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<図1>
  • -車両の前部車体構造 図1
  • -車両の前部車体構造 図2
  • -車両の前部車体構造 図3
  • -車両の前部車体構造 図4
  • -車両の前部車体構造 図5
  • -車両の前部車体構造 図6
  • -車両の前部車体構造 図7
  • -車両の前部車体構造 図8
  • -車両の前部車体構造 図9
  • -車両の前部車体構造 図10
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】車両の前部車体構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20250311BHJP
   B62D 21/15 20060101ALI20250311BHJP
   B60R 21/34 20110101ALN20250311BHJP
【FI】
B62D25/08 D
B62D21/15 C
B60R21/34
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021086197
(22)【出願日】2021-05-21
(65)【公開番号】P2022179004
(43)【公開日】2022-12-02
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】西尾 信哉
(72)【発明者】
【氏名】安藤 亮
(72)【発明者】
【氏名】芦浦 礼子
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-167743(JP,A)
【文献】特開2015-136947(JP,A)
【文献】特開2014-069591(JP,A)
【文献】特開2008-105548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-29/04
B60R 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前面に設けられたバンパーフェイシアと、
上記バンパーフェイシアの上方に設けられたアッパーパネルと、
上記アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、を備えた車両の前部車体構造であって、
上記衝撃吸収部材は、それぞれ車幅方向に延びる、車両上方に延びる前壁部と、上記前壁部の上縁部から車両後方に延びる上壁部と、上記上壁部の後縁部から車両下方に延びる後壁部と、を含み、
さらに、上記衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材を備え、この支持部材は、上記衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、上記前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる傾斜部を含み、
上記支持部材の傾斜部は、上記衝撃吸収部材の後壁部の下縁部が取り付けられる後縁部を有し、この支持部材の傾斜部の後縁部は車体に接続されている、ことを特徴とする車両の前部車体構造。
【請求項2】
車両の前面に設けられたバンパーフェイシアと、
上記バンパーフェイシアの上方に設けられたアッパーパネルと、
上記アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、を備えた車両の前部車体構造であって、
上記衝撃吸収部材は、それぞれ車幅方向に延びる、車両上方に延びる前壁部と、上記前壁部の上縁部から車両後方に延びる上壁部と、上記上壁部の後縁部から車両下方に延びる後壁部と、を含み、
さらに、上記衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材を備え、この支持部材は、上記衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、上記前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる傾斜部を含み、
上記支持部材の傾斜部は、上記衝撃吸収部材の前壁部の下縁部の下方に形成された前縁部を有し、この支持部材の前縁部には、車両上下方向に延びる垂直面部が形成され、この垂直面部がバンパ部材に固定されている、ことを特徴とする車両の前部車体構造。
【請求項3】
車両の前面に設けられたバンパーフェイシアと、
上記バンパーフェイシアの上方に設けられたアッパーパネルと、
上記アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、を備えた車両の前部車体構造であって、
上記衝撃吸収部材は、それぞれ車幅方向に延びる、車両上方に延びる前壁部と、上記前壁部の上縁部から車両後方に延びる上壁部と、上記上壁部の後縁部から車両下方に延びる後壁部と、を含み、
さらに、上記衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材を備え、この支持部材は、上記衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、上記前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる傾斜部を含み、
上記衝撃吸収部材及び上記支持部材は、車体を構成するフレーム部材から車両前方に延びるアーム部に固定されている、ことを特徴とする車両の前部車体構造。
【請求項4】
車両の前面に設けられたバンパーフェイシアと、
上記バンパーフェイシアの上方に設けられたアッパーパネルと、
上記アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、を備えた車両の前部車体構造であって、
上記衝撃吸収部材は、それぞれ車幅方向に延びる、車両上方に延びる前壁部と、上記前壁部の上縁部から車両後方に延びる上壁部と、上記上壁部の後縁部から車両下方に延びる後壁部と、を含み、
上記衝撃吸収部材の上壁部は、それぞれ車幅方向に延びる、前方傾斜部と、この前方傾斜部と連続すると共に車両上方に突出する中央突出部と、この中央突出部と連続し、その車両後方側で上記中央突出部よりも車両下方側に位置するよう形成された後方支持部とを有し、上記前方傾斜部には、複数の孔部が車幅方向に並ぶよう形成され、
さらに、上記衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材を備え、この支持部材は、上記衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、上記前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる傾斜部を含む、ことを特徴とする車両の前部車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前部車体構造に係り、特に、車両の前面に設けられたバンパーフェイシアと、バンパーフェイシアの上方に設けられたアッパーパネルと、アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材とを備えた車両の前部車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のアッパーパネルやボンネット前端部に歩行者が衝突したときに歩行者を保護するため、その衝突荷重を吸収(衝突エネルギを吸収)する構造が検討されてきた。たとえば、アッパーパネルに対して車両前方かつ斜め上方から歩行者の大腿部が衝突した場合や、ボンネット前端部に対して車両前方かつ斜め上方から歩行者の頭部が衝突した場合に、車両側の衝突部位に設けた衝撃吸収部材を変形させてエネルギ吸収を行うことで、歩行者に与える衝撃を低減することが提案されている(たとえば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-69591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車体前部構造は、車両前方かつ斜め上方から入力される衝突荷重(動的な荷重)に対しては、衝撃吸収部材を変形させることで衝突時の衝撃を低減することができるものである。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の車体前部構造は、車両前方や車両上方など複数方向から荷重が入力される場合の衝撃吸収を低減することを想定したものではない。また、たとえば車両の整備時などにおいて作業者の静的な荷重が加わる場合は、逆に、変形しないように剛性を確保することを想定したものでもない。これらの点で、特許文献1に記載の車体前部構造は、改善の余地があった。
【0006】
具体的には、ボディサイズが大きく、車高が比較的高いSUV等の車両では、地面からボンネット上面までの高さが高くなり、衝突時、歩行者の大腿部は、車両に対して前方からほぼ水平方向に衝突する。また、子供の歩行者の衝突を想定した場合、歩行者の頭部は、車両前方かつ斜め上方からボンネット前方のアッパーパネルに衝突する。このように、特に、ボディサイズが異なること起因して、車両前部に入力される衝突荷重の位置および方向が異なるので、複数方向の入力荷重に対してエネルギ吸収を行う必要がある。
【0007】
特に、本発明者らは、歩行者保護の観点から、特に大腿部および頭部の車両への衝突部位において、複数方向の入力荷重に対するエネルギ吸収可能な構造に関して鋭意検討を行った。この検討においては、大腿部の衝突を想定した荷重は、主に車両に対して前後方向の荷重ベクトルを有し、頭部の衝突を想定した荷重は、車両に対して前後方向の荷重ベクトルと車両に対して上下方向の荷重ベクトルとの両方を有することに着目した。そして、大腿部および頭部の衝突では前後方向の荷重ベクトルが共通しているので、衝撃吸収部材は、上下方向の荷重ベクトルに加え、特に前後方向の荷重ベクトルに対して変形可能な構造とする必要があることを見出した。
【0008】
他方、ボンネットを開けてエンジンルーム内の整備を行う場合に、作業者がアッパーパネルに車両上方から体重を預けることが想定されるので、上下方向の静的な荷重の荷重ベクトルに対しては一定以上の剛性を確保する必要があることにも着目した。しかしながら、衝撃吸収部材に、単純に剛性の高い材料を用いてしまうと、前後方向の変形を阻害する恐れがある。
【0009】
そこで、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、歩行者衝突時、車両前方からの衝突荷重および車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して変形により衝突エネルギを吸収することができる車両の前部車体構造を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、歩行者衝突時、車両前方からの衝突荷重および車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して変形により衝突エネルギを吸収することができると共に、車両上方からの静的な入力荷重に対して剛性を高めることができる車両の前部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は、車両の前面に設けられたバンパーフェイシアと、バンパーフェイシアの上方に設けられたアッパーパネルと、アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、を備えた車両の前部車体構造であって、衝撃吸収部材は、それぞれ車幅方向に延びる、車両上方に延びる前壁部と、前壁部の上縁部から車両後方に延びる上壁部と、上壁部の後縁部から車両下方に延びる後壁部と、を含み、さらに、衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材を備え、この支持部材は、衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる傾斜部を含み、支持部材の傾斜部は、衝撃吸収部材の後壁部の下縁部が取り付けられる後縁部を有し、この支持部材の傾斜部の後縁部は車体に接続されている、ことを特徴としている。
【0011】
このように構成された本発明においては、アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、この衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材とを備えている。衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材は、傾斜部を含み、この傾斜部は、衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる。したがって、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対する衝撃吸収部材の変形ストロークを確保することができ、さらに、車両前方からの衝突荷重に対しては、支持部材に衝突荷重が入力されると共に支持部材が変形することにより、衝突エネルギを吸収することができる。その結果、本発明においては、歩行者衝突時、車両前方からの衝突荷重および車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して変形により衝突エネルギを吸収することができる。
【0012】
また、このように構成された本発明によれば、支持部材の傾斜部の後縁部が車体に接続されているので、車両前方からの衝突荷重が入力された支持部材に、その後縁部を支点とした曲げ変形を生じさせることができるので、より効果的に、車両前方からの衝突荷重のエネルギを吸収することができる。
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明は、車両の前面に設けられたバンパーフェイシアと、バンパーフェイシアの上方に設けられたアッパーパネルと、アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、を備えた車両の前部車体構造であって、衝撃吸収部材は、それぞれ車幅方向に延びる、車両上方に延びる前壁部と、前壁部の上縁部から車両後方に延びる上壁部と、上壁部の後縁部から車両下方に延びる後壁部と、を含み、さらに、衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材を備え、この支持部材は、衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる傾斜部を含み、支持部材の傾斜部は、衝撃吸収部材の前壁部の下縁部の下方に形成された前縁部を有し、この支持部材の前縁部には、車両上下方向に延びる垂直面部が形成され、この垂直面部がバンパ部材に固定されている、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、この衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材とを備えている。衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材は、傾斜部を含み、この傾斜部は、衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる。したがって、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対する衝撃吸収部材の変形ストロークを確保することができ、さらに、車両前方からの衝突荷重に対しては、支持部材に衝突荷重が入力されると共に支持部材が変形することにより、衝突エネルギを吸収することができる。その結果、本発明においては、歩行者衝突時、車両前方からの衝突荷重および車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して変形により衝突エネルギを吸収することができる。
また、このように構成された本発明によれば、バンパ部材を介して入力された車両前方からの衝突荷重を、支持部材の前縁部の垂直面部で受けることにより、より確実に、支持部材に荷重を伝達させ且つその変形を促進させることができる。
【0014】
上述した課題を解決するために、本発明は、車両の前面に設けられたバンパーフェイシアと、バンパーフェイシアの上方に設けられたアッパーパネルと、アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、を備えた車両の前部車体構造であって、衝撃吸収部材は、それぞれ車幅方向に延びる、車両上方に延びる前壁部と、前壁部の上縁部から車両後方に延びる上壁部と、上壁部の後縁部から車両下方に延びる後壁部と、を含み、さらに、衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材を備え、この支持部材は、衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる傾斜部を含み、衝撃吸収部材及び支持部材は、車体を構成するフレーム部材から車両前方に延びるアーム部に固定されている、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、この衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材とを備えている。衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材は、傾斜部を含み、この傾斜部は、衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる。したがって、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対する衝撃吸収部材の変形ストロークを確保することができ、さらに、車両前方からの衝突荷重に対しては、支持部材に衝突荷重が入力されると共に支持部材が変形することにより、衝突エネルギを吸収することができる。その結果、本発明においては、歩行者衝突時、車両前方からの衝突荷重および車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して変形により衝突エネルギを吸収することができる。
また、このように構成された本発明によれば、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重を、車両前方に延びるアーム部を介して車体に荷重を伝達することで、衝突時に歩行者に与える荷重が高くなることを抑制することができる。
【0015】
上述した課題を解決するために、本発明は、車両の前面に設けられたバンパーフェイシアと、バンパーフェイシアの上方に設けられたアッパーパネルと、アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、を備えた車両の前部車体構造であって、衝撃吸収部材は、それぞれ車幅方向に延びる、車両上方に延びる前壁部と、前壁部の上縁部から車両後方に延びる上壁部と、上壁部の後縁部から車両下方に延びる後壁部と、を含み、衝撃吸収部材の上壁部は、それぞれ車幅方向に延びる、前方傾斜部と、この前方傾斜部と連続すると共に車両上方に突出する中央突出部と、この中央突出部と連続し、その車両後方側で中央突出部よりも車両下方側に位置するよう形成された後方支持部とを有し、前方傾斜部には、複数の孔部が車幅方向に並ぶよう形成され、さらに、衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材を備え、この支持部材は、衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる傾斜部を含む、ことを特徴としている。
【0016】
このように構成された本発明によれば、アッパーパネルの内部に設けられた衝撃吸収部材と、この衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材とを備えている。衝撃吸収部材を下方から支持する支持部材は、傾斜部を含み、この傾斜部は、衝撃吸収部材の後壁部の下縁部の位置から、前壁部の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方に延びる。したがって、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対する衝撃吸収部材の変形ストロークを確保することができ、さらに、車両前方からの衝突荷重に対しては、支持部材に衝突荷重が入力されると共に支持部材が変形することにより、衝突エネルギを吸収することができる。その結果、本発明においては、歩行者衝突時、車両前方からの衝突荷重および車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して変形により衝突エネルギを吸収することができる。
さらに、衝撃吸収部材の上壁部は、車幅方向に延びる前方傾斜部を有し、前方傾斜部には、複数の孔部が車幅方向に並ぶよう形成されているので、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して衝撃吸収部材を効果的に変形させて衝突エネルギを吸収することができる。また、上壁部は、前方傾斜部と連続すると共に車両上方に突出する中央突出部を有しているので、たとえば、作業者がエンジンルーム内の整備を行う際に、アッパーパネルに体重を預け、その体重が衝撃吸収部材に加わっても、中央突出部が荷重を支持するので、車両上方からの静的な入力荷重に対して剛性を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車両の前部車体構造によれば、歩行者衝突時、車両前方からの衝突荷重および車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して変形により衝突エネルギを吸収することができる。
また、本発明の車両の前部車体構造によれば、歩行者衝突時、車両前方からの衝突荷重および車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して変形により衝突エネルギを吸収することができると共に、車両上方からの静的な入力荷重に対して剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による車両の前部車体構造を備えた車両の前部を車両右側かつ斜め上方から見た斜視図である。
図2】本実施形態による車両の前部車体構造を車両右側かつ斜め上方から見た斜視図である。
図3】本実施形態による車両の前部車体構造を車両左側かつ斜め上方から見た一部断面斜視図である。
図4】本実施形態による車両の前部車体構造を車両の左側から見た一部断面側面図である。
図5図4の一部を拡大して示す部分拡大図である。
図6】本実施形態による衝撃吸収部材を示す斜視図である。
図7】本実施形態による衝撃吸収部材の支持部材を示す斜視図である。
図8】本実施形態による衝撃吸収部材の支持部材を示す平面図である。
図9】本実施形態による車両の前部車体構造を備えた車両の車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重入力時の衝撃吸収部材および支持部材の変形状態の一例を示す側面断面図である。
図10】本実施形態による車両の前部車体構造を備えた車両の車両前方からの衝突荷重入力時の支持部材の変形状態の一例を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両の前部車体構造を説明する。
【0020】
まず、図1および図2により、本発明の実施形態による車両の前部車体構造を説明する。図1は、本発明の実施形態による車両の前部車体構造を備えた車両の前部を車両右側かつ斜め上方から見た斜視図であり、図2は、本実施形態による車両の前部車体構造を車両右側かつ斜め上方から見た斜視図である。
【0021】
まず、図1に示すように、本発明の実施形態による車両の前部車体構造を備えた車両1は、その前部に、エンジンルーム2を覆うボンネットフード4と、その前方側で車幅方向に延びるグリルアッパーパネル(以下、アッパーパネルという)6と、このアッパーパネル6の下方かつ車両1の前面に設けられたバンパーフェイシア8と、アッパーパネル6およびバンパーフェイシア8の間に設けられたフロントグリル10と、このフロントグリル10の左右両側かつバンパーフェイシア8の上方部分に配置されたヘッドランプユニット12と、ボンネットフード4の左右両側かつ車両側面に設けられたフロントフェンダ14と、を備えている。
【0022】
次に、図2に示すように、車両1は、車体を構成するフレーム部材として、エンジンルーム2の車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム16と、これらのフロントサイドフレーム16の各前端部に設けられたクラッシュカン18と、これらのクラッシュカンの前端部に取り付けられた車幅方向に延びるバンパーレインフォースメント20と、を備えている。
また、車両1の前部には、エンジンルーム2の上方側かつ左右両側で車両前後方向に延びる左右一対のエプロンメンバ22が設けられ、これらのエプロンメンバ22とフロントサイドフレーム16には、サスペンションタワー23が接続されている。
【0023】
各エプロンメンバ22は、その車両前方側の先端部が車幅方向内方に湾曲しており、それらの先端部がシュラウドアッパメンバ24により互いに接続されている。また、シュラウドアッパメンバ24の両端部には、車体を構成するフレーム部材として、さらに、シュラウドアッパメンバ24と、その下方のフロントサイドフレーム16とを上下方向に連結する連結部材26がそれぞれ設けられている。
【0024】
シュラウドアッパメンバ24の下方、かつ、バンパーレインフォースメント20の後方には、フロントグリル10を経て導かれた空気によりエンジン(図示せず)を冷却するためのラジエータ(図示せず)等が設けられる。バンパーレインフォースメント20には、ラジエータへの空気の流入を阻害しないように上下方向に延びる一対の補強部材28が設けられている。
【0025】
また、車両1は、バンパーレインフォースメント20や、後述するバンパ支持ブラケット66および支持部材34等に取付けられたグリルレインフォースメント30を備える。このグリルレインフォースメント30は、主に、バンパーフェイシア8およびフロントグリル10を支持すると共に補強する部材である。本実施形態では、特に、バンパーレインフォースメント20、バンパーフェイシア8およびグリルレインフォースメント30が、車両前方からの障害物(他車両や歩行者の大腿部など)の衝撃を受け止めるバンパ部材として機能し、また、アッパーパネル6は、車両前方かつ斜め上方からの障害物(歩行者の頭部など)の衝撃を受け止める部材として機能する。
【0026】
次に、図3乃至図5により、本実施形態による車両の前部車体構造による衝撃吸収構造を説明する。図3は、本実施形態による車両の前部車体構造を車両左側かつ斜め上方から見た一部断面斜視図であり、図4は、本実施形態による車両の前部車体構造を車両の左側から見た一部断面側面図であり、図5は、図4の一部を拡大して示す部分拡大図である。
まず、図3乃至図5に示すように、本実施形態では、グリルレインフォースメント30の後方側かつアッパーパネル6の下方側に、車幅方向に延びる衝撃吸収部材32が配置され、また、この衝撃吸収部材32の下方には、衝撃吸収部材32を支持すると共に後述するように衝撃を吸収する衝撃吸収支持部材(以下、「支持部材」という)34が配置されている。
【0027】
ここで、衝撃吸収部材32は樹脂製の部材であり、主に、車両前方かつ斜め上方から衝突荷重が加わる前方衝突時、アッパーパネル6から加わる荷重を受け止め、それ自身が変形して衝突エネルギを吸収する役割を有する。
一方、支持部材34は、樹脂製の部材であり、第1に、グリルレインフォースメント30が車両前方に倒れ込むような変位が生じないよう、グリルレインフォースメント30の上部を支持する役割を有する。支持部材34は、第2に、衝撃吸収部材32を下方から支持する役割を有する。支持部材34は、第3に、車両前方の方向から衝突荷重が加わる前方衝突時、それ自身が変形して衝突エネルギを吸収する役割を有する。支持部材34は、第4に、車両前方かつ斜め上方から衝突荷重が加わる前方衝突時、上述した衝撃吸収部材32自体の変形ストロークを確保する役割を有する。
【0028】
次に、図5乃至図8により、衝撃吸収部材32および支持部材34の構成および取付構造を説明する。図6は、本実施形態による衝撃吸収部材を示す斜視図であり、図7は、本実施形態による衝撃吸収部材の支持部材を示す斜視図であり、図8は、本実施形態による衝撃吸収部材の支持部材を示す平面図である。
まず、図5および図6により、衝撃吸収部材32の構成を説明する。
図5および図6に示すように、衝撃吸収部材32は、主に、その前縁部に沿って車幅方向に延びる前方取付部36と、この前方取付部36の後縁部から車両上方に延びる前壁部38と、この前壁部38の上縁部から車両後方かつ車両上方に向けて斜めに延びる前方傾斜部40と、この前方傾斜部40の後縁部に形成され、車両上方に突出する中央突出支持部42と、この中央突出支持部42よりも車両下方側に位置し、中央突出支持部42の後端縁から車両後方に向けて平面状に延びる後方支持部44と、この後方支持部44の後縁部から車両下方に延びる後壁部46と、この後壁部46の下縁部から車両後方に延びる後方取付部48と、で構成されている。
【0029】
これらの部分のうち、前方傾斜部40、中央突出支持部42および後方支持部44は、衝撃吸収部材32の上壁部50を形成し、主にこの上壁部50が、車両前方かつ斜め上方からの動的荷重である衝突荷重を受け、また、作業者が、エンジンルーム2内にアクセスする作業時に、静的な荷重である作業者の体重を受け止めると共に作業者を支持するようにしている。
【0030】
ここで、上壁部50の前方傾斜部40には、複数の矩形状の空隙40aが車幅方向に並ぶように形成されている。本実施形態では、これらの空隙40aにより、車両前方かつ斜め上方から衝突荷重が加わるとき、衝撃吸収部材32自体の変形を促進させて、確実に衝突エネルギを吸収すると共に歩行者への衝撃を低減させるようにしている。
一方、中央突出支持部42には、その頂部に、ほぼ平面状に延びる頂面部42aが形成され、主に、このような中央突出支持部42および後方支持部44により、身体をあずけた作業者を支持するための剛性を確保するようにしている。
【0031】
次に、図5図7および図8により、支持部材34の構成を説明する。
図5図7および図8に示すように、支持部材34は、主に、その前縁部に沿って車幅方向に延びる前方取付部52と、この前方取付部52の後縁部から車両下方に延びる垂直面部54と、この垂直面部54の車幅方向の左右両端部において、それぞれ、その下縁部54aから車両後方かつ車両上方に向けて斜めに延びる第1傾斜部56と、垂直面部54の車幅方向の中央部において、その上下方向中間部54bから車両後方かつ車両上方に向けて斜めに延びる第2傾斜部58と、第1傾斜部56と第2傾斜部58の間で延びる2つの中間補強部60と、第1傾斜部56の後縁部および第2傾斜部58の後縁部から車両後方に向けて平面状に延びると共に車幅方向に延びる後方取付部62と、で構成されている。
【0032】
第2傾斜部58の左右両縁部には、切り欠き56aが形成されており、後述する車両前方から衝突荷重が入力されたとき、これらの切り欠き56aが、支持部材34自体の変形の起点となるようにしている。
【0033】
次に、図3乃至図5により、衝撃吸収部材32および支持部材34の車体側への取付構造を説明する。
図3乃至図5に示すように、衝撃吸収部材32および支持部材34のそれぞれの前方取付部36、52が、ピン部材により、グリルレインフォースメント30の上部に取り付けられ、一方、それぞれの後方取付部48、62が、ピン部材64により、シュラウドアッパメンバ24に取り付けられている。
【0034】
ここで、本実施形態では、図3に示すように、支持部材34の車両下方に、グリルレインフォースメント30を車体側で支持するバンパ支持ブラケット66が設けられている。また、図4に示すように、シュラウドアッパメンバ24とフロントサイドフレーム16とを上下方向に接続する左右の連結部材26(図4では、車両右側の連結部材26のみ示す)には、その上方部分から車両前方に延びるアーム部材68が取り付けられている。
そして、図3乃至図5に示すように、支持部材34の後方取付部62は、バンパ支持ブラケット66を介して、ピン部材65により、左右のアーム部材68の先端部に取り付けられている。さらに、本実施形態では、衝撃吸収部材32の後方取付部48を、上述したピン部材64を用いて、支持部材34の後方取付部62に取り付けるようにしている。本実施形態では、これらの取付け構造により、衝撃吸収部材32および支持部材34の両方が、アーム部材68に固定されるようにしている。
【0035】
次に、図5に示すように、支持部材34は、その垂直面部54がグリルレインフォースメント30の一部に車幅方向に沿って面状に当接するように配置され、また、図3に示すように、前方取付部52に加え、垂直面部54も、ピン部材70により、グリルレインフォースメント30の上部に取り付けられている。
【0036】
次に、図4および図5に示すように、衝撃吸収部材32の前方傾斜部40は、車幅方向にわたって、アッパーパネル6の内面に隣接するよう配置されており、これにより、アッパーパネル6に歩行者の頭部等が衝突したとき、その車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重を衝撃吸収部材32が受け止めるようにしている。本実施形態では、衝撃吸収部材32の下方に、このような衝突荷重による衝撃吸収部材32の変形ストロークを確保できるような空間を形成するようにしている。アッパーパネル6は、ピン部材72により、衝撃吸収部材32の後方支持部44に取り付けられている。
【0037】
すなわち、図3乃至図5に示すように、支持部材34は、上述したように、その垂直面部54の上下方向中間部54bから車両後方かつ車両上方に向けて斜めに延びる第1傾斜部56を有している。このような第1傾斜部56および上述した取付け構造により、本実施形態では、支持部材34が、衝撃吸収部材32の後壁部46の下縁部の位置から、衝撃吸収部材32の前壁部38の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方かつ前方に延びる傾斜部(第1傾斜部56)を有するようにしている。
また、特に図5に示すように、支持部材34の第2傾斜部58も同様に、衝撃吸収部材32の後壁部46の下縁部の位置から、衝撃吸収部材32の前壁部38の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方かつ前方に延びる傾斜部(第2傾斜部58)を有するようにしている。
本実施形態では、これらのような構造により、衝撃吸収部材32の下方に、その変形ストロークを確保できるような空間を形成しているのである。
【0038】
図9は、歩行者の頭部を模した衝突体がアッパーパネル6に衝突し、衝撃吸収部材32および支持部材34が、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重が入力されたときの衝突後期の変形状態を示すものであり、衝撃吸収部材32が、そのほぼ全部がつぶれるよう変形している様子が理解できる。
【0039】
一方、図10は、車両1の前方の方向から歩行者の大腿部が衝突したときの支持部材34の変形の様子を示すものである。図10では、変形前の支持部材34を仮想線で、変形後の支持部材34を実線で示す。本実施形態では、図10に示すように車両前方からの荷重Lが車両1のバンパーフェイシア8に加わったとき、その荷重Lが、主にバンパーレインフォースメント20およびグリルレインフォースメント30を介して、支持部材34の垂直面部54(図5参照)に伝達され、支持部材34を変形させるようにしている。支持部材34は、その後方取付部62が車体に取り付けられているので、図10に示すように、その後方取付部62を支点として(衝撃吸収部材32の後壁部46の下縁部を支点として)、折れ曲がるように変形させることができる。
【0040】
次に、本発明の実施形態による車両の前部車体構造の作用効果を説明する。
まず、本実施形態による車両1の前部車体構造は、アッパーパネル6の内部に設けられた衝撃吸収部材32と、この衝撃吸収部材32を下方から支持する支持部材34とを備えている。支持部材34は、第1傾斜部56(および第2傾斜部58)を含み、この第1傾斜部56(および第2傾斜部58)は、衝撃吸収部材32の後壁部46の下縁部の位置から、前壁部38の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方かつ前方に延びる。したがって、本実施形態によれば、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対する衝撃吸収部材32の変形ストロークを確保することができ、さらに、車両前方からの衝突荷重に対しては、支持部材34に衝突荷重が入力されると共に支持部材34が変形することにより、衝突エネルギを吸収することができる。その結果、本実施形態においては、歩行者衝突時、車両前方からの衝突荷重および車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して変形により衝突エネルギを吸収することができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、支持部材34の第1傾斜部56(および第2傾斜部58)は、衝撃吸収部材32の後壁部46の下縁部が取り付けられる後方取付部(後縁部)62を有し、この支持部材34の第1傾斜部56の後方取付部62は車体に接続されているので、車両前方からの衝突荷重が入力された支持部材34に、その後方取付部62を支点とした曲げ変形を生じさせることができる。したがって、より効果的に、車両前方からの衝突荷重のエネルギを吸収することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、支持部材34の第1傾斜部56(および第2傾斜部58)は、衝撃吸収部材32の前壁部38の下縁部の下方に形成された前縁部を有し、この支持部材34の前縁部には、車両上下方向に延びる垂直面部54が形成され、この垂直面部54がグリルレインフォースメント(バンパ部材)30に固定されているので、グリルレインフォースメント30を介して入力された車両前方からの衝突荷重を、支持部材34の前縁部の垂直面部54で受けることにより、より確実に、支持部材34に荷重を伝達させ且つその変形を促進させることができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、衝撃吸収部材32及び支持部材34は、車体を構成するフレーム部材である連結部材26から車両前方に延びるアーム部材68に固定されているので、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重を、車両前方に延びるアーム部材68を介して車体に荷重を伝達することで、衝突時に歩行者に与える荷重が高くなることを抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態による車両1の前部車体構造は、アッパーパネル6の内部に設けられた衝撃吸収部材32と、この衝撃吸収部材32を下方から支持する支持部材34とを備えている。支持部材34は、第1傾斜部56を含み、この第1傾斜部56は、衝撃吸収部材32の後壁部46の下縁部の位置から、前壁部38の下縁部に対して下方に離間した位置まで斜め下方かつ前方に延びる。したがって、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対する衝撃吸収部材32の変形ストロークを確保することができ、さらに、車両前方からの衝突荷重に対しては、支持部材34に衝突荷重が入力されると共に支持部材34が変形することにより、衝突エネルギを吸収することができる。その結果、本実施形態においては、歩行者衝突時、車両前方からの衝突荷重および車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して変形により衝突エネルギを吸収することができる。
さらに、衝撃吸収部材32の上壁部50は、それぞれ車幅方向に延びる、前方傾斜部40と、この前方傾斜部40と連続すると共に車両上方に突出する中央突出支持部42と、この中央突出支持部42と連続し、その車両後方側で中央突出支持部42よりも車両下方側に位置するよう形成された後方支持部44とを有し、前方傾斜部40には、複数の空隙(孔部)40aが車幅方向に並ぶよう形成されているので、車両前方かつ斜め上方からの衝突荷重に対して衝撃吸収部材32を効果的に変形させて衝突エネルギを吸収することができる。また、上壁部50は、前方傾斜部40と連続すると共に車両上方に突出する中央突出支持部42を有しているので、たとえば、作業者がエンジンルーム内の整備を行う際に、アッパーパネル6に体重を預け、その体重が衝撃吸収部材32に加わっても、中央突出支持部42が後方支持部44と共に荷重を支持するので、車両上方からの静的な入力荷重に対して剛性を高めることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 車両
2 エンジンルーム
6 アッパーパネル
8 バンパーフェイシア
10 フロントグリル
24 シュラウドアッパメンバ
26 連結部材
30 グリルレインフォースメント
32 衝撃吸収部材
34 衝撃吸収支持部材(支持部材)
38 前壁部
40 前方傾斜部
40a 空隙(孔部)
42 中央突出支持部(中央突出部)
42a 頂面部
44 後方支持部
48 後方取付部(衝撃吸収部材の後縁部)
46 後壁部
50 上壁部
54 垂直面部
56 第1傾斜部
58 第2傾斜部
62 後方取付部(支持部材の後縁部)
68 アーム部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10