(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-11
(45)【発行日】2025-03-19
(54)【発明の名称】電気的過剰ストレス完全性を備える高電圧絶縁障壁
(51)【国際特許分類】
H10D 89/60 20250101AFI20250312BHJP
H10D 1/68 20250101ALI20250312BHJP
H10D 1/20 20250101ALI20250312BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20250312BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20250312BHJP
【FI】
H10D89/60
H10D1/68
H10D1/20
H01L23/28 E
H01L23/12 E
H01L23/12 B
(21)【出願番号】P 2022558032
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(86)【国際出願番号】 US2021024564
(87)【国際公開番号】W WO2021195607
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2024-03-22
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ジェフェリー エイ ウエスト
【審査官】戸川 匠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-028407(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0286802(US,A1)
【文献】特開2015-154058(JP,A)
【文献】特開平11-195746(JP,A)
【文献】特開2008-288481(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0137314(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0236711(US,A1)
【文献】特表2009-540541(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0278551(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H01L 23/28
H10D 1/20
H10D 1/68
H10D 89/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
半導体層と、
前記半導体層の上のマルチレベル金属化構造であって、第1の領域と、第2の領域と、前記半導体層上のプレメタルレベルと、前記プレメタルレベルの上の整数N個の
金属化構造レベルとを含み、Nが3より大きい、前記マルチレベル金属化構造と、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域における絶縁構成要素であって、第1の端子及び第2の端子を含み、前記第1及び第2の端子が前記マルチレベル金属化構造の異なるそれぞれの金属化構造レベルにある、前記絶縁構成要素と、
前記マルチレベル金属化構造における前記第1の領域と前記第2の領域との間の導電シールドであって、前記マルチレベル金属化構造の第1の領域を少なくとも部分的に囲む、前記それぞれの金属化構造レベルにおける相互接続された金属線及びトレンチビアを含む前記導電シールドと
を含み、
前記導電シールドが階段形状を有し、
前記絶縁構成要素の前記第2の端子が、第1の方向に沿って互いに離間される対向する横方向エッジを含み、
前記それぞれの金属化構造レベルの前記金属線が、前記第2の端子のそれぞれの横方向エッジから前記第1の方向に沿ってそれぞれの離間距離だけ離間される横方向エッジを含み、
前記それぞれの離間距離が互いに異なる、電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記マルチレベル金属化構造の前記金属化構造レベルの所与の一つが、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域の一部を囲み、間隙を含む前記金属線のそれぞれ一つと、
前記導電シールドから離間され、前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域において前記絶縁構成要素の前記第1の端子に接続される金属配路特徴であって、前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域から前記マルチレベル金属化構造の前記第2の領域へ前記金属線の前記それぞれ一つの前記間隙を介して延在する前記金属配路特徴と、
を含む、前記電子デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の電子デバイスであって、
前記絶縁構成要素がコンデンサであり、
前記絶縁構成要素の前記第1の端子が、前記金属配路特徴に接続される第1のコンデンサプレートであり、
前記絶縁構成要素の前記第2の端子が、第2のコンデンサプレートである、
前記電子デバイス。
【請求項4】
請求項2に記載の電子デバイスであって、
前記絶縁構成要素がトランスであり、
前記絶縁構成要素の前記第1の端子が、前記金属配路特徴に接続される第1のトランスコイルであり、
前記絶縁構成要素の前記第2の端子が、第2のトランスコイルである、
電子デバイス。
【請求項5】
請求項2に記載の電子デバイスであって、前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域における絶縁構成要素から離間される第2の絶縁構成要素であって、第1の端子及び第2の端子を含み、前記第2の絶縁構成要素の前記第1及び第2の端子が前記マルチレベル金属化構造の異なるそれぞれの金属化構造レベルにある前記第2の絶縁構成要素をさらに含み、
前記金属化構造レベルの前記所与の一つの前記金属線の前記それぞれ一つが第2の間隙を含み、
前記金属化構造レベルの前記所与の一つが、前記導電シールドから離間される第2の金属配路特徴であって、前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域において前記第2の絶縁構成要素の前記第1の端子に接続される前記第2の金属配路特徴を含み、前記第2の金属配路特徴が、前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域から前記マルチレベル金属化構造の前記第2の領域へ前記金属線の前記それぞれ一つの前記第2の間隙を介して延在する、
電子デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記マルチレベル金属化構造が、
前記半導体層上のプレメタル誘電体(PMD)層と、前記半導体層上のプレメタルトレンチコンタクトとを含むプレメタルレベルであって、前記プレメタルトレンチコンタクトが、前記PMD層の前記第1の領域の一部を囲む前記プレメタルレベルと、
前記プレメタルレベル上の第1の金属化構造レベルであって、前記第1の金属化構造レベルが、
前記プレメタルトレンチコンタクト上の第1の金属線と、
金属配路特徴と、
前記PMD層、前記第1の金属線、及び前記金属配路特徴上の第1のレベル間誘電体(ILD)層と、
前記第1の金属線上の第1
のトレンチビアであって、前記第1
のトレンチビア及び前記第1の金属線が前記第1の金属化構造レベルの前記第1の領域の別の部分を囲む、前記第1の金属線上の第1
のトレンチビアと、前記金属配路特徴上の配路ビアであって、前記第1の領域の前記一部と前記第1の金属化構造レベルの前記第2の領域の一部との間の前記第1の金属線における間隙を介して延在する前記配路ビアと、
を含む、前記第1の金属化構造レベルと、
前記第1の金属化構造レベル上の第2の金属化構造レベルであって、前記第2の金属化構造レベルが、
前記第1のトレンチビア上の第2の金属線と、
前記第2の金属線から離間される、前記絶縁構成要素の前記第1の端子と、
前記第1のILD層、前記第2の金属線、及び前記絶縁構成要素の前記第1の端子上の第2のILD層と、
前記第2の金属線上の第2のトレンチビアと、
を含み、前記第2のトレンチビア及び前記第2の金属線が、前記第2の金属化構造レベルの前記第1の領域の第2の部分を囲む、前記第2の金属化構造レベルと、
を含む、電子デバイス。
【請求項7】
請求項
6に記載の電子デバイスであって、前記マルチレベル金属化構造がさらに、
前記第2の金属化構造レベルの上の、前記N個の金属化構造レベルのN番目の金属化構造レベルであって、
下にある金属化構造レベルのトレンチビア上のN番目の金属線と、
前記N番目の金属線から離間される、前記絶縁構成要素の前記第2の端子と、
前記N番目の金属線上のN番目のILD層と、
を含み、前記N番目の金属線が前記N番目の金属化構造レベルの前記第1の領域のN番目の部分を囲む、前記N番目の金属化構造レベルと、
前記第2の金属化構造レベルと前記N番目の金属化構造レベルとの間の金属化構造レベルのうち一つ又は複数の中間金属化構造レベルと、
を含み、
前記中間金属化構造レベルのそれぞれが、前記相互接続された金属線のそれぞれ一つと前記導電シールドの前記トレンチビアのそれぞれ一つとを含み、前記相互接続された金属線の前記それぞれ一つ及び前記トレンチビアの前記それぞれ一つが、前記金属化構造レベルの前記それぞれの中間金属化構造レベルの前記第1の領域を囲む、
電子デバイス。
【請求項8】
電子デバイスであって、
半導体層と、
前記半導体層の上のマルチレベル金属化構造であって、第1の領域と、第2の領域と、前記半導体層上のプレメタルレベルと、前記プレメタルレベルの上の整数N個の金属化構造レベルとを含み、Nが3より大きい、前記マルチレベル金属化構造と、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域における絶縁構成要素であって、第1の端子及び第2の端子を含み、前記第1及び第2の端子が前記マルチレベル金属化構造の異なるそれぞれの金属化構造レベルにある、前記絶縁構成要素と、
前記マルチレベル金属化構造における前記第1の領域と前記第2の領域との間の導電シールドであって、前記マルチレベル金属化構造の第1の領域を少なくとも部分的に囲む、前記それぞれの金属化構造レベルにおける相互接続された金属線及びトレンチビアを含む前記導電シールドとを含み、
前記マルチレベル金属化構造が、
前記半導体層上のプレメタル誘電体(PMD)層と、前記半導体層上のプレメタルトレンチコンタクトとを含むプレメタルレベルであって、前記プレメタルトレンチコンタクトが、前記PMD層の前記第1の領域の一部を囲む前記プレメタルレベルと、
前記プレメタルレベル上の第1の金属化構造レベルであって、前記第1の金属化構造レベルが、
前記プレメタルトレンチコンタクト上の第1の金属線と、
金属配路特徴と、
前記PMD層、前記第1の金属線、及び前記金属配路特徴上の第1のレベル間誘電体(ILD)層と、
前記第1の金属線上の第1のトレンチビアであって、前記第1のトレンチビア及び前記第1の金属線が前記第1の金属化構造レベルの前記第1の領域の別の部分を囲む、前記第1の金属線上の第1のトレンチビアと、前記金属配路特徴上の配路ビアであって、前記第1の領域の前記一部と前記第1の金属化構造レベルの前記第2の領域の一部との間の前記第1の金属線における間隙を介して延在する前記配路ビアと、
を含む、前記第1の金属化構造レベルと、
前記第1の金属化構造レベル上の第2の金属化構造レベルであって、前記第2の金属化構造レベルが、
前記第1のトレンチビア上の第2の金属線と、
前記第2の金属線から離間される、前記絶縁構成要素の前記第1の端子と、
前記第1のILD層、前記第2の金属線、及び前記絶縁構成要素の前記第1の端子上の第2のILD層と、
前記第2の金属線上の第2のトレンチビアと、
を含み、前記第2のトレンチビア及び前記第2の金属線が、前記第2の金属化構造レベルの前記第1の領域の第2の部分を囲む、前記第2の金属化構造レベルとを含み、
前記マルチレベル金属化構造がさらに、
前記第2の金属化構造レベルの上の、前記N個の金属化構造レベルのN番目の金属化構造レベルであって、
下にある金属化構造レベルのトレンチビア上のN番目の金属線と、
前記N番目の金属線から離間される、前記絶縁構成要素の前記第2の端子と、
前記N番目の金属線上のN番目のILD層と、
を含み、前記N番目の金属線が前記N番目の金属化構造レベルの前記第1の領域のN番目の部分を囲む、前記N番目の金属化構造レベルと、
前記第2の金属化構造レベルと前記N番目の金属化構造レベルとの間の金属化構造レベルのうち一つ又は複数の中間金属化構造レベルと、
を含み、
前記中間金属化構造レベルのそれぞれが、前記相互接続された金属線のそれぞれ一つと前記導電シールドの前記トレンチビアのそれぞれ一つとを含み、前記相互接続された金属線の前記それぞれ一つ及び前記トレンチビアの前記それぞれ一つが、前記金属化構造レベルの前記それぞれの中間金属化構造レベルの前記第1の領域を囲む、
電子デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記絶縁構成要素の前記第2の端子が、前記金属化構造レベルのうちのN番目の金属化構造レベルにあり、露出された側部を含む、電子デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域において前記絶縁構成要素から離間される第2の絶縁構成要素をさらに含み、前記第2の絶縁
構成要素が第1の端子及び第2の端子を含み、前記第2の絶縁
構成要素の前記第1及び第2の端子が、前記マルチレベル金属化構造の異なるそれぞれの金属化構造レベルにある、前記電子デバイス。
【請求項11】
パッケージ化された電子デバイスであって、
第1の半導体ダイであって、
半導体層と、
前記半導体層の上のマルチレベル金属化構造であって、第1の領域、第2の領域、前記半導体層上のプレメタルレベル、及び前記プレメタルレベルの上の整数N個の金属化構造レベルを含み、Nが3より大きい、前記マルチレベル金属化構造と、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域にある絶縁構成要素であって、第1の端子及び第2の端子を含み、前記第1及び第2の端子が前記マルチレベル金属化構造の異なるそれぞれの金属化構造レベルにあり、前記第2の端子が露出された側部を含む、前記絶縁構成要素と、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域及び前記第2の領域との間の導電シールドであって、前記マルチレベル金属化構造の第1の領域を少なくとも部分的に囲む、前記それぞれの金属化構造レベルの相互接続された金属線及びトレンチビアを含む前記導電シールドと、
を含む、前記第1の半導体ダイと、
導電性特徴を含む第2の半導体ダイと、
前記第2の端子の前記露出された側部にはんだ付けされる第1の端部と、前記第2の半導体ダイの前記導電性特徴にはんだ付けされる第2の端部とを含む電気的接続と、
前記第1の半導体ダイ、前記第2の半導体ダイ、及び前記電気的接続を囲むパッケージ構造と、
前記パッケージ構造の一つ又は複数の側部に沿って露出される導電リードと、
を含
み、
前記絶縁構成要素がコンデンサであり、
前記絶縁構成要素の前記第1の端子が、第1のコンデンサプレートであり、
前記絶縁構成要素の前記第2の端子が、第2のコンデンサプレートである、パッケージ化された電子デバイス。
【請求項12】
パッケージ化された電子デバイスであって、
第1の半導体ダイであって、
半導体層と、
前記半導体層の上のマルチレベル金属化構造であって、第1の領域、第2の領域、前記半導体層上のプレメタルレベル、及び前記プレメタルレベルの上の整数N個の金属化構造レベルを含み、Nが3より大きい、前記マルチレベル金属化構造と、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域にある絶縁構成要素であって、第1の端子及び第2の端子を含み、前記第1及び第2の端子が前記マルチレベル金属化構造の異なるそれぞれの金属化構造レベルにあり、前記第2の端子が露出された側部を含む、前記絶縁構成要素と、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域及び前記第2の領域との間の導電シールドであって、前記マルチレベル金属化構造の第1の領域を少なくとも部分的に囲む、前記それぞれの金属化構造レベルの相互接続された金属線及びトレンチビアを含む前記導電シールドと、
を含む、前記第1の半導体ダイと、
導電性特徴を含む第2の半導体ダイと、
前記第2の端子の前記露出された側部にはんだ付けされる第1の端部と、前記第2の半導体ダイの前記導電性特徴にはんだ付けされる第2の端部とを含む電気的接続と、
前記第1の半導体ダイ、前記第2の半導体ダイ、及び前記電気的接続を囲むパッケージ構造と、
前記パッケージ構造の一つ又は複数の側部に沿って露出される導電リードと、
を含み、
前記第2の半導体ダイが、
第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の上の第2のマルチレベル金属化構造であって、第1の領域、第2の領域、前記第2の半導体層上のプレメタルレベル、及び前記プレメタルレベルの上の整数M個の金属化構造レベルを含み、Mが3より大きい、前記第2のマルチレベル金属化構造と、
前記第2のマルチレベル金属化構造の前記第1の領域にある第2の絶縁構成要素であって、第1の端子及び第2の端子を含み、前記第1及び第2の端子が前記第2のマルチレベル金属化構造の異なるそれぞれの金属化構造レベルにあり、前記第2の端子が、露出された側部を含む、前記第2の絶縁構成要素と、
前記第2のマルチレベル金属化構造の前記第1の領域と前記第2の領域との間の第2の導電シールドであって、前記第2のマルチレベル金属化構造の前記第1の領域を囲む、前記それぞれの金属化構造レベルにおける相互接続された金属線及びトレンチビアを含む前記第2の導電シールドと、
を含む、パッケージ化された電子デバイス。
【請求項13】
請求項
12に記載のパッケージ化された電子デバイスであって、
前記絶縁構成要素がトランスであり、
前記絶縁構成要素の前記第1の端子が、第1のトランスコイルであり、
前記絶縁構成要素の前記第2の端子が、第2のトランスコイルである、
パッケージ化された前記電子デバイス。
【請求項14】
パッケージ化された電子デバイスであって、
第1の半導体ダイであって、
半導体層と、
前記半導体層の上のマルチレベル金属化構造であって、第1の領域、第2の領域、前記半導体層上のプレメタルレベル、及び前記プレメタルレベルの上の整数N個の金属化構造レベルを含み、Nが3より大きい、前記マルチレベル金属化構造と、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域にある絶縁構成要素であって、第1の端子及び第2の端子を含み、前記第1及び第2の端子が前記マルチレベル金属化構造の異なるそれぞれの金属化構造レベルにあり、前記第2の端子が露出された側部を含む、前記絶縁構成要素と、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域及び前記第2の領域との間の導電シールドであって、前記マルチレベル金属化構造の第1の領域を少なくとも部分的に囲む、前記それぞれの金属化構造レベルの相互接続された金属線及びトレンチビアを含む前記導電シールドと、
を含む、前記第1の半導体ダイと、
導電性特徴を含む第2の半導体ダイと、
前記第2の端子の前記露出された側部にはんだ付けされる第1の端部と、前記第2の半導体ダイの前記導電性特徴にはんだ付けされる第2の端部とを含む電気的接続と、
前記第1の半導体ダイ、前記第2の半導体ダイ、及び前記電気的接続を囲むパッケージ構造と、
前記パッケージ構造の一つ又は複数の側部に沿って露出される導電リードと、
を含み、
前記導電シールドが階段形状を有し、
前記絶縁構成要素の前記第2の端子が、第1の方向に沿って互いに離間される対向する横方向エッジを含み、
前記それぞれの金属化構造レベルの前記金属線が、前記第2の端子のそれぞれの横方向エッジから前記第1の方向に沿ってそれぞれの離間距離だけ離間される横方向エッジを含み、
前記それぞれの離間距離が互いに異なる、
パッケージ化された電子デバイス。
【請求項15】
方法であって、
半導体層の上にマルチレベル金属化構造を形成することであって、前記マルチレベル金属化構造が、
第1の領域と、第2の領域と、前記半導体層上のプレメタルレベルと、前記プレメタルレベルの上の整数N個の金属化構造レベルであって、Nが3より大きい金属化構造レベルと、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域に第1の端子及び第2の端子を含む絶縁構成要素と、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域と前記第2の領域との間の導電シールドであって、前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域を少なくとも部分的に囲む、前記それぞれの金属化構造レベルにおける相互接続された金属線及びトレンチビアを含む前記導電シールドと
を含み、前記導電シールドが階段形状を有し、前記絶縁構成要素の前記第2の端子が、第1の方向に沿って互いに離間される対向する横方向エッジを含み、前記それぞれの金属化構造レベルの前記金属線が、前記第2の端子のそれぞれの横方向エッジから前記第1の方向に沿ってそれぞれの離間距離だけ離間される横方向エッジを含み、前記それぞれの離間距離が互いに異なる、前記マルチレベル金属化構造を形成することと、
前記半導体層及び前記マルチレベル金属化構造を含む第1の半導体ダイをウェハから分離することと、
前記絶縁構成要素の前記第2の端子と第2の半導体ダイの導電性特徴との間に電気的接続を形成することと、
前記第1の半導体ダイ、前記第2の半導体ダイ、及び前記電気的接続をパッケージ構造内で囲み、前記パッケージ構造の一つ又は複数の面に沿って導電リードを露出させることと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項
15に記載の方法であって、前記マルチレベル金属化構造を形成することがさらに、
前記半導体層上にプリメタル誘電体(PMD)層を形成することと、
前記PMD層の前記第1の領域の一部を囲むプレメタルトレンチコンタクトを前記半導体層上に形成することと、
前記PMD層上に第1の金属化構造レベルを形成することであって、前記第1の金属化構造レベルが、
前記プレメタルトレンチコンタクト上の第1の金属線と、
金属配路特徴と、
前記PMD層、前記第1の金属線、及び前記金属配路特徴上の第1のレベル間誘電体(ILD)層と、
前記第1の金属線上の第1のトレンチビアと、
を含み、前記第1
のトレンチビア及び前記第1の金属線が前記第1の金属化構造レベルの前記第2の領域における前記第1の金属化構造レベルの前記第1の領域を囲み、前記金属配路特徴が前記第1の金属線における間隙を介して延在する、第1の金属化構造レベルを形成することと、
前記第1の金属化構造レベル上に第2の金属化構造レベルを形成することであって、前記第2の金属化構造レベルが、
前記第1のトレンチビア上の第2の金属線と、
前記絶縁構成要素の前記第1の端子と、前記第2の金属線から離間される前記第1の端子と、
前記第1のILD層、前記第2の金属線、及び前記第1の端子上の第2のILD層と、
前記第2の金属線上の第2のトレンチビアと、
を含み、前記第2のトレンチビア及び前記第2の金属線が前記第2の金属化構造レベルの前記第1の領域を囲む、前記第2の金属化構造レベルを形成することと、
を含む、方法。
【請求項17】
請求項
16に記載の方法であって、前記マルチレベル金属化構造を形成することがさらに、
前記第2の金属化構造レベルの上に前記N個の金属化構造レベルのうちのN番目の金属化構造レベルを形成することを含み、前記N番目の金属化構造レベルが、
下にある金属化構造レベルのトレンチビア上のN番目の金属線と、
前記N番目の金属線から離間される、前記絶縁構成要素の前記第2の端子と、
前記N番目の金属線上の番目のILD層と、
を含み、前記N番目の金属線が前記N番目の金属化構造レベルの前記第1
の領域を囲む、
方法。
【請求項18】
請求項
17に記載の方法であって、前記マルチレベル金属化構造を形成することがさらに、
前記第2の金属化構造レベルと前記N番目の金属化構造レベルとの間に前記金属化構造レベルのうち一つ又は複数の中間金属化構造レベルを形成することを含み、前記金属化構造レベルの前記それぞれの中間金属化構造レベルが、前記導電シールドの前記相互接続された金属線のそれぞれ一つと前記トレンチビアのそれぞれ一つとを含み、前記相互接続された金属線の前記それぞれ一つ及び前記トレンチビアの前記それぞれ一つが、前記金属化構造レベルの前記それぞれの中間金属化構造レベルの前記第1の領域を囲む、方法。
【請求項19】
方法であって、
半導体層の上のマルチレベル金属化構造を形成することであって、前記マルチレベル金属化構造が、
第1の領域と、第2の領域と、前記半導体層上のプレメタルレベルと、前記プレメタルレベルの上の整数N個の金属化構造レベルとを含み、Nが3より大きい、金属化構造レベルと、
前記マルチレベル金属化構造の前記第1の領域における絶縁構成要素であって、第1の端子及び第2の端子を含み、前記第1及び第2の端子が前記マルチレベル金属化構造の異なるそれぞれの金属化構造レベルにある、前記絶縁構成要素と、
前記マルチレベル金属化構造における前記第1の領域と前記第2の領域との間の導電シールドであって、前記マルチレベル金属化構造の第1の領域を少なくとも部分的に囲む、前記それぞれの金属化構造レベルにおける相互接続された金属線及びトレンチビアを含む前記導電シールドとを含み、
前記マルチレベル金属化構造が、
前記半導体層上のプレメタル誘電体(PMD)層と、前記半導体層上のプレメタルトレンチコンタクトとを含むプレメタルレベルであって、前記プレメタルトレンチコンタクトが、前記PMD層の前記第1の領域の一部を囲む前記プレメタルレベルと、
前記プレメタルレベル上の第1の金属化構造レベルであって、前記第1の金属化構造レベルが、
前記プレメタルトレンチコンタクト上の第1の金属線と、
金属配路特徴と、
前記PMD層、前記第1の金属線、及び前記金属配路特徴上の第1のレベル間誘電体(ILD)層と、
前記第1の金属線上の第1のトレンチビアであって、前記第1のトレンチビア及び前記第1の金属線が前記第1の金属化構造レベルの前記第1の領域の別の部分を囲む、前記第1の金属線上の第1のトレンチビアと、前記金属配路特徴上の配路ビアであって、前記第1の領域の前記一部と前記第1の金属化構造レベルの前記第2の領域の一部との間の前記第1の金属線における間隙を介して延在する前記配路ビアと、
を含む、前記第1の金属化構造レベルと、
前記第1の金属化構造レベル上の第2の金属化構造レベルであって、前記第2の金属化構造レベルが、
前記第1のトレンチビア上の第2の金属線と、
前記第2の金属線から離間される、前記絶縁構成要素の前記第1の端子と、
前記第1のILD層、前記第2の金属線、及び前記絶縁構成要素の前記第1の端子上の第2のILD層と、
前記第2の金属線上の第2のトレンチビアと、
を含み、前記第2のトレンチビア及び前記第2の金属線が、前記第2の金属化構造レベルの前記第1の領域の第2の部分を囲む、前記第2の金属化構造レベルとを含み、
前記マルチレベル金属化構造がさらに、
前記第2の金属化構造レベルの上の、前記N個の金属化構造レベルのN番目の金属化構造レベルであって、
下にある金属化構造レベルのトレンチビア上のN番目の金属線と、
前記N番目の金属線から離間される、前記絶縁構成要素の前記第2の端子と、
前記N番目の金属線上のN番目のILD層と、
を含み、前記N番目の金属線が前記N番目の金属化構造レベルの前記第1の領域のN番目の部分を囲む、前記N番目の金属化構造レベルと、
前記第2の金属化構造レベルと前記N番目の金属化構造レベルとの間の金属化構造レベルのうち一つ又は複数の中間金属化構造レベルと、
を含み、
前記中間金属化構造レベルのそれぞれが、前記相互接続された金属線のそれぞれ一つと前記導電シールドの前記トレンチビアのそれぞれ一つとを含み、前記相互接続された金属線の前記それぞれ一つ及び前記トレンチビアの前記それぞれ一つが、前記金属化構造レベルの前記それぞれの中間金属化構造レベルの前記第1の領域を囲む、
電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの回路は、低電圧ドメインにおける低電圧論理回路要素や第2の高電圧ドメインにおける通信ドライバ回路など、複数の電圧ドメインにおける回路要素を含む。通常動作において、高電圧デジタルアイソレータは、高電圧ドメインに対する有害な電流又は電圧によるデバイス劣化に対して低電圧回路を保護しながら、異なる電圧ドメイン間の通信チャネルを提供する。高電圧絶縁障壁構成要素付近の回路要素における電気的過剰ストレス(EOS)事象は、高電圧障壁を潜在的に損傷し得、それにより、高電圧障壁が低電圧回路要素を高電圧ドメインから絶縁し得なくなる。
【発明の概要】
【0002】
一態様において、電子デバイスが、半導体層の上のマルチレベル金属化構造、並びに第1の領域における絶縁構成要素、及び金属化構造の第1の領域と第2の領域との間の導電シールドを含む。金属化構造は、半導体層上のプレメタルレベルと、プレメタルレベルの上の金属化構造レベルとを含む。絶縁構成要素は、異なる金属化構造レベルにおける第1及び第2の端子を含む。導電シールドは、それぞれの金属化構造レベルにおいて第1の領域を囲む、相互接続された金属線及びトレンチビアを含む。一例において、絶縁構成要素はコンデンサである。別の例において、絶縁構成要素はトランスである。一例において、絶縁構成要素の第2の端子は、頂部又は最終の金属化構造レベルにあり、露出された側部を含む。一例において、第1の領域は、複数の絶縁構成要素を含む。一例において、金属化構造レベルの一つは、間隙を備える金属線と、間隙を介して延在し、絶縁構成要素の第1の端子に接続される、金属配路特徴とを含む。一例における導電性シールドは、側面図において階段形状を有する。
【0003】
本開示の別の態様において、パッケージ化された電子デバイスが提供される。パッケージ化された電子デバイスは、デバイス内に第1及び第2の半導体ダイを含む。ダイ及び電気的接続は、部分的に露出されたリードを備えるパッケージ構造に封入される。第1の半導体ダイは、半導体層と、半導体層の上に第1及び第2の領域を備えるマルチレベル金属化構造と、金属化構造の第1の領域における絶縁構成要素と、第1の領域と第2の領域との間に相互接続された金属線及びトレンチビアを備える導電シールドとを含む。一例において、導電シールドは階段形状を有する。一例において、絶縁構成要素はコンデンサである。別の例において、絶縁構成要素はトランスである。一例において、第2のダイも、第2の半導体層と、第2の半導体層の上に第1及び第2の領域を備える第2のマルチレベル金属化構造と、第2の金属化構造の第1の領域における第2の絶縁構成要素とを含む。
【0004】
別の態様が或る方法を提供し、この方法は、第1及び第2の領域を備え、第1の領域と第2の領域の間に相互接続された金属線及びトレンチビアを備える導電シールドを備えるマルチレベル金属化構造を半導体層の上に形成することを含む。この方法はまた、半導体層及びマルチレベル金属化構造を含む第1の半導体ダイをウェハから分離することと、絶縁構成要素の第2の端子と第2の半導体ダイの導電性特徴との間に電気的接続を形成することと、パッケージ構造の一つ又は複数の側部に沿って露出した導電リードを備えるパッケージ構造内に第1の半導体ダイ、第2の半導体ダイ、及び電気的接続を封入することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】半導体層の上のマルチレベル金属化構造における導電シールドによって囲まれる第1の領域に絶縁コンデンサを備える電子デバイスの部分的断面側面図である。
【0006】
【
図2】
図1の電子デバイスの線2‐2に沿って切り取った部分的頂部平面図である。
【0007】
【
図3】
図1の電子デバイスの線3‐3に沿って切り取った部分的頂部平面図である。
【0008】
【
図4】
図1~
図3のデバイスを含むパッケージされた電子デバイスの概略図である。
【0009】
【
図5】パッケージされた電子デバイスを製作する方法のフローチャートである。
【0010】
【
図6】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図7】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図8】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図9】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図10】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図11】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図12】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図13】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図14】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図15】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図16】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図17】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図18】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図20】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図21】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図22】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図23】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図24】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【
図25】
図5の方法に従った金属化構造製作処理を受けている
図1~
図3のデバイスの部分的断面側面図である。
【0011】
【
図26】ワイヤボンディングを受ける半導体ダイが取り付けられたリードフレームの一部を示す部分的頂部平面図である。
【0012】
【
図27】パッケージ化された電子デバイスの斜視図である。
【0013】
【
図28】半導体層の上のマルチレベル金属化構造における導電シールドによって囲まれる第1の領域に絶縁トランスを備える、別の電子デバイスの部分断面側面図である。
【0014】
【
図29】
図28の電子デバイスの線29‐29に沿った部分的頂部平面図である。
【0015】
【
図30】
図28の電子デバイスの線30‐30に沿った部分的頂部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面において、同様の参照数字は一貫して同様の要素を指し、様々な特徴は必ずしも一定の縮尺で描かれているとは限らない。また、「結合する」という用語は、間接的又は直接的な電気又は機械接続、或いはその組合せを含む。例えば、第1のデバイスが第2のデバイスと結合するか又は結合される場合、その接続は、直接電気接続、又は一つ又は複数の介在するデバイス及び接続を介した間接電気接続によるものとし得る。様々な回路、システム、及び/又は構成要素の一つ又は複数の動作特性を、回路要素が給電され動作しているときに様々な構造の構成及び/又は相互接続から生じる機能の文脈で下記に説明する。
【0017】
最初に
図1~
図3を参照すると、
図1は、電子デバイス100の部分的断面側面図を示し、
図2及び
図3は、
図1の線2‐2及び線3‐3に沿って切り取った電子デバイス100の一部のそれぞれの頂部断面図を示す。電子デバイス100は半導体層101を含む。一例において、半導体層101は、半導体層101の頂部側又はその内部に形成される絶縁構造102(例えば、シャロートレンチアイソレーション又はSTI構造)を有するp型半導体材料であるか又はp型半導体材料を含む。一例における半導体層101は、シリコン層、シリコン‐ゲルマニウム層、シリコンオンインシュレータ(SOI)構造、又は半導体材料を有する別の層である。電子デバイス100はさらに、半導体層101の頂部側の上に配置されるマルチレベル金属化構造103を含む。また、電子デバイス100は、マルチレベル金属化構造103において、絶縁構成要素104及び導電シールド105を含む。
【0018】
また下記で更に述べるように、絶縁構成要素104は、マルチレベル金属化構造103の第1の領域にあり、導電シールド105は、絶縁構成要素104の周りにファラデーケージを設けるようにマルチレベル金属化構造の、相互接続された金属線及びトレンチビアによって形成される。導電シールド105は、マルチレベル金属化構造103の外側の第2の領域から第1の領域を分離する。一実装において、電子デバイス100は、マルチレベル金属化構造103の外側の第2の領域の下の半導体層101上及び/又は半導体層101内に形成される更なる回路要素(例えば、図示しない低電圧論理回路)も含む。
【0019】
図1の例では、絶縁構成要素104は、半導体層101から距離107(例えば、2.8μm)だけ離間される第1の(例えば、下部又は底部)端子106(例えば、第1のコンデンサプレート)を含むコンデンサである。また下記に更に述べるように、一例における導電シールド105は、構成金属層の一つに間隙を含み、導電性配路特徴により、第2の領域の低電圧論理回路要素が絶縁構成要素104の第1の端子106に接続される。コンデンサ104は、第2の(例えば、上部又は頂部)端子108(例えば、第2のコンデンサプレート)も含む。すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、この例では、第1の端子106と第2の端子108は、概して互いに平行である。また、第1の端子106と第2の端子108は、互いに距離109(例えば、12.7μm)だけ離されており、端子106と端子108の間の誘電体材料層によりコンデンサ104が形成される。図示される例では、コンデンサ絶縁構成要素104の第2の端子108は露出した頂部側を含み、それにより、第2の端子108が第2の半導体ダイ(例えば、下記の
図4及び
図26)の高電圧ドメイン端子(例えば、ボンディングワイヤ)とされ得る。
【0020】
マルチレベル金属化構造103は、プレメタルレベル110及び整数N個の金属化構造レベルを含み、Nは3より大きい。
図1~
図3の例は、N=7個の金属化構造レベルを含む。プリメタルレベル110は、半導体層101上のプリメタル誘電体(PMD)層111を含む。一例において、PMD層111は、二酸化シリコン(SiO
2)であるか又は二酸化シリコンを含み、約1.2μmの厚さを有する。プリメタルレベル110は、半導体層101上の円筒状のコンタクト114及びプリメタルトレンチコンタクト118を含む。コンタクト114及び118は、
図1における垂直(例えば、Z)方向に沿ってPMD層111を介して延在する。トレンチコンタクト118は、プレメタルレベル110内のPMD層111の中央の第1の部分を間隙なく囲む。一例において、プレメタルレベルコンタクト114及びトレンチコンタクト118は、タングステンであるか又はタングステンを含む。図示の例では、プレメタルトレンチコンタクト118は、
図1に示すように、STI部102間に接地接続を形成するように半導体層101に接続されて、絶縁構成要素104の周りに接地されたファラデーケージとして動作する導電シールド105の下部が設けられる。全ての可能な実装の厳密な要件ではないが、プレメタルレベル110は更に、例えば、デバイス100の亀裂及び機械的応力に対する保護を提供するために、電子デバイス100の図示部分の外周付近の領域119にトレンチコンタクト118を含む。
【0021】
図1及び
図3に示すように、マルチレベル金属化構造103は、プレメタルレベル110上の第1の金属化構造レベル120(例えば、
図1ではM1と標す)も含む。第1の金属化構造レベル120は、第1のレベル間誘電体(ILD)層121と、マルチレベル金属化構造103の第2の部分における導電金属線122及び円筒状のタングステンビア124とを含む。第1の金属化構造レベル120は更に、マルチレベル金属化構造103の第1の部分において、金属配路特徴125、第1の金属線126、及び金属配路特徴125上の配路ビア127を含む。一例における第1の金属線126は、
図1におけるZ方向に沿った厚さが約0.61μmのアルミニウム金属であるか又はアルミニウム金属を含む。また、第1の金属化構造レベル120は、第1の金属線126上の第1のトレンチビア128を含む。第1のILD層121は、PMD層111、金属配路特徴125、及び第1の金属線126上に延在する。第1の金属線126は、プレメタルトレンチコンタクト118上に少なくとも部分的に延在し、第1のトレンチビア128は、第1の金属線126上に延在する。第1のトレンチビア128及び第1の金属線126は、第1の金属化構造レベル120におけるマルチレベル金属化構造103の第1の領域の別の部分を囲む。一例における第1のILD層121は、二酸化シリコン(SiO
2)であるか又は二酸化シリコンを含み、約1.2μmの(例えば、
図1におけるZ方向に沿った)厚さを有する。
【0022】
図3に示すように、金属配路特徴125は、第1の領域から、第1の金属線126における間隙Gを介し、第1の金属化構造レベル120の第2の領域まで延在する。全ての可能な実装の厳密な要件ではないが、第1の金属化構造120は、例えば、デバイス100の亀裂及び機械的応力を減少させるために、電子デバイス100の図示部分の外周付近の領域119にトレンチビア128も含む。すべての可能な実装の要件ではないが、第1の金属化構造レベル120、及び
図1~
図3の例における他の金属化構造レベルは、タングステンであるか又はタングステンを含む、ビア114及びトレンチコンタクト118を含む。また、すべての可能な実装の要件ではないが、第1の金属化構造レベル120及びマルチレベル金属化構造103の他の金属化構造レベルは、アルミニウム又は銅であるか或いはアルミニウム又は銅を含む、金属線を含む。
【0023】
第2の金属化構造レベル130(
図1においてM2と標す)が、マルチレベル金属化構造103における第1の金属化構造レベル120上に延在する。第2の金属化構造レベル130は、第2のILD層131と、マルチレベル金属化構造103の第2の部分における導電金属線132及び円筒状のタングステンビア134とを含む。一例における第2のILD層131は、二酸化シリコンであるか又は二酸化シリコンを含み、Z方向に沿った約1.2μmの厚さを有する。第2の金属化構造レベル130はさらに、第1のトレンチビア128上に少なくとも部分的に存在する第2の金属線136と、第2の金属線136上の第2のトレンチビア138とを含む。一例における第2の金属線136は、アルミニウム金属であるか又はアルミニウム金属を含み、
図1におけるZ方向に沿った約0.61μmの厚みを有する。第2の金属化構造レベル130はまた、第2の金属線136から離間されており、第2の金属化構造レベル130の中央の第1の部分において金属配路特徴125上の配路ビア127の上に少なくとも部分的に延在する、絶縁構成要素104の第1の端子106を含む。この例における第2のILD層131は、第1のILD層121、第2の金属線136、及び第1の端子106上に延在する。第2のトレンチビア138が第2の金属線136上に延在する。第2のトレンチビア138及び第2の金属線136は、第2の金属化構造レベル130の第1の領域の第2の部分を囲む。
図1に示すように、絶縁構成要素104の第2の端子108は、横方向エッジ(
図1における左側及び右側)を含み、それぞれの第1の金属線126及び第2の金属線136は、第1の方向(例えば、
図1~
図3におけるX方向)に沿って第2の端子108のそれぞれの横方向エッジからそれぞれゼロではない離間距離137だけ離間される、対向する横方向エッジを含む。すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、第2の金属化構造130は、電子デバイス100の図示部分の外周付近の領域119にトレンチビア138も含む。
【0024】
マルチレベル金属化構造103はまた、第3の金属化構造レベル140(
図1においてM3と標す)を含む。第3の金属化構造レベル140は、マルチレベル金属化構造103における第2の金属化構造レベル130上に延在する。第3の金属化構造レベル140は、第3のILD層141と、マルチレベル金属化構造103の第2の部分における導電金属線142及び円筒状のタングステンビア144とを含む。一例における第3のILD層141は、二酸化シリコンであるか又は二酸化シリコンを含み、Z方向に沿った約2.5μmの厚さを有する。第3の金属化構造レベル140はさらに、第2のトレンチビア138上に少なくとも部分的に存在する第3の金属線146と、第3の金属線146上の第3のトレンチビア148とを含む。一例における第3の金属線146は、アルミニウム金属であるか又はアルミニウム金属を含み、
図1におけるZ方向に沿った約0.61μmの厚さを有する。この例における第3のILD層141は、第2のILD層131及び第3の金属線146上に延在する。第3のトレンチビア148が、第3の金属線146上の第3のILD層141を介して延在する。第3のトレンチビア148及び第3の金属線146は、第3の金属化構造レベル140の第1の領域の一部を囲む。
図1に示すように、第3の金属線146は、第2の端子108のそれぞれの横方向エッジからX方向に沿ってゼロではない離間距離147だけ離間される横方向エッジを含む。
図1~
図3における導電シールド105は、
図1に示す階段形状を有し、ゼロではない離間距離147(例えば、約30μm)は、先行する(例えば、下にある)第2の金属化構造レベル130の離間距離137より大きい。すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、第3の金属化構造140は、電子デバイス100の図示部分の外周付近の領域119にトレンチビア148も含む。
【0025】
第4の金属化構造レベル150(
図1においてM4と標す)が、マルチレベル金属化構造103における第3の金属化構造レベル140上に延在する。第4の金属化構造レベル150は、第4のILD層151と、マルチレベル金属化構造103の第2の部分における導電金属線152及び円筒状のタングステンビア154とを含む。一例における第4のILD層151は、二酸化シリコンであるか又は二酸化シリコンを含み、Z方向に沿った約3.2μmの厚さを有する。第4の金属化構造レベル150はさらに、第3のトレンチビア148上に少なくとも部分的に存在する第4の金属線156と、第4の金属線156上の第4のトレンチビア158とを含む。一例における第4の金属線146は、アルミニウム金属であるか又はアルミニウム金属を含み、
図1におけるZ方向に沿った約1.3μmの厚さを有する。この例における第4のILD層151は、第3のILD層141及び第4の金属線156上に延在する。第4のトレンチビア158が、第4の金属線156上の第4のILD層151を介して延在する。第4のトレンチビア158及び第4の金属線156は、第4の金属化構造レベル150の第1の領域の一部を囲む。
図1に示すように、第4の金属線156は、第2の端子108のそれぞれの横方向エッジからX方向に沿って、先行する(例えば、下にある)第3の金属化構造レベル140の離間距離147より大きいゼロではない離間距離157(例えば、約40μm)だけ離間される横方向エッジを含む。すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、第4の金属化構造150は、電子デバイス100の図示部分の外周付近の領域119にトレンチビア158も含む。
【0026】
マルチレベル金属化構造103はまた、マルチレベル金属化構造103における第4の金属化構造レベル150上に延在する第5の金属化構造レベル160(
図1においてM5と標す)を含む。第5の金属化構造レベル160は、第5のILD層161と、マルチレベル金属化構造103の第2の部分における導電金属線162及び円筒状タングステンビア164とを含む。一例における第5のILD層161は、二酸化シリコンであるか又は二酸化シリコンを含み、Z方向に沿った約3.2μmの厚さを有する。第5の金属化構造レベル160はさらに、第4のトレンチビア158上に少なくとも部分的に存在する第5の金属線166と、第5の金属線166上の第5のトレンチビア168とを含む。一例における第5の金属線166は、アルミニウム金属であるか又はアルミニウム金属を含み、
図1におけるZ方向に沿った約1.3μmの厚さを有する。この例における第5のILD層161は、第4のILD層151及び第5の金属線166上に延在する。第5のトレンチビア168が、第5の金属線166上の第5のILD層161を介して延在する。第5のトレンチビア168及び第5の金属線166は、第5の金属化構造レベル160の第1の領域の一部を囲む。
図1に示すように、第5の金属線166は、第2の端子108のそれぞれの横方向エッジからX方向に沿って、先行する(例えば、下にある)第4の金属化構造レベル150の離間距離157より大きいゼロではない離間距離167(例えば、約50μm)だけ離間される横方向エッジを含む。すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、第5の金属化構造160は、電子デバイス100の図示部分の外周付近の領域119にトレンチビア168も含む。
【0027】
第6の金属化構造レベル170(
図1においてM6と標す)が、マルチレベル金属化構造103における第5の金属化構造レベル160上に延在する。第6の金属化構造レベル170は、第6のILD層171と、マルチレベル金属化構造103の第2の部分における導電金属線172及び円筒状タングステンビア174とを含む。一例における第6のILD層171は、二酸化シリコンであるか又は二酸化シリコンを含み、Z方向に沿った約3.2μmの厚さを有する。第6の金属化構造レベル170はさらに、第5のトレンチビア168上に少なくとも部分的に存在する第6の金属線176と、第6の金属線176上の第6のトレンチビア178とを含む。一例における第6の金属線176は、アルミニウム金属であるか又はアルミニウム金属を含み、
図1におけるZ方向に沿った約1.3μmの厚さを有する。この例における第6のILD層171は、第5のILD層161及び第6の金属線176上に延在する。第6のトレンチビア178が、第6の金属線176上の第6のILD層171を介して延在する。第6のトレンチビア178及び第6の金属線176は、第6の金属化構造レベル170の第1の領域の一部を囲む。
図1に示すように、第6の金属線176は、第2の端子108のそれぞれの横方向エッジからX方向に沿って、先行する(例えば、下にある)第5の金属化構造レベル160の離間距離167より大きいゼロではない離間距離177(例えば、約70μm)だけ離間される横方向エッジを含む。すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、第6の金属化構造170は、電子デバイス100の図示部分の外周付近の領域119にトレンチビア178も含む。
【0028】
図1~
図3における例示のマルチレベル金属化構造103は、N個の金属化構造レベルを有し、ここでN=7である。最上部又は頂部(例えばN番目又は第7の)金属化構造レベル180(
図1においてM7と標す)は、マルチレベル金属化構造103における第6の金属化構造レベル170上に延在する。第7の金属化構造レベル180は、シリコン酸窒化物(SiON)であるか又はシリコン酸窒化物を含み、0.3μmの厚さを有する層181と、窒化シリコン(SiN)であるか又は窒化シリコンを含み、0.55μmの厚さを有する層182とを含む二層構造を有する。第7の金属化構造レベル180はさらに、保護オーバーコート(PO)層183(例えば、SiO
2)、及びマルチレベル金属化構造103の第2の部分における導電金属線184を含み、導電金属線184の一部が、外部構成要素(例えば、別のダイ又は図示しないリードフレームの導電性特徴)に電気導電性をもたらす導電ダイパッドにつながる。シリコン酸窒化物層185が、層183の一部分上に延在し、一例において2.8μmの厚さを有する。層183及び184は共に、保護オーバーコート(PO)層を形成する。
【0029】
また、第7の(例えば、N番目の)金属化構造レベル180は、絶縁構成要素104の第2の端子108と、第7の(例えば、N番目の)金属線186とを含む。第2の端子108は、
図1及び
図2に示すように、N番目の金属線186から、先行する(例えば、下にある)第6の金属化構造レベル170の離間距離177より大きいゼロではない離間距離187(例えば、約90μm)だけ離間している。一例における層183は、二酸化シリコンであるか又は二酸化シリコンを含み、Z方向に沿った約4.5μmの厚さを有する。第7の金属線186は、第6のトレンチビア178上に少なくとも部分的に延在する。一例における第7の金属線186は、アルミニウム金属であるか又はアルミニウム金属を含み、
図1におけるZ方向に沿った約3.0μmの厚さを有する。この例における層183は、二層構造181、182上、及び二層構造181、182の間隙における第6のILD層171上に延在する。また、層183は、第2の端子108の一部上、及び第7の金属線186上に延在する。第7の金属線186は、第7の金属化構造レベル180の第1の領域の上部を囲んで、導電シールド105が完成する。
【0030】
図1~
図3における例示の電子デバイス100は、第2の金属化構造レベル130における第1の端子106及び第7の金属化構造レベル180における第2の端子108を備える、コンデンサ絶縁構成要素104を含む。他の実装において、それぞれの第1の端子106及び第2の端子108は、金属化構造レベル120、130、140、150、160、170、180のうちの異なるレベルに存在し得る。すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、図示の例では、さらに、導電シールド105の階段形状は、漸増する離間距離137、147、157、167、177、及び187を有する。また、異なる実装は、非階段形状を有する導電シールドを含む。図示の階段形状は、有利にも、絶縁構成要素104の第2の端子108とシールド構造105との間に概ね一貫した間隔を提供する。導電シールド105は、マルチレベル金属化構造103の第1の領域を完全に囲む接地シールドを提供するために、トレンチコンタクト118によって半導体層101に接続される、概ね連続的な導電金属(例えば、銅、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、アルミニウム、タングステン)ファラデーケージ又はシールド構造を提供する。一例において、銅ドープしたアルミ線が窒化チタンによって挟まれ、銅線が窒化タンタルによって3つの側で封止される。或る実装におけるトレンチビアは、導電シールド構造105を形成するために、タングステン又は銅ダマシン法のための銅であるか、或いはタングステン又は銅を含む。
【0031】
一実装において、絶縁構成要素104の第2の端子108は、マルチレベル金属化構造103の第2の部分の回路要素とは異なる電圧ドメインにおける回路(及び、例えば、回路及び第2の半導体ダイ)からの高電圧信号に電気的に接続される。一例において、電子デバイス100は、マルチレベル金属化構造103の第2の部分において接続及び配路構造を備える低電圧論理回路(図示せず)を含み、導電シールド105は、マルチレベル金属化構造103の第2の部分と第1の部分との間に、実質的に連続する絶縁障壁を提供する。図示の実装では、導電シールド105は、マルチレベル金属化構造103の第1の領域196を囲むそれぞれの金属化構造レベル120、130、140、150、160、170、180における、相互接続された金属線126、136、146、156、166、176、186及びトレンチコンタクト/ビア118、128、138、148、158、168、178によってつくられ、一つ又は複数の小さな間隙G(例えば、
図3)のみが、第1の端子106の低電圧回路要素への電気的接続又はマルチレベル金属化構造103の第2の部分の接続のためのものである。
【0032】
一例における電子デバイス100は、2つ又はそれ以上の絶縁構成要素104(例えば、
図2に見られる頂部プレート又は第2の端子108を備えるコンデンサ)を含む。一実装において、コンデンサ絶縁構成要素104の一対又は複数の対が、マルチレベル金属化構造103の第1の部分に設けられ、導電シールド105は、すべての絶縁構成要素104一を囲む単一の接地されたファラデーケージ構造を提供する。さらなる代替の実装において、複数の導電シールド105がマルチレベル金属化構造103内につくられて、1つ又は複数の関連する絶縁構成要素を個々に囲む複数の接地されたファラデーケージ構造を提供する。
図1~
図3の例において、個々のコンデンサ絶縁構成要素104は、マルチレベル金属化構造103の第1の領域において互いに横方向に離間されており、金属化構造レベルのうち異なるレベル(例えば、図示の例ではレベル130及び180)にある第1の端子106及び第2の端子108を個々に含む。また、
図1~
図3の例において、コンデンサ絶縁構成要素104の各々は、金属線126における対応する間隙Gを介して延在する関連する導電配路特徴125を含む。
【0033】
図1に示すように、例示の上部コンデンサプレート又は第2の端子108は、(例えば、高電圧ドメインの)別の回路にはんだ付け又はその他の方式で電気的に接続され得る。
図1は、一例を示し、この例では、ボンディングワイヤ188が、(例えば、
図4及び
図26に関連して図示され、下記にさらに述べられるように)別のダイの導電性特徴への電気的接続を容易にするために、第2の端子108の露出した頂部側192にはんだ付けされる第1の端部を有する。例示の電子デバイス100は、保護オーバーコート層183及び185の幾つかの部分の上に延在し、厚さが10μmのポリイミド層190も含む。一例におけるポリイミド層190は、モールドパッケージング構造における封入に続く半導体層101及びマルチレベル金属化構造103に対する機械的応力を緩和するための応力障壁を提供して、例えば、何回かの温度サイクル事象後に潜在的に剥離し得る上層のモールド化合物と層185の表面との間の機械的応力を緩和する。
【0034】
この例におけるポリイミド層190、保護酸化物層185、及び層183は、第2の端子108の頂部側192を露出させる間隙を含む。この例における層181及び182は、第2の端子108を完全に囲む横方向間隙距離191を有する間隙を含む。また、層183及び185は、ボンディングワイヤ開口からX方向に沿って距離194(例えば、273μm)だけ横方向に離間される窪み又は間隙を含む。この窪み又は間隙は、ダイシングによって生じる亀裂がダイに進展しないように、一例においては最外部の導電線184間に位置する。距離194は、絶縁構成要素の周りにどのような外部回路要素が存在するかに依存して異なる実装において変動し、一例において、窪み又は間隙はダイを完全に囲む。
図1に破線形式で示すように、導電シールド105は、コンデンサ絶縁構成要素104を囲み、(例えば、高電圧ドメインに関連する)第1の領域196を(例えば、より低い又は異なる電圧ドメインに関連する)第2の領域198から分離する、伸縮自在な階段構造を備える接地されたファラデーケージを提供する。
【0035】
図4は、上述の電子デバイス100を含む例示のパッケージされた電子デバイス400を概略的に図示する。この例では、パッケージ化された電子デバイス400は、
図1~
図3に関連して先に図示し述べたように、個片化又は分離された半導体ダイを表す第1のダイ100を含む。第1のダイのデバイス100は、上述したように、絶縁された第1の領域196と第2の領域198の間に導電シールド105を備えるマルチレベル金属化構造103とコンデンサ絶縁構成要素104とを有する。第1の半導体ダイ又は電子デバイス100は、第1の(例えば、低電圧)電圧ドメインに関連する導電リード又は端子401、402、403、404、405、406、408と、一つ又は複数の付加的な(例えば、より高い電圧)電圧ドメインに関連する導電リード又は端子409、410、411、414、415、及び416とを備えるパッケージされた電子構成要素をつくるために、一つ又は複数の付加的な半導体ダイと共にパッケージされる。
【0036】
図4に概略的に示すように、電子デバイス100(例えば、第1の半導体ダイ)は、対応するボンディングワイヤ188に接続(例えば、ワイヤボンディング)される第1の端子106及び第2の端子108を各々が有する、一対のコンデンサ104を含む。或る対応するユーザ応用例(例えば、通信システムプリント回路基板)において、端子401~406、408~411、及び414~416は、対応する回路基板トレース421~426、428~431、及び434~436にはんだ付けされて、それぞれ、関連する信号線又は信号INA、INB、VCCI、GND、DIS、DT、VCCI、VSSB、OUTB、VDDB、VSSA、OUTA、及びVDDAとの電気相互接続及び動作を提供する。この例における第1ダイ又は電子デバイス100は、低電圧の第1及び第2の通信チャネル信号をそれぞれのコンデンサ104の第1の端子106に提供する論理回路440を含む。
【0037】
図1及び
図4における第1半導体ダイ電子デバイス100の導電シールド105は、マルチレベル金属化構造103の第1の部分196を第2の端子108に関連する高電圧から絶縁する。
図4のコンデンサ104は、論理回路440と、パッケージされた電子デバイス400の第1の付加的な半導体ダイ451及び第2の付加的な半導体ダイ452の容量結合型回路との間に絶縁障壁を提供する。一例において、半導体ダイ451及び452はまた、絶縁された第1の領域196と第2の領域198の間の導電シールド105と、先に述べたプレート端子106及び108を備えるコンデンサ104とを備える、マルチレベル金属化構造103を含む。
図4に示すように、それぞれのボンディングワイヤ188は、論理回路440と半導体ダイ451及び452のそれぞれのドライバ453及び454との間に直列接続されるコンデンサ結合を提供するために、第2の端子108の露出した頂部側192にワイヤボンディングされる。別の例において、第2の半導体ダイ451及び第3の半導体ダイ452は、内部絶縁コンデンサを含まず、ボンディングワイヤ188は、それぞれの半導体ダイ451及び452の導電性特徴に、例えばそれぞれのドライバ453及び454の入力に、はんだ付けされる(下記の
図26の例を参照されたい)。一例における半導体ダイ451及び452は、それぞれのドライバ453及び454からの出力がスイッチングノード434における電圧VSSAを制御する外部回路要素に接続される、パッケージされた電子デバイス400のレシーバとなる。
【0038】
図4の第1のレシーバ出力チャネル(例えば、チャネル「A」)が、供給ノード460において受け取られる供給電圧VDDにバイアスされる第1のチャネルドライバ出力を提供する。供給ノード460は、ブート抵抗462及びダイオード463を介して接続されて、回路基板トレース436において第1の供給電圧信号VDDAを提供する。第1のドライバ453は、第1の供給電圧VDDAを上側レール供給として受け取り、ドライバ453の下側レールは、基準電圧VSSAで動作するように回路基板トレース434に接続される。外部回路要素は、端子414と416の間に接続されるブートコンデンサ464を含み、ドライバ453の出力は、15のための端子に接続されて第1のゲート駆動出力を提供する。第2のレシーバ出力チャネル(例えば、チャネル「B」)が、第2の半導体ダイ452の第2のドライバ454を含み、それぞれ、端子411及び端子409における供給電圧VDD及び接地基準電圧VSSBに従ってバイアスされる。外部回路要素はまた、接地基準ノード429において、供給電圧VDDと接地基準電圧VSSBとの間に接続される供給電圧コンデンサ466を含む。動作において、ドライバ453及び454は、論理回路440から絶縁容量結合チャネルを介して受信される信号に従って動作し、それぞれのハイサイド及びローサイドトランジスタ471及び472のゲートに接続されるそれぞれのゲート駆動信号OUTA及びOUTBを提供する。ハイサイドトランジスタ471は、高電圧供給電圧HVに接続されるドレイン端子470を有し、コンデンサ474が、ドレイン端子470と接地基準ノード429との間に接続される。ハイサイドトランジスタ471のソース端子及びローサイドトランジスタ472のドレイン端子は、スイッチングノード434に接続される。
【0039】
図5~
図25も参照すると、
図5は、マルチレベル金属化構造における絶縁構成要素(例えば、コンデンサ、トランスなど)及びマルチレベル絶縁構造を備える第1のダイを含む、パッケージされた電子デバイスを製作する方法500を示す。
図6~
図25は、方法500に従った製作処理を受けている
図1~
図4の第1のダイ100を示す部分図である。方法500は、コンデンサ104及び導電シールド105を組み込むマルチレベル金属化構造の構築に関連する行為及び/又は事象などの工程を示す。記載される工程は、単一の半導体ダイ100における他の電子回路及び/又は構成要素(例えば、
図4の論理回路440を形成するためのトランジスタ回路等)の作製及び相互接続のために同時に用いられ得る。一例におけるマルチレベル金属化構造103は、絶縁構成要素104の端子を1つ又は複数の内部構成要素(図示せず)に電気的に結合する、金属線、円筒状ビア、及びトレンチビアを含む。
【0040】
方法500は、502におけるフロントエンド処理、例えば、開始ウェハ上及び/又はその内部に1つ又は複数の回路構成要素(例えば、トランジスタ等)を製作する処理を含む。
図1の電子デバイス100において、502におけるフロントエンド処理は、p型シリコンウェハなどの開始半導体ウェハ、シリコン層、シリコン‐ゲルマニウム層、又は半導体材料を有する他の層を備えるSOI構造の処理を含む。一例における501における処理は、半導体層101上及び/又はその内部のトランジスタの製作、及び半導体層101の頂部側上及び/又その内部における図示されたSTI構造102などの絶縁構造の形成も含む。
【0041】
図9~
図18は、半導体層101の上に504、506、510、520、530、及び540において形成される金属化構造103を示す。例示の方法500は、PMDレベル110をつくるために、504においてプレメタル誘電体層を形成することと、506において関連するコンタクト(例えば、タングステンコンタクト)を形成することとを含む。その後、マルチレベル金属化構造103のN個の金属化構造レベルがレベル毎に製作される。
図6は、半導体層101上にプレメタル誘電体PMD層111(例えば、SIO
2)を堆積させる堆積プロセス600が実施される504における処理の一例を示す。一例において、プロセス600では、二酸化シリコンを堆積させて、厚さ約1.2μmのPMD層111を形成する。
【0042】
方法500は、PMD層111を介するコンタクト(例えば、コンタクト114及び118)を形成する506で継続する。
図7は、PMD層111を介して半導体層101上に円筒状コンタクト114及びプレメタルトレンチコンタクト118を形成するコンタクト形成プロセス700が実施される一例を示す。一例において、プロセス700は、円筒状コンタクト及びトレンチコンタクトのためのそれぞれの円筒状の孔及びトレンチを形成するためのパターン化されたエッチング(図示せず)と、開口において適切な金属(例えば、タングステンであるか又はタングステンを含む)を堆積させる一つ又は複数の堆積工程と、それに続く、PMD層111の平坦頂部側及び形成されたそれぞれの円筒状コンタクト114及びトレンチコンタクト118を設けるための平坦化工程(例えば、化学機械研磨又はCMP)を含む。一例において、トレンチ形成は、PMD層111の第1の領域196(上記
図1)の一部を囲むプレメタルトレンチコンタクト118のための連続トレンチをつくり、対応するトレンチ及び結果として生じるコンタクト118は、半導体層101上まで延在して、上述の接地された導電シールド105が始まる。例示の実装において、円筒状プレメタルレベルコンタクト114は、(例えば、
図4の論理回路440における信号配路のために)電子デバイス100の1つ又は複数の電子回路構成要素と電気的に結合される。また、すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、例えば、デバイス100の亀裂及びそれに対する機械的応力からの保護を提供するために、
図7の例における506において、更なるトレンチコンタクト118が、電子デバイス100の図示部分の外周付近の領域119(
図1)に形成される。
【0043】
方法500は、PMD層111上に第1の金属化構造レベル120を形成する
図5の510で継続する。
図8及び
図9は、
図5の512及び514において第1の金属化構造レベル120が形成される、例示の実装を示す。第1の金属化構造レベル120は、プレメタルトレンチコンタクト118上の第1の金属線126と、金属配路特徴125とを含む。また、金属化構造レベル120は、PMD層111上の第1のILD層121と、第1の金属線126と、金属配路特徴125と、第1の金属線126上の配路ビア127及び第1のトレンチビア128とを含む。上述したように、第1トレンチビア128及び第1の金属線126は、(
図3に示すように125が126を通過する間隙領域を除いて)第1金属化構造レベル120の第2の領域198における第1金属化構造レベル120の第1の領域196を囲み、金属配路特徴125は、第1の金属線126における間隙Gを介して延在する(例えば、前述の
図3)。
【0044】
図5の512において、第1の金属層特徴(M1)が堆積及びパターン化される。
図8は、PMD層111上に金属層(例えば、アルミニウムを0.61μmの厚さに)を堆積し、堆積した金属の露出部分をパターン化されたエッチマスク(図示せず)を用いてエッチングして、第2の領域(上述の
図1の領域198)において金属配路特徴122を、並びに第1の領域(
図1の196)において金属配路特徴125及び第1の金属線126を形成するプロセス800が実施される一例を示す。514において、第1のILD層121がPMD層111上に堆積される。
図9は、PMD層111上にILD層121(例えば、二酸化シリコンを1.2μmの厚さに)を堆積させる堆積プロセス900が実施される一例を示す。516において、堆積されたILD層121にトレンチと円筒状の孔とがエッチングされる。
図10は、パターン化されたエッチングマスク1002を用いてエッチングプロセス1000が実施される一例を示す。エッチングプロセス1000では、予期されるビアのための円筒状の孔及び予期されるトレンチビアのためのトレンチが形成される。516における処理はまた、エッチングされた円筒状の孔及びトレンチを導電金属(例えば、タングステン)で充填して、円筒状の配路ビア124及びトレンチビア128を形成することを含む。
図11は、エッチングされたビアホール及びトレンチにタングステンを堆積して、第1の金属線126上に円筒状の配路ビア124及び第1のトレンチビア128を形成して、第1の金属化構造レベル120における導電シールド105を継続する堆積プロセス1100が実施される一例を示す。すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、一例において、
図5の510における処理はさらに、電子デバイス100の図示部分の外周に近い領域119において更なるトレンチコンタクト128を形成する。一例において、510における処理は、ビアホールのトレンチが充填された後に平坦化することも含む。
【0045】
方法500は、第1の金属化構造レベル120上に第2の金属化構造レベル130を形成する
図5の520で継続する。一例は、522において第2の金属層(M2)を形成及びパターン化して、第1のトレンチビア128上に第2の金属線136と、第2の金属線136から横方向に離間され、マルチレベル金属化構造103の第1の部分における配路ビア127の少なくとも一部上に延在する絶縁構成要素104の第1の端子106とを形成することを含む。
図12は、第2の金属化構造レベル130、並びにそれぞれの第3の金属化構造レベル140及び第4の金属化構造レベル150の形成後の例示の電子デバイス100を示す。
図5の524において、第2のILD層131が第1のILD層121、第2の金属線136、及び第1の端子106上に(例えば、二酸化シリコンが約1.2μmの厚みに)堆積される。526において、第2のILD層131にトレンチ及び円筒状ビアホールをエッチングし、これらをタングステンで充填して、第2の金属線136上の第2のトレンチビア138と、マルチレベル金属化構造103の相互接続ビア134及び第2の部分198とを形成する。すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、図示した例において、520における第2の金属化構造レベル処理はさらに、電子デバイス100の図示部分の外周に近い領域119において更なるトレンチビア138を形成する。
【0046】
図5の530において一例では更なる金属化構造レベルが形成される。
図12はさらに、上述した第2の金属化構造レベル130上の第3の金属化構造レベル140と、第4の金属化構造レベル150を形成する処理1200とを示す。530において任意の数の中間金属化構造レベルが、マルチレベル金属化構造103の第1の部分196を囲むそれぞれの金属線及びトレンチビアと共に形成され得る。図示の例では、個々の金属化構造レベルは、まず金属線層を堆積及びパターン化することと、ILD層を堆積することと、凹凸(topography)を除去するためにILD層を化学機械研磨することと、ILD層に円筒状のビアホール及びトレンチをエッチングすることと、ビアホール及びトレンチにタングステンを充填することと、次いで化学機械研磨(例えば、CMP)によりILD表面から不要なタングステンを除去することとによってつくられる。
図13は、電子デバイス100における例示の第5の金属化構造レベル160を形成する処理1300(例えば、
図5の530における処理)を示す。
【0047】
第6の金属化構造レベル170及び第7の金属化構造レベル180の(
図5の530及び540における)製作を、第6の金属線176、スクライブシールスタック172の第6のレベル部分、及びそれらの間のその他の第6の金属配路線(図示せず)を堆積及びパターン化する
図14のプロセス1400を含めて、
図14~
図24に示す。
図15は、先行する第5のILD層161の上の第6のILD層171と、第7の金属線176と、スクライブシールスタック172の第7のレベル部分とを堆積させる更なる処理1500を示す。
【0048】
方法500はさらに、
図5の540において、最終的な金属化構造レベル(例えば、N番目の金属化構造レベル180)を形成することを含む。N番目の金属化構造レベル180は、下にある金属化構造レベル170のトレンチビア178上のN番目の金属線186と、絶縁構成要素104の第2の端子108と、N番目の金属線186上の層183とを含む。
図16及び
図17は、誘電体層181及び182を堆積させるそれぞれの堆積プロセス1600及び1700を示す。一例における堆積プロセス1600は、シリコン酸窒化物181を約0.3μmの厚さに堆積し、堆積プロセス1700は、シリコン窒化物182を約0.65μmの厚さに堆積させる。
図18の処理1800は、トレンチ及び円筒状ビアホールをエッチングし、ビアホール及びトレンチをタングステンで充填して、マルチレベル金属化構造103の第2の部分において第6のトレンチビア178及び第6の円筒状タングステンビア174を形成する。
図19は、頂部金属化層の堆積後にエッチマスク1902を用いて構造108、184、及び186を形成するために頂部金属化層の露出部分をエッチングする、エッチプロセス1900を図示する。
【0049】
レベル180の形成は、マスク2002を用いて層182及び181をエッチングして、第6のILD層171の頂部の一部を露出させる、
図20のエッチング処理2000で継続する。保護オーバーコート層183の一部が、
図21の堆積プロセス2100のシーケンスによってN番目の金属線186上に堆積される(例えば、高密度プラズマ(HDP)によって堆積される厚さ1.5μmの二酸化シリコン、それに続く、プラズマエンハンスト化学蒸着(PECVD)によって堆積される厚さ3.6μmの二酸化シリコン)。プロセスシーケンス2100によって堆積された二重層183は、層180が1.5μm以内になるように化学機械的に研磨されて凹凸(topography)が除去される。
図22において、最終層185を堆積させる堆積プロセス2200が実施され、最終層185は、層183と共にデバイス100のための保護オーバーコート(PO)スタックを形成する。一例において、このプロセスは、シリコン酸窒化物185を約2.8μmの厚さに堆積させる。
図23において、エッチングマスク2302を用いてエッチング処理2300が成される。エッチングプロセス2300は、保護オーバーコートスタック内に、コンデンサ絶縁構成要素104の第2の端子108の頂部側192を露出させる開口を含む開口をエッチングする。
図24において、ディスペンス又はスクリーニングプロセス2400が実施され、このプロセスでは、保護オーバーコートスタック187の一部の上にポリイミド層190を(例えば、約10μmの厚さに)形成して、半導体層101及びマルチレベル金属化構造103に対する機械的応力を緩和するための応力障壁をつくる。
図24に示すように、ポリイミド層190は、第2の端子108の頂部側192を露出させる間隙を有する。
【0050】
図25~
図27も参照すると、方法500は、半導体層101及びマルチレベル金属化構造103を含む第1の半導体ダイ(例えば、上記
図4のダイ100)をウェハから分離する550で継続する。また、ダイがリードフレームに取り付けられ、第2のコンデンサ端子108への電気的接続を提供するため、550においてワイヤボンディング処理が実施される。
図26は、550における処理中のパッケージ化された電子デバイスを示し、半導体ダイ100は、先に説明したようにリード又は端子401~406、408~411、及び414~416を有するリードフレーム構造2600の第1のダイ取付けパッド2601に取り付けられる。この例における550のダイ取付け処理はまた、ダイ451及び452(例えば、上述の
図4)を、リードフレームのそれぞれのダイ取付けパッド2602及び2603に取り付けることを含む。ボンディングワイヤが、ダイ100、451、452の導電性特徴間に、及び/又は、リード401~406、408~411、及び414~416のうちの特定のリードに、接続される(例えば、溶接、超音波によるはんだ付け等)。
図4、25、及び26に示すように、ワイヤボンディングはまた、上述したワイヤ188を、コンデンサ絶縁構成要素104のそれぞれの第2の端子108の露出した頂部側192に結合する。この例では、第1のダイ100のドライバ出力とダイ451及び452の回路要素との間に直列接続コンデンサ結合をつくるために、ボンディングワイヤ188の第2の端部は、ダイ451及び452の対応する第2のコンデンサプレート108にそれぞれ結合される。550において、基板の導電性特徴へのボールグリッドアレイ又ははんだボール接続などの他の電気的接続技術を用いて、550において絶縁構成要素104の第2の端子108と第2の半導体ダイの導電性特徴との間に電気的接続を形成し得る。方法500はまた、
図5の560におけるモールディング及びデバイス分離を含む。
図27は、モールディングされたパッケージ構造2700(例えば、モールディングコンパウンド)を含む、モールディングされ個片化されパッケージ化された電子デバイス400を示し、パッケージ構造2700は、ダイ100、451、及び452、電気的接続188を囲み、パッケージ構造2700の一つ又は複数の側部に沿って導電リード又は端子401、402、403、404、405、406、408の一部を露出させる。
図27の例は、QFN(クアッドフラットノーリード)パッケージデバイス400である。別の例において、異なるパッケージタイプ及び形態が可能であり、一例における方法500は、ガルウィングリード、Jタイプリードなどを備える完成されパッケージ化された電子デバイスを提供するためのリードトリミング及び形成も含む。
【0051】
上述したパッケージ化された電子デバイス2700及び電子デバイス100は、金属化処理の間マルチレベル金属化構造103及び頂部金属層において形成される導電シールド105を用いて、第1の部分196と第2の部分198の間を保護する、高度な高電圧絶縁障壁を提供する。導電シールド105は、トレンチコンタクト/ビア118、128、138、148、158、168、及び178と、接続される金属線126、136、146、156、166、176、178、及び186との組み合わせにより形成される、強化された周回接地リングによって、近傍のEOS事象に対して封入された絶縁障壁コンデンサ構成要素104を強固に保護する。すべての可能な実装の厳密な要件ではないが、図示の例では、トレンチコンタクト/ビア118、128、138、148、158、168、及び178が、マルチレベル金属化構造103のすべてのレベルにおいて設けられる。一例では、トレンチコンタクト及びビアレベル118、128は存在しない。また、すべての可能な実装の要件ではないが、例示の導電シールド105は、最も下にあるトレンチビア118を介して半導体層101に接続することによって接地される。開示される例により、EOS事象による亀裂を緩和するために高電圧絶縁構成要素104を実質的に、完全に、又は少なくとも部分的に囲む、例えば、或る構成要素を囲む金属のテーパ状の又は垂直な壁により周長面積の少なくとも90%を囲む、金属の壁をつくることによって、EOS発生時にデバイスの絶縁完全性が失われるリスクが緩和される。一例において、HV領域を囲むトレンチビアは、高電圧の構成要素又はデバイスを部分的に囲むために切れ目を所々に含む。例えば、この切れ目は、底部プレートへの接続を可能にするためにビア1及び2の構造が第1の金属レベルの切れ目と一致するところに設けられる。また、説明したEOS保護では、パッケージ化された電子デバイスの製作において、ヒューズ又は他の一回しか用いないデバイスなどの更なる回路構成要素を追加する必要がない。
【0052】
図28~
図30も参照すると、
図28は、半導体層101の上のマルチレベル金属化構造103において導電シールド2805によって囲まれる第1の領域2896に絶縁トランス用絶縁構成要素2804を備える、別の電子デバイス2800の断面側面図である。
図29は、
図28の電子デバイス2800における線29‐29に沿って切り取った部分的頂部平面図であり、
図30は、
図28の電子デバイス2800における線30‐30に沿った部分的頂部平面図である。電子デバイス2800は、
図1~
図3に関連して上述したものと同様の番号付けされた構造及び寸法を有する。この例では、絶縁構成要素2804は、第2の金属化構造レベル130において、第1の端子2806がトランス巻線又は第1のトランスコイルとして形成されるトランスである。この例における第2の端子2808は、
図29に示すように、第2のトランスコイル又は第2のトランス巻線であり、第1のコイル(第1の端子)2806は、一例において、同様の形状を有する。導電シールド2805は、上述したように、導電金属線及びトレンチビアを用いて高電圧第1領域2896を低電圧ドメインの第2の領域2898から分離する。
図30にさらに示すように、一次トランスコイル2806の第1及び第2の端部に接続するそれぞれの第1及び第2の配路構造125を提供するために、第1の金属線126において二つの間隙が形成され、この例における第7の金属化構造レベル180は、外部デバイスに(例えば、図示しないパッケージ化された電子デバイスの別のダイに)電気的に接続するために、第2のトランスコイル2808の第1及び第2の端部の露出部分を提供する。
【0053】
上述の例は、本開示の様々な態様の幾つかの可能な実装を単に例示したものであり、本明細書及び添付の図面を読んで理解すれば、当業者には等価な変更及び/又は改変が想起されよう。特許請求の範囲内で、説明した例における改変が可能であり、他の実装が可能である。