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特許7647874駐車場案内装置、システム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】駐車場案内装置、システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20250311BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20250311BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20250311BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/04 C
G01C21/36
G08G1/09 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023509947
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(86)【国際出願番号】 JP2021013432
(87)【国際公開番号】W WO2022208639
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】尾形 一気
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 慶
(72)【発明者】
【氏名】網中 洋明
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
【審査官】西畑 智道
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1851682(KR,B1)
【文献】特開2020-177418(JP,A)
【文献】特開平9-264750(JP,A)
【文献】特開2012-185086(JP,A)
【文献】特開2015-230186(JP,A)
【文献】特開2010-216848(JP,A)
【文献】特開2004-264934(JP,A)
【文献】特開平06-240901(JP,A)
【文献】国際公開第2006/109828(WO,A1)
【文献】特開2018-106375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサが出力するセンサ情報に基づいて、車両が向かう第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断する混雑判断手段と、
前記混雑判断手段にて前記道路が混雑していると判断された場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両に案内する第2の駐車場を選択する選択手段と、
前記車両に前記第2の駐車場を通知する通知手段とを備え、
前記混雑判断手段は、前記第1の駐車場の入り口と所定の位置関係にある所定のチェックポイントを前記車両が通過した場合に、前記第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断し、
前記選択手段は、前記1以上の駐車場の中から、前記車両が対向車線を横切らずに入庫可能な駐車場を、前記第2の駐車場として選択する、駐車場案内装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記第1の駐車場の入口付近の道路を迂回するルートを前記車両に提示し、前記車両を前記第2の駐車場に案内する請求項1に記載の駐車場案内装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記1以上の駐車場の中から、前記車両の進行方向に沿った位置に入口を有する駐車場を、前記第2の駐車場として選択する請求項1又は2に記載の駐車場案内装置。
【請求項4】
前記車両が前記第1の駐車場に接近したことを検知する接近検知手段を更に有し、
前記選択手段は、前記接近検知手段にて前記車両が前記第1の駐車場に接近したことが検知された場合で、かつ前記混雑判断手段にて前記道路が混雑していると判断さている場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記第2の駐車場を選択する請求項1から何れか1項に記載の駐車場案内装置。
【請求項5】
前記車両に乗車するユーザからの要求に応じて、前記車両に対し、前記第2の駐車場に入庫することができる時間帯の情報を含む電子整理券を発行する整理券発行手段を更に有する請求項1から何れか1項に記載の駐車場案内装置。
【請求項6】
前記センサは、前記第1の駐車場の入口を撮影範囲に含む撮像装置を含み、
前記混雑判断手段は、前記撮像装置を用いて撮影された映像を用いて、前記第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断する請求項1から何れか1項に記載の駐車場案内装置。
【請求項7】
センサ情報を出力するセンサと、
第1の駐車場に向かう車両に駐車場を案内する駐車場案内装置とを備え、
前記駐車場案内装置は、
前記センサ情報に基づいて、前記第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断する混雑判断手段と、
前記混雑判断手段にて前記道路が混雑していると判断された場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両に案内する第2の駐車場を選択する選択手段と、
前記車両に前記第2の駐車場を通知する通知手段とを有し、
前記混雑判断手段は、前記第1の駐車場の入り口と所定の位置関係にある所定のチェックポイントを前記車両が通過した場合に、前記第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断し、
前記選択手段は、前記1以上の駐車場の中から、前記車両が対向車線を横切らずに入庫可能な駐車場を、前記第2の駐車場として選択する、駐車場案内システム。
【請求項8】
コンピュータが、センサが出力するセンサ情報に基づいて、第1の駐車場に向かう車両が前記第1の駐車場の入り口と所定の位置関係にある所定のチェックポイントを通過した場合に、前記第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断し、
前記コンピュータが、前記道路が混雑していると判断した場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両が対向車線を横切らずに入庫可能な駐車場を、前記車両に案内する第2の駐車場として選択し、
前記コンピュータが、前記車両に前記第2の駐車場を通知する、駐車場案内方法。
【請求項9】
センサが出力するセンサ情報に基づいて、第1の駐車場に向かう車両が前記第1の駐車場の入り口と所定の位置関係にある所定のチェックポイントを通過した場合に、前記第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断し、
前記道路が混雑していると判断した場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両が対向車線を横切らずに入庫可能な駐車場を、前記車両に案内する第2の駐車場として選択し、
前記車両に前記第2の駐車場を通知する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車場案内装置、システム、方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、特許文献1は、駐車支援装置を開示する。特許文献1に記載の駐車支援装置は、満車駐車場における入庫待ち車両の有無を検出する。駐車支援装置は、入庫待ち車両がある場合、満車駐車場に近隣する1以上の近隣駐車場における空き駐車スペースの有無を検出する。駐車支援装置は、車両に、空き駐車スペースがある近隣駐車場への駐車を促す誘導情報を出力する。また、駐車支援装置は、空き駐車スペースを予約し、車両に予約した駐車スペースの情報を出力する。他の関連技術が記載された文献として、特許文献2が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2006/109828号
【文献】特開2000-113393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、駐車場が満車にはなっていなくても、駐車場の入口がボトルネックとなって、入口付近の道路が混雑する場合がある。特許文献1では、駐車場が満車になり、かつ入庫待ち車両が発生している場合に、車両を近隣駐車場に案内する。このため、特許文献1では、ユーザは、駐車場が満車になっていない場合には、近隣駐車場に案内されない。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑み、ユーザがスムーズに入庫可能な駐車場を、ユーザに案内することができる駐車場案内装置、システム、方法、及びコンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示は、第1の態様として、駐車場案内装置を提供する。駐車場案内装置は、センサが出力するセンサ情報に基づいて、車両が向かう第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断する混雑判断手段と、前記混雑判断手段にて前記道路が混雑していると判断された場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両に案内する第2の駐車場を選択する選択手段と、前記車両に前記第2の駐車場を通知する通知手段とを有する。
【0007】
本開示は、第2の態様として、駐車場案内システムを提供する。駐車場案内システムは、センサ情報を出力するセンサと、第1の駐車場に向かう車両に駐車場を案内する駐車場案内装置とを有する。駐車場案内装置は、前記センサ情報に基づいて、前記第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断する混雑判断手段と、前記混雑判断手段にて前記道路が混雑していると判断された場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両に案内する第2の駐車場を選択する選択手段と、前記車両に前記第2の駐車場を通知する通知手段とを含む。
【0008】
本開示は、第3の態様として、駐車場案内方法を提供する。駐車場案内方法は、センサが出力するセンサ情報に基づいて、車両が向かう第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断し、前記道路が混雑していると判断した場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両に案内する第2の駐車場を選択し、前記車両に前記第2の駐車場を通知することを含む。
【0009】
本開示は、第4に態様として、コンピュータ可読媒体を提供する。コンピュータ可読媒体は、センサが出力するセンサ情報に基づいて、車両が向かう第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断し、前記道路が混雑していると判断した場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両に案内する第2の駐車場を選択し、前記車両に前記第2の駐車場を通知する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納する。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る駐車場案内装置、システム、方法、及びコンピュータ可読媒体は、ユーザがスムーズに入庫可能な駐車場を、ユーザに案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示に係る駐車場案内システムを概略的に示すブロック図。
図2】本開示の一実施形態に係る駐車場案内システムを示すブロック図。
図3】駐車場案内装置の構成例を示すブロック図。
図4】複数の駐車場の位置関係を示す図。
図5】駐車場案内装置における動作手順を示すフローチャート。
図6】コンピュータ装置の構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施の形態の説明に先立って、本開示の概要を説明する。図1は、本開示に係る駐車場案内システムを概略的に示す。駐車場案内システム10は、駐車場案内装置20とセンサ30とを有する。センサ30は、センサ情報を出力する。駐車場案内装置20は、第1の駐車場に向かう車両を駐車場に案内する。
【0013】
駐車場案内装置20は、混雑判断手段21、選択手段22、及び通知手段23を有する。混雑判断手段21は、センサ30が出力するセンサ情報に基づいて、車両50が向かう第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断する。選択手段22は、混雑判断手段21にて道路が混雑していると判断された場合、第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、車両に案内する第2の駐車場を選択する。通知手段23は、車両に選択された第2の駐車場を通知する。
【0014】
本開示では、選択手段22は、車両50が向かう第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑していると判断された場合、第1の駐車場の代替となる第2の駐車場を選択する。本開示において、駐車場案内装置20は、ボトルネックとなる駐車場の入口付近が混んでいる場合に、例えば近隣の他の駐車場を通知することができる。このため、駐車場案内装置20は、ユーザがスムーズに入庫可能な駐車場を、ユーザに案内することができる。
【0015】
以下、本開示の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本開示の一実施形態に係る駐車場案内システムを示す。駐車場案内システム100は、カメラ110、駐車場案内装置120、及び無線通信装置130を有する。なお、図2では、駐車場案内システム100がカメラ110を3台有する例が示されている。しかしながら、駐車場案内システム100はカメラ110を少なくとも1台有していればよく、カメラ110の台数は3台には限定されない。
【0016】
駐車場案内装置120は、第1の駐車場に向かう車両140を駐車場に案内する。第1の駐車場は、例えば商業施設に付随する複数の駐車場のうち、商業施設に最も近い駐車場であってもよい。例えば、商業施設に付随する複数の駐車場は、客が商業施設(建物)に道路を横断せずに入場可能な駐車場と、商業施設から少し離れた位置にある近隣の駐車場とを含む。その場合、第1の駐車場は、客が商業施設に道路を横断せずに入場可能な駐車場であってよい。駐車場案内装置120は、例えば商業施設内に設置され、商業施設の運営者によって運用される。駐車場案内装置120は、図1に示される駐車場案内装置20に対応する。
【0017】
カメラ(撮像装置)110は、道路状況を取得するために使用されるセンサである。カメラ110は、例えば商業施設に付随する複数の駐車場の入口のそれぞれに通じる道路を撮影可能な位置に配置される。カメラ110の撮影範囲は、第1の駐車場の入口を含んでいてもよい。カメラ110は、例えば、信号機などの路上設備に配置される。カメラ110は、センサ情報として、撮影した映像(映像データ)を出力する。駐車場案内装置120は、カメラ110が撮影した映像を、図示しない無線通信ネットワーク、或いはインターネットなどのネットワークを通じて取得する。カメラ110は、図1に示されるセンサ30に対応する。カメラ110に代えて、他のセンサが使用されてもよい。
【0018】
無線通信装置(通信装置)130は、車両140との間で無線通信を行う装置として構成される。無線通信装置130は、例えば信号機などに付随して各交差点に設置される路側機(RSU:Roadside Unit)であってもよい。無線通信装置130は、LTE(Long Term Evolution)等の通信回線規格を用いた無線通信ネットワークを構成する通信装置であってもよい。或いは、無線通信装置130は、WiFi(登録商標)又は第5世代移動通信システム(5G:5th generation)などの無線通信ネットワークを構成する装置であってもよい。また、無線通信装置130は、第6世代移動通信システム以降の無線通信ネットワークを構成する装置であってもよい。車両140は、図1に示される車両50に対応する。
【0019】
図3は、駐車場案内装置120の構成例を示す。駐車場案内装置120は、混雑判断部121、駐車場選択部122、車両接近検知部123、整理券発行部124、及び駐車場案内部125を有する。駐車場案内装置120内の各部の機能の少なくとも一部は、プロセッサとメモリとを有するコンピュータ装置において、プロセッサがメモリから読み出したプログラムに従って動作することで実現され得る。
【0020】
混雑判断部121は、カメラ110(図2を参照)から映像を取得する。混雑判断部121は、カメラ110から取得した映像を用いて、第1の駐車場の入口付近の道路が混雑しているか否かを判断する。ここで、第1の駐車場の入口付近とは、例えば、第1の駐車場の入口から所定距離以内の範囲を意味する。あるいは、第1の駐車場の入口付近とは、第1の駐車場の入口に通じる道路における、第1の駐車場の入口を含む所定区間を意味してもよい。所定区間は、第1の駐車場に向かって走行する車両140から見て、入口よりも手前側の区間であってよい。
【0021】
混雑判断部121は、例えばカメラ110から取得した映像に対して画像解析を行うことで、第1の駐車場の入口付近の道路が混雑しているか否かを判断する。混雑判断部121は、例えば、第1の駐車場の入口付近の道路に存在する車両の台数、及び平均速度を解析する。混雑判断部121は、車両の台数がしきい値以上で、かつ平均速度が所定速度以下の場合、第1の駐車場の入口付近の道路において車両が滞留していると判断し、道路が混んでいると判断する。混雑判断部121は、図1に示される混雑判断手段21に対応する。
【0022】
駐車場選択部122は、混雑判断部121にて道路が混雑していると判断された場合、第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、車両140に案内する第2の駐車場を選択する。駐車場選択部122は、例えば第1の駐車場に関連する商業施設において、他に利用可能な複数の駐車場の中から、第2の駐車場を選択する。
【0023】
駐車場選択部122は、例えば、複数の駐車場の中から、車両140の進行方向に沿った位置に入口を有する駐車場を、第2の駐車場として選択してもよい。あるいは、駐車場選択部122は、複数の駐車場の中から、車両140が対向車線を横切らずに入庫可能な駐車場を、第2の駐車場として選択してもよい。すなわち、駐車場選択部122は、複数の駐車場の中から、車両140が走行予定の車線側に入口を有する駐車場を第2の駐車場として選択してもよい。駐車場選択部122は、複数の駐車場の中から、車両140が転回せずに入庫可能な駐車場を、第2の駐車場として選択してもよい。駐車場選択部122は、図1に示される選択手段22に対応する。
【0024】
車両接近検知部(接近検知手段)123は、車両140が第1の駐車場に接近したことを検知する。混雑判断部121は、車両140が第1の駐車場に接近したことが検知された場合、第1の駐車場の入口付近の道路が混雑しているか否かを判断してもよい。駐車場選択部122は、車両140が第1の駐車場に接近したことが検知された場合で、かつ混雑判断部121にて道路が混雑していると判断さている場合、第2の駐車場を選択してもよい。
【0025】
上記に代えて、混雑判断部121は、車両140が第1の駐車場の入口と所定の位置関係にある所定のチェックポイントとなる地点を通過した場合に、第1の駐車場の入口付近の道路が混雑しているか否かを判断してもよい。混雑判断部121は、車両140の位置とは無関係に、第1の駐車場の入口付近の道路が混雑しているか否かを判断してもよい。駐車場選択部122は、車両140が所定のチェックポイントを通過した時点において、混雑判断部121にて道路が混雑していると判断されているか否かを調べ、混雑していると判断されている場合に第2の駐車場を選択してもよい。
【0026】
整理券発行部(整理券発行手段)124は、車両140に対し、第2の駐車場に入庫するための整理券を発行する。整理券発行部124は、例えば、無線通信を介して、車両140に電子的に整理券を発行する。整理券発行部124は、例えば信号機などの路上設備に設置された無線通信装置130(図2を参照)から、道路上を走行している車両140に電子整理券を発行する。整理券が発行された車両は、優先的に第2の駐車場に入場できるものとする。車両140に対して第2の駐車場の整理券を発行することで、車両140を第2の駐車場に誘導することができる。整理券発行部124は、省略されてもよい。
【0027】
駐車場案内部125は、駐車場選択部122が第2の駐車場を選択した場合、車両140に選択された第2の駐車場を通知する。駐車場案内部125は、例えば無線通信装置130を通じて、車両140に第2の駐車場を通知する。駐車場案内部125は、例えば第2の駐車場の位置を、車両140に通知する。駐車場案内部125は、車両140に、第2の駐車場までの経路情報を送信してもよい。その場合、駐車場案内部125は、混雑している第1の駐車場の入口付近の道路を迂回するルートを車両140に提示し、車両140を第2の駐車場に案内してもよい。駐車場案内部125は、図1に示される通知部24に対応する。
【0028】
図4は、複数の駐車場の位置関係を示す。図4には、ある商業施設に関連する駐車場として、3つの駐車場301-303が示されている。図4において、交差点に設置される4つの信号機201-204には、それぞれ少なくとも1つのカメラ110(図2を参照)が設置されているとする。信号機201及び202の少なくとも一方に搭載されるカメラは、駐車場301の入口G1に通じる道路の所定領域211、及び駐車場302の入口G2に通じる道路の所定領域212を撮影するものとする。信号機203及び204の少なくとも一方に搭載されるカメラは、駐車場303の入口G3に通じる道路の所定領域213を撮影するものとする。
【0029】
図4において、車両140は、駐車場301に向かっているとする。別の言い方をすると、駐車場301が第1の駐車場であるとする。混雑判断部121は、信号機201又は202に設置されたカメラの映像を用いて、駐車場301の入口G1の付近の所定領域211の混雑状況(混雑の度合い)を取得する。混雑判断部121は、駐車場302の入口G2の付近の所定領域212の混雑状況、及び駐車場303の入口G3の付近の所定領域213の混雑状況も取得する。混雑判断部121は、所定領域211における混雑の度合いがしきい値より大きい場合、駐車場301の入口G1付近の道路は混雑していると判断する。
【0030】
駐車場選択部122は、入口G1付近の所定領域211が混雑していると判断された場合、駐車場302又は303を、第2の駐車場として選択する。駐車場選択部122は、駐車場302の入口G2付近の所定領域212の混雑状況、及び駐車場303の入口G3付近の所定領域213の混雑状況に応じて、駐車場302又は303を第2の駐車場として選択してもよい。なお、車両140が最初に向かっている駐車場が駐車場302の場合、駐車場302が第1の駐車場であり、駐車場301又は303が第2の駐車場として選択される。車両140が最初に向かっている駐車場が駐車場303の場合、駐車場303が第1の駐車場であり、駐車場301又は302が第2の駐車場として選択される。
【0031】
駐車場選択部122は、駐車場302を第2の駐車場として選択したとする。駐車場案内部125は、車両140に、駐車場301の代替となる駐車場として、駐車場302を通知する。駐車場案内部125は、無線通信ネットワークにおいて車両140の位置を検索し、車両140が通過する交差点に設置された無線通信装置130から、駐車場302を通知してもよい。駐車場案内部125は、駐車場301の入口G1付近の所定領域211を通過しない経路で駐車場302の入口G2に向かうルートを、車両140に提示することができる。車両140の運転者がそのルートに従って駐車場302に向かう場合、車両140は、混雑している駐車場301の入口G1付近を走行することなく、駐車場302に到達できる。
【0032】
整理券発行部124は、ユーザが希望した場合、車両140(その車載装置)に、駐車場302の電子整理券を発行する。車両140は、例えば駐車場301に向かう途中の交差点において、信号機に設置された無線通信装置130(図2を参照)から、電子整理券を受け取る。電子整理券は、例えば、車両140が駐車場302に入場することができる時間帯を指定する情報を含んでもよい。電子整理券の発行を受けた車両140は、駐車場302が混雑した場合でも、指定された時間帯に、優先的に駐車場302に入場できる。
【0033】
なお、図4では図示は省略されているが、各駐車場は、整理券の発行を受けた車両が優先的に入場できる専用のゲートを有していてもよい。整理券の発行を受けた車両は、一般車両が使用する入場ゲートとは異なる専用のゲートを通り、駐車場に入場することができるものとする。その場合、通常の入場ゲートに入庫待ちの車両が並んでいる場合でも、整理券の発行を受けた車両は、専用のゲートから、優先的に駐車場に入場できる。
【0034】
続いて、動作手順を説明する。図5は、駐車場案内装置120における動作手順(駐車場案内方法)を示す。車両接近検知部123は、車両140が第1の駐車場に接近していることを検知する(ステップS1)。混雑判断部121は、カメラ110から映像を取得し、第1の駐車場の入口付近の道路が混雑しているか否かを判断する(ステップS2)。駐車場選択部122は、ステップS1で入口付近の道路が混雑していると判断されているか否かを判断する(ステップS3)。テップS2で入口付近の道路が混雑していないと判断された場合、車両140は第1の駐車場に向かえばよく、処理は終了する。あるいは、駐車場案内装置120は、車両140に第1の駐車場の入口付近の道路は混雑していない旨を通知してもよい。
【0035】
駐車場選択部122は、ステップS2で入口付近の道路が混雑していると判断されている場合、第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、車両に案内する第2の駐車場を選択する(ステップS4)。駐車場選択部122は、ステップS4では、第1の駐車場の近隣において、第1の駐車場の代替となる第2の駐車場を選択する。駐車場案内部125は、ステップS4で選択された第2の駐車場を、車両140に通知する(ステップS5)。整理券発行部124は、ユーザが希望する場合、車両140に、第2の駐車場の電子整理券を発行する(ステップS6)。
【0036】
本実施形態では、混雑判断部121は、第1の駐車場の入口付近の道路が混雑しているか否かを判断する。駐車場選択部122は、第1の駐車場の入口付近の道路が混雑していると判断された場合、第1の駐車場とは異なる駐車場を、第2の駐車場として選択する。駐車場案内部125は、選択された第2の駐車場を車両140に通知する。このようにすることで、駐車場案内装置120は、ボトルネックとなる駐車場の入口付近が混んでいる場合に、車両140を、第1の駐車場の近くにある第2の駐車場に、誘導することができる。このため、本実施形態において、駐車場案内装置120は、ユーザがスムーズに入庫可能な駐車場を、ユーザに案内することができる。
【0037】
本開示において、駐車場案内装置120は、コンピュータ装置(サーバ装置)として構成され得る。図6は、駐車場案内装置120として用いられ得るコンピュータ装置の構成例を示す。コンピュータ装置500は、制御部(CPU:Central Processing Unit)510、記憶部520、ROM(Read Only Memory)530、RAM(Random Access Memory)540、通信インタフェース(IF:Interface)550、及びユーザインタフェース560を有する。
【0038】
通信インタフェース550は、有線通信手段又は無線通信手段などを介して、コンピュータ装置500と通信ネットワークとを接続するためのインタフェースである。ユーザインタフェース560は、例えばディスプレイなどの表示部を含む。また、ユーザインタフェース560は、キーボード、マウス、及びタッチパネルなどの入力部を含む。
【0039】
記憶部520は、各種のデータを保持できる補助記憶装置である。記憶部520は、必ずしもコンピュータ装置500の一部である必要はなく、外部記憶装置であってもよいし、ネットワークを介してコンピュータ装置500に接続されたクラウドストレージであってもよい。
【0040】
ROM530は、不揮発性の記憶装置である。ROM530には、例えば比較的容量が少ないフラッシュメモリなどの半導体記憶装置が用いられる。CPU510が実行するプログラムは、記憶部520又はROM530に格納され得る。記憶部520又はROM530は、例えば駐車場案内装置120内の各部の機能を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0041】
上記プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータ装置500に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、及び半導体メモリを含む。磁気記録媒体は、例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、又はハードディスクなどの記録媒体を含む。光磁気記録媒体は、例えば光磁気ディスクなどの記録媒体を含む。光ディスク媒体は、CD(compact disc)、又はDVD(digital versatile disk)などのディスク媒体を含む。半導体メモリは、マスクROM、PROM(programmable ROM)、EPROM(erasable PROM)、フラッシュROM、又はRAMなどのメモリを含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体を用いてコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバなどの有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0042】
RAM540は、揮発性の記憶装置である。RAM540には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)などの各種半導体メモリデバイスが用いられる。RAM540は、データなどを一時的に格納する内部バッファとして用いられ得る。CPU510は、記憶部520又はROM530に格納されたプログラムをRAM540に展開し、実行する。CPU510がプログラムを実行することで、駐車場案内装置120内の各部の機能が実現され得る。CPU510は、データなどを一時的に格納できる内部バッファを有してもよい。
【0043】
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
【0044】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0045】
[付記1]
センサが出力するセンサ情報に基づいて、車両が向かう第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断する混雑判断手段と、
前記混雑判断手段にて前記道路が混雑していると判断された場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両に案内する第2の駐車場を選択する選択手段と、
前記車両に前記第2の駐車場を通知する通知手段とを備える駐車場案内装置。
【0046】
[付記2]
前記通知手段は、前記第1の駐車場の入口付近の道路を迂回するルートを前記車両に提示し、前記車両を前記第2の駐車場に案内する付記1に記載の駐車場案内装置。
【0047】
[付記3]
前記選択手段は、前記1以上の駐車場の中から、前記車両の進行方向に沿った位置に入口を有する駐車場を、前記第2の駐車場として選択する付記1又は2に記載の駐車場案内装置。
【0048】
[付記4]
前記選択手段は、前記1以上の駐車場の中から、前記車両が走行予定の車線側に入口を有する駐車場を、前記第2の駐車場として選択する付記1から3何れか1つに記載の駐車場案内装置。
【0049】
[付記5]
前記選択手段は、前記1以上の駐車場の中から、前記車両が転回せずに入庫可能な駐車場を、前記第2の駐車場として選択する付記1から4何れか1つに記載の駐車場案内装置。
【0050】
[付記6]
前記車両に対し、前記第2の駐車場に入庫するための整理券を発行する整理券発行手段を更に有する付記1から5何れか1つに記載の駐車場案内装置。
【0051】
[付記7]
前記整理券発行手段は、無線通信を介して、前記車両に電子的に前記整理券を発行する付記6に記載の駐車場案内装置。
【0052】
[付記8]
前記整理券発行手段は、前記車両が走行する道路に設けられた路上設備に設置された通信装置から、前記電子的に発行された整理券を前記車両に送信する付記7に記載の駐車場案内装置。
【0053】
[付記9]
前記車両が前記第1の駐車場に接近したことを検知する接近検知手段を更に有し、
前記選択手段は、前記接近検知手段にて前記車両が前記第1の駐車場に接近したことが検知された場合で、かつ前記混雑判断手段にて前記道路が混雑していると判断さている場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記第2の駐車場を選択する付記1から7何れか1つに記載の駐車場案内装置。
【0054】
[付記10]
前記センサは、前記第1の駐車場の入口を撮影範囲に含む撮像装置を含み、
前記混雑判断手段は、前記撮像装置を用いて撮影された映像を用いて、前記第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断する付記1から9何れか1つに記載の駐車場案内装置。
【0055】
[付記11]
センサ情報を出力するセンサと、
第1の駐車場に向かう車両に駐車場を案内する駐車場案内装置とを備え、
前記駐車場案内装置は、
前記センサ情報に基づいて、前記第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断する混雑判断手段と、
前記混雑判断手段にて前記道路が混雑していると判断された場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両に案内する第2の駐車場を選択する選択手段と、
前記車両に前記第2の駐車場を通知する通知手段とを有する、駐車場案内システム。
【0056】
[付記12]
前記通知手段は、前記第1の駐車場の入口付近の道路を迂回するルートを前記車両に提示し、前記車両を前記第2の駐車場に案内する付記11に記載の駐車場案内システム。
【0057】
[付記13]
前記駐車場案内装置は、前記車両に対し、前記第2の駐車場に入庫するための整理券を発行する整理券発行手段を更に有する付記11又は12に記載の駐車場案内システム。
【0058】
[付記14]
前記車両が走行する道路に設けられた路上設備に設置された通信装置を更に有し、
前記整理券発行手段は、前記通信装置から、電子的に発行された整理券を前記車両に送信する付記13に記載の駐車場案内システム。
【0059】
[付記15]
前記センサは、前記第1の駐車場の入口を撮影範囲に含む撮像装置を含み、
前記混雑判断手段は、前記撮像装置を用いて撮影された映像を用いて、前記第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断する付記11から14何れか1つに記載の駐車場案内システム。
【0060】
[付記16]
センサが出力するセンサ情報に基づいて、車両が向かう第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断し、
前記道路が混雑していると判断した場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両に案内する第2の駐車場を選択し、
前記車両に前記第2の駐車場を通知する、駐車場案内方法。
【0061】
[付記17]
センサが出力するセンサ情報に基づいて、車両が向かう第1の駐車場の入口の付近の道路が混雑しているか否かを判断し、
前記道路が混雑していると判断した場合、前記第1の駐車場とは異なる1以上の駐車場の中から、前記車両に案内する第2の駐車場を選択し、
前記車両に前記第2の駐車場を通知する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0062】
10:駐車場案内システム
20:駐車場案内装置
21:混雑判断手段
22:選択手段
23:通知手段
30:センサ
50:車両
100:駐車場案内システム
110:カメラ
120:駐車場案内装置
121:混雑判断部
122:駐車場選択部
123:車両接近検知部
124:整理券発行部
125:駐車場案内部
130:無線通信装置
140:車両
201-204:信号機
301-303:駐車場
211-213:所定領域
500:コンピュータ装置
510:CPU
520:記憶部
530:ROM
540:RAM
550:通信インタフェース
560:ユーザインタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6