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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】装置及びロボット
(51)【国際特許分類】
   A63H 11/00 20060101AFI20250311BHJP
   A63H 13/02 20060101ALI20250311BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
A63H11/00 Z
A63H13/02 Z
B25J13/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023042506
(22)【出願日】2023-03-17
(62)【分割の表示】P 2021051549の分割
【原出願日】2021-03-25
(65)【公開番号】P2023073312
(43)【公開日】2023-05-25
【審査請求日】2024-03-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】肥後 富男
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-162715(JP,A)
【文献】国際公開第2019/221161(WO,A1)
【文献】特開2003-117254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
B25J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性を有し、袋状に形成された外装と、
前記外装の内部に収容された筐体部と、
を備え、
前記筐体部は、第1筐体部と第2筐体部とを備え、前記第1筐体部が前記第2筐体部に対して前後方向に連結され且つ前記第1筐体部が前記第2筐体部に対して上下方向に回転可能に連結されており、
前記外装は、前記外装の内部において、前記第1筐体部と前記第2筐体部とのそれぞれに対して複数の係合箇所で係合されており、
前記外装の前記第1筐体部への複数の係合箇所は、前記第1筐体部における左右方向の両側面であり、
前記外装の前記第2筐体部への複数の係合箇所のうち少なくとも一つの係合箇所は、前記第2筐体部における左右方向の両側面のうち何れか一方の側面である、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
伸縮性を有し、袋状に形成された外装と、
前記外装の内部に収容された筐体部と、
を備え、
前記筐体部は、第1筐体部と第2筐体部とを備え、前記第1筐体部が前記第2筐体部に対して前後方向に連結され且つ前記第1筐体部が前記第2筐体部に対して上下方向に回転可能に連結されており、
前記外装は、前記外装の内部において、前記第1筐体部に対応する箇所と前記第2筐体部に対応する箇所とで前記筐体部に対して係合されており、
前記第1筐体部に対応する箇所と前記第2筐体部に対応する箇所との両方は、前記筐体部における左右方向の両側面に対応する箇所として設定されている、
ことを特徴とする装置。
【請求項3】
前記外装を開閉操作するために前記左右方向に沿ってスライダがスライド操作されるファスナが前記外装に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
生物を模したロボットであって、
伸縮性を有し、袋状に形成された外装と、
前記外装の内部に収容された筐体部と、
を備え、
前記筐体部は、頭部と胴体部とを備え、前記頭部が前記胴体部に対して前後方向に連結され且つ前記頭部が前記胴体部に対して上下方向に回転可能に連結されており、
前記外装は、前記外装の内部において、前記頭部と前記胴体部とのそれぞれに対して複数の係合箇所で係合されており、
前記外装の前記頭部への複数の係合箇所は、前記頭部における左右方向の両側面であり、
前記外装の前記胴体部への複数の係合箇所のうち少なくとも一つの係合箇所は、前記胴体部における左右方向の両側面のうち何れか一方の側面である、
ことを特徴とするロボット。
【請求項5】
前記外装を開閉操作するために前記左右方向に沿ってスライダがスライド操作されるファスナが前記外装に設けられており、
前記ファスナは、前記頭部と前記胴体部とのうち前記胴体部側に設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置及びロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットをペットのような親しみのある存在とするために、例えば、特許文献1には、筐体部を覆う外装を備えたロボットが開示されている。また、犬や猫等の生き物を模したようなロボットでは、本物の生き物のように見せるために、伸縮性を有する外装で筐体部を覆うことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-191276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のロボットでは、異なる位置に設けられた複数の取付部が筐体部に設けられており、複数の取付部により外装が筐体部に固定される。ここで、伸縮性を有する外装をこのような複数の取付部で筐体部に固定した場合、ロボットの動きによっては、一方の取付部と他方の取付部との間で外装が引っ張られることとなる。そのため、外装の張力がロボットの動きを阻害し、モータなどの駆動部への負荷が大きくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、外装に起因する駆動部への負荷を低減することができる装置及びロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る装置は、
伸縮性を有し、袋状に形成された外装と、
前記外装の内部に収容された筐体部と、
を備え、
前記筐体部は、第1筐体部と第2筐体部とを備え、前記第1筐体部が前記第2筐体部に対して前後方向に連結され且つ前記第1筐体部が前記第2筐体部に対して上下方向に回転可能に連結されており、
前記外装は、前記外装の内部において、前記第1筐体部と前記第2筐体部とのそれぞれに対して複数の係合箇所で係合されており、
前記外装の前記第1筐体部への複数の係合箇所は、前記第1筐体部における左右方向の両側面であり、
前記外装の前記第2筐体部への複数の係合箇所のうち少なくとも一つの係合箇所は、前記第2筐体部における左右方向の両側面のうち何れか一方の側面である、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外装に起因する駆動部への負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係るロボットの斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係るロボットの左右方向に直交する断面図である。
図3】本発明の実施の形態に係るロボットの上下方向に直交する断面図である。
図4図2中の一点鎖線XX’で切断した場合の部分断面図である。
図5】本発明の実施の形態に係るロボットの筐体部を説明するための斜視図である。
図6図3中の“VI”部の拡大図である。
図7】本発明の実施の形態に係る係合板及び凸状部品を示す図であり、(a)は係合板及び凸状部品が互いに係合していない状態の斜視図、(b)は係合板及び凸状部品が互いに係合した状態の斜視図である。
図8】本発明の実施の形態に係るロボットの効果を説明するための図であり、(a)は本発明の実施の形態に係るロボットとは異なる位置に凸状部品が設けられているロボットの断面図、(b)は(a)に示すロボットの頭部が下に回転したときの断面図である。
図9】本発明の実施の形態に係るロボットの効果を説明するための図であり、(a)はこのロボットの断面図、(b)はこのロボットの頭部が下に回転したときの断面図である。
図10】本発明の実施の形態に係るロボットの効果を説明するための図であり、(a)、(b)は従来のロボットにおける頭部の回転前後の外装の長さを示す図、(c)、(d)は本発明の実施の形態に係るロボットにおける頭部の回転前後の外装の長さを示す図である。
図11】係合板の回転によって、外装の伸びが緩和されるしくみを説明するための図であり、(a)は初期状態における本発明の実施の形態に係るロボットを示す断面図、(b)は係合板が回転しないと仮定したロボットの頭部が回転した状態を示す断面図、(c)は本発明の実施の形態に係るロボットの頭部が回転した状態を示す断面図である。
図12】本発明の変形例に係るロボットの左右方向に直交する断面図である。
図13】本発明の変形例に係るロボットの左右方向に直交する断面図である。
図14】本発明の変形例に係るロボットの筐体部を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態の理解を容易にするため、図1中の前後左右の方向を適宜参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態)
実施の形態に係るロボット200は、図1に示すように、小動物を模したペットロボットである。ロボット200には、小動物の目を模した装飾部を有する装飾部品202が前側に2つ設けられている。このように、ロボット200の前側は、小動物の顔部分を構成している。ロボット200は、図2、3に示すように、筐体部207と、筐体部207を覆う外装201とを有している。なお、図2、3においては、図面の見やすさを考慮して、ハッチングは省略している。
【0011】
筐体部207は、図2、3に示すように、第1筐体部としての頭部204と、頭部204の後方に設けられた第2筐体部としての胴体部206と、頭部204と胴体部206とを連結した連結部205とを有している。筐体部207は、例えば合成樹脂製で、ユーザに機械的な印象を与えることがないように、薄いピンク色で着色されている。
【0012】
筐体部207の一部を構成する連結部205は、図2に示すように、頭部204の後端部と胴体部206の前端部とを連結している。連結部205には、ロボット200の駆動部としてのモータ222が設けられている。モータ222は、図2に示すように、同図を貫く方向(奥行き方向)に延びる第1の回転軸としての仮想の軸102を中心に、矢印Y1で示す方向に頭部204を回転させる。このように頭部204を動作させることにより、図1に示す小動物を模したロボット200に、頭を上下に振る仕草をしているような動作をさせることができる。連結部205は、モータ222による回転で頭部204が動作可能なように、頭部204と胴体部206とを連結している。
【0013】
ここで、図4を用いて、頭部204と連結部205との連結構造について説明する。図4は、図2の一点鎖線XX’でロボット200を切断した場合の部分断面図である。モータ222は、連結部205のケース2051内に収容されている。モータ222は、コイル2221と、軸102と同心上に配置された駆動軸2222とを有する。駆動軸2222の左端部及び右端部はそれぞれ、ケース2051の左右の側壁にそれぞれ設けられた左右の孔から連結部205の左右の外側に露出しており、円板状のホーン2223に一体に取り付けられている。左右のホーン2223はそれぞれ、4本のねじ2042によって、頭部204のケース2041の左右の側壁に固定されており、各ねじ2042は、駆動軸2222の軸線方向(すなわち左右方向)に延びている。
【0014】
また、ケース2041の左右の側壁におけるねじ2042が貫通する部分にはそれぞれ、リング状のラバー2043が設けられている。ねじ2042は、ラバー2043の中央の貫通孔に挿入されており、ねじ2042の頭部は、ラバー2043の貫通孔の縁部に外側から接触している。モータ222が駆動して駆動軸2222が回転すると、ホーン2223を介して、ねじ2042で固定されたケース2041(頭部204)を回転させることが可能となる。ここで、頭部204に対して、駆動軸2222と略直交する方向に外力が加えられた場合でも、この外力による衝撃は、ラバー2043によって吸収することができ、モータ222の破損を防止することができる。なお、ラバー2043に代えて、衝撃吸収性が高い樹脂等の素材を用いてもよい。
【0015】
筐体部207の一部を構成する頭部204は、小動物を模したロボット200の頭に相当する部位である。図2、3、5に示すように、頭部204の左右の側面の、軸102から特定範囲内(例えば、軸102から3センチメートル以内の範囲)の位置には、それぞれ、外装201に設けられた第1係合部(係合板260A)と係合する第1被係合部としての凸状部品241Aが取り付けられている。頭部204の左右の側面は、頭部204が胴体部206に対して回転可能な軸102に略垂直な面である。外装201に設けられた第1係合部(係合板260A)と、頭部204に取り付けられた第1被係合部(凸状部品241A)とを係合させることにより、外装201を筐体部207に係止でき、ひいては、筐体部207が動作するのにあわせて外装201を動かすことができる。なお、これらの第1係合部及び第1被係合部の詳細については後述する。
【0016】
筐体部207の一部を構成する胴体部206は、前後方向に長い直方体のような形状を有し、図2に示すように床やテーブル等の載置面101に、外装201を介して載置される。図2、3、5に示すように、胴体部206の左右の側面には、それぞれ、頭部204に設けられたものと同様の第2被係合部としての凸状部品241Bが設けられている。凸状部品241Bが取り付けられている胴体部206の左右の側面は、胴体部206が頭部204に対して回転可能な軸102に略垂直な面である。第1被係合部と同様に、第2被係合部としての凸状部品241Bは、外装201に設けられた第2係合部(係合板260B)と係合する。なお、これらの第2係合部(係合板260B)及び第2被係合部(凸状部品241B)の構成は、上述した第1係合部(係合板260A)及び第1被係合部(凸状部品241A)の構成と同様である。以下の説明では、第1係合部(係合板260A)と第2係合部(係合板260B)とを総称して、単に係合部(係合板260)と記載する。また、第1被係合部(凸状部品241A)と第2被係合部(凸状部品241B)と総称して、単に被係合部(凸状部品241)と記載する。
【0017】
外装201は、図1、2に示すように、前後方向に長く、内部に筐体部207を収容することが可能な伸縮性を有する袋状の形状をなしている。外装201は、図6に示すように、シート状の表地251及び裏地252を、互いに重ね合わせた状態で、複数箇所で糸253を用いて互いに縫い合わせることにより、形成されている。このように、複数箇所で糸253を用いて表地251と裏地252とを縫い合わせることで、表地251と裏地252との間でずれを生じさせることなく、一体的に取り扱うことを可能としている。なお、表地251と裏地252との糸253による縫い合わせ箇所は、係合板260Aと係合板260Bとの間以外の箇所に設けることが望ましい。係合板260Aと係合板260Bとの間に縫い合わせ箇所を設けると、頭部204の回転による外装201の伸びが大きくなり、モータ222にかかる負荷が大きくなることが考えられるからである。表地251は、図1~3に示すように、小動物の毛203を模した人工のパイル織物から構成されている。これにより、ロボット200の肌触りを小動物の肌触りに似せることができる。なお、図6においては、図面の複雑化を防ぐために図1~3で示した毛203の図示は省略している。裏地252は、合成繊維を織った織布から構成されている。また裏地252を、天然皮革、人工皮革、合成樹脂製のシート材、ゴム製のシート材、又は天然繊維からなる布から構成してもよい。また、外装201の内側には、図2、3に示すように、係合部としての係合板260A、260Bが設けられている。係合板260A、260Bが、対応する凸状部品241A、241Bと係合することで、外装201は筐体部207に係止(固定)される。
【0018】
外装201の後部には、図1に示すように、線ファスナ208が取り付けられている。外装201の内部に筐体部207(図2)を収容した状態で、線ファスナ208のスライダ208aをスライドさせて線ファスナ208を閉じた状態とすることで、筐体部207(図2)を外装201に収容した状態が保持される。一方、スライダ208aをスライドさせて線ファスナ208を開いた状態とすることで、外装201に筐体部207(図2)を出し入れすることができる。
【0019】
図2及び図3に示すように、モータ222の駆動により生じる筐体部207の動作に応じて外装201が動くことにより、小動物を模したロボット200をまるで生きているかのように動作させることができる。そのために、第1及び第2係合部並びに第1及び第2被係合部を用いて外装201を筐体部207に適切に係止させて、外装201を筐体部207の動きに追従させている。
【0020】
次に、外装201を、外装201の内部に収容した筐体部207に係止させる構成について、詳細に説明する。なお、図3に示すように、筐体部207に設けられた4つの凸状部品241(241A、241B)は全て同じ構成を有し、外装201に設けられた4つの係合板260(260A、260B)も全て同じ構成を有している。そのため、以下では、図3の“VI”部の凸状部品241及び係合板260の構成について説明する。
【0021】
図6に示すように、外装201の内側には、第2係合部としての係合板260が縫い付けられている。係合板260は、例えば厚みt=0.5mmのポリアミド6(PA6)製で、図7(a)に示すように円板状に成形されている。係合板260の直径は、例えば16mmである。また、係合板260の中央には、凸状部品241が挿通されて嵌合する嵌合孔としての丸孔260aが形成されている。この係合板260は、図6に示すように、糸254を用いて外装201の裏地252のみに縫い付けられており、表地251には縫い付けられていない。係合板260の裏地252への縫い付けは、裏地252と表地251とが互いに縫い合わされる前に行われる。上述のように係合板260が段差を有しない円板状であることと、係合板260の厚みtが0.5mmであることから、係合板260と裏地252との間には、係合板260を裏地252にミシンで縫い付けるときに不具合が生じるような大きな段差は生じない。そのため、係合板260の縫い付けは、作業の容易性を考慮してミシンを用いて行われる。係合板260の裏地252への縫い付けは、例えば図7(a)、(b)に示すように、丸孔260aをはさんで直線状の2本の平行なラインL1、L2に沿って行われる。上述したように、係合板260の直径を16mmとすることで、係合板260の縫付強度を確保するだけの縫付距離を確保することができる。ここで、縫付距離とは、係合板260を糸254で縫い付けている部分の長さのことであり、すなわちラインL1、L2の長さの合計である。
【0022】
筐体部207の一部を構成する胴体部206の側面には、図6に示すように、係合板260と係合する第2被係合部としての凸状部品241が取り付けられている。凸状部品241は、図7(a)に示すように、プラス溝241dが形成されたねじ山部241aと、円柱状のスペーサ部241bと、雄ねじが切られた軸部241cとを有している。また、胴体部206の側面には、図6に示すように、軸部241cの雄ねじが螺合する雌ねじが切られた挿入穴207aが、当該側面に垂直な方向に形成されている。ねじ山部241aは、凸状部品241の中で最も大きい径を有する大径部である。ねじ山部241aと軸部241cとに挟まれたスペーサ部241bは、ねじ山部241aよりも小さい径を有する小径部であり、その径は挿入穴207aの径よりも大きい。そのため、ドライバによって凸状部品241を挿入穴207aに締め付けていくと、やがて図7(a)に示すスペーサ部241bの下端241eが胴体部206に当接し、それ以上の締め付けができなくなる。このように、スペーサ部241bの下端241eが胴体部206に当接するまで凸状部品241を胴体部206に締め付けることで、凸状部品241の胴体部206への取付けが完了する。ここで、前述したように、凸状部品241は、胴体部206の側面に垂直な方向に形成された挿入穴207aに軸部241cが螺合することで、胴体部206の側面に取付けられる。よって、凸状部品241の長手方向は、胴体部206の側面に垂直な方向、即ち、軸102(図2、3、5)と略平行な方向となる。取付けが完了した凸状部品241は、図6に示すように、ねじ山部241aの高さとスペーサ部241bの高さとを合計した高さだけ胴体部206から突出する。なお、ねじ山部241aは、図6図7(b)に示すように、凸状部品241の長さ方向における両端部分で径が最も小さく、長さ方向における中央部分で最も径が大きくなるように膨みを有する形状をなしている。ねじ山部241aの径の最大値は、スペーサ部241bの径よりも例えば0.5mm程度大きい。また、ねじ山部241aのスペーサ部241bと接続する部分の径は、円柱状をなしたスペーサ部241bの径と等しい。
【0023】
なお、係合板260に形成された丸孔260aの径は、凸状部品241のスペーサ部241bの径よりも例えば0.2mm程度小さい。このような丸孔260aが形成された係合板260を凸状部品241に係合させる場合には、まず図7(a)の矢印Y2で示すように、係合板260を凸状部品241に近づける。続いて、係合板260に形成された丸孔260aを、ねじ山部241aに押し付けながら、大径部であるねじ山部241aを丸孔260aに乗り越えさせる。そして、図7(b)に示すように、丸孔260aを小径部であるスペーサ部241bに嵌合させる。係合板260は若干の伸縮性を有する材料で形成されていることから、丸孔260aは大径部であるねじ山部241aを乗り越えることが可能である。ねじ山部241aを乗り越えた係合板260の丸孔260aは、図6図7(b)に示すように、丸孔260aの径よりも大きな径を有するスペーサ部241bに嵌合する。これにより、係合板260と凸状部品241とを係合させる作業が完了する。このように、係合板260の丸孔260aは、凸状部品241のスペーサ部241bと隙間なく嵌合した状態にあり、さらにその上方には大径部であるねじ山部241aが配されることになる。そのため、係合板260と凸状部品241との係合状態を強固なものとすることができ、係合状態を解除しようといった明確な意図を持って係合板260と凸状部品241とを取り外す作業をしない限り、係合板260と凸状部品241との係合状態は簡単に解除されることはない。
【0024】
なお、凸状部品241のスペーサ部241bの表面は研磨加工がなされており、滑らかである。そのため、係合板260は、凸状部品241との係合状態を保ったまま、長手方向が軸102にほぼ平行な凸状部品241を軸として、Y3(図2)で示す方向に回転することができる。
【0025】
このような凸状部品241は、図3に示すように、第1被係合部(凸状部品241A)として筐体部207の頭部204に2つ、第2被係合部(凸状部品241B)として胴体部206に2つ設けられている。そして、筐体部207を覆う外装201には、図2、3に示すように各凸状部品241A、Bに対応する位置に、係合板260A、Bが縫い付けられている。すなわち外装201と筐体部207との取り付けは、例えば合計4箇所で、係合板260A、B及び凸状部品241A、Bを用いて行われる。このように複数箇所で外装201の取り付けを行うことで、筐体部207の動きに外装201を追従させることができ、小動物を模したロボット200にまるで生きているかのような動作を行わせることができる。なお、外装201と筐体部207との取り付け箇所は、4箇所に限らず、本発明の趣旨の範囲内で任意である。
【0026】
(効果)
続いて、本発明の効果について説明する。図8に示すロボット2000では、上述した本発明の実施の形態に係る図2等に示すロボット200とは異なり、頭部204の前面に凸状部品241A、胴体部206の後方上面に凸状部品241Bが設けられている。また、ロボット2000の筐体部207を覆う外装201には、凸状部品241A、Bに対応する位置に係合板260A、Bが縫い付けられており、対応する凸状部品241A、Bと係合板260A、Bとが係合することで、外装201が筐体部207に取り付けられる。なお、図8においては、図柄の複雑化を防ぐため、外装201全体の図示は省略し、係合板260Aと係合板260Bとの間の外装201を点線で表している。ロボット2000は、凸状部品241と係合板260との位置が異なる以外、本発明の実施の形態に係るロボット200と同様の構成である。
【0027】
ここで、図8(a)に示す状態から図8(b)に示すようにロボット2000の頭部204が下方向に回転した場合を考える。この場合、頭部204の係合板260Aに取り付けられた外装201は、頭部204に沿って下方に巻き込まれる。そのため、点線で示す係合板260Aと係合板260Bとの間の外装201は、図8(a)に示す状態と比較して非常に長くなり、外装201は大きく伸びていいることがわかる。よって、図8(b)に示す状態では、外装201に大きな張力が発生し、当該張力がモータ222への負荷となってロボット2000の動きを阻害する。
【0028】
これに対し、本発明の実施の形態に係るロボット200では、図9(a)に示すように、頭部204と胴体部206の側面にそれぞれ凸状部品241A、Bが設けられ、対応する係合板260A、Bが係合することで外装201(図示は省略)が筐体部207に固定される。そのため、図9(b)に示すようにロボット200の頭部204が同様に回転しても、点線で示す係合板260Aと係合板260Bとの間の外装201の伸びは図8(a)、(b)に示すロボット2000と比較して大幅に少なくなる。
【0029】
さらに、図9(a)に示す状態から図9(b)に示すように頭部204が胴体部206に対して回転したとき、係合板260Aと係合板260Bとの間で外装201が引っ張られることで、係合板260Aは、凸状部品241Aを中心に時計回りに回転し、係合板260Bは、凸状部品241Bを中心に反時計回りに回転する。そのため、係合板260A、Bの回転により、係合板260A、Bに縫い付けられている外装201の伸びを緩和することができる。そのため、ロボット200が図9(a)から図9(b)に示す状態に変化しても、外装201に大きな張力が発生せず、外装201の張力がモータ222への負荷となってロボット200の動きを阻害することはない。
【0030】
ここで、図10を用いて、ロボット2000とロボット200における、頭部204の回転による外装201の伸びの量の違いについて説明する。図10(a)は、ロボット2000の頭部204が回転していない状態における係合板260Aと係合板260Bとの間の外装201の長さ((図8(a)における点線)を、直線で示したものである。図10(b)は、ロボット2000の頭部204が回転している状態における係合板260Aと係合板260Bとの間の外装201の長さ((図8(b)における点線)を、直線で示したものである。
【0031】
図10(c)は、ロボット200の頭部204が回転していない状態における係合板260Aと係合板260Bとの間の外装201の長さ((図9(a)における点線)を、直線で示したものである。図10(d)は、ロボット200の頭部204が回転している状態における係合板260Aと係合板260Bとの間の外装201の長さ(図9(b)における点線)を、直線で示したものである。
【0032】
図10(a)に示す直線と図10(b)に示す直線との長さの差が、ロボット2000の頭部204の回転によって外装201が伸びる量となる。また、図10(c)に示す直線と図10(d)に示す直線との差が、ロボット200の頭部204の回転によって外装201が伸びる量となる。
【0033】
従って、図10からも明らかなように、本発明の実施の形態に係るロボット200では、ロボット2000と比較して、頭部204の回転によって外装201が伸びる量が非常に少ないことがわかり、外装201が伸びることによるモータ222への負荷を低減することができる。
【0034】
続いて、図11を用いて、係合板260の回転によって、外装201の伸びが緩和されるしくみについて、より詳細に説明する。なお、図11では、理解を容易にするため、係合板260Aを実際よりも拡大して示している。前述したように、外装201は、係合板260Aに設けられた2本の平行なラインL1、L2上で縫い付けられている。また、ラインL1、L2それぞれの一端を縫い合わせ箇所A、Bとする。また、図11においては、係合板260Aの縫い合わせ箇所A、Bと係合板260Bとの間の外装201を点線で示し、その符号の図示を省略している。
【0035】
ここで、ロボットの頭部204が図11(a)に示す初期状態から、下方向に90度回転した場合を考える。なお、初期状態とは、ロボット200の胴体部206に対する頭部204の回転角度が初期角度(0度)である状態、即ち、ロボット200の頭部204が回転してない状態を意味する。本実施の形態の場合と異なり、係合板260Aが凸状部品241Aに対して回転できないように係合していると仮定すると、ロボット200の状態は、図11(b)に示す状態となる。この状態では、縫い合わせ箇所Aが、係合板260A内で係合板260Bから遠ざかる方向に移動するため、図11(b)に点線で示すように、縫い合わせ箇所Aと係合板260Bとの間で外装201が大きく伸びてしまう。
【0036】
これに対し、実際には、頭部204が下方向に90度回転すると、外装201に引っ張られることによって、係合板260が、凸状部品241Aを中心として、図11における時計回りに回転(右回転)するため、ロボット200の状態は、図11(c)に示す状態となる。この状態では、図11(b)と比較して、縫い合わせ箇所Aが、係合板260A内で、胴体部206側の係合板260Bに向かう方向に移動している。そのため、係合板260Aが回転しない図11(b)の場合と比べて、縫い合わせ箇所Aと係合板260Bとの間での外装201の伸びが緩和されている。即ち、係合板260Aの回転によって、外装201の伸びを抑えることができ、モータ222にかかる負荷を低減することができる。なお、縫い合わせ箇所Bでは、係合板Aが回転しないと仮定した図11(b)の状態でも、回転する図11(c)の状態でも、両者に外装201の伸びの違いはない。
【0037】
このように、上記の実施の形態によれば、第1筐体部としての頭部204に第1被係合部としての凸状部品241Aが設けられている。また、第2筐体部である胴体部206には第1被係合部としての凸状部品241Bが設けられている。そして、外装201に設けられた第1係合部としての係合板260Aと第2係合部としての係合板260Bとが、それぞれ、対応する凸状部品241Aおよび凸状部品241Bと係合することにより、ロボット200の外装201は筐体部207に係止(固定)される。ここで、頭部204は、胴体部206に、軸102を中心として回転可能に連結されており、凸状部品241A及び凸状部品241Bは、この軸102に略垂直な面である、頭部204の側面及び胴体部206の側面にそれぞれ設けられている(図2、3、5)。そのため、ロボット200の頭部204が軸102を中心として胴体部206に対して回転しても、係合板260Aと係合板260Bとの間で外装201が引っ張られる長さを極力短くすることができ、外装201に発生した張力が負荷となってロボット200の動きを阻害してまうことを防ぐことができる。即ち、上記の実施の形態によれば、ロボット200の外装201に起因する駆動部(モータ222)への負荷を低減することが可能となる。
【0038】
また、上記の実施の形態によれば、係合板260(係合板260A及び係合板260B)は、対応する凸状部品241(凸状部品241Aおよび凸状部品241B)に対して、軸102に略平行な回転軸である凸状部品241を中心として回転可能である(図2)。そして、この回転により、係合板260Aと係合板260Bとの間の外装201の伸びを緩和することができる。そのため、外装201に起因する駆動部(モータ222)への負荷をさらに低減することが可能となる。
【0039】
また、上記の実施の形態によれば、凸状部品241は、小径部であるスペーサ部241bと、大径部であるねじ山部241aと、を備え、係合板260は、嵌合孔である丸孔260aにスペーサ部241bが嵌合した状態で、凸状部品241に対して回転可能である。そのため、ねじ山部241aがストッパとなるため、回転中に係合板260が凸状部品241から抜け落ちるのを防ぐことができる。
【0040】
また、上記の実施の形態によれば、凸状部品241Aは、軸102から特定範囲内(例えば、頭部204の側面のなかで軸102に近い範囲)の位置に設けられている。これにより、胴体部206に対して頭部204が回転するのに伴う、凸状部品241A、Bの間の相対的な移動量を抑えることができ、凸状部品241A、Bの間の外装201の伸びを低減させることが可能となる。
【0041】
また、上記の実施の形態によれば、外装201の表地251と裏地252との糸253による縫い合わせ箇所は、係合板260Aと係合板260Bとの間以外に設けられている。これにより、頭部204の回転による外装201の伸びを抑え、駆動部(モータ222)にかかる負荷低減することが可能となる。
【0042】
(変形例)
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記の実施の形態では、外装201に縫い付けられた係合部(第1及び第2係合部)として、ポリアミド6(PA6)製のプレートを円形状に打ち抜いて成形した係合板260を用いたが、係合部の材質及び形状は任意に選択できる。例えば、ポリカーボネード等の合成樹脂製としてもよい。または、ポリエステル等の化学繊維からなる布を円形に切断したものを用いてもよいし、綿やウール等の天然繊維からなる布を用いてもよいし、ゴム製のシート材を用いてもよい。また、係合部の形状は、平板状であればよく、三角板状や四角板状などの角形板状のものとしてもよい。また、上記実施の形態では、係合板260に貫通孔である丸孔260aが設けられているが、丸孔260aの代わりに凹部が設けられ、凹部に凸状部材261が係合する構成としてもよい。
【0043】
また、図12に示すように、凸状部品241Aを、ロボット200の初期状態(頭部204が回転していない状態)において、凸状部品241Bと軸102とを結ぶ線分L3上の頭部204の側面に設けてもよい。このようにすることで、ロボット200の頭部204が初期状態から回転した場合、必ず、凸状部品241A、Bの間で固定されている外装201は伸びることになる。そのため、頭部204の回転によって凸状部品241A、Bの間の外装201が弛むことによって外装201の筐体部207への追従性が悪化してしまうことを防ぐことができる。また、図13に示すように、胴体部206の側面に2個の凸状部品241Bが設けられている場合は、凸状部品241Aを、各凸状部品241Bと軸102とを結ぶ線分L4、L5の中間の位置、若しくは、線分L4、L5の間の位置に設けてもよい。このようにすることで、頭部204が上下に回転しても、バランス良く外装201に張力をかけることができる。
【0044】
上記の実施の形態では、凸状部品241A及び凸状部品241Bの両方が、軸102に略垂直な面である、頭部204の側面及び胴体部206の側面に設けられていた(図2、3、5)。しかしながら、凸状部品241A及び凸状部品241Bのうちの一方のみが、頭部204の側面又は胴体部206側面に設けられ、他方は頭部204又は胴体部206の側面以外の面に設けられていてもよい。また、ここで軸102に略垂直な面とは、例えば、軸102に対して85度~95度の範囲で傾いている面等と定義すればよい。軸102に対して完全に垂直でなくとも、ある程度垂直な面に凸状部品241を設ければ、軸102を中心に頭部204が回転したときの外装201の伸びを低減することが可能である。
【0045】
また、筐体部207が曲面である場合は、接平面が軸102に対して略垂直な筐体部207の面に凸状部品241を設けても同様の効果を得ることができる。例えば、図14に示すような円柱状の胴体部206を有するロボットの場合は、点線で示す接平面が軸102に対して略垂直である胴体部206の面上に、凸状部品241Bを設けている。
【0046】
また、上記の実施の形態では、係合板260A及び係合板260Bの両方が、対応する凸状部品241に対して、軸102に略平行な軸を中心として回転可能な構成とした(図2)。しかしながら、係合板260A及び係合板260Bのうちの一方のみが軸102に略平行な軸を中心として回転可能であり、他方は回転しないようにロボット200を構成してもよい。また、ここで軸102に略平行な軸とは、例えば、軸102に対して±45度の範囲内で傾いている軸等と定義すればよい。軸102に対して完全に平行でなくとも、ある程度平行な軸で回転するように係合板260を凸状部品241と係合しておけば、頭部204が軸102を中心に回転したときに、外装201の伸びを低減するように係合板260を回転させることが可能である。
【0047】
また、係合板260の外装201への縫い付け位置は、図7に示すように、平行な2本のラインL1、L2上であると説明したが、他の縫い付け位置であってもよい。例えば、ラインL1、L2に加えて、ラインL1、L2に直交するラインを縫い付け位置として追加してもよい。なお、追加するラインは、ラインL1、L2と同様に、係合板260の丸孔260aを避けた位置に設定する。あるいは、円板状の係合板260の外形に沿って、周状に縫い位置を設けてもよい。また、1本のラインL1のみで係合板260を外装201へ縫い付けてもよい。
【0048】
また、係合板260の外装201への取り付けは、ミシンによる縫い付けによるものだけに限定されない。例えば、係合板260を手で縫い付けてもよいし、丸孔260aの周囲に接着剤を塗布して係合板260を接着してもよい。なお、係合板260を手で縫い付ける場合には、係合板260に針を通すための孔を予め形成しておけばよい。これにより、手による縫い付け作業を容易に行うことができる。
【0049】
また、係合板260の厚みtは0.5mmであると説明したが、ミシンによる縫い付けに不具合が生じなければ、厚みの変更は可能である。また、上述のように、係合板260の取り付けを、手による縫い付けや接着剤による接着で行うのであれば、厚みの制限を緩和することができる。例えば、より厚い平板状のものを用いてもよいし、場所により厚みが異なるように形成したものを係合板として用いてもよい。
【0050】
また、凸状部品241のスペーサ部241bは、凸状部品241に一体で成形された部位であるとして説明したが、凸状部品241とは別部品としてもよい。これにより、高さの異なる複数のスペーサ部を用意しておくことで、凸状部品241の筐体部207からの突出量を容易に変更することができ、適用するロボットに適した態様で凸状部品241を取り付けることができる。
【0051】
また、被係合部としての凸状部品241は、自身に切られた雄ねじを筐体部207の雌ねじに螺合させることにより、筐体部207に取り付けられていたが、取付方法はこの方法に限定されない。例えば、凸状部品241を筐体部207に一体成型されたものとすることができる。これにより、凸状部品241の筐体部207への取り付け作業を省略することができる。
【0052】
上記実施の形態では、外装201に係合板260、筐体に凸状部品241を設けたが、筐体に係合板260、外装201に凸状部品241を設けてもよい。なお、この場合は、係合板260が被係合部、凸状部品241が係合部となる。
【0053】
また、ロボット200は小動物を模したものであると説明したが、ロボットが何を模したものとするのかは任意である。例えば、ロボットをサイといった大型の動物を模したものとしてもよい。この場合、装飾部品202はサイの角を模したものとしてもよい。さらに、本発明は、ロボットに限定されるものではない。例えば、少なくとも回転可能に連結された2つの部位を有する筐体と、この筐体を覆う伸縮性を有する外装とを備えた人形、玩具などの装置においても、本発明は適用可能である。
【0054】
また、外装201は、筐体部207の全てを覆う形態に限定されるものではなく、筐体部207の一部を覆う形態であってもよい。また、外装201は小動物の毛皮を模したものであると説明したが、外装を何にするのかは任意である。例えば、外装を、ロボットに取り付ける服を模したものとしてもよいし、広告が表示されたバナーとしてもよい。
【0055】
また、表地251及び裏地252は、糸253を用いて互いに縫い合わせられていると説明したが、他の方法により両者を一体化させてもよい。例えば、接着剤を用いて、表地251と裏地252とを接着してもよい。
【0056】
また、外装201を筐体部207に係止する手段として、外装201に設けられた係合部である係合板260に形成された丸孔260aに、筐体部207に設けられた被係合部である凸状部品241を挿入することにより実現していた。しかしながら、外装201を筐体部207に係止する手段は、他の方法を用いてもよい。例えば、外装201及び筐体部207のうちの一方に先端が曲がったフックを取り付け、他方に紐を輪状にしたループを取り付けてもよい。そして、フックをループに引掛けることで、外装201を筐体部207に係止する。または、外装201及び筐体部207のうちの一方に面ファスナのフック部を取り付け、他方に面ファスナのループ部を取り付けてよい。そして、フック部をループ部につけることで、外装201を筐体部207に係止してもよい。
【0057】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲とを逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、前述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0058】
(付記)
(付記1)
伸縮性を有する外装と、
前記外装に覆われ、第1筐体部と、前記第1筐体部に、少なくとも第1の回転軸を中心として回転可能に連結された第2筐体部と、を備える筐体部と、
前記外装の内側に設けられた第1係合部及び第2係合部と、
前記第1筐体部に設けられ、前記第1係合部と係合することによって、前記外装を前記第1筐体部に係止する第1被係合部と、
前記第2筐体部に設けられ、前記第2係合部と係合することによって、前記外装を前記第2筐体部に係止する第2被係合部と、を備え、
前記第1被係合部及び前記第2被係合部の少なくとも一方である被係合部は、前記被係合部に対応する前記第1筐体部及び前記第2筐体部の少なくとも一方における前記第1の回転軸に略垂直な面上に設けられている、
装置。
【0059】
(付記2)
前記第1係合部及び前記第2係合部の少なくとも一方であって、前記被係合部に対応する係合部は、前記被係合部に対して、前記第1の回転軸に略平行な回転軸を中心として回転可能である、
付記1に記載の装置。
【0060】
(付記3)
前記係合部は、前記被係合部に嵌合する嵌合孔が形成された板状の部材で構成され、前記係合部の前記嵌合孔の周りが前記外装の内側に縫い付けられており、
前記被係合部は、前記筐体部に突出して設けられ、前記嵌合孔に嵌合する小径部と、前記嵌合孔に通された前記小径部よりも大きな径の大径部と、を有する凸状部品を備え、
前記係合部は、前記嵌合孔に前記小径部が嵌合した状態で、前記凸状部品に対して回転可能である、
付記2に記載の装置。
【0061】
(付記4)
前記被係合部は、前記被係合部に対応する前記第1筐体部及び前記第2筐体部の少なくとも一方における前記第1の回転軸から特定範囲内の位置に設けられている、
付記1から3の何れか1つに記載の装置。
【0062】
(付記5)
前記外装は、表地と、前記第1係合部及び前記第2係合部が設けられた裏地と、を有し、
前記表地と前記裏地との縫い合わせ箇所は、前記第1係合部と前記第2係合部との間以外に設けられている、
付記1から4の何れか1つに記載の装置。
【0063】
(付記6)
前記第1被係合部及び前記第2被係合部の少なくとも一方は、前記第1筐体部に対する前記第2筐体部の回転角度が初期角度である初期状態において、前記第1被係合部及び前記第2被係合部の他方と前記第1の回転軸とを結ぶ線分上に位置するように、設けられている、
付記1から5の何れか1つに記載の装置。
【0064】
(付記7)
前記装置は、ロボットであり、
前記第1筐体部は、前記ロボットの頭部であり、
前記第2筐体部は、前記ロボットの胴体部である、
付記1から5の何れか1つに記載の装置。
【符号の説明】
【0065】
101・・・載置面、102・・・軸、200・・・ロボット、201・・・外装、202・・・装飾部品、203・・・毛、204・・・頭部、2041・・・ケース、2042・・・ねじ、2043・・・ラバー、205・・・連結部、2051・・・ケース、206・・・胴体部、207・・・筐体部、207a・・・挿入穴、208・・・線ファスナ、208a・・・スライダ、222・・・モータ、2221・・・コイル、2222・・・駆動軸、2223・・・ホーン、241(241A、241B)・・・凸状部品、241a・・・ねじ山部、241b・・・スペーサ部、241c・・・軸部、241d・・・プラス溝、241e・・・下端、251・・・表地、252・・・裏地、253,254・・・糸、260(260A、260B)・・・係合板、260a・・・丸孔、L1,L2・・・ライン、L3,L4,L5・・・線分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14