(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-11
(45)【発行日】2025-03-19
(54)【発明の名称】シートおよびクッション部材
(51)【国際特許分類】
A47C 7/42 20060101AFI20250312BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20250312BHJP
A47C 7/18 20060101ALI20250312BHJP
A47C 27/14 20060101ALI20250312BHJP
【FI】
A47C7/42
B60N2/90
A47C7/18
A47C27/14 D
(21)【出願番号】P 2020169705
(22)【出願日】2020-10-07
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 亮
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-000527(JP,A)
【文献】特開2012-232689(JP,A)
【文献】特開2006-122405(JP,A)
【文献】登録実用新案第3221251(JP,U)
【文献】特開昭59-195428(JP,A)
【文献】特開2016-068779(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0134754(US,A1)
【文献】中国実用新案第207826054(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 - B60N 2/90
A47C 7/00 - A47C 7/74
A47C 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が座る座部および背もたれを有するシート本体と、
前記座部および前記背もたれの少なくとも一方の座面に対して着脱自在なクッション部材と、を備え、
前記クッション部材は、
人が手を引っ掛けて持つことが可能な持ち手
と、
前記座部の座面に対して着脱自在な座部クッションと、
前記背もたれの座面に対して着脱自在な背もたれクッションと、
前記座部クッションに設けられた第1電線と、
前記背もたれクッションに設けられた第2電線と、
前記第1電線と前記第2電線をつなぐ第3電線とを有
し、
前記持ち手は、前記座部クッションと前記背もたれクッションを連結するように設けられており、
前記第3電線は、前記持ち手を通るように設けられていることを特徴とするシート。
【請求項2】
前記座部および前記背もたれの少なくとも一方は、座面の一部に形成された凹部を有し、
前記クッション部材は、前記凹部に対して着脱自在であり、取り付けられた状態で前記凹部に嵌ることを特徴とする請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記シート本体は、チャイルドシートを取り付けるための左右のチャイルドシート取付部を有し、
前記持ち手は、前記クッション部材が前記シート本体に取り付けられた場合に、前記左右のチャイルドシート取付部の間に位置するように設けられていることを特徴とする請求項
1または請求項2に記載のシート。
【請求項4】
前記シート本体は、チャイルドシートを取り付けるための左右のチャイルドシート取付部を有し、
前記持ち手は、前記クッション部材が前記シート本体に取り付けられた場合に、前記左右のチャイルドシート取付部の少なくとも一方を覆うように設けられていることを特徴とする請求項
1または請求項2に記載のシート。
【請求項5】
前記座部クッションと前記背もたれクッションは、形状および大きさが略同じであることを特徴とする請求項
1から請求項
4のいずれか1項に記載のシート。
【請求項6】
前記持ち手は、手を引っ掛けるための孔または凹みを有することを特徴とする請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載のシート。
【請求項7】
人が座る座部および背もたれを有するシート本体を備え、前記座部および前記背もたれの少なくとも一方が、座面の一部に形成された凹部を有するシートの前記シート本体に取り付けられるクッション部材であって、
人が手を引っ掛けて持つことが可能な持ち手
と、
前記座部の座面に対して着脱自在な座部クッションと、
前記背もたれの座面に対して着脱自在な背もたれクッションと、
前記座部クッションに設けられた第1電線と、
前記背もたれクッションに設けられた第2電線と、
前記第1電線と前記第2電線をつなぐ第3電線とを有するとともに、前記凹部に対して着脱自在であり、取り付けられた状態で前記凹部に嵌
り、
前記持ち手は、前記座部クッションと前記背もたれクッションを連結するように設けられており、
前記第3電線は、前記持ち手を通るように設けられていることを特徴とするクッション部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部と背もたれを備えるシート、および、シート本体に取り付けられるクッション部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発泡体からなるパッドの表面が表皮で覆われ、表皮が表面カバーと周囲カバーとで構成されているシートであって、表面カバーを周囲カバーに対して着脱自在にしたものが知られている(特許文献1)。この技術では、表面カバーと周囲カバーは、シートの外側面で、線ファスナ、面ファスナまたはフック手段によって連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クッション部材をシート本体に対して着脱自在にする場合、シート本体から取り外したクッション部材を簡単に持ち運びできることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、クッション部材を簡単に持ち運びできるようにすることを目的とする。
また、クッション部材を簡単に着脱することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するためのシートは、人が座る座部および背もたれを有するシート本体と、前記座部および前記背もたれの少なくとも一方の座面に対して着脱自在なクッション部材と、を備え、前記クッション部材は、人が手を引っ掛けて持つことが可能な持ち手を有することを特徴とする。
【0007】
また、クッション部材は、人が座る座部および背もたれを有するシート本体を備え、前記座部および前記背もたれの少なくとも一方が、座面の一部に形成された凹部を有するシートの前記シート本体に取り付けられるクッション部材であって、人が手を引っ掛けて持つことが可能な持ち手を有するとともに、前記凹部に対して着脱自在であり、取り付けられた状態で前記凹部に嵌ることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、シート本体から取り外したクッション部材を簡単に持ち運ぶことができる。また、簡単に持ち運ぶことができることで、持ち運んだ先でクッション部材を使うことができる。
【0009】
前記した構成において、前記座部および前記背もたれの少なくとも一方は、座面の一部に形成された凹部を有し、前記クッション部材は、前記凹部に対して着脱自在であり、取り付けられた状態で前記凹部に嵌るものとすることができる。
【0010】
これによれば、クッション部材を凹部に嵌めるだけで簡単に取り付けることができ、凹部に嵌ったクッション部材を凹部から引っぱり出すだけで簡単に取り外すことができる。すなわち、クッション部材を簡単に着脱することができる。
【0011】
前記した構成において、前記クッション部材は、前記座部の座面に対して着脱自在な座部クッションと、前記背もたれの座面に対して着脱自在な背もたれクッションとを有し、前記持ち手は、前記座部クッションと前記背もたれクッションを連結するように設けられているものとすることができる。
【0012】
これによれば、座部クッションと背もたれクッションを重ねた状態で持ち手を持ってクッション部材を持ち運ぶことができるので、座部クッションと背もたれクッションを有するクッション部材をコンパクトにして簡単に持ち運ぶことができる。
【0013】
前記した構成において、前記シート本体は、チャイルドシートを取り付けるための左右のチャイルドシート取付部を有し、前記持ち手は、前記クッション部材が前記シート本体に取り付けられた場合に、前記左右のチャイルドシート取付部の間に位置するように設けられているものとすることができる。
【0014】
これによれば、シート本体にクッション部材が取り付けられたシートにチャイルドシートを取り付ける際に、持ち手が邪魔になるのを抑制することができる。
【0015】
前記した構成において、前記シート本体は、チャイルドシートを取り付けるための左右のチャイルドシート取付部を有し、前記持ち手は、前記クッション部材が前記シート本体に取り付けられた場合に、前記左右のチャイルドシート取付部の少なくとも一方を覆うように設けられているものとすることができる。
【0016】
これによれば、シート本体からクッション部材を取り外さなければシートにチャイルドシートを取り付けることができないような仕様を実現することができる。
【0017】
前記した構成において、クッション部材は、前記座部クッションに設けられた第1電線と、前記背もたれクッションに設けられた第2電線と、前記第1電線と前記第2電線をつなぐ第3電線とを有し、前記第3電線は、前記持ち手を通るように設けられているものとすることができる。
【0018】
これによれば、クッション部材が電線を有する構成で、第3電線をすっきりと配置することができる。
【0019】
前記した構成において、前記座部クッションと前記背もたれクッションは、形状および大きさが略同じであることものとすることができる。
【0020】
これによれば、座部クッションと背もたれクッションを重ねることでクッション部材がよりコンパクトになるので、座部クッションと背もたれクッションを有するクッション部材をより簡単に持ち運ぶことができる。また、座部クッションと背もたれクッションを入れ替えてシート本体に取り付けることが可能となる。
【0021】
前記した構成において、前記持ち手は、手を引っ掛けるための孔または凹みを有することものとすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、クッション部材を簡単に持ち運ぶことができる。
【0023】
また、クッション部材を座面の一部に形成された凹部に対して着脱自在とし、取り付けられた状態で凹部に嵌る構成とすることで、クッション部材を簡単に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】シート本体とクッション部材の斜視図(a)と、持ち運び状態としたクッション部材の斜視図(b)である。
【
図3】シート本体の座部および背もたれと、クッション部材の縦断面図である。
【
図5】背もたれと背もたれクッションの横断面図である。
【
図6】第1変形例に係るシートの保持機構を示す図である。
【
図7】第2変形例に係るシートの保持機構を示す図である。
【
図8】第3変形例に係るシートの保持機構を示す図である。
【
図9】第4変形例に係るシートの保持機構を示す図である。
【
図10】変形例に係るクッション部材の斜視図であり、第5変形例を示す図(a)と、第6変形例を示す図(b)と、第7変形例を示す図(c)である。
【
図11】第8変形例に係るシートの斜視図(a)と、クッション部材の斜視図(b)と、持ち運び状態としたクッション部材の斜視図(c)である。
【
図12】第9変形例に係るシートのシート本体とクッション部材の斜視図(a)と、第10変形例に係るシートのシート本体とクッション部材の斜視図(b)である。
【
図13】持ち手の変形例を示す図(a),(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、発明の一実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、シートに座った者から見た、前後、左右、上下を基準とする。
図1に示すように、シートは、自動車に搭載される車両用シートSとして構成されており、シート本体S0と、車両用シートSのシート本体S0に取り付けられるクッション部材100とを備える。
【0026】
シート本体S0は、人が座る座部S1と、背もたれS2と、ヘッドレストS3とを有する。
図1および
図2(a)に示すように、クッション部材100は、座部S1および背もたれS2の、車両用シートSに座った人を支持する座面S10,S20に対して着脱自在である。詳しくは、クッション部材100は、シート本体S0の凹部10に対して着脱自在である。
【0027】
図3に示すように、座部S1および背もたれS2は、フレーム20と、フレーム20を覆うパッド30と、パッド30を覆う表皮40とを有している。詳しくは、フレーム20は、座部S1のフレームを構成する座部フレーム21と、背もたれS2のフレームを構成する背もたれフレーム22とを有している。また、パッド30は、ウレタンフォームなどからなり、座部パッド31と、背もたれパッド32とを有している。表皮40は、布地や皮革などからなり、座部表皮41と、背もたれ表皮42とを有している。
【0028】
座部S1は、座部フレーム21に座部パッド31と座部表皮41を被せることで構成されている。また、背もたれS2は、背もたれフレーム22に背もたれパッド32と背もたれ表皮42を被せることで構成されている。
【0029】
座部S1および背もたれS2は、座面S10,S20の一部に形成された凹部10を有している。凹部10は、座部S1の座面S10の一部に形成された座部凹部11と、背もたれS2の座面S20の一部に形成された背もたれ凹部12とを有している。
【0030】
図2(a)に示すように、座部S1は、座部中央部S11と、座部中央部S11の左右両側に設けられ、座部中央部S11よりも上側に張り出した左右の座部側部S12とを有している。座部凹部11は、上から見て略矩形状であり、座部S1の座面S10のうち、座部中央部S11の前後方向における中央部から後部にわたって形成されている。
図4に示すように、座部凹部11は、座部パッド31に形成されたパッド凹部31Aを座部表皮41によって覆うことにより形成されている。
【0031】
図2(a)に戻り、背もたれS2は、背もたれ中央部S21と、背もたれ中央部S21の左右両側に設けられ、背もたれ中央部S21よりも前側に張り出した左右の背もたれ側部S22とを有している。背もたれ凹部12は、前から見て略矩形状であり、背もたれS2の座面S20のうち、背もたれ中央部S21の上下方向における中央部から下部にわたって形成されている。
図5に示すように、背もたれ凹部12は、背もたれパッド32に形成されたパッド凹部32Aを背もたれ表皮42によって覆うことにより形成されている。
【0032】
図2(a)に示すように、クッション部材100は、座部クッション110と、背もたれクッション120と、持ち手130とを有している。
【0033】
図4および
図5に示すように、クッション部材100は、クッションパッドPと、クッションパッドPを覆うクッション表皮Cとを有する。詳しくは、クッションパッドPは、ウレタンフォームなどからなり、座部クッションパッド111と、背もたれクッションパッド121とを有している。また、クッション表皮Cは、布地や皮革などからなり、座部クッション表皮112と、背もたれクッション表皮122とを有している。
【0034】
図4に示すように、座部クッション110は、座部クッションパッド111に座部クッション表皮112を被せることで構成されている。また、
図5に示すように、背もたれクッション120は、背もたれクッションパッド121に背もたれクッション表皮122を被せることで構成されている。
【0035】
図2(a)に示すように、本実施形態において、座部クッション110と背もたれクッション120は、形状および大きさが略同じである。詳しくは、座部クッション110および背もたれクッション120は、いずれも略矩形の板形状を有している。そして、座部クッション110の左右の幅と、背もたれクッション120の左右の幅は、略同じである。また、座部クッション110の前後の長さと、背もたれクッション120の上下の長さは、略同じである。また、座部クッション110の厚みと、背もたれクッション120の厚みは、略同じである。
【0036】
座部クッション110は、座部S1の座面S10に対して着脱自在である。詳しくは、座部クッション110は、座部凹部11に対して着脱自在である。
図4に示すように、座部クッション110は、座部S1の座面S10に取り付けられた状態で座部凹部11に嵌る。座部凹部11は、クッション部材100の座部クッション110が座部凹部11に嵌った状態で座部クッション110を挟持する、左右の内側面11A,11Bを有する。また、
図3に示すように、座部凹部11は、座部クッション110が座部凹部11に嵌った状態で座部クッション110を挟持する、前後の内側面11C,11Dを有する。
【0037】
座部クッション110は、多少押し縮められた状態で、座部凹部11に嵌るように形成されている。これにより、座部クッション110が座部凹部11に嵌った状態で、座部クッション110の左右および前後の側面は、座部凹部11の左右および前後の内側面11A~11Dに密着する。座部クッション110および座部凹部11は、座部クッション110が座部凹部11に嵌った状態で輪郭が略同じとなる。
【0038】
図5に示すように、背もたれクッション120は、背もたれS2の座面S20に対して着脱自在である。詳しくは、背もたれクッション120は、背もたれ凹部12に対して着脱自在である。背もたれクッション120は、背もたれS2の座面S20に取り付けられた状態で背もたれ凹部12に嵌る。背もたれ凹部12は、クッション部材100の背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で背もたれクッション120を挟持する、左右の内側面12A,12Bを有する。また、
図3に示すように、背もたれ凹部12は、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で背もたれクッション120を挟持する、上下の内側面12C,12Dを有する。
【0039】
背もたれクッション120は、多少押し縮められた状態で、背もたれ凹部12に嵌るように形成されている。これにより、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で、背もたれクッション120の左右および上下の側面は、背もたれ凹部12の左右および上下の内側面12A~12Dに密着する。背もたれクッション120および背もたれ凹部12は、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で輪郭が略同じとなる。
【0040】
図2(a)に示すように、持ち手130は、人が手を引っ掛けて持つことが可能な部分であり、座部クッション110と背もたれクッション120を連結するように設けられている。持ち手130は、例えば、布地や皮革などからなり、上下の部分に切欠131A,131Bを有する略H字形状の部材である。持ち手130は、例えば、下端部が座部クッション110の裏面(下面)の後端部付近に接続され、上端部が背もたれクッション120の裏面(後面)の下端部付近に接続されて設けられている。
【0041】
図3に示すように、座部クッション110が座部凹部11に嵌った状態で、持ち手130の下部分は、座部クッション110とともに座部凹部11に入り込み、座部クッション110の後ろの側面と座部凹部11の後ろの内側面11Dとの間に配置される。また、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で、持ち手130の上部分は、背もたれクッション120とともに背もたれ凹部12に入り込み、背もたれクッション120の下の側面と背もたれ凹部12の下の内側面12Dとの間に配置される。
【0042】
図2(b)に示すように、クッション部材100は、持ち手130の上下の部分を重ねて略U字形状をなすように折り曲げるとともに、座部クッション110と背もたれクッション120の裏面同士を合わせて重ねることで、持ち手130を持って持ち運び可能な、持ち運び状態とすることができる。持ち手130は、手を引っ掛けるための孔131を有する。孔131は、持ち手130に形成された切欠131A,131Bの一部と、座部クッション110および背もたれクッション120の縁部とにより形成される。
【0043】
図1に示すように、シート本体S0は、左右のチャイルドシート取付部50をさらに有している。チャイルドシート取付部50は、チャイルドシートを取り付けるための固定金具などが設けられた部分であり、左右に所定の間隔をあけて配置されている。なお、チャイルドシート取付部50の具体的な構造について、本明細書では詳細な説明は省略するが、例えば、国際標準規格であるISOFIXで定められたチャイルドシートの固定構造などを採用することができる。
【0044】
クッション部材100の持ち手130は、クッション部材100がシート本体S0に取り付けられた場合に、左右のチャイルドシート取付部50の間に位置するように設けられている。
【0045】
詳しくは、左右のチャイルドシート取付部50は、左右方向において、座部クッション110および背もたれクッション120の幅内に収まるような位置に配置されている。持ち手130は、左右の幅が左右のチャイルドシート取付部50の間隔よりも小さくなっており、左右方向において、左右のチャイルドシート取付部50の間の位置に対応する位置に設けられている。具体的には、持ち手130は、クッション部材100の左右方向における中央付近に設けられている。これにより、持ち手130は、クッション部材100がシート本体S0に取り付けられた場合に、その全体が左右のチャイルドシート取付部50の間に配置される。
【0046】
車両用シートSは、保持機構60をさらに備える。保持機構60は、背もたれ凹部12に嵌った背もたれクッション120が
図3に仮想線で示すようにその下端部が前にずれることでずり下がるのを抑制するための機構である。本実施形態において、保持機構60は、左右の掛止部61を有する。
【0047】
掛止部61は、例えば、布地や皮革などからなる略直角三角形状の部材であり、背もたれS2に設けられている。詳しくは、
図2(a)に示すように、掛止部61は、前側から見て背もたれ凹部12の下部の一部を覆うように設けられている。より詳しくは、掛止部61は、前側から見て背もたれ凹部12の下に位置する左右の隅部を覆うように設けられている。
【0048】
左側の掛止部61は、背もたれS2の座面S20のうち、背もたれ凹部12の下に位置する左の隅部の左側および下側の部分に取り付けられている。また、右側の掛止部61は、背もたれS2の座面S20のうち、背もたれ凹部12の下に位置する右の隅部の右側および下側の部分に取り付けられている。
【0049】
図5に示すように、掛止部61は、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で、背もたれ凹部12の底面12Eとの間で背もたれクッション120を挟むように配置されて背もたれクッション120を支持する。これにより、掛止部61は、背もたれ凹部12に嵌った状態の背もたれクッション120の下端部が前側に移動しようとするのを抑制する。
【0050】
以上説明した本実施形態によれば、クッション部材100を凹部10に嵌めるだけで簡単に取り付けることができ、凹部10に嵌ったクッション部材100を凹部10から引っぱり出すだけで簡単に取り外すことができる。これにより、クッション部材100を簡単に着脱することができる。
【0051】
また、クッション部材100を簡単に着脱できることで、クッション部材100が汚れた場合に、取り外して洗ったり、交換したりすることが容易となる。また、クッション部材100として、例えば、色、柄、硬さなどが異なるものを複数用意することで、座る人の好みに応じてクッション部材100を簡単に交換することができる。
【0052】
また、クッション部材100として、例えば、
図10(a)~(c)に示すような、面状のヒータ71A,71B、ファン72A,72B、バイブレータ73A,73Bなどを備えるものを用意することで、車両用シートSに後付けで暖房機能、送風機能、マッサージ機能などを付加することができる。また、クッション部材100を簡単に着脱できることで、クッション部材100を別の機能を有するものに取り替えることが容易であり、車両用シートSに付加する機能を簡単に変更することができる。
【0053】
また、凹部10が、クッション部材100が凹部10に嵌った状態でクッション部材100を挟持する内側面11A~11D,12A~12Dを有するので、凹部10に嵌ったクッション部材100をしっかりと保持することができる。
【0054】
また、車両用シートSが保持機構60を備えるので、背もたれ凹部12に嵌った背もたれクッション120がずり下がるのを抑制することができる。詳しくは、背もたれ凹部12に嵌った背もたれクッション120が掛止部61に引っ掛かることで、背もたれクッション120の下端部が前にずれてずり下がるのを抑制することができる。
【0055】
また、クッション部材100が、人が手を引っ掛けて持つことが可能な持ち手130を有するので、シート本体S0から取り外したクッション部材100を簡単に持ち運ぶことができる。また、簡単に持ち運ぶことができることで、持ち運んだ先でクッション部材100を使うことができる。
【0056】
また、クッション部材100が座部クッション110と背もたれクッション120を有し、持ち手130が座部クッション110と背もたれクッション120を連結するように設けられているので、座部クッション110と背もたれクッション120を重ねた状態で持ち手130を持ってクッション部材100を持ち運ぶことができる。これにより、座部クッション110と背もたれクッション120を有するクッション部材100をコンパクトにして簡単に持ち運ぶことができる。
【0057】
また、クッション部材100がシート本体S0に取り付けられた場合に、持ち手130が左右のチャイルドシート取付部50の間に位置するように設けられているので、シート本体S0にクッション部材100が取り付けられた車両用シートSにチャイルドシートを取り付ける際に、持ち手130が邪魔になるのを抑制することができる。
【0058】
また、座部クッション110と背もたれクッション120の形状および大きさが略同じであるので、座部クッション110と背もたれクッション120を重ねることでクッション部材100がよりコンパクトになる。これにより、座部クッション110と背もたれクッション120を有するクッション部材100をより簡単に持ち運ぶことができる。
【0059】
また、座部クッション110と背もたれクッション120の形状および大きさが略同じであることで、座部クッション110と背もたれクッション120を入れ替えてシート本体S0に取り付けることが可能となる。また、クッション部材100をシート本体S0から取り外して持ち運んだ先で使う場合に、座部クッション110と背もたれクッション120を重ねたまま使用することが可能となる。
【0060】
以上に発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように適宜変形して実施することができる。なお、以下では、前記実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0061】
前記実施形態では、保持機構60の掛止部61が前側から見て背もたれ凹部12の下部の一部を覆うように設けられていたが、これに限定されず、掛止部は、前側から見て背もたれ凹部12の下部の全体を覆うように設けられていてもよい。また、掛止部は、表皮を構成する部材からなり、表皮と一体に設けられていてもよい。
【0062】
また、前記実施形態では、保持機構60が掛止部61を有する構成であったが、これに限定されない。
【0063】
例えば、
図6に示すように、保持機構60は、係合部62Aと、被係合部62Bとを有する構成であってもよい。係合部62Aは、背もたれクッション120の左右の側面に設けられる凹状の部分である。被係合部62Bは、背もたれS2に形成された背もたれ凹部12の左右の内側面12A,12Bに設けられる凸状の部分である。被係合部62Bは、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で係合部62Aが係合する。
【0064】
このような構成によれば、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌ったときに係合部62Aと被係合部62Bとが係合することで、背もたれクッション120がずり下がるのを抑制することができる。
【0065】
なお、
図6に示した変形例では、クッション部材100の係合部62Aを凹状とし、背もたれS2の被係合部62Bを凸状としたが、これに限定されず、例えば、係合部を凸状とし、被係合部を凹状としてもよい。また、係合部および被係合部を左右それぞれで、1組ではなく、複数組設けてもよい。また、係合部および被係合部は、凹凸を組み合わせた形状であってもよい。また、係合部および被係合部は、左右で凹凸の形状が異なっていてもよい。また、係合部を背もたれクッション120の裏面に設け、被係合部を背もたれ凹部12の底面に設けてもよい。
【0066】
また、
図7に示すように、保持機構60は、第1磁性部材63Aと、第2磁性部材63Bとを有する構成であってもよい。第1磁性部材63Aは、背もたれS2に複数設けられている。第1磁性部材63Aは、背もたれパッド32のパッド凹部32Aの底面と背もたれ表皮42との間に固定された状態で設けられている。
【0067】
第2磁性部材63Bは、背もたれクッション120に複数設けられている。複数の第2磁性部材63Bは、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で、対応する第1磁性部材63Aと向かい合う位置にそれぞれ設けられている。第2磁性部材63Bは、背もたれクッション120の、背もたれクッションパッド121の裏面と背もたれクッション表皮122との間に固定された状態で設けられている。
【0068】
第1磁性部材63Aおよび第2磁性部材63Bは、一方が永久磁石からなり、他方が永久磁石または鉄などの強磁性体からなる。これにより、第2磁性部材63Bは、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で磁力により第1磁性部材63Aに吸着される。
【0069】
このような構成によれば、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌ったときに第2磁性部材63Bが磁力により第1磁性部材63Aに吸着されることで、背もたれクッション120がずり下がるのを抑制することができる。
【0070】
なお、第2磁性部材を背もたれクッション120の側面に設け、第1磁性部材を背もたれ凹部12の内側面に設けてもよい。
【0071】
また、
図8に示すように、保持機構60は、摩擦部材64を有する構成であってもよい。摩擦部材64は、背もたれクッション120および背もたれS2に設けられている。詳しくは、摩擦部材64は、ゴムやフェルトなどからなる帯状の部材であり、第1摩擦部材64Aと、第2摩擦部材64Bとを有している。そして、第1摩擦部材64Aは、背もたれクッション120の左右の側面に設けられており、第2摩擦部材64Bは、背もたれ凹部12の左右の内側面12A,12Bに設けられている。
【0072】
第1摩擦部材64Aと第2摩擦部材64Bは、背もたれクッション120の左右の側面と、背もたれS2に形成された背もたれ凹部12の左右の内側面12A,12Bとの間で摩擦力を発生させることにより背もたれ凹部12に嵌った背もたれクッション120がずり下がるのを抑制する。
【0073】
このような構成によれば、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌ったときに背もたれクッション120と背もたれS2との間で摩擦力が発生することで、背もたれクッション120がずり下がるのを抑制することができる。
【0074】
なお、第1摩擦部材を背もたれクッション120の裏面に設け、第2摩擦部材を背もたれ凹部12の底面に設けてもよい。また、摩擦部材は、背もたれクッション120および背もたれS2の一方だけに設けられていてもよい。
【0075】
また、
図9に示すように、保持機構60は、第1ファスナ部材65Aと、第2ファスナ部材65Bとからなる面ファスナ65を有する構成であってもよい。第1ファスナ部材65Aと第2ファスナ部材65Bは、帯状に形成され、互いに着脱可能となっている。第1ファスナ部材65Aは、背もたれS2に複数設けられている。第1ファスナ部材65Aは、背もたれ凹部12の底面の左右にそれぞれ設けられている。
【0076】
第2ファスナ部材65Bは、背もたれクッション120に複数設けられている。複数の第2ファスナ部材65Bは、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で、対応する第1ファスナ部材65Aと向かい合う位置にそれぞれ設けられている。第2ファスナ部材65Bは、第1ファスナ部材65Aに対して着脱可能であり、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌った状態で、対応する第1ファスナ部材65Aにくっつく。
【0077】
このような構成によれば、背もたれクッション120が背もたれ凹部12に嵌ったときにファスナ部材65A,65B同士がくっつくことで、背もたれクッション120がずり下がるのを抑制することができる。
【0078】
なお、第2ファスナ部材を背もたれクッション120の側面に設け、第1ファスナ部材を背もたれ凹部12の内側面に設けてもよい。
【0079】
また、保持機構は、前記した実施形態および
図6~
図9に示した変形例の構成を2つ以上組み合わせた構成であってもよい。すなわち、保持機構60は、掛止部61、係合部62Aと被係合部62B、第1磁性部材63Aと第2磁性部材63B、摩擦部材64、および、面ファスナ65を、2つ以上含む構成であってもよい。
【0080】
また、保持機構は、背もたれだけでなく、座部に設けてもよい。なお、例えば、
図7や
図9に示した変形例の構成を、座部S1にも設ける場合には、クッション部材100を持ち運び状態(
図2(b)参照)としたときに、座部クッション110と背もたれクッション120とが、磁力により吸着する、または、面ファスナによりくっつくように設けてもよい。また、クッション部材が凹部に嵌ることによってシート本体にしっかりと保持され、ずれ動かないのであれば、車両用シートは、保持機構を備えない構成であってもよい。
【0081】
また、
図10(a)に示すように、クッション部材100は、電装部品70と、電装部品70に電力を供給するためのバッテリ80と、電線91,92をさらに有していてもよい。
【0082】
電装部品70は、一例として、面状のヒータ71A,71Bである。ヒータ71Aは、座部クッション110に設けられており、ヒータ71Bは、背もたれクッション120に設けられている。
バッテリ80は、座部クッション110に設けられている。バッテリ80は、充電可能なバッテリであってもよい。また、バッテリ80は、交換可能であってもよい。
【0083】
電線91は、バッテリ80と、座部クッション110に設けられた電装部品70(ヒータ71A)とを接続する電線であり、座部クッション110に設けられている。
【0084】
電線92は、バッテリ80と、背もたれクッション120に設けられた電装部品70(ヒータ71B)とを接続する電線である。電線92は、座部クッション110に設けられた部分である第1電線92Aと、背もたれクッション120に設けられた部分である第2電線92Bと、第1電線92Aと第2電線92Bをつなぐ部分である第3電線92Cとを有している。第3電線92Cは、座部クッション110と背もたれクッション120を連結する持ち手130を通るように設けられている。
【0085】
クッション部材100に設けられる電装部品70は、
図10(a)に示したヒータ71A,71Bに限定されない。例えば、
図10(b)に示すように、冷却などのためのファン72A,72Bであってもよいし、
図10(c)に示すように、振動を発生させるためのバイブレータ73A,73Bであってもよい。
【0086】
このような構成によれば、クッション部材100が電線91,92を有する構成で、第3電線92Cをすっきりと配置することができる。
【0087】
また、クッション部材100に、電線91,92によって接続される電装部品70やバッテリ80を設けることで、クッション部材100をシート本体S0に取り付けたときには車両用シートSに後付けで暖房機能、送風機能、マッサージ機能などを付加することができる。また、クッション部材100をシート本体S0から取り外したときには持ち運んだ先でもこれらの機能を利用することができる。
【0088】
なお、座部クッション110に設けられる電装部品と、背もたれクッション120に設けられる電装部品は、同じ種類の電装部品でなくてもよく、異なる種類の電装部品であってもよい。例えば、座部クッション110にファンを設け、背もたれクッション120にヒータを設けてもよい。また、座部クッション110に設けられる電装部品は、1種類でなくてもよく、2種類以上であってもよい。例えば、座部クッション110にヒータとファンの両方を設けてもよい。背もたれクッション120に設けられる電装部品についても同様である。
【0089】
また、バッテリは、座部クッション110ではなく、背もたれクッション120に設けてもよいし、座部クッション110と背もたれクッション120のそれぞれに設けてもよい。また、電線92は、連続した電線であってもよいし、複数の電線、例えば、別の部材である第1電線92A、第2電線92Bおよび第3電線92Cを接続したものであってもよい。
【0090】
また、前記実施形態では、クッション部材100の持ち手130は、クッション部材100がシート本体S0に取り付けられた場合に、左右のチャイルドシート取付部50の間に位置するように設けられていたが、これに限定されない。例えば、
図11(a)に示すように、持ち手230は、クッション部材100がシート本体S0に取り付けられた場合に、左右のチャイルドシート取付部50を覆うように設けられていてもよい。
【0091】
詳しくは、左右のチャイルドシート取付部50は、左右方向において、座部クッション110および背もたれクッション120の幅内に収まるような位置に配置されている。
図11(b),(c)に示すように、持ち手230は、左右の幅が座部クッション110および背もたれクッション120の左右の幅と略同じであり、座部クッション110および背もたれクッション120の左右方向における全幅にわたって設けられている。これにより、持ち手230は、クッション部材100がシート本体S0に取り付けられた場合に、左右のチャイルドシート取付部50を覆う。持ち手230は、手を引っ掛けるための孔131を有する。
【0092】
このような構成によれば、シート本体S0からクッション部材100を取り外さなければ車両用シートSにチャイルドシートを取り付けることができないような仕様を実現することができる。
【0093】
なお、図示は省略するが、持ち手は、クッション部材100がシート本体S0に取り付けられた場合に、左右のチャイルドシート取付部50の一方のみを覆うように設けられていてもよい。
【0094】
また、前記実施形態では、車両用シートSは、自動車の2列目席、3列目席のような、チャイルドシート取付部50を有するシートであったが、これに限定されない。例えば、車両用シートは、自動車の運転席、助手席などのような、チャイルドシート取付部を備えないシートであってもよい。
【0095】
また、前記実施形態では、座部クッション110と背もたれクッション120は、形状および大きさが略同じであったが、これに限定されない。例えば、座部クッションと背もたれクッションは、形状が略同じで、大きさが異なっていてもよいし、大きさが略同じで、形状が異なっていてもよい。また、座部クッションと背もたれクッションは、形状および大きさの両方が異なっていてもよい。
【0096】
また、前記実施形態では、クッション部材100が、座部S1の座面S10に対して着脱自在な座部クッション110と、背もたれS2の座面S20に対して着脱自在な背もたれクッション120の両方を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、
図12(a)に示すように、クッション部材100は、座部S1の座面S10(座部凹部11)に対して着脱自在な座部クッション110のみを有する構成であってもよい。
図12(a)に示す変形例では、座部S1のみが座面S10の一部に形成された凹部(座部凹部11)を有し、背もたれS2の座面S20にクッション部材を着脱するための凹部は形成されていない。
【0097】
また、
図12(b)に示すように、クッション部材100は、背もたれS2の座面S20(背もたれ凹部12)に対して着脱自在な背もたれクッション120のみを有する構成であってもよい。
図12(b)に示す変形例では、背もたれS2のみが座面S20の一部に形成された凹部(背もたれ12)を有し、座部S1の座面S10にクッション部材を着脱するための凹部は形成されていない。
【0098】
なお、クッション部材100が座部クッション110および背もたれクッション120の一方のみを有する構成である場合、
図13(a)に示すように、持ち手330は、座部クッションと背もたれクッションを連結しない構成となる。持ち手330は、例えば、布地や皮革などからなる略U字形状の部材であり、座部クッション110や背もたれクッション120の裏面の端部付近に接続されて設けられている。持ち手330は、クッション部材100をシート本体S0に取り付ける際などに、仮想線で示すようにクッション部材100の裏面につけるように折り畳むことができるようになっていてもよい。
【0099】
また、前記実施形態では、持ち手130が手を引っ掛けるための孔131を有する構成であったが、これに限定されない。例えば、
図13(b)に示すように、座部クッション110や背もたれクッション120の裏面に設けられた持ち手430は、手を引っ掛けるための凹み431を有する構成であってもよい。
【0100】
また、前記実施形態では、シートとして自動車に搭載される車両用シートSを例示したが、これに限定されない。例えば、シートは、自動車以外の乗物、具体的には、鉄道車両、船舶、航空機などに搭載される乗物用シートであってもよい。また、シートは、家庭で使用されるシートや、施設に設置されるシートなどであってもよい。
【0101】
また、前記実施形態では、クッション部材100が、車両用シートSの座面の一部に形成された凹部10に対して着脱自在であったが、クッション部材は、凹部が形成されていないシートの座面に対して着脱自在な構成とすることができる。
【0102】
また、前記実施形態では、クッション部材100が持ち手130を有していたが、クッション部材は、持ち手を備えない構成とすることができる。
【0103】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素は、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0104】
10 凹部
50 チャイルドシート取付部
100 クッション部材
110 座部クッション
120 背もたれクッション
130 持ち手
131 孔
S 車両用シート
S0 シート本体
S1 座部
S2 背もたれ
S10,S20 座面