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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】ビームを組み合わせた光学投影
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20250311BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 D
【請求項の数】 110
(21)【出願番号】P 2023520063
(86)(22)【出願日】2021-10-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 EP2021077147
(87)【国際公開番号】W WO2022069727
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】3095177
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CA
(31)【優先権主張番号】63/119,580
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513072293
【氏名又は名称】バルコ エヌ.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドーナート、ドリス ジャン
(72)【発明者】
【氏名】マクシムス、バート ヘンリ ジョハンナ
(72)【発明者】
【氏名】クマラン、ラヴェーン
(72)【発明者】
【氏名】マエス、ディルク レオンティナ
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-502200(JP,A)
【文献】特表2006-504987(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0231723(US,A1)
【文献】特開2015-043083(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0089096(US,A1)
【文献】国際公開第2019/119099(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0249492(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00-30/60
G02F 1/15-1/19
G03B 21/00-21/10
G03B 21/12-21/30
G03B 21/56-21/64
G03B 33/00-33/16
G03F 7/20-7/24
G03F 9/00-9/02
H04N 9/12-9/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放射するように動作する1又は複数の光源;
2以上の別個のコリメートされたビームにおいて、前記1又は複数の光源からの前記光を指向するよう構成される光学素子、前記ビームは、イメージャのアクティブエリアを照明し、前記ビームは、10度を超えない鋭角でイメージプレーン上で収束し、
を備え、
前記光学素子は、位相変調器として動作可能な複数の空間光変調器(SLM)を含み、
前記SLMの各々は、前記光ビームの対応する一つにより照明され、前記SLMの各々は、前記光ビームの前記対応する一つを前記イメージプレーンへと誘導するよう構成され、
前記イメージプレーンへと誘導される光は、光路における前記イメージャを照明する、
投影システム。
【請求項2】
前記イメージプレーンと一致する、又は、隣接するアクティブエリアを有するイメージャを備える、請求項1に記載の投影システム。
【請求項3】
前記ビームの各々は、前記イメージプレーンに到達するとき、前記イメージャのアスペクト比と一致するアスペクト比を有する、請求項2に記載の投影システム。
【請求項4】
前記イメージプレーンと一致する、又は、隣接する入射瞳を有する光学システムを備える、請求項1に記載の投影システム。
【請求項5】
前記イメージプレーンに配置される、又は、隣接する光学ディフューザを備える、請求項1に記載の投影システム。
【請求項6】
光を放射するように動作する1又は複数の光源;
2以上の別個のコリメートされた光ビームにおいて、前記1又は複数の光源からの前記光を指向するよう構成される光学素子、前記光ビームは、イメージャのアクティブエリアを照明し、前記光ビームは、10度を超えない鋭角でイメージプレーン上で収束し、
を備え、
前記光学素子は前記光ビームのうちの少なくとも1つの前記光を時間的及び空間的に変調するように構成される第1空間光変調器(SLM)を含み、
前記光学素子はTIRプリズムセットと、反射タイプのSLMとを含み、
前記TIRプリズムセットは、第1プリズム部分と、第2プリズム部分とを有し、
前記第1プリズム部分は、
光源からの光が入射する第1入射面と、
前記第1入射面と交差し、前記第1入射面からの前記光を第2反射面へと反射する第1反射面と、
前記第1反射面からの前記光を第1出射面へと反射する第2反射面と、
前記第1入射面と対向する第1出射面と、を含み、
前記第1SLMは、前記第1出射面から出射した光を角度β'の反射角で反射して、再び前記第1出射面から入射するよう誘導し、
前記第2プリズム部分は、
前記第2反射面と空隙を挟んで対向する第2入射面と、
前記第2入射面に交差し、前記第2入射面からの前記光を出射する第2出射面と、を含み、
前記第1出射面から入射した光は、前記空隙を渡って、前記第2入射面から前記第2プリズム部分へと入射し、前記第2出射面から出射され、前記光に含まれる複数のビームは、相対角度αで前記イメージプレーン上で収束し、
前記第1入射面から入射する前記光と、前記第2出射面から出射される前記光とは、前記角度β'より大きい角度βをなす、投影システム。
【請求項7】
前記第2出射面は、前記複数のビームが相対角度αで前記イメージプレーン上で収束するように、凸状の二面角を形成するファセットを有する、
請求項6に記載の投影システム。
【請求項8】
前記第1入射面は、前記光源からの前記光を屈折させ、
前記第2出射面は、前記第2入射面からの前記光を屈折させる、
請求項6に記載の投影システム。
【請求項9】
前記第2反射面及び前記第2入射面には抗反射(AR)コーティングが施されている、
請求項6に記載の投影システム。
【請求項10】
前記第1SLMは、前記第1プリズム部分の前記第1出射面に搭載される
請求項6に記載の投影システム。
【請求項11】
前記第1反射面は、前記第1入射面から入射された前記光を内部全反射し、
前記第2反射面は、前記第1反射面からの前記光を内部全反射する
請求項6に記載の投影システム。
【請求項12】
前記第1プリズム部分の前記第1入射面、前記第1反射面、前記第2反射面、及び前記第1出射面と交差する方向の断面は、四辺形であり、
前記第2プリズム部分の前記第2入射面、及び前記第2出射面と交差する方向の断面は、三角形である、
請求項6に記載の投影システム。
【請求項13】
前記ビームは、10度より大きい相対角度で前記TIRプリズムセットに入り、前記ビームは前記鋭角で前記TIRプリズムセットを出る、請求項6から12のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項14】
前記第1入射面は、前記複数のビームが第2出射面に到達した場合に収束するように、凸状の二面角又は凹状の二面角で形成され、前記複数のビームは、前記凸状の二面角又は前記凹状の二面角のそれぞれのファセットで前記TIRプリズムセットに入る、請求項6に記載の投影システム。
【請求項15】
光を放射するように動作する1又は複数の光源;
2以上の別個のコリメートされた光ビームにおいて、前記1又は複数の光源からの前記光を指向するよう構成される光学素子、前記光ビームは、イメージャのアクティブエリアを照明し、前記光ビームは、10度を超えない鋭角でイメージプレーン上で収束し、
を備え、
前記光学素子は前記光ビームのうちの少なくとも1つの前記光を時間的及び空間的に変調するように構成される第1空間光変調器(SLM)を含み、
前記1又は複数の光源は、単色コリメート光の第1ビーム及び第2ビームを放射するように動作可能であり、前記第1ビーム及び前記第2ビームは、同一、又は、10nm以下だけ異なる波長を有し;
前記第1空間光変調器は、前記第1ビームの光路において照明され、
前記光学素子は、
光の前記第2ビームの光路において配置される第2空間光変調器;
を含み、
光の前記第1ビーム及び前記第2ビームは、プロジェクタイメージャと一致する、又は、その上にイメージングされるイメージプレーンにおいて重複する
影システム。
【請求項16】
前記第1空間光変調器及び前記第2空間光変調器は第1空間位相変調器および第2空間位相変調器をそれぞれ含む、請求項15に記載の投影システム。
【請求項17】
前記イメージプレーン上の1又は複数のエリアから遠ざけて前記第1ビーム及び前記第2ビームのそれぞれにおける光を誘導するように、及び/又は、前記第1ビーム及び前記第2ビームのそれぞれからの光を、前記イメージプレーン上の1又は複数の選択されたハイライトエリアに集中させるように、前記第1空間位相変調器及び前記第2空間位相変調器を制御するために接続されたコントローラを備える、請求項16に記載の投影システム。
【請求項18】
前記コントローラは、誘導された前記光を前記イメージプレーン上に収束するために、前記第1空間位相変調器及び前記第2空間位相変調器を制御するように構成されている、請求項17に記載の投影システム。
【請求項19】
光を放射するように動作する1又は複数の光源;
2以上の別個のコリメートされた光ビームにおいて、前記1又は複数の光源からの前記光を指向するよう構成される光学素子、前記光ビームは、イメージャのアクティブエリアを照明し、前記光ビームは、10度を超えない鋭角でイメージプレーン上で収束し、
を備え、
前記光学素子は前記光ビームのうちの少なくとも1つの前記光を時間的及び空間的に変調するように構成される第1空間光変調器(SLM)を含み、
前記第1空間光変調器は、前記コリメートされたビームのうち、光の第1ビームの第1光路に設けられ;
前記光学素子は、
前記コリメートされたビームのうち、光の第2ビームの第2光路における凍結相格子、ここで、前記第1光路及び前記第2光路は、イメージプレーンにおいて収束及び重複するように、光の前記第1ビーム及び前記第2ビームを運び、ハイライトを含むイメージを生成する;
を含み、
前記投影システムは、更に
前記第1ビームの前記光を、前記イメージプレーンにおけるハイライトエリアに向かって誘導するように前記第1空間光変調器を制御するように構成されているコントローラ
を備える、請求項1から14の何れか一項に記載の投影システム。
【請求項20】
前記凍結相格子は、前記第2ビームの前記光に、前記イメージプレーンにおける前記第1ビーム及び前記第2ビームの重複の前記ハイライトエリアを均一に照明させるように構成されている、請求項19に記載の投影システム。
【請求項21】
前記イメージプレーンにおける、又は、それに隣接する入射瞳を有する光学システムを備え、前記光学システムは受光角を有し、前記イメージプレーンに入射する、前記第1ビーム及び前記第2ビームからの前記光は、前記受光角内にある、請求項20に記載の投影システム。
【請求項22】
前記光学システムは投影光学系及び投影イメージャを含み、前記イメージプレーンは、前記投影イメージャと一致する、又は、その上にイメージングされる、請求項21に記載の投影システム。
【請求項23】
前記対応する光ビームからの光を、前記イメージプレーン上の選択されたハイライト位置において集中させるために、前記SLMの各々を制御するように構成されているコントローラを備える、請求項に記載の投影システム。
【請求項24】
前記コントローラは、前記SLM間の差を補償する制御信号を用いて前記SLMの各々を制御するように構成されている、請求項23に記載の投影システム。
【請求項25】
前記コントローラは、前記光ビームの各々についての前記ハイライト位置を前記イメージプレーン上で一致させるように構成されている、請求項23又は24に記載の投影システム。
【請求項26】
前記コントローラは、前記光ビームの1つについての前記ハイライト位置のうちの少なくとも1つが、前記光ビームの1又は複数の他のものについての前記ハイライト位置のいずれかと前記イメージプレーン上で一致しないハイライト位置にあるようにするように構成されている、請求項23又は24に記載の投影システム。
【請求項27】
記イメージプレーンにおける第1ビーム及び第2ビームの入射角は、前記イメージャを含む光学システムの受光角の角度空間における境界より小さい、請求項23から26のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項28】
角度空間における前記第1ビーム及び前記第2ビームのフットプリントは、前記受光角の前記境界内にある、請求項27に記載の投影システム。
【請求項29】
記イメージプレーン上の前記第1ビーム及び前記第2ビームの入射方向と、前記イメージプレーンの法線との間の角度は、前記イメージャの前記受光角の前記境界に対応する前記角度の1/2以下である、請求項27に記載の投影システム。
【請求項30】
記イメージプレーン上の前記第1ビーム及び前記第2ビームの入射方向と、前記イメージプレーンの法線との間の角度は、前記イメージャの前記受光角の前記境界に対応する前記角度の1/3以下である、請求項27に記載の投影システム。
【請求項31】
光を放射するように動作する1又は複数の光源;
2以上の別個のコリメートされた光ビームにおいて、前記1又は複数の光源からの前記光を指向するよう構成される光学素子、前記光ビームは、イメージャのアクティブエリアを照明し、前記光ビームは、10度を超えない鋭角でイメージプレーン上で収束し、前記光学素子は前記光ビームのうちの少なくとも1つの前記光を時間的及び空間的に変調するように構成される第1空間光変調器(SLM)を含み;
組み合わされた光ビームの角度広がりを増加させる、前記イメージプレーンと、前記イメージャとの間の光路における少なくとも1つのディフューザを備える、投影システム。
【請求項32】
光ビームは変調されて、前記イメージプレーンの別の領域を照明する光の強度より大きい強度を有する光を用いて、前記イメージプレーンの少なくとも1つの領域を照明する、請求項19に記載の投影システム。
【請求項33】
複数の光ビームは、実質的に同一の波長範囲及び同一の偏光を有する、請求項19から22または32のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項34】
複数の光ビームにおける前記光は、複数の対応する光源によって生成される、請求項19から22または32から33のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項35】
前記光源はレーザ光源を含む、請求項34に記載の投影システム。
【請求項36】
光ビームの各々は、対応する単色SLMによって空間的に変調される、請求項19から22または32から35のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項37】
前記第1SLMは、光ビームを変調してプロジェクタイメージャを動的に照明するように構成されている、請求項19から22または32から36のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項38】
複数の光ビームは変調され、次に、組み合わされて、イメージャの活性面において強度が変化する光を用いて前記イメージャを照明する、請求項19から22または32から37のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項39】
光ビームに適用される変調は、イメージャが表示するように制御されるイメージと一致するように制御される、請求項19から22または32から38のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項40】
前記イメージは、ビデオシーケンスのフレームについてのイメージである、請求項39に記載の投影システム。
【請求項41】
前記イメージは、ビデオシーケンスのフレームについての1つの色チャネルについてのイメージである、請求項40に記載の投影システム。
【請求項42】
前記イメージャは、ビデオフレームを含むイメージデータを処理するように制御され、前記ビームに適用される前記変調は、異なるフレームについて変化する、請求項38から41のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項43】
組み合わされた光ビームは、無偏光の光を含む、請求項19から22または32から42のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項44】
組み合わされた光ビームは、空間及び/又は時間において変化する偏光を有する光を含む、請求項19から22または32から42のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項45】
組み合わされた光ビームは、固定偏光を有する光を含む、請求項19から22または32から42のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項46】
組み合わされたビームに含まれる光は、
単色であり;
18nm以下、又は12nm以下、又は5nm以下、又は3nm以下の帯域幅を有し;
異なるビームについて、同一の波長を有し、及び/又は、
5nm、又は10nm、又は15nm以下だけ他のビームと異なる波長を有する、
請求項19から22または32から45のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項47】
組み合わされた光ビームは、コヒーレントな光を含む、請求項19から22または32から46のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項48】
組み合わされた光ビームは、相対角度αで、前記イメージプレーン上で収束する、請求項19から22または32から47のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項49】
αが小さい角度である、請求項48に記載の投影システム。
【請求項50】
αは約10度以下である、請求項48又は49に記載の投影システム。
【請求項51】
αは約5度以下である、請求項48又は49に記載の投影システム。
【請求項52】
光ビームの各々は、前記イメージプレーンがその一部である光学システムの受光角の境界内にある角度で前記イメージプレーンに到達する、請求項19から22または32から51のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項53】
光ビームの各々は、1又は複数の光学素子の対応するセットを通過する、請求項19から22または32から52のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項54】
前記1又は複数の光学素子は、1又は複数のレンズ、ミラー、プリズム、フィルタ、及び自由空間を含む、請求項53に記載の投影システム。
【請求項55】
光ビームは、同一の偏光及び波長範囲を有する光を含む、請求項19から22または32から54のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項56】
光ビームはすべて、前記イメージプレーン上の同一エリアを照明する、請求項19から22または32から55のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項57】
光ビームの各々の前記光は、同一のパターンで変調され、前記イメージプレーンにおいて、前記光ビームは、互いに位置合わせされ、その結果、前記イメージプレーンにおいて形成された前記イメージの各部分において、前記光ビームの各々における前記パターンの同一の部分は、互いに重複及び補強する、請求項19から22または32から56のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項58】
前記イメージプレーンにおける前記イメージは、動的照明を光学システムに提供する、請求項19から22または32から57のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項59】
前記光学システムはプロジェクタイメージャを含む、請求項58に記載の投影システム。
【請求項60】
各SLMは、同一の変調をその対応する光のビームに適用するように制御される、請求項19から22または32から59のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項61】
各SLMによって適用される変調は、少なくとも部分的に、前記投影システムによって表示されるイメージを定義するイメージデータから決定される、請求項19から22または32から60のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項62】
イメージャは、前記イメージプレーンに非常に近い位置にあり、又は、前記イメージプレーンと一致する、請求項19から22または32から61のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項63】
イメージャは、前記イメージプレーンから離れている、請求項19から22または32から62のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項64】
前記イメージャと前記イメージプレーンとの間に位置する光学システムを備え、前記光学システムは、前記イメージプレーンから前記イメージャに光を指向するように動作可能である1又は複数の光学素子のセットを含む、請求項63に記載の投影システム。
【請求項65】
前記イメージャ上の入射光は、前記イメージャによって更に変調され、投影レンズによって投影される、請求項64に記載の投影システム。
【請求項66】
光ビームは、前記イメージプレーンにおける特定のサイズ及び形状の領域を照明する形状である、請求項19から22または32から65のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項67】
前記光ビームは、イメージャのアスペクト比と一致するアスペクト比を有する、請求項66に記載の投影システム。
【請求項68】
前記光ビームは、16:9のアスペクト比(幅:高さ)を有する、請求項67に記載の投影システム。
【請求項69】
2つの光ビームを備える、請求項19から22または32から68のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項70】
2より多くの光ビームを備える、請求項19から22または32から68のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項71】
光ビームの組み合わせは、角度の組み合わせ(エタンデュ)を介して行われる、請求項19から22または32から70のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項72】
各SLMの角度空間におけるフットプリントは、対応する光学システムの受光角の境界内にある、請求項19から22または32から71のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項73】
前記ビームのすべては、同一の角度αで組み合わされる、請求項19から22または32から72のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項74】
前記ビームの少なくとも2つが、異なる角度αで組み合わされる、請求項19から22または32から73のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項75】
前記ビームの間の角度は、ハードウェアの物理的な制限に対応し、及び/又は、所望のイメージ品質を容易にするように選択される、請求項19から22または32から74のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項76】
組み合わせ角度αは最小化される、請求項19から22または32から75のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項77】
前記イメージプレーンにおける光学ディフューザを備える、請求項19から22または32から76のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項78】
前記光学ディフューザは、ある範囲の角度で前記光学ディフューザに入射する光を散乱する、請求項77に記載の投影システム。
【請求項79】
前記光学ディフューザの角度散乱特性は、角度空間におけるフットプリントからの光が混合され、前記角度空間はよりほぼ満たされ、受光角の境界の外側に属する光が最低限である、請求項77又は78に記載の投影システム。
【請求項80】
前記光学ディフューザは回転対称である、請求項77から79のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項81】
前記光学ディフューザは非対称であり、いくつかの方向において、他の方向より強く光を散乱する、請求項77から80のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項82】
角度空間を受光角の境界まで満たすことは、前記光学ディフューザの特性を変化させることによって最適化される、請求項77から81のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項83】
前記光学ディフューザは、レーザスペックルを低減する、請求項77から82のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項84】
光ビームが角度αで前記イメージプレーン上で収束する一方で、前記SLM及び/又は光源は、前記イメージプレーン上で収束する前記光ビームの部分と整合しないように、前記光ビームを屈曲又は曲げるように構成される1又は複数の光学素子を備える、請求項19から22または32から83のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項85】
前記光ビームを屈曲する、又は、曲げる前記1又は複数の光学素子のうちの少なくとも1つは、プリズムを含む、請求項84に記載の投影システム。
【請求項86】
前記ビームに光を提供するように動作可能な少なくとも1つの光源を備える、請求項19から22または33から85のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項87】
1つの光源が複数のビームのための光を提供する、請求項19から22または32から86のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項88】
各ビームのための光が別個の光源によって提供される、請求項19から22または32から86のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項89】
前記1又は複数の光源はレーザを含む、請求項86から88のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項90】
前記1又は複数の光源はソリッドステート発光器を含む、請求項86から88のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項91】
前記ソリッドステート発光器は、レーザ、レーザダイオード、及び発光ダイオードの1又は複数から成る、請求項90に記載の投影システム。
【請求項92】
光を放射するように動作する1又は複数の光源;
2以上の別個のコリメートされた光ビームにおいて、前記1又は複数の光源からの前記光を指向するよう構成される光学素子、前記光ビームは、イメージャのアクティブエリアを照明し、前記光ビームは、10度を超えない鋭角でイメージプレーン上で収束し、
を備え、
前記光学素子は、複数の空間光変調器を含み、
前記1又は複数の光源は、光を前記複数の空間光変調器に指向するよう構成され、前記複数の空間光変調器は、変調された光ビームを出力するように動作可能であり、前記変調された光ビームは、収束角αで標的エリアに収束し、前記標的エリアにおいて重複するライトフィールドを形成するよう構成される、
を備える、投影システム。
【請求項93】
前記収束角αは10度を超えない、請求項92に記載の投影システム。
【請求項94】
前記空間光変調器は空間位相変調器であり、前記投影システムは、制御信号を前記空間位相変調器に届けるために接続されたコントローラを含み、前記制御信号は、組み合わせて前記少なくとも1つの光源からの前記光を誘導して、前記標的エリア上のいくつかの場所において光を集中させる、及び/又は、前記標的エリア上のいくつかの場所から離れるように光を誘導する位相パターンを提供する前記空間位相変調器の画素について位相変位を設定する、請求項92又は93に記載の投影システム。
【請求項95】
前記コントローラは、前記光を前記標的エリアにおけるイメージプレーン上で収束するために、前記空間位相変調器の前記画素を制御するように構成されている、請求項94に記載の投影システム。
【請求項96】
前記コントローラは、前記複数の空間位相変調器の各々に同一の制御信号を適用するように構成される、請求項94に記載の投影システム。
【請求項97】
前記標的エリアは、受光角を有する光学システムの入射瞳にあり、前記変調された光ビームは、前記受光角内の前記標的エリアに収束する、請求項92から96のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項98】
角度空間において、前記変調された光ビームに対応するフットプリントは、前記角度空間の原点に向かって密集している、請求項97に記載の投影システム。
【請求項99】
前記標的エリアにおける、又は、その近くにある光学ディフューザ、ここで、前記光学ディフューザは、前記受光角内で前記変調された光ビームからの光を散乱するように動作する、を備える、請求項98に記載の投影システム。
【請求項100】
前記光学ディフューザによって散乱された前記光は、角度空間において、前記受光角の境界内の総面積の少なくとも60%又は70%又は80%又は90%を占める、請求項99に記載の投影システム。
【請求項101】
前記光学ディフューザによって散乱された前記光により、異なるビームからの光が角度空間において重複する、請求項99に記載の投影システム。
【請求項102】
前記光ビームは各々コリメートされる、請求項101に記載の投影システム。
【請求項103】
前記少なくとも1つの光源からの前記光は、第1平面において入射光ビームを含み、前記出力されたビームは第2平面にあり、前記第2平面は、前記第1平面に対して角度βだけ傾斜している、請求項102に記載の投影システム。
【請求項104】
前記角度βは、少なくとも10度、又は、少なくとも15度である、請求項103に記載の投影システム。
【請求項105】
光を放射するように動作する1又は複数の光源;
2以上の別個のコリメートされた光ビームにおいて、前記1又は複数の光源からの前記光を指向するよう構成される光学素子、前記光ビームは、イメージャのアクティブエリアを照明し、前記光ビームは、10度を超えない鋭角でイメージプレーン上で収束し、
を備える投影システムであって、
前記光学素子は、
前記1又は複数の光源からの光ビームによって各々照明される複数の空間位相変調器を含み、
前記投影システムは、
光を共通の標的又はイメージプレーンに誘導して、より大きい光強度のエリア及びより小さい光強度のエリアを含む前記標的における対応するライトフィールドを提供するように、位相変位を適用するために前記複数の空間位相変調器の各々を設定するように構成される制御システム
を備え、前記ライトフィールドは、前記標的において重複し、前記重複するライトフィールドにおける対応するエリアが重畳されるように位置合わせされる
影システム。
【請求項106】
異なる空間位相変調器によって誘導される光の組み合わせは、前記異なる位相変調器からの光を指向して、前記標的又はイメージプレーン上に鋭角αで収束させることによって実現される、請求項105に記載の投影システム。
【請求項107】
前記標的において組み合わされたライトフィールドによって照明されるように配置されるイメージャを備える、請求項105又は106に記載の投影システム。
【請求項108】
前記イメージャは空間振幅変調器を含む、請求項107に記載の投影システム。
【請求項109】
前記共通の標的イメージに対する各空間位相変調器の光学軸間の角度は、イメージャを含む光学システムの受光角の最大境界の1/3より小さい、請求項105から108のいずれか一項に記載の投影システム。
【請求項110】
前記共通の標的とイメージャとの間の光路において提供される少なくとも1つの光学ディフューザを備える、請求項105から109のいずれか一項に記載の投影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2020年10月2日に出願された、「ビームを組み合わせた光学投影」と題するカナダ特許出願第3095177号、及び、2020年11月30日に出願された、「ビームを組み合わせた光学投影」と題する米国特許出願第63/119580号の優先権を主張し、その両方は、これによりすべての目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。米国の規約により、本願は、2020年11月30日に出願された、ビームを組み合わせた光学投影と題する、米国特許出願第63/119580号の米国特許法第119条の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、光のビームを組み合わせることに関する。本発明の一応用例は、プロジェクタイメージャを照明することである。
【発明の概要】
【0003】
本発明は多くの態様を有する。これらには、
光プロジェクタ;
光ビームを組み合わせるための光学組立体;
ハイライトプロジェクタ;
光ビームを組み合わせる、及び/又は、変調するための方法;
TIRプリズム組立体;
イメージを投影するための方法;
本明細書に説明される他のイノベーション
が含まれる。
【0004】
本発明のいくつかの態様は、光がイメージプレーンにおけるハイライト位置に誘導される複数の光ビームを組み合わせることによって、投影されたイメージにおける高強度入ハイライトのために光を供給する。複数の光ビームは、同一の組の1又は複数のイメージャを照明し得る。いくつかそのような実施形態の利点は、ハイライトに利用可能な光バジェットを実質的に増加させることである。いくつかのそのような実施形態の利点は、複数の位相変調器の間で光学パワーを分割することによって達成され得る光誘導に使用され得る空間位相変調器の信頼性が増加することである。
【0005】
本明細書に説明される技術は、例えば、大きいサイズのシネマスクリーンにおいて15000ルーメンのベースラインを少なくとも4000ルーメン超える合計光束バジェットのハイライトを有する投影されたイメージを提供するために適用され得る。
【0006】
本発明のいくつかの態様は、高度にコリメートされた光源からの光ビームによって各々照明される複数の空間位相変調器を含む光学組立体を提供する。制御システムは、光を共通の標的又はイメージプレーンに誘導するように位相変位を適用するために位相変調器の各々を設定し得る。各位相変調器によって誘導される光は、より大きい光強度のエリア及びより小さい光強度のエリアを含む標的におけるライトフィールドを提供し得る。ライトフィールドは、標的において重複し得、重複するライトフィールドにおける対応するエリアが重畳されるように、位置合わせされ(co-registered)得る。異なる位相変調器によって誘導される光の組み合わせは、異なる位相変調器からの光を指向して鋭角αで収束させることによって実現され得る。
【0007】
標的における組み合わされたライトフィールドは、例えば、イメージャ(任意の好適なタイプの空間振幅変調器など)を照明し得る。いくつかの実施形態において、共通の標的イメージに対する各位相変調器の光学軸の間の角度は、イメージャを含む光学システムの受光角の最大境界の1/2、1/3、1/4、1/5、1/6などより小さい。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの光学ディフューザが、共通の標的とイメージャとの間の光路において提供される。光学ディフューザは、組み合わされた光誘導の角度広がりを増加させ得る。
【0008】
本発明の一態様は、光を放射するように動作する1又は複数の光源、及び、2以上の別個のコリメートされたビームにおいて1又は複数の光源からの光を指向するように構成された光学素子を含む投影システムを提供する。ビームの各々はイメージャのアクティブエリアを照明する。鋭角でイメージプレーン上で収束するビームは、10度を超えない。光学素子は、ビームのうちの少なくとも1つの光を変調するように構成された空間光変調器を含む。
【0009】
本発明の別の態様は、投影されたイメージにおける高強度入ハイライトのために光を供給するためのシステム及び方法を提供する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの変調光ビーム(例えば、空間位相変調器によって変調された光ビーム)は、ベース光ビーム(例えば、均一な照明を提供するビーム)と組み合わされる。変調光ビーム及びベース光ビームは好ましくは、角度空間において、類似のカバレッジを有する。これにより、有利なことに、同一の光学ディフューザを使用して、変調光ビーム及びベース光ビームの両方からの光が拡散されることを可能にし、それにより、下流の光学システムの受光角の外側の光の深刻な損失無しで、組み合わされた変調及びベース光ビームの角度の程度を増加させる。
【0010】
いくつかの実施形態において、ホログラフィックディフューザがベース光ビームの光路において提供される。いくつかの実施形態において、ホログラフィックディフューザは、静的又は「凍結(frozen)」位相格子として作用する。
【0011】
いくつかの実施形態において、変調光ビームと類似の角度空間におけるカバレッジを有するベース光ビームが、別個の光源(例えばレーザ光源)からの光を光ファイバ(例えば、開口数(NA)0.2及び約2x1mmカットを有する光ファイバ)内に収集することによって生成される。光ファイバからの光及び変調光ビームからの光は、共通の標的イメージプレーン上に投影(例えばイメージング)され得る。
【0012】
さらなる態様及び例示的な実施形態は、添付図面に示され及び/又は以下の記載内容に記載される。
【0013】
本発明は、上の特徴のすべての互いとの組み合わせ、及び、これらが異なる請求項に記載されている場合でも、添付の請求項の特徴の任意の1つ又は任意の組み合わせとの組み合わせに関することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
添付図面は、本発明の非限定的な例示的な実施形態を示している。
【0015】
図1】本発明の例示的な実施形態による投影システムの概略図である。
【0016】
図2】例示的な角度空間の概略図である。
【0017】
図3A】2つのビームを有する角度空間におけるフットプリントの例示的な構成の概略図である。
【0018】
図3B】4つのビームを有する角度空間におけるフットプリントの例示的な構成の概略図である。
【0019】
図3C】角度空間におけるフットプリントの例示的な構成の概略図である。
図3D】角度空間におけるフットプリントの例示的な構成の概略図である。
図3E】角度空間におけるフットプリントの例示的な構成の概略図である。
図3F】角度空間におけるフットプリントの例示的な構成の概略図である。
図3G】角度空間におけるフットプリントの例示的な構成の概略図である。
図3H】角度空間におけるフットプリントの例示的な構成の概略図である。
【0020】
図4】本発明の例示的な実施形態による投影システムの概略図である。
【0021】
図5A】発明の例示的な実施形態による光学構成の概略図である。
【0022】
図5B】本発明の例示的な実施形態による光学構成の概略図である。
【0023】
図5C】本発明の例示的な実施形態による光学構成の平面図である。
【0024】
図5D】本発明の例示的な実施形態による光学構成の概略的側立面図である。
【0025】
図6A】本発明の例示的な実施形態による光学構成の概略図である。
【0026】
図6B】例示的な光路を概略的に図示する。
【0027】
図7A】本発明の例示的な実施形態による光学構成の概略図である。
【0028】
図7B】本発明の例示的な実施形態による光学構成の概略図である。
【0029】
図7C】本発明の例示的な実施形態による光学構成の概略図である。
【0030】
図8A】本発明の例示的な実施形態による光学組立体の上面図である。
図8B】本発明の例示的な実施形態による光学組立体の側立面図である。
【0031】
図9】本発明の例示的な実施形態による光学装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の説明全体を通して、本発明のより完全な理解を提供するために、具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明は、これらの特定事項なしに実施されてよい。他の事例において、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の要素は詳細には示されていないか、又は記載されていない。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味でとらえられるべきである。
定義
【0033】
「イメージャ」は、所望のイメージ(イメージは任意のパターンであり得る)を光のビームに付与するように動作可能な任意のデバイスである。空間光変調器がイメージャとして使用され得る。例えば、シネマプロジェクタにおいて、イメージャは、イメージデータに従って1又は複数の光源からの入射光を変調し、イメージデータに従ってイメージをスクリーン上に投影するために使用され得る。
【0034】
「空間光変調器」又は「SLM」は、異なる場所における光の特性に対して異なる変更を適用するように動作するデバイスである。典型的には、SLMは、対応する画素の場所における光の特性を変更するよう個別に動作可能な制御可能要素又は「画素」のアレイを含む。SLMによって変更され得る光の特性は、振幅(光強度)、偏光、及び位相を含む。SLMは、SLMを通じて送られる光を変調し得る(例えば、光はSLMの1面に入射し、変調光は、SLMの別の反対の面から放射される)。SLMは、SLMの1面から反射される光を変調し得る(例えば、光がSLMの1面に入射し、変調光がSLMの同一の面から放射される)。
【0035】
「空間振幅変調器」又は「SAM」は、光の振幅を制御可能に変更するように動作可能なSLMのタイプを意味する。SAMの非限定的な例は、液晶パネル(LCDとも呼ばれる)、シリコン上の液晶(LCoS)デバイス、及び、デジタルミラーデバイス(DMD)デバイスである。
【0036】
「空間位相変調器」又は「SPM」は、光の位相を制御可能に変更するよう動作可能なSLMのタイプである。SPMの非限定的な例は、LCoSデバイス及び変形可能ミラーである。いくつかの実施形態は、約10μm以下のピッチ(すなわち、行及び/又は列における隣接画素間の空間)を有するSPMを適用する。
【0037】
いくつかのSLMは、光振幅を変調するようにのみ動作する。いくつかのSLMは、光位相を変調するように動作する。いくつかのSLMは、光振幅及び光位相の両方を変調するように動作する。いくつかのSLMの動作は、リアルタイムに、以下のように動的に制御され得る。
・光振幅を変調するのみ;
・光位相を変調するのみ;又は
・光位相及び光振幅の両方を変調する。
【0038】
「f値」は、光学システムの特性評価に使用できる無次元の数である。f値は、光学システムの入射瞳の直径に対する光学システムの焦点距離の比率である。
【0039】
投影されたライトフィールド(イメージを含み得る)に関する「ハイライト」は、明るいスポット又はエリアを意味する。ハイライトは、ライトフィールドにおけるもっとも明るい点を含み得る。
【0040】
本明細書で使用される「ハイライトビーム」は、標的エリアにおける1又は複数のハイライトを含む非均一ライトフィールドを生成する光のビームを含む。標的エリアは例えば、ハイライトビームが入射するスクリーン又はイメージプレーンであり得る。ハイライトビームは、より高い照明強度を有するエリア及びより低い照明強度を有するエリアを含み得る。ハイライトビームは例えば、光誘導の結果生じ得る。
【0041】
「変調」は、何かの特性を変化させることを意味する。光は時間的又は空間的に変調され得る。変調され得る光の特性の例には、振幅(輝度又は強度)、位相、及び偏光状態が含まれ得る。光の空間的変調は、空間的な場所(例えば画素)において光を選択的に減衰させることによって、及び/又は、光を誘導することによって達成され得る。光誘導は、そうでない場合にいくつかの空間的な場所を照明するであろう光を他の空間的な場所に誘導することを伴う。光誘導は、例えば、可変レンズ、可変ミラー、及び/又は、位相変調器(例えばSPM)を使用して達成され得る。SPMによって適用される位相パターンは、イメージプレーンにおける選択された領域へ入射光を指向し得る。指向された光の異なる部分間の干渉は、光がより多い(すなわち、強め合う干渉)、イメージプレーンにおけるいくつかの場所、及び/又は、光がより少ない(すなわち、弱め合う干渉)、イメージプレーンにおけるいくつかの場所をもたらし得る。そのような干渉の結果、SPMによって適用される位相パターンは、イメージプレーンにおける特定の領域から離れるように、入射光を有効に誘導又は指向し得、及び/又は、光がイメージプレーンにおける特定の領域に集中するように入射光を誘導又は指向し得る。
【0042】
光学システムについての「開口数」又はNAは、光学システムを通過し得る入射光の角度の範囲の程度を提供する無次元の数である。NAは、光学システムに入射光が到達するために通る媒体の屈折率と、光学システムの光学軸に対する、光学システムを通過する光線の最大角度のサインとの積により与えられる。
【0043】
光学システムについての「受光角」は、立体角内にある方向で光学システムに入る光線が光学システムを通過する立体角である。立体角は、ステラジアンで測定され得る。
【0044】
「エタンデュ」は、面積及び角度において光がどのように広がるかを特性評価する数である。光学システムの観点から、エタンデュは、光学システムの入射瞳の面積に、光学システムの(本明細書において定義される)受光角を掛けたものとして定義され得る。
説明
【0045】
本発明の一態様は、複数の光ビームを組み合わせることに関する。応用例は、異なる光源からの光のビームを、光投影システムにおけるイメージャ上で組み合わせることである。いくつかの実施形態において、光のビームの一部又は全部が変調光である。変調光の変調は、時間変化し得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、本明細書において説明される技法は、プロジェクタイメージャの動的照明を生成するために適用される。例えば、複数のビームが変調され、次に、組み合わされて、イメージャの活性面上で強度が変化する光を用いてイメージャを照明し得る。ビームに適用される変調は、イメージャが制御されて表示するイメージと一致するように制御され得る。例えば、異なる光のビームは各々、異なるSLMによって変調され、次に、本明細書において説明されるように組み合わされ、イメージャを照明し得る(又は、いくつかの他の目的のために組み合わされる)。
【0047】
光は、フレームのシーケンスを含む映像又はデジタルシネマイメージを表示するために使用され、一方、1又は複数のビームの変調された光の変調は、フレームごとに、又は、シーンごとに設定され得る。例えば、イメージャは、ビデオフレームを含むイメージデータによって制御され得、ビームに適用される変調は、異なるフレームで変化し得る。
【0048】
いくつかの実施形態において、ビームの1又は複数はベース光ビームである。ベース光ビームは、例えば、均一な照明、又は、静的(非時間変化)方式で変調される照明を提供し得る。例えば、ベースビームは、所望のイメージを投影するのに十分な光をイメージャに供給し得、1又は複数の他のビームは、ハイライトのために追加の光を供給するために変調され得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、表示されるイメージのより明るい部分に対応するイメージャのエリアにおいてより多くの光が提供され、かつ、イメージのより暗い部分に対応するイメージャのエリアにおいてより少ない光が提供されるように、組み合わされた光のビームの一部又は全部が、イメージデータに従って予め変調される。
【0050】
本技術の応用例は、選択された場所において高い強度を有する変調光を用いて、イメージャの少なくとも1つのエリア又は他の標的を照明することである。
【0051】
SLMは、SLMの設計より大きい強度を有する光を変調するために使用される場合、低減された寿命を有し得るか、又は、損傷若しくは破壊され得る。この課題は、各々が別個のSLMによって変調された、2以上のより低い強度の光のビームを組み合わせることによって回避され得る。
【0052】
複数の光のビームを組み合わせることによって回避又は低減され得る別の課題は、単一のより高出力の光源の代わりに、光を生成するために複数のより低出力の光源を使用することが望ましいことがあり得るという点である。これは、例えば、費用、可用性、及び/又は、熱管理の問題により動機付けられ得る。
【0053】
複数のSLMによって変調された光ビームを組み合わせることによって、組み合わされたビームのエネルギーは、複数のSLMにわたって広がり得る。この構成は、より高額でないSLMの使用を可能にし得、及び/又は、(例えば、SLMの動作温度を所望の範囲内に維持するために)熱管理を簡素化し、及び/又は、SLMの推定平均故障間隔を延長し得る。いくつかの実施形態において、複数のSLMは、各SLMが照明されるN個のSLMの合計を含み、組み合わされたビームの所望される総平均強度の約1/Nである強度を有する光のビームを変調するように動作可能である。
【0054】
複数のSLMからの光を組み合わせる実施形態は、ビームの波長及び偏光の光を用いて、プロジェクタイメージャの高強度照明を提供することを容易にし得る。
【0055】
別の課題は、いくつかの適用において、(異なる波長の2つの光のビームを組み合わせるために使用され得る)ダイクロイックミラー又は(異なる偏光を有する2つの光のビームを組み合わせるために使用され得る)偏光ビームスプリッタなどの従来の光コンバイナを使用して、異なるビームの組み合わせを可能にするであろう異なるスペクトル又は異なる偏光を常に有しない、又は、全く有しないことがあり得る異なる光のビームを組み合わせることが望ましい。典型的なダイクロイックミラーは、同一の波長、又は、少なくとも約10nm未満だけ互いに異なる波長を有するビームを効率的に組み合わせるために使用できない。ビームを組み合わせるために使用され得る典型的な偏光ビームスプリッタは、直角偏光状態について、もっとも効率的に動作する。
【0056】
この課題が生じ得る応用例は、イメージャが、特定の偏光を有する光による照明を要求するタイプであり、かつ、同一の色及び同一の偏光の2つの光ビームを組み合わせることが所望される場合である。
【0057】
本技術のいくつかの実施形態において、同一であるか、又は、同一に非常に近いか、又は、常に異なるわけではないか(すなわち、時折同一である、又は、ほぼ同一である)のいずれかであるスペクトル及び偏光状態を有する異なる光のビームが組み合わされ得る。例えば、光のビームはすべて、同一の特定の偏光(例えば、イメージャが要求する偏光方向と一致する偏光方向)を有し得る。
【0058】
例えば、複数の光ビームは、同一又は実質的に同一の波長、及び、同一又は同様の偏光を有し得る。ここで、実質的に同一の波長とは、複数の光ビームのエネルギーの少なくとも95%又は少なくとも98が、30nm以下又は20nm以下又は10nm以下に及ぶ波長帯域内にあり、それにより、光ビームを効率的に組み合わせるためにダイクロイック要素を使用することが実現不可能及び/又は非効率的となることを意味する。ここで、第1光ビームの光エネルギーの最大量を通過させるように設定された偏光ビームスプリッタがまた、偏光ビームスプリッタが通過させ得る第2光ビームの光エネルギーの最大量の少なくとも50%又は少なくとも70%又は少なくとも85%を通過させ、それにより、(追加の光学素子を使用して、より直角に近くなるように、第1及び/又は第2光ビームの偏光状態をまず調整することなく)第1及び第2光ビームの光を組み合わせるための光コンバイナとして偏光ビームスプリッタを使用することを実現不可能又は非効率的にする場合、第1及び第2光ビームは、「同様の偏光状態」を有し得る。いくつかの実施形態において、本明細書において説明される方法及び装置は、同一の円偏光状態を有する2つの光のビームを組み合わせるために適用される。
【0059】
いくつかの実施形態において、組み合わされるビームの光は、
・無偏光(例えばランダムに偏光)であり;
・空間及び/又は時間変化する偏光を有し;又は
・固定偏光を有する。
【0060】
いくつかの実施形態において、組み合わされるビームは、
・単色であり;
・18nm以下又は12nm以下又は5nm以下又は3nm以下の帯域幅を有し;
・異なるビームについて同一の波長を有し;及び/又は
・5nm又は10nm又は15nm以下だけ他のビームと異なる波長を有する
光を含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、複数の光ビームにおける光は、複数の対応する光源によって生成される。
【0062】
いくつかの実施形態において、光ビームの各々は、対応する単色SLM(すなわち、異なる原色の光の別個の制御を可能にする色フィルタを含まないSLM)によって空間的に変調される。
【0063】
いくつかの実施形態において、組み合わされるビームは、コヒーレントな光を含む。いくつかの実施形態において、まとめて組み合わされるビームは、わずかに異なる波長の光を含む。例えば、光は、わずかに異なる波長の組み合わせの光を放射するレーザ源からの光であり得る。これによりスペックル除去を助ける。
【0064】
いくつかの実施形態において、SLMが、ビームの1つの光を誘導するよう各々制御される位相変調器(例えばSPM)によって提供され、異なるビームは、わずかに異なる波長を有する狭いバンドの光から構成される。SLMの各々は、対応するビームの光の波長に基づいて、対応するビームの光を誘導するよう制御され得る。典型的には、対応するビームにおける光の波長が、SLMの各々が設定されている波長の周りの小さい範囲内(例えば、SLMが誘導するよう設定されている波長の約±10nm内)にある場合、そのようなSLMは、より良く機能する(例えば、光をより効率的に誘導する)。
【0065】
図1は、本発明の例示的な実施形態による投影システム10を概略的に図示する。第1及び第2光ビーム12A及び12B(概して、まとめてビーム12)は、相対角度αでイメージプレーン13上で収束する。αは小さい角度であり得る。例えば、いくつかの実施形態において、αは、約10度以下、又は、約5度以下である。光ビーム12の各々は、イメージプレーン13がその一部である光学システムの受光角11内の角度でイメージプレーン13に到達する。
【0066】
光ビーム12A及び12Bはそれぞれ、SLM15A及び15B(概して、まとめてSLM15)によって変調された光源14A及び14Bによって放射された、任意選択的に1又は複数の光学素子16A及び16Bのセットを通過する光を含む。光学素子16A及び16Bは、例えば、1又は複数のレンズ、ミラー、プリズム、フィルタ、自由空間、又は同様のものを含み得る。
【0067】
いくつかの有利な実施形態において、SLM15は、SLM15上の入射光をイメージプレーン13上に誘導させる位相変位のパターンを示すように制御される空間位相変調器を含む。この方式において、SLM15上の入射光は、より大きい光強度が所望されるイメージプレーン13上の場所で集中され得、及び/又は、より低い光強度が所望されるイメージプレーン13上の場所から離れるように誘導され得る。
【0068】
SLM15の画素は、光のパターンの収束の所望されるレベルをイメージプレーン13上で生じさせる位相パターンを示すように設定され得る。いくつかのそのような実施形態において、ビーム12からの光をイメージプレーン13上で収束するために、追加の収束光学系が提供されない。収束は、例えば、所望の光誘導について、光学系と組み合わせて、収束レンズを模倣するように、位相変調器の画素を設定することによって提供され得る。
【0069】
位相変調器の制御システムは、所望の位相パターンを有するように位相変調器の画素を設定するために制御信号を届けるように構成されるデータプロセッサを含み得る。データプロセッサは例えば、所望の光誘導パターンを決定するためにイメージデータを処理し、光を誘導するよう位相変調器を駆動し、所望の光誘導パターンを達成し得る。
【0070】
本発明は、SLM15が位相変調器であり、光を誘導するように制御されるケースに限定されない。しかしながら、位相変調器を使用する光誘導は、本明細書において説明される実施形態のいずれかにおいて実装され得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、各SLM15は、個別に駆動及び/又は制御される。いくつかの実施形態において、異なるビーム12における光は異なる色(例えば、赤色、緑色、及び青色)に対応する。各色は、異なる標的プロファイル(例えば、異なる光強度プロファイル、異なる偏光など)を有し得る。
【0072】
いくつかの実施形態において、異なるビーム12における光は、組み合わされるとき、結果として所望の標的光強度プロファイルをもたらす異なる強度プロファイルを有する(例えば、ビーム12Aにおける光は、第1強度プロファイルを有し、ビーム12Bにおける光は、第1強度プロファイルと異なる第2強度プロファイルを有する)。異なる強度プロファイルを含む異なるビーム12における光は、同一の色であり得る、又は、異なる色であり得る。
【0073】
単一のSLM15又はSLM15のセットが、対応する色について所望される標的特性を有するビーム(又はビーム)12を生成するよう駆動され得る。例えば、SLM15の第1セットは、赤色光に対応する所望のビーム12を生成するように駆動され得、SLM15の第2セットは、緑色光に対応する所望のビーム12を生成するよう駆動され得、SLM15の第3セットは、青色光に対応する所望のビーム12を生成するよう駆動され得る。SLM15の特定のセット内において、個別のSLM15がまとめて(すなわち、セットにおけるSLMのすべてが同一の方式で制御される)、又は個別に(すなわち、セットにおける異なるSLMが異なるように制御される)駆動され、SLMの各々の性能変化を補償し得る、又は、効率を最適化し得る。効率は、例えば、SLMの各々を標的イメージの部分に集中させる(例えば、標的イメージのより効率的な構成を生成する)ことによって最適化され得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、すべてのSLM15が同一の方式で制御される、又は、単一のSLM15が使用される場合に取得できない(又は、非常に難しい)イメージプレーン13における組み合わされたイメージを形成するために、異なるSLM15が異なるように制御される。例えば、異なるSLM15が、ビーム12における光を異なるように誘導するように個別に制御され、イメージプレーン13における所望のイメージを形成し得る。
【0075】
いくつかの実施形態において、異なる色に対応光ビームは、(例えば、1つの波長帯域を通過し別のものを反射するダイクロイックミラーとの)ダイクロイックの組み合わせを使用して組み合わされる。そのような組み合わせの後、異なる色に対応する光ビームは、共通の光学軸を、したがって、角度空間における同一のスポット場所を共有する。
【0076】
ビーム12における光は、組み合わされて、SLM15から離れたイメージプレーン13において組み合わされたイメージを形成する。ビーム12における光は、上で説明された特性の任意の組み合わせを有し得る。著しい商用の適用を有するいくつかの実施形態において、ビーム12は、同一の偏光及び波長を有する光を含む。
【0077】
光ビーム12はイメージプレーン13において重複する。いくつかの実施形態において、光ビーム12はすべて、イメージプレーン13上の同一のエリアを照明する。いくつかの実施形態において、光ビーム12の各々の光は、同一パターンを用いて変調され、イメージプレーン13において、光ビーム12は、互いに位置合わせされ、その結果、イメージプレーン13において形成されるイメージの各部分において、光ビーム12の各々におけるパターンの同一の部分は、互いに重複及び補強する。
【0078】
図1において、イメージプレーン13におけるイメージは、動的照明を光学システム17に提供する。プロジェクタシステム10において、光学システム17はプロジェクタイメージャ19を含む。SLM15は、ビーム12における光を変調するように制御され得る。例えば、SLM15は各々、同一の変調を対応するビーム12に適用するように制御され得る。変調は例えば、投影システム10によって表示されるイメージを定義するイメージデータから、少なくとも部分的に決定され得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、プロジェクタイメージャ19は、イメージプレーン13の非常に近くに位置し、又は、それと一致する。いくつかの実施形態において、プロジェクタイメージャ19は、イメージプレーン13から遠くに位置する。1又は複数の光学素子のセットを含む任意選択の光学システム18は、イメージプレーン13からの光をプロジェクタイメージャ19に指向するために提供され得る。プロジェクタイメージャ19への入射光は更に、プロジェクタイメージャ19によって変調され、投影レンズ20によって投影される。
【0080】
いくつかの実施形態において、光ビーム12は、イメージプレーン13において、特定のサイズ及び形状の領域を照明する形状である。例えば、いくつかの適用において、最終的なイメージは特定のアスペクト比を有し得る。例えば、16:9のアスペクト比(幅:高さ)が一般的である。光ビーム12は例えば、イメージプレーン13に到達するとき、16:9のアスペクト比を有し得る。いくつかの実施形態において、光ビーム12は、イメージプレーン13に到達するとき、イメージャ19のアスペクト比と一致するアスペクト比を有する。
【0081】
イメージプレーン13における入射光の角度の変化は、投影システム10のテレセントリシティに影響を与え得る。いくつかのそのようなケースにおいて、SLM15の角度フットプリントは動的に変化し得る。追加的又は代替的に、角度フットプリントは、イメージプレーン13上のイメージ全体で一定でないことがあり得る。悪影響を最小化するべく、光学システム17は、SLM15の平均誘導プロファイルをテレセンタ(telecenter)するように選択され得る。
【0082】
本技術は2つのビーム12に限定されず、任意の好適な数のビーム12(例えば2、3、4、5、6、7、8のビームなど)を用いて実施され得る。
【0083】
ビーム12の組み合わせは、角度の組み合わせ(したがって、エタンデュの組み合わせ)を介して行われることが理解され得る。ビーム12を組み合わせるこの方式は、ビーム12の光が任意の特定の偏光又は波長を有することに依存しない。この組み合わせの方式は、同一の波長及び同一の偏光を有する異なるビーム12からの光を組み合わせ得る。
【0084】
角度空間は、原点から点までの径方向距離が角度を表し、原点の周りの点の角度位置が方位角を表す表現である。角度空間は、原点が光学システム(例えば、本明細書の他の箇所において説明される光学システム17)の入射瞳の光学軸に対応するように、特定の光学システムについて定義され得る。
【0085】
図2は例示的な角度空間を示す。原点21は、光学軸に対応する角度を示す。破線の円22A、22B、22C(まとめて、又は概して破線の円22)は、光学軸に対する特定の角度を表す。破線の円22のいずれか1つの周りの異なる点は、異なる方位角方向に対応する。例えば、円22A、22B、22Cはそれぞれ、光学軸に対する1、2、及び3度の角度、又は、光学軸に対する2、4、及び6度の角度を表し得る。破線の円22のいずれか1つの周りの異なる点は、異なる方位角方向に対応する。実線の円23は、光学システムについての受光角の境界を示す。円23によって示される受光角より大きい角度における光学システムの入射瞳に対する入射光は、光学システムによって適切に処理されない。光学軸に対する同一の入射角度及び同一の方位角を有する入射瞳に対する入射光は、角度空間における同一の点に対応する(例えば、2つの平行な光線は角度空間における同一の点に対応し、光学システムの入射瞳の中心から発する光線に沿って配置される実空間におけるすべての点は、角度空間における同一の点に関連付けられ得る、など)。
【0086】
図2において、パッチ24A及び24Bはそれぞれ、SLM15A及びSLM15Bから出る光線の角度空間におけるフットプリント(まとめて、又は概してフットプリント24)を表す。SLM15は、角度空間におけるフットプリント24が互いに近くなるように、実空間に位置し得る。これは、SLM15の位置が実空間において任意の距離だけ分離されることを可能にしながら行われ得る。
【0087】
SLM15は、対応するビーム12の方向に垂直に傾斜し得る。SLM15は、任意選択で、すべて同一の量だけ傾斜し得、又は、個別に異なる量だけ傾斜し得る。
【0088】
角度空間におけるフットプリント24が、対象の光学システム(例えば光学システム17)の受光角内である、すなわち、図2の例における円23の中である限り、任意の数のSLM15が、イメージャ19(又は別の標的)に光を届けるために実空間において構成され得る。
【0089】
ビーム12に対応するフットプリント24が受光角、例えば、円23によって示される角度内にある限り、ビーム12間の角度(例えば角度α)は、自由に選択され得る。2つより多いビーム12がある実施形態において、ビーム12のすべてが同一の角度で組み合わされることは、必須ではなく任意選択である。
【0090】
ビーム12間の角度は、ハードウェアの物理的な制限に対応するように、及び/又は、所望のイメージ品質を容易にするように選択され得る。任意の数のビーム12について、組み合わせ角度αが最小化されるようにビーム12を構成することは概して有益である。小さい角度αでビーム12を組み合わせることにより、
・幾何学的歪みを最小化し、及び/又は、
・角度空間を受光角内で維持する(これはイメージ品質改善を可能にする)
ことを助け得る。
【0091】
イメージ品質改善は、光学ディフューザ13Aをイメージプレーン13内に、又は、その近くに配置することによって達成され得る。ディフューザ13Aは、ある範囲の角度でディフューザに入射する光を散乱する。ディフューザ13Aの角度散乱特性は、角度空間におけるフットプリント24からの光が混合され、受光角の外側に属する光が最低限であるように角度空間がよりほぼ満たされるように選択され得る。ディフューザ13Aの強度は、本明細書の他の箇所において説明されるような光学システム(例えば光学システム17)の受光角(すなわちf値)を満たすように選択され得る。
【0092】
いくつかの実施形態において、プロジェクタシステム10は複数のディフューザ13Aを含む。例えば、第1ディフューザは、イメージプレーン13内、又は、その近くに配置され得、第2ディフューザは、プロジェクタイメージャ19内に、又は、その近くに配置され得る。複数のディフューザ13Aによって提供される光散乱は、付加的(線形又は非線形)である。複数のディフューザのうち異なるものは、同一であり得る、又は、複数のディフューザのうち他のものと異なる少なくとも1つの特性を有し得る。所望の量の光散乱が、複数のディフューザ13Aによって光を散乱することによって達成され得る。
【0093】
追加的又は代替的に、プロジェクタシステム10は、イメージプレーン13とプロジェクタイメージャ19との間に少なくとも1つの追加の光学リレーを含み得る。ディフューザ13Aは、追加の光学リレーの平面内に、又は、その近くに配置され得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、プロジェクタシステム10は、3つの異なるイメージプレーン13を含む(例えば、3つの色チャネルの各々について1つのイメージプレーン)。例えば、プロジェクタシステム10は、赤色の色チャネルに対応する第1イメージプレーン13、緑色の色チャネルに対応する第2イメージプレーン13、及び、青色の色チャネルに対応する第3イメージプレーン13を含み得る。ディフューザ13Aは、3つのイメージプレーン13の各々に、又は、その近くに配置され得る。そのようなプロジェクタシステム10はまた、イメージプレーン13とプロジェクタイメージャ19との間に追加の光学リレーを含み得る。追加の光学リレーは、(例えば、ダイクロイックミラーを使用して)3つのイメージプレーン13からのビームを組み合わせ得る。ディフューザ13Aは任意選択的に、追加の光学リレーの平面に、又は、その近くに提供される。
【0095】
いくつかの実施形態において、ディフューザ13Aは、回転対称である(すなわち、すべての方向に均等に光を散乱する)。いくつかの他の実施形態において、ディフューザ13Aは非対称であり、いくつかの方向において、他の方向より強く光を散乱する。
【0096】
ディフューザ13Aは、任意の特定の角度で、光の最大放射輝度を制限することによって、安全性を強化し得る。
【0097】
特に、フットプリント24が、角度空間の原点の近くに緊密に充填される場合、光を散乱するためにディフューザ13Aを選択することによって、受光角の境界まで角度空間を満たすことを最適化できる。そのような最適化により、以下のような品質要素を改善し得る。
・光学システム17における非対称の入射瞳(例えば、D形状の入射瞳)に対応する。角度フットプリントがよく混合され、集中される場合、1つの角度フットプリント24を他より減らす(clipping)することを回避することが可能となる。
・ディフューザ13Aが、レーザスペックルを低減し得る(ビーム12がコヒーレント光を含むとき、例えば、光源14が狭いバンドのレーザ照明を提供する場合)。
・投影デバイスの光路における光学コンポーネントの角度依存性に起因する色変位を回避する。
【0098】
いくつかの実施形態において、ディフューザ13Aは非対称ディフューザである。例えば、そのような非対称ディフューザは、角度フットプリントが組み合わされる軸に沿って、より少なく光を散乱し得る一方、角度フットプリントが組み合わされる軸に直角な軸に沿って、より多く光を散乱する。
【0099】
図3A及び3Bはそれぞれ、2及び4のビーム12のケースについての角度空間におけるフットプリント24の例示的な構成を図示する。図3Aにおいて、フットプリント24A及び24Bは、角度空間における原点のいずれかの側に離れて配置される。ディフューザ13Aが存在する場合、イメージプレーン13における入射光の角度広がりが増加し、結果として、それぞれフットプリント24A及び24Bに対応する、拡大された有効フットプリント25A及び25Bがもたらされる。有効フットプリント25A及び25Bは領域26と重複する。
【0100】
図3Bにおいて、フットプリント24-1から24-4は、角度空間における原点の近くに密集している。ディフューザ13Aが存在する場合、イメージプレーン13における入射光の角度広がりが増加し、結果として、フットプリント24-1から24-4にそれぞれ対応する有効フットプリント25-1から25-4の拡大をもたらす。有効フットプリント25-1から25-4は領域26において重複する。
【0101】
図3A及び3Bは、ディフューザ13Aの存在により角度空間のカバレッジが増加し得ることを図示する。より大きい範囲の角度で光を散乱するディフューザ13Aを選択することによって、有効フットプリント25間の重複26が増加され得、受光角内(すなわち、円23内)の利用可能な角度空間の量が増加される。しかしながら、ディフューザ13Aが、光を散乱する角度が大き過ぎる場合、及び/又は、フットプリント24が円23から近過ぎる場所に配置される場合、ビーム12からの著しい量の光が、受光角の外側の角度で散乱され得る(その角度では、光を有効に利用できない)。
【0102】
図3Cから3Hは、小さい角度αで収束するようにビーム12を構成する、及び、角度空間における原点の近くにフットプリント24を提供することの1つの利点を図示する。図3C図3D及び図3Eにおいて、フットプリント24A及び24Bの中心は、それぞれ角度α0、α1、及びα2だけ分離され、α0<α1<α2である。この結果、フットプリント24の最大角度(もっとも外側)部分が、対応する角度d0、d1、及びd2だけ円23から分離され、d0>d1>d2である。
【0103】
円23に対するフットプリント24の近接性は、受光角の外側(円23の外側)である角度にいくつかの光を広げることによって光を浪費することなく、より広い範囲の角度でビーム12の光を広げるためにディフューザを提供することによって受光角(円23内の角度空間)が満たされ得る程度を制限する。
【0104】
図3Fは、フットプリント24が角度空間内の原点に近いとき、円23の外側の光の漏洩無しで、円23内の角度空間のほとんどを満たす有効フットプリント25A及び25Bを取得するために、比較的広い角度で光を広げるディフューザを適用することが可能であることを示す。光の広がりはまた、有効フットプリント25A及び25Bの間の大きい面積の重複26をもたらす。
【0105】
図3Gは、フットプリント24が角度空間における原点から離れるように動くとき、円23の外側の光の漏洩無しでディフューザが提供できる散乱の広がりの最大角度が低減されることを示す。図3Gにおいて、有効フットプリント25A及び25Bはなお、円23内の角度空間のほとんどを満たすが、図3Fほど完全でない。有効フットプリント25A及び25Bの間のエリアの重複26の面積も、図3Fに比べて低減される。
【0106】
図3Hは、フットプリント24が角度空間の原点からなお更に遠いとき、円23の外側の光の漏洩無しでディフューザが提供できる散乱の最大角度が低減され、それにより更に、有効フットプリント25A及び25Bがもはや重複せず、また、有効フットプリント25A及び25Bが、円23内のエリアの比較的小さい部分を占めるまでになることを示す。
【0107】
フットプリント24間の角度空間における重複を増加させることにより、有利なことに、増加した数の視野角から、異なるSLM15からの光の組み合わせを見る可能性が増加する。典型的には、フットプリント24間の角度空間における重複を増加させることにより、スペックルの低減を追加的に支援する。光学システム(例えば光学システム17)が非対称アパーチャを含む場合、1又は複数のSLM15からの光が、1又は複数の他のSLM15と比べてより多く、不釣り合いにカットされる。
【0108】
いくつかの実施形態において、本明細書に説明されるシステムは、光ビーム12が(例えば、図1に示されるように)角度αでイメージプレーン13上で収束する一方で、SLM15及び/又は光源14が、イメージプレーン13上で収束する光ビーム12の一部と整合されないように、光ビーム12を曲げる(fold)光学素子を含む。そのような構造の例を図4に図示する。
【0109】
図4は、光変調器15A及び15Bによって変調される光が方向転換(redirect)され、角度αでイメージプレーン13に向かって収束するビーム12A及び12Bを形成するシステムを示す。光を方向転換するための1又は複数の光学素子が提供され得る。図示される実施形態において、方向転換は、プリズム30によって提供される。光学システム17の観点から、光変調器15A及び15Bは、それぞれ、場所15A'及び15B'にあるように見える。
【0110】
図4の構成は、有利なことに、SLM15の位置の柔軟性を可能にし、異なるビーム12間のより小さい角度αを容易にし得る。SLMの実際のサイズは多くの場合、SLMのアクティブエリアより大きい。図4は、SLM15A及び15Bのパッケージング37がアクティブエリア38の外側に延在していても、アクティブエリアが互いのすぐ隣にあるように見えるように、見かけの位置15A'及び15B'が配置され得ることを示す。
【0111】
ビーム12の光が、1又は複数の光源14によって提供される。いくつかの実施形態において、1つの光源14が、複数のビーム12の光を提供する。いくつかの実施形態において、各ビーム12の光は別個の光源14によって提供される。光源14は、幅広いタイプのいずれかであり得る。光源14は、所望の光学パワー出力、所望の波長若しくはスペクトル構成、所望の偏光状態などの技術的要素(及び、費用、耐久性、サイズ、パワー要件、動作温度範囲などの要素)に基づいて選択され得る。
【0112】
いくつかの実施形態において、光源14はレーザを含む。いくつかの実施形態において、光源14は、半導体レーザ、レーザダイオード、発光ダイオードなどのソリッドステート発光器を含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、光源14が無偏光光を放射することが望ましい。無偏光光は例えば、直角偏光を有する2つのレーザからの光を組み合わせることによって、又は、レーザ光を偏光解消する光ファイバなどの光学素子にレーザからの光を通過させることによって取得され得る。
【0114】
典型的な適用において、光源14からの光はよくコリメートされていることが望ましい。コリメーションの望ましい程度は、例えば、コリメートされた光を放射する好適なレーザなどの光源を使用することによって、又は、コリメート光学系を提供することによって達成され得る。
【0115】
光源14からの光は、変調のためにSLM15に指向される。SLM15が反射タイプのSLM(例えば、LCoSデバイス)である場合、光源14からの光は、光が変調されて鏡面反射されるSLM15のアクティブエリア上に指向される。反射された変調光は次に、イメージプレーン13に進むビーム12として提供され、そこで、本明細書において説明される他のビーム12からの光と組み合わされる。
【0116】
好ましい実施形態において、光源14は、
・光が入射する特定のSLM15が最適化されている波長帯域に対応する狭い波長帯域において光を生成し;
・高度にコリメートされた光を生成し(例えば、イメージプレーン13上のイメージのシャープネスを増加させ得る);
特定のSLM15に対応する方式で光を偏光し(例えば、単一偏光、分離偏光など);及び/又は、
・角度及び空間的ドメインの両方において均一である光を生成する(非均一性は、結果として、SLM15の非最適な照明、システムの点広がり機能の空間的依存性などをもたらし得る)。
【0117】
図5Aは、各SLM15のアクティブエリアを照明するためにイメージプレーン13の反対側から光が指向される単純な実施形態を示す(例えば、ビーム45AはSLM15Aを照明し、ビーム45BはSLM15Bを照明する)。SLM15によって反射された後、光は、イメージプレーン13に向かって収束するビーム12(例えば、ビーム12A及び12B)において指向される。実際には、図5Aにおいて図示される構成は、光学及び機械的制約に起因して不都合であり得る。
【0118】
図5Bは、ビーム12を発生させるためにSLM15のアクティブエリアを照明する方式の一例である光学構成50を示す。光学構成50は、コンポーネントの位置決めを容易にする3次元に曲げられた光路を提供する。光学構成50はまた、単一光源14がどのように2つのSLMのアクティブエリアを照明し得るかを図示する。光学構成50はまた、どのようにして、複数のSLMに指向される光が同一の偏光を有し得るようにするかを図示する。
【0119】
この例において、光源14は、無偏光光のコリメートされたビームを放射する。光は偏光ビームスプリッタ51へ通過する。1つの偏光を有する光の部分(通常は光の半分)が、偏光ビームスプリッタ51を通過してミラー52に進む。光の残りは、偏光ビームスプリッタ51によって反射される。この結果、SLM15A及び15Bのアクティブエリアをそれぞれ照明するために光を方向転換するプリズム55に向かって指向される2つの光のビーム(53A、53B)がもたらされる。光は、イメージプレーン13に向かって角度αで収束するビーム12A及び12Bをそれぞれ提供するSLM15A及び15Bによって反射される。
【0120】
ビーム53A、53Bの偏光状態が同一であるように、構成50が構築され得る。これは、ビーム53A、53Bの一方の偏光状態を、ビーム53A、53Bの他方の偏光状態と一致するように変更する光学素子54(例えば、波長板)を提供することによって達成され得る。いくつかの実施形態において、光学素子54(又は複数の光学素子54)は、ビーム53A、53Bの両方の偏光状態を変更する。例えば、ビーム53A、53Bの一方の偏光方向は、90度回転され得、又は、ビーム53A、53Bの両方の偏光方向は、45度回転され得る。
【0121】
光学構成50において、ビーム53A及び53B(概して、まとめてビーム53)は、ビーム12に対して曲げられる。ビーム53は、ビーム12との間に角度βを形成する。βは例えば約20度であり得る。βは、ビーム53及びビーム12が短い距離のみ重複するように選択され得る。この構造は、イメージプレーン13への比較的妨げられないアクセス、及び、光源14との容易な結合を容易にし得る。図示される光学構成50において、ビーム53A及び53Bは互いに交差しない。
【0122】
図5Cは、別の例示的な光学構成55の平面図である。光学構成50のように、光学構成55は、3次元曲げで形成された光路を提供する。光学構成55において、光源14A及び14Bからの照明ビーム56A及び56B(概して、まとめてビーム56)はそれぞれ、対応するSLM15A及び15Bにビーム56を方向転換するプリズム57に到達する前に、角度αで互いに交差する。ビーム56は場所58で交差する。
【0123】
図5Dは光学構成55の概略的側立面図である。図5Dにおいて概略的に示されるように、光源14からのビーム56における光は、プリズム57に対して角度を有し、ビーム12は、角度をつけてプリズム57から出てイメージプレーン13で収束する。いくつかの実施形態において、イメージプレーン13は、ビーム56が交差する場所58のすぐ下にある。光学構成55は、角度αで収束するようにビーム12を指向するためにSLM15の傾斜を利用しない。
【0124】
光学構成55において、角度αはビーム56の向きによって定義される。光は、少なくとも1つの平面において、SLM15に垂直に入射し得る。したがって、光学構成55は、低減された平行四辺形歪み(parallelogram distortion)(すなわち、SLMパネルの平面に垂直でない方向からSLM15が照明される結果の歪み)を提供し得る。
【0125】
上で説明されたように、照明SLM15へ届けられた光は、イメージプレーン13へ届けられた光ビーム12に対して、曲げ角度βで曲げられ得る。曲げ角度βは、ビーム12が収束する角度αと異なる平面にあり得る。角度βの曲げは、ビーム12がイメージプレーン13上で収束する場所が、光をSLM15へ届けられる光ビーム(例えば、ビーム53又は56)から物理的に分離されることを容易にし得る。
【0126】
小さい曲げ角度βは、ビーム12に沿った比較的大きい距離をもたらし、ビーム12がイメージプレーン13上で収束する場所と、光をSLM15に届けるビームの平面との間の所望の分離距離を達成する。いくつかの実施形態において、曲げ角度βは、比較的大きいように選択される(例えば、少なくとも9度、又は、少なくとも12度、又は、少なくとも15度、又は、少なくとも18度)。いくつかの実施形態において、角度βは約20°である。
【0127】
しかしながら、図6Bに示されるように、曲げ角度βを大きくする結果、(SLM15のアクティブエリアに垂直なベクトルに対して)比較的大きい入射角で光がSLM15上に指向され得る。これは、ビット深度の損失、イメージ圧縮、平行四辺形歪み、画素クロストーク、偏光整合の課題、及び/又は、SLMパネル寿命の低減などの課題をもたらし得る。
【0128】
図6Aは、内部全反射(TIR)プリズムセット62を含む光学構成60を示す。TIRプリズムセット62は、部分62A及び62Bより低い屈折率を有する材料(例えば、空気)の小さい間隙62Cによって分離された第1部分62A及び第2部分62Bを含む。第1及び第2プリズム部分62A及び62Bは例えば、ガラス、溶融石英、又は、他の光学材料からできていることがあり得る。
【0129】
入射光ビーム61は、第1部分62Aの面63におけるTIRプリズムセット62に入り得る。第1部分62Aは、ビーム61をずらし、角度を変更する。光がTIRプリズムセット62から出てSLM15に届けられる前に、光は、第1部分62Aの界面で内部全反射される。
【0130】
SLM15から反射した光は、面64においてTIRプリズムセット62に入る。戻る光は、間隙62Cにおいて内部全反射されず、間隙62Cを通って進み得る。間隙62Cを越える光の移動は、間隙62Cとの部分62A及び62Bの界面上に抗反射(AR)コーティングを提供することによって強化され得る。SLM15によって変調された光はTIRプリズムセット62を通過して第2部分62Bの面65から出る。
【0131】
いくつかの実施形態において、SLM15は、TIRプリズムセット62の第1部分62Aに直接搭載される。
【0132】
TIRプリズムセット62の形状は、外に出るビーム12を、入射ビーム61に対して角度βで方向付け得る(例えば、ビーム61が位置15'でSLMによって反射されたかのように見え得る)。しかしながら、光がSLM15に入射してSLM15によって反射される角度(図6Aにおける角度β')の差は、βより遥かに小さくされ得、それにより、上述の課題の少なくともいくつかを低減又は緩和する。
【0133】
例示的な実施形態において、β'はβの50%未満である。例えば、いくつかの実施形態において、βは約20度であり、β'は約8度である。
【0134】
TIRプリズムセットは、本明細書において説明される他の光学構成と併せて使用され得る。複数のSLM15によって変調される複数の光ビームを誘導するために同一のTIRプリズムセットが使用され得る。プリズム(例えばプリズム30)を使用することによって、又は、本明細書において説明される任意の他の方式で、SLMを同一平面において並べて、又は、アレイ状に配置することによって、追加のSLMが含まれ得る。
【0135】
図7Aは、TIRプリズムセット62、及び、SLM15A及び15Bの対を含む光学構成70を示す。照明光ビーム61A及び61B(本明細書の他の箇所において説明されるように、又は、任意の他の方式で提供され得る)は第1部分62Aを通って進む。
【0136】
SLM15A及び15Bと相互作用するビーム12は、TIRプリズムセット62に戻り、光ビーム61に対して角度βでTIRプリズムセット62を出る。
【0137】
光学組立体70において、照明光ビーム61A及び61Bは、角度αだけ収束するような角度で方向付けられ得る。そのような実施形態において、ビーム61A及び61B照明は、2つの角度α及びβ'によって決定される方向でSLM15に到達する。例えば、αは、約5度であり得、β'は、約8度であり得る。
【0138】
SLM15からの上流のビーム61が角度αで収束することを必要とすることなく、ビーム12に相対角度αで収束させる光学素子を追加することが可能である。例えば、ビーム12が角度αで収束するように、TIRプリズムセット62の面65が形成され得る。これは例えば、面65を凹状の二面角として形成することによって行われ得る。
【0139】
TIRプリズムセット62の面63は、入射ビーム61A及び61Bの相対角度を調整するために形成され得る。例えば、ビーム61A及び61Bが面63に到達したときに収束する場合、面63は、ビーム61の各々を受ける角度が付いたファセット(facet)を有し、平行となるように、又は、別の所望の角度関係を有するように、ビーム61を調整し得る。ファセットは面63を凸状にし得る。いくつかの実施形態において、ファセットは面63を凹状にする。
【0140】
図7Bは、TIRプリズムセット62の面63が、二面角だけ互いに対して角度を付けた2つのファセット63A及び63Bを含む例示的な光学構成72を示す。ビーム61Aは、ファセット63Aで面63に入り、ビーム63Bは、ファセット63Bにおいて面63に入る。ファセット63A及び63Bにおけるビーム61A及び61Bの屈折はそれぞれ、ビーム61A及び61Bの収束を低減又は除去し得、及び/又は、ビーム61A及び61Bが、ビーム61A及び61Bの平面において垂直方向でSLM15A及び15Bに遭遇するようにする。
【0141】
光学組立体72において、TIRプリズムセット62の面65はファセット65A及び65Bを有する。ファセット65A及び65Bは、互いに対して角度を付けている。ビーム12Aは、ファセット65Aから出て、ビーム12Bは、ファセット65Bから出る。所望の角度αで収束するようビーム12A及び12Bを調整するために、ファセット65A及び65Bは、角度を付けられ得る。例えば、面65が凸状であり、ファセット65A及び65Bにおけるビーム12A及び12Bの屈折によりビーム12A及び12Bがより収束するように、ファセット65A及び65Bは、角度を付けられ得る。いくつかの実施形態において、ビーム12A及び12Bは、TIRプリズムセット62内において平行である。
【0142】
TIRプリズムセット62は、2以上のSLM15がTIRプリズムセット62上に直接搭載されるように設計され得る。例えば、SLM15は、TIRプリズムセット62の面64上で、並べて、又は、アレイ状に配置され得る。いくつかの実施形態において、本明細書の他の箇所において説明されるプリズム30のように機能するプリズムは、TIRプリズムセット62と統合される。そのような構築により、いくつかの空気/ガラス界面を除去することによって、損失を低減し得る。また、固定された、又は、TIRプリズムセット62と統合されたプリズム30を提供することにより、別個の部分より高い信頼性で整合を維持し得る。
【0143】
図7Cは例示的な光学構成73を示す。光学構成73は、光学構成73がプリズム30を含むことを除き、図7Bに示す光学構成72と同一である。
【0144】
図8A及び図8Bは、複数のSLM15をサポートするTIRプリズムセット62を含む例示的な光学構成80の上面図及び側立面図である。SLM15は、TIRプリズムセット62の面と直接接触し得る。図示される実施形態において、TIRプリズムセット62の面64は、一体型のプリズム82A及び82Bを含むように延長される。プリズム82A及び82Bの後面は、TIRプリズムセット62の軸に対して、45度である。SLM15A及び15Bは、それぞれ、統合されたプリズム82A及び82Bの側面に搭載される。
【0145】
限定されないが、本明細書において説明される装置に適用され得るいくつかの例示的な寸法は、以下を含み得る。
・SLM15は、約15.5×8mmのパネル寸法を有し得る;及び/又は、
・SLMパネル15からイメージプレーン13までの距離は、約150mmであり得る;及び/又は、
・投影光学システム17のf値は、約6.4°の角度空間における半径に対応する約F/4.5であり得る;及び/又は、
・フットプリント24は、約1.6°×0.85°の角度空間において半分の角度に及び得る;及び/又は、
・ダブル角度フットプリントが、約1.6°×2.1°(0.85+0.85+0.4)の角度空間において、半分の角度に及び得る;及び/又は、
ディフューザ13Aは、約4°の半分の角度を有する円錐状に光を散乱し得る;及び/又は、
ビーム12を収束するための半分の角度は、約2.50°であり得る(角度αが約5°であることに対応する)。
【0146】
いくつかの実施形態において、本明細書において説明される実施形態のいずれかによる装置は、イメージャにおいて、又は、その上流において、ハイライトビームをベース光ビームと組み合わせる。ベース光ビームは、本明細書において(例えば、図4から8Bのいずれかにおいて)説明される同一の角度が付いた形状を使用してハイライトビームと組み合わされ得る。ベース光ビームはイメージャを均一に照明し得る。この組み合わせを容易にするべく、ベース光ビームは、それが組み合わされる変調光ビームと同等のエタンデュを有し得る。好ましい実施形態において、ベース光ビーム及び変調光ビームのエタンデュ(又は、角度空間における面積)は、同一又は同様(例えば10%以下の差)である。
【0147】
図9は、ベース光ビーム92が、イメージャ94において変調光ビーム96と組み合わされる例示的な実施形態による装置90を示す。この例において、ベース光ビーム92は、光源95からの光から構成されている。ベース光ビーム92は、イメージャ94の均一な照明を提供するために均一化及びコリメートされ得る。いくつかの実施形態において、ベース光ビーム92が従う光路は、イメージャ94上に固定のフルスクリーンパターンを作る「凍結相格子」として作用するホログラフィックディフューザ98を含む。いくつかの実施形態において、ベース光ビーム92は、高度にコリメートされた光源を用いてホログラフィックディフューザ98を照明することによって形成される。いくつかの実施形態において、ベース光ビーム92は白色光を含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、ベース光ビームが通る光路は、変調光ビームが通る光路と同一の構成(光源が高度にコリメートされていることを含む)を有するが、ベース光ビーム92が固定の光パターン(例えば、均一の光パターン)で標的(例えばイメージプレーン13)を照明するように、ベース光ビームの光路におけるSLM(例えばSPM)が、「凍結相格子」を示す位相パターンで構成されていることを除く。いくつかの実施形態において、そのようなSLMは、「凍結相格子」として作用するホログラフィックディフューザ(例えば、ホログラフィックディフューザ98)と置き換えられる。そのような実施形態において、光源は例えば、出力光のすべてを、400×240μm及びNA0.2のオーダーの寸法のファイバ内に配置できる光源であり得る。
【0149】
いくつかの実施形態において、ベース光ビームは、別個の(レーザ)光源からの光を均一化することによって、例えば、光を長方形カットの光ファイバに通過させ、次に、長方形カットの拡大イメージを標的イメージ13上に投影することによって実現される。コリメートされた光源は、例えば、その出力光のすべてを、2×1.2mm及びNA0.2のオーダーの寸法のファイバ内に配置できる光源であり得る。
【0150】
いくつかの実施形態において、SLM15は、望ましくない光をイメージプレーン又はイメージ(例えば、イメージプレーン13)から離れるように指向するように(例えば、適切な位相パターンを適用することによって)制御され得る。例えば、SLM15は、望ましくない光を吸収できるアパーチャ又は複数のアパーチャ上に望ましくない光を指向するよう制御され得る。これにより、有利なことに、イメージの高品質の黒色領域を形成できる。いくつかの実施形態において、望ましくない光は、冷却されたアパーチャ上に指向される。
【0151】
いくつかの実施形態において、光ビームは、以下の条件を満たすように、互いに、及び、SLM15に対して整合される。
・各SLM15から反射された未変調光は、イメージプレーン又はイメージャ上に1つの均一な照明を形成する;及び、
・各SLM15上に形成されるパターンは、共に照合され、1つの整合されたパターンを形成する。
いくつかのケースにおいて、両方の条件が満たされる前に、2つの条件の間の反復が必要である。
【0152】
いくつかの実施形態において、未変調の光のビーム間のミスマッチは、補正位相パターンを1又は複数のSLM15に適用することによって補償される。追加的又は代替的に、補正位相パターンを特定のSLM15に適用することにより、特定のSLM15に存在する性能欠陥を補償し得る。
【0153】
いくつかの実施形態において、本明細書において説明される装置のコンポーネント(例えば、光源14、SLM15、光学素子16など)の位置及び/又は向きは、動的に調整され、所望されるようにコンポーネントを整合又は再整合する。例えば、コンポーネントは、結合されたコンポーネントの位置又は向きを変化させることができる、ジンバル、移動可能な搭載機構など、自動調整サポートに結合され得る。
【0154】
いくつかの実施形態において、本明細書において説明される実施形態のいずれかによる複数の装置は各々、複数の異なる対応する色(例えば、赤色、緑色、又は青色)の対応する1つの変調光を生成するように適用される。異なる色の変調光が組み合わされ、所望される色の色域を有する全色イメージを生じさせ得る。任意の好適な技術が、異なる色の変調光を組み合わせるために使用され得る。
【0155】
本発明は、以下の列挙された例示的な実施形態を含むが、これらに限定されない。
(実施形態1)
光を放射するように動作する1又は複数の光源;
2以上の別個のコリメートされたビームにおいて、前記1又は複数の光源からの前記光を指向するよう構成される光学素子、前記ビームの各々は、前記イメージャの前記アクティブエリアを照明し、前記ビームは、10度を超えない鋭角で前記イメージプレーン上で収束し、
を備え、前記光学素子は、
前記ビームのうちの少なくとも1つの前記光を変調するように構成される空間光変調器
を含む、
投影システム。
(実施形態2)
前記イメージプレーンと一致する、又は、それと隣接するアクティブエリアを有するイメージャを含む、例示的な実施形態1、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の投影システム。
(実施形態3)
前記光ビームの各々は、前記イメージプレーンに到達するとき、前記イメージャのアスペクト比と一致するアスペクト比を有する、例示的な実施形態2、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載のプロジェクタシステム。
(実施形態4)
前記イメージプレーンと一致する、又は、隣接する入射瞳を有する光学システムを備える、例示的な実施形態1、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の投影システム。
(実施形態5)
前記イメージプレーンに配置される、又は、隣接する光学ディフューザを備える、例示的な実施形態1、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載のプロジェクタシステム。
(実施形態6)
前記光学素子はTIRプリズムセットを含み、前記ビームは、10度より大きい相対角度で前記TIRプリズムセットに入り、前記ビームは前記鋭角で前記プリズムを出る、例示的な実施形態1から5、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれかに記載の投影システム。
(実施形態7)
前記TIRプリズムセットは、凹状の二面角で形成され、前記ビームは、前記凹状の二面角のそれぞれのファセットで前記TIRプリズムセットに入る、例示的な実施形態6、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の投影システム。
(実施形態8)
プロジェクタシステムであって、前記システムは、
単色コリメート光の第1及び第2ビームを放射するように動作可能な1又は複数の光源、前記第1及び第2ビームは、同一、又は、10nm以下だけ異なる波長を有する;
光の前記第1ビームの光路において照明される第1空間光変調器(SLM);
光の前記第2ビームの光路において配置される第2SLM;
を備え、
光の前記第1及び第2ビームは、プロジェクタイメージャと一致する、又は、その上にイメージングされるイメージプレーンにおいて重複する、
プロジェクタシステム。
(実施形態9)
記第1及び第2SLMは空間位相変調器を含む、例示的な実施形態8、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載のプロジェクタシステム。
(実施形態10)
前記イメージプレーン上の1又は複数のエリアから遠ざけて前記第1及び第2ビームのそれぞれにおける光を誘導するように、及び/又は、前記第1及び第2ビームのそれぞれからの光を、前記イメージプレーン上の1又は複数の選択されたハイライトエリアに集中させるように、前記第1及び第2空間位相変調器を制御するために接続されたコントローラを備える、例示的な実施形態9、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載のプロジェクタ。
(実施形態11)
前記コントローラは、誘導された前記光を前記イメージプレーン上に収束するために、前記第1及び前記第2空間位相変調器を制御するように構成されている、例示的な実施形態10、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載のプロジェクタ。
(実施形態12)
ハイライトを含むイメージを生成するための装置であって、前記装置は、
光の第1ビームの第1光路における第1空間光変調器(SLM);
光の第2ビームの第2光路における凍結相格子、ここで、前記第1及び第2光路は、イメージプレーンにおいて収束及び重複するように、光の前記第1及び第2ビームを運び;
前記第1ビームの前記光を、前記イメージプレーンにおけるハイライトエリアに向かって誘導するように前記第1空間光変調器を制御するように構成されているコントローラ
を備える装置。
(実施形態13)
前記凍結相格子は、前記第2ビームの前記光に、前記イメージプレーンにおける前記第1及び第2ビームの重複の前記エリアを均一に照明させるように構成されている、例示的な実施形態12、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態14)
前記イメージプレーンにおける、又は、それに隣接する入射瞳を有する光学システムを備え、前記光学システムは受光角を有し、前記イメージプレーンに入射する、前記第1及び第2ビームからの前記光は、前記受光角内にある、例示的な実施形態13、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態15)
前記光学システムは投影光学系及び投影イメージャを含み、前記イメージプレーンは、前記投影イメージャと一致する、又は、その上にイメージングされる、例示的な実施形態14、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態16)
位相変調器として動作可能な複数の空間光変調器(SLM)を備え、
前記SLMの各々は、光ビームによって照明され、前記SLMの各々は、それぞれの対応する光ビームを共通の標的イメージプレーンに誘導するように構成され;
前記共通の標的イメージプレーンに誘導される前記光は、前記光路におけるイメージャを照明する、
プロジェクタシステム。
(実施形態16)
前記対応する光ビームからの光を、前記イメージプレーン上の選択されたハイライト位置において集中させるために、前記SLMの各々を制御するように構成されているコントローラを備える、例示的な実施形態15、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載のプロジェクタシステム。
(実施形態17)
前記コントローラは、前記SLM間の差を補償する制御信号を用いて前記SLMの各々を制御するように構成されている、例示的な実施形態16、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載のプロジェクタシステム。
(実施形態18)
前記コントローラは、前記光ビームの各々についての前記ハイライト位置を前記イメージプレーン上で一致させるように構成されている、例示的な実施形態16又は17、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載のプロジェクタシステム。
(実施形態19)
前記コントローラは、前記光ビームの1つについての前記ハイライト位置のうちの少なくとも1つが、前記光ビームの1又は複数の他のものについての前記ハイライト位置のいずれかと前記イメージプレーン上で一致しないハイライト位置にあるようにするように構成されている、例示的な実施形態16又は17、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載のプロジェクタシステム。
(実施形態20)
前記共通の標的イメージプレーンにおける前記第1及び第2ビームの入射角は、前記イメージャを含む光学システムの受光角の角度空間における境界より小さい、例示的な実施形態16から19、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれかに記載の装置。
(実施形態21)
角度空間における前記第1及び第2ビームのフットプリントは、前記受光角の前記境界内にある、例示的な実施形態20、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態22)
前記イメージプレーン上の前記第1及び第2ビームの入射方向と、前記イメージプレーンの法線との間の角度は、前記イメージャの前記受光角の前記境界に対応する前記角度の1/2以下である、例示的な実施形態20、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態23)
前記イメージプレーン上の前記第1及び第2ビームの入射方向と、前記イメージプレーンの法線との間の角度は、前記イメージャの前記受光角の前記境界に対応する前記角度の1/3以下である、例示的な実施形態20、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態24)
組み合わされた前記光のビームの前記角度広がりを増加させる、前記イメージプレーンと、前記イメージャとの間の前記光路における少なくとも1つのディフューザを備える、例示的な実施形態1又は3から6、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態25)
前記光のビームは変調されて、前記イメージプレーンの別の領域を照明する光の強度より大きい強度を有する光を用いて、前記イメージプレーンの少なくとも1つの領域を照明する、例示的な実施形態1、8、12、16、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態26)
前記複数の光ビームは、実質的に同一の波長範囲及び同一の偏光を有する、例示的な実施形態1から25、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態27)
前記複数の光ビームにおける前記光は、複数の対応する光源によって生成される、例示的な実施形態1から26、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態28)
前記光源はレーザ光源を含む、例示的な実施形態27、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態29)
前記光ビームの各々は、対応する単色SLMによって空間的に変調される、例示的な実施形態1から28、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態30)
前記SLMは、前記光のビームを変調してプロジェクタイメージャを動的に照明するように構成されている、例示的な実施形態1から29、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれかに記載の装置。
(実施形態31)
前記複数の光のビームは変調され、次に、組み合わされて、前記イメージャの活性面において強度が変化する光を用いて前記イメージャを照明する、例示的な実施形態1から30、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態32)
前記光のビームに適用される前記変調は、前記イメージャが表示するように制御されるイメージと一致するように制御される、例示的な実施形態1から31、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態33)
前記イメージはビデオシーケンスのフレームについてのイメージである、例示的な実施形態32、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態34)
前記イメージは、ビデオシーケンスのフレームについての1つの色チャネルについてのイメージである、例示的な実施形態33、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態35)
前記イメージャは、ビデオフレームを含むイメージデータを処理するように制御され、前記ビームに適用される前記変調は、前記異なるフレームについて変化する、例示的な実施形態31から34、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態36)
組み合わされる前記光のビームは、無偏光の光を含む、例示的な実施形態1から35、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態37)
組み合わされた前記光のビームは、空間及び/又は時間において変化する偏光を有する光を含む、例示的な実施形態1から35、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態38)
組み合わされた前記光のビームは、固定偏光を有する光を含む、例示的な実施形態1から35、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態39)
組み合わされた前記ビームに含まれる光は、
単色であり;
18nm以下、又は12nm以下、又は5nm以下、又は3nm以下の帯域幅を有し;
前記異なるビームについて、同一の波長を有し、及び/又は、
5nm、又は10nm、又は15nm以下だけ他のビームと異なる波長を有する、
例示的な実施形態1から38、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態40)
組み合わされた前記光のビームは、コヒーレントな光を含む、例示的な実施形態1から39、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態41)
組み合わされた前記光のビームは、相対角度αで、前記イメージプレーン上で収束する、例示的な実施形態1から40、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態42)
αは小さい角度である、例示的な実施形態41、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態43)
αは約10度以下である、例示的な実施形態41又は42、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態44)
αは約5度以下である、例示的な実施形態41又は42、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態45)
前記光のビームの各々は、前記イメージプレーンがその一部である光学システムの前記受光角の境界内にある角度で前記イメージプレーンに到達する、例示的な実施形態1から44、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態46)
前記光のビームの各々は、1又は複数の光学素子の対応するセットを通過する、例示的な実施形態1から45、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態47)
前記光学素子は、1又は複数のレンズ、ミラー、プリズム、フィルタ、及び自由空間を含む、例示的な実施形態46、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態48)
前記光のビームは、同一の偏光及び波長範囲を有する光を含む、例示的な実施形態1から47、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態49)
前記光のビームはすべて、前記イメージプレーン上の同一エリアを照明する、例示的な実施形態1から48、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態50)
前記光ビームの各々の前記光は、同一のパターンで変調され、前記イメージプレーンにおいて、前記光ビームは、互いに位置合わせされ、その結果、前記イメージプレーンにおいて形成された前記イメージの各部分において、前記光ビームの各々における前記パターンの同一の部分は、互いに重複及び補強する、例示的な実施形態1から49、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態51)
前記イメージプレーンにおける前記イメージは、動的照明を光学システムに提供する、例示的な実施形態1から50、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態52)
前記光学システムはプロジェクタイメージャを含む、例示的な実施形態51、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態53)
各SLMは、同一の変調をその対応する光のビームに適用するように制御される、例示的な実施形態1から52、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態54)
各SLMによって適用される前記変調は、少なくとも部分的に、前記装置によって表示されるイメージを定義するイメージデータから決定される、例示的な実施形態1から53、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態55)
前記イメージャは、前記イメージプレーンに非常に近い位置にあり、又は、前記イメージプレーンと一致する、例示的な実施形態1から54、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態56)
前記イメージャは前記イメージプレーンから離れている、例示的な実施形態1から55、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態57)
前記イメージャと前記イメージプレーンとの間に位置する光学システムを備え、前記光学システムは、前記イメージプレーンから前記イメージャに光を指向するように動作可能である1又は複数の光学素子のセットを含む、例示的な実施形態56、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態58)
前記イメージャ上の前記入射光は、前記イメージャによって更に変調され、投影レンズによって投影される、例示的な実施形態57、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態59)
前記光ビームは、前記イメージプレーンにおける特定のサイズ及び形状の領域を照明する形状である、例示的な実施形態1から58、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態60)
前記光ビームは、前記イメージャのアスペクト比と一致するアスペクト比を有する、例示的な実施形態59、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態61)
前記光ビームは、16:9のアスペクト比(幅:高さ)を有する、例示的な実施形態60、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態62)
2つの光ビームを備える、例示的な実施形態1から61、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態63)
2より多くの光ビームを備える、例示的な実施形態1から61、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態64)
前記光ビームの前記組み合わせは、角度の組み合わせ(エタンデュ)を介して行われる、例示的な実施形態1から63、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態65)
各SLMの角度空間におけるフットプリントは、前記対応する光学システムの前記受光角の前記境界内にある、例示的な実施形態1から64、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態66)
前記ビームのすべては、同一の角度αで組み合わされる、例示的な実施形態1から65、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態67)
前記ビームの少なくとも2つが、異なる角度αで組み合わされる、例示的な実施形態1から65、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態68)
前記ビームの間の前記角度は、ハードウェアの物理的な制限に対応し、及び/又は、所望のイメージ品質を容易にするように選択される、例示的な実施形態1から67、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態69)
前記組み合わせ角度αは最小化される、例示的な実施形態1から68、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態70)
前記イメージプレーンにおける光学ディフューザを備える、例示的な実施形態1から69、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態71)
前記ディフューザは、ある範囲の角度で前記ディフューザに入射する光を散乱する、例示的な実施形態70、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態72)
前記ディフューザの角度散乱特性は、前記角度空間におけるフットプリントからの光が混合され、前記角度空間はよりほぼ満たされ、前記受光角の前記境界の外側に属する光が最低限である、例示的な実施形態70又は71、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態73)
前記ディフューザは回転対称である、例示的な実施形態70から72、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態74)
前記ディフューザは非対称であり、いくつかの方向において、他の方向より強く光を散乱する、例示的な実施形態70から73、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態75)
前記角度空間を前記受光角の前記境界まで満たすことは、前記ディフューザの特性を変化させることによって最適化される、例示的な実施形態70から74、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態76)
前記ディフューザはレーザスペックルを低減する、例示的な実施形態70から75、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態77)
前記光ビームが角度αで前記イメージプレーン上で収束する一方で、前記SLM及び/又は光源は、前記イメージプレーン上で収束する前記光ビームの部分と整合しないように、前記光ビームを屈曲又は曲げるように構成される1又は複数の光学素子を備える、例示的な実施形態1から76のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態78)
前記光ビームを屈曲する、又は、曲げる前記1又は複数の光学素子のうちの少なくとも1つは、プリズムを含む、例示的な実施形態77、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態79)
前記ビームに光を提供するように動作可能な少なくとも1つの光源を備える、例示的な実施形態1から78、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態80)
1つの光源が複数のビームのための光を提供する、例示的な実施形態1から79、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態81)
各ビームのための光が別個の光源によって提供される、例示的な実施形態1から79、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態82)
前記1又は複数の光源はレーザを含む、例示的な実施形態79から81、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態83)
前記1又は複数の光源はソリッドステート発光器を含む、例示的な実施形態79から81、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態84)
前記ソリッドステート発光器は、レーザ、レーザダイオード、及び発光ダイオードの1又は複数から成る、例示的な実施形態83、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれかに記載の装置。
(実施形態85)
標的エリアを照明するための装置であって、
光を複数の空間光変調器に指向するよう構成される少なくとも1つの光源、前記空間光変調器は、変調光のビームを出力するように動作可能であり、前記変調光のビームは、収束角αで前記標的エリアに収束し、前記標的エリアにおいて重複するライトフィールドを形成するよう構成される、
を備える装置。
(実施形態86)
前記角度αは10度を超えない、例示的な実施形態85、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態87)
前記空間光変調器は空間位相変調器であり、前記装置は、制御信号を前記空間位相変調器に届けるために接続されたコントローラを含み、前記制御信号は、組み合わせて前記少なくとも1つの光源からの前記光を誘導して、前記標的エリア上のいくつかの場所において光を集中させる、及び/又は、前記標的エリア上のいくつかの場所から離れるように光を誘導する位相パターンを提供する前記空間位相変調器の画素について位相変位を設定する、例示的な実施形態86又は85、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態88)
前記コントローラは、前記光を前記標的エリアにおけるイメージプレーン上で収束するために、前記空間位相変調器の前記画素を制御するように構成されている、例示的な実施形態87、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態89)
前記コントローラは、前記複数の空間位相変調器の各々に同一の制御信号を適用するように構成される、例示的な実施形態85又は87、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態90)
前記標的エリアは、受光角を有する光学システムの入射瞳にあり、前記光ビームは、前記受光角内の前記標的エリアに収束する、例示的な実施形態85から89、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれかに記載の装置。
(実施形態91)
角度空間において、前記変調光のビームに対応するフットプリントは、前記角度空間の原点に向かって密集している、例示的な実施形態90又はここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態92)
前記標的エリアにおける、又は、その近くにある光学ディフューザ、ここで、前記光学ディフューザは、前記受光角内で前記変調光のビームからの光を散乱するように動作する、を備える、例示的な実施形態91、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態93)
前記ディフューザによって散乱された前記光は、角度空間において、前記受光角の前記境界内の総面積の少なくとも60%又は70%又は80%又は90%を占める、例示的な実施形態92又はここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態94)
前記ディフューザによって散乱された前記光により、前記異なるビームからの光が角度空間において重複する、例示的な実施形態92、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態95)
前記光ビームは各々コリメートされる、例示的な実施形態94、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態96)
前記少なくとも1つの光源からの前記光は、第1平面において入射光ビームを含み、前記出力ビームは第2平面にあり、前記第2平面は、前記第1平面に対して角度βだけ傾斜している、例示的な実施形態95、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態97)
前記角度βは、少なくとも10度、又は、少なくとも15度である、例示的な実施形態96、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態98)
高度にコリメートされた光源からの光ビームによって各々照明される複数の空間位相変調器;
光を共通の標的又はイメージプレーンに誘導して、より大きい光強度のエリア及びより小さい光強度のエリアを含む前記標的における対応するライトフィールドを提供するように、位相変位を適用するために前記位相変調器の各々を設定するように構成される制御システム
を備え、前記ライトフィールドは、前記標的において重複し、前記重複するライトフィールドにおける対応するエリアが重畳されるように位置合わせされる、
装置。
(実施形態99)
前記異なる位相変調器によって誘導される前記光の前記組み合わせは、前記異なる位相変調器からの光を指向して、前記標的エリア又はイメージプレーン上に鋭角αで収束させることによって実現される、例示的な実施形態98、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態100)
前記標的において前記組み合わされたライトフィールドによって照明されるように配置されるイメージャを備える、例示的な実施形態98又は99、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態101)
前記イメージャは空間振幅変調器を含む、例示的な実施形態100、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の装置。
(実施形態102)
前記共通の標的イメージに対する各位相変調器の前記光学軸間の角度は、前記イメージャを含む光学システムの前記受光角の最大境界の1/3より小さい、例示的な実施形態98から101、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置。
(実施形態103)
前記共通の標的と前記イメージャとの間の光路において提供される少なくとも1つの光学ディフューザを備える、例示的な実施形態98から102、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態のいずれかに記載の装置。
(実施形態104)
本明細書において説明されるTIRプリズムセットを備える、前述の例示的な実施形態のいずれかに記載の装置。
(実施形態105)
図1から9のいずれかに図示される装置。
(実施形態106)
投影されたイメージにおける高強度入ハイライトのための光を供給するための方法であって、
イメージプレーンにおけるハイライト位置へ光が誘導される複数の光ビームを組み合わせる段階、ここで、前記複数の光ビームは、1又は複数のイメージャの同一セットを照明し得る、
を備える方法。
(実施形態107)
前記投影されたイメージは、15000ルーメンのベースラインを少なくとも4000ルーメン超えるハイライトを有する、例示的な実施形態106、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の方法。
(実施形態108)
投影されたイメージにおける高強度入ハイライトのための光を供給するための方法であって、
イメージャにおいて、ここでの例示的な実施形態のいずれか一項に記載の装置を用いて生成された少なくとも1つの変調光ビームをベース光ビームと組み合わせる段階
を備える方法。
(実施形態109)
前記ベース光ビームの光路はホログラフィックディフューザを含む、例示的な実施形態108、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の方法。
(実施形態110)
前記ホログラフィックディフューザは凍結相格子として作用する、例示的な実施形態119、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の方法。
(実施形態111)
前記ベース光ビームの光路は、凍結相格子として構成されるSLMを含む、例示的な実施形態118、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の方法。
(実施形態112)
前記SLMはSPMである、例示的な実施形態111、又は、ここでの任意の他の例示的な実施形態に記載の方法。
(実施形態113)
任意の新規性及び進歩性の特徴、特徴の組み合わせ、又は、ここで説明される特徴の部分的組み合わせを備える装置。
(実施形態114)
任意の新規性及び進歩性の特徴、作用、段階及び/又は作用の組み合わせ、又は、ここで説明される段階及び/又は作用の部分的組み合わせを有する方法。
いくつかの用語の解釈
【0156】
文脈上他の解釈を明らかに要求していない限り、本明細書及び請求項の全体を通じて、「備え」、「備える」及び同様のものは、排他的又は網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で、つまり、「を含むがそれらに限定されない」という意味で解釈されるべきである。「接続され」、「結合され」又はそれらのあらゆる変形は、直接又は間接いずれであれ、2つ又はそれより多くの素子の間のあらゆる接続又は結合を意味し、当該素子間の結合又は接続は、物理的、論理的又はそれらの組み合わせであり得る。「本明細書に」、「上記」、「以下」及び類似の趣旨の語は、本明細書を説明するために用いられている場合、本明細書全体を指すものとし、本明細書のいかなる特定の部分も指さないものとする。2つ又はそれより多くの項目のリストを参照する際、「又は」は、この語の以下の解釈、つまり、当該リストにおける当該項目のいずれか、当該リストにおける当該項目の全て、及び当該リストにおける当該項目のあらゆる組み合わせの全てを包含する。「1つ」、「一」及び「その」という単数形は、あらゆる適切な複数形の意味も含む。「約」は、数値を参照するとき、文脈上別段の定めが無い限り、述べられた数値の±10%以内の値を意味する。
【0157】
本明細書及び任意の添付の請求項で使用されている「垂直」、「横断方向」、「水平」、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「内向き」、「外向き」、「左」、「右」、「前」、「後」、「上部」、「下部」、「下」、「上」及び「~の下」などといった方向を示す語(存在する場合)は、記載及び図示されている装置の特定の配向に依存する。本明細書に記載の主題は、様々な代替的な配向を取ってよい。したがって、これらの方向に関する用語は、厳密に定義されるものではなく、狭義に解釈されるべきではない。
【0158】
制御システム(例えば、SLM、SAM、又はSPMを制御する)は、具体的に設計されたハードウェア、構成可能なハードウェア、データプロセッサに対して実行可能な(任意で「ファームウェア」を含み得る)ソフトウェアの提供により構成されるプログラマブルデータプロセッサ、本明細書において詳細で説明されている方法における1又は複数の工程を実行するよう具体的にプログラミングされ、構成され、又は構築された特定用途向けコンピュータ又はデータプロセッサ、及び/又はこれらの2つ又はそれより多くの組み合わせを用いて実装され得る。具体的に設計されたハードウェアの例としては、論理回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、大規模集積回路(「LSI」)、超大規模集積回路(「VLSI」)、及び同様のものがある。構成可能なハードウェアの例としては、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)、プログラマブルロジックアレイ(「PLA」)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などの1又は複数のプログラマブルロジックデバイスがある。プログラマブルデータプロセッサの例としは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、組み込みプロセッサ、グラフィックプロセッサ、数値演算コプロセッサ、汎用コンピュータ、サーバコンピュータ、クラウドコンピュータ、メインフレームコンピュータ、コンピュータワークステーション、及び同様のものがある。例えば、プロジェクタのための制御回路における1又は複数のデータプロセッサが、それらプロセッサがアクセス可能なプログラムメモリにおける複数のソフトウェア命令を実行することにより本明細書に記載されている複数の方法を実装し得る。
【0159】
上記においてコンポーネント(例えば、光学素子、変調器、光源、レンズ、組立体、デバイス、構成など)が言及されているとき、異なることが示されていない限り、そのコンポーネントについての言及(「手段」についての言及を含む)は、本願発明の実例が示されている例示的な実施形態において機能を実行する開示されている構造物と構造的に同等ではないコンポーネントを含む、説明されているコンポーネントの機能を実行する(すなわち、機能的に同等である)いずれかのコンポーネントをそのコンポーネントの同等物として含むものとして解釈されるべきである。
【0160】
例示を目的として、システム、方法、及び装置の具体的な例が、本明細書に記載されている。これらは単なる例である。本明細書に提供される技術は、上述した例示的なシステム以外のシステムに応用されることが可能である。多くの変更、修正、追加、省略、及び置換が本発明の実施内で可能である。本願発明は、当業者にとって明らかであろう、説明された実施形態の変形例を含む。それら変形例は、特徴、要素、及び/又は動作を同等の特徴、要素、及び/又は動作で置き換えること、異なる実施形態からの特徴、要素、及び/又は動作をミックスし、一致させること、本明細書に記載されている実施形態からの特徴、要素、及び/又は動作を、他の技術の特徴、要素、及び/又は動作と組み合わせること、並びに/若しくは、説明されている実施形態から、特徴、要素、及び/又は動作を省略する又は組み合わせること、によって得られる。
【0161】
本明細書において、様々な特徴が、「いくつかの実施形態」に存在する、又は、「例えば」として説明される。そのような特徴は、必須ではなく、全ての実施形態に存在していなくてもよい。本発明の実施形態は、そのような特徴を含まなくてもよいし、そのような特徴の任意の1つを含んでもよいし、又はそのような特徴のうちの2つ若しくはそれ以上の任意の組み合わせを含んでもよい。そのような特徴の全ての可能な組み合わせは、そのような特徴が異なる図面に示してある場合及び/又は異なる節若しくは段落に記載されている場合でも、本開示によって企図される。このことは、そのような特徴のうちの特定の特徴が、そのような特徴の他の特徴と両立しない限りにおいてのみ限定されるが、それはそのような両立しない特徴を組み合わせた実用的な実施形態を構築することが、当業者には不可能であるという意味である。結果として、「いくつかの実施形態」が特徴Aを有し、「いくつかの実施形態」が特徴Bを有するという記載は、(別段の定めがある場合、又は、特徴A及びBが基本的に両立しない場合を除き)特徴A及びBの説明が異なる図において図示されている、及び/又は、本願の異なる文章、段落、又はセクションにおいて説明されている場合でも、発明者が、特徴A及びBを組み合わせる実施形態も想定していることの明示的な指示として解釈されるべきである。
【0162】
したがって、以下の添付の請求項及び今後導入される請求項は、合理的に推測可能なそのような修正、置換、追加、省略、及び部分的組み合わせの全てを含むものとして解釈されることが意図される。請求項の範囲は、例で説明された好ましい実施形態によって限定されるべきではなく、全体として記載内容と矛盾しない最も広義の解釈が与えられるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9