそれから分離するよう構成される。代替的に、第2締結部は、低周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凸部であり、凸部は、全周波数サウンドボックス本体の凹部へ物理的に接続するか又はそれから分離するよう構成される。
【0163】
任意に、低周波数サウンドボックスは充電ポートを更に含む。充電ポートは外部電源へ接続して、電力を低周波数サウンドボックスへ供給するよう、あるいは、低周波数サウンドボックスが全周波数サウンドボックスへ接続される場合に低周波数サウンドボックスを使用することによって全周波数サウンドボックスを充電するよう構成される。具体的に、第1通信部は、第1締結部が第2締結部へ接続された後に第2通信部へ接続され、それにより、低周波数サウンドボックスは全周波数サウンドボックスを充電する。
【0164】
任意に、本願のこの実施形態で提供される低周波数サウンドボックスは、カメラ及びマイクロホンを更に含む。カメラは、ユーザの画像に基づきユーザの位置を決定するために、ユーザ(リスナー)の画像を捕捉するよう構成される。同様に、マイクロホンは、ユーザの音響信号に基づきユーザの位置を決定するために、ユーザの音響信号を捕捉するよう構成される。
【0165】
本願のこの実施形態で提供される低周波数サウンドボックスに従って、低周波数サウンドボックスの1つ以上のスピーカは、オーディオデータの低周波数成分を再生する。これはオーディオデータの低音品質を改善することができる。更に、低周波数サウンドボックスは、第2通信部を使用することによって全周波数サウンドボックスへ接続されてよく、結合形式で全周波数サウンドボックスとともに使用される。低周波数サウンドボックスは、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、全周波数サウンドボックスはオーディオデータを再生する。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは、協調して使用される。これはオーディオ再生効果を改善することができる。更に、ユーザは、全周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生すること、又は全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生することを選択し得る。これは、ユーザの種々の要求を満足することができる。
【0166】
本願の実施形態は、サウンドボックスシステムを提供する。
図9に示されるように、サウンドボックスシステムは、全周波数サウンドボックス901及び低周波数サウンドボックス902を含む。全周波数サウンドボックス901は、上記の実施形態で記載された全周波数サウンドボックスである。低周波数サウンドボックス902は、上記の実施形態で記載された低周波数サウンドボックスである。全周波数サウンドボックス901及び低周波数サウンドボックス902の構造の説明については、上記の実施形態を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0167】
全周波数サウンドボックス901は、第1締結部及び第2締結部を使用することによって低周波数サウンドボックス902へ物理的に接続され、第1締結部及び第2締結部は、一群の対に成った接続部であることが理解され得る。上記の実施形態からは、第1締結部は第1通信部を含み、第2締結部は第2通信部を含み、第1通信部は、第1締結部が第2締結部へ物理的に接続された後に、第2通信部へ接続されることが分かる。このようにして、全周波数サウンドボックス901は低周波数サウンドボックス902と通信することができ、第1通信部及び第2通信部は一群の対に成った通信部であり(例えば、オーディオデータ又は制御シグナリングを伝送する)、あるいは、低周波数サウンドボックスは全周波数サウンドボックスを充電する(低周波数サウンドボックスが全周波数サウンドボックスを充電するときに、低周波数サウンドボックスは電源へ接続されることに留意されたい)。
【0168】
図8は、サウンドボックスシステムの可能な構成の模式図に過ぎないことに留意されたい。
図8において、全周波数サウンドボックスは輪状であり、低周波数サウンドボックスは平面円筒形であり、全周波数サウンドボックスは積み重ねモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。
図8において、第1締結部、第2締結部、第1通信部、及び第2通信部は、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが接続された状態にあるので、見ることができない。任意に、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは夫々、他の形状をとってもよい。全周波数サウンドボックスと低周波数サウンドボックスとの間の接続のモードは、代替的に、他の接続モードにあってもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0169】
全周波数サウンドボックス901は、ターゲットオーディオデータを再生するよう、あるいは、ターゲットオーディオデータの高周波数成分及び/又は中間周波数成分を再生するよう構成される。低周波数サウンドボックス902は、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生するよう構成され、低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は、全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れており、また、全周波数サウンドボックスの周波数バンド範囲は、低周波数サウンドボックスの周波数バンド範囲よりも広い。
【0170】
任意に、全周波数サウンドボックスは、第1締結部及び第2締結部を使用することによって積み重ね又は取り付けモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。
【0171】
実施において、
図10の(a)に示されるように、第1締結部が全周波数サウンドボックス本体に接続された第1のシート状部分1001であり、第2締結部が低周波数サウンドボックス本体に接続された第2のシート状部分1002であり、第1のシート状部分が第2のシート状部分に接触して結合される場合に、全周波数サウンドボックスは、積み重ねモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。具体的に、第1のシート状部分1001は第1通信部1001aを含み、第1通信部1001aは、全周波数サウンドボックス本体の垂直投影内に位置する。第2のシート状部分1002は、低周波数サウンドボックス本体に位置し、第2のシート状部分1002は第2通信部1002aを含む。第2通信部1002aは第2のシート状部分1002に配置され、それにより、全周波数サウンドボックスは、積み重ねモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。
図10の(b)は、全周波数サウンドボックスを積み重ねモードで低周波数サウンドボックスへ接続する効果の模式図である。
【0172】
任意に、第1のシート状部分1001は、バックル結合又は磁気結合モードで第2のシート状部分1002へ接続される。確かに、第1のシート状部分1001は、代替的に、他の実施可能な方法で第2のシート状部分1002へ接続されてもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0173】
他の実施においては、
図11の(a)に示されるように、第1締結部が、全周波数サウンドボックス本体の片側に沿って外側に延在する第1のシート状部分1101であり、第2締結部が、低周波数サウンドボックス本体の片側に沿って外側に延在する第2のシート状部分1002であり、第1のシート状部分1101が第2のシート状部分1102に接触して結合される場合に、全周波数サウンドボックスは、取り付けモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。具体的に、第1のシート状部分1101は第1通信部1101aを含み、第1通信部1101aは、全周波数サウンドボックス本体の垂直投影の外に位置し、第2のシート状部分1102は第2通信部1102aを含み、第2通信部1102aは、低周波数サウンドボックス本体の垂直投影の外に位置する。
図11の(b)は、全周波数サウンドボックスを取り付けモードで低周波数サウンドボックスへ接続する効果の模式図である。
【0174】
全周波数サウンドボックスを低周波数サウンドボックスへ接続する上記の2つのモードを参照して、第1締結部は全周波数サウンドボックス本体へ接続され、第1締結部は第1通信部を含む。第1通信部が全周波数サウンドボックス本体の垂直投影の中に位置し、例えば、
図12の(a)から
図12の(c)、第2締結部が低周波数サウンドボックス本体に位置する場合に、全周波数サウンドボックスは積み重ねモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。第1通信部が全周波数サウンドボックス本体の垂直投影の外に位置し、例えば、
図12の(d)、第2締結部が低周波数サウンドボックス本体の垂直投影の外に位置する場合に、全周波数サウンドボックスは取り付けモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。
【0175】
更なる他の実施においては、
図13の(a)に示されるように、第1締結部が、全周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凹部1301であり、第2締結部が、低周波数サウンドボックス本体の前もってセットされた締結領域に配置された凸部1302であり、凹部1301が凸部1302に接触して結合される場合に、全周波数サウンドボックスは、積み重ねモードで低周波数サウンドボックスへ接続される。
図13の(b)は、全周波数サウンドボックスを積み重ねモードで低周波数サウンドボックスへ接続する効果の模式図である。
【0176】
任意に、凹部1301は、バックル結合モード、ネジ結合モード、又は他の実施可能な方法で凸部1302へ接続されてもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0177】
まとめると、任意に、第1通信部は、磁気吸引インターフェースの磁気吸引メスコネクタであり、第2通信部は、磁気吸引インターフェースの磁気吸引オスコネクタである。代替的に、第1通信部は、USBインターフェースのプラグであり、第2通信部は、USBインターフェースのソケットである。代替的に、第1通信部及び第2通信部は、整合関係を有しかつ取り外し可能な機構を有している他の通信部であってもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0178】
任意に、本願のこの実施形態で提供されるサウンドボックスシステムは、少なくとも1つの全周波数サウンドボックスを更に含み、その少なくとも1つの全周波数サウンドボックスの構造は、上記の実施形態における全周波数サウンドボックスの構造と同様である。サウンドボックスシステム内の少なくとも1つの全周波数サウンドボックス及び1つの全周波数サウンドボックスは、サウンドボックスシステム内の少なくとも2つの全周波数サウンドボックスを構成し、サウンドボックスシステムに含まれる少なくとも2つの全周波数サウンドボックスは協働してもよい。少なくとも2つの全周波数サウンドボックスが協働する方法は、以下の実施形態で詳細に説明される。
【0179】
任意に、本願のこの実施形態で提供されるサウンドボックスシステムは、少なくとも1つの全周波数サウンドボックス及び少なくとも1つの低周波数サウンドボックスを更に含む。サウンドボックスシステムにおいて、1つの全周波数サウンドボックスは、1つのサウンドボックスサブシステムを構成するように、1つの低周波数サウンドボックスに対応する。この場合に、サウンドボックスシステムは少なくとも2つのサウンドボックスサブシステムを含み、少なくとも2つのサウンドボックスサブシステムは協働してもよい。少なくとも2つのサウンドボックスサブシステムが協働する方法は、以下の実施形態で詳細に説明される。
【0180】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスは、サイズを小さくされ、軽量化され、持ち運びが容易である。例えば、輪状の全周波数サウンドボックスは、約25センチメートル(cm)の直径、約3センチメートルの厚さ、及び500グラムに満たない重さを有する。全周波数サウンドボックスと比較して、低周波数サウンドボックスは、わずかにより大きいサイズ及びより大きい重さを有する。例えば、平面円筒形の低周波数サウンドボックスは、約30cmの底面直径、約10cmの高さ、及び2000グラム超の重さを有する。
【0181】
本願のこの実施形態で提供されるサウンドボックスシステムに従って、サウンドボックスシステムの全周波数サウンドボックスは、独立して作動してよく、あるいは、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは、協働する。従って、ユーザは、全周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生すること、又は全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを使用することによってオーディオデータを再生することを柔軟に選択し得る。これは、ユーザの種々の要求を満足することができる。
【0182】
更に、全周波数サウンドボックスが独立して作動する場合に、全周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの中間周波数成分又は高周波数成分を再生することは、全周波数サウンドボックスが中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有しているので、サウンド品質を改善することができる。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働する場合に、低周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することは、低周波数サウンドボックスの低周波再生効果が全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れているので、オーディオデータの低音品質を改善することができる。更に、全周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生することは、全周波数サウンドボックスが中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有しているので、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分の再生効果を改善することができる。このようにして、オーディオデータの再生効果は、オーディオデータの全周波数バンドで改善され得る。
【0183】
以下は、本願の実施形態で提供されるサウンドボックスシステムに含まれる全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスのハードウェア構造について別々に記載する。
【0184】
図14は、本願の実施形態に係る全周波数サウンドボックスのハードウェア構造の模式図である。
図14に示されるように、全周波数サウンドボックスは、プロセッサ1401、1つ以上のスピーカ1402、1つ以上のデジタル-アナログ変換モジュール1403、1つ以上の電力増幅器1404、通信モジュール1405、電源1406、及び接続モジュール1407を含み、デジタル-アナログ変換モジュール1403及び電力増幅器1404はスピーカ1402に対応する。
【0185】
プロセッサ1401は、全周波数サウンドボックスのコア制御及び処理ユニットであり、信号フロー制御及び処理などの機能を備えている。例えば、プロセッサ1401はオーディオデータを処理する。
【0186】
1つ以上のスピーカ1402は、全周波数サウンドボックスの再生デバイスであり、プロセッサ1401によって処理されたオーディオデータを再生するよう構成される。任意に、1つ以上のスピーカ1402は、全周波数スピーカであってよく、1つ以上のスピーカ1402のうちの一部は中間及び高周波数スピーカであってもよい。これは本願のこの実施形態で特に制限されない。
【0187】
1つ以上のデジタル-アナログ変換モジュール1403は、プロセッサ1401によって処理されたオーディオデータをデジタル信号形式からアナログ信号形式に変換するよう構成される。
【0188】
1つ以上の電力増幅器1404は、アナログ信号形式でのオーディオ信号の電力を増幅するよう構成され、次いで、1つ以上のスピーカ1402はオーディオデータを再生する。
【0189】
通信モジュール1405は、全周波数サウンドボックスが他のデバイスと通信するのを支援するよう構成される。例えば、通信モジュール1405は、Bluetoothモジュールであってよい。Bluetoothモジュールは、全周波数サウンドボックスと形態電話との間の通信を確立してオーディオデータを伝送するために使用される。通信モジュール1405はトランシーバであってよい。
【0190】
電源1406は、全周波数サウンドボックスへ電力を供給するよう構成され、電源1406はバッテリであってよい。
【0191】
接続モジュール1407は、全周波数サウンドボックスを低周波数サウンドボックスへ着脱可能に接続するよう構成される。全周波数サウンドボックスと低周波数サウンドボックスとの間の接触可能な接続は、全周波数サウンドボックスと低周波数サウンドボックスとの間で通信を実施するか又は全周波数サウンドボックスを充電するために、接続モジュール1407を使用することによって実施される。接続モジュール1407は通信部を含み、通信部はUSBインターフェース又は磁気吸引インターフェースであってよい。全周波数サウンドボックスのトランシーバは、通信部を使用することによってオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送ってもよい。
【0192】
任意に、本願のこの実施形態で提供される全周波数サウンドボックスは、アナログオーディオインターフェース1408を更に含んでもよい。アナログオーディオインターフェース1408は、アナログオーディオ信号を受信又は送信するよう構成される。
【0193】
図15は、本願の実施形態に係る低周波数サウンドボックスのハードウェア構造の模式図である。
図15に示されるように、低周波数サウンドボックスは、プロセッサ1501、1つ以上の低周波数スピーカ1502、1つ以上のデジタル-アナログ変換モジュール1503、1つ以上の電力増幅器1504、通信モジュール1505、電源1506、及び接続モジュール1507を含み、デジタル-アナログ変換モジュール1503及び電力増幅器1504は低周波数スピーカ1502に対応する。
【0194】
プロセッサ1501は、全周波数サウンドボックス全体(全周波数サウンドボックスと低周波数サウンドボックスとを含む)のコア制御及び処理ユニットであり、信号フロー制御及び処理などの機能を備えている。更に、全周波数サウンドボックスのプロセッサ1401と比較して、低周波数サウンドボックスのプロセッサ1501は、より強い計算及び記憶能力と、計算リソースとを備えている。
【0195】
1つ以上のスピーカ1502は、低音再生デバイスであり、プロセッサ1501によって処理されたオーディオデータの低周波数成分を再生するよう構成される。
【0196】
1つ以上のデジタル-アナログ変換モジュール1503は、プロセッサ1501によって処理されたオーディオデータをデジタル信号形式からアナログ信号形式に変換するよう構成される。
【0197】
1つ以上の電力増幅器1504は、アナログ信号形式でのオーディオ信号の電力を増幅するよう構成され、次いで、1つ以上のスピーカ1502はオーディオデータを再生する。
【0198】
通信モジュール1505は、低周波数サウンドボックスが他のデバイスと通信するのを支援するよう構成される。例えば、通信モジュール1505は、低周波数サウンドボックスと形態電話との間の接続を確立してオーディオデータを伝送するために使用される。通信モジュール1505はトランシーバであってよい。任意に、通信モジュール1505はBluetoothモジュール又はWi-Fiモジュールであってよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0199】
電源1506は、有線電源であり、電力を低周波数サウンドボックス及び全周波数サウンドボックスへ供給する。
【0200】
接続モジュール1507は、低周波数サウンドボックスを全周波数サウンドボックスへ着脱可能に接続するよう構成される。全周波数サウンドボックスと低周波数サウンドボックスとの間の接触可能な接続は、全周波数サウンドボックスと低周波数サウンドボックスとの間の通信を実施するか又は全周波数サウンドボックスを充電するために、接続モジュール1507を使用することによって実施される。接続モジュール1507は通信部を含み、通信部はUSBインターフェース又は磁気吸引インターフェースであってよい。低周波数サウンドボックスのトランシーバは、通信部を使用することによってオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送ってもよい。
【0201】
任意に、本願のこの実施形態で提供される低周波数サウンドボックスは、他の拡張可能なユニットを更に含んでもよい。例えば、低周波数サウンドボックスは、カメラ又はマイクロホンアレイを更に含む。
【0202】
上記の実施形態におけるサウンドボックスシステム内の全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスに基づき、本願の実施形態は、オーディオデータ処理方法を提供する。
図16に示されるように、方法はステップ1601からステップ1603を含む。
【0203】
ステップ1601:端末は、全周波数サウンドボックスの第1通信部が低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続されているかどうかを検出する。
【0204】
上記の実施形態の説明に基づき、全周波数サウンドボックスは第1締結部を含み、第1通信部は第1締結部に配置される。低周波数サウンドボックスは第2締結部を含み、第2通信部は第2締結部に配置される。全周波数サウンドボックスは、第1締結部及び第2締結部を使用することによって、低周波数サウンドボックスへ物理的に接続するか又はそれか分離する。全周波数サウンドボックスは、第1通信部が第2通信部へ接続される場合に、低周波数サウンドボックスと通信し得る。更に、第1通信部及び第2通信部は、マルチチャネルオーディオデータ伝送をサポートし、低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は、全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れており、また、全周波数サウンドボックスの周波数バンド範囲は、低周波数サウンドボックスの周波数バンド範囲よりも広い。
【0205】
全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスの構造の関連する記載については、上記の実施形態における関連する内容を参照されたい。
【0206】
任意に、端末は、全周波数サウンドボックスとのインタラクションを通じて、第1通信部が第2通信部へ接続されているかどうかを検出してよい。例えば、端末は、全周波数サウンドボックスから、第1通信部に対応する全周波数サウンドボックスの第1ポートのステータス情報を取得し、第1ポートのステータス情報に基づき、第1通信部が第2通信部へ接続されているかどうかを決定する。第1ポートのステータス情報は、第1通信部が第2通信部へ接続されていない場合には“0”である。この場合に、ステータス“0”を取得した後、端末は、第1通信部が第2通信部へ接続されていないと決定する。第1通信部が第2通信部へ接続されている場合には、第1ポートのステータス情報は“1”である。この場合に、ステータス“1”を取得した後、端末は、第1通信部が第2通信部へ接続されていると決定する。
【0207】
端末は、代替的に、他の実施可能な方法を使用することによって、第1通信部が第2通信部へ接続されているかどうかを検出してもよいことに留意されたい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0208】
ステップ1602:端末が検出により、第1通信部が第2通信部へ接続されていないことを見つける場合に、端末は、再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る。
【0209】
上記の実施形態における再生されるべきオーディオデータの記載を参照して、再生されるべきオーディオデータは生オーディオデータ又はターゲットオーディオデータであってよいことが分かる。このようにして、端末が再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送ることは、次の2つの場合を含み得る。
【0210】
場合1:端末は、生オーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る。
【0211】
端末が生オーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る場合に、全周波数サウンドボックスは、元のデータに対して分周を実行し、異なる周波数バンドの成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得し、ターゲットオーディオデータを再生することが理解されるべきである。
【0212】
場合2:端末は、ターゲットオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る。
【0213】
端末がターゲットオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る場合に、全周波数サウンドボックスは、他のデバイスによって、生オーディオデータに分周及び音場拡張処理を実行することによって取得されてよく、そして、全周波数サウンドボックスへ送られる。次いで、全周波数サウンドボックスはターゲットオーディオデータを再生する。他のデバイスは、端末、低周波数サウンドボックス、又はそれら2つのデバイス以外の他のデバイスであってよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0214】
ステップ1603:端末が検出により、第1通信部が第2通信部へ接続されていることを見つける場合に、端末は、ステップ1603aから1603cの次の方法のうちの1つでオーディオデータを送信する。
【0215】
ステップ1603a:端末は第1オーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送り、第2オーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送る。
【0216】
第1オーディオデータは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分であり、第2オーディオデータは、再生されるべきオーディオデータの低周波数成分である。
【0217】
同様に、端末がオーディオデータを全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスへ送ることは、次のいくつかの場合を含む。
【0218】
場合1:端末は、生オーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、生オーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送る。
【0219】
任意に、端末は、生オーディオデータに分周を実行して、生オーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得し、次いで、端末は、生オーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、全周波数サウンドボックスは、元のデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分に音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を取得する。更に、端末は、生オーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送り、低周波数サウンドボックスは、生オーディオデータの低周波数成分に音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を取得し、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生する。
【0220】
場合2:端末は、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送る。
【0221】
任意に、端末又は他のデバイスは、生オーディオデータの分周を実行し、分周を通じて取得される中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に音場拡張処理を実行し、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送る。次いで、全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生する。
【0222】
ステップ1603b:端末は、再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る。
【0223】
端末が再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る場合にも二通りある。詳細については、上記のステップ1602を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0224】
端末によって全周波数サウンドボックスへ送信される再生されるべきオーディオデータが生オーディオデータである場合に、全周波数サウンドボックスは生オーディオデータに対して分周を実行し、また、音場拡張処理を実行してターゲットオーディオデータを取得することに留意されたい。
【0225】
任意に、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータを取得した後、ターゲットオーディオデータを再生する方法は、次の2つの方法を含む。
【0226】
方法1:全周波数サウンドボックスはターゲットオーディオデータを再生する。
【0227】
方法2:全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送り、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生する。
【0228】
ステップ1603c:端末は、再生されるべきオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送る。
【0229】
端末が再生されるべきオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送ることは、次の2つの場合を含み得る。
【0230】
場合1:端末は、生オーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送る。
【0231】
端末が生オーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送る場合に、低周波数サウンドボックスは、元のデータに分周を実行し、異なる周波数バンドの成分に音場拡張処理を実行してターゲットオーディオデータを取得することが理解されるべきである。次いで、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生し、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、全周波数サウンドボックスは、中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生する。
【0232】
場合2:端末は、ターゲットオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送る。
【0233】
端末がターゲットオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送る場合に、ターゲットオーディオデータは、他のデバイスによって、生オーディオデータに分周及び音場拡張処理を実行することによって取得されてよく、そして、低周波数サウンドボックスへ送られることが理解されるべきである。次いで、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生し、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、全周波数サウンドボックスは、中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生する。
【0234】
本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法に従って、端末は、端末の全周波数サウンドボックスの第1通信部が低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続されているかどうかを検出することによって、オーディオデータを全周波数サウンドボックス及び/又は低周波数サウンドボックスへ送ると決定し、それにより、全周波数サウンドボックスはオーディオデータを処理し、かつ/あるいは、低周波数サウンドボックスはオーディオデータを処理する。これは、優れた音場拡張効果を達成し、かつ、サウンド品質を改善する。
【0235】
図17に示されるように、本願の実施形態は、オーディオデータ処理方法を提供する。方法は、上記の全周波数サウンドボックスに適用され、ステップ1701からステップ1704を含む。
【0236】
ステップ1701:全周波数サウンドボックスは、再生されるべきオーディオデータを取得する。
【0237】
再生されるべきオーディオデータは生オーディオデータであることが理解されるべきである。任意に、再生されるべきオーディオデータは、端末から全周波数サウンドボックスによって受け取られたオーディオデータ、又は他のデバイスから全周波数サウンドボックスによって取得されたオーディオデータであってもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0238】
ステップ1702:全周波数サウンドボックスは、取得された再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得する。
【0239】
任意に、本願のこの実施形態で、マルチバンドフィルタリングは、高周波数フィルタリング、バンドパスフィルタリング、及び低周波数フィルタリングを含んでよく、かつ/あるいは、マルチバンドフィルタリングは、高周波数フィルタリング及び低周波数フィルタリングを含む。高周波数フィルタリングは、オーディオデータの高周波数成分を得るようオーディオデータに対して実行され、バンドパスフィルタリングは、オーディオデータの中間周波数成分を得るようオーディオデータに対して実行され、低周波数フィルタリングは、オーディオデータの低周波数成分を得るようオーディオデータに対して実行されることが理解されるべきである。
【0240】
本願のこの実施形態で、マルチバンドフィルタリングがオーディオデータに実行される場合に、フィルタリング周波数バンドの設定は、全周波数サウンドボックスにおいてダイポールを構成するスピーカ対の2つのスピーカ間の距離に関係があることに留意されたい。フィルタリング周波数バンドは、フィルタリングされた高周波数成分、中間周波数成分、及び低周波数成分に対応する周波数バンドを決定する。
【0241】
ステップ1703:全周波数サウンドボックスは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得する。
【0242】
ステップ1703は、ステップ1703a及びステップ1703bを含む。
【0243】
ステップ1703a:全周波数サウンドボックスは、フィルタリングされたオーディオデータの高周波数成分に対して高バンドダイポール処理を実行し、かつ/あるいは、フィルタリングされたオーディオデータの中間周波数成分に対して中間バンドダイポール処理を実行する。
【0244】
スイートポイント(sweet point)領域が全周波数サウンドボックスのスピーカの音場に存在する、ことが理解され得る。スイートポイント領域は、優れたサウンド効果が達成され得る領域である。一般に、スイートポイント領域は、前もってセットされた角度だけ全周波数サウンドボックスの中間から外れている領域である。ユーザ(又はリスナー)は、ユーザがスイートポイント領域に位置しているときに、望ましい聴取経験を有する。ユーザがスイートポイント領域から離れる(例えば、ユーザと全周波数サウンドボックスの中心との間の夾角が前もってセットされた角度よりも大きい)場合には両耳クロストークが起こる。結果として、ユーザの聴取経験は悪くなる。
【0245】
本願のこの実施形態で、一対の音響ダイポールは一対のスピーカに対応し、振幅が同じだが位相が異なる信号は、一対のスピーカを使用することによって再生される。水平方向が一例として使用される。右チャネルは1つの音響ダイポールに対応し、左チャネルは1つの音響ダイポールに対応する。例えば、右チャネル信号がユーザの左耳への到着時に大きいエネルギを有する場合に、左右の耳でクロストークが起こり、つまり、右チャネル信号が左耳と干渉する。その結果、音場は狭められる。左右の耳の間のクロストークは、右チャネル信号のエネルギがユーザの左耳への到着時に小さいときに小さい。
【0246】
本願のこの実施形態で、音場拡張処理は、高バンドダイポールアルゴリズムに従ってオーディオデータの高周波数成分に対して実行され、音場拡張処理は、中間バンドダイポールアルゴリズムに従ってオーディオデータの中間周波数成分に対して実行される。右チャネル信号について、右チャネル信号のエネルギは左耳への到着時に低減され得る一方で、右チャネル信号のエネルギは右耳への到着時には低減されないことが確かにされる。左チャネル信号について、左チャネル信号のエネルギは右耳への到着時に低減され得る一方で、左チャネル信号のエネルギは左耳への到着時には低減されないことが確かにされる。このようにして、両耳クロストークはキャンセルされる。本願のこの実施形態で、右チャネル信号のエネルギがユーザの左耳への到着時により小さい場合に、右チャネル信号のエネルギは、ユーザの右耳への到着時により大きい。この場合に、より良い両耳クロストークキャンセル効果が達成される。同様に、左チャネル信号のエネルギが右耳への到着時により小さい場合に、左チャネル信号のエネルギは、左耳への到着時により大きい。この場合に、より良い両耳クロストークキャンセル効果が達成される。
【0247】
ダイポールの指向性は、ダイポールアルゴリズムに従って処理が実行された後に変化する。
図18は、右チャネルに対応するダイポールの指向性図である。クロストークキャンセル効果は、ダイポールの指向性図を使用することによって更に表示され得る。右チャネルに対応する音響ダイポールの指向性図は、次の式に従って表現され得る:
【数1】
ここで、w=2πfであり、fは右チャネル信号の周波数であり、t
delayは、ダイポールに対応するスピーカによって再生された信号の左右の耳への到着時間の間の差であり、dspkは、一対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカの間の距離であり、φは、指向性図の旋回角度であり、θは、ダイポール処理アルゴリズムでの設定パラメータであり、設定パラメータは、一対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカによって信号を再生するための位相間の差であり、cは音速である。位相差θは、ユーザの位置に関係がある。具体的に、θは、最適なクロストークキャンセル、つまり、音場拡張効果を実施するためにユーザの位置に基づき調整されてもよい。
【0248】
図18の(a)が一例として使用される。円周上の角度は、φ(0度から360度)であり、異なる円周は、異なるエネルギ(例えば、0.5、1、1.5、及び2)に対応することに留意されたい。
図18の(a)は、θが0度である場合に対応するダイオードの指向性図である。指向性図を参照して、左耳への到着時の右チャネル信号のエネルギは小さく、右耳への到着時の右チャネル信号のエネルギは大きいことが分かる。具体的に、
図18の(a)では、ユーザは全周波数サウンドボックスの前に(270度方向に)位置している。ユーザの左耳と全周波数サウンドボックスの中心との間の夾角が30度である場合に、図中の240度方向は、ユーザの左耳が位置している方向である。この場合に、対応するθは0度である。左耳への到着時の右チャネル信号のエネルギは約240度で小さく、右耳への到着時の右チャネル信号のエネルギは約
300度で大きいことが分かる。
【0249】
図18の(b)は、θが30度である場合に対応するダイオードの指向性図であり、
図18の(c)は、θが-30度である場合に対応するダイオードの指向性図である。同様に、この場合に、左耳への到着時の右チャネル信号のエネルギは小さく、右耳への到着時の右チャネル信号のエネルギは大きい。
【0250】
任意に、1つの周波数バンドは、音響ダイポールの1つ以上の対に対応する。例えば、高周波数バンドは、音響ダイポールの複数の対に対応する。このようにして、高バンドダイポールアルゴリズムに従って処理された後、高周波数フィルタリングを通じて得られた高周波数成分は、ダイポールの複数の対に対応するスピーカを使用することによって再生される。
【0251】
ステップ1703b:フィルタリングされたオーディオデータの低周波数成分に対して低音強化処理を実行する。
【0252】
本願のこの実施形態で、フィルタリングされたオーディオデータの低周波数成分は、低音強化アルゴリズムに従って処理される。このようにして、低周波数信号(つまり、低周波数成分)のエネルギは、スピーカにダメージを与えずに(振動板の最大変位を超えずに)動的に増大するので、オーディオデータの低音品質は大幅に改善される。
【0253】
低音強化アルゴリズムに従って、スピーカのパラメータ(TSパラメータ)は、前もって取得され、モデリングは、スピーカのパラメータに基づき実行されて、処理モデルが得られる、ことが理解されるべきである。詳細については、既存の方法を参照されたい。詳細は本願のこの実施形態で記載されない。
【0254】
任意に、生オーディオデータを処理した後、全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータ(具体的に、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を含む)を取得する。ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分は、全周波数サウンドボックスによって再生される。
【0255】
ステップ1704:全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送る。
【0256】
このようにして、ターゲットオーディオデータの低周波数成分は、低周波数サウンドボックスによって再生され、低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は、全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れている。
【0257】
実施において、全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送るのではなく、ターゲットオーディオデータ(中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を含む)を再生してもよい。
【0258】
本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法に従って、全周波数サウンドボックスがオーディオデータに対する音場拡張処理を完了した後、1つの側面において、全周波数サウンドボックスは、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータの高周波数成分及び/又は中間周波数成分を再生する。全周波数サウンドボックスは中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有しているので、中間周波数成分及び/又は高周波数成分のサウンド品質は改善され得る。他の側面においては、全周波数サウンドボックスは、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送り、低周波数サウンドボックスは低周波数成分を再生する。低周波数サウンドボックスの低周波再生効果は全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れているので、オーディオデータの低音品質は改善され得る。
【0259】
図19に示されるように、本願の実施形態は、オーディオデータ処理方法を提供する。方法は、低周波数サウンドボックスに適用され、ステップ1901からステップ1904を含む。
【0260】
ステップ1901:低周波数サウンドボックスは、再生されるべきオーディオデータを取得する。
【0261】
再生されるべきオーディオデータは生オーディオデータであることが理解されるべきである。任意に、再生されるべきオーディオデータは、端末から低周波数サウンドボックスによって受け取られたオーディオデータ、又は他のデバイスから低周波数サウンドボックスによって取得されたオーディオデータであってもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0262】
ステップ1902:低周波数サウンドボックスは、取得された再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得する。
【0263】
ステップ1903:低周波数サウンドボックスは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得する。
【0264】
再生されるべきオーディオデータに対して低周波数サウンドボックスによってマルチバンドフィルタリング及び音場拡張処理を実行する方法は、再生されるべきオーディオデータに対して全周波数サウンドボックスによってマルチバンドフィルタリング及び音場拡張処理を実行する方法と同じであることに留意すべきである。詳細については、上記の実施形態における説明を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0265】
ステップ1904:低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送る。
【0266】
本願のこの実施形態で、低周波数サウンドボックスがオーディオデータに対する音場拡張処理を完了した後、1つの側面において、低音強化処理を通じて得られた低周波数成分は、低周波数サウンドボックスのウーファーを使用することによって再生される。オーディオデータの低周波数成分が低周波数サウンドボックスで専用低周波数スピーカによって再生されるので、オーディオデータの低音品質は改善され得る。他の側面においては、低周波数サウンドボックスは、音場拡張処理により得られたオーディオデータの高周波数成分及び/又は中間周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送り、次いで、全周波数サウンドボックスは、高周波数成分及び/又は中間周波数成分を再生する。全周波数サウンドボックスは中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有するので、中間周波数成分及び/又は高周波数成分のサウンド品質は改善され得る。
【0267】
本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法に従って、サウンドボックスシステムにおける全周波数サウンドボックスのスピーカのレイアウトと、上記の音場拡張アルゴリズム(高バンドダイポールアルゴリズム、中間バンドダイポールアルゴリズム、及び低音強化アルゴリズムを含む)とは、より広い音場効果を達成するために互いに協調する。
【0268】
任意に、本願のこの実施形態で、オーディオデータはマルチチャネルオーディオデータである。例えば、マルチチャネルは、左チャネル(L)及び右チャネル(R)を含むデュアルチャネルである。他の例として、マルチチャネルは、左チャネル(L)、左サラウンドチャネル(Ls)、左リアチャネル(Lb)、左上チャネル(Lh)、右チャネル(R)、右サラウンドチャネル(Rs)、右リアチャネル(Rb)、右上チャネル(Rh)、センターチャネル(C)を含む。
【0269】
例えば、サウンドボックスシステムの全周波数サウンドボックスは、8つのスピーカを含む輪状の全周波数サウンドボックスである。輪状の全周波数サウンドボックスの8つのスピーカのレイアウトについては、
図2の(a)を参照されたい。以下は、オーディオデータがデュアルチャネルオーディオデータ及びマルチチャネルオーディオデータである例を使用することによって、スピーカ及び音場拡張アルゴリズムがどのように互いに協調するかについて記載する。
【0270】
サウンドボックスシステム内の全周波数サウンドボックスの第1通信部が低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続されている場合に、低周波数サウンドボックスが再生されるべきデュアルチャネルオーディオデータ(左チャネル信号及び右チャネル信号を含む)を取得した後、
図20を参照して、デュアルチャネルオーディオデータの処理プロシージャは次を含む。
【0271】
ステップ2001:低周波数サウンドボックスは、左チャネル(L)信号に高周波数フィルタリング、中間周波数フィルタリング、及び低周波数フィルタリングを実行して、左チャネル信号の高周波数成分、左チャネル信号の中間周波数成分、及び左チャネル信号の低周波数成分を取得する。
【0272】
ステップ2002:低周波数サウンドボックスは、右チャネル(R)オーディオ信号に高周波数フィルタリング、中間周波数フィルタリング、及び低周波数フィルタリングを実行して、右チャネル信号の高周波数成分、右チャネル信号の中間周波数成分、及び右チャネル信号の低周波数成分を取得する。
【0273】
記載を容易にするために、本願のこの実施形態で、左チャネル信号はDLと表され、左チャネル信号の高周波数成分はDL_hと表され、左チャネル信号の中間周波数成分はDL_cと表され、左チャネル信号の低周波数成分はDL_lと表される。右チャネル信号はDRと表され、右チャネル信号の高周波数成分はDR_hと表され、右チャネル信号の中間周波数成分はDR_cと表され、右チャネル信号の低周波数成分はDR_lと表される。
【0274】
ステップ2003:低周波数サウンドボックスは、左チャネル信号の高周波数成分DL_h及び右チャネル信号の高周波数成分DR_hに対して高バンドダイポール処理を実行して、左チャネル信号の処理された高周波数成分D’L_h及び右チャネル信号の処理された高周波数成分D’R_hを取得する。
【0275】
ステップ2004:低周波数サウンドボックスは、左チャネル信号の中間周波数成分DL_c及び右チャネル信号の中間周波数成分DR_cに対して中間バンドダイポール処理を実行して、左チャネル信号の処理された中間周波数成分D’L_c及び右チャネル信号の処理された中間周波数成分D’R_cを取得する。
【0276】
ステップ2005:低周波数サウンドボックスは、左チャネル信号の低周波数成分DL_l及び右チャネル信号の低周波数成分DR_lに対してオーディオミキシング処理を実行して、ミキシングされた低周波数成分Dlを取得し、次いで、低周波数成分Dlに対して低音強化処理を実行して、処理されたオーディオデータの低周波数成分D’lを取得し、低周波数サウンドボックスは、処理されたオーディオデータの低周波数成分D’lを再生する。
【0277】
本願のこの実施形態で、オーディオミキシング処理を通じて得られたミキシングされた低周波数成分は、Dl=DL_l+DR_lを満足する。
【0278】
ステップ2006:低周波数サウンドボックスは、音場拡張処理を通じて得られた左チャネル信号の高周波数成分D’L_h及び中間周波数成分D’L_cと、音場拡張処理を通じて得られた右チャネル信号の高周波数成分D’R_h及び中間周波数成分D’R_cとを全周波数サウンドボックスへ送る。
【0279】
高周波数成分及び中間周波数成分は、全周波数サウンドボックスの対応するスピーカによって再生されることが理解されるべきである。
【0280】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスの対応するスピーカがオーディオデータを再生することは、水平方向での音響ダイポールを構成するスピーカ対が、水平方向での音場拡張を通じて得られたオーディオデータ(高周波数成分及び中間周波数成分を含む)を再生することを意味する。具体的に、より近いスピーカ対が高周波数成分を再生し、より遠いスピーカ対が中間周波数成分を再生する。
【0281】
例えば、
図2の(a)を参照して、本願のこの実施形態で、スピーカ2及びスピーカ4は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ6及びスピーカ8は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ1及びスピーカ5は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた中間周波数成分を再生するよう構成される。
【0282】
任意に、1つの周波数バンドは1つ以上のスピーカ対に対応する。例えば、高周波数バンド(つまり、上記の高周波数成分)は、2つのスピーカ対に対応する。
【0283】
相応して、表1は、オーディオデータの各成分と全周波数サウンドボックスのスピーカとの間の対応の一例である。
【表1】
【0284】
表1中の「/」は、データがないことを示し、つまり、スピーカ3及びスピーカ7はオーディオデータを再生しないことが留意されるべきである。
【0285】
まとめると、デュアルチャネルオーディオデータに対して音場拡張処理を実行することは、水平方向においてオーディオデータに音場拡張処理を実行することである、ことが分かる。
【0286】
サウンドボックスシステム内の全周波数サウンドボックスの第1通信部が低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続されている場合に、低周波数サウンドボックスが再生されるべきマルチチャネル(左チャネル、左サラウンドチャネル、左リアチャネル、左上チャネル、右チャネル、右サラウンドチャネル、右リアチャネル、右上チャネル、及びセンターチャネルを含む)オーディオデータを取得した後、
図21を参照して、マルチチャネルオーディオデータの処理プロシージャは次のステップを含む。
【0287】
ステップ2101:低周波数サウンドボックスは、左チャネル(L)、左サラウンドチャネル(Ls)、及び左リアチャネル(Lb)のオーディオデータをミキシングして、水平左チャネル信号を取得する。
【0288】
本願のこの実施形態で、左チャネル信号はDLと表され、左サラウンドチャネルのオーディオデータはDLsと表され、左リアチャネルのオーディオデータはDLbと表される。この場合に、水平左チャネル信号は、DLH=DL+DLs+DLbである。
【0289】
ステップ2102:低周波数サウンドボックスは、水平左チャネル信号DLHに対して高周波数フィルタリング、中間周波数フィルタリング、及び低周波数フィルタリングを実行して、水平左チャネル信号の高周波数成分DLH_h、水平左チャネル信号の中間周波数成分DLH_c、及び水平左チャネル信号の低周波数成分DLH_lを取得する。
【0290】
ステップ2103:低周波数サウンドボックスは、右チャネル(R)、右サラウンドチャネル(Rs)、及び右リアチャネル(Rb)のオーディオデータをミキシングして、水平右チャネル信号を取得する。
【0291】
本願のこの実施形態で、右チャネル信号はDRと表され、右サラウンドチャネルのオーディオデータはDRsと表され、右リアチャネルのオーディオデータはDRbと表される。この場合に、水平右チャネル信号は、DRH=DR+DRs+DRbである。
【0292】
ステップ2104:低周波数サウンドボックスは、水平右チャネル信号DRHに対して高周波数フィルタリング、中間周波数フィルタリング、及び低周波数フィルタリングを実行して、水平右チャネル信号の高周波数成分DRH_h、水平右チャネル信号の中間周波数成分DRH_c、及び水平右チャネル信号の低周波数成分DRH_lを取得する。
【0293】
ステップ2105:低周波数サウンドボックスは、左上チャネル(Lh)のオーディオデータDLhに対して高周波数フィルタリング、中間周波数フィルタリング、及び低周波数フィルタリングを実行して、垂直左チャネル信号の高周波数成分DLV_h、垂直左チャネル信号の中間周波数成分DLV_c、及び垂直左チャネル信号の低周波数成分DLV_lを取得する。
【0294】
左上チャネルのオーディオデータは垂直方向での左チャネル信号であり、以下では略して垂直左チャネル信号である、ことが理解されるべきである。
【0295】
ステップ2106:低周波数サウンドボックスは、右上チャネル(Rh)のオーディオデータDRhに対して高周波数フィルタリング、中間周波数フィルタリング、及び低周波数フィルタリングを実行して、垂直右チャネル信号の高周波数成分DRV_h、垂直右チャネル信号の中間周波数成分DRV_c、及び垂直右チャネル信号の低周波数成分DRV_lを取得する。
【0296】
右上チャネルのオーディオデータは垂直方向での右チャネル信号であり、以下では略して垂直右チャネル信号である、ことが理解されるべきである。
【0297】
ステップ2107:低周波数サウンドボックスは、センターチャネル(C)のオーディオデータDCに対して高周波数フィルタリング及び低周波数フィルタリングを実行して、センターチャネルのオーディオデータの高周波数成分DC_h及びセンターチャネルのオーディオデータの低周波数成分DC_lを取得する。
【0298】
ステップ2108:低周波数サウンドボックスは、水平方向において水平左チャネル信号の高周波数成分DLH_h及び水平右チャネル信号の高周波数成分DRH_hに対して高バンドダイポール処理を実行して、水平左チャネル信号の処理された高周波数成分D’LH_h及び水平右チャネル信号の処理された高周波数成分D’RH_hを取得する。
【0299】
ステップ2109:低周波数サウンドボックスは、水平方向において水平左チャネル信号の中間周波数成分DLH_c及び水平右チャネル信号の中間周波数成分DRH_cに対して中間バンドダイポール処理を実行して、水平左チャネル信号の処理された中間周波数成分D’LH_c及び水平右チャネル信号の処理された中間周波数成分D’RH_cを取得する。
【0300】
ステップ2110:低周波数サウンドボックスは、垂直方向において垂直左チャネル信号の高周波数成分DLV_h及び垂直右チャネル信号の高周波数成分DRV_hに対して高バンドダイポール処理を実行して、垂直左チャネル信号の処理された高周波数成分D’LV_h及び垂直右チャネル信号の処理された高周波数成分D’Rv_hを取得する。
【0301】
ステップ2111:低周波数サウンドボックスは、垂直方向において垂直左チャネル信号の中間周波数成分DLV_c及び垂直右チャネル信号の中間周波数成分DRV_cに対して中間バンドダイポール処理を実行して、垂直左チャネル信号の処理された中間周波数成分D’LV_c及び垂直右チャネル信号の処理された中間周波数成分D’RV_cを取得する。
【0302】
ステップ2112:低周波数サウンドボックスは、水平左チャネル信号の低周波数成分DLH_l、水平右チャネル信号の低周波数成分DRH_l、垂直左チャネル信号の低周波数成分DLV_l、垂直右チャネル信号の低周波数成分DRV_l、及びセンターチャネルのオーディオデータの低周波数成分DC_lに対してオーディオミキシング処理を実行して、ミキシングされた低周波数成分Dlを取得し、次いで、低周波数成分Dlに対して低音強化処理を実行して、処理されたオーディオデータの低周波数成分D’lを取得する。
【0303】
処理されたオーディオデータの低周波数成分は、低周波数サウンドボックスによって再生されることが理解されるべきである。
【0304】
本願のこの実施形態で、オーディオミキシング処理を通じて得られたミキシングされた低周波数成分は、Dl=DLH_l+DRH_l+DLV_l+DRV_l+DC_lを満足する。
【0305】
ステップ2113:低周波数サウンドボックスは、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータの高周波数成分及び中間周波数成分に対してオーディオミキシング処理を実行し、オーディオミキシング処理を通じて得られたオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る。
【0306】
ステップ2114:全周波数サウンドボックスは、オーディオミキシング処理を通じて得られ、そして低周波数サウンドボックスによって送信されたオーディオデータを受け取る。
【0307】
オーディオミキシング処理を通じて得られたオーディオデータは、全周波数サウンドボックスの対応するスピーカによって再生されることが理解されるべきである。
【0308】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスの対応するスピーカがオーディオデータを再生することは、水平方向での音響ダイポールを構成するスピーカ対が、水平方向での音場拡張を通じて得られたオーディオデータ(高周波数成分及び中間周波数成分を含む)を再生することを意味する。具体的に、より近いスピーカ対が高周波数成分を再生し、より遠いスピーカ対が中間周波数成分を再生する。更には、垂直方向での音響ダイポールを構成するスピーカ対は、垂直方向での音場拡張を通じて得られたオーディオデータ(高周波数成分及び中間周波数成分を含む)を再生する。具体的に、より近いスピーカ対は高周波数成分を再生し、より遠いスピーカ対は中間周波数成分を再生する。
【0309】
例えば、
図2の(a)を参照して、本願のこの実施形態で、スピーカ4及びスピーカ6は、垂直方向での一対の音響ダイポールを構成し、垂直方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ2及びスピーカ8は、垂直方向での一対の音響ダイポールを構成し、垂直方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ3及びスピーカ7は、垂直方向での一対の音響ダイポールを構成し、垂直方向での音場拡張を通じて得られた中間周波数成分を再生するよう構成される。更に、スピーカ2及びスピーカ4は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ6及びスピーカ8は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ1及びスピーカ5は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた中間周波数成分を再生するよう構成される。
【0310】
同様に、1つの周波数バンドは1つ以上のスピーカ対に対応する。
【0311】
相応して、表2は、オーディオデータの各成分と全周波数サウンドボックスのスピーカとの間の対応の一例である。
【表2】
【0312】
これまでは、上記のオーディオミキシング処理は、具体的に、水平左チャネル信号の高周波数成分D’LH_h、垂直右チャネル信号の高周波数成分D’RV_h、及びセンターチャネルの高周波数成分DC_hをミキシングし、水平右チャネル信号の高周波数成分D’RH_h、垂直右チャネル信号の高周波数成分D’RV_h、及びセンターチャネルの高周波数成分DC_hをミキシングし、水平右チャネル信号の高周波数成分D’RH_h、垂直左チャネル信号の高周波数成分D’LV_h、及びセンターチャネルの高周波数成分DC_hをミキシングし、水平左チャネル信号の高周波数成分D’LH_h、垂直左チャネル信号の高周波数成分D’LV_h、及びセンターチャネルの高周波数成分DC_hをミキシングすることである、ことが理解され得る。
【0313】
まとめると、マルチチャネルオーディオデータに対して音場拡張処理を実行することは、オーディオデータに対して水平方向での音場拡張処理及び垂直方向での音場拡張処理を実行するである、ことが分かる。このようにして、3次元の音場効果が生成され得る。
【0314】
同様に、サウンドボックスシステムでは、全周波数サウンドボックスの第1通信部は、低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続されず、あるいは、全周波数サウンドボックスの第1通信部は、低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続されるが、全周波数サウンドボックスはオーディオデータを独立して処理する。低周波数サウンドボックスがオーディオデータ処理に参加しない場合に、スピーカと音場拡張アルゴリズムとがどのように互いに協調するかは、デュアルチャネルオーディオデータ及びマルチチャネルオーディオデータを例として使用することによって、記載される。
【0315】
オーディオデータがデュアルチャネルオーディオデータ(左チャネル信号及び右チャネル信号を含む)である場合に、全周波数サウンドボックスは、デュアルチャネルオーディオデータに対して音場拡張処理を実行し、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータを再生する。
図2の(a)及び
図22を参照して、スピーカ2及びスピーカ4は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ6及びスピーカ8は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ1及びスピーカ5は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた中間周波数成分を再生するよう構成される。
【0316】
図20でのそれとは異なり、低音強化処理を通じてられたオーディオデータの低周波数成分は、他の高周波数成分又は中間周波数成分とミキシングされ、全周波数サウンドボックスのスピーカによって再生されることに留意されたい。相応して、
図22を参照して、表3は、オーディオデータの各成分と全周波数サウンドボックスのスピーカとの間の対応の一例である。
【表3】
【0317】
オーディオデータは、マルチチャネルオーディオデータ(左チャネル、左サラウンドチャネル、左リアチャネル、左上チャネル、右チャネル、右サラウンドチャネル、右リアチャネル、右上チャネル、及びセンターチャネルを含む)であり、全周波数サウンドボックスは、マルチチャネルオーディオデータに対して音場拡張処理を実行し、音場拡張処理を通じて得られたオーディオデータを再生する。
図2の(a)及び
図23を参照して、スピーカ4及びスピーカ6は、垂直方向での一対の音響ダイポールを構成し、垂直方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ2及びスピーカ8は、垂直方向での一対の音響ダイポールを構成し、垂直方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ3及びスピーカ7は、垂直方向での一対の音響ダイポールを構成し、垂直方向での音場拡張を通じて得られた中間周波数成分を再生するよう構成される。更に、スピーカ2及びスピーカ4は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ6及びスピーカ8は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた高周波数成分を再生するよう構成される。スピーカ1及びスピーカ5は、水平方向での一対の音響ダイポールを構成し、水平方向での音場拡張を通じて得られた中間周波数成分を再生するよう構成される。
【0318】
図21でのそれとは異なり、低音強化処理を通じてられたオーディオデータの低周波数成分は、他の高周波数成分又は中間周波数成分とミキシングされ、全周波数サウンドボックスのスピーカによって再生されることに留意されたい。
【0319】
相応して、
図23を参照して、表4は、オーディオデータの各成分と全周波数サウンドボックスのスピーカとの間の対応の一例である。
【表4】
【0320】
他の実施においては、本願の実施形態は、オーディオデータ処理方法を提供する。方法は、端末が上記のサウンドボックスシステムとの通信接続を確立するシナリオに適用される。サウンドボックスシステムは、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを含む。全周波数サウンドボックスの第1通信部は、低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続される。全周波数サウンドボックスは第1締結部を含み、第1通信部は第1締結部に配置され、低周波数サウンドボックスは第2締結部を含み、第2通信部は第2締結部に配置され、全周波数サウンドボックスは、第1締結部及び第2締結部を使用することによって、低周波数サウンドボックスへ物理的に接続されるか又はそれか分離される。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは、第1通信部及び第2通信部を使用することによって互いに通信することができる。第1通信部及び第2通信部はマルチチャネルオーディオ伝送をサポートする。
図24に示されるように、方法はステップ2401からステップ2404を含む。
【0321】
ステップ2401:端末はユーザの第1操作を受け取る。
【0322】
ステップ2402:端末は、第1操作に応答して、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御する。
【0323】
第1操作は、端末の第1インターフェース内の第1オプションに対してユーザによって行われた選択操作であり、第1オプションは、全周波数サウンドボックスが独立して作動することに対応する。全周波数サウンドボックスが独立して作動することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータを再生することを意味する。
【0324】
任意に、第1操作は、タッチスクリーン操作、ボタン押下操作、などであってよい。これは本発明のこの実施形態で特に制限されない。例えば、タッチスクリーン操作は、端末のタッチスクリーンに対してユーザによって行われる押下操作、長押し操作、スライド操作、タップ操作、フローティング操作(タッチスクリーンの近くでユーザによって行われる操作)、などである。ボタン押下操作は、端末のボタン、例えば、電源ボタン、ボリュームボタン、又はホームボタンに対してユーザによって行われる操作、例えば、クリック操作、ダブルクリック操作、長押し操作、又は組み合わせボタン押下操作に対応する。
【0325】
本願のこの実施形態の適用シナリオでは、全周波数サウンドボックスアプリケーションが端末にインストールされる。ユーザが全周波数サウンドボックスアプリケーションを起動し、サウンドボックスシステムとの通信接続を確立した後、端末は第1インターフェースを表示し、ユーザは、異なる動作モードで作動するようサウンドボックスシステムを制御するために、第1インターフェースにおいて対応する操作を実行してよい。ここで、サウンドボックスシステムの動作モードは、全周波数サウンドボックスが独立して作動することと、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することとを含む。
【0326】
例えば、第1インターフェースは、
図25(a)に示されるインターフェース2501である。第1インターフェース2501は、第1オプション2501a及び第2オプション2501bを含む。第1オプション2501aは、全周波数サウンドボックスが独立して作動することに対応する。第2オプション2501bは、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することに対応する。ユーザは、実際の要件に基づきインターフェース2501内の対応するオプションを選択してよい。例えば、ユーザは第1オプション2501aをタップし、この場合には、全周波数サウンドボックスが独立して作動するよう制御され得る。
【0327】
他の例として、第1インターフェースは、
図25(b)に示されるインターフェース2502である。第1インターフェース2502は、全周波数サウンドボックスアイコン2502a及び低周波数サウンドボックスアイコン2502bを含む。例えば、ユーザは全周波数サウンドボックスアイコン2501aをタップし、この場合には、全周波数サウンドボックスが独立して作動するよう制御され得る。
【0328】
ステップ2402は、具体的に、ステップ2402aを含んでもよい。
【0329】
ステップ2402a:端末は、第1操作に応答して、第1命令をサウンドボックスシステムへ送り、第1命令は、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するために使用される。
【0330】
具体的に、サウンドボックスシステムの全周波数サウンドボックスが低周波数サウンドボックスへ接続される(第1締結部が第2締結部へ接続され、第1通信部が第2通信部へ接続される)場合に、低周波数サウンドボックスは、サウンドボックスシステム全体を制御及び管理し、つまり、端末が第1命令をサウンドボックスシステムへ送ることは、第1命令をサウンドボックスシステムの低周波数サウンドボックスへ送ることを意味する。
【0331】
任意に、他の実施においては、端末は、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するために、第1命令を全周波数サウンドボックスへも送ってよい。
【0332】
端末が第1命令を低周波数サウンドボックスへ送る場合に、サウンドボックスシステムの低周波数サウンドボックス及び全周波数サウンドボックスはステップA1からステップA4を実行する、ことに留意されたい。
【0333】
ステップA1:低周波数サウンドボックスは、制御命令を全周波数サウンドボックスへ送り、制御命令は、ターゲットオーディオデータを再生することを全周波数サウンドボックスに指示するために使用される。
【0334】
ステップA2:全周波数サウンドボックスは制御命令を受け取り、再生されるべきオーディオデータを取得する。
【0335】
制御命令は、再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行し、フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行することを全周波数サウンドボックスに指示するために更に使用される。
【0336】
任意に、全周波数サウンドボックスは、全周波数サウンドボックスが低周波数サウンドボックスから制御命令を受け取った後に、端末との通信接続を確立してもよく、それにより、全周波数サウンドボックスは、再生されるべきオーディオデータ(生オーディオデータである)を端末から取得する。代替的に、低周波数サウンドボックスが、再生されるべきオーディオデータを端末から取得し、再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送る。代替的に、全周波数サウンドボックスは、他のデバイスから、再生されるべきオーディオデータを取得してもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0337】
ステップA3:全周波数サウンドボックスは、取得された再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得する。
【0338】
ステップA4:全周波数サウンドボックスは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得する。
【0339】
ステップA2からステップA4で再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスによって処理する内容の詳細な説明については、上記の実施形態における関連する説明を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0340】
任意に、生オーディオデータを処理した後、全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータ(具体的に、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を含む)を取得する。ターゲットオーディオデータは全周波数サウンドボックスによって再生されてよい。この場合に、サウンドボックスシステムの低周波数サウンドボックスは、オーディオデータの処理及び再生に参加しないことに留意されたい。
【0341】
ステップ2403:端末は第2操作を受け取る。
【0342】
ステップ2404:端末は、第2操作に応答して、協働するよう全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御する。
【0343】
第2操作は、端末の第1インターフェース内の第2オプションに対してユーザによって行われた選択操作であり、第2オプションは、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することに対応する。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、低周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することを意味する。
【0344】
任意に、第2操作は、タッチスクリーン操作、ボタン押下操作、などであってよい。これは本発明のこの実施形態で特に制限されない。例えば、タッチスクリーン操作は、端末のタッチスクリーンに対してユーザによって行われる押下操作、長押し操作、スライド操作、タップ操作、フローティング操作(タッチスクリーンの近くでユーザによって行われる操作)、などである。ボタン押下操作は、端末のボタン、例えば、電源ボタン、ボリュームボタン、又はホームボタンに対してユーザによって行われる操作、例えば、クリック操作、ダブルクリック操作、長押し操作、又は組み合わせボタン押下操作に対応する。
【0345】
図25(a)を参照して、
図26(a)に示されるように、第2オプション2501bは、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することに対応し、ユーザは、実際の要件に基づきインターフェース2501内の対応するオプションを選択してよい。例えば、ユーザは第2オプション2501bをタップし、この場合には、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働し得る。
【0346】
図25(b)を参照して、
図26(b)に示されるように、ユーザは、低周波数サウンドボックスアイコン2502bを、全周波数サウンドボックスアイコン2501aより下にあるようドラッグしてよく、それにより、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスはスタック効果を達成する。このようにして、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは協働するよう制御され得る。
【0347】
ステップ2404は、具体的に、ステップ2404aを含んでもよい。
【0348】
ステップ2404a:端末は、第2操作に応答して第2命令をサウンドボックスシステムへ送り、第2命令は、作動するよう全周波数サウンドボックス及び全周波数サウンドボックスを制御するために使用される。
【0349】
具体的に、端末は、第2命令を低周波数サウンドボックスへ送る。
【0350】
端末が第2命令を低周波数サウンドボックスへ送る場合に、低周波数サウンドボックスはステップB1からステップB3を実行することに留意されたい。
【0351】
ステップB1:低周波数サウンドボックスは、取得された再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得する。
【0352】
任意に、低周波数サウンドボックスが第2命令を受け取った後、低周波数サウンドボックスは、再生されるべきオーディオデータ(生オーディオデータである)を端末から取得してよく、あるいは、低周波数サウンドボックスは、他のデバイスから、再生されるべきオーディオデータを取得してもよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0353】
ステップB2:低周波数サウンドボックスは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得する。
【0354】
ステップB3:低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送る。
【0355】
この場合に、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分は全周波数サウンドボックスによって再生され、ターゲットオーディオデータの低周波数成分は低周波数サウンドボックスによって再生されることが理解されるべきである。
【0356】
ステップB1からステップB3で再生されるべきオーディオデータを低周波数サウンドボックスによって処理する内容の詳細な説明については、上記の実施形態における関連する説明を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0357】
上記のステップ2401からステップ2404において、端末は、ステップ2402及びステップ2402を実行すること又はステップ2403及びステップ204を実行することを、ユーザの特定の操作に基づき選択する、ことに留意されたい。
【0358】
任意に、サウンドボックスシステムの全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働する場合に、本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法は、次のステップC1からステップC4を更に含む。
【0359】
ステップC1:端末はユーザの第3操作を受け取り、第3操作に応答して、低周波数サウンドボックスのカメラ又はマイクロホンを制御して起動させる。
【0360】
具体的に、端末は、第3操作に応答して、第3命令を低周波数サウンドボックスへ送ってよい。第3命令は、低周波数サウンドボックスのカメラ又はマイクロホンを起動することを指示するために使用される。
【0361】
ステップC2:低周波数サウンドボックスはカメラ又はマイクロホンを起動する。
【0362】
ステップC3:低周波数サウンドボックスは、カメラを使用することによって、リスナーの画像情報を捕捉し、又はマイクロホンを使用することによって、リスナーの音響信号を捕捉する。
【0363】
リスナーの画像情報又はリスナーの音響信号は、フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行するために使用される。
【0364】
ステップC4:低周波数サウンドボックスは、リスナーの画像情報又は音響信号に基づき、フィルタリングされた再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行する。
【0365】
具体的に、低周波数サウンドボックスは、リスナーの画像情報又は音響信号を解析して、リスナーの位置情報を決定する。ユーザの位置情報は、ユーザとサウンドボックスシステムの中心軸との間の夾角を含む。更に、一対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカによって信号を再生する位相間の差(つまり、上記の位相差θ)が、リスナーの位置情報に基づき調整される。位相差は、高バンドダイポール処理及び/又は中間バンドダイポール処理のための設定パラメータである。
【0366】
本願のこの実施形態で、ユーザの聴取経験を改善するために、高バンドダイポールアルゴリズム又は中間バンドダイポールアルゴリズムにおける設定パラメータ(つまり、設定パラメータは、一対の音響ダイポールを構成する2つのスピーカによって信号を再生する位相間の差である)は、オーディオデータに音場拡張を実行する過程で調整されてよい。このようにして、両耳クロストークキャンセル効果は改善され、それにより、ユーザは、現在の位置で良好な聴取経験を達成する。具体的に、位相差はユーザの現在位置に関係があるので、位相差は、上記のステップAからステップCを実行することによって調整される。このようにして、音場拡張処理は、両耳クロストークを取り除くよう、調整された位相差を使用することによってオーディオデータに対して実行される。このようにして、音場拡張は、ユーザの現在位置で実行され、ユーザの聴取経験は実時間で改善される。
【0367】
任意に、サウンドボックスシステムが複数の全周波数サウンドボックスを含む場合に、複数の全周波数サウンドボックスは、低周波数サウンドボックスへ別々に接続され、複数の全周波数サウンドボックスは、協働し得る。
【0368】
協働モードにおいて、低周波数サウンドボックスが再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得した後、低周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータの高周波数成分及び中間周波数成分を複数の全周波数サウンドボックスの夫々へ送り、複数の全周波数サウンドボックスの対応するスピーカを使用することによってターゲットオーディオデータの高周波数成分及び中間周波数成分を再生する。
【0369】
任意に、複数の全周波数サウンドボックスが協働する複数のモードが存在する。例えば、各全周波数サウンドボックスの夫々とオーディオデータの対応する周波数バンドとの間の対応は、表1に示される場合である。代替的に、全周波数サウンドボックスのスピーカの一部は高周波数成分を再生し、スピーカの他の一部は中間周波数成分を再生する。具体的に、協働モードは、実際のユーザ要求に基づきセットされてよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0370】
他の協働モードにおいては、複数の全周波数サウンドボックスは、再生されるべきオーディオデータを別々に取得し、再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行してターゲットオーディオデータを取得し、次いで、複数の全周波数サウンドボックスは、ターゲットオーディオデータを別々に再生する。同様に、複数の全周波数サウンドボックスが協働する複数のモードが存在し得る。例えば、異なる全周波数サウンドボックスは、異なるチャネルのオーディオデータを処理する。具体的に、協働モードは、実際のユーザ要求に基づきセットされてよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0371】
任意に、サウンドボックスシステムが複数のサウンドボックスサブシステムを含む場合に(スピーカサブシステムの記載については、上記の実施形態を参照されたい)、複数のサウンドボックスサブシステムは協働することができる。例えば、各サウンドボックスサブシステムの低周波数サウンドボックスは、再生されるべきオーディオデータに対して音場拡張処理を実行してターゲットオーディオデータを取得し、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生し、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を対応する全周波数サウンドボックスへ別々に送る。全周波数サウンドボックスは、中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生する。複数のサウンドボックスサブシステムが協働する複数のモードが存在し得る。例えば、異なるサウンドボックスサブシステムは、異なるチャネルのオーディオデータを処理する。具体的に、協働モードは、実際のユーザ要求に基づきセットされてよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0372】
本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法に従って、ユーザは、対応する操作を端末に対して行う。この場合に、ユーザの操作に応答して、端末は、サウンドボックスシステムの全周波数サウンドボックスを独立して作動するよう制御し、あるいは、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを協働するよう制御する。これはユーザ経験を改善することができる。
【0373】
更なる他の実施においては、本願の実施形態は、オーディオデータ処理方法を提供する。方法は、端末がサウンドボックスシステムとの通信接続を確立するシナリオに適用される。サウンドボックスシステムは、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを含む。全周波数サウンドボックスの第1通信部は、低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続される。全周波数サウンドボックスは第1締結部を含み、第1通信部は第1締結部に配置され、低周波数サウンドボックスは第2締結部を含み、第2通信部は第2締結部に配置され、全周波数サウンドボックスは、第1締結部及び第2締結部を使用することによって、低周波数サウンドボックスへ物理的に接続されるか又はそれか分離される。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは、第1通信部及び第2通信部を使用することによって互いに通信することができる。第1通信部及び第2通信部はマルチチャネルオーディオ伝送をサポートする。
図27に示されるように、方法はステップ2701からステップ2703を含む。
【0374】
ステップ2701:端末はターゲットオーディオデータのタイプを決定する。
【0375】
ターゲットオーディオデータのタイプは深部低周波又は非深部低周波を含む。深部低周波は200Hz未満の周波数である。例えば、バス、チェロ、低周波バイオリン、及びバスドラムなどの楽器の音楽、又は低音部は夫々、深部低周波に属している。
【0376】
ステップ2702:ターゲットオーディオデータのタイプが非深部低周波であるとき、端末は、全周波数サウンドボックスを独立して作動するよう制御する。
【0377】
全周波数サウンドボックスが独立して作動することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータを再生することを意味する。
【0378】
同様に、端末は、全周波数サウンドボックスを独立して作動するよう制御するために、第1命令をサウンドボックスシステム(具体的に言えば、低周波数サウンドボックス)へ送る。第1命令は、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御するために使用される。サウンドボックスシステムの低周波数サウンドボックス及び全周波数サウンドボックスは、端末が第1命令を低周波数サウンドボックスへ送る場合に、上記のステップA1からステップA4を実行する。詳細については、上記の実施形態における記載を参照されたい。詳細は、ここで再び記載されない。
【0379】
ステップ2703:ターゲットオーディオデータのタイプが深部低周波であるとき、端末は、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを協働するよう制御する。
【0380】
全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することは、全周波数サウンドボックスがターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生し、低周波数サウンドボックスが、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することを意味する。
【0381】
同様に、端末は、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを協働するよう制御するために、第2命令をサウンドボックスシステム(具体的に言えば、低周波数サウンドボックス)へ送る。第2命令は、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを作動するよう制御するために使用される。サウンドボックスシステムの低周波数サウンドボックスは、端末が第2命令を低周波数サウンドボックスへ送る場合に、上記のステップB1からステップB3を実行する。詳細については、上記の実施形態における記載を参照されたい。詳細は、ここで再び記載されない。
【0382】
本願のこの実施形態で、全周波数サウンドボックスが独立して作動する場合に、現在再生されるべきオーディオデータが深部低周波オーディオデータであると端末が決定する場合に、本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法は、端末が第1プロンプト情報を表示することを含む。第1プロンプト情報は、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することをプロンプトするために使用される。例えば、現在再生されるべきオーディオデータが深部低周波オーディオデータであると端末が決定する場合に、端末は第1プロンプト情報を表示する。この場合に、ユーザは、第1プロンプト情報に従って、対応する操作を端末に対して行って、サウンドボックスシステムの動作モードを、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働するモードへ切り替える。例えば、
図28の(a)は、第1プロンプト情報の表示効果の模式図である。代替的に、再生されるべきオーディオデータが深部低周波オーディオデータであると端末が決定する場合に、端末は、サウンドボックスシステムの動作モードを自動的に切り替え、次いで、端末のディスプレイに第1プロンプト情報を表示して、ユーザに、サウンドボックスシステムの動作モードが、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働するモードへ切り替わったことを通知する。例えば、
図28の(b)は、第1プロンプト情報の表示効果の模式図である。
【0383】
全周波数サウンドボックスが低周波数サウンドボックスへ接続されていない場合に、端末は、現在再生されるべきオーディオデータが深部低周波オーディオデータであると決定することに留意されたい。この場合に、端末は、端末のディスプレイに第2プロンプト情報を表示してよい。第2プロンプト情報は、低周波数サウンドボックスを全周波数サウンドボックスに付加するようユーザにプロンプトする、つまり、全周波数サウンドボックスを低周波数サウンドボックスへ物理的に接続するようユーザにプロンプトするために使用され、それにより、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスは協働する。つまり、低周波数サウンドボックスがオーディオデータを処理し、低周波数サウンドボックスは、処理されたオーディオデータの低周波数成分を再生し、全周波数サウンドボックスは、処理されたオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生する。例えば、
図29は、第2プロンプト情報の表示効果の模式図である。
【0384】
任意に、端末は、固定バー、フローティングウィンドウ、又はバブルの方法で第1プロンプト情報又は第2プロンプト情報を提示してよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0385】
任意に、端末は、次の情報:サウンドボックスシステムによって現在再生されているオーディオデータのチャネルの品質、オーディオデータのレンダリングモード、又はオーディオデータのチャネルと全周波数サウンドボックスのスピーカとの間の対応に関する情報、のうちの少なくとも1タイプを更に表示してもよい。
【0386】
本願のこの実施形態で、オーディオデータのレンダリングモードは、2Dモード又は3Dモードを含む。端末は、端末が全周波数サウンドボックスとの通信接続を確立する過程で上記の情報を表示し、端末は、オーディオデータを再生するために全周波数サウンドボックスと相互作用する。このようにして、ユーザは、ユーザの主観的体験を改善するために、現在再生されているオーディオデータのいくつかの詳細なステータスを知ることができる。
【0387】
任意に、サウンドボックスシステムが複数の全周波数サウンドボックスを含む場合に、本願のこの実施形態で提供されるオーディオデータ処理方法は、端末がオーディオデータのチャネルと複数の全周波数サウンドボックスとの間の対応を、複数の全周波数サウンドボックスの位置情報に基づき決定し、オーディオデータのチャネルと複数の全周波数サウンドボックスとの間の対応に関する情報を表示することを更に含む。
【0388】
例えば、サウンドボックスシステムが5つの全周波数サウンドボックスを含む場合に、5つの全周波数サウンドボックスに対応するオーディオデータのチャネルは、5つの全周波数サウンドボックスの位置に基づき割り当てられる。例えば、
図30に示されるように、全周波数サウンドボックス1から全周波数サウンドボックス5に対応するチャネルは、左チャネル、センターチャネル、右チャネル、右サラウンドチャネル、及び左サラウンドチャネルである。任意に、オーディオデータのチャネルと複数の全周波数サウンドボックスとの間の対応は、実際の要件に基づきセットされてよい。これは本願のこの実施形態で制限されない。
【0389】
本願のこの実施形態で提供されるサウンドボックスシステムに基づき、オーディオデータ処理方法が提供される。端末は、独立して作動するよう全周波数サウンドボックスを制御し、あるいは、協働するよう全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを制御して、優れた音場拡張効果を達成する。更に、全周波数サウンドボックスが独立して作動する場合に、全周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生することは、全周波数サウンドボックスが中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有するので、サウンド品質を改善することができる。全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが作動する場合に、低周波数サウンドボックスを使用することによってターゲットオーディオデータの低周波数成分を再生することは、低周波数サウンドボックスの低周波再生効果が全周波数サウンドボックスの低周波再生効果よりも優れているので、オーディオデータの低音品質を改善することができる。更に、全周波数サウンドボックスを使用することによって中間周波数成分及び/又は高周波数成分を再生することは、全周波数サウンドボックスが中間周波数及び高周波数に対して優れた再生効果を有するので、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分の再生効果を改善することができる。このようにして、オーディオデータの再生効果は、オーディオデータの全周波数バンドにおいて改善され得る。
【0390】
相応して、本願の実施形態は、全周波数サウンドボックスを提供する。
図31に示されるように、全周波数サウンドボックスは、取得モジュール3101、フィルタリングモジュール3102、及び処理モジュール3103を含む。取得モジュール3101は、再生されるべきオーディオデータを取得するよう構成される。例えば、取得モジュール3101は、上記の方法実施形態のステップ1701を実行するよう構成される。フィルタリングモジュール3102は、取得モジュール3101によって取得された再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得するよう構成される。例えば、フィルタリングモジュール3102は、上記の方法実施形態のステップ1702を実行するよう構成される。処理モジュール3103は、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得するよう構成される。例えば、処理モジュール3103は、上記の方法実施形態のステップ1703(ステップ1703a及び1703bを含む)を実行するよう構成される。
【0391】
任意に、全周波数サウンドボックスは、送信モジュール3104を更に含む。送信モジュール3104は、ターゲットオーディオデータの低周波数成分を低周波数サウンドボックスへ送るよう構成される。例えば、送信モジュール3104は、上記の方法実施形態のステップ1704を実行するよう構成される。
【0392】
上記のモジュールの夫々は、上記の方法実施形態における他の関連する動作を更に実行してもよい。詳細については、上記の方法実施形態での説明を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0393】
同様に、
図31に記載される装置実施形態は、単に一例である。例えば、ユニット(又はモジュール)への分割は、論理的な機能分割に過ぎず、実際の実施では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、他のシステムに結合又は一体化されてよく、あるいは、いくつかの特徴は無視されても又は実行されなくてもよい。本願の実施形態における機能ユニットは、1つのモジュールに一体化されてよく、モジュールの夫々は物理的に独立して存在してもよく、あるいは、2つ以上のユニットは1つのモジュールに一体化される。
図31の上記のモジュールは、ハードウェアの形で実施されてよく、あるいは、ソフトウェア機能ユニットの形で実施されてもよい。例えば、ソフトウェアを使用することによって実施される場合に、フィルタリングモジュール3102及び処理モジュール3103は、全周波数サウンドボックスのプロセッサがメモリに記憶されているプログラムコードを読み出した後に生成されるソフトウェア機能モジュールによって実施されてもよい。上記のモジュールは、代替的に、全周波数サウンドボックスの異なるハードウェアによって実施されてもよい。例えば、フィルタリングモジュール3102は、全周波数サウンドボックスのプロセッサ内の処理リソースの一部(例えば、マルチコアプロセッサ内の1つ又は2つのコア)によって実施され、一方、処理モジュール3103は、全周波数サウンドボックスのプロセッサ内の処理リソースの残り部分(例えば、マルチコアプロセッサ内の他のコア)を使用することによって、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array,FPGA)若しくはコプロセッサなどのプログラマブルデバイスを使用することによって実施される。送信モジュール3104は、全周波数サウンドボックスのネットワークインターフェースなどによって実施される。上記の機能モジュールは、代替的に、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実施されてもよいことが明らかである。例えば、フィルタリングモジュール3102は、ハードウェアプログラマブルデバイスによって実施され、処理モジュール3103は、CPUがメモリに記憶されているプログラムコードを読み出した後に生成されるソフトウェア機能モジュールである。
【0394】
取得モジュール3101、フィルタリングモジュール3102、処理モジュール3103、及び送信モジュール3104によって上記の機能を実施することに関する更なる詳細については、上記の方法実施形態での説明を参照されたい。詳細はここで繰り返されない。
【0395】
本明細書中の実施形態は全て、進歩的な方法で記載されている。実施形態における同じ又は類似した部分については、これらの実施形態を参照されたい。各実施形態は、他の実施形態との違いに焦点を当てている。
【0396】
本願の実施形態は、低周波数サウンドボックスを提供する。
図32に示されるように、低周波数サウンドボックスは、取得モジュール3201、フィルタリングモジュール3202、処理モジュール3203、及び送信モジュール3204を含む。取得モジュール3201は、再生されるべきオーディオデータを取得するよう構成される。例えば、取得モジュール3201は、上記の方法実施形態のステップ1901を実行するよう構成される。フィルタリングモジュール3202は、取得モジュール
3201によって取得された再生されるべきオーディオデータに対してマルチバンドフィルタリングを実行して、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分を取得するよう構成される。例えば、フィルタリングモジュール3202は、上記の方法実施形態のステップ1902を実行するよう構成される。処理モジュール3203は、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分並びに低周波数成分に対して音場拡張処理を実行して、ターゲットオーディオデータを取得するよう構成される。例えば、処理モジュール3203は、上記の方法実施形態のステップ1903を実行するよう構成される。送信モジュール3204は、ターゲットオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分を全周波数サウンドボックスへ送るよう構成される。例えば、送信モジュール3204は、上記の方法実施形態のステップ1904を実行するよう構成される。
【0397】
任意に、低周波数サウンドボックスは、他のモジュール、例えば、画像捕捉モジュール又はオーディオ捕捉モジュールを更に含んでもよい。画像捕捉モジュールは、リスナーの画像情報を捕捉するよう構成される。オーディオ捕捉モジュールは、リスナーの音響信号を捕捉するよう構成される。
【0398】
上記のモジュールの夫々は、上記の方法実施形態における他の関連する動作を更に実行してもよい。詳細については、上記の方法実施形態での説明を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0399】
同様に、
図32に記載される装置実施形態は、単に一例である。例えば、ユニット(又はモジュール)への分割は、論理的な機能分割に過ぎず、実際の実施では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、他のシステムに結合又は一体化されてよく、あるいは、いくつかの特徴は無視されても又は実行されなくてもよい。本願の実施形態における機能ユニットは、1つのモジュールに一体化されてよく、モジュールの夫々は物理的に独立して存在してもよく、あるいは、2つ以上のユニットは1つのモジュールに一体化される。
図32の上記のモジュールは、ハードウェアの形で実施されてよく、あるいは、ソフトウェア機能ユニットの形で実施されてもよい。例えば、ソフトウェアを使用することによって実施される場合に、フィルタリングモジュール3202及び処理モジュール3203は、低周波数サウンドボックスのプロセッサがメモリに記憶されているプログラムコードを読み出した後に生成されるソフトウェア機能モジュールによって実施されてもよい。上記のモジュールは、代替的に、低周波数サウンドボックスの異なるハードウェアによって実施されてもよい。例えば、フィルタリングモジュール3202は、低周波数サウンドボックスのプロセッサ内の処理リソースの一部(例えば、マルチコアプロセッサ内の1つ又は2つのコア)によって実施され、一方、処理モジュール3203は、低周波数サウンドボックスのプロセッサ内の処理リソースの残り部分(例えば、マルチコアプロセッサ内の他のコア)を使用することによって、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array,FPGA)若しくはコプロセッサなどのプログラマブルデバイスを使用することによって実施される。送信モジュール3204は、低周波数サウンドボックスのネットワークインターフェースなどによって実施される。上記の機能モジュールは、代替的に、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実施されてもよいことが明らかである。例えば、フィルタリングモジュール3202は、ハードウェアプログラマブルデバイスによって実施され、処理モジュール3203は、CPUがメモリに記憶されているプログラムコードを読み出した後に生成されるソフトウェア機能モジュールである。
【0400】
取得モジュール3201、フィルタリングモジュール3202、処理モジュール3203、及び送信モジュール3204によって上記の機能を実施することに関する更なる詳細については、上記の方法実施形態での説明を参照されたい。詳細はここで繰り返されない。
【0401】
本明細書中の実施形態は全て、進歩的な方法で記載されている。実施形態における同じ又は類似した部分については、これらの実施形態を参照されたい。各実施形態は、他の実施形態との違いに焦点を当てている。
【0402】
本願の実施形態は、端末を更に提供する。
図33に示されるように、端末は、検出モジュール3301及び送信モジュール3302を含む。検出モジュール3301は、全周波数サウンドボックスの第1通信部が低周波数サウンドボックスの第2通信部へ接続されているかどうかを検出するよう構成される。例えば、検出モジュール3301は、上記の方法実施形態のステップ1601を実行するよう構成される。送信モジュール3302は、第1通信部が第2通信部へ接続されていないことが検出により見つけられる場合に、再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送るよう構成される。例えば、送信モジュール3302は、上記の方法実施形態のステップ1602を実行するよう構成される。送信モジュール3302は、第1通信部が第2通信部へ接続されていることが検出により見つけられる場合に、第1オーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送り、第2オーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送るよう更に構成され、例えば、送信モジュール3302は、上記の方法実施形態のステップ1603aを実行するよう構成され、第1オーディオデータは、再生されるべきオーディオデータの中間周波数成分及び/又は高周波数成分であり、第2オーディオデータは、再生されるべきオーディオデータの低周波数成分であり、あるいは、送信モジュール3302は、再生されるべきオーディオデータを全周波数サウンドボックスへ送るよう更に構成され、例えば、送信モジュール3302は、上記の方法実施形態のステップ1603bを実行するよう構成され、あるいは、送信モジュール3302は、再生されるべきオーディオデータを低周波数サウンドボックスへ送るよう更に構成され、例えば、送信モジュール3302は、上記の方法実施形態のステップ1603cを実行するよう構成される。
【0403】
本願のこの実施形態で提供される端末は、受信モジュール3303及び制御モジュール3304を更に含む。受信モジュールは、ユーザの第1操作又は第2操作を受け取るよう構成される。例えば、受信モジュール3303は、上記の方法実施形態のステップ2401及びステップ2403を実行するよう構成される。制御モジュール3304は、第1操作に応答して、全周波数サウンドボックスを独立して作動するよう制御するよう、又は全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを協働するよう制御するよう更に構成される。例えば、制御モジュール3304は、上記の方法実施形態のステップ2402及びステップ2404を実行するよう構成される。
【0404】
具体的に、制御モジュール3304は、第1命令をサウンドボックスへ送るように送信モジュール3302を制御するよう、例えば、上記の方法実施形態のステップ2402a又はステップ2404aを実行するように送信モジュール3302を制御するよう特に構成される。
【0405】
任意に、本願のこの実施形態で提供される端末は、表示モジュール3305を更に含む。表示モジュール3305は、第1プロンプト情報を表示するよう構成される。第1プロンプト情報は、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスが協働することをプロンプトするために使用される。表示モジュール3305は、他のコンテンツを更に表示してもよい。詳細については、上記の方法実施形態での関連する内容を参照されたい。表示モジュール3305は、制御モジュール3304の制御下で、関連するコンテンツを表示し得ることが理解されるべきである。
【0406】
本願のこの実施形態で提供される端末は、決定モジュール3306を更に含む。決定モジュール3306は、ターゲットオーディオデータのタイプを決定するよう構成される。ターゲットオーディオデータのタイプは、深部低周波又は非深部低周波を含む。例えば、決定モジュール3306は、上記の方法実施形態のステップ2701を実行するよう構成される。制御モジュール3304は、ターゲットオーディオデータのタイプが非深部低周波であるとき、全周波数サウンドボックスを独立して作動するよう制御し、あるいは、ターゲットオーディオデータのタイプが非深部低周波であるとき、全周波数サウンドボックス及び低周波数サウンドボックスを協働するよう制御する、よう更に構成される。例えば、制御モジュール3304は、上記の方法実施形態のステップ2702又はステップ2403を実行するよう構成される。
【0407】
上記のモジュールの夫々は、上記の方法実施形態における他の関連する動作を更に実行してもよい。詳細については、上記の方法実施形態での説明を参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0408】
同様に、
図33に記載される装置実施形態は、単に一例である。例えば、ユニット(又はモジュール)への分割は、論理的な機能分割に過ぎず、実際の実施では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、他のシステムに結合又は一体化されてよく、あるいは、いくつかの特徴は無視されても又は実行されなくてもよい。本願の実施形態における機能ユニットは、1つのモジュールに一体化されてよく、モジュールの夫々は物理的に独立して存在してもよく、あるいは、2つ以上のユニットは1つのモジュールに一体化される。
図33の上記のモジュールは、ハードウェアの形で実施されてよく、あるいは、ソフトウェア機能ユニットの形で実施されてもよい。例えば、ソフトウェアを使用することによって実施される場合に、検出モジュール3301及び決定モジュール3306は、端末のプロセッサがメモリに記憶されているプログラムコードを読み出した後に生成されるソフトウェア機能モジュールによって実施されてもよい。上記のモジュールは、代替的に、端末の異なるハードウェアによって実施されてもよい。例えば、検出モジュール3301は、端末のプロセッサ内の処理リソースの一部(例えば、マルチコアプロセッサ内の1つ又は2つのコア)によって実施され、一方、決定モジュール3306は、端末のプロセッサ内の処理リソースの残り部分(例えば、マルチコアプロセッサ内の他のコア)を使用することによって、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array,FPGA)若しくはコプロセッサなどのプログラマブルデバイスを使用することによって実施される。送信モジュール3302及び受信モジュール3303は、端末のネットワークインターフェースなどによって実施される。表示モジュール3305は、端末のディスプレイによって実施される。上記の機能モジュールは、代替的に、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実施されてもよいことが明らかである。例えば、決定モジュール
3306は、ハードウェアプログラマブルデバイスによって実施され、検出モジュール3301は、CPUがメモリに記憶されているプログラムコードを読み出した後に生成されるソフトウェア機能モジュールである。
【0409】
検出モジュール3301、送信モジュール3302、受信モジュール3303、制御モジュール3304、表示モジュール3305、及び決定モジュール3306によって上記の機能を実施することに関する更なる詳細については、上記の方法実施形態での説明を参照されたい。詳細はここで繰り返されない。
【0410】
本明細書中の実施形態は全て、進歩的な方法で記載されている。実施形態における同じ又は類似した部分については、これらの実施形態を参照されたい。各実施形態は、他の実施形態との違いに焦点を当てている。
【0411】
上記の実施形態の全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって実施されてよい。ソフトウェアプログラムが実施形態を実施するために使用される場合に、実施形態の全部又は一部は、コンピュータプログラム製品の形で実施されてよい。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令がコンピュータにロードされて実行される場合に、本願の実施形態に係るプロシージャ又は機能の全部又は一部は生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラマブル装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよく、あるいは、コンピュータ可読記憶媒体から他のコンピュータ可読記憶媒体へ伝送されてよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから他のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターへ有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、若しくはデジタル加入者回線(digital subscriber line,DSL))又は無線(例えば、赤外線、電波、若しくはマイクロ波)方式で伝送されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセスできる任意の使用可能な媒体、又は1つ以上の使用可能な媒体を組み込むサーバ若しくはデータセンターなどのデータ記憶デバイスであってよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、磁気ディスク、又は磁気テープ)、光学媒体(例えば、デジタルビデオディスク(digital video disc,DVD))、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(solid state drives,SSD))、などであってよい。
【0412】
実施に関する上記の説明は、当業者が、便宜上、及び簡潔な記載のために、上記の機能モジュールへの分割が説明のための例としてされることを理解することを可能にする。実際の応用では、上記の機能は、異なるモジュールに割り当てられ、要件に応じて実施され得る。つまり、装置の内部構造は、上記の機能の全部又は一部を実施するために、異なる機能モジュールに分けられる。上記のシステム、装置、及びユニットの詳細な作動プロセスについては、上記の方法実施形態における対応するプロセスを参照されたい。詳細はここで再び記載されない。
【0413】
本願で提供されるいくつかの実施形態では、開示されているシステム、装置、及び方法が他の様態で実施されてもよい、ことが理解されるべきである。例えば、記載されている装置実施形態は、単に一例である。例えば、モジュール又はユニットへの分割は、論理的な機能分割に過ぎず、実際の実施では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは、他のシステムに結合又は一体化されてよく、あるいは、いくつかの特徴は無視されても又は実行されなくてもよい。更に、表示又は議論される相互結合又は直接結合若しくは通信接続は、何らかのインターフェースを通じて実施されてよい。装置又はユニット間の間接結合又は通信接続は、電気的な、機械的な、又は他の形式で実施されてよい。
【0414】
別個の部分として記載されているユニットは、物理的に分離していてもいなくてもよく、ユニットとして表示されている部分は、物理ユニットであってもなくてもよく、1つの場所に位置してよく、あるいは、複数のネットワークユニットに分布してもよい。ユニットの一部又は全部は、実施形態の解決法の目的を達成するために、実際の要件に基づき選択されてよい。
【0415】
更に、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに一体化されてよく、ユニットの夫々は、物理的に独立して存在してもよく、あるいは、2つ以上のユニットは1つのユニットに一体化されてもよい。一体化されたユニットは、ハードウェアの形で実施されてよく、あるいは、ソフトウェア機能ユニットの形で実施されてもよい。
【0416】
一体化されたユニットが、ソフトウェア機能ユニットの形で実施され、独立した製品として販売又は使用される場合に、一体化されたユニットは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。そのような理解に基づき、本願の技術的解決法は本質的に、あるいは、先行技術に寄与する部分、又は技術的解決法の全部若しくは一部は、ソフトウェア製品の形で実施されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶あれ、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイス、などであってよい)に、本願の実施形態で記載されている方法のステップの全部又は一部を実行するよう指示するためのいくつかの命令を含む。上記の記憶媒体は、フラッシュメモリ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、又は光ディスクなどのような、プログラムコードを記憶することができる任意の媒体を含む。
【0417】
上記の説明は、本願の具体的な実施に過ぎず、本願の保護範囲を制限する意図はない。本願で開示されている技術的範囲内の如何なる変形又は置換も、本願の保護範囲内に入るべきである。従って、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うべきである。
【0418】
本願は、2020年8月27日付けで「AUDIO DATA PROCESSING METHOD AND APPRATUS, AND SOUND BOX SYSTEM」との発明の名称で中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第202010880205.9号に対する優先権を主張するものである。先の中国特許出願は、その全文を参照により本願に援用される。