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特許7647053信号情報生成装置、信号情報生成方法、および信号情報生成プログラム
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】信号情報生成装置、信号情報生成方法、および信号情報生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/07 20060101AFI20250311BHJP
【FI】
G08G1/07 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020169487
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2022061526
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 透
(72)【発明者】
【氏名】谷口 弘師
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/075560(WO,A1)
【文献】特開2007-066174(JP,A)
【文献】特開平11-039590(JP,A)
【文献】特開2011-065556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号制御装置が信号機の灯色信号を制御する制御パターンを、時間帯別に記憶する第1記憶部と、
前記信号機の灯色信号の状態を検出する検出部と、
前記信号制御装置が前記信号機の灯色信号の制御パターンを切り替えるとき、前記検出部で検出した前記信号機の灯色信号の状態と、今回切り替えられる制御パターンに基づく前記信号機の灯色信号の適正状態と、のズレにかかる追従量を算出する算出部と、
前記信号制御装置が前記制御パターンを切り替えるときから、前記信号機の灯色信号を適正状態に移行させるまでに要する追従制御期間に、前記信号制御装置が前記信号機の灯色信号を制御した追従制御パターンを前記検出部により検出し、その検出結果に基づいて、今回算出された追従量に対応する追従制御パターンを生成する追従制御パターン生成部と、
前記追従制御パターン生成部によって生成された前記追従制御パターンを記憶する第2記憶部と、を備えた信号情報生成装置。
【請求項2】
前記追従制御パターン生成部は、前記算出部が算出した追従量に対応付けられた追従制御パターンを前記第2記憶部に記憶していないとき、今回の前記追従制御期間に、前記信号制御装置が前記信号機の灯色信号を制御した追従制御パターンを前記検出部により検出し、その検出結果に基づいて、今回算出された追従量に対応する追従制御パターンを生成する、請求項1に記載の信号情報生成装置。
【請求項3】
前記追従制御パターン生成部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記信号機の灯色信号が今回切り替えられる制御パターンの周期であったかどうかを判定することにより、追従制御期間の終了タイミングを判定する、請求項1、または2に記載の信号情報生成装置。
【請求項4】
前記第2記憶部は、前記追従制御パターンを、今回切り替えられる制御パターン、および前記追従量に対応付けて記憶する、請求項1~3のいずれかに記載の信号情報生成装置。
【請求項5】
時刻を計時する計時部と、
前記計時部で計時している時刻と、前記信号制御装置が自装置内で計時している時刻との時間差を推定する時間差推定部と、を備え、
前記算出部は、前記計時部で計時している時刻、および前記時間差推定部が推定した前記時間差に基づき、前記信号制御装置が前記信号機の灯色信号の制御パターンを切り替えるタイミングを判断する、請求項1~4のいずれかに記載の信号情報生成装置。
【請求項6】
前記時間差推定部は、前記追従制御期間でないとき、前記検出部によって検出された前記信号機について予め定めた灯色信号の開始タイミングに前記計時部が計時していた時刻を用いて、この開始タイミングに前記信号制御装置が自装置内で計時していた時刻を推定することにより、前記計時部で計時している時刻と、前記信号制御装置が自装置内で計時している時刻との時間差を推定する、請求項5に記載の信号情報生成装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記検出部によって検出された前記信号機について予め定めた灯色信号の開始タイミングに前記計時部が計時していた時刻と、前記信号制御装置による前記信号機の灯色信号の制御パターンが切り替えられる開始時刻と、今回切り替えられる制御パターンの周期と、今回切り替えられる制御パターンのオフセットと、を用いて前記追従量を算出する、請求項5、または6に記載の信号情報生成装置。
【請求項8】
信号制御装置が信号機の灯色信号を制御する制御パターンを、時間帯別に記憶する第1記憶部を有する情報処理装置のコンピュータが、
前記信号機の灯色信号の状態を検出する検出ステップと、
前記信号制御装置が前記信号機の灯色信号の制御パターンを切り替えるとき、前記検出ステップで検出した前記信号機の灯色信号の状態と、今回切り替えられる制御パターンに基づく前記信号機の灯色信号の適正状態と、のズレにかかる追従量を算出する算出ステップと、
前記信号制御装置が前記制御パターンを切り替えるときから、前記信号機の灯色信号を適正状態に移行させるまでに要する追従制御期間に、前記信号制御装置が前記信号機の灯色信号を制御した追従制御パターンを前記検出ステップで検出した検出結果に基づいて、今回算出された追従量に対応する追従制御パターンを生成する追従制御パターン生成ステップと、
前記追従制御パターン生成ステップによって生成された前記追従制御パターンを第2記憶部に記憶させる登録ステップと、を実行する信号情報生成方法。
【請求項9】
信号制御装置が信号機の灯色信号を制御する制御パターンを、時間帯別に記憶する第1記憶部を有する情報処理装置のコンピュータに、
前記信号機の灯色信号の状態を検出する検出ステップと、
前記信号制御装置が前記信号機の灯色信号の制御パターンを切り替えるとき、前記検出ステップで検出した前記信号機の灯色信号の状態と、今回切り替えられる制御パターンに基づく前記信号機の灯色信号の適正状態と、のズレにかかる追従量を算出する算出ステップと、
前記信号制御装置が前記制御パターンを切り替えるときから、前記信号機の灯色信号を適正状態に移行させるまでに要する追従制御期間に、前記信号制御装置が前記信号機の灯色信号を制御した追従制御パターンを前記検出ステップで検出した検出結果に基づいて、今回算出された追従量に対応する追従制御パターンを生成する追従制御パターン生成ステップと、
前記追従制御パターン生成ステップによって生成された前記追従制御パターンを第2記憶部に記憶させる登録ステップと、を実行させる信号情報生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、交差点に設置された信号機の残青時間を外部装置により推定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的な交差点には、車両が進入する流入路毎に、信号機が設置されている。信号制御装置が、設定されている信号制御パラメータに基づいて、各信号機の灯色信号(青信号、黄信号、赤信号等)を切り替える。信号制御パラメータは、周知のように、信号機の灯色信号のサイクル(1周期の時間)、スプリット(青信号の割合)、オフセット(隣接する交差点に対して青信号の開始タイミングをずらす時間)等を規定する。
【0003】
交差点の交通量が時間帯で変化することから、信号制御装置には、時間帯別に、その時間帯の交通量に応じた信号制御パラメータが設定されている。信号制御装置は、時間帯に応じて、信号機の灯色信号の制御に用いる信号制御パラメータを切り替える。
【0004】
また、車両のドライバは、交差点の流入路を走行しているとき、この交差点の信号機が青信号から黄信号に切り替わると、交差点の手前で停止するために急ブレーキをかけたり、交差点を通過しようとして急加速したりすることがある。このような急ブレーキや、急加速は、事故を起こす可能性を高めることから、交差点に近づく車両に対して、信号機の灯色信号が青信号であるとき、黄信号に切り替わるまでの時間(残青時間)を車両に送信(出力)する構成の信号情報送信装置があった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-233854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、オフセット制御を行う信号制御装置は、時間帯別に設定されている信号制御パラメータを切り替えるとき、切替前の信号制御パラメータに基づく制御の終了時点と、切替後の信号制御パラメータに基づく制御の開始時点と、の間に追従制御期間を設定する。この追従制御期間は、今回切り替えられる信号制御パラメータで規定されているオフセットを適正にする期間である。すなわち、追従制御期間は、切替前の信号制御パラメータに基づく制御の終了時点における信号機の灯色信号の状態を、切替後の信号制御パラメータに基づく制御が適正に行える適正状態に移行させるための期間である。追従制御期間は、信号機の灯色信号を制御するn周期の期間である。nは、1以上の整数である。信号制御装置は、追従制御期間の制御周期毎に、信号機の灯色信号の制御パターンを決定する。
【0007】
信号情報を外部装置により提供する従来の装置は、追従制御期間に、信号制御装置が信号機の灯色信号を制御する制御パターンが分からず、残青時間の推定、および提供が行えなかった。
【0008】
また、信号制御装置が、追従制御期間における信号機の灯色信号の制御パターンを決定するロジックについて、交通流の低下を抑えるのに適正であるかどうかを評価することができなかった。
【0009】
この発明の目的は、時間帯別に設定されている信号制御パラメータを切り替えるときの追従制御期間に、信号制御装置が信号機の灯色信号を制御する制御パターンを取得する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の信号情報生成装置は、上記目的を達成するため以下に示すように構成している。
【0011】
第1記憶部は、信号制御装置が信号機の灯色信号を制御する制御パターンを、時間帯別に記憶する。検出部は、信号機の灯色信号の状態を検出する。ここで言う信号機の灯色信号の状態には、その時点において点灯している灯色信号の種類(青信号、黄信号、赤信号等)を示す情報だけでなく、信号機の灯色信号の制御パターンである灯色信号の継続時間等も含まれる。
【0012】
算出部は、信号制御装置が信号機の灯色信号の制御パターンを切り替えるとき、検出部で検出した信号機の灯色信号の状態と、今回切り替えられる制御パターンに基づく信号機の灯色信号の適正状態と、のサイクル開始時刻のズレにかかる追従量を算出する。信号制御装置が信号機の灯色信号の制御パターンを切り替えるときとは、切替前の信号制御パラメータに基づく信号機の灯色信号の制御を終了した時点である。
【0013】
追従制御パターン生成部は、信号制御装置が制御パターンを切り替えるときから、信号機の灯色信号を適正状態に移行させるまでに要する追従制御期間に、信号制御装置が信号機の灯色信号を制御した追従制御パターンを検出部により検出し、その検出結果に基づいて、今回算出された追従量に対応する追従制御パターンを生成する。
【0014】
追従制御パターン生成部によって生成された追従制御パターンを第2記憶部に記憶させる。
【0015】
この構成によれば、時間帯別に設定されている信号制御パラメータを切り替えるときの追従制御期間に、信号制御装置が信号機の灯色信号を制御する制御パターンを取得できる。これにより、例えば、追従制御期間においても、残青時間の推定、および提供が行える。また、信号制御装置が、追従制御期間における信号機の灯色信号の制御パターンを決定するロジックについて、交通流の低下を抑えるのに適正であるかどうかの評価も行える。
【0016】
また、追従制御パターン生成部は、例えば、算出部が算出した追従量に対応付けられた追従制御パターンを第2の記憶部に記憶していないとき、今回の追従制御期間に、信号制御装置が信号機の灯色信号を制御した追従制御パターンを検出部により検出し、その検出結果に基づいて、今回算出された追従量に対応する追従制御パターンを生成する、構成にしてもよい。
【0017】
このように構成すれば、追従制御パターンを生成する処理を無駄に行うのを防止できる。
【0018】
また、追従制御パターン生成部は、例えば、検出部の検出結果に基づいて、信号機の灯色信号が今回切り替えられる制御パターンで制御されたかどうかを判定することにより、追従制御期間の終了タイミングを判定する構成にしてもよい。
【0019】
このように構成すれば、追従制御期間が終了したかどうかの判定を適正に行えるので、追従制御パターンの生成が適正に行える。
【0020】
また、第2記憶部は、追従制御パターンを、今回切り替えられる制御パターン、および追従量に対応付けて記憶する構成にしてもよい。
【0021】
また、内蔵タイマで計時している内部時刻と、信号制御装置が計時している外部時刻との時間差を推定する時間差推定部を備え、
算出部は、内部時刻と、推定した時間差に基づき、信号制御装置が信号機の灯色信号の制御パターンを切り替えるタイミングを判断する構成としてもよい。
【0022】
このように構成すれば、信号制御装置が、時間帯別に設定されている信号制御パラメータを切り替えるタイミングを精度よく判定できる。
【0023】
この場合、時間差推定部は、例えば、追従制御期間でないときに、検出部によって検出された信号機の予め定めた色の灯色信号の開始タイミングを用いて、内部時刻と外部時刻との時間差を推定すればよい。
【0024】
また、算出部は、例えば、信号制御装置が信号機の灯色信号の制御パターンを切り替える時刻と、今回切り替えられる制御パターンについて設定されている時間帯の開始時刻と、今回切り替えられる制御パターンのオフセットと、を用いて追従量を算出する構成にすればよい。
【0025】
このように構成すれば、追従量を精度よく算出することができ、その結果、追従制御期間における追従制御パターンの判定精度の向上が図れる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、時間帯別に設定されている信号制御パラメータを切り替えるときの追従制御期間に、信号制御装置が信号機の灯色信号を制御する制御パターンを取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】この例にかかる信号情報生成装置が適用される交差点の概略図である。
図2】交差点における信号情報生成装置、信号制御装置、および信号機の接続関係を示す概略図である。
図3】交差点に設置されている信号機の現示階梯図である。
図4図4(A)、(B)、(C)は、信号制御パラメータの切り替えを説明する図である。
図5】信号情報生成装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図6図6(A)は、日種、時間帯別テーブルを示す図であり、図6(B)は、制御パターンテーブルを示す図である。
図7図7(A)は、追従制御テーブルを示す図であり、図7(B)は、追従制御パターンテーブルを示す図である。
図8】残青時間推定処理を示すフローチャートである。
図9】追従制御期間処理を示すフローチャートである。
図10】追従制御パターン生成処理を示すフローチャートである。
図11】変形例にかかる信号情報生成装置の主要部の構成を示す図である。
図12】時刻差推定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の実施形態について説明する。また、以下の説明において、時刻、およびタイミングは、ある1つの時点を示し、時間は異なる2つの時点間の長さを示す。また、ここでは、残青時間を推定し、出力する信号情報生成装置を例にして説明する。
【0029】
<1.適用例>
図1は、この例にかかる信号情報生成装置が適用される交差点の概略図である。図2は、図1に示す交差点における信号情報生成装置、信号制御装置、および信号機の接続関係を示す概略図である。
【0030】
図1に示す交差点は、主道路と従道路とが交差する十字路である。図1では、車両100(100a、100b)が左右方向に走行する道路を主道路、車両100(100c、100d)が上下方向に走行する道路を従道路である。信号機6(6a~6d)は、交差点の流入路ごとに設置されている。図1に示す例では、信号機6aが、右側から交差点に進入する流入路(主道路)走行している車両100aに対するものであり、信号機6bが、左側から交差点に進入する流入路(主道路)走行している車両100bに対するものである。また、信号機6cが、上側から交差点に進入する流入路(従道路)走行している車両100cに対するものであり、信号機6dが、下側から交差点に進入する流入路(従道路)走行している車両100dに対するものである。
【0031】
信号機6の灯色信号は、この例では、青信号、黄信号、および赤信号の3つである。青信号とは、青色の灯色光源が点灯している状態であり、黄信号とは、黄色の灯色光源が点灯している状態であり、赤信号とは、赤色の灯色光源が点灯している状態である。
【0032】
この例では、信号機6a、6bは、信号制御装置4によって、同じタイミングで、同じ灯色信号に切り替えられる。また、信号機6c、6dは、信号制御装置4によって、同じタイミングで、同じ灯色信号に切り替えられる。
【0033】
具体的には、信号機6a、6bは、青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Ba、黄色の灯色光源に対する電源供給ライン5Ya、および赤色の灯色光源に対する電源供給ライン5Raに接続されている。信号機6a、6bは、電源供給ライン5Ba、5Ya、5Raに並列に接続されている。信号機6c、6dは、青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Bc、黄色の灯色光源に対する電源供給ライン5Yc、および赤色の灯色光源に対する電源供給ライン5Rcに接続されている。信号機6c、6dは、電源供給ライン5Bc、5Yc、5Rcに並列に接続されている。信号機6の灯色光源は、信号制御装置4から、電源供給ライン5B、5Y、5Rを介して電力が供給されているときに点灯し、電源供給ライン5B、5Y、5Rを介して電力が供給されていないときに消灯する。信号制御装置4は、信号機6に対して、電源供給ライン5B、5Y、5Rを介して電力を供給する灯色光源を切り替える。
【0034】
信号制御装置4には、日種、および時間帯別に、信号制御パラメータが設定されている。信号制御パラメータは、周知のように、サイクル(1周期の時間)、スプリット(青信号の割合)、オフセット(隣接する交差点に対して青信号の開始タイミングをずらす時間)等を規定する。信号制御装置4は、該当する日種、および時間帯の信号制御パラメータに基づいて各信号機6の灯色信号を切り替える。
【0035】
ここで、信号制御装置4による、交差点に設置されている信号機6の灯色信号の切り替えについて簡単に説明しておく。図3は、この例にかかる交差点に設置されている信号機の現示階梯図である。図3に示す階梯番号1は、信号機6a、6bが青信号であり、信号機6c、6dが赤信号である階梯である。階梯番号2は、信号機6a、6bが黄信号であり、信号機6c、6dが赤信号である階梯である。階梯番号3は、全ての信号機6a~6dが赤信号である階梯である。階梯番号4は、信号機6a、6bが赤信号であり、信号機6c、6dが青信号である階梯である。階梯番号5は、信号機6a、6bが赤信号であり、信号機6c、6dが黄信号である階梯である。階梯番号6は、全ての信号機6a~6dが赤信号である階梯である。
【0036】
信号制御装置4は、後述する追従制御期間でないとき、各階梯番号1~6の時間を信号制御パラメータに基づいて決定する。信号制御装置4は、階梯番号1~6を1周期とし、各信号機6a~6dの灯色信号を切り替える。信号制御装置4は、周期毎に、その周期にかかる信号機6の灯色信号の制御を開始する前に、各信号機6a~6dの灯色信号の制御パターン(各階梯番号1~6の時間)を決定する。また、信号制御装置4は、後述する追従制御期間であるとき、各階梯番号1~6の時間を予め定められたロジックで決定する。この例では、制御パターンの開始タイミングは、主道路側の信号機6a、6bにおける青信号の開始タイミングである。
【0037】
また、図2に示すように、信号情報生成装置1には、電流プローブ3が接続されている。図2に示す電流プローブ3Baは、信号機6a、6bの青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Baを挟みこむように配置されている。電流プローブ3Yaは、信号機6a、6bの黄色の灯色光源に対する電源供給ライン5Yaを挟みこむように配置されている。電流プローブ3Raは、信号機6a、6bの赤色の灯色光源に対する電源供給ライン5Raを挟みこむように配置されている。また、電流プローブ3Bcは、信号機6c、6dの青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Bcを挟みこむように配置されている。電流プローブ3Ycは、信号機6c、6dの黄色の灯色光源に対する電源供給ライン5Ycを挟みこむように配置されている。電流プローブ3Rcは、信号機6c、6dの赤色の灯色光源に対する電源供給ライン5Rcを挟みこむように配置されている。各電流プローブ3は、挟み込むように配置されている電源供給ライン5に流れる電流の大きさ(電流値)を検出し、信号情報生成装置1に出力する。図2に示す例では、各電流プローブ3が電源供給ライン5を挟みこむように配置されている位置は、並列に接続されている2つの信号機6に分岐する分岐点よりも信号制御装置4側である。
【0038】
なお、各電流プローブ3は、分岐点で分岐している一方の電源供給ライン5を挟みこむように配置してもよい。
【0039】
信号情報生成装置1は、接続されている電流プローブ3Ba、3Ya、3Raの出力により、信号機6a、6bにおける青信号の開始時刻、黄信号の開始時刻、および赤信号の開始時刻を検出できる。また、信号情報生成装置1は、接続されている電流プローブ3Ba、3Ya、3Raの出力により、信号機6a、6bにおける青信号の終了時刻、黄信号の終了時刻、および赤信号の終了時刻も検出できる。同様に、信号情報生成装置1は、接続されている電流プローブ3Bc、3Yc、3Rcの出力により、信号機6c、6dにおける青信号の開始時刻、黄信号の開始時刻、および赤信号の開始時刻を検出できる。また、信号情報生成装置1は、接続されている電流プローブ3Bc、3Yc、3Rcの出力により、信号機6c、6dにおける青信号の終了時刻、黄信号の終了時刻、および赤信号の終了時刻も検出できる。したがって、信号情報生成装置1は各信号機6の状態を検出できる。また、信号情報生成装置1は、図3に示した各階梯番号1~6の時間の検出も行える。
【0040】
なお、信号情報生成装置1は、電流プローブ3Ba、3Ya、3Raのいずれか1つが接続されていない構成であっても、信号機6a、6bの状態を検出できる。同様に、信号情報生成装置1は、電流プローブ3Bc、3Yc、3Rcのいずれか1つが接続されていない構成であっても、信号機6c、6dの状態を検出できる。
【0041】
また、この例では、信号機6の灯色信号の状態を、電流プローブ3を用いて検出する構成であるが、カメラで信号機6a、6cを撮像した画像を処理して信号機6の灯色信号の状態を検出する構成としてもよいし、その他の構成で信号機6の灯色信号の状態を検出してもよい。
【0042】
また、詳細については後述するが、信号情報生成装置1は、信号制御装置4が日種、および時間帯別に切り替える信号制御パラメータにかかる情報を記憶している。
【0043】
ここで、図4を参照して、信号制御装置4が、日種、および時間帯別に設定されている信号制御パラメータを切り替えるときの動作について説明する。ここでは、信号制御装置4が、終了時刻が午前7:00:00である信号制御パラメータAから、開始時刻が午前7:00:00である信号制御パラメータBに切り替えるときを例にして説明する(図4(A)参照)。
【0044】
制御パターンAは、信号制御パラメータAに基づいて信号機6の灯色信号を切り替える1周期のパターンであり、制御パターンBは、信号制御パラメータBに基づいて信号機6の灯色信号を切り替える1周期のパターンである。
【0045】
この例では、図4(B)に示すように、信号制御装置4は、信号機6の灯色信号を信号制御パラメータAに基づく制御パターンAで切り替えているときに、この信号制御パラメータAの終了時刻になると、その時点で実行している制御パターンAによる制御周期が終了するのを待って、信号制御パラメータAに基づく信号機6の灯色信号の制御を終了する。すなわち、信号制御装置4が、信号制御パラメータAに基づく信号機6の灯色信号の制御を終了する時刻と、設定されている信号制御パラメータAの時間帯の終了時刻とが一致することもあれば、一致しないこともある。
【0046】
また、図4に示すt1は、開始時刻が午前7:00:00である信号制御パラメータBのオフセットである。また、t2は、信号制御装置4が、信号制御パラメータAに基づく信号機6の灯色信号の制御を終了した時刻と、設定されている信号制御パラメータAの時間帯の終了時刻との時間差である。
【0047】
信号制御装置4が、図4(B)に示すように、信号制御パラメータAに基づく信号機6の灯色信号の制御を終了すると、すぐに信号制御パラメータBに基づく信号機6の灯色信号の制御を開始した場合、信号機6は信号制御パラメータBに基づく適正な状態に対して、オフセットが(t1-t2)ズレた不適正な状態で制御されることになる。オフセットのズレは、系統制御されている周辺の複数の交差点間の交通流を低下させる。
【0048】
(t1-t2)が、この発明で言う追従量に相当する。また、この例では、追従量を常に正の値にするため、t1<t2である場合、今回切り替えられる信号制御パラメータBで規定される周期Tを加算した値を追従量として算出する。
【0049】
また、図4(B)から明らかなように、信号制御装置4が、信号制御パラメータAに基づく信号機6の灯色信号の制御を終了した時刻が、信号制御パラメータBに基づく信号機6の灯色信号の制御を開始する時刻から、この信号制御パラメータBのオフセットだけ経過した時刻であったときに、追従量が0になる。
【0050】
信号制御装置4は、このオフセットのズレを解消し、信号機6の灯色信号を適正な状態で制御するために、図4(C)に示す追従制御期間を設定する。この追従制御期間は、信号機6の灯色信号の制御するn周期の期間である。nは、1以上の整数である。信号制御装置4は、追従量、および今回切り替えられる信号制御パラメータBの周期を用いて、予め設定されているロジックで、追従制御期間の周期数(n)、および各周期における信号機6の灯色信号の(追従制御パターンq1~qn)を決定する。
【0051】
すなわち、信号制御装置4は、追従量、および今回切り替えられる信号制御パラメータBの周期に応じて、追従制御期間を1周期に決定することもあれば、2周期や5周期に決定することもある。また、信号制御装置4は、追従量、および今回切り替えられる信号制御パラメータBの周期に応じて、各周期の追従制御パターンq1~qnを決定する。追従制御パターンq1~qnは、図3に示した各階梯番号1~6の時間を設定した、信号機6に対する1周期の制御パターンである。
【0052】
図4(C)に示す例では、追従制御パターンqnが終了した後、信号制御パラメータBに基づく制御パターンBによる制御が開始されることで、信号機6が信号制御パラメータBに基づく適正な状態で制御されることを示している。
【0053】
この例の信号情報生成装置1は、図4に示す追従制御期間であるかどうかにかかわらず、信号機6a、6bが青信号であるときに、その青信号が終了するまでの残青時間を推定し、出力する。また、信号情報生成装置は、図4に示す追従制御期間であるかどうかにかかわらず、信号機6c、6dが青信号であるときに、その青信号が終了するまでの残青時間を推定し、出力する。
【0054】
なお、信号情報生成装置1は、信号機6a、6b、または信号機6c、6dの一方については、残青時間を推定しない構成であってもよい。また、信号情報生成装置1は、信号機6a、6bの残黄時間、残赤時間を推定する構成であってもよい。さらには、信号情報生成装置1は、信号機6c、6dの残黄時間、残赤時間を推定する構成であってもよい。
【0055】
また、図2に示すシステムでは、既設の信号制御装置4、および信号機6をそのまま利用できる。すなわち、この例の信号情報生成装置1を使用するにあたり、既設の信号制御装置4、および信号機6を交換する必要はない。
【0056】
<2.構成例>
図5は、この例にかかる信号情報生成装置の主要部の構成を示すブロック図である。信号情報生成装置1は、制御ユニット11と、入力部12と、計時部13と、第1記憶部14と、第2記憶部15と、出力部16とを備えている。
【0057】
制御ユニット11は、信号情報生成装置1本体各部の動作を制御する。また、制御ユニット11は、検出部21、算出部22、信号情報推定部23、追従制御パターン生成部24、および登録部25を有している。検出部21、算出部22、信号情報推定部23、追従制御パターン生成部24、および登録部25の詳細については、後述する。
【0058】
入力部12には、6つの電流プローブ3Ba、3Ya、3Ra、3Bc、3Yc、3Rcが接続されている(図5では、図示を簡略化するため、6つの電流プローブ3Ba、3Ya、3Ra、3Bc、3Yc、3Rcを、1つの電流プローブ3で示している。)。各電流プローブ3は、挟みこむように配置された信号機6a、6cの電源供給ライン5Ba、5Ya、5Ra、5Bc、5Yc、5Rcに流れる電流の大きさ(電流値)を検出して出力する。すなわち、入力部12には、電源供給ライン5Ba、5Ya、5Ra、5Bc、5Yc、5Rc毎に、その電源供給ライン5Ba、5Ya、5Ra、5Bc、5Yc、5Rcに流れる電流の大きさを示す検出信号が入力される。
【0059】
計時部13は、現在時刻を計時する。また、計時部13は、カレンダー機能を有し、日種(曜日、および祝日)を得ることができる。また、信号情報生成装置1は、計時部13において正確な時刻を計時させる必要がある場合、正確な時刻を計時している機器(例えば、時計サーバ)との間で、時刻同期を行う。例えば、信号情報生成装置1が、推定した残青時間とともに、この残青時間を推定した時刻を出力する構成である場合、計時部13において、正確な時刻を計時させる必要がある。
【0060】
第1記憶部14は、図6(A)に示す日種、時間帯別テーブル、および図6(B)に示す制御パターンテーブルを記憶している。この例では、信号制御装置4には、日種が平日および土曜日であるグループと、日種が日曜および祝祭日であるグループとに分けて、信号制御パラメータが時間帯別に設定されている。
【0061】
日種、時間帯別テーブルは、図6(A)に示すように、日種毎に、その日種の時間帯別に、信号機6の灯色信号の制御パターンの番号を対応付けて登録したテーブルである。日種の区分は、信号制御装置4に信号制御パラメータが設定されている日種の区分と同じである。また、日種別の時間帯の区分は、信号制御装置4に信号制御パラメータが設定されている時間帯の区分と同じである。
【0062】
また、制御パターンテーブルは、図6(B)に示すように、制御パターンの番号毎に、信号機6の灯色信号を切り替える1周期の時間(サイクル)、オフセット、および各階梯番号1~6の時間を対応付けて登録したテーブルである。日種、時間帯別テーブルの制御パターンの番号と、制御パターンテーブルの制御パターンの番号とは、対応している。また、日種、時間帯別テーブルに登録されている制御パターンの番号に対応する制御パターンテーブルは、該当する日種、および時間帯に対応する信号制御パラメータに基づく制御パターンである。
【0063】
すなわち、この例の信号情報生成装置1は、日種、および時間帯別に、信号制御装置4が信号制御パラメータに基づいて信号機6の灯色信号を切り替える制御パターンを得るための情報として、図6(A)に示す日種、時間帯別テーブル、および図6(B)に示す制御パターンテーブルを第1記憶部14に記憶している。
【0064】
なお、信号情報生成装置1は、日種、および時間帯別に、信号制御装置4が信号制御パラメータに基づいて信号機6の灯色信号を切り替える制御パターンが得られる情報であれば、図6(A)に示す日種、時間帯別テーブル、および図6(B)に示す制御パターンテーブルに限らず、他の形式のテーブル等を第1記憶部14に記憶する構成であってもよい。
【0065】
第2記憶部15は、図7(A)に示す追従制御テーブル、および図7(B)に示す追従制御パターンテーブルを記憶している。
【0066】
追従制御テーブルは、図7(A)に示すように、切替後制御パターンと、追従量(オフセットのズレ量)と、追従制御パターン順列とを対応付けて登録したテーブルである。切替後制御パターンは、信号制御装置4が時間帯別に設定されている信号制御パラメータを切り替えるときに、切り替えられる信号制御パラメータに対応する制御パターンを示す番号である。切替後制御パターンの番号は、図6(A)に示す日種、時間帯別テーブル、および図6(B)に示す制御パターンテーブルの制御パターンの番号と対応させている。
【0067】
追従制御パターン順列は、信号制御装置4が、追従制御期間に実行する、信号機6の灯色信号を切り替える1周期の追従制御パターンを示すレコードの番号を時系列に並べたものである。追従制御期間は、信号制御装置4が、切り替える前の信号制御パラメータに基づく信号機6の灯色信号の制御を終了した時点から、今回切り替えられる信号制御パラメータに基づく信号機6の灯色信号の制御を開始する時点までの期間である。例えば、図7(A)に示す、切替後制御パターンの番号が1であり、切り替える前の信号制御パラメータに基づく信号機6の灯色信号の制御の終了時における追従量が59秒である場合、信号制御装置4がレコード15、レコード16、レコード17、レコード18、およびレコード19にかかる追従制御パターンで信号機6の灯色信号をこの順に制御した後に、今回切り替える信号制御パラメータに基づく信号機6の灯色信号の制御を開始することを示している。また、切替後制御パターンの番号が2であり、切り替える前の信号制御パラメータに基づく信号機6の灯色信号の制御の終了時における追従量が1秒である場合、信号制御装置4が、レコード1にかかる追従制御パターンを実行した後に、今回切り替える信号制御パラメータに基づく信号機6の灯色信号の制御を開始することを示している。
【0068】
追従制御パターンテーブルは、図7(B)に示すように、レコード番号と、各階梯番号1~6の時間を対応付けて登録したテーブルである。
【0069】
この例の信号情報生成装置1は、信号制御装置4が追従制御期間に、信号機6の灯色信号を切り替える制御パターン(追従制御パターン)を得るための情報として、図7(A)に示す追従制御テーブル、および図7(B)に示す追従制御パターンテーブルを第2記憶部15に記憶している。
【0070】
なお、信号情報生成装置1は、信号制御装置4が追従制御期間に、信号機6の灯色信号を切り替える制御パターン(追従制御パターン)が得られる情報であれば、図7(A)に示す追従制御テーブル、および図7(B)に示す追従制御パターンテーブルに限らず、他の形式のテーブルを第2記憶部15に記憶する構成であってもよい。
【0071】
また、第1記憶部14と、第2記憶部15とは、単一の記憶媒体(メモリ等)で構成してもよいし、異なる記憶媒体で構成してもよい。
【0072】
出力部16には、無線送信器等の送信装置(不図示)が接続されている。出力部16は、信号機6a、6bが青信号であるときに、信号機6a、6bが黄信号に切り替わるまでの時間(残青時間)を、接続されている送信装置に出力する。この送信装置が、主道路を走行している車両100a、100bや、図示していないセンタに対して信号機6a、6bの残青時間を通知する。また、出力部16は、信号機6c、6dが青信号であるときに、信号機6c、6dが黄信号に切り替わるまでの時間(残青時間)を、接続されている送信装置に出力する。この送信装置が、主道路を走行している車両100c、100dや、図示していないセンタに対して信号機6c、6dの残青時間を通知する。
【0073】
なお、出力部16は、残青時間だけでなく、各信号機6の残黄時間、残赤時間についても出力する構成であってもよい。
【0074】
次に、制御ユニット11が有する検出部21、算出部22、信号情報推定部23、追従制御パターン生成部24、および登録部25について説明する。
【0075】
検出部21は、入力部12に入力された電流プローブ3Ba、3Ya、3Raの出力により、信号機6a、6bにおける青信号の開始時刻、黄信号の開時刻、および赤信号の開始時刻を検出する。また、検出部21は、入力部12に入力された電流プローブ3Bc、3Yc、3Rcの出力により、信号機6c、6dにおける青信号の開始時刻、黄信号の開始時刻、および赤信号の開始時刻を検出する。
【0076】
なお、検出部21は、入力部12に入力された電流プローブ3Ba、3Ya、3Raの出力により、信号機6a、6bにおける青信号の終了時刻、黄信号の終了時刻、および赤信号の終了時刻も検出する。また、検出部21は、入力部12に入力された電流プローブ3Bc、3Yc、3Rcの出力により、信号機6c、6dにおける青信号の終了時刻、黄信号の終了時刻、および赤信号の終了時刻を検出する。
【0077】
検出部21は、信号機6毎に、青信号、黄信号、および赤信号の開始時刻を検出することにより、各信号機6の状態を取得する。ここで言う信号機6の状態には、その時点において点灯している灯色信号の色、その時点において点灯している灯色信号の点灯開始からの経過時間、この周期の開始時点からの経過時間等が含まれる。
【0078】
算出部22は、信号制御装置4が信号制御パラメータを切り替えるときに、信号制御装置4が切り替え前の信号制御パラメータに基づく信号機6の灯色信号の制御を終了した時点における追従量を算出する。
【0079】
なお、算出部22は、算出した追従量が負の値である場合、今回切り替えられる信号制御パラメータの周期を加算することによって、追従量を正の値として算出する。
【0080】
信号情報推定部23は、信号機6a、6bが青信号であるとき、この青信号が終了するまでの残青時間を推定する。また、信号情報推定部23は、信号機6c、6dが青信号であるとき、この青信号が終了するまでの残青時間を推定する。
【0081】
なお、この例では、信号情報推定部23は、信号機6a、6bが黄信号であるとき、この黄信号が終了するまでの残黄時間、および、信号機6a、bが赤信号であるとき、この赤信号が終了するまでの残赤時間を推定しない構成であるが、これら残黄時間、および残赤時間を推定する構成であってもよい。同様に、信号情報推定部23は、信号機6c、6dが黄信号であるとき、この黄信号が終了するまでの残黄時間、および、信号機6c、dが赤信号であるとき、この赤信号が終了するまでの残赤時間を推定しない構成であるが、これら残黄時間、および残赤時間を推定する構成であってもよい。
【0082】
追従制御パターン生成部24は、切替後制御パターン、追従量および追従制御パターン順列を対応付けたレコードを必要に応じて生成する。また、追従制御パターン生成部24は、追従制御パターンテーブルに未登録である追従制御パターンのレコードを生成する。
【0083】
登録部25は、追従制御パターン生成部24が生成した切替後制御パターン、追従量および追従制御パターン順列を対応付けたレコードを図7(A)に示した追従制御テーブルに登録するとともに、図7(B)に示した追従制御パターンテーブルに対する追従制御パターンのレコードの登録を必要に応じて行う。
【0084】
信号情報生成装置1の制御ユニット11は、ハードウェアCPU、メモリ、その他の電子回路によって構成されている。ハードウェアCPUが、この発明にかかる信号情報生成プログラムを実行したときに、検出部21、算出部22、信号情報推定部23、追従制御パターン生成部24、および登録部25として動作する。また、メモリは、この発明にかかる信号情報生成プログラムを展開する領域や、この信号情報生成プログラムの実行時に生じたデータ等を一時記憶する領域を有している。制御ユニット11は、ハードウェアCPU、メモリ等を一体化したLSIであってもよい。また、ハードウェアCPUが、この発明にかかる信号情報生成方法を実行するコンピュータである。
【0085】
<3.動作例>
信号情報生成装置1における、残青時間推定処理について説明する。図8は、残青時間推定処理を示すフローチャートである。
【0086】
信号機6a、6bは、現時点において、青信号でない(信号機6c、6dが青信号であるとは限らない。)。信号情報生成装置1は、信号機6aの青信号が開始されるのを待つ(s1)。s1では、検出部21が、入力部12に入力されている電源供給ライン5Baに流れる電流の大きさが設定レベルを超えた時点を、信号機6aの青信号の開始として検出する。s1では、図3に示す階梯番号1の開始、すなわちこの例における信号機6の制御周期の開始タイミングを検出している。
【0087】
検出部21は、信号機6aにおける青信号の開始を検出すると、青開始時刻を取得する(s2)。検出部21は、計時部13が、入力部12に入力されている電源供給ライン5Baに流れる電流の大きさが設定レベルを超えた時点で計時していた時刻を青開始時刻として取得する。
【0088】
算出部22は、s2で取得した時刻を基にして、追従制御期間であるかどうかを判定する(s3)。s3では、算出部22は、図6(A)に示す日種、時間帯別テーブルを参照し、いずれかの制御パターンに対応付けられている終了時刻(または開始時刻)が、前回検出した青開始時刻と、今回検出した青開始時刻との間に存在すると、追従制御期間であると判定し、その他の場合に、通常制御期間である(追従制御期間でない)と判定する。信号情報生成装置1は、算出部22がs3で追従制御期間であると判定すると、後述する追従制御期間処理を行う(s9)。
【0089】
信号情報推定部23は、算出部22がs3で通常制御期間であると判定すると、図6(B)に示す制御パターンテーブルを参照し、該当する時間帯の制御パターンを読み出す(s4)。該当する制御パターンテーブルとは、その時点に対応する日種、および時間帯に対応付けられている制御パターンであり、図6(A)に示す日種、時間帯別テーブル、および図6(B)に示す制御パターンテーブルを参照することで得られる。
【0090】
信号情報推定部23は、残青時間を推定する推定タイミングになるか、信号機6cにおいて青信号が終了するのを待つ(s5、s6)。信号情報推定部23は、例えば、s2で取得した青開始時刻から一定時間(例えば1秒)経過したとき、1回目の推定タイミングであると判定し、これ以降、前回の推定タイミングから一定時間(例えば1秒)経過したときに、推定タイミングであると判定する。また、s6では、信号機6cが青信号になった後に、その青信号が終了したかどうかを判定している。すなわち、図3に示した階梯番号4の終了を検出している。
【0091】
信号情報推定部23は、s5で推定タイミングであると判定すると、残青時間を推定する(s7)。s7では、s2で取得した青開始時刻からの経過時間と、s4で読み出した制御パターンに基づき、残青時間を推定する。信号情報推定部23は、信号機6aが青信号であるとき、信号機6a、6bについて残青時間を推定し、信号機6cが青信号であるとき、信号機6c、6dについて残青時間を推定する。すなわち、この例では、信号情報推定部23は、図3に示した階梯番号1の期間に、信号機6a、6bの残青時間を推定し、階梯番号4の期間に、信号機6c、6dの残青時間を推定する。
【0092】
なお、信号情報推定部23は、図3に示した階梯番号2の期間に、信号機6a、6bの残黄時間を推定してもよい。また、信号情報推定部23は、階梯番号3~6の期間に、信号機6a、6bの残赤時間を推定してもよい。また、信号情報推定部23は、図3に示した階梯番号5の期間に、信号機6c、6dの残黄時間を推定してもよい。さらに、信号情報推定部23は、階梯番号6~3(次の周期の階梯番号3)の期間に、信号機6c、6dの残赤時間を推定してもよい。
【0093】
信号情報生成装置1は、s7で推定した残青時間を出力部16から出力し(s8)、s5に戻る。信号情報生成装置1は、s7で残青時間を推定した時刻から、s8で出力した残青時間が車両100に搭載されている車載器で受信されるまでにある程度の時間を要する場合、s7で推定した残青時間とともに、この残青時間を推定した時刻(計時部13で計時していた時刻)をs8で出力してもよい。
【0094】
また、上記の例では、信号情報生成装置1は、一定時間毎に、信号機6の残青時間を推定して出力するとしたが、階梯番号1の開始時刻に信号機6a、6bの残青時間を推定し、ここで推定した信号機6a、6bの残青時間とともに、この信号機6a、6bの残青時間を推定した時刻(階梯番号1の開始時刻)をs8で出力してもよい。この場合、時間経過にともなう信号機6a、6bの残青時間の更新については、車載装置側で行えばよい。同様に、信号情報生成装置1は、階梯番号4の開始時刻に信号機6c、6dの残青時間を推定し、ここで推定した信号機6c、6dの残青時間とともに、この信号機6c、6dの残青時間を推定した時刻(階梯番号1の開始時刻)をs8で出力してもよい。この場合も、時間経過にともなう信号機6c、6dの残青時間の更新については、車載装置側で行えばよい。
【0095】
また、信号情報生成装置1は、信号機6の残青時間を推定した時刻を出力する場合、計時部13において正確な時刻を計時させるために、正確な時刻を計時している機器(例えば、時計サーバ)との間で、時刻同期を行う構成にするのがよい。
【0096】
また、信号情報生成装置1は、s6で信号機6cの青信号の終了を検出すると、s1に戻る。
【0097】
信号情報生成装置1は、上記した処理を行うことにより、通常期間に信号機6の残青時間を推定し、出力することができる。
【0098】
次に、s9にかかる追従制御期間処理について説明する。図9は、追従制御期間処理を示すフローチャートである。
【0099】
算出部22は、追従量を算出する(s21)。算出部22は、s2で検出した青信号開始時刻、今回切り替えられる信号制御パラメータの開始時刻、今回切り替えられる信号制御パラメータの周期、および今回切り替えられる信号制御パラメータのオフセットを用いて追従量を算出する。具体的には、
追従量
=(今回切り替えられる信号制御パラメータの開始時刻から、s2で検出した青信号開始時刻までの経過時間)-(今回切り替えられる信号制御パラメータのオフセット)
により算出する。
但し、上記算出式で算出された追従量が負値である場合、今回切り替えられる信号制御パラメータの周期を加算した値を追従量として算出する。
【0100】
信号情報推定部23は、s21で算出した追従量、および今回切り替えられる信号制御パラメータに基づく制御パターンの2つをキーにして、図7(A)に示した追従制御テーブルを参照し、該当する追従制御パターン順列が登録されているかどうかを判定する(s22)。s22では、信号制御装置4が今回切り替える信号制御パラメータに基づく制御パターン(切替後制御パターン)、およびs21で算出した追従量に対応付けられた追従制御パターン順列が、追従制御テーブルに登録されているかどうかを判定する。
【0101】
信号情報生成装置1は、追従制御テーブルに該当する追従制御パターン順列が登録されていないと判定すると、後述する追従制御パターン生成処理を実行する(s32)。
【0102】
また、信号情報生成装置1は、追従制御テーブルに該当する追従制御パターン順列が登録されていると判定すると、その追従制御パターン順列を読み出す(s23)。信号情報推定部23は、s23で追従制御パターン順列を読み出すことにより、今回の追従制御期間に実行される信号機6の制御周期数、および各周期のレコード番号を取得する。信号情報推定部23は、追従制御期間の周期数をカウントするカウント値nを初期値である1に設定する(s24)。信号情報推定部23は、図7(B)に示した追従制御パターンテーブルを参照し、s24で取得した第n周期のレコードに該当する信号機6の各階梯番号1~6の時間を読み出す(s25)。
【0103】
信号情報推定部23は、残青時間を推定する推定タイミングになるか、信号機6cにおいて青信号が終了するのを待つ(s26、s27)。s26、およびs27にかかる処理は、上記したs5、およびs6と同様の処理である。信号情報推定部23は、s26で推定タイミングであると判定すると、残青時間を推定する(s28)。s28では、s2で取得した青開始時刻からの経過時間と、s25で読み出した各階梯番号1~6の時間に基づき、残青時間を推定する。信号情報推定部23は、信号機6aが青信号であるとき、信号機6a、6bについて残青時間を推定し、信号機6cが青信号であるとき、信号機6c、6dについて残青時間を推定する。
【0104】
なお、信号情報推定部23は、図3に示した階梯番号2、3の期間については、s27で残青時間の推定を行わない。また、階梯番号2の期間については、信号機6a、6bの残黄時間の推定を行い、階梯番号2~6の期間については、信号機6a、6bの残赤時間の推定を行うようにしてもよい。
【0105】
信号情報生成装置1は、s28で推定した残青時間を出力部16から出力し(s29)、s26に戻る。
【0106】
また、信号情報推定部23は、検出部21において信号機6cの青信号の終了が検出されると、今回の追従制御期間が終了したかどうかを判定する(s30)。信号情報推定部23は、s23で読み出した追従制御パターンに基づいて、今回の追従制御期間が終了したかどうかを判定する。具体的には、信号情報推定部23は、カウント値nがs23で読み出した追従制御パターン順列に属するレコード数に達していると、今回の追従制御期間が終了したと判定する。
【0107】
信号情報推定部23は、今回の追従制御期間が終了していないと判定すると、カウント値nをインクリメントし(s31)、s25に戻る。
【0108】
また、信号情報生成装置1は、s30で今回の追従制御期間が終了したと判定すると、本処理を終了する(図7のs1に戻る。)。
【0109】
なお、階梯番号5の期間については、信号機6c、6dの残黄時間の推定を行い、階梯番号6~3(次の周期の階梯番号3)の期間については、信号機6c、6dの残赤時間の推定を行うようにしてもよい。
【0110】
したがって、この例の信号情報生成装置1は、時間帯別に設定されている信号制御パラメータが切り替えられるときの追従制御期間においても、残青時間推定し、提供することができる。
【0111】
次に、s32にかかる追従制御パターン生成処理について説明する。図10は、追従制御パターン生成処理を示すフローチャートである。
【0112】
追従制御パターン生成部24は、追従制御期間の周期数をカウントするカウント値nを初期値である1に設定する(s41)。また、追従制御パターン生成部24は、この周期における各階梯番号1~6の時間を検出する(s42)。追従制御パターン生成部24は、s42で検出した各階梯番号1~6の時間を、追従制御期間におけるn周期目の制御パターンを示すレコードとしてメモリ(不図示)に記憶する(s43)。
【0113】
追従制御パターン生成部24は、追従制御期間が(n-1)周期で終了していたかどうかを判定する(s44)。s44で、n周期目で検出した各階梯番号1~6の時間の総和が、今回切り替えられる信号制御パラメータで規定される周期と一致しているかどうかによって判定している。言い換えれば、n周期目における信号機6の制御が、今回切り替えられる信号制御パラメータで規定される制御パターンであったかどうかを判定している。
【0114】
追従制御パターン生成部24は、s64で追従制御期間が(n-1)周期で終了していないと判定すると、カウント値nをインクリメントし(s45)、s42に戻る。
【0115】
また、追従制御パターン生成部24は、s44で追従制御期間が(n-1)周期で終了していたと判定すると、追従制御パターン順列を生成する(s46)。追従制御パターン生成部24は、今回の追従制御期間に信号機6が制御された周期毎に、その周期の追従制御パターンが図7(B)に示した追従制御パターンテーブルに登録されているかどうかを判定する。追従制御パターン生成部24は、図7(B)に示した追従制御パターンテーブルに登録されていれば、登録されているレコード番号と周期数とを対応付けてメモリに記憶する。追従制御パターン生成部24は、図7(B)に示した追従制御パターンテーブルに登録されていなければ、登録部25によって追従制御パターンテーブルに追加登録させるとともに、追加登録時に対応付けられたレコード番号と周期数とを対応付けてメモリに記憶する。
【0116】
登録部25は、切替後の制御パターン、s21で算出した追従量、およびs46で生成された追従制御パターン順列を対応づけたレコードを、図7(A)に示した追従制御テーブルに登録し(s47)、本処理を終了する。
【0117】
このように、信号情報生成装置1は、信号制御装置4が信号機6の灯色信号を制御する制御パターン(追従制御パターン)が得られない追従制御期間であるとき、その追従制御期間について信号制御装置4が信号機6の灯色信号を制御する追従制御パターンを検出して追従制御テーブル、および追従制御パターンテーブルに登録する。したがって、信号情報生成装置1は、残青時間が推定できない事態の発生頻度を抑えることができる。また、追従制御パターンがすでに登録されている追従制御期間については、追従制御パターンを生成する処理を実行しないので、信号情報生成装置1の処理負荷を効率的に抑えられる。
【0118】
なお、上記の説明では、残青時間を推定し、出力する信号情報生成装置1を例にして説明したが、本発明は、追従制御期間における信号機の灯色信号の制御パターンを決定するロジックについて、交通流の低下を抑えるのに適正であるかどうかを評価する装置等にも適用できる。
【0119】
<4.変形例>
・変形例
図11は、変形例にかかる信号情報生成装置の主要部の構成を示す図である。この変形例にかかる信号情報生成装置1Aは、制御ユニット11に時間差推定部26を備えている点で、上記の例の信号情報生成装置1と相違する。
【0120】
時間差推定部26は、計時部13で計時している時刻と、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻との時間差を推定する。
【0121】
この変形例の信号情報生成装置1Aは、上記した例の信号情報生成装置1と同様に、図8に示した残青時間推定処理を実行する。したがって、この変形例の信号情報生成装置1Aも、時間帯別に設定されている信号制御パラメータが切り替えられるときの追従制御期間においても、残青時間推定し、提供することができる。
【0122】
信号制御装置4は、周知のように、自装置内で計時している時刻に基づいて、日種、および時間帯別に設定されている信号制御パラメータを切り替えて、信号機6の灯色信号を制御する。したがって、計時部13で計時している時刻が、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻に対してズレていると、信号制御装置4が信号制御パラメータを切り替えるタイミングであるかどうかの判定精度(上記s3の判定精度)を低下させる。
【0123】
この変形例1の信号情報生成装置1Aは、信号制御装置4が信号制御パラメータを切り替えるタイミングであるかどうかの判定精度を向上させるため、計時部13で計時している時刻と、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻との時間差を推定する時間差推定処理を行う。
【0124】
図12は、時間差推定処理を示すフローチャートである。信号情報生成装置1Aは、図12に示す時間差推定処理を、予め定められたタイミングで実行する。信号情報生成装置1Aは、この時間差推定処理を、例えば、1時間毎に実行するように設定されていてもよいし、毎日1回実行するように設定されていてもよいし、前回実行した時点から適当な期間(10日、1か月等)経過したときに実行するように設定されていてもよい。さらには、信号情報生成装置1Aは、時間差推定処理で推定された時間差(計時部13で計時している時刻と、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻との時間差)に応じて、次回の時間差推定処理を実行するタイミングを決定する構成であってもよい。
【0125】
信号情報生成装置1Aは、時間差推定処理を開始すると、現時点が追従制御期間であるか、通常制御期間であるかを判定する(s51)。信号情報生成装置1Aは、上記したs9にかかる処理を実行していると、追従制御期間であると判定する。信号情報生成装置1Aは、現時点が追従制御期間であると判定すると、その追従制御期間が終了し、通常制御期間に移行するのを待つ。
【0126】
信号情報生成装置1Aは、s51で現時点が通常制御期間である(追従制御期間でない)と判定すると、信号機6aの青信号の点灯開始時刻を検出部21で検出する(s52)。s52で検出する信号機6aの青信号の点灯開始時刻は、計時部13が計時している時刻であり、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻ではない。
【0127】
信号情報生成装置1Aは、時間差推定部26において、s52で検出した信号機6aの青信号の点灯開始時刻を用いて、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻を推定する(s53)。
【0128】
s53で推定する時刻は、s52で計時部13が計時している時刻を検出したタイミングである。
信号制御装置4が自装置内で計時していた時刻
=(その時点が属する時間帯に設定されている信号制御パラメータの開始時刻)
+(その時点が属する時間帯に設定されている信号制御パラメータの周期)×α
+(その時点が属する時間帯に設定されている信号制御パラメータのオフセット)
但し、αは、1以上の整数である。
【0129】
時間差推定部26は、信号制御装置4が自装置内で計時していた時刻と、s52で検出した信号機6aの青信号の点灯開始時刻との時間差が最小になるαを算出する。時間差推定部26は、ここで算出したαを上記式に代入して得られた時刻を、信号制御装置4が自装置内で計時していた時刻と推定する。
【0130】
また、時間差推定部26は、s53で推定した信号制御装置4が自装置内で計時している時刻と、計時部13で計時している時刻との時間差を算出し(s54)、本処理を終了する。
【0131】
信号情報生成装置1Aは、s54で推定した時間差に基づいて、計時部13が計時している時刻を、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻に合わせる構成であってもよいし、s54で推定した時間差をメモリに記憶しておき、s3、s21等の処理においてメモリに記憶している時間差を用いる構成にしてもよい。
【0132】
信号情報生成装置1Aは、計時部13が計時している時刻を、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻に合わせる構成である場合、s44にかかる処理を行わなくてもよい。
【0133】
また、信号情報生成装置1Aは、計時部13において正確な時刻を計時させるために、正確な時刻を計時している機器との間で、時刻同期を行う構成であると、計時部13が計時している時刻を、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻に合わせることなく、s44で推定した時間差をメモリに記憶する。信号情報生成装置1Aは、s44で推定した時間差をメモリに記憶する場合、この時間差を算出する演算に、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻を推定する演算を含めてもよい。すなわち、信号情報生成装置1Aは、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻を演算結果として取得しない構成であってもよい。
【0134】
また、この時間差推定処理は、追従制御期間が終了した時点に近いタイミングで実行するのが好ましい。
【0135】
このように、この変形例1にかかる信号情報生成装置1Aは、計時部13で計時している時刻と、信号制御装置4が自装置内で計時している時刻との時間差を推定することができるので、s3にかかる追従制御期間であるかどうかの判定精度の向上が図れる。また、図9に示した追従制御期間処理における追従量の算出精度の向上も図れる。したがって、信号情報生成装置1Aは、残青時間の推定精度を向上できる。
【0136】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0137】
さらに、この発明に係る構成と上述した実施形態に係る構成との対応関係は、以下の付記のように記載できる。
<付記>
信号制御装置(4)が信号機(6)の灯色信号を制御する制御パターンを、時間帯別に記憶する第1記憶部(14)と、
前記信号機(6)の灯色信号の状態を検出する検出部(21)と、
前記信号制御装置(4)が前記信号機(6)の灯色信号の制御パターンを切り替えるとき、前記検出部(21)で検出した前記信号機(6)の灯色信号の状態と、今回切り替えられる制御パターンに基づく前記信号機(6)の灯色信号の適正状態と、のズレにかかる追従量を算出する算出部(22)と、
前記信号制御装置(4)が前記制御パターンを切り替えるときから、前記信号機(6)の灯色信号を適正状態に移行させるまでに要する追従制御期間に、前記信号制御装置(4)が前記信号機(6)の灯色信号を制御した追従制御パターンを前記検出部(21)により検出し、その検出結果に基づいて、今回算出された追従量に対応する追従制御パターンを生成する追従制御パターン生成部(24)と、
前記追従制御パターン生成部(24)によって生成された前記追従制御パターンを記憶する第2記憶部(15)と、を備えた信号情報生成装置(1)。
【符号の説明】
【0138】
1、1A、1B…信号情報生成装置
3(3Ba、3Bc、3Ra、3Rc、3Ya、3Yc)…電流プローブ
4…信号制御装置
5(5B、5Y、5R)…電源供給ライン
6(6a~6d)…信号機
11…制御ユニット
12…入力部
13…計時部
14…第1記憶部
15…第2記憶部
16…出力部
21…検出部
22…算出部
23…推定部
24…追従制御パターン生成部
25…登録部
26…時間差推定部
図1
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