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特許7648910コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
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  • 特許-コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置 図1
  • 特許-コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置 図2
  • 特許-コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-11
(45)【発行日】2025-03-19
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20250312BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20250312BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20250312BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20250312BHJP
【FI】
A63F13/53
A63F13/52
A63F13/533
G06F3/04845
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022021378
(22)【出願日】2022-02-15
(65)【公開番号】P2023118429
(43)【公開日】2023-08-25
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 美和子
(72)【発明者】
【氏名】中谷 嘉貴
(72)【発明者】
【氏名】中川 大輔
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-17755(JP,A)
【文献】特開2012-178061(JP,A)
【文献】特開2003-256863(JP,A)
【文献】国際公開第2016/039301(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
G06F 3/01, 3/048-3/04895
G06T 1/00,11/00-11/40
11/60-13/80,
15/00-17/00,17/05
17/10-17/30,
19/00-19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
生成ステップにおいて、所定の表示部に表示するためのゲーム画像を生成し、
重畳ステップにおいて、前記ゲーム画像の少なくとも一部に重ね合わせて前記表示部に表示するUI画像を生成し、
特定ステップにおいて、前記UI画像が重ね合わされる位置に対応する前記ゲーム画像の色に関するデータである基礎色データを特定し、
調整ステップにおいて、前記特定ステップにおける特定結果に応じて、前記UI画像の色に関するデータであるUI色データを調整し、
前記特定ステップにおいて、前記UI画像が重ね合わされる位置に対応する前記ゲーム画像の所定期間における前記基礎色データを特定する、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記UI色データは、前記UI画像を構成する画素ごとの色情報に対する付加情報であるα値である、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記α値は、前記UI画像が重ね合わされる位置に対応する前記ゲーム画像を構成する画素の前記基礎色データごとに調整される、
請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記特定ステップにおいて、前記UI画像を構成する画素が重ね合わされる位置の所定範囲に存在する前記ゲーム画像を構成する画素の前記基礎色データを特定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
コンピュータに、さらに次のステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
設定ステップにおいて、ーザの操作に基づいて、前記調整ステップを実行するか否かを設定する、
請求項1~のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指先などの接触位置を検出するタッチパネルを介して、ユーザが画面上のオブジェクトを操作して進行させるゲームが知られている(特許文献1参照)。このゲームでは、タッチパネル上の操作オブジェクトを操作するタイミングあるいは操作方法などをユーザが認識することができるように、画面上にガイドとなるユーザインターフェース画像(以下、「UI画像」という)が表示される。
【0003】
前記特許文献1の技術では、ユーザが操作オブジェクトを操作していない場合には、UI画像が表示され、ユーザが操作オブジェクトへの操作を継続している場合には、UI画像が消去される(UI画像が非表示となる)。
【0004】
このように、ユーザが操作オブジェクトを操作し続けるか否かによってUI画像の表示と非表示とが切り替えられる理由は、ユーザのゲームへの没入感と操作性とを考慮してのことである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】特許第6397462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の仕様では、ゲーム画面(UI画像以外の背景画像など)の明るさが頻繁に変わる場合、あるいは、背景画像が暗いにもかかわらずUI画像が明るい場合などにおいては、UI画像の視認性が低下したり、UI画像が目立ちすぎたりする。すなわち、背景画像の明るさとUI画像の明るさとが大きく異なる場合には、ゲームへの没入感が失われてしまうおそれがある。
【0007】
一方で、特許文献1の技術を改良して、背景画像が暗すぎる場合、あるいは、明るすぎる場合に、UI画像を非表示とすることも考えられる。しかしながら、この場合には、ゲームに不慣れなユーザが操作に戸惑ってしまうおそれがある。
【0008】
本開示の目的は、ゲームへの没入感が失われることを抑制しつつ、UI画像への操作性を維持することのできるコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の開示は、
コンピュータに、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
生成ステップにおいて、所定の表示部に表示するためのゲーム画像を生成し、
重畳ステップにおいて、前記ゲーム画像の少なくとも一部に重ね合わされた状態で前記表示部に表示するUI画像を生成し、
特定ステップにおいて、前記UI画像が重ね合わされる位置に対応する前記ゲーム画像の色に関するデータである基礎色データを特定し、
調整ステップにおいて、前記特定ステップにおける特定結果に応じて、前記UI画像の色に関するデータであるUI色データを調整する、
コンピュータプログラムである。
【0010】
また、第1の開示において、
前記UI色データは、前記UI画像を構成する画素ごとの色情報に対する付加情報であるα値である、
ことができる。
【0011】
また、第1の開示において、
前記α値は、前記UI画像が重ね合わされる位置に対応する前記ゲーム画像を構成する画素の前記基礎色データごとに調整される、
ことができる。
【0012】
また、第1の開示において、
前記特定ステップにおいて、前記UI画像を構成する画素が重ね合わされる位置の所定範囲に存在する前記ゲーム画像を構成する画素の前記基礎色データを特定する、
ことができる。
【0013】
また、第1の開示において、
前記特定ステップにおいて、前記UI画像が重ね合わされる位置に対応する前記ゲーム画像の所定期間における前記基礎色データを特定する、
ことができる。
【0014】
また、第1の開示において、
コンピュータに、さらに次のステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
設定ステップにおいて、前記ユーザの操作に基づいて、前記調整ステップを実行するか否かを設定する、
ことができる。
【0015】
第2の開示は、第1の開示のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置である。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、ゲームへの没入感が失われることを抑制しつつ、UI画像への操作性を維持することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態における、ユーザ端末装置の構成を示す図である。
図2】第1実施形態における、背景画像およびUI画像の一例を示す図である。
図3】第1実施形態における、α値変更処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
本開示の実施形態にかかるコンピュータプログラムについて、図1図3を参照して説明する。
【0019】
<ユーザ端末装置1のハードウェア構成>
ユーザ端末装置1は、図1のとおり、スピーカ130、液晶画面140、およびタッチパッド150が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このユーザ端末装置1に記憶されたゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0020】
ユーザ端末装置1は、本開示のゲームプログラムおよびゲームデータをダウンロードするためのサーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク3を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0021】
ユーザ端末装置1は、制御部10、記憶部11、ネットワークインターフェース12、オーディオ処理部13、グラフィック処理部14、および操作部15を備える。
【0022】
記憶部11、ネットワークインターフェース12、オーディオ処理部13、グラフィック処理部14、操作部15は、バス19を介して、制御部10に接続される。
【0023】
制御部10は、CPU、メモリ(RAM)、各種入出力インターフェースなどで構成されており、ユーザ端末装置1の動作を制御する。
【0024】
記憶部11は、主にHDD、RAM、ROM、SSDなどで構成される。記憶部11には、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0025】
例えば、記憶部11には、3次元仮想空間を生成するためのデータ、各キャラクタのモデルデータなどが記憶される。
【0026】
また、記憶部11には、サーバ装置におけるユーザ認証で使用されるユーザIDが格納されている。
【0027】
ネットワークインターフェース12は、ユーザ端末装置1とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク3に接続される。これにより、ユーザ端末装置1に本開示のゲームプログラムおよびゲームデータなどがダウンロードされる。
【0028】
オーディオ処理部13は、制御部10の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部13には、スピーカ130が接続される。ゲーム音声は、スピーカ130から出力される。
【0029】
グラフィック処理部14は、制御部10の指示に従って仮想空間およびキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部14にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面140に表示される。
【0030】
操作部15には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部15には、入力位置検出装置であるタッチパッド150を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザはタッチパッド150をタッチすることによって、アイテムの使用の操作等を行う。
【0031】
<ユーザ端末装置の制御部の機能の説明>
制御部10は、例えばサーバ装置2からダウンロードされたゲームプログラムを実行することで、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0032】
<実行ステップの説明>
制御部10は、実行手段として機能することで実行ステップを実行する。以下では、実行手段としての制御部10が実行する処理を説明する。
【0033】
制御部10は、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させる。具体的には、制御部10は、ユーザからの操作信号を受信して、仮想空間上でプレイヤキャラクタおよび敵キャラクタを移動させる制御を行ったり、プレイヤキャラクタおよび敵キャラクタの体力値を増減させる制御を行ったりする。
【0034】
<読出ステップの説明>
制御部10は、読出手段として機能することで読出ステップを実行する。以下では、読出手段としての制御部10が実行する処理を説明する。
【0035】
制御部10は、ゲーム画面(以下では、液晶画面340に表示されるすべての画像のうちの「背景画像4」を意味する。そして、「背景画像4」には、後述の「UI画像5」は含まれない。)を液晶画面140に表示するための情報を読み出す。これらの情報に従って、グラフィック処理部14が液晶画面140上に背景画像4を描画する。
【0036】
背景画像4は、例えば、プレイヤキャラクタ、敵キャラクタ、およびゲーム空間(森、川、草原などを表現するオブジェクトを含む)などである。
【0037】
この背景画像4は、それぞれ0~255の値をとるRGBA値(R(赤)、G(緑)、B(青)、α(不透明度))を備える。
【0038】
また、制御部10は、図2のとおり、背景画像4に重ね合わせるためのUI画像5を液晶画面140に表示するための情報を読み出す。
【0039】
このUI画像5は、例えば、ユーザによってある操作がなされたときにキャラクタがとるアクションをユーザに示すための画像である。具体的には、UI画像5を参照することにより、ユーザが該当する操作をすることで、例えば「プレイキャラクタが攻撃を行う」ことをユーザは認識することができる。
【0040】
<特定ステップの説明>
制御部10は、特定手段として機能することで特定ステップを実行する。以下では、特定手段としての制御部10が実行する処理を説明する。
【0041】
制御部10は、UI画像5を構成する画素(ピクセル)が重ね合わされる位置に対応する、背景画像4を構成する画素の色に関するデータである基礎色データ(以下では、背景画像4を構成する画素の明るさ)を特定する。
【0042】
具体的には、まず、制御部10は、UI画像5を構成する画素が重ね合わされる位置に対応する背景画像4を構成する画素のそれぞれに対し、モノトーン変換を実行する。このモノトーン変換では、制御部10は、該当する画素が備えるRに0.298900008、Gに0.586600006、Bに0.114500001をそれぞれ掛け合わせて、それらのすべての値を足し合わせて1つの値(V)を算出する。
【0043】
ついで、制御部10は、例えば、Vに対して所定の演算を行ったのちに0~1の値(V1)の範囲に数値を丸め込み、さらにその値(V1)を0.4~1の値(V2)に変換する。具体的には、制御部10は、V1が0の場合にはV2を0.4とし、V1が0.5の場合にはV2を0.7とし、V1が1の場合にはV2を1とする。
【0044】
制御部10は、この値V1を、UI画像5を構成する1つの画素が重ね合わされる位置に対応する、背景画像4を構成する1つの画素の明るさ(B)として特定し、値V2を、不透明度α値として特定する。以下では、一例として、不透明度α値が0.8である場合の例が記載されている。
【0045】
制御部10は、前述の処理を、該当する背景画像4を構成する画素の1つひとつに対して、毎フレーム実行する。
【0046】
<調整ステップの説明>
制御部10は、調整手段として機能することで調整ステップを実行する。以下では、調整手段としての制御部10が実行する処理を説明する。
【0047】
制御部10は、特定ステップにおける特定結果(背景画像4の明るさ(B))に応じて、UI画像5の色に関するデータであるUI色データを調整する。
【0048】
なお、以下では、説明の便宜上、UI画像5を構成する1つの画素のRGB値はすべて同じ値(例えば、200)をとるものとして説明する。また、UI画像の不透明度α値は対応画素の明るさ(B)の値とする。また、背景画像のR値は100とする。
【0049】
具体的には、制御部10は、UI画像5のRの値(前述のとおり、GもBもRと同じ値である)にα値0.8が掛け合わされて、その値がUI画像5を構成する画素の調整後のRの値として設定される。前述の例では、Rは0.8×200+(1-0.8)×100=180である。
【0050】
このように、UI画像5を構成する1つの画素の不透明度α値は、そのUI画像5を構成する画素が重ね合わされる位置に対応する背景画像4を構成する1つの画素の明るさ(B)に基づいて調整される。
【0051】
そして、制御部10は、対応する位置の背景画像4の画素の明るさに基づいてUI画像5の画素の不透明度(α値)を変えることによって、UI画像5の画素を暗く表現したり、明るく表現したりするなどの表示調整を行う。
【0052】
制御部10は、この調整ステップを毎フレーム実行する。
【0053】
<表示ステップの説明>
制御部10は、表示手段として機能することで表示ステップを実行する。以下では、表示手段としての制御部10が実行する処理を説明する。
【0054】
制御部10は、前述の調整ステップで算出された、UI画像5を構成する画素のRGBA値に基づくUI画像5、および、背景画像4を表示する。
【0055】
図2(a)~(c)の例では、背景画像4のほか、UI画像5として、カタカナの「ス」のテキストデータ51と、その右側に配置されたカタカナの「テ」のテキストデータ52と、が液晶画面340に表示されている。
【0056】
図2(a)の例では、背景画像4の色が比較的薄い(明るい)グレーであるため、それに合わせて、UI画像5も明るく(白く)表示されている。
【0057】
一方、図2(b)の例では、背景画像4の色が比較的濃い(暗い)グレーであるため、それに合わせて、UI画像5も暗く(薄めのグレー)表示されている。
【0058】
また、図2(c)のとおり、例えば、縦の中心線を境界として左側と右側とで背景画像4の明るさが異なる場合においても、背景画像4を構成する画素の明るさに応じて、背景画像4に重ね合わされるUI画像5の画素の不透明度α値が調整される。具体的には、図2(c)において、左側に配置される「ス」の文字51は背景画像4の明るさに対応して明るく表示され、右側に配置される「テ」の文字52は背景画像4の明るさに対応して暗く表示される。
【0059】
<通信ステップの説明>
制御部10は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部10が実行する処理を説明する。
【0060】
制御部10は、例えば、サーバ装置2からゲームに関するゲームプログラム、ゲームデータなどの情報を受信する。
【0061】
また、制御部10は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ユーザの識別情報(ユーザID)、新たなゲームデータのダウンロード要求情報などをサーバ装置2へ送信する。
【0062】
<α値変更処理の説明>
以下、図3を参照して、本開示のα値変更処理について説明する。
【0063】
まず、ユーザ端末装置1の制御部10は、ゲーム画像として、背景画像4を読み出す(ステップS1)。
【0064】
ついで、制御部10は、背景画像4に重ね合わせて表示するためのUI画像5を読み出す(ステップS2)。
【0065】
ついで、制御部10は、UI画像5を構成する画素が重ね合わされる位置の背景画像4を構成する画素に対して、モノトーン変換を実行する(ステップS3)。
【0066】
ついで、制御部10は、モノトーン変換された背景画像4を構成する画素の明るさ(B)を特定する(ステップS4)。
【0067】
ついで、制御部10は、特定された背景画像4の画素の明るさ(B)に応じて、対応する位置のUI画像5の画素の不透明度α値を調整する(ステップS5)。
【0068】
ついで、制御部10は、調整された不透明度α値を用いて表示調整されたUI画像5、および、背景画像4を表示する(ステップS6)。
以上の手順により、本開示のα値変更処理が実行される。
【0069】
以上をまとめると、本開示は、
コンピュータに、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
生成ステップにおいて、液晶画面340に表示するための背景画像4を生成し、
重畳ステップにおいて、背景画像4に重ね合わせるUI画像5を液晶画面140に表示するための情報を生成し、
特定ステップにおいて、UI画像5が重ね合わされる予定の位置に対応する背景画像4の明るさを特定し、
調整ステップにおいて、特定ステップにおいて特定された背景画像4の明るさに応じて、UI画像の不透明度α値を調整する、
コンピュータプログラムである。
【0070】
<効果>
本実施形態によれば、背景画像の明るさが頻繁に変わる場合であっても、背景画像の明るさに連動してUI画像の明るさが変わるため、UI画像の視認性が低下することを防止することができる。
【0071】
また、背景画像の明るすぎる、あるいは、暗すぎるときなどにおいても、UI画像を目立ちすぎないようにしつつも、UI画像を見やすく表示することができる。
【0072】
すなわち、ゲームへの没入感が失われることを抑制しつつ、UI画像への操作性を維持することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【0073】
[他の実施形態]
前記実施形態に限られず、UI画像のRの値などに、前述の0.8ではなく、例えば、0.2(=1-0.8)が掛け合わされてもよい。このように、背景画像の暗さに対してUI画像を明るく表示したいか、背景画像の暗さに合わせてUI画像を暗く表示したいか、などによってα値の算出方法を適宜変更することができる。
【0074】
前記実施形態では、説明の便宜上、UI画像のRGB値がすべて同じ値(例えば、200)のものとして説明されているが、本開示はこれには限られない。UI画像のRGB値がそれぞれ異なる値、例えば、(200、100、50)であってもよい。
【0075】
また、前記実施形態では、制御部は、Vに所定の演算を行ったのちに0~1の値(V1)の範囲に数値を丸め込み、さらにその値(V1)を0.4~1の値(V2)に変換したが、本開示はこれには限られない。制御部は、例えば、V1を0.2~1.0の範囲に変換して、その値をV2とすることもできる。
【0076】
また、前記実施形態に限られず、制御部は、例えば、UI画像を構成する画素のα値に代えて、UI画像を構成する画素の色相、明度、彩度のうちの、明度を調整してもよい。
【0077】
また、前記実施形態に限られず、制御部は、UI画像を構成する画素が重ね合わされる位置に対応する、背景画像を構成する画素の明るさを、背景画像を構成する画素のRGB値に基づいて特定することもできる。
【0078】
具体的には、背景画像を構成する画素のそれぞれは、R、G、Bはすべて0~255のいずれかの値をとる。そして、背景画像を構成する画素の明るさは、R、G、Bのうちの最大値と最小値との平均値で表される。そして、この平均値を255で除した値(%)を、その背景画像を構成する画素の明るさ(B1)として特定することができる。
【0079】
ついで、制御部は、特定された明るさ(B1)に基づいて、UI画像を構成する画素の明るさ(B2)を、対応する背景画像を構成する画素の明るさ(B1)と同一の値になるように、UI画像のRGB値を調整する。
【0080】
例えば、背景画像を構成する画素の明るさ(B1)が75である場合において、UI画像を構成する画素のRGB値が(200、50、100)である場合には、UI画像を構成する画素の明るさ(B2)は125であるが、制御部は、その明るさ(B2)を明るさ(B1)と同一の75に変更する。これにより、UI画像5を構成する画素のRGB値は、(120、30、60)に調整される。
【0081】
また、前記実施形態では、背景画像の基礎色データによって調整される対象がUI画像のUI色データであったが、本開示はこれには限られない。例えば、背景画像の基礎色データによって調整される対象は、ボタンを意味するアイコン、キャラクタのセリフ、「ローディング中」などのテキストデータの色情報であってもよい。
【0082】
前記実施形態に限られず、制御部は、UI画像を構成する1つの画素が重ね合わされる位置に対応する周囲25ピクセル(所定範囲の一例)の背景画像を構成する画素をモノトーン変換(例えば、25ピクセルについてモノトーン変換された値Vの平均値)したものの明るさを特定してもよい。この25ピクセルは、例えば、UI画像を構成する1つの画素を中心に据えた、5ピクセル×5ピクセルで構成することができる。また、例えば、所定範囲は、100ピクセル(10ピクセル×10ピクセル)であってもよい。
【0083】
また、ユーザ端末装置の制御部は、UI画像が重ね合わされる位置に対応する背景画像を構成する画素の所定期間における基礎色データを特定することもできる。
【0084】
この場合には、背景画像が短期間に頻繁に明るくなったり暗くなったりする場合においても、UI画像のα値が頻繁に変わることを防止することができる。所定期間としては、例えば、30fps(frames per second)、60fpsなどを用いることができる。
【0085】
また、ユーザ端末装置の制御部は、ユーザの設定操作に基づいて、調整ステップを実行するか否かを設定することもできる。
【0086】
この場合には、ユーザの好みに応じて、α値変更処理を実行させるか否かを設定することができる。すなわち、ユーザは、例えばメニュー画面で、背景画像の明るさ(B)が変更されてもUI画像のα値が変更されないように(α値変更処理が実行されないように)設定することもできる。
【0087】
また、前記実施形態に限られず、背景画像の明るさ(B)がある値以下に低くなっても、ユーザは、α値が所定値以下にならないようにUI画像のα値を設定することができてもよい。ユーザは、例えば、メニュー画面で(あるいは初期設定時に)この設定をすることができる。
【0088】
また、前記実施形態では、本開示のコンピュータプログラムがサーバ装置からユーザ端末装置にダウンロードされる例が記載されているが、本開示はこれには限られない。ユーザは、光ディスクなどの記録媒体からコンピュータプログラム、およびデータがユーザ端末装置にインストールされてもよい。
【0089】
また、前記実施形態においては、ゲーム装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本発明は、これには限られない。ゲーム装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 ユーザ端末装置
2 サーバ装置
3 通信ネットワーク
図1
図2
図3