(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】ツアープラン生成装置、ツアープラン生成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/14 20120101AFI20250311BHJP
【FI】
G06Q50/14
(21)【出願番号】P 2020185570
(22)【出願日】2020-11-06
【審査請求日】2023-10-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】桑原 拓也
(72)【発明者】
【氏名】里田 浩三
(72)【発明者】
【氏名】黒田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】八鍬 豊
(72)【発明者】
【氏名】福田 達也
(72)【発明者】
【氏名】丸山 貴志
(72)【発明者】
【氏名】田辺 和輝
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-282893(JP,A)
【文献】特開2008-269552(JP,A)
【文献】特開2007-265376(JP,A)
【文献】特開2015-049736(JP,A)
【文献】特開2018-101187(JP,A)
【文献】特開2002-073756(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツアープラン生成装置であって、
パッケージツアーの時間スケジュール、移動手段、宿泊施設、観光施設を含むツアー要望及び予算、人数を含む条件を具体化するためのパターンである具体化パターンが予め登録された具体化パターン登録部と、
前記ツアー要望及び前記条件の入力を受け付ける入力部と、
前記具体化パターンに基づいて、入力された前記ツアー要望及び前記条件を具体化することによって、具体化された前記ツアー要望であって具体化された前記条件を満たした前記ツアー要望を、ツアープランとして生成する具体化部と、
生成された前記ツアープランを出力する出力部と、を備
え、
前記ツアー要望及び前記ツアープランは、1以上のツアーアイテムを含み、
前記ツアープラン生成装置は、前記ツアープランに含まれる前記ツアーアイテムのうち、未だ遂行されていない未遂のツアーアイテムを算出する算出部をさらに備え、
前記入力部は、前記未遂のツアーアイテムに基づいて変更された変更後の前記ツアー要望及び前記条件の入力を受け付け、
前記具体化部は、入力された変更後の前記ツアー要望及び前記条件を具体化することによって、具体化された変更後の前記ツアー要望であって具体化された前記条件を満たした前記ツアー要望を、変更後の前記ツアープランとして生成し直し、
前記出力部は、生成し直された変更後の前記ツアープランを出力する、
ツアープラン生成装置。
【請求項2】
具体化された前記ツアー要望が具体化された前記条件を満たすか否かを検証する条件検証部をさらに備え、
前記具体化部は、具体化された前記ツアー要望及び具体化された前記条件を前記条件検証部に与えることによって、具体化された前記ツアー要望が具体化された前記条件を満たすか否かを前記条件検証部に問い合わせる、
請求項1に記載のツアープラン生成装置。
【請求項3】
前記ツアーアイテムが予め登録されたツアーアイテム登録部をさらに備え、
前記具体化パターンは、前記ツアー要望に含まれる前記ツアーアイテムを、前記ツアーアイテム登録部に登録された前記ツアーアイテムに書き換えるパターンを含む、
請求項
1に記載のツアープラン生成装置。
【請求項4】
ツアープラン生成装置が行うツアープラン生成方法であって、
パッケージツアーの時間スケジュール、移動手段、宿泊施設、観光施設を含むツアー要望及び予算、人数を含む条件を具体化するためのパターンである具体化パターンを予め登録する
登録ステップと、
前記ツアー要望及び前記条件の入力を受け付ける
入力ステップと、
前記具体化パターンに基づいて、入力された前記ツアー要望及び前記条件を具体化することによって、具体化された前記ツアー要望であって具体化された前記条件を満たした前記ツアー要望を、ツアープランとして生成する
具体化ステップと、
生成された前記ツアープランを出力する
出力ステップと、を含
み、
前記ツアー要望及び前記ツアープランは、1以上のツアーアイテムを含み、
前記ツアープラン生成方法は、前記ツアープランに含まれる前記ツアーアイテムのうち、未だ遂行されていない未遂のツアーアイテムを算出する算出ステップをさらに含み、
前記入力ステップでは、前記未遂のツアーアイテムに基づいて変更された変更後の前記ツアー要望及び前記条件の入力を受け付け、
前記具体化ステップでは、入力された変更後の前記ツアー要望及び前記条件を具体化することによって、具体化された変更後の前記ツアー要望であって具体化された前記条件を満たした前記ツアー要望を、変更後の前記ツアープランとして生成し直し、
前記出力ステップでは、生成し直された変更後の前記ツアープランを出力する、
ツアープラン生成方法。
【請求項5】
コンピュータに、
パッケージツアーの時間スケジュール、移動手段、宿泊施設、観光施設を含むツアー要望及び予算、人数を含む条件を具体化するためのパターンである具体化パターンを予め登録する
登録手順と、
前記ツアー要望及び前記条件の入力を受け付ける
入力手順と、
前記具体化パターンに基づいて、入力された前記ツアー要望及び前記条件を具体化することによって、具体化された前記ツアー要望であって具体化された前記条件を満たした前記ツアー要望を、ツアープランとして生成する
具体化手順と、
生成された前記ツアープランを出力する
出力手順と、
を実行させるためのプログラム
であり、
前記ツアー要望及び前記ツアープランは、1以上のツアーアイテムを含み、
前記プログラムは、前記コンピュータに、前記ツアープランに含まれる前記ツアーアイテムのうち、未だ遂行されていない未遂のツアーアイテムを算出する算出手順をさらに実行させ、
前記入力手順では、前記未遂のツアーアイテムに基づいて変更された変更後の前記ツアー要望及び前記条件の入力を受け付け、
前記具体化手順では、入力された変更後の前記ツアー要望及び前記条件を具体化することによって、具体化された変更後の前記ツアー要望であって具体化された前記条件を満たした前記ツアー要望を、変更後の前記ツアープランとして生成し直し、
前記出力手順では、生成し直された変更後の前記ツアープランを出力する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パッケージツアーのツアープランを生成するためのツアープラン生成装置、ツアープラン生成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パッケージツアーのツアープランは、旅行代理店の店員が、旅行に必要な各種手続(移動手段、宿泊施設、名所観光、イベント見物などの手配)を、顧客からその都度聞きながら生成されていた。そのため、顧客に対し、ツアープランを迅速に提案できないという問題があった
【0003】
そのため、最近は、パッケージツアーのツアープランを自動で生成する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に開示された技術は、宿泊施設データベース、施設(飲食・観光)データベースなどを備える他、旅行プランの雛形となる旅行モデル雛形データが登録された旅行モデル雛形データベースを備える。旅行プランを生成する際は、旅行モデル雛形データベースから旅行モデル雛形データを取り出し、旅行の条件を満たす宿泊施設などを、宿泊施設データベースなどから抽出しながら、旅行プランを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示された技術は、旅行モデル雛形データを用いて、旅行プランを生成するため、雛形に沿った旅行プランしか生成できず、顧客の要望に応えた柔軟な旅行プランを生成できないという問題があった。
【0006】
そこで本開示の目的は、上述した課題を解決し、顧客の要望に応えた柔軟なツアープランを生成できるツアープラン生成装置、ツアープラン生成方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によるツアープラン生成装置は、
パッケージツアーのツアー要望及び条件の入力を受け付ける入力部と、
入力された前記ツアー要望及び前記条件を具体化することによって、具体化された前記ツアー要望であって具体化された前記条件を満たした前記ツアー要望を、ツアープランとして生成する具体化部と、
生成された前記ツアープランを出力する出力部と、を備える。
【0008】
一態様によるツアープラン生成方法は、
ツアープラン生成装置が行うツアープラン生成方法であって、
パッケージツアーのツアー要望及び条件の入力を受け付けるステップと、
入力された前記ツアー要望及び前記条件を具体化することによって、具体化された前記ツアー要望であって具体化された前記条件を満たした前記ツアー要望を、ツアープランとして生成するステップと、
生成された前記ツアープランを出力するステップと、を含む。
【0009】
一態様によるプログラムは、
コンピュータに、
パッケージツアーのツアー要望及び条件の入力を受け付ける手順と、
入力された前記ツアー要望及び前記条件を具体化することによって、具体化された前記ツアー要望であって具体化された前記条件を満たした前記ツアー要望を、ツアープランとして生成する手順と、
生成された前記ツアープランを出力する手順と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
上述の態様によれば、顧客の要望に応えた柔軟なツアープランを生成できるツアープラン生成装置、ツアープラン生成方法、及びプログラムを提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係るツアープラン生成装置の構成例を示す図である。
【
図2】ツアーアイテムのデータ構造を概念的に例示する図である。
【
図3】ツアー要望のデータ構造を概念的に例示する図である。
【
図4】
図3に示されるツアー要望に紐づけられる条件のデータ構造を概念的に例示する図である。
【
図5】具体例1に係る具体化パターンのデータ構造を概念的に例示する図である。
【
図6】具体例2に係る具体化パターンの左辺及び右辺のデータ構造を概念的に例示する図である。
【
図7】具体例2に係る具体化パターンのテンプレートのデータ構造を概念的に例示する図である。
【
図8】
図3に示されるツアー要望を、
図6及び
図7に示される具体例2に係る具体化パターンに基づいて具体化した後のツアー要望のデータ構造を概念的に例示する図である。
【
図9】
図4に示される条件を、
図6及び
図7に示される具体例2に係る具体化パターンに基づいて具体化した後の条件のデータ構造を概念的に例示する図である。
【
図10】具体例3に係る具体化パターンの左辺及び右辺のデータ構造を概念的に例示する図である。
【
図11】実施の形態1に係るツアーアイテム登録データベースの動作例を説明する図である。
【
図12】
図3に示されるツアー要望を具体化することによって生成されたツアープランのデータ構造を概念的に例示する図(1/3)である。
【
図13】
図3に示されるツアー要望を具体化することによって生成されたツアープランのデータ構造を概念的に例示する図(2/3)である。
【
図14】
図3に示されるツアー要望を具体化することによって生成されたツアープランのデータ構造を概念的に例示する図(3/3)である。
【
図15】実施の形態1に係る端末のディスプレイに表示される入力画面及び出力画面の例を示す図である。
【
図16】実施の形態1に係るツアープラン生成装置の動作の流れの例を説明するフローチャートである。
【
図17】実施の形態2に係るツアープラン生成装置の構成例を示す図である。
【
図18】変更プロセスの対象となる現状のツアープランと、その現状のツアープランの元になる現状のツアー要望と、の例を示す図である。
【
図19】現状のツアープランと、現状のツアープランのうちの未遂のツアーアイテムに基づいて変更された変更後のツアー要望と、の例を示す図である。
【
図20】変更後のツアー要望と、その変更後のツアー要望に基づいて生成された変更後のツアープランと、の例を示す図である。
【
図21】現状のツアー要望と、その現状のツアー要望に基づいて生成し直された変更後のツアープランと、の例を示す図である。
【
図22】実施の形態2に係る端末のディスプレイに表示される入力画面及び出力画面の例を示す図である。
【
図23】実施の形態3に係るツアープラン生成装置の構成例を示す図である。
【
図24】実施の形態4に係るツアープラン生成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0013】
<実施の形態1>
まず、本実施の形態1に係るツアープラン生成装置100の構成例について説明する。
図1は、本実施の形態1に係るツアープラン生成装置100の構成例を示す図である。
図1に示されるように、本実施の形態1に係るツアープラン生成装置100は、ツアー要望入力部101、ツアー要望具体化部102、具体化パターン登録データベース103、ツアーアイテム登録データベース104、条件検証部105、及びツアープラン出力部106を備えている。なお、
図1に示される端末200は、顧客が使用する端末であり、入力機能、通信機能、及び表示機能を少なくとも備えていれば良い。また、
図1に示される端末200は、顧客が携帯可能な携帯端末になっているが、据え置き型の固定端末でも良い。
【0014】
ツアー要望入力部101は、端末200から、顧客が希望するパッケージツアーのツアー要望及び条件の入力を受け付ける。ツアー要望は、1以上のツアーアイテムを含む。
【0015】
図2は、ツアーアイテムのデータ構造を概念的に例示する図である。但し
図2は、端末200に表示されるUIを例示する図として捉えることもできる(以下で説明する
図3~
図10及び
図12~
図14において同じ)。ここでUIは、ユーザ・インタフェースである。
図2には、一例として、「出発」に関するツアーアイテムI1及び「移動」に関するツアーアイテムI2が示されている。「出発」に関するツアーアイテムI1には、「後予定」に関するラベルL11が付され、「移動」に関するツアーアイテムI2には、「後予定」に関するラベルL21、「後予定」に関するラベルL22、及び「移動手段」に関するラベルL23が付されている。このうち、直角四角形のラベルL11は、ツアーアイテムI1に関する要請であり、直角四角形のラベルL22,L23は、ツアーアイテムI2に関する要請である。また、これら直角四角形のラベルL11,L22,L23は、別のツアーアイテムの角丸四角形のラベルに結び付けられることを要求している。例えば、「出発」に関するツアーアイテムI1の「後予定」に関する直角四角形のラベルL11は、「移動」に関するツアーアイテムI2の「後予定」に関する角丸四角形のラベルL21に結び付けることが可能である。
【0016】
図3は、ツアー要望のデータ構造を概念的に例示する図であり、
図4は、条件のデータ構造を概念的に例示する図である。なお、便宜上、
図3と
図4とを別図面としているが、
図3に示されるツアー要望及び
図4に示される条件は、紐付けられており、端末200から組で入力される。また、
図3及び
図4において、2重の四角枠は、ツアー要望及び条件が枠内に図示されていることを表している(以下で説明する
図8及び
図9において同じ)。
【0017】
図3に示されるツアー要望は、顧客が、概略的には、以下を希望している場合の例である。
・8月3日の9時に、出発場所Sから出発する。
・宿泊施設Aに宿泊する。
・観光名所α、βを訪問する。
・8月4日の19時に、到着場所Gに到着する。
【0018】
そのため、
図3に示されるツアー要望は、「出発」に関するツアーアイテムI3、「宿泊」に関するツアーアイテムI4、「到着」に関するツアーアイテムI5、「宿泊施設A」に関するツアーアイテムI6、「観光名所α」に関するツアーアイテムI7、及び「観光名所β」に関するツアーアイテムI8を含んでいる。
【0019】
図4に示される条件は、概略的には、以下の通りである。
・予算は、75000円。
・人数は、3人。
・出費の総額は、予算を下回る。
なお、出費項目は、現時点では未確定である。
【0020】
図3に示されるツアー要望は、移動手段や時間スケジュールが未確定であるなど、未確定な部分が数多く存在している。また、
図4に示される条件も、出費項目が未確定であるなど、未確定な部分が存在している。
【0021】
そこで、ツアー要望具体化部102は、具体化プロセスによる自動生成処理によって、ツアー要望及び条件における未確定な部分を具体化する。
具体的には、ツアー要望具体化部102は、具体化パターン登録データベース103に登録された、ツアー要望及び条件を具体化するためのパターンである具体化パターンに基づいて、ツアー要望及び条件における未確定な部分を具体化する。
【0022】
ここで、具体化パターンについて説明する。
図5は、具体例1に係る具体化パターン111のデータ構造を概念的に例示する図である。
図5に示されるように、具体化パターン111は、具体化の対象を示す情報(以下、具体化パターンの左辺と称す)112と、具体化後の構成を示す情報(以下、具体化パターンの右辺と称す)113と、具体化によって追加される条件を生成するためのテンプレート114と、を含む。
【0023】
ツアー要望具体化部102は、具体化パターンの左辺112に相当する構造がツアー要望に含まれる場合、その構造を、具体化パターンの右辺113に相当する構造に書き換える。この書き換えの後、ツアー要望具体化部102は、テンプレート114により生成された条件を、ツアー要望に紐付けられる条件に追加する。
【0024】
図5に示される具体例1に係る具体化パターン111において、書き換え前後のデータ構造は、以下の通りである。
書き換え前のデータ構造:
「予定1」に関するツアーアイテムI9と、「予定2」に関するツアーアイテムI10と、が独立に配置される。
書き換え後のデータ構造:
「予定1」に関するツアーアイテムI9の「後予定」に関するラベルL91が、「予定2」に関するツアーアイテムI10の「後予定」に関するラベルL101に結び付けられる。
【0025】
図6は、具体例2に係る具体化パターン121の左辺122及び右辺123のデータ構造を概念的に例示する図であり、
図7は、具体例2に係る具体化パターン121のテンプレート124のデータ構造を概念的に例示する図である。
【0026】
図6及び
図7に示される具体例2に係る具体化パターン121において、書き換え前後のデータ構造は、以下の通りである。
書き換え前のデータ構造:
「宿泊」に関するツアーアイテムI11が配置されている。
書き換え後のデータ構造:
「チェックイン」に関するツアーアイテムI12、「チェックアウト」に関するツアーアイテムI13、及び「宿泊施設」に関するツアーアイテムI14が追加される。なお、「宿泊施設」に関するツアーアイテムI14に関しては、すでにツアー要望に含まれていれば、そのツアーアイテムを使用すれば良く、新たに追加する必要はない。
さらに、「宿泊」に関するツアーアイテムI11の「宿泊施設」に関するラベルL111が、「宿泊施設」に関するツアーアイテムI14の「宿泊施設」に関するラベルL143に結び付けられる。また、「宿泊施設」に関するツアーアイテムI14の「チェックイン」に関するラベルL141が、「チェックイン」に関するツアーアイテムI12の「チェックイン」に関するラベルL121に結び付けられる。また、「宿泊施設」に関するツアーアイテムI14の「チェックアウト」に関するラベルL142が、「チェックアウト」に関するツアーアイテムI13の「チェックアウト」に関するラベルL131に結び付けられる。
【0027】
図8及び
図9は、
図3及び
図4に示されるツアー要望及び条件を、
図6及び
図7に示される具体例2に係る具体化パターン121に基づいて具体化した後のツアー要望及び条件のデータ構造をそれぞれ概念的に例示する図である。
図8に示されるツアー要望においては、具体化パターンの左辺122から右辺123への書き換えが行われている。具体的には、「チェックイン」に関するツアーアイテムI16及び「チェックアウト」に関するツアーアイテムI17が追加されている。また、「宿泊施設」に関するツアーアイテムI6の「チェックイン」に関するラベルL61が、「チェックイン」に関するツアーアイテムI16の「チェックイン」に関するラベルL161に結び付けられている。また、「宿泊施設」に関するツアーアイテムI6の「チェックアウト」に関するラベルL62が、「チェックアウト」に関するツアーアイテムI17の「チェックアウト」に関するラベルL171に結び付けられている。また、
図9に示される条件においては、テンプレート124により生成された条件が追加されている。
【0028】
図10は、具体例3に係る具体化パターン131の左辺132及び右辺133のデータ構造を概念的に例示する図である。なお、具体化パターン131のテンプレートのデータ構造は、図示を省略する。
図10に示される具体例3に係る具体化パターン131において、書き換え前後のデータ構造は、以下の通りである。
書き換え前のデータ構造:
「宿泊施設」に関するツアーアイテムI15が配置されている。この時点では「宿泊施設」は、予算、地域などの条件が指定されているだけで、具体化されていない。
書き換え後のデータ構造:
ツアーアイテムI15における「宿泊施設」を、ツアーアイテム登録データベース104から条件を満たす宿泊施設を検索して、見つかった宿泊施設に具体化されている。
【0029】
そのため、ツアー要望具体化部102は、具体例3に係る具体化パターン131を用いる場合には、予算、地域などの宿泊施設の検索条件を含むクエリをツアーアイテム登録データベース104に与え、検索条件を満たす宿泊施設を含むレスポンスをツアーアイテム登録データベース104から受け取る。なお、ツアーアイテム登録データベース104の詳細は後述する。
【0030】
ツアー要望具体化部102は、上述のような具体化パターンに基づいて、ツアー要望及び条件における未確定な部分を具体化することを繰り返し行うことによって、ツアー要望及び条件を、未確定な部分が含まれていない構成に具体化していく。
【0031】
ツアーアイテム登録データベース104は、ツアー要望具体化部102からクエリを受け取ると、クエリに含まれる検索条件を満たすツアーアイテムを検索し、見つかった全て又は一部のツアーアイテムを含むレスポンスをツアー要望具体化部102に返す。
【0032】
図11は、ツアーアイテム登録データベース104の動作例を説明する図である。
図11は、宿泊施設を検索する場合の動作例を示している。
図11の例では、ツアーアイテム登録データベース104は、予算、日程などの宿泊施設の検索条件を含むクエリを受け取り、検索により見つかった宿泊施設A,B,Cを含むレスポンスを返している。このとき、ツアーアイテム登録データベース104は、静的なデータベースを保持し、静的なデータベースからデータを取得しても良いし、動的なリソースからデータを取得しても良い。動的なリソースは、外部のサービス又は外部の動的に変化するデータベースなどである。例えば、宿泊施設のデータを取得する場合には、外部のサービスは、宿泊施設ブッキングサービス、民泊検索サービスなどである。
【0033】
なお、ツアー要望入力部101も、顧客による入力をサポートするために、ツアーアイテム登録データベース104を利用しても良い。例えば、顧客が、ツアー要望及び条件として、予算、日程などを入力した場合、ツアー要望入力部101は、これらを検索条件として含むクエリをツアーアイテム登録データベース104に与える。その結果、ツアー要望入力部101は、クエリに対するレスポンスとして、検索条件を満たす宿泊施設のデータを得ることができるため、その宿泊施設を顧客に提示すれば良い。
【0034】
ツアー要望具体化部102は、ツアー要望及び条件を、未確定な部分が含まれていない構成に具体化すると、具体化されたツアー要望及び条件を条件検証部105に与え、具体化されたツアー要望が、具体化された条件を満たすか否かの検証を依頼する
【0035】
条件検証部105は、ツアー要望具体化部102から、具体化されたツアー要望及び条件を受け取ると、具体化されたツアー要望が、具体化された条件を満たすか否かを検証し、その検証結果をツアー要望具体化部102に返す。
【0036】
具体化されたツアー要望が、具体化された条件を満たす場合、その具体化されたツアー要望は、顧客に提案するツアープランとして確定することになる。
図12~
図14は、
図3に示されるツアー要望を具体化することによって生成されたツアープランのデータ構造を概念的に例示する図である。なお、
図12~
図14は、1つのツアープランを3分割して、3つの図面で表したものであり、
図12の最下段に示されるツアーアイテムI18と
図13の最上段に示されるツアーアイテムI18とは同じツアーアイテムを指し、また、
図13の最下段に示されるツアーアイテムI19と
図14の最上段に示されるツアーアイテムI19とは同じツアーアイテムを指している。
【0037】
図12~
図14に示されるツアープランは、未確定な部分を含んでおらず、かつ、具体化された条件を満たしたものとなっており、概略的には、以下のツアー内容になっている。
場所Sを出発
電車で移動
観光名所βを訪問
バスで移動
宿泊施設Aで一泊
バスで移動
観光名所αを訪問
電車で移動
場所Gに到着
【0038】
ツアープラン出力部106は、全て又は一部のツアープランを、顧客に提案するために、端末200に出力する。
【0039】
図15は、本実施の形態1に係る端末200のディスプレイに表示される入力画面210及び出力画面220の例を示す図である。
入力画面210は、顧客がツアー要望及び条件を入力する際に、ツアー要望入力部101が端末200のディスプレイに表示させる画面である。入力画面210は、領域211及びボタン212を含む。領域211は、顧客がツアー要望及び条件を入力するための領域である。詳細には、領域211には、ツアー要望及び条件を構成する要素がテキストデータとして入力され、ツアー要望入力部101は、入力された要素に基づいて、
図3及び
図4に示されるようなツアー要望及び条件を生成することになる。このとき、顧客は、名所やイベントなどの具体的な名称を入力することには限定されず、「ロマンチックな場所」、「予算~以下で訪問可能な施設」などのゆるい指定を入力することも可能である。即ち、ゆるい指定とは、具体化の余地を含む指定、曖昧さを含む指定とも捉えることができる。名所やイベントに関して、ゆるい指定が入力された場合、その指定を含むクエリをツアーアイテム登録データベース104に与えることにより、そのクエリに対するレスポンスとして、具体的な名所やイベントを得ることが可能である。この場合、クエリは、ツアー要望及び条件の入力時に、ツアー要望入力部101が与えても良いし、ツアー要望及び条件の具体化時に、ツアー要望具体化部102が与えても良い。
【0040】
ツアー要望具体化部102は、ボタン212が操作された時点で、領域211に入力された要素に基づいて生成されたツアー要望及び条件を、ツアー要望入力部101から取得し、取得されたツアー要望及び条件を具体化する、具体化プロセスによる自動生成処理を開始する。
【0041】
出力画面220は、ボタン212が操作された後に、ツアープラン出力部106が端末200のディスプレイに表示させる画面である。出力画面220は、領域221及びボタン222を含む。領域221は、ツアー要望具体化部102が生成したツアープランの一覧を表示するための領域である。領域221に表示されたツアープランのいずれかが選択されると、ツアープラン出力部106は、選択されたツアープランの詳細内容を記述した別の出力画面を端末200のディスプレイに表示させる。ここで表示される出力画面は、例えば、
図12~14に図示されるようなツアープランのデータ構造で表現された画面であるが、これには限定されない。
【0042】
ツアー要望入力部101は、ボタン222が操作された時点で、端末200のディスプレイに入力画面210を再度表示させる。これにより、顧客は、ツアープランの詳細内容を確認した上で、ツアー要望及び条件を再度編集することが可能となる。
【0043】
なお、ツアープランの詳細内容を記述した出力画面において、顧客は、そのツアープランのパッケージツアーを発注できるようにしても良い。この場合、ツアープラン出力部106は、発注されたツアープランを実施するために必要な手続きのうち、自動でできる手続きについては、自動で実行しても良い。自動でできる手続きとは、例えば、宿泊施設の予約、移動手段の予約などである。
【0044】
次に、本実施の形態1に係るツアープラン生成装置100の動作の流れについて説明する。
図16は、本実施の形態1に係るツアープラン生成装置100の動作の流れの例を説明するフローチャートである。
【0045】
図16に示されるように、まず、ツアー要望入力部101は、パッケージツアーのツアー要望及び条件の入力を受け付ける(ステップS100)。入力されるツアー要望及び条件は、紐付けられている。
以下、ツアー要望を符号Dで表し、条件を符号QCで表す。特に、最初に入力されるツアー要望を符号D0で表し、最初に入力される条件を符号QC0で表す。
【0046】
次に、ツアー要望具体化部102は、ツアー要望入力部101に入力されたツアー要望D0と条件QC0との組を探索木のルートとして定める(ステップS101)。この探索木は、ツアー要望と条件との組をノードとする。また、ツアー要望と条件との組を、組(D,QC)などのように記す場合がある。
【0047】
次に、ツアー要望具体化部102は、「具体化可能な組(D,QC)が残っていて、かつ、十分な数のツアープランが得られていない」という条件が満たされているか否かを判定する(ステップS102)。ここで、具体化可能な組(D,QC)とは、具体化可能なツアー要望Dと、そのツアー要望Dに紐付けられる条件QCとの組である。また、上記の「十分な数」は、予め定められている。
【0048】
ステップS102において、上記の条件が満たされている場合(ステップS102のYES)、ツアー要望具体化部102は、具体化可能な組(D,QC)を1つ選択して、具体化パターンに基づいて、その組(D,QC)を具体化し、組(D’,QC’)を得る(ステップS103)。ステップS103では、ツアー要望具体化部102は、具体化パターンに基づいて、ツアー要望D及び条件QCをそれぞれ具体化することによって、ツアー要望D’及び条件QC’を生成する。
【0049】
ここで、ステップS103において具体化可能な組(D,QC)を1つ選択するときに、ツアー要望具体化部102は、探索木に含まれている組(D,QC)のうち、「ツアー要望Dが完全には具体化されていない」、かつ、「ツアー要望D内の具体化対象に対して適用可能かつ未だ適用されたことのない具体化パターンが存在する」という条件を満たす組(D,QC)を選択する。このとき、例えば、ツアー要望D内に具体化パターンが適用され得る具体化対象が2つ存在し、一方の具体化対象のみに具体化パターンが適用されている場合には、その具体化パターンを、ツアー要望D内の具体化対象に未だ適用されたことのない具体化パターンとして扱う。
【0050】
次に、ツアー要望具体化部102は、ツアー要望D’及び条件QC’を条件検証部105に与え、条件検証部105に対して、ツアー要望D’が条件QC’を満たすか否かの検証を依頼する。条件検証部105は、ツアー要望具体化部102からの依頼に応じて、ツアー要望D’が条件QC’を満たすか否かを検証し、その検証結果を、ツアー要望具体化部102に返す。ツアー要望具体化部102は、その検証結果によって、条件QC’が充足可能であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0051】
ステップS104において、条件QC’が充足可能である場合(ステップS104のYES)、ツアー要望具体化部102は、ステップS103で選択した組(D,QC)の子ノードとして、組(D’,QC’)を探索木に追加する(ステップS105)。探索木に追加された組(D’,QC’)におけるツアー要望D’が、顧客に提案するツアープランの1つとなる。ステップS105の後、ツアー要望具体化部102は、ステップS102に戻り、ステップS102以降の処理を繰り返す。
【0052】
また、ステップS104において、条件QC’が充足不能である場合(ステップS104のNO)、ツアー要望具体化部102は、ステップS105を行うことなく、ステップS102に移行し、ステップS102以降の処理を繰り返す。
【0053】
また、ステップS102において、「具体化可能な組(D,QC)が残っていて、かつ、十分な数のツアープランが得られていない」という条件が満たされていない場合(ステップS102のNO)、ツアープラン出力部106は、それまでに得られているツアープランを出力し(ステップS106)、処理を終了する。なお、ステップS106では、ツアープラン出力部106は、得られているツアープランを全て出力しても良いし、得られているツアープランのうちの所定数(例えば、1つ)を出力しても良い。
【0054】
上述したように本実施の形態1によれば、ツアー要望入力部101は、パッケージツアーのツアー要望及び条件の入力を受け付ける。ツアー要望具体化部102は、入力されたツアー要望及び条件を具体化することによって、具体化されたツアー要望であって具体化された条件を満たしたツアー要望を、ツアープランとして生成する。ツアープラン出力部106は、生成されたツアープランを出力する。
【0055】
そのため、特許文献1のように、旅行モデル雛形データを用いて、ツアープランを生成する技術と比較して、顧客の要望に応えた柔軟なツアープランを生成できるようになる。
【0056】
<実施の形態2>
上述した実施の形態1では、パッケージツアーのツアー要望及び条件に基づいて、ツアープランを生成した。
しかし、ツアープランのツアー中に、天候の悪化、移動手段の遅延などのアクシデントによって、ツアープランに含まれるツアーアイテムが遂行できなくなり、その結果、ツアープランに変更を加えなければならなくなる場合もあると考えられる。
本実施の形態2は、アクシデントなどによって、ツアーアイテムが遂行できなくなった場合に、ツアープランを生成し直すものである。
【0057】
まず、本実施の形態2に係るツアープラン生成装置100Aの構成例について説明する。
図17は、本実施の形態2に係るツアープラン生成装置100Aの構成例を示す図である。
図17に示されるように、本実施の形態2に係るツアープラン生成装置100Aは、上述した実施の形態1のツアープラン生成装置100と比較して、未遂ツアーアイテム算出部107が追加されている。
【0058】
以下、本実施の形態2に係るツアープラン生成装置100Aにおいて、ツアープランを変更するための変更プロセスの例について説明する。ここでは、顧客は、ツアー要望A及び条件を入力することにより、ツアープラン生成装置100AからツアープランPAが提案されており、ツアープランPAの進行中に、ツアープランPAを変更するために変更プロセスを起動したものとして説明する。
【0059】
ステップS201:
まず、未遂ツアーアイテム算出部107は、端末200から、進行中のツアープランPA及びツアープランPAに含まれるツアーアイテムのうち遂行済みのツアーアイテムを示す進行状況の入力を受け付ける。なお、進行状況の入力方法としては、端末200は、変更プロセスの起動時に、遂行済みのツアーアイテムをまとめて入力(通知)する方法でも良いし、ツアープランPAの進行に合わせて、ツアーアイテムが遂行される度に、遂行されたツアーアイテムを入力(通知)する方法でも良い。
【0060】
ステップS202:
次に、未遂ツアーアイテム算出部107は、ツアープランPAの進行状況に基づいて、ツアープランPAに含まれるツアーアイテムのうち、未だ遂行されていない未遂のツアーアイテムを算出し、算出されたツアーアイテムを端末200に出力(提示)する。
【0061】
ステップS203:
次に、ツアー要望入力部101は、端末200から、必要に応じて、未遂のツアーアイテムに基づいて変更された変更後のツアー要望A’及び条件の入力を受け付ける。なお、ツアー要望Aを変更するか否かは、顧客が任意に決定できる。また、ツアー要望Aを変更する場合に、条件も合わせて変更するか否かも、顧客が任意に決定できる。ここでは、変更後のツアー要望A’が入力されると共に、現状の条件が入力されたとする。
【0062】
ステップS204:
その後、ツアー要望具体化部102は、具体化パターンに基づいて、ツアー要望A’及び条件を具体化する。具体化されたツアー要望A’が具体化された条件を満たせば、具体化されたツアー要望A’がツアープランPA’として確定し、ツアープラン出力部106は、ツアープランPA’を端末200に出力(提示)する。
【0063】
続いて、本実施の形態2に係るツアープラン生成装置100Aにおける変更プロセスについて、具体例を挙げて説明する。
図18は、変更プロセスの対象となる現状のツアープランと、その現状のツアープランの元になる現状のツアー要望と、の例を示す図である。なお、
図18に示されるツアー要望及びツアープランは、一部が抜粋して示されている(後述する
図19~
図21において同じ)。
【0064】
図18に示される現状のツアー要望は、以下の通りである。
・1泊2日
・観光名所αで毎日10:00あるいは16:00に行われるショーを観覧
・現地のイベントβ(13:00-15:00)に参加
・観光名所γを訪問
・現地の観光名所2箇所(α,γ以外)を周る
【0065】
また、
図18に示される現状のツアープランは、
図18に示される現状のツアー要望を具体化することにより生成されたツアープランであり、以下の通りである。
観光名所γを訪問
観光名所αに行き、16:00開始のショーを観覧
宿泊施設で一泊
観光名所δを訪問
イベントβ(13:00-15:00)に参加
観光名所εに行く
【0066】
ここで、顧客は、
図18に示されるツアープランのツアー中に、電車が事故により遅れ、16:00開始のツアーアイテム「観光名所αに行き、16:00開始のショーを観覧」が遂行できなくなったとする。
この場合、顧客は、変更プロセスを起動して、
図18に示されるツアープランの進行状況を入力し、未遂ツアーアイテム算出部107は、入力された進行状況に基づいて、
図18に示されるツアープランに含まれるツアーアイテムのうち、未遂のツアーアイテムを算出する。
【0067】
図19は、現状のツアープランと、現状のツアープランのうちの未遂のツアーアイテムに基づいて変更された変更後のツアー要望と、の例を示す図である。なお、
図19に示されるツアーアイテムのうち未遂のツアーアイテムが下線で示されている。
【0068】
図19に示されるツアープランは、
図18に示されるツアープランと同じである。
図19に示されるツアープランに含まれるツアーアイテムのうち、未遂のツアーアイテムは、16:00以降に遂行される予定であったツアーアイテムであり、以下の通りである。
観光名所αに行き、16:00開始のショーを観覧
宿泊施設で一泊
観光名所δを訪問
イベントβ(13:00-15:00)に参加
観光名所εに行く
【0069】
未遂ツアーアイテム算出部107は、上述した未遂のツアーアイテムを算出し、算出されたツアーアイテムを端末200に出力(提示)する。
顧客は、提示された未遂のツアーアイテムに基づいて、
図19に示されるような、変更後のツアー要望を入力する。
図19の例では、顧客は、「現地の観光名所2箇所(α,γ以外)を周る」を、「現地の観光名所1箇所(α,γ以外)を周る」に変更している。
【0070】
図20は、変更後のツアー要望と、その変更後のツアー要望に基づいて生成し直された変更後のツアープランと、の例を示す図である。なお、
図20に示される変更後のツアー要望及び変更後のツアープランのうち、現状のツアー要望(
図19)及び現状のツアープラン(
図19)からの変更箇所が、下線で示されている。
【0071】
図20に示される変更後のツアー要望は、
図19に示される変更後のツアー要望と同じである。
ツアー要望具体化部102は、具体化パターンに基づいて、
図20に示される変更後のツアー要望を、条件と共に具体化する。なお、条件に変更が無い場合は、現状の条件を使用し、条件が変更された場合は変更後の条件を使用すれば良い。
【0072】
図20に示される変更後のツアープランは、
図20に示される変更後のツアー要望を具体化することによって、生成し直されたツアープランである。
図20に示される変更後のツアープランにおいて、現状のツアープラン(
図19)からの変更箇所は、以下の通りである。
・「観光名所αに行き、16:00開始のショーを観覧」を翌日に変更
・「観光名所εに行く」を削除
【0073】
なお、
図18~
図20に示される例では、顧客が、変更後のツアー要望を入力し、変更後のツアー要望に基づいて、変更後のツアープランを生成し直したが、ツアー要望の変更は、必須ではない。現状のプラン要望に基づいて、変更後のツアープランを生成し直しても良い。
【0074】
図21は、現状のツアー要望と、その現状のツアー要望に基づいて生成し直された変更後のツアープランと、の例を示す図である。なお、
図21に示される変更後のツアープランのうち、現状のツアープラン(
図19)からの変更箇所が、下線で示されている。
【0075】
図21に示されるツアー要望は、
図18に示される現状のツアー要望と同じである。
ツアー要望具体化部102は、具体化パターンに基づいて、
図21に示される現状のツアー要望を、条件と共に具体化することによって、変更後のツアープランを生成し直す。
【0076】
図21に示される変更後のツアープランにおいて、現状のツアープラン(
図19)からの変更箇所は、以下の通りである。
・「観光名所αに行き、16:00開始のショーを観覧」を翌日に変更
・「観光名所μを訪問」を追加
・「観光名所εに行く」を削除
【0077】
図22は、本実施の形態2に係る端末200のディスプレイに表示される入力画面230及び出力画面240の例を示す図である。
入力画面230は、未遂のツアーアイテムを端末200に提示した後、顧客が変更後のツアー要望及び条件を入力する際に、ツアー要望入力部101が端末200のディスプレイに表示させる画面である。入力画面230は、領域231及びボタン232を含む。領域231は、顧客が変更後のツアー要望及び条件を入力するための領域である。詳細には、領域231には、上述した実施の形態1で説明した
図15に示される領域211と同様に、変更後のツアー要望及び条件を構成する要素がテキストデータとして入力され、ツアー要望入力部101は、入力された要素に基づいて、変更後のツアー要望及び条件を生成する。また、領域231には、領域211と同様に、名所やイベントなどに関して、ゆるい指定を入力することも可能である。また、名所やイベントに関して、ゆるい指定が入力された場合における、具体的な名所やイベントを得る方法は、上述した実施の形態1と同様である。
【0078】
ツアー要望具体化部102は、ボタン232が操作された時点で、領域231に入力された要素に基づいて生成された変更後のツアー要望及び条件を、ツアー要望入力部101から取得し、取得されたツアー要望及び条件を具体化する、具体化プロセスによる自動生成処理を開始する。
【0079】
出力画面240は、ボタン232が操作された後に、ツアープラン出力部106が端末200のディスプレイに表示させる画面である。出力画面240は、領域241及びボタン242を含む。領域241は、ツアー要望具体化部102が生成し直した変更後のツアープランの一覧を表示するための領域である。領域241に表示されたツアープランのいずれかが選択されると、ツアープラン出力部106は、選択されたツアープランの詳細内容を含む別の出力画面を端末200のディスプレイに表示させる。ここで表示される出力画面は、例えば、
図12~14に図示されるようなツアープランのデータ構造で表現された画面であるが、これには限定されない。
【0080】
ツアー要望入力部101は、ボタン242が操作された時点で、端末200のディスプレイに入力画面230を再度表示させる。これにより、顧客は、ツアープランの詳細内容を確認した上で、ツアー要望及び条件を再度編集することが可能となる。
【0081】
なお、本実施の形態2に係るツアープラン生成装置100Aにおいて、ツアープランを新規に生成する場合の動作の流れは、上述した実施の形態1で説明した
図16と同様である。また、変更後のツアープランを生成し直す場合の動作の流れも、
図16のステップS100において、現状の又は変更後のツアー要望及び条件を入力すること以外は、
図16と同様である。
そのため、本実施の形態2に係るツアープラン生成装置100Aにおいて、ツアープランを新規に生成する場合の動作及び変更後のツアープランを生成し直す場合の動作の流れの説明は省略する。
【0082】
上述したように本実施の形態2によれば、未遂ツアーアイテム算出部107は、ツアープランに含まれるツアーアイテムのうち、未遂のツアーアイテムを算出する。ツアー要望入力部101は、未遂のツアーアイテムに基づいて変更された変更後のツアー要望及び条件の入力を受け付ける。ツアー要望具体化部102は、入力された変更後のツアー要望及び条件を具体化することによって、具体化された変更後のツアー要望であって具体化された条件を満たしたツアー要望を、変更後のツアープランとして生成し直す。ツアープラン出力部106は、生成し直されたツアープランを出力する。
【0083】
なお、ツアー要望具体化部102は、すでに入力されたツアー要望及び条件を具体化することによって、具体化されたツアー要望であって具体化された条件を満たしたツアー要望を、変更後のツアープランとして生成し直しても良い。
【0084】
そのため、アクシデントなどによって、ツアーアイテムが遂行できなくなった場合に、ツアープランを生成し直すことができるようになる。
その他の効果は、上述した実施の形態1と同様である。
【0085】
<実施の形態3>
図23は、本実施の形態3に係るツアープラン生成装置100Bの構成例を示す図である。
図23に示されるように、本実施の形態3に係るツアープラン生成装置100Bは、入力部150、具体化部151、及び出力部152を備えている。
【0086】
入力部150は、端末200から、パッケージツアーのツアー要望及び条件の入力を受け付ける。入力部150は、例えば、ツアー要望入力部101に対応する。
具体化部151は、入力されたツアー要望及び条件を具体化することによって、具体化されたツアー要望であって具体化された条件を満たしたツアー要望を、ツアープランとして生成する。具体化部151は、例えば、ツアー要望具体化部102に対応する。
出力部152は、生成されたツアープランを端末200に出力する。出力部152は、例えば、ツアープラン出力部106に対応する。
【0087】
そのため、特許文献1のように、旅行モデル雛形データを用いて、ツアープランを生成する技術と比較して、顧客の要望に応えた柔軟なツアープランを生成できるようになる。
【0088】
また、本実施の形態3に係るツアープラン生成装置100Bは、ツアー要望及び条件を具体化するためのパターンである具体化パターンが予め登録された具体化パターン登録部をさらに備えていても良い。この具体化パターン登録部は、例えば、具体化パターン登録データベース103に対応する。また、具体化部151は、具体化パターンに基づいて、入力されたツアー要望及び条件を具体化しても良い。
【0089】
また、本実施の形態3に係るツアープラン生成装置100Bは、具体化されたツアー要望が具体化された条件を満たすか否かを検証する条件検証部をさらに備えていても良い。この条件検証部は、例えば、条件検証部105に対応する。また、具体化部151は、具体化されたツアー要望及び具体化された条件を、上述した条件検証部に与えることによって、具体化されたツアー要望が具体化された条件を満たすか否かを、上述した条件検証部に問い合わせても良い。
【0090】
また、ツアー要望及び前記ツアープランは、1以上のツアーアイテムを含むものであっても良い。
また、本実施の形態3に係るツアープラン生成装置100Bは、ツアーアイテムが予め登録されたツアーアイテム登録部をさらに備えていても良い。このツアーアイテム登録部は、例えば、ツアーアイテム登録データベース104に対応する。また、具体化パターンは、ツアー要望に含まれるツアーアイテムを、ツアーアイテム登録部に登録されたツアーアイテムに書き換えるパターンを含んでいても良い。
【0091】
また、本実施の形態3に係るツアープラン生成装置100Bは、ツアープランに含まれるツアーアイテムのうち、未だ遂行されていない未遂のツアーアイテムを算出する算出部をさらに備えていても良い。この算出部は、例えば、未遂ツアーアイテム算出部107に対応する。また、入力部150は、端末200から、未遂のツアーアイテムに基づいて変更された変更後のツアー要望及び条件の入力を受け付けても良い。また、具体化部151は、入力された変更後のツアー要望及び条件を具体化することによって、具体化された変更後のツアー要望であって具体化された条件を満たしたツアー要望を、変更後のツアープランとして生成し直しても良い。また、出力部152は、生成し直された変更後のツアープランを端末200に出力しても良い。
【0092】
また、具体化部151は、すでに入力されたツアー要望及び条件を具体化することによって、具体化されたツアー要望であって具体化された条件を満たしたツアー要望を、変更後のツアープランとして生成し直しても良い。また、出力部152は、生成し直された変更後のツアープランを端末200に出力しても良い。
【0093】
<実施の形態4>
図24は、本実施の形態4に係るツアープラン生成装置100Cのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図24に示されるように、本実施の形態4に係るツアープラン生成装置100Cは、プロセッサ160及びメモリ161を備えている。なお、
図24において、端末200の図示は省略されている。
【0094】
プロセッサ160は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であっても良い。プロセッサ160は、複数のプロセッサを含んでも良い。
メモリ161は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ161は、プロセッサ160から離れて配置されたストレージを含んでも良い。この場合、プロセッサ160は、図示されていないI(Input)/O(Output)インタフェースを介してメモリ161にアクセスしても良い。
【0095】
上述した実施形態1,2,3に係るツアープラン生成装置100,100A,100Bは、それぞれ、
図24に示されるハードウェア構成を有することができる。上述したツアープラン生成装置100,100A,100Bにおける、ツアー要望入力部101、ツアー要望具体化部102、条件検証部105、ツアープラン出力部106、未遂ツアーアイテム算出部107、入力部150、具体化部151、及び出力部152は、プロセッサ160がメモリ161に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されても良い。また、上述したツアープラン生成装置100,100Aにおける、具体化パターン登録データベース103及びツアーアイテム登録データベース104は、メモリ161により実現されても良い。
【0096】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータ(コンピュータ50を含む)に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、CD-R(CD-Recordable)、CD-R/W(CD-ReWritable)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAMを含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されても良い。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバなどの有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0097】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述した実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0098】
100,100A,100B,100C ツアープラン生成装置
101 ツアー要望入力部
102 ツアー要望具体化部
103 具体化パターン登録データベース
104 ツアーアイテム登録データベース
105 条件検証部
106 ツアープラン出力部
107 未遂ツアーアイテム算出部
150 入力部
151 具体化部
152 出力部
160 プロセッサ
161 メモリ
200 端末