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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】ガスレンジ用マット
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/14 20060101AFI20250311BHJP
【FI】
F24C15/14 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021055354
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022152544
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000222141
【氏名又は名称】東洋アルミエコープロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(72)【発明者】
【氏名】中川 圭一
(72)【発明者】
【氏名】木村 将俊
(72)【発明者】
【氏名】角屋 静江
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-219065(JP,A)
【文献】実開昭56-026311(JP,U)
【文献】国際公開第2018/228660(WO,A1)
【文献】中国実用新案第209569728(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/14
F24C 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスレンジのトッププレート上においてガスバーナーの周囲に設置されるバーナーリングを覆うことが可能な、五徳よりも外径の小さなマット本体と、
前記マット本体に形成され、前記ガスバーナーを挿通可能な、前記ガスバーナーの外径とほぼ同径の開口と、
前記マット本体に形成され、前記開口の外径から延び、前記ガスバーナーの周囲に付属する点火プラグおよび立ち消え防止用の安全装置を挿通可能な切り欠き部と、
前記マット本体に形成され、前記バーナーリングに前記ガスレンジとの位置合わせのために設けられた嵌合凹凸部に対応する位置に設けられた、目印としての孔と、
を備え、
前記目印としての孔は、前記開口および前記切り欠き部とは連続していない、
ガスレンジ用マット。
【請求項2】
前記切り欠き部は、
異なる配置パターンの前記点火プラグおよび前記立ち消え防止用の安全装置がいずれも挿通可能なように、前記開口の外周に沿って複数設けられている、請求項1に記載のガスレンジ用マット。
【請求項3】
前記目印としての孔は、
異なる配置パターンの前記嵌合凹凸部がいずれも位置合わせ可能なように前記マット本体の周方向に複数設けられている、請求項1または2に記載のガスレンジ用マット。
【請求項4】
前記マット本体は、
前記バーナーリング上に載る円形の天板と、
前記バーナーリングと前記トッププレートとの高低差に相当する高さだけ前記天板の外周から垂下するスカート部と、を有する請求項1から3のいずれかに記載のガスレンジ用マット。
【請求項5】
前記マット本体は、
前記スカート部の外周に縁巻き部をさらに有する請求項4に記載のガスレンジ用マット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスレンジのガスバーナー周りに設置されるマットに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスレンジのトッププレートは、調理中に食品屑、油や調味液が飛散したり、煮汁が吹きこぼれるなどして、汚れが付着しやすいため、このトッププレートを覆うガスレンジ用マットが種々考案されている。
トッププレートをガスレンジ用マットで覆うと、汚れはガスレンジ用マットに付着するため、トッププレート自体は汚れにくくなる。またガスレンジ用マットの汚れは、比較的容易に拭き取ることが可能である。
【0003】
このようなガスレンジ用マットとして、特許文献1のように、ガスレンジにおけるガスバーナーを挿通するための開口が形成され、その開口と同心円状にミシン目などからなる複数の開口補助線が形成されたドーナツ状のシート体からなるものが知られている。
特許文献1のガスレンジ用マットでは、開口補助線を切り取り、開口の大きさを調節することで、種々の外径のガスバーナーの周囲に設置することが可能となる。
【0004】
また、トッププレート上においてガスバーナーの周囲には、バーナーリングが設置されているところ、特許文献2のように、ガスバーナーの周囲からバーナーリングの外周よりも外方にかけてを覆うように構成されたガスレンジ用マットも開発されている。
具体的には、バーナーリングの外周部とトッププレートとの間には段差が存在するところ、特許文献2のガスレンジ用マットは、ガスバーナーを挿通するための開口を有しバーナーリングを覆う内周部と、トッププレートの上記段差よりも外方を覆う外周部と、これら内周部と外周部とを上記段差の高さに相当する高低差で連結する段差部とからなる。
内周部がバーナーリングに、外周部がトッププレートに、それぞれ適切に接触するため、バーナーリングからトッププレートに亘る広い領域を覆うことができ、その汚れを防止することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-7513号公報
【文献】特開2019-219065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および2のいずれのガスレンジ用マットも、その開口径はガスバーナーが挿通しやすいように、ガスバーナーの外形よりも相応に大きく設定されているため、その開口よりも内側に位置するバーナーリングの内周近傍は、調理時の吹きこぼれ等により汚れてしまうおそれがある。
【0007】
ここで、従来のガスレンジでは、ガスバーナーの周辺部品が取り外し可能になっていたため、バーナーリングが汚れればこれを取り外して洗浄することが可能であったし、洗浄しても汚れが取れない場合はそのバーナーリングのみを交換すればよかった。
ところが、近年のガスレンジでは、清掃のしやすさ等を考慮してバーナーリング等の周辺部品が取り外しできない形式のものが増加しており、その場合、洗浄しても汚れが取れない場合は、ガスレンジ全体を取り換えなければならなかった。
したがって、バーナーリングの汚れを防止する要請は近年さらに高まっているといえる。
【0008】
この点、ガスレンジ用マットの開口を狭めて、バーナーリングの内周近傍の汚れを防止することも考えられるが、ガスバーナーの外周部かつバーナーリングの内周近傍には、点火プラグ(電極)や立ち消え防止用の安全装置(炎検知センサー)が設けられている。
このため、単純に開口を狭めていくと、これら点火プラグや立ち消え防止用の安全装置とマットとが干渉してしまい、ガスバーナーの点火や安全装置の作動に支障が生じてしまうおそれがあり、火事等の原因となりうる。
【0009】
そこで本発明の解決すべき課題は、ガスレンジ用マットにおいて、点火プラグや立ち消え防止用の安全装置の作動に支障が生じることなく、調理時にバーナーリングが汚れるのを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するため、発明にかかるガスレンジ用マットを、ガスレンジのトッププレート上のガスバーナーの周囲に設置されるバーナーリングを覆うことが可能なマット本体と、前記マット本体に形成され、前記ガスバーナーを挿通可能な、前記ガスバーナーの外径とほぼ同径の開口と、前記マット本体に形成され、前記開口の外径から延び、前記ガスバーナーの周囲に付属する点火プラグおよび立ち消え防止用の安全装置を挿通可能な切り欠き部と、を備える構成としたのである。
【0011】
発明にかかるガスレンジ用マットをこのように構成すると、マット本体によってバーナーリングのほぼ全体を覆うことが可能になるため、調理時におけるバーナーリングの汚損が防止される。
特に、ガスバーナーを挿通可能な開口がガスバーナーとほぼ同径であるため、バーナーリングの内周近傍においても、調理時の吹きこぼれ等による汚れを十分に阻止することができる。
なお、ここで開口がガスバーナーとほぼ同径であるとは、開口径がガスバーナーの外径と同径かこれよりわずかに大きい状態を意味する。わずかに大きいとは、バーナーリングの内周近傍において調理時の吹きこぼれ等による汚れを十分に阻止できる程度の隙間しか生じないことをいい、具体的には、開口径がガスバーナーの外径よりも最大でも数mm程度しか大きくないことを意味する。
【0012】
また、発明にかかるガスレンジ用マットは、開口の周囲に切り欠き部を有し、設置状態においてこの切り欠き部内に点火プラグや立ち消え防止用の安全装置が位置するため、マット本体が点火プラグや立ち消え防止用の安全装置と干渉することがなく、これらの作動に支障が生じることがない。
なお、切り欠き部は、点火プラグと立ち消え防止用の安全装置が個別に挿通するように複数設けても、一緒に挿通するように単数設けても、いずれもでもよい。
【0013】
発明にかかるガスレンジ用マットにおいて、前記切り欠き部は、異なる配置パターンの前記点火プラグおよび前記立ち消え防止用の安全装置がいずれも挿通可能なように、前記開口の外周に沿って複数設けられている構成を採用することが好ましい。
【0014】
点火プラグや立ち消え防止用の安全装置は、ガスレンジのメーカーの違い、ガスバーナーの大きさの違い等によって種々の配置パターンが存在するところ、それらの複数パターンがいずれも挿通可能なように切り欠き部を配置することで、一つのガスレンジ用マットを各種ガスレンジに兼用することができる。
【0015】
発明にかかるガスレンジ用マットにおいて、前記バーナーリングに前記ガスレンジとの位置合わせのために設けられた嵌合凹凸部に対応する位置に、目印をさらに備える構成を採用することが好ましい。
【0016】
マット本体でバーナーリングを覆った場合に、バーナーリングの嵌合凹凸部が視認できなくなるため、その上から五徳をはめ合わせにくくなるが、このマット本体の嵌合凹凸部と対応する位置に目印を設けておくことで、マット本体のうえからもバーナーリングの嵌合凹凸部の位置を確認することができる。このため、嵌合凹凸部同士をはめ合わせる作業を容易におこなうことができる。
なお、目印としては、印刷、孔、切れ込み、透明部などが考えられるが、孔とするのが、形成が容易でありその孔を通じて嵌合凹凸部を直接視認可能でもあるためより好ましい。
【0017】
発明にかかるガスレンジ用マットにおいて、前記目印は、異なる配置パターンおよび数の前記嵌合凹凸部がいずれも位置合わせ可能なように、前記マット本体の周方向に複数設けられている構成を採用することが好ましい。
【0018】
バーナーリングおよび五徳の嵌合凹凸部は、ガスレンジのメーカーの違い等によって種々の配置パターンや数が存在するところ、それらの複数パターンがいずれも位置合わせ可能なように目印を設けることで、一つのガスレンジ用マットを複数種のガスレンジに兼用することができる。
【0019】
発明にかかるガスレンジ用マットにおいて、前記マット本体は、前記バーナーリング上に載る円形の天板と、前記バーナーリングと前記トッププレートとの高低差に相当する高さだけ前記天板の外周から垂下するスカート部と、を有する構成を採用することが好ましい。
【0020】
マット本体の形状をバーナーリングの形状に概ね合致させることで、バーナーリングを覆うことが容易となり、バーナーリングに煮汁等が付着することを一層防止することができる。
【0021】
発明にかかるガスレンジ用マットにおいて、前記マット本体は、前記スカート部の外周に縁巻き部をさらに有する構成を採用することが好ましい。
【0022】
このように構成すると、吹きこぼれしてマット本体上を伝う煮汁等が縁巻き部により堰き止められるため、マット本体の外周からトッププレート上へと流出し、トッププレートが汚れるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
発明にかかるガスレンジ用マットを以上のように構成したので、点火プラグや立ち消え防止用の安全装置の作動に支障が生じることなく、調理時にバーナーリングが汚れるのを防止することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】ガスレンジ用マットの使用状態を示す斜視図
図2】ガスレンジ用マットの使用状態を示す拡大分解斜視図
図3】ガスレンジ用マットの使用状態を示す縦断面図
図4】ガスレンジ用マットの(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は縦断面図
図5】ガスレンジ用マットのガスレンジの各種部品との嵌り合いを示す平面図
図6】他の例のガスレンジ用マットの斜視図
図7】他の例のガスレンジ用マットの平面図
図8】他の例のガスレンジ用マットの(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1から図4に示す実施形態のガスレンジ用マット1は、図1から図3のように、ガスレンジ50のトッププレート上でガスバーナー51の周囲に位置するバーナーリング52を覆うように設置され、調理中に食品屑、油や調味液が飛散したり、煮汁が吹きこぼれるなどして、バーナーリング52に汚れが付着することを防止するものである。
【0026】
図4のように、実施形態のガスレンジ用マット1は、アルミニウム箔などの金属箔をプレス成形してなるマット本体10を備える。
金属箔の厚みは特に限定されないが、30~50μmが好ましい。厚みが50μmを上回ると後述する開口20の縁で手を切りやすくなるおそれがあり、厚みが30μmを下回ると厚みが薄すぎて破れやすくなりマット本体10を成形するのが困難となるおそれがある。
マット本体10は、円形の天板11と、天板11の周縁から垂下するスカート部12と、スカート部12の周縁に形成された上向きに巻く縁巻き部13からなり、全体として底の浅い皿を伏せたような形状をしている。スカート部12には、フランジ12aが付属している。
【0027】
マット本体10の天板11の外径は、ガスレンジ50のバーナーリング52の外径にほぼ等しいかやや大きく設定され、スカート部12の高さは、バーナーリング52のトッププレートからの突出高さとほぼ等しいかやや大きく設定されている。
このため、マット本体10をバーナーリング52に被せると、バーナーリング52のほぼ全体が覆われることになる。これにより、バーナーリング52に汚れが付着することが防止される。
【0028】
図1から図3のように、マット本体10を設置した状態で、そのスカート部12の付属するフランジ12aおよび縁巻き部13は、バーナーリング52の外側のトッププレート53の上に位置する。
天板11に付着した煮汁等が、天板11の外縁から流下しても、フランジ12aにより受け止められるため、トッププレート53が汚れることが防止される。
フランジ12aに流下した煮汁等が、さらにマット本体10上から流れ出ようとしても、縁巻き部13により堰き止められるため、汚れが拡散することが防止される。なお、縁巻き部13は、手指の怪我防止にも資する。
【0029】
図4のように、マット本体10の天板11の中央部には、円形の開口20が形成されている。開口20は、トムソン刃で打ち抜く等することで形成されている。
開口20の径は、ガスレンジのガスバーナーの外径にほぼ等しいかやや大きく設定されており、図1から図3のように、マット本体10を設置した状態で、この開口20にガスバーナー51が挿通するようになっている。ここでガスバーナー51は、その中央から上方に突出する温度センサー51aが付属しており、バーナーキャップ51bが被せられている。
開口20とガスバーナー51との間に隙間がほとんど生じないため、隙間を通じてバーナーリング52の内周近傍に、調理時の吹きこぼれ等による汚れが付着することが防止される。
【0030】
図4のように、マット本体10の天板11の開口20縁には、開口20に連続する切り欠き部30が形成されている。切り欠き部30は、トムソン刃で打ち抜く等することで形成されている。
切り欠き部30は、開口20の外径方向に延び、かつ開口20の周方向に一定の幅を持ち、全体として矩形の形状となっている。
切り欠き部30は、開口20の周方向に所定のパターンで複数が並列している。各切り欠き部30において、径方向の長さはほぼ均一であるが、周方向の幅については異なるものが存在する。
図1から図3のように、マット本体10を設置した状態で、この切り欠き部30にガスバーナー51の外周基部に炎口に臨むようにして付属する点火プラグ51cおよび立ち消え防止用の安全装置51dが挿通するようになっている。
これにより、マット本体10が点火プラグ51cや立ち消え防止用の安全装置51dに当たったり、被さったりして干渉することがなく、これら点火プラグ51cや立ち消え防止用の安全装置51dの作動に支障が生じないようになっている。
【0031】
切り欠き部30の配置パターンは、市販されている一般的なガスレンジ50における点火プラグ51cおよび立ち消え防止用の安全装置51dの配置パターンに合致するように設定されている。
すなわち、図5のように、一般的なガスレンジ50における点火プラグ51cおよび立ち消え防止用の安全装置51dの配置パターンは数種存在するところ、そのいずれの配置パターンにおいても、点火プラグ51cおよび立ち消え防止用の安全装置51dが共に切り欠き部30を挿通するように、切り欠き部30の位置および数が定められている。
これにより、一つのガスレンジ用マット1を、複数種のガスレンジ50に対応できるものとして兼用することが可能となっている。
【0032】
図4のように、マット本体10の天板11の外周近傍には、目印としての孔40が形成されている。孔40は、開口20および切り欠き部30とは連続していない。
孔40は、矩形をしており、天板11の周方向に所定のパターンで複数が並列している。
図2および図3のように、ガスレンジ50において、バーナーリング52と鍋等を支持するための五徳54とは互いの位置合わせのための嵌合凹凸部52a、54aが存在するところ、バーナーリング52上にマット本体10を設置した状態で、この孔40とバーナーリング52の嵌合凹凸部とを合致させておくと、その上から五徳の位置合わせをおこなうことが容易になる。図示においては、五徳54の嵌合凹凸部54aが、孔40を挿通している。
【0033】
孔40の配置パターンは、市販されている一般的なガスレンジ50におけるバーナーリング52の嵌合凹凸部52aと五徳54の嵌合凹凸部54aの配置パターンに合致するように設定されている。
すなわち、図5のように、一般的なガスレンジ50におけるバーナーリング52と五徳54の嵌合凹凸部52a、54aの配置パターンは数種存在するところ、そのいずれの配置パターンにおいても、バーナーリング52の嵌合凹凸部52aと合致可能なように、孔40の位置および数が定められている。
これにより、一つのガスレンジ用マット1を、複数種のガスレンジ50に対応できるものとして兼用することが可能となっている。
【0034】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲内およびこれと均等の意味でのすべての修正と変形を含む。
【0035】
実施形態では、マット本体10を金属箔をプレス成形してなる底の浅い皿を伏せたような形状としたが、マット本体10の形状はこれに限定されず、たとえばシリコーンゴムや不燃紙、ガラス繊維シート、これらの複合体などからなる耐熱性および柔軟性の高いシート体から構成し、バーナーリング52に変形させつつ被せるようにしてもよい。
また、マット本体10が金属箔からなる場合でも、その形状は実施形態に限定されず、たとえばフランジ12aや縁巻き部13を省略することも可能である。
実施形態では、マット本体10は、ガスバーナー51の周囲のみを覆う態様としているが、これに限定されず、たとえば図6のように、トッププレート53のほぼ全体を覆うようにしてもよい。その場合、トッププレート53上の複数のガスバーナー52がそれぞれ挿通するように、マット本体10には、複数の開口20およびその縁に付属する切り欠き部30を設けることになる。
【0036】
切り欠き部30および孔40の配置パターンおよび数は実施形態に限定されない。
たとえば、実施形態では、複数の配置パターンの点火プラグ51c、立ち消え防止用の安全装置51dおよび嵌合凹凸部52a、54aに対応可能なように、切り欠き部30および孔40を配置しているが、特定のガスレンジ専用品として、単一の配置パターンの点火プラグ51c、立ち消え防止用の安全装置51d及び嵌合凹凸部52a、54aにのみ対応可能なように、切り欠き部30および孔40を配置してもよい。その場合、切り欠き部30および孔40の数が少なくなるため、バーナーリング52の汚れを一層防止することができる。
実施形態では、孔40の形成範囲は天板11のみとなっているが、図7のように、天板11からスカート部12にかけて形成したり、天板11からフランジ12aにかけて形成したりしてもよい。
また、図8のように、単一の切り欠き部30に、点火プラグ51cと立ち消え防止用の安全装置51dが共に収まるようにしてもよい。
【0037】
実施形態では、切り欠き部30を矩形としたが、点火プラグ51cおよび立ち消え防止用の安全装置51dを挿通可能である限り、その形状はこれに限定されず、半円形、半長円形などとしてもよい。
【0038】
実施形態では、目印としての孔40を示したが、目印の種類はこれに限定されず、マークを印刷したり、凹部または凸部を設けたり、透明部を設けたりすることが例示できる。また、目印として孔40を採用する場合も、その形状は実施形態に限定されず、円形、楕円形、多角形などでもよい。また、目印は省略することもできる。
【符号の説明】
【0039】
1 ガスレンジ用マット
10 マット本体
11 天板
12 スカート部
12a フランジ
13 縁巻き部
20 開口
30 切り欠き部
40 孔
50 ガスレンジ
51 ガスバーナー
51a 温度センサー
51b バーナーキャップ
51c 点火プラグ
51d 立ち消え防止用の安全装置
52 バーナーリング
52a 嵌合凹凸部
53 トッププレート
54 五徳
54a 嵌合凹凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8