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特許7647423読影制御装置、読影制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】読影制御装置、読影制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/10 20060101AFI20250311BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20250311BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20250311BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20250311BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
G09G5/10 B
G06F3/01 510
G09G5/00 550C
G09G5/14 A
G09G5/37 320
G09G5/37 600
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021124618
(22)【出願日】2021-07-29
(65)【公開番号】P2023019689
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門馬 悠生
(72)【発明者】
【氏名】武井 宙之
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 禎也
(72)【発明者】
【氏名】藤田 薫
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-356751(JP,A)
【文献】特表2015-511044(JP,A)
【文献】特開2018-31822(JP,A)
【文献】特開2012-100953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0329399(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 5/42
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に複数の画像を表示するよう制御する表示制御部と、
前記表示部上のユーザの視線を検出する検出部と、
前記画像をそれぞれ複数に分割した領域のどこに前記ユーザの視線が位置するかを判定する領域判定部と、
前記画像の輝度を調整する輝度調整部と、
を備え、
前記輝度調整部は、複数の前記画像における前記ユーザの視線により指定されたそれぞれの領域の輝度を上げて調整する、
読影制御装置。
【請求項2】
複数の前記画像において前記ユーザの視線により指定されたそれぞれの前記領域の間の距離を測定する距離測定部、
を備え、
前記輝度調整部は、前記距離が閾値以上である領域を結ぶ部分の輝度を上げて調整する、
請求項1に記載の読影制御装置。
【請求項3】
前記ユーザの瞳孔の大きさを測定する瞳孔測定部、
を備え、
前記検出部が複数の前記画像においてそれぞれ指定された領域の間を前記ユーザの視線が移動していることを検出し、前記瞳孔測定部で測定した前記瞳孔の大きさが閾値を上回った場合、前記輝度調整部は、それぞれ指定された前記領域の間を結ぶ部分の輝度を上げて調整する、
請求項1に記載の読影制御装置。
【請求項4】
表示部に複数の画像を表示するよう制御する表示制御ステップと、
前記表示部上のユーザの視線を検出する検出ステップと、
前記画像をそれぞれ複数に分割した領域のどこに前記ユーザの視線が位置するかを判定する領域判定ステップと、
前記画像の輝度を調整する輝度調整ステップと、
を含み、
前記輝度調整ステップは、複数の前記画像における前記ユーザの視線により指定されたそれぞれの領域の輝度を上げて調整する、
読影制御方法。
【請求項5】
表示部に複数の画像を表示するよう制御する表示制御ステップと、
前記表示部上のユーザの視線を検出する検出ステップと、
前記画像をそれぞれ複数に分割した領域のどこに前記ユーザの視線が位置するかを判定する領域判定ステップと、
前記画像の輝度を調整する輝度調整ステップと、
を含み、
前記輝度調整ステップは、複数の前記画像における前記ユーザの視線により指定されたそれぞれの領域の輝度を上げて調整する、
ことを、読影制御装置として動作するコンピュータが実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読影制御装置、読影制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの注視点に応じ、輝度が異なる複数の画像コンテンツを用いて表示されている画像コンテンツの輝度調整を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-254358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
読影画像を表示する読影装置は、室内を暗くして読影を行うため、画面の輝度が高いと眼精疲労を引き起こすおそれが高くなる。特許文献1の技術では、画面全体の輝度が明るくなってしまい、読影装置としては好ましくない。また、マウスなどの入力装置の操作によって読影装置の輝度を調節する方法も知られているが、より直感的に輝度を調節することが望まれる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、画面の輝度を画像の領域に応じて適切に調整することが可能な読影制御装置、読影制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る読影制御装置は、表示部に複数の画像を表示するよう制御する表示制御部と、前記表示部上のユーザの視線を検出する検出部と、前記画像をそれぞれ複数に分割した領域のどこに前記ユーザの視線が位置するかを判定する領域判定部と、前記画像の輝度を調整する輝度調整部と、を備え、前記輝度調整部は、複数の前記画像における前記ユーザの視線により指定されたそれぞれの領域の輝度を上げて調整する。
【0007】
本発明に係る読影制御方法は、表示部に複数の画像を表示するよう制御する表示制御ステップと、前記表示部上のユーザの視線を検出する検出ステップと、前記画像をそれぞれ複数に分割した領域のどこに前記ユーザの視線が位置するかを判定する領域判定ステップと、前記画像の輝度を調整する輝度調整ステップと、を含み、前記輝度調整ステップは、複数の前記画像における前記ユーザの視線により指定されたそれぞれの領域の輝度を上げて調整する。
【0008】
本発明に係るプログラムは、表示部に複数の画像を表示するよう制御する表示制御ステップと、前記表示部上のユーザの視線を検出する検出ステップと、前記画像をそれぞれ複数に分割した領域のどこに前記ユーザの視線が位置するかを判定する領域判定ステップと、前記画像の輝度を調整する輝度調整ステップと、を含み、前記輝度調整ステップは、複数の前記画像における前記ユーザの視線により指定されたそれぞれの領域の輝度を上げて調整することを読影制御装置として動作するコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画面の輝度を画像の領域に応じて適切に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第一実施形態に係る読影制御装置を有する読影装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、表示部に表示される画像の一例を説明する図である。
図3図3は、表示部に表示される画像の他の例を説明する図である。
図4図4は、表示部に表示される画像の他の例を説明する図である。
図5図5は、表示部に表示される画像の他の例を説明する図である。
図6図6は、第一実施形態に係る読影制御装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第二実施形態に係る読影制御装置を有する読影装置の構成例を示すブロック図である。
図8図8は、表示部に表示される画像の他の例を説明する図である。
図9図9は、第二実施形態に係る読影制御装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、第三実施形態に係る読影制御装置を有する読影装置の構成例を示すブロック図である。
図11図11は、第三実施形態に係る読影制御装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る読影制御装置、読影制御方法およびプログラムの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
[第一実施形態]
(読影装置)
図1は、第一実施形態に係る制御部20を有する読影装置10の構成例を示すブロック図である。読影装置10は、例えば、レントゲンまたはマンモグラフィーなどの読影画像を読影する装置である。読影装置10は、読影時、表示部12におけるユーザの視線位置を示す視線位置情報を検出する。読影装置10は、視線位置情報に応じて、読影画像の輝度を部分的に調整して表示する。読影装置10は、カメラ11と、表示部12と、制御部(読影制御装置)20とを有する。
【0013】
本実施形態では、複数の画像とは、読影のために並べて見比べる複数の読影画像である。複数の画像とは、例えば、人体の同一部位の複数の読影画像である。複数の画像は、複数の画像データファイルとして記憶されていてもよい。複数の画像は、1つの画像データファイルとして記憶されていてもよい。本実施形態では、画像が2つである場合について説明する。
【0014】
カメラ11は、ユーザを撮影するカメラである。カメラ11は、読影装置10の表示部12を視認しているユーザの顔部を撮影可能な位置に配置されている。カメラ11は、例えば、可視光カメラまたは遠赤外線カメラ、または近赤外線カメラで構成される。カメラ11は、例えば、可視光カメラと遠赤外線カメラまたは近赤外線カメラとの組み合わせで構成されてもよい。カメラ11は、画像が表示されている間は、ユーザ映像を常時撮影する。カメラ11は、撮影したユーザ映像を制御部20の検出部21へ出力する。
【0015】
表示部12は、各種の情報を表示する装置である。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。表示部12は、制御部20の表示制御部25から出力された画像信号に基づいて、画像を表示する。本実施形態では、表示部12は、複数の読影画像を表示する。表示部12は、ユーザの視線位置に応じて、輝度が調整された読影画像を表示する。
【0016】
表示部12は、複数の画像を表示する。表示部12は、縦型または横型の表示画面を有する。表示部12は、1つまたは複数である。複数の表示部12は、隙間なく並べられていてもよいし、数cm程度離れて並べられていてもよい。複数の表示部12が並んで配置され、各表示部12に異なる画像が表示されていてもよい。1つの表示部12に、複数の画像が並んで表示されていてもよい。
【0017】
画像を複数に分けて表示するとは、複数の画像を比較可能なように並べて表示することである。複数の画像は、比較可能であれば一部が重なって表示されてもよい。
【0018】
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御部20は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御部20には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御部20におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御部20は、読影時、表示部12におけるユーザの視線位置を示す視線位置情報を検出する。制御部20は、視線位置情報に応じて、読影画像の輝度を調整して表示するよう制御する。制御部20は、検出部21と、領域判定部22と、判定部23と、輝度調整部24と、表示制御部25とを有する。
【0019】
検出部21は、表示部12上のユーザの視線位置を検出する。検出部21は、ユーザが使用する読影装置10における画像が表示された表示部12上のユーザの視線位置を検出する。本実施形態では、検出部21は、画像においてユーザがどこを見ているかを示す、画像上のユーザの視線位置を検出する。検出部21は、カメラ11からユーザ映像を取得する。検出部21は、取得したユーザ映像に画像処理を行って、ユーザの眼の映像から、表示部12におけるユーザの視線を検出する。検出部21は、例えばユーザの瞳孔の位置と角膜反射像の位置とに基づいて視線を検出すること、またはユーザの目頭の位置と虹彩の位置とに基づいて視線を検出することなど、各種の手法によりユーザの視線を検出する。このようにして、検出部21は、画像上におけるユーザの視線の位置を示す視線位置情報を検出する。
【0020】
領域判定部22は、画像をそれぞれ複数に分割した領域のどこにユーザの視線が位置するかを判定する。領域判定部22は、検出部21が検出した視線位置情報に基づいて、画像上におけるユーザの視線が位置する領域である視線領域を判定する。視線領域は、ユーザの視線により指定された領域である。視線領域の判定について以下に説明する。
【0021】
領域判定部22は、例えば、表示部12の表示画面を複数の領域に区切り、ユーザの視線位置が存在する領域を判定し、視線領域として出力してもよい。本実施形態では、領域判定部22は、表示部12の表示画面を複数の領域に区切る。領域判定部22は、例えば、表示部12の表示画面に表示された画像を複数の領域に区切り、ユーザの視線位置が存在する領域を判定し、視線領域として出力してもよい。領域判定部22は、検出部21が検出した視線位置が、いずれの領域に位置するかを判定する。領域の面積は、表示部12の表示画面の広さ、または、表示されている画像の面積の広さに応じて変化させてもよい。例えば、表示画面または画像の面積が広いほど領域の面積を広くしてもよい。
【0022】
領域判定部22は、例えば、ユーザの視線位置を中心とした、矩形状または円形状などの所定の形状の領域を判定し、ユーザの視線位置が存在する視線領域として出力してもよい。所定の形状の領域の面積は、表示部12の表示画面の広さ、または、表示されている画像の面積の広さに応じて変化させてもよい。例えば、表示画面または画像の面積が広いほど所定の形状の領域の面積を広くしてもよい。
【0023】
領域判定部22は、例えば、画像上においてユーザが視線位置の移動によって特定した領域を判定し、ユーザの視線位置が存在する視線領域として出力してもよい。領域判定部22は、例えば、画像上においてユーザが視線位置を移動させた直線を対角線とする矩形状の領域を判定し、ユーザの視線位置が存在する視線領域として出力してもよい。
【0024】
領域判定部22は、ユーザの視線位置が所定の閾値時間以上留まったと判定した領域を視線領域として出力するようにしてもよい。
【0025】
判定部23は、表示部12に表示される画像が単数か複数か否かを判定する。判定部23は、例えば、1つの表示部12に複数の画像が表示されている場合、画像が複数表示されていると判定してもよい。判定部23は、例えば、複数の表示部12に画像がそれぞれ表示されている場合、画像が複数表示されていると判定してもよい。
【0026】
判定部23は、例えば、表示制御部25から出力された画像信号に基づいて、表示部12に画像が複数表示されていると判定してもよい。判定部23は、例えば、表示部12に表示された画像に画像認識処理を行って、画像の境界を示す枠などを検出して画像が複数表示されていると判定してもよい。判定部23は、例えば、表示部12に表示された画像に画像認識処理を行って、画像に含まれる撮影物から画像が複数表示されていると判定してもよい。判定部23は、例えば、図示しない操作部からの操作情報に基づいて、表示部12に表示させるために選択された画像の数から画像が複数表示されていると判定してもよい。判定部23が表示部12に表示されている画像の枚数を認識する方法は公知の方法を使用可能であり、限定されない。
【0027】
輝度調整部24は、画像の輝度を調整する。輝度調整部24は、ユーザの視線によって画像において領域が指定されると、画面の全体の輝度を初期状態より下げるように明るさが調整される。より詳しくは、輝度調整部24は、判定部23によって画像が複数表示されていると判定した場合、複数の画像に対してユーザの視線により指定されたそれぞれの領域の輝度を上げて調整する。輝度調整部24は、ユーザが注目している画像について、ユーザの視線により指定された領域の輝度を領域外の輝度より上げて調整する。輝度調整部24は、領域外の輝度は、表示部12に画像を表示した初期状態の輝度より下げて明るさを調整する。そして、ユーザの視線が他の画像へ移動すると、視線の移動前の元の画像の輝度の調整を保持したままにする。そして、輝度調整部24は、ユーザの視線が移動した他の画像について、ユーザの視線により指定された領域の輝度を領域外の輝度より上げて調整する。このようにして、複数の画像のそれぞれの領域の輝度が上げられる。
【0028】
輝度調整部24は、表示部12のバックライトの輝度を制御する制御信号を生成する。輝度調整部24は、領域の輝度を領域外の輝度より高くする制御信号を出力する。バックライトの輝度を高くすると、表示部12に画像が表示される際の画面の輝度が高くなる。バックライトの輝度を低くすると、表示部12に画像が表示される際の画面の輝度が低くなる。
【0029】
または、輝度調整部24は、画像の画素ごとの明るさを調整した画像を生成する。輝度調整部24は、画像の領域の画素の明るさを領域外の画素の明るさより高くした画像を生成する。この場合、輝度調整部24が明るさを補正した画像が、表示制御部25によって表示部12に表示される。
【0030】
輝度調整部24は、画像の輝度をリセットする。より詳しくは、輝度調整部24は、ユーザの視線が移動したと判定した場合、輝度をリセットする。例えば、1つの画像の領域の輝度が調整された状態でユーザの視線が当該画像において別の領域に移動すると、視線に追従して当該画像の輝度が調整された領域が変化する。例えば、複数の画像の領域の輝度が調整された状態でユーザの視線が別の領域に移動すると、複数の画像の領域の輝度をリセットする。そして、視線が別の領域に移動した画像において、ユーザの視線により指定された領域の輝度を上げて調整する。画像の輝度のリセットとは、初期の画像の輝度の状態に戻すことである。
【0031】
表示制御部25は、表示部12に複数の画像を表示するよう制御する。表示制御部25は、画像を複数に分けて表示する表示部12に表示する制御を行う。表示制御部25は、例えば、1つの表示部12に対して、画像を複数に分けて表示するよう制御する。言い換えると、表示制御部25は、例えば、1つの表示部12に対して、複数の画像を並べて表示するよう制御する。表示制御部25は、例えば、複数の表示部12に対して、それぞれ異なる画像を表示するよう制御する。表示制御部25は、輝度調整部24が輝度を調整した画像を表示するよう制御する。表示制御部25は、画像を表示部12に出力させる画像信号を出力する。
【0032】
図2は、表示部12に表示される画像100の一例を説明する図である。本実施形態では、1つの表示部12に2つの画像100を表示する。図2に示す状態は、ユーザの視線によって領域が指定されておらず、画面の輝度は初期状態である。表示部12には、画像100および画像100が表示されている。画像100および画像100は、全体の輝度を上げて調整されている。
【0033】
図3は、表示部12に表示される画像100の他の例を説明する図である。図3に示す状態は、ユーザの視線Eによって領域が指定されている。画像100および画像100は、全体の輝度を下げて明るさが調整されている。画像100は、ユーザの視線Eにより指定された、画像100の左上の領域100Pのみ輝度を上げて調整されている。
【0034】
図4は、表示部12に表示される画像100の他の例を説明する図である。図4に示す状態は、ユーザの視線Eによって領域が指定されている。画像100および画像100は、全体の輝度を下げて明るさが調整されている。画像100は、図3においてユーザの視線Eにより指定された領域100Pのみ輝度を上げて調整されている。画像100は、ユーザの視線Eにより指定された領域100Pのみ輝度を上げて調整されている。このように、領域100Pおよび領域100Pの輝度が上げられている。
【0035】
図5は、表示部12に表示される画像100の他の例を説明する図である。図5に示す状態は、ユーザの視線Eによって領域が指定されている。画像100および画像100は、全体の輝度を下げて明るさが調整されている。画像100は、ユーザの視線Eにより指定された、画像100の左下の領域100Pのみ輝度を上げて調整されている。
【0036】
(読影装置における処理)
次に、図6を用いて、読影装置10における処理について説明する。図6は、第一実施形態に係る制御部20における処理の一例を示すフローチャートである。読影装置10が起動されて、表示部12に画像を表示される処理が行われている間、図6に示すフローチャートの処理が行われる。
【0037】
制御部20は、画像を表示する(ステップS101)。より詳しくは、制御部20は、表示制御部25によって、画像を複数に分けて表示する表示部12に表示する制御を行う。本実施形態では、制御部20は、表示制御部25によって、1つの表示部12に2つの画像を並べて表示させる。制御部20は、ステップS102へ進む。
【0038】
ステップS101によって、表示部12には、例えば、図2に示す画像100および画像100が表示される。
【0039】
制御部20は、表示されている画像が複数か否かを判定する(ステップS102)。より詳しくは、制御部20は、判定部23によって、例えば、表示制御部25から出力された画像信号に基づいて、表示部12に画像が複数表示されているか否かを判定する。制御部20は、判定部23によって、例えば、表示部12に表示された画像に画像認識処理を行って、画像の境界を示す枠などを検出して画像が複数表示されていると判定する。制御部20は、判定部23によって、例えば、表示部12に表示された画像に画像認識処理を行って、画像に含まれる撮影物から画像が複数表示されていると判定する。制御部20は、判定部23によって、例えば、図示しない操作部からの操作情報に基づいて、表示部12に表示させるために選択された画像の数から画像が複数表示されていると判定する。制御部20は、判定部23によって、表示されている画像が複数であると判定する場合(ステップS102でYes)、ステップS103へ進む。制御部20は、判定部23によって、表示されている画像が複数であると判定しない場合(ステップS102でNo)、処理を終了する。
【0040】
表示されている画像が複数であると判定する場合(ステップS102でYes)、制御部20は、視線検出を開始する(ステップS103)。より詳しくは、制御部20は、検出部21によって、ユーザ映像に画像処理を行って、ユーザが使用する読影装置10の表示部12におけるユーザの視線位置を算出する。制御部20は、検出部21によって、画像上におけるユーザの視線位置を示す視線位置情報を算出する。制御部20は、ステップS104へ進む。
【0041】
制御部20は、領域判定を開始する(ステップS104)。より詳しくは、制御部20は、領域判定部22によって、検出部21が検出した視線位置情報に基づいて、ユーザの視線が位置する領域を判定する。制御部20は、ステップS105へ進む。
【0042】
制御部20は、画像の輝度を調整する(ステップS105)。より詳しくは、制御部20は、輝度調整部24によって、画像に対してユーザの視線により指定された領域の輝度を上げて調整する。制御部20は、ステップS106へ進む。
【0043】
ステップS105によって、表示部12には、例えば、図3に示す画像100および画像100が表示される。画像100および画像100が表示される際の画面の輝度は、図2に比べて全体の輝度が下がっている。画像100の左上の領域100Pのみ輝度を上げて調整されている。
【0044】
制御部20は、視線が他の画像へ移動したか否かを判定する(ステップS106)。より詳しくは、制御部20は、検出部21が検出した視線位置情報に基づいて、ユーザの視線が他の画像へ移動したか否かを判定する。制御部20は、視線が他の画像へ移動したと判定する場合(ステップS106でYes)、ステップS107へ進む。制御部20は、視線が他の画像へ移動したと判定しない場合(ステップS106でNo)、ステップS111へ進む。
【0045】
視線が他の画像へ移動したと判定する場合(ステップS106でYes)、制御部20は、他の画像の輝度を調整する(ステップS107)。より詳しくは、制御部20は、輝度調整部24によって、他の画像に対してユーザの視線により指定された領域の輝度を上げて調整する。制御部20は、ステップS108へ進む。
【0046】
ステップS107によって、表示部12には、例えば、図4に示す画像100および画像100が表示される。画像100の左上の領域100Pに加えて画像100の左上の領域100Pが輝度を上げて調整されている。
【0047】
制御部20は、視線が別の領域へ移動したか否かを判定する(ステップS108)。より詳しくは、制御部20は、検出部21が検出した視線位置情報に基づいて、ユーザの視線が別の領域へ移動したか否かを判定する。別の領域は、例えば、元の画像または他の画像の輝度が調整された領域とは別の領域である。制御部20は、視線が別の領域へ移動したと判定する場合(ステップS108でYes)、ステップS109へ進む。制御部20は、視線が別の領域へ移動したと判定しない場合(ステップS108でNo)、ステップS111へ進む。
【0048】
視線が別の領域へ移動したと判定する場合(ステップS108でYes)、制御部20は、輝度をリセットする(ステップS109)。より詳しくは、制御部20は、輝度調整部24によって、表示部12に表示されている画像について画面の輝度を上げて調整された領域の、輝度をリセットする。制御部20は、ステップS110へ進む。
【0049】
制御部20は、画像の輝度を調整する(ステップS110)。より詳しくは、制御部20は、輝度調整部24によって、ユーザの視線により指定された別の領域の輝度を上げて調整する。制御部20は、ステップS111へ進む。
【0050】
ステップS110によって、表示部12には、例えば、図5に示す画像100および画像100が表示される。ステップS105およびステップS107において調整された輝度はリセットされている。画像100の左下の領域100Pのみ輝度を上げて調整されている。
【0051】
制御部20は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS111)。より詳しくは、制御部20は、例えば、画像を表示させる処理を終了する操作がされた場合、表示する画像を変更する操作がされた場合、または、読影装置10の電源がオフにされた場合などに処理を終了すると判定する。制御部20は、処理を終了すると判定する場合(ステップS111でYes)、処理を終了する。制御部20は、処理を終了すると判定しない場合(ステップS111でNo)、ステップS106の処理を再度実行する。
【0052】
(効果)
上述したように、本実施形態は、表示部12に画像が複数表示されている場合、複数の画像に対してユーザの視線により指定された領域のみ輝度を上げて調整することができる。本実施形態は、輝度を上げる領域の面積を低減できる。本実施形態によれば、画面の輝度を画像の領域に応じて適切に調整することができる。本実施形態によれば、輝度が高いことに起因する眼精疲労を抑制できる。
【0053】
本実施形態は、ユーザによる入力装置に対する操作を必要とせずに、ユーザの視線により領域を指定することができる。本実施形態によれば、直感的に領域を指定することができる。
【0054】
[第二実施形態]
図7ないし図9を参照しながら、本実施形態に係る制御部20Aを有する読影装置10Aについて説明する。図7は、第二実施形態に係る制御部20Aを有する読影装置10Aの構成例を示すブロック図である。図8は、表示部12に表示される画像の他の例を説明する図である。図9は、第二実施形態に係る制御部20Aにおける処理の一例を示すフローチャートである。読影装置10Aは、基本的な構成は第一実施形態の読影装置10と同様である。以下の説明においては、読影装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態の制御部20Aは、距離測定部26Aを有する点と、輝度調整部24Aにおける処理とが第一実施形態と異なる。
【0055】
距離測定部26Aは、画像ごとにユーザの視線により指定されたそれぞれの領域間の距離を測定する。本実施形態では、距離測定部26Aは、ユーザが複数の画像において領域を指定した際に、それぞれの領域間の距離を測定する。領域間の距離の測定方法は、各領域の中心を結んだ線が各領域の境界と交わる点の間の距離を測定しても良い。
【0056】
輝度調整部24Aは、距離が閾値以上である場合、複数の画像のそれぞれの領域を結んで輝度を上げて調整する。より詳しくは、輝度調整部24Aは、距離測定部26Aの測定結果に基づいて、距離が閾値以上である場合、複数の画像に対してユーザの視線により指定された領域とその領域を結んだ部分の輝度を上げて調整する。距離が閾値以上である場合、ユーザの視線が領域間を移動する際に、暗い領域を通過することになり、瞳孔調節が必要となる。複数の領域を比較するためには、瞳孔調節を行わず比較した方がより差異が判り易い。そこで、瞳孔調節を行わないように、距離が閾値以上である場合には、ユーザの視線が通過する範囲の輝度を上げて調整する。
【0057】
複数の画像の領域が表示画面において同じ高さである場合、複数の画像を跨いで横方向に延びる領域間の部分が輝度を上げられて調整される。複数の画像の領域が表示画面において異なる高さである場合、複数の画像を跨いで斜め方向に延びる領域間の部分の輝度が上げられて調整される。
【0058】
閾値は、表示部12の表示画面の広さ、または、表示されている画像の面積の広さが変化しても一定の値である。例えば、画像を見比べるユーザごとに閾値を設定してもよい。
【0059】
図8を用いて、表示部12に表示される画像100の他の例を説明する。図8に示す状態は、ユーザの視線Eによって領域が指定されている。画像100および画像100は、全体の輝度を下げて明るさが調整されている。画像100は、ユーザの視線Eにより指定された、画像100の左上の領域100Pと画像100の左上の領域100Pと、その領域間を結んだ部分が輝度を上げて調整されている。
【0060】
次に、図9を用いて、読影装置10Aにおける処理について説明する。ステップS121ないしステップS126、ステップS130ないしステップS134の処理は、図6に示すフローチャートのステップS101ないしステップS106、ステップS107ないしステップS111の処理と同様の処理を行う。
【0061】
制御部20Aは、領域間の距離を測定する(ステップS127)。より詳しくは、制御部20Aは、距離測定部26Aによって、複数の画像に対してユーザの視線により指定された領域間の距離を測定する。制御部20Aは、ステップS128へ進む。
【0062】
制御部20Aは、距離が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS128)。より詳しくは、制御部20Aは、距離が閾値以上であると判定する場合(ステップS128でYes)、ステップS129へ進む。制御部20Aは、距離が閾値以上であると判定しない場合(ステップS128でNo)、ステップS130へ進む。
【0063】
距離が閾値以上であると判定する場合(ステップS128でYes)、制御部20Aは、領域を結んで輝度を調整する(ステップS129)。より詳しくは、制御部20Aは、輝度調整部24Aによって、他の画像に対してユーザの視線により指定された領域と、その領域と視線の移動前の元の画像の輝度の調整を保持された領域を結んだ部分の輝度を上げて調整する。制御部20Aは、ステップS131へ進む。
【0064】
ステップS129によって、表示部12には、例えば、図8に示す画像100および画像100が表示される。画像100の左上の領域100Pと画像100の左上の領域100Pと、その領域間を結んだ部分が輝度を上げて調整されている。
【0065】
上述したように、本実施形態では、ユーザの視線により指定された領域間の距離が閾値以上である場合、領域を結んだ部分の輝度を上げて調整することができる。本実施形態によれば、2つの画像を見比べるためにユーザの視線が領域間を移動する際に明るさに差異がないので、瞳孔調節を行わず比較が行い易い。
【0066】
[第三実施形態]
図10図11を参照しながら、本実施形態に係る制御部20Bを有する読影装置10Bについて説明する。図10は、第三実施形態に係る制御部20Bを有する読影装置10Bの構成例を示すブロック図である。図11は、第三実施形態に係る制御部20Bにおける処理の一例を示すフローチャートである。読影装置10Bは、基本的な構成は第一実施形態の読影装置10と同様である。以下の説明においては、読影装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態の制御部20Bは、瞳孔測定部27Bを有する点と、輝度調整部24Bにおける処理とが第一実施形態と異なる。
【0067】
瞳孔測定部27Bは、ユーザの瞳孔の大きさを測定する。より詳しくは、瞳孔測定部27Bは、カメラ11が撮影したユーザ映像からユーザの瞳孔の大きさを測定する。ユーザ映像からユーザの瞳孔の大きさを測定する方法は公知の方法を使用可能であり、限定されない。
【0068】
輝度調整部24Bは、複数の画像に対してユーザの視線により指定されたそれぞれの領域を交互に視認する際に、瞳孔の大きさが閾値を上回った場合、複数の画像に対してユーザの視線により指定された領域を結んだ部分の輝度を上げて調整する。より詳しくは、輝度調整部24Bは、検出部21が複数の画像に対してユーザの視線により指定されたそれぞれの領域の間を視線が移動していることを検出し、かつ、瞳孔測定部27Bの測定結果から瞳孔の大きさが閾値を上回った場合、領域を結んだ部分の輝度を上げて調整する。
【0069】
ユーザの瞳孔の大きさが閾値を上回った場合、瞳孔調節が行われている。そこで、瞳孔調節を行わず複数の画像の比較が行えるように、瞳孔の大きさが閾値を上回った場合、ユーザの視線が通過する範囲の輝度を上げて調整する。
【0070】
瞳孔の大きさの閾値は、例えば、あらかじめ定めた所定の大きさとしてもよい。瞳孔の大きさの閾値は、例えば、通常の明るさの画像を見ているときの瞳孔の大きさを基準として所定の割合以上の大きさとしてもよい。
【0071】
次に、図11を用いて、読影装置10Bにおける処理について説明する。ステップS141ないしステップS147、ステップS151ないしステップS154の処理は、図6に示すフローチャートのステップS101ないしステップS107、ステップS108ないしステップS111の処理と同様の処理を行う。
【0072】
制御部20Bは、瞳孔の大きさを測定する(ステップS148)。より詳しくは、制御部20Bは、瞳孔測定部27Bによって、ユーザの瞳孔の大きさを測定する。制御部20Bは、ステップS149へ進む。
【0073】
制御部20Bは、瞳孔の大きさが閾値を上回ったか否かを判定する(ステップS149)。より詳しくは、制御部20Bは、瞳孔の大きさが閾値を上回ったと判定する場合(ステップS149でYes)、ステップS150へ進む。制御部20Bは、瞳孔の大きさが閾値を上回ったと判定しない場合(ステップS149でNo)、ステップS151へ進む。
【0074】
瞳孔の大きさが閾値を上回ったと判定する場合(ステップS149でYes)、制御部20Bは、領域を結んで輝度を調整する(ステップS150)。より詳しくは、制御部20Bは、輝度調整部24Bによって、複数の画像に対してユーザの視線により指定された領域を結んだ部分の輝度を上げて調整する。制御部20Bは、ステップS151へ進む。
【0075】
ステップS149によって、表示部12には、例えば、図8に示す画像100および画像100が表示される。
【0076】
上述したように、本実施形態では、複数の画像に対してユーザの視線により指定された領域を交互に視認する際に、瞳孔の大きさが閾値を上回った場合、領域を結んだ部分の輝度を上げて調整することができる。本実施形態によれば、ユーザの視線が領域間を移動する際に明るさに差異がないので、瞳孔の大きさの変化を低減できる。
【0077】
図示した読影装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0078】
読影装置の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0079】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0080】
上記の図9に示すフローチャートの処理において、ステップS126でYesと判定された後、ステップS127に進む前に、ステップS130を実行してもよい。この場合、ステップS130で他の画像の領域の輝度を調整した後に、ステップS127で領域間の距離を測定してもよい。
【0081】
本開示は、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の「すべての人に健康と福祉を」の実現に貢献し、ヘルスケア製品・サービスによる価値創出に寄与する事項を含む。
【符号の説明】
【0082】
10 読影装置
11 カメラ
12 表示部
20 制御部(読影制御装置)
21 検出部
22 領域判定部
23 判定部
24 輝度調整部
25 表示制御部
100 画像
100P 領域
E 視線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11