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特許7647866避難経路案内システム、避難経路作成方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】避難経路案内システム、避難経路作成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20250311BHJP
【FI】
G01C21/34
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023506620
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2021011039
(87)【国際公開番号】W WO2022195798
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】戸澤 信之
(72)【発明者】
【氏名】松田 淳
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 慶
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】春山 昌司
【審査官】西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-050922(JP,A)
【文献】特開平05-006500(JP,A)
【文献】特開2018-036134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象エリアの道路周辺に配置されたカメラで撮影された画像と、前記対象エリア中の危険箇所の位置と安全なエリアの位置を含むハザードマップとをそれぞれ取得可能であり、
災害発生時に、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記対象エリアの道路を通行する移動体の動きを解析する動き解析手段と、
前記対象エリアにおいて、前記ハザードマップ中の前記危険箇所を避けて前記ハザードマップ中の前記安全なエリアに移動できる経路のうち、前記動き解析手段の解析した結果に基づいて、異常車により通行不可となっている区間を含まない経路を車両用の経路として作成し、前記異常車により通行不可となっている前記区間を含む経路を歩行者用の経路として作成する経路作成手段と、
ユーザの保持する端末の表示装置に、前記ユーザの属性に応じて前記車両用の経路又は前記歩行者用の経路を出力する経路出力手段と、
を備える避難経路案内システム。
【請求項2】
動き解析手段は、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記対象エリアの交差点を通行する移動体の動きを解析する請求項1の避難経路案内システム。
【請求項3】
前記動き解析手段は、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記交差点を通行する移動体の数を解析し、
前記経路作成手段は、前記交差点を通行する移動体の数が多い道路を優先して、前記経路を作成する請求項2の避難経路案内システム。
【請求項4】
前記動き解析手段は、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記交差点を通行する移動体の移動速度を計算し、
前記経路作成手段は、前記交差点を通行する移動体の移動速度が高い経路を優先して、前記経路を作成する請求項2または3の避難経路案内システム。
【請求項5】
前記経路作成手段は、前記移動体の数と前記移動体の移動速度のいずれか一方又は両方に応じた態様の方向表示要素をさらに生成し、
前記経路出力手段は、前記方向表示要素を前記経路と併せて出力する、請求項3または4に記載の避難経路案内システム。
【請求項6】
前記動き解析手段は、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記交差点を通行する移動体の属性別の動きを解析し、
前記経路作成手段は、前記経路の利用者の属性別の移動体の動きに基づいて、前記利用者の属性別の経路を作成する請求項2から5いずれか一の避難経路案内システム。
【請求項7】
前記経路作成手段は、前記移動体の属性によって異なる態様の方向表示要素をさらに生成し、
前記経路出力手段は、前記方向表示要素を前記経路と併せて出力する、請求項6に記載の避難経路案内システム。
【請求項8】
前記経路作成手段は、災害の種別又は規模毎の複数のハザードマップの中から、発生した災害に応じたハザードマップを選択して経路を作成する請求項1から7いずれか一の避難経路案内システム。
【請求項9】
対象エリアの道路周辺に配置されたカメラで撮影された画像と、前記対象エリア中の危険箇所の位置と安全なエリアの位置を含むハザードマップとをそれぞれ取得可能なコンピュータが、
災害発生時に、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記対象エリアの道路を通行する移動体の動きを解析し、
前記対象エリアにおいて、前記ハザードマップ中の前記危険箇所を避けて前記ハザードマップ中の前記安全なエリアに移動できる経路のうち、前記動きを解析した結果に基づいて、異常車により通行不可となっている区間を含まない経路を車両用の経路として作成し、前記異常車により通行不可となっている前記区間を含む経路を歩行者用の経路として作成し、
ユーザの保持する端末の表示装置に、前記ユーザの属性に応じて前記車両用の経路又は前記歩行者用の経路を出力する、
避難経路作成方法。
【請求項10】
対象エリアの道路周辺に配置されたカメラで撮影された画像と、前記対象エリア中の危険箇所の位置と安全なエリアの位置を含むハザードマップとをそれぞれ取得可能なコンピュータに、
災害発生時に、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記対象エリアの道路を通行する移動体の動きを解析する処理と、
前記対象エリアにおいて、前記ハザードマップ中の前記危険箇所を避けて前記ハザードマップ中の前記安全なエリアに移動できる経路のうち、前記動きを解析する処理の解析した結果に基づいて、異常車により通行不可となっている区間を含まない経路を車両用の経路として作成し、前記異常車により通行不可となっている前記区間を含む経路を歩行者用の経路として作成する処理と、
ユーザの保持する端末の表示装置に、前記ユーザの属性に応じて前記車両用の経路又は前記歩行者用の経路を出力する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、避難経路案内システム、避難経路作成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、時々刻々と変化する実際の洪水・氾濫に対応することができるというリアルタイムハザードマップシステムが開示されている。同文献によると、このリアルタイムハザードマップシステムは、浸水及び湛水センサーなどから浸水及び湛水深情報(地下街を含む)を取り込む機能を備え、その内容を地図に自動描画して氾濫状況図(区域及び箇所、水深)を提供する氾濫状況表示手段を備えることが記載されている。
【0003】
特許文献2には、避難を要する対象者の所在地を自動的に把握し、同時に危険の少ない避難経路を選択して避難場所へ案内することができるという避難誘導システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-168179号公報
【文献】特開2005-17027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明者によって与えられたものである。自治体等によりハザードマップが提供されているが、避難場所への移動は、それぞれの住民の判断によって行われているのが現状である。過去には、大雨による洪水時に無理をして車で移動をした結果、車両が走行不能に遭ってしまったケースや、地震の際に津波に巻き込まれてしまったケースが生じている。
【0006】
特許文献1のリアルタイムハザードマップシステムにおいても安全な避難経路を表示できることが記載されているが、災害は時々刻々と変化するため、提示された避難経路が必ずしも通行可能であるという保証はない。また、逆に、浸水していると判断された区間の水が引き、徒歩ならば、通行可能になっているといったことも起こり得る。
【0007】
特許文献2の避難誘導システムも、災害関連情報データベースの危険情報を参照して避難経路を作成するものであり、必ずしもその時々に最適な避難経路を作成できるものとはなっていない。
【0008】
本発明は、リアルタイムな災害の状況に基づいた適切な避難経路を提供することができる避難経路案内システム、避難経路作成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の視点によれば、対象エリアの道路周辺に配置されたカメラで撮影された画像と、前記対象エリア中の危険箇所の位置と安全なエリアの位置を含むハザードマップとをそれぞれ取得可能であり、災害発生時に、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記対象エリアの道路を通行する移動体の動きを解析する動き解析手段と、前記危険箇所を避けて、前記安全なエリアに移動できる経路であって、前記道路を通行する移動体の動きに適合する経路を作成する経路作成手段と、所定の表示装置に、前記経路を出力する経路出力手段と、
を備える避難経路案内システムが提供される。
【0010】
第2の視点によれば、対象エリアの道路周辺に配置されたカメラで撮影された画像と、前記対象エリア中の危険箇所の位置と安全なエリアの位置を含むハザードマップとをそれぞれ取得可能なコンピュータに実施させる避難経路作成方法が提供される。この避難経路作成方法によれば、前記コンピュータは、災害発生時に、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記対象エリアの道路を通行する移動体の動きを解析し、前記危険箇所を避けて、前記安全なエリアに移動できる経路であって、前記道路を通行する移動体の動きに適合する経路を作成し、 所定の表示装置に、前記経路を出力する。本方法は、前述のカメラの画像とハザードマップとをそれぞれ取得可能なコンピュータという、特定の機械に結びつけられている。
【0011】
第3の視点によれば、上記した避難経路案内システムの機能を実現するためのコンピュータプログラム(以下、プログラム)が提供される。なお、このコンピュータプログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェースを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させる。また、このプログラムは、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェースを介して、外部と通信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な(非トランジトリーな)記憶媒体に記録することができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、リアルタイムな災害の状況に基づいた適切な避難経路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態の動作を説明するための図である。
図3】本発明の第1の実施形態の避難経路案内サーバの構成を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態で用いる定点カメラの配置例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態の避難経路案内サーバの動作を表した流れ図である。
図6】本発明の第1の実施形態の避難経路案内サーバの動作を説明するための図である。
図7】本発明の第1の実施形態の避難経路案内サーバの動作を説明するための図である。
図8】本発明の第2の実施形態の避難経路案内サーバの構成を示す図である。
図9】本発明の第2の実施形態の避難経路案内サーバの動作を表した流れ図である。
図10】本発明の第2の実施形態の避難経路案内サーバの動作を説明するための図である。
図11】本発明の第3の実施形態の避難経路案内サーバの構成を示す図である。
図12】本発明の第3の実施形態の避難経路案内サーバの動作を表した流れ図である。
図13】本発明の第3の実施形態の避難経路案内サーバの動作を説明するための図である。
図14】本発明の第4の実施形態の避難経路案内サーバの構成を示す図である。
図15】本発明の第4の実施形態の避難経路案内サーバの動作を説明するための図である。
図16】本発明の第4の実施形態の避難経路案内サーバの動作を説明するための図である。
図17】本発明の情報提供サーバとして機能可能なコンピュータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
はじめに本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インタフェースがあるが図示省略する。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、このコンピュータ装置は、通信インタフェースを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、通信可能に構成される。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インタフェースがあるが図示を省略する。
【0015】
本発明は、その一実施形態において、図1に示すように、対象エリアの道路周辺に設置されたカメラ20で撮影された画像と、ハザードマップ14とをそれぞれ取得可能に構成された避難経路案内システム10により実現できる。ここで、ハザードマップ14には、前記対象エリア中の危険箇所の位置と安全なエリアの位置が含まれている。
【0016】
この避難経路案内システム10は、動き解析手段11と、経路作成手段12と、経路出力手段13とを含む。より具体的には、動き解析手段11は、災害発生時に、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記対象エリアの道路を通行する移動体の動きを解析する。経路作成手段12は、前記危険箇所を避けて、前記安全なエリアに移動できる経路であって、前記道路を通行する移動体の動きに適合する経路を作成する。経路出力手段13は、所定の表示装置に、前記経路を出力する。
【0017】
続いて、本実施形態の動作について図2を参照して詳細に説明する。災害が発生すると、動き解析手段11は、カメラ20で撮影された画像に基づいて、対象エリアの道路を通行する移動体の動きを解析する。図2において、白抜きの矢線が、交差点を通行する移動体の動きを表している。例えば、図2の例では交差点Bと交差点Cとの間に炎上中の車両が存在し、通行ができないため、交差点Aから交差点Bに向かった移動体は左折して交差点Dに向かっていることが検出される。
【0018】
一方、経路作成手段12は、ハザードマップ14の危険エリア(危険箇所)を避けて、前記安全なエリアに移動できる経路であって、前記道路を通行する移動体の動きに適合する経路を作成する。例えば、図2のユーザ位置の交差点Aから前記安全なエリアの1つとしての避難所までの経路としては、交差点A-交差点B―交差点C-交差点E-交差点Gを経由する経路と、交差点A-交差点B―交差点D-交差点F-交差点Gを経由する経路との少なくとも2つ存在する。経路作成手段12は、前記2つの経路の中から前記交差点を通行する移動体の動きに適合する経路、即ち、交差点A-交差点B―交差点D-交差点F-交差点Gを経由する経路を選択する。
【0019】
そして、経路出力手段13は、所定の表示装置に、前記交差点A-交差点B―交差点D-交差点F-交差点Gを経由する経路を出力し表示させる。このようにして提示される経路は、単に、ハザードマップ14の危険エリア(危険箇所)を避けて、前記安全なエリアに移動できる経路ではなく、前記道路を通行する移動体の動きに適合する経路となっている。このため、ユーザは、安全に、現在地から避難所まで移動することが可能となる。
【0020】
なお、上記のような避難経路案内システム10は、例えば、ユーザが保持するスマートフォン、携帯端末又は車載端末等に、上記した各機能を実現させるプログラムを実行させることによっても実現可能である。即ち、避難経路案内システム10は、上記した機能を持つスマートフォン、携帯端末又は車載端末等として実現することもできる。
【0021】
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図3は、本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。図3を参照すると、複数のカメラ200と接続された避難経路案内サーバ100の構成が示されている。避難経路案内サーバ100は、動き解析部101と、経路作成部102と、避難経路送信部103と、ハザードマップ記憶部104と、を備えている。このような避難経路案内サーバ100は、クラウド基盤上に配置されたサーバや、サービス対象エリアの近くに設置されるMEC(Multi-access Edge Computing)サーバにより実現できる。
【0022】
図4は、本発明の第1の実施形態で用いるカメラ200の配置例を示す図である。以下の実施形態では、カメラ200として、図4に示すように、交差点の交通信号機500に付設されたカメラを用いるものとして説明する。このような交通信号機500に付設されたカメラを用いる利点の1つは、図4に示すように、交差点の交通流を俯瞰する位置に設置可能であり、電源や通信手段としても、既存の信号制御系のものを流用できる点である。もちろん、カメラ200は図4に示した交通信号機500付設のカメラ200に限られず、その他のロードサイドに設置されたカメラ全般を用いることができる。
【0023】
動き解析部101は、災害発生時に、カメラ200で撮影された画像に基づいて、対象エリアの各交差点を通行する移動体の動きを解析する。ここで、動き解析部101が解析対象とする移動体としては、車両や人が考えられる。この移動体の動きは、画像中の車両や人が写っている領域を認識し、画像中のこれらの領域の大きさや動きを用いて、移動体の動きとして把握する方法を用いることができる。また、画像中の車両や人が写っている領域を認識する方法としては、事前に機械学習により作成した分類器を用いる方法を用いることができる。
【0024】
ハザードマップ記憶部104は、自治体等が過去の災害の記録や現地の調査に基づいて作成したハザードマップを記憶する。なお、本実施形態では、ハザードマップは、対象エリア中の危険箇所の位置と、避難所などの安全なエリアの位置が含まれているものとして説明する。
【0025】
経路作成部102は、ユーザの現在地や任意の始点が入力されると、その位置から、危険箇所を避けつつ、避難所などの安全なエリアの位置に向かうことのできる経路を1つ以上作成する。さらに、経路作成部102は、前記経路の中から、前記交差点を通行する移動体の動きに適合する経路を選択することにより、避難経路を作成する。
【0026】
避難経路送信部103は、ユーザの所持する端末400に対して、経路作成部102が作成した避難経路を送信する。
【0027】
ユーザの所持する端末400は、避難経路送信部103により送信された避難経路を表示可能なスマートフォン、携帯端末、車載端末である。なお、避難経路案内サーバ100から端末400への避難経路の送信の携帯としては、これらの端末の機能に応じたものを選択すればよい。例えば、端末400が、スマートフォンである場合、端末400にインストールされたアプリ(ソフトウェア)の機能により避難経路案内サーバ100から経路情報を受信する形態が考えられる。また、端末400が車載端末である場合、上記した方法に加え、ダイナミックマップへの反映、交通インフラとして設置された基地局からのブロードキャスト等が考えられる。また、端末400は、交通情報の表示板等と接続された情報受信用の端末であってもよい。
【0028】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図5は、本発明の第1の実施形態の避難経路案内サーバ100の災害発生時の動作を表した流れ図である。図5を参照すると、まず、避難経路案内サーバ100は、ハザードマップを参照して、危険箇所を避けつつ、任意の始点から避難所などの安全なエリアの位置に向かうことのできる経路を1つ以上作成する(ステップS001)。なお、任意の始点としては、避難経路の送信先となる端末400の現在地や端末400から指定された地点を用いることができる。また、端末400の現在地は、GPS(Global Positioning System)等の端末の位置情報取得手段により取得したものを用いることができる。例えば、避難経路案内サーバ100は、図6に示すように、ユーザuの現在地から避難所までの3つの経路を作成する(破線、点線、一点鎖線)。
【0029】
次に、避難経路案内サーバ100は、カメラ200で撮影された画像に基づいて、対象エリアの各交差点を通行する移動体の動きを解析する(ステップS002)。ここでは、例えば、避難経路案内サーバ100は、図6の各交差点の白抜きの矢線で表された移動体の動きを検出したものとする。
【0030】
次に、避難経路案内サーバ100は、ステップS001で作成した経路の中から、移動体の動きとの適合度の高い経路を1つ以上選択する(ステップS003)。この経路の選択は、例えば、ステップS001で作成した経路について、それぞれステップS002で解析した移動体の動きに適合する度合を示すスコアを計算し、スコアの高い経路を選択することで行うことができる。例えば、図6に示した3つの経路のうち、破線で示した経路は、その途中に、故障車Vにより通行不可となっている区間を含み、移動体の動きに適合しないため、選択対象から外される。これにより、危険箇所を避けて、前記安全なエリアに移動できる経路であって、前記交差点を通行する移動体の動きに適合する避難経路が作成される。
【0031】
次に、避難経路案内サーバ100は、ユーザの所持する端末400に対し、前記作成した避難経路を送信する(ステップS004)。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、ハザードマップ上の危険箇所を避けるだけでなく、現実的に避難所等の安全なエリアまで移動することのできる経路を作成し、ユーザに案内することが可能となる。なお、上記した実施形態では、災害発生時に、ユーザの端末400や通信事業者から、ユーザの現在地や任意の始点が入力されるものとして説明したが、避難経路の作成契機はこれに限られない。例えば、ユーザからの明示的な避難経路の送信要求を受けてから、避難経路案内サーバ100が、ユーザの現在地や任意の始点の入力を受け付け、避難経路を作成するものとしてもよい。このようにすることで、遠隔地にいるユーザが被災地にいる家族などのために、避難経路案内サーバ100から避難経路を入手することが可能となる。
【0033】
なお、上記した説明では、避難経路案内サーバ100が、避難経路を1つ以上作成した後に、対象エリアの各交差点を通行する移動体の動きを解析するものとして説明したが、上述のステップS001とS002の処理は並列的に実行してもよいし、入れ替えて実行してもよい。
【0034】
[第2の実施形態]
続いて、カメラで撮影された画像から、移動体の属性別の動きを解析し、属性別の経路を作成可能とした第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の構成及び動作は第1の実施形態とほぼ共通するので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0035】
図8は、本発明の第2の実施形態の避難経路案内サーバ100aの構成を示すブロック図である。図3に示した第1の実施形態の避難経路案内サーバ100との相違点は、避難経路案内サーバ100aの動き解析部101aが移動体の属性別の動きを解析し、経路作成部102aが、属性別の避難経路を作成する点である。以下の説明では、移動体の「属性」が、車両、歩行者、自転車等の移動体の種類を示す属性とした例を挙げて説明する。
【0036】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図9は、本実施形態の避難経路案内サーバ100aの動作を表した流れ図である。図9のステップS001の動作は第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0037】
ステップS002aで、避難経路案内サーバ100aは、カメラ200で撮影された画像に基づいて、対象エリアの各交差点を通行する移動体の属性別の動きを解析する。ここでは、例えば、避難経路案内サーバ100aは、図10の各交差点に示す、白抜きの矢線と黒の太矢線で表された移動体の動きを検出したものとする。ここで、図10の白抜きの矢線は、車両の動きを示し、黒の太矢線は歩行者の動きを示すものとする。
【0038】
ステップS003aで、避難経路案内サーバ100aは、ステップS001で作成した経路の中から、移動体の動きとの適合度の高い経路を属性別に1つ以上選択する(ステップS003a)。例えば、避難経路案内サーバ100aは、車両用の避難経路として、図10の点線で示す経路を選択する。また、避難経路案内サーバ100aは、歩行者用の避難経路として、図10の破線で示す経路を選択する。この歩行者用の経路は、図10に示すように、歩行者の動きの解析の結果、歩行者が炎上車両Vの存在する区間を通行可能であるという解析結果に基づいて選択されている。
【0039】
次に、避難経路案内サーバ100aは、ユーザの所持する端末400に対し、前記作成した属性別の避難経路を送信する(ステップS004a)。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、ハザードマップ上の危険箇所を避けるだけでなく、ユーザの属性を考慮し、現実的に避難所まで移動することのできる経路を作成し、ユーザに案内することが可能となる。特に、本実施形態では、図10に示したように、ある属性のユーザには通行不可である区間が、他の属性のユーザが通行可能であるという場合に、より最適な経路を案内することが可能となる。
【0041】
なお、上記した説明では、移動体の「属性」が、車両、歩行者、自転車等の移動体の種類を示す属性である例を挙げて説明したが、移動体の「属性」はこれに限られない。例えば、歩行者のうち、健常者と、車椅子利用者、杖の利用者等といった属性を設定し、各属性に応じた避難経路を作成してもよい。同様に、車両についても、普通乗用車と、大型車、バイク等といった属性を設定し、各属性に応じた避難経路を作成してもよい。
【0042】
[第3の実施形態]
続いて、カメラで撮影された画像から、移動体の移動速度と移動体の数を解析し、これらに基づいて、避難経路を作成するようにした第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の構成及び動作は第1の実施形態とほぼ共通するので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0043】
図11は、本発明の第3の実施形態の避難経路案内サーバ100bの構成を示すブロック図である。図3に示した第1の実施形態の避難経路案内サーバ100との相違点は、避難経路案内サーバ100bの動き解析部101bが移動体の数とその移動速度を解析し、経路作成部102bが、これらを考慮した避難経路を作成する点である。
【0044】
動き解析部101bは、災害発生時に、カメラ200で撮影された画像に基づいて、過去所定時間内に、対象エリアの各交差点を通行した移動体の数を計数する。動き解析部101bは、災害発生時に、カメラ200で撮影された画像に基づいて、過去所定時間内に、対象エリアの各交差点を通行した移動体の移動速度を計算する。ここで、個別の移動体の速度は、あるタイミングで取得した画像における当該移動体の画像内の位置と、次のタイミングで取得した画像における当該移動体の画像内の位置との差分から移動距離を求めることにより計算することができる。動き解析部101bは、これら個別の移動体の移動速度に基づいて、過去所定時間内に、対象エリアの各交差点を通行した移動体の移動速度を計算する。なお、移動速度としては、例えば、所定時間内における各移動体の速度を統計処理した値を用いることでき、例えば、平均や、最大値や最頻値を用いることもできる。
【0045】
経路作成部102bは、前述の避難所などの安全なエリアの位置に向かうことのできる1つ以上の経路の中から、前記交差点を通行する移動体の動きに適合する経路を選択する際に、前述の移動体の数と、移動体の移動速度を参照して経路を選択する。
【0046】
具体的には、経路作成部102bは、前述の避難所などの安全なエリアの位置に向かうことができ、かつ、前記交差点を通行する移動体の動きに適合する経路が2つ以上ある場合、前述の移動体の数が多い方を選択する。また、経路作成部102bは、前述の避難所などの安全なエリアの位置に向かうことができ、かつ、前記交差点を通行する移動体の動きに適合する経路が2つ以上ある場合、前述の移動体の移動速度が高い方を選択する。なお、経路の選択は、大きく分けて2つある。1つは、注目する交差点(2つの経路の相違点の起点となる)の移動体の数や移動体の移動速度を比較する方法である。もう1つは、経路上の全交差点の移動体の数や移動体の移動速度の合計値を比較する方法である。後者の方が計算量は多くなるが、より総合的に避難のしやすい経路を選択することができる。また、いずれの方法とも、移動体の数や移動体の移動速度の双方を考慮に入れる場合、両者に重み付けを与えて経路毎にスコアを計算し、両者のスコアを比較することにより、どちらの経路を選択するかを決定してもよい。
【0047】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図12は、本実施形態の避難経路案内サーバ100bの動作を表した流れ図である。図12のステップS001の動作は第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0048】
ステップS0021で、避難経路案内サーバ100bは、カメラ200で撮影された過去所定期間の画像を参照して、対象エリアの各交差点を通行した移動体の数を計数する。
【0049】
続くステップS0022で、避難経路案内サーバ100bは、カメラ200で撮影された過去所定期間の画像を参照して、対象エリアの各交差点を通行した移動体の移動速度を計算する。
【0050】
図13は、ステップS0021、S0022で得られた移動体の数と移動速度を白抜きの矢線で表した図である。図13の矢線の幅が移動体の数を表し、矢線の長さが移動体の移動速度を表しているものとする。例えば、図13の交差点Dでは、交差点Eに向かう矢線と、交差点Fに向かう矢線が存在するが、交差点Fに向かう矢線の方が太くて長い。これは、交差点Dから交差点Fに移動した移動体の数が多く、かつ、その速度も速かったことを意味する。
【0051】
次に、避難経路案内サーバ100bは、前述の避難所などの安全なエリアの位置に向かうことのできる1つ以上の経路の中から、前記交差点を通行する移動体の動きに適合する経路を選択する。その際に、避難経路案内サーバ100bは、前述の移動体の数と、移動体の移動速度を参照して経路を選択する(ステップS003c)。具体的には、避難経路案内サーバ100bは、各交差点を通行した移動体の数が多く、その移動速度の高い経路を選択する。例えば、ユーザuの現在地から避難所までの3つの経路があった場合(図6の破線、点線、一点鎖線)、避難経路案内サーバ100bは、図13に示すように、交差点を通過した移動体の数と、移動速度を参照して経路を選択する。
【0052】
最後に、避難経路案内サーバ100bは、ユーザの所持する端末400に対し、前記作成した避難経路を送信する(ステップS004)。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によれば、ハザードマップ上の危険箇所を避けるだけでなく、通り易く、また、速く避難できる可能性の高い経路を作成し、ユーザに案内することが可能となる。その理由は、対象エリアの各交差点を通行した移動体の数やその移動速度に基づいた経路の選択を行うよう構成したためである。
【0054】
なお、上記した実施形態では、移動体の数やその移動速度との双方を計算し、これらに基づいた経路の選択を行うものとして説明したが、移動体の数やその移動速度のいずれか一方のみを計算し、経路の選択を行うようにしてもよい。
【0055】
なお、上記した第3の実施形態と、第2の実施形態とを組み合わせて実施することもできる。この場合、移動体の属性別の移動数やその移動速度との双方を計算することになる。これにより、移動体の属性別に、通り易く、また、速く避難できる可能性の高い経路、即ち、最適な避難経路を作成し、ユーザに案内することが可能となる。
【0056】
[第4の実施形態]
続いて、発生した災害に応じて参照するハザードマップを切り替えるようにした第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の構成及び動作は第1の実施形態とほぼ共通するので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0057】
図14は、本発明の第4の実施形態の避難経路案内サーバ100cの構成を示すブロック図である。図3に示した第1の実施形態の避難経路案内サーバ100との第1の相違点は、ハザードマップ記憶部104cに予め災害の種類やその大きさに応じたハザードマップが複数種登録されている点である。避難経路案内サーバ100cと第1の実施形態の避難経路案内サーバ100との第2の相違点は、避難経路案内サーバ100cにハザードマップ選択部105が追加されている点である。
【0058】
ハザードマップ選択部105は、災害発生時に、ハザードマップ記憶部104cから、災害の種類やその大きさに応じたハザードマップを取得し、経路作成部102に渡す。なお、災害の種類やその大きさは、気象庁等の機関が発信する災害情報やニュース等から得てもよいが、ハザードマップ選択部105が、カメラ200の画像から災害の種類やその大きさを判断してもよい。
【0059】
図15は、発生した災害が洪水である場合のハザードマップと、避難経路案内サーバ100cが作成する経路の一例を示す図である。図16は、発生した災害が地震である場合のハザードマップと、避難経路案内サーバ100cが作成する経路の一例を示す図である。図15図16に表されたように、災害の種類やその大きさにより、ハザードマップ上の危険箇所は変わりうる。また、避難場所も、地震のときは耐震性が高い建物や延焼の可能性の低い地域の建物が指定され、洪水のときは、高台の建物が指定される場合がある。同様に、災害の種類が同じでも、その程度の大きさにより、危険箇所や避難場所が変わり得る。本実施形態によれば、これら災害の種類やその大きさに応じた避難経路を案内することが可能となる。
【0060】
なお、上記した第4の実施形態と、第2、第3の実施形態とを組み合わせて実施することもできる。この場合、移動体の属性や、各交差点の移動数やその移動速度との双方を考慮した避難経路の作成が行われることになる。
【0061】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的な技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示した装置構成、各要素の構成、データ等の表現形態は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0062】
例えば、上記した実施形態では、避難経路案内システムが対象エリアの複数の交差点の移動体の動きを補足可能であるものとして説明したが、多くの交差点にカメラを設置することが難しい場合も想定される。そのような場合、対象エリア内での避難にあたり要所となる交差点のカメラ画像のみを取得する構成であってもよい。このような構成であっても、移動体の動きを解析し、これに基づいた経路を選択、作成することで、より安全な避難経路を作成とすることができる。
【0063】
例えば、上記した実施形態では、避難経路案内システムが避難経路案内サーバ100~100cにより構成されるものとして説明したが、避難経路案内システムはカメラ200の画像と、ハザードマップとをそれぞれ取得可能なコンピュータにて実現可能である。例えば、ユーザのスマートフォンや、車載端末に、カメラ200の画像の取得機能と、ハザードマップの取得機能を追加することで、これらの機器単体で避難経路案内システムを構成することも可能である。
【0064】
また、上記した実施形態では、避難経路案内サーバ100~100cがカメラ200の画像を用いて、移動体の動きを解析するものとして説明したが、避難経路案内サーバ100~100cが他の情報を併用して、移動体の動きを解析するように構成することも可能である。例えば、移動体の数は、交通流の計測や、渋滞観測用のセンサーを用いて測定することが可能である。また、移動体の中に、自動運転車や、位置追跡機能付きの携帯端末が含まれている場合、これらの移動体から直接、交差点での動きを取得する構成も採用可能である。
【0065】
また、上記した移動体の動きを解析して経路を作成するものとして説明したが、避難経路案内サーバ100~100cがその他の情報を用いて経路を作成してもよい。例えば、カメラ200にて、路面の状態が悪いことを把握できる場合、移動体の動きを解析するまでもなく、当該区間が通行不能であることが分かる場合がある。この場合、避難経路案内サーバ100~100cは、これらの路面の状態の悪い区間を利用しない経路を作成することで安全な経路を作成することができる。
【0066】
また、上記した各実施形態に示した手順は、避難経路案内サーバとして機能するコンピュータ(図17の9000)に、情報提供サーバとしての機能を実現させるプログラムにより実現可能である。このようなコンピュータは、図17のCPU(Central Processing Unit)9010、通信インタフェース9020、メモリ9030、補助記憶装置9040を備える構成に例示される。すなわち、図17のCPU9010にて、画像解析プログラムや経路作成プログラムを実行させればよい。
【0067】
即ち、上記した避難経路案内サーバ100~100cの各部(処理手段、機能)は、これらの装置に搭載されたプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
【0068】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による避難経路案内システム参照)
[第2の形態]
上記した避難経路案内システムの動き解析手段は、前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記対象エリアの交差点を通行する移動体の動きを解析するカメラで撮影された画像に基づいて、前記交差点を通行する移動体の数を解析する構成を採ることができる。
[第3の形態]
上記した避難経路案内システムは、
カメラで撮影された画像に基づいて、前記交差点を通行する移動体の数を解析し、
前記交差点を通行する移動体の数に基づいて、前記経路を作成する構成を採ることができる。
[第4の形態]
上記した避難経路案内システムは、
前記交差点を通行する前記移動体の数の多い経路を優先して、前記経路を作成する構成を採ることができる。
[第5の形態]
上記した避難経路案内システムは、
カメラで撮影された画像に基づいて、前記交差点を通行する移動体の移動速度を計算し、
前記交差点を通行する移動体の移動速度に基づいて、前記経路を作成する構成を採ることができる。
[第6の形態]
上記した避難経路案内システムは、
前記交差点を通行する移動体の移動速度が高い経路を優先して、前記経路を作成する構成を採ることができる。
[第7の形態]
上記した避難経路案内システムは、
前記カメラで撮影された画像に基づいて、前記交差点を通行する移動体の属性別の動きを解析し、
前記避難経路の利用者の属性別の移動体の動きに基づいて、前記利用者の属性別の経路を作成する構成を採ることができる。
[第8の形態]
上記した避難経路案内システムの前記経路作成手段は、災害の種別又は規模毎の複数のハザードマップの中から、発生した災害に応じたハザードマップを選択して経路を作成する構成を採ることができる。
[第9の形態]
(上記第2の視点による避難経路作成方法参照)
[第10の形態]
(上記第3の視点によるプログラム参照)
なお、上記第9~第10の形態は、第1の形態と同様に、第2~第8の形態に展開することが可能である。
【0069】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本発明の趣旨に則り、本発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれるものと、みなされる。
【符号の説明】
【0070】
10 避難経路案内システム
11 動き解析手段
12 経路作成手段
13 経路出力手段
20、200 カメラ
100、100a~100c 避難経路案内サーバ
101、100a 動き解析部
102、102a、102b 経路作成部
103 避難経路送信部
104、104c ハザードマップ記憶部
105 ハザードマップ選択部
400 端末
500 交通信号機
u ユーザ
V 故障車
9000 コンピュータ
9010 CPU
9020 通信インタフェース
9030 メモリ
図1
図2
図3
図4
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