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特許7647769情報処理装置、サービス提供方法、プログラム、及びサービス提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、サービス提供方法、プログラム、及びサービス提供システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/52 20220101AFI20250311BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
H04L67/52
H04M11/00 302
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022557247
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(86)【国際出願番号】 JP2020038532
(87)【国際公開番号】W WO2022079778
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】津村 周典
(72)【発明者】
【氏名】吉田 一貴
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 卓行
(72)【発明者】
【氏名】柴田 郷
(72)【発明者】
【氏名】横井 大
(72)【発明者】
【氏名】橋本 優希
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/154354(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/066825(WO,A1)
【文献】特開2019-121209(JP,A)
【文献】特開2013-055543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/52
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置される少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得する取得手段と、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定する特定手段と、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する制御手段と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記複数のエリアの各々には、2つ以上のビーコン発信機を含むビーコングループが配置され、
前記特定手段は、前記第1受信信号強度に基づいて、前記ビーコングループ毎の受信信号強度を示す第2受信信号強度を算出し、前記第2受信信号強度に基づいて、前記第1エリアを特定し、前記特定されたエリアに基づいて、前記エリア移動履歴を特定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定手段は、前記第2受信信号強度が最も強いビーコングループを決定し、前記第2受信信号強度が最も強いビーコングループが変更されるまでの継続時間を算出し、前記継続時間に基づいて、前記第1エリアを特定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定手段は、前記ユーザがいるエリアを特定する単位期間である第1判定時間における前記継続時間の合計時間を算出し、前記第1判定時間に対する前記合計時間の割合に基づいて、前記第1エリアを特定する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定手段は、前記ビーコングループに含まれるビーコン発信機の各々について、前記第2受信信号強度が最も強いビーコングループを決定する単位期間である第2判定時間におけるビーコン信号の受信回数を計数し、前記受信回数が第1閾値未満であるビーコン発信機の受信信号強度の値を、ダミーの受信信号強度の値として前記第2受信信号強度を算出する、請求項2~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ビーコングループに含まれるビーコン発信機は、前記経路を挟んで対向して配置される、請求項2~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記エリア移動履歴に基づいて、前記ユーザの移動方向を決定し、前記第1エリアと、前記移動方向とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記通信端末にサービス提供を行う場合、前記移動方向に応じたサービスを前記通信端末に提供する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記通信端末にサービス提供を行う場合、前記ユーザが前記第1エリアの前にいた第2エリアを基準に、前記移動方向に向かって前記経路が分岐しているか否かに応じて、前記通信端末に提供するサービスを変更する、請求項7又は8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記通信端末にサービス提供を行う場合、前記エリア移動履歴に基づいて、前記ユーザが前記第1エリアの前にいた第2エリアを特定し、前記第1エリア及び前記第2エリアの組み合わせに応じたサービスを前記通信端末に提供する、請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記通信端末にサービス提供を行う場合、前記エリア移動履歴に応じたサービスを前記通信端末に提供する、請求項1~10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
情報処理装置が実行するサービス提供方法であって、
経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置される少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得し、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定し、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、サービス提供方法。
【請求項13】
経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置される少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得し、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定し、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項14】
経路に沿って配置された複数のエリアに配置された複数のビーコン発信機と、
情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記複数のビーコン発信機のうち、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得し、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定し、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、サービス提供システム。
【請求項15】
前記複数のエリアの各々には、前記複数のビーコン発信機のうち、2つ以上のビーコン発信機を含むビーコングループが配置されており、
前記情報処理装置は、前記第1受信信号強度に基づいて、前記ビーコングループ毎の受信信号強度を示す第2受信信号強度を決定し、前記第2受信信号強度に基づいて、前記第1エリアを特定し、前記特定されたエリアに基づいて、前記エリア移動履歴を特定する、請求項14に記載のサービス提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、サービス提供方法、非一時的なコンピュータ可読媒体、及びサービス提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの位置情報を用いたサービスが検討されている(例えば、特許文献1及び2)。特許文献1には、ユーザの位置情報を含むユーザ状況に基づいて、ゲームのプレイ可否を判断することが開示されている。特許文献2には、携帯端末の位置に関連する関連コンテンツを、携帯端末の画面に表示するコンテンツ配信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2019/225115号
【文献】特開2012-160846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ユーザの位置情報を用いたサービスとして、例えば、ユーザの位置に応じたUX(User Experience)体験を提供するサービスが検討されている。しかし、ユーザの位置に応じたUX体験の場合、ユーザの移動状況に必ずしも即しない場合があり、ユーザの移動状況も考慮したUX体験を提供することが求められている。
【0005】
本開示の目的の1つは、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザの移動状況に応じたサービスを提供可能な情報処理装置、サービス提供方法、非一時的なコンピュータ可読媒体、及びサービス提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる情報処理装置は、
経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置される少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得する取得手段と、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定する特定手段と、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する制御手段と、を備える。
【0007】
本開示にかかるサービス提供方法は、
経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置される少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得し、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定し、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、サービス提供方法である。
【0008】
本開示にかかる非一時的なコンピュータ可読媒体は、
経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置される少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得し、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定し、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【0009】
本開示にかかるサービス提供システムは、
経路に沿って配置された複数のエリアに配置された複数のビーコン発信機と、
情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記複数のビーコン発信機のうち、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得し、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定し、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、サービス提供システムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ユーザの移動状況に応じたサービスを提供可能な情報処理装置、サービス提供方法、非一時的なコンピュータ可読媒体、及びサービス提供システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1にかかる情報処理装置の構成例を示す図である。
図2】実施の形態1にかかる情報処理装置の構成例を示すフローチャートである。
図3】実施の形態2にかかるサービス提供システムの構成例を示す図である。
図4】ビーコン発信機の配置例、及びエリアとビーコングループとの関係を説明するための図である。
図5】ビーコングループ決定処理を説明するための図である。
図6】エリア判定処理を説明するための図である。
図7】サービス提供処理を説明するための図である。
図8】サービス提供判定テーブルの一例を示す図である。
図9】実施の形態2にかかるサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
図10】実施の形態2にかかるサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
図11】実施の形態2にかかるサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
図12】実施の形態2にかかるサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
図13】実施の形態3にかかるサービス提供システムの構成例を示す図である。
図14】実施の形態にかかる通信装置等のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0013】
(実施の形態1)
図1を用いて、実施の形態1にかかる情報処理装置1の構成例について説明する。図1は、実施の形態1にかかる情報処理装置の構成例を示す図である。情報処理装置1は、サーバ装置であってもよく、通信端末であってもよい。情報処理装置1は、取得部2と、特定部3と、制御部4とを備える。
【0014】
取得部2は、経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置される少なくとも1つのビーコン発信機(不図示)から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得する。通信端末は、複数のビーコン発信機から送信されたビーコン信号を受信可能に構成され、複数のビーコン発信機のうち、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号を受信する。複数のビーコン発信機から送信されるビーコン信号は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)に対応した信号である。
【0015】
情報処理装置1がサーバ装置である場合、取得部2は、通信端末(不図示)が受信したビーコン信号の第1受信信号強度を通信端末から受信することで、第1受信信号強度を取得する。情報処理装置1が上記通信端末である場合、取得部2は、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号を受信し、第1受信信号強度を取得する。
【0016】
特定部3は、取得された第1受信信号強度に基づいて、経路に沿って配置された複数のエリアのうち通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、当該ユーザのエリア移動履歴とを特定する。エリア移動履歴は、通信端末を利用するユーザがどのエリアを移動してきたかを示す情報である。
制御部4は、特定された第1エリアと、特定されたエリア移動履歴とに基づいて、通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する。
【0017】
次に、図2を用いて、実施の形態1にかかる情報処理装置1の動作例について説明する。図2は、実施の形態1にかかる情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
取得部2は、経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置された少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得する(ステップS1)。
【0018】
特定部3は、取得した第1受信信号強度に基づいて、経路に沿って配置された複数のエリアのうち通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、当該ユーザのエリア移動履歴とを特定する(ステップS2)。
制御部4は、特定された第1エリアと、特定されたエリア移動履歴とに基づいて、通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する(ステップS3)。
【0019】
以上説明したように、情報処理装置1は、ビーコン信号の第1受信信号強度に基づいて、ユーザがいる第1エリアと、当該ユーザのエリア移動履歴とを特定し、第1エリア及びエリア移動履歴に基づいてサービス提供を行うか否かを決定する。換言すると、情報処理装置1は、ユーザがいるエリアだけでなく、ユーザがどのようにエリアを移動したかを示すエリア移動履歴を用いて、サービス提供を行うか否かを決定する。したがって、実施の形態1にかかる情報処理装置1によれば、ユーザの位置だけでなく、ユーザの移動状況に応じたサービスを提供できる。
【0020】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1を具体的にした実施の形態である。
<サービス提供システムの構成例>
図3を用いて、実施の形態2にかかるサービス提供システム100の構成例について説明する。図3は、実施の形態2にかかるサービス提供システムの構成例を示す図である。図3に示すように、サービス提供システム100は、ビーコン発信機10_1~10_N(N:5以上の整数)と、通信端末20と、サーバ装置30とを備える。なお、サービス提供システム100は、ビーコン発信機をN個備える構成としているが、少なくとも4つのビーコン発信機を備える構成であればよい。
【0021】
ビーコン発信機10_1~10_Nは、BLEに対応した信号であるビーコン信号を送信する。ビーコン発信機10_1~10_Nは、例えば、人が移動可能な経路に沿って配置されている。人が移動可能な経路は、屋内に設けられた経路であってもよく、屋外に設けられた経路であってもよい。当該経路には、連続的に複数のエリアが配置されている。なお、当該エリアは、ビーコン信号を検出することにより特定されるエリアであるため、ビーコン検出エリアと称されてもよい。
【0022】
ビーコン発信機10_1~10_Nの各々は、複数のエリアのうちいずれかのエリアに配置される。複数のエリアの各々には、ビーコン発信機10_1~10_Nのうち、重複しない2つ以上のビーコン発信機が配置され、当該2つ以上のビーコン発信機は、ビーコングループを形成する。つまり、複数のエリアが、経路に沿って設定されており、各エリアには、ビーコングループが配置されており、各ビーコングループは、2つ以上のビーコン発信機により形成される。
【0023】
ここで、図4を用いて、ビーコン発信機10_1~10_Nの配置例、及びエリアとビーコングループとの関係について説明する。図4は、ビーコン発信機の配置例、及びエリアとビーコングループとの関係を説明するための図である。図4は、上述した経路の一部を鉛直上方から見たときの概略図である。なお、図4では、説明を便宜的に行うために、ビーコン発信機10_1~10_4のみを図示しており、ビーコン発信機10_5~10_Nの図示は省略されている。
【0024】
図4に示すように、ビーコン発信機10_1~10_4は、経路Rに沿って配置される。経路Rには、エリア1及び2のように、経路Rに沿って複数のエリアが連続的に設定される。なお、図4では、エリア1及び2のみを図示しているが、エリア1及びエリア2の各々には、連続して隣接するエリアが設定されている。
【0025】
各エリアには、ビーコン発信機10_1~10_Nのうち、2つ以上のビーコン発信機が配置される。図4に示す一例では、エリア1には、ビーコン発信機10_1及び10_2が配置され、エリア2には、ビーコン発信機10_3及び10_4が配置されている。なお、図4では、各エリア(エリア1及びエリア2)には、2つのビーコン発信機が配置されているが、各エリアに、3つ以上のビーコン発信機が配置されてもよい。
【0026】
各エリアに配置されるビーコン発信機は、例えば、経路Rを挟んで対向して配置される。図4に示す一例では、エリア1に配置されるビーコン発信機10_1及び10_2は、経路Rを挟んで対向して配置され、ビーコン発信機10_1が、経路Rの側壁である壁W1に配置され、ビーコン発信機10_2が、経路Rの側壁である壁W2に配置される。同様に、エリア2に配置されるビーコン発信機10_3及び10_4は、経路Rを挟んで対向して配置され、ビーコン発信機10_3が、壁W1に配置され、ビーコン発信機10_2が、壁W2に配置される。このように、各エリアに配置されるビーコン発信機が経路Rを挟んで対向して配置される。そのため、例えば、通信端末20を利用するユーザUとビーコン発信機10_2との間に他のユーザがいた場合でも、ユーザUが利用する通信端末20は、ビーコン発信機10_1のビーコン信号を受信可能である。したがって、ユーザUとビーコン発信機10_2との間に他のユーザがいた場合でも、ユーザUが利用する通信端末20が受信したビーコン信号によりユーザUのいるエリアを高確率で特定できる。
【0027】
なお、図4では、各エリアに配置されるビーコン発信機は、経路Rの側壁である壁W1及びW2に配置されるとして説明したが、各エリアの中心線である線Cを基準に、対向して配置されればよい。そのため、各エリアに配置されるビーコン発信機は、例えば、経路Rの天井に配置されてもよく、経路Rの地上面に配置されてもよい。ビーコン発信機がこのように配置されても、各エリアに配置されるビーコン発信機からのビーコン信号により、ユーザUのいるエリアが高確率で特定可能となる。
【0028】
各エリアに配置されるビーコン発信機は、ビーコングループを形成する。図4に示すように、エリア1に配置されるビーコン発信機10_1及び10_2は、第1ビーコングループであるビーコングループ1を形成する。また、エリア2に配置されるビーコン発信機10_3及び10_4は、第2ビーコングループであるビーコングループ2を形成する。
【0029】
第1エリアに配置されるビーコン発信機、及び第2エリアに配置され、かつ当該ビーコン発信機と隣接して配置されるビーコン発信機は、例えば、数十cm以上離間して配置される。具体的には、エリア1に配置されるビーコン発信機10_1、及びエリア2に配置され、エリア1に配置されるビーコン発信機10_1と隣接するビーコン発信機10_3は、数十cm以上離間して配置される。同様に、ビーコン発信機10_2、及びビーコン発信機10_4も数十cm以上離間して配置される。なお、第1エリアに配置されるビーコン発信機、及び第2エリアに配置され、かつ当該ビーコン発信機と隣接して配置されるビーコン発信機の距離は、例えば、10mであってもよく、適宜調整可能である。
【0030】
図3に戻り、通信端末20について説明する。通信端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話等の通信端末である。通信端末20は、図4に示したユーザUが利用する通信端末である。通信端末20は、ネットワークNを介して、サーバ装置30と接続及び通信を行う。ネットワークNは、有線ネットワークでもよく、無線ネットワークでもよく、有線ネットワークと無線ネットワークとが組み合わされたネットワークでもよい。
【0031】
通信端末20は、ビーコン発信機10_1~10_Nから送信されたビーコン信号を受信可能に構成される。通信端末20は、ビーコン発信機10_1~10_Nから送信されたビーコン信号のうち、少なくとも1つのビーコン信号を受信する。通信端末20は、受信したビーコン信号から、当該ビーコン信号を送信したビーコン発信機の識別情報と、ビーコン信号の受信信号強度とを取得する。通信端末20は、取得した識別情報と、取得した受信信号強度とをサーバ装置30に送信する。また、通信端末20は、ビーコン信号を受信した時刻を取得し、取得した時刻もサーバ装置30に送信する。
【0032】
ビーコン発信機の識別情報は、ビーコン発信機を識別するビーコンID(Identifier)でもよく、ビーコン発信機を識別する識別番号でもよく、ビーコン発信機を識別する名称でもよい。ビーコンIDは、iBeacon(登録商標)で用いられる、UUID(Universally Unique Identifier)、Major、及びMinorの組み合わせにより構成されてもよい。また、受信信号強度は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)でもよく、RSRP(Reference Signal Received Power)でもよい。なお、以降の説明では、ビーコン発信機の識別情報は、ビーコンIDであり、受信信号強度は、RSSIであるとして説明する。
【0033】
サーバ装置30は、実施の形態1にかかる情報処理装置1に対応する。サーバ装置30は、通信端末20が受信したビーコン信号のビーコンID及びRSSIと、ビーコン信号を受信した時刻とを、通信端末20から受信することにより、通信端末20が受信したビーコン信号のビーコンID及びRSSIと、時刻とを取得する。サーバ装置30は、通信端末20から取得した、ビーコンID及びRSSIに基づいて、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアを特定する。
【0034】
サーバ装置30は、通信端末20を利用するユーザがいるエリア及び当該ユーザが過去にいたエリアをエリア移動履歴リストとして記憶し、エリア移動履歴リストに基づいてエリア移動履歴を特定する。サーバ装置30は、通信端末20を利用するユーザがいるエリアと、エリア移動履歴とに基づいて、通信端末20にサービス提供を行うか否かを決定する。なお、エリア移動履歴リストについては後述する。
【0035】
<サーバ装置の構成例>
次に、サーバ装置30の構成例について説明する。サーバ装置30は、取得部31と、特定部32と、制御部33と、記憶部34とを備える。
【0036】
取得部31は、通信部としても機能し、ネットワークNを介して、通信端末20と接続及び通信を行う。取得部31は、通信端末20が受信したビーコン信号に関する情報を通信端末20から取得する。取得部31は、ビーコン発信機10_1~10_Nのうち、通信端末20が受信した、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末20におけるRSSIを通信端末20から受信することで、当該RSSIを取得する。取得部31は、通信端末20が受信した、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の送信元のビーコン発信機を識別するビーコンIDを通信端末20から受信することで、当該ビーコンIDを取得する。取得部31は、通信端末20がビーコン信号を受信した時刻を通信端末20から取得する。
【0037】
特定部32は、取得部31が取得した、ビーコンID及びRSSIに基づいて、図4に示した経路Rに沿って配置された複数のエリアのうち、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアを特定する。特定部32は、ユーザUがいるエリア、及びユーザUがいたエリアに基づいて、ユーザUのエリア移動履歴を特定する。エリア移動履歴は、通信端末20を利用するユーザUがどのエリアを移動してきたかを示す情報である。特定部32は、ユーザUが、どのエリアからどのエリアに移動したのかを特定する。特定部32は、ビーコン受信履歴リスト更新処理、ビーコングループ決定処理、及びエリア判定処理を行うことにより、ユーザUがいるエリア、及びエリア移動履歴を特定する。
【0038】
<ビーコン受信履歴リスト更新処理>
特定部32は、取得部31が、ビーコン信号に関する情報を通信端末20から取得すると、取得されたビーコン信号に関する情報に基づいて、ビーコン受信履歴リスト更新処理を行う。特定部32は、取得部31が、ビーコンID、RSSI及び時刻を通信端末20から取得すると、ビーコン受信履歴リスト更新処理を行う。特定部32は、取得部31が取得した、ビーコンID、RSSI及び時刻と、後述する記憶部34に記憶されたビーコン受信履歴リストとを用いて、ビーコン受信履歴リスト更新処理を行う。
【0039】
特定部32は、取得部31が取得したビーコンID及びRSSIのビーコン信号が判定対象のビーコン信号であるかを判定する。そして、取得部31が取得したビーコンID及びRSSIのビーコン信号が判定対象のビーコン信号である場合、特定部32は、ビーコン受信履歴リストを更新する。
【0040】
ビーコン受信履歴リストは、通信端末20が受信したビーコン信号であって、取得部31が、通信端末20から取得したビーコン信号の受信履歴を管理するリストである。ビーコン受信履歴リストには、ビーコンIDと、タイムスタンプと、Raw RSSIと、補正済みRSSIとが対応付けて設定される。
【0041】
ビーコンIDには、通信端末20が受信したビーコン信号の送信元のビーコン発信機のビーコンIDであって、取得部31が、通信端末20から取得したビーコンIDが設定される。
【0042】
タイムスタンプには、ビーコンIDが割り当てられたビーコン発信機から送信されたビーコン信号が通信端末20において受信された時刻が設定され、取得部31が通信端末20から取得した時刻が設定される。
【0043】
Raw RSSIには、ビーコンIDが割り当てられたビーコン発信機から送信されたビーコン信号のRSSIであって、通信端末20が受信したときのRSSIが設定される。
補正済みRSSIには、Raw RSSIに設定されたRSSIが補正されたRSSIが設定される。
【0044】
特定部32は、取得部31がビーコンID及びRSSIを通信端末20から取得した場合、ビーコン受信履歴リストを確認する。特定部32は、取得されたビーコンIDのビーコン発信機から送信されたビーコン信号が、ビーコン判定時間である、現在時刻からX秒(X:1以上の整数)前までの時間に受信されたかを判定する。取得されたビーコンIDが割り当てられたビーコン発信機から送信されたビーコン信号が、ビーコン判定時間に受信されていた場合、特定部32は、当該ビーコン信号が判定対象のビーコン信号であると判定する。
【0045】
特定部32は、取得部31が取得したビーコンIDに対応するビーコン信号が判定対象のビーコン信号である場合、取得部31が取得したRSSIを補正し、補正されたRSSIを算出する。特定部32は、メディアンフィルタを用いて、取得されたビーコンIDのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の過去数回分のRSSIの中央値を算出する。特定部32は、メディアンフィルタを用いた計算を行うことにより、大きなノイズが除去されたRSSIを算出する。特定部32は、調整済みのカットオフ周波数、調整済みの時定数及び調整済みのサンプリング周波数が設定されたローパスフィルタを用いて、さらに補正されたRSSIを算出する。特定部32は、ローパスフィルタを用いて、メディアンフィルタを用いて算出されたRSSIをさらに補正することにより、細かいノイズが除去されたRSSIを算出する。特定部32は、メディアンフィルタ及びローパスフィルタを用いて算出されたRSSIを、補正されたRSSIとする。
【0046】
特定部32は、通信端末20が受信したビーコン信号に関する情報であって、取得部31が通信端末20から取得したビーコン信号に関する情報をビーコン受信履歴リストに追加する。特定部32は、取得部31が取得した、ビーコンID、タイムスタンプ、RSSI、及び算出されたRSSIをビーコン受信履歴リストに追加し、ビーコン受信履歴リストを更新する。特定部32は、取得部31が取得したビーコンIDを、ビーコン受信履歴リストのビーコンIDに設定する。特定部32は、取得部31が取得した時刻を、ビーコン受信履歴リストのタイムスタンプに設定する。特定部32は、取得部31が取得したRSSIを、ビーコン受信履歴リストのRaw RSSIに設定する。特定部32は、メディアンフィルタ及びローパスフィルタを用いて算出されたRSSIを、ビーコン受信履歴リストの補正済みRSSIに設定する。
【0047】
<ビーコングループ決定処理>
特定部32は、ビーコン受信履歴リスト更新処理を行った後、ビーコン受信履歴リストを用いて、RSSIが最も強いビーコングループを決定するビーコングループ決定処理を行う。なお、以降の説明において、「ビーコングループ決定処理」を、単に「決定処理」として記載することがある。
【0048】
特定部32は、ビーコン受信履歴リストを用いて、ビーコングループ毎のRSSIを算出し、ビーコングループ毎のRSSIに基づいて、ビーコングループ毎のRSSIが最も強いビーコングループを決定する。
【0049】
ここで、図5を用いて、ビーコングループ決定処理について説明する。図5は、ビーコングループ決定処理を説明するための図である。特定部32は、ビーコングループ決定処理において、図5の左から順に処理を行うことにより、RSSIが最も強いビーコングループを決定する。
【0050】
特定部32は、ビーコン受信履歴リストを用いて、RSSI判定時間における各ビーコン発信機のRSSIを取得する。具体的には、特定部32は、ビーコン受信履歴リストのタイムスタンプが、RSSI判定時間である、現在からY秒(Y:1以上の整数)前までの間に含まれるビーコンID及び補正済みRSSIをビーコン受信履歴リストから取得する。特定部32は、ビーコンID毎に、補正済みRSSIの最大値を取得し、各ビーコン発信機のRSSIとして決定する。なお、RSSI判定時間は、B秒(B:0.1以上の小数)から(B+Y)秒前までの時間であってもよい。
【0051】
ここで、RSSI判定時間である、現在からY秒前までの時間に、通信端末20において、全てのビーコン発信機からのビーコン信号が連続して受信されないことも想定される。そのため、特定部32は、各ビーコン発信機について、RSSI判定時間である、現在からY秒前までの時間において、当該ビーコン発信機からのビーコン信号の受信回数を計数する。そして、特定部32は、RSSI判定時間における受信回数が受信回数閾値未満であるビーコン発信機のRSSIの値を、ダミーのRSSIの値とする。
【0052】
具体的には、特定部32は、ビーコン受信履歴リストのタイムスタンプが、RSSI判定時間である、現在からY秒前までの間に含まれるビーコンID及び補正済みRSSIをビーコン受信履歴リストから取得する。特定部32は、取得されたビーコンIDの数又は取得された補正済みRSSIの数を、ビーコン信号の受信回数として計数する。特定部32は、RSSI判定時間において、受信回数が受信回数閾値未満であるビーコンIDに対応するビーコン発信機のRSSIの値を、ダミーのRSSIの値とする。ダミーのRSSIの値は、通信端末20がビーコン信号を認識できるRSSIの最低値であってもよいし、例えば、-100dBmのように、通常取得されるRSSIよりも低い値としてもよい。
【0053】
次に、特定部32は、ビーコングループ毎に、ビーコングループに含まれるビーコン発信機のRSSIの平均値を算出し、ビーコングループ毎のRSSIとして算出する。特定部32は、ビーコングループ毎のRSSIを比較し、比較結果に基づいて、RSSIが最も強いビーコングループとして決定する。つまり、特定部32は、RSSI判定時間である、現在からY秒前までの間に、通信端末20が受信したビーコン信号のRSSIに基づいて、RSSIが最も強いビーコングループを決定する。
【0054】
ここで、RSSIが最も強いビーコングループが、通信端末20が実際にいるエリアから遠いエリアに配置されたビーコングループとなってしまうことも想定される。そのため、特定部32は、RSSIが最も強いビーコングループのRSSIが、RSSI閾値以上であるか否かを判定する。RSSIが最も強いビーコングループのRSSIが、RSSI閾値以上である場合、特定部32は、決定したビーコングループを、RSSIが最も強いビーコングループとして確定する。特定部32は、RSSIが最も強いビーコングループを決定すると、ビーコングループ履歴リストを更新する。
【0055】
ビーコングループ履歴リストは、RSSIが最も強いビーコングループを履歴として管理するリストである。ビーコングループ履歴リストには、ビーコングループと、初回タイムスタンプと、最新タイムスタンプとが対応付けて設定される。
【0056】
ビーコングループには、特定部32が決定した、RSSIが最も強いビーコングループが、前回の決定処理で決定されたビーコングループと異なる場合、特定部32が決定したビーコングループを特定する情報が設定される。ビーコングループを特定する情報は、ビーコングループの番号でもよく、ビーコングループを特定するIDでもよい。
【0057】
初回タイムスタンプには、特定部32が決定した、RSSIが最も強いビーコングループが、前回の決定処理で決定されたビーコングループと異なる場合、ビーコングループ決定処理が行われた時刻が設定される。
【0058】
最新タイムスタンプには、特定部32が決定した、RSSIが最も強いビーコングループが、前回の決定処理で決定されたビーコングループと同じである場合、決定処理が行われた時刻が設定される。
【0059】
特定部32は、決定したビーコングループが、前回の決定処理において決定されたビーコングループと異なる場合、ビーコングループ履歴リストのビーコングループに、決定したビーコングループを設定する。さらに、特定部32は、ビーコングループ履歴リストの初回タイムスタンプに、決定処理が行われた時刻を設定する。一方、特定部32は、決定したビーコングループが、前回の決定処理において決定されたビーコングループと同じである場合、ビーコングループ履歴リストの最新タイムスタンプに、決定処理が行われた時刻を設定する。
【0060】
<エリア判定処理>
特定部32は、ビーコングループ履歴リストを用いて、ユーザUがいるエリアを判定し、エリア移動履歴を特定するための判定処理を行う。特定部32は、ビーコン受信履歴リスト更新処理、及びビーコングループの決定処理と非同期にエリア判定処理を実行してもよい。もしくは、特定部32は、ビーコン受信履歴リスト更新処理、及びビーコングループ決定処理と同期してエリア判定処理を実行してもよい。
【0061】
図6を用いて、エリア判定処理を説明する。図6は、エリア判定処理を説明するための図である。特定部32は、ビーコングループ履歴リストのビーコングループ、初回タイムスタンプ及び最新タイムスタンプに基づいて、図6に示すようなタイムチャートを作成する。例えば、ビーコングループ履歴リストのビーコングループに、ビーコングループ1が設定され、初回タイムスタンプに、現在より2秒前の時刻が設定され、最新タイムスタンプに、現在より1.2秒前の時刻が設定されているとする。この場合、特定部32は、図6に示すように、現在時刻(0s)から2秒前(-2.0s)の時刻~現在時刻から1.2秒前(-1.2s)の時刻に、ビーコングループ1を設定する。このように、特定部32は、ビーコングループ履歴リストに基づいて、図6に示すタイムチャートを作成する。
【0062】
特定部32は、現在時刻からZ秒(Z:1以上の整数)前までの時間をグループ判定時間として、グループ判定時間において、各ビーコングループがどの位の時間を占めるかを算出する。特定部32は、グループ判定時間に対する算出時間の割合が閾値を超過するビーコングループを決定する。特定部32は、決定されたビーコングループに対応するエリアを、ユーザUがいるエリアと特定する。なお、判定時間は、C秒(C:0.1以上の小数)から(C+Z)秒前までの時間としてもよい。
【0063】
図6に示す一例では、グループ判定時間が1秒であり、閾値が80%とした場合を図示しており、ビーコングループ2が占める時間は、点線で囲まれたグループ判定時間に対して、閾値である80%を超えている。そのため、特定部32は、ビーコングループ2に対応するエリア2を、ユーザUがいるエリアとして特定する。
【0064】
ここで、初回タイムスタンプと、最新タイムスタンプとの間の時間は、ビーコングループ毎のRSSIが最も強いビーコングループが変更されるまでの継続時間と言える。そのため、特定部32は、継続時間に基づきユーザUがいるエリアを決定するとも言え、以下のようにも説明できる。特定部32は、ビーコングループ履歴リストの初回タイムスタンプと、最新タイムスタンプとに基づいて、ビーコングループ毎のRSSIが最も強いビーコングループが変更されるまでの継続時間を算出する。特定部32は、RSSIが最も強いビーコングループと判定されたビーコングループの各々について、グループ判定時間である、現在時刻からZ秒前までの時間における継続時間の合計時間を算出する。特定部32は、グループ判定時間に対する合計時間の割合が閾値を超過するビーコングループを決定する。特定部32は、決定したビーコングループに対応するエリアを、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアと特定する。
【0065】
また、グループ判定時間に対する合計時間の割合は、RSSIが最も強いビーコングループがどの程度安定しているかを示す安定度を示すとも言える。そのため、グループ判定時間に対する合計時間の割合は、安定度と称されてもよい。また、グループ判定時間は、安定度を判定するための判定時間とも言えるため、安定度判定時間と称されてもよい。さらに、上記閾値は、安定度を判定するための閾値であるため、安定度閾値と称されてもよい。つまり、特定部32は、ビーコングループ履歴リストに基づいて、安定度判定時間において、各ビーコングループの安定度を算出し、当該安定度と安定度閾値とに基づいて、ユーザUがいるエリアを特定するとも言える。なお、以降の説明において、グループ判定時間を安定度判定時間とし、安定度判定時間に対する合計時間の割合を安定度とし、上記閾値を安定度閾値として記載することがある。
【0066】
図3に戻り、特定部32の説明を続ける。特定部32は、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアを特定すると、特定されたエリアに基づいて、エリア移動履歴を特定する。特定部32は、後述するエリア移動履歴リストを用いて、通信端末20を利用するユーザUのエリア移動履歴を特定する。エリア移動履歴リストは、通信端末20を利用するユーザUがいるエリア、又は当該ユーザUがいたエリアを管理するリストである。
【0067】
特定部32は、エリア判定処理を行う前の通信端末20を利用するユーザUがいるエリアと、エリア判定処理を行うことにより特定されたエリアとを比較する。つまり、特定部32は、エリア判定処理前後のエリアを比較する。当該2つのエリアが一致しない場合、特定部32は、通信端末20を利用するユーザUが、エリアを移動したことを判断し、移動後のエリアをエリア移動履歴リストに追加して、エリア移動履歴リストを更新する。特定部32は、エリア移動履歴リストに設定されたエリアの追加順を確認することにより、通信端末20を利用するユーザUのエリア移動履歴を特定する。
【0068】
なお、特定部32は、エリア移動履歴リストを用いず、通信端末20を利用するユーザUがエリアを移動した場合、移動前のエリアと、移動後のエリアとを保持することで、エリア移動履歴を特定してもよい。
【0069】
制御部33は、通信部としても機能し、ネットワークNを介して、通信端末20と接続及び通信を行う。制御部33は、特定部32が特定した、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアと、エリア移動履歴とに基づいて、通信端末20にサービス提供を行うか否かを決定する。制御部33は、エリア移動履歴に基づいて、通信端末20を利用するユーザUの移動方向を決定する。制御部33は、決定した移動方向と、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアとに基づいて、通信端末20にサービス提供を行うか否かを決定する。制御部33は、通信端末20にサービス提供を行うことを決定した場合、移動方向に応じたサービスを通信端末20に提供する。通信端末20に提供されるサービスは、音声サービス、広告サービス、映像サービス、チャットボット等の対話サービス、電子スタンプ等であってもよい。
【0070】
ここで、図7を用いて、制御部33が行うサービス提供処理について説明する。図7は、サービス提供処理を説明するための図である。図7は、図4に対応した図であり、経路Rを鉛直上方から見たときの図である。図7には、通信端末20を利用するユーザUが、エリア1からエリア2に移動していることを示すケース1と、当該ユーザUがエリア2からエリア1に移動していることを示すケース2とを図示している。なお、図7では、通信端末20の図示を省略している。
【0071】
<ケース1>
例えば、移動方向がエリア1からエリア2である場合、かつエリア2にユーザUがいる場合に音声サービスを提供するという条件が定義されているとする。この場合、通信端末20を利用するユーザUが、エリア2にいると特定され、エリア移動履歴に基づき、ユーザUの移動方向がエリア1からエリア2であることが特定された場合、制御部33は、ユーザUに対してサービス提供を行うことを決定する。制御部33は、ケース1の上記条件に合致した音声サービスを提供する。
【0072】
<ケース2>
例えば、移動方向がエリア2からエリア1である場合、かつエリア1にユーザUがいる場合に音声サービスを提供するという条件が定義されているとする。この場合、通信端末20を利用するユーザUが、エリア1にいると特定され、エリア移動履歴に基づき、ユーザUの移動方向がエリア2からエリア1であることが特定された場合、制御部33は、ユーザUに対してサービス提供を行うことを決定する。制御部33は、ケース2の上記条件に合致した音声サービスを提供する。
【0073】
なお、ケース1及び2では、サービスを提供するための条件を用いて説明したが、ケース1又はケース2で用いられる条件が、サービスを提供しないことを決定するための条件でもよい。また、ケース1及びケース2では、音声サービスを提供することとして説明したが、例えば、映像サービス等の異なるサービスが提供されてもよい。さらに、ケース1及びケース2で異なるサービスが提供されてもよく、同一のサービスが提供されてもよい。
【0074】
図3に戻り、制御部33の説明を続ける。制御部33は、例えば、サービス提供判定テーブルT1を用いて、サービス提供を行うか否かを判定し、提供するサービスを決定する。
ここで、図8を用いて、サービス提供判定テーブルT1の一例について説明する。図8は、サービス提供判定テーブルの一例を示す図である。図8に示す一例では、サービス提供判定テーブルT1は、対象エリアと、移動方向と、サービス提供有無と、提供サービスとが設定される。
【0075】
対象エリアには、サービス提供を行うか否かの制御がトリガされるエリアが設定される。
移動方向には、サービス提供を行うか否かの制御がトリガされるため移動方向が設定される。また、移動方向には、提供されるサービスに関連する移動方向が設定される。
【0076】
サービス提供有無には、サービス提供判定テーブルT1の対象エリア及び移動方向と、ユーザUがいるエリア及びユーザUの移動方向とが一致した場合、制御部33が、サービス提供を行うか否かを決定するための情報が設定される。サービス提供に「有」が設定されている場合であって、サービス提供判定テーブルT1の対象エリア及び移動方向と、ユーザUがいるエリア及びユーザUの移動方向とが一致した場合、制御部33は、サービス提供を行うことを決定する。サービス提供に「無」が設定されている場合であって、サービス提供判定テーブルT1の対象エリア及び移動方向と、ユーザUがいるエリア及びユーザUの移動方向とが一致した場合、制御部33は、サービス提供を行わないことを決定する。
【0077】
提供サービスには、サービス提供がされる場合、ユーザUが利用する通信端末20に提供されるサービスが設定される。なお、サービス提供有無が「無」の場合、提供サービスがないことを示す情報が設定されてもよい。
【0078】
制御部33は、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアが、サービス提供判定テーブルT1の対象エリアに含まれているか否かを、サービス提供判定テーブルT1の対象エリアを検索することにより判断する。ユーザUがいるエリアと一致するエリアが、サービス提供判定テーブルT1の対象エリアに設定されている場合、制御部33は、決定した移動方向と一致する移動方向が、サービス提供判定テーブルT1の移動方向に設定されているか検索する。決定した移動方向と一致する移動方向がサービス提供判定テーブルT1の移動方向に設定されている場合、制御部33は、サービス提供判定テーブルT1のサービス提供有無を確認し、サービス提供を行うか否かを決定する。サービス提供判定テーブルT1のサービス提供有無に「有」が設定されている場合、制御部33は、サービス提供を行うことを決定する。サービス提供判定テーブルT1のサービス提供有無に「無」が設定されている場合、制御部33は、サービス提供を行わないことを決定する。制御部33は、サービス提供を行うことを決定した場合、サービス提供判定テーブルT1の提供サービスに設定されたサービスを通信端末20に提供する。
【0079】
記憶部34は、ビーコン受信履歴リスト、ビーコングループ履歴リスト、エリア移動履歴リスト、及びサービス提供判定テーブルT1を記憶する。また、記憶部34は、通信端末20に提供され得るサービスに応じたコンテンツを記憶する。
【0080】
<サーバ装置の動作例>
次に、図9図12を用いて、実施の形態2にかかるサーバ装置30の動作例について説明する。図9図12は、実施の形態2にかかるサーバ装置の動作例を示すフローチャートである。
【0081】
まず、図9を用いて、サーバ装置30の全体動作について説明する。図9は、通信端末20が、ビーコン発信機10_1~10_Nのいずれかからビーコン信号を受信した場合に実行される。
【0082】
取得部31は、通信端末20が受信したビーコン信号に関する情報を通信端末20から取得する(ステップS11)。取得部31は、ビーコン発信機10_1~10_Nのうち、通信端末20が受信した、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末20におけるRSSIを通信端末20から取得する。取得部31は、通信端末20が受信した、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の送信元のビーコン発信機を識別するビーコンIDを通信端末20から取得する。取得部31は、通信端末20がビーコン信号を受信した時刻を通信端末20から取得する。
【0083】
特定部32は、ビーコン受信履歴リスト更新処理を行い(ステップS12)、エリア判定処理を行う(ステップS13)。特定部32は、エリア判定処理を行うことにより、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアを特定し、ユーザUがいるエリアに基づいて、エリア移動履歴を特定する。ビーコン受信履歴リスト更新処理、及びエリア判定処理の詳細な動作例については後述する。
【0084】
なお、図9では、エリア判定処理は、ビーコン受信履歴リスト更新処理の後に実行されることとして記載しているが、エリア判定処理が、ビーコン受信履歴リスト更新処理の後に実行されなくてもよい。換言すると、エリア判定処理は、ビーコン受信履歴リスト更新処理と非同期で行われてもよい。
【0085】
制御部33は、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアと、エリア移動履歴とに基づいて、通信端末20にサービス提供を行うか否かを判定する(ステップS14)。制御部33は、エリア移動履歴に基づいて、通信端末20を利用するユーザUの移動方向を決定する。制御部33は、決定した移動方向と、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアとに基づいて、通信端末20にサービス提供を行うか否かを決定する。
【0086】
制御部33は、通信端末20にサービス提供を行う場合(ステップS14のYES)、移動方向に応じたサービスを通信端末20に提供する(ステップS15)。
一方、制御部33は、通信端末20にサービス提供を行わない場合(ステップS14のNO)、動作を終了する。
【0087】
次に、図10を用いて、図9のステップS12において実行されるビーコン受信履歴リスト更新処理について説明する。特定部32は、通信端末20が受信したビーコン信号に関する情報に基づいて、ビーコン受信履歴リスト更新処理を行う。
【0088】
特定部32は、取得部31が取得したビーコンID及びRSSIのビーコン信号が判定対象のビーコン信号であるかを判定する。(ステップS121)。特定部32は、取得部31がビーコンID及びRSSIを通信端末20から取得した場合、ビーコン受信履歴リストを確認し、取得されたビーコンIDのビーコン発信機から送信されたビーコン信号が、ビーコン判定時間に受信されたかを判定する。
【0089】
特定部32が判定対象のビーコン信号と判定した場合(ステップS121のYES)、特定部32は、取得部31が取得したRSSIを補正する(ステップS122)。取得されたビーコンIDが割り当てられたビーコン発信機から送信されたビーコン信号が、ビーコン判定時間に受信されていた場合、特定部32は、当該ビーコン信号が判定対象のビーコン信号であると判定する。特定部32は、取得部31が取得したビーコンIDに対応するビーコン信号が判定対象のビーコン信号である場合、取得部31が取得したRSSIを、メディアンフィルタ及びローパスフィルタを用いて補正する。
【0090】
特定部32は、通信端末20が受信したビーコン信号に関する情報であって、取得部31が通信端末20から取得したビーコン信号に関する情報をビーコン受信履歴リストに追加する(ステップS123)。特定部32は、取得部31が取得したビーコンIDを、ビーコン受信履歴リストのビーコンIDに設定する。特定部32は、取得部31が取得した時刻を、ビーコン受信履歴リストのタイムスタンプに設定する。特定部32は、取得部31が取得したRSSIを、ビーコン受信履歴リストのRaw RSSIに設定する。特定部32は、メディアンフィルタ及びローパスフィルタを用いて算出されたRSSIを、ビーコン受信履歴リストの補正済みRSSIに設定する。
【0091】
特定部32は、ビーコン受信履歴リストを用いて、RSSIが最も強いビーコングループを決定するビーコングループ決定処理を行う(ステップS124)。
一方、特定部32が判定対象のビーコン信号と判定しない場合(ステップS121のNO)、サーバ装置30は、動作を終了する。
【0092】
次に、図11を用いて、図10のステップS124において行われるビーコングループ決定処理について説明する。
特定部32は、ビーコン受信履歴リストを用いて、RSSI判定時間における各ビーコン発信機のRSSIを取得し、各ビーコン発信機のRSSIを決定する(ステップS1241)。
【0093】
特定部32は、ビーコン受信履歴リストのタイムスタンプが、RSSI判定時間である、現在からY秒前までの間に含まれるビーコンID及び補正済みRSSIをビーコン受信履歴リストから取得する。特定部32は、ビーコンID毎に、補正済みRSSIの最大値を取得し、各ビーコン発信機のRSSIとして決定する。また、特定部32は、各ビーコン発信機について、RSSI判定時間である、現在からY秒前までの時間において、当該ビーコン発信機からのビーコン信号の受信回数を計数する。特定部32は、RSSI判定時間における受信回数が受信回数閾値未満であるビーコン発信機のRSSIの値を、ダミーのRSSIの値とする。
【0094】
特定部32は、各ビーコン発信機のRSSIに基づいて、ビーコングループのRSSIを算出する(ステップS1242)。特定部32は、ビーコングループ毎に、ビーコングループに含まれるビーコン発信機のRSSIの平均値を算出し、ビーコングループ毎のRSSIとして算出する。
【0095】
特定部32は、RSSIが最も強いビーコングループを決定する(ステップS1243)。特定部32は、ビーコングループ毎のRSSIを比較し、比較結果に基づいて、RSSIが最も強いビーコングループとして決定する。
【0096】
特定部32は、ステップS1243において決定されたビーコングループのビーコングループ毎のRSSIが、RSSI閾値以上であるかを判定する(ステップS1244)。
RSSIが最も強いビーコングループのRSSIが、RSSI閾値未満である場合(ステップS1244のNO)、サーバ装置30は、動作を終了する。
【0097】
一方、RSSIが最も強いビーコングループのRSSIが、RSSI閾値以上である場合(ステップS1244のYES)、特定部32は、決定されたビーコングループが、前回決定されたビーコングループと異なるか否かを判定する(ステップS1245)。特定部32は、決定したビーコングループが、前回のビーコングループ決定処理において決定されたビーコングループと異なるか否かを判定する。
【0098】
決定されたビーコングループが、前回決定されたビーコングループと異なる場合(ステップS1245のYES)、特定部32は、ビーコングループ履歴リストに、決定したビーコングループを追加する(ステップS1246)。特定部32は、決定したビーコングループが、前回の決定処理において決定されたビーコングループと異なる場合、ビーコングループ履歴リストのビーコングループに、決定したビーコングループを設定する。さらに、特定部32は、ビーコングループ履歴リストの初回タイムスタンプに、決定処理が行われた時刻を設定する。
【0099】
一方、決定されたビーコングループが、前回決定されたビーコングループと同じである場合(ステップS1245のNO)、特定部32は、ビーコングループ履歴リストの最新タイムスタンプを更新する(ステップS1247)。特定部32は、決定したビーコングループが、前回の決定処理において決定されたビーコングループと同じである場合、ビーコングループ履歴リストの最新タイムスタンプに、決定処理が行われた時刻を設定する。
【0100】
次に、図12を用いて、図9のステップS13において実行されるエリア判定処理について説明する。なお、エリア判定処理は、ビーコン受信履歴リスト更新処理と非同期で行われてもよく、周期的に実行されてもよい。
【0101】
特定部32は、安定度判定時間における各ビーコングループの安定度を算出する(ステップS131)。特定部32は、ビーコングループ履歴リストの初回タイムスタンプと、最新タイムスタンプとに基づいて、ビーコングループ毎のRSSIが最も強いビーコングループが変更されるまでの継続時間を算出する。特定部32は、RSSIが最も強いビーコングループと判定されたビーコングループの各々について、安定度判定時間における継続時間の合計時間を算出する。特定部32は、安定度判定時間に対する合計時間の割合を、安定度判定時間における各ビーコングループの安定度として算出する。
【0102】
特定部32は、算出した安定度が安定度閾値を超過するビーコングループを決定する(ステップS132)。特定部32は、算出した安定度と、安定度閾値とを比較し、安定度が安定度閾値を超過するビーコングループを決定する。
【0103】
特定部32は、決定したビーコングループに基づいて、ユーザUがいるエリアを特定する(ステップS133)。特定部32は、決定したビーコングループが配置されるエリアを特定し、特定したエリアを、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアとして特定する。
【0104】
特定部32は、決定したビーコングループに対応するエリアが前回決定時のエリアと異なるか否かを判定する(ステップS134)。特定部32は、決定したビーコングループが配置されるエリアを特定し、前回行われたエリア判定処理において決定されたビーコングループが配置されるエリアと異なるか否かを判定する。
【0105】
決定したビーコングループに対応するエリアが前回決定時のエリアと異なる場合(ステップS134のYES)、特定部32は、ユーザのエリア移動履歴を特定する(ステップS135)。特定部32は、決定したビーコングループに対応するエリアが前回決定時のエリアと異なる場合、ステップS132において特定したエリアをエリア移動履歴リストに追加する。特定部32は、エリア移動履歴リストに基づいて、通信端末20を利用するユーザUのエリア移動履歴を特定する。
【0106】
一方、決定したビーコングループに対応するエリアが前回決定時のエリアと同じである場合(ステップS134のNO)、サーバ装置30は、エリア判定処理を終了する。
【0107】
以上説明したように、サーバ装置30は、通信端末20が受信したビーコン信号に関する情報に基づいて、通信端末20を利用するユーザUがいるエリアを特定する。サーバ装置30は、特定したエリアが、前回のエリア判定処理において特定されたエリアと異なる場合、エリア移動履歴を更新し、通信端末20を利用するユーザUのエリア移動履歴を特定する。サーバ装置30は、ユーザUがいるエリアと、エリア移動履歴とに基づいて、サービス提供を行うか否かを決定する。エリア移動履歴は、ユーザの移動状況を示す情報とも言える。したがって、実施の形態2にかかるサーバ装置30によれば、ユーザの位置だけでなく、ユーザの移動状況に応じてサービスを提供できる。
【0108】
また、サーバ装置30は、エリア移動履歴に基づいて、ユーザUの移動方向を決定し、ユーザUがいるエリアと、ユーザUの移動方向とに基づいて、サービス提供を行う場合、提供するサービスを決定し、通信端末20に決定したサービスを提供する。したがって、実施の形態2にかかるサーバ装置30によれば、ユーザの移動状況に応じたサービスを提供できる。
【0109】
(変形例1)
実施の形態2では、制御部33は、通信端末20を利用するユーザUがいる位置と、ユーザUの移動方向とに応じたサービスを提供することで説明したが、経路Rの状況も考慮してサービス提供を行うようにしてもよい。制御部33は、ユーザUがエリア1からエリア2に移動したときにサービス提供を行う場合であって、ユーザUの移動方向に向かって経路Rが分岐している場合、経路Rが分岐した場合のサービスを通信端末20に提供してもよい。この場合、制御部33は、ユーザUの移動方向に向かって、移動可能な候補となるエリアの情報を保持することで実現できる。このようにすれば、サーバ装置30は、ユーザの移動状況だけでなく、経路Rの状況も考慮したサービスを提供できる。換言すると、サーバ装置30は、ユーザの移動状況だけでなく、ユーザがいるエリアの状況も考慮したサービスを提供できる。
【0110】
(変形例2)
実施の形態2では、制御部33は、通信端末20を利用するユーザUがいる位置と、ユーザUの移動方向とに応じたサービスを提供することで説明したが、ユーザUが移動したエリアに応じたサービスを提供してもよい。具体的には、制御部33は、エリア移動履歴リストに基づいて、通信端末20を利用するユーザUが移動したエリアを特定し、ユーザUの移動前後のエリアの組み合わせに応じてサービスを変更してもよい。
【0111】
例えば、エリア1にユーザUがいる場合にサービスが提供される場合、制御部33は、ユーザUがエリア1にいることを特定する。さらに、制御部33は、エリア移動履歴リストに基づいて、ユーザUがエリア1の前にいたエリアも特定する。制御部33は、ユーザU1がエリア1の前にエリア2にいた場合、第1のサービスを提供し、ユーザUがエリア1の前にエリア3にいた場合、第2のサービスを提供するようにしてもよい。このように、制御部33は、通信端末20を利用するユーザUがいる位置だけでなく、ユーザUが移動してきたエリアの組み合わせに応じたサービスを提供してもよい。このようにすれば、サーバ装置30は、実施の形態2よりも、ユーザUの移動状況をさらに考慮したサービスを提供できる。
【0112】
(変形例3)
実施の形態2では、制御部33は、ユーザUがいるエリアと移動方向とに基づいて、サービス提供有無と、提供サービスとを決定することとした。制御部33は、ユーザUの移動方向を決定せずに、ユーザUがいるエリアと、エリア移動履歴とに基づいてサービス提供有無と、提供サービスとを決定してもよい。例えば、ユーザUが、エリア1、エリア2、及びエリア3の順で移動した場合に、制御部33は、第1のサービスを提供し、ユーザUが、エリア1、エリア3、及びエリア2の順で移動した場合に、制御部33は、第2のサービスを提供するようにしてもよい。この場合、図8に示した、サービス提供可否判定テーブルT1の移動方向をエリア移動履歴に置き換えることで実現できる。このように、サーバ装置30は、サービス提供有無の条件に、エリア移動履歴を用いることにより、実施の形態2よりも、ユーザUの移動状況をより考慮したサービス提供を行うことができ、通信端末20に提供するサービスもより柔軟に設定できる。
【0113】
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。実施の形態2は、サーバ装置30が、通信端末20に対するサービス提供有無を決定する構成であったが、本実施の形態では、通信端末が、通信端末に対するサービス提供有無を決定する。実施の形態3は、基本的に実施の形態2と同様であるため、共通する説明は適宜割愛する。なお、実施の形態2の変形例1~3が、本実施の形態に適用されてもよい。
【0114】
<サービス提供システムの構成例>
図13を用いて、実施の形態3にかかるサービス提供システム200の構成例について説明する。図13は、実施の形態3にかかるサービス提供システムの構成例を示す図である。サービス提供システム200は、ビーコン発信機10_1~10_Nと、通信端末40とを備える。
【0115】
サービス提供システム200は、実施の形態2にかかる通信端末20が通信端末40に置き換わった構成である。また、サービス提供システム200は、実施の形態2にかかるサーバ装置30を備えない構成であり、実施の形態2にかかるサーバ装置30が備える構成を、通信端末40が備える構成である。なお、ビーコン発信機10_1~10_Nの構成は、実施の形態2と同様であるため説明を割愛する。
【0116】
<通信端末の構成例>
次に、通信端末40の構成例について説明する。通信端末40は、取得部41と、特定部42と、制御部43と、出力部44と、記憶部45とを備える。
【0117】
取得部41は、ビーコン信号を受信する受信部としても構成され、ビーコン発信機10_1~10_Nから送信されるビーコン信号を受信可能に構成される。取得部41は、ビーコン発信機10_1~10_Nのうち、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号を受信し、ビーコンIDと、RSSIとを取得する。また、取得部41は、ビーコン信号を受信した時刻を取得する。
【0118】
特定部42は、実施の形態2における特定部32に対応する。特定部42は、実施の形態2にかかる特定部32と同様の構成をしており、実施の形態2にかかる特定部32が行う処理を実行する。
【0119】
制御部43は、実施の形態2における制御部33に対応する。制御部43は、実施の形態2にかかる制御部33と同様の構成をしており、実施の形態2にかかる制御部33が行う処理を実行する。
【0120】
制御部43は、通信端末40を利用するユーザUがいるエリアと、エリア移動履歴とに基づいて、通信端末40にサービス提供を行うか否かを決定する。制御部43は、エリア移動履歴に基づいて、通信端末40を利用するユーザUの移動方向を決定する。制御部43は、決定した移動方向と、通信端末40を利用するユーザUがいるエリアとに基づいて、通信端末40にサービス提供を行うか否かを決定する。制御部43は、通信端末40にサービス提供を行うことを決定した場合、移動方向に応じたサービスを出力部44に出力する。
【0121】
出力部44は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等の出力装置を備えるように構成される。出力部44は、制御部43から出力されたサービスに応じて、出力装置に当該サービスを出力する。なお、出力部44は、例えば、マイク等の入力装置を備えるように構成されてもよく、制御部43が提供するサービスが、対話サービスである場合、通信端末40を利用するユーザの音声を入力し、対話サービスを実現してもよい。
【0122】
記憶部45は、実施の形態2における記憶部34に対応する。記憶部45は、ビーコン受信履歴リスト、ビーコングループ履歴リスト、エリア移動履歴リスト、及びサービス提供判定テーブルT1を記憶する。また、記憶部45は、通信端末40に提供され得るサービスに応じたコンテンツを記憶する。
【0123】
<通信端末の動作例>
次に、通信端末40の動作例について説明する。通信端末40は、実施の形態2におけるサーバ装置30の動作例と基本的に同様であり、図9の動作が一部異なる。そのため、図9を参照して、通信端末40が行う動作例について説明する。
【0124】
取得部41は、ビーコン発信機10_1~10_Nのうち、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号に関する情報を取得する(ステップS11)。取得部41は、ビーコン発信機10_1~10_Nのうち、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号を受信し、受信したビーコン信号からビーコンID及びRSSIを取得する。取得部41は、ビーコン信号を受信した時刻を取得する。
【0125】
特定部42は、ビーコン受信履歴リスト更新処理を行い(ステップS12)、エリア判定処理を行う(ステップS13)。
【0126】
制御部43は、通信端末40を利用するユーザUがいるエリアと、エリア移動履歴とに基づいて、通信端末40にサービス提供を行うか否かを判定する(ステップS14)。制御部43は、エリア移動履歴に基づいて、通信端末40を利用するユーザUの移動方向を決定する。制御部43は、決定した移動方向と、通信端末40を利用するユーザUがいるエリアとに基づいて、通信端末40にサービス提供を行うか否かを決定する。
【0127】
制御部43は、通信端末40にサービス提供を行う場合(ステップS14のYES)、移動方向に応じたサービスを出力部44に出力する(ステップS15)。
一方、制御部43は、通信端末40にサービス提供を行わない場合(ステップS14のNO)、通信端末40は動作を終了する。
【0128】
このように、実施の形態2にかかるサーバ装置30が備える構成を、通信端末40が備えるようにしても実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【0129】
(他の実施の形態)
図14は、上述した実施の形態において説明した情報処理装置1、サーバ装置30、及び通信端末20、40(以下、情報処理装置1等と称する)のハードウェア構成例を示す図である。図14を参照すると、情報処理装置1等は、ネットワーク・インターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワーク・インターフェース1201は、サービス提供システムに含まれる他の通信装置と通信するために使用される。
【0130】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された情報処理装置1等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0131】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0132】
図14の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された情報処理装置1等の処理を行うことができる。
【0133】
図14を用いて説明したように、情報処理装置1等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1または複数のプログラムを実行する。
【0134】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0135】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0136】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置される少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得する取得手段と、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定する特定手段と、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する制御手段と、を備える情報処理装置。
(付記2)
前記複数のエリアの各々には、2つ以上のビーコン発信機を含むビーコングループが配置され、
前記特定手段は、前記第1受信信号強度に基づいて、前記ビーコングループ毎の受信信号強度を示す第2受信信号強度を算出し、前記第2受信信号強度に基づいて、前記第1エリアを特定し、前記特定されたエリアに基づいて、前記エリア移動履歴を特定する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記特定手段は、前記第2受信信号強度が最も強いビーコングループを決定し、前記第2受信信号強度が最も強いビーコングループが変更されるまでの継続時間を算出し、前記継続時間に基づいて、前記第1エリアを特定する、付記2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記特定手段は、第1判定時間における前記継続時間の合計時間を算出し、前記第1判定時間に対する前記合計時間の割合に基づいて、前記第1エリアを特定する、付記3に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記特定手段は、前記ビーコングループに含まれるビーコン発信機の各々について、第2判定時間におけるビーコン信号の受信回数を計数し、前記受信回数が第1閾値未満であるビーコン発信機の受信信号強度の値を、ダミーの受信信号強度の値として前記第2受信信号強度を算出する、付記2~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記ビーコングループに含まれるビーコン発信機は、前記経路を挟んで対向して配置される、付記2~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記制御手段は、前記エリア移動履歴に基づいて、前記ユーザの移動方向を決定し、前記第1エリアと、前記移動方向とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、付記1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記8)
前記制御手段は、前記通信端末にサービス提供を行う場合、前記移動方向に応じたサービスを前記通信端末に提供する、付記7に記載の情報処理装置。
(付記9)
前記制御手段は、前記通信端末にサービス提供を行う場合、前記ユーザが前記第1エリアの前にいた第2エリアを基準に、前記移動方向に向かって前記経路が分岐しているか否かに応じて、前記通信端末に提供するサービスを変更する、付記7又は8に記載の情報処理装置。
(付記10)
前記制御手段は、前記通信端末にサービス提供を行う場合、前記エリア移動履歴に基づいて、前記ユーザが前記第1エリアの前にいた第2エリアを特定し、前記第1エリア及び前記第2エリアの組み合わせに応じたサービスを前記通信端末に提供する、付記1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記11)
前記制御手段は、前記通信端末にサービス提供を行う場合、前記エリア移動履歴に応じたサービスを前記通信端末に提供する、付記1~10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記12)
経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置される少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得し、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定し、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、サービス提供方法。
(付記13)
経路に沿って配置された複数のエリアの各々に配置される少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得し、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定し、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記14)
経路に沿って配置された複数のエリアに配置された複数のビーコン発信機と、
情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記複数のビーコン発信機のうち、少なくとも1つのビーコン発信機から送信されたビーコン信号の通信端末における第1受信信号強度を取得し、
前記第1受信信号強度に基づいて、前記複数のエリアのうち前記通信端末を利用するユーザがいる第1エリアと、前記ユーザのエリア移動履歴とを特定し、
前記第1エリアと、前記エリア移動履歴とに基づいて、前記通信端末にサービス提供を行うか否かを決定する、サービス提供システム。
(付記15)
前記複数のエリアの各々には、前記複数のビーコン発信機のうち、2つ以上のビーコン発信機を含むビーコングループが配置されており、
前記情報処理装置は、前記第1受信信号強度に基づいて、前記ビーコングループ毎の受信信号強度を示す第2受信信号強度を決定し、前記第2受信信号強度に基づいて、前記第1エリアを特定し、前記特定されたエリアに基づいて、前記エリア移動履歴を特定する、付記14に記載のサービス提供システム。
【符号の説明】
【0137】
1 情報処理装置
2 取得部
3 特定部
4 制御部
10_1~10_1N ビーコン発信機
20、40 通信端末
30 サーバ装置
31、41 取得部
32、42 特定部
33、43 制御部
34、45 記憶部
44 出力部
100、200 サービス提供システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14