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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】車載部品内回路ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20250311BHJP
   H05K 7/06 20060101ALI20250311BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
H02G3/16
H05K7/06 C
B60R16/02 610Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021213149
(22)【出願日】2021-12-27
(65)【公開番号】P2023097027
(43)【公開日】2023-07-07
【審査請求日】2024-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】柳田 泰次
(72)【発明者】
【氏名】下田 洋樹
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/241412(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/100544(WO,A1)
【文献】特開2021-170590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
H05K 7/06
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載部品の筐体内に収納される車載部品内回路ユニットであって、
回路構成部材と、
前記回路構成部材を収容する絶縁性のケースと、
前記ケース内に収容されて、前記回路構成部材に設けられた回路側接続部に導通接続される内部接続部と、前記筐体に設けられたコネクタが有するコネクタ側接続部に導通接続される外部接続部と、を有する接続用バスバーと、
前記ケースに設けられて前記接続用バスバーの前記内部接続部および該内部接続部に設けられた第1ボルト挿通孔に対向して配置される第1窓部と、
前記ケースに設けられて前記接続用バスバーの前記外部接続部および該外部接続部に設けられた第2ボルト挿通孔に対向して配置される第2窓部と、を備え、
前記第1ボルト挿通孔と前記第2ボルト挿通孔は、公差吸収方向に延びる公差吸収隙間を含んだ大きさで設けられており、
前記接続用バスバーは、前記ケースに対して前記公差吸収方向に変位可能に収容されており、
前記第1窓部は、前記ケースの外部から前記第1窓部を通じた前記内部接続部の前記回路側接続部へのボルト締結作業が可能な大きさで開口しており、
前記第2窓部は、前記ケースの外部から前記第2窓部を通じた前記外部接続部の前記コネクタ側接続部へのボルト締結作業が可能な大きさで開口している、
車載部品内回路ユニット。
【請求項2】
前記第1窓部および前記第2窓部は、それぞれ前記ケースの外方に突出する筒部に囲われている、請求項1に記載の車載部品内回路ユニット。
【請求項3】
前記第1窓部および前記第2窓部の各前記筒部の内部には、ボルト又はナットが収容されており、前記筒部の突出先端側には、径方向内方に突出する抜け止め突起が設けられており、前記抜け止め突起への当接により、前記ボルト又は前記ナットの前記筒部からの離脱が阻止されている、請求項2に記載の車載部品内回路ユニット。
【請求項4】
各前記筒部に収容された前記ボルト又は前記ナットが絶縁処理部を有し、
前記ボルト又は前記ナットの前記絶縁処理部は、非締結状態で前記筒部から外部に突出可能であり、締結状態で前記筒部内に収容される、請求項3に記載の車載部品内回路ユニット。
【請求項5】
前記ケースが、前記接続用バスバーが載置される載置部を有するケース本体と、前記載置部を覆って前記ケース本体に対して前記公差吸収方向に変位可能に組み付けられたカバー部と、を有し、
前記カバー部が、前記第1窓部と前記第2窓部を有し、前記接続用バスバーと共に前記公差吸収方向に変位する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車載部品内回路ユニット。
【請求項6】
前記ケース本体は、前記載置部の周囲に前記公差吸収方向に延びる嵌合穴を有し、
前記カバー部は、前記カバー部の周縁部から前記ケース本体に向かって突出して前記嵌合穴に嵌合する嵌合突起を有し、前記嵌合突起の前記公差吸収方向の幅寸法が前記嵌合穴よりも小さくされている、請求項5に記載の車載部品内回路ユニット。
【請求項7】
前記嵌合突起が、突出端部に設けられて前記嵌合穴よりも前記載置部側に向かって突出するロック爪を有し、
前記嵌合穴に挿入された前記ロック爪が、前記嵌合穴の前記載置部側の縁部に係合する、請求項6に記載の車載部品内回路ユニット。
【請求項8】
前記内部接続部と前記外部接続部とが相互に交差する方向に広がっており、
前記内部接続部に設けられる前記第1ボルト挿通孔と前記外部接続部に設けられる前記第2ボルト挿通孔とが相互に交差する方向に貫通しており、
前記第1ボルト挿通孔の前記公差吸収隙間における前記公差吸収方向と前記第2ボルト挿通孔の前記公差吸収隙間における前記公差吸収方向とが相互に直交する方向である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車載部品内回路ユニット。
【請求項9】
前記カバー部が、前記載置部に向かって突出するリブを有し、前記カバー部が前記ケース本体に組み付けられた状態で、前記リブが前記接続用バスバーに当接または対向している、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の車載部品内回路ユニット。
【請求項10】
前記接続用バスバーが、前記内部接続部が設けられた第1端部と、前記外部接続部が設けられて前記第1端部よりも上方に突出する第2端部とを有し、
前記内部接続部は、前記第1端部の延出方向に前記公差吸収隙間を有している前記第1ボルト挿通孔を備え、前記外部接続部は、前記第2端部の延出方向に前記公差吸収隙間を有している前記第2ボルト挿通孔を備えている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車載部品内回路ユニット。
【請求項11】
前記接続用バスバーが、複数の薄板の積層体である、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の車載部品内回路ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載部品内回路ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ジャンクションボックス等の回路ユニットを、車両に搭載される車載部品である電池パックの筐体内に、バッテリモジュールや電池制御システムなどと共に収納した構造が示されている。ここでは、電池パックの筐体内に収納された回路ユニットの外部機器との接続を可能にするために、筐体の周壁に外部の相手コネクタが接続されるコネクタを設け、コネクタと回路ユニットとの間を、被覆電線やバスバー等の中継部品により導通接続する構造が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-243449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構造では、筐体に設けられたコネクタと筐体内に収納された回路ユニットに設けられた外部接続部との間を繋ぐ、被覆電線やバスバー等の中継部品が必要となることから、部品点数が多く取扱性が悪いという問題を内在していた。加えて、回路ユニットが、特許文献1のように電池パック等の高電圧部品の筐体内に収納されたジャンクションボックス等の場合には、中継部品や回路ユニットの外部接続部が活電部となるため、別途感電対策を施す必要も生じる。その結果、車載部品内回路ユニットの外部接続部を車載部品の筐体に設けられたコネクタへ接続するための構造が複雑化し、作業性が低下することが避けられなかった。
【0005】
そこで、車載部品内回路ユニットの外部接続部と車載部品の筐体に設けられたコネクタとの接続構造の簡素化と接続作業性の向上を図ることができる、車載部品内回路ユニットを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車載部品内回路ユニットは、車載部品の筐体内に収納される車載部品内回路ユニットであって、回路構成部材と、前記回路構成部材を収容する絶縁性のケースと、前記ケース内に収容されて、前記回路構成部材に設けられた回路側接続部に導通接続される内部接続部と、前記筐体に設けられたコネクタが有するコネクタ側接続部に導通接続される外部接続部と、を有する接続用バスバーと、前記ケースに設けられて前記接続用バスバーの前記内部接続部および該内部接続部に設けられた第1ボルト挿通孔に対向して配置される第1窓部と、前記ケースに設けられて前記接続用バスバーの前記外部接続部および該外部接続部に設けられた第2ボルト挿通孔に対向して配置される第2窓部と、を備え、前記第1ボルト挿通孔と前記第2ボルト挿通孔は、公差吸収方向に延びる公差吸収隙間を含んだ大きさで設けられており、前記接続用バスバーは、前記ケースに対して前記公差吸収方向に変位可能に収容されており、前記第1窓部は、前記ケースの外部から前記第1窓部を通じた前記内部接続部の前記回路側接続部へのボルト締結作業が可能な大きさで開口しており、前記第2窓部は、前記ケースの外部から前記第2窓部を通じた前記外部接続部の前記コネクタ側接続部へのボルト締結作業が可能な大きさで開口している、ものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車載部品内回路ユニットの外部接続部と車載部品の筐体に設けられたコネクタとの接続構造の簡素化と接続作業性の向上を図ることができる、車載部品内回路ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1に係る車載部品内回路ユニットを車載部品の筐体内に収納してボルトを締結した状態を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示された車載部品の筐体内に車載部品内回路ユニットを収納した状態を分解状態で示す分解斜視図である。
図3図3は、図2に示された車載部品内回路ユニットの分解状態を正面側から示す分解斜視図である。
図4図4は、図3に示された車載部品内回路ユニットの分解状態を背面側から示す分解斜視図である。
図5図5は、図1に示された車載部品の筐体内に収納された車載部品内回路ユニットを、筐体の蓋体を省略して示す平面図である。
図6図6は、図5に示された車載部品内回路ユニットを、カバー部を省略して示す平面図である。
図7図7は、図6に示された車載部品内回路ユニットを、接続用バスバーを省略して示す平面図である。
図8図8は、図5におけるVIII-VIII断面図である。
図9図9は、図5におけるIX-IX断面図である。
図10図10は、図5におけるX-X断面図である。
図11図11は、図1に示された車載部品内回路ユニットを構成するカバー部を平面側から拡大して示す斜視図である。
図12図12は、図11に示されたカバー部を底面側から示す斜視図である。
図13図13は、図1に示された車載部品内回路ユニットにおける嵌合穴および嵌合突起の嵌合部分を拡大して示す要部拡大斜視図である。
図14図14は、接続用バスバーにおける第1および第2ボルト挿通孔と、第1および第2ボルト挿通孔に挿通される第1および第2ボルトの関係を説明するための説明図である。
図15図15は、図1に示された車載部品内回路ユニットを車載部品の筐体内にボルトの非締結状態で収納した状態を示す縦断面図であって、図8に対応する図である。
図16図16は、図1に示された車載部品内回路ユニットを車載部品の筐体内にボルトの非締結状態で収納した状態を示す縦断面図であって、図9に対応する図である。
図17図17は、本開示の別の態様における車載部品内回路ユニットを構成する接続用バスバーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の車載部品内回路ユニットは、
(1)車載部品の筐体内に収納される車載部品内回路ユニットであって、回路構成部材と、前記回路構成部材を収容する絶縁性のケースと、前記ケース内に収容されて、前記回路構成部材に設けられた回路側接続部に導通接続される内部接続部と、前記筐体に設けられたコネクタが有するコネクタ側接続部に導通接続される外部接続部と、を有する接続用バスバーと、前記ケースに設けられて前記接続用バスバーの前記内部接続部および該内部接続部に設けられた第1ボルト挿通孔に対向して配置される第1窓部と、前記ケースに設けられて前記接続用バスバーの前記外部接続部および該外部接続部に設けられた第2ボルト挿通孔に対向して配置される第2窓部と、を備え、前記第1ボルト挿通孔と前記第2ボルト挿通孔は、公差吸収方向に延びる公差吸収隙間を含んだ大きさで設けられており、前記接続用バスバーは、前記ケースに対して前記公差吸収方向に変位可能に収容されており、前記第1窓部は、前記ケースの外部から前記第1窓部を通じた前記内部接続部の前記回路側接続部へのボルト締結作業が可能な大きさで開口しており、前記第2窓部は、前記ケースの外部から前記第2窓部を通じた前記外部接続部の前記コネクタ側接続部へのボルト締結作業が可能な大きさで開口している、ものである。
【0010】
本態様の車載部品内回路ユニットによれば、ケース内に、回路側接続部とコネクタ側接続部を導通接続する接続用バスバーが、公差吸収方向に変位可能な状態で収容されている。さらに、ケース内に収容された接続用バスバーの内部接続部と外部接続部は、ケースに設けられた第1窓部と第2窓部を介して、外部からそれぞれ回路側接続部とコネクタ側接続部にボルト締結を行うことが可能となっている。それゆえ、車載部品の筐体内に回路ユニットを配置し、接続用バスバーを公差吸収方向に変位させて公差を吸収した状態で、接続用バスバーの内部接続部と外部接続部を回路側接続部とコネクタ側接続部にそれぞれ位置合わせして、外部からボルト締結することができる。これにより、従来必要であった筐体に設けられたコネクタと筐体内に収納された回路ユニットに設けられた外部接続部との間を繋ぐ、被覆電線やバスバー等の中継部品が不要となり、車載部品内回路ユニットと車載部品の筐体に設けられたコネクタとの接続構造の簡素化を図ることができる。しかも、接続用バスバーは、ケース内に収容されていることから、感電対策もケースを利用して有利に実現することができる。さらに、ケースに設けられた第1窓部と第2窓部は、外部からの各接続部のボルト締結作業が可能な大きさで開口していればよいことから、活電部となり得る部位をも可能な限りケースによって覆うことができ、接続作業性の向上も図ることができる。
【0011】
なお、公差吸収方向は、要求される方向で設定され得るものであり、1つの方向であってもよいし、複数の方向であってもよい。また、第1/第2窓部は、ケースの外部からの各接続部のボルト締結作業が可能な大きさで開口していればよく、ケース内にボルトやナットが内蔵されていない場合には、それらを挿通可能な大きさであり、ケース内にボルトやナットが内蔵されている場合には、ボルトやナットの窓部からの離脱を阻止しつつ締結工具が挿通可能な大きさであればよい。
【0012】
(2)前記第1窓部および前記第2窓部は、それぞれ前記ケースの外方に突出する筒部に囲われている、ことが好ましい。第1窓部および第2窓部がケースの外方に突出する筒部に囲われていることから、筒部の突出高さを調節することで、活電部となり得る内部接続部や外部接続部への作業者の接触を有利に抑制することができる。
【0013】
(3)前記第1窓部および前記第2窓部の各前記筒部の内部には、ボルト又はナットが収容されており、前記筒部の突出先端側には、径方向内方に突出する抜け止め突起が設けられており、前記抜け止め突起への当接により、前記ボルト又は前記ナットの前記筒部からの離脱が阻止されている、ことが好ましい。第1窓部および第2窓部の各筒部の内部空間を利用して、接続用バスバーの内部接続部および外部接続部の回路側接続部およびコネクタ側接続部へのボルト締結用のボルト又はナットを予めケース内に内蔵しておくことができ、さらなる作業性の向上を図ることができる。また、第1窓部および第2窓部の各筒部に予めボルト又はナットが収容されていることから、第1窓部および第2窓部の開口の大きさをボルト又はナットの挿通を許容せず締結工具の挿通を許容する大きさまで小さくすることができ、感電対策の更なる向上を図ることができる。特に、内蔵されたボルトやナットの窓部からの露出部に絶縁処理を施すことで、感電対策をさらに強固にすることができる。
【0014】
(4)各前記筒部に収容された前記ボルト又は前記ナットが絶縁処理部を有し、前記ボルト又は前記ナットの前記絶縁処理部は、非締結状態で前記筒部から外部に突出可能であり、締結状態で前記筒部内に収容される、ことが好ましい。各筒部に収容されたボルト又はナットが絶縁処理部を有していることから、締結作業時において締結工具を通じての感電が防止される。特に、ボルト又はナットの非締結状態において、絶縁処理部が筒部から外部に突出している場合には、非締結状態であることの目視確認が容易であり、締結作業も容易に行うことができる。しかも突出部分が絶縁処理部であることから、感電対策も維持することができる。さらに、締結状態では、絶縁処理部が筒部内に収容されることから、締結状態であることの外部からの確認が容易であり、さらに、締結が完了した完成品でもケース外部への筒部の突出高さを小さく抑えることができ、車載部品内回路ユニットの小型化も図ることができる。
【0015】
(5)前記ケースが、前記接続用バスバーが載置される載置部を有するケース本体と、前記載置部を覆って前記ケース本体に対して前記公差吸収方向に変位可能に組み付けられたカバー部と、を有し、前記カバー部が、前記第1窓部と前記第2窓部を有し、前記接続用バスバーと共に前記公差吸収方向に変位する、ことが好ましい。ケースが、接続用バスバーが載置される載置部を有するケース本体と、載置部を覆ってケース本体に対して公差吸収方向に変位可能に組み付けられたカバー部と、に分けられており、カバー部が接続用バスバーと共に変位することから、ケースに対して接続用バスバーを公差吸収方向に変位可能に収容する構造を、簡単且つ確実に設けることができる。しかもケースの一部であるカバー部が接続用バスバーと共に変位することから、接続用バスバーのみがケースに対して変位する場合に比して、第1窓部や第2窓部の開口の大きさをより小さくすることができ、より安全な感電対策を施すことができる。
【0016】
(6)前記ケース本体は、前記載置部の周囲に前記公差吸収方向に延びる嵌合穴を有し、前記カバー部は、前記カバー部の周縁部から前記ケース本体に向かって突出して前記嵌合穴に嵌合する嵌合突起を有し、前記嵌合突起の前記公差吸収方向の幅寸法が前記嵌合穴よりも小さくされている、ことが好ましい。ケース本体に設けられた嵌合穴に嵌合するカバー部の嵌合突起の公差吸収方向の幅寸法を、嵌合穴の公差吸収方向の幅寸法よりも小さくすることで、嵌合穴内を公差吸収方向で嵌合突起が変位可能となる。その結果、嵌合突起を有するカバー部が、ケース本体に対して公差吸収方向に変位可能となり、カバー部をケース本体に対して組み付ける嵌合突起と嵌合穴を利用して、公差吸収方向でのカバー部(接続用バスバー)のケース本体に対する移動端を規定することができる。
【0017】
(7)前記嵌合突起が、突出端部に設けられて前記嵌合穴よりも前記載置部側に向かって突出するロック爪を有し、前記嵌合穴に挿入された前記ロック爪が、前記嵌合穴の前記載置部側の縁部に係合する、ことが好ましい。ロック爪が嵌合穴よりも載置部側に向かって突出しており、嵌合穴の載置部側の縁部に係合することから、ロック爪とケース本体との係合が解除される方向へ嵌合突起を撓ませるように嵌合穴に対してドライバ等の工具を挿し入れることが困難であり、ロック爪とケース本体との係合が安定して維持される。また、ロック爪とケース本体との係合部位を外部から視認することができず、ロック爪とケース本体との係合が解除されることが、より確実に防止される。その結果、カバー部をケース本体に対して嵌め殺し状態に保持することができる。その結果、メンテナンス時に作業者が誤ってカバー部をケースから外して感電するリスクを抑制することができる。
【0018】
(8)前記内部接続部と前記外部接続部とが相互に交差する方向に広がっており、前記内部接続部に設けられる前記第1ボルト挿通孔と前記外部接続部に設けられる前記第2ボルト挿通孔とが相互に交差する方向に貫通しており、前記第1ボルト挿通孔の前記公差吸収隙間における前記公差吸収方向と前記第2ボルト挿通孔の前記公差吸収隙間における前記公差吸収方向とが相互に直交する方向である、ことが好ましい。内部接続部と外部接続部とが相互に交差する方向に広がっていることで、これら内部接続部と外部接続部とにそれぞれ設けられる第1ボルト挿通孔と第2ボルト挿通孔とが相互に交差するように設けられる。それゆえ、第1ボルト挿通孔の公差吸収隙間における公差吸収方向と第2ボルト挿通孔の公差吸収隙間における公差吸収方向とを相互に直交する方向に設定することができて、接続用バスバーをケースに対して少なくとも相互に直交する2方向で変位させることができる。これにより、内部接続部に導通接続される回路構成部材と外部接続部に導通接続されるコネクタとを、接続用バスバーにより安定して接続することができる。なお、例えば第1ボルト挿通孔の公差吸収隙間における公差吸収方向が相互に直交する2方向(例えば、前後および左右方向)とされて、第2ボルト挿通孔の公差吸収隙間における公差吸収方向がそれらに直交する方向(例えば、上下方向)を含むことで、接続用バスバーをケースに対して上下、左右、前後の各方向で変位させることができて、回路構成部材とコネクタとを接続用バスバーを介してより確実に接続することができる。
【0019】
)前記カバー部が、前記載置部に向かって突出するリブを有し、前記カバー部が前記ケース本体に組み付けられた状態で、前記リブが前記接続用バスバーに当接または対向している、ことが好ましい。カバー部に設けられた載置部側に向かって突出するリブが、カバー部がケース本体に組み付けられた状態で、接続用バスバーに当接するか、わずかな隙間を隔てて対向している。これにより、ケース本体の載置部から接続用バスバーが浮き上がろうと変位した際に、リブにより接続用バスバーの浮き上がりが抑制される。それゆえ、ケース内で接続用バスバーががたつくことが回避される。特に、接続用バスバーが、例えば回路構成部材等を介してリレー等の発熱部品に接続されている場合には、回路構成部材が、ケース本体に設けられた伝熱面に接触する放熱部を有する場合がある。そのような場合に、カバー部にリブを設けて接続用バスバーの浮き上がりを防止することにより、接続用バスバーだけでなく放熱部が設けられた回路構成部材の浮き上がりも防止することができて、放熱部が伝熱面からカバー部側に浮き上がることを有利に防止することができる。これにより、接続用バスバーを介した発熱部品の放熱も安定して保持することができる。
【0020】
10)前記接続用バスバーが、前記内部接続部が設けられた第1端部と、前記外部接続部が設けられて前記第1端部よりも上方に突出する第2端部とを有し、前記内部接続部は、前記第1端部の延出方向に前記公差吸収隙間を有している前記第1ボルト挿通孔を備え、前記外部接続部は、前記第2端部の延出方向に前記公差吸収隙間を有している前記第2ボルト挿通孔を備えている、ことが好ましい。接続用バスバーの内部接続部が設けられた第1端部よりも上方に突出して外部接続部が設けられた第2端部が設けられており、第1端部と第2端部の相互に異なる延出方向において、第1ボルト挿通孔と第2ボルト挿通孔が公差吸収隙間を有している。これにより、公差吸収方向を複数の方向に設定することが可能となり、車載部品内回路ユニットの車載部品への組み付け作業性を一層向上させることができる。特に、第1端部よりも上方に第2端部が突出していることから、それらの間のスペースにワイヤハーネス等の部品を収容するスペースを設けることもできる。
【0021】
(1)前記接続用バスバーが、複数の薄板の積層体である、ことが好ましい。接続用バスバーが複数の薄板の積層体であることで、接続用バスバーを柔軟に変形させることができる。これにより、例えば接続用バスバーの長さ寸法が短く、1枚の平板状のバスバーでは変形剛性が大きい場合にも、接続用バスバーを変形させることで公差を吸収することが可能となり、回路構成部材に設けられた回路側接続部とコネクタに設けられたコネクタ側接続部とを、より確実に接続することができる。
【0022】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示の車載部品内回路ユニットの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0023】
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1について、図1から図16を参照しつつ説明する。車載部品内回路ユニット10は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の車両(図示せず)に搭載され、図示しないバッテリー等の電源から図示しないモータ等の負荷への電力の供給、制御を行う。なお、図1等では、車載部品内回路ユニット10が車載部品としての電池パック12の筐体14内に収納されて、後述する第1および第2ボルト138,140により締結されている状態が示されている。これら車載部品内回路ユニット10および車載部品(電池パック12(筐体14))は全体が示されているものではなく、要部を抜き出して示している。車載部品内回路ユニット10は、任意の向きで配置することができるが、以下の説明では、上方とは図8中の上方、下方とは図8中の下方、前方とは図5中の右方、後方とは図5中の左方、左方とは図5中の下方、右方とは図5中の上方をいう。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0024】
<車載部品内回路ユニット10>
車載部品内回路ユニット10は、車載部品(電池パック12)の筐体14内に収納されるものであり、回路構成部材16と、回路構成部材16を収容する絶縁性のケース18とを備えている。ケース18には、回路構成部材16に設けられた回路側接続部20(第1回路側接続部20aおよび第2回路側接続部20b)に導通接続される内部接続部22(第1内部接続部22aおよび第2内部接続部22b)と、筐体14に設けられたコネクタ24が有するコネクタ側接続部26(第1コネクタ側接続部26aおよび第2コネクタ側接続部26b)に導通接続される外部接続部28(第1外部接続部28aおよび第2外部接続部28b)と、を有する接続用バスバー30(第1接続用バスバー30aおよび第2接続用バスバー30b)と、が収容されている。
【0025】
<電池パック12>
車載部品内回路ユニット10が収納される車載部品は限定されるものではないが、本実施形態では、車載部品が電池パック12である。電池パック12の筐体14は、図2にも示されるように、筐体本体32と蓋体34とを備えている。筐体本体32は、例えば上方に開口する略箱状であり、底壁36と、底壁36の外周縁部から上方に突出する周壁部38とを備えている。なお、図2等では、電池パック12(筐体14)の要部が抜き出されて示されており、周壁部38として後壁部40のみが示されているが、底壁36の前方や左右両側に周壁部38を構成する壁部が設けられていてもよい。
【0026】
後壁部40には、コネクタ24のコネクタ側接続部26(各コネクタ側接続部26a,26b)を筐体14内に挿通するためのコネクタ挿通孔42が設けられている。このコネクタ挿通孔42を通じてコネクタ側接続部26(各コネクタ側接続部26a,26b)を筐体本体32内に挿通するとともに、コネクタ24を筐体本体32に対してボルト44で締結することにより、筐体14にコネクタ24が取り付けられるようになっている。そして、筐体本体32内に車載部品内回路ユニット10を載置してコネクタ24と電気的に接続した後、筐体本体32の上方開口部を略平板形状とされた蓋体34で覆蓋して固定することで、筐体14内に車載部品内回路ユニット10が収納されるようになっている。
【0027】
<コネクタ24>
コネクタ24の形状は限定されるものではないが、本実施形態では、一対の電線46,46を備えている。各電線46は被覆電線であり、芯線48と、芯線48に外挿される絶縁被覆50を有している。各電線46の端部(前端部)においては、絶縁被覆50が剥がされて芯線48が露出している。絶縁被覆50が剥がされて露出した芯線48は、絶縁性を有する合成樹脂等からなるコネクタハウジング52内でコネクタ端子54に電気的に接続されている。すなわち、コネクタ24は、各電線46の端部にコネクタ端子54が設けられることで一対のコネクタ端子54,54を備えており、これら一対のコネクタ端子54,54が左右方向で並んで配置されている。
【0028】
各コネクタ端子54は、前端部においてボルト締結穴が設けられており、本実施形態では、これらのボルト締結穴により第1および第2コネクタ側接続部26a,26bが構成されている。要するに、車載部品内回路ユニット10における接続用バスバー30の外部接続部28(第1および第2外部接続部28a,28b)において、後述する第2ボルト140,140を挿通してコネクタ24におけるコネクタ端子54,54のボルト締結穴(第1および第2コネクタ側接続部26a,26b)に締結することで、車載部品内回路ユニット10における接続用バスバー30とコネクタ24とが導通接続されるようになっている。
【0029】
なお、コネクタハウジング52は、所定の厚さ寸法を有する取付部56を介して筐体本体32に固定される。すなわち、取付部56は、コネクタ24における各コネクタ側接続部26a,26bやボルト44,44が挿通される挿通孔を備えている。そして、コネクタ24が筐体本体32に対してボルト44により固定された状態では、各コネクタ側接続部26a,26bが取付部56を貫通して、後壁部40におけるコネクタ挿通孔42を通じて筐体本体32内に露出している。
【0030】
<回路構成部材16>
本実施形態では、図3,4にも示されるように、回路構成部材16が、一対のリレー(第1リレー58aおよび第2リレー58b)と、各リレー58a,58bに設けられた一対の接続部60,60に対して接続される導通用バスバー62(第1~第4導通用バスバー62a~62d)とを含んで構成されている。本実施形態では、第1リレー58aと第2リレー58bとが相互に反対向きに配置されており、左側の第1リレー58aが後方に向かって配置されているとともに、右側の第2リレー58bが前方に向かって配置されている。
【0031】
そして、第1リレー58aにおける左側の接続部60に第1導通用バスバー62aが接続されており、この第1導通用バスバー62aが、車載部品内回路ユニット10の左方において図示しない外部回路に電気的に接続されている。また、第1リレー58aにおける右側の接続部60には、第2導通用バスバー62bが接続されている。第2導通用バスバー62bにおいて、第1リレー58aに接続される側と反対側の端部は、下方の後述する放熱部64(第2放熱部64b)を経由して、第1リレー58aよりも上方まで突出しており、第1回路側接続部20aを構成している。特に、第2導通用バスバー62bにおいて、第1リレー58aに接続される側と反対側の端部に設けられる、板厚方向(上下方向)で貫通するボルト挿通孔により、第1回路側接続部20aが構成される。
【0032】
さらに、第2リレー58bにおける左側の接続部60に第3導通用バスバー62cが接続されている。第3導通用バスバー62cにおいて、第2リレー58bに接続される側と反対側の端部は、下方の後述する放熱部64(第3放熱部64c)を経由して、第2リレー58bよりも上方まで突出しており、第2回路側接続部20bを構成している。特に、第3導通用バスバー62cにおいて、第2リレー58bに接続される側と反対側の端部に設けられる、板厚方向(上下方向)で貫通するボルト挿通孔により、第2回路側接続部20bが構成される。更にまた、第2リレー58bにおける右側の接続部60には、第4導通用バスバー62dが接続されており、この第4導通用バスバー62dが、車載部品内回路ユニット10の右方において図示しない外部回路に電気的に接続されている。
【0033】
各導通用バスバー62(第1~第4導通用バスバー62a~62d)は、導電性を有する金属板材により構成されており、プレス加工等により所定の形状に折り曲げられることで形成されている。これら第1~第4導通用バスバー62a~62dは、それぞれ下方において水平方向(上下方向に直交する方向)に広がる部分を有しており、これら下方において水平方向に広がる部分が放熱部64(第1~第4放熱部64a~64d)である。なお、後述するように、第2および第3導通用バスバー62b,62cに対して第1および第2接続用バスバー30a,30bが接続される。それゆえ、第1および第2接続用バスバー30a,30bは、第2および第3導通用バスバー62b,62cを介して間接的に放熱部64(第2および第3放熱部64b,64c)を有している。
【0034】
<ケース18>
ケース18は、接続用バスバー30が載置される載置部66を有するケース本体68と、載置部66を覆ってケース本体68に対して組み付けられるカバー部70とを有している。
【0035】
<ケース本体68>
ケース本体68は、上下方向で組み付けられるアッパケース72とロアケース74とを有している。これらアッパケース72およびロアケース74は、それぞれ下方および上方に開口する箱形状であり、例えば硬質の合成樹脂等により形成される。すなわち、アッパケース72は、全体として略矩形状の上壁76と、上壁76の外周縁部から下方に突出する上周壁78とを有している。また、上壁76の後端部における右側部分には、上方に突出する後端壁部79が設けられている。なお、図3,4等では、車載部品内回路ユニット10の要部が抜き出されて示されており、上周壁78として上前壁80および上後壁82のみが示されているが、上壁76の左右両側に上周壁78を構成する壁部が設けられていてもよい。
【0036】
図7にも示されるように、上壁76には、板厚方向(上下方向)で貫通する略矩形の貫通窓84が設けられている。本実施形態では、上壁76における2箇所に貫通窓84(第1貫通窓84aおよび第2貫通窓84b)が設けられている。これら第1貫通窓84aおよび第2貫通窓84bはそれぞれ、第2導通用バスバー62bにおける第1回路側接続部20aおよび第3導通用バスバー62cにおける第2回路側接続部20bと対応する位置に設けられている。具体的には、第1貫通窓84aが上壁76の略中央部分に設けられているとともに、第2貫通窓84bが上壁76の右側後方部分に設けられている。これにより、ケース本体68に回路構成部材16が収容された状態において、第1貫通窓84aおよび第2貫通窓84bを通じて、第1回路側接続部20aおよび第2回路側接続部20bが外部に露出している。
【0037】
そして、後述するように、第1貫通窓84aおよび第2貫通窓84bから露出する第1回路側接続部20aおよび第2回路側接続部20bに対して接続用バスバー30(第1接続用バスバー30aおよび第2接続用バスバー30b)が上方から重ね合わされるようになっている。上壁76において、第1接続用バスバー30aおよび第2接続用バスバー30bが重ね合わされて載置される領域が載置部66である。本実施形態では、上壁76における第1貫通窓84aから第2貫通窓84bに至る領域、例えば、第1貫通窓84aの後方部分から第2貫通窓84bの左方部分にかけての領域を含んで載置部66が構成される。
【0038】
また、載置部66の周囲には、上壁76を板厚方向で貫通する嵌合穴86が設けられている。この嵌合穴86は、カバー部70に設けられる後述する嵌合突起132と嵌合するようになっている。本実施形態では、嵌合穴86が複数設けられており、第1貫通窓84aの周囲に3つの嵌合穴86が設けられているとともに、第2貫通窓84bの周囲に1つの嵌合穴86が設けられている。各嵌合穴86は、後述する公差吸収方向の1つである前後方向に延びる略矩形状であり、左右方向の開口幅寸法a(図7参照)に比して前後方向の開口幅寸法b(図7参照)の方が大きくされている。
【0039】
ロアケース74は、全体として略矩形状の下壁88と、下壁88の外周縁部から上方に突出する下周壁90とを有している。なお、図3,4等では、車載部品内回路ユニット10の要部が抜き出されて示されており、下周壁90として下前壁92および下後壁94のみが示されているが、下壁88の左右両側に下周壁90を構成する壁部が設けられていてもよい。
【0040】
図3,4にも示されるように、下壁88には、上方に突出する略矩形柱状のバスバー固定部96が設けられている。本実施形態では、下壁88における2箇所にバスバー固定部96(第1バスバー固定部96aおよび第2バスバー固定部96b)が設けられている。これら第1バスバー固定部96aおよび第2バスバー固定部96bはそれぞれ、第2導通用バスバー62bにおける第1回路側接続部20aおよび第3導通用バスバー62cにおける第2回路側接続部20bと対応する位置に設けられている。具体的には、第1バスバー固定部96aが下壁88の略中央部分に設けられているとともに、第2バスバー固定部96bが下壁88の右側後方部分に設けられている。これら第1および第2バスバー固定部96a,96bの上端部分にはナット98が埋設状態で設けられている。
【0041】
そして、ケース本体68において回路構成部材16が収容された状態では、各導通用バスバー62(第1~第4導通用バスバー62a~62d)における各放熱部64(第1~第4放熱部64a~64d)が、ロアケース74における下壁88と重ね合わされることとなる。これら各放熱部64a~64dと下壁88との間には、それぞれ比較的伝熱効率の良い材質からなる略シート状の伝熱シート100が設けられており、各放熱部64a~64dが各伝熱シート100を介して下壁88に接触するようになっている。また、後述するように、ケース本体68における下壁88は、電池パック12の筐体14における底壁36と重ね合わされることとなる。これら下壁88と底壁36との間において、各伝熱シート100と対応する位置には、それぞれ比較的伝熱効率の良い材質からなるギャップフィラー102が設けられており、下壁88が各ギャップフィラー102を介して底壁36に接触するようになっている。すなわち、各リレー58a,58bの通電に伴い発生する熱が、各放熱部64a~64d、各伝熱シート100、下壁88、各ギャップフィラー102を介して底壁36から放熱されるようになっている。したがって、本実施形態では、ケース本体68に設けられるとともに、各放熱部64a~64dに接触して、各リレー58a,58bの通電に伴い発生する熱を伝熱する伝熱面104が、下壁88の上面によって構成されている。
【0042】
これら伝熱シート100やギャップフィラー102の材質は、絶縁性を有していれば限定されるものではなく、例えば空気よりも熱伝導率の大きな合成樹脂等から構成されてもよい。具体的には、シリコーン系の樹脂や非シリコーン系のアクリル系樹脂やセラミック系樹脂等が利用できる。より詳細には、例えば、シリコーン系の樹脂からなる、放熱シートや放熱ギャップフィラー、熱伝導グリースや熱伝導性シリコーンゴム等が挙げられる。なお、各放熱部64a~64dと下壁88との間に設けられる伝熱部材はシート状に限定されず、従来公知の伝熱部材が採用され得る。また、図3,4中では、ギャップフィラー102が略矩形ブロック状に示されているが、ギャップフィラー102の形状は限定されるものではなく、従来公知のギャップフィラー(伝熱部材)が採用され得る。
【0043】
特に、これら伝熱シート100やギャップフィラー102は、厚さ方向(上下方向)で弾性変形可能であり、これら伝熱シート100やギャップフィラー102が上下方向で弾性変形することによっても、各外部接続部28a,28bと各コネクタ側接続部26a,26bとの各第2ボルト140によるボルト締結作業に際して、車載部品内回路ユニット10と電池パック12の筐体14との上下方向の公差が吸収され得る。
【0044】
<カバー部70>
カバー部70は、ケース本体68における載置部66を覆う形状を有しており、アッパケース72における第1貫通窓84aから第2貫通窓84bにまたがって延びる形状を有している。すなわち、カバー部70は、図11,12にも示されるように、左右方向に延びて略水平方向(上下方向に直交する方向)に広がる水平壁部106を有している。また、水平壁部106の後端部における右側部分には、上方に突出して上下方向に広がる鉛直壁部108が設けられている。これにより、カバー部70は、右側部分において、略L字形の縦断面を有している。
【0045】
また、カバー部70における水平壁部106には、ケース本体68に組み付けられた状態において、貫通窓84および貫通窓84から露出する回路側接続部20と対応する位置に、板厚方向(上下方向)で貫通する第1窓部110が設けられている。本実施形態では、水平壁部106において、第1および第2回路側接続部20a,20bと対応する位置に、それぞれ左側第1窓部110aおよび右側第1窓部110bが設けられている。さらに、鉛直壁部108には、車載部品内回路ユニット10が電池パック12の筐体14内に収納された状態において、コネクタ側接続部26と対応する位置に、板厚方向(前後方向)で貫通する第2窓部112が設けられている。本実施形態では、鉛直壁部108において、第1および第2コネクタ側接続部26a,26bと対応する位置に、それぞれ左側第2窓部112aおよび右側第2窓部112bが設けられている。
【0046】
後述するように、第1および第2回路側接続部20a,20bは、各接続用バスバー30a,30bにおける内部接続部22(第1および第2内部接続部22a,22b)に重ね合わされて導通接続されることから、左右の第1窓部110a,110bは、第1および第2内部接続部22a,22bに対応する位置に設けられる。すなわち、車載部品内回路ユニット10の組立状態において、左右の第1窓部110a,110bは、各内部接続部22a,22bおよび各内部接続部22a,22bに設けられる第1ボルト挿通孔152に対して上下方向で対向して配置される。また、第1および第2コネクタ側接続部26a,26bは、各接続用バスバー30a,30bにおける外部接続部28(第1および第2外部接続部28a,28b)に重ね合わされて導通接続されることから、左右の第2窓部112a,112bは、第1および第2外部接続部28a,28bに対応する位置に設けられる。すなわち、車載部品内回路ユニット10の組立状態において、左右の第2窓部112a,112bは、各外部接続部28a,28bおよび各外部接続部28a,28bに設けられる第2ボルト挿通孔156に対して前後方向で対向して配置される。
【0047】
本実施形態では、左右の第1窓部110a,110bおよび第2窓部112a,112bが、それぞれ同形状で形成されており、所定の内径寸法φA図8参照)を有する円形の貫通孔として形成されている。これら左右の第1窓部110a,110bの内径寸法φAは、少なくともケース18の外部から各内部接続部22a,22bと各回路側接続部20a,20bとの後述する各第1ボルト138によるボルト締結作業のための工具が挿通可能な大きさであればよい。本実施形態では、左右の第1窓部110a,110bの内径寸法φAが、後述する各第1ボルト138の絶縁処理部146を含めた頭部144の最大外径寸法φC図14参照)よりも大きくされている。同様に、左右の第2窓部112a,112bの内径寸法φAは、少なくともケース18の外部から各外部接続部28a,28bと各コネクタ側接続部26a,26bとの後述する各第2ボルト140によるボルト締結作業のための工具が挿通可能な大きさであればよい。本実施形態では、左右の第2窓部112a,112bの内径寸法φAが、後述する各第2ボルト140の絶縁処理部146を含めた頭部144の最大外径寸法φCよりも大きくされている。
【0048】
また、水平壁部106において、左右の第1窓部110a,110bの周縁部からはそれぞれ上方に突出する筒部としての第1筒部114,114が設けられているとともに、鉛直壁部108において、左右の第2窓部112a,112bの周縁部からはそれぞれ前方に突出する筒部としての第2筒部116,116が設けられている。すなわち、これら第1および第2筒部114,116は何れも、カバー部70およびカバー部70が組み付けられて構成されるケース18の外方に向かって突出している。
【0049】
各第1および第2筒部114,116は、それぞれ所定の突出高さ寸法を有している。そして、各第1および第2筒部114,116の突出先端側には、径方向内方に突出する抜け止め突起118が設けられている。本実施形態では、抜け止め突起118が、各第1および第2筒部114,116の突出先端において、周方向の全周にわたる円環形状をもって形成されている。これにより、各第1および第2筒部114,116の外方開口部120は所定の内径寸法を有しており、各第1および第2筒部114,116における外方開口部120の内径寸法(抜け止め突起118の内径寸法)φA’図8参照)が、各第1窓部110a,110bにおける内径寸法φAよりも小さくされている。
【0050】
さらに、水平壁部106の外周縁部には、下方に突出する下部保護壁部122が設けられているとともに、鉛直壁部108の外周縁部には、後方に突出する後部保護壁部124が設けられている。これら下部保護壁部122および後部保護壁部124は、水平壁部106および鉛直壁部108の略全周にわたって連続して形成されており、水平壁部106と鉛直壁部108の接続部分において連続して一体的に形成されている。更にまた、水平壁部106の下面および鉛直壁部108の後面には、下部保護壁部122および後部保護壁部124により囲まれる領域を2つに仕切る仕切壁部126が設けられている。すなわち、仕切壁部126は、水平壁部106および鉛直壁部108にまたがって延びる略L字形状である。そして、仕切壁部126により仕切られる2つの領域のうち、左側の領域が、第1接続用バスバー30aが収容される第1収容領域128aであるとともに、右側の領域が、第2接続用バスバー30bが収容される第2収容領域128bである。
【0051】
図12において、第1および第2収容領域128a,128bに収容される第1および第2接続用バスバー30a,30bを二点鎖線で示す。図12にも示されるように、各収容領域128a,128bを構成する各壁部122,124,126に対して、各接続用バスバー30a,30bは前後方向および左右方向で僅かな隙間を有して対向しており、各接続用バスバー30a,30bは各収容領域128a,128b内において左右方向で僅かに変位可能である。なお、各接続用バスバー30a,30bにおける後述する鉛直部150は、カバー部70の鉛直壁部108(後述するリブ130)とアッパケース72の後端壁部79との前後方向間で挟持されることから、各収容領域128a,128b内において各接続用バスバー30a,30bの前後方向での変位は略不能である。そして、後述するように、カバー部70は、ケース本体68(アッパケース72)に対して前後方向で変位可能であることから、各接続用バスバー30a,30bは、ケース本体68(アッパケース72)に対してカバー部70と共に一体的に前後方向で変位可能である。
【0052】
また、水平壁部106の下面および鉛直壁部108の後面において、下部保護壁部122および後部保護壁部124で囲まれた領域の内側には、それぞれ載置部66および後端壁部79に向かって突出するリブ130が設けられている。すなわち、リブ130は、仕切壁部126により仕切られる第1収容領域128aと第2収容領域128bの両方に設けられている。本実施形態では、リブ130が複数設けられており、それぞれ前後方向または左右方向に延びる突条として形成されている。これら複数のリブ130は全体として格子状をなし、一体的に形成されている。
【0053】
カバー部70が第1および第2収容領域128a,128bに各接続用バスバー30a,30bを収容した状態でアッパケース72に組み付けられた際には、各リブ130が水平壁部106および鉛直壁部108と各接続用バスバー30a,30bとの間で僅かに圧縮されるか、各リブ130と各接続用バスバー30a,30bとがゼロタッチで当接するか、各リブ130と各接続用バスバー30a,30bとが僅かな離隔距離を隔てて対向するようになっている。すなわち、各リブ130が圧縮される場合には、各接続用バスバー30a,30bは、各リブ130の弾性復元力によりアッパケース72の上壁76(載置部66)および後端壁部79へ上方および前方から押し付けられるようになっている。そして、車載部品内回路ユニット10の組立時において、各リブ130によって各接続用バスバー30a,30bにおける載置部66からの浮き上がりが抑制されることで、各接続用バスバー30a,30bに下方から接触する第2および第3導通用バスバー62b,62cの上方への変位が制限される。これにより、第2および第3導通用バスバー62b,62cが有する第2および第3放熱部64b,64cが、より確実に各伝熱シート100を介してロアケース74の下壁88における伝熱面104に接触するようになっている。
【0054】
さらに、下部保護壁部122には、下方のケース本体68に向かって突出して嵌合穴86に嵌合する嵌合突起132が設けられている。この嵌合突起132は、アッパケース72における嵌合穴86と対応する位置に設けられており、本実施形態では、4つの嵌合突起132が設けられている。具体的には、第1収容領域128aを覆う下部保護壁部122に3つの嵌合突起132が設けられているとともに、第2収容領域128bを覆う下部保護壁部122に1つの嵌合突起132が設けられている。各嵌合突起132の前後方向での幅寸法は、各嵌合穴86の前後方向での幅寸法bよりも小さくされており、各嵌合突起132は各嵌合穴86内において前後方向で変位可能である。要するに、カバー部70は、カバー部70が組み付けられるケース本体68(アッパケース72)に対して、各嵌合突起132が各嵌合穴86内で変位可能とされる分だけ、前後方向で変位可能である。
【0055】
各嵌合突起132の突出端部(下端部)には、ロック爪134が設けられている。これらロック爪134は、内方、すなわちカバー部70が組み付けられるケース本体68(アッパケース72)において各嵌合突起132が挿入される各嵌合穴86よりも載置部66側に向かって突出している。
【0056】
なお、カバー部70の形成方法は限定されるものではないが、本実施形態では、カバー部70が射出成形により形成されており、水平壁部106における各ロック爪134と対向する位置には、射出成形によりロック爪134を形成するための型抜き穴136が形成されている。特に、本実施形態では、各型抜き穴136が略矩形状であり、例えばボルト締結に用いられるドライバ等の工具等が挿入不能な大きさで形成されている。具体的には、各型抜き穴136の左右方向幅寸法c(図5参照)が前後方向幅寸法d(図5参照)よりも小さくされている。
【0057】
そして、本実施形態では、上記のような形状とされたカバー部70の第1筒部114,114および第2筒部116,116内に、それぞれ第1ボルト138,138および第2ボルト140,140が収容配置されている。各第1および第2ボルト138,140は略同形状であり、軸部142が所定の最大外径寸法φB図14参照)を有しているとともに、頭部144に絶縁処理部146が設けられている。この絶縁処理部146を含めた頭部144の最大外径寸法φCは、各第1および第2筒部114,116の外方開口部120における内径寸法φA’よりも大きくされており、絶縁処理部146を含めた頭部144の外周縁部が各第1および第2筒部114,116の抜け止め突起118に当接することにより、各第1および第2筒部114,116からの各第1および第2ボルト138,140の離脱が阻止されている。なお、各第1および第2ボルト138,140の頭部144に絶縁処理部146を設ける方法は限定されるものではないが、例えば合成樹脂製のキャップを各第1および第2ボルト138,140の頭部144に嵌め付ける等して固定したり、キャップとボルトを一体的に形成する等してもよい。
【0058】
<接続用バスバー30>
本実施形態では、ケース18内に収容される接続用バスバー30として、2つのバスバーが採用されており、左側が第1接続用バスバー30aであるとともに、右側が第2接続用バスバー30bである。図14にも示されるように、第1および第2接続用バスバー30a,30bは何れも、下端部において水平方向に広がる水平部148を備えているとともに、水平方向の後端部において上方に突出して上下方向に広がる鉛直部150とを有している。すなわち、第1および第2接続用バスバー30a,30bは何れも、全体として略L字形状である。
【0059】
そして、第1接続用バスバー30aにおける第1端部としての前端部151a(水平部148において鉛直部150に接続される側と反対側の端部)に、第1回路側接続部20aに導通接続される第1内部接続部22aが設けられている。また、第1接続用バスバー30における第2端部としての上端部151b(鉛直部150において水平部148に接続される側と反対側の端部)に、第1コネクタ側接続部26aに接続される第1外部接続部28aが設けられている。同様に、第2接続用バスバー30bにおける第1端部としての前端部151aに、第2回路側接続部20bに導通接続される第2内部接続部22bが設けられている。また、第2接続用バスバー30bにおける第2端部としての上端部151bに、第2コネクタ側接続部26bに接続される第2外部接続部28bが設けられている。すなわち、各接続用バスバー30a,30bにおいて、第1端部としての前端部151aが前後方向(後方から前方に向かう方向)に延出しているとともに、第2端部としての上端部151bが上下方向(下方から上方に向かう方向)に延出している。
【0060】
第1および第2接続用バスバー30a,30bにおいて、各内部接続部22a,22bには、板厚方向(上下方向)で貫通する第1ボルト挿通孔152が形成されている。本実施形態では、第1ボルト挿通孔152が略真円形状であり、所定の内径寸法φD図14参照)を有している。この第1ボルト挿通孔152の内径寸法φDは、第1ボルト138における軸部142の最大外径寸法φBより大きくされており、これら第1ボルト挿通孔152と第1ボルト138における軸部142との間の空間が、第1ボルト挿通孔152への第1ボルト138の挿通時に公差を吸収することのできる公差吸収隙間154である。すなわち、第1ボルト挿通孔152は、公差吸収隙間154を含んだ大きさで設けられている。そして、第1ボルト挿通孔152が略真円形状であることから、公差吸収隙間154は周方向の全周にわたる円環形状であり、前後方向および左右方向を含んだ水平方向が、第1ボルト挿通孔152において公差を吸収することのできる方向である公差吸収方向である。
【0061】
また、第1および第2接続用バスバー30a,30bにおいて、各外部接続部28a,28bには、板厚方向(前後方向)で貫通する第2ボルト挿通孔156が形成されている。本実施形態では、第2ボルト挿通孔156が略真円形状であり、所定の内径寸法φE図14参照)を有している。この第2ボルト挿通孔156の内径寸法φEは、第2ボルト140における軸部142の最大外径寸法φBより大きくされており、これら第2ボルト挿通孔156と第2ボルト140における軸部142との間の空間が、第2ボルト挿通孔156への第2ボルト140の挿通時に公差を吸収することのできる公差吸収隙間158である。すなわち、第2ボルト挿通孔156は、公差吸収隙間158を含んだ大きさで設けられている。そして、第2ボルト挿通孔156が略真円形状であることから、公差吸収隙間158は周方向の全周にわたる円環形状であり、上下方向および左右方向を含んだ前後方向に直交する方向が、第2ボルト挿通孔156において公差を吸収することのできる方向である公差吸収方向である。
【0062】
<車載部品内回路ユニット10の組み付け工程>
続いて、車載部品内回路ユニット10の組み付け工程の具体的な一例について説明する。なお、車載部品内回路ユニット10の組み付け工程は、以下の記載に限定されない。
【0063】
先ず、各第1および第2リレー58a,58bの各接続部60に対して、ボルト160を締結して第1~第4導通用バスバー62a~62dを固定する。これら第1~第4導通用バスバー62a~62dが固定された第1および第2リレー58a,58bを、アッパケース72の上壁76に対してボルト固定する。その後、アッパケース72とロアケース74とを組み付けて、図示しないロック機構等によりアッパケース72とロアケース74とを固定する。これにより、第1~第4導通用バスバー62a~62dにおける第1~第4放熱部64a~64dが、各伝熱シート100を介して下壁88における伝熱面104に接触する。なお、各伝熱シート100は、予め第1~第4放熱部64a~64dの下面に固着されていてもよいし、下壁88における上面(伝熱面104)に固着されていてもよい。この結果、回路構成部材16が収容されたケース本体68が完成する。
【0064】
このケース本体68の完成状態では、第2および第3導通用バスバー62b,62cにおける第1および第2回路側接続部20a,20bに対して、下方からロアケース74における第1および第2バスバー固定部96a,96bが当接している。また、第1および第2回路側接続部20a,20bは、アッパケース72における第1および第2貫通窓84a,84bを通じて外部に露出している。
【0065】
その後、アッパケース72における載置部66上に第1および第2接続用バスバー30a,30bを載置する。これにより、外部に露出する第1および第2回路側接続部20a,20bに対して、第1および第2接続用バスバー30a,30bにおける第1および第2内部接続部22a,22bを重ね合わせる。この結果、第1および第2回路側接続部20a,20bを構成するボルト挿通孔と、第1および第2内部接続部22a,22bに設けられた各第1ボルト挿通孔152とが相互に連通する。そして、第1および第2接続用バスバー30a,30bにおける各第1および第2ボルト挿通孔152,156に、それぞれ第1および第2ボルト138,140を挿入する。なお、この時点では、各第1ボルト138は、第1および第2回路側接続部20a,20bの下方にある各ナット98に締結されていない。
【0066】
続いて、各第1および第2ボルト挿通孔152,156に第1および第2ボルト138,140を挿入した状態で、アッパケース72に対してカバー部70を組み付ける。具体的には、アッパケース72の嵌合穴86に対してカバー部70の嵌合突起132を挿し入れて、図10に示されるように、ロック爪134をアッパケース72の上壁76における嵌合穴86の載置部66側の縁部に係止する。これにより、カバー部70における第1および第2収容領域128a,128bに第1および第2接続用バスバー30a,30bを収容するとともに、各第1および第2筒部114,116に対して第1および第2ボルト138,140を収容しつつ、カバー部70をケース本体68に対して組み付ける。この結果、本開示の対象である車載部品内回路ユニット10が完成する。なお、車載部品内回路ユニット10における第1および第4導通用バスバー62a,62dに対して、図示しない外部回路は、適切なタイミングで電気的に接続される。
【0067】
この車載部品内回路ユニット10の組付状態(車載部品(電池パック12)の筐体14内に収納されていない状態)では、第1および第2ボルト138,140はどこにも締結されておらず、第1および第2筒部114,116内において比較的フリーに(フローティング状態で)配置されている。そして、この状態では、図15に示されるように、各第1ボルト138の下端部がナット98に接触した状態であり、各第1ボルト138の頭部144に設けられた絶縁処理部146が、各第1筒部114における外方開口部120から外方に突出している。後述する各第1ボルト138の締結状態では、各第1ボルト138の頭部144に設けられた絶縁処理部146が、各第1筒部114内に収容される。なお、この状態では、第2ボルト140は第2筒部116内で比較的フリーであるので、各第2ボルト140の頭部144に設けられる絶縁処理部146は、各第2筒部116の外方開口部120から外方に突出していてもよいし、各第2筒部116内に収容されていてもよい。
【0068】
次に、車載部品内回路ユニット10を車載部品(電池パック12)の筐体14に収納する工程の具体的な一例について説明する。なお、車載部品内回路ユニット10を車載部品(電池パック12)の筐体14に収納する工程は、以下の記載に限定されない。
【0069】
先ず、車載部品内回路ユニット10を、後壁部40にコネクタ24が取り付けられた筐体本体32内に載置する。これにより、ケース本体68の下面が、各ギャップフィラー102を介して筐体14の底壁36に接触する。また、各第2ボルト挿通孔156に挿入された状態の各第2ボルト140を、コネクタ24における各コネクタ側接続部26a,26bに位置合わせする。この状態では、図16に示されるように、各第2ボルト140は、各コネクタ側接続部26a,26bに締結されていない。そして、各第2ボルト140の先端(後端)が、各コネクタ側接続部26a,26bの開口部に接触して、各第2ボルト140の頭部144に設けられた絶縁処理部146が、各第2筒部116における外方開口部120から外方に突出している。後述する各第2ボルト140の締結状態では、各第2ボルト140の頭部144に設けられた絶縁処理部146が、各第2筒部116内に収容される。
【0070】
この状態から、各第2筒部116における外方開口部120を通じて工具等を挿し入れて、各第2ボルト140を、各コネクタ側接続部26a,26bに締結する。これにより、コネクタ24と各接続用バスバー30a,30bとを、各第2ボルト140を介して電気的に接続する。その後、各第1筒部114における外方開口部120を通じて工具等を挿し入れて、各第1ボルト138を、各第1ボルト挿通孔152および各回路側接続部20a,20bを通じてナット98に締結する。これにより、各リレー58a,58bに電気的に接続された第2および第3導通用バスバー62b,62cと各接続用バスバー30a,30bとが、各第1ボルト138を介して電気的に接続される。この結果、外部回路が、回路構成部材16(第1~第4導通用バスバー62a~62d、第1および第2リレー58a,58b)、第1および第2接続用バスバー30a,30bを介してコネクタ24に電気的に接続される。各第1および第2ボルト138,140を締結した後、筐体本体32の上方開口部に対して蓋体34を固定することで、車載部品(電池パック12)の筐体14への車載部品内回路ユニット10の収納が完了する。
【0071】
なお、車載部品内回路ユニット10は、電池パック12の筐体14から、上記とは逆の工程により取り外すことができる。すなわち、各第1ボルト138とナット98との締結を解除した後、各第2ボルト140と各コネクタ側接続部26a,26bとの締結を解除する。これにより、電池パック12の筐体14から車載部品内回路ユニット10を取り外すことができる。なお、図示しない外部回路と第1および第4導通用バスバー62a,62dとの接続は、適切なタイミングで解除される。
【0072】
このようにして車載部品(電池パック12)の筐体14へ収納された車載部品内回路ユニット10によれば、ケース18内に設けられた各接続用バスバー30a,30bにおける各内部接続部22a,22bと各回路側接続部20a,20bとが各第1ボルト138により締結される。ここにおいて、各接続用バスバー30a,30bは、カバー部70の各収容領域128a,128bに収容された状態で、カバー部70と共にケース本体68に対して前後方向(図5参照)で変位可能とされており、各第1ボルト挿通孔152の内径寸法φDも、前後方向で各第1ボルト138の軸部142における最大外径寸法φBよりも大きくされている。これにより、第1ボルト138の締結に際して、公差により各第1ボルト挿通孔152と各回路側接続部20a,20bとの位置が前後方向でずれるような場合にも、公差が吸収されて、第1ボルト138をより確実に締結することができる。
【0073】
同様に、各接続用バスバー30a,30bは、カバー部70の各収容領域128a,128b内において、左右方向(図5参照)で変位可能とされており、且つ各内部接続部22a,22bにおいて各第1ボルト138が挿通される各第1ボルト挿通孔152の内径寸法φDも、左右方向で各第1ボルト138の軸部142における最大外径寸法φBよりも大きくされている。これにより、第1ボルト138の締結に際して、公差により各第1ボルト挿通孔152と各回路側接続部20a,20bとの位置が左右方向でずれるような場合にも、公差が吸収されて、第1ボルト138をより確実に締結することができる。
【0074】
さらに、ケース18内に設けられた各接続用バスバー30a,30bにおける各外部接続部28a,28bと各コネクタ側接続部26a,26bとが各第2ボルト140により締結される。ここにおいて、各第2ボルト挿通孔156の内径寸法φEは、上下方向で各第2ボルト140の軸部142における最大外径寸法φBよりも大きくされている。これにより、例えば伝熱シート100やギャップフィラー102における弾性変形量(圧縮量)を調節することで、公差により各第2ボルト挿通孔156と各コネクタ側接続部26a,26との位置が上下方向でずれるような場合にも、公差が吸収されて、第2ボルト140をより確実に締結することができる。
【0075】
更にまた、各接続用バスバー30a,30bにおける各外部接続部28a,28bにおいて各第2ボルト140が挿通される各第2ボルト挿通孔156の内径寸法φEも、左右方向で各第2ボルト140の軸部142における最大外径寸法φBよりも大きくされている。これにより、第2ボルト140の締結に際して、公差により各第2ボルト挿通孔156と各コネクタ側接続部26a,26bとの位置が左右方向でずれるような場合にも、公差が吸収されて、第2ボルト140をより確実に締結することができる。
【0076】
また、各接続用バスバー30a,30bはケース18内に設けられており、各接続用バスバー30a,30bは、各第1窓部110a,110bおよび第2窓部112a,112b以外の部分は、ケース18(カバー部70)により覆われている。これにより、作業者がボルト締結作業時等において、意図せず活電部に接触して感電するおそれが低減され得る。
【0077】
特に、本実施形態では、ボルト締結作業の工程は限定されるものではないが、先に各外部接続部28a,28bと各コネクタ側接続部26a,26bとを各第2ボルト140で締結した後、各内部接続部2a,2bと各回路側接続部20a,20bとを各第1ボルト138により締結している。これにより、各第2ボルト140の締結時には、電源が供給される第1ボルト138側の締結部は未締結の状態となり、第2ボルト140側の締結部が活電部となることなく、より安全にボルト締結作業を行うことができる。
【0078】
左右の第1窓部110a,110bおよび第2窓部112a,112bは、それぞれケース18の外方に突出する各第1および第2筒部114,116により囲われている。これにより、各第1および第2ボルト138,140を締結するに際して、各第1窓部110a,110bおよび第2窓部112a,112bを通じて活電部となり得るボルト締結部に接触して感電するおそれがより低減され得る。
【0079】
左右の第1窓部110a,110bおよび第2窓部112a,112bの内部には、各第1および第2ボルト138,140が収容されているとともに、これら第1および第2ボルト138,140は、各抜け止め突起118により各第1および第2筒部114,116からの離脱が阻止されている。これにより、第1ボルトおよび第2ボルトを別に準備して締結するということがなく、ボルト締結の作業性の向上が図られる。特に、各抜け止め突起118により各第1および第2筒部114,116の外方開口部120における開口寸法を小さくすることができることから、ボルト締結時に感電するおそれが一層低減され得る。
【0080】
各第1および第2ボルト138,140は、頭部144に絶縁処理部146が設けられていることから、ボルト締結時に作業者が工具等を通じて感電するおそれが低減され得る。特に、各第1および第2ボルト138,140は、ボルト未締結時には絶縁処理部146が外方開口部120から外方に突出しているとともに、ボルト締結時には外方開口部120よりも内部に収容されることから、各第1および第2ボルト138,140が、締結状態であるか未締結状態であるかを外部から目視で判別可能とされている。また、ボルト未締結時においても、各第1および第2ボルト138,140の絶縁処理部146が外方に突出するのみであることから、意図せず接触して感電するおそれが低減され得る。
【0081】
ケース18は、各接続用バスバー30a,30bが載置されるケース本体68と、各接続用バスバー30a,30bを覆ってケース本体68に組み付けられるカバー部70とを有している。そして、カバー部70と各接続用バスバー30a,30bとが前後方向で一体的にケース本体68に対して変位可能とされている。これにより、例えば各接続用バスバー30a,30bが前後方向で変位した際に、カバー部70(ケース18)から露出することがなく、作業者が意図せず各接続用バスバー30a,30bに接触して感電するおそれが更に低減され得る。そして、カバー部70に各第1窓部110a,110bおよび各第2窓部112a,112bが設けられており、カバー部70と各接続用バスバー30a,30bとが一体的に変位することから、各接続用バスバーの変位に合わせて各第1窓部および各第2窓部を大きく形成することがなく、各第1窓部110a,110bおよび各第2窓部112a,112bの開口寸法を小さく設定することができて、感電のおそれを更に一層低減することができる。
【0082】
ケース本体68が、前後方向に延びる嵌合穴86を有しているとともに、カバー部70が嵌合穴86に嵌合する嵌合突起132を有しており、嵌合突起132が嵌合穴86内で前後方向に変位可能とされている。これにより、ケース本体68とカバー部70との組付状態を維持しつつ、カバー部70をケース本体68に対して前後方向で変位させることができる。
【0083】
特に、嵌合突起132はロック爪134を有しており、ロック爪134は、嵌合穴86よりも載置部66側に向かって内方に突出している。このロック爪134は、カバー部70がケース本体68に組み付けられた際に、アッパケース72における嵌合穴86の載置部66側の縁部に係合するようになっている。これにより、ロック爪134とケース本体68(嵌合穴86)との係合部位を外部から視認することができず、また、例えば嵌合穴86にドライバ等の工具を挿し入れたとしても、ロック爪134と嵌合穴86との係合を解除する方向に嵌合突起132を撓ませることが困難である。それゆえ、ケース本体68とカバー部70との組付状態が安定して維持されて、例えば意図せず各接続用バスバー30a,30bに接触して感電することが回避される。
【0084】
カバー部70は、各接続用バスバー30a,30bが重ね合わされる面にリブ130を備えており、このリブ130によって各接続用バスバー30a,30bの上方への変位、ひいては第2および第3導通用バスバー62b,62cを含む回路構成部材16の上方への変位が抑制されている。これにより、各放熱部64a~64dをより確実に伝熱シート100を介してロアケース74の下壁88における伝熱面104に接触させることができて、電池パック12の筐体14を通じた放熱効率の向上が図られる。特に、本実施形態では、コネクタ24と車載部品内回路ユニット10との接続部(各第2ボルト140の締結部位)における発熱も、例えば各接続用バスバー30a,30bや第2および第3導通用バスバー62b,62c(第2および第3放熱部64b,64c)を介して、電池パック12の筐体14を通じて放熱され得る。
【0085】
各接続用バスバー30a,30bは、前後方向に延出する第1端部としての前端部151aと、上下方向に延出する第2端部としての上端部151bとを備えており、各前端部151aに第1ボルト挿通孔152が設けられているとともに、各上端部151bに第2ボルト挿通孔156が設けられている。そして、各第1ボルト挿通孔152の内径寸法φDが前後方向や左右方向を含む水平方向で各第1ボルト138の軸部142の外径寸法φBよりも大きく、公差吸収隙間154を有している。また、各第2ボルト挿通孔156の内径寸法φEが上下方向や左右方向を含む前後方向と直交する方向で各第2ボルト140の軸部142の外径寸法φBよりも大きく、公差吸収隙間158を有している。これにより、各第1ボルト挿通孔152における公差吸収方向と各第2ボルト挿通孔156における公差吸収方向とを相互に異ならせることができて、複数方向の公差を吸収することが可能となる。
【0086】
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述および図面によって説明した実施形態に限定され
るものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に
含まれる。
【0087】
(1)前記実施形態では、各接続用バスバー30a,30bがそれぞれ1枚の金属平板を折り曲げることによって形成されていたが、図17に示されるように、第1および第2接続用バスバー170a,170bは、複数の薄板172の積層体として構成されてもよい。これにより、例えば各接続用バスバーの長さが短く、1枚の平板状のバスバーでは変形剛性が比較的大きい場合でも、各接続用バスバー170a,170bを柔軟に変形させることができる。この結果、一層効率的に公差を吸収することができて、回路側接続部とコネクタ側接続部とを各接続用バスバー170a,170bに安定して接続することができる。
【0088】
(2)前記実施形態では、伝熱シート100およびギャップフィラー102が上下方向で弾性変形可能とされることで、車載部品内回路ユニット10が電池パック12の筐体14に対して上下方向で変位可能であり、上下方向の公差が吸収されるようになっていたが、この態様に限定されるものではない。例えば、嵌合突起と嵌合穴との嵌合部(ロック爪とアッパケースの上壁との係止部)に上下方向のがたを設けるとともに、カバー部と接続用バスバーとを固定することで、接続用バスバーがケースに対してカバー部と共に一体的に上下方向で変位して、上下方向の公差が吸収されるようになっていてもよい。また、嵌合突起が嵌合穴内で左右方向で変位可能とすることで、カバー部と共に接続用バスバーがケースに対して左右方向で変位可能となっていてもよい。
【0089】
(3)前記実施形態では、左右の第1窓部110a,110bおよび第2窓部112a,112bがカバー部70に設けられていたが、カバー部は必須なものではない。すなわち、接続用バスバーは、アッパケースとロアケースとからなるケースに変位可能に収容されて、アッパケースの上壁に第1窓部と第2窓部が形成されてもよい。
【0090】
(4)前記実施形態では、各第1および第2ボルト138,140の頭部144に絶縁処理部146が設けられていたが、絶縁処理部の形状は限定されるものではない。例えば絶縁処理部の中央突出部に六角の穴部を設けて、当該穴部に工具を挿し入れてボルト締結を行うようにすれば、各第1および第2筒部における外方開口部の開口寸法をより小さくすることも可能である。
【0091】
(5)第1および第2ボルトは、第1および第2筒部内に収容されている態様に限定されるものではなく、本開示に係る車載部品内回路ユニットとは別体として、回路側接続部およびコネクタ側接続部に締結されるようになっていてもよい。すなわち、本開示に係る車載部品内回路ユニットにおいて、第1筒部および第2筒部は必須なものではない。
【0092】
(6)前記実施形態では、ナット98および各コネクタ側接続部26a,26bが待受状態で配置されて、各第1筒部114および各第2筒部116内に収容された第1および第2ボルト138,140と締結するようになっていたが、例えば第1および第2ボルトを突出状態で配置しておいて、ナットを締結するようになっていてもよい。このナットは、上述のように、第1および第2筒部内に収容配置してもよいし、本開示に係る車載部品内回路ユニットとは別体とされてもよい。
【0093】
(7)前記実施形態では、抜け止め突起118が周方向の全周にわたって連続する環状とされていたが、周方向で部分的に設けられてもよい。
【0094】
(8)前記実施形態では、2つの接続用バスバー30a,30bが設けられていたが、接続用バスバーは1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、接続用バスバーの数に合わせてリレーや導通用バスバーの数等は変更されてもよく、回路構成部材を構成する部材の種類や形状、数等は限定されるものではない。
【0095】
(9)前記実施形態では、公差吸収方向は前後方向および左右方向、さらに上下方向に設定されていたが、これらに限定されない。要求される公差吸収方向が1つであれば、1方向のみに接続用バスバーが変位可能であってもよく、斜め方向であってもよい。
【0096】
(10)前記実施形態では、第1および第2ボルト挿通孔152,156がそれぞれ真円形状とされていたが、例えば公差吸収方向に延びる長穴形状であってもよい。
【0097】
(11)前記実施形態では、カバー部70の内面に各リブ130が設けられて、第1および第2接続用バスバー30a,30bの浮き上がりを抑制することで、第1および第2接続用バスバー30a,30bに接続される第2および第3導通用バスバー62b,62cの浮き上がりも抑制されていたが、この態様に限定されるものではない。例えば、カバー部のリブに代えて、または加えて、アッパケースの内面にもリブが設けられてもよく、このアッパケースの内面のリブにより各導通用バスバーの浮き上がりが抑制されてもよい。この結果、各導通用バスバーにおける放熱部とケース本体における伝熱面との接触状態が維持されて、良好な放熱効果が発揮される。
【0098】
(12)前記実施形態において、第1および第2ボルト138,140が非締結状態である場合には、第1および第2ボルト138,140の頭部144に設けられた絶縁処理部146が各第1および第2筒部114,116から外部に突出していたが、この態様に限定されるものではない。すなわち、例えば各第1および第2筒部においてカバー部の水平壁部および鉛直壁部からの突出高さ寸法を第1および第2ボルトの全長(絶縁処理部を含む)よりも大きくすることで、前記図15,16に示されるような第1および第2ボルトの非締結状態であっても、頭部に設けられた絶縁処理部を含めて各第1および第2ボルトの全体が、各第1および第2筒部に収容されるようになっていてもよい。その場合には、各第1および第2ボルトの頭部に絶縁処理部が設けられなくてもよく、各第1および第2ボルトが非締結状態であっても各第1および第2筒部に収容されることで、作業者が意図せず第1および第2ボルトに接触して感電することが抑制される。
【符号の説明】
【0099】
10 車載部品内回路ユニット
12 電池パック(車載部品)
14 筐体
16 回路構成部材
18 ケース
20 回路側接続部
20a 第1回路側接続部
20b 第2回路側接続部
22 内部接続部
22a 第1内部接続部
22b 第2内部接続部
24 コネクタ
26 コネクタ側接続部
26a 第1コネクタ側接続部
26b 第2コネクタ側接続部
28 外部接続部
28a 第1外部接続部
28b 第2外部接続部
30 接続用バスバー
30a 第1接続用バスバー
30b 第2接続用バスバー
32 筐体本体
34 蓋体
36 底壁
38 周壁部
40 後壁部
42 コネクタ挿通孔
44 ボルト
46 電線
48 芯線
50 絶縁被覆
52 コネクタハウジング
54 コネクタ端子
56 取付部
58a 第1リレー
58b 第2リレー
60 接続部
62 導通用バスバー
62a 第1導通用バスバー
62b 第2導通用バスバー
62c 第3導通用バスバー
62d 第4導通用バスバー
64 放熱部
64a 第1放熱部
64b 第2放熱部
64c 第3放熱部
64d 第4放熱部
66 載置部
68 ケース本体
70 カバー部
72 アッパケース
74 ロアケース
76 上壁
78 上周壁
79 後端壁部
80 上前壁
82 上後壁
84 貫通窓
84a 第1貫通窓
84b 第2貫通窓
86 嵌合穴
88 下壁
90 下周壁
92 下前壁
94 下後壁
96 バスバー固定部
96a 第1バスバー固定部
96b 第2バスバー固定部
98 ナット
100 伝熱シート
102 ギャップフィラー
104 伝熱面
106 水平壁部
108 鉛直壁部
110 第1窓部
110a 左側第1窓部
110b 右側第1窓部
112 第2窓部
112a 左側第2窓部
112b 右側第2窓部
114 第1筒部(筒部)
116 第2筒部(筒部)
118 抜け止め突起
120 外方開口部
122 下部保護壁部
124 後部保護壁部
126 仕切壁部
128a 第1収容領域
128b 第2収容領域
130 リブ
132 嵌合突起
134 ロック爪
136 型抜き穴
138 第1ボルト
140 第2ボルト
142 軸部
144 頭部
146 絶縁処理部
148 水平部
150 鉛直部
151a 前端部(第1端部)
151b 上端部(第2端部)
152 第1ボルト挿通孔
154 公差吸収隙間
156 第2ボルト挿通孔
158 公差吸収隙間
160 ボルト
170a 第1接続用バスバー
170b 第2接続用バスバー
172 薄板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図17