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  • -二酸化炭素吸脱着方法及び装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】二酸化炭素吸脱着方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/14 20060101AFI20250311BHJP
   B01D 53/62 20060101ALI20250311BHJP
   B01D 53/96 20060101ALI20250311BHJP
   B01D 53/18 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
B01D53/14 220
B01D53/14 210
B01D53/62
B01D53/96
B01D53/18 110
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024543608
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 JP2022032389
(87)【国際公開番号】W WO2024047695
(87)【国際公開日】2024-03-07
【審査請求日】2024-11-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522195183
【氏名又は名称】株式会社プロトンシステム
(73)【特許権者】
【識別番号】524424621
【氏名又は名称】株式会社フソウ新未来テック
(73)【特許権者】
【識別番号】522194603
【氏名又は名称】遠山 恵理子
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】遠山 恵理子
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/071633(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/159868(WO,A1)
【文献】特開2016-172252(JP,A)
【文献】特表2013-517121(JP,A)
【文献】国際公開第2009/127440(WO,A1)
【文献】特開平07-100333(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0333560(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0012511(US,A1)
【文献】中国実用新案第203577586(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/00-53/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着槽内で、炭酸塩を生成し得る金属の水酸化物水溶液からなる吸着液に二酸化炭素を含む排ガスを接触させて、金属炭酸塩水溶液を得る工程と、
該金属炭酸塩水溶液を、該吸着槽から脱着槽に移送する工程と、
該脱着槽内で、該金属炭酸塩水溶液から二酸化炭素を脱着させて、該吸着液を再生する工程と、
再生された該吸着液を、該脱着槽から該吸着槽に移送する工程とを備える二酸化炭素吸脱着方法であって、
該金属炭酸塩水溶液から二酸化炭素を脱着させて、該吸着液を再生する工程は、該脱着槽内を減圧して、減圧された該脱着槽内に収容された該金属炭酸塩水溶液に超音波を照射することにより行うことを特徴とする二酸化炭素吸脱着方法。
【請求項2】
炭酸塩を生成し得る金属の水酸化物水溶液からなる吸着液を供給する吸着液供給手段と、二酸化炭素を含む排ガスを供給する排ガス供給手段とを備え、該吸着液に該排ガスを吸着させて金属炭酸塩水溶液を得る吸着槽と、
該金属炭酸塩水溶液を該吸着槽から脱着槽に移送する金属炭酸塩水溶液移送手段と、
超音波照射手段と減圧手段とを備え、該金属炭酸塩水溶液から二酸化炭素を脱着させて、該吸着液を再生する脱着槽と、
該脱着槽から二酸化炭素を取り出す二酸化炭素取り出し手段と、
再生された該吸着液を該脱着槽から該吸着槽に移送する吸着液移送手段とを備えることを特徴とする二酸化炭素吸脱着装置。
【請求項3】
請求項2記載の二酸化炭素吸脱着装置において、前記吸着槽は、二酸化炭素を含む排ガスの発生源から排ガス処理装置に排ガスを輸送する導管の一部であることを特徴とする二酸化炭素吸脱着装置。
【請求項4】
請求項3記載の二酸化炭素吸脱着装置において、前記導管は、前記二酸化炭素を含む排ガスの発生源と前記排ガス処理装置とを結ぶパイプラインであることを特徴とする二酸化炭素吸脱着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素吸脱着方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化を抑制するため、温室効果ガスである二酸化炭素の排出量を低減することが求められている。特に、火力発電所や製鉄所などでは、大量の排ガスが発生するので、様々な方法が検討されている。
【0003】
前記二酸化炭素の排出量を低減するために、例えば、吸着槽内で、水酸化ナトリウム水溶液からなる吸着液に二酸化炭素を含む排ガスを接触させて、ナトリウムの炭酸塩水溶液を得る工程と、該ナトリウムの炭酸塩水溶液を、該吸着槽から脱着槽に移送する工程と、該脱着槽内で、該ナトリウムの炭酸塩水溶液から二酸化炭素を脱着させて、該吸着液を再生する工程と、再生された該吸着液を、該脱着槽から該吸着槽に移送する工程とを備える二酸化吸脱着方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載の発明によれば、前記吸着槽で二酸化炭素を前記吸着液に吸着させてナトリウムの炭酸塩水溶液を得た後、前記脱着槽で該ナトリウムの炭酸塩水溶液から二酸化炭素を脱着させることにより、前記二酸化炭素を含む排ガスから二酸化炭素のみを効率よく分離することができ、さらに、二酸化炭素の脱着により再生された吸着液を、前記吸着槽における二酸化炭素の吸着に再使用することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-262051
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、前記脱着槽で前記ナトリウムの炭酸塩塩水溶液から二酸化炭素を脱着させる際に、塩化水素を用いているため、二酸化炭素を脱着させた後には、次式のように、塩化ナトリウム水溶液が生成する。
NaCO + 2HCl → CO + 2NaCl + H
【0007】
前記塩化ナトリウム水溶液から水酸化ナトリウム水溶液を再生するためには、該塩化ナトリウム水溶液をバイポーラ電気透析装置により処理しなければならず、さらにバイポーラ電気透析装置による処理で副生する水素と塩素とから塩化水素を再生する処理が必要となり、操作が繁雑になるという不都合がある。
【0008】
本発明は、かかる不都合を解消して、二酸化炭素を含む排ガスから二酸化炭素のみを効率よく分離することができ、さらに、二酸化炭素の脱着後に、吸着液を容易に再生することができる方法及び、その方法に用いる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために、本発明の二酸化炭素吸脱着方法は、吸着槽内で、炭酸塩を生成し得る金属の水酸化物水溶液からなる吸着液に二酸化炭素を含む排ガスを接触させて、金属炭酸塩水溶液を得る工程と、該金属炭酸塩水溶液を、該吸着槽から脱着槽に移送する工程と、該脱着槽内で、該金属炭酸塩水溶液から二酸化炭素を脱着させて、該吸着液を再生する工程と、再生された該吸着液を、該脱着槽から該吸着槽に移送する工程とを備える二酸化炭素吸脱着方法であって、該金属炭酸塩水溶液から二酸化炭素を脱着させて、該吸着液を再生する工程は、該脱着槽内を減圧して、減圧された該脱着槽内に収容された該金属炭酸塩水溶液に超音波を照射することにより行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の二酸化炭素吸脱着方法では、前記吸着槽で、前記炭酸塩を生成し得る金属の水酸化物水溶液からなる吸着液に二酸化炭素を含む排ガスを接触させることで、吸着液に二酸化炭素を吸着させ、金属炭酸塩の水溶液を生成させる。
【0011】
なお、本発明において、「金属炭酸塩」との用語は、金属炭酸塩及び金属炭酸水素塩を含むものとする。
【0012】
次に、前記金属炭酸塩水溶液を前記吸着槽から前記脱着槽に移送する。そして、前記脱着槽を減圧して、減圧された該脱着槽に収容された前記金属炭酸塩水溶液に超音波を照射することにより、前記金属炭酸塩水溶液から二酸化炭素を脱着させ、前記吸着液を再生する。再生された前記吸着液は、前記吸着槽に移送され、再度二酸化炭素の吸着に供される。
【0013】
本発明の二酸化炭素吸脱着方法によれば、前記脱着槽を減圧して、減圧された該脱着槽に収容された前記金属炭酸塩水溶液に超音波を照射するだけで、該金属炭酸塩水溶液から二酸化炭素を脱着させ、前記吸着液を再生することができるので、二酸化炭素を含む排ガスから二酸化炭素のみを効率よく分離することができ、さらに、二酸化炭素の脱着後に、吸着液を容易に再生することができる。
【0014】
本発明の二酸化炭素吸脱着方法は、炭酸塩を生成し得る金属の水酸化物水溶液からなる吸着液を供給する吸着液供給手段と、二酸化炭素を含む排ガスを供給する排ガス供給手段とを備え、該吸着液に該排ガスを接触させて金属炭酸塩水溶液を得る吸着槽と、該金属炭酸塩水溶液を該吸着槽から脱着槽に移送する金属炭酸塩水溶液移送手段と、超音波照射手段と減圧手段とを備え、該金属炭酸塩水溶液から二酸化炭素を脱着させて、該吸着液を再生する脱着槽と、該脱着槽から二酸化炭素を取り出す二酸化炭素取り出し手段と、再生された該吸着液を該脱着槽から該吸着槽に移送する吸着液移送手段とを備える二酸化炭素吸脱着装置により実施することができる。
【0015】
本発明の二酸化炭素吸脱着装置において、前記吸着槽は、二酸化炭素を含む排ガスの発生源から排ガス処理装置に排ガスを輸送する導管の一部であることが好ましい。
【0016】
また、本発明の二酸化炭素吸脱着装置において、前記導管は、前記二酸化炭素を含む排ガスの発生源と前記排ガス処理装置とを結ぶパイプラインであることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の二酸化炭素吸脱着方法に用いる装置構成の一例を示すシステム構成図。
図2】本発明の二酸化炭素吸脱着方法を示すフローチャート。
図3】本発明の二酸化炭素吸脱着方法に用いる装置構成の一例を示すシステム構成図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0019】
本実施形態の二酸化炭素吸脱着方法は、例えば図1に示す二酸化炭素吸脱着装置1により実施することができる。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の二酸化炭素吸脱着装置1は、吸着槽2と脱着槽3とを備える。吸着槽2は、炭酸塩を生成し得る金属の水酸化物水溶液を吸着液として供給する吸着液導管4と、二酸化炭素を含む排ガスを供給する排ガス供給導管5とを備え、該吸着液が二酸化炭素を吸着することにより生成する金属炭酸塩水溶液6を貯留する。また、吸着槽2は、金属炭酸塩水溶液6を脱着槽3に移送する金属炭酸塩水溶液移送導管7を備えており、金属炭酸塩水溶液移送導管7は第1移送ポンプ8を介して脱着槽3に接続されている。
【0021】
脱着槽3は、収容されている金属炭酸塩水溶液6に超音波を照射する超音波振動子装置9を底面の外部に備える一方、金属炭酸塩水溶液6の上部空間を減圧する真空ポンプ10と、金属炭酸塩水溶液6から脱着された二酸化炭素を吸引して外部に移送する二酸化炭素移送導管11とを備えている。二酸化炭素移送導管11は途中に吸引ポンプ12を備えている。また、脱着槽3は、金属炭酸塩水溶液6から二酸化炭素が脱着されることにより再生される吸着液6aを吸着槽2に移送する吸着液移送導管13を備えており、吸着液移送導管13は第2移送ポンプ14を介して吸着槽2に接続されている。
【0022】
次に、図2を参照して、図1に示す二酸化炭素吸脱着装置1を用いる本実施形態の二酸化炭素吸脱着方法について説明する。
【0023】
本実施形態の二酸化炭素吸脱着方法は、まず、吸着液として、炭酸塩を生成し得る金属の水酸化物水溶液を吸着液導管4により吸着槽2に供給する(STEP1)。同時に、二酸化炭素を含む排ガスを排ガス供給管5より吸着槽2に供給し(STEP2)、吸着槽2内で吸着液と排ガスとを気液接触させる(STEP3)。
【0024】
炭酸塩を生成し得る金属の水酸化物水溶液としては、二酸化炭素と反応して炭酸塩を生成し得る金属の水酸化物水溶液であればよく、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属の水酸化物水溶液を利用することができるが、水酸化ナトリウム水溶液を使用することが好ましい。以下、本実施形態では、前記吸着液として、水酸化ナトリウム水溶液を使用する場合を例として説明する。
【0025】
前記水酸化ナトリウム水溶液は市販の水酸化ナトリウム結晶から調製してもよく、塩化ナトリウム水溶液の電気分解により製造してもよい。
【0026】
吸着液と排ガスとの気液接触は、図1に示すように吸着槽2内で前記排ガスと水酸化ナトリウム水溶液とを接触させるようにしてもよく、吸着槽2内に貯留された水酸化ナトリウム水溶液に前記排ガスをバブリングするようにしてもよい。
【0027】
吸着槽2内で前記排ガスと水酸化ナトリウム水溶液とを接触させる場合には、吸着槽2内に棚を設け、該棚上に蒸留塔に用いられる充填物を配設する等して、該排ガスと該水酸化ナトリウム水溶液との接触面積が増大するようにしてもよい。また、吸着液と排ガスとの気液接触は前述の方法を2種以上組み合わせて行ってもよい。
【0028】
前記気液接触の結果、吸着液としての前記水酸化ナトリウム水溶液と二酸化炭素が反応することにより、該水酸化ナトリウム水溶液に二酸化炭素が吸着され、炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムを含む水溶液6を得ることができる(STEP4)。なお、本実施形態では、前記炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウムを含む水溶液6を合わせて、便宜的に炭酸ナトリウム水溶液6という。
【0029】
前記炭酸ナトリウム水溶液6が生成する反応の終点は、吸着槽2に貯留される液体の液性が強アルカリから酸性に変化することにより検出することができる。前記液性の変化は、吸着槽2に配設される、図示しないpHメーターにより検知することができる。
【0030】
次に、吸着槽2で生成した炭酸ナトリウム水溶液6は、第1移送ポンプ8を作動させることにより、金属炭酸塩水溶液移送導管7を介して脱着槽3に移送される。第1移送ポンプ8は吸着槽2内の炭酸ナトリウム水溶液6の所定量が脱着槽3に移送されると停止する。
【0031】
次に脱着槽3の上部空間を真空ポンプ10により、5~50kPaに減圧して、脱着槽3内が前記範囲の圧力に減圧された状態で、超音波振動子装置9により、脱着槽3に収容された金属炭酸塩水溶液6に70~120W/m、好ましくは75~114mの出力で、100~300kHzの周波数の超音波を照射する(STEP5)ことで、金属炭酸塩水溶液6から二酸化炭素を脱着する(STEP6)。
【0032】
前記真空ポンプ10は前記第1移送ポンプ8が停止した後作動し、脱着槽3の上部空間が前記範囲の圧力になると停止する。前記吸引ポンプ12は前記超音波振動子装置9により、金属炭酸塩水溶液6に超音波が照射された後作動し、二酸化炭素が脱着する反応の終点になると停止する。
【0033】
前記真空ポンプ10と前記吸引ポンプ12は脱着槽3を減圧できるものであればどのようなものであってもよく、エジェクター又はアスピレーターのような真空発生装置でもよい。
【0034】
二酸化炭素吸脱着方法の変形例として、STEP5の前記真空ポンプ10による脱着槽3の減圧と、STEP6の前記吸引ポンプ12による二酸化炭素の脱着は1つのポンプで行ってもよい。
【0035】
前記炭酸ナトリウム水溶液6から二酸化炭素が脱着する反応の終点は、脱着槽3に貯留される液体の液性が酸性からアルカリ性に変化することにより検出することができる。前記液性の変化は、脱着槽3に配設された図示しないpHメーターにより検知することができる。
【0036】
次に、前記二酸化炭素は、吸引ポンプ12を作動させることにより、二酸化炭素移送導管11を介して脱着槽3から取り出され、別途貯留される(STEP7)。
【0037】
脱着槽3内の炭酸ナトリウム水溶液6は二酸化炭素が脱着することにより水酸化ナトリウム水溶液となり吸着液6aとして再生される(STEP8)。
【0038】
次に、第2移送ポンプ14を作動させることにより、再生された吸着液6aは吸着液移送導管13を介して吸着槽2に移送され、再度吸着液6aと二酸化炭素を含む排ガスとの気液接触に供することができる。第2移送ポンプ14は脱着槽3内の吸着液6aの所定量が吸着槽2に移送されると停止する。
【0039】
次に、図3を参照して、図1に示す二酸化炭素吸脱着装置1の他の態様について、説明する。図3に示すように、図1に示す二酸化炭素吸脱着装置1における吸着槽2は、二酸化炭素を含む排ガスの発生源15から排ガス処理装置17に排ガスを輸送する導管の一部とすることができ、さらに、前記導管は、前記二酸化炭素を含む排ガスの発生源と前記排ガス処理装置とを結ぶパイプライン16とすることができる。
【0040】
前記二酸化炭素を含む排ガスの発生源15としては、例えば、火力発電所、製鉄所等を挙げることができる。また、排ガス処理装置17としては、例えば、前記排ガスに含まれる窒素酸化物、硫黄酸化物等を中和する中和手段と、該排ガスに含まれる飛灰を除去するバグフィルタ等を備える装置を挙げることができる。
【0041】
二酸化炭素を含む排ガスの発生源15から排ガス処理装置17に排ガスを輸送する導管、例えばパイプライン16の一部を吸着槽2とすることにより、吸着槽2を設けることなく前記気液接触を行うことができ、装置構成を簡略化することができる。
【0042】
前記パイプライン16における、吸着液と排ガスとの気液接触は、パイプライン16の下流側に吸着液供給手段4を接続し、パイプライン16の上流側に金属炭酸塩水溶液移送手段7を接続することで吸着液と排ガスとを向流接触させることができるため、二酸化炭素を吸着した後の金属炭酸塩水溶液6を効率よく脱着槽3に移送することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…二酸化炭素吸脱着装置、2…吸着槽、3…脱着槽、4…吸着液供給手段、5…排ガス供給手段、6…金属炭酸塩水溶液、6a…吸着液、7,8…金属炭酸塩水溶液移送手段、9…超音波照射手段、10…減圧手段、11,12…二酸化炭素取り出し手段、13,14…吸着液移送手段。
図1
図2
図3