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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】画像形成装置及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20250311BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250311BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20250311BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
G06F3/12 326
B41J29/38 202
B41J29/00 E
G06F3/12 305
G06F3/12 329
G06F3/12 392
H04N1/00 127B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021103257
(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公開番号】P2023002186
(43)【公開日】2023-01-10
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 佑樹
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-125583(JP,A)
【文献】特開2014-006768(JP,A)
【文献】特開2013-205982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
B41J 29/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め定められた第1距離内の情報処理装置を検出し、
前記第1距離内の前記情報処理装置を検出した場合は、記憶部に記憶している各画像形成装置で実行可能な機能に関する情報を当該情報処理装置に送信し、
前記第1距離よりも短い第2距離内の情報処理装置を検出した際に、当該情報処理装置に記憶されている前記情報を受信する画像形成装置。
【請求項2】
報処理装置と、
請求項に記載の画像形成装置と、
を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
予め定められた機能を用いた印刷設定で印刷を実行する際に、予め定められた第1距離内になった画像形成装置から、当該画像形成装置が記憶している当該画像形成装置とは異なる画像形成装置で実行可能な機能の情報を受信して記憶し、
前記機能の情報に基づいて、前記印刷設定で印刷可能な画像形成装置を報知する、
情報処理システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
予め定められた機能を用いた印刷設定で印刷を実行する際に、予め定められた第1距離内になった画像形成装置から、当該画像形成装置が記憶している複数の画像形成装置の位置情報に関する情報を受信して記憶し、
前記機能の情報及び前記位置情報に関する情報から前記印刷設定で印刷可能な画像形成装置を報知する請求項に記載の情報処理システム
【請求項4】
前記プロセッサは、
自装置の位置情報を取得可能であり、
前記第1距離よりも短い第2距離内になった画像形成装置に、当該自装置の位置情報を送信する請求項に記載の情報処理システム
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第1距離内になったか否かは、前記画像形成装置から出力される電波の圏内になったか否かで判定し、
前記第2距離内になったか否かは、情報処理装置と前記画像形成装置とが接触したか否かで判定する請求項に記載の情報処理システム
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記印刷設定で印刷可能な画像形成装置のうち、当該情報処理装置にもっとも近い位置情報の画像形成装置を報知する請求項3~5のいずれか1項に記載の情報処理システム
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記もっとも近い位置情報の画像形成装置を報知する際に、当該もっとも近い位置情報の画像形成装置までの距離情報を報知する請求項に記載の情報処理システム
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記画像形成装置から前記機能の情報及び前記位置情報に関する情報を受信する毎に記憶している当該機能の情報及び当該位置情報に関する情報を更新し、複数の画像形成装置の当該機能の情報及び当該位置情報に関する情報を記憶する請求項3~7のいずれか1項に記載の情報処理システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、画像形成装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、 無線通信手段を持つ携帯端末と画像形成装置から構成されるシステムであって、前記画像形成装置は、前記携帯端末と接続するための情報、及び、画像形成装置の機能に関する情報をブロードキャストする手段を備え、前記携帯端末は、前記画像形成装置から受信した情報から画像形成装置を判別する判別手段と、前記画像形成装置から受信した情報から実行したいプリントジョブの設定が画像形成装置で実行可能かを判断する判断手段と、を備えることを特徴とするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-014006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置と情報処理装置とが通信し、情報処理装置が有する印刷ジョブに設定されている印刷設定で印刷が可能であるかを判断するシステムが提案されている。
【0005】
しかし、当該システムは、印刷設定で印刷が可能であるかを判断するだけで、当該印刷設定で印刷が可能な画像形成装置はどれであるかまでは判断できない。したがって、印刷設定で印刷ができない画像形成装置にユーザーが近づいて、使用しようとした場合には、ユーザーは当該画像形成装置では印刷できないことが分かり、印刷が可能である別の画像形成装置を自身で探す必要がある。
【0006】
本発明は、印刷設定で印刷ができない画像形成装置にユーザーが近づいた場合であっても、印刷が可能な画像形成装置をユーザー自身で探すことなく、確認可能にできる情報処理装置、画像形成装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、予め定められた機能を用いた印刷設定で印刷を実行する際に、予め定められた第1距離内になった画像形成装置から、当該画像形成装置が記憶している当該画像形成装置とは異なる画像形成装置で実行可能な機能の情報を受信して記憶し、前記機能の情報に基づいて、前記印刷設定で印刷可能な画像形成装置を報知する。
【0008】
第2態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、予め定められた機能を用いた印刷設定で印刷を実行する際に、予め定められた第1距離内になった画像形成装置から、当該画像形成装置が記憶している複数の画像形成装置の位置情報に関する情報を受信して記憶し、前記機能の情報及び前記位置情報に関する情報から前記印刷設定で印刷可能な画像形成装置を報知する。
【0009】
第3態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、自装置の位置情報を取得可能であり、前記第1距離よりも短い第2距離内になった画像形成装置に、当該自装置の位置情報を送信する。
【0010】
第4態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記第1距離内になったか否かは、前記画像形成装置から出力される電波の圏内になったか否かで判定し、前記第2距離内になったか否かは、情報処理装置と前記画像形成装置とが接触したか否かで判定する。
【0011】
第5態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記印刷設定で印刷可能な画像形成装置のうち、当該情報処理装置にもっとも近い位置情報の画像形成装置を報知する。
【0012】
第6態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記もっとも近い位置情報の画像形成装置を報知する際に、当該もっとも近い位置情報の画像形成装置までの距離情報を報知する。
【0013】
第7態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサは、前記画像形成装置から前記機能の情報及び前記位置情報に関する情報を受信する毎に記憶している当該機能の情報及び当該位置情報に関する情報を更新し、複数の画像形成装置の当該機能の情報及び当該位置情報に関する情報を記憶する。
【0014】
第8態様に係る画像形成装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、予め定められた第1距離内の情報処理装置を検出し、前記第1距離内の前記情報処理装置を検出した場合は、記憶部に記憶している各画像形成装置で実行可能な機能に関する情報を当該情報処理装置に送信し、前記第1距離よりも短い第2距離内の情報処理装置を検出した際に、当該情報処理装置に記憶されている前記情報を受信する。
【0015】
第9態様に係る情報処理システムは、第1態様~第7態様のいずれか1つの態様に記載の情報処理装置と、第8態様に記載の画像形成装置と、を含む。
【0016】
第10態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、予め定められた機能を用いた印刷設定で印刷を実行する際に、予め定められた第1距離内になった画像形成装置から、当該画像形成装置が記憶している当該画像形成装置とは異なる画像形成装置で実行可能な機能の情報を受信して記憶し、前記機能の情報に基づいて、前記印刷設定で印刷可能な画像形成装置を報知する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
第1態様によれば、印刷設定で印刷ができない画像形成装置にユーザーが近づいた場合であっても、印刷が可能な画像形成装置をユーザー自身で探すことなく、確認可能にできる、という効果を有する。
【0018】
第2態様によれば、画像形成装置が自装置の位置情報のみを記憶している場合に比べ、印刷可能な画像形成装置の位置をユーザー自身で探すことなく確認することができる、という効果を有する。
【0019】
第3態様によれば、画像形成装置に位置情報を取得可能とする場合に比べ、画像形成装置に位置情報を取得させる装置を備える必要がなくなり、コストを削減することができる、という効果を有する。
【0020】
第4態様によれば、ユーザーが画像形成装置の目の前まで移動することなく、印刷可能な画像形成装置の報知をすることができる、という効果を有する。
【0021】
第5態様によれば、ユーザーの移動を最小限に抑えることができる、という効果を有する。
【0022】
第6態様によれば、ユーザーが移動する際の移動時間の目安にすることができる、という効果を有する。
【0023】
第7態様によれば、画像形成装置に変更があった場合であっても、複数の画像形成装置の機能の情報及び位置情報に関する情報を最新に保つことができる、という効果を有する。
【0024】
第8態様によれば、印刷設定で印刷ができない画像形成装置にユーザーが近づいた場合であっても、印刷が可能な画像形成装置をユーザー自身で探すことなく、確認可能にできる、という効果を有する。
【0025】
第9態様によれば、印刷設定で印刷ができない画像形成装置にユーザーが近づいた場合であっても、印刷が可能な画像形成装置をユーザー自身で探すことなく、確認可能にできる、情報処理システムを提供することができる。
【0026】
第10態様によれば、印刷設定で印刷ができない画像形成装置にユーザーが近づいた場合であっても、印刷が可能な画像形成装置をユーザー自身で探すことなく、確認可能にできる、情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係るスマートフォンの概略ブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略ブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図5図4に続く情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図6図5に続く情報処理システムの動作の他の一例を示すシーケンス図である。
図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置の設置状況の一例を説明するための説明図である。
図8】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図9】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図10】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図11】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図12】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図13】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図14】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図15】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図16】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図17】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図18】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
図19】本発明の実施形態に係るプリンタ情報リストを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施形態)
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0029】
図1を用いて、本実施形態に係る情報処理システム10の一例を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム10は、スマートフォン20と、複数の画像形成装置30、50とを含んで構成されている。スマートフォン20は、情報処理装置の一例である。
【0030】
スマートフォン20及び複数の画像形成装置30、50がネットワークNを介して接続されている。このネットワークNには、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)と、NFC(Near field communication)との接続を可能としている。ここで、BLEとNFCとは、スマートフォン20と画像形成装置30、50との通信可能距離の異なる通信方式であり、BLEは第1距離の通信が可能な通信方式の一例であり、NFCは第1距離よりも短い第2距離の通信が可能な通信方式の一例である。なお、第2距離の通信が可能な通信方式の一例は、BLEに限定されず、他の通信方式であってもよい。また、第1距離の通信が可能な通信方式の一例は、NFCに限定されず、他の通信方式であってもよい。ここで、第1距離内になったか否かは、画像形成装置30、50から出力される電波の圏内になったか否かで判定される。また、第2距離内になったか否かは、スマートフォン20と画像形成装置30、50とが接触(タッチ)したか否かで判定される。また、複数の画像形成装置30、50同士が、ネットワークには、例えば、LAN(=Local Area Network)、WAN(=Wide Area Network)、インターネット等で接続可能としてもよい。また、情報処理システム10には、PC(Personal Computer)がネットワークを介して接続されてもよい。
【0031】
スマートフォン20は、ユーザーが所持する携帯端末である。そして、ユーザーがスマートフォン20に記憶されているデータを画像形成装置30、50を用いて印刷する。
【0032】
図2は、本実施形態に係るスマートフォン20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0033】
図2に示すように、スマートフォン20は、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、ストレージ24、入力部25、表示部26、BLE I/F27、NFC I/F28、位置情報取得部29を有する。各構成は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0034】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22又はストレージ24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22又はストレージ24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM22又はストレージ24には、プログラムが格納されている。
【0035】
ROM22は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ24は、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどにより構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0036】
また、本実施形態では、ストレージ24には、画像形成装置30、50をリスト化したプリンタ情報リストが記憶される。プリンタ情報リストは、後述するように画像形成装置30、50と送受信される。プリンタ情報リストには、各画像形成装置のID、各画像形成装置で実行可能な機能、各画像形成装置の位置情報(緯度、経度、高度)、プリンタ情報リストの更新時刻、に関する情報が含まれる。なお、プリンタ情報リストは、他の情報を含むようにしてもよい。また、本実施形態では、ストレージ24に、当該スマートフォン20から画像形成装置30、50を用いてデータを印刷させるための、印刷用のアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0037】
入力部25は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。入力部25では、後述するように、印刷設定や、印刷を開始させる指示などに使用される。また、本実施形態では、タッチパネル方式の表示部26が入力部25として機能している。
【0038】
表示部26は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部26は、CPU21の制御に基づき各種の情報を表示する。また、本実施形態では、表示部26は、タッチパネル方式を採用して、入力部25としても機能する。
【0039】
BLE I/F27は、画像形成装置30、50との間でBLEによる無線通信を行う機能を有している。BLE I/F27は、無線通信用のアンテナを含み、画像形成装置30、50との間で各種データの送受信を行う通信インタフェースとして機能する。
【0040】
NFC I/F28は、画像形成装置30、50との間で近距離無線通信による無線通信を行う機能を有している。NFC I/F28は、無線通信用のアンテナを含み、画像形成装置30、50との間で各種データの送受信を行う通信インタフェースとして機能する。
【0041】
位置情報取得部29は、スマートフォン20の位置情報を取得する。例えば、GPS(Global Positioning System)である。
【0042】
複数の画像形成装置30、50は、印刷や、コピー、ファクシミリ、スキャナーなどが可能なものである。また、各画像形成装置30、50は、スマートフォン20の印刷用のアプリケーションプログラムの印刷設定で印刷を実行することが可能な各機能を備えている。本実施形態では、各画像形成装置30、50が備えている機能は異なる機能であり、スマートフォン20の印刷用のアプリケーションプログラムの印刷設定によっては、印刷が可能な場合と不可能な場合とが発生しうる。
【0043】
つぎに、複数の画像形成装置30、50のハードウェア構成について説明する。なお、複数の画像形成装置30、50の共通するハードウェア構成については画像形成装置30を例に説明する。
【0044】
図3は、本実施形態に係る画像形成装置30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、画像形成装置30は、プロセッサの一例であるCPU31、ROM32、RAM33、記憶部の一例であるストレージ34、入力部35、表示部36、文書読取部37、画像形成部38、通信I/F39、BLE I/F40、NFC I/F41を有する。各構成は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0045】
CPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32又はストレージ34からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、ROM32又はストレージ34に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM32又はストレージ34には、プログラムが格納されている。
【0046】
ROM32は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ34は、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)などにより構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0047】
また、本実施形態では、ストレージ34には、自らの画像形成装置30と他の画像形成装置50とをリスト化したプリンタ情報リストが記憶される。プリンタ情報リストは、後述するようにスマートフォン20と送受信される。プリンタ情報リストには、各画像形成装置のID、各画像形成装置で実行可能な機能、各画像形成装置の位置情報(緯度、経度、高度)、プリンタ情報リストの更新時刻、に関する情報が含まれる。なお、プリンタ情報リストは、他の情報を含むようにしてもよい。
【0048】
入力部35は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。入力部35では、印刷を開始させる指示などに使用される。また、本実施形態では、タッチパネル方式の表示部36が入力部35として機能している。
【0049】
表示部36は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部36は、CPU31の制御に基づき各種の情報を表示する。また、表示部36は、タッチパネル方式を採用して、入力部35としても機能する。
【0050】
文書読取部37は、画像形成装置30の上部に設けられた図示しない自動送り装置の給紙台に置かれた文書を1枚ずつ取り込み、取り込んだ文書を光学的に読み取って画像情報を得る。あるいは、文書読取部37は、プラテンガラスなどの台に置かれた文書を光学的に読み取って画像情報を得る。
【0051】
ここで、文書読取部37で読み取られた文書の画像情報は、画像形成装置30のストレージ34に保存されたり、後述する画像形成部38により印刷されたり、後述する通信I/F39によりFAX(Facsimile)機能を有する他の画像形成装置に送信されたりする。
【0052】
画像形成部38は、ネットワークNを介して接続されたスマートフォン20から得られた印刷ジョブに含まれる印刷データや、文書読取部37による読み取りによって得られた画像情報に基づく画像を、紙などの記録媒体に形成、すなわち、印刷するものである。
【0053】
通信 I/F39は、画像形成装置30を公衆回線に接続し、FAX機能を有する他の画像形成装置と文書読取部37による読み取りによって得られた画像情報を送受信する。
【0054】
BLE I/F40は、スマートフォン20との間でBLEによる無線通信を行う機能を有している。BLE I/F40は、無線通信用のアンテナを含み、スマートフォン20との間で各種データの送受信を行う通信インタフェースとして機能する。
【0055】
NFC I/F41は、スマートフォン20との間で近距離無線通信による無線通信を行う機能を有している。NFC I/F41は、無線通信用のアンテナを含み、スマートフォン20との間で各種データの送受信を行う通信インタフェースとして機能する。
【0056】
また、図示しないが、本実施形態では、画像形成装置50には、画像形成装置30が備えないステープル装置と両面印刷装置とを備えている。ステープル装置は、紙を綴じる装置である。また、両面印刷装置は紙の両面に印刷を可能とする装置である。また、本実施形態では、画像形成装置30の画像形成部38は、モノクロのみの印刷が可能であり、画像形成装置50の画像形成部58は、カラーとモノクロとの印刷が可能である。
【0057】
つぎに、本実施形態の情報処理システム10の作用の一例について説明する。
図4は、情報処理システム10の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0058】
まず、図7に示すように、画像形成装置30、50が設置されているものとする。具体的には、画像形成装置30は、ID「001」、設置場所「緯度35.463569、経度139.627638、高度75m」、機能「モノクロ」「ステープルなし」「両面なし」の装置であり、画像形成装置50は、ID「002」、設置場所「緯度35.463561、経度139.627634、高度75m」、機能「カラー/モノクロ」「ステープルあり」「両面あり」の装置である。なお、設置場所については、画像形成装置30、50の設置時には定められておらず、後述するように、印刷時にスマートフォン20から取得される。また、ここでは、ユーザーのスマートフォン20には、プリンタ情報リスト内にデータがなく、画像形成装置30、50にも、プリンタ情報リスト内に自装置の機能に関する情報以外のデータがない状態、すなわち、初めて印刷をする状態について説明する。
【0059】
図4に示すステップS100において、ユーザーがスマートフォン20において決定した印刷設定を印刷用のアプリケーションプログラムに設定する。例えば、「カラー」「片面印刷」「ステープルあり」が印刷設定として設定された場合について説明する。
【0060】
ここで、画像形成装置30、50は、BLEにおけるペリフェラル側となり、定期的にBLEのアドバタイズパケットを発信して、スマートフォン20との接続に備えている。
【0061】
ステップS101において、ユーザーはスマートフォン20において印刷を指示する。印刷の指示を受け付けたスマートフォン20は、BLEの通信圏内にいる画像形成装置30、50を探すスキャニングを開始する。
【0062】
ステップS102において、ユーザーがスマートフォン20を持って移動する。そして、スマートフォン20が、複数の画像形成装置30、50のうち、例えば、画像形成装置50から出力されるアドバタイジングパケットを受信する。すなわち、画像形成装置50のBLEの電波の圏内(通信圏内)に入る。
【0063】
ステップS103において、スマートフォン20は、スキャン・リクエストを画像形成装置50に送信する。スキャン・リクエストを受信した画像形成装置50は、図8に示すようにプリンタ情報リストを更新する。ここでは、画像形成装置50は、プリンタ情報リストの記憶領域に、自らの情報を書き込む。そして、画像形成装置50は、更新したプリンタ情報リストをスマートフォン20にスキャン・レスポンスで送信する。
【0064】
ステップS104において、スマートフォン20は、受信したプリンタ情報リストでストレージ24に記憶している自らのプリンタ情報リストを更新する。具体的には、図9(A)に示すようなストレージ24のプリンタ情報リストの記憶領域に、図9(B)に示すような画像形成装置50のID、機能、更新時刻を書き込む。
【0065】
ステップS105において、スマートフォン20は、更新したプリンタ情報リスト内で印刷設定を満たす画像形成装置を探索する。本例では、プリンタ情報リストには画像形成装置50のみ登録されているため、「カラー」「片面印刷」「ステープルあり」の印刷設定が画像形成装置50で印刷できるか否かが判定される。画像形成装置50は、「カラー」「片面印刷」「ステープルあり」の印刷が可能であるため、スマートフォン20の表示部26に、画像形成装置50で印刷が可能である旨の表示がされる。この場合に、画像形成装置50の位置情報と画像形成装置50までの距離情報とがユーザーに報知される。ここで、画像形成装置50の位置情報は、画像形成装置50の位置情報として緯度、経度、の情報をスマートフォン20の表示部26に表示してもよいし、方向をスマートフォン20の表示部26に表示してもよい。
【0066】
ステップS106において、画像形成装置50の前まで移動したユーザーが、スマートフォン20を画像形成装置50とNFCを用いて通信させる。すなわち、スマートフォン20を画像形成装置50に接触(タッチ)させることで、スマートフォン20のNFC I/F28と画像形成装置50のNFC I/F61とを通信させる。
【0067】
ステップS107において、ステップS106でスマートフォン20と画像形成装置50とがNFCを用いた通信を行ったことを契機に、スマートフォン20は、画像形成装置50と至近距離になったことを検知する。
【0068】
ステップS108において、スマートフォン20は、位置情報取得部29により自らの位置情報を取得し、図10に示すように、プリンタ情報リストに当該位置情報を追加してプリンタ情報リストを更新する。ここで、スマートフォン20が位置情報取得部29により取得する自らの位置情報は、当該スマートフォン20の緯度、経度、高度情報である。スマートフォン20と画像形成装置50とはNFCにより通信し、NFCの通信圏内は通信するお互いが接触する必要があるくらい短いため、画像形成装置50の位置情報とスマートフォン20の位置情報とはほぼ同じであることから、画像形成装置50の位置情報の取得をスマートフォン20の位置情報取得部29により代行させている。なお、本例では、画像形成装置30、50に位置情報取得部を備えていないためスマートフォン20が備えていることの多い位置情報取得部29により位置情報を取得しているが、画像形成装置30、50に位置情報取得部を備えている場合は、画像形成装置30、50の位置情報取得部により取得した位置情報をプリンタ情報リストに記憶するようにしてもよい。
【0069】
ステップS109において、スマートフォン20は、ストレージ24に記憶しているプリンタ情報リスト(図10参照)を画像形成装置50に送信する。そして、画像形成装置50は、ストレージ54に記憶しているプリンタ情報リストを更新する。この場合の画像形成装置50が記憶しているプリンタ情報リストは、図10に示すスマートフォン20が記憶しているプリンタ情報リストと同等となる。
【0070】
ステップS110において、スマートフォン20は、印刷ジョブをNFC I/F28を用いて画像形成装置50に送信する。なお、印刷ジョブの送信は、NFC I/F28を用いて行われる場合に限定されず、BLE I/F27を用いて行われるようにしてもよい。そして、画像形成装置50は設定された印刷設定により印刷を実行する。
【0071】
ここで、ステップS107~ステップS110は、ステップS106でユーザーがスマートフォン20を画像形成装置50に接触(タッチ)している間に行われることが望ましい。なお、ステップS107~ステップS110が、ステップS106でユーザーがスマートフォン20を画像形成装置50に接触(タッチ)している間に行われない場合は、再度、ユーザーがスマートフォン20を画像形成装置50に接触(タッチ)する。
【0072】
図5は、図4に示す情報処理システム10の動作の一例に続く動作の一例を示すシーケンス図である。具体的には、画像形成装置30で初めて印刷する場合の動作の一例である。
【0073】
図5に示すステップS200において、ユーザーがスマートフォン20において決定した印刷設定を印刷用のアプリケーションプログラムに設定する。例えば、「モノクロ」「片面印刷」「ステープルなし」が印刷設定として設定された場合について説明する。
【0074】
ここで、画像形成装置30、50は、BLEにおけるペリフェラル側となり、定期的にBLEのアドバタイズパケットを発信して、スマートフォン20との接続に備えている。
【0075】
ステップS201において、ユーザーはスマートフォン20において印刷を指示する。印刷の指示を受け付けたスマートフォン20は、BLEの通信圏内にいる画像形成装置30、50を探すスキャニングを開始する。
【0076】
ステップS202において、ユーザーがスマートフォン20を持って移動する。そして、スマートフォン20が、複数の画像形成装置30、50のうち、例えば、画像形成装置30から出力されるアドバタイジングパケットを受信する。すなわち、画像形成装置30のBLEの電波の圏内(通信圏内)に入る。
【0077】
ステップS203において、スマートフォン20は、スキャン・リクエストを画像形成装置30に送信する。スキャン・リクエストを受信した画像形成装置30は、図11に示すようにプリンタ情報リストを更新する。ここでは、画像形成装置30は、プリンタ情報リストのうち、自らの情報を更新する。そして、画像形成装置30は、更新したプリンタ情報リストをスマートフォン20にスキャン・レスポンスで送信する。
【0078】
ステップS204において、スマートフォン20は、受信したプリンタ情報リストでストレージ24に記憶している自らのプリンタ情報リストを更新する。具体的には、図12(A)に示すようなストレージ24のプリンタ情報リストの記憶領域に、図12(B)に示すような画像形成装置30のID、機能、更新時刻を書き込む。また、スマートフォン20に記憶しているプリンタ情報リストには、画像形成装置50のプリンタ情報も記憶されているため、画像形成装置30のプリンタ情報が追記される。
【0079】
ステップS205において、スマートフォン20は、更新したプリンタ情報リスト内で印刷設定を満たす画像形成装置を探索する。本例では、プリンタ情報リストには画像形成装置30と画像形成装置50が登録されているため、「モノクロ」「片面印刷」「ステープルなし」の印刷設定が画像形成装置30と画像形成装置50で印刷できるか否かが判定される。画像形成装置30も画像形成装置50も、「モノクロ」「片面印刷」「ステープルなし」の印刷が可能であるため、スマートフォン20の表示部26に、画像形成装置30と画像形成装置50とのうち、もっとも近い画像形成装置30が報知される。この場合に、画像形成装置30の位置情報と画像形成装置30までの距離情報とがユーザーに報知される。ここで、画像形成装置30の位置情報は、画像形成装置30の位置情報として緯度、経度、の情報をスマートフォン20の表示部26に表示してもよいし、方向をスマートフォン20の表示部26に表示してもよい。なお、もっとも近い画像形成装置30が報知される場合の他、印刷が可能な画像形成装置30、50を全て表示すると共に、もっとも近い画像形成装置30を強調表示などにより目立たせるようにしてもよい。
【0080】
ステップS206において、画像形成装置30の前まで移動したユーザーが、スマートフォン20を画像形成装置30とNFCを用いて通信させる。すなわち、スマートフォン20を画像形成装置30に接触(タッチ)させることで、スマートフォン20のNFC I/F28と画像形成装置30のNFC I/F41とを通信させる。
【0081】
ステップS207において、ステップS206でスマートフォン20と画像形成装置30とがNFCを用いた通信を行ったことを契機に、スマートフォン20は、画像形成装置30と至近距離になったことを検知する。
【0082】
ステップS208において、スマートフォン20は、位置情報取得部29により自らの位置情報を取得し、図13に示すように、プリンタ情報リストに当該位置情報を追加してプリンタ情報リストを更新する。ここで、スマートフォン20が位置情報取得部29により取得する自らの位置情報は、当該スマートフォン20の緯度、経度、高度情報である。スマートフォン20と画像形成装置30とはNFCにより通信し、NFCの通信圏内は通信するお互いが接触する必要があるくらい短いため、画像形成装置30の位置情報とスマートフォン20の位置情報とはほぼ同じであることから、画像形成装置30の位置情報の取得をスマートフォン20の位置情報取得部29により代行させている。
【0083】
ステップS209において、スマートフォン20は、ストレージ24に記憶しているプリンタ情報リスト(図13参照)を画像形成装置30に送信する。そして、画像形成装置30は、ストレージ34に記憶しているプリンタ情報リストを更新する。この場合の画像形成装置30が記憶しているプリンタ情報リストは、図13に示すスマートフォン20が記憶しているプリンタ情報リストと同等となる。
【0084】
ステップS210において、スマートフォン20は、印刷ジョブをNFC I/F28を用いて画像形成装置30に送信する。なお、印刷ジョブの送信は、NFC I/F28を用いて行われる場合に限定されず、BLE I/F27を用いて行われるようにしてもよい。そして、画像形成装置30は設定された印刷設定により印刷を実行する。
【0085】
ここで、ステップS207~ステップS210は、ステップS206でユーザーがスマートフォン20を画像形成装置30に接触(タッチ)している間に行われることが望ましい。なお、ステップS207~ステップS210が、ステップS206でユーザーがスマートフォン20を画像形成装置30に接触(タッチ)している間に行われない場合は、再度、ユーザーがスマートフォン20を画像形成装置30に接触(タッチ)する。
【0086】
このように、ユーザーが画像形成装置30、50を使用して印刷をしていくうちに、設置されている画像形成装置30、50がプリンタ情報リストに登録されていくため、新しく導入したスマートフォンや画像形成装置を、個別にセッティングする必要がなくなる。すなわち、新しく導入したスマートフォンを画像形成装置に登録する必要もなく、又、新しく導入した画像形成装置をスマートフォンに登録する必要もない。
また、図4及び図5でいうユーザーは、同じ人物であっても異なる人物であってもよいし、又、スマートフォン20は、同じ端末であっても異なる端末であってもよい。
【0087】
また、印刷設定で印刷可能な画像形成装置がない場合は、「印刷可能なプリンタがありません」「他のプリンタを探してください」などのメッセージがスマートフォン20の表示部26に表示される。
なお、印刷設定で印刷可能な画像形成装置がない場合には、設置されている画像形成装置の全てで印刷が不可能な場合の他、印刷が可能な画像形成装置は設置されているが、まだ印刷されていないためプリンタ情報リストに登録されていない場合を含む。
【0088】
すなわち、本実施形態の情報処理システム10は、過去に印刷した画像形成装置30、50の情報をプリンタ情報リストとして記憶し、当該プリンタ情報リストをスマートフォン20と画像形成装置30、50との相互で更新していくことで、印刷可能な画像形成装置をユーザーに報知することが可能なシステムである。
【0089】
図6は、図5に示す情報処理システム10の動作の一例に続く動作の一例を示すシーケンス図である。すなわち、設置されている全ての画像形成装置30、50で過去に印刷が実行されており、全ての画像形成装置30、50がプリンタ情報リストに登録されている状態である。
【0090】
図6に示すステップS300において、ユーザーがスマートフォン20において決定した印刷設定を印刷用のアプリケーションプログラムに設定する。例えば、「カラー」「両面印刷」「ステープルなし」が印刷設定として設定された場合について説明する。
【0091】
ここで、画像形成装置30、50は、BLEにおけるペリフェラル側となり、定期的にBLEのアドバタイズパケットを発信して、スマートフォン20との接続に備えている。
【0092】
ステップS301において、ユーザーはスマートフォン20において印刷を指示する。印刷の指示を受け付けたスマートフォン20は、BLEの通信圏内にいる画像形成装置30、50を探すスキャニングを開始する。
【0093】
ステップS302において、ユーザーがスマートフォン20を持って移動する。そして、スマートフォン20が、複数の画像形成装置30、50のうち、例えば、画像形成装置30から出力されるアドバタイジングパケットを受信する。すなわち、画像形成装置30のBLEの電波の圏内(通信圏内)に入る。
【0094】
ステップS303において、スマートフォン20は、スキャン・リクエストを画像形成装置30に送信する。スキャン・リクエストを受信した画像形成装置30は、図14に示すようにプリンタ情報リストを更新する。ここでは、画像形成装置30は、プリンタ情報リストのうち、自らの情報を更新する。そして、画像形成装置30は、更新したプリンタ情報リストをスマートフォン20にスキャン・レスポンスで送信する。
【0095】
ステップS304において、スマートフォン20は、受信したプリンタ情報リストでストレージ24に記憶している自らのプリンタ情報リストを更新する。具体的には、図15に示すように、ID、機能、更新時刻を更新する。
【0096】
ステップS305において、スマートフォン20は、更新したプリンタ情報リスト内で印刷設定を満たす画像形成装置を探索する。本例では、プリンタ情報リストには画像形成装置30と画像形成装置50が登録されているため、「カラー」「両面印刷」「ステープルなし」の印刷設定が画像形成装置30と画像形成装置50で印刷できるか否かが判定される。BLEの通信圏内に入っている画像形成装置30では、「カラー」「両面印刷」「ステープルなし」の印刷が不可能であり、画像形成装置50では印刷が可能であるため、スマートフォン20の表示部26に、画像形成装置50の位置情報が報知される。ここで、画像形成装置50の位置情報は、画像形成装置50の位置情報として緯度、経度、の情報をスマートフォン20の表示部26に表示してもよいし、方向をスマートフォン20の表示部26に表示してもよい。また、画像形成装置50までの距離情報を報知してもよい。
【0097】
ステップS306において、画像形成装置50の位置情報を通知されたユーザーは、画像形成装置50が設置されている場所に移動する。そして、スマートフォン20が、画像形成装置50から出力されるアドバタイジングパケットを受信する。すなわち、画像形成装置50のBLEの電波の圏内(通信圏内)に入る。
【0098】
ステップS307において、スマートフォン20は、スキャン・リクエストを画像形成装置50に送信する。スキャン・リクエストを受信した画像形成装置50は、図16に示すようにプリンタ情報リストを更新する。ここでは、画像形成装置50は、プリンタ情報リストのうち、自らの情報を更新する。そして、画像形成装置50は、更新したプリンタ情報リストをスマートフォン20にスキャン・レスポンスで送信する。
【0099】
ステップS308において、スマートフォン20は、受信したプリンタ情報リストでストレージ24に記憶している自らのプリンタ情報リストを更新する。具体的には、図17に示すように、ID、機能、更新時刻を更新する。また、スマートフォン20に記憶しているプリンタ情報リストには、画像形成装置30のプリンタ情報も記憶されているため、画像形成装置50のプリンタ情報を更新する。
【0100】
ステップS309において、スマートフォン20は、更新したプリンタ情報リスト内で印刷設定を満たす画像形成装置を探索する。本例では、プリンタ情報リストには画像形成装置30と画像形成装置50が登録されているため、「カラー」「両面印刷」「ステープルなし」の印刷設定が画像形成装置30と画像形成装置50で印刷できるか否かが判定される。BLEの通信圏内に入っている画像形成装置50では、「カラー」「両面印刷」「ステープルなし」の印刷が可能であるため、スマートフォン20の表示部26に、画像形成装置50で印刷が可能である旨の表示がされる。この場合に、画像形成装置50の位置情報と画像形成装置50までの距離情報とがユーザーに報知される。ここで、画像形成装置50の位置情報は、画像形成装置50の位置情報として緯度、経度、の情報をスマートフォン20の表示部26に表示してもよいし、方向をスマートフォン20の表示部26に表示してもよい。
【0101】
ステップS310において、画像形成装置50の前まで移動したユーザーが、スマートフォン20を画像形成装置50とNFCを用いて通信させる。すなわち、スマートフォン20を画像形成装置30に接触(タッチ)させることで、スマートフォン20のNFC I/F28と画像形成装置50のNFC I/F61とを通信させる。
【0102】
ステップS311において、ステップS310でスマートフォン20と画像形成装置50とがNFCを用いた通信を行ったことを契機に、スマートフォン20は、画像形成装置50と至近距離になったことを検知する。
【0103】
ステップS312において、スマートフォン20は、位置情報取得部29により自らの位置情報を取得し、図18に示すように、プリンタ情報リストに当該位置情報を追加してプリンタ情報リストを更新する。画像形成装置50が移動していた場合であっても、位置情報が更新され、画像形成装置50がどこにあるかの情報がプリンタ情報リストに記憶されることになる。ここで、スマートフォン20が位置情報取得部29により取得する自らの位置情報は、当該スマートフォン20の緯度、経度、高度情報である。スマートフォン20と画像形成装置50とはNFCにより通信し、NFCの通信圏内は通信するお互いが接触する必要があるくらい短いため、画像形成装置50の位置情報とスマートフォン20の位置情報とはほぼ同じであることから、画像形成装置50の位置情報の取得をスマートフォン20の位置情報取得部29により代行させている。
【0104】
ステップS313において、スマートフォン20は、ストレージ24に記憶しているプリンタ情報リスト(図18参照)を画像形成装置50に送信する。そして、画像形成装置50は、図19に示すように、ストレージ54に記憶しているプリンタ情報リストを更新する。
【0105】
ステップS314において、スマートフォン20は、印刷ジョブをNFC I/F28を用いて画像形成装置50に送信する。なお、印刷ジョブの送信は、NFC I/F28を用いて行われる場合に限定されず、BLE I/F27を用いて行われるようにしてもよい。そして、画像形成装置50は設定された印刷設定により印刷を実行する。
【0106】
ここで、ステップS311~ステップS314は、ステップS310でユーザーがスマートフォン20を画像形成装置50に接触(タッチ)している間に行われることが望ましい。なお、ステップS311~ステップS314が、ステップS310でユーザーがスマートフォン20を画像形成装置50に接触(タッチ)している間に行われない場合は、再度、ユーザーがスマートフォン20を画像形成装置50に接触(タッチ)する。
【0107】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0108】
なお、上記実施形態では、プログラムがROM又はストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0109】
また、上述した実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0110】
また、上述した実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上述した各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0111】
10 情報処理システム
20 スマートフォン
30、50 画像形成装置
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12
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