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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-11
(45)【発行日】2025-03-19
(54)【発明の名称】冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 41/20 20210101AFI20250312BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20250312BHJP
   F24F 11/36 20180101ALI20250312BHJP
【FI】
F25B41/20 Z
F25B49/02 520M
F24F11/36
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023170457
(22)【出願日】2023-09-29
【審査請求日】2024-07-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】安野 将史
(72)【発明者】
【氏名】福山 雄太
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 史雄
(72)【発明者】
【氏名】中西 喬也
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-077040(JP,A)
【文献】特開平03-217771(JP,A)
【文献】国際公開第2019/073591(WO,A1)
【文献】特開2006-207959(JP,A)
【文献】国際公開第2018/134949(WO,A1)
【文献】特開2006-052939(JP,A)
【文献】特開2014-214948(JP,A)
【文献】国際公開第2019/035205(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第115917227(CN,A)
【文献】特開2020-030043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 41/20
F25B 49/02
F24F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用熱交換器(11)を有する利用ユニット(1)と、
圧縮機(21)及び熱源熱交換器(23)を有する熱源ユニット(2)と、
前記圧縮機と前記利用熱交換器との間に設けられるガス冷媒連絡管(6)と、
前記ガス冷媒連絡管と前記利用ユニットとの間に設けられ、前記ガス冷媒連絡管と前記利用ユニットとの間を流れる前記冷媒が互いに並列に流れる複数の第1分流管(31)及び前記複数の第1分流管のそれぞれに設けられた遮断弁(33)を有し、前記ガス冷媒連絡管と前記利用ユニットとの間を流れる冷媒を遮断する第1遮断弁ユニット(3)と、
前記利用ユニットにおいて前記冷媒の漏洩が検知されると、前記冷媒の漏洩が検知された前記利用ユニットと、前記ガス冷媒連絡管との間を流れる前記冷媒を遮断する全ての前記遮断弁を閉じる制御部(7)と
を備え、
前記制御部は、
前記利用ユニットに設けられた利用ユニット制御部(17)と、
前記熱源ユニットに設けられた熱源ユニット制御部(28)と、
前記遮断弁を制御する遮断弁制御部(34)と
を有し、
前記利用ユニット制御部は、
前記利用ユニットにおいて前記冷媒の漏洩が検知されると前記熱源ユニット制御部に対して第1信号を送信し、
前記熱源ユニット制御部は、
前記第1信号を受信すると前記遮断弁制御部に第2信号を送信し、
前記遮断弁制御部は、
前記第2信号を受信すると、前記冷媒の漏洩が検知された前記利用ユニットと、前記ガス冷媒連絡管との間を流れる前記冷媒を遮断する全ての前記遮断弁を閉じる、
冷凍サイクル装置(100)。
【請求項2】
前記利用熱交換器と前記熱源熱交換器との間に設けられる液冷媒連絡管(5)と、
前記液冷媒連絡管と前記利用ユニットとの間に設けられ、前記液冷媒連絡管と前記利用ユニットとの間を流れる前記冷媒を遮断する第2遮断弁ユニット(4)と、
をさらに備え、
前記第2遮断弁ユニットは、
前記液冷媒連絡管と前記利用ユニットとの間を流れる前記冷媒が互いに並列に流れる複数の第2分流管(41)と、
前記第2分流管のそれぞれに設けられた複数の遮断弁(43)と
を有する、
請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項3】
記制御部は、
前記利用ユニットにおいて前記冷媒の漏洩が検知されると、前記冷媒の漏洩が検知された前記利用ユニットと、前記液冷媒連絡管との間を流れる前記冷媒を遮断する全ての前記遮断弁を閉じる、
請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記遮断弁制御部は、
前記第2信号を受信すると、前記冷媒の漏洩が検知された前記利用ユニットと、前記液冷媒連絡管との間を流れる前記冷媒を遮断する全ての前記遮断弁を閉じる、
請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記遮断弁を制御する制御部(7)をさらに備え、
前記制御部は、
複数の前記遮断弁のいずれかの異常を検知すると残りの全ての前記遮断弁を閉じた後、前記利用ユニット及び前記熱源ユニットのいずれかの運転を停止させる、
請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項6】
前記利用ユニットの定格容量は、
10馬力以上である、
請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項7】
前記遮断弁は、
ニードル弁である、
請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特許2020-030043号公報)が開示する空気調和システムは、室内ユニットと液配管との間及び室内ユニットとガス配管との間に、それぞれ1つずつ遮断弁が設けられている。特許文献1の空気調和システムは、室内ユニットにおいて冷媒漏洩が検知された場合に、遮断弁を閉鎖し室内ユニットへの冷媒の流れを遮断することで、空調対象空間でのさらなる冷媒漏洩を抑制する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の空気調和システムでは、液配管及びガス配管のそれぞれについて1つの遮断弁のみで冷媒の遮断を図っている。このため、室内ユニットの容量が大きい場合に、遮断弁が十分に冷媒の流れを遮断できないおそれがある。
【0004】
口径が大きい遮断弁を採用することで、容量が大きい室内ユニットでの冷媒の流れを1つの遮断弁で遮断することも考え得るが、大口径の遮断弁は、高価であり製造コストの増加を招きやすい。
【0005】
本開示は、製造コストの増加を抑制しながら、利用ユニットでの冷媒漏洩を抑制できる、冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点の冷凍サイクル装置は、利用ユニットと、熱源ユニットと、ガス冷媒連絡管と、第1遮断弁ユニットとを備える。
【0007】
利用ユニットは、利用熱交換器を有する。熱源ユニットは、圧縮機及び熱源熱交換器を有する。ガス冷媒連絡管は、圧縮機と利用熱交換器との間に設けられる。第1遮断弁ユニットは、ガス冷媒連絡管と利用ユニットとの間に設けられ、ガス冷媒連絡管と利用ユニットとの間を流れる冷媒を遮断する。
【0008】
第1遮断弁ユニットは、ガス冷媒連絡管と利用ユニットとの間を流れる冷媒が互いに並列に流れる複数の第1分流管と、複数の第1分流管のそれぞれに設けられた遮断弁とを有する。
【0009】
冷凍サイクル装置では、ガス冷媒連絡管と利用ユニットとの間を流れる冷媒が複数の第1分流管に分流されるため、各遮断弁を通る冷媒の量は、冷媒が分流されない場合と比べて少ない。このため、遮断弁を小型に設計することができ、各遮断弁の大型化にともなう製造コストの増加が抑制される。したがって、冷凍サイクル装置は、製造コストの増加を抑制しながら、利用ユニットでの冷媒漏洩を抑制できる。
【0010】
第2観点の冷凍サイクル装置は、第1観点の冷凍サイクル装置であって、液冷媒連絡管と第2遮断弁ユニットとをさらに備える。液冷媒連絡管は、利用熱交換器と熱源熱交換器との間に設けられる。第2遮断弁ユニットは、液冷媒連絡管と利用ユニットとの間に設けられ、液冷媒連絡管と利用ユニットとの間を流れる冷媒を遮断する。
【0011】
第2遮断弁ユニットは、液冷媒連絡管と利用ユニットとの間を流れる冷媒が互いに並列に流れる複数の第2分流管と、第2分流管のそれぞれに設けられた複数の遮断弁とを有する。
【0012】
本冷凍サイクル装置は、液冷媒連絡管と利用ユニットとの間にも遮断弁を有するため、製造コストの増加を抑制しながら、利用ユニットでの冷媒漏洩をより効果的に抑制できる。
【0013】
第3観点の冷凍サイクル装置は、第1観点又は第2観点の冷凍サイクル装置であって、遮断弁を制御する制御部をさらに備える。制御部は、利用ユニットにおいて冷媒の漏洩が検知されると、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットと、ガス冷媒連絡管又は液冷媒連絡管との間を流れる冷媒を遮断する全ての遮断弁を閉じる。
【0014】
本冷凍サイクル装置は、冷媒漏洩が発生した場合に、利用ユニットでの冷媒漏洩を抑制できる。
【0015】
第4観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第3観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、制御部が、利用ユニット制御部と、熱源ユニット制御部と、遮断弁制御部とを有する。
【0016】
利用ユニット制御部は、利用ユニットに設けられる。熱源ユニット制御部は、熱源ユニットに設けられる。遮断弁制御部は、遮断弁を制御する。
【0017】
利用ユニット制御部は、利用ユニットにおいて冷媒の漏洩が検知されると熱源ユニット制御部に対して第1信号を送信する。熱源ユニット制御部は、第1信号を受信すると遮断弁制御部に第2信号を送信する。遮断弁制御部は、第2信号を受信すると、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットと、ガス冷媒連絡管又は液冷媒連絡管との間を流れる冷媒を遮断する全ての遮断弁を閉じる。
【0018】
本冷凍サイクル装置では、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット制御部自身から送信された信号に基づいて、遮断弁制御部が対応する全ての遮断弁を閉じるため、冷媒漏洩が発生していない利用ユニットに対応する遮断弁を誤って閉じることが抑制される。
【0019】
第5観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第3観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、制御部が、利用ユニット制御部と、遮断弁制御部とを有する。
【0020】
利用ユニット制御部は、利用ユニットに設けられる。遮断弁制御部は、遮断弁を制御する。
【0021】
利用ユニット制御部は、利用ユニットにおいて冷媒の漏洩が検知されると遮断弁制御部に対して第3信号を送信する。遮断弁制御部は、第3信号を受信すると、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットと、ガス冷媒連絡管又は液冷媒連絡管との間を流れる冷媒を遮断する全ての前記遮断弁を閉じる。
【0022】
本冷凍サイクル装置では、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット制御部自身から送信された信号に基づいて、遮断弁制御部が対応する全ての遮断弁を閉じるため、冷媒漏洩が発生していない利用ユニットに対応する遮断弁を誤って閉じることが抑制される。このため、本冷凍サイクル装置は、冷媒漏洩が発生した利用ユニットでの冷媒漏洩を抑制できる。
【0023】
第6観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第3観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、遮断弁を制御する制御部7をさらに備える。制御部は、複数の遮断弁のいずれかの異常を検知すると残りの全ての遮断弁を閉じた後、利用ユニット及び熱源ユニットのいずれかの運転を停止させる。
【0024】
本冷凍サイクル装置によれば、冷媒漏洩に際して遮断弁が作動しないことを未然に防止できる。
【0025】
第7観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第6観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、利用ユニットの定格容量は、10馬力以上である。
【0026】
本冷凍サイクル装置は、定格容量が10馬力以上の定格容量が大きい利用ユニットを有していても、製造コストが高くなること抑制できる。
【0027】
第8観点の冷凍サイクル装置は、第1観点から第7観点のいずれかの冷凍サイクル装置であって、遮断弁が、ニードル弁である。
【0028】
本冷凍サイクル装置は、遮断弁の口径の大型化を抑制できるため、遮断弁にニードル弁を用いた場合であっても、製造コストの増加を抑制しながら、利用ユニットでの冷媒漏洩を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】第1実施形態に係る冷凍サイクル装置100の概略構成図である。
図2】第1実施形態に係る冷凍サイクル装置100の制御部7のブロック図である。
図3】冷媒漏洩時の制御フローを示すフローチャートである。
図4】変形例Aに係る冷凍サイクル装置100の制御部7のブロック図である。
図5】第2実施形態に係る冷凍サイクル装置100aの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<第1実施形態>
(1)全体構成
冷凍サイクル装置100は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことにより、空調対象空間における空調運転(具体的には、冷房運転及び暖房運転)を行う。空調対象空間は、例えば、オフィスビル、商業施設、住居等の建物内の空間である。なお、冷凍サイクル装置は、冷媒サイクル装置の一例に過ぎず、本開示の熱交換器は、他の冷媒サイクル装置、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、給湯器、床暖房装置等に使用されるものであってもよい。
【0031】
冷凍サイクル装置100は、主として、2つの利用ユニット1と、1つの熱源ユニット2と、2つの第1遮断弁ユニット3と、2つの第2遮断弁ユニット4と、1つの液冷媒連絡管5と、1つのガス冷媒連絡管6と、1つの制御部7とを有する。液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6は、利用ユニット1と、熱源ユニット2とを接続する冷媒連絡管である。冷凍サイクル装置100では、利用ユニット1と熱源ユニット2とが、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して接続されることで冷媒回路8が構成される。言い換えると液冷媒連絡管5は、利用熱交換器11と熱源熱交換器23と(いずれも後述)の間に設けられる。また、ガス冷媒連絡管6は、圧縮機21(後述)と利用熱交換器11との間に設けられる。
【0032】
2つの利用ユニット1は、空調対象空間である室内A及び室内Bのそれぞれに設置される。
【0033】
(2)詳細構成
(2-1)利用ユニット1
図1に示されるように、利用ユニット1は、主として、利用熱交換器11、利用ファン12、利用膨張機構13、液冷媒管14、ガス冷媒管15、及び冷媒センサ16を有する。利用ユニット1の定格容量は、10馬力以上である。
【0034】
以下では、2つの利用ユニット1を区別する必要がある場合には、室内Aに設置された利用ユニット1は利用ユニット1aと呼び、室内Bに設置された利用ユニット1は利用ユニット1bと呼ぶ。同様に、利用ユニット1aが有する機器については参照符号に添え字aを付して示し、利用ユニット1bが有する機器については参照符号に添え字bを付して示す場合がある。
【0035】
利用ユニット1の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
【0036】
(2-1-1)利用熱交換器11
利用熱交換器11は、冷媒と利用ファン12の生成する気流により運ばれる空気との間で熱交換を行わせる。利用熱交換器11は、一端が液冷媒管14を介して液冷媒連絡管5に接続され、他端がガス冷媒管15を介してガス冷媒連絡管6に接続されている。
【0037】
(2-1-2)利用ファン12
利用ファン12は、利用熱交換器11へ空気を供給する。
【0038】
(2-1-3)利用膨張機構13
利用膨張機構13は、液冷媒管14を流れる冷媒の圧力や流量の調節を行う。利用膨張機構13は、液冷媒管14に設けられる。
【0039】
(2-1-4)冷媒センサ16
冷媒センサ16は、利用ユニット1の設置場所である空調対象空間における冷媒を検知する。言い換えると、冷媒センサ16は、空調対象空間における冷媒の漏洩を検知する。
【0040】
(2-2)熱源ユニット2
熱源ユニット2は、主として、圧縮機21、四路切換機構22、熱源熱交換器23、熱源膨張機構24、液側閉鎖弁25、ガス側閉鎖弁26、及び熱源ファン27を有している。
【0041】
熱源ユニット2は、冷媒回路8を構成する各機器を接続する冷媒管として、吸入管P1、吐出管P2、第1ガス冷媒管P3、液冷媒管P4、及び第2ガス冷媒管P5を有する。吸入管P1は、四路切換機構22と、圧縮機21の吸入側とを接続する。吐出管P2は、圧縮機21の吐出側と、四路切換機構22とを接続する。第1ガス冷媒管P3は、四路切換機構22と、熱源熱交換器23のガス側とを接続する。液冷媒管P4は、熱源熱交換器23の液側と、液側閉鎖弁25とを接続する。熱源膨張機構24は、液冷媒管P4に設けられている。第2ガス冷媒管P5は、四路切換機構22と、ガス側閉鎖弁26とを接続する。
【0042】
(2-2-1)圧縮機21
圧縮機21は、吸入管P1から冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を吸入し、図示しない圧縮機構で冷媒を圧縮して、吐出管P2へと吐出する。
【0043】
(2-2-2)四路切換機構22
四路切換機構22は、冷媒の流向を切り換えることで、冷媒回路8の状態を、冷房運転の状態と、暖房運転の状態との間で変更する。冷媒回路8が冷房運転の状態にある時には、熱源熱交換器23が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能し、利用熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する。冷媒回路8が暖房運転の状態にある時には、熱源熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能し、利用熱交換器11が冷媒の凝縮器として機能する。
【0044】
四路切換機構22が冷媒回路8の状態を冷房運転の状態とする場合には、四路切換機構22は、吸入管P1を第2ガス冷媒管P5と連通させ、吐出管P2を第1ガス冷媒管P3と連通させる(図1の四路切換機構22内の実線参照)。四路切換機構22が冷媒回路8の状態を暖房運転の状態とする場合には、四路切換機構22は、吸入管P1を第1ガス冷媒管P3と連通させ、吐出管P2を第2ガス冷媒管P5と連通させる(図1中の四路切換機構22内の破線参照)。
【0045】
(2-2-3)熱源熱交換器23
熱源熱交換器23は、内部を流れる冷媒と熱源(例えば、熱源ユニット2の設置場所の空気)との間で熱交換を行わせる。
【0046】
(2-2-4)熱源膨張機構24
熱源膨張機構24は、液冷媒管P4を流れる冷媒の圧力や流量の調節を行う。
【0047】
(2-2-5)液側閉鎖弁25及びガス側閉鎖弁26
液側閉鎖弁25は、液冷媒管P4と、液冷媒連絡管5との接続部に設けられている弁である。ガス側閉鎖弁26は、第2ガス冷媒管P5と、ガス冷媒連絡管6との接続部に設けられている弁である。液側閉鎖弁25及びガス側閉鎖弁26は、冷凍サイクル装置100の運転時には開かれている。
【0048】
(2-2-6)熱源ファン27
熱源ファン27は、熱源である外部の空気を熱源熱交換器23に供給する。
【0049】
(2-3)第1遮断弁ユニット3
第1遮断弁ユニット3は、ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間に設けられ、ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間を流れる冷媒を遮断する。第1遮断弁ユニット3は、利用ユニット1の外部に配置される。
【0050】
第1遮断弁ユニット3は、複数の第1分流管31及び複数の第1遮断弁33を有する。
【0051】
複数の第1分流管31は、ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間を流れる冷媒が互いに並列に流れる配管である。ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間を流れる冷媒は、分流されて複数の第1分流管31を流れる。本実施形態では、第1遮断弁ユニット3は、2つの第1分流管31を有する。
【0052】
第1遮断弁33は、複数の第1分流管31のそれぞれに設けられる。第1分流管31における冷媒の流通は、第1遮断弁33が閉じることで遮断される。言い換えると、利用ユニット1とガス冷媒連絡管6との間での冷媒の流通は、全ての第1遮断弁33が閉じることで遮断される。冷媒センサ16が冷媒の漏洩を検知しない場合、第1遮断弁33は、原則として、開状態を維持する。本実施形態では、第1遮断弁ユニット3は、2つの第1遮断弁33を有する。
【0053】
限定するものではないが、第1遮断弁33は、ニードル弁である。なお、第1分流管31及び第1遮断弁33の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
【0054】
以下では、2つの第1遮断弁ユニット3を区別する必要がある場合には、室内Aに設置された第1遮断弁ユニット3は第1遮断弁ユニット3aと呼び、室内Bに設置された第1遮断弁ユニット3は第1遮断弁ユニット3bと呼ぶ。同様に、第1遮断弁ユニット3aが有する機器については参照符号に添え字aを付して示し、第1遮断弁ユニット3bが有する機器については参照符号に添え字bを付して示す場合がある。
【0055】
(2-4)第2遮断弁ユニット4
第2遮断弁ユニット4は、液冷媒連絡管5と利用ユニット1との間に設けられ、液冷媒連絡管5と利用ユニット1との間を流れる冷媒を遮断する。第2遮断弁ユニット4は、利用ユニット1の外部に配置される。
【0056】
第2遮断弁ユニット4は、複数の第2分流管41及び複数の第2遮断弁43を有する。
【0057】
複数の第2分流管41は、液冷媒連絡管5と利用ユニット1との間を流れる冷媒が互いに並列に流れる配管である。液冷媒連絡管5と利用ユニット1との間を流れる冷媒は、分流されて複数の第2分流管41を流れる。本実施形態では、第2遮断弁ユニット4は、2つの第2分流管41を有する。
【0058】
第2遮断弁43は、複数の第2分流管41のそれぞれに設けられる。第2分流管41における冷媒の流通は、第2遮断弁43が閉じることで遮断される。言い換えると、利用ユニット1と液冷媒連絡管5との間での冷媒の流通は、全ての第2遮断弁43が閉じることで遮断される。冷媒センサ16が冷媒の漏洩を検知しない場合、第2遮断弁43は、原則として、開状態を維持する。本実施形態では、第2遮断弁ユニット4は、2つの第2遮断弁43を有する。
【0059】
限定するものではないが、第2遮断弁43は、ニードル弁である。なお、第2分流管41及び第2遮断弁43の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
【0060】
以下では、2つの第2遮断弁ユニット4を区別する必要がある場合には、室内Aに設置された第2遮断弁ユニット4は第2遮断弁ユニット4aと呼び、室内Bに設置された第2遮断弁ユニット4は第2遮断弁ユニット4bと呼ぶ。同様に、第2遮断弁ユニット4aが有する機器については参照符号に添え字aを付して示し、第2遮断弁ユニット4bが有する機器については参照符号に添え字bを付して示す場合がある。
【0061】
(2-5)制御部7
制御部7は、冷凍サイクル装置100を構成する各種機器の動作を制御する。図2に示されるように、制御部7は、圧縮機21、四路切換機構22、熱源膨張機構24、熱源ファン27、利用ファン12、利用膨張機構13、冷媒センサ16、第1遮断弁33、及び第2遮断弁43に信号を送受信可能なように電気的に接続されている。制御部7は、利用ユニット1及び熱源ユニット2に設けられた図示しない各種センサと電気的に接続されていてもよい。制御部7は、冷凍サイクル装置100のユーザが操作する図示しないリモコンと通信可能であってもよい。
【0062】
制御部7は、コンピュータにより実現される。制御部7は、制御演算装置と記憶装置とを備える(いずれも図示省略)。制御演算装置は、CPU又はGPUといったプロセッサである。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりする。
【0063】
(3)全体動作
(3-1)空調運転
制御部7は、空調運転において、次に説明するように冷凍サイクル装置100を構成する各種機器の動作を制御する。
【0064】
(3-1-1)冷房運転
リモコン等を通じて冷房運転の開始が指示されると、制御部7は、四路切換機構22の動作を制御して、冷媒回路8の状態を熱源熱交換器23が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能し利用熱交換器11が冷媒の蒸発器として機能する状態に切り換える。具体的には、制御部7は、四路切換機構22の動作を制御して、圧縮機21の吸入側に接続される吸入管P1を、四路切換機構22とガス側閉鎖弁26とを接続する第2ガス冷媒管P5と連通させる。また、制御部7は、四路切換機構22の動作を制御して、圧縮機21の吐出側に接続される吐出管P2を、四路切換機構22と熱源熱交換器23のガス側とを接続する第1ガス冷媒管P3と連通させる(図1の四路切換機構22内の実線参照)。冷房運転時には、制御部7は、圧縮機21、熱源ファン27、及び利用ファン30を運転する。また、冷房運転時には、制御部7は、各種センサの計測値等に基づき、圧縮機21、熱源ファン27及び利用ファン30の回転数、並びに熱源膨張機構24及び利用膨張機構13の開度を調節する。
【0065】
制御部7がこのように冷凍サイクル装置100の各種機器の動作を制御すると、冷凍サイクルの低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて冷凍サイクルの高圧になるまで圧縮された後に、圧縮機21から吐出される。圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換機構22を通じて、熱源熱交換器23に送られる。熱源熱交換器23に送られた高圧のガス冷媒は、冷媒の放熱器として機能する熱源熱交換器23において、熱源ファン27により供給される冷却源としての空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。熱源熱交換器23において放熱した高圧の液冷媒は、液冷媒管P4を通って熱源膨張機構24へと送られる。熱源膨張機構24では、高圧の液冷媒が減圧され、低圧の気液二相状態の冷媒になる。熱源膨張機構24で減圧された低圧の気液二相状態の冷媒は、液冷媒管P4、液側閉鎖弁25、液冷媒連絡管5、及び第2遮断弁ユニット4を通じて、利用ユニット1の利用膨張機構13に送られる。低圧の気液二相状態の冷媒は、利用膨張機構13でさらに減圧されて利用熱交換器11に送られる。利用熱交換器11に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用熱交換器11において、利用ファン30によって供給される空気と熱交換を行って蒸発する。この際、冷媒と熱交換して冷却された空気は、空調対象空間に供給され、空調対象空間の冷房が行われる。利用熱交換器11において蒸発した低圧のガス冷媒は、第1遮断弁ユニット3、ガス冷媒連絡管6、ガス側閉鎖弁26、四路切換機構22を通じて、再び圧縮機21に吸入される。
【0066】
(3-1-2)暖房運転
リモコン等を通じて暖房運転の開始が指示されると、制御部7は、四路切換機構22の動作を制御して、冷媒回路8の状態を熱源熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能し利用熱交換器11が冷媒の放熱器(凝縮器)として機能する状態に切り換える。具体的には、制御部7は、四路切換機構22の動作を制御して、吸入管P1を第1ガス冷媒管119と連通させ、吐出管P2を第2ガス冷媒管P5と連通させる(図1の四路切換機構22内の破線参照)。暖房運転時には、制御部7は、圧縮機21、熱源ファン27、及び利用ファン30を運転する。また、暖房運転時には、制御部7は、各種センサの計測値等に基づき、圧縮機21、熱源ファン27及び利用ファン30回転数、並びに熱源膨張機構24及び利用膨張機構13の開度を調節する。
【0067】
制御部7がこのように冷凍サイクル装置100の各種機器の動作を制御すると、冷凍サイクルの低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて冷凍サイクルの高圧になるまで圧縮された後に、圧縮機21から吐出される。圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換機構22、ガス側閉鎖弁26、ガス冷媒連絡管6、及び第1遮断弁ユニット3を通じて、利用ユニット1の利用熱交換器11に送られる。高圧のガス冷媒は、冷媒の放熱器(凝縮器)として機能する利用熱交換器11において、利用ファン30により供給される空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。この際、冷媒と熱交換して加熱された空気は、空調対象空間に供給され、空調対象空間の暖房が行われる。利用熱交換器11で放熱した高圧の液冷媒は、利用膨張機構13で減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒になる。低圧の気液二相状態の冷媒は、第2遮断弁ユニット4、液冷媒連絡管5、液側閉鎖弁25、及び液冷媒管P4を通じて、熱源膨張機構24に送られる。熱源膨張機構24に送られた冷媒は、熱源膨張機構24によって減圧され、さらに減圧される。熱源膨張機構24で減圧された低圧の気液二相状態の冷媒は、液冷媒管P4を通じて熱源熱交換器23に送られる。熱源熱交換器23に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する熱源熱交換器23において、熱源ファン27によって供給される加熱源としての空気と熱交換を行って蒸発し、低圧のガス冷媒になる。熱源熱交換器23において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換機構22通じて、再び圧縮機21に吸入される。
【0068】
(3-2)冷媒漏洩時の動作
制御部7は、複数の利用ユニット1のいずれかにおいて冷媒の漏洩が検知されると(言い換えると、冷媒センサ16が冷媒を検知すると)、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット1と、ガス冷媒連絡管6又は液冷媒連絡管5との間を流れる冷媒を遮断する全ての遮断弁(具体的には、全ての第1遮断弁33及び全ての第2遮断弁43)を閉じる。
【0069】
図3のフローチャートを参照して冷媒漏洩時の制御フローについて具体的に説明する。本制御フローは、冷凍サイクル装置100の起動とともに開始される。
【0070】
ステップS10において、制御部7は、複数の利用ユニット1のいずれかにおいて冷媒の漏洩が検知されたか否か、具体的には、冷媒センサ16が冷媒を検知したか否かを判断する。制御部7は、冷媒が検知されたと判断する場合(はい)は、ステップS11にプロセスを進める。制御部7は、冷媒が検知されたと判断しない場合(いいえ)は、ステップS10にプロセスを進める。
【0071】
ステップS11において、制御部7は、冷媒が検知された利用ユニット1の全ての第1遮断弁33及び全ての第2遮断弁43を閉じ、制御フローを終了する。
【0072】
例えば、利用ユニット1aの冷媒センサ16aが冷媒漏洩を検知すると、制御部7は、2つの第1遮断弁33a及び2つの第2遮断弁43bを全て閉じる。
【0073】
(4)特徴
(4-1)
冷凍サイクル装置100は、利用ユニット1と、熱源ユニット2と、ガス冷媒連絡管6と、第1遮断弁ユニット3とを備える。
【0074】
利用ユニット1は、利用熱交換器11を有する。熱源ユニット2は、圧縮機21及び熱源熱交換器23を有する。ガス冷媒連絡管6は、圧縮機21と利用熱交換器11との間に設けられる。第1遮断弁ユニット3は、ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間に設けられ、ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間を流れる冷媒を遮断する。
【0075】
第1遮断弁ユニット3は、ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間を流れる冷媒が互いに並列に流れる複数の第1分流管31と、複数の第1分流管31のそれぞれに設けられた遮断弁33とを有する。
【0076】
冷凍サイクル装置100では、ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間を流れる冷媒が複数の第1分流管31に分流されるため、各遮断弁33を通る冷媒の量は、冷媒が分流されない場合と比べて少ない。このため、遮断弁33を小型に設計することができ、各遮断弁33の大型化にともなう製造コストの増加が抑制される。したがって、冷凍サイクル装置100は、製造コストの増加を抑制しながら、利用ユニット1での冷媒漏洩を抑制できる。
【0077】
(4-2)
冷凍サイクル装置100は、液冷媒連絡管5と、第2遮断弁ユニット4と、をさらに備える。液冷媒連絡管5は、利用熱交換器11と熱源熱交換器23との間に設けられる。第2遮断弁ユニット4は、液冷媒連絡管5と利用ユニット1との間に設けられ、液冷媒連絡管5と利用ユニット1との間を流れる冷媒を遮断する。
【0078】
第2遮断弁ユニット4は、液冷媒連絡管5と利用ユニット1との間を流れる冷媒が互いに並列に流れる複数の第2分流管41と、第2分流管41のそれぞれに設けられた複数の遮断弁43とを有する。
【0079】
冷凍サイクル装置100は、液冷媒連絡管5と利用ユニット1との間にも遮断弁43を有するため、製造コストの増加を抑制しながら、利用ユニット1での冷媒漏洩を効果的に抑制できる。
【0080】
(4-3)
冷凍サイクル装置100は、遮断弁33、43を制御する制御部7をさらに備える。
【0081】
制御部7は、利用ユニット1において冷媒の漏洩が検知されると、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット1と、ガス冷媒連絡管6又は液冷媒連絡管5との間を流れる冷媒を遮断する全ての遮断弁33、43を閉じる。
【0082】
冷凍サイクル装置100は、冷媒漏洩が発生した場合に、利用ユニット1での冷媒漏洩を抑制できる。
【0083】
(4-4)
利用ユニット1の定格容量は、10馬力以上である。
【0084】
一般に、利用ユニット1の定格容量が大きくなる程、利用ユニット1と液冷媒連絡管5又はガス冷媒連絡管6との間を流れる冷媒の量が多くなり、用いられる遮断弁の口径は、大きく設計される。この結果、定格容量が大きい利用ユニット1に用いられる遮断弁は、製造コストが高くなり易い。冷凍サイクル装置100は、定格容量が10馬力以上の定格容量が大きい利用ユニット1を有していても、製造コストが高くなること抑制できる。
【0085】
(4-5)
第1遮断弁33及び第2遮断弁43は、ニードル弁である。
【0086】
ニードル弁は、口径が大きい程、閉じた状態での漏れ量を抑制することが困難となる傾向がある。弁の製造精度を向上させることでこの漏れ量を抑制することはできるものの、精度の向上は、製造コストの増加を招く。冷凍サイクル装置100は、遮断弁33、43の口径の大型化を抑制できるため、ニードル弁を用いた場合であっても、製造コストの増加を抑制しながら、利用ユニット1での冷媒漏洩を抑制できる。
【0087】
(5)変形例
(5-1)変形例1A
冷凍サイクル装置100は、第2遮断弁ユニット4を備えなくてもよい。言い換えると、冷凍サイクル装置100は、第1遮断弁ユニット3のみを備えていてもよい。
【0088】
(5-2)変形例1B
制御部7は、利用ユニット制御部17と、熱源ユニット制御部28と、遮断弁制御部34とを有してもよい。
【0089】
図4に示されるように、利用ユニット制御部17は、利用ファン12及び利用膨張機構13を制御する。利用ユニット制御部17は、利用ファン12、利用膨張機構13、冷媒センサ16、及び熱源ユニット制御部28に信号を送受信可能なように電気的に接続されている。
【0090】
熱源ユニット制御部28は、圧縮機21、四路切換機構22、熱源膨張機構24、及び熱源ファン27を制御する。熱源ユニット制御部28は、圧縮機21、四路切換機構22、熱源膨張機構24、熱源ファン27、及び利用ユニット制御部17に信号を送受信可能なように電気的に接続されている。
【0091】
遮断弁制御部34は、第1遮断弁33及び第2遮断弁43を制御する。遮断弁制御部34は、第1遮断弁33、第2遮断弁43、及び熱源ユニット制御部28に信号を送受信可能なように電気的に接続されている。
【0092】
変形例1Bに係る冷凍サイクル装置100では、利用ユニット制御部17は、利用ユニット1の冷媒センサ16が冷媒を検知すると熱源ユニット制御部28に対して第1信号を送信する。熱源ユニット制御部28は、利用ユニット制御部17が送信した第1信号を受信すると遮断弁制御部34に第2信号を送信する。遮断弁制御部34は、熱源ユニット制御部28が送信した第2信号を受信すると、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットと、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット1と、ガス冷媒連絡管6又は液冷媒連絡管5との間を流れる冷媒を遮断する全ての第1遮断弁33及び全ての第2遮断弁43を閉じる。
【0093】
変形例1Bに係る冷凍サイクル装置100では、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット制御部17自身から送信された信号に基づいて、対応する全ての第1遮断弁33及び全ての第2遮断弁43を遮断弁制御部34が閉じるため、冷媒漏洩が発生していない利用ユニット1に対応する第1遮断弁33及び第2遮断弁43を誤って閉じることが抑制される。
【0094】
また、変形例1Bに係る冷凍サイクル装置100は、利用ユニット制御部17と遮断弁制御部34との間に新たに通信線を設ける必要がない。さらに、変形例1Bに係る冷凍サイクル装置100によれば、熱源ユニット制御部28が、利用ユニット1、第1遮断弁ユニット3、及び第2遮断弁ユニット4を統括的に制御できる。
【0095】
(5-3)変形例1C
利用ユニット制御部17は、さらに、遮断弁制御部34に信号を送受信可能なように電気的に接続されてもよい。
【0096】
変形例1Cに係る冷凍サイクル装置100では、利用ユニット制御部17は、利用ユニット1の冷媒センサ16が冷媒を検知すると遮断弁制御部34に対して第3信号を送信する。遮断弁制御部34は、熱源ユニット制御部28が送信した第3信号を受信すると、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット1と、ガス冷媒連絡管6又は液冷媒連絡管5との間を流れる冷媒を遮断する全ての第1遮断弁33及び全ての第2遮断弁43を閉じる。
【0097】
変形例1Cに係る冷凍サイクル装置100では、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット制御部17自身から送信された信号に基づいて、対応する全ての第1遮断弁33及び全ての第2遮断弁43を遮断弁制御部34が閉じるため、冷媒漏洩が発生していない利用ユニット1に対応する第1遮断弁33及び第2遮断弁43を誤って閉じることが抑制される。
【0098】
また、変形例1Cに係る冷凍サイクル装置100は、利用ユニット制御部17から対応する遮断弁制御部34に対して直接信号を送信するため、冷媒漏洩を早急に抑制できる。
【0099】
(5-4)変形例1D
制御部7は、複数の第1遮断弁33及び複数の第2遮断弁43のいずれかの異常を検知すると残りの全ての利用ユニット1に対応する第1遮断弁33及び第2遮断弁43を閉じた後、利用ユニット1及び熱源ユニット2のいずれかの運転を停止させてもよい。
【0100】
ここで、第1遮断弁33及び複数の第2遮断弁43のいずれかの異常とは、限定するものではないが、例えば、制御部7が送信した信号への返信(ack)がないことで検知される通信異常や断線である。
【0101】
変形例1Dに係る冷凍サイクル装置100は、冷媒漏洩に際して第1遮断弁33又は第2遮断弁43が作動しないことを未然に防止できる。
【0102】
(5-4)変形例1E
冷凍サイクル装置100では、第1遮断弁ユニット3及び第2遮断弁ユニット4が利用ユニット1の外部に配置されたが、第1遮断弁ユニット3及び第2遮断弁ユニット4の設置位置は限定されない。第1遮断弁ユニット3及び第2遮断弁ユニット4は、少なくとも一方が利用ユニット1の内部(より詳細には、利用ユニット1のケーシング(図示省略)の内部)に配置されてもよい。
【0103】
(5-4)変形例1F
冷凍サイクル装置100では、複数の利用ユニット1の全てについて、第1遮断弁ユニット3及び第2遮断弁ユニット4が設けられていたが、複数の利用ユニット1の一部について第1遮断弁ユニット3及び第2遮断弁ユニット4が設けられていなくてもよい。例えば、複数の利用ユニット1の一部では、第1遮断弁ユニット3及び第2遮断弁ユニット4が設けらずに、これに代えて、1つの遮断弁が、液冷媒管14及びガス冷媒管15のそれぞれに直接設けられていてもよい。
【0104】
(5-5)変形例1G
利用ユニット1の定格容量は、10馬力未満であってもよい。この場合、定格容量が10馬力未満の利用ユニット1については、第1遮断弁ユニット3及び第2遮断弁ユニット4のいずれかが設けられなくてもよい。
【0105】
<第2実施形態>
(1)全体構成
次に、第2実施形態に係る冷凍サイクル装置100aについて説明する。以下では、冷凍サイクル装置100と冷凍サイクル装置100aとの相違点を中心に説明し、同一又は対応する特徴や周知の技術については説明を省略する場合がある。
【0106】
冷凍サイクル装置100aは、複数の利用ユニット1の一部が暖房運転を行い、残りの利用ユニット1が冷房運転を行う冷暖同時運転を行うことができる。冷凍サイクル装置100aは、ガス冷媒連絡管6として高圧ガス冷媒連絡管6a及び低圧ガス冷媒連絡管6bを備える。冷凍サイクル装置100aは、複数の第1遮断弁ユニット3及び複数の第2遮断弁ユニット4に代えて複数の第1遮断弁ユニット9を備える。
【0107】
(2)詳細構成
第1遮断弁ユニット9は、2つの第1分流管91及び2つの第1遮断弁93を有する。
【0108】
第1分流管91の一方は、高圧ガス冷媒連絡管6aと利用ユニット1の利用熱交換器11のガス側とを接続する。第1分流管91の他方は、低圧ガス冷媒連絡管6bと利用ユニット1の利用熱交換器11のガス側とを接続する。
【0109】
冷凍サイクル装置100aの第1遮断弁ユニット9は、高圧ガス冷媒連絡管6a及び低圧ガス冷媒連絡管6bのそれぞれと利用ユニット1との間を流れる冷媒が互いに並列に流れる配管である2つの第1分流管91を有する。
【0110】
第1遮断弁93は、第1分流管91に設けられる。
【0111】
液冷媒連絡管5と利用ユニット1の利用熱交換器11の液側とは、配管92dが接続する。
【0112】
図5では、冷凍サイクル装置100aが2つの利用ユニット1を備える例を示す。2つの利用ユニット1を区別するため、それぞれの利用ユニット1及び利用ユニット1が有する機器には添え字c、dを付して示した。
【0113】
利用ユニット1の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
【0114】
(3)全体動作(冷媒漏洩時の動作)
冷凍サイクル装置100と同様に、冷凍サイクル装置100aでも、制御部7は、利用ユニット1のいずれかにおいて冷媒の漏洩が検知されると(冷媒センサ16が冷媒を検知すると)、冷媒の漏洩が検知された利用ユニット1と、高圧ガス冷媒連絡管6a及び低圧ガス冷媒連絡管6bのそれぞれと利用ユニット1との間を流れる冷媒を遮断する全ての第1遮断弁93を閉じる。
【0115】
(3)変形例2
冷凍サイクル装置100aは、液冷媒連絡管5と利用ユニット1とを接続する、配管92dに第2遮断弁ユニット4がさらに設けられていてもよい。
【0116】
<むすび>
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0117】
1 :利用ユニット
2 :熱源ユニット
3、9 :第1遮断弁ユニット
4 :第2遮断弁ユニット
5 :液冷媒連絡管
6 :ガス冷媒連絡管
7 :制御部
11 :利用熱交換器
17 :利用ユニット制御部
21 :圧縮機
23 :熱源熱交換器
28 :熱源ユニット制御部
31、91 :第1分流管
33、93 :第1遮断弁(遮断弁)
34 :遮断弁制御部
41 :第2分流管
43 :第2遮断弁(遮断弁)
100、100a :冷凍サイクル装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】
【文献】特許2020-030043号公報
【要約】
【課題】製造コストの増加を抑制しながら、利用ユニットでの冷媒漏洩を抑制できる、冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】冷凍サイクル装置100は、利用ユニット1と、熱源ユニット2と、ガス冷媒連絡管6と、第1遮断弁ユニット3とを備える。利用ユニット1は、利用熱交換器11を有する。熱源ユニット2は、圧縮機21及び熱源熱交換器23を有する。ガス冷媒連絡管6は、圧縮機21と利用熱交換器11との間に設けられる。第1遮断弁ユニット3は、ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間に設けられ、ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間を流れる冷媒を遮断する。第1遮断弁ユニット3は、ガス冷媒連絡管6と利用ユニット1との間を流れる冷媒が互いに並列に流れる複数の第1分流管31と、複数の第1分流管31のそれぞれに設けられた遮断弁33とを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5