(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】体調管理装置、移動体制御システム、体調管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20250311BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
(21)【出願番号】P 2023553865
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 JP2021038180
(87)【国際公開番号】W WO2023062807
(87)【国際公開日】2023-04-20
【審査請求日】2024-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】國井 裕介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 茂央
(72)【発明者】
【氏名】安倍 次朗
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-125092(JP,A)
【文献】特開2018-094983(JP,A)
【文献】特開2007-129654(JP,A)
【文献】特開2020-166353(JP,A)
【文献】中国実用新案第204028698(CN,U)
【文献】特開2015-207149(JP,A)
【文献】特開2017-116994(JP,A)
【文献】特開2017-016249(JP,A)
【文献】特開2021-135895(JP,A)
【文献】特開2020-123316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/04
G08B 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信可能位置を記憶する通信位置記憶部と、
測距センサを用いて点検作業を行う移動体の自律移動を制御する駆動制御部と、
前記測距センサを用いて
取得した点群データにより、作業者の姿勢を検知し、当該作業者の姿勢に基づいて、当該作業者の体調情報を
推定し管理する体調管理部と、
前記移動体の位置情報受信機により、前記移動体の位置情報を取得する移動体位置取得部と、
通信不能位置において、前記移動体の位置情報と、前記測距センサを用いて取得した前記移動体と前記作業者との距離と、に基づいて、前記作業者の位置情報を取得する作業者位置取得部と、
前記移動体が
前記通信不能位置から記憶された
前記通信可能位置に
移動した場合に、取得された前記作業者の前記位置情報を送信する送信部と、を備える体調管理装置。
【請求項2】
前記体調管理部は、前記作業者の体調の異常を判定した場合、前記駆動制御部は、前記移動体を前記通信可能位置まで移動させる、請求項
1に記載の体調管理装置。
【請求項3】
前記移動体が前記記憶された通信可能位置に移動した後に、前記送信部は、前記作業者の体調異常情報および前記位置情報のうち少なくとも1つを送信する、請求項1
又は2に記載の体調管理装置。
【請求項4】
前記体調管理部が前記作業者の体調の異常を検知した場合に、前記作業者に当該異常の検知を報知する報知部を更に備え、
前記体調管理部は、前記報知の後、前記異常の検知に対する前記作業者からの指示により、前記異常の検知が誤検知であると判定し、
前記体調管理部は、前記報知の後、前記異常の検知に対する前記作業者からの指示なしに一定時間経過後、前記作業者の体調異常が発生したと判定する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の体調管理装置。
【請求項5】
前記通信位置記憶部は、携帯電話通信網を用いて通信可能な位置を記憶する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の体調管理装置。
【請求項6】
前記送信部は、前記通信可能位置において、携帯電話通信網を用いて、前記取得された前記作業者の前記位置情報を送信する、請求項1~
5のいずれか一項に記載の体調管理装置。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の体調管理装置と、
作業者の体調情報を取得するセンサ部
を有する作業者携帯端末と、
前記測距センサ、および温度センサ付きカメラを備える移動体
と、
を含む、移動体制御システム。
【請求項8】
通信可能位置を記憶し、
測距センサにより取得された点群データを用いて点検作業を行う移動体の自律移動を制御し、
前記測距センサを用いて
取得した点群データにより、作業者の姿勢を検知し、当該作業者の姿勢に基づいて、当該作業者の体調情報を
推定し管理し、
前記移動体の位置情報受信機により、前記移動体の位置情報を取得し、
通信不能位置において、前記移動体の位置情報と、前記測距センサを用いて取得した前記移動体と前記作業者との距離と、に基づいて、前記作業者の位置情報を取得し、
前記移動体が
前記通信不能位置から記憶された
前記通信可能位置に
移動した場合に、取得された前記作業者の前記位置情報を送信する、体調管理方法。
【請求項9】
通信可能位置を記憶する処理と、
測距センサにより取得された点群データを用いて点検作業を行う移動体の自律移動を制御する処理と、
前記測距センサを用いて
取得した点群データにより、作業者の姿勢を検知し、当該作業者の姿勢に基づいて、当該作業者の体調情報を
推定し管理する処理と、
前記移動体の位置情報受信機により、前記移動体の位置情報を取得する処理と、
通信不能位置において、前記移動体の位置情報と、前記測距センサを用いて取得した前記移動体と前記作業者との距離と、に基づいて、前記作業者の位置情報を取得する処理と、
前記移動体が
前記通信不能位置から記憶された
前記通信可能位置に
移動した場合に、取得された前記作業者の前記位置情報を送信する処理と、をコンピュータに実行させる体調管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、体調管理装置、移動体、体調管理方法、及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
LiDAR(Light Detection and Ranging)などのセンサは、測定対象物の各測定点にレーザを照射し、レーザを照射してから、受光するまでの時間に基づいて、各測定点までの距離を算出することができる。こうしたセンサを移動しながら利用して、導水路やトンネルなど測定対象物までの距離やその形状を得ることができる。
【0003】
山間部や地下施設など、携帯電波が届かないエリアにおいて作業者がこうした測距センサを搭載した移動ロボットとともに導水路やトンネルなど測定対象物の点検作業を行う場合がある。
【0004】
特許文献1では、監視対象者に異常が生じた場合にその異常を確認することが可能な監視システムが開示されている。当該監視システムにおいて、生体情報取得装置を装着している監視対象者に異常が生じた場合、移動ロボットが、その異常が生じた監視対象者を目指して移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯電波が届かないエリアにおいて、ロボットと作業員で作業する場合、作業者が体調不良で倒れた際に、誰も作業者の状況を把握できない。また、倒れた作業者を救助するために必要な作業者の位置情報を把握することができない。
【0007】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、携帯電波が届かないエリアにおいても、作業者の体調管理を行い、異常時には外部へ送信可能な体調管理装置、移動体、体調管理方法、プログラム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様にかかる体調管理装置は、
通信可能位置を記憶する通信位置記憶部と、
センサ部を用いて作業者の体調情報を取得し管理する体調管理部と、
前記作業者の位置情報を取得する作業者位置取得部と、
移動体の自律移動を制御する駆動制御部と、
前記移動体が前記記憶された通信可能位置にある場合に、前記取得された前記作業者の前記位置情報を送信する送信部と、を備える。
【0009】
本開示の第2の態様にかかる移動体は、
上記の体調管理装置と、
作業者の体調情報を取得するセンサ部と、
点群データを取得する点群データ取得部と、を備える。
【0010】
本開示の第3の態様にかかる体調管理方法は、
通信可能位置を記憶し、
センサ部を用いて作業者の体調情報を取得し管理し、
前記作業者の位置情報を取得し、
移動体の自律移動を制御し、
前記移動体が前記記憶された通信可能位置にある場合に、前記取得された前記作業者の前記位置情報を送信する。
【0011】
本開示の第4の態様にかかる非一時的コンピュータ可読媒体は、
通信可能位置を記憶する処理と、
センサ部を用いて作業者の体調情報を取得し管理する処理と、
前記作業者の位置情報を取得する処理と、
移動体の自律移動を制御する処理と、
前記移動体が前記記憶された通信可能位置にある場合に、前記取得された前記作業者の前記位置情報を送信する処理と、をコンピュータに実行させる体調管理プログラムを格納している。
【発明の効果】
【0012】
本開示により、携帯電波が届かないエリアにおいても、作業者の体調管理を行い、体調異常時には外部へ送信可能な体調管理装置、移動体、体調管理方法、プログラム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1にかかる体調管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1にかかる体調管理方法を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態2にかかる移動体に搭載したセンサでトンネルの内壁を測定する例を示す図である。
【
図4】実施形態2にかかる移動体の制御ブロック図である。
【
図5】実施形態2にかかる制御方法を示すフローチャートである。
【
図6】いくつかの実施形態における体調管理装置等のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
<実施形態1>
図1は、実施形態1にかかる体調管理装置の構成を示すブロック図である。
体調管理装置20は、プロセッサ、メモリなどを有するコンピュータにより実現される。体調管理装置20は、移動体等に搭載されて利用され得る。ここでいう移動体は、台車、搬送ロボット、ドローン、水面ドローンなど様々な移動体を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、移動体は、作業者の体調情報を取得するためのセンサ部(例えば、温度センサ)と、測定対象物等の点群データを取得するためのセンサ部(例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging))を有することができる。他の実施形態では、作業者は、作業者の体調情報を取得するためのセンサ部(例えば、温度センサ)を有する作業者携帯端末(例えば、ウェアラブルデバイス)を所持する場合がある。
【0017】
体調管理装置20は、通信可能位置を記憶する通信位置記憶部221と、センサ部を用いて作業者の体調情報を取得し管理する体調管理部201と、作業者の位置情報を取得する作業者位置取得部202と、移動体の自律移動を制御する駆動制御部203と、移動体が記憶された通信可能位置にある場合に、前記取得された前記作業者の前記位置情報を送信する送信部204と、を備える。
【0018】
通信位置記憶部221は、移動体が携帯電話通信網を用いて通信可能な、1つ以上の位置を記憶することができる。作業者が、予め、移動体の通信可能位置を登録することで、前記通信可能な位置情報を通信位置記憶部221に記憶してもよい。いくつかの実施形態では、移動体が地図情報を基づき自律移動している間に、当該地図情報と関連付けて通信可能位置と通信不能位置を自動的に登録及び記憶してもよい。
【0019】
体調管理部201は、温度センサなど各種センサ部を用いて取得した作業者の体調情報を取得し、作業者の体調管理を経時的に行うことができる。体調管理部201は、測距センサ(例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging))を用いて取得した三次元データに基づき、作業者の姿勢を検知し、作業者の姿勢に基づき、作業者の体調を推定してもよい。例えば、作業者の姿勢が、倒れている又はうずくまっているなどの場合、作業者の体調に異常があると推定することができる。また、作業者と移動体の測距センサとの距離が一定距離以上(例えば、監視範囲外)に離れた場合は、作業者の異常が発生したと判断してもよい。一方、作業者の姿勢が、直立している又は歩いているなどの場合、作業者の体調は正常があると推定することができる。また、いくつかの実施形態では、体調管理部201は、作業者が着用したウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチなど)を介して、作業者の体調情報(例えば、体温、心拍数など)を取得してもよい。
【0020】
作業者位置取得部202は、例えば、GPS(global positioning system)等を用いた移動体の位置情報および測距センサにより測定された移動体と作業者との間の距離に基づいて、作業者の位置情報を取得することができる。作業者位置取得部202は、取得した時間および取得した移動体の位置情報と関連付けて、作業者の位置情報を取得し、それらを記憶部に記憶することができる。
【0021】
駆動制御部203は、移動体の駆動部を制御し、移動体の自律移動を制御する。いくつかの実施形態では、駆動制御部203は、地図情報および移動体の位置情報に基づき、移動体の自律移動を制御することができる。駆動制御部203は、移動体に搭載されたカメラによる撮影画像に基づき、移動体の自律移動を制御することができる。
【0022】
送信部204は、移動体が記憶された通信可能位置にある場合に、携帯電話通信網を用いて、前述の取得した作業者の位置情報および作業者の体調情報のうち一方又は両方を、外部のサーバなどに無線送信することができる。
【0023】
図2は、実施形態1にかかる体調管理方法を示すフローチャートである。
通信位置記憶部221は、通信可能位置を記憶(又は登録)する(ステップS11)。体調管理部201は、センサ部を用いて作業者の体調情報を取得し管理する(ステップS12)。作業者位置取得部202は、作業者の位置情報を取得する(ステップS13)。駆動制御部203は、移動体の自律移動を制御する(ステップS14)。送信部204は移動体が記憶された通信可能位置にある場合に、前記取得された作業者の位置情報を送信する(ステップS15)。また、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータに
図2に示すような体調管理方法を実行させるためのプログラムである。
【0024】
以上説明した実施形態1にかかる体調管理装置、体調管理方法、プログラム等は、携帯電波が届かないエリアにおいても、作業者の体調管理を行い、体調異常時には外部へ送信することができる。
【0025】
<他の実施形態>
他の実施形態では、上記した実施形態1の変形が想定される。例えば、体調管理装置20の作業者位置取得部202は、携帯電話通信網を用いて通信不能な位置(例えば、トンネル内、山岳部など)において、作業者の位置情報を取得することができる。例えば、体調管理装置20の作業者位置取得部202は、携帯電話通信網を用いて通信不能な位置において、GPS(global positioning system)信号、全地球航法衛星システム(GLONASS)の信号、又は類似の人工衛星ベースの位置決定システムの信号を受信して、移動体の位置情報を取得することができる。さらに、体調管理装置20の作業者位置取得部202は、測距センサ(例えば、LiDAR)を用いて、移動体と作業者との距離を取得し、作業者の位置情報を算出することができる。作業者の位置情報を取得する方法は、既知の様々な方法を使用することができる。
【0026】
他の実施形態では、体調管理部201は、作業者の体調の異常を判定した場合、駆動制御部203は、移動体を(事前に登録した)通信可能位置(例えば、トンネル外、山岳部の頂上付近の基地局の近く)まで移動させることができる。複数の通信可能位置が登録されている場合は、駆動制御部203は、移動体を最も近い通信可能位置まで移動させてもよい。
【0027】
駆動制御部203は、移動体が点検作業に伴う自律移動を行っていた場合に、作業者の体調の異常が判定されると、測距センサ(例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging))を用いた点検作業および、点検作業に伴う自律移動を停止することができる。その後、駆動制御部203は、移動体を(事前に登録した)通信可能位置まで自律移動させることができる。
【0028】
他の実施形態では、移動体が事前登録した通信可能位置に移動した後に、送信部204は、作業者の体調異常情報および位置情報のうち少なくとも1つを送信することができる。送信部204は、携帯電話通信網を用いて、作業者の体調異常情報および位置情報のうち、片方又は両方を、外部のサーバなどに無線送信することができる。
【0029】
<実施形態2>
図3は、実施形態2にかかる、センサを搭載した移動体により導水路内の異常を検知する例を説明する図である。
図3では、温度センサ4とLiDARであるセンサ5を搭載した移動体2(例えば、車両、水面ドローンなど)が導水路内を(
図3の矢印の方向に)進行しながら、当該センサ5からレーザを様々な方向に向けて導水路の内壁(測定対象物6)に照射させる。その後、当該センサは測定対象物からのレーザの反射光を受光する。センサは、非常に短い周期でほぼ連続的にレーザを照射してもよい。あるいは、移動体2が任意の位置まで移動し、各位置でレーザを照射してもよい。センサは、周囲方向に多数のレーザを照射してから反射光を受光するまでの時間に基づいて、各測定点までの距離を測定する。あるいは、センサは、反射光の輝度値を取得することができ、それにより測定対象物の材質(例えば、金属か、織物か、など)を推定することができる。このように、測距センサ5は、測距センサ5により測定された複数の測定点における測定データを含む点群データを取得することができる。例えば、測定データは、各測定点におけるx軸、y軸、およびz軸上の座標値を含み得る。図示するように、導水路は、細長い形状であり、その長さは、50m以上、100m以上、300m以上、又は1km以上などであり得る。
【0030】
本例では、取得した点群データに基づいて、導水路の内壁などの異常箇所を検知する。例えば、センサにより測定される距離の相違、すなわち、異常箇所(例えば、凹み、穴、ひび)の形状から異常箇所を判別することができる。既知の異常箇所検出プログラムを用いて異常箇所を検出することができる。また、いくつかの実施形態では、測距センサ5は、IMU(Inertial Measurement Unit)と呼ばれる3次元の慣性運動を検出する装置が搭載されているLiDARであってもよく、点群データ取得時の位置情報(軌跡データ)を時系列で記録することができる。
【0031】
本例では、移動体2は、自律移動可能なロボットやドローンであり得る。以上説明した導水路の点検作業において、作業者3が移動体2の自律移動に続いてそのあとを歩き、移動体2の自律移動や点検作業に問題がないかを確認しサポートする。しかし、作業が長時間にわたる場合など、作業者3がなんらかの理由で負傷や意識を失うなどして、移動が出来なくなる場合がある。こうした場合、作業者自身は、遠隔にいる者に救助を求めることが出来ない。また、作業者を救助する場合にも携帯電話の電波が届かないエリアにおいては作業者が携帯電話を持っていたとしても作業者の位置を特定できず、救助は極めて困難である。上記のようなエリアで作業を行う場合には、これまで、複数の作業者が通信不能エリア内の作業を行うよう配慮することが一般的である。すなわち、一人の作業者が負傷して移動できなくなった場合でも、残りの作業者が負傷者の状態や位置を知らせることにより、救助や迅速な捜索を可能にしてきた。しかし、複数人の作業者で作業を行う場合であっても、有毒ガスを吸入するなどの事故が発生した場合には、全員が移動できなくなり救助を求められないケースがあった。
【0032】
上記したように、自律移動可能な移動体(例えば、ロボットやドローン)が開発されており、中にはカメラやLiDAR、温度センサ等のセンサを搭載している。
図3に示すように、本実施形態にかかる移動体2は、LiDARなどの測距センサ5、および温度センサ付きカメラ4を有する。測距センサ5は、前述した通り、移動体2の自律移動により、測定対象物6の点群データを取得することができる。測距センサ5は、点群データ取得部とも呼ばれ得る。また、測距センサ5は、作業者に対しても、レーザを照射し、作業者の姿勢(例えば、倒れている、うずくまっている、立っているなど)も検知することができる。また、測距センサ5は、作業者までの距離も測定することができる。いくつかの実施形態では、測定対象物用の測距センサと、作業者監視用の測距センサを別々に設けられる場合もある。温度センサ付きカメラ4は、赤外線サーモグラフィカメラであってもよいし、他の好適な温度センサ機能を内蔵したカメラであってもよい。温度センサ付きカメラ4は、例えば、移動体2の全方位(360度)を撮影することができる天球カメラであってもよい。他の実施形態では、移動体は、温度センサとビデオカメラを別々に有している場合もある。いくつかの実施形態では、移動体は、センサとして、マイクロフォンを有し、測定対象物等からの音響応答を受け取るように構成されてもよい。
【0033】
温度センサ付きカメラ4は、移動体2の後方を歩く作業者3を撮影し、作業者の体温を測定することができる。また、作業者3は、作業者携帯端末30を有する。作業者携帯端末30は、スマートフォン、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートバンド)、その他の好適な携帯端末であり得る。作業者携帯端末30は、パルスセンサ、温度センサ、又は水分(例えば、発汗)センサなどの1つ以上のバイオメトリック監視デバイスを含むことができる。作業者携帯端末30は、ユーザの体温や心拍数、脈泊など、作業者の体調情報を取得し、移動体2の制御部200に無線通信を介して送信することができる。作業者携帯端末30は、位置情報受信機(図示せず)を有し、作業者携帯端末30の位置情報を受信する。位置情報受信機は、例えば、GPS(global positioning system)信号、全地球航法衛星システム(GLONASS)の信号、又は類似の人工衛星ベースの位置決定システムの信号を受信することができる。作業者携帯端末30は、移動体2と有線又は無線で通信可能に構成され得る。
【0034】
図4は、実施形態2にかかる移動体の制御ブロック図である。
制御部200は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、移動体2のコントロールユニットに格納されている。移動体駆動部210は、駆動輪を駆動するための駆動回路やモータなどを含み得る。制御部200は、移動体駆動部210へ駆動信号を送ることにより、駆動輪の回転制御を実行することができる。また、制御部200は、移動体駆動部210からエンコーダ等のフィードバック信号を受け取って、移動体2の移動方向を把握することができる。
【0035】
センサ部4,5は、測定対象物の距離や形状を測定するための測距センサ、作業者の体温を測定する温度センサ、移動中に障害物を検出する各種センサ(例えば、カメラ、光学センサ、近接センサなど)、その他のセンサ(例えば、マイクロフォン)を含むことができ、移動体2に分散して配置され得る。制御部200は、センサ部4,5に制御信号を送ることにより、各種センサを駆動してその出力信号を取得する。
【0036】
メモリ220は、不揮発性の記憶媒体であり、例えばソリッドステートドライブが用いられる。メモリ220は、移動体2を制御するための制御プログラムの他にも、制御に用いられる様々なパラメータ値、関数、ルックアップテーブル等を記憶している。メモリ220は、移動体2が携帯電話通信網を用いて通信可能な位置又は通信不能な位置などを記憶する通信位置記憶部221を有する。メモリ220は、移動体2が自律走行する環境を表現する環境地図情報を格納していてもよい。通信位置記憶部221は、作業者携帯端末30又はユーザIF240を介して、作業者から、移動体の通信可能な位置情報の登録を受け付け、当該位置情報を保持してもよい。
【0037】
また、メモリ220は、作業者の位置情報を記憶し保持する作業者位置記憶部222を有する。作業者位置記憶部222は、作業者の位置情報を取得した時間と関連付けて、作業者の位置情報を保持することができる。
【0038】
通信IF230は、制御部200の制御に従って外部機器(例えば、サーバ10、作業者携帯端末30など)と各種情報や制御信号を送受信するための通信インタフェースである。通信IF230は、例えば無線LANユニットである。自律移動するために、外部機器で予め作成された環境地図データを受信してもよい。また、いくつかの実施形態では、自律移動するための制御信号を、サーバから受け取ってもよい。ユーザIF240は、表示パネルなどであり、制御部200の制御に従ってユーザ(作業者)に情報を提供したり、ユーザ(作業者)の指示を受け付けたりするためのユーザインタフェースである。制御部200は、自律移動する経路を、ユーザIF240を介して作業者から受け取ってもよい。
【0039】
位置情報受信機250は、移動体2の位置情報を受信する。位置情報受信機250は、例えば、GPS(global positioning system)信号、全地球航法衛星システム(GLONASS)の信号、又は類似の人工衛星ベースの位置決定システムの信号を受信することができる。移動体2の位置情報は、制御部200に送られる。
【0040】
いくつかの実施形態では、移動体は、作業者に音声で伝達するためのスピーカや、作業者に点滅などで報知するランプなどの報知部を有することができる。
【0041】
制御部200は、制御に関わる様々な演算を実行する機能演算部としての役割も担う。体調管理部201は、各種センサ部4,5又は作業者携帯端末30からの体調検知情報を用いて作業者の体調の状況を取得する。体調管理部201は、作業者の体調異常を検出することができる。例えば、体調管理部201は、温度センサ付きカメラ4を用いて、作業者の体温が著しく低下している、又は著しく上昇している場合、作業者の体調異常を認識することができる。体調管理部201は、測距センサ5を用いて、作業者が倒れている、又はうずくまっているなどの姿勢を検出した場合、作業者の体調異常を認識することができる。他の実施形態では、作業者の心拍数、脈拍数などについて閾値と比較することで、作業者の体調異常を認識することができる。
【0042】
作業者位置取得部202は、位置情報受信機250からの信号に基づき、移動体の位置情報を取得することができる。また、作業者位置取得部202は、移動体2の位置情報受信機250の位置情報、測距センサ5の作業者までの距離情報などに基づき、作業者の位置情報を取得することができる。作業者位置取得部202は、体調管理部201が作業者の体調異常を認識した場合、当該体調異常が発生した作業者の位置情報を取得することができる。取得した作業者の位置情報は、取得した時間と関連付けて、メモリ220の作業者位置記憶部222に記憶される。なお、作業者の位置情報を取得する方法は、既知の様々な方法を使用することができる。例えば、測距センサ5は、IMU(Inertial Measurement Unit)と呼ばれる3次元の慣性運動を検出する装置が搭載されているLiDARである場合、点群データ取得時の位置情報(軌跡データ)を用いることもできる。
【0043】
駆動制御部203は、体調管理部201から作業者の体調情報に基づいて、移動体2の移動を制御する制御信号を、移動体2の駆動部210へ送信する。具体的には、駆動制御部203は、体調管理部201から作業者の体調異常(例えば、体温異常、作業者が倒れているなど)を受け取った場合には、移動体2を、携帯電話通信網を用いて通信可能な、事前に登録位置まで移動させることができる。また、いくつかの実施形態では、各種センサで作業者の異常を検知した場合、移動体2は、音声による通知およびランプの点灯を行うことで作業者3に知らせることができる。作業者3が体調異常を誤検知と判断した場合、移動体2の当該検出をユーザIFを介してキャンセルすることで移動体2を停止することができる。その後、作業者3は、移動体2をその場で再度起動させ移動体2に継続して点検作業を行わせることができる。作業者が、体調異常が誤検知でないと判断した場合には、一定時間後(10秒程度)に事前に登録した携帯電話の通信電波の届く箇所の中で最も近い箇所へ移動することができる。
【0044】
送信部204は、携帯電話通信網を用いて、作業者の状態および位置情報のうち少なくとも1つを外部(例えば、作業者の安全管理を行うサーバ)に通信IF230を介して送信することができる。
【0045】
他の実施形態では、制御部200は、測定対象物等からの音響応答を分析し、測定対象物の位置を検知するように構成されてもよい。
【0046】
図5は、実施形態2にかかる制御方法を示すシーケンス図である。
まず、移動体2において、電波の届く地点を登録する(ステップS101)。いくつかの実施形態では、移動体2が自律移動している際、携帯電話通信網による通信可能な位置(例えば、
図3の導水路の外部の位置)を登録してもよい。他の実施形態では、作業者3が移動体2のユーザIF240又は作業者携帯端末30を介して移動体2の通信位置記憶部221に携帯電話通信網による通信可能な位置情報を登録してもよい。このように事前登録された1つ以上の通信可能位置情報は、移動体2の記憶部に記憶される。
【0047】
次に、作業者3は、移動体2を用いて、測定対象物の点群データを取得するなどの現場作業を行う(ステップS103)。例えば、
図3に示すように、移動体2を導水路の内部で移動させて、測定対象物6である導水路の内壁の点群データを取得する。
図3の導水路の内部は、携帯電話通信網の通信が不能なエリアであるが、GPS信号等の位置情報を取得することができるエリアである。移動体2は、各種センサ部を用いて導水路内の障害物を回避しながら、自律移動し、測定対象物6の点群データを取得することができる。この際、作業者3は、移動体2のあとを歩き、移動体2の動作に問題がないかを確認する。
【0048】
この際、各種センサ部4,5又は作業者携帯端末30は、作業者3の体調情報を取得し、移動体2の制御部200の体調管理部201に送信することができる。体調管理部201は、各種センサ部4,5又は作業者携帯端末30からの作業者3の体調異常を検知した場合(ステップS105でYES)、体調管理部201は、各種センサ部4,5又は作業者携帯端末30からの作業者3の状態(体調)、および作業者3の位置情報を記録する(ステップS107)。作業者3の状態(体調)、作業者3の位置情報および取得時刻は、時系列データとして記録され得る。
【0049】
また、いくつかの実施形態では、体調管理部201は、各種センサ部4,5又は作業者携帯端末30からの作業者3の体調異常を検知した場合(ステップS105)、移動体の報知部(例えば、点滅ランプ、スピーカ)により作業者3に知らせてもよい。作業者3が体調異常を誤検知と判断した場合(ステップS105でNO、およびステップS108)、当該検出をユーザIF240又は作業者携帯端末30を介してキャンセルすることで移動体2を停止する(ステップS109)。作業者3は、移動体2をその場で再度起動させ移動体2に継続して点検作業(例えば、導水路の内壁の計測作業)を行わせることができる。一方、作業者が、体調異常が誤検知でないと判断した場合には、一定時間後(例えば、10秒程度経過後)に移動体2の制御部200の体調管理部201は、作業者の体調異常が発生したと判定してもよい。
【0050】
体調管理部201は、作業者の体調異常を判定した場合、移動体2は、事前に登録された携帯電話通信網の電波の届く位置まで自律的に移動する(ステップS111)。駆動制御部203は、移動体2の駆動部210を駆動させ、通信位置記憶部221に記憶された通信可能な位置まで、移動体2を移動させることができる。この際、制御部200は、点群データ取得プロセスを一旦停止してもよい。
【0051】
移動体2が通信可能な位置に到達すると、制御部200の送信部204は、携帯電話通信網を用いて、作業者の状態および位置情報を、作業者の安全管理を行うサーバ10に無線通信する(ステップS112)。サーバ10は、作業者の状態および位置情報を受信すると(ステップS113)、作業者の状態および位置情報を救援センタのサーバ等に連絡する(ステップS115)。救助隊員は、作業者の状態および位置情報を用いて、作業者のいる現場まで救援に行き、作業者の状況確認を行うことができる(ステップS117)。
図5のシーケンス図は例示であり、様々な変形及び修正が可能であることを理解されたい。なお、本実施形態に係るプログラムは、コンピュータに
図5に示すような体調管理方法を実行させるためのプログラムである。
【0052】
以上説明した実施形態2にかかる体調管理装置等は、携帯電波が届かないエリアにおいても、作業者の体調管理を行い、体調異常時には移動体を通信可能位置まで移動させ、外部へ必要な情報を送信することができる。その結果、作業者の体調の異常と作業者の位置を外部に知らせることができ、救助隊員は、作業者の状況を確認するため、現場まで救助に行くことができる。
【0053】
<他の実施形態>
前述して実施形態2は、様々な変形及び修正が行われ得る。例えば、移動体2は、通信可能位置で、作業者の状態および位置情報を救援センサのサーバ10に送信した後、移動体2は、通信可能位置にそのまま待機してもよい。救助隊員はまず、移動体2が待機している通信可能位置まで行き、その後、移動体2が、作業者の位置まで自律移動して、救助隊員を案内してもよい。
【0054】
他の実施形態では、移動体2は、通信可能位置で、作業者の状態および位置情報を救援センサのサーバ10に送信した後、自律移動して作業者の位置まで戻ってもよい。移動体2は、作業者の位置まで戻った後、引き続き、作業者の体調管理を行ってもよい。すなわち、体調管理部201は、継続して、各種センサ部4,5又は作業者携帯端末30からの作業者3の状態(体調)、および作業者3の位置情報を記録することができる。その後、体調管理部201は、一度体調異常が発生した作業者の体調が回復したことを判定した場合、移動体2を再び通信可能位置まで自律移動させ、作業者の体調が回復した旨を示す情報を、救援センサのサーバ10に送信してもよい。
【0055】
図6は、移動体2の体調管理装置20およびサーバ10(情報処理装置)のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図6を参照すると、体調管理装置20およびサーバ10(以下、体調管理装置20等と称する)は、ネットワーク・インターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワーク・インターフェース1201は、通信システムを構成する他のネットワークノード装置と通信するために使用される。ネットワーク・インターフェース1201は、無線通信を行うために使用されてもよい。例えば、ネットワーク・インターフェース1201は、IEEE 802.11 seriesにおいて規定された無線LAN通信、もしくは3GPP(3rd Generation Partnership Project)において規定されたモバイル通信を行うために使用されてもよい。もしくは、ネットワーク・インターフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインターフェースカード(NIC)を含んでもよい。
【0056】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートもしくはシーケンスを用いて説明された表示装置100の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0057】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0058】
図6の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された体調管理装置等の処理を行うことができる。
【0059】
図6を用いて説明したように、体調管理装置20等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
【0060】
<その他の実施形態>
尚、上述の実施形態では、ハードウェアの構成として説明したが、これに限定されるものではない。本開示は、任意の処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0061】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、DVD(Digital Versatile Disc)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0062】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施形態では、地上を走行する移動体の例を用いて説明したが、山岳部などにおいて、空中を飛行するドローンのような移動体も使用することができる。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0063】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
通信可能位置を記憶する通信位置記憶部と、
センサ部を用いて作業者の体調情報を取得し管理する体調管理部と、
前記作業者の位置情報を取得する作業者位置取得部と、
移動体の自律移動を制御する駆動制御部と、
前記移動体が前記記憶された通信可能位置にある場合に、前記取得された前記作業者の前記位置情報を送信する送信部と、を備える体調管理装置。
(付記2)
前記作業者位置取得部は、通信不能位置において、前記作業者の位置情報を取得する、付記1に記載の体調管理装置。
(付記3)
前記体調管理部は、前記作業者の体調の異常を判定した場合、前記駆動制御部は、前記移動体を前記通信可能位置まで移動させる、付記1又は2に記載の体調管理装置。
(付記4)
前記移動体が前記記憶された通信可能位置に移動した後に、前記送信部は、前記作業者の体調異常情報および前記位置情報のうち少なくとも1つを送信する、付記1~3のいずれか一項に記載の体調管理装置。
(付記5)
前記体調管理部が前記作業者の体調の異常を検知した場合に、前記作業者に当該異常の検知を報知する報知部を更に備え、
前記体調管理部は、前記報知の後、前記異常検知に対する前記作業者からの指示により、前記異常検知が誤検知であると判定し、
前記体調管理部は、前記報知の後、前記異常検知に対する前記作業者からの指示なしに一定時間経過後、前記作業者の体調異常が発生したと判定する、付記1~4のいずれか一項に記載の体調管理装置。
(付記6)
前記通信位置記憶部は、携帯電話通信網を用いて通信可能な位置を記憶する、付記1~5のいずれか一項に記載の体調管理装置。
(付記7)
前記送信部は、前記通信可能位置において、携帯電話通信網を用いて、前記取得された前記作業者の前記位置情報を送信する、付記1~6のいずれか一項に記載の体調管理装置。
(付記8)
付記1~7のいずれか一項に記載の体調管理装置と、
作業者の体調情報を取得するセンサ部と、
点群データを取得する点群データ取得部と、を備える移動体。
(付記9)
通信可能位置を記憶し、
センサ部を用いて作業者の体調情報を取得し管理し、
前記作業者の位置情報を取得し、
移動体の自律移動を制御し、
前記移動体が前記記憶された通信可能位置にある場合に、前記取得された前記作業者の前記位置情報を送信する、体調管理方法。
(付記10)
通信可能位置を記憶する処理と、
センサ部を用いて作業者の体調情報を取得し管理する処理と、
前記作業者の位置情報を取得する処理と、
移動体の自律移動を制御する処理と、
前記移動体が前記記憶された通信可能位置にある場合に、前記取得された前記作業者の前記位置情報を送信する処理と、をコンピュータに実行させる体調管理プログラムを格納した非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0064】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0065】
2 移動体
4 温度センサ付きカメラ
5 測距センサ
6 測定対象物
10 サーバ
20 体調管理装置
30 作業者携帯端末
200 制御部
201 体調管理部
202 作業者位置取得部
203 駆動制御部
204 送信部
210 移動体駆動部
220 メモリ
221 通信位置記憶部
222 作業者位置記憶部
230 通信IF
240 ユーザIF
250 位置情報受信機
1201 ネットワーク・インターフェース
1202 プロセッサ
1203 メモリ