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特許7648658モールドセグメント構成要素の製造方法、モールドセグメント構成要素、加硫モールド、及び空気入り車両用タイヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】モールドセグメント構成要素の製造方法、モールドセグメント構成要素、加硫モールド、及び空気入り車両用タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/02 20060101AFI20250311BHJP
   B29D 30/06 20060101ALI20250311BHJP
   B60C 11/12 20060101ALI20250311BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20250311BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20250311BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20250311BHJP
【FI】
B29C33/02
B29D30/06
B60C11/12 C
B22F10/28
B33Y10/00
B33Y80/00
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022575218
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 EP2020085032
(87)【国際公開番号】W WO2021254653
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】102020207473.9
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510156561
【氏名又は名称】コンチネンタル・ライフェン・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【住所又は居所原語表記】Continental-Plaza 1,30175 Hannover,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ホッペ・ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ジック・ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】フェルカー・バート
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-512069(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0221286(US,A1)
【文献】特開2004-230821(JP,A)
【文献】特開平10-244540(JP,A)
【文献】国際公開第2004/048062(WO,A1)
【文献】特開2018-127199(JP,A)
【文献】特開2019-019398(JP,A)
【文献】特開2015-107589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
B29C 35/00-35/18
B22F 10/28
B29D 30/00-30/72
B60C 1/00-19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド外面を有する全体的に湾曲したトレッドの少なくとも1つのプロファイルブロック又はブロック状に構造化された領域を形成するための空気入り車両用タイヤ用の加硫モールドのモールドセグメント構成要素を製造するための方法であり、前記モールドセグメント構成要素は、底部(7b)及びモールド要素とともに平坦な構築プレート(10)上に金属粉末を層ごとに平らに塗布して溶融することによる付加的プロセスによって構築され、モールド要素は、前記トレッド外面の一領域を形成する相互に隣接するモールドエリア要素(12)を区切る又はその周囲を走る方法であって、
モールドエリア要素(12)がそれぞれ単一の平坦な表面エリアとして、又は少なくとも100μmのレベル差を有する互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリア(12a)から付加的に構築され、ここですべての前記モールドエリア要素(12)又はそれらの表面エリアは互いに平行に走り、前記構築プレート(10)に対して、それらの相互配置が、前記トレッド外面の形成されるべき領域の曲率に近似するように異なるレベルに位置するエリアであることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記モールド要素が、薄板(4)及び/又は微小薄板(11)及び/又はリブ及び/又はリブの領域であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
レベルの差をもたらす側面を有する互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアを有するモールドエリア要素が、前記側面が前記薄板(4)及び/又は微小薄板(11)の経路と平行に走るように付加的に構築されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の互いに平行に延びる薄板(4)及び/又は微小薄板(11)を有するモールドセグメント構成要素を製造するための方法。
【請求項4】
モールドエリア要素(12)が、それらの表面エリアの幅(b)が最大±30%だけ互いに異なるように、互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアから付加的に構築されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
モールド要素を有するインサート(6)が、モールドセグメント構成要素として付加的に構築されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記モールド要素が、薄板(4)、微小薄板(11)及び/又はリブ(5a)及び/又はリブの部分領域であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
インサート(6)が周囲フレーム部分(7b)及び底板(10)を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
隆起及び/又は凹部の形態の構造が、モールドエリア要素(12)に表面的に印刷されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
隆起及び/又は凹部の形態の構造が、前記付加的プロセスの層厚に対応する高さ又は深さをそれぞれ有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
印刷される前記表面的な構造が、視覚的要素、幾何学的パターン、文字であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
印刷される前記表面的な構造が、均一に配置された構造であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
トレッド外面を有する全体的に湾曲したトレッドの少なくとも1つのプロファイルブロック又はブロック状に構造化された領域を形成するための空気入り車両用タイヤ用の加硫モールドの、底部(7b)及びモールド要素とともに平坦な構築プレート(10)上に金属粉末を層ごとに平らに塗布して溶融することによる付加的プロセスによって構築されたモールドセグメント構成要素であり、モールド要素は、前記トレッド外面の一領域を形成する相互に隣接するモールドエリア要素(12)を区切る又はその周囲を走る、モールドセグメント構成要素であって、
モールドエリア要素(12)が、それぞれ単一の平坦な表面エリアであるか、又は少なくとも100μmのレベル差を有する互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアからなり、ここですべての前記モールドエリア要素(12)又はそれらの表面エリアは互いに平行に走り、前記構築プレート(10)に対して、それらの相互配置が、前記トレッド外面の形成されるべき領域の曲率に近似するように異なるレベルに位置するエリアであることを特徴とするモールドセグメント構成要素。
【請求項13】
前記モールドセグメント構成要素の前記底部が、構築プレート部分及び付加的に構築された前記底部(7b)から成ることを特徴とする請求項12に記載のモールドセグメント構成要素。
【請求項14】
前記モールド要素が、薄板(4)及び/又は微小薄板(11)及び/又はリブ及び/又はリブの部分領域であることを特徴とする請求項12又は13に記載のモールドセグメント構成要素。
【請求項15】
互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアを有するモールドエリア要素(12)の場合、これらの表面エリアが、最大±30%だけ互いに異なる幅(b)を有することを特徴とする、請求項12~14のいずれか1項に記載のモールドセグメント構成要素。
【請求項16】
互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリア(12a)を有するモールドエリア要素(12)の場合、薄板(4)及び/又は微小薄板(11)と平行に走る、レベルの差を有する側面が設けられることを特徴とする、請求項12~15のいずれか1項に記載の互いに平行に延びる薄板(4)及び/又は微小薄板(11)を有するモールドセグメント構成要素。
【請求項17】
少なくとも1つのプロファイルブロックを形成し、底部及びモールド要素を有するインサート(6)であることを特徴とする、請求項12~16のいずれか一項に記載のモールドセグメント構成要素。
【請求項18】
前記インサート(6)が、溝を形成するリブ又は溝の部分を形成するリブである周囲フレーム部分(7b)を有していることを特徴とする請求項17に記載のモールドセグメント構成要素。
【請求項19】
請求項12~18のいずれか一項に記載のモールドセグメント構成要素を含むモールドセグメントを備える空気入り車両用タイヤ用の加硫モールド。
【請求項20】
溝によってプロファイルブロック(13)に分割され、及び/又はブロック状に構造化された、形状を付けられた全体的に湾曲したトレッドを有する空気入り車両用タイヤであり、プロファイルブロック(13)及び/又はブロック状構造は、それらを通過する切込み(14)及び/又は微小切込み(15)を備えて存在し、ポジティブなエリア要素(13a)が切込み(14)又は微小切込み(15)の間、又は切込み(14)及び微小切込み(15)の間、又は切込み(14)、微小切込み(15)及び溝の間に形成される空気入り車両用タイヤであって、
プロファイルブロック(13)又はブロック状構造体におけるポジティブなエリア要素(13a)が、それぞれ単一の平坦な表面エリアであるか、又はそれぞれ少なくとも100μmのレベル差で互いに段差のある状態で走る複数の表面エリアからなり、ここでプロファイルブロック又はブロック状構造体のすべての表面エリアは互いに平行に走り、異なるレベルで存在することを特徴とする空気入り車両用タイヤ。
【請求項21】
互いに平行に延びる切込み(14)及び/又は微小切込み(15)を有するプロファイルブロック(13)及び/又はブロック状構造体を有するトレッドを備える請求項20に記載の空気入り車両用タイヤであって、異なるレベルに位置する複数の表面エリアから構成されたポジティブなエリア要素(13a)の場合、これらは、前記切込み(14)及び/又は前記微小切込み(15)の経路に従うようにそれらに平行に延びる少なくとも1つのエッジによって区切られることを特徴とする空気入り車両用タイヤ。
【請求項22】
複数の表面エリアから構成されたポジティブなエリア要素の場合、これらの表面エリアは、互いに上下に段差が付けられるように異なるレベルに存在することを特徴とする、請求項20又は21に記載の空気入り車両用タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレッド外面を有する全体的に湾曲したトレッドの少なくとも1つのプロファイルブロック又はブロック状に構造化された領域を形成するための空気入り車両用タイヤ用の加硫モールドのモールドセグメント構成要素を製造するための方法に関し、このモールドセグメント構成要素は、底部と、薄板及び/又は微小薄板及び/又はリブ及び/又はリブの領域などのモールド要素とともに平坦な構築プレート上に金属粉末を層ごとに平らに塗布して溶融することによる選択的レーザ溶融などの付加的プロセスによって構築され、このモールド要素は、トレッド外面の一領域を形成する相互に隣接するモールドエリア要素を区切る又はその周囲を走る。
【0002】
本発明はさらに、トレッド外面を有する全体的に湾曲したトレッドの少なくとも1つのプロファイルブロック又はブロック状に構造化された領域を形成するための空気入り車両用タイヤ用の加硫モールドのモールドセグメント構成要素に関し、このモールドセグメント構成要素は、底部と、薄板及び/又は微小薄板及び/又はリブ及び/又はリブの領域などのモールド要素とともに平坦な構築プレート上に金属粉末を層ごとに平らに塗布して溶融することによる選択的レーザ溶融などの付加的プロセスによって構築され、このモールド要素は、トレッド外面の一領域を形成する相互に隣接するモールドエリア要素を区切る又はその周囲を走る。
【0003】
さらに本発明は、溝によってプロファイルブロックに分割され、及び/又はブロック状に構造化されている形状を付けられた全体的に湾曲したトレッドを有する空気入り車両用タイヤに関し、プロファイルブロック及び/又はブロック状構造は、それらを通過する切込み及び/又は微小切込みを備えて存在し、ポジティブなエリア要素は切込み又は微小切込みの間又は切込み及び微小切込みの間又は切込み、微小切込み及び溝の間に形成される。
【背景技術】
【0004】
空気入り車両用タイヤは加熱プレスで加硫され、この際、未処理タイヤが加硫モールドに挿入され、圧力及び熱の作用下に加硫される。ここでタイヤのトレッドは、複数のモールドセグメントからなるモールドセグメントリングによって成形及び加熱され、モールドセグメントがモールドキャビティに面するそのモールド側にリブ及び薄板などのモールド要素を備えているため、トレッドプロファイルも形成される。従来、モールドセグメントリングは、鋼合金又はアルミニウム合金から、鋳造工程とその後の機械加工によって、又は機械加工のみによって製造される。
【0005】
また、付加製造プロセス、特に選択的レーザ溶融によって、モールドセグメント構成要素又はモールドセグメントを製造することも知られている。例として、欧州特許第2 379 315 B1号明細書は、トレッドプロファイルを形成するモールド要素とともにモールドセグメントのための0.25mmから3.00mm厚のライニング層をレーザ焼結で一体的に製造することを開示している。欧州特許出願公開第2 399 695 A1号明細書は、選択的レーザ溶融によってトレッドのプロファイルを形成する要素を有する完全なモールドセグメントを製造することを開示している。独国特許出願公開第10 2018 202 603 A1号明細書は、トレッドのネガティブプロファイルを含み、生成的製造プロセス、例えば選択的レーザ溶融によって製造されるモールドセグメント構成要素を開示している。モールドセグメント構成要素は、セグメント背骨として機能する支持要素に物質的に接合される方法で接続され、その結果このようにしてハイブリッドモールドセグメントが得られる。
【0006】
モールドセグメント又はモールドセグメント構成要素を付加的に構築するとき、加硫中にトレッドの外面(ポジティブな表面エリア)を形成するモールド表面エリアは、空気入り車両用タイヤのトレッドの意図され、要求される曲率に従って構築される。付加的構築は金属粉末の層ごとの塗布とそれに続く金属粉末の溶融を伴うので、この曲率は、次々に塗布される個々の層の対応するオフセットによって形成される。その結果、内面やモールドエリア要素に多数の小さな段差が形成される。平滑化のための後続の機械加工は、特に小さなモールドエリア要素が存在する薄板又は微小薄板間で困難であり、したがって省略される。このような加硫モールドでタイヤを加硫すると、トレッドは不規則な構造を有し、視覚的に見栄えのしないポジティブなエリアを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、特に切込み、微小切込みにおける、及び切込み、微小切込み及び溝の間の表面エリアの領域を含む、加硫タイヤのトレッドのほぼ完璧な外面を保証するために、かかる段差形成を回避するという問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
方法に関して、述べられた問題は、本発明によれば、モールドエリア要素がそれぞれ単一の平坦な表面エリアとして、又は少なくとも100μmのレベル差を有する互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアから付加的に構築され、ここですべてのモールドエリア要素又はそれらの表面エリアは互いに平行に走り、構築プレートに対して、それらの相互配置が、トレッド外面の形成されるべき領域の曲率にほぼ近似するように異なるレベルに位置するエリアである点で解決される。
【0009】
本発明によるモールドセグメント構成要素は、モールドエリア要素が、それぞれ単一の平坦な表面エリアであるか、又は少なくとも100μmのレベル差を有する互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアからなり、ここですべてのモールドエリア要素又はそれらの表面エリアは互いに平行に走り、構築プレートに対して、それらの相互配置が、トレッド外面の形成されるべき領域の曲率にほぼ近似するように異なるレベルに位置するエリアであることを特徴とする。
【0010】
本発明の結果として、後続の機械加工を必要とせず、加硫タイヤ上に質的に完全なポジティブ表面エリアを形成するモールドエリア要素が形成される。互いに平行に配向された非常に小さなモールドエリア要素の配向が、形成されるべきポジティブエリア領域の曲率に近似するため、モールドの内側に本発明によるモールドセグメント構成要素から構成されたモールドセグメントを備える加硫モールドで加硫されるタイヤは、全体として視覚的に非常に魅力的なポジティブエリアを有する。
【0011】
好ましくは、モールドセグメント構成要素は、互いに平行に走る薄板及び/又は微小薄板で付加的に構築される。この実施形態では、レベル差をもたらす側面を有する互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアを有するモールドエリア要素が、側面が薄板及び/又は微小薄板の経路と平行に走るように付加的に構築されている場合、特に有利である。好ましい改良形態において、このような2つ又は3つの表面エリアから構成されたモールドエリア要素が提供される。
【0012】
空気入り車両用タイヤのトレッドの曲率は、トレッド幅にわたって大抵変化し、通常はトレッドの中央領域ではより小さく、タイヤショルダー部でいくらか大きくなる。したがって、特にタイヤショルダー側では、これらの領域を形成するモールドセグメント構成要素が、モールドエリア要素が、例えば2つ又は3つの、すなわち複数の、互いに段差のある状態で走る平坦な表面エリアから構成されるように構築されるものである場合、有利である。互いに段差のある状態で走る複数の表面エリアを有するモールドエリア要素は、タイヤのトレッドに段差のあるエッジを有するポジティブな表面エリアを形成し、これは、冬季性能、すなわち雪や氷の上でのグリップに有利である。雪及び氷の上で達成できるインターロッキング効果は、特に、互いに段差のある状態で走る表面エリアが、表面エリアが最大±30%で互いに異なる幅を有するように、トレッドを形成するモールドセグメント構成要素上に構築されている場合、特に効果的である。
【0013】
好ましくは、インサートが、モールドセグメント構成要素として、薄板、微小薄板及び/又はリブ及び/又はリブの部分領域などのモールド要素とともに、場合により周囲フレーム部分及び底板とともに、付加的に構築される。
【0014】
したがって、モールドセグメント構成要素は、特に、少なくとも1つのプロファイルブロックを形成し、底部、モールド要素、及び場合により溝形成リブ又は溝の部分を形成するリブである周囲フレーム部分を有する、インサートである。
【0015】
方法のさらに好ましい実施形態によれば、特に付加的プロセスの層厚に対応するそれぞれ高さ又は深さを有する隆起及び/又は凹部の形態の構造が、モールドエリア要素に表面的に印刷される。このように印刷されたモールドエリア要素は、加硫タイヤのトレッド上に微細構造を刻印し、これは、特に新しいタイヤにおいて、特に良好な氷及び雪に対するグリップ特性を保証する。この点で、網状構造など規則的な実施形態の表面構造の形成は、特に有利である。しかしながら、視覚的要素、幾何学的パターン、文字等の形態で印刷された構造も、雪及び氷に対するグリップを改善し得る。
【0016】
本発明はさらに、請求項8~11の1つ又は複数に記載のモールドセグメント構成要素を含むモールドセグメントを備えた空気入り車両用タイヤ用の加硫モールドに関する。
【0017】
本発明による空気入り車両用タイヤの場合、プロファイルブロック又はブロック状構造体におけるポジティブなエリア要素は、それぞれ単一の平坦な表面エリアであるか、又はそれぞれ少なくとも100μmのレベル差で互いに段差のある状態で走る複数の表面エリアからなり、ここでプロファイルブロック又はブロック状構造体のすべての表面エリアは互いに平行に走り、トレッドの曲率に従うように異なるレベルである。
【0018】
このようなプロファイルのポジティブなエリア要素は、エッジ、特にタイヤが地面上を転がるときに増加したエッジ圧が作用するエッジによるトレッドの追加的な構造をもたらす。この増加したエッジ圧力は、冬季性能、特にタイヤの雪及び氷に対するグリップに特に有利である。
【0019】
好ましくは、プロファイルブロック又はブロック状構造体の切込み及び/又は微小切込みは、互いに平行に延びる。この改良形態では、異なるレベルに位置する複数の表面エリアから構成されたポジティブなエリア要素の場合、これらが、切込み及び/又は微小切込みの経路に従うようにそれに平行に走る少なくとも1つのエッジによって区切られる場合、さらに有利である。
【0020】
次に、本発明のさらなる特徴、利点及び詳細について、例示的実施形態を示す概略図面に基づいてより詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】ベース部分から構成され、インサートが挿入されたタイヤ加硫モールドのモールドセグメント部分の図を示す。
図2】ベース部分の図を示す。
図3】関連するインサートの図を示す。
図4】構築されたインサートを有する構築プレートの概略図を示す。
図5】構築プレートから切り出されたインサートの概略図を示す。
図6】個別インサートの概略図を示す。
図7-9】本発明の異なる実施形態のインサートの断面図を示す。
図10】空気入り車両用タイヤのトレッドのプロファイルブロックを断面で示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の記載において、半径方向は、トレッドの外面を形成するモールド表面エリアに対して垂直の方向を意味するように理解され、軸方向は、加硫されるタイヤの回転軸に平行な方向を意味するように理解される。
【0023】
図1は、特に乗用車、バン又は小型トラック用のタイヤ用の、タイヤ加硫モールドのセグメントリングのモールドセグメントのモールドセグメント部分1の図を示し、特に内側-モールドキャビティに面する側-を見ることができる。セグメントリングは、タイヤの加硫中に、そのプロファイルと一緒にタイヤのトレッドを形成する加硫モールドの部分である。一般的なセグメントリングは、それぞれ、例えば、7~14個のモールドセグメントで構成され、そのそれぞれは、内側と反対側にモールドセグメント背骨を有し、これにより、モールドセグメントは、タイヤ加硫モールドのセグメントシュー上に周知の方法で配置される。
【0024】
加硫されるタイヤのトレッドのプロファイルを形成するために、モールドセグメント部分1は、モールド要素(これらは、特にリブ3、薄板4、及び場合によっては微小薄板11である)を有し、図示の実施形態におけるリブ3は、より詳細に記載されるように、少なくとも部分的にリブ骨格5によって、及び部分的にインサート6によって形成される。
【0025】
薄板4は、一般に0.40mm~1.00mmのオーダーの幅を有し、その高さは変化し得、少なくとも特定の部分においてリブの高さに対応し得る。微小薄板11は、一般に狭く浅いサイプを形成し、約0.20mm~0.30mmの幅及び高さを有する。
【0026】
モールドセグメント部分1の後側は、例えば、単純な円筒面であるので、モールドセグメント部分1は、適切に設計されたアダプタによって加硫モールドのセグメントシューに取り付けることが可能である。代替的な実施形態では、モールドセグメント部分1自体が、加硫モールドの容器に対するインターフェースとして予め設計されている。
【0027】
モールドセグメント部分1のベース部分2は、金属材料、特に鋼合金又はアルミニウム合金からなる。図示の実施形態では、ベース部分2は、その横方向周囲領域にフライス加工されたショルダー部装飾リブ2aと、フライス加工されたリブ骨格5(図2)とを有するフライス加工部分である。リブ骨格5は、リブフランク5bを有するリブ5aを有し、その配置及び経路は、リブ3の配置及び経路に対応している。リブ骨格5のリブ5aは、溝を形成するリブ3と比較して幅が狭く、リブフランク5bにはフランク部分が欠落しており、これは後述するようにインサート6のフレーム部分7bにより補完されている。好ましい実施形態によれば、リブフランク5bは、半径方向に向けられた平坦面である。基本的に、リブ5aは、そのリブフランク5bとともに、インサート6を面一に上方から挿入可能であるようにフライス加工されている。リブ5aの尖った部分のレベルは、溝を形成するリブ3のそれに対応する。しかしながら、リブ5aは、ショルダー部装飾リブ2aとともにショルダー側で、平坦な底面8を有するより深くフライス加工された凹部を囲んでいるので、リブ3よりも大きな高さを有している。これらの凹部の深さ又は底面8のレベルは、インサート6が挿入されたとき、モールド面を形成するインサート6の内側が意図されたモールド面レベルになるように、インサート6の底板7bの厚さに適合される。底面8の向きは、加硫されるタイヤのトレッドの外側の所望の丸み又は輪郭に適合される。
【0028】
通気のために、ベース部分2は、底面8とその裏側との間に穴を開けられ、それぞれより多くの穴9が各底面8に対して作られるか、又は1つ若しくは2つのみの穴9が通気のために作られ、1つ又は複数の穴9に接続された平坦な凹部の一種のチャネルネットワークがそれぞれの底面8にフライス加工される。
【0029】
インサート6は、付加的プロセス、特に選択的レーザ溶融(図4)によって、構築プレート10上により多くの数で金属粉末から構築される。構築プレート10は平らなプレートであり、好ましい実施形態では、構築プレート10の厚さは、ベース部分2における前述の凹部の必要な深さも決定する。構築プレート10は最初にベース部分2における穴9の配置に対応する穴10aも提供される。底面8に設けられ得るフライス加工されたチャネルネットワークに対応するチャネルネットワークが形成され得るが、これは絶対に必要なものではない。底面8にフライス加工されたチャネルネットワークは通常既に良好な通気を保証するからである。
【0030】
構築プレート10は、3Dプリンタ内で適切に整列されて位置決めされ、形成された穴10aは、構築プレート10の上面と面一に金属粉末等で充填される。次に、個々のインサート6は、意図された薄板4(図4)、任意の追加の微小薄板11(図8)、他の表面構造、任意選択的に文字、トレッドウェア表示等とともに、意図されたデザインで層ごとに構築される。この際、通気穴を構築プレート10の穴10aの位置に空けて残しておく。インサート6(図6)は、意図された薄板4、場合により微小薄板11、言及された周囲フレーム部分7a、底板7bでさらに構築され、インサート6がベース部分2のその意図された位置に挿入されると、リブ骨格5のリブ5aが補完されて、溝を形成する完全なリブ3を形成するようにする。溝を有するトレッドプロファイルの実際の設計に応じて、インサート6は、2つ又は3つの側のみにフレーム部分7aを有することもでき、及び/又は、リブ骨格5とともにトレッドにおいてより大きなプロファイルブロック、複数のプロファイルブロック又は他のブロック状構造を形成するように設計することができる。インサート6は、リブ骨格とは別に、リブを形成するモールド要素も含み得る。
【0031】
代替実施形態では、モールドセグメント部分1のベース部分2は、リブ骨格を有さず、インサートが位置決めされて留められる、例えばねじ止めされる内面を有し、これらは、意図するリブを形成するモールド要素とともに付加的に構築されたものである。リブは、インサートの周囲フレーム部分として構成されてもよく、又はインサート内に形成されてもよいので、周囲フレーム部分のないインサート、又は周囲フレーム部分を部分的にしか備えていないインサートを使用することが可能である。
【0032】
構築プレート10の上面には、各インサート6の底板7bが構築され、ここで平坦なモールドエリア要素12が相互に段差があり且つ平行な状態で走り、その最外層はそれぞれ、平坦な外面を有する溶融金属粉末層である。
【0033】
図7は、2つのフレーム部分7aの間に互いに平行に走る3つの付加的に構築された薄板4を有するインサート6の1つの例示的実施形態を示している。薄板4の間、及び2つの外側の薄板4とフレーム部分7aの間には、それぞれの場合に、構築プレート10の表面と平行に走る付加的に構築された平坦なモールドエリア要素12が位置する。外側の薄板4とフレーム部分7aとの間のモールドエリア要素12は、一致する高さを有し、また、構築プレート10に関して、そのレベルが同様に一致する、さらに内側に位置する薄板4の間の2つのモールドエリア要素12よりも高いレベルにある。
【0034】
各インサート6は、モールドセグメント部分1上の特定の位置を占めるか、又は特定の位置向けに意図されている。各位置において、それぞれのインサート6は、その位置に設けられたトレッド外面の外側輪郭又は曲率を最適な方法で形成するように意図されている。したがって、モールドエリア要素12は、モールドエリア要素12が当該トレッド領域の曲率に最適な方法で適合されたレベルを有するように、この点で付加的プロセスで用いられる層の厚さに適合された層の数で構築される。
【0035】
図8は、3つの薄板4を有するインサート6の1つの例示的な実施形態を示し、それぞれの微小薄板11がそれぞれ3つの薄板4の間に、及び外側の薄板4とフレーム部分7aとの間に付加的に構築される。特に、微小薄板11と薄板4は互いに平行に走り、微小薄板11は薄板4とフレーム部分7aの間の中心を走る。微小薄板11と薄板4との間、及び微小薄板11とフレーム部分7aとの間の両方に、単一の平坦なモールドエリア要素12が付加的に形成される。モールドエリア要素は、そのレベルが形成されるトレッド領域の曲率に最適に適合されるように、ステップ状に-異なるレベルで-、互いに及び薄板4と微小薄板11に対して平行に走る。
【0036】
図9は、互いに平行に走る3つの薄板4を有するインサート6の一実施形態を示す。インサート6は、この位置で形成されるべきトレッド部分の外側輪郭が、隣接する薄板4のベース部分及び/又は外側の薄板4とフレーム部分7aとの間に少なくとも100μmである高さの差Δhを必要とする、モールドセグメント部分1上の位置に対して意図されている。互いに相対的に位置決めされた薄板4の間、及び/又は外側の薄板4とフレーム部分7aの間で、モールドエリア要素12は、それぞれの場合、互いに平行に走る、異なるレベルに位置する2つの平坦な表面から付加的に構築される。インサート6におけるこれらの表面エリアはすべて、互いに平行に走る。示される例では、両側で中間薄板4に隣接する2つの表面エリアは、構築プレート10に対して最も低いレベルにあり、それぞれの最外側のモールドエリア要素12上の最外表面エリアは、相対的に高いレベルである。また、2つの表面エリアの代わりに、レベルの異なる3つ以上の表面エリアを形成することも可能である。各モールドエリア要素12における2つの表面エリアの間には、薄板4と平行に走るそれぞれの垂直な側面12aが走る。表面エリアの幅bは、好ましくは実質的に一致するが、好ましくは、再現されるべき曲率及び薄板4又は薄板4とフレーム部分7aとの間の距離に応じて、最大±30%互いに異なってもよい。
【0037】
薄板4及び微小薄板11は、ジグザグ状又は波状であってもよく、及び/又は、他の任意の所望の、特に3次元の、構造化を有していてもよい。薄板4及び微小薄板11は、様々な高さで形成することもできる。
【0038】
平坦なモールドエリア要素12又はその表面エリアは、さらに、高解像度で任意の所望の方法で印刷することができ、このようにして異なる表面構造を得てもよい。そのような構造は、金属粉末層の層厚に相当する、例えば30μmのそれぞれ高さ又は深さを有する微細な隆起及び/又は凹部であり、特に視覚的要素、幾何学的パターン又は文字であり、又は、例えばタイヤが新しく、まだ摩耗していない場合にトレッドに良好な氷又は雪に対するグリップ特性を与えるトレッドの構造を表面的に形成する構造である。
【0039】
インサート6は好ましくは、それらが直接構築される構築プレート部分とともに、構築プレート10から、例えばレーザービーム、ウォータージェットによって、又は機械的に切り出される。その後、必要であれば、嵌合面が機械加工される。したがって、そのようなインサート6の底部は、それぞれ、構築プレート部分と、モールドエリア要素12を有する付加的に構築された底板7bとから構成される。代替的な実施形態では、インサート6は、構築プレート10の上側に沿って分離され、例えば切り離され、そのようなインサートの底部は、したがって、付加的に構築された底板7bである。別の代替案では、インサートの寸法に従ってプレハブ底板が使用され、各インサートは別々の底板上に構築される。
【0040】
完成したインサート6は、その後、ベース部分2上のそれらの位置で留められる。インサート6の固定された接続は、例えば、挿入前にベース部分2を加熱することによって収縮させることによって行われる。代替方法として、インサート6は、ねじ込み又は溶接によってベース部分2に接続することができる。
【0041】
インサートの付加的な構築は、ベース部分2に対するフライス加工作業と同様に、ソフトウェア制御により自動的に行われる。段階的な遷移の結果、ソフトウェア制御のベースとなるアルゴリズムは、最適な性能を達成するために、タイヤ上の最適な構成を保証するために、特別な要件を満たす必要がある。
【0042】
図10は、空気入り車両用タイヤのトレッドのプロファイルブロック13の断面を概略的に示しており、プロファイルブロック13に切込み14と微小切込み15が形成されている。この断面は、例としての、トレッドの周方向の断面であり、その結果、好ましくはいずれも互いに平行に延びる切込み14及び微小切込み15は軸方向に延びる。空気入り車両用タイヤの転動中に地面と接触するプロファイルブロック13の外面に沿って、破線で包絡線16が追加的に描かれ、前記包絡線は、タイヤが従来のタイヤ加熱プレスで加硫される間に生じるであろう外側輪郭を示すものである。本発明によれば、プロファイルブロック13は、そのすべてが互いに平行に走るがその相互配置は包絡線16の経路及びその曲率に適合されているポジティブなエリア要素13aで構成された外面を有する。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.トレッド外面を有する全体的に湾曲したトレッドの少なくとも1つのプロファイルブロック又はブロック状に構造化された領域を形成するための空気入り車両用タイヤ用の加硫モールドのモールドセグメント構成要素を製造するための方法であり、前記モールドセグメント構成要素は、底部(7b)と、薄板(4)及び/又は微小薄板(11)及び/又はリブ及び/又はリブの領域などのモールド要素とともに平坦な構築プレート(10)上に金属粉末を層ごとに平らに塗布して溶融することによる選択的レーザ溶融などの付加的プロセスによって構築され、モールド要素は、前記トレッド外面の一領域を形成する相互に隣接するモールドエリア要素(12)を区切る又はその周囲を走る方法であって、
モールドエリア要素(12)がそれぞれ単一の平坦な表面エリアとして、又は少なくとも100μmのレベル差を有する互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリア(12a)から付加的に構築され、ここですべての前記モールドエリア要素(12)又はそれらの表面エリアは互いに平行に走り、前記構築プレート(10)に対して、それらの相互配置が、前記トレッド外面の形成されるべき領域の曲率にほぼ近似するように異なるレベルに位置するエリアであることを特徴とする方法。
2.レベルの差をもたらす側面を有する互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアを有するモールドエリア要素が、前記側面が前記薄板(4)及び/又は微小薄板(11)の経路と平行に走るように付加的に構築されることを特徴とする、上記1.に記載の互いに平行に延びる薄板(4)及び/又は微小薄板(11)を有するモールドセグメント構成要素を製造するための方法。
3.モールドエリア要素(12)が、それらの表面エリアの幅(b)が最大±30%だけ互いに異なるように、互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアから付加的に構築されることを特徴とする、上記1.又は2.に記載の方法。
4.薄板(4)、微小薄板(11)及び/又はリブ(5a)及び/又はリブの部分領域などのモールド要素を有し、場合により周囲フレーム部分(7b)及び底板(10)を有するインサート(6)が、モールドセグメント構成要素として付加的に構築されることを特徴とする、上記1.~3.のいずれか一つに記載の方法。
5.前記付加的プロセスの層厚に対応する、特に高さ又は深さをそれぞれ有する、隆起及び/又は凹部の形態の構造が、モールドエリア要素(12)に表面的に印刷されることを特徴とする、上記1.~4.のいずれか一つに記載の方法。
6.印刷される前記表面的な構造が、視覚的要素、幾何学的パターン、文字等であることを特徴とする、上記5.に記載の方法。
7.印刷される前記表面的な構造が、網状に設計された構造などの均一に配置された構造であることを特徴とする、上記5.に記載の方法。
8.トレッド外面を有する全体的に湾曲したトレッドの少なくとも1つのプロファイルブロック又はブロック状に構造化された領域を形成するための空気入り車両用タイヤ用の加硫モールドのモールドセグメント構成要素であり、前記モールドセグメント構成要素は、底部(7b)と、薄板(4)及び/又は微小薄板(11)及び/又はリブ及び/又はリブの部分領域などのモールド要素とともに平坦な構築プレート(10)上に金属粉末を層ごとに平らに塗布して溶融することによる選択的レーザ溶融などの付加的プロセスによって構築され、モールド要素は、前記トレッド外面の一領域を形成する相互に隣接するモールドエリア要素(12)を区切る又はその周囲を走る、モールドセグメント構成要素であって、
モールドエリア要素(12)が、それぞれ単一の平坦な表面エリアであるか、又は少なくとも100μmのレベル差を有する互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアからなり、ここですべての前記モールドエリア要素(12)又はそれらの表面エリアは互いに平行に走り、前記構築プレート(10)に対して、それらの相互配置が、前記トレッド外面の形成されるべき領域の曲率にほぼ近似するように異なるレベルに位置するエリアであることを特徴とするモールドセグメント構成要素。
9.互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリアを有するモールドエリア要素(12)の場合、これらの表面エリアが、最大±30%だけ互いに異なる幅(b)を有することを特徴とする、上記8.に記載のモールドセグメント構成要素。
10.互いに段差のある状態で走る複数の平坦な表面エリア(12a)を有するモールドエリア要素(12)の場合、薄板(4)及び/又は微小薄板(11)と平行に走る、レベルの差を有する側面が設けられることを特徴とする、上記8.又は9.に記載の互いに平行に延びる薄板(4)及び/又は微小薄板(11)を有するモールドセグメント構成要素。
11.少なくとも1つのプロファイルブロックを形成し、底部、モールド要素、及び場合により、溝を形成するリブ又は溝の部分を形成するリブである周囲フレーム部分(7b)を有するインサート(6)であることを特徴とする、上記8.~10.のいずれか一つに記載のモールドセグメント構成要素。
12.上記8.~11.のいずれか一つに記載のモールドセグメント構成要素を含むモールドセグメントを備える空気入り車両用タイヤ用の加硫モールド。
13.溝によってプロファイルブロック(13)に分割され、及び/又はブロック状に構造化された、形状を付けられた全体的に湾曲したトレッドを有する空気入り車両用タイヤであり、プロファイルブロック(13)及び/又はブロック状構造は、特にそれらを通過する切込み(14)及び/又は微小切込み(15)を備えて存在し、ポジティブなエリア要素(13a)が切込み(14)又は微小切込み(15)の間、又は切込み(14)及び微小切込み(15)の間、又は切込み(14)、微小切込み(15)及び溝の間に形成される空気入り車両用タイヤであって、
プロファイルブロック(13)又はブロック状構造体におけるポジティブなエリア要素(13a)が、それぞれ単一の平坦な表面エリアであるか、又はそれぞれ少なくとも100μmのレベル差で互いに段差のある状態で走る複数の表面エリアからなり、ここでプロファイルブロック又はブロック状構造体のすべての表面エリアは互いに平行に走り、前記トレッドの曲率に従うように異なるレベルで存在することを特徴とする空気入り車両用タイヤ。
14.互いに平行に延びる切込み(14)及び/又は微小切込み(15)を有するプロファイルブロック(13)及び/又はブロック状構造体を有するトレッドを備える上記13.に記載の空気入り車両用タイヤであって、異なるレベルに位置する複数の表面エリアから構成されたポジティブなエリア要素(13a)の場合、これらは、前記切込み(14)及び/又は前記微小切込み(15)の経路に従うようにそれらに平行に延びる少なくとも1つのエッジによって区切られることを特徴とする空気入り車両用タイヤ。
15.複数の表面エリアから構成されたポジティブなエリア要素の場合、これらの表面エリアは、互いに上下に段差が付けられるように異なるレベルに存在することを特徴とする、上記13.又は14.に記載の空気入り車両用タイヤ。
【符号の説明】
【0043】
1 モールドセグメント部分
2 ベース部分
2a ショルダー部装飾リブ
3 リブ
4 薄板
5 リブ骨格
5a リブ
5b リブフランク
6 インサート
7a フレーム部分
7b 底板
8 底面
9 穴
10 構築プレート
10a 穴
11 微小薄板
12 モールドエリア要素
12a 側面
13 プロファイルブロック
13a ポジティブなエリア要素
14 切込み
15 微小切込み
16 包絡線
b 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10