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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】エレベーターシステム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20250311BHJP
   B66B 1/14 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
B66B1/18 F
B66B1/14 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023194129
(22)【出願日】2023-11-15
【審査請求日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】10-2023-0136473
(32)【優先日】2023-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523173793
【氏名又は名称】ヒュンダイ エレベーター カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】キム,ムンス
(72)【発明者】
【氏名】リ,スンウ
(72)【発明者】
【氏名】リ,ドゥヨル
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-098123(JP,A)
【文献】特開2009-234716(JP,A)
【文献】特許第6350767(JP,B1)
【文献】特開2021-066605(JP,A)
【文献】国際公開第2018/066057(WO,A1)
【文献】特開2022-128045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00- 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上のエレベーター号機、映像部、及び制御部を含み、
前記一つ以上のエレベーター号機は、それぞれ一つ以上のエレベーターカーを含み、
前記映像部は、前記エレベーターカーの内部に設置される第1映像装置、及び建物の各階の乗り場にそれぞれ設置される第2映像装置を含み、
前記制御部は、エレベーターの運行を制御及び管理する第1制御部、及びロボットの運行を制御及び管理する第2制御部を含み、
前記一つ以上のエレベーター号機は、それぞれ非ロボット専用モード、ロボット専用モード、及び同乗モードのうちいずれか一つで運用され、
前記第1制御部は、前記映像部から受信したロボットの数又は非ロボットの数と、前記第2制御部から受信したロボットの数又は非ロボットの数とが異なる場合、前記映像部から受信した前記ロボットの数又は非ロボットの数によって前記エレベーター号機の運用モードを転換し、
前記第2制御部から受信したロボットの数又は非ロボットの数より前記映像部から受信した前記ロボットの数又は非ロボットの数に優先順位を与える、エレベーターシステム。
【請求項2】
前記映像部は、前記第1映像装置によって認識された映像情報によって演算した、
特定のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;
特定のエレベーターカーの内部に搭乗している非ロボットの数;
各号機別に全体のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;
各号機別に全体のエレベーターカーの内部に搭乗している非ロボットの数;
建物内の全体のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;及び
建物内の全体のエレベーターカーの内部に搭乗している非ロボットの数;
のうち一つ以上を前記第1制御部に伝送する、請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項3】
前記映像部は、前記第2映像装置によって認識された映像情報によって演算した、
特定の階の特定の号機の前にある乗り場で待機中のロボットの数;
特定の階の特定の号機の前にある乗り場で待機中の非ロボットの数;
特定の階の乗り場全体で待機中のロボットの数;
特定の階の乗り場全体で待機中の非ロボットの数;
各号機別に乗り場全体で待機中のロボットの数;
各号機別に乗り場全体で待機中の非ロボットの数;
建物内の乗り場全体で待機中のロボットの数;及び
建物内の乗り場全体で待機中の非ロボットの数;
のうち一つ以上を前記第1制御部に伝送する、請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項4】
前記第2制御部は、ロボットが送る位置信号によって演算した、
特定のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;
各号機別に全体のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;及び
建物内の全体のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;
のうち一つ以上を前記第1制御部に伝送する、請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項5】
前記第2制御部は、ロボットが送る位置信号によって演算した、
特定の階の特定の号機の前にある乗り場で待機中のロボットの数;
特定の階の乗り場全体で待機中のロボットの数;
各号機別に乗り場全体で待機中のロボットの数;及び
建物内の乗り場全体で待機中のロボットの数;
のうち一つ以上を前記第1制御部に伝送する、請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項6】
前記第1制御部は、前記映像部から受信したロボットの数又は非ロボットの数と、前記第2制御部から受信したロボットの数又は非ロボットの数とが異なる場合、前記映像部から受信した前記ロボットの数又は非ロボットの数によって建物の各階別のサービス可能な前記ロボットの数を調整する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエレベーターシステムの制御方法。
【請求項7】
特定のエレベーター号機が前記ロボット専用モードで運用される状態で、前記映像部から受信したロボットの数によると、該当の号機全体に乗り場で待機中のロボットもいなく、エレベーターカー内に搭乗中のロボットもいない状態が一定時間以上持続された場合、
前記第1制御部は、該当のエレベーター号機を前記同乗モードに転換する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエレベーターシステムの制御方法。
【請求項8】
該当のエレベーター号機が前記第1制御部によって前記ロボット専用モードから前記同乗モードに転換された状態で、前記映像部から受信した非ロボットの数によると、該当の号機全体に乗り場で待機中の非ロボットもいなく、エレベーターカー内に搭乗中の非ロボットもいない状態が一定時間以上持続された場合、
前記第1制御部は、該当のエレベーター号機を前記同乗モードから前記ロボット専用モードに還元する、請求項に記載のエレベーターシステムの制御方法。
【請求項9】
特定のエレベーター号機が前記非ロボット専用モードで運用される状態で、前記映像部から受信した非ロボットの数によると、該当の号機全体に乗り場で待機中の非ロボットもいなく、エレベーターカー内に搭乗中の非ロボットもいない状態が一定時間以上持続された場合、
前記第1制御部は、該当のエレベーター号機を同乗モードに転換する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエレベーターシステムの制御方法。
【請求項10】
該当のエレベーター号機が前記第1制御部によって前記非ロボット専用モードから前記同乗モードに転換された状態で、前記映像部から受信したロボットの数によると、該当の号機全体に乗り場で待機中のロボットもいなく、エレベーターカー内に搭乗中のロボットもいない状態が一定時間以上持続された場合、
前記第1制御部は、該当のエレベーター号機を前記同乗モードから前記非ロボット専用モードに還元する、請求項に記載のエレベーターシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターシステム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターは、建物の内部に垂直方向に形成される昇降路に沿って移動するエレベーターカーと、エレベーターカーを昇降させるために動力を発生させる巻上機、巻上機の動力をカーに伝達する動力伝達部材などを含む。
【0003】
建物の内部には、垂直方向に形成される昇降路に沿ってエレベーターカーが移動する。エレベーターには、エレベーターカーを昇降させるために動力を発生させるモーター、巻上機などが設置される。建物の内部に設置された一つ以上のエレベーターは、統合的に制御及び管理され得る。
【0004】
エレベーターを通じて、人、貨物、動・植物などの非ロボット及び/又はロボットが建物内で垂直に移動し得る。
【0005】
近年、ロボットによるサービスが活性化されているが、現在まで商用化されたロボットは、水平方向には移動が可能であるが、垂直に移動できるように設計されていないので、建物内の階間移動のための手段が必要である。
【0006】
これによって、ロボットがエレベーターに搭乗し、建物内の階間移動を行えるように、ロボットとエレベーターとの間の多様な連動制御技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2022-0139528号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ロボットが送る位置信号によるロボットの数と、映像情報によるロボットの数とが互いに一致しない場合、映像情報を基準にして運用されるエレベーターシステム及びその制御方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための本発明の一側面によると、一つ以上のエレベーター号機、映像部、及び制御部を含み、前記一つ以上のエレベーター号機は、それぞれ一つ以上のエレベーターカーを含み、前記映像部は、前記エレベーターカーの内部に設置される第1映像装置、及び建物の各階の乗り場にそれぞれ設置される第2映像装置を含み、前記制御部は、エレベーターの運行を制御及び管理する第1制御部、及びロボットの運行を制御及び管理する第2制御部を含み、前記一つ以上のエレベーター号機は、それぞれ非ロボット専用モード、ロボット専用モード、及び同乗モードのうちいずれか一つで運用されるエレベーターシステムが提供される。
【0010】
前記映像部は、前記第1映像装置によって認識された映像情報によって演算した、特定のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;特定のエレベーターカーの内部に搭乗している非ロボットの数;各号機別に全体のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;各号機別に全体のエレベーターカーの内部に搭乗している非ロボットの数;建物内の全体のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;及び建物内の全体のエレベーターカーの内部に搭乗している非ロボットの数;のうち一つ以上を前記第1制御部に伝送することができる。
【0011】
前記映像部は、前記第2映像装置によって認識された映像情報によって演算した、特定の階の特定の号機の前にある乗り場で待機中のロボットの数;特定の階の特定の号機の前にある乗り場で待機中の非ロボットの数;特定の階の乗り場全体で待機中のロボットの数;特定の階の乗り場全体で待機中の非ロボットの数;各号機別に乗り場全体で待機中のロボットの数;各号機別に乗り場全体で待機中の非ロボットの数;建物内の乗り場全体で待機中のロボットの数;及び建物内の乗り場全体で待機中の非ロボットの数;のうち一つ以上を前記第1制御部に伝送することができる。
【0012】
前記第2制御部は、ロボットが送る位置信号によって演算した、特定のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;各号機別に全体のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;及び建物内の全体のエレベーターカーの内部に搭乗しているロボットの数;のうち一つ以上を前記第1制御部に伝送することができる。
【0013】
前記第2制御部は、ロボットが送る位置信号によって演算した、特定の階の特定の号機の前にある乗り場で待機中のロボットの数;特定の階の乗り場全体で待機中のロボットの数;各号機別に乗り場全体で待機中のロボットの数;及び建物内の乗り場全体で待機中のロボットの数;のうち一つ以上を前記第1制御部に伝送することができる。
【0014】
前記目的を達成するための本発明の他の側面によると、前記エレベーターシステムの制御方法において、前記第1制御部は、前記映像部から受信したロボットの数又は非ロボットの数と、前記第2制御部から受信したロボットの数又は非ロボットの数とが異なる場合、前記映像部から受信した前記ロボットの数又は非ロボットの数によって建物の各階別のサービス可能な前記ロボットの数を調整する、エレベーターシステムの制御方法が提供される。
【0015】
前記目的を達成するための本発明の更に他の側面によると、前記エレベーターシステムの制御方法において、前記第1制御部は、前記映像部から受信したロボットの数又は非ロボットの数と、前記第2制御部から受信したロボットの数又は非ロボットの数とが異なる場合、前記映像部から受信した前記ロボットの数又は非ロボットの数によって前記エレベーター号機の運用モードを転換する、エレベーターシステムの制御方法が提供される。
【0016】
特定のエレベーター号機が前記ロボット専用モードで運用される状態で、前記映像部から受信したロボットの数によると、該当の号機全体に乗り場で待機中のロボットもいなく、エレベーターカー内に搭乗中のロボットもいない状態が一定時間以上持続された場合、前記第1制御部は、該当のエレベーター号機を前記同乗モードに転換することができる。
【0017】
該当のエレベーター号機が前記第1制御部によって前記ロボット専用モードから前記同乗モードに転換された状態で、前記映像部から受信した非ロボットの数によると、該当の号機全体に乗り場で待機中の非ロボットもいなく、エレベーターカー内に搭乗中の非ロボットもいない状態が一定時間以上持続された場合、前記第1制御部は、該当のエレベーター号機を前記同乗モードから前記ロボット専用モードに還元することができる。
【0018】
特定のエレベーター号機が前記非ロボット専用モードで運用される状態で、前記映像部から受信した非ロボットの数によると、該当の号機全体に乗り場で待機中の非ロボットもいなく、エレベーターカー内に搭乗中の非ロボットもいない状態が一定時間以上持続された場合、前記第1制御部は、該当のエレベーター号機を同乗モードに転換することができる。
【0019】
該当のエレベーター号機が前記第1制御部によって前記非ロボット専用モードから前記同乗モードに転換された状態で、前記映像部から受信したロボットの数によると、該当の号機全体に乗り場で待機中のロボットもいなく、エレベーターカー内に搭乗中のロボットもいない状態が一定時間以上持続された場合、前記第1制御部は、該当のエレベーター号機を前記同乗モードから前記非ロボット専用モードに還元することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、ロボットが送る位置信号によるロボットの数と、映像情報によるロボットの数とが互いに一致しない例外的な状況でも、効率的に交通量を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】エレベーターカー内にロボットと非ロボットが搭乗している状態を概略的に示した図である。
図2】エレベーターカーの内部に設置された第1映像装置によって認識されたエレベーターカーの内部映像の一例を概略的に示した図である。
図3】乗り場に設置された第2映像装置によって認識された乗り場の映像の一例を概略的に示した図である。
図4】本発明の一実施例に係るエレベーターシステムを概略的に示した図である。
図5】本発明の一実施例に係るエレベーターシステムの制御方法を概略的に示したフローチャートである。
図6】本発明の他の実施例に係るエレベーターシステムの制御方法を概略的に示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例に対する構成及び作用を詳細に説明する。本発明は、ロボット制御及びエレベーター制御分野に多様に応用されて適用され得る。また、下記の実施例は、多くの他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記の実施例に限定されることはない。
【0023】
図1は、エレベーターカーEC内にロボット310及び人などの非ロボット320が搭乗している状態を概略的に示した図である。
【0024】
図1を参照すると、本発明のエレベーターシステムに含まれるエレベーターカーECには、人、貨物、動・植物などの非ロボット320のみならず、ロボット310が搭乗し得る。本明細書において、ロボット310は、自律移動体、無人移動体、その他に移動及び/又は作業を自動的に又は外部制御によって行う機械装置を広く含む概念として使用される。ロボット310は、建物内の少なくとも一つの階でサービスを提供するためのサービスロボットであってもよい。
【0025】
エレベーターカーECの内部には、エレベーターカーECの内部映像を撮影する第1映像装置110が設置されてもよく、建物の各階の乗り場(Elevator Hall、乗客がエレベーターに乗り降りする場所)には、それぞれ乗り場の映像を撮影する第2映像装置120が設置されてもよい。
【0026】
図2は、エレベーターカーECの内部に設置された第1映像装置110によって認識されたエレベーターカーECの内部映像の一例を概略的に示した図である。図2に示したように、第1映像装置110によってエレベーターカーECに搭乗したロボット310と非ロボット320を認識することができる。
【0027】
図3は、乗り場に設置された第2映像装置120によって認識された乗り場の映像の一例を概略的に示した図である。図3に示したように、第2映像装置120により、乗り場で待機中のロボット310と非ロボット320を認識することができる。
【0028】
図4は、本発明の一実施例に係るエレベーターシステムを概略的に示した図である。図4を参照すると、本実施例のシステムは、映像部100及び制御部200を含む。
【0029】
映像部100は、エレベーターカーECの内部に設置される第1映像装置110、及び建物の各階の乗り場にそれぞれ設置される第2映像装置120を含むことができる。第1映像装置110と第2映像装置120として、カメラ、CCTVなどの映像認識が可能で、且つ制御部200との通信が可能な多様な装置が適用され得る。
【0030】
制御部200は、エレベーターの運行を全般的に制御及び管理する第1制御部210と、ロボット310の運行を全般的に制御及び管理する第2制御部220とを含むことができる。
【0031】
映像部100は、対象体300を認識及び追跡する。対象体300は、人、貨物、動・植物などの非ロボット320及びロボット310を含むことができる。映像部100は、機械学習を通じて対象体300に対する区分及び検出能力を向上させることができる。
【0032】
映像部100は、第1映像装置110によって認識されたエレベーターカーECの内部の映像情報を演算し、エレベーターカーECに搭乗した一つ以上の対象体300を区分及び検出して認識することができる。映像部100は、第2映像装置120によって認識された乗り場の映像情報を演算し、乗り場に待機中の一つ以上の対象体300を区分及び検出して認識することができる。
【0033】
映像部100は、第1映像装置110によって認識された映像情報によって演算した、特定のエレベーターカーECの内部に搭乗しているロボット310の数、特定のエレベーターカーECの内部に搭乗している非ロボット320の数、各号機別に全体のエレベーターカーECの内部に搭乗しているロボット310の数、各号機別に全体のエレベーターカーECの内部に搭乗している非ロボット320の数、建物内の全体のエレベーターカーECの内部に搭乗しているロボット310の数、及び建物内の全体のエレベーターカーECの内部に搭乗している非ロボット320の数のうち一つ以上を第1制御部210に伝送することができる。
【0034】
エレベーター号機は、各昇降路に設定されたアイディーを意味する。また、一つの号機には、一台のエレベーターカーが配置される場合が多いが、本発明は、これに限定されるものではなく、一つの号機に多数台のエレベーターカーが配置される場合を含む。
【0035】
映像部100は、第2映像装置120によって認識された映像情報によって演算した、特定の階の特定の号機の前にある乗り場で待機中のロボット310の数、特定の階の特定の号機の前にある乗り場で待機中の非ロボット320の数、特定の階の乗り場全体で待機中のロボット310の数、特定の階の乗り場全体で待機中の非ロボット320の数、各号機別に乗り場全体で待機中のロボット310の数、各号機別に乗り場全体で待機中の非ロボット320の数、建物内の乗り場全体で待機中のロボット310の数、及び建物内の乗り場全体で待機中の非ロボット320の数のうち一つ以上を第1制御部210に伝送することができる。
【0036】
第1制御部210は、映像部100に制御信号を送ることができる。第1制御部210は、映像部100から映像情報を受信することができる。第1制御部210は、エレベーターの群管理を行うことができる。第1制御部210は、エレベーターのモニタリングを行う端末機、監視盤などを含むことができる。
【0037】
第2制御部220は、ロボット310に制御信号を送ることができる。第2制御部220は、ロボット310から位置信号を受信することができる。第2制御部220は、ロボット310が送る位置信号によってロボット310の移動経路をモニタリングすることができる。第2制御部220は、ロボット310が送る位置信号によってロボット310のエレベーターカーECへの搭乗有無及び乗り場での待機有無を判断することができる。
【0038】
第2制御部220は、ロボット310が送る位置信号によって演算した、特定のエレベーターカーECの内部に搭乗しているロボット310の数、各号機別に全体のエレベーターカーECの内部に搭乗しているロボット310の数、及び建物内の全体のエレベーターカーECの内部に搭乗しているロボット310の数のうち一つ以上を第1制御部210に伝送することができる。
【0039】
第2制御部220は、ロボット310が送る位置信号によって演算した、特定の階の特定の号機の前にある乗り場で待機中のロボット310の数、特定の階の乗り場全体で待機中のロボット310の数、各号機別に乗り場全体で待機中のロボット310の数、及び建物内の乗り場全体で待機中のロボット310の数のうち一つ以上を第1制御部210に伝送することができる。
【0040】
本発明によると、ロボットが送る位置信号によるロボットの数と、映像情報によるロボットの数とが互いに一致しない例外的な状況でも、効率的に交通量を処理することができる。このために、第1制御部210は、映像部100から受信したロボット310の数と、第2制御部220から受信したロボット310の数とを比較することができる。第1制御部210は、映像部100から受信したロボット310の数と、第2制御部220から受信したロボット310の数とが異なる場合、映像部100から受信したロボット310の数に優先順位を付与し、映像部100から受信したロボット310の数が実際のロボット310の数であると判断し、これによって、建物の各階別のサービス可能なロボット310の数を調整することができる。以下、これを具体的な例を通じて説明する。
【0041】
(1)建物内の乗り場全体で待機中のロボット310の数が互いに異なる場合
【0042】
1)映像部100から受信したロボット310の数が、第2制御部220から受信したロボット310の数より少ない場合
【0043】
第1制御部210は、映像部100から受信したロボット310の数に、各階別のサービス可能なロボット310の数を調整し、新規のロボット310の呼び出しがある乗り場に最適なエレベーター号機を割り当てることができる。
【0044】
これによって、第2制御部220から受信したロボット310の数によると、サービス可能なロボット310の数の制限値が超過しているが、映像部100から受信したロボット310の数によると、サービス可能なロボット310の数の制限値が超過していない場合、第1制御部210が、サービス可能なロボット310の数の制限値が超過していないにもかかわらず、超過したと判断することを防止することができる。また、サービス可能なロボット310の数の制限値が実際に超過していないにもかかわらず、超過したことを前提にして不要にエレベーターの分散割り当てが行われることを防止することができる。
【0045】
2)映像部100から受信したロボット310の数が、第2制御部220から受信したロボット310の数より多い場合
【0046】
第1制御部210は、映像部100から受信したロボット310の数に、各階別のサービス可能なロボット310の数を調整し、ロボット310の呼び出しサービスの途中で一部の階区間でサービス可能なロボット310の数の制限値が超過することを防止することができる。
【0047】
これによって、第2制御部220から受信したロボット310の数によると、サービス可能なロボット310の数の制限値が超過していないが、映像部100から受信したロボット310の数によると、サービス可能なロボット310の数の制限値が超過している場合、第1制御部210が、サービス可能なロボット310の数の制限値が実際に超過したにもかかわらず、超過していないと判断することを防止することができる。また、エレベーターの分散割り当てが行われるようにし、エレベーターカーEC内のロボット310が過密に搭乗することを防止することができる。
【0048】
(2)建物内の全体のエレベーターカーECの内部に搭乗しているロボット310の数が互いに異なる場合
【0049】
1)映像部100から受信したロボット310の数が、第2制御部220から受信したロボット310の数より少ない場合
【0050】
第1制御部210は、映像部100から受信したロボット310の数に、各階別のサービス可能なロボット310の数を調整し、新規のロボット310の呼び出しがある乗り場に最適なエレベーター号機を割り当てることができる。
【0051】
これによって、第2制御部220から受信したロボット310の数によると、サービス可能なロボット310の数の制限値が超過しているが、映像部100から受信したロボット310の数によると、サービス可能なロボット310の数の制限値が超過していない場合、第1制御部210が、サービス可能なロボット310の数の制限値が実際に超過していないにもかかわらず、超過したと判断することを防止することができる。
【0052】
2)映像部100から受信したロボット310の数が、第2制御部220から受信したロボット310の数より多い場合
【0053】
第1制御部210は、映像部100から受信したロボット310の数に、各階別のサービス可能なロボット310の数を調整することができる。ロボット310の呼び出しサービスの途中で一部の階区間でサービス可能なロボット310の数の制限値が超過することを抑制することができる。
【0054】
これによって、第2制御部220から受信したロボット310の数によると、サービス可能なロボット310の数の制限値が超過していないが、映像部100から受信したロボット310の数によると、サービス可能なロボット310の数の制限値が超過している場合、第1制御部210が、サービス可能なロボット310の数の制限値が実際に超過したにもかかわらず、超過していないと判断することを防止することができる。
【0055】
一方、エレベーター号機は、次のような三つのモードのうちいずれか一つで運用されてもよい。
【0056】
1)非ロボット専用モード
【0057】
人などの非ロボット320のみがエレベーターカーECに搭乗できるように設定されるモードであって、非ロボット320の呼び出しによってのみエレベーター号機を割り当て、ロボット310の呼び出しによってはエレベーター号機を割り当てないモードである。
【0058】
2)ロボット専用モード
【0059】
ロボット310のみがエレベーターカーECに搭乗できるように設定されるモードであって、ロボット310の呼び出しによってのみエレベーター号機を割り当て、人などの非ロボット320の呼び出しによってはエレベーター号機を割り当てないモードである。
【0060】
3)同乗モード
【0061】
ロボット310と非ロボット320が全てエレベーターカーECに搭乗できるように設定されるモードであって、ロボット310の呼び出しによってもエレベーター号機を割り当て、人などの非ロボット320の呼び出しによってもエレベーター号機を割り当てる。
【0062】
第1制御部210は、映像部100から受信したロボット310の数と、第2制御部220から受信したロボット310の数とを比較し、映像部100から受信したロボット310の数と、第2制御部220から受信したロボット310の数とが異なる場合、映像部100から受信したロボット310の数を基準にしてエレベーター号機の運用モードを転換することができる。以下、これに対する具体的な例を説明する。
【0063】
図5は、本発明の一実施例に係るエレベーターシステムの制御方法を概略的に示したフローチャートである。以下、図5を参照して説明する。
【0064】
(Case1)特定のエレベーター号機がロボット専用モードで運用される状態(S110)で、映像部100から受信したロボット310の数によると、<1>該当の号機全体に乗り場で待機中のロボット310もいなく(S120)、<2>エレベーターカーEC内に搭乗中のロボット310もいない状態が(S130)、<3>「一定時間」以上持続された場合(S140)
【0065】
前記(Case1)の場合、第1制御部210は、該当のエレベーター号機を同乗モードに転換し(S150)、ロボット310の呼び出しのみならず、人などの非ロボット320の呼び出しに対しても該当のエレベーター号機を割り当てることができる。
【0066】
これによって、該当のエレベーター号機を利用するロボット310が実際に存在しないにもかかわらず、該当のエレベーター号機がロボット専用モードに設定され、人などの非ロボット320が該当のエレベーター号機を使用できない非効率を改善し、交通量処理の効率性を向上させることができる。
【0067】
第1制御部210の同乗モードへの転換は、前記条件が満足された場合に自動的に行われるように設定されることが好ましいが、これに限定されるものではない。また、前記「一定時間」は、事前に指定された時間であってもよく、自動的に学習された時間であってもよい。以下、同一である。
【0068】
(Case2)該当のエレベーター号機が第1制御部210によってロボット専用モードから同乗モードに転換された状態(Case1)で、映像部100から受信した非ロボット320の数によると、<1>該当の号機全体に乗り場で待機中の非ロボット320もいなく(S160)、<2>エレベーターカーEC内に搭乗中の非ロボット320もいない状態が(S170)、<3>「一定時間」以上持続された場合(S180)
【0069】
前記(Case2)は、次のような三つの場合のうちいずれか一つを含むことができる。
【0070】
1)映像部100から受信したロボット310の数によると、該当の号機全体において、乗り場で待機中のロボット310又はエレベーターカーEC内に搭乗中のロボット310がいる場合
【0071】
2)映像部100から受信したロボット310の数によると、該当の号機全体において、乗り場で待機中のロボット310及びエレベーターカーEC内に搭乗中のロボット310のいずれもいなく、このような状態が「一定時間」以上持続された場合
【0072】
3)ロボット310によるホールコール又はカーコールが発生した場合
【0073】
前記(Case2)の場合、第1制御部210は、該当のエレベーター号機を同乗モードからロボット専用モードに還元し(S190)、ロボット310の呼び出しに対してのみ該当のエレベーター号機を割り当て、人などの非ロボット320の呼び出しに対しては該当のエレベーター号機を割り当てないことがある。
【0074】
これによって、ロボット310に対する呼び出しサービスが円滑に行われるようにし、交通量処理の効率性を向上させることができる。
【0075】
第1制御部210のロボット専用モードへの還元は、前記条件が満足された場合に自動的に行われるように設定されることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0076】
図6は、本発明の他の実施例に係るエレベーターシステムの制御方法を概略的に示したフローチャートである。以下、図6を参照して説明する。
【0077】
(Case3)特定のエレベーター号機が非ロボット専用モードで運用される状態(S210)で、映像部100から受信した非ロボット320の数によると、<1>該当の号機全体に乗り場で待機中の人などの非ロボット320もいなく(S220)、<2>エレベーターカーEC内に搭乗中の非ロボット320もいない状態が(S230)、<3>「一定時間」以上持続された場合(S240)
【0078】
第1制御部210は、該当のエレベーター号機を同乗モードに転換し(S250)、人などの非ロボット320の呼び出しのみならず、ロボット310の呼び出しに対しても該当のエレベーター号機を割り当てることができる。
【0079】
これによって、該当のエレベーター号機を用いる人などの非ロボット320が実際に存在しないにもかかわらず、該当のエレベーター号機が非ロボット専用モードに設定され、ロボット310が該当のエレベーター号機を使用できない非効率を改善し、交通量処理の効率性を向上させることができる。
【0080】
第1制御部210の同乗モードへの転換は、前記条件が満足された場合に自動的に行われるように設定されることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0081】
(Case4)該当のエレベーター号機が第1制御部210によって非ロボット専用モードから同乗モードに転換された状態(Case3)で、映像部100から受信したロボット310の数によると、<1>該当の号機全体に乗り場で待機中のロボット310もいなく(S260)、<2>エレベーターカーEC内に搭乗中のロボット310もいない状態が(S270)、<3>「一定時間」以上持続された場合(S280)
【0082】
前記(Case4)は、次のような三つの場合のうちいずれか一つを含むことができる。
【0083】
1)映像部100から受信した非ロボット320の数によると、該当の号機全体において、乗り場で待機中の非ロボット320又はエレベーターカーEC内に搭乗中の非ロボット320がいる場合
【0084】
2)映像部100から受信した非ロボット320の数によると、該当の号機全体において、乗り場で待機中の非ロボット320及びエレベーターカーEC内に搭乗中の非ロボット320がいずれもいなく、このような状態が「一定時間」以上持続された場合
【0085】
3)非ロボット320によるホールコール又はカーコールが発生した場合
【0086】
前記(Case4)の場合、第1制御部210は、該当のエレベーター号機を同乗モードから非ロボット専用モードに還元し(S290)、人などの非ロボット320の呼び出しに対してのみ該当のエレベーター号機を割り当て、ロボット310の呼び出しに対しては該当のエレベーター号機を割り当てないことがある。
【0087】
これによって、人などの非ロボット320に対する呼び出しサービスが円滑に行われるようにし、交通量処理の効率性を向上させることができる。
【0088】
第1制御部210の非ロボット専用モードへの還元は、前記条件が満足された場合に自動的に行われるように設定されることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0089】
本発明は、前記実施例に限定されなく、本発明の技術的要旨を逸脱しない範囲内で多様に修正又は変形して実施可能であることは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって自明である。
【符号の説明】
【0090】
EC エレベーターカー
100 映像部
110 第1映像装置
120 第2映像装置
200 制御部
210 第1制御部
220 第2制御部
300 対象体
310 ロボット
320 非ロボット
【要約】
【課題】ロボットが送る位置信号によるロボットの数と、映像情報によるロボットの数とが互いに一致しない場合、映像情報を基準にして運用されるエレベーターシステム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】一つ以上のエレベーター号機、映像部、及び制御部を含み、前記一つ以上のエレベーター号機は、それぞれ一つ以上のエレベーターカーを含み、前記映像部は、前記エレベーターカーの内部に設置される第1映像装置、及び建物の各階の乗り場にそれぞれ設置される第2映像装置を含み、前記制御部は、エレベーターの運行を制御及び管理する第1制御部、及びロボットの運行を制御及び管理する第2制御部を含み、前記一つ以上のエレベーター号機は、それぞれ非ロボット専用モード、ロボット専用モード、及び同乗モードのうちいずれか一つで運用されるエレベーターシステムを構成する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6