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特許7647930基地局制御システム、基地局制御装置、サーバ及び基地局の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】基地局制御システム、基地局制御装置、サーバ及び基地局の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/54 20230101AFI20250311BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20250311BHJP
   H04W 88/12 20090101ALI20250311BHJP
【FI】
H04W72/54
H04W4/40
H04W88/12
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023565827
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 JP2021045466
(87)【国際公開番号】W WO2023105738
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2024-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】尾形 一気
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】篠原 悠介
(72)【発明者】
【氏名】岩井 孝法
(72)【発明者】
【氏名】逸身 勇人
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 浩一
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 慶
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/122776(WO,A1)
【文献】特開2017-175296(JP,A)
【文献】特開2017-138861(JP,A)
【文献】特開2018-107801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する取得手段と、
前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する決定手段と、
前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定手段が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する指示手段と、を備える
基地局制御システム。
【請求項2】
前記第2の交差点は、前記第1の交差点に接続する道路上の交差点である、請求項1に記載の基地局制御システム。
【請求項3】
前記決定手段は、前記第1の交差点において前記移動体が提供を受けた通信サービスの品質レベルが低かった場合、前記第2の交差点における通信サービスの品質を向上させるよう、前記第2の交差点における通信サービスの品質を決定する、請求項1又は2に記載の基地局制御システム。
【請求項4】
前記取得手段は、前記第1の交差点に設置されたカメラの画像を更に取得し、
前記決定手段は、前記画像に映った移動体の像に基づいて、前記第2の交差点を特定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の基地局制御システム。
【請求項5】
前記決定手段は、
前記第1の交差点における前記移動体と同一方向に進行する複数の移動体を選択してグループを設定し、
前記グループに属する個々の移動体が前記第1の基地局及び前記第2の基地局から受ける通信サービスの品質レベルの総和が平準化するように、前記第2の基地局における各移動体の通信サービスの品質を決定する、請求項1から4のいずれか1項に記載の基地局制御システム。
【請求項6】
前記決定手段は、
前記第1の交差点と前記第2の交差点間の道路の混雑状態及び前記第2の交差点の交通信号機の信号制御情報に基づいて、前記第2の交差点において前記グループが維持されるかを判定し、
前記第2の交差点において前記グループが維持されないと判定した場合、前記第2の交差点における前記グルーブ内での通信サービスの品質レベルの平準化を中止する、請求項5に記載の基地局制御システム。
【請求項7】
第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する取得手段と、
前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する決定手段と、
前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定手段が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する指示手段と、を備える
基地局制御装置。
【請求項8】
前記第2の交差点は、前記第1の交差点に接続する道路上の交差点である、請求項7に記載の基地局制御装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記第1の交差点において前記移動体が提供を受けた通信サービスの品質レベルが低かった場合、前記第2の交差点における通信サービスの品質を向上させるよう、前記第2の交差点における通信サービスの品質を決定する、請求項7又は8に記載の基地局制御装置。
【請求項10】
前記取得手段は、前記第1の交差点に設置されたカメラの画像を更に取得し、
前記決定手段は、前記画像に映った移動体の像に基づいて、前記第2の交差点を特定する、請求項7から9のいずれか1項に記載の基地局制御装置。
【請求項11】
前記決定手段は、
前記第1の交差点における前記移動体と同一方向に進行する複数の移動体を選択してグループを設定し、
前記グループに属する個々の移動体が前記第1の基地局及び前記第2の基地局から受ける通信サービスの品質レベルの総和が平準化するように、前記第2の基地局における各移動体の通信サービスの品質を決定する、請求項7から10のいずれか1項に記載の基地局制御装置。
【請求項12】
前記決定手段は、
前記第1の交差点と前記第2の交差点間の道路の混雑状態及び前記第2の交差点の交通信号機の信号制御情報に基づいて、前記第2の交差点において前記グループが維持されるかを判定し、
前記第2の交差点において前記グループが維持されないと判定した場合、前記第2の交差点における前記グルーブ内での通信サービスの品質レベルの平準化を中止する、請求項11に記載の基地局制御装置。
【請求項13】
第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する取得手段と、
前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する決定手段と、
前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定手段が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する指示手段と、を備える基地局制御装置に接続され、
前記第1の交差点に設置されたカメラから画像を取得し、
前記カメラから取得した画像に基づいて、前記第1の交差点を通行した移動体の移動先を特定し、前記基地局制御装置に対して、前記移動体の移動先に関する情報を提供するサーバ。
【請求項14】
第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得し、
前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定し、
前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する、
基地局の制御方法。
【請求項15】
前記第2の交差点は、前記第1の交差点に接続する道路上の交差点である、請求項14に記載の基地局の制御方法。
【請求項16】
前記決定する処理において、
前記第1の交差点において前記移動体が提供を受けた通信サービスの品質レベルが低かった場合、前記第2の交差点における通信サービスの品質を向上させるよう、前記第2の交差点における通信サービスの品質を決定する、請求項14又は15に記載の基地局の制御方法。
【請求項17】
前記取得する処理において、
前記第1の交差点に設置されたカメラの画像を更に取得し、
前記決定する処理において、
前記画像に映った移動体の像に基づいて、前記第2の交差点を特定する、請求項14から16のいずれか1項に記載の基地局の制御方法。
【請求項18】
前記決定する処理において、
前記第1の交差点における前記移動体と同一方向に進行する複数の移動体を選択してグループを設定し、
前記グループに属する個々の移動体が前記第1の基地局及び前記第2の基地局から受ける通信サービスの品質レベルの総和が平準化するように、前記第2の基地局における各移動体の通信サービスの品質を決定する、請求項14から17のいずれか1項に記載の基地局の制御方法。
【請求項19】
前記決定する処理において、
前記第1の交差点と前記第2の交差点間の道路の混雑状態及び前記第2の交差点の交通信号機の信号制御情報に基づいて、前記第2の交差点において前記グループが維持されるかを判定し、
前記第2の交差点において前記グループが維持されないと判定した場合、前記第2の交差点における前記グルーブ内での通信サービスの品質レベルの平準化を中止する、請求項18に記載の基地局の制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局制御システム、基地局制御装置、サーバ及び基地局の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の車載端末に無線リソースを割り当てるにあたり、送信するデータの価値に応じてリソース割り当てを実行する通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-140433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ただし、無線リソースの割り当て形式によっては、移動体同士で不公平な割り当てとなる事象が発生することがある。
【0005】
例えば、特許文献1は、データの価値に基づいて無線リソースを割り当てる方式であるため、車載端末、すなわち、同じ道路を走行している車両間での通信サービスの品質の公平性が保たれない可能性がある。また、なんらかの基準で通信サービスの優先度を決める方式を採用した場合、優先度の低い車両は、継続的にサービスを受けられない状態が続く可能性がある。このような課題は、車両以外の移動体の場合でも、同様に生じうる。
【0006】
本発明は、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる基地局制御システム、基地局制御装置、サーバ及び基地局の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る基地局制御システムは、第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する取得手段と、前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する決定手段と、前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定手段が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する指示手段と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る基地局制御装置は、第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する取得手段と、前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する決定手段と、前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定手段が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する指示手段と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係るサーバは、第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する取得手段と、前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する決定手段と、前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定手段が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する指示手段と、を備える基地局制御装置に接続され、前記第1の交差点に設置されたカメラから画像を取得し、前記カメラから取得した画像に基づいて、前記第1の交差点を通行した移動体の移動先を特定し、前記基地局制御装置に対して、前記移動体の移動先に関する情報を提供する。
【0010】
本発明の一態様に係る基地局の制御方法は、第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得し、前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定し、前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定手段が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の例示的実施形態に係る基地局制御システムの構成を、例示的な基地局及び車両と共に示す図である。
図2】本発明の第1の例示的実施形態に係る基地局制御装置の構成を、例示的な基地局及び車両と共に示す図である。
図3】本発明の第1の例示的実施形態に係る基地局の制御方法の流れを示すフロー図である。
図4】基地局と移動体との位置関係の一例を説明するための図である。
図5】本発明の第2の例示的実施形態に係る基地局制御システムの構成を、例示的な基地局及び車両と共に示す図である。
図6】本発明の第2の例示的実施形態に係る情報処理装置の構成を、周辺構成と共に示す図である。
図7】情報処理装置の通信品質の決定ポリシーの一例を説明するための図である。
図8】本発明の第2の例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を表したシーケンス図である。
図9】本発明の第2の例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を説明するための図である。
図10】本発明の第2の例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を説明するための図である。
図11】本発明の第2の例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を説明するための図である。
図12】本発明の第3の例示的実施形態に係る情報処理装置の構成を、周辺構成と共に示す図である。
図13】本発明の第3の例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を説明するための図である。
図14】本発明の第3の例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を説明するための図である。
図15】本発明の第3の例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を表したシーケンス図である。
図16】本発明の第4の例示的実施形態に係る情報処理装置の構成を、周辺構成と共に示す図である。
図17】本発明の第4の例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を説明するための図である。
図18】各例示的実施形態に係る基地局制御システム、基地局制御装置、情報処理装置として機能するコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔例示的実施形態1〕
はじめに本発明の例示的実施形態1について図面を参照して説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インタフェースを備える構成としてもよいが、これらの構成については図示を省略する。
【0014】
<例示的実施形態1に係る基地局制御システム>
本例示的実施形態に係る基地局制御システム1は、図1に示すように、取得手段11と、決定手段12と、指示手段13と、を備えている。基地局制御システム1は、第1の基地局20-1が、第1の交差点を通行した移動体30に対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、第2の交差点における第2の基地局20-2による移動体30に対する通信サービスの品質を決定するシステムである。
【0015】
移動体は基地局がサービスを提供できるエリアを通過するものであれば種別は限定されず、例えば、自動車、移動式ロボット、AGV(Automated guided vehicle)等の移動する物体であればよい。
【0016】
また、当該移動体は自律運転(オペレータ等の操縦ではなく、移動体やクラウド上に配置された計算機やAI等を活用して運転されるもの)、遠隔操縦運転(ネットワークを介して、移動体に登場しないオペレータが操縦を実施するもの)、半自律運転(自律運転と遠隔操縦運転の両方の制御が実施できるもの)のいずれであってもよい。
【0017】
取得手段11、決定手段12、及び指示手段13は、一例として、ネットワークを介して通信可能に構成されている。ここで、当該ネットワークの具体的構成は本例示的実施形態を限定するものではないが、一例として、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、WAN(Wide Area Network)、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又は、これらのネットワークの組み合わせを用いることができる。
【0018】
取得手段11は、第1の基地局20-1から、第1の交差点を通行した移動体30に対し提供した通信サービスの品質情報を取得する。この品質情報としては、直接的にネットワークの品質を評価したQoS(Quality of Service)のほか、移動体30側で測定されたQoE(Quality of Experience)といった指標を用いることができる。
【0019】
また、QoSやQoEのほかにも、電波強度、通信方式(5G/4G)、エラー率等を用いることができる。また、品質情報として、第1の基地局20-1と移動体30間での通信に成功したデータ量や、通信の進捗度(送受信データ量/要求送受信データ量)等を用いてもよい。
【0020】
決定手段12は、第1の交差点を通行した移動体30に対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、移動体30の移動先にあり、第1の交差点とは異なる第2の交差点における移動体30に対する通信サービスの品質を決定する。この通信サービスの品質の決定方法としては、前述の品質情報をその値に応じてレベル分けし、レベル分け後の品質の高低に応じて、第2の交差点における(目標)通信品質のレベルを決定する方法を採ることができる。
【0021】
ここで、第2の交差点は、第1の交差点に接続する道路上の交差点である。一例として、第1の交差点を通行した移動体30に対して提供した通信サービスの品質情報が示す品質と負の相関を有するように、第2の交差点における(目標)通信品質を決定する。
【0022】
決定手段12は、第1の交差点において移動体30が提供を受けた通信サービスの品質レベルが所定のレベルよりも低かった場合、第2の交差点における通信サービスの品質を向上させるよう、第2の交差点における通信サービスの品質を決定する。
【0023】
例えば、品質情報として通信の進捗度を用いる場合、決定手段12は、予め、0~30%完了した通信の通信品質レベルを「低」、31~70%完了した通信の通信品質レベルを「中」、71~100%完了した通信の通信品質レベルを「高」として、通信サービスの通信品質のレベル分けを定めておく。決定手段12は、移動体30が第1の交差点において提供された通信サービスの通信品質レベルが「低」であったとすると、第2の交差点における当該移動体30に対する通信サービスの通信品質レベルを「高」に決定する。
【0024】
また、移動体30の移動先は、移動体30が位置する車線や走行位置により特定することができる。例えば、決定手段12は、交差点に設置されたカメラの画像を参照し、左側通行の道路の場合には、車両30が道路の左側を走行しているか否かで、車両30の進行方向を推定することができる。例えば、車両30が車線上を走行している場合には、決定手段12は、車両30が右折すると推定することができるため、右折先の交差点を第2の交差点として特定することができる。
【0025】
指示手段13は、第2の交差点に設置された第2の基地局20-2に対し、決定手段12が決定した通信サービスの品質に基づいた通信サービスの提供を指示する。この通信サービスの指示としては、直接又は間接的に通信サービスの品質を指示する方法を採ることができる。
【0026】
例えば、指示手段13は、前述の通信品質レベル、移動体に提供すべき通信量、移動体に提供すべき帯域、利用する通信手段等を含んだ通信サービスの提供を、第2の基地局20-2に対して指示する。また、指示手段13は、決定手段12によって決定された通信品質レベルを用いて、通信サービスの提供を指示するようにしてもよい。
【0027】
(基地局制御システム1による効果)
以上説明したように、本例示的実施形態に係る基地局制御システム1によれば、決定手段12が、第1の交差点を通行した移動体30に対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、移動体30の移動先にあり、第1の交差点とは異なる第2の交差点における移動体30に対する通信サービスの品質を決定する。例えば、移動体30が第1の交差点において提供された通信サービスの通信品質レベルが「低」であったとすると、決定手段12は、第2の交差点における当該移動体30に対する通信サービスの通信品質レベルを「高」に決定する。これによって、基地局から移動体30に通信サービスを提供する際、移動体30における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0028】
<例示的実施形態1に係る基地局制御装置>
図2は、本例示的実施形態に係る基地局制御装置の構成を、例示的な基地局及び車両と共に示す図である。図2に示すように、本例示的実施形態に係る基地局制御装置10は、取得手段11と、決定手段12と、指示手段13と、を1つの装置に集約した構成を有している。基地局制御装置10は、クラウド基盤やインターネット上に設置されたサーバ等により構成することができる。また、基地局制御装置10は、カメラに近い位置に設置されたMEC(Multi-access Edge ComputingまたはMobile Edge Computing)サーバであってもよい。なお、図2においては取得手段11と、決定手段12と、指示手段13とが、1つの装置に集約されたものとして記載したが、これに限定されるものではない。取得手段11と、決定手段12と、指示手段13とが複数の装置に分散して配置されていてもよいし、例えば一部または全部がクラウド上に配置されていてもよい。分散して配置された場合には、取得手段11と、決定手段12と、指示手段13とは互いに通信することによって機能を実施する。
【0029】
取得手段11は、第1の基地局20-1から、第1の交差点を通行した移動体30に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する。この品質情報としては、直接的にネットワークの品質を評価したQoSのほか、移動体30側で測定されたQoEといった指標を用いることができる。
【0030】
決定手段12は、第1の交差点を通行した移動体30に対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、移動体30の移動先にあり、第1の交差点とは異なる第2の交差点における移動体30に対する通信サービスの品質を決定する。この通信サービスの品質の決定方法としては、前述の品質情報をその値に応じてレベル分けし、レベル分け後の品質の高低に応じて、第2の交差点における(目標)通信品質のレベルを決定する方法を採ることができる。
【0031】
指示手段13は、第2の交差点に設置された第2の基地局20-2に対し、決定手段12が決定した通信サービスの品質に基づいた通信サービスの提供を指示する。この通信サービスの指示としては、直接又は間接的に通信サービスの品質を指示する方法を採ることができる。
【0032】
(基地局制御装置10による効果)
以上説明したように、本例示的実施形態に係る基地局制御装置10によれば、例えば、移動体30が第1の交差点において提供された通信サービスの通信品質レベルが「低」であったとすると、決定手段12は、第2の交差点における当該移動体30に対する通信サービスの通信品質レベルを「高」に決定する。これによって、基地局から移動体30に通信サービスを提供する際、移動体30における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0033】
<例示的実施形態1に係る基地局の制御方法>
図3は、本発明の第1の例示的実施形態に係る基地局の制御方法の流れを示すフロー図である。まず、取得手段11は、第1の基地局20-1から、第1の交差点を通行した移動体30に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する(ステップS001)。
【0034】
例えば、図4に示すように、基地局の中には、交通信号機300等を利用して、低い位置にアンテナ201が設置されたものがある。このような基地局の場合、図4の車両30aは、相対的に高い品質で通信できるが、車両30aの後ろに位置する車両30bは、アンテナ201から直接電波を受信できず、良好な通信ができない場合がある。
【0035】
また、車両30a及び車両30bが高速で走行している場合も、良好な通信ができない場合がある。取得手段11は、第1の基地局20-1から、これら移動体30a、30bの位置、遮蔽物の有無、速度等によって生じうる移動体30a、30bに提供した通信サービスの品質情報を取得する。
【0036】
次に、決定手段12は、第1の交差点を通行した移動体30に対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、移動体30の移動先にあり、第1の交差点とは異なる第2の交差点における第1の交差点を通行した移動体30に対する通信サービスの品質を決定する(ステップS002)。
【0037】
例えば、決定手段12は、第1の交差点における移動体の通信品質レベルが低ければ、第2の交差点における移動体の通信品質レベルをより高いレベルとなるように決定する。ここで、「通信品質レベルがより低い(高い)」とは、通信品質レベルが所定の閾値より低い(高い)場合、移動体の通信品質レベルが他の移動体の通信品質レベルよりも相対的に低い(高い)場合の双方の意味で用いられる。
【0038】
例えば、決定手段12は、図4に示すように、第1の交差点において高い通信品質レベルで通信サービスの提供が行われた車両30aに対し、第2の交差点における通信サービスの通信品質レベルを引き下げることを決定する。また、決定手段12は、高い通信品質レベルで通信サービスの提供が行われなかった車両30bに対し、第2の交差点における通信サービスの通信品質レベルを引き上げることを決定する。
【0039】
次に、指示手段13は、第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局20-2に対し、決定手段12が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する(ステップS003)。
【0040】
例えば、指示手段13は、第2の基地局20-2に対し、車両30bが高い通信品質レベルで通信サービスの提供を受けられるように指示する。このような指示としては、基地局20-2に対し、車両30b向けの通信のQoSを指示する方法等が挙げられる。同様に、指示手段13は、基地局20-2に対し、車両30aの通信品質レベルが低くなるようにQoSを指示する。
【0041】
(基地局の制御方法による効果)
以上説明したように、本例示的実施形態に係る基地局の制御方法によれば、例えば、移動体30が第1の交差点において提供された通信サービスの通信品質レベルが「低」であったとすると、決定手段12は、第2の交差点における当該移動体30に対する通信サービスの通信品質レベルを「高」に決定する。これによって、基地局から移動体30に通信サービスを提供する際、移動体30における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0042】
また、本例示的実施形態によれば、例えば、道路を通行する車両30が道路周辺の基地局20-1と通信する場合、道路周辺の障害物や前後を走行する車両の影響を受け、期待した通信を実施できない場合がある。また、道路を通行する車両30が高速で走行している場合も、基地局20-1のサービスエリアの滞在時間が短く、必要な通信ができないことが予想される。これらの場合においても、決定手段12が、次の基地局20-2との通信時に移動体30の通信品質レベルを高くすることによって、車両30に、期待した通信を行わせることができるようになる。
【0043】
[例示的実施形態2]
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1において説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0044】
図5は、本発明の第2の例示的実施形態に係る基地局制御システムの構成を、例示的な基地局及び車両と共に示す図である。例示的実施形態2に係る基地局制御システムは、情報処理装置110と、MEC100-1及び100-2と、カメラ140と、基地局200-1及び200-2と、を備えている。
【0045】
同一の道路上の2つの交差点のそれぞれに、基地局200-1、200-2と、MEC100-1、100-2と、カメラ140とが設置される。なお、図5においては、2つの交差点が隣接しているが、2つの交差点は、必ずしも隣接している必要は無く、2つの交差点の間に、1以上の交差点が存在していてもよい。また、2つの交差点の位置関係については、特に制約はないが、車両30bの移動先である必要があるという観点から、第2の交差点は、第1の交差点に接続する道路上の交差点であることが好ましい。
【0046】
基地局200-1、200-2は、図示省略する電気通信事業者のコアネットワークと接続され、交差点周辺に設置された基地局200-1、200-2のサービス提供エリアSA内に位置する移動局(車両30bの車載端末を含む)に対して、通信サービスを提供する。例えば、基地局200-1、200-2は、電気通信事業者が設置する第5世代移動通信システム(5G)の基地局であってもよいし、ローカル5Gと呼ばれる電気通信事業者以外の者が運営するネットワークの基地局であってもよい。また、サービス提供エリアSAは、複数のセルによって構成されていてもよい。
【0047】
MEC100-1は、基地局200-1から受信した情報と、カメラ140から得た画像とを情報処理装置110に送信する。同様に、MEC100-2は、基地局200-2から受信した情報と、カメラ140から得た画像とを情報処理装置110に送信する。
【0048】
カメラ140は、交差点の信号機付近に設置され、交差点を通行する車両等を撮影する。カメラ140を信号機付近に設置するとは、例えば、カメラ140が、交差点の信号機の信号柱に設置されてもよいし、交差点が俯瞰できる建物の側面、屋上などに設置されてもよい。本例示的実施形態では、情報処理装置110が、このカメラ140で得られた画像を用いて、車両30bの進行方向を特定する。なお、図5においては、それぞれの交差点に、1台のカメラが配置された例を示しているが、カメラの台数に制限はない。例えば、交差点の信号機の信号柱のそれぞれに1台以上のカメラが設置されてもよい。また、カメラ140以外のセンサー等が、車両の進行方向を把握する手段として用いられてもよい。
【0049】
なお、本例示的実施形態では、MEC100-1、100-2が、カメラ140から得た画像を情報処理装置110に送信するものとしているが、MEC100-1、100-2が、第1の交差点に設置されたカメラ140から画像を取得し、カメラ140から取得した画像に基づいて、第1の交差点を通行した移動体の移動先を特定し、情報処理装置(基地局制御装置)110に対して、移動体30bの移動先に関する情報を提供するようにしてもよい。この場合、MEC100-1、100-2は、カメラ140から得た画像に代えて、情報処理装置110に、車両30bの進行方向(移動先)に関する情報を送信することになる。
【0050】
図6は、本発明の第2の例示的実施形態に係る情報処理装置110の構成を、周辺構成と共に示す図である。情報処理装置110は、N台のMEC100-1~100-Nと接続され、MEC100-1、100-Nを介して、基地局200-1~200-Nに対し、車両30bに通信サービスを提供する際の通信品質を指示する。したがって、情報処理装置110は、上記の基地局制御装置10に相当する。
【0051】
図6に示すように、情報処理装置110は、取得手段111と、決定手段112と、指示手段113と、車両DB114と、基地局DB115と、を備えている。
【0052】
車両DB114は、車両に搭載された車載端末のID(IMSI(International Mobile Subscriber Identity)等のSIM情報等)と、車両のナンバープレート情報とを対応付けた情報を記憶するデータベースである。車両DB114は、車両のナンバープレート情報から制御対象となる車両(車載端末)を特定する際に参照される。
【0053】
基地局DB115は、情報処理装置110の管理下の交差点に配置された基地局200-1~200-Nと、交差点との位置関係を記憶するデータベースである。基地局DB115は、例えば、交差点と、その交差点からの進行方向の先にある基地局の情報とを対応付けたエントリを格納しており、情報処理装置110が、各交差点を通過した車両の進行方向から、指示対象となる基地局を割り出す際に参照される。基地局200-1~200-Nと交差点との位置関係は、緯度経度等の座標情報で記述されていてもよい。
【0054】
取得手段111は、第1の交差点に設置されたカメラ140の画像を更に取得する。具体的には、取得手段111は、車両が交差点で停止、又は、交差点に進入したタイミングで、MEC100-1から交差点を通過した車両30bの画像と、基地局200-1が車両30bに対して提供した通信サービスの品質情報とを取得する。なお、取得手段111は、車両が交差点から数m以内に入ったタイミングで、車両30bの画像と品質情報とを取得するようにしてもよい。
【0055】
なお、情報処理装置110が、カメラ140で撮影された画像からの車両30bを特定する場合、例えば、カメラ140で撮影された画像中の車両30bのナンバープレート情報を認識することで行うことができる。そして、情報処理装置110は、車両DB114を参照して、ナンバープレート情報に対応する車両(車載端末)を特定する。
【0056】
なお、本例示的実施形態では、情報処理装置110が車両DB114を備え、車両DB114を参照して車両を割り出すこととしているが、情報処理装置110が、クラウド側の車両管理システム等に、車載端末のIDと、ナンバープレート情報との照合を依頼するようにしてもよい。
【0057】
また、MEC100-1側に車両の特定やその移動先(進行方向)の特定を行わせる場合、MEC100-1側に、車両DB114や基地局DB115を配置してもよい。この場合、MEC100-1が、車両30bのナンバープレート情報から車両やその移動先を特定し、情報処理装置110に車両情報や移動先の基地局情報を送ることになる。
【0058】
決定手段112は、画像に映った移動体の像に基づいて、第2の交差点を特定する。具体的には、決定手段112は、進行方向特定手段1121と、基地局選択手段1122と、指示品質決定手段1123とを備える。進行方向特定手段1121は、カメラ140から得た画像に基づいて、車両30bの進行方向を特定する。さらに、基地局選択手段1122は、基地局DB115を参照し、車両30bの進行方向に基づいて、指示を送る第2の交差点に対応する基地局を選択する。
【0059】
また、指示品質決定手段1123は、基地局200-1が車両30bに対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、次の交差点(第2の交差点)で車両30bに対して提供する通信サービスの品質を決定する。
【0060】
図7は、決定手段112が、車両30bに対して提供する通信サービスの品質を決定する際に参照する通信品質の決定ポリシーの一例を説明するための図である。図7において、第1の交差点で通信品質レベルが低かった場合、決定手段112は、第2の交差点(車両30bの進行先の交差点)での通信サービスの品質を「高」に決定する。
【0061】
また、第1の交差点で通信品質レベルが高かった場合、決定手段112は、第2の交差点(車両30bの進行先の交差点)での通信サービスの品質を「低」に決定する。なお、第1の交差点で通信品質が「中」であった場合、決定手段112は、第2の交差点(車両30bの進行先の交差点)での通信サービスの品質を「中」に決定する。
【0062】
指示手段113は、決定手段112が指示の送信先として決定した基地局(例えば図5の200-2)に対して、MEC100-2を介して、車両30bに対し、決定手段112が決定した品質での通信サービスの提供を指示する。
【0063】
次に、本例示的実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図8は、本発明の第2の例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を説明するためのシーケンス図である。図8に示すように、情報処理装置110は、MEC100-1から、交差点を通過した車両30bの画像と、基地局200-1が車両30bに対して提供した通信サービスの品質情報とを取得する(ステップS101)。
【0064】
次に、情報処理装置110は、交差点を通過した車両30bの画像から車両30bを特定し、さらに、その移動先を特定する(ステップS102)。例えば、情報処理装置110は、車両30bの画像から車両30bが走行している車線やその動きを把握することができる。そして、情報処理装置110は、交差点において車両30bが位置する車線や当該車両の動きから車両の進行先を特定し、基地局DB115を参照して、指示を送る第2の交差点に対応する基地局を選択する。ここでは、図5に示すように車両30bが基地局200-1のある交差点を図5の右から左に直進すると判定したため、基地局200-2が選択されたものとして説明する。
【0065】
次に、情報処理装置110は、基地局200-1が車両30bに対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、基地局200-2が、車両30bの交差点通過時に提供する通信サービスの品質を決定する(ステップS103)。
【0066】
次に、情報処理装置110は、MEC100-2を介して、基地局200-2に対し、車両30bの交差点通過時に提供する通信サービスの品質を指示する(ステップS104)。
【0067】
MEC100-2は、基地局200-2に対し、情報処理装置110から受信した指示を転送する(ステップS105)。基地局200-2は、情報処理装置110から受信した指示に従って、車両30bに対し、サービスを提供する。
【0068】
続いて、具体的な例を示して、本例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を説明する。例えば、図9に示すように、右側の交差点(第1の交差点)に車両30a、30bが進入し、基地局200-1から通信サービスを受けているものとする。このとき、例えば、車両30aは基地局200-1のアンテナからの電波を直接受信でき、高品質の通信サービスを受けられたものとする。一方、車両30bは、基地局200-1のアンテナとの間に、車両30aが存在したため、通信サービスの品質が低かったものとする。
【0069】
この場合、決定手段112は、基地局200-1が車両30bに対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、車両30bの進行先にある基地局200-2において、車両30bの交差点通過時に提供する通信サービスの品質を引き上げることを決定する。また、決定手段112は、基地局200-1が車両30aに対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、車両30aの進行先にある基地局200-2において、車両30aの交差点通過時に提供する通信サービスの品質を引き下げることを決定する。
【0070】
その後、図10に示すように、左側の交差点(第2の交差点)に車両30a、30bが進入した場合、基地局200-2は、指示手段113からの指示に従って通信サービスを提供する。具体的には、基地局200-2は、車両30bに対し、高品質で通信サービスを提供する。また、基地局200-2は、車両30aに対し、低い品質で通信サービスを提供する。以上のようにすることで、車両30a、30bが2つの交差点を通行する間における通信サービスの品質の公平性を高めることが可能となる。
【0071】
なお、例えば、図11に示すように、車両30bが右側の交差点(第1の交差点)から左側の交差点(第2の交差点)に向かう間に、車両30aが抜け、別の車両30cが割り込むことも考えられる。その場合も同様に、情報処理装置110は、車両30bに対し、高品質で通信サービスを提供すればよい。車両30cについては、情報処理装置110が、左側の交差点(第2の交差点)で通信サービスの品質情報の収集を開始すればよい。
【0072】
(例示的実施形態2に係る基地局制御システムによる効果)
以上説明したように、本例示的実施形態に係る基地局制御システムによれば、決定手段112が、画像に映った移動体の像に基づいて、第2の交差点を特定する。したがって、指示手段113は、第2の交差点に対応する基地局を容易に特定でき、決定手段112によって決定された品質に基づいた通信サービスの提供を指示することができる。
【0073】
[第3の例示的実施形態]
本発明の第3の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1及び2において説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0074】
図12は、本発明の第3の例示的実施形態に係る基地局制御システムの構成を、例示的な基地局及び車両と共に示す図である。例示的実施形態3に係る基地局制御システムは、情報処理装置110aと、MEC100-1~100-Nと、カメラ140と、基地局200-1~200-Nと、を備えている。
【0075】
本例示的実施形態においては、情報処理装置110aが、複数台の車両をグループ化して、そのグループ内での通信サービスの公平性を担保するものである。図6に示した第2の例示的実施形態に係る基地局制御システムとの構成上の相違点は、情報処理装置110aの取得手段111aと、決定手段112aとが複数台の車両について一括処理を行う点である。その他の構成は、第2の例示的実施形態と同様であるので、説明を省略し、以下、その相違点を中心に説明する。
【0076】
取得手段111aは、MEC100-1から交差点に止まっている車両群の画像と、基地局200-1がこれらの車両群に対して提供した通信サービスの品質情報とを取得する。
【0077】
決定手段112aは、グループ設定手段1120aと、進行方向特定手段1121aと、基地局選択手段1122aと、指示品質決定手段1123aとを備える。決定手段112aのグループ設定手段1120aは、第1の交差点における移動体と同一方向に進行する複数の移動体を選択してグループ化を行う。
【0078】
具体的には、グループ設定手段1120aは、MEC100-1から受信した画像から車両を抽出し、抽出した車両をグループ化し、グループ(車列グループ)を設定する。言い換えると、決定手段112aは、交差点に止まっている複数の車両を1グループとして設定する。
【0079】
進行方向特定手段1121aは、この(車列グループ)の進行方向(移動先)を特定する。基地局選択手段1122aは、基地局DB115を参照して、指示を送る基地局を選択する。これらの車両の特定やその移動先の基地局の特定は、第2の例示的実施形態において説明した方法と同様である。
【0080】
決定手段112aの指示品質決定手段1123aは、グループに属する個々の移動体が第1の基地局及び第2の基地局から受ける通信サービスの品質レベルの総和が平準化するように、第2の基地局における各移動体の通信サービスの品質を決定する。
【0081】
具体的には、指示品質決定手段1123aは、基地局200-1が、上記のグループ(車列グループ)に属する車両に対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、次の交差点(第2の交差点)で上記のグループ(車列グループ)に属する個々の車両に対して提供する通信サービスの品質を決定する。指示品質決定手段1123aは、第1、第2の交差点におけるグループ内の個々の車両が提供を受けた通信サービスの通信品質レベルの合計(総和)がなるべく等しくなるように、決定する。
【0082】
通信品質レベルは、例えば、個々の車両が提供を受けた通信サービスの品質を、品質の高い方から順番に定めた段階で表すことできる。例えば、Lv5を最高値、Lv1を最低値とする5段階の品質レベルが設定されている場合において、図13の上段に示すように、第1の交差点(図13の右側)でグループに属する車両が受けた通信サービスの品質レベルが図13の各車両の下に示したとおりのばらつきがあったものとする。
【0083】
この場合、指示品質決定手段1123aは、図13の下段に示すように、第2の交差点(図13の左側)で提供する通信サービスの品質レベルを決定する。図13の例では、第1、第2の交差点において、グループに属する個々の車両の通信サービスの品質レベルの合計値は、それぞれLv=8となっている。したがって、グループに属する車両は、等しく通信サービスを受けることができる。
【0084】
図14に示すように、車両のグループが右側の交差点(第1の交差点)から左側の交差点(第2の交差点)に向かう間に、車両のグループに変化が生じることも想定される。その場合も、グループに残った車両間での通信サービスの品質の公平性を保つように通信品質レベルを設定すればよい。また、この第2の交差点において、グループ設定手段1120aが、新しいグループを設定し、通信サービスの品質情報の収集を開始することもできる。
【0085】
次に、本例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作について図面を参照して詳細に説明する。図15は、本発明の第3の例示的実施形態に係る基地局制御システムの動作を表したシーケンス図である。図15に示すように、情報処理装置110aの取得手段111aは、MEC100-1から交差点に止まっている車両群の画像と、基地局200-1がこれらの車両群に対して提供した通信サービスの品質情報とを取得する(ステップS201)。
【0086】
次に、情報処理装置110aのグループ設定手段1120aは、MEC100-1から受信した画像から車両を抽出し、抽出した車両をグループ化し、グループ(車列グループ)を設定する(ステップS202)。次に、情報処理装置110aの進行方向特定手段1121aは、この(車列グループ)の進行方向(移動先)を特定する(ステップS203)。そして、情報処理装置110aの基地局選択手段1122aは、基地局DB115を参照して、指示を送る基地局を選択する。
【0087】
次に、情報処理装置110aの指示品質決定手段1123aは、基地局200-1が上記のグループ(車列グループ)に属する車両に対して提供した通信サービスの品質情報に基づいて、当該グループ(車列グループ)に属する個々の車両に対して提供すべき通信サービスの品質を決定する(ステップS204)。
【0088】
次に、情報処理装置110aの指示手段113は、MEC100-2を介して、基地局200-2に対し、当該グループ(車列グループ)に属する個々の車両の交差点通過時に提供する通信サービスの品質を指示する(ステップS205)。
【0089】
MEC100-2は、基地局200-2に対し、情報処理装置110aから受信した指示を転送する(ステップS206)。基地局200-2は、情報処理装置110aから受信した指示に従って、当該グループ(車列グループ)に属する個々の車両に対し、サービスを提供する。
【0090】
(例示的実施形態3に係る基地局制御システムによる効果)
以上説明したように、本例示的実施形態に係る基地局制御システムによれば、グループ設定手段1120aが、交差点の信号待ちによって必ず生じる車列をグループ化し、指示品質決定手段1123aが、その車列内の位置によって生じる享受できる通信サービスの品質の差を平準化する。したがって、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0091】
[例示的実施形態4]
本発明の第4の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1~3において説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0092】
図16は、本発明の第4の例示的実施形態に係る基地局制御システムの構成を示す図である。例示的実施形態4に係る基地局制御システムは、情報処理装置110bと、MEC100-1~100-Nと、カメラ140と、基地局200-1~200-Nと、を備えている。
【0093】
本例示的実施形態においては、情報処理装置110bに、交通信号機の灯火色によるグループの維持判定機能を追加している。図12に示した第3の例示的実施形態に係る情報処理装置110aとの構成上の相違点は、決定手段112bに、カメラ140に映った交通信号機300の灯火状態の判定機能と、これに基づいたグループの維持判定機能が追加されている点である。
【0094】
決定手段112bのグループ設定手段1120bは、第1の交差点と第2の交差点間の道路の混雑状態及び第2の交差点の交通信号機の信号制御情報に基づいて、第2の交差点においてグループが維持されるかを判定する。
【0095】
具体的には、グループ設定手段1120bは、MEC100-2を介して取得した、カメラ140に映った第2の交差点の画像から、車列グループが第2の交差点に差し掛かる時点での交通信号機300の灯火状態を予測し、車列グループを設定する。例えば、図17の下段に示すように、車列グループの先頭車両が第2の交差点に差し掛かった時点で信号が青から赤に変わる場合、先頭の2台の車両は第2の交差点に止まらず、通過してしまう可能性がある。換言すると、先頭の2台の車両が車列グループから外れてしまうため、車列グループが維持されない可能性がある。なお、図17の上段においては、第1の交差点で全ての車両に対して通信品質レベル「4」が設定されていることを示している。
【0096】
本例示的実施形態に係る決定手段112bは、図12に示す第3の例示的実施形態に係る決定手段112aと比較して、次の2つの処理を付加的に実行することができる。
【0097】
(1)まず、決定手段112bは、第2の交差点においてグループが維持されないと判定した場合、第2の交差点におけるグルーブ内での通信サービスの品質レベルの平準化を中止し、各車両に対する通信サービスの通信品質レベルを変更する。
【0098】
具体的には、決定手段112bは、第2の交差点に止まらず、通過してしまう先頭の2台の車両に対して第2の交差点で提供する通信サービスの通信品質レベルを引き上げる処理を行う。これにより、先頭の2台の車両は第2の交差点で優先的に通信サービスを受けられることになる。
【0099】
(2)また、決定手段112bは、第2の交差点に止まる残り3台の車両に対し、第2の交差点で提供する通信サービスの通信品質レベルを決定する。ここで、第2の交差点に止まる車両に対して設定する通信品質レベルは、第2の交差点で止まらず通過してしまう先頭の2台の車両に設定する通信品質レベルよりも低いものであることが好ましい。このようにすることで、先頭の2台の車両が第2の交差点で優先的に通信サービスを受けられる可能性を高めることが可能となる。なお、残り3台の車両は、通信品質レベルが低いものであっても、第2の交差点に止まるため、その間に通信を完了することができる。
【0100】
なお、例示的実施形態4では、情報処理装置110bが、カメラ画像から、交通信号機300の灯火状態を把握するものとして説明したが、交通信号機300の灯火状態を把握する方法はこれに限られない。例えば、情報処理装置110bが交通信号機を制御する信号制御装置から信号の制御情報を受け取り、その値に基づいて、交通信号機の灯火状態を推測することができる。また、信号制御装置に制御情報を設定する管制センター等が存在する場合、管制センター等から特定の交差点の信号機の信号制御情報を取得することで、交差点の信号の点灯状態を把握する方法も採用可能である。
【0101】
また、上記の例示的実施形態4では、情報処理装置110bが、交通信号機300の灯火状態に基づいて、第2の交差点においてグループが維持されるかを判定するものとして説明したが、第1の交差点と第2の交差点との間の道路の混雑状況を考慮に入れて判定を行ってもよい。
【0102】
具体的には、情報処理装置110bが、カメラ140の画像や交通管制センター等から提供される情報に基づいて、第1の交差点と第2の交差点の間の道路の混雑状況を把握する。そして、例えば、道路の混雑により車列グループが維持されなくなっていたり、平準化の意義が失われていたりする場合には、第2の交差点におけるグルーブ内での通信サービスの品質レベルの平準化を中止してもよい。
【0103】
(例示的実施形態4に係る基地局制御システムによる効果)
以上説明したように、本例示的実施形態に係る基地局制御システムによれば、決定手段112bが、交差点の交通信号機の点灯状態も併用して、第2の交差点における通信サービスの通信品質レベルをより適切な値に設定する。特に本例示的実施形態では、上記のとおり、グループに属する車両間の通信サービスの通信品質レベルを平準化できる。そのため、隊列走行する車列(自動運転車を含む)に対してデータを配信する場合に、本例示的実施形態に係る基地局制御システムを用いて好適に配信することができる。例えば、隊列走行している車両の全てが配信されるデータを受信できるように、通信品質を制御することができる。
【0104】
以上、本発明の各例示的実施形態を説明したが、本発明は、上記の例示的実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的な技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したシステムの構成、各要素の構成、データ等の表現形態は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。例えば、上記の第1~第4の例示的実施形態では、カメラ140が交差点に設置されているものとして説明したが、カメラ140の配置はこれらに限定されない。例えば、カメラ140として、街頭に設置されたカメラや防犯用途で設置されたカメラを用いることもできる。
【0105】
また、上記の各例示的実施形態では、第1の交差点における通信サービスの品質情報に基づいて、第2の交差点における通信サービスの通信品質を決めるものとして説明したが、品質情報に加えて、データの重要性や車両の属性等を考慮して、決定した通信サービスの通信品質を変更するようにしてもよい。例えば、自動運転車、緊急車両については、一定の水準が保たれるように、提供品質の下限を定めておいてもよい。
【0106】
また、上記の各例示的実施形態では特に区別しなかったが、通信サービスの品質の制御として、優先制御と、帯域制御とにおいてそれぞれ個別に目標値を設定し、制御を行うこともできる。例えば、優先度は高いがそれほどのデータ量を伴わない通信については、優先度を高優先とする一方、帯域の割り当てを減らすことができる。また、優先度は高くないがデータ量の多い通信については、優先度を低優先とする一方、帯域の割り当てを増やすことができる。
【0107】
また、上記の例示的実施形態では、情報処理装置110、110a及び110bが、MEC100-1,100-2や、基地局200-1、200-2と独立して設けられているものとして説明したが、情報処理装置110、110a、110bと、MEC又は基地局とを統合した形態も採用可能である。
【0108】
〔ソフトウェアによる実現例〕
基地局制御システム1、基地局制御装置10、情報処理装置110、110a及び110bの一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0109】
後者の場合、基地局制御システム1、基地局制御装置10、情報処理装置110、110a及び110bは、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータCと記載する)を図18に示す。コンピュータCは、少なくとも1つのプロセッサC1と、少なくとも1つのメモリC2と、を備えている。メモリC2には、コンピュータCを基地局制御システム1、基地局制御装置10、情報処理装置110、110a及び110bとして動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータCにおいて、プロセッサC1は、プログラムPをメモリC2から読み取って実行することにより、基地局制御システム1、基地局制御装置10、情報処理装置110、110a及び110bの各機能が実現される。
【0110】
プロセッサC1としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリC2としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0111】
なお、コンピュータCは、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータCは、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0112】
また、プログラムPは、コンピュータCが読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体Mに記録することができる。このような記録媒体Mとしては、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータCは、このような記録媒体Mを介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータCは、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0113】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0114】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0115】
(付記1)
第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する取得手段と、
前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する決定手段と、
前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定手段が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する指示手段と、を備える。
【0116】
基地局制御システム。
【0117】
上記の構成によれば、例えば、移動体が第1の交差点において提供された通信サービスの通信品質レベルが「低」であったとすると、決定手段は、第2の交差点における当該移動体に対する通信サービスの通信品質レベルを「高」に決定する。これによって、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0118】
(付記2)
前記第2の交差点は、前記第1の交差点に接続する道路上の交差点である、付記1に記載の基地局制御システム。
【0119】
(付記3)
前記決定手段は、前記第1の交差点において前記移動体が提供を受けた通信サービスの品質レベルが低かった場合、前記第2の交差点における通信サービスの品質を向上させるよう、前記第2の交差点における通信サービスの品質を決定する、付記1又は2に記載の基地局制御システム。
【0120】
上記の構成によれば、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0121】
(付記4)
前記取得手段は、前記第1の交差点に設置されたカメラの画像を更に取得し、
前記決定手段は、前記画像に映った移動体の像に基づいて、前記第2の交差点を特定する、付記1から3のいずれかに記載の基地局制御システム。
【0122】
上記の構成によれば、指示手段は、第2の交差点に対応する基地局を容易に特定でき、決定手段によって決定された品質に基づいた通信サービスの提供を指示することができる。
【0123】
(付記5)
前記決定手段は、
前記第1の交差点における前記移動体と同一方向に進行する複数の移動体を選択してグループを設定し、
前記グループに属する個々の移動体が前記第1の基地局及び前記第2の基地局から受ける通信サービスの品質レベルの総和が平準化するように、前記第2の基地局における各移動体の通信サービスの品質を決定する、
付記1から4のいずれかに記載の基地局制御システム。
【0124】
上記の構成によれば、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0125】
(付記6)
前記決定手段は、
前記第1の交差点と前記第2の交差点間の道路の混雑状態及び前記第2の交差点の交通信号機の信号制御情報に基づいて、前記第2の交差点において前記グループが維持されるかを判定し、
前記グループ設定手段が、前記第2の交差点において前記グループが維持されないと判定した場合、前記第2の交差点における前記グルーブ内での通信サービスの品質レベルの平準化を中止する、付記5に記載の基地局制御システム。
【0126】
(付記7)
第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する取得手段と、
前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する決定手段と、
前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定手段が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する指示手段と、を備える。
【0127】
基地局制御装置。
【0128】
上記の構成によれば、例えば、移動体が第1の交差点において提供された通信サービスの通信品質レベルが「低」であったとすると、決定手段は、第2の交差点における当該移動体に対する通信サービスの通信品質レベルを「高」に決定する。これによって、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0129】
(付記8)
前記第2の交差点は、前記第1の交差点に接続する道路上の交差点である、付記7に記載の基地局制御装置。
【0130】
(付記9)
前記決定手段は、前記第1の交差点において前記移動体が提供を受けた通信サービスの品質レベルが低かった場合、前記第2の交差点における通信サービスの品質を向上させるよう、前記第2の交差点における通信サービスの品質を決定する、付記7又は8に記載の基地局制御装置。
【0131】
上記の構成によれば、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0132】
(付記10)
前記取得手段は、前記第1の交差点に設置されたカメラの画像を更に取得し、
前記決定手段は、前記画像に映った移動体の像に基づいて、前記第2の交差点を特定する、付記7から9のいずれかに記載の基地局制御装置。
【0133】
上記の構成によれば、指示手段は、第2の交差点に対応する基地局を容易に特定でき、決定手段によって決定された品質に基づいた通信サービスの提供を指示することができる。
【0134】
(付記11)
前記決定手段は、
前記第1の交差点における前記移動体と同一方向に進行する複数の移動体を選択してグループを設定し、
前記グループに属する個々の移動体が前記第1の基地局及び前記第2の基地局から受ける通信サービスの品質レベルの総和が平準化するように、前記第2の基地局における各移動体の通信サービスの品質を決定する、付記7から10のいずれかに記載の基地局制御装置。
【0135】
上記の構成によれば、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0136】
(付記12)
前記決定手段は、
前記第1の交差点と前記第2の交差点間の道路の混雑状態及び前記第2の交差点の交通信号機の信号制御情報に基づいて、前記第2の交差点において前記グループが維持されるかを判定し、
前記第2の交差点において前記グループが維持されないと判定した場合、前記第2の交差点における前記グルーブ内での通信サービスの品質レベルの平準化を中止する、付記11に記載の基地局制御装置。
【0137】
(付記13)
第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する取得手段と、
前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する決定手段と、
前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定手段が決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する指示手段と、を備える基地局制御装置に接続され、
前記第1の交差点に設置されたカメラから画像を取得し、
前記カメラから取得した画像に基づいて、前記第1の交差点を通行した移動体の移動先を特定し、前記基地局制御装置に対して、前記移動体の移動先に関する情報を提供するサーバ。
【0138】
上記の構成によれば、例えば、移動体が第1の交差点において提供された通信サービスの通信品質レベルが「低」であったとすると、決定手段は、第2の交差点における当該移動体に対する通信サービスの通信品質レベルを「高」に決定する。これによって、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0139】
(付記14)
第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得し、
前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定し、
前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する、
基地局の制御方法。
【0140】
上記の構成によれば、例えば、移動体が第1の交差点において提供された通信サービスの通信品質レベルが「低」であったとすると、第2の交差点における当該移動体に対する通信サービスの通信品質レベルを「高」に決定する。これによって、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0141】
(付記15)
前記第2の交差点は、前記第1の交差点に接続する道路上の交差点である、付記14に記載の基地局の制御方法。
【0142】
(付記16)
前記決定する処理において、
前記第1の交差点において前記移動体が提供を受けた通信サービスの品質レベルが低かった場合、前記第2の交差点における通信サービスの品質を向上させるよう、前記第2の交差点における通信サービスの品質を決定する、付記14又は15に記載の基地局の制御方法。
【0143】
上記の構成によれば、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0144】
(付記17)
前記取得する処理において、
前記第1の交差点に設置されたカメラの画像を更に取得し、
前記決定する処理において、
前記画像に映った移動体の像に基づいて、前記第2の交差点を特定する、付記14から16のいずれかに記載の基地局の制御方法。
【0145】
上記の構成によれば、第2の交差点に対応する基地局を容易に特定でき、決定された品質に基づいた通信サービスの提供を指示することができる。
【0146】
(付記18)
前記決定する処理において、
前記第1の交差点における前記移動体と同一方向に進行する複数の移動体を選択してグループを設定し、
前記グループに属する個々の移動体が前記第1の基地局及び前記第2の基地局から受ける通信サービスの品質レベルの総和が平準化するように、前記第2の基地局における各移動体の通信サービスの品質を決定する、付記14から17のいずれかに記載の基地局の制御方法。
【0147】
上記の構成によれば、基地局から移動体に通信サービスを提供する際、移動体における通信サービスの品質の公平性を高めることができる。
【0148】
(付記19)
前記決定する処理において、
前記第1の交差点と前記第2の交差点間の道路の混雑状態及び前記第2の交差点の交通信号機の信号制御情報に基づいて、前記第2の交差点において前記グループが維持されるかを判定し、
前記第2の交差点において前記グループが維持されないと判定した場合、前記第2の交差点における前記グルーブ内での通信サービスの品質レベルの平準化を中止する、付記18に記載の基地局の制御方法。
【0149】
(付記20)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する処理と、
前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する処理と、
前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する処理と、
を実行する基地局制御システム。
【0150】
なお、この基地局制御システムは、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得する処理と、前記決定する処理と、前記指示する処理と、を前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【0151】
(付記21)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、第1の基地局から、第1の交差点を通行した移動体に対して提供した通信サービスの品質情報を取得する処理と、
前記品質情報に基づいて、前記移動体の移動先にあり、前記第1の交差点とは異なる第2の交差点における前記移動体に対する通信サービスの品質を決定する処理と、
前記第2の交差点での通信サービスを提供する第2の基地局に対し、前記決定した品質に基づいた通信サービスの提供を指示する処理と、
を実行する基地局制御装置。
【0152】
なお、この基地局制御装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得する処理と、前記決定する処理と、前記指示する処理と、を前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0153】
1 基地局制御システム
10 基地局制御装置
11 取得手段
12 決定手段
13 指示手段
20-1 第1の基地局
20-2 第2の基地局
30 移動体
30a~30c 車両
100-1~100-N MEC
110、110a、110b 情報処理装置
111、111a 取得手段
112、112a、112b 決定手段
113 指示手段
114 車両DB
115 基地局DB
140 カメラ
200-1~200-N 基地局
201 アンテナ
300 交通信号機
1120a、1120b グループ設定手段
1121、1121a 進行方向特定手段
1122、1122a 基地局選択手段
1123、1123a 指示品質決定手段
SA サービス提供エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図14
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図16
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図18