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特許7648195オレアンドリンを含む抽出物及びそれを生成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】オレアンドリンを含む抽出物及びそれを生成する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/585 20060101AFI20250311BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20250311BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20250311BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20250311BHJP
   A61K 36/24 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 31/16 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20250311BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250311BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
A61K31/585
A23L33/10
A23L33/105
A61K8/9789
A61K36/24
A61P1/00
A61P1/04
A61P9/10
A61P17/00
A61P17/02
A61P17/04
A61P17/06
A61P21/00
A61P25/00
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/28
A61P31/12
A61P31/14
A61P31/16
A61P31/20
A61P35/00
A61Q19/00
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2022572450
(86)(22)【出願日】2021-05-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 US2021033176
(87)【国際公開番号】W WO2021242590
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2024-05-17
(31)【優先権主張番号】63/059,776
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/057,727
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/029,530
(32)【優先日】2020-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/034,800
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/895,920
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/042,656
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/051,576
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2020/042009
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/159,242
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2021/022800
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508025518
【氏名又は名称】フェニックス・バイオテクノロジー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】オビソ リチャード ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン ロバート エイ
(72)【発明者】
【氏名】アディントン オーティス シー
【審査官】今村 明子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0328809(US,A1)
【文献】特表2022-522074(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2018-0060726(KR,A)
【文献】特表2013-542988(JP,A)
【文献】国際公開第2012/129683(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレアンドリン含有有機溶媒抽出物の部分とオレアンドリン含有SbCL(亜臨界液体)抽出物の部分とを含むオレアンドリン含有組合せ組成物であって、
前記有機溶媒抽出物が、アルコール又はアルコールと水による抽出によって調製され、
前記SbCL抽出物が、二酸化炭素又は二酸化炭素とアルコールによる抽出によって調製される、オレアンドリン含有組合せ組成物
【請求項2】
a)前記有機溶媒抽出物中の抽出された揮発性及び半揮発性構成成分の組成プロファイルが、前記亜臨界液体抽出物中の前記構成成分の組成プロファイルとは異なる;及び/又はb)オレアンドリン含有量に対して、亜臨界液体抽出物が、有機溶媒抽出物よりも抽出された揮発性及び半揮発性構成成分を高い割合で含む、請求項1に記載の組合せ組成物。
【請求項3】
前記組成物が、オレアンドリンと、1種又は複数種の強心配糖体、1種又は複数種の強心配糖体のグリコン構成成分、グルコシド、フルクトシド、グルクロニド、1種又は複数種のアグリコン、1種又は複数種のグリコシド前駆体、カルデノリド、カルダジエノリド、カルダトリエノリド、1種又は複数種のステロイド、1種又は複数種のトリテルペン、1種又は複数種の単糖、1種又は複数種の多糖、1種又は複数種のアルカロイド、1種又は複数種のタンパク質、脂肪、治療上有効な薬剤である1種又は複数種の他の非強心配糖体、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される1種又は複数種の化合物とを含む、請求項1に記載の組合せ組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の医薬賦形剤及び請求項1に記載の組合せ組成物を含む医薬組成物。
【請求項5】
オレアンドリンに治療的に応答する状態、疾患又は障害を処置又は阻止する方法で使用するための請求項4に記載の医薬組成物であって、
前記状態、疾患又は障害が、がん、腫瘍、癌腫、肉腫、膠芽腫、腺癌、リンパ腫、黒色腫、脳腫瘍、神経膠腫、星状細胞腫、上衣腫、希突起膠腫、過剰細胞増殖、悪性新生物性疾患、非がん性炎症性皮膚疾患、光線性角化症、乾癬、湿疹、神経学的疾患、神経学的障害、神経変性性疾患、神経変性性障害、変化したNa,K-ATPase活性と関連する病因を有する神経学的疾患又は障害、アルツハイマー疾患、パーキンソン疾患、ハンチントン疾患、脳卒中、認知症、筋萎縮性側索硬化症、ウシ海綿状脳症、多発性硬化症、糖尿病性神経障害、自閉症及び若年性神経セロイドリポフスチン症、タウ異常症、ダウン症候群、ピック疾患、大脳皮質基底核変性症、プリオン疾患のいくつかの異型、進行性核上性麻痺、前頭側頭型認知症、痔疾、潰瘍、ハンセン病、蛇咬傷、いぼ、及びウイルス感染からなる群から選択され、
前記方法が、それを必要とする対象前記医薬組成物の1回又は複数回の用量を投与し、それによって、前記状態、疾患又は障害を処置又は阻止することを含む、医薬組成物
【請求項6】
オレアンドリンに治療的に応答する状態、疾患又は障害を処置又は阻止する方法で使用するための請求項1に記載の組合せ組成物であって、
前記状態、疾患又は障害が、がん、腫瘍、癌腫、肉腫、膠芽腫、腺癌、リンパ腫、黒色腫、脳腫瘍、神経膠腫、星状細胞腫、上衣腫、希突起膠腫、過剰細胞増殖、悪性新生物性疾患、非がん性炎症性皮膚疾患、光線性角化症、乾癬、湿疹、神経学的疾患、神経学的障害、神経変性性疾患、神経変性性障害、変化したNa,K-ATPase活性と関連する病因を有する神経学的疾患又は障害、アルツハイマー疾患、パーキンソン疾患、ハンチントン疾患、脳卒中、認知症、筋萎縮性側索硬化症、ウシ海綿状脳症、多発性硬化症、糖尿病性神経障害、自閉症及び若年性神経セロイドリポフスチン症、タウ異常症、ダウン症候群、ピック疾患、大脳皮質基底核変性症、プリオン疾患のいくつかの異型、進行性核上性麻痺、前頭側頭型認知症、痔疾、潰瘍、ハンセン病、蛇咬傷、いぼ、及びウイルス感染からなる群から選択され、
前記方法が、それを必要とする対象に前記組合せ組成物の1回又は複数回の用量を投与し、それによって、前記状態、疾患又は障害を処置又は阻止することを含む、組合せ組成物
【請求項7】
前記SbCL抽出物が、
オレアンドリン含有バイオマスを、二酸化炭素を含む亜臨界液体(SbCL)を用いる亜臨界液体抽出(SbCLE)に、オレアンドリンを抽出し抽出環境を形成するのに十分な時間にわたって供すること;
前記バイオマスを前記抽出環境から分離して、オレアンドリン含有SbCLを提供すること;及び
前記オレアンドリン含有SbCLからSbCLを除去して、前記オレアンドリン含有抽出物(OCE)を提供すること
を含む方法によって生成される、請求項1に記載の組合せ組成物。
【請求項8】
前記方法が、以下のステップ:a)抽出環境を濾過することによって、前記バイオマスを抽出環境から分離すること;b)改質剤を、二酸化炭素又は抽出環境に添加すること;c)抽出環境を含む容器の内部を加熱し、加圧して、亜臨界液体相抽出環境を形成すること;d)前記SbCLを蒸発させることによって、前記オレアンドリン含有SbCLから前記SbCLを除去して、原料SbCL抽出物を形成すること;e)原料SbCL抽出物を、有機溶媒又は水性有機溶媒を用いて希釈すること;f)希釈した原料又は粗製SbCL抽出物を1回又は複数回濾過すること;g)希釈した原料又は粗製SbCL抽出物を活性炭で処理すること;h)形成のために、希釈した原料抽出物から大部分の有機溶媒を除去すること;及び/又はi)原料又は粗製抽出物を無菌濾過して、SbCL抽出物を得ることのうちの1つ又は複数を更に含む、請求項7に記載の組合せ組成物。
【請求項9】
SbCLが、二酸化炭素及び1種又は複数種の改質剤を含む、請求項7に記載の組合せ組成物。
【請求項10】
1種又は複数種の改質剤が、アルコールである、請求項9に記載の組合せ組成物。
【請求項11】
二酸化炭素(及び存在する場合は改質剤)が、抽出時間のうちの約50%以上の間亜臨界液体相中に存在する、請求項7に記載の組合せ組成物。
【請求項12】
亜臨界液体相中の抽出流体(二酸化炭素、及び存在する場合は改質剤)とバイオマスとを含む抽出環境が、抽出時間のうちの少なくとも60%の間、液体形態のままである、請求項11に記載の組合せ組成物。
【請求項13】
CO2の相ダイアグラムに関しては、SbCLEが、a)臨界圧力(pc)以下で、臨界温度(tc)を下回って、及び液-気相ラインを超えて;b)tc以下で、及びpcを下回って、及び液-気相ラインを超えて;c)pc以上で、tcを下回って、液-気相ラインを超えて、及び固-液相ラインを下回って;又はd)固-液相ライン、液-気相ライン、液体-超臨界相ライン、三重点(固-液-気)温度(ttp)、三重点圧力(ptp)、臨界点(液-気-超臨界)温度(tcp)、及び臨界点圧力(pcp)によって囲まれる液体領域の範囲内に入る温度及び圧力で行われる、請求項7に記載の組合せ組成物。
【請求項14】
SbCLEが、約0℃~約31℃の温度及び約5.2bar~約3000barの圧力で行われる、請求項7に記載の組合せ組成物。
【請求項15】
二酸化炭素を含み、更に改質剤を含んでいてもよい抽出液体のバイオマスに対する質量比が、溶媒と原材料の両方の質量に基づいて約20:1~約100:1の範囲である、請求項7に記載の組合せ組成物。
【請求項16】
二酸化炭素の改質剤に対する質量比が、約100:約0.01~20の範囲である、請求項9に記載の組合せ組成物。
【請求項17】
a)バイオマスが抽出される前に、脱水され、除湿され、フリーズドライされ、及び/又はデシケートされる;b)バイオマスが抽出される前に乾燥される;c)バイオマスが抽出される前に脱水されない;又はd)バイオマスが抽出される前に乾燥されない、請求項7に記載の組合せ組成物。
【請求項18】
オレアンドリン含有組合せ組成物を生成する方法であって、
抽出環境を形成することによりオレアンドリン含有第1のバイオマスに有機溶媒抽出を行って、オレアンドリン含有有機溶媒抽出物を提供すること;
オレアンドリン含有第2のバイオマスに亜臨界液体(SbCL)抽出(SbCLE)を行って、オレアンドリン含有SbCL抽出物を提供すること;及び
前記オレアンドリン含有有機溶媒抽出物と前記オレアンドリン含有SbCL抽出物とを合わせて、前記オレアンドリン含有組合せ組成物を提供すること
を含む方法。
【請求項19】
a)前記有機溶媒抽出が、有機溶媒又は水性有機溶媒を用いて行われ;b)前記有機溶媒又は水性有機溶媒がアルコールを含み;c)前記有機溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチル、及びこれらの組合せからなる群から選択され;d)前記有機溶媒抽出が、前記オレアンドリン含有バイオマスを有機溶媒又は水性有機溶媒を用いて1回又は複数回抽出することを含み;e前記水性有機溶媒が、最大約20%w/w、約5%w/w~約15%w/w、又は約10%w/wの水を含み;f)前記有機溶媒抽出物が、約0℃~約75℃、約5℃~約70℃、約10℃~約60℃、約10℃~約50℃、約10℃~約45℃、又は約20℃~約40℃の温度で行われ;g)有機溶媒のバイオマスに対するv/w比又は水性有機溶媒のバイオマスに対するv/w比が、約50~1:約1、約40~1:約1、約30~1:約1、約20~1:約1、約20~5:約1、又は約10:約1の範囲である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
有機溶媒抽出が、以下:a)抽出環境を濾過することによって、前記バイオマスを抽出環境から分離して、抽出物を形成すること;b)水性液体を有機溶媒又は抽出環境に添加すること;c)前記抽出物から有機溶媒の含有量を減少させること;d)抽出物を活性炭で処理すること;e)抽出物を1回又は複数回濾過すること;f)追加の有機溶媒を抽出物に添加すること;g)有機溶媒抽出物を無菌濾過すること;及び/又はh)水を抽出物に添加して水性抽出物を形成し、水性抽出物を有機溶媒で抽出することのうちの1つ又は複数を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
a)抽出前のバイオマス中の水分含有量が約20wt%以下であり;b)抽出前のバイオマスの粒子サイズd0.5が、約1インチ未満、約0.75インチ未満、約0.5インチ未満、約0.4インチ未満、約0.3インチ未満、約0.2インチ未満、約0.1インチ未満、約0.05インチ未満、又は約0.01インチ未満であり、前記粒子がASTMふるいメッシュ開口サイズに関するものであり;及び/又はc)オレアンドリン含有バイオマスが、キョウチクトウ属(Nerium)種、セイヨウキョウチクトウ(Nerium oleander)、セイヨウキョウチクトウL(Nerium oleander L)、ネリウム・オドウルム(Nerium odourum)、ホワイトオレアンダー、ピンクオレアンダー、キバナキョウチクトウ属(Thevetia)種、キバナキョウチクトウ(Thevetia peruviana)、イエローオレアンダー、ザベチア・ネリフォリア(Thevetia nerifolia)、キョウチクトウ属種の細胞培養で形質転換され、誘発されたアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、又はこれらの組合せである、請求項15に記載の組合せ組成物。
【請求項22】
組成物が、少なくともオレアンドリン、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、カネロシン、カネロジオン、オレアンドリゲニン、ネリウムF、ネリタロシド、オドロシドA、オドロシドH、アディネリン、オドロシド-G-アセテート、及びギトキシゲニンを含む、請求項1に記載の組合せ組成物。
【請求項23】
a)前記有機溶媒抽出物において、化合物の相対的含有量が、カネロシン>カネロジオン>オレアノール酸>ウルソール酸~オレアンドリン~ベツリン酸>オレアンドリゲニン~ネリウムF、オドリオシドA、オドリオシドH~アディネリン~オドリオシド-G-アセテート>ギトキシゲニンであり;及びb)前記SbCL抽出物において、化合物の相対的含有量が、オレアノール酸>ウルソール酸~オレアンドリン~ベツリン酸>オレアンドリゲニン~ネリウムF>オドレオシドA、オドレオシドH~アディネリン~オドレオシド-G-アセテート>カネロシンである、請求項22に記載の組合せ組成物。
【請求項24】
ネリイン、フォリネリン、ギトキシゲニン、ジギトキシゲニン、ネリゴシド、ルチン、ウルソン酸、ネリジエノンA、アジネリゲニン、デアセチルオレアンドリン、オドリオシド-G-アセテート、及び/又はケルセチンの1種以上をさらに含む、請求項22に記載の組合せ組成物。
【請求項25】
1種又は複数種のポリフェノール、1種又は複数種の炭水化物、1種又は複数種のフラボノイド、1種又は複数種のアミノ酸、1種又は複数種の可溶性タンパク質、1種又は複数種のセルロース、1種又は複数種のデンプン、1種又は複数種のアルカロイド、1種又は複数種のサポニン、1種又は複数種のタンニン、又はそれらの組合せをさらに含む、請求項22に記載の組合せ組成物。
【請求項26】
a)エタノール抽出によって作製された有機溶媒抽出物において、成分の相対的含有量が、全遊離アミノ酸>全糖>全セルロース>全アルカロイド>全ポリフェノール~全フラボノイド>全デンプン>全粗製タンパク質である;b)水性エタノール抽出によって作製された有機溶媒抽出物において、成分の相対的含有量が、全遊離アミノ酸>全セルロース>全アルカロイド>全糖>全ポリフェノール~全フラボノイド>全デンプン>全粗製タンパク質である;又はc)SbCL抽出物において、成分の相対的含有量が、全遊離アミノ酸>全デンプン>全アルカロイド>全セルロース>全フラボノイド>全糖>全ポリフェノール>全粗製タンパク質である、請求項22に記載の組合せ組成物。
【請求項27】
前記組成物が、医薬組成物、栄養補助食品組成物、化粧料組成物、又は投与形態に含まれる、請求項1に記載の組合せ組成物。
【請求項28】
a)抽出前のバイオマス中の水分含有量が約20wt%以下であり;b)抽出前のバイオマスの粒子サイズd0.5が、約1インチ未満、約0.75インチ未満、約0.5インチ未満、約0.4インチ未満、約0.3インチ未満、約0.2インチ未満、約0.1インチ未満、約0.05インチ未満、又は約0.01インチ未満であり、前記粒子がASTMふるいメッシュ開口サイズに関するものであり;及び/又はc)オレアンドリン含有バイオマスが、キョウチクトウ属(Nerium)種、セイヨウキョウチクトウ(Nerium oleander)、セイヨウキョウチクトウL(Nerium oleander L)、ネリウム・オドウルム(Nerium odourum)、ホワイトオレアンダー、ピンクオレアンダー、キバナキョウチクトウ属(Thevetia)種、キバナキョウチクトウ(Thevetia peruviana)、イエローオレアンダー、ザベチア・ネリフォリア(Thevetia nerifolia)、キョウチクトウ属種の細胞培養で形質転換され、誘発されたアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、又はこれらの組合せである、請求項7に記載の組合せ組成物。
【請求項29】
請求項18に記載の方法によって生成されるオレアンドリン含有組合せ組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オレアンドリンを含む抽出物を調製するための改善された方法に関する。本発明は、少なくとも2種類の異なるオレアンドリン含有抽出物を含む改善されたオレアンドリン含有組成物も提供する。これらを含む医薬組成物及び栄養補助食品組成物も提供する。強心配糖体応答性の疾患、状態、又は障害を処置するための使用する方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
オレアンドリンの生成に好適な大規模化学合成方法は存在しておらず、したがって、オレアンドリンは、植物材料からの抽出によって主に生成され、その後、抽出物の他の構成成分から単離し、そして精製してもよい。
【0003】
セイヨウキョウチクトウ(Nerium oleander)はキョウチクトウ属(Nerium)種のメンバーであり、亜熱帯アジア、米国南西部、及び地中海に広範囲に分布する観賞植物である。その医学的及び毒物学的特性は、主にオレアンドリンによるものと長期間認識されてきており、例えば、痔疾、潰瘍、ハンセン病、蛇咬傷、神経学的障害、がん、腫瘍、過剰細胞増殖、神経変性、アルツハイマー疾患、パーキンソン疾患、脳卒中、神経学的障害、ハンチントン疾患、炎症、及びウイルス感染の処置において使用するために提案されてきた。オレアンドリンの神経保護活性は、国際公開第2011085307号、米国特許第8481086号、米国特許第9220778号、米国特許第9358293号、米国特許第9877979号、及び米国特許第10383886号で開示されている。オレアンドリンの抗がん(抗過剰細胞増殖)活性は、国際公開第2007016176号、国際公開第2009064657号、米国特許第7402325号、米国特許第8187644号、米国特許第8394434号、米国特許第8367363号、米国特許第9494589号、及び米国特許第9846156号で開示されている。オレアンドリンの抗ウイルス活性は、米国特許第10596186号、国際公開第2018/053123号、及び国際公開第2019/055119号で開示されている。Zibbuら(J. Chem. Pharm. Res. (2010), 2(6), 351-358)は、セイヨウキョウチクトウの化学的及び薬理学的活性に関する簡潔なレビューを提供している。
キョウチクトウ属種の植物からの構成成分の抽出は、従来、沸騰水、超臨界流体、又は有機溶媒を使用して行われてきた。
【0004】
ANVIRZEL(商標)(Ozelの米国特許第5,135,745号)は、セイヨウキョウチクトウの熱水抽出物の濃縮形態又は粉末形態を含む。Mullerら(Pharmazie. (1991) Sept. 46(9), 657-663)は、セイヨウキョウチクトウの水抽出物の分析に関する結果を開示している。セイヨウキョウチクトウ植物の抽出には、葉をスライスすること、植物のスライスした葉及び茎を水中で2~3時間煮ること、及び残渣を濾過除去することが伴う。混合物は再度加熱される。水性抽出物には、2KD~30KDの様々な分子量を有する数種類の多糖、オレアンドリン、及びオレアンドリゲニン(oleandrigenin)、オドロシド(odoroside)並びにネリタロシド(neritaloside)が含まれると報告されている。そこでは、存在する多糖は主にガラクツロン酸であると報告されている。他の単糖としては、ラムノース、アラビノース及びガラクトースがある。セイヨウキョウチクトウの加温水抽出物内の多糖の含有量及び多糖の個々の糖組成も、Newmanら(J. Herbal Pharmacotherapy, (2001) vol 1, pp.1-16)によって報告されている。加温水抽出物であるANVIRZEL(商標)の組成分析は、Newmanら(Anal. Chem. (2000), 72(15), 3547-3552)によって記載されている。Selvarajらの米国特許第5,869,060号は、キョウチクトウ属種の抽出物及び生成する方法に関連する。抽出物を調製するために、植物材料を水に入れ、煮ていく。次いで、粗製抽出物を植物物質から分離し、滅菌濾過を行う。次いで、得られた抽出物を凍結乾燥して粉末を生成することができる。米国特許第6,565,897号(Selvarajらの米国付与前公開第20020114852号及び国際公開第2000/016793号)では、実質的に無菌の水抽出物を調製するための熱水抽出方法が開示されている。Ishikawaら(J. Nutr. Sci. Vitaminol. (2007), 53, 166-173)は、セイヨウキョウチクトウの熱水抽出物、並びにクロロホルム、メタノール、及び水の混合物を使用した液体クロマトグラフィーによるその画分を開示している。彼らは、N.オレアンダー(N.oleander)の葉の抽出物がII型糖尿病を処置するために使用されてきたことも報告している。Panyosanの2006年8月24日に公開された米国特許出願公開第20060188585号では、N.オレアンダーの熱水抽出物が開示されている。Smothersの2019年6月18日に発行された米国特許第10323055号では、アロエ及び水を用いて植物材料を抽出して、アロエ及び強心配糖体を含む抽出物を提供する方法が開示されている。2007年7月5日にRashanらに公開された米国特許出願公開第20070154573号では、セイヨウキョウチクトウの冷水抽出物及びその使用が開示されている。したがって、植物材料からのオレアンドリンの相対的含有量を高めるための方法は保証されている。セイヨウキョウチクトウの熱水抽出物は、オレアンドリン及び関連する強心配糖体を比較的低い収率で提供する場合があるが、オレアンドリンを含む強心配糖体の濃縮形態を得るための改善された方法が必要とされている。
【0005】
Erdemogluら(J. Ethnopharmacol. (2003) Nov. 89(1), 123-129)は、その抗侵害及び抗炎症活性に基づく、セイヨウキョウチクトウを含む植物の水性抽出物とエタノール抽出物との比較に関する結果を開示している。Fartyalら(J. Sci. Innov. Res. (2014), 3(4), 426-432)は、その抗菌活性に基づく、セイヨウキョウチクトウのメタノール、水性、及び石油エーテル抽出物の比較に関する結果を開示している。
【0006】
セイヨウキョウチクトウの有機溶媒抽出物も、Adomeら(Afr. Health Sci. (2003) Aug. 3(2), 77-86; ethanolic extract)、el-Shazlyら(J. Egypt Soc. Parasitol. (1996), Aug. 26(2), 461-473; ethanolic extract)、Begumら(Phytochemistry (1999) Feb. 50(3), 435-438; methanolic extract)、Ziaら(J. Ethnolpharmacol. (1995) Nov. 49(1), 33-39; methanolic extract)、及びVlasenkoら(Farmatsiia. (1972) Sept.-Oct. 21(5), 46-47; alcoholic extract)によって開示されている。Turkmenら(J. Planar Chroma. (2013), 26(3), 279-283)は、セイヨウキョウチクトウの葉及び茎の水性エタノール抽出物を開示している。Yamauchiの1974年9月3日に発行された米国特許第3833472号では、ネリウム・オドルム(Nerium odorum)SOL(ネリウム・オレアンダー・リン(Nerium oleander Linn))の葉の水、有機溶媒、又は水性有機溶媒を用いた抽出が開示されており、そこでは、葉を60℃~170℃に加熱し、次いで抽出し、有機溶媒が、メタノール、エタノール、プロピルエーテル又はクロロホルムである。
【0007】
キョウチクトウ属種の超臨界流体(SCF)抽出物は既知である(PBI-05204;本明細書、及び2012年5月29日に発行されたAddingtonの米国特許第8187644号、2008年7月22日に発行されたAddingtonの米国特許第7402325号、2013年3月12日に発行されたAddingtonらの米国特許第8394434号において記載されており、これらの開示全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする)。SCF抽出物は、一部の神経学的障害(米国特許第8481086号、米国特許第9220778号、米国特許第9358293号、米国出願公開第20160243143号、米国特許第9877979号、米国特許第10383886号)、一部の細胞増殖性障害(米国特許第8367363号、米国特許第9494589号、米国特許第9846156号)、及び一部のウイルス感染(米国特許第10596186号、国際公開第2018053123号、国際公開第2019055119号)の処置において有効であることが立証されている。Addingtonら(米国特許第8481086号、米国特許第9220778号、米国特許第9358293号、米国特許出願公開第20160243143号)は、神経学的状態の処置のためのPBI-05204の使用を開示している。Addingtonら(米国特許第9011937号、米国特許出願公開第20150283191号)は、神経学的状態を処置するためのトリテルペン含有分画(PBI-04711)の使用を開示している。PBI-05204は、主要な薬理学的活性構成成分として、強心配糖体(オレアンドリン、OL)及びトリテルペン(オレアノール酸(OA)、ウルソール酸(UA)及びベツリン酸(BA))を含む。PBI-05204におけるOA:UA:BAのモル比は、約7.8:7.4:1である。PBI-04711はPBI-05204の分画であるが、OLを含んでいない。PBI-04711におけるOA:UA:BAのモル比は約3:2.2:1である。
【0008】
オレアンドリンはまた、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)形質転換カルス由来の懸濁培養物抽出物及びアグロバクテリウム属(agrobacterium)抽出物から得てもよい(Ibrahim et al., “Stimulation of oleandrin production by combined Agrobacterium tumefaciens mediated transformation and fungal elicitation in Nerium oleander cell cultures”, in Enz. Microb. Technol. (2007), 41, 331-336)。
【0009】
オレアンドリンはまた、セイヨウキョウチクトウミクロ培養の抽出物からin vitroで得てもよく、それによって、セイヨウキョウチクトウの栽培品種、例えばスプレンデンズ・ギガンテウム(Splendens Giganteum)、ルバンシュ(Revanche)若しくはアルサス(Alsace)、若しくは他の栽培品種の実生から、及び/又はシュート頂部からシュート培養を開始することができる(Vila et al., “Micropropagation of Oleander (Nerium oleander L.)” in HortScience (2010), 45(1), 98-102)。
【0010】
キョウチクトウ属種の抽出物は、多くの異なるクラスの化合物:強心配糖体、グリコン、アグリコン、ステロイド、トリテルペン、多糖、単糖、アルカロイド、脂肪、タンパク質などを含むことが既知である。特定の化合物としては、オレアンドリン、ネリタロシド、オドロシド、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、オレアンドリゲニン、オレアシドA、ベツリン(ウルサ-12-エン-3β,28-ジオール)、28-ノルウルサ-12-エン-3β-オール、ウルサ-12-エン-3β-オール、3β,3β-ヒドロキシ-12-オレアネン-28-酸、3β,20α-ジヒドロキシウルサ-21-エン-28-酸、3β,27-ジヒドロキシ-12-ウルセン-28-酸、3β,13β-ジヒドロキシウルサ-11-エン-28-酸、3β,12α-ジヒドロキシオレアナン-28,13β-オリド、3β,27-ジヒドロキシ-12-オレアナン-28-酸、ホモポリガラクツロナン、アラビノガラツロナン、クロロゲン酸、カフェイン酸、L-キナ酸、4-クマロイル-CoA、3-O-カフェオイルキナ酸、5-O-カフェオイルキナ酸、カルデノリドB-1、カルデノリドB-2、オレアゲニン(oleagenin)、ネリジジノシド(neridiginoside)、ネリゾシド(nerizoside)、オドロシド-H、3-ベータ-O-(D-ジギノシル(diginosyl))-5-ベータ、ガラクツロン酸、ラムノース、アラビノース、キシロース、及びガラクトースから構成される14ベータ-ジヒドロキシ-カルダ-20(22)-エノリド、ペクチン多糖、17000~120000Dの範囲のMW、又は約35000D、約3000D、約5500D、若しくは約12000DのMWを有する多糖、カルデノリドモノグリコシド、カルデノリドN-1、カルデノリドN-2、カルデノリドN-3、カルデノリドN-4、プレグナン、4,6-ジエン-3,12,20-トリオン、20R-ヒドロキプレグナ-4,6-ジエン-3,12-ジオン、16ベータ,17ベータ-エポキシ-12ベータ-ヒドロキプレグナ-4,6-ジエン-3,20-ジオン、12ベータ-ヒドロキプレグナ-4,6,16-トリエン-3,20-ジオン(ネリジエノン(neridienone)A)、20S,21-ジヒドロキシプレグナ-4,6-ジエン-3,12-ジオン(ネリジエノンB)、ネリクマリン酸(neriucoumaric acid)、イソネリクマリン酸(isoneriucoumaric acid)、オレアンデロン酸(oleanderoic acid)、オレアンデレン(oleanderen)、8アルファ-メトキシラブタン(methoxylabdan)-18-酸、12-ウルセン、カネロシド(kaneroside)、ネリウモシド(neriumoside)、3β-O-(D-ジギノシル)-2α-ヒドロキシ-8,14β-エポキシ-5β-カルダ-16:17、20:22-ジエノリド、3β-O-(D-ジギノシル)-2α,14β-ジヒドロキシ-5β-カルダ-16:17,20:22-ジエノリド、3β,27-ジヒドロキシ-ウルサ-18-エン-13,28-オリド、3β,22α,28-トリヒドロキシ-25-ノル-ルパ-1(10),20(29)-ジエン-2-オン、シス-カレニン(3β-ヒドロキシ-28-Z-p-クマロイルオキシ-ウルサ-12-エン-27-酸)、トランス-カレニン(3-β-ヒドロキシ-28-E-p-クマロイルオキシ-ウルサ-12-エン-27-酸)、3ベータ-ヒドロキシ-5アルファ-カルダ-14(15),20(22)-ジエノリド(ベータ-アンヒドロエピジギトキシゲニン)、3ベータ-O-(D-ジギタロシル)-21-ヒドロキシ-5ベータ-カルダ-8,14,16,20(22)-テトラエノリド(ネリモゲニン(neriumogenin)-A-3ベータ-D-ジギタロシド(digitaloside))、プロセラゲニン(proceragenin)、ネリジエノンA、3ベータ,27-ジヒドロキシ-12-ウルセン-28-酸、3ベータ,13ベータ-ジヒドロキシウルサ-11-エン-28-酸、3ベータ-ヒドロキシウルサ-12-エン-28-アルデヒド、28-ノルウルサ-12-エン-3ベータ-オール、ウルサ-12-エン-3ベータ-オール、ウルサ-12-エン-3ベータ,28-ジオール、3ベータ,27-ジヒドロキシ-12-オレアネン-28-酸、(20S、24R)-エポキシダンマラン-3ベータ,25-ジオール、20ベータ,28-エポキシ-28アルファ-メトキシタラキサステラン(methoxyan)-3ベータ-オール、20ベータ,28-エポキシタラキサステラ-21-エン-3ベータ-オール、28-ノルウルサ-12-エン-3ベータ,17ベータ-ジオール、3ベータ-ヒドロキシウルサ-12-エン-28-アルデヒド、アルファ-ネリウルセート(neriursate)、ベータ-ネリウルセート、3アルファ-アセトフェンオキシ-ウルサ-12-エン-28-酸、3ベータ-アセトフェンオキシ-ウルサ-12-エン-28-酸、オレアンデロール酸(oleanderolic acid)、カネロジオン(kanerodione)、3β-p-ヒドロキシフェノキシ-11α-メトキシ-12α-ヒドロキシ-20-ウルセン-28-酸、28-ヒドロキシ-20(29)-ルペン-3,7-ジオン、カネロシン(kanerocin)、3アルファ-ヒドロキシ-ウルサ-18,20-ジエン-28-酸、D-サルメントース(sarmentose)、D-ジギノース、ネリジジノシド、ネリゾシド、イソリシノール酸、ゲンチオビオシルネリゴシド(gentiobiosylnerigoside)、ゲンチオビオシルビューモントシド(gentiobiosylbeaumontoside)、ゲンチオビオシルオレアンドリン、フォリネリン(folinerin)、12β-ヒドロキシ-5β-カルダ-8,14,16,20(22)-テトラエノリド、8β-ヒドロキシ-ジギトキシゲニン、Δ16-8β-ヒドロキシ-ジギトキシゲニン、Δ16-ネリアゲニン(neriagenin)、ウバオール(uvaol)、ウルソールアルデヒド、27(p-クマロイルオキシ)ウルソール酸、オレアンデロール(oleanderol)、16-無水-デアセチル-ネリゴシド(nerigoside)、9-D-ヒドロキシ-シス-12-オクタデカン酸、アジゴシド(adigoside)、アディネリン、アルファ-アミリン、ベータ-シトステロール、カンペストロール(campestrol)、カウチューク(caoutchouc)、カプリン酸、カプリル酸、コリン、コルネリン、コルテネリン(cortenerin)、デアセチルオレアンドリン、ジアセチル-ネリゴシド、フォリアンドリン(foliandrin)、プソイドクラミン(pseudocuramine)、ケルセチン、ケルセチン-3-ラムノグルコシド、クエリシトリン、ロサギニン(rosaginin)、ルチン、ステアリン酸、スティグマステロール、ストロスペシド、ウレヒトキシン(urehitoxin)、及びウザリゲニンがある。抽出物に存在していてもよい追加の構成成分は、Guptaら(IJPSR (2010, 1(3), 21-27)によって開示されており、その開示全体が、これにより参照により本明細書に組み込まれるものとする)。
【0011】
前記抽出物の個別の組成プロファイルは、用いた抽出方法に従って広範囲に変化する。例えば、加温メタノール、加温エタノール、熱水、冷水、熱水、又は超臨界二酸化炭素を使用して得られたキョウチクトウ属植物材料の抽出物は、特に個別のHPLCクロマトグラムによって示されるように、実質的に異なる組成プロファイルを示す。したがって、新規のタイプの方法によって調製される抽出物の組成プロファイルを事前に予測することはできない。
そのような抽出物の治療的活性プロファイルも、抽出物の組成プロファイルに従って総質量対総質量ベースで比較した場合に変化することになる。例えば、1mgの冷水抽出物は、1mgの超臨界流体抽出物と異なる治療的活性プロファイルを示すことになる。更に、SCF抽出物は、オレアンドリン単独よりも、更に一部の状態の処置において熱水抽出物よりも改善された有効性が実証されている。
【0012】
オレアンドリンとオレアンドリンを含む抽出物とキョウチクトウ属植物の他の構成成分との重要な治療的性質を考慮すると、オレアンドリンを含む改善された医薬組成物、並びにオレアンドリン及びオレアンドリン含有抽出物を生成する改善された方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、当技術分野における固有の欠点の一部又は全てを克服をしようとするものである。本発明の目的は、オレアンドリン含有抽出物を生成するための改善された方法、及びオレアンドリンを生成するための改善された方法を提供することを含む。本発明の別の目的は、オレアンドリン含有抽出物及びオレアンドリン含有組成物を提供することを含む。本発明の別の目的は、抽出物(又は組成物)及び少なくとも1種の医薬賦形剤を含む舌下又は頬側投薬形態を提供する。本発明の別の目的は、本明細書において記載するオレアンドリン又は抽出物を含む医薬組成物、投薬形態、化粧品、及び栄養補助食品製品を提供することである。
改善された方法は、a)超臨界流体(SCF)抽出(SCFE)ベースの方法と比較して、植物バイオマス1kgあたりの収率がより高いオレアンドリン;b)SCFE方法と比較して、オレアンドリンの他の構成成分に対する比がより高いオレアンドリン含有組成物;c)有機溶媒抽出物及び亜臨界抽出物を含む二成分(dual)抽出物組成物;d)同じ量の植物材料から得られたSCFE方法と比較して、オレアンドリンの含有量がより高い有機溶媒抽出物;e)同じ溶媒及び同じ量の植物材料を使用して得られたSCF抽出物と比較して、オレアンドリンの含有量がより高い亜臨界CO2抽出物を提供する。
有機溶媒抽出物又は有機溶媒抽出の各実施形態において、有機溶媒は、a)1種又は複数種の有機溶媒;又はb)水及び1種又は複数種の有機溶媒抽出物を含む。水は、1種若しくは複数種の塩、1種若しくは複数種の緩衝剤、又はこれらの組合せを更に含んでいてもよい。
【0014】
本発明の態様は、オレアンドリン含有抽出物を生成する方法であって、
オレアンドリン含有バイオマスに、二酸化炭素を含み、有機溶媒(改質剤)を更に含んでいてもよい亜臨界液体(SbCL)を用いる亜臨界液体抽出(SbCLE)に、オレアンドリンを抽出し抽出環境を形成するのに十分な時間にわたって供すること;
前記バイオマスを前記抽出環境から分離して、オレアンドリン含有SbCLを提供すること;及び
前記オレアンドリン含有SbCLからSbCLを除去して、前記オレアンドリン含有(OC)抽出物(OCE)を提供すること
を含む方法を提供する。
【0015】
本発明の態様は、オレアンドリンを生成する方法であって、
オレアンドリン含有バイオマスに、二酸化炭素を含み、有機溶媒(改質剤)を更に含んでいてもよい亜臨界液体(SbCL)を用いる亜臨界液体抽出(SbCLE)に、オレアンドリンを抽出し抽出環境を形成するのに十分な時間にわたって供すること;
前記バイオマスを前記抽出環境から分離して、オレアンドリン含有SbCLを提供すること;
前記オレアンドリン含有SbCLからSbCLを除去して、オレアンドリン含有抽出物を提供すること;及び
オレアンドリンを前記抽出物から単離すること
を含む方法を提供する。
本発明の別の態様は、組合せ組成物を生成する方法であって、
オレアンドリン含有第1のバイオマスに有機溶媒抽出を行って、オレアンドリン含有有機溶媒抽出物を提供すること;
オレアンドリン含有第2のバイオマスに亜臨界液体(SbCL)抽出(SbCLE)を行って、オレアンドリン含有SbCL抽出物を提供すること;及び
前記オレアンドリン含有有機溶媒抽出物と前記オレアンドリン含有SbCL抽出物とを合わせて、前記組合せ組成物を提供すること
を含む方法を提供する。
【0016】
いくつかの実施形態において、組合せ組成物は、少なくともオレアンドリン、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、カネロシン、カネロジオン、オレアンドリゲニン、キョウチクトウ属F、ネリタロシド、オドロシド(A及びH)、アディネリン、オドロシド-G-アセテート、及びギトキシゲニンを含む。組合せ組成物は、ネリイン、フォリネリン、ギトキシゲニン、ジギトキシゲニン、ネリゴシド、ルチン、ウルソン酸、ネリジエノンA、アジネリゲニン、デアセチルオレアンドリン、オドロシドGアセテート、及び/又はケルセチンのうちの1種又は複数種を更に含んでいてもよい。
組成物(又は抽出物)は、ポリフェノール、炭水化物、フラボノイド、アミノ酸、可溶性タンパク質、セルロース、デンプン、アルカロイド、サポニン、タンニン、及びこれらの任意の組合せを更に含んでいてもよい。
アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、トレオニン、アラニン、プロリン、チロシン、バリン、メチオニン、システイン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びリシンからなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態において、アミノは、アスパラギン、アルギニン、トレオニン、アラニン、プロリン、チロシン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びリシンからなる群から選択される。
本発明の別の態様は、本明細書において定義する、オレアンドリン、オレアンドリン含有組成物、オレアンドリン含有組合せ組成物、又はオレアンドリン含有抽出物を含む化粧料(薬用化粧料)製品又は栄養補助食品製品を提供する。
【0017】
化粧料製品は、1種又は複数種の化粧料用賦形剤を更に含んでいてもよい。化粧料製品は、クレンジング、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、フェイスクレンザー、スキントナー、セラム、モイスチャライザー、バーム、メイクアップ、ローション、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、軟膏、油ベース溶液、懸濁液、粉末、スプレー、ファンデーション、プライマー、ハイライト、アイシャドー、ファンデーション、チーク、ウェットティッシュ、デオドラント、バスオイル、バブルバス、バスソルト、ボディバター、リップスティック、リップグロス、リップライナー、コンシーラー、ルージュ、フェイシャルマスクトリートメント、又はその他のタイプの化粧料製品であってもよい。
【0018】
栄養補助食品としては、食事成分、食事サプリメント、バイオ医薬品(bioceutical)、又は食品添加物があり得、例えば、米国FDA又は他の規制当局によって定義されるものであってもよい。栄養補助食品製品は、1種又は複数種の栄養補助食品成分又は食事成分を更に含んでいてもよい。栄養補助食品としては、液体、固体、粉末、クリーム、溶液、懸濁液、投薬形態、ゲル、カプセル、錠剤、丸剤、プレバイオティクス、プロバイオティクス、機能性食品、食事サプリメント、食事代替品、又は他のそのような製品があり得る。
【0019】
本発明はまた、オレアンドリン含有有機溶媒抽出物の部分とオレアンドリン含有SbCL抽出物の部分とを含む改善されたオレアンドリン含有組合せ組成物を提供する。いくつかの実施形態において、a)2つの抽出物の実質的に等量の部分が、組合せ組成物中に存在するか;b)前記組合せ中の有機溶媒抽出物の含有量が、SbCL抽出物の含有量よりも高いか;又はc)前記組合せ中のSbCL抽出物の含有量が、有機溶媒抽出物の含有量よりも高い。調製する方法及び使用する方法もそれぞれ、本明細書において記載するように実質的に提供する。
有機溶媒抽出物及び亜臨界液体抽出物のいずれかと比較した場合、組合せ組成物は、有利には、より広範囲の植物化学物質、及び植物材料からオレアンドリンとは別に抽出可能な他の構成成分を含む。これらの他の構成成分のうちの1種又は複数種も治療上有効な(薬理学的に活性のある)成分であることは既知である。
本発明の実施形態としては、a)有機溶媒抽出物が、バイオマスから抽出された少なくともオレアンドリンと他の構成成分とを含み;b)有機溶媒抽出物において、バイオマスから抽出されたオレアンドリンの他の構成成分に対するモル比が、亜臨界液体抽出物中の前記モル比を超える;c)SbCL抽出物が、バイオマスから抽出された少なくともオレアンドリンと他の構成成分とを含む;d)エタノール抽出物中のオレアンドリンの含有量が、亜臨界液体抽出物中のオレアンドリンの含有量を超える;e)有機溶媒抽出物中の抽出された非オレアンドリン構成成分の含有量が、前記亜臨界液体抽出物中の前記構成成分の含有量を超える;f)前記有機溶媒抽出物中の抽出された揮発性及び半揮発性構成成分の組成プロファイルが、前記亜臨界液体抽出物中の前記構成成分の組成プロファイルとは異なる;及び/又はg)オレアンドリン含有量に対して、亜臨界液体抽出物が、有機溶媒抽出物よりも抽出された揮発性及び半揮発性構成成分を高い割合で含むものがある。
【0020】
第1及び第2のバイオマスは、同じであっても異なっていてもよい。有機溶媒で抽出された第1のバイオマスを第2のバイオマスとして使用してもよく;或いは、第1のバイオマスを有機溶媒で抽出し、異なる第2のバイオマスを亜臨界液体で抽出する。
本発明の実施形態としては、亜臨界液体抽出方法は、以下:a)抽出環境を濾過することによって、前記バイオマスを抽出環境から分離すること;b)改質剤を、二酸化炭素又は抽出環境に添加すること;c)抽出環境を含む容器の内部を加熱し、加圧して、亜臨界液体相抽出環境を形成すること;d)前記SbCLを蒸発させることによって、前記オレアンドリン含有SbCLから前記SbCLを除去して、原料SbCL抽出物(SbCLE)を形成すること;e)原料SbCL抽出物を、有機溶媒又は水性有機溶媒を用いて希釈すること;f)希釈した原料又は粗製SbCL抽出物を1回又は複数回濾過すること;g)希釈した原料又は粗製SbCL抽出物を活性炭で処理すること;h)形成のために、希釈した原料抽出物から大部分の有機溶媒を除去すること;及び/又はi)原料又は粗製抽出物を無菌濾過して、SbCL抽出物を得ることのうちの1つ又は複数を更に含むものがある。SbCL抽出物は、有機溶媒又は水性有機溶媒で更に希釈してもよい。有機溶媒抽出物は、有機溶媒又は水性有機溶媒で更に希釈してもよい。SbCL抽出物は、抽出物1mLあたり0.1mg~1mg又は0.5~0.8mgのオレアドリン(oleadrin)を含んでいてもよい。
【0021】
本発明の実施形態としては、二酸化炭素(及び存在する場合は改質剤)が、抽出時間のうちの約50%以上、すなわち「さらす」工程に関する合計時間の約50%以上の間、亜臨界液体相中に存在するものがある。いくつかの実施形態において、亜臨界液体相中の抽出流体(二酸化炭素、及び存在する場合は改質剤)とバイオマスとを含む抽出環境は、抽出時間のうちの少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%の間、液体形態のままであることになる。いくつかの実施形態において、抽出環境は、抽出時間全体にわたって液体形態のままであることになる。
【0022】
したがって、SbCLEは、抽出環境(バイオマス及びCO2を含み、有機溶媒(改質剤)を更に含んでいてもよい)が、抽出時間のうちの約50%以上の間、CO2の相ダイアグラムに関して、以下の条件下にある:a)臨界圧力(pc)以下に、三重点(固-液-気)温度(ttp)以上に、臨界温度(tc)を下回って、及び液-気相ラインを超えて;b)tc以下に、ttp以上に、pcを下回って、及び液-気相ラインを超えて;c)pc以上に、tcを下回って、ttp以上に、液-気相ラインを超えて、及び固-液相ラインを下回って;又はd)固-液相ライン、液-気相ライン、液-超臨界相ライン、ttp、三重点圧力(ptp)、臨界点(液-気-超臨界)温度(tcp)、及び臨界点圧力(pcp)によって囲まれる液体領域の範囲内に入る温度及び圧力にあるように行われる。臨界圧力及び温度はCO2に関するものである。
【0023】
本発明の実施形態としては、SbCLEが、約0℃から約31℃の温度及び約5.2bar~約3000barの圧力で行われるものがある。本発明の他の実施形態としては、SbCLEが、約0℃から約31℃の温度及び約5.2bar~約1000barの圧力で行われるものがある。好ましい実施形態において、SbCLEは、約2℃~約16℃の温度及び約115bar~約135barの圧力で行われる。他の好ましい実施形態において、SbCLEは、約5~10℃の温度及び約120~130barの圧力で行われる。いくつかの実施形態において、SbCLEは、約5℃~約15℃の範囲の温度及び約50bar~70barの範囲の圧力で行われる。
本発明の実施形態としては、SbCLが1種又は複数種の改質剤、例えば有機溶媒を更に含むものがある。1種又は複数種の改質剤が存在する場合、二酸化炭素の改質剤に対する質量比は、約100:約0.01~20、約100:約0.01~15、約100:約0.01~10、又は約100:約0.01~5である。
【0024】
1種又は複数種の改質剤(有機溶媒)は、アルコール、有機溶媒、アルキルケトン、アルキルエステル、水から出現ごとに独立して選択してもよい。特に好適な改質剤としては、エタノール、メタノール、プロパノール、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、グリコール(例えばプロピレングリコール)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、又はN-メチルピロリドン(NMP)がある。
【0025】
本発明の実施形態としては、a)前記有機溶媒抽出が、有機溶媒又は水性有機溶媒を用いて行われ;b)前記有機溶媒又は水性有機溶媒が、出現ごとに独立して、アルコールを含み;c)前記有機溶媒が、出現ごとに独立して、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチル、及びこれらの組合せからなる群から選択され;d)前記有機溶媒抽出が、前記オレアンドリン含有バイオマスを有機溶媒又は水性有機溶媒を用いて1回又は複数回抽出することを含み;e)出現ごとに独立して、前記水性有機溶媒が、最大約20%w/w、約5%w/w~約15%w/w、又は約10%w/wの水を含み;f)前記有機溶媒抽出物が、約0℃~約75℃、約5℃~約70℃、約10℃~約60℃、約10℃~約50℃、約10℃~約45℃、又は約20℃~約40℃の温度で行われ;g)有機溶媒(又は水性有機溶媒)のバイオマスに対するv/w比が、約50~1:約1、約40~1:約1、約30~1:約1、約20~1:約1、約20-5:約1、又は約10:約1の範囲であるものがある。乾燥していないか、又は脱水していないか、又はフリーズドライしていないバイオマスを抽出に関して使用する場合、バイオマス中に含まれる水含有量は、水性有機溶媒のバイオマスに対するv/w比(乾燥質量ベース)として考慮される。
【0026】
本発明の実施形態としては、有機溶媒抽出が、以下:a)抽出環境を濾過することによって、前記バイオマスを抽出環境から分離して、粗製抽出物を形成すること;b)水性液体を有機溶媒又は抽出環境に添加すること;c)前記粗製抽出物から有機溶媒の含有量を減少させること;d)粗製抽出物を活性炭で処理すること;e)粗製抽出物を1回又は複数回濾過すること;f)追加の有機溶媒を粗製抽出物に添加すること;g)有機溶媒抽出物を無菌濾過すること;及び/又は、h)水を粗製抽出物に添加し、水性粗製抽出物を有機溶媒で抽出すること、のうちの1つ又は複数を更に含むものがある。有機溶媒抽出物は、有機溶媒又は水性有機溶媒で更に希釈してもよい。有機溶媒抽出物は、0.1~10mg/mL、0.5~8mg/mL、1~8mg/mL、1.5~8mg/mL、又は1.5~5mg/mL(抽出物1mLあたりのオレアンドリンのmg)を含んでいてもよい。
本発明の実施形態としては、オレアンドリン含有バイオマスが、キョウチクトウ属種、セイヨウキョウチクトウ、ネリウム・オレアンダー・L(キョウチクトウ科)、ネリウム・オドウルム(Nerium odourum)、ネリウム・インディカム(Nerium indicum)、ホワイトオレアンダー、ピンクオレアンダー、キバナキョウチクトウ属種、キバナキョウチクトウ(Thevetia peruviana)、イエローオレアンダー、アグロバクテリウム・ツメファシエンス、又はこれらの組合せであるものがある。いくつかの実施形態において、バイオマスは、葉、茎、花、樹皮、果実、種子、樹液、培養細胞塊、及び/又は鞘を含む。
【0027】
本発明の実施形態としては、a)バイオマスが、出現ごとに独立して、抽出される前に、脱水され、除湿され、フリーズドライされ、及び/又はデシケートされる;b)バイオマスが、出現ごとに独立して、抽出される前に乾燥される;c)出現ごとに独立して、抽出される前に、バイオマスが脱水されない;d)バイオマスが、出現ごとに独立して、抽出される前に乾燥されない;又はe)出現ごとに独立して。バイオマス中の抽出前の水含有量は、好ましくは約20質量%以下、約15質量%以下、約10質量%以下、約8質量%以下、約5質量%以下、約2.5質量%以下、又は約1質量%以下である。したがって、本発明の方法はまた、抽出前に、バイオマスを脱水するか、乾燥するか、又はデシケートすることを更に含む実施形態を含む。
本発明の実施形態としては、a)抽出前の、バイオマスの平均粒子サイズ(d0.5)が、約1インチ未満、約0.75インチ未満、約0.5インチ未満、約0.4インチ未満、約0.3インチ未満、約0.2インチ未満、約0.1インチ未満、約0.05インチ未満、又は約0.01インチ未満であり、前記粒子は、ASTMふるいメッシュ開口サイズに拠るものである。
【0028】
本発明の実施形態としては、a)前記抽出物中のオレアンドリン含有量が、約0.01質量%以上、約0.05質量%以上、約0.1質量%以上、約0.2質量%以上、約0.5質量%以上、約1質量%以上、約2.5質量%以上、約5質量%以上、約10質量%以上、約20質量%以上、約30質量%以上、約40質量%以上、約50質量%以上、約60質量%以上、約70質量%以上、約80質量%以上、又は約90質量%以上であるか;b)前記抽出物中のオレアンドリン含有量が、約99質量%以下、約95質量%以下、約90質量%以下、約80質量%以下、約70質量%以下、約60質量%以下、約50質量%以下、約40質量%以下、約30質量%以下、約20質量%以下、約10質量%以下、約5質量%以下、約2.5質量%以下、約1質量%以下、又は約0.5質量%以下であるか;又はc)項目a)の任意の限定と項目b)の任意の限定との組合せであるものがある。
【0029】
本発明の実施形態としては、方法が、以下:a)前記抽出物から揮発性有機化合物(VOC)を除去すること(又はその量を減少させること);b)前記抽出物から半揮発性有機化合物(SVOC)を除去すること(又はその量を減少させること);c)前記抽出物を濾過すること;d)前記分離することが、濾過、遠心分離、デカンテーション、又はこれらの組合せによって行われること、のうちの1つ又は複数を更に含むものがある。
【0030】
本発明の実施形態としては、前記単離することが、クロマトグラフィー、液液抽出、液固抽出、結晶化、沈殿、分別沈殿、分別結晶化、ソックスレー抽出、トリチュレーション、凍結乾燥(フリーズドライ)、又はこれらの組合せのうちの1つ又は複数によって達成されるものがある。
本発明の方法のいずれかの個々のステップは、個別の施設で行っても又は同じ施設内で行ってもよい。
【0031】
唯一の活性成分としてオレアンドリンを含む医薬組成物は、本発明の範囲内である。オレアンドリン及び前記バイオマスから得られた複数の活性成分を含む組成物は本発明の範囲内である。オレアンドリン及び活性成分として複数のトリテルペンを含む組成物は本発明の範囲内である。いくつかの実施形態において、前記組成物は、オレアンドリン、オレアノール酸(その遊離酸、塩、誘導体又はプロドラッグ)、ウルソール酸(その遊離酸、塩、誘導体又はプロドラッグ)、及びベツリン酸(その遊離酸、塩、誘導体又はプロドラッグ)を含む。化合物のモル比は本明細書において記載する。トリテルペンは、その遊離酸形態、塩形態、重水素化形態及び誘導体形態から出現ごとに独立して選択される。
【0032】
オレアンドリンに加えて、抽出物は、抽出方法中にバイオマスから抽出された1種又は複数種の他の化合物を含んでいてもよい(これらは薬理学的に活性で治療上有効であってもなくてもよい)。1種又は複数種の他の化合物は、両方が与えられる対象に投与する場合、オレアンドリンの治療的有効性の一因となってもなっていなくてもよい。1種又は複数種の他の化合物は、強心配糖体、1種又は複数種の強心配糖体のグリコン構成成分(例えば、グルコシド、フルクトシド、及び/又はグルクロニド)、1種又は複数種のアグリコン、1種又は複数種のグリコシド前駆体(例えば、カルデノリド、カルダジエノリド(cardadienolides)及びカルダトリエノリド(cardatrienolides))、1種又は複数種のステロイド、1種又は複数種のトリテルペン、1種又は複数種の単糖、1種又は複数種の多糖、1種又は複数種のアルカロイド、1種又は複数種のタンパク質、脂肪、治療上有効な薬剤である1種又は複数種の他の非強心配糖体、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択してもよい。いくつかの実施形態において、組成物は、オレアンドリン、及びa)2種又は3種のトリテルペン;b)2種又は3種のトリテルペン誘導体;c)2種又は3種のトリテルペン塩;又はd)これらの組合せ、を含む。本明細書において使用する場合、トリテルペン及び強心配糖体という総称も、特に指定がない限り、遊離形態、塩形態、及びこれらの誘導体を包含する。いくつかの実施形態において、トリテルペンは、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、及びこれらの塩又は誘導体からなる群から選択される。
【0033】
いくつかの実施形態において、有機抽出物は、オレアンドリン、及びa)1種又は複数種の揮発性有機化合物;b)1種又は複数種の半揮発性有機化合物;c)1種又は複数種の非揮発性有機化合物;又はd)これらの任意の組合せを含む。
いくつかの実施形態において、抽出物は、抽出中に得られた薬理学的活性を有する多糖(及び/又は単糖)を除外する。いくつかの実施形態において、抽出物は、オレアンドリン、及び抽出中に得られた少なくとも1つの薬理学的活性を有する多糖(及び/又は単糖)を含む。薬理学的活性を有する多糖は、酸性ホモポリガラクツロナンであってもアラビノガラツロナンであってもよい。
いくつかの実施形態において、抽出物は、少なくともオレアンドリン、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、カネロシン、カネロジオン、オレアンドリゲニン、キョウチクトウ属F、ネリタロシド、オドロシド(A及びH)、アディネリン、オドロシド-G-アセテート、及びギトキシゲニンを含む。組合せ組成物は、ネリイン、フォリネリン、ギトキシゲニン、ジギトキシゲニン、ネリゴシド、ルチン、ウルソン酸、ネリジエノンA、アジネリゲニン、デアセチルオレアンドリン、オドロシドGアセテート、及び/又はケルセチンのうちの1種又は複数種を更に含んでいてもよい。
【0034】
抽出物は、1種又は複数種のポリフェノール、1種又は複数種の炭水化物、1種又は複数種のフラボノイド、1種又は複数種のアミノ酸、1種又は複数種の可溶性タンパク質、1種又は複数種のセルロース、1種又は複数種のデンプン、1種又は複数種のアルカロイド、1種又は複数種のサポニン、1種又は複数種のタンニン、及びこれらの任意の組合せを更に含んでいてもよい。
アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、セリン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、アルギニン、トレオニン、アラニン、プロリン、チロシン、バリン、メチオニン、システイン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びリシンからなる群から選択してもよい。いくつかの実施形態において、アミノは、アスパラギン、アルギニン、トレオニン、アラニン、プロリン、チロシン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びリシンからなる群から選択される。
抽出物中の他の構成成分がオレアンドリンよりも相対的に多くの量で存在する場合があるが、オレアンドリンが、特定の疾患、障害又は状態に対する主要な治療上有効な化合物であり得ることは理解されるべきである。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態としては、医薬組成物が、少なくとも1種の医薬賦形剤及び抽出物を含むものがある。
本発明のオレアンドリン、オレアンドリン含有抽出物、又はオレアンドリン含有組成物は、強心配糖体(オレアンドリン、ジゴキシン、ジギトキシン、ウアバイン、ブファリン、シノブファタリン、シノブファギン、レシブフォゲニン、ラナトシドC、又は他の治療上有効な強心配糖体)を用いた処置、特にオレアンドリンを用いた処置に治療的に応答するか、又は強心配糖体の投与、特にオレアンドリンの投与によって阻止することができる状態、疾患又は障害を処置するために、それを必要とする対象に投与してもよい。
【0036】
本発明の態様は、オレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)に治療的に応答する状態、疾患又は障害を処置又は阻止する方法であって、それを必要とする対象にオレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)の1回又は複数回の用量を投与し、それによって、前記状態、疾患又は障害を処置又は阻止することを含む方法を提供する。標的状態、疾患及び障害は本明細書において記載する。
本発明の別の態様は、対象の免疫学的応答を改善又はブーストする方法であって、対象の免疫学的応答をブーストするのに十分な量でオレアンドリン(オレアンドリン含有組成物、オレアンドリン含有組合せ組成物、又はオレアンドリン含有抽出物)のうちの1回又は複数回の用量を、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。1回又は複数回の用量は、医薬組成物、栄養補助食品組成物、及び/又は薬用化粧料組成物として投与してもよい。
【0037】
投与は、急性的、慢性的、又はこれらの組合せであってもよく、前記状態、疾患又は障害が開始する前及び/又は後に生じてもよい。投与は、前記状態、疾患又は障害を有するか又はリスクがある対象に行ってもよい。
本発明のオレアンドリン、オレアンドリン含有抽出物、オレアンドリン含有組成物、又はオレアンドリン含有組合せ組成物は、本明細書において記載する任意の医薬組成物、栄養補助食品組成物、薬用化粧料組成物、又は投薬形態中に含まれる場合がある。
【0038】
本発明のオレアンドリン、オレアンドリン含有抽出物、又はオレアンドリン含有組成物は、局所的に、全身的に、又はこれらを組み合わせて投与してもよい。投与の好適な様式は本明細書において記載する。
いくつかの実施形態において、オレアンドリンは、医薬組成物中の治療的活性を主に担う構成成分を意味する主要な治療的構成成分として存在する。
本発明はまた、対象における強心配糖体に治療的に応答する状態、疾患又は障害を処置するための医薬の製造におけるオレアンドリン含有抽出物の使用を提供する。いくつかの実施形態において、そのような医薬の製造は、オレアンドリン含有抽出物を提供すること;医薬投薬形態中にオレアンドリン含有抽出物の用量を含めること;及び医薬投薬形態を包装することを含む。いくつかの実施形態において、製造は、国際出願第PCT/US06/29061号に記載されているように行ってもよく、その開示全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする。製造は、1種又は複数種の追加のステップ、例えば、包装された投薬形態を販売会社(小売業者、卸売業者及び/又は流通業者)に搬送すること;包装された投薬形態を、ウイルス感染を有する対象に販売すること、そうでなければ提供すること;医薬とともに、使用、投薬レジメン、投与、含有量、及び投薬形態の毒性プロファイルに関する取扱説明書を提供するラベル及び添付文書を含めることも含んでいてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、処置は、強心配糖体、例えばオレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)、ジゴキシン、ウアバイン、ブファリン、シノブファタリン、シノブファギン、レシブフォゲニン、又は他の治療上有効な強心配糖体に治療的に応答する状態、疾患又は障害を対象が有すると決定すること;投薬レジメンに従って医薬投薬形態の対象への投与を示すこと;1種又は複数種の医薬投薬形態を対象に投与することであって、1種又は複数種の医薬投薬形態が投薬レジメンに従って投与されることを含む。
【0040】
医薬組成物は、水溶性(混和性)共溶媒、水不溶性(非混和性)共溶媒、界面活性剤、抗酸化剤、キレート化剤、及び吸収促進剤からなる群から選択される少なくとも1種の材料の組合せを更に含んでいてもよい。
可溶化剤は、少なくとも単一の界面活性剤であるが、材料の組合せ、例えば、a)界面活性剤及び水混和性溶媒;b)界面活性剤及び水非混和性溶媒;c)界面活性剤、抗酸化剤;d)界面活性剤、抗酸化剤、及び水混和性溶媒;e)界面活性剤、抗酸化剤、及び水非混和性溶媒;f)界面活性剤、水混和性溶媒、及び水非混和性溶媒;又はg)界面活性剤、抗酸化剤、水混和性溶媒、及び水非混和性溶媒の組合せであってもよい。
本発明の組成物は、a)少なくとも1種の液体担体;b)少なくとも1種の乳化剤;c)少なくとも1種の可溶化剤;d)少なくとも1種の分散剤;e)少なくとも1種の他の賦形剤;又はf)これらの組合せを更に含んでいてもよい。
いくつかの実施形態において、水混和性溶媒は、低分子量(6000未満)PEG、グリコール、又はアルコールである。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリ(エチレングリコール)官能基を含む界面活性剤を意味するペグ化界面活性剤である。
【0041】
本発明はまた、本明細書において記載する本発明の任意の抽出物及び少なくとも1種の医薬賦形剤を含む頬側又は舌下投薬形態を提供する。前記投薬形態は、抽出物の構成成分を口腔粘膜に送達するように適応している。好適な投薬形態としては、錠剤、ウエハース剤、パッチ剤、スプレー剤、滴剤、液剤、溶液剤、ペースト剤、ゲル剤、フィルム剤、生体接着性組成物、グミ剤、又は粉末剤がある。
【0042】
組合せ組成物は、任意のタイプの医薬投薬形態中に含まれていてもよい。好適なものは、固体投薬形態、液体投薬形態、非経口投薬形態、耳用投薬形態、眼用投薬形態、経鼻投薬形態、吸入用投薬形態、頬側投薬形態、舌下投薬形態、経腸投薬形態、局所投薬形態、経口投薬形態、口腔(peroral)投薬形態、注射可能投薬形態、錠剤、カプセル剤、丸剤、カプレット剤、トローチ剤、分包剤、溶液剤、懸濁剤、分散剤、バイアル、バッグ、瓶、注射可能な液剤、i.v.(静脈内)、i.m.(筋肉内)又はi.p.(腹腔内)投与可能な液剤からなる群から選択される。
投薬形態は、急速放出、即時放出、制御放出、持続放出、長期放出、徐放、バースト放出、連続放出、遅延放出、又はパルス放出の投薬形態であってもよいか、又はこれらのタイプの放出のうちの2つ以上を示す投薬形態である。水性環境に入れた場合又は対象に投与した後、投薬形態は、0次、疑似0次、1次、疑似1次又はシグモイド放出プロファイルからなる群から選択される薬物放出プロファイルを示す場合がある。
【0043】
いくつかの実施形態において、投薬形態は、a)0.5~1時間以下の期間内に組成物のそのチャージ(charge)を放出するか;b)腸溶性コーティングされ、組成物のそのチャージを胃の下流に、例えば、空腸、回腸、小腸、及び/又は大腸において放出するか;又はc)腸溶性コーティングされ、組成物のそのチャージを経口投与後1~10時間以内に全身循環に放出する。
【0044】
いくつかの実施形態において、吸入用、頬側、又は舌下投薬形態は、少なくとも1種の苦味拮抗薬(苦味受容体ブロッカーとも称される)を更に含む。苦味拮抗薬は、苦味化合物、例えば強心配糖体によって引き起こされる味覚受容体の活性化を阻害する。好ましい実施形態において、苦味拮抗薬は、Gタンパク質共役受容体のhTAS2Rファミリーの受容体の少なくとも1種の活性化を阻害する。本明細書において使用する場合、苦味拮抗薬としては、味マスキング剤があり得る。好適な苦味拮抗薬としては、GIV3757(4-(2,2,3-トリメチルシクロペンチル)ブタン酸)、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)、6-メトキシ-フラバノン、4’-フルオロ-6-メトキシフラバノン、6,3’-ジメトキシフラバノン、6-メトキシフラバノン、アブシジン酸、(-)-ハードウィッキ酸(2-(フィトラン-3-イル)エチル)-トリメチル-ヘキサヒドロナフタレン-カルボン酸)、フェンコン、ボルネオール、イソボルネオール、アネトール、メントフラン、グリチルリチン酸ナトリウム、プルラン(α-1,4-;α-1,6-グルカン)、香味剤、又は甘味料がある。好適な香味剤としては、ミント、ペパーミント、メントール、ユーカリ、ユーカリプトール、チョコレート、スペアミント、タンジェリン、オレンジ、グレープ、グレープフルーツ、マシュマロ、コーヒー、バナナクリーム、キャラメル、バブルガム、チェリー、レモン、ライム、ストロベリー、メープル、ラズベリー、及び/又はアップルがある。好適な甘味料としては、マグナスイート(110又は135)、スクラロース、ステビオールグリコシド、ステビア、グリセリン、アセスルファームカリウム、PCCA甘味増強剤、PCCAバイターストップ、ジ-d-フルクトフラノース1,2’:2,3’-ジ-無水物、アスパルテーム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン及びヘスペリジンジヒドロカルコン4’-β-dグルコシド、d-ソルビトール、サッカリンナトリウム、グルコン酸ナトリウム、及び/又はグルタミン酸ナトリウムがある。吸入用、頬側、又は舌下投薬形態としては、油ベースの賦形剤、例えば、固定油(例えば、アーモンド、落花生、ゴマ、オリーブ、アボカド、又はトウモロコシ由来)、又は水素化油もある。吸入用、頬側、又は舌下投薬形態はまた、ポリマーコーティングによる味マスキング;従来の造粒による味マスキング;イオン交換樹脂を用いた味マスキング;脂質で凝固するスプレーによる味マスキング;シクロデキストリンを用いた包接複合体の形成による味マスキング;フリーズドライ方法による味マスキング;多重エマルションの作製による味マスキング;及びゼラチン、ゼラチン化デンプン、リポソーム、レシチン又はレシチン様物質、界面活性剤、塩、又は高分子膜を用いて味マスキングしてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、吸入用、頬側、又は舌下投薬形態は、化合物、例えば強心配糖体の粘膜透過性及び吸収を改善する1種又は複数種の透過促進剤を更に含む。好適な透過促進剤としては、界面活性剤、胆汁塩、脂肪酸、シクロデキストリン、及びキレート化剤がある。
本発明は、本明細書において開示される本発明の態様、実施形態及びサブ実施形態(sub-embodiments)の全ての組合せを含む。
以下の図は、本説明の一部を形成する。当業者であれば、本明細書におけるこれらの図面及び説明を考慮すれば過度の実験を行うことなく本発明を行うことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、固体、液体、気体及び超臨界相、並びに三重点及び臨界点の温度及び圧力を示す二酸化炭素に関する相ダイアグラムを示す。固相及び液相は、固-液相ラインによって分離される。液相及び気相は液-気相ラインによって分離される。超臨界相及び液相は超臨界流体-液相ラインによって分離される。したがって、液体領域は、液-気相ライン、固-液相ライン、超臨界流体-液相ライン、三重点(温度及び圧力)及び臨界点(温度及び圧力)によって囲まれる。
図2図2は、超臨界領域、及び2つの亜臨界領域:亜臨界液体領域及び亜臨界気体領域を示す二酸化炭素に関する相ダイアグラムを示す。
図3図3は、実施例18に従って決定された、エタノール抽出物(上)、亜臨界CO2抽出物(中央)、及び先行技術の超臨界流体抽出物PBI-05204(下)の全イオン電流(TIC)検出を用いたGC-マススペクトロメトリー分析からのクロマトグラムを示す。データは、抽出物の揮発性及び半揮発性構成成分を同定するために使用することができる。
図4図4は、オレアンドリンがオレアノール酸、ウルソール酸、及びベツリン酸から分離された、PBI-05204(先行技術)のHPLCクロマトグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明は、オレアンドリン含有亜臨界抽出物、オレアンドリン含有有機溶媒抽出物、及び前記亜臨界抽出物と前記有機溶媒抽出物とを含む組合せ組成物を提供する。本発明はまた、少なくとも1種の医薬賦形剤と前記抽出物又は組合せ組成物とを含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、強心配糖体応答性、特にオレアンドリン応答性の疾患、状態、又は障害を処置及び/又は阻止するための前記医薬組成物、前記抽出物、及び/又は前記組合せ組成物を使用する方法を提供する。本発明はまた、前記抽出物及び組成物を投与する方法を提供する。本発明はまた、前記抽出物及び組成物を調製する方法を提供する。
本発明者らは、二成分抽出物組成物が、有利なことに、任意の単一抽出物組成物とは異なる組成プロファイルを提供することを発見した。例えば、エタノール(又は水性エタノール)抽出物と亜臨界CO2(改質剤を含むか又は含んでいない)抽出物とを組み合わせて含む組合せ組成物(二成分抽出物組成物)の組成プロファイルは、前記エタノール抽出物、前記亜臨界CO2抽出物、熱水抽出物、冷水抽出物、又は超臨界CO2抽出物を含む単一抽出物組成物の組成プロファイルとは異なり、優れている。重要な利点は、組合せ組成物が、オレアンドリン含有量及びバイオマスから抽出可能な他の構成成分の含有量と比較して、前記他の構成成分の含有は少ないが、所望の標的薬理学的活性物質である相当量のオレアンドリンを前記抽出物中に依然として含むことである。更に、組合せ組成物は、有利なことに、個々の抽出物のいずれかよりもより多くの非オレアンドリン構成成分を含み、これらの非オレアンドリン構成成分のうちの一部は、薬理学的活性を示す。
【0048】
本明細書において使用する場合、「植物材料」は、植物又は植物部分(例えば樹皮、木、葉、枝、茎、根、新芽、花、果実、種子、液果、又は他の植物部分)並びに滲出液として定義され、Guidance for Industry Botanical Drug Products Draft Guidance, August 2000, US Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration Center for Drug Evaluation and Researchの「植物性原材料」の定義内に入る材料を含む。培養細胞塊も、植物材料(バイオマス)として使用してもよい。植物材料は、バイオマスの範囲内と考えられる。好ましい実施形態において、植物材料は、葉、新芽、及び/又は茎を含む。
【0049】
本発明の実施形態としては、オレアンドリン含有バイオマス(植物材料)が、キョウチクトウ属種、セイヨウキョウチクトウ、ネリウム・オレアンダー・L(キョウチクトウ科)、ネリウムオドウルム、ネリウム・インディカム、ホワイトオレアンダー、ピンクオレアンダー、キバナキョウチクトウ属種、イエローオレアンダー、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Ibrahim et al., “Stimulation of oleandrin production by combined Agrobacterium tumefaciens mediated transformation and fungal elicitation in Nerium oleander cell cultures” in Enz. Microbial Technol. (2007), 41(3), 331-336、その開示全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする)、キョウチクトウ属種の細胞培養物(Ibrahim et al., “Enhancement of oleandrin production in suspension cultures of Nerium oleander by combined optimization of medium composition and substrate feeding” in J. Plant Biosys. (2009), 143(1), 97-103、その開示全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする)、キバナキョウチクトウ属種の細胞培養物、又はこれらの組合せのものがある。セイヨウキョウチクトウは、ミクロ培養物からin vitroで得てもよく、それによってセイヨウキョウチクトウの栽培品種、スプレンデンズ・ギガンテウム、ルバンシュ若しくはアルサス、又は他の栽培品種の実生から、及び/又はシュート頂部からシュート培養を開始することができる(Vila et al., “Micropropagation of Oleander (Nerium oleander L.)” in HortScience (2010), 45(1), 98-102、その開示全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする)。セイヨウキョウチクトウ植物材料は、例えば、市販の植物供給業者、例えばAldridge Nursery、アタスコサ、テキサス州から得てもよい。セイヨウキョウチクトウの好適な品種としては、アルバム(Album)(白色)、プチサーモン(Petit Salmon)(ピンク色)、トゥルーペール(True Pale)、ピンクビューティー(Pink Beauty)、カリプソ(Calypso)(暗ピンク色)、又はレッドハーディー(Red Hardy)がある。
【0050】
本明細書において使用する場合、「オレアンドリン」という用語は、特に指定がない限り、オレアンドリンの全ての既知の形態を意味すると解釈される。オレアンドリンは、ラセミ体の、光学的に純粋な、光学的にリッチな、又は立体異性の形態で存在していてもよい。
【0051】
本明細書において使用する場合、半揮発性有機化合物(SVOC)という用語は、1×10-5~3×10-7atm*m3/molの範囲のヘンリーの法則定数(H)を有する有機化合物であり**Hの範囲は液体から空気への揮発度として定義される)、通常、10-14~10-4atmに対応する低蒸気圧を有する水の沸点を超える高い沸点を実証する。本明細書において使用する場合、揮発性有機化合物(VOC)という用語は、101.3kPaの標準大気圧で測定される250℃以下の初留点を有する任意の有機化合物である。
【0052】
有機溶媒抽出物及び亜臨界液体抽出物は、少なくともオレアンドリン、VOC、及びSVOCを含み、前記抽出物は、1種又は複数種の非揮発性有機化合物を更に含んでいてもよく;したがって、前記抽出物で形成された個別の組合せ組成物はそれらの構成成分も同様に含む。
本発明は、a)少なくとも1種の改質剤を更に含んでいてもよい二酸化炭素を用いた亜臨界液体(SbCL)抽出(SbCLE);b)水を更に含んでいてもよい有機溶媒(OSE)を用いた抽出;又はc)ScCLEとOSEとの組合せによって、オレアンドリン含有バイオマスからオレアンドリン又はオレアンドリン含有抽出物を生成する方法を提供する。抽出は、同じバイオマスで行っても、バイオマスの異なるバッチで行ってもよい。
【0053】
図1は、固体、液体、気体及び超臨界流体相を示す二酸化炭素に関する相ダイアグラムを示す。SbCLEは、二酸化炭素に関する超臨界流体相領域(相ダイアグラム内)の外側の液相領域において行われる。液相領域は、固-液相ライン、液-気相ライン、液-超臨界相ライン、超臨界流体-液相ライン、三重点(固-液-気)、及び臨界点(液-気-超臨界)によって囲まれる。CO2に関するおよその臨界点温度及び圧力はそれぞれ、tcp=約31~31.1℃及びpcp=約73.7~73.8barである。CO2に関するおよその三重点温度及び圧力はそれぞれ、ttp=約-56.4~56.5℃及びptp=約5.1~5.2barである。
【0054】
亜臨界抽出液体は、CO2を主に含み;したがって、亜臨界状態の決定は、二酸化炭素に関する既知の相ダイアグラムに関するものである。したがって、亜臨界状態は、抽出容器中、以下の条件下:a)約-56.4℃~約31.1℃以下の範囲の温度;b)5.1bar以上の圧力;及び/又は、c)二酸化炭素に関する抽出媒体が固体、気体、又は超臨界流体相ではなく液相であるような亜臨界温度及び/又は亜臨界圧力で抽出を行うことによって達成される。したがって、SbCLEは、抽出媒体(主に二酸化炭素を含み、改質剤を含んでいてもよい)が、気相、固相、又は超臨界流体相ではなく亜臨界液体相のままである圧力及び温度状態の下で行われる。
好ましい抽出条件は、亜臨界液体が臨界圧力以上、三重点温度を超える、臨界点温度を下回る、及び固-液相ライン未満のものである。相ダイアグラムに関連して、これらの条件によって囲まれる領域は、高抽出効率をもたらす高密度の亜臨界液体を提供する。
抽出時間は、抽出液体及びバイオマスが接触する期間である。SbCLEに関しては、各抽出サイクルの抽出時間は、典型的には、0.1~24時間、0.5~12時間、又は0.5~6時間の範囲である。有機溶媒抽出に関しては、各抽出サイクルに関する抽出時間は、典型的には、0.1~24時間、0.5~12時間、又は0.5~6時間の範囲である。
【0055】
いくつかの実施形態において、亜臨界液体は、二酸化炭素を含む。他の実施形態において、亜臨界液体は、二酸化炭素及び少なくとも1種の改質剤を含む。改質剤は、アルコール、有機溶媒、アルキルケトン、アルキルエステル、又はこれらの組合せであってもよい。特に好適な改質剤としては、エタノール、メタノールプロパノール、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、グリコール(例えばプロピレングリコール)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、又はN-メチルピロリドン(NMP)がある。
亜臨界液体のバイオマスに対する質量比も抽出効率に影響を与える場合がある。いくつかの実施形態において亜臨界液体(改質剤を含むか又は含んでいない)のバイオマスに対する質量比は、溶媒と原材料の両方の質量に基づいて、約20:1~約100:1、約30:1~約75:1、約50:1、45:1~約60:1、又は約40:1~約45:1の範囲である。
【0056】
SbCL抽出時間の大部分(約50%以上)の間、抽出流体は、亜臨界液体形態であることになる(抽出環境において)。いくつかの実施形態において、抽出液体は、抽出時間のうちの、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%の間、亜臨界液体形態であることになる。いくつかの実施形態において、抽出液体は、抽出時間全体にわたって亜臨界液体形態である。
【0057】
装置の性能に起因して、バイオマスの二酸化炭素抽出は、超臨界相において短期間で行う場合があるが;抽出時間のうちの大部分(約50%以上)に関しては、抽出は、亜臨界状態で行うことになる。
キョウチクトウ属バイオマスのSbCLEを実施例3に従って行った。乾燥バイオマスは、アルコール(それぞれ、エタノール約10~5質量%)を含む亜臨界液体CO2(約90~95質量%)で抽出した。抽出時間が完了後、抽出環境バイオマスを、濾過することによって亜臨界液体から分離して、オレアンドリン含有亜臨界液体(他の抽出構成成分も含む)を得た。CO2を排出して、粗製抽出物を得、それをエタノールで希釈し、次いで凍結し、次いで解凍し、次いで濾過し、次いで真空中で濃縮し、50%v/v水性エタノールで再度希釈した。
【0058】
有機溶媒抽出は、実施例15に従って行った。乾燥し、粉末化されたキョウチクトウ属バイオマスは、水性エタノール(10%v/vの水を含む)で3回(3回の抽出サイクル)抽出した。各抽出サイクルに関しては、抽出環境を、抽出時間が完了した後に濾過した。個別の3つの上清を合わせ、真空中でもとの体積の約20%に濃縮して、濃縮物を形成し、これを無菌濾過し、その結果、粗製エタノール抽出物を形成し、次いでこれを50%v/v/水性エタノールで希釈した。
【0059】
SbCL抽出物の組成(いくつかの既知の構成成分の含有量に基づく)を、本明細書において記載するように調製したセイヨウキョウチクトウの先行技術の超臨界流体(SCF)抽出物(上記のPBI-05204)、先行技術の熱水抽出物(ANVIRZEL(商標))、及び有機溶媒抽出物の組成と比較した。同じ量の植物材料に基づいて、a)観察されたオレアンドリンの収量(植物材料1kgあたりのオレアンドリンのmg)は、エタノール抽出物>亜臨界抽出物>超臨界抽出物であった;b)観察されたVOC及びSVOCの収量(植物材料1kgあたりのVOC+SVOCのmg)は、超臨界抽出物>エタノール抽出物>亜臨界抽出物であった。個々の構成成分の含有量は、表示される値に対して±25%、±20%、±15%、±10%又は±5%変化する場合がある。オレアンドリン、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、及びこれらの誘導体の標準はまた、Sigma-Aldrich(www.sigmaaldrich.com;セントルイス、ミズーリ州、米国)から購入してもよい。
抽出物の一部の組成は、JEOLA ccuTOF-DART質量分析計(JEOLUSA、ピーボディ、マサチューセッツ州、米国)のDART TOF-MS(リアルタイム飛行時間型マススペクトロメトリーにおける直接分析)によって決定される。
【0060】
いくつかの実施形態において、抽出物は、強心配糖体、グリコン、アグリコン、ステロイド、トリテルペン、多糖、単糖、アルカロイド、脂肪、タンパク質、又はこれらの組合せを含む。特定の化合物としては、オレアンドリンがあり、存在していてもよい他の化合物としては、ネリタロシド、オドロシド、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、オレアンドリゲニン、オレアシドA、ベツリン(ウルサ-12-エン-3β,28-ジオール)、28-ノルウルサ-12-エン-3β-オール、ウルサ-12-エン-3β-オール、3β,3β-ヒドロキシ-12-オレアネン-28-酸、3β,20α-ジヒドロキシウルサ-21-エン-28-酸、3β,27-ジヒドロキシ-12-ウルセン-28-酸、3β,13β-ジヒドロキシウルサ-11-エン-28-酸、3β,12α-ジヒドロキシオレアナン-28,13β-オリド、3β,27-ジヒドロキシ-12-オレアナン-28-酸、ホモポリガラクツロナン、アラビノガラツロナン、クロロゲン酸、カフェイン酸、L-キナ酸、4-クマロイル-CoA、3-O-カフェオイルキナ酸、5-O-カフェオイルキナ酸、カルデノリドB-1、カルデノリドB-2、オレアゲニン、ネリジジノシド、ネリゾシド、オドロシド-H、3-ベータ-O-(D-ジギノシル)-5-ベータ、14ベータ-ジヒドロキシ-カルダ-20(22)-エノリド、ガラクツロン酸、ラムノース、アラビノース、キシロース、及びガラクトースから構成されるペクチン多糖、17000~120000Dの範囲のMW、又は約35000D、約3000D、約5500D、若しくは約12000DのMWを有する多糖、カルデノリドモノグリコシド、カルデノリドN-1、カルデノリドN-2、カルデノリドN-3、カルデノリドN-4、プレグナン、4,6-ジエン-3,12,20-トリオン、20R-ヒドロキプレグナ-4,6-ジエン-3,12-ジオン、16ベータ,17ベータ-エポキシ-12ベータ-ヒドロキプレグナ-4,6-ジエン-3,20-ジオン、12ベータ-ヒドロキプレグナ-4,6,16-トリエン-3,20-ジオン(ネリジエノンA)、20S,21-ジヒドロキシプレグナ-4,6-ジエン-3,12-ジオン(ネリジエノンB)、ネリクマリン酸、イソネリクマリン酸、オレアンデロン酸、オレアンデレン、8アルファ-メトキシラブタン-18-酸、12-ウルセン、カネロシド、ネリウモシド、3β-O-(D-ジギノシル)-2α-ヒドロキシ-8,14β-エポキシ-5β-カルダ-16:17、20:22-ジエノリド、3β-O-(D-ジギノシル)-2α,14β-ジヒドロキシ-5β-カルダ-16:17,20:22-ジエノリド、3β,27-ジヒドロキシ-ウルサ-18-エン-13,28-オリド、3β,22α,28-トリヒドロキシ-25-ノル-ルパ-1(10),20(29)-ジエン-2-オン、シス-カレニン(3β-ヒドロキシ-28-Z-p-クマロイルオキシ-ウルサ-12-エン-27-酸)、トランス-カレニン(3-β-ヒドロキシ-28-E-p-クマロイルオキシ-ウルサ-12-エン-27-酸)、3ベータ-ヒドロキシ-5アルファ-カルダ-14(15),20(22)-ジエノリド(ベータ-アンヒドロエピジギトキシゲニン)、3ベータ-O-(D-ジギタロシル)-21-ヒドロキシ-5ベータ-カルダ-8,14,16,20(22)-テトラエノリド(ネリモゲニン-A-3ベータ-D-ジギタロシド)、プロセラゲニン、ネリジエノンA、3ベータ,27-ジヒドロキシ-12-ウルセン-28-酸、3ベータ,13ベータ-ジヒドロキシウルサ-11-エン-28-酸、3ベータ-ヒドロキシウルサ-12-エン-28-アルデヒド、28-ノルウルサ-12-エン-3ベータ-オール、ウルサ-12-エン-3ベータ-オール、ウルサ-12-エン-3ベータ,28-ジオール、3ベータ,27-ジヒドロキシ-12-オレアネン-28-酸、(20S、24R)-エポキシダンマラン-3ベータ,25-ジオール、20ベータ,28-エポキシ-28アルファ-メトキシタラキサステラン-3ベータ-オール、20ベータ,28-エポキシタラキサステラ-21-エン-3ベータ-オール、28-ノルウルサ-12-エン-3ベータ,17ベータ-ジオール、3ベータ-ヒドロキシウルサ-12-エン-28-アルデヒド、アルファ-ネリウルセート、ベータ-ネリウルセート、3アルファ-アセトフェンオキシ-ウルサ-12-エン-28-酸、3ベータ-アセトフェンオキシ-ウルサ-12-エン-28-酸、オレアンデロール酸、カネロジオン、3β-p-ヒドロキシフェノキシ-11α-メトキシ-12α-ヒドロキシ-20-ウルセン-28-酸、28-ヒドロキシ-20(29)-ルペン-3,7-ジオン、カネロシン、3アルファ-ヒドロキシ-ウルサ-18,20-ジエン-28-酸、D-サルメントース、D-ジギノース、ネリジジノシド、ネリゾシド、イソリシノール酸、ゲンチオビオシルネリゴシド、ゲンチオビオシルビューモントシド、ゲンチオビオシルオレアンドリン、フォリネリン、12β-ヒドロキシ-5β-カルダ-8,14,16,20(22)-テトラエノリド、8β-ヒドロキシ-ジギトキシゲニン、Δ16-8β-ヒドロキシ-ジギトキシゲニン、Δ16-ネリアゲニン、ウバオール、ウルソールアルデヒド、27(p-クマロイルオキシ)ウルソール酸、オレアンデロール、16-無水-デアセチル-ネリゴシド、9-D-ヒドロキシ-シス-12-オクタデカン酸、アジゴシド、アディネリン、アルファ-アミリン、ベータ-シトステロール、カンペストロール、カウチューク、カプリン酸、カプリル酸、コリン、コルネリン、コルテネリン、デアセチルオレアンドリン、ジアセチル-ネリゴシド、フォリアンドリン、プソイドクラミン、ケルセチン、ケルセチン-3-ラムノグルコシド、クエリシトリン、ロサギニン、ルチン、ステアリン酸、スティグマステロール、ストロスペシド、ウレヒトキシン、及びウザリゲニンがある。抽出物に存在していてもよい追加の構成成分は、Guptaら(IJPSR (2010), 1(3), 21-27、その開示全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする)によって開示されている。
【0061】
有機溶媒抽出物及び亜臨界抽出物に存在する揮発性及び半揮発性有機化合物のいくつかの同一性は、実施例18によるGSマススペクトロメトリーによって決定した。エタノール抽出物及び/又は亜臨界抽出物中に認められる揮発性及び半揮発性化合物は、2,3-ジヒドロベンゾフラン、スクアレン、2-(デカノイルオキシ)プロパン-1,3-ジイルジオクタノエート、アルファトコフェロール、スティグマステロール、ガンマ-シトステロール、デカン酸、1,2,3-プロパントリイルエステル、ウルソールアルデヒド、カテコール(Catetchol)、5-ヒドロキシメチルフラール、(E)-4-(3-ヒドロキシプロパ-1-エン-1-イル)-2-メトキシフェノール、n-ヘキサデセン酸、ビス(2-エチルヘキシル)フタレート、1,4-ベンゼンジカルボン酸、ビス(2-エチルヘキシル)エステル、及びフタル酸ジデシルとして暫定的に同定された。追加の未同定の揮発性及び半揮発性化合物が観察された。
【0062】
図3におけるGCクロマトグラムによって証明されるように、エタノール抽出物(上)、亜臨界CO2抽出物(中央)、及びPBI-05204の組成プロファイルは異なる。エタノール抽出物は、亜臨界抽出物よりもVOC及びSVOCが少なく、亜臨界抽出物は、超臨界流体抽出物であるPBI-05204よりもVOC及びSVOCが少ない。したがって、エタノール抽出物及び亜臨界流体抽出物を含む組合せ組成物は、PBI-05204よりもVOC及びSVOCが少ない。
【0063】
有機溶媒抽出物、亜臨界液体抽出物、組合せ組成物、及びPBI-05204の組成プロファイルはまた、実施例10に従ってタンデムマススペクトロメトリー検出及び/又はUV/VIS検出を用いたHPLCによって決定される。HPLCクロマトグラムは、組合せ組成物が、エタノール抽出物及びSbCL抽出物の等量の部分を混合することによって予測されることになるような組成プロファイルを有し、PBI-05204のものとは異なる組成プロファイルを有することを示す。各抽出物中のオレアンドリンの含有量を定量化することによって、エタノール抽出物は、SbCL抽出物よりも、等質量ベースでオレアンドリンの相対的含有量がはるかに多いことが観察される。更に、セイヨウキョウチクトウ抽出物に存在することが既知の他の構成成分に関する内部標準の使用によって、これらの他の構成成分に対するオレアンドリンの含有量が3つの抽出物間で異なることが観察される。
【0064】
有機溶媒抽出物及びSbCL抽出物の組成は、その中の個々の構成成分の相対的含有量に従って異なる。抽出物の植物化学的分析に基づいて、個々の抽出物の組成は、その中の構成成分のクラス(タイプ)の相対的含有量の点から以下のように定義してもよい。
・エタノール抽出によって作製された抽出物:全遊離アミノ酸>全糖>全セルロース>全アルカロイド>全ポリフェノール~全フラボノイド>全デンプン>全粗製タンパク質
・水性エタノール抽出によって作製された抽出物:全遊離アミノ酸>全セルロース>全アルカロイド>全糖>全ポリフェノール~全フラボノイド>全デンプン>全粗製タンパク質
・SbCL抽出によって作製された抽出物:全遊離アミノ酸>全デンプン>全アルカロイド>全セルロース>全フラボノイド>全糖>全ポリフェノール>全粗製タンパク質
これらの組成は、以下のようにテルペノイド、強心配糖体、及び他の構成成分の相対的含有量に基づいて更に異なる。
・エタノール抽出によって作製された抽出物:カネロシン>カネロジオン>オレアノール酸>ウルソール酸~オレアンドリン~ベツリン酸>オレアンドリゲニン~キョウチクトウ属F、オドロシド(A及びH)~アディネリン~オドロシド-G-アセテート>ギトキシゲニン。
・SbCL抽出によって作製された抽出物:オレアノール酸>ウルソール酸~オレアンドリン~ベツリン酸>オレアンドリゲニン~キョウチクトウ属F>オドロシド(A及びH)~アディネリン~オドロシド-G-アセテート>カネロシン。
組合せ組成物は、バイオマスの抽出中に得られた以下の化合物:ネリタロシド、ネリイン、フォリネリン、ギトキシゲニン、ジギトキシゲニン、ネリゴシド、ルチン、ウルソン酸、ネリジエノンA、アジネリゲニン、デアセチルオレアンドリン、オドロシドGアセテート、及び/又はケルセチンうちの1つ又は複数を更に含んでいてもよい。
【0065】
本発明によるSbCL抽出物、エタノール抽出物、又は組合せ組成物で処置された対象は、治療的応答を示すことになる。「治療的応答」は、対象が処置の結果として以下の臨床的利点:症状の重症度の減少、症状の出現の減少、一部の又は完全な寛解、及び/又は治癒のうちの少なくとも1つを享受することになることを意味する。治療的応答は、完全な又は一部の治療的応答であってもよい。
【0066】
栄養補助食品組成物中に含まれる場合がある食事成分及び食品物質は、米国F.D.A.によって挙げられている(https://www.fda.gov/food/new-dietary-ingredients-ndi-notification-process/new-dietary-ingredients-dietary-supplements-background-industry、https://www.accessdata.fda.gov/scripts/fdcc/?set =FoodSubstances、及びhttps://www.accessdata.fda.gov/scripts/fdcc/?cat=foodingredpkg、その開示全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする)。食事成分又は食品物質の例示的なクラスとしては、ビタミン、ミネラル、ハーブ、植物、アミノ酸、タンパク質、脂肪、ポリヌクレオチド、多糖、炭水化物、脂質、VOC、SVOC、抗酸化剤、フェノール化合物、香味剤、エッセンス、芳香族化合物、水、甘味料、膨張剤、香味促進剤、着色剤、乳化剤、保存剤、抗固化剤、塩、緩衝剤、油、結晶粒、酵素、ホルモン、レシチン、メラニン、ポリマー、バイオポリマー、線維、デンプン、脂肪酸、任意の食品中に存在する任意の物質、これらの濃縮物、これらの代謝産物、又はこれらの抽出物がある。
本発明の組成物に添加してもよい不活性成分は米国F.D.A.(https://www.fda.gov/drugs/drug-approvals-and-databases/inactive-ingredients-database-download、その開示全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする)に挙げられている。
【0067】
投薬レジメンとしては、投薬スケジュールに従って投与される治療上適切な用量(又は有効用量)のオレアンドリン(抽出物中又は組成物)がある。したがって、治療上適切な用量は、治療的応答が観察され、過剰量の望ましくない又は有害な副作用なしに対象に投与することができるオレアンドリンの治療的用量である。治療上適切な用量は、対象に対して非致死性ではあるが、患者においていくらかの副作用をもたらす場合がある。それは、オレアンドリンが投与された対象に対する臨床的利点のレベルが、オレアンドリンの投与に起因する対象によって経験される有害な副作用のレベルを超える用量である。
【0068】
化粧料(薬用化粧料)組成物としては、1種又は複数種の化粧料用賦形剤、例えば、米国F.D.A.(https://www.fda.gov/cosmetics/cosmetic-products-ingredients/cosmetic-ingredients)によって承認されたものがあり得る。
薬用化粧料は、1種若しくは複数種の活性成分及び/又は1種若しくは複数種の賦形剤を更に含んでいてもよく、これらとしては、例として限定するものではないが、アサイ油、アルファ-リポ酸、緑茶抽出物、レチノール、コエンザイムQ10(CoQ10)、カフェイン、アルファ-ヒドロキシ酸(AHA)、ヒアルロン酸、グリセリン、ソルビトール、モノ及びジグリセリド、白色鉱油(石油炭化水素油)、ステアリン酸グリセリル、プロピレングリコール、ビタミンE、クエン酸、没食子酸プロピル、他の既知の化合物、及びこれらの組合せがある。
【0069】
本発明の組成物及び投薬形態は、1種又は複数種の薬学的に許容される、栄養補助食品的な、及び/又は化粧品的に許容される賦形剤を更に含んでいてもよい。投薬形態は、酸性化剤、アルカリ化剤、緩衝剤、張度化改質剤、浸透圧剤、水溶性ポリマー、水膨潤性ポリマー、増粘剤、錯化剤、キレート化剤、浸透促進剤からなる群から出現ごとに独立して選択される1種又は複数種の賦形剤を含んでいてもよい。好適な賦形剤としては、非経口又は経口製剤(投薬形態)に使用するために承認された米国F.D.A.の不活性成分、例えば、米国F.D.A.の“Inactive Ingredients Database (以下のウェブサイト:https://www.fda.gov/Drugs/InformationOnDrugs/ucm113978.htm; Oct. 2018で入手可能)に挙げられているものがあり、その開示全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0070】
治療上適切な用量は、様々な確立された薬理学的、薬力学的、及び薬物動態学的原理に従って対象ごとに異なることになる。しかし、治療上適切な用量(例えば、オレアンドリンに対する)は、典型的には、1日あたり約1マイクログラム以上、1日あたり約5マイクログラム以上、1日あたり約10マイクログラム以上、1日あたり約20マイクログラム以上、1日あたり約25マイクログラム以上、1日あたり約50マイクログラム以上、1日あたり約75マイクログラム以上、1日あたり約100マイクログラム以上、1日あたり約200マイクログラム以上、1日あたり約250マイクログラム以上、1日あたり約500マイクログラム以上、又は1日あたり最大約750マイクログラムのオレアンドリンであることになるか、又は1用量あたり約1~約750マイクログラムのオレアンドリンの範囲であってもよいか、又は約25マイクログラム、約100マイクログラム、約250マイクログラム、約500マイクログラム、又は約750マイクログラムオレアンドリン/日を超えなくてもよい。対象に標的治療結果を提供するために必要とされるオレアンドリンの実際の量は、薬剤学の基本原理に従って対象ごとに異なる場合がある。任意の患者に関する特定の用量レベルは、処置される適応、適応の重症度、患者の健康、年齢、性別、体重、食事、薬理学的応答、用いられる特定の投薬形態、及び他のそのような因子を含む、様々な因子に依存することになる点は理解されるであろう。
【0071】
いくつかの実施形態において、対象は、1日あたり140マイクログラム~315マイクログラムのオレアンドリンが投与される。いくつかの実施形態において、用量は、5マイクログラム~750マイクログラム、12マイクログラム~300マイクログラム、又は12マイクログラム~120マイクログラムのオレアンドリンを含む。オレアンドリンの推奨される1日用量は、一般的に、1日2回約0.25~約60マイクログラム、1日2回約5~約60マイクログラム、1日2回約5~30マイクログラムである。用量は、約0.5~約100マイクログラム/日、約1~約80マイクログラム/日、約1.5~約60マイクログラム/日、約1.8~約60マイクログラム/日、約5~約60マイクログラム/日であってもよい。最小有効用量は、約0.5マイクログラム/日、約1マイクログラム/日、約1.5マイクログラム/日、約1.8マイクログラム/日、約2マイクログラム/日、又は約5マイクログラム/日であってもよい。オレアンドリンを含む好適な用量は、約0.05~0.5mg/kg/日、約0.05~0.35mg/kg/日、約0.05~0.22mg/kg/日、約0.05~0.4mg/kg/日、約0.05~0.3mg/kg/日、約0.05~0.5マイクログラム/kg/日、約0.05~0.35マイクログラム/kg/日、約0.05~0.22マイクログラム/kg/日、約0.05~0.4マイクログラム/kg/日、又は約0.05~0.3マイクログラム/kg/日であってもよい。いくつかの実施形態において、オレアンドリンの用量は、約1mg~約0.05mg、約0.9mg~約0.07mg、約0.7mg~約0.1mg、約0.5mg~約0.1mg、約0.4mg~約0.1mg、約0.3mg~約0.1mg、約0.2mgである。本発明は、本明細書において記載する用量の全ての組合せを含む。
【0072】
抽出物に存在するオレアンドリンの推奨される1日用量は、1日2回約0.1マイクログラム~約4.5マイクログラム/kg体重であってもよい。オレアンドリンの用量は、約0.1~約1マイクログラム/kg体重/日、約0.5~約1.0マイクログラム/kg体重/日、約0.75~約1.5マイクログラム/kg体重/日、約1.5~約2.52マイクログラム/kg体重/日、約2.5~約3.0マイクログラム/kg体重/日、約3.0~4.0マイクログラム/kg体重/日又は約3.5~4.5マイクログラムオレアンドリン/kg体重/日であってもよい。
【0073】
オレアンドリンは、約20~約100マイクログラム、約12マイクログラム~約300マイクログラム、又は約12マイクログラム~約120マイクログラムのオレアンドリンの初期用量を対象に提供するのに十分な量で投薬形態に存在していてもよい。投薬形態は、約1マイクログラムのオレアンドリン~約100マイクログラム、約0.01マイクログラム~約100mg又は約0.01マイクログラム~約100マイクログラムのオレアンドリン、オレアンドリン抽出物、又はオレアンドリンを含むセイヨウキョウチクトウ抽出物を含んでいてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、処置される対象の血漿中のオレアンドリン濃度は、約10マイクログラム/mL以下、約5マイクログラム/mL以下、約2.5マイクログラム/mL以下、約2マイクログラム/mL以下、又は約1マイクログラム/mL以下である。いくつかの実施形態において、処置される対象の血漿中のオレアンドリン濃度は、約0.0001マイクログラム/mL以上、約0.0005マイクログラム/mL以上、約0.001マイクログラム/mL以上、約0.0015マイクログラム/mL以上、約0.01マイクログラム/mL以上、約0.015マイクログラム/mL以上、約0.1マイクログラム/mL以上、約0.15マイクログラム/mL以上、約0.05マイクログラム/mL以上、又は約0.075マイクログラム/mL以上である。いくつかの実施形態において、処置される対象の血漿中のオレアンドリン濃度は、約10マイクログラム/mL~約0.0001マイクログラム/mL、約5マイクログラム/mL~約0.0005マイクログラム/mL、約1マイクログラム/mL~約0.001マイクログラム/mL、約0.5マイクログラム/mL~約0.001マイクログラム/mL、約0.1マイクログラム/mL~約0.001マイクログラム/mL、約0.05マイクログラム/mL~約0.001マイクログラム/mL、約0.01マイクログラム/mL~約0.001マイクログラム/mL、約0.005マイクログラム/mL~約0.001マイクログラム/mLである。本発明は、本明細書において記載する血漿濃度範囲の全ての組合せ及び選択を含む。
【0075】
ヒト臨床データに基づいて、投与されたオレアンドリンの用量の50%~75%が経口で生物学的に利用可能であることになり、したがって、1投薬形態あたり、約10~約20マイクログラム、約20~約40マイクログラム、約30~約50マイクログラム、約40~約60マイクログラム、約50~約75マイクログラム、約75~約100マイクログラムのオレアンドリンが提供されることが予測される。成人における5リットルの平均血液体積を考慮すると、予測されるオレアンドリン血漿濃度は、約0.05~約2ng/ml、約0.005~約10ng/mL、約0.005~約8ng/mL、約0.01~約7ng/mL、約0.02~約7ng/mL、約0.03~約6ng/mL、約0.04~約5ng/mL、又は約0.05~約2.5ng/mLの範囲であることになる。
【0076】
治療上適切な用量は、典型的には、ウイルス感染の処置において使用される任意の投薬レジメンに従って投与してもよい。治療上適切な用量は、1日1回、2回、3回又はそれ以上投与してもよい。隔日、3日ごと、4日ごと、5日ごと、週に2回、毎週、隔週、3週間ごと、4週間ごと、毎月、2カ月に1度、月に2回、3カ月ごと、4カ月ごと、半年ごと、毎年、又は好適な投薬スケジュールを達成するための上記のいずれかの組合せに従って投与してもよい。例えば、治療上適切な用量は、1週又は複数週の間1日1回又は複数回(最も高い用量に関しては1日最大10回)投与してもよい。1日の総用量はまた、数時間にわたって、1日の一部を通して、又は12~24時間の期間にわたって注入又はポンプによって投与してもよい。
【0077】
本発明はまた、オレアンドリン(本発明のオレアンドリン含有組成物として)の複数の治療上有効な用量を、それを必要とする対象に繰り返し投与することによって処置する方法を提供する。1日あたり1回又は複数回の用量は、1週あたり1日又は複数日間投与してもよく、1月あたり1週又は複数週の間投与してもよく、1年あたり1カ月又は複数カ月間投与してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、オレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)の1日あたりの1回又は複数回の用量は、所望の臨床的エンドポイントまで複数日間投与する。いくつかの実施形態において、オレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)の1日あたりの1回又は複数回の用量は、所望の臨床的エンドポイントまで複数日及び複数週の間投与する。1回又は複数回の用量を1日に投与してもよい。1日あたり1回、2回、3回、4回、5回、6回、又はそれを超える用量を投与してもよい。オレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)は、慢性的に、すなわち繰り返しベースで、例えば、毎日、隔日、2日ごと、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、毎週、隔週、2週ごと、3週ごと、毎月、2カ月に1度、月に2回、各月、2カ月ごと、四半期ごと、四半期おき、三半期ごと、季節ごと、半年ごと及び/又は毎年投与してもよい。処置期間は、1週又は複数週、1カ月又は複数カ月、1四半期又は複数四半期、及び/又は1年又は複数年であってもよい。オレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)の有効用量は、1日1回又は複数回投与される。オレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)は、1週あたり2日間以上1日あたり1回又は複数回投与してもよく、1カ月あたり1週又は複数週間1日あたり1回又は複数回投与してもよく、1年あたり1カ月又は複数カ月間投与してもよい。
【0079】
一般的に、対象は、前記対象がオレアンドリン治療法を必要としているかどうかを決定するために評価される。その後、オレアンドリン含有抽出物の投与が指示される。抽出物の初期用量は、ある期間にわたって(処置期間)処方された投薬レジメンに従って対象に投与される。対象の臨床応答及び治療的応答のレベルは定期的に決定される。治療的応答レベルが1回の用量では低すぎた場合、次いで用量を、対象における所望のレベルの治療的応答が達成されるまで、所定の用量漸増スケジュールに従って漸増させる。オレアンドリンを用いた対象の処置は、必要に応じて継続される。用量又は投薬レジメンは、患者が、所望の臨床的エンドポイント、例えば、状態の停止、症状の軽減、及び/又は状態の進行の減速に到達するまで必要に応じて調整してもよい。
臨床医が、オレアンドリン含有抽出物及び1種又は複数種の他の治療剤の組合せを用いて対象を処置することを意図する場合、その後、本発明の方法は、治療上適切な用量のオレアンドリン及び治療上適切な用量の前記1種又は複数種の他の治療剤を、それを必要とする対象に投与することであって、オレアンドリンを第1の投薬レジメンに従って投与し、1種又は複数種の他の治療剤を第2の投薬レジメンに従って投与することを含む。いくつかの実施形態において、第1及び第2の投薬レジメンは同じである。いくつかの実施形態において、第1及び第2の投薬レジメンは異なる。
【0080】
オレアンドリンは、一次療法、補助療法、又は併用療法として投与してもよい。本発明の方法は、オレアンドリンと少なくとも1種の他の治療剤とを個別投与又は同時投与することを含み、これは、オレアンドリンは、前記他の治療剤を投与する前、投与する間又は投与した後、投与してもよいことを意味する。
【0081】
1種又は複数種の他の治療剤は、治療上有効であるとして臨床医に認識された用量で及び投薬レジメンに従って、又は治療上の有効性を下回ると臨床医に認識された用量で投与してもよい。オレアンドリン及び1種又は複数種の他の治療薬の組合せの投与によって得られる臨床的利点及び/又は治療的効果は、相加的又は相乗的であってもよく、利点又は効果のそのようなレベルは、組合せの投与に対して個々の構成成分の投与を比較することによって決定される。1種又は複数種の他の治療剤は、食品医薬品局、世界保健機関、欧州医薬品庁(E.M.E.A.)、治療用品管理局(TGA、オーストラリア)、パンアメリカン保健機関(PAHO)、医薬品及び医療機器安全機関(Medsafe、ニュージーランド)又は世界中の様々な保険省に推奨されているか又は記載されている用量で、投薬レジメンに従って投与してもよい。
【0082】
SbCL抽出物、エタノール抽出物、及び組合せ組成物の抗ウイルス活性は、実施例7に従って確立され、in vitroアッセイは、国際公開第2018053123号、国際公開第2019055119号、米国特許第10596186号、並びに関連する米国及び外国の特許及び出願に示されており、これらの全ての開示全体は、その内容全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとし、本発明の組成物の抗ウイルス活性を実証するために続く。処置可能なウイルス感染としては、アレナウイルス科、アルテリウイルス科、ブニヤウイルス科、フィロウイルス科、フラビウイルス科(フラビウイルス属)、オルソミクソウイルス科(インフルエンザウイルス属)、パラミクソウイルス科、ラブドウイルス科、レトロウイルス科(デルタレトロウイルス属)、コロナウイルス科、(+)-ss-envRNAV(プラスセンス短鎖ストランドエンベロープRNAウイルス)、(-)-ss-envRNAV(マイナスセンス短鎖ストランドエンベロープRNAウイルス)、又はトガウイルス科のウイルス、並びにこれらの既知の属、種、及び/又は株のいずれかからのものがある。いくつかの実施形態において、(+)-ss-envRNAVは、ヒトに対して病原性のコロナウイルスである。処置することができる特定のウイルスとしては、少なくとも、エボラウイルス、マールブルグウイルス、アルファウイルス、フラビウイルス、黄熱、デング熱、日本脳炎、西ナイルウイルス、ジカウイルス、ベネズエラウマ脳脊髄炎(脳炎)(VEE)ウイルス、チクングニアウイルス、西部ウマ脳脊髄炎(脳炎)(WEE)ウイルス、東部ウマ脳脊髄炎(脳炎)(EEE)ウイルス、ダニ介在性脳炎、キャサヌル森林疾患、アルハムラ疾患、オムスク出血熱、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、デルタレトロウイルス属、HTLV-1ウイルス、コロナウイルス、SARS-CoV、MERS-CoV、COVID-19(SARS-CoV-2)、CoV229E、CoV NL63、CoV OC43、CoV HKU1、CoV HKU20、オニョングンウイルス(O’nyong’nvirus)(ONNV)、ポゴスタ(Pogosta)疾患ウイルス、シンドビスウイルス、ロスリバー熱ウイルス(RRV)、セムリキ森林ウイルス、ラッサウイルス、無菌性髄膜炎、ガナリトウイルス、フニンウイルス、ルジョウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、ホワイトウォーターアロヨウイルス、ハンタウイルス、クリミアゴンゴ出血熱オルソナイロウイルス、ムンプスウイルス、ニパウイルス、ヘンドラウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)、NDV(ニューカッスル疾患ウイルス)、インフルエンザウイルス(A~C)、イサウイルス、トゴトウイルス、クアランジャウイルス、H1N1ウイルス、H2N2ウイルス、H3N2ウイルス、H1N2ウイルス、スペイン風邪ウイルス、アジア風邪ウイルス、香港風邪ウイルス、ロシア風邪ウイルス、狂犬病ウイルス、ベシクロウイルス、リッサウイルス、及びサイトラブドウイルスがある。
【0083】
SbCL抽出物、エタノール抽出物、及び組合せ組成物の神経保護活性は、実施例8に従って確立され、in vitroアッセイは、国際公開第2011085307号、米国特許第8481086号、米国特許第9220778号、米国特許第9358293号、米国特許第9877979号、米国特許第10383886号、並びに関連する米国及び外国の特許及び出願に示されており、これらの全ての開示全体は、その内容全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとし、本発明の組成物の神経保護活性を実証するために続く。
SbCL抽出物、エタノール抽出物、及び組合せ組成物の抗がん(抗過剰細胞増殖)活性は、実施例11に従って確立されており、in vitroアッセイは、国際公開第2007016176号、国際公開第2009064657号、米国特許第7402325号、米国特許第8187644号、米国特許第8394434号、米国特許第8367363号、米国特許第9494589号、米国特許第9846156号、並びに関連する米国及び外国の特許及び出願に示されており、これらの全ての開示全体は、その内容全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとし、本発明の組成物の抗がん活性を実証するために続く。
【0084】
オレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)に治療的に応答する前記状態、疾患又は障害は、がん、腫瘍、癌腫、肉腫、膠芽腫、腺癌、リンパ腫、黒色腫、脳腫瘍、神経膠腫、星状細胞腫(低悪性度星状細胞腫(グレードI毛様細胞性星状細胞腫及びグレードIIびまん性星状細胞腫)、退形成性星状細胞腫(グレードIII)、膠芽腫(グレードIV、GBM、多形性膠芽腫としても知られる)を含む)、上衣腫、希突起膠腫、過剰細胞増殖、悪性新生物性疾患、非がん性炎症性皮膚疾患、光線性角化症、乾癬、湿疹、神経学的疾患、神経学的障害、神経変性性疾患、神経変性性障害、変化したNa,K-ATPase活性と関連する病因を有する神経学的疾患又は障害、アルツハイマー疾患、パーキンソン疾患、ハンチントン疾患、脳卒中、認知症、筋萎縮性側索硬化症、ウシ海綿状脳症、多発性硬化症、糖尿病性神経障害、自閉症及び若年性神経セロイドリポフスチン症、タウ異常症、ダウン症候群、ピック疾患、大脳皮質基底核変性症、プリオン疾患のいくつかの異型、進行性核上性麻痺、前頭側頭型認知症、痔疾、潰瘍、ハンセン病、蛇咬傷、いぼ、又はウイルス感染からなる群から選択してもよい。
【0085】
本発明の組成物に存在する化合物は、その未修飾形態、塩形態、誘導体形態、又はこれらの組合せとして存在していてもよい。本明細書において使用する場合、「誘導体」という用語は、a)第1の化学物質と構造的に関連し、それから理論上誘導可能な化学物質;b)類似している第1の化合物から形成された化合物、又は第1の化合物の1つの原子が別の原子又は原子団で置き換えられている場合、別の第1の化合物から得られることを想像することができる化合物;c)親化合物から誘導されたか又は得られ、親化合物の必須元素を含む化合物;又はd)1つ又は複数のステップで類似している構造の第1の化合物から生成することができる化学化合物を意味すると考えられる。例えば、誘導体としては、その重水素化形態、酸化形態、脱水、不飽和、ポリマーコンジュゲート若しくはグリコシル化形態があり得るか、又はそのエステル、アミド、ラクトン、相同体、エーテル、チオエーテル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、スルフヒドリル、複素環式、複素環式環縮合、重合化、ペグ化、ベンジリデニル、トリアゾリル、ピペラジニル又は重水素化形態があり得る。
【0086】
本明細書において使用する場合、個々に命名された化合物は、その天然(未改変、遊離酸、又は遊離塩基)形態、その塩形態、誘導体形態、プロドラッグ形態として、又はこれらの組合せで出現ごとに独立して選択してもよい。トリテルペンの重水素化形態を含む組成物及びそれを用いた方法も本発明の範囲内である。
【0087】
オレアンドリン含有抽出物(組成物)は、任意の好適な薬学的に許容される投薬形態で製剤化してもよい。好適なタイプの投薬形態としては、エアロゾル剤、バー、ビーズ、カプセル剤、多孔性シート、チュアブル剤、クロス、濃縮剤、クリーム剤、結晶、ディスク、膣洗浄剤、ドレッシング剤、エリキシル剤、エマルション剤、浣腸剤、線維、フィルム剤、フォーム剤、ゲル剤、小球剤、顆粒剤、ガム、埋込体、吸入剤、注射可能薬物、注射剤、挿入剤、子宮内避妊器具、ゼリー剤、キット剤、リニメント剤、リップスティック、リポソーム剤、液剤、ローション剤、トローチ剤、口内洗浄液、油剤、軟膏剤、ペースト剤、トローチ剤、パッチ剤、ペレット剤、絆創膏、湿布、粉末剤、凍結乾燥粉末剤、リング、リンス、軟膏ろう剤、シャンプー、石鹸、溶液剤、スポンジ、スプレー、スティック、ストリップ、坐剤、綿棒、懸濁剤、シロップ剤、錠剤、タンポン、テープ、チンキ剤、トローチ剤、ウエハース、又は薬学の分野の当業者に既知の他のそのような投薬形態がある。
オレアンドリン含有抽出物(組成物)は、経口投薬形態中に含まれる場合がある。投薬形態のいくつかの実施形態は、腸溶性コーティングされておらず、0.5~1時間以下の期間内に抽出物のそのチャージを放出する。投薬形態のいくつかの実施形態は、腸溶性コーティングされており、抽出物のそのチャージを、胃の下流、例えば、空腸、回腸、小腸、及び/又は大腸(結腸)に放出する。腸溶性コーティングされた投薬形態は、経口投与後1~10時間後以内に全身循環に抽出物を放出することになる。
オレアンドリン含有抽出物(組成物)は、急速放出、即時放出、制御放出、持続放出、長期放出、徐放、バースト放出、連続放出、遅延放出、若しくはパルス放出の投薬形態、又はこれらのタイプの放出のうちの2つ以上を示す投薬形態中に含まれる場合がある。投薬形態からのオレアンドリンの放出プロファイルは、0次、疑似0次、1次、疑似1次又はシグモイド放出プロファイルであってもよい。投与された対象におけるオレアンドリンに関する血漿濃度プロファイルは、1つ又は複数の最大値を示す場合がある。
【0088】
好適な投薬形態は、2012年5月29日に発行されたAddingtonの米国特許第8187644号、2008年7月22日に発行されたAddingtonの米国特許第7402325号、2013年3月12日に発行されたAddingtonらの米国特許第8394434号に従って行ってもよく、これらの開示全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする。好適な投薬形態はまた、実施例4~6、及び9に記載されているように行ってもよい。
【0089】
オレアンドリン含有抽出物(又はそれを含む任意の組成物)は、局所的に、全身的に、又はその両方で投与してもよい。好適な投与様式としては、非経口、頬側、結膜、角膜、皮膚、歯、子宮頚管内、副鼻腔内、気管内、経腸、表皮、硬膜外、羊膜外、体外、浸潤、間質、腹腔内、羊膜内、動脈内、気管支内、嚢内、心臓内、海綿内、腔内、脳内、角膜内、筋肉内、皮内、椎間板内、十二指腸内、硬膜内、表皮内、食道内、胃内、回腸内、管腔内、リンパ内、髄膜内、髄内、眼球内、卵巣内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、副鼻腔内、滑液包内、精巣内、クモ膜下腔内、胸腔内、管内、腫瘍内、子宮内、血管内、静脈内、脳室内、膀胱内、硝子体内、灌注、喉頭、経鼻、経鼻胃、眼球、眼、経口、耳(耳介)、又は口腔咽頭、非経口、経皮、関節周囲、硬膜上、神経周囲、歯周囲、口腔、経肺、直腸、眼球後方、クモ膜下、結膜下、皮下、皮膚下、舌下、粘膜下、局所、経皮、経粘膜、経胎盤、経気管、経鼓室、尿管、尿道、膣内、又は他の既知の投与様式がある。
【0090】
本明細書における化合物は、本発明の組成物又は製剤中に1つ又は複数の機能を有する場合がある点に留意するべきである。例えば、化合物は、界面活性剤と水混和性溶媒の両方として又は界面活性剤と水非混和性溶媒の両方としての役割を果たす場合がある。
液体組成物は、1種又は複数種の薬学的に許容される液体担体を含んでいてもよい。液体担体は、水性、非水性、極性、非極性、及び/又は有機の担体であってもよい。液体担体としては、例として限定するものではないが、水混和性溶媒、水非混和性溶媒、水、緩衝剤及びこれらの混合物がある。
【0091】
本明細書において使用する場合、「水溶性溶媒」又は「水混和性溶媒」という用語は、区別せずに使用され、水と二相性混合物を形成しないか、又は液相が分離することなく少なくとも5パーセントの溶媒を含む水性溶媒混合物を提供するのに十分に水中に可溶性な有機液体を指す。溶媒は、ヒト又は動物への投与に好適である。例示的な水溶性溶媒としては、例として限定するものではないが、PEG(ポリ(エチレングリコール))、PEG400(約400のおよその分子量を有するポリ(エチレングリコール))、エタノール、アセトン、アルカノール、アルコール、エーテル、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、ポリ(プロピレングリコール)、PVP(ポリ(ビニルピロリドン))、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ピリジン、プロパノール、N-メチルアセトアミド、ブタノール、ソルホール(soluphor)(2-ピロリドン)、ファーマソルブ(pharmasolve)(N-メチル-2-ピロリドン)がある。
【0092】
本明細書において使用する場合、「水不溶性溶媒」又は「水非混和性溶媒」という用語は、区別せずに使用され、水と二相性混合物を形成するか、又は水中の溶媒の濃度が5パーセントを超えた場合、相分離を提供する有機液体を指す。溶媒は、ヒト又は動物への投与に好適である。例示的な水不溶性溶媒としては、例として限定するものではないが、中鎖/長鎖トリグリセリド、油、ヒマシ油、トウモロコシ油、ビタミンE、ビタミンE誘導体、オレイン酸、脂肪酸、オリーブ油、ソフチザン(softisan)645(ジグリセリルカプリレート/カプレート/ステアレート/ヒドロキシステアレートアジペート)、ミグリオール、カプテックス(Captex)350:グリセリルトリカプリレート/カプレート/ラウレートトリグリセリド;カプテックス355:グリセリルトリカプリレート/カプレートトリグリセリド;カプテックス355 EP/NF:グリセリルトリカプリレート/カプレート中鎖トリグリセリド)がある。
【0093】
好適な溶媒は、“International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use (ICH) guidance for industry Q3C Impurities: Residual Solvents” (1997)に挙げられており、医薬品において安全と考えられる残留溶媒の量に関して推奨している。例示的な溶媒は、クラス2又はクラス3溶媒として挙げられている。クラス3溶媒としては、例えば、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル、クメン、エタノール、エチルエーテル、酢酸エチル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、又は酢酸プロピルがある。
【0094】
本発明において水非混和性溶媒として使用することができる他の材料としては、カプテックス100:プロピレングリコールジカプレート;カプテックス200:プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート;カプテックス200 P:プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート;プロピレングリコールジカプリロカプレート;カプテックス300:グリセリルトリカプリレート/カプレート;カプテックス300 EP/NF:グリセリルトリカプリレート/カプレート中鎖トリグリセリド;カプテックス350:グリセリルトリカプリレート/カプレート/ラウレート;カプテックス355:グリセリルトリカプリレート/カプレート;カプテックス355 EP/NF:グリセリルトリカプリレート/カプレート中鎖トリグリセリド;カプテックス500:トリアセチン;カプテックス500 P:トリアセチン(医薬グレード);カプテックス800:プロピレングリコールジ(2-エチルテキサノエート);カプテックス810 D:グリセリルトリカプリレート/カプレート/リノレート;カプテックス1000:グリセリルトリカプレート;カプテックスCA:中鎖トリグリセリド;カプテックスMCT-170:中鎖トリグリセリド;カプムル(Capmul)GMO:グリセリルモノオレエート;カプムルGMO-50 EP/NF:グリセリルモノオレエート;カプムルMCM:中鎖モノ-&ジグリセリド;カプムルMCM C8:グリセリルモノカプリレート;カプムルMCM C10:グリセリルモノカプレート;カプムルPG-8:プロピレングリコールモノカプリレート;カプムルPG-12:プロピレングリコールモノラウレート;カプロール(Caprol)10G10O:デカグリセロールデカオレエート;カプロール3GO:トリグリセロールモノオレエート;カプロールET:混合脂肪酸のポリグリセロールエステル;カプロールMPGO:ヘキサグリセロールジオレエート;カプロールPGE 860:デカグリセロールモノ-、ジオレエートがある。
【0095】
本明細書において使用する場合、「界面活性剤」は、極性又は荷電した親水性部分並びに非極性疎水性(親油性)部分を含む化合物を指し;すなわち、界面活性剤は両親媒性である。界面活性剤という用語は、化合物のうちの1種類又は混合物を指していてもよい。界面活性剤は、可溶化剤、乳化剤又は分散剤であってもよい。界面活性剤は、親水性又は疎水性であってもよい。
【0096】
親水性界面活性剤は、医薬組成物に使用するのに好適な任意の親水性界面活性剤であってもよい。そのような界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性又は非イオン性であってもよいが、非イオン性親水性界面活性剤がここでは好ましい。上記で検討されたように、これらの非イオン性親水性界面活性剤は、約10を超えるHLB値を一般的に有することになる。親水性界面活性剤の混合物も本発明の範囲内である。
【0097】
同様に、疎水性界面活性剤は、医薬組成物に使用するのに好適な任意の疎水性界面活性剤であってもよい。一般的に、好適な疎水性界面活性剤は、約10未満のHLB値を有することになる。疎水性界面活性剤の混合物も本発明の範囲内である。
【0098】
追加の好適な可溶化剤の例としては、アルコール及びポリオール、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、及びこれらの異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール(transcutol)、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び他のセルロース誘導体、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体;約200~約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル、例えば、テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール、商標名テトラグリセロール(Tetraglycol)でBASFから市販されている)又はメトキシPEG(Union Carbide);アミド、例えば、2-ピロリドン、2-ピペリドン、カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、及びポリビニルピロリドン;エステル、例えば、プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、モノ酢酸プロピレングリコール、ジ酢酸プロピレングリコール、カプロラクトン及びその異性体、バレロラクトン及びその異性体、ブチロラクトン及びその異性体;及び当技術分野において既知の他の可溶化剤、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド(アルラソルブ(Arlasolve)DMI(ICI))、N-メチルピロリドン(ファーマソルブ(Pharmasolve)(ISP))、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチル(nonoethyl)エーテル(商標名トランスクトールでGattefosseから入手可能)、及び水がある。可溶化剤の混合物も本発明の範囲内である。
示された場合を除き、本明細書において言及される化合物は、標準的な市販の供給源から容易に入手可能である。
必須ではないが、組成物又は製剤は、1種又は複数種のキレート化剤、1種又は複数種の保存剤、1種又は複数種の抗酸化剤、1種又は複数種の吸着剤、1種又は複数種の酸性化剤、1種又は複数種のアルカリ化剤、1種又は複数種の消泡剤、1種又は複数種の緩衝剤、1種又は複数種の着色剤、1種又は複数種の電解質、1種又は複数種の塩、1種又は複数種の安定化剤、1種又は複数種の張度改質剤、1種又は複数種の希釈剤、又はこれらの組合せを更に含んでいてもよい。
【0099】
本発明の組成物は、油、例えば、固定油、落花生油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油及びオリーブ油;脂肪酸、例えば、オレイン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸;及び脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリド、中鎖トリグリセリド、及びアセチル化脂肪酸グリセリドを含んでいてもよい。組成物は、アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、ヘキサデシルアルコール、グリセロール及びプロピレングリコール;グリセロールケタール、例えば、2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール;エーテル、例えば、ポリ(エチレングリコール)450;石油炭化水素、例えば、鉱油及びペトロラタム;水;薬学的に好適な界面活性剤、懸濁化剤又は乳化剤;又はこれらの混合物も含んでいてもよい。
【0100】
医薬製剤の当技術分野において使用される化合物は、様々な機能又は目的に一般的に役立つことを理解するべきである。したがって、本明細書において命名された化合物が一度だけ言及されている場合、又は本明細書で複数の用語を定義するために使用されている場合、その目的又は機能は、命名された目的又は機能のみに限定されるものと解釈するべきではない。
製剤の構成成分の1種又は複数種は、その遊離塩基、遊離酸、又は薬学的に若しくは分析的に許容される塩の形態として存在していてもよい。本明細書において使用する場合、「薬学的に又は分析的に許容される塩」は、必要に応じて酸と反応させてイオン結合ペアを形成することによって改変されている化合物を指す。許容される塩の例としては、例えば、非毒性無機又は有機酸から形成された従来の非毒性塩がある。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th. ed., Mack Publishing Company, Easton, PA, 1985, p. 1418で認められ、その関連する開示はこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0101】
「薬学的に許容される」という句は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織と接触させるために使用するのに好適であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、又はその他の問題若しくは合併症がなく、妥当な利点/リスク比に見合った、化合物、材料、組成物、及び/又は投薬形態を指すために本明細書において用いられる。
投薬形態は、医薬業界で既知の任意の従来の手段によって作製することができる。液体投薬形態は、容器中に少なくとも1種の液体担体及びオレアンドリン(オレアンドリン含有組成物、SbCL抽出物)を提供することによって調製することができる。1種又は複数種の他の賦形剤が、液体投薬形態中に含まれる場合がある。固体投薬形態は、少なくとも1種の固体担体及びオレアンドリンを提供することによって調製することができる。1種又は複数種の他の賦形剤は、固体投薬形態中に含まれる場合がある。
【0102】
投薬形態は、従来の包装装置及び材料を使用して包装してもよい。これらは、パック、瓶、バイアル、バッグ、シリンジ、薬袋、小包、ブリスターパック、箱、アンプル、又は他のそのような容器中に含むことができる。
本発明の組成物は、任意の投薬形態中に含まれる場合がある。特定の投薬形態としては、固形又は液体の投薬形態がある。例示的な好適な投薬形態としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、カプレット剤、トローチ剤、分包剤、及び薬学の技術分野の当業者に既知の他のそのような投薬形態がある。
上記の説明及び以下の例を考慮して、当業者であれば、過度の実験を行うことなく、請求された本発明を行うことが可能であろう。上記は、本発明の実施形態の調製に関するある特定の手順を詳述する以下の例を参照しながら更に理解されるであろう。これらの例に対して行われる全ての参照は、例示を目的とするものである。以下の例は、網羅的と考えるべきではなく、本発明によって検討される多くの実施形態のうちのほんのいくつかの例示に過ぎない。
【実施例
【0103】
(実施例1)
粉末化されたオレアンダーの葉の超臨界流体抽出
(比較例)
方法A.二酸化炭素を用いた方法。
オレアンダーの葉の材料を収穫し、洗浄し、乾燥し、次いでオレアンダーの葉の材料を粉砕脱水装置、例えば、米国特許第5,236,132号、同第5,598,979号、同第6,517,015号、及び同第6,715,705号に記載されているものに通過させることによって、粉末化されたオレアンダーの葉を調製した。使用した出発材料の質量は3.94kgであった。
【0104】
出発材料を、押出デバイス中、300bar(30MPa、4351psi)の圧力及び50℃(122°F)の温度で純粋CO2と合わせた。合計197kgのCO2を使用して、溶媒の原材料に対する比を50:1とした。次いで、CO2と原材料との混合物を分離デバイスに通過させ、混合物の圧力及び温度を変化させ、二酸化炭素から抽出物を分離した。
抽出物(65g)を、よい香りの茶色がかった粘着性の粘性材料として得た。色は、クロロフィル及び他の残留発色団化合物によって生じた可能性がある。正確な収量決定に関しては、管及びセパレーターをアセトンで洗い流し、アセトンを蒸発させて、更に9gの抽出物を得た。総抽出物量は74gであった。出発材料の質量に基づいて、抽出物の収率は1.88%であった。抽出物中のオレアンドリンの含有量は、高圧液体クロマトグラフィー及びマススペクトロメトリーを使用して計算すると560.1mgであるか、又は収率は0.76%であった。
【0105】
方法B.二酸化炭素及びエタノールの混合物を用いた方法
粉末化されたオレアンダーの葉を、オレアンダーの葉の材料を収穫し、洗浄し、乾燥し、次いでオレアンダーの葉の材料を粉砕脱水装置、例えば、米国特許第5,236,132号、同第5,598,979号、同第6,517,015号、及び同第6,715,705号に記載されているものに通過させることによって調製した。使用した出発材料の質量は3.85kgであった。
【0106】
出発材料を、押出デバイス中、280bar(28MPa、4061psi)の圧力及び50℃(122°F)の温度で、純粋CO2及び改質剤として5%エタノールと合わせた。合計160kgのCO2及び8kgのエタノールを使用して、溶媒の原材料に対する比を43.6:1とした。次いで、CO2、エタノール、及び原材料の混合物を分離デバイスに通過させ、混合物の圧力及び温度を変化させ、二酸化炭素から抽出物を分離した。
抽出物(207g)を、エタノールを除去後、いくつかのクロロフィルを明らかに含む暗緑糸の粘着性の粘性塊として得た。出発材料の質量に基づいて、抽出物の収率は5.38%であった。抽出物中のオレアンドリンの含有量を、高圧液体クロマトグラフィー及びマススペクトロメトリーを使用して計算しすると1.89gであるか、又は0.91%の収率であった。
【0107】
(実施例2)
粉末化されたオレアンダーの葉の熱水抽出。
(比較例)
熱水抽出は、典型的には、オレアンダーの葉からオレアンドリン及び他の活性構成成分を抽出するために使用される。熱水抽出方法の例は、米国特許第5,135,745号及び同第5,869,060号で認めることができる。
熱水抽出を、粉末化されたオレアンダーの葉5gを使用して行った。沸騰水の10倍体積(オレアンダー出発材料の質量で)を粉末化されたオレアンダーの葉に添加し、混合物を連続的に6時間攪拌した。次いで、混合物を濾過し、葉の残渣を収集し、同じ条件下で再び抽出した。濾液を合わせ、凍結乾燥した。抽出物の外観は茶色であった。乾燥抽出物材料の質量は約1.44gであった。抽出物材料34.21mgを水中に溶解し、高圧液体クロマトグラフィー及びマススペクトロメトリーを使用してオレアンドリン含有量分析を行った。オレアンドリンの量は3.68mgと決定した。抽出物の量に基づいてオレアンドリンの収率を計算し、0.26%であった。
【0108】
(実施例3)
セイヨウキョウチクトウの亜臨界流体抽出物の調製
オレアンドリン含有抽出物を調製するための改善された方法を、セイヨウキョウチクトウバイオマスの超臨界流体抽出ではなく、亜臨界液体抽出を用いて開発した。
乾燥し、粉末化されたバイオマス(実施例14に従って調製した)を抽出チャンバーに入れ、次いで、これを密閉した。二酸化炭素(約90~95%wt)及びアルコール(約10~5%wt;メタノール又はエタノール)をチャンバー中に注入した。チャンバーの内部温度及び圧力は、約2℃~約16℃(約7℃~約8℃)の範囲の温度及び約115~約135bar(約124bar)の範囲の圧力で、抽出時間の大部分又は実質的に全てにわたって、超臨界流体相ではなく亜臨界液体相中に抽出媒体が維持されるようなものであった。抽出時間は約4時間~約12時間(約6~約10時間)であった。次いで、抽出環境を濾過し、上清を収集した。二酸化炭素を上清から排出し、得られた粗製抽出物をエタノールで希釈し(エタノール約9部:抽出物約1部)、約-50℃で少なくとも12時間凍結した。溶液を解凍し、濾過した(100μm孔径フィルター)。濾液をそのもとの体積の約10%に濃縮し、次いで無菌濾過した(0.2μm孔径フィルター)。粗製抽出物中のオレアンドリンの濃度は、抽出物1mLあたり約0.25~1mg(又は0.5~0.8mg)である。
得られた亜臨界液体(SbCL)抽出物は、オレアンドリン及びセイヨウキョウチクトウから抽出可能な1種又は複数種の他の化合物を含み、前記1種又は複数種の他の化合物は本明細書において定義するようなものであった。
【0109】
(実施例4)
舌下/頬側液体投薬形態
オレアンドリンを含む舌下投薬形態を、オレアンドリン又はオレアンドリン含有組成物(例えばオレアンドリン含有抽出物)と中鎖トリグリセリド(MCT、例えばココナツ油)とを混合することによって作製した。
方法A.エタノール希釈したSbCL抽出物(2質量%)を、MCT(95質量%)、及び香味剤(3質量%)と混合した。
方法B.エタノール希釈したエタノール抽出物(2質量%)を、MCT(95質量%)、及び香味剤(3質量%)と混合した。
方法C.エタノール希釈したSbCL抽出物(1質量%)を、エタノール希釈したエタノール抽出物(1質量%)、MCT(95質量%)、及び香味剤(3質量%)と混合した。
舌下投薬形態を、アリコート約0.5mLで対象に安全に投与した。投与後少なくとも10分間は飲料又は食品を摂取しなかった。それを約7日~約1カ月間、1日1~6回投与した。
この投薬形態は舌下投与を意図するものではあるが、経口でも投与してもよい。
【0110】
(実施例5)
医薬組成物の調製。
方法A.クレモフォールベースの薬物送達システム
以下の成分を、表示された量で提供する。
【0111】
【表1】

賦形剤をジャーに分注し、New Brunswick Scientific C24KC冷蔵インキュベーターシェーカー中、60℃で24時間振とうして、均一性を確実にする。次いで、試料を取り出し、可溶化に関して視覚的に検査する。賦形剤と抗ウイルス組成物の両方を、24時間後全ての製剤に関して完全に溶解する。
方法B.GMO/クレモフォールベースの薬物送達システム
以下の成分を、表示された量で提供する。
【0112】
【表2】

方法Aの手順に従う。
方法C.ラブラソールベースの薬物送達システム
以下の成分を、表示された量で提供する。
【0113】
【表3】

方法Aの手順に従う。
方法D.ビタミンE-TPGSベースのミセル形成システム
以下の成分を、表示された量で提供する。
【0114】
【表4】

方法Aの手順に従う。
方法E.多構成成分薬物送達システム
以下の成分を、表示された量で提供する。
【0115】
【表5】

方法Aの手順に従う。
方法F.多構成成分薬物送達システム
以下の成分を、カプセル剤中に含まれる表表示された量で提供する。
【0116】
【表6】

方法Aの手順に従う。
【0117】
(実施例6)
腸溶性コーティングカプセル剤の調製
工程I:液体充填カプセル剤の調製
硬ゼラチンカプセル(50カウント、00サイズ)に実施例3の液体組成物を充填する。これらのカプセルに製剤800mgを手動で充填し、次いで50%エタノール/50%水溶液を用いて手で密封する。次いでカプセルを以下の成分を表示される量で含有する22%ゼラチン溶液を用いて手でバンディングする。
【0118】
【表7】

ゼラチン溶液を完全に混合し、1~2時間膨潤させる。膨潤時間後、溶液をしっかりと覆い、55℃のオーブンに入れ、液化させる。ゼラチン溶液全体が液体になったらバンディングを行う。
先のとがった円形の3/0アーティストブラシを使用して、ゼラチン溶液をカプセルに塗る。Shionogiから提供されたバンディングキットを使用する。バンディング後、カプセルは室内条件で12時間維持して、バンディングさせて硬化させる。
工程II:液剤充填カプセル剤のコーティング
コーティング分散剤を以下の表に挙げる成分から調製する。
【0119】
【表8】

工程Iに従ってバンディングカプセルを使用する場合、分散剤を20.0mg/cm2のコーティングレベルとなるようにカプセルに適用する。以下の条件を使用してカプセルをコーティングする。
【0120】
【表9】
【0121】
(実施例7)
対象におけるウイルス感染の処置
国際公開第2018053123号、国際公開第2019055119号、米国特許第10596186号、並びに関連する米国及び外国の特許及び出願の方法は、これらの全ての開示全体が、その内容全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとし、本発明の組成物の抗ウイルス活性を実証するために続く。
【0122】
(実施例8)
対象における神経学的障害の処置
国際公開第2011085307号、米国特許第8481086号、米国特許第9220778号、米国特許第9358293号、米国特許第9877979号、米国特許第10383886号、並びに関連する米国及び外国の特許及び出願の方法は、これらの全ての開示全体が、その内容全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとし、本発明の組成物の神経保護活性実証するために続く。
【0123】
(実施例9)
オレアンドリン組成物を含む錠剤の調製
3%サイロイド244FPと97%微晶質セルロース(MCC)との最初の打錠混合物を混合する。次いで、SbCL抽出物の現存するバッチを、湿式造粒を介してサイロイド/MCC混合物中に組み込む。この混合物は、以下の表において「最初の打錠混合物」と表示する。追加のMCCを顆粒外に添加して、圧縮率を増加させる。最初の打錠混合物へのこの添加を「顆粒外添加」として表示する。顆粒外添加から得られた混合物は、「最終打錠混合物」と同じ組成である。
【0124】
【表10】

【表11】
【0125】
【表12】

【表13】

サイロイド244FPは、Grace Davisonによって製造されたコロイド状二酸化ケイ素である。コロイド状二酸化ケイ素は、いくつかの機能、例えば、吸着剤、流動促進剤、及び錠剤崩壊剤を提供するために通常使用される。サイロイド244FPは、その質量の3倍の油を吸着するその能力、及びその5.5μmの粒子サイズのために選択される。
【0126】
(実施例10)
オレアンドリンを含む溶液のHPLC分析
オレアンドリン含有量:
試料(オレアンドリン標準、SCF抽出物、エタノール抽出物、亜臨界液体CO2抽出物、及び熱水抽出物)を、以下の条件:Symmetry C18カラム(5.0μm、150×4.6mmI.D.;Waters);移動相MeOH:水=54:46(v/v)、及び流速1.0ml/分を使用したHPLC(Waters)で分析する。検出波長は217nmに設定した。試料を、固定量のHPLC溶媒中に化合物又は抽出物を溶解することによって調製して、オレアンドリンのおよその標的濃度を達成する。オレアンドリンの保持時間は、内部標準を使用することによって決定することができる。オレアンドリンの濃度は、内部標準を使用したシグナル応答曲線を作成することによって決定/較正することができる。
【0127】
トリテルペン含有量:
抽出物のトリテルペン構成成分を、Gemini C18ジフェニルカラムを使用し、95%MeCN及び0.1%ギ酸からなるアイソクラチック移動相、流速0.6ml/分、及び検出波長220nmを用いてトリテルペンを溶出するHPLCによって定量化する。標準曲線を作成し、使用して、オレアノール酸、ウルソール酸、及びベツリン酸化合物の相対的モル比を計算する。図4は、PBI-05204のHPLCクロマトグラムを示す。
【0128】
(実施例11)
対象におけるがんの処置
本発明の組成物の抗がん(抗過剰細胞増殖)活性を実証するために、国際公開第2007016176号、国際公開第2009064657号、米国特許第7402325号、米国特許第8187644号、米国特許第8394434号、米国特許第8367363号、米国特許第9494589号、米国特許第9846156号、並びに関連する米国及び外国の特許及び出願の方法(これらの全ての開示全体が、その内容全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる)に従った。
【0129】
(実施例12)
医薬組成物の調製
本発明の医薬組成物は以下の方法のいずれかで調製することができる。混合は、湿潤又は乾燥条件下で行うことができる。医薬組成物は、調製中に圧縮、乾燥、又はこの両方を行ってもよい。医薬組成物は投薬形態に分割してもよい。
【0130】
方法A。
少なくとも1種の医薬賦形剤を、本明細書において開示される少なくとも1種のSbCL抽出物と混合する。
方法B。
少なくとも1種の医薬賦形剤を、少なくともSbCL抽出物及び少なくとも1種の他の活性薬剤と混合する。
方法C。
少なくとも1種の医薬賦形剤をオレアンドリンと混合する。
方法D。
少なくとも1種の医薬賦形剤を、本明細書において開示されるオレアンドリン及び少なくとも1種のトリテルペンと混合する。
方法E。
少なくとも1種の医薬賦形剤を、本明細書において開示されるオレアンドリン及び少なくとも2種のトリテルペンと混合する。
方法D。
少なくとも1種の医薬賦形剤を、本明細書において開示されるオレアンドリン及び少なくとも3種のトリテルペンと混合する。
既知の量のオレアノール酸及びウルソール酸を、本明細書において定義するような構成成分の所定のモル比に従って混合する。構成成分を固体形態で混合するか、又は溶媒、例えばメタノール、エタノール、クロロホルム、アセトン、プロパノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチルピロリドン(NMP)、水又はこれらの混合物中で混合する。得られた混合物は、本明細書において記載する相対的モル比で構成成分を含む。
【0131】
(実施例13)
統計分析
実験データセットの統計的有意性を、対応のない両側スチューデントt検定(アルファ=0.05)を使用して決定し、シャピロウィルク正規性検定及びGraphpadプリズム7.03ソフトウェアを使用してP値を計算する。P値は、0.1234(ns)、0.0332(*)、0.0021(**)、0.0002(***)、<0.0001(****)として定義される。特に注記されていない限り、エラーバーは、少なくとも3回の独立した実験のSEMを表す。
【0132】
(実施例14)
粉末バイオマスの調製
方法A。
米国特許第5236132号、米国特許第5598979号、米国特許第6517015号、又は米国特許第6715705号に記載されているように、収穫した葉を、粉砕及び加熱脱水装置に入れることによって、粉末乾燥セイヨウキョウチクトウバイオマスを、Addingtonの米国特許第7402325号に従って調製し、その開示全体はこれにより参照により本明細書に組み込まれるものとする。
方法B。
収穫した葉を加熱した除湿器で脱水し、次いで、乾燥した葉を、液体窒素を用いた凍結解凍サイクルを繰り返し行い、サイクルのうちの少なくとも1回の間に凍結される葉を粉砕して粉末を形成し、次いで、これを凍結乾燥して、水分含有量を約8質量%未満にすることによって、粉末乾燥セイヨウキョウチクトウバイオマスを調製した。
【0133】
(実施例15)
水性有機溶媒抽出物の調製
乾燥粉末されたバイオマスを、水性エタノールを用いて抽出することによってセイヨウキョウチクトウのエタノール抽出物を、調製した。
葉の粉末の1グラムごとに水性エタノール(10%v/vの水)10mLを使用して、粉末を、激しく攪拌しながら室内温度及び圧力で抽出した。抽出上清及びバイオマスを分離し、抽出サイクルを更に2回繰り返し、これは3回抽出サイクルを行ったことを意味する。上清を合わせ、真空中でもとの体積の約20%に濃縮して、濃縮物を形成し、それを無菌濾過して(0.2μmフィルター)、粗製抽出物を形成し、次いでこれを50%水性エタノールで希釈した。粗製抽出物中の水、エタノール、及び他の構成成分の含有量を決定した。粗製抽出物中のオレアンドリンの含有量は約1~5mg/mL抽出物であった。
【0134】
(実施例16)
セイヨウキョウチクトウの抽出物の組合せを含む投薬形態の調製
この目的は、エタノール抽出物又は水性エタノール抽出物の部分(1質量%)を実施例3のSbCL抽出物の部分(1質量%)、中鎖トリグリセリド(95質量%)、及び香味剤(3質量%)と合わせることを除いて、実施例4に従って投薬形態を調製することであった。投薬形態中のオレアンドリンの濃度は約12.5~約25マイクログラム/mLである。
【0135】
(実施例17)
COVID-19ウイルスに対するオレアンドリンのIn vivo評価
この研究の目的は、COVID-19ウイルスにすでに感染している対象の処置においてオレアンドリン含有抽出物(OCE)の有効性を決定することであった。
広範な人口統計分布を表し、COVID-19感染を呈する30名を超える対象の臨床的状態を評価し決定してから、実施例16の投薬形態に従って調製されたOCEの舌下、頬側、又は口腔の投与を行った。組成物を、対象に安全に投与した。投薬レジメンは、1用量あたりおよそ0.5mL及び1日あたり4用量(約6時間ごとに1用量)であり、およそ1日あたりオレアンドリン約50~60マイクログラムであった。全ての対象が処置開始の3~10日以内に完全な回復を経験した。
【0136】
(実施例18)
抽出物のガスクロマトグラフィー分析
有機溶媒抽出物及び亜臨界抽出物を、全イオン電流(TIC)検出を備えたGC-マススペクトロメトリーによって分析して、これらの揮発性及び半揮発性有機構成成分の一部を同定した。
サンプル抽出物を、7つの同位体標識された半揮発性有機化合物内部標準(SVOCIS)を含む溶液を使用して溶解してからGC-MSに注入し、分析した。各サンプル抽出物からの10個の最大ピークを、NIST/EPA/NIHマススペクトルライブラリー(NIST、2014)に対する比較を介して暫定的に同定し、各マッチを手動でチェックした。各同一性に関するライブラリースコアをソフトウェアによって割り当て、100のマッチ係数が完全なマッチを示すことになる。各同定されたピークに関する相対的濃度を、その最も近い溶出SVOCIS標準ピークと比較したピーク面積を介して計算した。GC-MS内のイオン化効率は、化合物間で大幅に変化する場合がある点に留意するべきである。
【0137】
(実施例19)
抽出物中の化合物の同定
抽出物を、以下のようにMS-DART TOF分析によって分析する。JEOL AccuTOF-DART質量分析計(Jeol U.S.A.、ピーボディ、マサチューセッツ州、米国)を使用した。
JEOL AccuTOF-DART質量分析計(Jeol USA、ピーボディ、マサチューセッツ州、米国)を使用した。分析は、陽イオンモード(DART+)で行っており、DART-MSによって生成されるM+H+イオンに対応する質量が得られた。機器に対する様々な設定を使用して、N.オレアンダー分析のための最適な条件を決定する。DART+に関する一般的な設定としては、針電圧3500V;オリフィス1- 2~20V;リングレンズ2~5V;オリフィス2- 2~5V;及びピーク電圧1000Vがある。キャリブレーションは、100~1000質量単位の必要とされる質量範囲全体にわたって質量マーカーを提供するPEG600の10%溶液を使用して各サンプルで内部的に行う。他の分析を、DART-様式で行い、これらは、針電圧3500V;発熱体250℃;電極1- 150V;電極2- 250V;Heガス流量3.79LPM;質量分析計設定:MCP2600V;オリフィス1- 15V;リングレンズ- 5V、オリフィス2- 5V;及びピーク電圧1000Vからなる。キャリブレーションは、100~1000質量単位の必要とされる質量範囲全体にわたってマーカーを提供するペルフルオロ化カルボン酸溶液を使用して各サンプルで内部的に行う。N.オレアンダー試料を、ホウケイ酸ガラス融点管の閉鎖されている末端を使用してDARTヘリウムプラズマ中にそのままで導入する。キャピラリー管は、1分析あたりおよそ3~5秒間Heプラズマ中に保持する。分子式は、JEOL AccuTOF DART-MS機器を備えた元素組成及び同位体マッチングプログラムによって確認する。Herbal Science(ネイプルズ、フロリダ州、米国)によって開発されたN.オレアンダー構成成分の検索可能なデータベースを使用してもよい。
【0138】
(実施例20)
栄養補助食品組成物
オレアンドリン含有抽出物(所望の濃度)を、栄養補助食品用賦形剤、例えば、PREMIER PROTEINシェイク、LIMFAST ADVANCED ENERGY食事代替シェイク、ORGAIN ORGANIC NUTRITIONシェイク、VEGA Protein Nutritionシェイク、LEANBODYLABRADAホエータンパク質食事代替品シェイク、ICONIC GRASS-FED PROTEIN飲料、PURE PROTEINシェイク、MUSCLE MILKオリジナルタンパク質シェイク、MET-RXオリジナルホエータンパク質食事代替粉末、OWYNビーガン食事代替シェイク、SOYLENT食事代替品シェイク、又はAPRES植物ベースのビーガンタンパク質シェイクにおいて認められるものと合わせる。
【0139】
(実施例21)
化粧料ローション剤組成物
オレアンドリン含有抽出物(所望の濃度)を、栄養補助食品用賦形剤、例えば、NIVEA ESSENTIALLY ENRICHEDボディローション(保湿セラム及びアーモンド油含有)、EUCERIN ADVANCED REPAIR(セラミド-3含有)、PALMER’S COCOA BUTTER FORMULA DAILY SKIN THERAPYボディローション(both lotion)(ココアバター及びビタミンE含有)、JERGEN’S ULTRA-HEALING乾燥皮膚モイスチャライザー(ビタミンC、E、及びB5含有)、LUBRIDERMデイリーモイスチャボディローション(ビタミンB5含有)、WELEDA SKIN FOODナリッシングクリーム(ビタミンE、キンセンカ花抽出物、パンジー含有)、AVEENOデイリーモイスチャライジングローション、HEMPZオリジナルハーバルボディモイスチャライザー(ヘンプ種子油含有)、CERAVEデイリーモイスチャライジングローション剤(ヒアルロン酸含有)、AQUAPHOR ADVANCED THERAPYヒーリング軟膏(ペトロラタム含有)において認められるものと合わせる。
【0140】
(実施例22)
投薬形態
方法A:薄膜投薬形態
薄膜投薬形態は、Barnhart(“Thin film oral dosage forms” in Modified Release Drug Delivery Technology; 2nd Edition, 2013, CRC press; ISBN: 9780429145803);Joshuaら(“Fast dissolving oral thin films: an effective dosage form for quick releases” in Int. J. Pharm. Sci. Rev. Res. (2016), 38(1), 282-289)、Harshaら(“An introduction to fast dissolving oral thin film drug delivery systems: a review” in Drug. Deliv. (2013), 10(6), 667-684)、及びNagarajuら(“Comprehensive review on oral disintegrating films” in Drug Deliv. (2013), 10(1), 96-108)に従って調製することができる。
【0141】
方法B:生体接着性投薬形態
生体接着性頬側投薬形態は、Reddyら(“A review on bioadhesive buccal drug delivery systems: current status of formulation and evaluation methods” in Daru (2011), 19(6), 385-403)、Shojaeiら(“Buccal mucosa as a route for systemic drug delivery: a review” in J. Pharm. Pharmaceut. Sci. (1998), 1(1), 15-30)、Prabhakarら(“Bioadhesive polymeric platforms for transmucosal drug delivery systems- a review” in Trop. J. Pharma. Res. (2010), 9(1), 91-104)、Mathiowitzら(Bioadhesive Drug Delivery Systems- fundamentals, novel approaches, and development; ed. E. Mathiowitz, et al.; Marcel Dekker, Inc. (New York, NY), (1999), ISBN 0-8247-1995-6)に従って調製することができる。
【0142】
方法C:グミ投薬形態
グミ(半固形、ソフト、チュアブル)投薬形態は、Jacobs(“Semi-solid formulations” in Pediatric Form. (2014), 171-179)、Cizauskaiteら(“Natural ingredients-based gummy bear composition designed according to texture analysis and sensory evaluation in vivo” in Molecules (2019), 24(7), 1442)、Bartkieneら(“Development of antimicrobial gummy candies with addition of bovine colostrum, essential oils, and probiotics” in Int. J. Food Sci. Technol. (2018), 53(5), 1227-1235)に従って調製することができる。
【0143】
方法D:スプレー投薬形態
スプレー投薬形態は、Finlay(The Mechanics of Inhaled Pharmaceutical Aerosols- An Introduction; Ed. W.H. Finlay, Academic Press, London, UK; 2001)、Hickey(“Back to the Future: Inhaled Drug Products” in J. Pharm. Sci. (2013), 102(40\), 1165-1172)、Malamatariら(“Solidification of nanosuspensions for the production of solid oral dosage forms and inhalable dry powders” in Exp. Opin. Drug Deliv. (2016), 13(3), 435-450)、及びHickey(Pharmaceutical Inhalation Aerosol Technology, 2nd ed.; Ed. A.J. Hickey, CRC Press, New York, NY, 2003)に従って調製することができる。
【0144】
(実施例23)
有機溶媒抽出物の調製
セイヨウキョウチクトウのエタノール抽出物は、乾燥粉末化バイオマスをエタノールで抽出することによって調製した。
葉の粉末1グラムごとに、エタノール10mLを使用して、粉末を、激しく攪拌しながら室内温度及び圧力で抽出した。抽出上清及びバイオマスを分離し、抽出サイクルを更に2回繰り返し、これは3回の抽出サイクルを行ったことを意味する。上清を合わせ、真空中でもとの体積の約20%に濃縮して、濃縮物を形成し、それを無菌濾過して(0.2μmフィルター)、粗製抽出物を形成し、次いでこれを50%水性エタノールで希釈した。粗製抽出物中の水、エタノール、及び他の構成成分の含有量を決定した。粗製抽出物中のオレアンドリンの含有量は約1~5mg/mL抽出物であった。
【0145】
本明細書において使用する場合、「約」又は「およそ」という用語は、指定の値の±10%、±5%、±2.5%、又は±1%を意味すると解釈される。本明細書において使用する場合、「実質的に」という用語は、「大部分」又は「のうちの少なくとも大部分」又は「のうちの50%を超える」を意味すると考えられる。
【0146】
上記は、本発明の特定の実施形態の詳細な説明である。特定の本発明の実施形態を、例示の目的で本明細書において記載してきたが、様々な改変を発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行ってもよいことは理解されるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲を除いて限定されない。本明細書において開示され請求される実施形態の全ては、本開示を考慮して過度の実験を行うことなく、行い達成することができる。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕亜臨界液体二酸化炭素を用いてオレアンドリン含有バイオマスを抽出することによって生成されるオレアンドリン含有抽出物。
〔2〕亜臨界液体が、亜臨界液体二酸化炭素と1種又は複数種の改質剤とを含む、前記〔1〕に記載のオレアンドリン含有抽出物。
〔3〕オレアンドリン含有有機溶媒抽出物の部分とオレアンドリン含有SbCL抽出物の部分とを含む、改善されたオレアンドリン含有組合せ組成物。
〔4〕2つの抽出物の実質的に等量の部分が、組合せ組成物中に存在する、前記〔3〕に記載の組合せ組成物。
〔5〕a)有機溶媒抽出物が、バイオマスから抽出された少なくともオレアンドリンと他の構成成分とを含む;b)有機溶媒抽出物において、バイオマスから抽出されたオレアンドリンの他の構成成分に対するモル比が、亜臨界液体抽出物中の前記モル比を超える;c)SbCL抽出物が、バイオマスから抽出された少なくともオレアンドリンと他の構成成分とを含む;d)エタノール抽出物中のオレアンドリンの含有量が、亜臨界液体抽出物中のオレアンドリンの含有量を超える;e)有機溶媒抽出物中の抽出された非オレアンドリン構成成分の含有量が、前記亜臨界液体抽出物中の前記構成成分の含有量を超える;f)前記有機溶媒抽出物中の抽出された揮発性及び半揮発性構成成分の組成プロファイルが、前記亜臨界液体抽出物中の前記構成成分の組成プロファイルとは異なる;及び/又はg)オレアンドリン含有量に対して、亜臨界液体抽出物が、有機溶媒抽出物よりも抽出された揮発性及び半揮発性構成成分を高い割合で含む、前記〔3〕に記載の組合せ組成物。
〔6〕a)前記抽出物中のオレアンドリン含有量が、約0.01質量%以上、約0.05質量%以上、約0.1質量%以上、約0.2質量%以上、約0.5質量%以上、約1質量%以上、約2.5質量%以上、約5質量%以上、約10質量%以上、約20質量%以上、約30質量%以上、約40質量%以上、約50質量%以上、約60質量%以上、約70質量%以上、約80質量%以上、又は約90質量%以上であるか;b)前記抽出物中のオレアンドリン含有量が、約99質量%以下、約95質量%以下、約90質量%以下、約80質量%以下、約70質量%以下、約60質量%以下、約50質量%以下、約40質量%以下、約30質量%以下、約20質量%以下、約10質量%以下、約5質量%以下、約2.5質量%以下、約1質量%以下、又は約0.5質量%以下であるか;又はc)項目a)の任意の限定と項目b)の任意の限定との組合せである、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の発明物。
〔7〕前記抽出物が、オレアンドリンと、1種又は複数種の強心配糖体、1種又は複数種の強心配糖体のグリコン構成成分(例えば、グルコシド、フルクトシド、及び/又はグルクロニド)、1種又は複数種のアグリコン、1種又は複数種のグリコシド前駆体(例えば、カルデノリド、カルダジエノリド及びカルダトリエノリド)、1種又は複数種のステロイド、1種又は複数種のトリテルペン、1種又は複数種の単糖、1種又は複数種の多糖、1種又は複数種のアルカロイド、1種又は複数種のタンパク質、脂肪、治療上有効な薬剤である1種又は複数種の他の非強心配糖体、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される1種又は複数種の化合物とを含む、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の発明物。
〔8〕前記抽出物が、オレアンドリンと、ネリタロシド、オドロシド、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、オレアンドリゲニン、オレアシドA、ベツリン(ウルサ-12-エン-3β,28-ジオール)、28-ノルウルサ-12-エン-3β-オール、ウルサ-12-エン-3β-オール、3β,3β-ヒドロキシ-12-オレアネン-28-酸、3β,20α-ジヒドロキシウルサ-21-エン-28-酸、3β,27-ジヒドロキシ-12-ウルセン-28-酸、3β,13β-ジヒドロキシウルサ-11-エン-28-酸、3β,12α-ジヒドロキシオレアナン-28,13β-オリド、3β,27-ジヒドロキシ-12-オレアナン-28-酸、ホモポリガラクツロナン、アラビノガラツロナン、クロロゲン酸、カフェイン酸、L-キナ酸、4-クマロイル-CoA、3-O-カフェオイルキナ酸、5-O-カフェオイルキナ酸、カルデノリドB-1、カルデノリドB-2、オレアゲニン、ネリジジノシド、ネリゾシド、オドロシド-H、3-ベータ-O-(D-ジギノシル)-5-ベータ、14ベータ-ジヒドロキシ-カルダ-20(22)-エノリド、ガラクツロン酸、ラムノース、アラビノース、キシロース、及びガラクトースから構成されペクチン多糖、17000~120000Dの範囲のMW、又は約35000D、約3000D、約5500D、若しくは約12000DのMWを有する多糖、カルデノリドモノグリコシド、カルデノリドN-1、カルデノリドN-2、カルデノリドN-3、カルデノリドN-4、プレグナン、4,6-ジエン-3,12,20-トリオン、20R-ヒドロキプレグナ-4,6-ジエン-3,12-ジオン、16ベータ,17ベータ-エポキシ-12ベータ-ヒドロキプレグナ-4,6-ジエン-3,20-ジオン、12ベータ-ヒドロキプレグナ-4,6,16-トリエン-3,20-ジオン(ネリジエノンA)、20S,21-ジヒドロキシプレグナ-4,6-ジエン-3,12-ジオン(ネリジエノンB)、ネリクマリン酸、イソネリクマリン酸、オレアンデロン酸、オレアンデレン、8アルファ-メトキシラブタン-18-酸、12-ウルセン、カネロシド、ネリウモシド、3β-O-(D-ジギノシル)-2α-ヒドロキシ-8,14β-エポキシ-5β-カルダ-16:17、20:22-ジエノリド、3β-O-(D-ジギノシル)-2α,14β-ジヒドロキシ-5β-カルダ-16:17,20:22-ジエノリド、3β,27-ジヒドロキシ-ウルサ-18-エン-13,28-オリド、3β,22α,28-トリヒドロキシ-25-ノル-ルパ-1(10),20(29)-ジエン-2-オン、シス-カレニン(3β-ヒドロキシ-28-Z-p-クマロイルオキシ-ウルサ-12-エン-27-酸)、トランス-カレニン(3-β-ヒドロキシ-28-E-p-クマロイルオキシ-ウルサ-12-エン-27-酸)、3ベータ-ヒドロキシ-5アルファ-カルダ-14(15),20(22)-ジエノリド(ベータ-アンヒドロエピジギトキシゲニン)、3ベータ-O-(D-ジギタロシル)-21-ヒドロキシ-5ベータ-カルダ-8,14,16,20(22)-テトラエノリド(ネリモゲニン-A-3ベータ-D-ジギタロシド)、プロセラゲニン、ネリジエノンA、3ベータ,27-ジヒドロキシ-12-ウルセン-28-酸、3ベータ,13ベータ-ジヒドロキシウルサ-11-エン-28-酸、3ベータ-ヒドロキシウルサ-12-エン-28-アルデヒド、28-ノルウルサ-12-エン-3ベータ-オール、ウルサ-12-エン-3ベータ-オール、ウルサ-12-エン-3ベータ,28-ジオール、3ベータ,27-ジヒドロキシ-12-オレアネン-28-酸、(20S、24R)-エポキシダンマラン-3ベータ,25-ジオール、20ベータ,28-エポキシ-28アルファ-メトキシタラキサステラン-3ベータ-オール、20ベータ,28-エポキシタラキサステラ-21-エン-3ベータ-オール、28-ノルウルサ-12-エン-3ベータ,17ベータ-ジオール、3ベータ-ヒドロキシウルサ-12-エン-28-アルデヒド、アルファ-ネリウルセート、ベータ-ネリウルセート、3アルファ-アセトフェンオキシ-ウルサ-12-エン-28-酸、3ベータ-アセトフェンオキシ-ウルサ-12-エン-28-酸、オレアンデロール酸、カネロジオン、3β-p-ヒドロキシフェノキシ-11α-メトキシ-12α-ヒドロキシ-20-ウルセン-28-酸、28-ヒドロキシ-20(29)-ルペン-3,7-ジオン、カネロシン(3α-ヒドロキシ-ウルサ-18,20-ジエン-28-酸)、3アルファ-ヒドロキシ-ウルサ-18,20-ジエン-28-酸、D-サルメントース、D-ジギノース、ネリジジノシド、ネリゾシド、イソリシノール酸、ゲンチオビオシルネリゴシド、ゲンチオビオシルビューモントシド、ゲンチオビオシルオレアンドリン、フォリネリン、12β-ヒドロキシ-5β-カルダ-8,14,16,20(22)-テトラエノリド、8β-ヒドロキシ-ジギトキシゲニン、Δ16-8β-ヒドロキシ-ジギトキシゲニン、Δ16-ネリアゲニン、ウバオール、ウルソールアルデヒド、27(p-クマロイルオキシ)ウルソール酸、オレアンデロール、16-無水-デアセチル-ネリゴシド、9-D-ヒドロキシ-シス-12-オクタデカン酸、アジゴシド、アディネリン、アルファ-アミリン、ベータ-シトステロール、カンペストロール、カウチューク、カプリン酸、カプリル酸、コリン、コルネリン、コルテネリン、デアセチルオレアンドリン、ジアセチル-ネリゴシド、フォリアンドリン、プソイドクラミン、ケルセチン、ケルセチン-3-ラムノグルコシド、クエリシトリン、ロサギニン、ルチン、ステアリン酸、スティグマステロール、ストロスペシド、ウレヒトキシン、並びにウザリゲニンからなる群から選択される1種又は複数種の化合物とを含む、前記
〔7〕に記載の発明物。
〔9〕少なくとも1種の医薬賦形剤及び前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の発明物を含む医薬組成物。
〔10〕オレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)に治療的に応答する状態、疾患又は障害を処置又は阻止する方法であって、それを必要とする対象に前記〔9〕に記載の前記医薬組成物の1回又は複数回の用量を投与し、それによって、前記状態、疾患又は障害を処置又は阻止することを含む方法。
〔11〕オレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)に治療的に応答する状態、疾患又は障害を処置又は阻止する方法であって、それを必要とする対象に前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の前記発明物の1回又は複数回の用量を投与し、それによって、前記状態、疾患又は障害を処置又は阻止することを含む方法。
〔12〕前記投与することが、急性的、慢性的、又はこれらの組合せである、前記〔10〕又は〔11〕に記載の方法。
〔13〕前記投与することが、局所的に投与すること、全身的に投与すること、又はこれらの組合せである、前記〔10〕、〔11〕、又は〔12〕に記載の方法。
〔14〕オレアンドリン(オレアンドリン含有組成物又はオレアンドリン含有抽出物)に治療的に応答する前記状態、疾患又は障害が、がん、腫瘍、癌腫、肉腫、膠芽腫、腺癌、リンパ腫、黒色腫、脳腫瘍、神経膠腫、星状細胞腫(低悪性度星状細胞腫(グレードI毛様細胞性星状細胞腫及びグレードIIびまん性星状細胞腫)、退形成性星状細胞腫(グレードIII)、膠芽腫(グレードIV、GBM、多形性膠芽腫としても知られる)を含む)、上衣腫、希突起膠腫、過剰細胞増殖、悪性新生物性疾患、非がん性炎症性皮膚疾患、光線性角化症、乾癬、湿疹、神経学的疾患、神経学的障害、神経変性性疾患、神経変性性障害、変化したNa,K-ATPase活性と関連する病因を有する神経学的疾患又は障害、アルツハイマー疾患、パーキンソン疾患、ハンチントン疾患、脳卒中、認知症、筋萎縮性側索硬化症、ウシ海綿状脳症、多発性硬化症、糖尿病性神経障害、自閉症及び若年性神経セロイドリポフスチン症、タウ異常症、ダウン症候群、ピック疾患、大脳皮質基底核変性症、プリオン疾患のいくつかの異型、進行性核上性麻痺、前頭側頭型認知症、痔疾、潰瘍、ハンセン病、蛇咬傷、及びウイルス感染からなる群から選択される、前記〔10〕、〔11〕、〔12〕、又は〔13〕のいずれか1項に記載の方法。
〔15〕前記ウイルス感染が、アレナウイルス科、アルテリウイルス科、ブニヤウイルス科、フィロウイルス科、フラビウイルス科(フラビウイルス属)、オルソミクソウイルス科、パラミクソウイルス科、ラブドウイルス科、レトロウイルス科(デルタレトロウイルス属)、コロナウイルス科、(+)-ss-envRNAV(プラスセンス短鎖ストランドエンベロープRNAウイルス)、(-)-ss-envRNAV(マイナスセンス短鎖ストランドエンベロープRNAウイルス)、又はトガウイルス科のウイルスによって引き起こされる、前記〔14〕に記載の方法。
〔16〕前記ウイルス感染が、フラビウイルス、黄熱ウイルス、デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、西ナイルウイルス、ジカウイルス、ダニ介在性脳炎ウイルス、キャサヌル森林疾患ウイルス、アルハムラ疾患ウイルス、オムスク出血熱ウイルス、ポワッサンウイルス、アルボール(arborvirus)ウイルス、東部ウマ脳脊髄炎ウイルス(EEEV)、西部ウマ脳脊髄炎ウイルス(WEEV)、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス(VEEV)、チクングニアウイルス(CHIKV)、オニョングンウイルス(ONNV)、ポゴスタ疾患ウイルス、シンドビスウイルス、ロスリバー熱ウイルス(RRV)、セムリキ森林ウイルス、ラッサウイルス、無菌性髄膜炎、ガナリトウイルス、フニンウイルス、ルジョウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、ホワイトウォーターアロヨウイルス、ハンタウイルス、クリミアゴンゴ出血熱オルソナイロウイルス、ムンプスウイルス、ニパウイルス、ヘンドラウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)、NDV、インフルエンザウイルス(A~C)、イサウイルス、トゴトウイルス、クアランジャウイルス、H1N1、H2N2、H3N2、H1N2、スペイン風邪、アジア風邪、香港風邪、ロシア風邪、狂犬病ウイルス、ベシクロウイルス、リッサウイルス、サイトラブドウイルス、SARS-CoV、MERS-CoV、COVID-19(SARS-CoV-2)、CoV229E、CoV NL63、CoV OC43、CoV HKU1、及びCoV HKU20からなる群から選択される、前記〔14〕に記載の方法。
〔17〕オレアンドリン含有抽出物を生成する方法であって、
オレアンドリン含有バイオマスを、二酸化炭素を含む亜臨界液体(SbCL)を用いる亜臨界液体抽出(SbCLE)に、オレアンドリンを抽出し抽出環境を形成するのに十分な時間にわたって供すること;
前記バイオマスを前記抽出環境から分離して、オレアンドリン含有SbCLを提供すること;及び
前記オレアンドリン含有SbCLからSbCLを除去して、前記オレアンドリン含有抽出物(OCE)を提供すること
を含む方法。
〔18〕オレアンドリン含有バイオマスを、二酸化炭素を含む亜臨界液体(SbCL)を用いる亜臨界液体抽出(SbCLE)に、オレアンドリンを抽出し抽出環境を形成するのに十分な時間にわたって供すること;
前記バイオマスを前記抽出環境から分離して、オレアンドリン含有SbCLを提供すること;
前記オレアンドリン含有SbCLからSbCLを除去して、オレアンドリン含有抽出物を提供すること;及び
オレアンドリンを前記抽出物から単離すること
を含む、オレアンドリンを生成する方法。
〔19〕前記単離することが、クロマトグラフィー、液液抽出、液固抽出、結晶化、沈殿、分別沈殿、分別結晶化、ソックスレー抽出、トリチュレーション、又はこれらの任意の組合せのうちの1つ又は複数によって達成される、前記〔18〕に記載の方法。
〔20〕以下のステップ:a)抽出環境を濾過することによって、前記バイオマスを抽出環境から分離すること;b)改質剤を、二酸化炭素又は抽出環境に添加すること;c)抽出環境を含む容器の内部を加熱し、加圧して、亜臨界液体相抽出環境を形成すること;d)前記SbCLを蒸発させることによって、前記オレアンドリン含有SbCLから前記SbCLを除去して、原料SbCL抽出物を形成すること;e)原料SbCL抽出物を、有機溶媒又は水性有機溶媒を用いて希釈すること;f)希釈した原料又は粗製SbCL抽出物を1回又は複数回濾過すること;g)希釈した原料又は粗製SbCL抽出物を活性炭で処理すること;h)形成のために、希釈した原料抽出物から大部分の有機溶媒を除去すること;及び/又はi)原料又は粗製抽出物を無菌濾過して、SbCL抽出物を得ることのうちの1つ又は複数を更に含む、前記〔17〕~〔19〕のいずれか1項に記載の方法。
〔21〕SbCLが、二酸化炭素及び1種又は複数種の改質剤を含む、前記〔17〕~〔20〕のいずれか1項に記載の方法。
〔22〕1種又は複数種の改質剤が、アルコール及びエタノールからなる群から選択される、前記〔21〕に記載の方法。
〔23〕二酸化炭素(及び存在する場合は改質剤)が、抽出時間のうちの約50%以上の間亜臨界液体相中に存在する、前記〔17〕~〔22〕のいずれか1項に記載の方法。
〔24〕亜臨界液体相中の抽出流体(二酸化炭素、及び存在する場合は改質剤)とバイオマスとを含む抽出環境が、抽出時間のうちの少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の間、液体形態のままであることになるか、又は抽出環境が、抽出時間全体にわたって液体形態のままである、前記〔23〕に記載の方法。
〔25〕CO 2 の相ダイアグラムに関しては、SbCLEが、a)臨界圧力(p c )以下で、臨界温度(t c )を下回って、及び液-気相ラインを超えて;b)t c 以下で、及びp c を下回って、及び液-気相ラインを超えて;c)p c 以上で、t c を下回って、液-気相ラインを超えて、及び固-液相ラインを下回って;又はd)固-液相ライン、液-気相ライン、液体-超臨界相ライン、三重点(固-液-気)温度(t tp )、三重点圧力(p tp )、臨界点(液-気-超臨界)温度(t cp )、及び臨界点圧力(p cp )によって囲まれる液体領域の範囲内に入る温度及び圧力で行われる、前記〔17〕~〔24〕のいずれか1項に記載の方法。
〔26〕SbCLEが、a)約0℃~約31℃の温度及び約5.2bar~約3000barの圧力;b)約0℃から約31℃の温度及び約5.2bar~約1000barの圧力;c)約2℃~約16℃の温度及び約115bar~約135barの圧力;d)約5~10℃の温度及び約120~130barの圧力;又はe)約5℃~約15℃の範囲の温度及び約50bar~70barの範囲の圧力で行われる、前記〔17〕~〔25〕のいずれか1項に記載の方法。
〔27〕抽出液体(二酸化炭素を含み、更に改質剤を含んでいてもよい)のバイオマスに対する質量比が、溶媒と原材料の両方の質量に基づいて約20:1~約100:1、約30:1~約75:1、約50:1、約45:1~60:1、又は約40:1~約45:1の範囲である、前記〔17〕~〔26〕のいずれか1項に記載の方法。
〔28〕二酸化炭素の改質剤に対する質量比が、約100:約0.01~20、約100:約0.01~15、約100:約0.01~10、又は約100:約0.01~5の範囲である、前記〔17〕~〔27〕のいずれか1項に記載の方法。
〔29〕a)バイオマスが、出現ごとに独立して、抽出される前に、脱水され、除湿され、フリーズドライされ、及び/又はデシケートされる;b)バイオマスが、出現ごとに独立して、抽出される前に乾燥される;c)バイオマスが、出現ごとに独立して、抽出される前に脱水されない;d)バイオマスが、出現ごとに独立して、抽出される前に乾燥されない;又はe)出現ごとに独立して、前記〔17〕~〔28〕のいずれか1項に記載の方法。
〔30〕組合せ組成物を生成する方法であって、
オレアンドリン含有第1のバイオマスに有機溶媒抽出を行って、オレアンドリン含有有機溶媒抽出物を提供すること;
オレアンドリン含有第2のバイオマスに亜臨界液体(SbCL)抽出(SbCLE)を行って、オレアンドリン含有SbCL抽出物を提供すること;及び
前記オレアンドリン含有有機溶媒抽出物と前記オレアンドリン含有SbCL抽出物とを合わせて、前記組合せ組成物を提供すること
を含む方法。
〔31〕a)前記有機溶媒抽出が、有機溶媒又は水性有機溶媒を用いて行われ;b)前記有機溶媒又は水性有機溶媒が、出現ごとに独立して、アルコールを含み;c)前記有機溶媒が、出現ごとに独立して、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチル、及びこれらの組合せからなる群から選択され;d)前記有機溶媒抽出が、前記オレアンドリン含有バイオマスを有機溶媒又は水性有機溶媒を用いて1回又は複数回抽出することを含み;e)出現ごとに独立して、前記水性有機溶媒が、最大約20%w/w、約5%w/w~約15%w/w、又は約10%w/wの水を含み;f)前記有機溶媒抽出物が、約0℃~約75℃、約5℃~約70℃、約10℃~約60℃、約10℃~約50℃、約10℃~約45℃、又は約20℃~約40℃の温度で行われ;g)有機溶媒(又は水性有機溶媒)のバイオマスに対するv/w比が、約50~1:約1、約40~1:約1、約30~1:約1、約20~1:約1、約20~5:約1、又は約10:約1の範囲である、前記〔30〕に記載の方法。
〔32〕有機溶媒抽出が、以下:a)抽出環境を濾過することによって、前記バイオマスを抽出環境から分離して、粗製抽出物を形成すること;b)水性液体を有機溶媒又は抽出環境に添加すること;c)前記粗製抽出物から有機溶媒の含有量を減少させること;d)粗製抽出物を活性炭で処理すること;e)粗製抽出物を1回又は複数回濾過すること;f)追加の有機溶媒を粗製抽出物に添加すること;g)有機溶媒抽出物を無菌濾過すること;及び/又はh)水を粗製抽出物に添加し、水性粗製抽出物を有機溶媒で抽出することのうちの1つ又は複数を更に含む、前記〔30〕又は〔31〕に記載の方法。
〔33〕抽出前のバイオマス中の水含有量が、約20質量%以下、約15質量%以下、約10質量%以下、約8質量%以下、約5質量%以下、約2.5質量%以下、又は約1質量%以下である、前記〔17〕~〔32〕のいずれか1項に記載の方法。
〔34〕a)抽出前のバイオマスの粒子サイズ(d0.5)が、約1インチ未満、約0.75インチ未満、約0.5インチ未満、約0.4インチ未満、約0.3インチ未満、約0.2インチ未満、約0.1インチ未満、約0.05インチ未満、又は約0.01インチ未満であり、前記粒子がASTMふるいメッシュ開口サイズに関するものである、前記〔17〕~〔33〕のいずれか1項に記載の方法。
〔35〕オレアンドリン含有バイオマスが、キョウチクトウ属(Nerium)種、セイヨウキョウチクトウ(Nerium oleander)、セイヨウキョウチクトウL(Nerium oleander L)(キョウチクトウ科)、ネリウム・オドウルム(Nerium odourum)、ホワイトオレアンダー、ピンクオレアンダー、キバナキョウチクトウ属(Thevetia)種、キバナキョウチクトウ(Thevetia peruviana)、イエローオレアンダー、ザベチア・ネリフォリア(Thevetia nerifolia)、キョウチクトウ属種の細胞培養で形質転換され、誘発されたアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、又はこれらの組合せである、前記〔17〕~〔34〕のいずれか1項に記載の方法。
〔36〕前記〔17〕~〔35〕のいずれか1項に記載の方法によって生成されるオレアンドリン含有抽出物。
〔37〕前記抽出物が、SbCLE中に得られた薬理学的活性多糖(及び/又は単糖)を含まない、前記〔1〕~〔36〕のいずれか1項に記載の発明物。
〔38〕オレアンドリン及び1種又は複数種の食事成分及び/又は食品添加物を含む栄養補助食品組成物。
〔39〕オレアンドリン及び1種又は複数種の化粧品的に許容される成分を含む化粧料組成物。
〔40〕本明細書において記載するSbCL抽出物。
〔41〕本明細書において記載するSbCL抽出物を生成する方法。
〔42〕本明細書において記載する医薬組成物。
〔43〕本明細書において記載する投薬形態。
〔44〕本明細書において記載するオレアンドリン含有組成物。
〔45〕本明細書において記載する組合せ組成物。
〔46〕本明細書において記載する二成分抽出物組合せ組成物。
〔47〕本明細書において記載する処置する方法。
〔48〕本明細書において記載する栄養補助食品組成物。
〔49〕本明細書において記載する化粧料組成物。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4