(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】毛切断システム
(51)【国際特許分類】
B26B 19/44 20060101AFI20250311BHJP
B26B 19/06 20060101ALN20250311BHJP
B26B 19/20 20060101ALN20250311BHJP
【FI】
B26B19/44 A
B26B19/06 B
B26B19/20
(21)【出願番号】P 2020558632
(86)(22)【出願日】2019-04-30
(86)【国際出願番号】 EP2019060994
(87)【国際公開番号】W WO2019211256
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-02-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-17
(32)【優先日】2018-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/085338
(32)【優先日】2018-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】イアカリーノ ルカ
(72)【発明者】
【氏名】アマラヴァシ マドハスドハン ヴァルマ
【合議体】
【審判長】鈴木 貴雄
【審判官】堀内 亮吾
【審判官】大山 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/021202(WO,A1)
【文献】特開2005-270193号公報(JP,A)
【文献】特表2007-500528号公報(JP,A)
【文献】国際公開第2017/084897(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/00-19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛切断システムであって、
毛を切断するための切断刃の1つ以上の対を有する毛切断機器と、
前記切断刃の前方に配置され、前記切断刃に向けて毛をガイドするよう構成された、櫛と、
前記毛切断機器により切断された毛を受容するための毛室を有する集毛器であって、前記毛切断機器に前記集毛器を結合するよう構成された結合部を有する、集毛器と、
を有し、前記毛切断システムが組み立てられたとき、前記櫛の一部が前記毛室内に配置され
、
前記毛室の壁部は開口を有し、前記櫛の遠位端は前記開口を通って延在する、毛切断システム。
【請求項2】
前記毛室の壁部は、前記櫛の遠位端の上及び前記遠位端の前方に延在する、請求項1に記載の毛切断システム。
【請求項3】
毛を受容するための前記毛室の開口は、前記切断刃及び前記櫛により略閉じられる、請求項1
又は2に記載の毛切断システム。
【請求項4】
前記櫛は、複数の櫛歯を有し、前記櫛の歯の間において毛が前記毛室から出て通過することを制約するよう、前記櫛歯間の間隔は、1mmと6.8mmとの間である、請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の毛切断システム。
【請求項5】
前記集毛器は、前記集毛器が前記毛切断機器に結合されたときに、前記毛切断機器の本体の表面に係合するよう構成された基部壁を有し、前記基部壁の自由端は、少なくとも部分的に、前記毛室の開口を定義する、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の毛切断システム。
【請求項6】
前記毛切断機器は、前記集毛器の基部壁の少なくとも一部を受容するよう構成された、請求項
5に記載の毛切断システム。
【請求項7】
前記基部壁の内側面は、前記自由端において前記毛切断機器の毛切断面に略垂直に向けられ、前記自由端から離れた位置において前記毛切断機器の本体の表面と略整列した、請求項
5又は
6に記載の毛切断システム。
【請求項8】
前記基部壁は、湾曲した壁部分を有し、前記基部壁の向きは、前記自由端において前記毛切断面に対して略垂直な向きから、前記自由端から離れた位置において前記毛切断機器の本体の表面と略整列した向きへと、前記湾曲した壁部分に亘って遷移する、請求項
7に記載の毛切断システム。
【請求項9】
前記基部壁は、前記自由端から延在する傾斜部分を有し、前記傾斜部分は、前記切断刃の毛切断面に略垂直な毛流れ面を定義する、請求項
5乃至
8のいずれか一項に記載の毛切断システム。
【請求項10】
前記基部壁の自由端は、前記毛切断機器の本体の遠位端に略整列した、請求項
5乃至
9のいずれか一項に記載の毛切断システム。
【請求項11】
前記櫛は、前記毛切断システムにより切断される毛の長さを変化させるために前記切断刃に対して移動可能であり、前記櫛及び前記集毛器は、前記櫛の遠位端と前記毛室の内側面との間の間隙が、前記櫛が動く間に略一定となるよう構成された、請求項1乃至
10のいずれか一項に記載の毛切断システム。
【請求項12】
前記集毛器は更に、前記毛室の閉じた端部と前記毛室の開口との間に毛保持壁を有する、請求項1乃至
11のいずれか一項に記載の毛切断システム。
【請求項13】
前記毛保持壁は、前記切断刃の毛切断面に略垂直な方向に前記基部壁から離れる方向に延在する、請求項
5に従属する請求項
12に記載の毛切断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛切断システムに関し、特に、限定するものではないが、切断された毛の捕捉を改善する毛切断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
毛トリミングの間、切断された毛は、典型的には、毛が切断されている人の上及び周囲に毛切断装置から落ち得る。このことは、毛を切っている人と切られている人の両方に悩ましいものとなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
毛切断後の毛の清掃には時間と労力が必要である。更に、毛切断中に、例えば首、顔、背中、腕、及び/又は手の皮膚に落ちる切断された毛は、かゆみ及び刺激を引き起こし得、このことは、毛切断プロセスを不快にし得る。
【0004】
子供が毛を切られているとき、毛切断プロセスができるだけ快適にされることが特に望ましい。子供の皮膚の毛を切断すると、かゆみや刺激が生じ、毛を切る人の心配が増し、毛切断の結果が悪くなる可能性がある。
【0005】
国際特許出願公開WO2017/084897A1は、毛クリッパ、離間櫛、及び集毛容器を含む毛クリッピングシステムを開示し、集毛容器は、櫛とクリッパとの間に配置されるように配置される。
【0006】
国際特許出願公開WO2017/021202A1は、毛クリッパと、離間櫛と、毛コレクション容器とを含む毛クリッピングシステムを開示しており、集毛容器は櫛に取り付けるように配置されている。取り付けられた状態では、集毛容器は、櫛とバリカンとの間、並びに櫛の背後に延在する。
【0007】
仏国特許出願公開FR2809049A1明細書には、切断された毛粒子を装置のある間隔で受容容器内に吹き込むためのエアブロー装置を有する毛クリップ装置が開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、毛切断システムであって、毛を切断するための切断刃の1つ以上の対を有する毛切断機器と、例えば該毛切断機器の移動方向(切断方向)で見て、前記切断刃の前方に配置され、前記切断刃に向けて毛をガイドするよう構成された、櫛と、前記毛切断機器により切断された毛を受容するための毛室を有する集毛器であって、前記毛切断機器に前記集毛器を結合するよう構成された結合部を有する、集毛器と、を有する毛切断システムが提供される。
【0009】
該櫛及び集毛器は、前記毛切断システムが組み立てられたとき、前記櫛の一部(例えば該櫛の遠位部分)が前記毛室内に配置されるように構成される。
【0010】
毛室の壁、例えば毛室の前壁は、櫛の遠位端、例えば櫛に沿って毛切断機器から最も遠い櫛の端部の、例えば切断方向の上方及び前方に、例えば毛切断機器から延在しても良い。
【0011】
毛室の壁、例えば毛室の前壁は、開口を含んでも良い櫛は、例えば、毛切断システムが組み立てられたときに、櫛の遠位端が開口内に、又は開口を通って延在するように構成されても良い
【0012】
毛を受容するための毛室の開口は、例えば毛室から出る毛が切断刃又は櫛を通過するように、櫛又は切断刃及び櫛によって実質的に覆われても良い
【0013】
櫛は、複数の櫛歯を有しても良い。櫛歯は、櫛を横切って、例えば切断方向に垂直に離間しても良い櫛歯の間の間隔は、例えば、毛が櫛歯の間において毛室から出るのを制限するために、約3.8mmであっても良い櫛歯の間隔は、6.8mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下、3mm以下であっても良い。櫛歯間の間隔は、1mm以上、2mm以上、又は3mm以上であっても良い
【0014】
櫛歯間の間隔は、約3.8mm乃至約6.8mm、例えば、6.8mm以下且つ3.8mm以上であっても良い幾つかの構成では、櫛歯間の間隔は、約1mm乃至6.8mm、例えば1mm以上且つ6.8mm以下であっても良いあるいは、櫛歯間の間隔は、約1mm乃至3.8mm、例えば1mm以上且つ3.8mm以下であっても良い
【0015】
集毛器は、集毛器が毛切断機器に結合されたときに、毛切断機器の本体の表面と係合するか、又は整列するように構成された基部壁を有しても良い。基部壁の自由端は、毛室の開口を少なくとも部分的に画定しても良い。
【0016】
毛切断機器は、集毛器の基部壁の少なくとも一部を受け入れるように構成された凹部を有しても良い。
【0017】
基部壁の内側、例えば内側面は、毛切断機器の毛切断面、例えば毛が毛切断機器の切断刃によって切断される平面に対して、自由端、例えば集毛器の開口において実質的に垂直に向きされても良い基部壁の内側面は、自由端から離れた位置で、毛切断装置の本体の表面と実質的に整列されても良い。基部壁は、基部壁の内側面の向きが変化する角部分を有しても良い。
【0018】
基部壁は、湾曲した壁部分を有しても良い。基部壁、例えば基部壁の内側面の向きは、湾曲した壁部分にわたって、端において毛切断平面に実質的に垂直である向きから、自由端から離れた位置において毛切断機器本体の表面と実質的に整列する向きへと遷移しても良い。
【0019】
基部壁は、自由端から、例えば毛室内に延在する傾斜部分を有しても良い。傾斜部分は、切断刃の毛切断面に実質的に垂直な毛流れ面を画定しても良い。基部壁の厚さは、自由端部における端部厚から自由端から離れた壁厚まで、傾斜部分にわたって変化しても良い。端部の厚さは、壁の厚さよりも薄くても良い
【0020】
基部壁は、傾斜部分の自由端とは反対側に壁部分を有しても良い。壁部分は、毛切断機器の本体の表面と実質的に整列され得るか、又は係合されても良い。
【0021】
壁部分は、毛切断面に対してより小さい角度、例えば、毛流れ面と比較して毛切断面に対してより垂直でなくても良い。
【0022】
換言すれば、集毛器の基部壁は、自由端に隣接する第1の角度付き部分と、縁に対して第1の角度付き部分の反対側にある第2の角度付き部分とを有することができ、第1の角度付き部分、例えば、第1の角度付き部分の内側面は、第2の角度付き部分よりも、毛切断機器の毛切断面に対してより角度を付けることができる。換言すれば、第1の傾斜部分は、第2の傾斜部分よりも毛切断面に対して垂直であっても良い。
【0023】
毛切断機器の切断刃は、毛切断機器の本体の遠位端から延在しても良い。基部壁の自由端は、毛切断機器の本体の遠位端と、例えば切断刃に隣接して、実質的に整列されても良い。それ故、毛室の開口は、毛切断機器の本体の遠位端と実質的に整列されても良い。毛室は、開口においてチャンバの3つ以上の側面において囲まれても良い
【0024】
櫛は、毛切断システムを操作するときにユーザの皮膚に対して保持される櫛表面を画定しても良い。櫛表面は、毛切断システムによって切断される毛の長さが毛切断長さに従って決定されるように、毛切断長さによって切断刃から選択的にオフセットされても良い。
【0025】
櫛は、毛切断システムによって切断される毛の長さを変化させるために、切断刃に対して、例えば、毛切断機器の切断方向に垂直な方向に移動可能であっても良い。櫛及び集毛器は、櫛が移動するにつれて櫛の遠位端と毛室の内側面との間の間隙が実質的に一定であるように構成されても良い。あるいは、櫛の遠位端と毛室の内側面との間の間隙は、櫛が移動するにつれて、例えば、間隙値の範囲内で変化しても良い
【0026】
集毛器は、毛室の閉鎖端部と毛室の開口との間に毛保持壁を更に有しても良い。毛保持壁は、基部壁から毛室内に延在しても良い。
【0027】
毛保持壁は、切断刃の毛切断面に実質的に垂直な方向、又は毛切断機器の切断方向に、基部壁から離れて延在しても良い
【0028】
本発明の別の態様によれば、上述の毛切断システムのための集毛器が提供され、集毛器は、毛切断機器によって切断された毛を受容するための毛室と、櫛の遠位部分が毛室内に配置されるように、集毛器を毛切断機器に結合するように構成された結合部と、を有する。
【0029】
本発明の別の態様によれば、上述の毛切断システムのための集毛器が提供され、集毛器は、毛切断機器によって切断された毛を受容するための毛室と、集毛器を毛切断機器に結合するように構成された結合部と、を備え、毛切断システムが組み立てられたときに、櫛の一部が毛室内に配置される。
【0030】
本明細書における本文の労力及び繰り返しの不必要な重複を避けるために、特定の特徴は、本発明の1つ又は幾つかの態様又は実施例のみに関連して記載される。しかしながら、技術的に可能である場合、本発明の任意の態様又は実施例に関連して説明される特徴は、本発明の任意の他の態様又は実施例とともに使用されても良いことは理解されたい。
【0031】
本発明をより良く理解し、本発明を実施する方法をより明確に示すために、例として添付図面への参照が為される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】第1の毛切断構成における以前に提案された毛切断システムの側面図である。
【
図2】第2の毛切断構成における以前に提案された毛切断システムの側面図である。
【
図3(a)】分解された状態における、本発明の構成による毛切断システムの斜視図である。
【
図3(b)】組み立てられた状態における、本発明の構成による毛切断システムの斜視図である。
【
図4】第1の毛切断構成における毛切断システムの断面側面図である。
【
図5】第2の毛切断構成における毛切断システムの断面側面図である。
【
図6】櫛の隠れた細部を伴う、本発明の構成による毛切断システムの前面図である。
【
図7】本発明の他の構成による、毛切断システムの部分的な断面側面図である。
【
図8】毛切断システムの部分的な断面側面図である。
【
図9】本発明の他の構成による、毛切断システムの部分的な断面側面図である。
【
図10】分解された状態における、本発明の他の構成による毛切断システムの前方斜視図である。
【
図11】本発明の他の構成による毛切断システムの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1及び
図2を参照すると、以前に提案された毛切断システム2は、毛切断機器40と、切断される毛切断機器40の切断刃42に向かって毛を案内するように構成された櫛60と、毛切断機器40によって切断された毛を受け入れて収容するための集毛器80とを有する。
【0034】
毛切断機器40は、毛切断システムが使用されているときにユーザによって保持されるグリップ部分46を含む本体44を有する。切断刃42は、本体44の遠位端44aから突出しても良い。
【0035】
図2に示すように、毛切断システム2は、櫛60の櫛表面62の位置が、毛切断機器40の本体44及び切断刃42に対して調整され得るように、調整可能である。
【0036】
使用時には、櫛面62は、毛が切断されている人の皮膚に対して保持され、毛切断システム2は、人の毛を切断するために、切断方向Cに人の皮膚上を移動させられる。
【0037】
毛切断システム2によって切断される毛の長さは、櫛60の櫛面62と毛切断機器40の切断刃42との間の距離を調節することによって制御される。
【0038】
図1及び
図2に示すように、集毛器80は櫛60に結合され、櫛表面62の位置が調整されるにつれて、集毛器80が櫛60と共に移動するようになっている。
【0039】
集毛器80は、切断された毛を受け入れるための収集室88を画定する複数の壁部82、84、86を有する。特に、集毛器80は、毛切断機器の本体に隣接して配置される基部壁82と、基部壁82に対向する前壁84と、基部壁82と前壁84との間の2つ以上の側壁86とを有する。集毛室88の開口89は、集毛器82、84、86の壁の自由端82a、84a、86aによって画定される。
【0040】
図示されるように、集毛器80が櫛60に結合されると、櫛60の一部は、集毛室88の開口89の上に配置され、集毛室88から毛が出るのを制限するように作用する。集毛器80は櫛に結合され、櫛60と共に移動するので、櫛60は、毛切断長さが調整されるにつれて、集毛室88から毛が出るのを制限し続ける。
【0041】
図1に示されるように、集毛室88の開口89を部分的に形成する基部壁82の自由端82aは、毛切断機器の本体44の遠位端44aから、例えば櫛面62から離れてオフセットされ、その結果、基部壁82は、櫛60が、例えば
図2に示されるように、毛切断長さを調節するために毛切断機器40から離れるように移動されるときに、毛切断機器の切断刃42と干渉しない。
【0042】
基部壁の自由端82aは本体44の遠位端44aからオフセットされているので、毛切断機器40の本体44と集毛器80の側壁86との間にギャップ90が存在することができ、このことは、特に櫛面62と切断刃42との間の距離が最小であり、切断刃42と基部壁の自由端82aとの間の距離が
図1に示すように最大であるときに、毛が集毛室88から落下することを可能とし得る。
【0043】
図3a及び
図3bを参照すると、本発明の構成による毛切断システム100は、毛切断機器120と、櫛140と、集毛器160とを有する。
【0044】
毛切断機器120は、毛切断機器40と同様であってもよく、毛切断機器40を参照して上述した特徴は、毛切断機器120に等しく適用されても良い。
【0045】
毛切断機器120は、把持部分123を有する本体122と、毛を切断するための切断刃124とを有する。図示されるように、切断刃124は、本体122の遠位端122aから突出し得る。
毛切断機器120は、以下に記載されるように、集毛器160が毛切断機器120に結合されることを可能にするように構成された1つ以上の結合部128を更に有しても良い。
【0046】
図示の構成では、切断刃124は、可動刃及び固定刃(櫛又はガード刃と呼ばれ得る)を含む一対の刃を有する。可動刃及び固定刃はそれぞれ、複数の歯を備え、固定刃の歯は、可動刃の歯に対応する。可動刃は、毛切断機器のモータによって駆動されて、固定刃に対して往復運動、振動運動、又は回転運動を行い、可動刃と固定刃のそれぞれの対応する歯の間のギャップを開閉する。ギャップが開いているとき、歯の間に毛を受け入れることができ、ギャップが閉じているときに毛を切断する。幾つかの構成においては、可動刃及び固定刃の両方の歯は、鋭利にされた端部を含むことができる。あるいは、可動刃又は固定刃の歯は鋭くされていなくてもよく、鋭くされた刃が鋭くされていない刃の鈍い端部の上に作用することによって、毛が切断されても良い。切断刃124は、切断刃によって画定される切断面126において毛を切断するように配置される。本発明はまた、人の毛を切断するための切断刃又は他の切断要素の異なる配置を有する毛切断機器に適用されても良い。
【0047】
櫛140は、櫛140を横方向に横切って、例えば切断面126に平行で切断方向Cに垂直な方向に、間隔を置いて配置された複数の櫛歯142を有し、櫛歯142は、毛切断システム100が切断方向Cに移動するときに、毛を皮膚から持ち上げ、毛を切断刃124に向かって案内するように成形及び配置され、その結果、例えば、毛は、可動刃と固定刃との間のギャップに、より容易に受け入れられることができる。
【0048】
櫛140は、毛切断システム100が使用されているときに、毛が切断されている人の皮膚に対して置かれる櫛面144を画定する。上述したように、毛切断システムによって毛が切断される長さは、櫛面144と切断刃124との間の距離に従って決定される。
【0049】
櫛140は、櫛140を毛切断機器120に移動可能に結合して、櫛140を毛切断機器に対して移動させて毛切断長さを調整することを可能にするように構成された結合部146を含む。櫛140は、
図4に描かれているような後退位置と、
図5に描かれているような伸長位置との間で、毛切断機器120に対して移動可能であっても良い
【0050】
櫛歯142は、結合部146から切断方向Cに延在する第1の部分142aを備え、櫛歯の第1の部分142a、例えば第1の部分142aの下面によって、櫛面144の少なくとも一部が形成されても良い。また、櫛歯142は、第2の部分142bを有しし、該第2の部分は、各々の第1櫛歯部142aから、櫛140の遠端140aまで伸びる。図示のように、櫛歯の第2の部分142bは、櫛表面144に垂直な成分を有する方向に、例えば櫛表面から離れる方向に延在しても良い。例えば、櫛歯の第2の部分142bは、櫛表面144に実質的に垂直な方向に延在しても良い。
【0051】
櫛歯の第2の部分142bは、毛が切断刃124に向かって案内されるときに、皮膚から持ち上げられた毛を支持しても良い。更に、櫛歯の第2の部分142bは、以下に説明するように、毛が集毛器160から落ちるのを制限しても良い。
【0052】
図示のように、櫛140は、櫛140の遠位端140aに設けられた接続バー148を更に有しても良い。結合バー148は、櫛形の左右方向に延在しても良い。接続バー148は、2つ以上の櫛歯142の間に延在して、歯を互いに接続しても良い。
【0053】
集毛器160は、毛切断システム100が組み立てられたときに毛切断機器120の本体122に隣接して配置される基部壁162を有する。集毛器160は、基部壁162に対向する前壁164と、基部壁162と前壁164との間の2つ以上の側壁166とを更に有する。壁162、164、166は合わせて、毛切断機器120によって切断された毛を受け入れるための収集室168を画定する。
【0054】
集毛室168の開口169は、集毛器の壁の自由端162a、164a、166aによって画定される。毛切断システム100が組み立てられると、開口169は、毛切断機器によって切断された毛が毛室の開口169に到達するように配置される。開口169は、切断刃124に隣接して配置されても良い。開口169は、櫛表面144に対して切断面126の反対側に画定されても良い
【0055】
図3a及び
図3bに戻ると、集毛器160は、毛切断機器120に結合するように構成された1つ又は複数の結合部170を更に備える。集毛器160は、集毛器160の各側部に設けられた結合部170を有しても良い。結合部170は、集毛器160の側壁166から、例えば、集毛器160の各側面上に延在しても良い
【0056】
毛切断機器120の結合部128は、集毛器160の結合部170のそれぞれと結合するように構成されても良い。集毛器160の結合部170及び毛切断機器120の対応する結合部128は、クリップ、スナップコネクタ、ボタンもしくはストラップ、又は任意の他の機械的結合方法などの機械的結合方法を使用して結合可能であっても良い。
【0057】
加えて、又は代替的に、集毛器160の結合部170及び毛切断機器120の対応する結合部128は、任意の他の結合方法を使用して結合可能であっても良い。例えば、結合部170及び対応する結合部128の一方又は両方は、磁石を備えてもよく、集毛器160は、磁石を使用して毛切断機器に結合するように構成されても良い。
【0058】
図4及び
図5に示されるように、集毛器160は、毛切断機器120に結合されるので、集毛室168の開口169は、例えば、毛切断長さを調節するために、毛切断機器120に対する櫛140の位置が変化するときに、毛切断機器120の切断刃124に対して同じ位置に留まる。基部壁の自由端162aは、毛切断機器の本体の遠位端と実質的に整列され、その結果、櫛140が毛切断機器120に対して移動するとき、開口169は、切断刃124に対して、例えば切断刃124に隣接して、静止したままである。更に、集毛器の基部壁162は、毛切断機器の遠位端まで延在するので、基部壁162と切断刃124に隣接する集毛器160の側壁166との間にギャップは存在しない。
【0059】
集毛器160が毛切断機器120に結合されると、櫛140の一部が集毛室168内に配置される。図示の構成では、櫛140の遠位端140a、例えば、接続バー148及び歯142bの第2の部分の一部は、集毛室168内に配置される。櫛140及び集毛器160は合わせて、櫛140が集毛室168から毛が出るのを制限するように作用するように構成される。
【0060】
開口169は、櫛、例えば櫛歯142によって実質的に覆われてもよく、従って、切断された毛は、開口169を通って集毛室168を出るために櫛を通過する。
【0061】
図6に示すように、櫛歯142間の間隔Sは、例えば櫛歯142間の毛の流れを制限することによって、櫛歯142による集毛室内の毛の保持を改善するよう選択されても良い。図示のように、櫛歯間の間隔は、6.8mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下、mm以下としても良い。櫛歯間の間隔は、1mm以上、2mm以上、又は3mm以上であっても良い。例えば、櫛歯142間の間隔は、約3.8mmとしても良い。他の構成では、櫛歯142間の間隔は、約6.8mmと約1mmとの間であっても良い。
【0062】
図4及び
図5に戻ると、集毛器160の前壁164は、基部壁162から櫛140の遠位端140aの上及び前方に、例えば切断方向Cに延在し、前壁164は、櫛140が毛切断機器120に対して、例えば後退位置と伸長位置との間で移動するときに、櫛140の遠位端140a、例えば接続バー148と、集毛器の前壁164と、の間の隙間150が実質的に一定のままであるように成形される。
【0063】
他の構成では、前壁164は、櫛140が毛切断機器120に対して移動するにつれて、間隙150が、例えば、間隙値の範囲内で変化するように、成形されても良い。この範囲の最大間隙値は、間隙150が最大値にあるときに、切断された毛が櫛の遠位端140aと前壁164との間を通過することが制限されるように選択されても良い。櫛が移動する際に前壁164と干渉するのを防止するために、範囲の最小間隙値を選択しても良い。あるいは、最小間隙値は、例えば、間隙150が最小値であるときに、櫛の遠位端部が前壁164に接触するように、約0mmであっても良い。
【0064】
集毛器160の前壁164は、櫛140が、例えば、全ての毛切断長さのために、後退位置及び伸長位置にあるとき、前壁164が櫛140の遠位端140aの上及び前方に延在するような形状であっても良い。このようにして、櫛140は、全ての毛切断長さについて、集毛器160の開口169を覆い続ける。
【0065】
図7を参照すると、代替の構成では、集毛器の前壁164は、開口700を含むことができ、集毛器160が毛切断機器120に結合されると、櫛140の遠位端140aは、開口700の中に、又はそれを通って延在しても良い。それ故、前壁164と櫛140との間に、例えば、前壁164の内側面に垂直な方向に、毛が収集室168から出ることができる隙間が存在しなくても良い
【0066】
斯かる構成では、櫛歯142の長さ、例えば櫛歯の第2の部分142bは、櫛歯142及び/又は接続バー148が、櫛140が、例えば、すべての毛切断長さについて、後退位置及び伸長位置にあるときに、開口700内に又は開口700を通って延在するように選択されても良い。
【0067】
図8を参照すると、基部壁162の傾斜部分162bが、基部壁162の自由端162aに隣接して形成されても良い。傾斜部分162bは、基部壁の厚さが、自由端162aから離れて、基部壁の自由端162aでの縁の厚さまで、壁の厚さが先細となる基部壁162の一部を含んでも良い。端部の厚さは、壁の厚さより薄くても良い。
【0068】
基部壁162の傾斜部分162bの内側面162dは、毛流れ面と呼ぶことができ、切断面126及び/又は櫛面144に対して実質的に垂直であっても良い。このように傾斜部分162bの内側面162dを配置することにより、基部壁162上の集毛室168への毛の流れが改善される。
【0069】
傾斜部分162bの自由端162aとは反対側の基部壁の壁部分162cの内側面162eは、毛切断機器120の本体122、例えば、集毛器160に隣接する本体122の外面と整列しても良く、例えば、実質的に平行であっても良い。
【0070】
壁部162cの内側面162eは、傾斜部162bの内側面162dに対して角度をつけられても良い。基部壁162は、傾斜部分162bと壁部分162cとの間の角部分162fを有しても良い。基部壁162の内側面の向きは、角部162fで、例えば、傾斜部内側面162dの向きから壁部内側面162eの向きに変化しても良い。図示されるように、基部壁162の内側表面の向きは、角部分162fで離散的に、又は急激に変化しても良い。
【0071】
壁部分162cの内側面162eは、毛切断面126及び/又は切断方向Cに対してより小さい角度であっても良く、このように傾斜部分及び壁部分の内側面を向けることによって、室内への毛の流れ及び室内の毛の保持の両方が改善されても良い。
【0072】
図9に描かれるように、角部分162fに加えて、又はその代替として、基部壁162は、湾曲壁部分162gを含んでも良い。基部壁162の内側表面の向きは、自由端162aにおける切断面126及び/又は櫛形表面144に対して実質的に垂直であることから、自由端162aから離れて毛切断機器120の本体122と実質的に平行に、例えば平行に整列されるように、湾曲壁部分162gにわたって遷移しても良い。湾曲壁部分162gは、傾斜部分162bによって少なくとも部分的に形成しても良い。更に、又は代替的に、湾曲壁部分162gは、壁部分162cによって少なくとも部分的に形成されても良い
【0073】
図10を参照すると、毛切断機器120の本体122は、凹部122bを有しても良い。凹部122bは、集毛器が毛切断機器120に結合されたときに、集毛器160の一部を受け入れるように構成されても良い。例えば、集毛器160の基部壁162は、凹部122b内に受容されても良い。凹部122bの深さは、基部壁162の厚さ、例えば最大厚さに実質的に等しくても良い。このようにして、基部壁162の内側面は、凹部122bの周りで本体122の外面122c内に実質的に整列されても良い。換言すれば、基部壁162の内側面は、凹部122bが本体122に設けられていない場合、本体122の外面となる位置に配置されても良い。
【0074】
図11を参照すると、集毛器160は、毛保持壁1000を更に有しても良い。毛保持壁1000は、基部壁162から収集室168内に延在しても良い。毛保持壁1000は、収集室168の閉鎖端と開口169との間に配置される。毛保持壁1000は、収集室168の横幅を横切って、例えば、側壁166の間に延在しても良い。毛保持壁1000と集毛器160の前壁164との間に毛ギャップ1002を残して、毛が毛保持壁1000を通過して集毛室168の閉鎖端に向かって移動することを可能にしても良い。
図11に示されるように、切断された毛は、壁1000によって、例えば、壁1000と集毛室168の閉鎖端との間に保持されても良い。
【0075】
図示のように、毛保持壁1000は、切断面126、切断方向C及び/又は櫛面144に垂直な成分を有する方向に基部壁162から延在しても良い。例えば、毛保持壁1000は、切断面126に実質的に垂直な方向に基部壁162から離れるように延びても良い。毛保持壁1000がこのような向きとされる場合、毛保持壁1000は、毛切断システム100が人の頭部の頂部などの実質的に水平な表面上で使用されているときに、収集室168内に毛を保持するのに特に有効であり得る。
【0076】
本発明は、1つ又は複数の例示的な例を参照して例として説明されたが、開示された例に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、代替の例を構成しても良いことが、当業者には理解されよう。