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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】イソプレンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 5/333 20060101AFI20250311BHJP
   C07C 11/18 20060101ALI20250311BHJP
   C07C 11/10 20060101ALI20250311BHJP
   C07C 9/18 20060101ALI20250311BHJP
   C07C 5/25 20060101ALI20250311BHJP
   C07C 7/04 20060101ALI20250311BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20250311BHJP
【FI】
C07C5/333
C07C11/18
C07C11/10
C07C9/18
C07C5/25
C07C7/04
C07B61/00 300
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021551723
(86)(22)【出願日】2020-10-09
(86)【国際出願番号】 JP2020038325
(87)【国際公開番号】W WO2021070939
(87)【国際公開日】2021-04-15
【審査請求日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】P 2019185966
(32)【優先日】2019-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100188949
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 成典
(74)【代理人】
【識別番号】100214215
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼梨 航
(72)【発明者】
【氏名】梅田 匡
(72)【発明者】
【氏名】眞弓 和也
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 泰之
【審査官】高森 ひとみ
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02985696(US,A)
【文献】英国特許出願公開第00875346(GB,A)
【文献】特開2015-151391(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0043144(US,A1)
【文献】特開平05-097718(JP,A)
【文献】特開平09-118637(JP,A)
【文献】特表2012-528097(JP,A)
【文献】特開2014-205818(JP,A)
【文献】特開2003-183188(JP,A)
【文献】「石油化学」から「天然資源化学」へ シェール革命と現代的石炭化学のインパクト,ARCリポート,RS-970,株式会社 旭リサーチセンター,2014年04月,pp.1-15
【文献】横田久司 他,ガソリン給油ロスによるVOCの排出について,大気環境学会誌,2012年,Vol.47,No.5,pp.231-239
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガソリンを蒸留塔に投入し、前記ガソリンから、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分を分離する第一分離工程と、
前記第一分離工程の直後に、前記第一分離工程で得られたC5留分をイソアミレン分離装置に供し、前記第一分離工程で得られたC5留分から、イソアミレンを分離し、イソアミレンを分離したC5留分から更にイソペンタンを分離する第二分離工程と、
前記第二分離工程の後、前記第二分離工程で得られたC5留分を異性化装置に供し、前記第二分離工程で得られたC5留分を異性化触媒と接触させて、イソアミレンを生成する異性化工程と、
前記第二分離工程で分離したイソアミレン及び前記異性化工程で生成したイソアミレンを脱水素反応に供してイソプレンを生成する脱水素工程と、
を含む、イソプレンの製造方法。
【請求項2】
前記異性化工程が、前記第二分離工程で得られたC5留分の一部のみを異性化触媒と接触させて、イソアミレンを生成することを含む、請求項1に記載のイソプレンの製造方法。
【請求項3】
前記異性化工程が、前記第二分離工程で得られたC5留分の全量の50質量%以上を異性化触媒に供することを含む、請求項1又は請求項2に記載のイソプレンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソプレンの製造方法に関する。
本願は、2019年10月9日に日本に出願された、特願2019-185966号に基づき優先権主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
イソプレンは、合成ゴム等の主成分として需要が高く、工業的に多く利用されている。イソプレンは、例えば、ナフサを熱分解してエチレンを生産する際に副生する、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分から、抽出蒸留によって回収することで得ることができる。また、特許文献1には、当該抽出蒸留の抽出残油から、イソアミレンを回収し、当該イソアミレンを脱水素反応させることでイソプレンを製造することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-151391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、イソプレンの需要が更に増加している。しかしながら、ナフサクラッカーは世界的にも設備数が少ないため、ナフサクラッキングにより副生するC5留分を原料としてイソプレンを製造する場合、その生産量に限界があった。
一方、ガソリンはこれまで多岐分野にわたる燃料として大量に生産されてきた。しかしながら、近年、環境問題を考慮して、ガソリンに替わる種々のクリーンエネルギーが提案されている。そのため、将来的にガソリンの要求量が減少することが予想され、ガソリンの燃料以外の用途への転用が求められている。
また、従来、ガソリンは燃料としての需要が圧倒的に高かったため、ガソリンの製造プロセスにおける副生成物は需要が低く、有効活用されていないという実情があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ガソリンを原料として、イソプレンを高い収率で製造することが可能な、イソプレンの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様は、ガソリンから、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分を分離する第一分離工程と、前記第一分離工程で得られたC5留分から、イソアミレンを分離する第二分離工程と、前記第二分離工程で得られたC5留分を異性化触媒と接触させて、イソアミレンを生成する異性化工程と、前記第二分離工程で分離したイソアミレン及び前記異性化工程で生成したイソアミレンを脱水素反応に供してイソプレンを生成する脱水素工程と、を含む、イソプレンの製造方法である。
【0007】
一態様において、前記異性化工程が、前記第二分離工程で得られたC5留分の一部のみを異性化触媒と接触させて、イソアミレンを生成することを含んでもよい。
一態様において、前記異性化工程が、前記第二分離工程で得られたC5留分の全量の50質量%以上を異性化触媒に供することを含んでもよい。
一態様において、前記第二分離工程が、イソアミレンを分離したC5留分から更にイソペンタンを分離することを含んでもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ガソリンから、イソプレンを高い収率で製造することが可能な、イソプレンの製造方法が提供出来る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態に係るイソプレンの製造方法は、ガソリンから、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分を分離する第一分離工程と、前記第一分離工程で得られたC5留分から、イソアミレンを分離する第二分離工程と、前記第二分離工程で得られたC5留分を異性化触媒と接触させて、イソアミレンを生成する異性化工程と、前記第二分離工程で分離したイソアミレン及び前記異性化工程で生成したイソアミレンを脱水素反応に供してイソプレンを生成する脱水素工程と、を含む。
ガソリンとしては、例えば流動接触分解装置より得られるガソリン留分(接触分解ガソリン)や、熱分解装置より得られるガソリン留分(熱分解ガソリン)を好適に用い得るが、これに限定されない。
【0010】
上記製造方法によれば、ガソリンに含まれるC5留分が効率的にイソプレンに変換されるため、ガソリンから高い収率でイソプレンを製造することができる。
【0011】
以下、本実施形態に係る製造方法の各工程について詳述する。
【0012】
<第一分離工程>
第一分離工程では、ガソリンから、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分を分離する。
本実施形態において、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分は、炭素数5の炭化水素を70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含む。
【0013】
第一分離工程で分離された炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分(以下、「(C5-1)留分」という場合がある。)は、炭素数5の炭化水素として少なくともn-ペンテン、イソペンタン、n-ペンタン及びイソアミレンを含む。また、(C5-1)留分は、炭素数5の炭化水素として、イソプレン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、ピペリレン等を更に含んでいてもよい。
【0014】
当該(C5-1)留分中のn-ペンテンの含有割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上である。このような含有割合であると、上述の発明の効果がより顕著に奏される。(C5-1)留分中のn-ペンテンの含有割合は、例えば70質量%以下であってよく、60質量%以下であってもよい。
【0015】
当該(C5-1)留分中のイソペンタンの含有割合は、例えば10質量%以上、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。このような含有割合であると、上述の発明の効果がより顕著に奏される。(C5-1)留分中のイソペンタンの含有割合は、例えば70質量%以下、好ましくは60質量%以下であってよく、より好ましくは50質量%以下であってもよい。
【0016】
当該(C5-1)留分中のn-ペンタンの含有割合は、例えば1質量%以上、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上である。このような含有割合であると、上述の発明の効果がより顕著に奏される。(C5-1)留分中のn-ペンタンの含有割合は、例えば30質量%以下であってよく、20質量%以下であってよい。
【0017】
当該(C5-1)留分中のイソアミレンの含有割合は、例えば10質量%以上、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上である。(C5-1)留分中のイソアミレンの含有割合は、例えば70質量%以下、好ましくは60質量%以下であってよく、より好ましくは50質量%以下であってもよい。
【0018】
(C5-1)留分は、n-ペンテン、イソペンタン、n-ペンタン及びイソアミレン以外の他の成分を含む場合、当該他の成分の含有量は、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
【0019】
第一分離工程において、C5留分を分離する方法は特に限定されず、従来公知の方法で行うことができる。
なお、第一分離工程において、(C5-1)留分を分離した残留留分中のイソペンタン、C6留分、ガソリン留分等は、別途分離回収してもよい。
【0020】
<第二分離工程>
第二分離工程では、前記第一分離工程で得られたC5留分((C5-1)留分)から、イソアミレンを分離する。
(C5-1)留分から、イソアミレンを分離する方法は特に限定されず、公知の方法で行うことができる。例えば、硫酸等を抽出剤に用いた抽出分離等の方法で行うことができる。(C5-1)留分からイソアミレンを分離するのに用いるイソアミレン分離装置は特に限定されない。
【0021】
第二分離工程においては、イソアミレンを分離したC5留分(以下、「(C5-2)留分」という場合がある。)から更にイソペンタンを分離することが好ましい。
(C5-2)留分から更にイソペンタンを分離することにより、プロセスに供するストリーム中に主にイソペンタンが蓄積することを抑制することができる。その結果、例えば、第二分離工程におけるイソアミレン分離装置及び後述の異性化工程における異性化装置でリサイクル運転を行った場合に各装置入口流量を減少させることができ、イソアミレン分離装置および異性化装置でのイソアミレン収率をより向上することができる。また、イソペンタンの分離は、製造プロセス効率向上の観点からイソアミレン分離ののちに行うことが望ましい。
【0022】
第二分離工程において、(C5-2)留分から更にイソペンタンを分離する方法は特に限定されず、公知の方法で行うことができ、例えば蒸留を用いてよい。また、(C5-2)留分からイソペンタンを分離する装置は特に限定されない。なお、以下、(C5-2)留分から更にイソペンタンを分離したC5留分を、(C5-3)留分という場合がある。
【0023】
第二分離工程においては、(C5-2)留分の一部をパージして取り除き、残りを後述の異性化工程に供してもよい。これにより異性化工程に供するストリーム中にイソアミレン以外の炭素数5の炭化水素(イソペンタンを含む)が蓄積することを抑制できる。この(C5-2)留分をパージする工程は、単独で実施してもよいし、上記(C5-2)留分からイソペンタンを分離する工程と合わせて実施してもよい。後者の場合、(C5-2)留分をパージする工程は、イソペンタンを分離する前に実施するのが好ましい。この(C5-2)留分をパージする比率は、好ましくは50質量%以下である。
【0024】
<異性化工程>
異性化工程では、前記第二分離工程で得られたC5留分((C5-2)留分及び/又は(C5-3)留分)を異性化触媒と接触させて、イソアミレンを生成する。
より具体的には、異性化工程では、主として(C5-2)留分及び/又は(C5-3)留分に含まれるn-ペンテンをオレフィン異性化反応に供することにより、イソアミレンを生成する。
なお、異性化工程において、前記第二分離工程で得られたC5留分の一部のみを異性化触媒に供することが好ましく、前記第二分離工程で得られたC5留分の全量の50質量%以上を異性化触媒に供することがより好ましい。
【0025】
異性化触媒には、例えばゼオライト触媒を用いることができる。使用するゼオライトには、少なくとも部分的に水素型であることが好ましく、例えばMFI型、FER型、AEL型のゼオライトを用いることができるが、これに限定されない。ゼオライトはマトリックスまたはバインダーと称される他の物質に組み込まれていてもよい。
【0026】
異性化反応の条件は特に限定されず、例えば、反応温度は50~500℃であってよく、100~400℃であってよく、200~300℃であってよい。反応温度が350℃以上であれば、軽質炭化水素の生成量が一層多くなる傾向がある。反応圧力、すなわち反応器内の気圧は0.01~20MPaであってよく、0.1~10MPaであってよく、0.5~5MPaであってよい。
【0027】
異性化反応を実施する反応装置は特に限定されない。異性化反応を原料ガスを連続的に供給する連続式の反応装置で行う場合、重量空間速度(以下、「WHSV」という。)は、0.1~500h-1であってよく、0.1~400h-1であってもよく、5~100h-1であってよい。ここで、WHSVとは、連続式の反応装置における、脱水素触媒の質量Wに対する原料ガスの供給速度(供給量/時間)Fの比(F/W)である。なお、原料ガス及び触媒の使用量は、反応条件、触媒の活性等に応じて更に好ましい範囲を適宜選定してよく、WHSVは上記範囲に限定されるものではない。
【0028】
なお、(C5-2)留分及び/又は(C5-3)留分には、少量のn-ペンタンが含まれている場合がある。かかる場合、(C5-2)留分及び/又は(C5-3)留分に含まれるn-ペンタンをパラフィン異性化反応に供することができる。
異性化工程において、n-ペンテンとn-ペンタンの両方の異性化能を持たせることでプロセスに供するストリーム中にn-ペンタンが蓄積することを抑制できる。その結果、例えば、第二分離工程におけるイソアミレン分離装置及びイソペンタン分離装置、ならびに異性化工程における異性化装置のリサイクル比率を減少させることができる。
パラフィン異性化反応の方法は特に限定されず、従来公知の方法で行うことができる。
【0029】
異性化工程で生成したイソアミレンの一部又は全部は、製造プロセス効率向上の観点から、第二分離工程において分離したイソアミレンと合流させる。この場合、異性化工程で生成したイソアミレンを含むストリームは、第二分離工程において(C5-1)留分から分離したイソアミレンと合流させてもよいし、第二分離工程(イソアミレン分離装置)にリサイクルさせてもよい。
【0030】
<脱水素工程>
脱水素工程では、前記第二分離工程で分離したイソアミレン及び前記異性化工程で生成したイソアミレンを脱水素反応に供してイソプレンを生成する。
本実施形態においては、前記第二分離工程で分離したイソアミレンのみならず、異性化工程で生成したイソアミレンも脱水素反応に供することにより、イソプレンの収率を向上することができる。
【0031】
脱水素工程における脱水素反応の条件は特に限定されず、イソアミレンをイソプレンに変換することが可能な触媒及び条件であれば特に制限なく用いることができる。
【0032】
脱水素触媒には、例えば無機酸化物担体に、活性金属を担持した触媒を用いることができる。活性金属源には、白金、スズ、クロム、鉄、ビスマス、モリブデン、マンガン、コバルト、セリウム、ルテニウム及びイリジウムからなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。
【0033】
脱水素反応の条件は特に限定されず、例えば、反応温度は300~800℃であってよく、500~700℃であってよい。反応圧力、すなわち反応器内の気圧は0.01~1MPaであってよく、0.05~0.8MPaであってよく、0.1~0.5MPaであってよい。反応圧力が上記範囲にあると、脱水素反応がより進行し易くなり、一層優れた反応効率が得られる傾向がある。
【0034】
脱水素反応を実施する反応装置は特に限定されない。脱水素反応を原料ガスを連続的に供給する連続式の反応装置で行う場合、重量空間速度(以下、「WHSV」という。)は、0.1h-1以上であってよく、1.0h-1以上であってもよく、100h-1以下であってよく、30h-1以下であってもよい。ここで、WHSVとは、連続式の反応装置における、脱水素触媒の質量Wに対する原料ガスの供給速度(供給量/時間)Fの比(F/W)である。なお、原料ガス及び触媒の使用量は、反応条件、触媒の活性等に応じて更に好ましい範囲を適宜選定してよく、WHSVは上記範囲に限定されるものではない。
【0035】
脱水素反応の反応装置の形式は、例えば、固定床式、移動床式又は流動床式であってよい。これらのうち、設備コストの観点からは固定床式が好ましい。
【実施例
【0036】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
(原料ガソリン)
実施例1及び比較例1において、下記表1に示すC5組成を有するガソリンを原料として用いた。
【0038】
【表1】
【0039】
[実施例1]
<第一分離工程>
前記表1に示すC5組成を有するガソリン(第1ストリーム。相対流量:100)を、蒸留塔に投入し、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分を蒸留分離した(第2ストリーム。相対流量:35)。
【0040】
<第二分離工程>
第一分離工程で得たC5留分((C5-1)留分)をイソアミレン分離装置に供し、イソアミレンを分離した。
イソアミレンを分離したC5留分(C5-2留分)(第3ストリーム。相対流量:57)を、イソペンタン蒸留装置に供し、イソペンテンを分離した。
【0041】
<異性化工程>
前記第二分離工程で得られたC5留分((C5-3)留分)(第4ストリーム。相対流量:41)をオレフィン異性化装置に供し、イソアミレンを生成した。
異性化工程で得られたイソアミレン(第5ストリーム。相対流量:41)をイソアミレン分離装置に合流した。
【0042】
<脱水素工程>
第二分離工程で分離したイソアミレン及び前記異性化工程で生成したイソアミレン(第6ストリーム。相対流量:19)を脱水素反応器に供し、イソプレンを生成した。
脱水素工程で生成したイソプレンを分離及び回収した(第7ストリーム。相対流量:16)。
【0043】
実施例1における第1~第7ストリームの組成を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
[比較例1]
<第一分離工程>
前記表1に示すC5組成を有するガソリン(第1ストリーム。相対流量:100)を、蒸留塔に投入し、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分を蒸留分離した(第2ストリーム。相対流量:35)。
【0046】
<第二分離工程>
第一分離工程で得たC5留分((C5-1)留分)をイソアミレン分離装置に供し、イソアミレンを除くC5留分(第3ストリーム。相対流量:26)からイソアミレンを分離した。(第4ストリーム。相対流量:8)
【0047】
<脱水素工程>
第二分離工程で分離したイソアミレンを脱水素反応器に供し、イソプレンを生成した。
脱水素工程で生成したイソプレンを分離及び回収した(第5ストリーム。相対流量:7)。
【0048】
比較例1における第1~第5ストリームの組成を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
表2及び3に示す結果から、異性化工程を行った実施例1では、比較例1に対し、イソプレンの収率が高いことが確認された。