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特許7647434生産管理システム、管理装置、プログラム、および生産管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】生産管理システム、管理装置、プログラム、および生産管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20250311BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
G06Q50/04
G05B19/418 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021130912
(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公開番号】P2023025579
(43)【公開日】2023-02-22
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】船田 祐也
(72)【発明者】
【氏名】畠山 永吉
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-194458(JP,A)
【文献】特開2015-102921(JP,A)
【文献】特開2012-033127(JP,A)
【文献】特開2007-004235(JP,A)
【文献】特開2006-227972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ラインを流れる製品に対する作業の進捗状況を管理する生産管理システムであって、
前記生産ラインの各工程に設置され、互いに接続されたタグリーダ装置および現場端末と、
すべての前記現場端末に接続された管理装置と、
作業者毎に設けられ、対応する作業者の作業者コードが登録されたRFID(Radio Frequency Identification)タグである作業者管理用タグと、
同じ条件で製造される前記製品のグループであるロット毎に設けられ、対応するロットのロット番号が登録されたRFIDタグであるロット管理用タグと、を備え、
前記タグリーダ装置は、
前記作業者管理用タグおよび前記ロット管理用タグからそれぞれ作業者コードおよびロット番号を読み取って、自タグリーダ装置に接続されている前記現場端末に送信し、
前記現場端末は、
自現場端末が設置されている工程の工程コードが登録されており、
自現場端末に接続されている前記タグリーダ装置から受信した作業者コードおよびロット番号のそれぞれを、自現場端末に登録されている工程コードとともに前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
作業者コード、工程コード、作業開始時間および作業終了時間を登録するためのフィールドを有する作業者管理レコードを記憶する作業者管理テーブル記憶手段と、
ロット番号、工程コード、工程開始時間、および工程終了時間を登録するためのフィールドを有するロット管理レコードを記憶するロット管理テーブル記憶手段と、
前記現場端末から作業者コードおよび工程コードを受信した場合に、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを前記作業者管理テーブル記憶手段から検索し、当該作業者管理レコードが前記作業者管理テーブル記憶手段に記憶されていないならば、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを、前記作業者管理テーブル記憶手段に新たに記憶し、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードが前記作業者管理テーブル記憶手段に記憶されているならば、当該作業者管理レコードに作業終了時刻を登録する作業者管理テーブル更新手段と、
前記現場端末からロット番号および工程コードを受信した場合に、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードを前記ロット管理テーブル記憶手段から検索し、当該ロット管理レコードが前記ロット管理テーブル記憶手段に記憶されていないならば、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードを、前記ロット管理テーブル記憶手段に新たに記憶し、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードが前記ロット管理テーブル記憶手段に記憶されているならば、当該ロット管理レコードに工程終了時刻を登録するロット管理テーブル更新手段と、を有する
ことを特徴とする生産管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生産管理システムであって、
前記管理装置は、
ロット番号および工程コードが予め登録され、作業者コードを登録するためのフィールドを有する生産管理レコードが記憶された生産管理テーブル記憶手段と、
ロット番号、工程コードおよび工程開始時刻が登録され、工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードが前記ロット管理テーブル記憶手段に記憶された場合に、当該ロット番号および当該工程コードが登録されている前記生産管理レコードを前記生産管理テーブル記憶手段から検索するとともに、当該工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを、前記作業者管理テーブル記憶手段から検索し、検索した前記生産管理レコードに、検索した前記作業者管理レコードの作業者コードを登録する生産管理テーブル更新手段と、をさらに有する
ことを特徴とする生産管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の生産管理システムであって、
前記生産管理レコードには工程開始予定時刻が予め登録されており、
前記管理装置は、
作業者コードが未登録であって、かつ工程開始予定時刻が所定時間経過している前記生産管理レコードが前記生産管理テーブル記憶手段に記憶されているならば、当該生産管理レコードに登録されている工程コードにより特定される工程に設置されている前記現場端末に、当該生産管理レコードに登録されているロット番号に特定されるロットに対する工程作業開始を促す工程開始依頼メッセージを送信する工程開始依頼手段をさらに有する
ことを特徴とする生産管理システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の生産管理システムであって、
前記管理装置は、
前記現場端末からロット番号および工程コードを受信した場合に、当該工程コードおよび作業開始時刻が登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを前記作業者管理テーブル記憶手段から検索し、当該作業者管理レコードが前記作業者管理テーブル記憶手段に記憶されていないならば、当該ロット番号および当該工程コードの送信元である前記現場端末に、前記作業者管理用タグの前記タグリーダ装置への読み込みを促す作業者管理用タグ読込依頼メッセージを送信する作業者管理用タグ読込依頼手段をさらに有する
ことを特徴とする生産管理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の生産管理システムであって、
前記管理装置は、
前記現場端末から作業者コードおよび工程コードを受信した場合に、当該工程コードがロット番号および工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードの、前記ロット管理テーブル記憶手段への登録を監視し、所定時間以内に当該ロット管理レコードが前記ロット管理テーブル記憶手段に登録されなかったならば、当該作業者コードおよび工程コードの送信元である前記現場端末に、前記ロット管理用タグの前記タグリーダ装置への読み込みを促すロット管理用タグ読込依頼メッセージを送信するロット管理用タグ読込依頼手段をさらに有する
ことを特徴とする生産管理システム。
【請求項6】
生産ラインの各工程に設置されたすべての現場端末に接続され、生産ラインを流れる製品に対する作業の進捗状況を管理する管理装置であって、
作業者コード、工程コード、作業開始時間および作業終了時間を登録するためのフィールドを有する作業者管理レコードを記憶する作業者管理テーブル記憶手段と、
ロット番号、工程コード、工程開始時間、および工程終了時間を登録するためのフィールドを有するロット管理レコードを記憶するロット管理テーブル記憶手段と、
前記現場端末が当該現場端末に接続されているタグリーダ装置から受信した、当該タグリーダ装置が作業者毎に設けられたRFID(Radio Frequency Identification)タグである作業者管理用タグから取得した作業者コードおよび当該現場端末に登録されている工程コードを、当該現場端末から受信した場合に、
当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを前記作業者管理テーブル記憶手段から検索し、当該作業者管理レコードが前記作業者管理テーブル記憶手段に記憶されていないならば、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを、前記作業者管理テーブル記憶手段に新たに記憶し、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードが前記作業者管理テーブル記憶手段に記憶されているならば、当該作業者管理レコードに作業終了時刻を登録する作業者管理テーブル更新手段と、
前記現場端末が当該現場端末に接続されているタグリーダ装置から受信した、当該タグリーダ装置が同じ条件で製造される製品のグループであるロット毎に設けられたRFIDタグであるロット管理用タグから取得したロット番号および当該現場端末に登録されている工程コードを、当該現場端末から受信した場合に、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードを前記ロット管理テーブル記憶手段から検索し、当該ロット管理レコードが前記ロット管理テーブル記憶手段に記憶されていないならば、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードを、前記ロット管理テーブル記憶手段に新たに記憶し、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードが前記ロット管理テーブル記憶手段に記憶されているならば、当該ロット管理レコードに工程終了時刻を登録するロット管理テーブル更新手段と、を有する
ことを特徴とする管理装置。
【請求項7】
生産ラインを流れる製品に対する作業の進捗状況を管理する管理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
前記コンピュータは、
前記生産ラインの各工程に設置されたすべての現場端末に接続されており、
前記プログラムは、
前記コンピュータを、
作業者コード、工程コード、作業開始時間および作業終了時間を登録するためのフィールドを有する作業者管理レコードを記憶する作業者管理テーブル記憶手段、
ロット番号、工程コード、工程開始時間、および工程終了時間を登録するためのフィールドを有するロット管理レコードを記憶するロット管理テーブル記憶手段、
前記現場端末から、当該現場端末に接続されているタグリーダ装置から受信した、当該タグリーダ装置が、作業者毎に設けられたRFID(Radio Frequency Identification)タグである作業者管理用タグから取得した作業者コード、および当該現場端末に登録されている工程コードを受信した場合に、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを前記作業者管理テーブル記憶手段から検索し、当該作業者管理レコードが前記作業者管理テーブル記憶手段に記憶されていないならば、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを、前記作業者管理テーブル記憶手段に新たに記憶し、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードが前記作業者管理テーブル記憶手段に記憶されているならば、当該作業者管理レコードに作業終了時刻を登録する作業者管理テーブル更新手段、および
前記現場端末から、当該現場端末に接続されているタグリーダ装置から受信した、当該タグリーダ装置が、同じ条件で製造される製品のグループであるロット毎に設けられたRFIDタグであるロット管理用タグから取得したロット番号、および当該現場端末に登録されている工程コードを受信した場合に、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードを前記ロット管理テーブル記憶手段から検索し、当該ロット管理レコードが前記ロット管理テーブル記憶手段に記憶されていないならば、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードを、前記ロット管理テーブル記憶手段に新たに記憶し、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードが前記ロット管理テーブル記憶手段に記憶されているならば、当該ロット管理レコードに工程終了時刻を登録するロット管理テーブル更新手段、として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
生産ラインを流れる製品に対する作業の進捗状況を管理する生産管理方法であって、
前記生産ラインの各工程に互いに接続されたタグリーダ装置および現場端末を設置するとともに、ネットワークを介してすべての前記現場端末に管理装置を接続し、
作業者各々に、当該作業者の作業者コードが登録されたRFID(Radio Frequency Identification)タグである作業者管理用タグを付与するとともに、同じ条件で製造される前記製品のグループであるロット各々に、当該ロットのロット番号が登録されたRFIDタグであるロット管理用タグを付与し、
前記タグリーダ装置は、
前記作業者管理用タグおよび前記ロット管理用タグからそれぞれ作業者コードおよびロット番号を読み取って、自タグリーダ装置に接続されている前記現場端末に送信し、
前記現場端末は、
自現場端末が設置されている工程の工程コードが登録されており、
自現場端末に接続されている前記タグリーダ装置から受信した作業者コードおよびロット番号のそれぞれを、自現場端末に登録されている工程コードとともに前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
作業者コード、工程コード、作業開始時間および作業終了時間を登録するためのフィールドを有する作業者管理レコードを記憶する作業者管理テーブルと、ロット番号、工程コード、工程開始時間、および工程終了時間を登録するためのフィールドを有するロット管理レコードを記憶するロット管理テーブルと、を記憶しており、
前記現場端末から作業者コードおよび工程コードを受信した場合に、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを前記作業者管理テーブルから検索し、当該作業者管理レコードが前記作業者管理テーブルに記憶されていないならば、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを、前記作業者管理テーブルに新たに記憶し、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードが前記作業者管理テーブルに記憶されているならば、当該作業者管理レコードに作業終了時刻を登録し、
前記現場端末からロット番号および工程コードを受信した場合に、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードを前記ロット管理テーブルから検索し、当該ロット管理レコードが前記ロット管理テーブルに記憶されていないならば、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードを、前記ロット管理テーブルに新たに記憶し、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードが前記ロット管理テーブルに記憶されているならば、当該ロット管理レコードに工程終了時刻を登録する
ことを特徴とする生産管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency Identification)タグを用いた生産管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、RFIDタグを用いた生産管理システムが開示されている。この生産管理システムは、製品の生産ラインの各工程に設置された現場端末およびタグリーダ装置と、各工程に配置された現場端末にネットワークを介して接続されたデータベースと、生産ラインを流れる製品各々に取り付けられたRFIDタグと、を備えて構成される。ここで、RFIDタグには、このRFIDタグのタグIDと、このRFIDタグが取り付けられた製品の作番、項番、ロット番号と、を含むタグ情報が記憶されている。また、現場端末には、この現場端末が設置された工程の工程コードと、この工程を担当する作業者の作業者コードと、が記憶されている。
【0003】
上記構成の生産管理システムにおいて、作業者が、自身が担当する工程の作業現場に流れてきた製品をタグリーダ装置に近づけると、タグリーダ装置は、この製品に取り付けられたRFIDタグからタグ情報を読み取って現場端末に送信する。現場端末は、タグリーダ装置から受信したタグ情報を、自身に登録されている工程コードおよび作業者コードとともにデータベースに送信する。データベースは、現場端末から受信したタグ情報、工程コード、および作業者コードを、その受信時刻である作業時刻とともに登録する。これにより、生産ラインを流れる製品各々について、各工程の作業者をその作業時刻とともに管理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-4102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の生産管理システムでは、生産ラインを流れる製品の一つ一つにRFIDタグを取り付ける必要がある。また、作業者は、自身が担当する工程の作業現場に流れてくるすべての製品に取り付けられたRFIDタグをタグリーダ装置に読み取らせる必要がある。このため作業負担が大きい。さらに、作業者の作業者コードが、この作業者が担当する工程の作業現場に設置された現場端末に予め登録されているため、工程を担当する作業者を変更する都度、その工程の作業現場に設置された現場端末に登録されている作業者コードを変更しなければならず、煩雑である。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業負担を軽減することができ、かつ作業者の変更に柔軟に対応可能な生産管理技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の生産管理システムでは、製品の生産ラインの各工程に、現場端末およびタグリーダ装置を設置し、現場端末には、この現場端末が設置された工程の工程コードを登録する。また、各工程に設置された現場端末に管理装置を接続し、管理装置に、作業者コード、工程コード、作業開始時間、および作業終了時間を登録するためのフィールドを有する作業者管理レコードを記憶する作業者管理テーブルと、ロット番号、工程コード、工程開始時間、および工程終了時間を登録するためのフィールドを有するロット管理レコードを記憶するロット管理テーブルと、を設ける。また、同じ条件で製造される製品のグループであるロット毎に、このロットに割り当てられたロット番号が登録されたRFIDタグであるロット管理用タグを用意し、ロット管理用タグを、このロット管理用タグに対応するロットに属する製品を収容するロット箱等に取り付ける。さらに、作業者毎に、この作業者に割り当てられた作業者コードが登録されたRFIDタグである作業者管理用タグを用意し、作業者管理用タグを、この作業者管理用タグに対応する作業者の社員証等に取り付ける。
【0008】
そして、作業者が、自身が担当する工程の作業現場において、作業開始時および作業終了時に作業者管理用タグをタグリーダ装置に近づけると、タグリーダ装置は、作業者管理用タグから作業者コードを読み取って現場端末に送信する。これを受けて、現場端末は、作業者コードを自身に登録されている工程コードとともに管理装置へ送信する。管理装置は、現場端末から作業者コードおよび工程コードを受信すると、受信した作業者コードおよび工程コードと作業開始時刻とが登録され、かつ作業終了時刻が未登録の作業者管理レコードを作業者管理テーブルから検索する。該当する作業者管理レコードが作業者管理テーブルに存在しないならば、現場端末から受信した作業者コードおよび工程コードを作業者の作業開始のメッセージと判断し、受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録された作業者管理レコードを新規作成する。一方、該当する作業者管理レコードが作業者管理テーブルに存在するならば、現場端末から受信した作業者コードおよび工程コードを作業者の作業終了のメッセージと判断して、この作業者管理レコードに作業終時刻を登録する。
【0009】
ここで、作業者管理レコードに登録する作業開始時刻あるいは作業終了時刻は、例えば作業者コードおよび工程コードの、管理装置における受信時刻あるいは現場端末からの送信時刻でもよい。
【0010】
また、作業者が、自身が担当する工程の作業現場において、この作業現場に流れてきたロットに対する工程開始および工程終了時にロット管理用タグをタグリーダ装置に近づけると、タグリーダ装置は、ロット管理用タグからロット番号を読み取って現場端末に送信する。これを受けて、現場端末は、ロット番号を、自身に登録されている工程コードとともに管理装置へ送信する。管理装置は、現場端末からロット番号および工程コードを受信すると、受信したロット番号および工程コードと工程開始時刻とが登録され、かつ工程終了時刻が未登録のロット管理レコードをロット管理テーブルから検索する。該当するロット管理レコードがロット管理テーブルに存在しないならば、現場端末から受信したロット番号および工程コードをロットに属する製品に対する工程開始のメッセージと判断し、受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録されたロット管理レコードを新規作成する。一方、該当するロット管理レコードがロット管理テーブルに存在するならば、現場端末から受信したロット番号および工程コードをロットに属する製品に対する工程終了のメッセージと判断して、このロット管理レコードに工程終時刻を登録する。
【0011】
ここで、ロット管理レコードに登録する工程開始時刻あるいは工程終了時刻は、例えばロット番号および工程コードの、管理装置における受信時刻あるいは現場端末からの送信時刻でもよい。
【0012】
例えば、本発明は、
生産ラインを流れる製品に対する作業の進捗状況を管理する生産管理システムであって、
前記生産ラインの各工程に設置され、互いに接続されたタグリーダ装置および現場端末と、
すべての前記現場端末に接続された管理装置と、
作業者毎に設けられ、対応する作業者の作業者コードが登録されたRFID(Radio Frequency Identification)タグである作業者管理用タグと、
同じ条件で製造される前記製品のグループであるロット毎に設けられ、対応するロットのロット番号が登録されたRFIDタグであるロット管理用タグと、を備え、
前記タグリーダ装置は、
前記作業者管理用タグおよび前記ロット管理用タグからそれぞれ作業者コードおよびロット番号を読み取って、自タグリーダ装置に接続されている前記現場端末に送信し、
前記現場端末は、
自現場端末が設置されている工程の工程コードが登録されており、
自現場端末に接続されている前記タグリーダ装置から受信した作業者コードおよびロット番号のそれぞれを、自現場端末に登録されている工程コードとともに前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、
作業者コード、工程コード、作業開始時間および作業終了時間を登録するためのフィールドを有する作業者管理レコードを記憶する作業者管理テーブル記憶手段と、
ロット番号、工程コード、工程開始時間、および工程終了時間を登録するためのフィールドを有するロット管理レコードを記憶するロット管理テーブル記憶手段と、
前記現場端末から作業者コードおよび工程コードを受信した場合に、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを前記作業者管理テーブル記憶手段から検索し、当該作業者管理レコードが前記作業者管理テーブル記憶手段に記憶されていないならば、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードを、前記作業者管理テーブル記憶手段に新たに記憶し、当該受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の前記作業者管理レコードが前記作業者管理テーブル記憶手段に記憶されているならば、当該作業者管理レコードに作業終了時刻を登録する作業者管理テーブル更新手段と、
前記現場端末からロット番号および工程コードを受信した場合に、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードを前記ロット管理テーブル記憶手段から検索し、当該ロット管理レコードが前記ロット管理テーブル記憶手段に記憶されていないならば、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードを、前記ロット管理テーブル記憶手段に新たに記憶し、当該受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録の前記ロット管理レコードが前記ロット管理テーブル記憶手段に記憶されているならば、当該ロット管理レコードに工程終了時刻を登録するロット管理テーブル更新手段と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、同じ条件で製造される製品のグループであるロット毎にロット管理用タグを用意して、製品に対する作業の進捗状況をロット単位で管理している。したがって、生産ラインを流れる製品の一つ一つにRFIDタグを取り付ける必要がない。また、作業者は、自身が担当する工程の作業現場に流れてくるすべての製品に取り付けられたRFIDタグをタグリーダ装置に読み取らせる必要がない。このため、作業負担を軽減すことができる。
【0014】
また、本発明では、作業者が担当する工程での作業開始時および作業終了時に、この工程の作業現場に設置されたタグリーダ装置に、作業者に付与された作業者管理用タグから作業者コードを読み取らせることにより、各作業者の担当工程での作業開始時刻および作業終了時刻を管理するので、工程を担当する作業者が変更された場合でも柔軟に対応することができる。
【0015】
さらに、本発明では、作業者が担当する工程に流れてきたロットに対する工程開始および工程終了時に、この工程の作業現場に設置されたタグリーダ装置に、ロットに付与されたロット管理用タグからロット番号を読み取らせることにより、ロットの各工程での工程開始時刻および工程終了時刻を管理する。上述したように、各作業者の担当工程での作業開始時刻および作業終了時刻も管理しているので、両者の管理内容からロットの各工程における担当作業者を把握することができる。
【0016】
このように、本発明によれば、作業負担を軽減することができ、かつ作業者の変更に柔軟に対応可能な生産管理技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る生産管理システムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る生産管理システムの動作例を示すシーケンス図である。
図3図3は、管理装置1の概略機能構成図である。
図4図4は、作業者管理テーブル1020の登録内容例を模式的に表した図である。
図5図5は、ロット管理テーブル1030の登録内容例を模式的に表した図である。
図6図6は、生産管理テーブル1040の登録内容例を模式的に表した図である。
図7図7は、管理装置1の作業者管理テーブル更新処理を説明するためのフロー図である。
図8図8は、管理装置1のロット管理テーブル更新処理を説明するためのフロー図である。
図9図9は、管理装置1の生産管理テーブル更新処理を説明するためのフロー図である。
図10図10は、管理装置1の作業者管理用タグ読込依頼処理を説明するためのフロー図である。
図11図11は、管理装置1のロット管理用タグ読込依頼処理を説明するためのフロー図である。
図12図12は、現場端末2の概略機能構成図である。
図13図13は、現場端末2の動作フローを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の一実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る生産管理システムの概略構成図である。
【0020】
図示するように、本実施の形態に係る生産管理システムは、生産ライン8を流れる製品(不図示)に対する作業の進捗状況を管理するものであり、生産ライン8の各工程A~Cに設置されたタグリーダ装置3および現場端末2と、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワーク4を介してすべての現場端末2に接続された管理装置1と、作業者毎に用意されたRFID(Radio Frequency Identification)タグである作業者管理用タグ5と、同じ条件で製造される製品のグループであるロット毎に用意されたRFIDタグであるロット管理用タグ6と、を備えて構成される。
【0021】
作業者管理用タグ5には、この作業者管理用タグ5に対応する作業者の識別情報である作業者コードが登録されている。作業者管理用タグ5は、例えば、この作業者管理用タグ5に対応する作業者の社員証等に取り付けて用いられる。
【0022】
ロット管理用タグ6には、このロット管理用タグ6に対応するロットの識別情報であるロット番号が登録されている。ロット管理用タグ6は、このロット管理用タグ6に対応するロットに属する製品を収容するロット箱7に取り付けて用いられる。
【0023】
タグリーダ装置3は、通信可能距離まで近づいた作業者管理用タグ5およびロット管理用タグ6からそれぞれ作業者コードおよびロット番号を読み取って、このタグリーダ装置3と同じ工程に設置されている現場端末2に送信する。
【0024】
現場端末2には、この現場端末2が設置されている工程の工程コードが登録されており、この現場端末2と同じ工程に設置されているタグリーダ装置3から受信した作業者コードおよびロット番号のそれぞれを、この現場端末2に登録されている工程コードとともに管理装置1に送信する。
【0025】
管理装置1は、生産ライン8の各工程A~Cに設置された現場端末2から工程コードとともに受信した作業者コードおよびロット番号に基づいて、生産ライン8の各工程A~Cを流れる製品に対する作業の進捗状況をロット単位で管理する。
【0026】
図2は、本実施の形態に係る生産管理システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0027】
まず、作業者は、自身が担当する工程での作業開始時に、この担当工程の作業現場に設置されたタグリーダ装置3に近づいて、自身の社員証等に取り付けられた作業者管理用タグ5をタグリーダ装置3に読み取らせる。タグリーダ装置3は、通信可能距離まで近づいた作業者管理用タグ5から作業者コードを読み取って(S100)、このタグリーダ装置3と同じ作業現場に設置された現場端末2に送信する(S101)。現場端末2は、タグリーダ装置3から作業者コードを受信すると、この作業者コードを、自現場端末2に登録されている工程コードとともに、ネットワーク4を介して管理装置1に送信する(S102)。
【0028】
つぎに、管理装置1は、現場端末2から作業者コードおよび工程コードを受信すると、この作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の作業者管理レコード1021を後述の作業者管理テーブル1020から検索する(図4参照)。ここでは、該当する作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に存在しないものとする。この場合、管理装置1は、現場端末2から受信した作業者コードおよび工程コードを、作業者の担当工程での作業開始のメッセージと判断して、受信した作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録された作業者管理レコード1021を新規作成し、この作業者管理レコードを作業者管理テーブル1020に記憶する(S103)。作業開始時刻は、例えば作業者コードおよび工程コードの受信時刻あるいは現場端末2からの送信時刻とする。
【0029】
つぎに、作業者は、自身が担当する工程の作業現場において、この作業現場に流れてきたロット箱7を、この作業現場に設置されたタグリーダ装置3に近づけて、このロット箱7に取り付けられたロット管理用タグ6をタグリーダ装置3に読み取らせる。タグリーダ装置3は、通信可能距離まで近づけられたロット管理用タグ6からロット番号を読み取って(S104)、このタグリーダ装置3と同じ作業現場に設置された現場端末2に送信する(S105)。現場端末2は、タグリーダ装置3からロット番号を受信すると、このロット番号を、自現場端末2に登録されている工程コードとともに、ネットワーク4を介して管理装置1に送信する(S106)。
【0030】
つぎに、管理装置1は、現場端末2からロット番号および工程コードを受信すると、このロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録のロット管理レコード1031を後述のロット管理テーブル1030から検索する(図5参照)。ここでは、該当するロット管理レコード1031がロット管理テーブル1030に存在しないものとする。この場合、現場端末2から受信したロット番号および工程コードを、ロット箱7に収容された製品に対する工程開始のメッセージと判断して、受信したロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録されたロット管理レコード1031を新規作成して、このロット管理レコード1031をロット管理テーブル1030に記憶する(S107)。工程開始時刻は、例えばロット番号および工程コードの受信時刻あるいは現場端末2からの送信時刻とする。
【0031】
それから、管理装置1は、新規作成されたロット管理レコード1031に登録されている工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の作業者管理レコード1021を作業者管理テーブル1020から検索する。また、この新規作成されたロット管理レコード1031に登録されているロット番号および工程コードが登録されている生産管理レコード1041を後述の生産管理テーブル1040から検索する(図6参照)。そして、生産管理テーブル1040から検索した生産管理レコード1041に、作業者管理テーブル1020から検索した作業者管理レコード1021に登録されている作業者コードを登録する(S108)。
【0032】
その後、作業者は、担当工程において、ロット箱7に収容された製品に対する作業が終了すると、このロット箱7を、作業現場に設置されたタグリーダ装置3に近づけて、このロット箱7に取り付けられたロット管理用タグ6をタグリーダ装置3に読み取らせる。タグリーダ装置3は、通信可能距離まで近づけられたロット管理用タグ6からロット番号を読み取って(S109)、このタグリーダ装置3と同じ作業現場に設置された現場端末2に送信する(S110)。現場端末2は、タグリーダ装置3からロット番号を受信すると、このロット番号を、自現場端末2に登録されている工程コードとともに、ネットワーク4を介して管理装置1に送信する(S111)。
【0033】
つぎに、管理装置1は、現場端末2からロット番号および工程コードを受信すると、このロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録のロット管理レコード1031をロット管理テーブル1030から検索する。ここでは、該当するロット管理レコード1031は、S107において新規作成されているため、ロット管理テーブル1030に存在している。この場合、管理装置1は、現場端末2から受信したロット番号および工程コードを、ロット箱7に収容された製品に対する工程終了のメッセージと判断して、このロット管理レコード1031に工程終了時刻を登録する(S112)。工程終了時刻は、例えばロット番号および工程コードの受信時刻あるいは現場端末2からの送信時刻とする。
【0034】
このように、生産ライン8を構成する工程A~Cの作業者は、自身の作業現場に流れてくるロット箱7各々について、ロット箱7に収容された製品に対する作業開始時および作業終了時に、このロット箱7に取り付けられたロット管理用タグ6を、自身の作業現場に設置されたタグリーダ装置3に読み取らせる。これにより、管理装置1は、生産ライン8を流れる製品のステータス(製品に対する作業の進捗状況:どの工程まで進んでいるか、どの工程で滞留しているか等)を各工程の作業者とともにロット単位で管理することができる。
【0035】
その後、作業者は、自身が担当する工程での作業終了時に、この担当工程の作業現場に設置されたタグリーダ装置3に近づいて、自身の社員証等に取り付けられた作業者管理用タグ5をタグリーダ装置3に読み取らせる。これを受けて、タグリーダ装置3は、通信可能距離まで近づけられた作業者管理用タグ5から作業者コードを読み取って(S113)、このタグリーダ装置3と同じ作業現場に設置された現場端末2に送信する(S114)。現場端末2は、タグリーダ装置3から作業者コードを受信すると、この作業者コードを、自現場端末2に登録されている工程コードとともに、ネットワーク4を介して管理装置1に送信する(S115)。
【0036】
つぎに、管理装置1は、現場端末2から作業者コードおよび工程コードを受信すると、この作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の作業者管理レコード1021を作業者管理テーブル1020から検索する。ここでは、該当する作業者管理レコード1021は、S103において新規作成されているため、作業者管理テーブル1020に存在している。この場合、現場端末2から受信した作業者コードおよび工程コードを作業者の担当工程での作業終了のメッセージと判断して、受信した作業者コードおよび工程コードを作業終了時刻とともに、この作業者管理レコード1021に登録する(S116)。作業終了時刻は、例えば作業者コードおよび工程コードの受信時刻あるいは現場端末2からの送信時刻とする。
【0037】
つぎに、本実施の形態に係る生産管理システムを構成する管理装置1および現場端末2の詳細を説明する。なお、作業者管理用タグ5およびロット管理用タグ6には、既存のRFIDタグを用いることができるので、その詳細な説明を省略する。また、タグリーダ装置3にも、既存のRFIDタグリーダ装置を用いることができるので、その詳細な説明を省略する。
【0038】
まず、管理装置1について説明する。
【0039】
図3は、管理装置1の概略機能構成図である。
【0040】
図示するように、管理装置1は、ネットワークインターフェース部100と、マンマシンインターフェース部101と、作業者管理テーブル記憶部102と、ロット管理テーブル記憶部103と、生産管理テーブル記憶部104と、作業者管理テーブル更新部105と、ロット管理テーブル更新部106と、生産管理テーブル更新部107と、作業者管理用タグ読込依頼部108と、ロット管理用タグ読込依頼部109と、を備えている。
【0041】
ネットワークインターフェース部100は、ネットワーク4に接続するためのインターフェースである。
【0042】
マンマシンインターフェース部101は、ユーザから各種操作を受け付けたり、ユーザに情報を表示したりするためのインターフェースである。例えば、ユーザから受け付けた操作に従い、作業者管理テーブル記憶部102、ロット管理テーブル記憶部103、および生産管理テーブル記憶部104の登録内容を表示する。
【0043】
なお、マンマシンインターフェース部101に代えて、あるいはマンマシンインターフェース部101に加えて、ネットワークインターフェース部100を介して、ネットワーク4に接続された不図示の管理端末との間で情報を送受信する管理端末通信部を設けてもよい。管理端末通信部は、例えば、ネットワークインターフェース部100を介して管理端末から各種指示を受信し、受信した指示に応じた情報(例えば、作業者管理テーブル記憶部102、ロット管理テーブル記憶部103、および生産管理テーブル記憶部104の登録内容)をこの管理端末に送信する。
【0044】
作業者管理テーブル記憶部102には、作業者の作業状況を管理するための作業者管理テーブル1020が記憶されている。
【0045】
図4は、作業者管理テーブル1020の登録内容例を模式的に表した図である。
【0046】
図示するように、作業者管理テーブル1020には、作業者管理レコード1021が記憶される。作業者管理レコード1021は、作業者の識別情報である作業者コードを登録するためのフィールド1022と、工程の識別情報である工程コードを登録するためのフィールド1023と、作業開始時刻を登録するためのフィールド1024と、作業終了時刻を登録するためのフィールド1025と、を有する。
【0047】
図4において、フィールド1025の作業終了時刻が未登録の作業者管理レコード1021は、フィールド1022の作業者コードにより特定される作業者が、フィールド1023の工程コードにより特定される工程の作業現場で作業中であることを示している。
【0048】
ロット管理テーブル記憶部103には、ロットに対する作業の進捗状況を管理するためのロット管理テーブル1030が記憶されている。
【0049】
図5は、ロット管理テーブル1030の登録内容例を模式的に表した図である。
【0050】
図示するように、ロット管理テーブル1030には、ロット管理レコード1031が記憶される。ロット管理レコード1031は、ロットの識別情報であるロット番号を登録するためのフィールド1032と、工程の識別情報である工程コードを登録するためのフィールド1033と、工程開始時刻を登録するためのフィールド1034と、工程終了時刻を登録するためのフィールド1035と、を有する。
【0051】
図5において、フィールド1035の工程終了時刻が未登録のロット管理レコード1031は、フィールド1032のロット番号により特定されるロットに属する製品が、フィールド1033の工程コードにより特定される工程において作業実施中あるいは滞留中であることを示している。
【0052】
生産管理テーブル記憶部104には、生産ライン8を構成する工程毎にロットの担当作業者を管理するための生産管理テーブル1040が記憶されている。
【0053】
図6は、生産管理テーブル1040の登録内容例を模式的に表した図である。
【0054】
図示するように、生産管理テーブル1040には、生産管理レコード1041が記憶されている。生産管理レコード1041は、ロット番号が登録されたフィールド1042と、工程コードが登録されたフィールド1043と、工程開始予定時刻が登録されたフィールド1044と、作業者コードを登録するためのフィールド1045と、を有する。
【0055】
図6において、フィールド1045の作業者コードが登録済みの生産管理レコード1041は、フィールド1042のロット番号により特定されるロットに属する製品に対して、フィールド1043の工程コードにより特定される工程の作業が、フィールド1045の作業者コードにより特定される作業者によって実施済みあるいは実施中であることを示している。
【0056】
作業者管理テーブル更新部105は、ネットワークインターフェース部100を介して現場端末2から受信した作業者コードおよび工程コードに基づいて、作業者管理テーブル記憶部102に記憶されている作業者管理テーブル1020を更新する。
【0057】
ロット管理テーブル更新部106は、ネットワークインターフェース部100を介して現場端末2から受信したロット番号および工程コードに基づいて、ロット管理テーブル記憶部103に記憶されているロット管理テーブル1030を更新する。
【0058】
生産管理テーブル更新部107は、作業者管理テーブル記憶部102に記憶されている作業者管理テーブル1020およびロット管理テーブル記憶部103に記憶されているロット管理テーブル1030に基づいて、生産管理テーブル記憶部104に記憶されている生産管理テーブル1040を更新する。
【0059】
作業者管理用タグ読込依頼部108は、現場端末2からロット番号とともに受信した工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に存在しない場合に、ロット番号および工程コードの送信元である現場端末2に、作業者管理用タグ5のタグリーダ装置3への読み込みを促す作業者管理用タグ読込依頼メッセージを送信する。
【0060】
ロット管理用タグ読込依頼部109は、現場端末2から作業者コードとともに受信した工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録のロット管理レコード1031が、所定時間(例えば15分)以内にロット管理テーブル1030に登録されなかった場合に、作業者コードおよび工程コードの送信元である現場端末2に、ロット管理用タグ5のタグリーダ装置3への読み込みを促すロット管理用タグ読込依頼メッセージを送信する。
【0061】
上記構成の管理装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD-ROM等の補助記憶装置、モデム、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェース、および、ディスプレイ、キーボード等の入出力装置を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
【0062】
図7は、管理装置1の作業者管理テーブル更新処理を説明するためのフロー図である。
【0063】
ネットワークインターフェース部100がネットワーク4を介して現場端末2から作業者コードおよび工程コードを受信すると(S200でYES)、作業者管理テーブル更新部105は、この作業者コードおよび工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の作業者管理レコード1021を作業者管理テーブル1020から検索する(S201)。
【0064】
該当する作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に存在しない場合(S202でNO)、作業者管理テーブル更新部105は、S200において現場端末2から受信した作業者コードおよび工程コードを作業者の担当工程での作業開始のメッセージと判断し、この作業者コードおよび工程コードが登録された作業者管理レコード1021を新規作成して作業者管理テーブル1020に登録するとともに(S203)、この作業者管理レコード1021に作業開始時刻(作業者コードおよび工程コードの受信時刻、現場端末2からの送信時刻等)を登録する(S204)。
【0065】
一方、該当する作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に存在する場合(S202でYES)、作業者管理テーブル更新部105は、S200において現場端末2から受信した作業者コードおよび工程コードを作業者の担当工程での作業終了のメッセージと判断し、この作業者管理レコード1021に作業終了時刻(作業者コードおよび工程コードの受信時刻、現場端末2からの送信時刻等)を登録する(S205)。
【0066】
図8は、管理装置1のロット管理テーブル更新処理を説明するためのフロー図である。
【0067】
ネットワークインターフェース部100がネットワーク4を介して現場端末2からロット番号および工程コードを受信すると(S210でYES)、ロット管理テーブル更新部106は、このロット番号および工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録のロット管理レコード1031をロット管理テーブル1030から検索する(S211)。
【0068】
該当するロット管理レコード1031がロット管理テーブル1030に存在しない場合(S212でNO)、ロット管理テーブル更新部106は、S210において現場端末2から受信したロット番号および工程コードを、ロット箱7に収容された製品に対する工程開始のメッセージと判断し、このロット番号および工程コードが登録されたロット管理レコード1031を新規作成してロット管理テーブル1030に登録するとともに(S213)、このロット管理レコード1031に工程開始時刻(ロット番号および工程コードの受信時刻、現場端末2からの送信時刻等)を登録する(S214)。
【0069】
一方、該当するロット管理レコード1031がロット管理テーブル1030に存在する場合(S212でYES)、ロット管理テーブル更新部106は、S210において現場端末2から受信したロット番号および工程コードを、ロット箱7に収容された製品に対する工程終了のメッセージと判断し、このロット管理レコード1031に工程終了時刻(ロット番号および工程コードの受信時刻、現場端末2からの送信時刻等)を登録する(S215)。
【0070】
図9は、管理装置1の生産管理テーブル更新処理を説明するためのフロー図である。
【0071】
生産管理テーブル更新部107は、ロット管理テーブル1030を監視しており、ロット管理レコード1031が新規作成されてロット管理テーブル1030に登録されると(S220でYES)、この新規作成されたロット管理レコード1031に登録されている工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の作業者管理レコード1021を作業者管理テーブル1020から検索する(S221)。
【0072】
該当する作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に存在するならば(S222でYES)、新規作成されたロット管理レコード1031に登録されているロット番号および工程コードが登録されている生産管理レコード1041を生産管理テーブル1040から検索し(S223)、検索した生産管理レコード1041に、S221で検索した作業者管理レコード1021に登録されている作業者コードを登録する(S224)。
【0073】
一方、該当する作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に存在しないならば(S222でNO)、所定時間(例えば10分)を経過するまで、このような作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に登録されるのを待つ(S225)。そして、このような作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に登録されることなく、所定時間の経過によりタイムアウトしたならば(S225でYES)、新規作成されたロット管理レコード1031に登録されている工程コードにより特定される工程を担当中の作業者について、作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に登録されていない旨のメッセージをマンマシンインターフェース部101に出力するなどの所定のエラー処理を実施する(S226)。
【0074】
図10は、管理装置1の作業者管理用タグ読込依頼処理を説明するためのフロー図である。
【0075】
ネットワークインターフェース部100がネットワーク4を介して現場端末2からロット番号および工程コードを受信すると(S230でYES)、作業者管理用タグ読込依頼部108は、この受信した工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の作業者管理レコード1021を作業者管理テーブル1020から検索する(S231)。
【0076】
該当する作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に存在しないならば(S232でNO)、作業者管理用タグ読込依頼部108は、ネットワークインターフェース部100を介してロット番号および工程コードの送信元である現場端末2に、作業者管理用タグ5のタグリーダ装置3への読み込みを促す作業者管理用タグ読込依頼メッセージを送信する(S233)。
【0077】
図11は、管理装置1のロット管理用タグ読込依頼処理を説明するためのフロー図である。
【0078】
ネットワークインターフェース部100がネットワーク4を介して現場端末2から作業者コードおよび工程コードを受信すると(S240でYES)、ロット管理用タグ読込依頼部109は、この受信した工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録のロット管理レコード1031を、所定時間(例えば15分)、ロット管理テーブル1030から検索する(S241~S243)。そして、該当するロット管理レコード1031が所定時間以内にロット管理テーブル1030に登録されなかったならば(S242でNO、S243でYES)、ネットワークインターフェース部100を介して作業者コードおよび工程コードの送信元である現場端末2に、ロット管理用タグ5のタグリーダ装置3への読み込みを促すロット管理用タグ読込依頼メッセージを送信する(S244)。
【0079】
つぎに、現場端末2について説明する。
【0080】
図12は、現場端末2の概略機能構成図である。
【0081】
図示するように、現場端末2は、ネットワークインターフェース部200と、タグリーダ装置インターフェース部201と、マンマシンインターフェース部202と、タグ情報処理部203と、メッセージ処理部204と、を備えている。
【0082】
ネットワークインターフェース部200は、ネットワーク4に接続するためのインターフェースであり、タグリーダ装置インターフェース部201は、タグリーダ装置3に接続するためのインターフェースである。また、マンマシンインターフェース部202は、ユーザから各種操作を受け付けたり、ユーザに情報を表示したりするためのインターフェースである。
【0083】
タグ情報処理部203は、タグリーダ装置インターフェース部201を介して、自現場端末2と同じ工程に設置されたタグリーダ装置3から受信した作業者コードおよびロット番号のそれぞれを、この工程の工程コードとともに、ネットワークインターフェース部200を介して管理装置1に送信する。
【0084】
そして、メッセージ処理部204は、ネットワークインターフェース部200を介して管理装置1から受信したロット管理用タグ読込依頼メッセージおよび作業者管理用タグ読込依頼メッセージをマンマシンインターフェース部202に送信する。
【0085】
上記構成の現場端末2の機能構成は、管理装置1と同様、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、HDD、DVD-ROM等の補助記憶装置、モデム、NIC等の通信インターフェース、および、ディスプレイ、キーボード等の入出力装置を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
【0086】
図13は、現場端末2の動作フローを説明するための図である。
【0087】
タグ情報処理部203は、タグリーダ装置インターフェース部201を介して、自現場端末2と同じ工程に設置されたタグリーダ装置3から作業者コードあるいはロット番号を受信すると(S300をYES)、この受信した作業者コードあるいはロット番号を、自現場端末2に登録されている工程コードとともに、ネットワークインターフェース部200を介して管理装置1に送信する(S301)。
【0088】
また、メッセージ処理部204は、ネットワークインターフェース部200を介して管理装置1からロット管理用タグ読込依頼メッセージあるいは作業者管理用タグ読込依頼メッセージを受信すると(S302でYES)、この受信したロット管理用タグ読込依頼メッセージおよび作業者管理用タグ読込依頼メッセージをマンマシンインターフェース部202から出力する(S303)。
【0089】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0090】
本実施の形態では、同じ条件で製造される製品のグループであるロット毎にロット管理用タグ6を用意して、製品に対する作業の進捗状況をロット単位で管理している。したがって、生産ライン8を流れる製品の一つ一つにRFIDタグを取り付ける必要がない。また、作業者は、自身が担当する工程の作業現場に流れてくるすべての製品に取り付けられたRFIDタグをタグリーダ装置3に読み取らせる必要がない。このため、作業負担を軽減することができる。
【0091】
また、本実施の形態では、作業者が担当する工程での作業開始時および作業終了時に、この工程の作業現場に設置されたタグリーダ装置3に、作業者に付与された作業者管理用タグ5から作業者コードを読み取らせることにより、各作業者の担当工程での作業開始時刻および作業終了時刻を管理するので、工程を担当する作業者が変更された場合でも柔軟に対応することができる。
【0092】
さらに、本実施の形態では、作業者が担当する工程に流れてきたロットに対する工程開始および工程終了時に、この工程の作業現場に設置されたタグリーダ装置3に、ロットに付与されたロット管理用タグ6からロット番号を読み取らせることにより、ロットの各工程での工程開始時刻および工程終了時刻を管理する。上述したように、各作業者の担当工程での作業開始時刻および作業終了時刻も管理しているので、両者の管理内容から各工程におけるロットの担当作業者を把握することができる。
【0093】
このように、本実施の形態によれば、作業負担を軽減することができ、かつ作業者の変更に柔軟に対応可能な生産管理技術を提供することができる。
【0094】
また、本実施の形態において、管理装置1は、現場端末2からロット番号および工程コードを受信した場合に、この受信した工程コードが作業開始時刻とともに登録され、かつ作業終了時刻が未登録の作業者管理レコード1021が作業者管理テーブル1020に存在しないならば、ネットワークインターフェース部100を介してロット番号および工程コードの送信元である現場端末2に、作業者管理用タグ5のタグリーダ装置3への読み込みを促す作業者管理用タグ読込依頼メッセージを送信する。これを受けて、現場端末2は、管理装置1から受信した作業者管理用タグ読込依頼メッセージを出力する。これにより、作業者による作業者管理用タグ5のタグリーダ装置3への読込み忘れを防止することができる。
【0095】
また、本実施の形態において、管理装置1は、現場端末2から作業者コードおよび工程コードを受信した場合に、この受信した工程コードが工程開始時刻とともに登録され、かつ工程終了時刻が未登録のロット管理レコード1031が、所定時間以内にロット管理テーブル1030に登録されなかったならば、ネットワークインターフェース部100を介して作業者コードおよび工程コードの送信元である現場端末2に、ロット管理用タグ5のタグリーダ装置3への読み込みを促すロット管理用タグ読込依頼メッセージを送信する。これを受けて、現場端末2は、管理装置1から受信したロット管理用タグ読込依頼メッセージを出力する。これにより、作業者によるロット管理用タグ6のタグリーダ装置3への読込み忘れを防止することができる。
【0096】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0097】
例えば、上記の実施の形態において、管理装置1に、生産管理テーブル記憶部104に記憶されている生産管理テーブル1040を監視して、工程の工程開始予定時刻を所定時間(例えば15分)経過してもこの工程において作業が未着手のロットに対して、この工程における作業の開始を促す工程開始依頼部と、生産ライン8を構成する工程A~Cにそれぞれ設置された現場端末2のアドレス情報を、対応する工程の工程コードに紐付けて記憶する現場端末情報記憶部と、をさらに設けてもよい。
【0098】
ここで、工程開始依頼部は、作業者コードが未登録であって、かつ工程開始予定時刻が所定時間経過している生産管理レコード1041を生産管理テーブル1040から検出すると、ネットワークインターフェース部100を介して、この生産管理レコード1041に登録された工程コードに紐付けられて現場端末情報記憶部に記憶されているアドレスにより特定される現場端末2に、この生産管理レコード1041に登録されたロット番号により特定されるロットに対する工程作業開始を促す工程開始依頼メッセージを送信する。このようにすることにより、予定通りに工程が開始されていないロットに対して注意を喚起することができる。
【0099】
また、上記の実施の形態では、ロット管理用タグ5をロット箱7に取り付けているが、本発明はこれに限定されない。ロット管理用タグ5は、ロットに属する製品とともに流れてくるロット管理プレート等に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1:管理装置 2:現場端末 3:タグリーダ装置 4:ネットワーク
5:作業者管理用タグ 6:ロット管理用タグ 7:ロット箱
100:ネットワークインターフェース部
101:マンマシンインターフェース部
102:作業者管理テーブル記憶部 103:ロット管理テーブル記憶部
104:生産管理テーブル記憶部 105:作業者管理テーブル更新部
106:ロット管理テーブル更新部 107:生産管理テーブル更新部
108:作業者管理用タグ読込依頼部 109:ロット管理用タグ読込依頼部
200:ネットワークインターフェース部
201:タグリーダ装置インターフェース部
202:マンマシンインターフェース部 203:タグ情報処理部
204:メッセージ処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13