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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】排気浄化装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/24 20060101AFI20250311BHJP
   F01N 3/36 20060101ALI20250311BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
F01N3/24 N
F01N3/36 C
B01D53/94 222
B01D53/94 ZAB
B01D53/94 400
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021198321
(22)【出願日】2021-12-07
(65)【公開番号】P2023084259
(43)【公開日】2023-06-19
【審査請求日】2024-03-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開日 令和3年6月20日 公開場所 トヨタ車体株式会社 吉原工場(愛知県豊田市吉原町上藤池25番地)
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】下笠 宏周
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/011148(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03901434(EP,A1)
【文献】特開2020-023953(JP,A)
【文献】中国実用新案第213175786(CN,U)
【文献】特開昭54-135918(JP,A)
【文献】特開2008-014213(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109958512(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/24
F01N 3/36
B01D 53/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関に接続された排気通路を流れる排気ガスを浄化する排気浄化装置において、
前記排気通路に配設され、前記排気ガスに含まれる有害物質を除去する排気触媒と、
前記排気通路を形成する排気管内における前記排気触媒よりも上流側に添加剤を噴射する添加弁と、
前記排気管内における前記排気触媒よりも上流側に配置され、前記添加弁から噴射された前記添加剤を分散させる添加剤分散板とを備え、
前記添加剤分散板は、前記排気通路に配設され前記排気ガスにより回転駆動されるタービンと前記排気触媒との間に配置されていると共に、前記排気管と一体成形されており、
前記添加剤分散板は、前記添加弁から噴射された前記添加剤が当たる壁面を有する底壁部と、前記底壁部の縁部に接続され、前記排気管の延在方向に沿って延びる側壁部とを有し、
前記側壁部には、前記底壁部の前記壁面に当たって前記側壁部側に反射した前記添加剤が通り抜けるための切欠部が設けられている排気浄化装置。
【請求項2】
前記切欠部は、前記側壁部の下流側の端まで延びるように設けられている請求項1記載の排気浄化装置。
【請求項3】
前記添加剤分散板は、前記排気管内の一部領域を前記添加弁側に位置する第1空間と前記添加弁の反対側に位置する第2空間とに区画し、
前記添加剤分散板の上流端には、前記排気ガスが前記第1空間に流入する流入口が設けられ、
前記添加剤分散板の下流端には、前記添加弁から噴射された前記添加剤が前記排気ガスと共に前記第1空間から流出する流出口が設けられ、
前記流入口の開口面積は、前記流出口の開口面積よりも小さい請求項1または2記載の排気浄化装置。
【請求項4】
前記添加弁は、前記排気管の上部に配置されており、
前記添加剤分散板は、前記排気管の上流側から下流側に向かって下側に傾斜するように配置されている請求項1~3の何れか一項記載の排気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の排気浄化装置としては、例えば特許文献1に記載されている技術が知られている。特許文献1に記載の排気浄化装置は、内燃機関からの排気ガスが流れる排気管に接続された拡張室と、この拡張室に排気管を介して接続された排気触媒と、排気管内を流れる排気ガスに還元剤を供給する添加弁とを備えている。拡張室の内部では、排気ガスのバックステップ流と旋回流とを生起させることで、排気ガスと還元剤との均質混合促進や流量の偏り解消等が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-47091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の車両では、種々の目的から、内燃機関の排気マニホールドから排気触媒に至るまでの排気通路の距離を短くすることが望まれている。このため、内燃機関の近傍に排気触媒及び添加弁が搭載される傾向にある。しかし、上記従来技術においては、添加弁により排気管内に供給された還元剤(添加剤)を排気ガスに均一に混合させるための拡張室が搭載されている。従って、内燃機関から排気触媒までの排気通路が長くならざるを得ない。
【0005】
本発明の目的は、内燃機関から排気触媒までの排気通路の距離を短くしつつ、添加剤を排気ガスに均一に混合させることができる排気浄化装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、内燃機関に接続された排気通路を流れる排気ガスを浄化する排気浄化装置において、排気通路に配設され、排気ガスに含まれる有害物質を除去する排気触媒と、排気通路を形成する排気管内における排気触媒よりも上流側に添加剤を噴射する添加弁と、排気管内における排気触媒よりも上流側に配置され、添加弁から噴射された添加剤を分散させる添加剤分散板とを備え、添加剤分散板は、添加弁から噴射された添加剤が当たる壁面を有する底壁部と、底壁部の縁部に接続された側壁部とを有し、側壁部における壁面に当たった添加剤が反射される位置を含む領域には、切欠部が設けられている。
【0007】
このような排気浄化装置においては、排気管内における排気触媒よりも上流側に添加剤分散板を配置することにより、添加弁から噴射された添加剤が底壁部の壁面に当たって排気ガスと共に下流側に流れる。従って、排気管内に添加剤分散板が配置されていない場合に比べて、添加剤が排気触媒まで流れる距離が長くなるため、添加剤の蒸発が促進され、添加剤が排気ガスと混合されやすくなる。また、添加剤分散板において、側壁部における底壁部の壁面に当たった添加剤が反射される位置を含む領域に切欠部を設けることにより、添加弁から噴射された添加剤の一部が切欠部を通り抜けて排気ガスと混合されることになる。このため、添加剤が排気ガスと更に混合されやすくなる。以上により、内燃機関から排気触媒までの排気通路の距離を短くしつつ、添加剤を排気ガスに均一に混合させることができる。
【0008】
切欠部は、側壁部の下流側の端まで延びるように設けられていてもよい。このような構成では、切欠部の加工及び添加剤分散板の製造を容易に行いつつ、添加剤を排気ガスに均一に混合させることができる。
【0009】
添加剤分散板は、排気管内の一部領域を添加弁側に位置する第1空間と添加弁の反対側に位置する第2空間とに区画し、添加剤分散板の上流端には、排気ガスが第1空間に流入する流入口が設けられ、添加剤分散板の下流端には、添加弁から噴射された添加剤が排気ガスと共に第1空間から流出する流出口が設けられ、流入口の開口面積は、流出口の開口面積よりも小さくてもよい。このような構成では、添加剤分散板の上流側から第1空間への排気ガスの流れ込みが規制されるため、添加弁から噴射された添加剤が底壁部の壁面に当たりやすくなる。また、添加剤分散板の下流側において第2空間を流れてきた排気ガスの旋回流が抑えられ、排気触媒に向かう排気ガスの流れが整流される。
【0010】
添加弁は、排気管の上部に配置されており、添加剤分散板は、排気管の上流側から下流側に向かって下側に傾斜するように配置されていてもよい。このような構成では、添加弁から噴射された添加剤が底壁部の壁面に当たって下流側に流れやすくなる。従って、添加剤が排気ガスと更に混合されやすくなるため、添加剤を排気ガスに更に均一に混合させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、内燃機関から排気触媒までの排気通路の距離を短くしつつ、添加剤を排気ガスに均一に混合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る排気浄化装置を備えたエンジンシステムを示す概略構成図である。
図2図1に示された排気管の曲がり部の内部を示す概略断面図である。
図3図1に示された排気管の曲がり部の平面図である。
図4図1に示された排気管の曲がり部の正面図である。
図5図4のV-V線断面図である。
図6図3のVI-VI線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る排気浄化装置を備えたエンジンシステムを示す概略構成図である。図1において、エンジンシステム1は、自動車等の車両2に搭載されている。エンジンシステム1は、内燃機関であるエンジン3と、吸気管4と、排気管5とを備えている。エンジン3は、例えば4気筒のディーゼルエンジンである。
【0015】
吸気管4は、吸気マニホールド6を介してエンジン3と接続されている。吸気管4は、エンジン3に供給される空気(吸気)が流れる吸気通路7を形成する。排気管5は、排気マニホールド8を介してエンジン3と接続されている。排気管5は、エンジン3内で発生した排気ガスが流れる排気通路9を形成する。
【0016】
排気通路9には、ターボチャージャー10のタービン11が配設されている。吸気通路7には、ターボチャージャー10のコンプレッサ12が配設されている。タービン11は、排気ガスにより回転駆動される。コンプレッサ12は、タービン11により回転駆動され、吸気通路7を流れる空気を圧縮してエンジン3に送る。ターボチャージャー10は、特に図示はしないが、例えばツインターボである(図2参照)。
【0017】
また、エンジンシステム1は、本実施形態の排気浄化装置13を備えている。排気浄化装置13は、排気通路9を流れる排気ガスを浄化する。排気浄化装置13は、排気通路9に上流側から下流側に向けて順に配設されたDOC14(Diesel Oxidation Catalyst:酸化触媒)及びDPF15(Diesel Particulate Filter:粒子状物質捕集フィルタ)を備えている。
【0018】
DOC14は、排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)等を酸化して浄化する。DPF15は、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集する。DOC14及びDPF15は、排気ガスに含まれる有害物質を除去する排気触媒である。
【0019】
排気管5におけるタービン11とDOC14との間には、クランク状の曲がり部17が設けられている。なお、排気管5は、複数の配管を連結して構成されている。
【0020】
また、排気浄化装置13は、曲がり部17に取り付けられた燃料添加弁20を備えている。燃料添加弁20は、DPF15の再生を行う際に、排気ガスの温度を上昇させるための添加剤である液体の燃料をDOC14に向けて噴射する添加弁である。DPF15の再生とは、DPF15に堆積したPMを燃焼させることである。
【0021】
図2は、排気管5の曲がり部17の内部を示す概略断面図である。図3は、排気管5の曲がり部17の平面図である。図4は、排気管5の曲がり部17の正面図である。図5は、図4のV-V線断面図である。図6は、図3のVI-VI線断面図である。
【0022】
図1図6において、排気浄化装置13は、排気管5の曲がり部17の内部に配置された燃料分散板22を備えている。燃料分散板22は、排気管5内におけるDOC14よりも上流側に配置されている。燃料分散板22は、燃料添加弁20から噴射された添加剤である液体の燃料を分散させる添加剤分散板である。燃料分散板22は、例えば鋳造等により排気管5と一体成形されている。燃料添加弁20は、排気管5の曲がり部17の上流側の上部に配置されている。
【0023】
燃料分散板22は、断面略U字状を呈している。燃料分散板22は、燃料添加弁20から噴射された燃料が当たる壁面23aを有する底壁部23と、この底壁部23の両側縁部に接続された側壁部24,25とを有している。燃料添加弁20から噴射された燃料が壁面23aに当たることで、燃料の噴霧が飛散して微粒化されるため、燃料の分散が促進される。
【0024】
側壁部25における壁面23aに当たった燃料が反射される位置を含む領域には、切欠部26が設けられている。切欠部26は、側壁部25の下流側の端まで延びるように設けられている。切欠部26の形状及び寸法等は、特に限定されず、排気管5の構造等に応じて適宜設定される。
【0025】
また、燃料分散板22は、排気管5の上流側から下流側に向かって下側(燃料添加弁20の反対側)に傾斜するように配置されている。従って、底壁部23の壁面23aに当たって微粒化された燃料が壁面23a上で滞留して液滴になることが抑制されるため、燃料の分散が更に促進される。
【0026】
燃料添加弁20から噴射された燃料の一部は、底壁部23の壁面23aに当たってそのまま下流側に反射して流れるか、或いは底壁部23の壁面23aに付着した状態で下流側に流れる。燃料添加弁20から噴射された残りの燃料は、底壁部23の壁面23aに当たって側壁部25側に反射して、切欠部26を通り抜けるように流れる。
【0027】
燃料分散板22は、排気管5内の一部領域を燃料添加弁20側に位置する第1空間27と燃料添加弁20の反対側に位置する第2空間28とに区画する。燃料分散板22は、排気管5内において排気管5の軸心Gよりも燃料添加弁20側に配置されている。第1空間27は、第2空間28よりも狭い。第1空間27には、燃料添加弁20から噴射された燃料が排気ガスと共に流れる。第2空間28には、主として排気ガスが流れる。
【0028】
燃料分散板22の上流端には、排気ガスが流入する流入口30が設けられている。燃料分散板22の下流端には、燃料添加弁20から噴射された燃料が排気ガスと共に流出する流出口31が設けられている。流入口30の開口面積は、流出口31の開口面積よりも小さい。このように流入口30の開口面積が絞られているため、第1空間27への排気ガスの流入が抑制されることになる。従って、燃料添加弁20から噴射された燃料が底壁部23の壁面23aに当たることが阻害されにくいため、燃料の分散が更に促進される。
【0029】
以上のような排気浄化装置13において、エンジン3からの排気ガスが燃料分散板22まで達すると、排気ガスの大部分は第2空間28を流れてDOC14に向かう。残りの排気ガスは、燃料分散板22の流入口30から第1空間27に導入される。
【0030】
また、燃料添加弁20から噴射された燃料が燃料分散板22の底壁部23の壁面23aに当たって微粒化される。微粒化された燃料の一部は、第1空間27に導入された排気ガスと混合されて下流側に流れ、燃料分散板22の流出口31から流出される。そして、燃料分散板22の流出口31から流出された燃料が、第2空間28を流れてきた排気ガスと混合される。残りの燃料は、燃料分散板22の側壁部25に設けられた切欠部26を通って燃料分散板22から流出され、第2空間28を流れる排気ガスと混合される。
【0031】
ところで、排気管5内に燃料分散板22が配置されていない場合には、燃料添加弁20から噴射された燃料がDOC14に到達するまでの距離が短くなる。このため、燃料の蒸発性が低下し、燃料が微粒化されにくくなるため、燃料を排気ガスに均一に混合させることが困難になる。
【0032】
そのような課題に対し、本実施形態では、排気管5内におけるDOC14よりも上流側に燃料分散板22を配置することにより、燃料添加弁20から噴射された燃料が底壁部23の壁面23aに当たって排気ガスと共に下流側に流れる。従って、排気管5内に燃料分散板22が配置されていない場合に比べて、燃料がDOC14まで流れる距離が長くなるため、燃料の蒸発が促進され、燃料が排気ガスと混合されやすくなる。また、燃料分散板22において、側壁部25における底壁部23の壁面23aに当たった燃料が反射される位置を含む領域に切欠部26を設けることにより、燃料添加弁20から噴射された燃料の一部が切欠部26を通り抜けて排気ガスと混合されることになる。このため、燃料が排気ガスと更に混合されやすくなる。以上により、エンジン3からDOC14までの排気通路9の距離を短くしつつ、燃料を排気ガスに均一に混合させることができる。
【0033】
その結果、DOC14をエンジン3に近接して配置することにより、DOC14を早期に暖気することができる。また、DOC14における燃料分布の均等性と燃料に起因するデポジット耐性との両立を図ることができる。
【0034】
また、本実施形態では、切欠部26は、側壁部25の下流側の端まで延びるように設けられている。このため、切欠部26の加工及び燃料分散板22の製造を容易に行いつつ、燃料を排気ガスと均一に混合させることができる。
【0035】
また、本実施形態では、燃料分散板22は、排気管5内の一部領域を燃料添加弁20側に位置する第1空間27と燃料添加弁20の反対側に位置する第2空間28とに区画し、燃料分散板22の上流端に設けられた流入口30の開口面積は、燃料分散板22の下流端に設けられた流出口31の開口面積よりも小さい。従って、燃料分散板22の上流側から第1空間27への排気ガスの流れ込みが規制されるため、燃料添加弁20から噴射された燃料が底壁部23の壁面23aに当たりやすくなる。また、燃料分散板22の下流側において第2空間28を流れてきた排気ガスの旋回流が抑えられ、DOC14に向かう排気ガスの流れが整流される。
【0036】
また、本実施形態では、燃料添加弁20は、排気管5の上部に配置されており、燃料分散板22は、排気管5の上流側から下流側に向かって下側に傾斜するように配置されている。このため、燃料添加弁20から噴射された燃料が底壁部23の壁面23aに当たって下流側に流れやすくなる。従って、燃料が排気ガスと更に混合されやすくなるため、燃料を排気ガスに更に均一に混合させることができる。
【0037】
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば上記実施形態では、切欠部26は、燃料分散板22において、側壁部25の下流側の端まで延びるように設けられているが、特にそのような形態には限られない。例えば、側壁部25における底壁部23の壁面23aに当たった燃料が反射される位置のみに切欠部26が設けられていてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、燃料分散板22の側壁部25のみに切欠部が設けられているが、特にその形態には限られず、排気管5の内部構造等によっては、燃料分散板22の側壁部24,25の両方に切欠部が設けられていてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、燃料分散板22は断面略U字状を呈しているが、燃料分散板22の形状としては、特にその形態には限られず、例えば断面湾曲状であってもよい。この場合には、例えば燃料添加弁20から噴射された燃料が当たる壁面を有する部分を底壁部とし、その底壁部の左右両側の部分を側壁部として構成してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、排気管5内の第1空間27において、流入口30の開口面積が流出口31の開口面積よりも小さくなっているが、特にその形態には限られず、流入口30の開口面積が流出口31の開口面積と同等であってもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、排気管5内におけるDOC14よりも上流側に、燃料添加弁20から噴射された燃料を分散させる燃料分散板22が配置されているが、本発明は、燃料添加弁20以外にも適用可能である。
【0042】
例えば、排気通路9におけるDPF15よりも下流側に、尿素水を用いて排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を還元して浄化するSCR(Selective Catalytic Reduction:選択還元触媒)が配設されている場合には、尿素水添加弁から噴射された尿素水を分散させる尿素水分散板に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0043】
3…エンジン(内燃機関)、5…排気管、9…排気通路、13…排気浄化装置、14…DOC(排気触媒)、20…燃料添加弁(添加弁)、22…燃料分散板(添加剤分散板)、23…底壁部、23a…壁面、24,25…側壁部、26…切欠部、27…第1空間、28…第2空間、30…流入口、31…流出口。
図1
図2
図3
図4
図5
図6