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特許7647923異常判定方法、異常判定装置、異常判定システム及び異常判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】異常判定方法、異常判定装置、異常判定システム及び異常判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/186 20060101AFI20250311BHJP
【FI】
G08B13/186
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023561980
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 JP2021042232
(87)【国際公開番号】W WO2023089692
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2024-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】今井 隆輔
(72)【発明者】
【氏名】辻 聡
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/171593(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/255358(WO,A1)
【文献】特開2011-227619(JP,A)
【文献】国際公開第2021/024388(WO,A1)
【文献】特開2019-071578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 13/186
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバセンサによって異常の検出を試みる第1のエリアを設定する工程と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする第2のエリアを設定する工程と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする無効時間帯を設定する工程と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に、前記異常が検出された位置が前記第2のエリアの内部であって、且つ、前記異常が検出された時刻が前記無効時間帯内の場合、前記第1のエリアの内部で異常が発生していないと判定する工程と、
を備え
前記第2のエリアは、前記第1のエリアの内部で移動する移動体に設けられた第1の音発生手段が発した予め設定された第1の周波数の音の検出位置と、前記移動体の移動音の検出位置と、が一致した場合の前記移動体を囲む予め設定されたエリアである、異常判定方法。
【請求項2】
前記第2のエリアは、前記第1のエリアの内部に配置された複数の第2の音発生手段が発した予め設定された第2の周波数の音の検出位置で囲まれたエリアである、請求項1に記載の異常判定方法。
【請求項3】
光ファイバセンサによって異常の検出を試みる第1のエリアを設定する処理と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする第2のエリアを設定する処理と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする無効時間帯を設定する処理と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に、前記異常が検出された位置が前記第2のエリアの内部であって、且つ、前記異常が検出された時刻が前記無効時間帯内の場合、前記第1のエリアの内部で異常が発生していないと判定する処理と、
をコンピュータに実行させ
前記第2のエリアは、前記第1のエリアの内部で移動する移動体に設けられた第1の音発生手段が発した予め設定された第1の周波数の音の検出位置と、前記移動体の移動音の検出位置と、が一致した場合の前記移動体を囲む予め設定されたエリアであ異常判定プログラム。
【請求項4】
光ファイバセンサによって検出された第1のエリアの内部の状態情報を取得する状態情報取得手段と、
前記第1のエリアの地図情報を取得する地図情報取得手段と、
現在の時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする第2のエリアを示す情報、及び前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする無効時間帯を示す情報を取得する無効情報取得手段と、
前記第1のエリアの内部の状態情報に基づいて、前記第1のエリアの内部に異常が発生したか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に、前記異常が検出された位置が前記第2のエリアの内部であって、且つ、前記異常が検出された時刻が前記無効時間帯内の場合、前記第1のエリアに異常が発生していないと判定し、
前記第2のエリアは、前記第1のエリアの内部で移動する移動体に設けられた第1の音発生手段が発した予め設定された第1の周波数の音の検出位置と、前記移動体の移動音の検出位置と、が一致した場合の前記移動体を囲む予め設定されたエリアである、異常判定装置。
【請求項5】
記移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の周辺環境情報を取得する周辺情報取得手段と、
前記移動体の位置情報、前記異常が検出された位置情報及び前記第1のエリアの地図情報に基づいて、前記移動体を制御する制御手段と、
を備える、請求項に記載の異常判定装置。
【請求項6】
光ファイバセンサによって検出された第1のエリアの内部の状態情報を取得する状態情報取得手段と、前記第1のエリアの地図情報を取得する地図情報取得手段と、現在の時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする第2のエリアを示す情報、及び前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする無効時間帯を示す情報を取得する無効情報取得手段と、前記第1のエリアの内部の状態情報に基づいて、前記第1のエリアの内部に異常が発生したか否かを判定する判定手段と、を備え、前記判定手段は、前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に、前記異常が検出された位置が前記第2のエリアの内部であって、且つ、前記異常が検出された時刻が前記無効時間帯内の場合、前記第1のエリアに異常が発生していないと判定する異常判定装置と、
前記第1のエリアを囲むように配置された前記光ファイバセンサと、
前記第1のエリア、前記第2のエリア及び前記無効時間帯を設定する設定手段と、
前記第1のエリアの内部を移動する移動体に設けられ、予め設定された第1の周波数の音を発生する第1の音発生手段と、
を備え
前記設定手段は、前記第1のエリアの内部で前記移動体が移動した際に、前記第1の音発生手段が発した前記第1の周波数の音の検出位置と、前記移動体の移動音の検出位置と、が一致した場合の前記移動体を囲む予め設定されたエリアを前記第2のエリアに設定する、異常判定システム。
【請求項7】
前記移動体に設けられ、前記移動体の周辺環境を検出する周辺検出手段と、
前記移動体の周辺環境を示す情報を表示する表示手段と、
を備える、請求項に記載の異常判定システム。
【請求項8】
前記第1のエリアの内部に配置され、予め設定された第2の周波数の音を発生する複数の第2の音発生手段を備え、
前記設定手段は、前記複数の第2の音発生手段が発した前記第2の周波数の音の検出位置で囲まれたエリアを前記第2のエリアに設定する、請求項6又は7に記載の異常判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異常判定方法、異常判定装置、異常判定システム及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバセンサを用いて異常を検出する技術が実現されている。例えば、特許文献1の侵入検出システムは、光ファイバセンサのパワー変動が予め設定された閾値を超える場合、軌道内に侵入者が存在すると判定している。
【0003】
このとき、特許文献1の侵入検出システムは、光ファイバセンサによる検出位置が保線作業の位置と一致するか否かを判定し、一致する場合、光ファイバセンサが保線作業員に反応しているものと推定し、軌道内への侵入者が存在しないと判定している。これにより、特許文献1の侵入検出システムは、光ファイバセンサによる異常の誤判定を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-349892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の侵入検出システムは、光ファイバセンサによる検出位置と保線作業の位置とが一致するか否かのみに基づいて、光ファイバセンサによる異常の誤判定を抑制している。そのため、誤判定を更に抑制し、異常判定精度の向上の余地が有る。
【0006】
本明細書に開示される実施形態が達成しようとする目的の1つは、当該課題の解決に寄与する異常判定方法、異常判定装置、異常判定システム及び非一時的なコンピュータ可読媒体を提供することである。なお、この目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が達成しようとする複数の目的の1つに過ぎないことに留意されるべきである。その他の目的又は課題と新規な特徴は、本明細書の記述又は添付図面から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態に係る異常検出方法は、
光ファイバセンサによって異常の検出を試みる第1のエリアを設定する工程と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする第2のエリアを設定する工程と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする無効時間帯を設定する工程と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に、前記異常が検出された位置が前記第2のエリアの内部であって、且つ、前記異常が検出された時刻が前記無効時間帯内の場合、前記第1のエリアの内部で異常が発生していないと判定する工程と、
を備える。
【0008】
本開示の一形態の非一時的なコンピュータ可読媒体は、
光ファイバセンサによって異常の検出を試みる第1のエリアを設定する処理と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする第2のエリアを設定する処理と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする無効時間帯を設定する処理と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に、前記異常が検出された位置が前記第2のエリアの内部であって、且つ、前記異常が検出された時刻が前記無効時間帯内の場合、前記第1のエリアの内部で異常が発生していないと判定する処理と、
をコンピュータに実行させる異常判定プログラムが格納されている。
【0009】
本開示の一形態に係る異常判定装置は、
光ファイバセンサによって検出された第1のエリアの内部の状態情報を取得する状態情報取得手段と、
前記第1のエリアの地図情報を取得する地図情報取得手段と、
現在の時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする第2のエリアを示す情報、及び前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする無効時間帯を示す情報を取得する無効情報取得手段と、
前記第1のエリアの内部の状態情報に基づいて、前記第1のエリアの内部に異常が発生したか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に、前記異常が検出された位置が前記第2のエリアの内部であって、且つ、前記異常が検出された時刻が前記無効時間帯内の場合、前記第1のエリアに異常が発生していないと判定する。
【0010】
本開示の一形態に係る異常判定システムは、
上述の異常判定装置と、
前記第1のエリアを囲むように配置された前記光ファイバセンサと、
前記第1のエリア、前記第2のエリア及び前記無効時間帯を設定する設定手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0011】
上述の態様によれば、異常判定精度の向上に寄与可能な、異常判定方法、異常判定装置、異常判定システム及び非一時的なコンピュータ可読媒体を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態1の異常判定装置の最小限構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1の異常判定方法の流れを示すフローチャート図である。
図3】実施の形態2の異常判定システムの構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態2の異常判定装置の構成を示すブロック図である。
図5】第1のエリアを説明するための図である。
図6】第2のエリアを説明するための図である。
図7】実施の形態の異常判定方法の流れを示すフローチャート図である。
図8】実施の形態の異常判定方法の流れを示すフローチャート図である。
図9】実施の形態の異常判定システムの構成を示すブロック図である。
図10】第2のエリアを説明するための図である。
図11】異常判定装置に含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0014】
<実施の形態1>
本実施の形態の異常判定装置及び異常判定方法は、例えば、光ファイバセンサによって施設内の異常を検出する場合に好適である。先ず、本実施の形態の異常判定装置の最小限構成を説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態の異常判定装置の最小限構成を示すブロック図である。異常判定装置1は、図1に示すように、状態情報取得部2、地図情報取得部3、時刻情報取得部4、無効情報取得部5、及び判定部6を備えている。
【0016】
状態情報取得部2は、例えば、異常検出対象である施設の第1のエリアを囲むように配置された光ファイバセンサによって検出された当該第1のエリアの内部の状態情報を取得する。地図情報取得部3は、第1のエリアの地図情報を取得する。
【0017】
時刻情報取得部4は、現在の時刻情報を取得する。無効情報取得部5は、第1のエリアの内部で異常を検出した際に当該異常の検出を無効にする第2のエリアを示す情報、及び第1のエリアの内部で異常を検出した際に当該異常の検出を無効にする無効時間帯を示す情報を取得する。
【0018】
判定部6は、第1のエリアの内部の状態情報に基づいて、第1のエリアの内部に異常が発生したか否かを判定する。このとき、判定部6は、第1のエリアの内部で異常を検出した際に、異常が検出された位置が第2のエリアの内部であって、且つ、異常が検出された時刻が無効時間帯内の場合、第1のエリアに異常が発生していないと判定する。
【0019】
次に、本実施の形態の異常判定方法の流れを説明する。図2は、本実施の形態の異常判定方法の流れを示すフローチャート図である。先ず、検査員は、光ファイバセンサによって異常の検出を試みる第1のエリアを設定する(S1)。
【0020】
次に、検査員は、第1のエリアの内部で異常を検出した際に当該異常の検出を無効にする第2のエリアを設定すると共に、第1のエリアの内部で異常を検出した際に当該異常の検出を無効にする無効時間帯を設定する(S2)。
【0021】
次に、光ファイバセンサによって第1のエリアの内部での異常の検出を試みる(S3)。そして、判定部6は、第1のエリアの内部で異常を検出した際に、異常が検出された位置が第2のエリアの内部であって、且つ、異常が検出された時刻が無効時間帯内の場合、第1のエリアの内部で異常が発生していないと判定する(S4)。
【0022】
このように本実施の形態の異常判定装置1及び異常判定方法は、異常が検出された位置だけではなく、異常が検出された時刻も考慮して、第1のエリアの内部での異常の発生を判定している。そのため、特許文献1の侵入検出システムに比べて、異常の誤判定を抑制でき、異常判定精度の向上に寄与できる。
【0023】
<実施の形態2>
本実施の形態では、実施の形態1の異常判定装置1及び異常判定方法に対して、より好ましい異常判定装置を備える異常判定システム及び異常判定方法を説明する。図3は、本実施の形態の異常判定システムの構成を示すブロック図である。図4は、本実施の形態の異常判定装置の構成を示すブロック図である。図5は、第1のエリアを説明するための図である。図6は、第2のエリアを説明するための図である。
【0024】
本実施の形態の異常判定システム11は、図3に示すように、光ファイバセンサ12、移動体13、携帯端末14、異常判定装置15及び格納部16を備えている。これらの光ファイバセンサ12と、移動体13と、携帯端末14と、異常判定装置15と、格納部16と、はネットワーク17を介して接続されている。ここで、ネットワーク17は、例えば、インターネットであり、電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築されている。
【0025】
光ファイバセンサ12は、一般的な光ファイバセンサと同様に、例えば、光ファイバ、光ファイバの一方の端部に設けられた光源、及び光ファイバの他方の端部に設けられた受光素子を備えており、光ファイバが第1のエリアを囲むように配置されている。
【0026】
このような光ファイバセンサ12は、光ファイバに加えられた変化による光ファイバ内の伝搬光の特性の変化を検出することで、第1のエリアの内部の状態として、第1のエリアの内部の物体の振動、温度又は音、及び当該物体の位置などを検出する構成とされている。なお、光ファイバセンサ12としては、上述のような透過型の光ファイバセンサに限らず、反射型の光ファイバセンサを適用することもできる。
【0027】
移動体13は、例えば、後述する異常判定装置15の制御部158で生成される制御指示を示す情報に基づいて、第1のエリアの内部で異常が検出された物体の位置近傍に自律走行する。移動体13は、位置検出部131及び周辺検出部132を備えている。
【0028】
位置検出部131は、例えば、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムからの測位情報を受信する受信機などを備えており、受信した測位情報、及び第1のエリアの地図情報に基づいて、移動体13における第1のエリアの内部での位置を検出する。但し、位置検出部131は、移動体13における第1のエリアの内部での位置を検出可能な構成であればよい。
【0029】
周辺検出部132は、例えば、カメラ又はLiDar(Light Detection and ranging)などを備えている。周辺検出部132は、例えば、移動体13の周辺環境として、移動体13の周辺の物体の形状及び当該物体までの距離を検出する。但し、移動体13は、第1のエリアの平面領域内を移動可能な構成であればよく、例えば、ドローンや歩行ロボットなどでもよい。
【0030】
携帯端末14は、検査員が所持するタブレットPC(Personal Computer)やスマートフォンなどであり、設定部141及び表示部142を備えている。設定部141は、第1のエリア、第2のエリア及び無効時間帯を設定する入力部である。但し、設定部141は、第1のエリア、第2のエリア及び無効時間帯を設定可能な構成であればよく、例えば、PCのキーボードなどでもよい。
【0031】
第1のエリアは、移動体13を移動させて異常の検出を試みる異常検出対象領域である。例えば、図5に示すように、第1のエリアAR1は、プラントなどの施設を含む領域に設定されており、図5では、一点鎖線によって囲まれた領域である。但し、第1のエリアAR1の平面形状は、矩形状に限られず、円形、楕円形又は他の多角形であってもよい。
【0032】
第2のエリアは、第1のエリアAR1の内部で異常を検出した際に当該異常の検出を無効にする異常検出無効領域である。第2のエリアは、移動体13の振動や移動音、又は第1のエリアAR1の内部での工事の振動や騒音などを光ファイバセンサ12が検出して、第1のエリアAR1の内部で異常が発生したと誤判定しないように設定されている。
【0033】
例えば、図6に示すように、第2のエリアAR2は、第1のエリアAR1の内部において移動体13が移動する道路や工事などで振動や騒音が発生するエリアに設定されており、図6では、二点鎖線によって囲まれた領域である。
【0034】
つまり、図6では、第1のエリアAR1の内部において、移動体13が移動する道路が配置されたエリアが第2のエリアAR2-1に設定されていると共に、工事などの振動や騒音が発生するエリアが第2のエリアAR2-2に設定されている。
【0035】
但し、第2のエリアAR2は、移動体13の振動や移動音、又は第1のエリアAR1の内部での工事の振動や騒音などに基づいて、第1のエリアAR1の内部で異常が発生したと誤判定しないように設定されていればよい。
【0036】
このとき、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2は、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2を三次元座標で表した地図情報として設定することが好ましい。例えば、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2は、図5及び図6に示すようなXYZ座標系を基準とする三次元座標で表された地図情報として設定することができる。つまり、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2は、三次元空間であることが好ましい。
【0037】
無効時間帯は、第1のエリアAR1の内部で異常を検出した際に当該異常の検出の無効を開始する時刻から終了する時刻までの時間帯である。無効時間帯は、例えば、移動体13が第2のエリアAR2-1を移動する時間帯や第2のエリアAR2-2で工事などが行われる時間帯に設定することができる。
【0038】
表示部142は、移動体13の周辺環境を示す情報を表示するディスプレイである。但し、表示部142は、移動体13の周辺環境を示す情報を表示可能であればよく、例えば、検査員が装着するスマートグラスなどに搭載されていてもよい。
【0039】
異常判定装置15は、実施の形態1と略等しい構成とされているため、重複する説明は省略するが、図4に示すように、状態情報取得部151、位置情報取得部152、周辺情報取得部153、経路情報取得部154、地図情報取得部155、時刻情報取得部156、無効情報取得部157、制御部158、及び判定部159を備えている。
【0040】
状態情報取得部151は、例えば、光ファイバセンサ12によって検出された第1のエリアAR1の内部の物体の振動、温度又は音、及び第1のエリアAR1の内部での当該物体の位置を示す情報などを取得する。位置情報取得部152は、位置検出部131によって検出された移動体13における第1のエリアAR1の内部での位置を示す情報を取得する。
【0041】
周辺情報取得部153は、周辺検出部132によって検出された移動体13の周辺環境を示す情報を取得する。このとき、検出された物体の位置を示す情報、移動体13の位置を示す情報、及び移動体13の周辺環境を示す情報は、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2の三次元座標で表した地図情報に対応する三次元座標で表された情報であることが好ましい。
【0042】
地図情報取得部155は、第1のエリアAR1の地図情報を取得する。時刻情報取得部156は、例えば、図示を省略した時計などから現在の時刻情報を取得する。無効情報取得部157は、第2のエリアAR2の地図情報、及び第1のエリアAR1の内部で異常を検出した際に当該異常の検出を無視する無効時間帯を示す情報を取得する。
【0043】
制御部158は、第1のエリアAR1の地図情報、移動体13の位置情報、及び検出された物体の位置を示す情報に基づいて、移動体13が第1のエリアAR1の内部の異常が検出された位置(即ち、後述のように予め設定された異常振動、異常温度又は異常音と一致する振動、温度又は音を発する、検出された異常の発生源である物体の位置)近傍に移動するように制御指示を生成し、当該制御指示に基づいて、移動体13を制御する。なお、本実施の形態では、制御部158が異常判定装置15に備えられているが、移動体13に備えられてもよい。
【0044】
判定部159は、第1のエリアAR1の内部で光ファイバセンサ12によって検出された第1のエリアAR1の内部の物体の振動、温度又は音、及び第1のエリアAR1の内部での当該物体の位置を示す情報に基づいて、第1のエリアAR1の内部で異常を検出したか否かを判定する。
【0045】
詳細には、判定部159は、光ファイバセンサ12によって検出された第1のエリアAR1の内部の物体の振動、温度又は音が予め設定された異常振動、異常温度又は異常音と一致するか否かを判定し、一致する場合、第1のエリアAR1の内部で異常を検出したと判定する。
【0046】
そして、判定部159は、第1のエリアAR1の内部で異常を検出した際に、検出された異常の発生源である物体の位置が第2のエリアAR2の内部であって、且つ、異常が検出された時刻が無効時間帯内の場合、第1のエリアAR1で異常が発生していないと判定する。
【0047】
格納部16は、第1のエリアAR1の地図情報、第2のエリアAR2の地図情報、無効時間帯を示す情報、及び異常振動、異常温度若しくは異常音を示す情報を格納する。
【0048】
次に、本実施の形態の異常判定方法の流れを説明する。図7及び図8は、本実施の形態の異常判定方法の流れを示すフローチャート図である。先ず、例えば、検査員は、携帯端末14の設定部141を介して第1のエリアAR1を設定する(S11)。そして、検査員は、携帯端末14の設定部141を介して第2のエリアAR2及び無効時間帯を設定する(S12)。
【0049】
次に、状態情報取得部151は、光ファイバセンサ12によって第1のエリアAR1の内部での物体の振動、温度又は音、及び第1のエリアAR1の内部での当該物体の位置を示す情報などを取得する(S13)。
【0050】
次に、判定部159は、光ファイバセンサ12によって検出された物体の振動、温度又は音を示す情報が予め設定された異常振動、異常温度又は異常音と一致するか否かを判定する(S14)。一致しない場合(S14のNO)、判定部159は、第1のエリアAR1の内部で異常が発生していないと判定し(S15)、S13の工程に戻る。
【0051】
一方、一致する場合(S14のYES)、判定部159は、検出された異常の発生源である物体の位置を示す情報及び第1のエリアAR1の地図情報に基づいて、当該物体が第1のエリアAR1の内部に存在するか否かを判定する(S16)。
【0052】
検出された異常の発生源である物体が第1のエリアAR1の内部に存在しない場合(S16のNO)、判定部159は、第1のエリアAR1の内部で異常が発生していないと判定し(S15)、S13の工程に戻る。
【0053】
一方、検出された異常の発生源である物体が第1のエリアAR1の内部に存在する場合(S16のYES)、判定部159は、第1のエリアAR1の内部で異常を検出したと判定する(S17)。このとき、判定部159は、第1のエリアAR1の内部で異常を検出した時刻情報を取得するとよい。
【0054】
次に、判定部159は、検出された異常の発生源である物体の位置を示す情報、第2のエリアAR2の地図情報、無効時間帯を示す情報及び異常を検出した時刻情報に基づいて、検出された異常の発生源である物体の位置が第2のエリアAR2の内部であって、且つ、異常が検出された時刻が無効時間帯内か否かを判定する(S18)。
【0055】
検出された異常の発生源である物体の位置が第2のエリアAR2の内部であって、且つ、異常が検出された時刻が無効時間帯内の場合(S18のYES)、判定部159は、第1のエリアAR1の内部で異常が発生していないと判定し(S15)、S13の工程に戻る。
【0056】
一方、検出された異常の発生源である物体の位置が第2のエリアAR2の内部であって、且つ、異常が検出された時刻が無効時間帯内でない場合(S18のNO)、判定部159は、第1のエリアAR1の内部で異常が発生したと判定する(S19)。
【0057】
次に、制御部158は、第1のエリアAR1の地図情報、移動体13の位置情報、及び検出された異常の発生源である物体の位置を示す情報に基づいて、移動体13が当該物体の位置近傍まで移動するように制御指示を生成し、当該制御指示に基づいて、移動体13を制御する(S20)。そして、周辺情報取得部153は、移動体13の周辺検出部132から当該移動体13の周辺環境を示す情報を取得し、当該移動体13の周辺環境を示す情報を携帯端末14の表示部142に表示させる(S21)。
【0058】
このように本実施の形態の異常判定システム11、異常判定装置15及び異常判定方法も、異常が検出された位置だけではなく、異常が検出された時刻も考慮して、第1のエリアAR1の内部での異常の発生を判定している。そのため、特許文献1の侵入検出システムに比べて、異常の誤判定を抑制でき、異常判定精度の向上に寄与できる。
【0059】
しかも、第1のエリアAR1の内部で異常を検出したか否かを判定しているので、例えば、第1のエリアAR1の外部での騒音(電車の音や花火の音)などに基づく誤判定を抑制できる。
【0060】
また、第1のエリアAR1及び第2のエリアAR2が3次元座標で表された3次元空間の場合、例えば、第2のエリアAR2の上空を飛行する飛行機の音などに基づく誤判定を抑制できる。
【0061】
また、携帯端末14の表示部142に移動体13の周辺環境を示す情報を表示する場合、検査員が異常の発生源である物体を迅速に確認することができる。
【0062】
<実施の形態3>
本実施の形態の異常判定システム、異常判定装置及び異常判定方法は、実施の形態2の異常判定システム11、異常判定装置15及び異常判定方法と略等しいが、第2のエリアAR3を設定する手法が異なる。そのため、重複する説明は省略し、等しい要素には等しい符号を用いて説明する。
【0063】
図9は、本実施の形態の異常判定システムの構成を示すブロック図である。図10は、第2のエリアを説明するための図である。本実施の形態の異常判定システム21は、図9に示すように、実施の形態2の異常判定システム11の構成に比べて、第1の音発生部22及び第2の音発生部23を備えている点で異なる。
【0064】
第1の音発生部22は、例えば、図10に示すように、移動体13に設けられており、予め設定された第1の周波数の音を発生する。但し、第1の音発生部22は、例えば、施設への来訪者などが乗車した車両などに設けられてもよく、第1のエリアAR1の内部を移動する際に移動音や振動を発生させる物に設けられていればよい。
【0065】
第2の音発生部23は、例えば、図10に示すように、予定されている工事などの振動や騒音が発生するエリアを囲むように配置されており、予め設定された第2の周波数の音を発生する。但し、第2の音発生部23は、異常検出無効領域を囲むように配置されていればよい。
【0066】
携帯端末14の設定部141は、第1のエリアAR1の内部で移動体13が移動した際に、光ファイバセンサ12によって検出された、第1の音発生部22が発した第1の周波数の音の検出位置と、移動体13の移動音の検出位置と、が略一致した場合の移動体13を囲む予め設定されたエリアが第2のエリアAR3-1に設定されるように、検査員に操作される。
【0067】
また、携帯端末14の設定部141は、光ファイバセンサ12によって、複数の第2の音発生部23が発した第2の周波数の音の検出位置で囲まれたエリアが第2のエリアAR3-2に設定されるように、検査員に操作される。
【0068】
このとき、格納部16は、第1のエリアAR1の地図情報、第2のエリアAR3の地図情報、無効時間帯を示す情報、及び異常振動、異常温度若しくは異常音を示す情報の他に、第1の周波数を示す情報、第2の周波数を示す情報及び移動体13の移動音の周波数を示す情報などを格納しているとよい。
【0069】
このような異常判定システム21を用いて第1のエリアAR1の内部の異常の発生を判定する場合、実施の形態2の異常判定方法と同様の流れで実施することができる。このとき、判定部159は、異常が検出された物体の位置が第2のエリアAR3の内部か否かを判定する際に、移動体13の移動音が予め設定された異常音に一致する場合であっても、第1の音発生部22が発した第1の周波数の音の検出位置と、移動体13の移動音の検出位置と、が略一致した場合の移動体13を囲む予め設定されたエリアが第2のエリアAR3-1に設定されているので、第1のエリアAR1の内部で異常が発生していないと判定する。
【0070】
また、判定部159は、異常が検出された物体の位置が第2のエリアAR3の内部か否かを判定する際に、当該物体の騒音が予め設定された異常音に一致する場合であっても、複数の第2の音発生部23が発した第2の周波数の音の検出位置で囲まれたエリアが第2のエリアAR3-2に設定されているので、当該物体が第2のエリアAR3-2の内部に配置されている場合、第1のエリアAR1の内部で異常が発生していないと判定する。
【0071】
このように第1の音発生部22及び第2の音発生部23を用いることで、移動体13の移動音が発生するエリアや工事などの振動や騒音が発生するエリアなどを簡単に第2のエリアAR3に設定することができる。
【0072】
<他の実施の形態>
なお、上述の実施の形態1乃至3では、本開示をハードウェアの構成として説明したが、本開示はこれに限定されるものではない。本開示は、各構成要素の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0073】
例えば、上述の実施の形態に係る異常判定装置15は、次のようなハードウェア構成を備えることができる。図11は、異常判定装置15に含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。
【0074】
図11に示す装置31は、インタフェース32とともに、プロセッサ33及びメモリ34を備えている。上述の実施の形態で説明した異常判定装置15は、プロセッサ33がメモリ34に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。つまり、このプログラムは、プロセッサ33を異常判定装置15として機能させるためのプログラムである。
【0075】
ここで、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0076】
なお、本開示は上述の実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0077】
例えば、上述の実施の形態2などの移動体13は、自律走行する構成であるが、検査員の操作に基づいて移動する構成であってもよい。また、移動体13は、第1のエリアAR1の内部を巡回する構成であってもよい。
【0078】
例えば、上述の実施の形態2、3での第2のエリアAR2、AR3の設定範囲や設定手法は、一例であり、要するに、第1のエリアAR1の内部での異常の誤判定の起因になるエリアを当該第1のエリアAR1から除外できるように設定すればよい。
【0079】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
光ファイバセンサによって異常の検出を試みる第1のエリアを設定する工程と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする第2のエリアを設定する工程と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする無効時間帯を設定する工程と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に、前記異常が検出された位置が前記第2のエリアの内部であって、且つ、前記異常が検出された時刻が前記無効時間帯内の場合、前記第1のエリアの内部で異常が発生していないと判定する工程と、
を備える、異常判定方法。
【0080】
(付記2)
前記第1のエリア及び前記第2のエリアは、3次元座標によって設定する、付記1に記載の異常判定方法。
【0081】
(付記3)
前記第2のエリアは、前記第1のエリアの内部で移動する移動体に設けられた第1の音発生手段が発した予め設定された第1の周波数の音の検出位置と、前記移動体の移動音の検出位置と、が一致した場合の前記移動体を囲む予め設定されたエリアである、付記1又は2に記載の異常判定方法。
【0082】
(付記4)
前記第2のエリアは、前記第1のエリアの内部に配置された複数の第2の音発生手段が発した予め設定された第2の周波数の音の検出位置で囲まれたエリアである、付記1乃至3のいずれか1項に記載の異常判定方法。
【0083】
(付記5)
前記第1のエリアの内部を移動する移動体の位置情報を取得する工程と、
前記第1のエリアの地図情報を取得する工程と、
前記移動体の位置情報、前記異常が検出された位置情報及び前記第1のエリアの地図情報に基づいて、前記移動体を前記第1のエリアの内部で移動させ、前記移動体の周辺環境情報を取得する工程と、
を備える、付記1乃至4のいずれか1項に記載の異常判定方法。
【0084】
(付記6)
光ファイバセンサによって異常の検出を試みる第1のエリアを設定する処理と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする第2のエリアを設定する処理と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする無効時間帯を設定する処理と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に、前記異常が検出された位置が前記第2のエリアの内部であって、且つ、前記異常が検出された時刻が前記無効時間帯内の場合、前記第1のエリアの内部で異常が発生していないと判定する処理と、
をコンピュータに実行させる異常判定プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0085】
(付記7)
光ファイバセンサによって検出された第1のエリアの内部の状態情報を取得する状態情報取得手段と、
前記第1のエリアの地図情報を取得する地図情報取得手段と、
現在の時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、
前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする第2のエリアを示す情報、及び前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に前記異常の検出を無効にする無効時間帯を示す情報を取得する無効情報取得手段と、
前記第1のエリアの内部の状態情報に基づいて、前記第1のエリアの内部に異常が発生したか否かを判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記第1のエリアの内部で異常を検出した際に、前記異常が検出された位置が前記第2のエリアの内部であって、且つ、前記異常が検出された時刻が前記無効時間帯内の場合、前記第1のエリアに異常が発生していないと判定する、異常判定装置。
【0086】
(付記8)
前記第1のエリアの内部を移動する移動体の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記移動体の周辺環境情報を取得する周辺情報取得手段と、
前記移動体の位置情報、前記異常が検出された位置情報び前記第1のエリアの地図情報に基づいて、前記移動体を制御する制御手段と、
を備える、付記7に記載の異常判定装置。
【0087】
(付記9)
付記7又は8に記載の異常判定装置と、
前記第1のエリアを囲むように配置された前記光ファイバセンサと、
前記第1のエリア、前記第2のエリア及び前記無効時間帯を設定する設定手段と、
を備える、異常判定システム。
【0088】
(付記10)
前記第1のエリアの内部を移動する移動体に設けられ、予め設定された第1の周波数の音を発生する第1の音発生手段を備え、
前記設定手段は、前記第1のエリアの内部で前記移動体が移動した際に、前記第1の音発生手段が発した前記第1の周波数の音の検出位置と、前記移動体の移動音の検出位置と、が一致した場合の前記移動体を囲む予め設定されたエリアを前記第2のエリアに設定する、付記9に記載の異常判定システム。
【0089】
(付記11)
前記移動体に設けられ、前記移動体の周辺環境を検出する周辺検出手段と、
前記移動体の周辺環境を示す情報を表示する表示手段と、
を備える、付記10に記載の異常判定システム。
【0090】
(付記12)
前記第1のエリアの内部に配置され、予め設定された第2の周波数の音を発生する複数の第2の音発生手段を備え、
前記設定手段は、前記複数の第2の音発生手段が発した前記第2の周波数の音の検出位置で囲まれたエリアを前記第2のエリアに設定する、付記9乃至11のいずれか1項に記載の異常判定システム。
【符号の説明】
【0091】
1 異常判定装置
2 状態情報取得部
3 地図情報取得部
4 時刻情報取得部
5 無効情報取得部
6 判定部
11 異常判定システム
12 光ファイバセンサ
13 移動体、131 位置検出部、132 周辺検出部
14 携帯端末、141 設定部、142 表示部
15 異常判定装置、151 状態情報取得部、152 位置情報取得部、153 周辺情報取得部、154 経路情報取得部、155 地図情報取得部、156 時刻情報取得部、157 無効情報取得部、158 制御部、159 判定部
16 格納部
17 ネットワーク
21 異常判定システム
22 第1の音発生部
23 第2の音発生部
31 装置、32 インタフェース、33 プロセッサ、34 メモリ
AR1 第1のエリア
AR2(AR2-1、AR2-2)、AR3(AR3-1、AR3-2) 第2のエリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11