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▶ 柿見 富雄の特許一覧

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  • 特許-アナログ時計 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-10
(45)【発行日】2025-03-18
(54)【発明の名称】アナログ時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/08 20060101AFI20250311BHJP
【FI】
G04B19/08
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2024157860
(22)【出願日】2024-09-11
【審査請求日】2024-09-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】396006860
【氏名又は名称】柿見 富雄
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(72)【発明者】
【氏名】柿見 富雄
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-191280(JP,A)
【文献】イラスト「みくみく時計(文字盤デザイン)」,[online],2022年06月26日,インターネット<URL:https://piapro.jp/t/yE2w>,[2024年11月21日検索]
【文献】中古★JLCグッズ 大時計目覚まし時計★競艇 ボートレース,[online],2015年10月08日,インターネット<URL:https://aucview.aucfan.com/yahoo/d175927817/>,[2024年11月21日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/06-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣り合う2つの線分の交点によって特定の時間間隔の区切りが文字盤に表され
前記交点が文字盤に60個あり、当該交点の各々が1分間隔および1秒間隔の区切りを表し、
前記交点の各々は前記文字盤に表示された折線の屈折点であり、
前記60個の交点のうち1時間間隔および5分間隔の区切りを表す交点では、前記隣り合う2つの線分同士が交差している、アナログ時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ時計に関し、特に、文字盤における時間間隔の区切りに関するものである。
【背景技術】
【0002】
時計で時刻を表示する方式は、「デジタル式」と「アナログ式」に大別される。時、分、秒といった時刻要素を数字で表示するデジタル式は、現在の時刻が一意に表示される。一方、それぞれの時刻要素に対応した指針(時針、分針および秒針)が時間の経過に応じて回転するアナログ式は、現在の時刻のみならず、時間(時の流れの2点間)を表示するのにも適している。
【0003】
一般的なアナログ時計の多くは、指針の回転中心から放射状に30°間隔の等ピッチで延出する仮想放射線上に、1時間間隔および5分間隔の区切りを示す目印線や目印点がそれぞれ表示されている。また、指針の回転中心から放射状に6°間隔の等ピッチで延出する仮想放射線上に、1分間隔および1秒間隔の区切りを示す目印線や目印点が表示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平10-148682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、アナログ時計の文字盤における時間間隔の区切りを改良することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るアナログ時計は、隣り合う2つの線分の交点によって特定の時間間隔の区切りが文字盤に表されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、隣り合う2つの線分の交点によって特定の時間間隔の区切りを表すことで、「特定の時間間隔の区切り」の目印という意味合いに加えて「時間の流れの連続性」というアナログ時計本来の文字通りの意味合いを表現することが可能となる。これにより、アナログ時計の文字盤における時間間隔の区切りとなる目印を改良することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るアナログ時計の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るアナログ時計の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
実施形態に係るアナログ時計10(以下、単に「時計10」という。)は、腕時計、掛け時計、置き時計などの各種時計はもちろん、コンピュータの一種であるスマートフォンのディスプレイに表示される時計のほか、スマートウォッチ、タブレット、ノートパソコンなどの携帯情報端末、あるいは、デスクトップ型のパソコンやテレビ、デジタルサイネージなどの電子機器に表示される時計に適用することができる。
【0011】
図1に示すように、時計10は、円形をした文字盤12を有する。文字盤12には、その中心点を軸にして回転する時針14、分針16および秒針18がそれぞれ設けられている。時針14、分針16および秒針18は、時、分、秒に対応する時刻要素に対応する指針である。時針14は、一般的な時計と同様、右回り(時計回り)方向へ12時間で1回転する。これと同様に、分針16は、右回り(時計回り)方向へ60分で1回転し、秒針18は、右回り(時計回り)方向へ60秒で1回転する。これらの時針14、分針16および秒針18がそれぞれ時間経過に応じて回転することにより、現在時刻が表示される。文字盤12には、また、指針が指し示す現在時刻の表示を補助する要素の一つとして、1から12までの数字が30°間隔の等ピッチで配置されている。
【0012】
上記構成を有する時計10では、指針が指し示す現在時刻の表示を補助する他の要素である「時間間隔の区切り」を示す目印の形態が一般的な時計とは異なる構成となっている。すなわち、本実施形態では、隣り合う2つの線分の交点によって特定の時間間隔の区切りが文字盤12に表されている。具体的には、文字盤12の周縁部に沿って折線が表示されており、この折線の屈折点が60個ある。これら60個の屈折点は、いずれも折線を構成する隣り合う2つの線分の交点であり、これら60個の交点(屈折点)の各々が1分間隔および1秒間隔の区切りを表している。なお、本例において、すべての交点は、一般的な時計と同様、文字盤12の中心点から放射状に6°間隔の等ピッチで延出する仮想放射線上に配置されている。
【0013】
また、本実施形態では、上記した60個の交点のうち1時間間隔および5分間隔の区切りを表す交点では、隣り合う2つの線分同士が交差している。すなわち、本実施形態では、1時間間隔および5分間隔の区切りを表す交点を形成している2つの線分同士が「X」字状に交差しており、線分の両端が交点を挟んだ両側に配置されるような構成となっている。このような構成を採用することにより、一般的な時計と同様に、「1分間隔および1秒間隔の区切り」と「1時間間隔および5分間隔の区切り」とを容易に区別できるようになっている。
【0014】
このように、本実施形態の時計10によれば、隣り合う2つの線分の交点によって特定の時間間隔の区切りを表すことで、「特定の時間間隔の区切り」の目印という意味合いに加えて「時間の流れの連続性」というアナログ時計本来の文字通りの意味合いを表現することが可能となる。また、文字盤12の周縁部に沿って描かれた折線は、特定の時間間隔の区切りを表す目印としての役割のみならず文字盤12のデザインの一部にもなるため、時計10の意匠性向上にも資することとなる。これにより、アナログ時計の文字盤における時間間隔の区切りとなる目印を改良することが実現されるのである。
【0015】
以上、本発明に係るアナログ時計を実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のように変形した形態で実施しても構わない。
【0016】
<変形例>
(1)上記実施形態では、特定の時間間隔の区切りを表す交点を形成する折線が文字盤12の周縁部に沿って描かれているが、この折線は、文字盤の中央側(1から12の数字の内側)に描かれていても構わない。
【0017】
(2)上記実施形態において、折線を構成する線分の太さや隣り合う2つの線分がなす角度については特に限定されるものではない。また、上記実施形態では、文字盤12が円形のものを例示したが、文字盤の形状はこれに限らず、四角形その他の多角形や楕円形といった他の形状であっても構わない。これらの要素は、文字盤の全体的なバランスや指針のデザインなどを総合的に考慮して適宜設計変更することが可能である。
【0018】
(3)上記実施形態では、文字盤12に表示された折線の60個ある屈折点の各々が1分間隔および1秒間隔の区切りを表し、このうち、1時間間隔および5分間隔の区切りを表す交点を形成している2つの線分同士が「X」字状に交差した形態を示しているが、その逆の形態であっても構わない。すなわち、1時間間隔および5分間隔の区切りを折線の屈折点とし、1分間隔および1秒間隔の区切りを「X」字状をした60個の交差点としてもよい。また、1時間間隔および5分間隔の区切りを有しない形態で実施することとしても勿論構わない。さらに、1時間間隔および5分間隔の区切りを表す目印の形態は、上記例示した「X」字状に限らず、例えば、従来公知の時計における放射線状の区切り線(直線)や点その他の形状で表すこととしてもよい。
【0019】
(4)上記実施形態では、時間を識別するための記号として文字盤12に1から12の数字を表示しているが、たとえば、12種類の記号を表示することとしても構わない。例えば、例えば、十二支を表す文字や絵画、写真などの画像を12種類の記号として文字盤に表示するようにしてもよい。また、文字盤に表示する数字の形態についても特に限定されるものではない。上記実施形態では、アラビア数字を図示しているが、ローマ数字や漢数字を表示することとしても勿論構わない。
【0020】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【符号の説明】
【0021】
10: 時計
12: 文字盤
14: 時針
16: 分針
18: 秒針

【要約】
【課題】アナログ時計の文字盤における時間間隔の区切りを改良すること。
【解決手段】隣り合う2つの線分の交点によって特定の時間間隔の区切りを文字盤12に表す。
【選択図】図1

図1