(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-11
(45)【発行日】2025-03-19
(54)【発明の名称】位置検出デバイスを備えた手術器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/94 20060101AFI20250312BHJP
A61B 1/018 20060101ALI20250312BHJP
A61B 18/08 20060101ALI20250312BHJP
【FI】
A61B17/94
A61B1/018 515
A61B18/08
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021015593
(22)【出願日】2021-02-03
【審査請求日】2023-08-10
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】592245823
【氏名又は名称】エルベ エレクトロメディジン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Erbe Elektromedizin GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】クラウス・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ノイゲバウアー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・イェーガー
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン・ザイツ
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0072753(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0179417(US,A1)
【文献】特開2013-244313(JP,A)
【文献】特表2008-508969(JP,A)
【文献】特開2012-143391(JP,A)
【文献】特開2012-217627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 - 18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡(2)の作業チャネル(7)内に挿入するための手術作業器具(3)であって、
前記内視鏡(2)に対する前記作業器具(3)の相対位置を決定するための位置決定デバイス(27)を有し、
前記位置決定デバイス(27)は、導光体(28)を備え、
前記導光体(28)は、前記作業器具(3)に取り付けられ、前記作業器具(3)の遠位端(14)の近くで前記作業器具(3)を取り囲む光を受信するように構成され、
前記内視鏡(2)に対する前記作業器具(3)の前記相対位置は、前記導光体(28)によって受け取られた光に基づいて決定され得、
前記作業器具(3)は、管(23)を備え、
前記導光体(28)は、前記管(23)に取り付けられ、
前記位置決定デバイス(27)は、入光面(33、52、54)を含み、
前記入光面(33、52、54)は、前記管(23)の側面または前記管(23)の壁
における外側に
接触して配置され、かつ前記作業器具(3)の前記遠位端(14)を取り囲む光を
前記管(23)の側面から受け取り、前記導光体(28)に案内するように構成される、
手術作業器具(3)。
【請求項2】
前記導光体(28)は、前記作業器具(3)に取り付けられた光ファイバを備え、それにより、前記作業器具(3)の挿入中、前記導光体(28)を前記作業器具(3)と共に前記内視鏡(2)の前記作業チャネル(7)に挿入して内部でスライドさせることができる、
請求項1に記載の手術作業器具(3)。
【請求項3】
前記導光体(28)は、前記作業器具(3)の前記遠位端(14)の近くの場所から前記作業器具(3)の近位端(16)まで延びて、前記導光体(28)によって受け取られた光を評価のために前記作業器具(3)の前記近位端(16)に送信する、
請求項1または2に記載の手術作業器具(3)。
【請求項4】
前記入光面は、前記管(23)の内側から前記管(23)の側面に案内された前記導光体(28)の面(33)によって形成され、
前記導光体(28)は、前記管(23)の内側で前記管(23)の長手方向延長部に沿って延びる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の手術作業器具(3)。
【請求項5】
前記入光面は、前記導光体(28)のベベル付き面(52)によって形成され、
前記導光体(28)は、前記管(23)の壁の外側に取り付けられ、前記管(23)の長手方向延長部に沿って延びる、
請求項1から4のいずれか一項に記載の手術作業器具(3)。
【請求項6】
前記入光面は、前記管(23)の壁の外側に取り付けられた長手方向ガラス棒(53)の外面(54)によって形成され、それにより、前記管(23)の長手方向延長部は、前記作業器具(3)の前記長手方向に向けられ、
前記作業器具(3)の前記遠位端(14)から反対側を向く前記長手方向ガラス棒(53)の面端(56)は、前記導光体(28)に接続される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の手術作業器具(3)。
【請求項7】
前記作業器具(3)の近位端(13)に接続され、前記導光体(28)によって受け取られた光を受け取り、評価するように構成される、評価デバイス(36、36’)をさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の手術作業器具(3)。
【請求項8】
前記評価デバイス(36)は、受け取られた光を光のスペクトル成分に分割するように構成された光学分光計ユニット(37)を備える、
請求項7に記載の手術作業器具(3)。
【請求項9】
前記評価デバイス(36)は、スペクトル分析ユニット(41)を備え、
前記スペクトル分析ユニット(41)は、光周波数の範囲にわたってまたは特定の離散周波数内で決定された光の強度を、記憶された参照スペクトルと比較し、前記比較に基づいて、前記導光体(28)によって受け取られた光を識別するように構成される、
請求項8に記載の手術作業器具(3)。
【請求項10】
前記評価デバイス(36)は、検出器ユニット(43)を備え、
前記検出器ユニット(43)は、前記作業チャネル(7)への前記作業器具(3)の挿入中、前記入光面(33、52、54)が治療室の環境にさらされるとき、前記環境から前記作業チャネル(7)に入るとき、または前記作業チャネル(7)から治療される体領域内に出るときを決定し、それに基づいて対応する位置決定信号を生成するように構成される、
請求項7から9のいずれか一項に記載の手術作業器具(3)。
【請求項11】
前記評価デバイス(36’)は、検出器デバイス(40、43’)を備え、
前記検出器デバイス(40、43’)は、最小強度を有する光が前記導光体(28)によって受け取られたかどうかを決定し、それに基づいて対応する位置決定信号を生成するように構成される、
請求項7に記載の手術作業器具(3)。
【請求項12】
前記評価デバイス(36、36’)は、コネクタ(15)内に統合され、
前記コネクタ(15)は、作業器具(3)の近位端(16)に配置され、外部制御装置(4)との接続のために設けられる、
請求項10または11に記載の手術作業器具(3)。
【請求項13】
前記評価デバイス(36、36’)は、前記作業器具(3)および/または前記内視鏡(2)の制御装置(4)に接続することができ、
前記制御装置(4)は、前記位置決定信号に基づいて、前記作業器具(3)によって供給された電気信号もしくは前記作業器具(3)内のガス流の起動の解放もしくはブロッキング、または、所望の作業位置における前記作業器具(3)および/もしくは前記内視鏡(2)の作動のパラメータ化および/もしくは制御のうちの、1つまたは複数の対策を自動的にもたらすように構成される、
請求項10から12のいずれか一項に記載の手術作業器具(3)。
【請求項14】
手術作業器具(3)は、可撓性内視鏡(2)による生体組織のRF凝固のための凝固プローブ(3)であり、
前記凝固プローブ(3)は、非導電性材料、特にPTFEから作られた可撓性ホースの形態の管(23)であって、前記管(23)を通じて、不活性ガスを供給することができる、管(23)と、
前記管(23)の遠位端(14)上に配置された電極(22)であって、前記電極(22)に対して、前記ガスのイオン化のために接続導体(19)を介してRF凝固電流を供給することができる、電極(22)と、を備える、
請求項1から13のいずれか一項に記載の手術作業器具(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に対する作業器具の相対位置を決定するためのデバイスを有する、内視鏡の作業チャネルに挿入するための手術器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特に胃腸管内の生体組織の凝固のためのデバイスが、独国特許発明第4139029号明細書から知られており、ここでは、RF電圧源に接続するための接続ケーブルが、内視鏡の作業チャネル内に設けられている。イオン化できるガス、例えばアルゴンが、作業チャネルを介して供給され、作業チャネルの遠位端において退出する。ガスのイオン化および凝固電流の供給に役立つ電極が、出口開口部からの出口の前のガスの流路内に設けられている。イオン化されたガスは、電極と組織表面との間に火花(電気アーク)の生成を可能にし、それによって生成された熱により、罹患した組織が数ミリメートルの深さまで痂皮化される。
【0003】
既知のアルゴンプラズマ凝固(APC)デバイスでは、活性電極は、内視鏡端から定義された距離を離して配置される。生成された熱による内視鏡端の過度の熱応力が、こうして回避され得る。しかし、内視鏡の作業チャネルに挿入され、活性電極が内視鏡の遠位端をわずかに超えて突出する所望の作業位置まで作業チャネルの中で前進される作業器具として、可動APCプローブを備えたAPCデバイスも知られている。電極と内視鏡の遠位端との間の特定の最小距離は、内視鏡の遠位端および遠位端に取り付けられた構成要素、例えば観察光学系またはCCDカメラ、治療される領域の照明デバイスなどが、APC凝固中に生成された熱によって、許容されない形で熱応力がかけられ、損傷を受けることを回避するために重要である。このために、内視鏡の先端に対する電極の相対位置を検出するためのデバイスが、有用である。
【0004】
また、導光体を備える挿入可能な作業器具を用いた他の内視鏡用途、例えば、発光分光法(OES)、ビデオ内視鏡検査、剛性の腹腔鏡、ボアスコープ、ファイバスコープ、および人体の内部における器具の案内のための他の内視鏡に関して、例えば、内視鏡の遠位端から所望の距離に導光体を配置し、組織、例えば中空器官の粘膜との接触中、流体、血液、または組織粒子の残りによって導光体が汚染されることを回避するために、作業器具のための位置検出が有用であり得る。導光体のそのような汚染の結果、光の散乱、吸収、または透過の劣化が生じ、したがって内視鏡的セッション治療に影響が及ぼされ得る。
【0005】
電極と一緒に内視鏡内でスライド可能である、アルゴンプラズマ凝固用の使用済み作業器具を備えた内視鏡が、独国特許第19731931号明細書から知られている。接触凝固ならびに非接触凝固および/または切断のために作業器具を使用し、それによって現在の組織の損傷および一時的変異の危険性を低減するために、センサが遠位端の領域内に設けられ、このセンサは、作業器具の活性電極が内視鏡カテーテルの内側に位置するか外側に位置するかを監視する。作業器具の遠位端にあるばね付勢式マイクロスイッチ接触、活性電極の存在中に遮断されるビームを有するミニチュア光バリア、または活性電極の存在によって影響される誘電体を有する、プレート、同軸、またはシリンダのコンデンサが、センサとして使用され得る。非接触モードは、活性電極が内視鏡カテーテル内に位置する場合にのみ活性化され得る。
【0006】
位置決定には、作業器具の遠位端に設ける必要がある追加の構成要素、電気的または光学的測定信号をセンサに供給するための遠位端との接続、およびセンサによって提供された信号の適切な評価が必要となる。その実施および評価のための労力は、並外れたものである。
【0007】
独国特許発明第102004039202号明細書は、手術作業器具の相対位置を測定するためのデバイスを説明しており、位置決定は、作業器具と内視鏡の作業チャネルとの間の複素抵抗の測定によって、または代替的に空気圧または音響測定システムによって実施されている。複素抵抗を測定するには、内視鏡または少なくともその作業チャネルを導電性に構成する必要がある。音響または空気圧測定の場合、音信号またはガスの平衡もしくは交互の圧力の形の測定信号を作り出し、かつ内視鏡の作業チャネル内または作業器具の管腔内に結合させる必要があり、電気機械変換器または圧力センサによって、作業チャネルおよび管腔のそれぞれの他方において検出されなければならない。これは比較的複雑になる可能性がある。
【0008】
作業器具が内部に挿入される内視鏡の作業チャネルに対するその器具の位置を簡単に決定するというさらなる必要性が、依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これを起点にして、本発明の目的は、簡単な手段で、実施および評価のための労力を小さくした、内視鏡の作業チャネルに対する手術器具の相対位置のための検出デバイスを提供することである。
【0010】
特に、本発明の目的は、内視鏡の作業チャネルに挿入するための手術器具であって、作業器具は、作業チャネル内でスライド可能に配置され、内視鏡に対する作業器具の相対位置の検出のためのデバイスを有し、デバイスは、それぞれの用途に向けて内視鏡に対する作業器具の作業位置の調整を、簡単な手段で、実施および評価のための労力を小さくして可能にし、それにより、内視鏡の遠位端の熱による損傷、導光体の汚染、および/または患者もしくはユーザの危険を回避することができるか、または少なくとも大きく低減することができる、手術器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を解決するために、本発明によれば、請求項1に記載の特徴を有する手術作業器具が、提供される。
【0012】
内視鏡の作業チャネルに挿入するための手術作業器具は、作業チャネルの内部にスライド可能に配置され、内視鏡に対する作業器具の相対位置を決定するためのデバイスが設けられ、位置決定デバイスは、導光体を備え、導光体は、作業器具上に固定され、遠位端の近位で作業器具を取り囲む光を受け取るように構成され、内視鏡に対する作業器具の相対位置は、導光体によって受け取られた光によって決定され得る。
【0013】
本発明は、導光体を作業器具内に含み、その上に固定することができるという認識に基づいており、それにより、内視鏡の作業チャネルに作業器具を挿入する間、導光体は作業器具と一緒に挿入され、内部でスライドされ、導光体は、遠位端において光を直接的にまたは間接的に受け取るように配置され、作業器具の位置は、光によって決定され得る。受け取られた光の種類、強度、周波数、存在および/または不在に基づいて、作業器具が内視鏡の作業チャネル内に挿入されているかどうか、該当する場合はどこまで挿入されているか、そして、これが所望の作業位置に到達しているかどうかを決定することができる。位置検出は非接触で動作するため、特別な電気的または機械的構成要素、特に内視鏡の遠位端にある接触スイッチは必要ない。また、電流、電圧、光学、音響、または空気圧信号などの特別な測定信号を特別に生成する必要がなく、また相対位置の評価を可能にするために作業器具を通るように導入する必要がない。さらに、内視鏡の変更は必要とされない。
【0014】
そうではなく、導光体を作業器具上に配置するだけでよく、それにより、受け取られた光によって決定される導光体の位置が、作業器具の位置を特徴付けるようになる。
【0015】
好ましくは、導光体は、安価な光ファイバ、特にガラスファイバまたはプラスチックに基づく光ファイバ、例えば、ポリマー光ファイバを含むことができる。
【0016】
光ファイバは、作業器具の遠位端近くの場所から作業器具の近位端まで延びて、評価のために導光体によって受け取られた光を作業器具の近位端に送信することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、作業器具は、管、特に剛性管、または好ましくは、必要される場合、ただし必ずしもそうではないが、不透明な材料からなることができる可撓性ホースを備え、位置決定デバイスは、入光面を含み、入光面は、管の外側に配置され、作業器具の遠位端を取り囲む光を側面から受け取るように構成される。そうすることで、内視鏡の作業チャネルの内側で、作業器具がそこを離れるまで少なくともほぼ完全な暗色化が達成され、これにより、作業チャネルからの作業器具の退出の良好な検出可能性が可能になる。
【0018】
基本的に、代替として、軸方向の光を検出することも可能であるが、側面の光検出は、より簡単で、より良好に調整された、より正確な位置検出を可能にする。
【0019】
好ましい実施形態では、導光体、例えば、光ファイバは、作業器具の管の内側チャネル(管腔)内をその長手方向の延長部に沿って実質的に延び、入光面は、管から側面に引き出される導光体の面によって形成される。この実現は簡単であり、導光体は、保護された方法で管の内側に収容される。導光体は、好ましくは、管の内側チャネル内に自由に延びることができるか、または少なくとも内側チャネルの内側のセクションに取り付けられ得る。
【0020】
別の実施形態では、導光体は、実質的に管の外側に取り付けられ、その長手方向の延長部に沿って、管の遠位端から近位端まで延びる。入光面は、導光体のベベル付き面(ファイバベベル)によって形成され得る。この実現も容易であり、それにより、管の外側における導光体、例えば光ファイバの取り付けは、より簡単になる。
【0021】
別の実施形態では、入光面は、導光体とは別個の長手方向のガラス棒によって形成される。ケイ酸塩ガラスまたはアクリルガラスからなることが好ましいガラス棒は、管の外側に取り付けられ、ガラス棒の幅よりも長い特定の長さを含む。長さは、所望の作業位置にある作業器具の遠位端の突出長さの半分より長くすることができる。ガラス棒は、外側を取り囲む光を受け取り、受け取られた光を導光体に伝えるのに役立ち、導光体は、受光および光透過のために作業器具の遠位端とは反対側を向いたガラス棒の端部に接続される。
【0022】
管の長手方向にガラス棒の寸法が拡大されているため、ガラス棒が内視鏡の遠位端を超えて外側にどれだけ延びているか、したがってどれだけ光を受けているかに応じて、周囲光の異なる量または強度を検出することが可能である。そうすることで、作業器具の位置を正確に決定することが可能である。
【0023】
実施形態のそれぞれにおいて、導光体はまた、作業器具のPTFEホースの押し出し中に、ハウスの内側もしくは外側、またはホース壁の内側に選択的に事前に埋め込まれ得る。
【0024】
実施形態から独立して、本発明の位置決定デバイスは、導光体とは別に、また適切な場合、検出された光ビームを作業器具の長手方向軸に対して径方向または横方向に、作業器具に沿って長手方向に延びる導光体に向かう方向に向け直すためのレンズ、鏡、または他の光学要素を有さない、例えばガラス棒などの別個の受光要素である。したがって、位置決定デバイスは、小さく、比較的簡単で安価な手段で実現することができ、それにより、単回使用用に決定され、使用後に廃棄されなければならない作業器具、例えば内視鏡プローブにも適している。
【0025】
手術作業器具は、加えて、評価デバイスを備えることができ、評価デバイスは、作業器具の近位端に接続することができるか、または接続されており、相対位置を決定するために、導光体によって受け取られ、導かれた光を受け取り、評価するように構成される。
【0026】
有利な実施形態では、評価デバイスは、光学分光計ユニットを備え、この光学分光計ユニットは、受け取られた光を光のスペクトル成分に分割するように構成されて、受け取られた光のスペクトル、すなわち光周波数のある範囲にわたるまたは特定の離散周波数内の光の強度を決定することができる。例えば、分光計ユニットは、光屈折プリズムまたは光回折グリッドに基づくことができる。評価ユニットは、加えて、電気光学変換器、フォトダイオードアレイまたは別の適切なデバイスを備えて、スペクトル分割された光をそれぞれの電気信号に変換することができ、この電気信号は、受け取られた光信号の周波数スペクトルを決定するために評価または分析され得る。周波数スペクトル分析は、例えば、フーリエ分析に基づいて実施され得る。連続周波数スペクトルは、受け取られた光の実質的に全周波数範囲について、個々の周波数帯域でのみ、または事前定義された離散周波数でのみ決定され得る。
【0027】
評価デバイスは、加えて、スペクトル分析ユニットを備えることができ、スペクトル分析ユニットは、ある範囲の光周波数にわたって、または特定の離散周波数において決定された光の強度を、参照スペクトルの記憶された強度値と比較し、比較に基づいて、導光体によって受け取られた光を分類または識別するように構成される。特に、内視鏡の照明光の参照スペクトル、例えば、冷光源は、スペクトル分析ユニットによる評価中に使用するために事前に記憶され得る。また、内視鏡が手術作業器具と一緒に使用される治療室の周囲光の少なくとも1つの一般的な参照スペクトルが、事前定義され、記憶され得る。加えて、手術装置の起動、較正、または保守中の治療室内の実際の周囲光を検出し、これを関連する参照スペクトルに変換し、この参照スペクトルをその後の評価デバイスによる分析のために記憶することが可能である。いずれの場合も、導光体によって受け取られる光の異なる特徴的周波数範囲、帯域、またはラインにおける強度状態は、事前定義され記憶された参照スペクトルと比較して決定され得る。
【0028】
スペクトル分析ユニットは、手術作業器具が内視鏡の外側に位置するときに検出される治療室の周囲光、手術作業器具が内視鏡の作業チャネル内に挿入されるが、作業器具の遠位端が内視鏡の作業チャネルからまだ突出していないときに検出される少なくともほぼ完全な暗闇、および遠位端が内視鏡の作業チャネルから出て患者の体内の治療される領域まで突出し、それによって入光面および導光体が、内視鏡によって提供される治療光または手術光を検出するときに検出される、内視鏡からの治療光または手術光を区別するように構成され得る。
【0029】
したがって、スペクトル分析ユニットは、複数の光源、特に内視鏡の冷光源、周囲光、および必要に応じて凝固中にプラズマから放出される光を区別するように構成され得る。周囲光は可視範囲、すなわち約400nmから800nmの波長を有するが、内視鏡の冷光源の作業光は、一般に、400nmから700nmの範囲の特徴的なスペクトルを有し、一方でプラズマから発せられる光は、200nmから400nmの間の特徴的なスペクトル成分を示すが、可視周波数範囲の成分も示す。異なる特徴的なスペクトルの進行、成分、または線により、スペクトル分析ユニットによって検出された光のタイプを確実に区別できるようになる。
【0030】
また、評価デバイスは、検出器ユニットを備えることができ、検出器ユニットは、内視鏡の作業チャネル内への作業器具の挿入中、位置決定デバイスの入光面が治療室の環境にさらされるとき、作業室の環境から作業チャネルの近位端部内に入るとき、または作業チャネルを出て治療される体領域に入るときを検出し、この認識に基づいてそれぞれの位置検出信号を生成するように構成される。次に、さらなる使用のために位置検出信号を手術作業器具および/または内視鏡の上位制御装置に送信することができる。
【0031】
非常に複雑度の低い特に好ましい実施形態では、評価デバイスは、検出器デバイスを備え、検出器デバイスは、最小強度を有する光が導光体によって受け取られているかどうかを検出し、それに基づいて位置検出信号を生成するように構成され、作業器具の遠位端が内視鏡の作業チャネルの外側または内側に位置することを特徴付けることができる。このために、評価デバイスは、受け入れられた光信号を電気信号に変換するための手段、例えばフォトダイオードと、信号が、特徴付けるのが明か暗かを決定するために、電気信号の強度を、例えば所定の閾値と比較することができる検出器ユニット(明暗検出器)とを備えることができる。明るさから暗さへの変化またはその反対の変化が、検出され得る。これにより、上位制御またはユーザが、実際の作動の進行状況に関する知識に基づいて、作業器具が治療室環境内にあるか、内視鏡の作業チャネル内にあるか、または所望の作業位置にあるかを決定することが可能になる。明暗センサを使用すると、作業器具の特有の機能を非常に簡単に自動化することができ、例えば、器具が正しい位置になるまで清潔さを保ち、またはRF信号をブロックする目的で、内視鏡に作業器具を挿入する間、内視鏡内に少量の不活性ガスの流れ(例えばアルゴン)を開始することができる。これには、スペクトル分析またはより正確な位置決定は、必要とされない。
【0032】
本発明の特に有利な実施形態では、明暗センサに基づく評価デバイスは、作業器具の近位端に配置され、かつ外部制御装置への接続のために提供される一体型コネクタ、プラグ、またはソケットに統合することができ、また自動制御に使用できる制御装置に電気信号を直接出力することができる。この実施形態は、評価デバイスを非常に安価に実現することができ、単回使用後に作業器具と一緒に廃棄することができるので、単回使用プローブに特に適している。
【0033】
評価デバイスがより複雑に構成され、分光計ユニットおよびスペクトル分析ユニットを有する場合、プロセッサベースの方法で実装することもできる。評価デバイスの一部の機能部品、例えば検出器ユニットは、手術作業器具と上位制御装置との間のインターフェースとして役立つ手術作業器具のコネクタ内に設置することができ、一方で、例えばデータまたは信号の記憶および評価に関連する他の機能部品は、外部制御装置内に統合され得る。
【0034】
いずれの場合も、作業器具および/または内視鏡のための追加の制御装置を設けることができ、この追加の制御装置は、評価デバイスに接続されているか、または接続することができ、検出器ユニットから送信された位置検出信号(最も簡単な場合は明暗センサ信号)に基づいて自動で対策を開始するように構成される。例えば、制御装置は、作業器具の内視鏡内への挿入の開始を特徴付ける第1の位置検出信号の受信時、所望であるか、または必要である場合、作業器具を清潔に保つために不活性ガス、例えばアルゴンの作業器具への供給を解放することができる。加えて、この状態では、事前起動を実施することができ、その間、手術装置は、その後の治療のためにパラメータ化される。例えば、必要なRF電圧および凝固電流を事前に選択することができ、凝固のための使用中に内視鏡の治療または手術照明をオンにすることができる。好ましくは、ガスジェットのイオン化のためのプラズマ放電の望ましくない点火、したがって望ましくない電気アークを、手術作業器具が内視鏡に対して所望の作業位置に位置するまで回避する起動ロックがもたらされる。したがって、内視鏡の端が治療される組織表面に直接近接していることにより、作業器具の電極がまだ内視鏡の作業チャネル内にあるか、またはそこからわずかしか突出ししていない場合に、電気アークが事前に発生することを回避することができる。その理由は、例えば内視鏡の本体および観察および照明デバイスなどのさらなる構成要素が、それによって生じる熱によって損傷を受ける可能性があるためである。
【0035】
制御装置が検出器ユニットから、例えば電極を備えた作業器具の遠位端が所望の作業位置、すなわち治療のための内視鏡の遠位端までの所望の距離に到達したことを示す別の位置決定デバイスを受け取った場合、制御装置は、起動ロックを自動的にキャンセルし、その後電極上への必要なRF電圧の印可および必要な凝固電流の供給、まだ起こっていない場合は必要とされる圧力を有する不活性ガスの供給、流体の流れの制御または作業器具および/または内視鏡の作動の別の制御をもたらすことができる。
【0036】
好ましい用途では、手術作業器具は、可撓性内視鏡による生体組織のRF凝固のためのアルゴンプラズマ凝固(APC)プローブである。そのため、プローブは、可撓性ホースまたは非導電性材料、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の形態の管を備え、ここを通じて、不活性ガス、特にアルゴンを供給することができ、プローブはまた、管の遠位端上に配置された電極を備え、この電極に、管の内側チャネル内に延びる接続導体を介してガスのイオン化のためのRF凝固電流を供給することができる。
【0037】
手術作業器具は、他の目的、例えばビデオスコープ、内視鏡、胃鏡、気管支鏡、結腸鏡、子宮鏡、膀胱鏡、関節鏡、心臓カテーテル、ボアスコープ、ファイバスコープ、腹腔鏡などのための診断内視鏡目的、また、温熱療法用途などに合わせて構成することもでき、位置決定デバイスは、治療、手術、またはセッション中に作業器具の遠位端上のヘッドを内視鏡に対して所望の相対位置に位置決めすることを常に可能にする。
【0038】
また、表示デバイスを設けることもでき、表示デバイスは、作業器具のそれぞれの位置をユーザに示すために、光学的、音響的、触覚的、または別の形で検出器ユニットから出力された位置検出信号をユーザに示すように構成される。その後、ユーザは、作業器具または内視鏡の操作を制御するために必要な措置を手動で行うことができる。
【0039】
本発明は、例えば、凝固中の内視鏡の損傷を回避してプローブおよび内視鏡の遠位端上の許容された熱応力に適合させ、および/または治療される組織と接触して光ファイバの汚染が結果として生じることを回避するために、内視鏡に対する手術作業器具の相対位置を、実現および評価の労力を小さくして簡単に決定することを可能にする。導光体の光伝導およびと比較的迅速な評価により、短い遅延時間しか生じない。特にコネクタ内に設置された明暗検出器を使用する場合、単回使用プローブに特に適した安価な構成要素が使用される。接触スイッチ、光バリア、測定信号を特別に供給する必要のある他の手段、およびシャント抵抗は、測定回路内に必要とされない。
【0040】
本発明の実施形態のさらに好ましい詳細は、従属請求項、図面、ならびに対応する説明から明らかである。本発明は、本発明の典型的であるが限定しない実施形態を示す図に基づいてより詳細に説明され、同じ要素を特徴付けるためにすべての図で同じ参照番号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明による内視鏡および内視鏡の中に挿入された作業器具を有する医療装置の非常に概略的な斜視図である。
【
図2】
図1の作業器具の分離した非常に概略的な斜視図である。
【
図3】
図1および
図2の作業器具の簡略化された長手方向断面図である。
【
図4a】
図1から
図3の作業器具のための評価デバイスの実施形態の簡略化されたブロック図である。
【
図4b】
図1から
図3の作業器具のための評価デバイスの実施形態の簡略化された別のブロック図である。
【
図5a】機能の説明のために、互いに関して相対位置にある内視鏡および作業器具の簡略化された原理図である。
【
図5b】機能の説明のために、互いに関して別の相対位置にある内視鏡および作業器具の簡略化された原理図である。
【
図5c】機能の説明のために、互いに関して別の相対位置にある内視鏡および作業器具の簡略化された原理図である。
【
図6】本発明による作業器具の別の実施形態の非常に概略的な長手方向断面図である。
【
図7a】内視鏡に対して相対位置にある、本発明による作業器具の別の実施形態の非常に簡略化された長手方向断面図である。
【
図7b】内視鏡に対して異なる相対位置にある、本発明による作業器具の別の実施形態に非常に簡略化された別の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、可撓性内視鏡2と、内視鏡2に挿入された作業器具3と、制御装置4とを有する本発明の実施形態による内視鏡システム1の非常に概略的な図である。内視鏡システム1は、本例において、特に胃腸管の病変(損傷)からの出血を停止するためのアルゴンプラズマ凝固(APC)を実施するために提供され、本発明は、他の医療内視鏡システムにおいても使用され得る。例えば、ここでは可撓性内視鏡2が示されているが、他の用途では、剛性内視鏡2を使用することもできる。本発明の内視鏡システム1は、他の複数の治療または手術、例えば、組織表面の乾燥、ポリープ切除術の残りの根絶、腫瘍の痂皮化、または熱組織のマーキングのために使用され得る。
【0043】
ここでは、内視鏡2は、患者の体内での使用に適した、適切な生体適合性の可撓性材料、特に、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのポリマー材料の長手方向の屈曲可能な管または可撓性ホース6を備える。ホース6は、作業器具を挿入することができる作業チャネル7を画定する。ここで、例えば、手術作業器具3は、内視鏡1の作業チャネル7内にスライド可能に位置しており、それにより、患者の身体に挿入されるように構成された内視鏡2の遠位端8から、作業チャネル7から外側に突出する。加えて、遠位端8では、必要に応じて他の作業器具に使用できるオプションの追加の作業チャネル9が外へと案内される。
【0044】
また、レンズまたは観察デバイス11が、内視鏡2の遠位端8に配置され、これは、CCDカメラを備えることができるか、またはガラスファイバ束を介してここに示さない接眼デバイスに接続することができる。
【0045】
加えて、内視鏡2は、可視スペクトル範囲内の高強度の光を受け取り、使用中、この光を患者の内側の図示しない治療または手術領域に向けるために、発光体を備えた照明デバイス12を備え、発光体は、内視鏡1の遠位端8上で外方向に突出し、光ファイバを介して光源、好ましくは冷光源に接続される。そうすることで、治療または手術領域の観察は、CCDカメラによる写真のキャプチャを含む観察デバイス11によって可能になり、一方で、通常の光源のような熱の発生は、冷光によって回避される。
【0046】
作業器具3は、
図1に示すように、作業チャネル7の遠位端8から出るようなところまで、内視鏡2の近位端13内に挿入され得る。この位置では、作業器具3の遠位端14は、照明デバイス12によって照らされた内視鏡2の観察デバイス11の視野内に位置している。
【0047】
作業器具3の近位端16は、コネクタまたはプラグ15によって制御装置4に接続される。コネクタ15は、ガス供給ライン17を備え、このガス供給ラインを介して、作業器具3は、制御装置4のガス供給デバイス18と流体接続する。ガス供給デバイス18は、ガスストック、例えば、アルゴンを含むガスボトルに接続され、ガス、例えばアルゴンを、それぞれの治療に適した所定の圧力で作業器具3に供給するように構成される。
【0048】
また、コネクタ15は、電気接続導体19を備え、この電気接続導体を介して、作業器具3は、制御装置4の無線周波数(RF)発生器デバイス21に導電的に接続されて、そこから、凝固電流を組織に供給するための不活性ガス、例えばアルゴンのイオン化のためのプラズマ放電の点火に必要とされるRF電圧を得る。このために、電極22が、接続導体19に接続された作業器具3の遠位端14上に設けられる。ここで、電極22は、ピン形状または管形状の点火電極として示されているが、任意の形状、例えば点火小板の形状を有することができる。また、電極22は、使用中に点火されたプラズマ放電による熱の印可に耐えるために例えばセラミックで作ることができる、図示しない作業器具のラグピースまたはヘッドピース上に配置され得る。
【0049】
手術作業器具3は、
図2に分離された簡略化された斜視図で、および
図3に概略縦断面図で示されている。図示するように、プローブとしても表すことができる作業器具3は、管23を備え、管は、ここでは可撓性ホースとして構成され、本用途に適切なしかるべき生体適合性材料、特にPTFEで作られる。基本的に、剛性内視鏡では、剛性管23を使用することもできる。管23は、管腔としても表すことができる、実質的に円筒形の内側チャネル26を画定する壁24を備え、この管腔を通して、ガス、例えばアルゴンが、作業器具3の遠位端14に供給される。内側チャネル26内には、接続導体19も位置しており、接続導体は、作業器具3の近位端16から作業器具3の遠位端14まで延び、遠位端で電極22に接続される。
【0050】
アルゴンプラズマ凝固では、使用中に作業器具3の電極22を内視鏡2に対して適切な相対位置に配置することが重要である。特に、電極22は、プラズマ放電の点火後、イオン化ガスが凝固電流の供給のための導体として働くとき、それによって作り出された熱が内視鏡2に影響を与えないように、内視鏡2の遠位端8に対して最小の距離に配置されなければならない。例えば、作業器具3を単回使用に合わせて構成することができ、それにより、これは、比較的安価に製造することができ、1回の内視鏡治療または手術の後に廃棄される。それとは対照的に、構成要素を備えた内視鏡は、比較的高価であり、複数回の使用に合わせて構成される。このため、特に観察デバイス11、照明デバイス12などの内視鏡2の遠位端8上に配置された構成要素は、使用中に発生する熱による損傷から保護されなければならない。このために、電極22を有するAPCプローブ先端と内視鏡の遠位端14との間の少なくとも約10mmの最小距離が、約2~5mmの外径を有するAPCプローブ3において必要とされる。
【0051】
しかし、それとは逆に、電極22はまた、使用中に照明デバイス12の照明フィールドおよび観察デバイス11の視野内に配置されるように、また、損傷のそれぞれのリスクを伴う、電極22によって治療される組織表面の望ましくない接触が回避されるように、内視鏡2の作業チャネル7から離れすぎて突出してはならない。
【0052】
また、他の用途では、内視鏡に対するプローブ先端の適切な相対位置を確保して、例えば効率的な内視鏡治療またはセッションを可能にし、またはプローブ先端の光学部品または器具と組織との望ましくない接触を回避しなければならない。
【0053】
内視鏡2に対する作業器具3の所望の相対的位置決めを可能にし、活性電極22の位置状態を監視するために、位置決定デバイス27が、設けられる。再び
図2および
図3を参照すれば、位置決定デバイス27は、導光体28を備え、導光体は、作業器具3に取り付けられ、作業器具3の遠位端14の近くで作業器具3を取り囲む光を受け取るように構成され、それにより、内視鏡2に対する作業器具3の相対位置は、導光体28によって受け取られた光によって決定され得る。
【0054】
導光体28は、作業器具3と一緒に内視鏡1の作業チャネル7に挿入およびスライドできるように、作業器具3に不動に取り付けられている。それにより、導光体は、作業器具3の遠位端14の近くの位置から近位端16まで延びて、評価のために環境から受け取った光を作業器具3の近位端に導くことができる。導光体28は、任意の光ファイバ、例えば、光ファイバ、例えばガラスファイバまたは好ましくはポリマー光ファイバを含むことができる。位置検出の現在の機能に適した比較的安価な光ファイバが利用可能であり、この機能には、最高の定性的な絶対的に損失無しの光の受け取りおよび伝送は、必要ではない。
【0055】
再び
図2および
図3を参照すれば、導光体28は、図示する実施形態では、主に作業器具3の内側チャネル26内に位置している。導光体28は、作業器具3の管23に取り付けられた第1の端部29と、管23の近位端16を超えて延びる第2の端部31と、これらの端部の間を延びる、内側チャネル26内に実質的に位置する導光体中央セクション32とを備える。導光体28の第1の端部29は、管23の壁24を貫通して延び、ここには示さない作業器具3の長手方向軸に対して径方向または側面に外向きに向けられた面33を備える。面33は、管23の外側で外光を受け取り、外光を導光体28内に案内するための、入光面を形成する。次に、受け取られた光は、導光体中央セクション32を介して第2の端部31に送信される。
【0056】
導光体28の第1の端部29は、開口部34内に位置し、一致する形状で可撓性管23内に導入され、さらに、追加的に、例えば接着によって、可撓性管の中に固定され得る。入光面端部としての役割を果たす導光体28の面33は、好ましくは、管23の外側と実質的に同一平面上にある。管23自体は、不透明な材料からなる。
【0057】
導光体28の第2の端部31は、評価デバイス36に接続され、評価デバイスは、作業器具3の近位端16に接続することができるか、または接続されており、作業器具3の相対位置を決定するために、導光体28によって受け取られた光を受け取り、評価するように構成される。評価デバイス36の実施形態は、
図4aおよび4bの簡略化されたブロック図の図に示されている。
【0058】
図4aを参照すれば、評価デバイスは、第1の実施形態では、分光計ユニット37および電気光学変換器38と、信号調整ユニット39と、スペクトル分析ユニット41と、記憶装置42と、検出器ユニット43と、出力ユニット44と、インターフェース46とを備えることができる。ここでは、ユニット37~46は個別のブロックとして示されているが、これらは、機能ユニットを形成するにすぎず、機能ユニットは、導光体28によって受け取られた光の評価および器具3の相対位置の決定のための評価デバイス36の機能を果たすために、1つまたは複数の物理ユニットで構成することができ、個々のユニットに分散することができ、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実現することができ、そしてここに示さないプロセッサ上で実行するためのコードの形で実装できるロジックによって少なくとも部分的に具現化することができる。
【0059】
分光計ユニット37は、導光体28にて接続されて、そこから受け取った光を受け取り、その光を個々の周波数成分にスペクトル的に分割する。分光計ユニット37は、例えば、光屈折プリズムまたは光回折グリッドを含むことができる。必要であれば、得られた光は、電気光学変換器38に供給される前にフィルタリングすることができる。フォトダイオードアレイであることもできる電気光学変換器38は、スペクトル的に分割された光をその後の評価および分析のためにそれぞれの電気信号に変換して、受け取られた光信号の周波数スペクトルを決定する。信号調整ユニット39では、得られた電気信号を増幅し、干渉信号からフィルタリング、例えばローパスフィルタリングまたはバンドパスフィルタリングし、さらなる処理のために別の形で調整することができる。
【0060】
スペクトル分析ユニット41は、スペクトル的に分割された光成分を表す電気信号を評価するように構成されて、異なる光周波数範囲内または定義された離散周波数における光のスペクトル成分または光の強度を決定し、それらを記憶された参照スペクトルと比較して、導光体によって受け取られた光を比較に基づいて分類または識別する。参照スペクトルは、事前に決定することができ、記憶装置42内に事前に記憶することができる。内視鏡3の冷光、作業室の周囲光、およびAPC凝固中の火花放電から生じるプラズマ光の参照スペクトルが、記憶され得る。これらの光源はすべて、それぞれの周波数範囲および光源の中の強度値を参照して互いに著しく区別される特徴的なスペクトルを含む。例えば、作業室の周囲光は、特徴的な第1の強度分布を有する300nmから1100nmの範囲内の波長を含み、一方で内視鏡の冷光源からの作業光は、通常、400nmから700nmの波長範囲または作業光の中の副範囲および特徴的な第2の強度分布を含み、プラズマから発せられた光は、可視波長範囲内およびさらに200nmから400nmの範囲内の特徴的成分と共に異なる第3の強度分布を含む。
【0061】
周囲光、内視鏡の冷光、および/またはプラズマから発せられる光のうちの1つまたは複数はまた、経験的に検出されて、そこから割り当てられた参照スペクトルを決定および記憶することができる。あるいは、それぞれの照明または装置の製造業者から得られた代表的な周波数スペクトル、またはシミュレートされた光スペクトルを、参照スペクトルとして使用することもできる。いずれの場合も、スペクトル分析ユニット41は、異なる周波数帯域内の特有の離散周波数線または周波数範囲の強度値の比較に基づいて、光が導光体28によって受け取られたかどうか、また、受け取られた場合、それは内視鏡2の照明デバイス12の冷光か、検査または治療室の周囲光か、火花放電の基づく光信号であるかを決定することができる。
【0062】
検出器ユニット43は、スペクトル分析ユニットによって識別された光タイプを監視し、内視鏡2の作業チャネル7内への作業器具3の挿入中、入光面、特に導光体28の面33が治療室の環境にさらされたとき、環境から作業チャネル7の近位端13内に入ったとき、または作業チャネル7から出て治療される体領域内に入ったときを認識するように構成される。この認識に基づいて、検出器ユニット43は、例えば、作業チャネル7内への作業器具3の挿入の開始を特徴付けるか、または器具3の遠位端14が内視鏡2の遠位端8を超えて、作業器具3の遠位端14と入光面33との間の距離に対応する所望の距離だけ延びることを示すそれぞれの位置検出信号を生成する。
【0063】
オプションの出力ユニット44は、検出器ユニット43に接続されて、そこから位置検出信号を受け取り、その信号を手術作業器具3のユーザが認識できる光学的、音響的、または触覚的表示信号に変換することができる。こうして、ユーザは、作業器具3が内視鏡2に対して所望の相対作業位置に配置されるときを認識することができる。
【0064】
代替または追加として、検出器ユニット43は、インターフェース46を介して内視鏡システム1の制御装置4に接続することができ、制御装置4は、検出器ユニット43から位置検出信号を受け取ることができ、それに基づいて装置対策を自動的に監視することができ、例えばこれは、起動ロック、事前起動、パラメータ化、および/または作業器具3および/または内視鏡2の作動の制御を実施することができる。
【0065】
図4bは、あまり複雑でない方法で実現された評価デバイス36’の別の特に好ましい実施形態を示し、この評価デバイスは、原因位置決定のために導光体28によって受け取られた光を極めて簡単に評価するように構成され得る。特に、評価デバイス36’は、受け取った光または明暗の区別の有無の決定のみを可能にする。
図4bから明らかなように、この場合、評価デバイス36’は、受け取られた光信号を電気信号に変換するための手段40、特にフォトダイオードと、明暗検出器を形成する検出器ユニット43’とを備えることができる。検出器ユニット43’は、好ましくは、フォトダイオードなどによって作り出された電気信号の強度を所定の閾値と比較して、導光体28によって受け取られた光が最小強度を有するかどうかを決定し、それに基づいて、作業器具3の遠位端14が光にさらされるか(明るさ)またはそうではないか(暗闇)、すなわち例えば内視鏡2の作業チャネル7の外側に位置しているか、または内側に位置しているかを特徴付ける位置検出信号を生成することができる。したがって、明から暗または暗から明の遷移を検出することができる。次に、外部制御装置4のユーザまたは上位制御装置は、実際の動作条件に基づいて、作業器具3がどの位置にあるかを比較的粗く決定することができる。ここでは、さまざまな種類の光間の区別およびより正確な位置の決定は、必要ではない。これまでのところ、周波数スペクトルの決定および分析のための機能ユニット37~41は、ここでは省略することができる。
図4bにさらに示すインターフェース44、46は、最も単純な場合には、接続ライン、プラグイン、または接続ソケットであることができる。
【0066】
これまでに説明した本発明の内視鏡システム1の機能は、
図5aから
図5cをさらに参照して説明され、これらの図では、内視鏡2に対する作業器具3のそれぞれの相対位置で機能の進行が個々に示される。内視鏡システム1は、以下のように機能する。
【0067】
アルゴンプラズマ凝固を実施する場合、制御装置4の使用者は、所望のモードを選択することができ、それにより、位置決定デバイス27を含む内視鏡システム1の構成要素を起動させることができる。位置決定デバイス27は、評価デバイス36または36’による評価後、導光体28によって受け取られた光によって、
図5aに示すように、プローブ3が依然として内視鏡2の外側に位置し、治療室の周囲光にさらされていることを決定する。検出器ユニット43は、例えば、受け取られた光の決定された周波数スペクトルが、少なくとも別個の離散周波数で周囲光の参照スペクトルに対応することを決定するが、内視鏡2の冷光源の参照スペクトルおよびプラズマによって発せられた光信号とは著しく区別し、インターフェース44または46を介して対応する位置信号を示す。あるいは、明暗検出器ユニット43’は、光の状態を特徴付ける信号を示す。位置信号が言及されている限り、これはまた、明暗検出器デバイス40、43’によって生成される明暗信号を意味する。
【0068】
続いて、ユーザが内視鏡2の近位端13内に作業器具3を導入し、
図5bに示すように、導光体28の面33が作業チャネル7に入る場合、導光体28によって受け取られる光の強度はやや突然に低下する。作業チャネル7の内部では、絶対的な暗闇が広がっている。受け取られた光信号の不在は、評価ユニット36または36’によって迅速かつ確実に決定することができ、その結果、検出器ユニット43または43’は、それぞれの暗闇信号を出力ユニット44および/または制御装置4に出力することができる。その結果、制御装置4は、それがまだ行われていない場合、RF発生器デバイス21のパラメータ化、照明デバイス12のスイッチオンおよびガス供給のための制御弁の事前調整を含む、内視鏡システム1の事前起動を実施することができる。いくつかの用途では、挿入プロセス中に作業器具3を清潔に保つことを可能にするために、作業器具3が作業チャネル7に挿入されたことが認識されるとすぐに、不活性ガスの供給を事前に開始することができる。
【0069】
図5cに示すように、プローブ3の遠位端14が内視鏡2の遠位端8から出て、導光体28の面33が作業チャネル7を離れるとすぐに、面33は、治療または手術領域の照明のために照明デバイス12から内視鏡2の遠位端8上に発せられた作業光を受け取る。この光は、例えば、制御装置4または外部光源に統合することができる適切な冷光源47によって供給される。位置決定デバイス27の評価デバイス36または36’は、導光体28を介して光信号を受け取り、光信号の不在と光信号の実在との間の突然の変化を認識する。例えば、明暗検出器ユニット43’は、暗さから明るさの遷移を決定し、明るさ状態を特徴付ける信号を再び示す。別の方法として、評価ユニット36内のスペクトル分析ユニット41は、受け取られた光の周波数スペクトルを分析し、記憶装置42内に記憶された参照スペクトルを参照することによって、受け取られた光が作業光、すなわち内視鏡2の冷光であると決定することができる。出力ユニット44によって、検出器ユニット43または43’は、ユーザのためにそれぞれの位置検出信号を出力することができ、したがって、ユーザは、電極22を備えたプローブ先端が今や所望の位置に到達し、それにより、作業器具3は、これ以上進められてはならないことを認識することができる。
【0070】
位置検出信号は、代替的または追加的に、インターフェース46を介して制御装置4に送信することができ、制御装置4は、その際、電気RF信号の起動ロックをキャンセルすることができ、また、事前に作業器具3の動作の制御を自動的に開始することもできる。例えば、まだ発生していない場合、イオン化されるガス、例えばアルゴンの作業器具3への供給を開始することができ、電極22によるプラズマ放電の点火を自動的に可能にすることができる。したがって、RF発生器デバイス21は、必要とされるRF電圧信号を接続導体19を介して電極22に供給して、プラズマ放電の点火およびガスのイオン化を可能にすることができ、その結果、作り出されたアルゴンプラズマは、電流導体として使用されて、治療される組織上に凝固電流を伝送する。光学部品11、例えばCCDカメラを使用して、治療された領域をキャプチャすることができ、画像信号を光ファイバ48を介して制御装置4の画像処理ユニット48に供給して、ここに示さないディスプレイ上でユーザに表示することができる。
【0071】
導光体28の面33が作業チャネル7に入るところまでユーザが意図せずまたは意図的に作業器具3を引っ込めた場合、これは、位置決定デバイス27の評価デバイス36または36’によって決定される。次に、制御装置4は、作業器具3の作動を自動的に停止し、ガスおよび/またはRF電圧供給を遮断するために起動ロックを有効にし、それにより、火花放電が中断され、内視鏡2の損傷が回避される。
【0072】
作業器具3の所望の作業位置の正確な位置を識別するために、作業器具3を作業チャネル7に繰り返し出し入れスライドさせる動作もまた、具体的にはユーザによって実施され得る。これまでのところ、ユーザが調整を実行している限り、起動ロックの起動または一時停止を遅らせることができる。
【0073】
本発明の文脈において、数多くの改変が可能である。評価デバイス36または36’は、作業器具3とは別の装置ユニット内、例えば制御装置4内に収容され得る。あるいは、評価デバイス36または36’の部品、例えば、ハードウェアで実現される部品は、外部制御装置4へのインターフェースを形成するコネクタ15内に位置することができ、評価デバイス36または36’の他の部品、例えばファームウェアまたはソフトウェアで実現される部品は、例えば、制御装置4または別の外部装置内に実装され得る。
【0074】
特に好ましい実施形態では、
図3の破線で概説されるように、フォトダイオード40および明暗検出器ユニット43’によって形成される検出器デバイスを有する、
図4bによる評価デバイス36’は、コネクタ15内に完全に位置することができ、コネクタは、作業器具3の近位端16に配置され、制御装置4に接続するのに役立つ。そうすることで、作業器具3および割り当てられた位置決定デバイス27からなる非常にコンパクトで主に個別のユニットを提供することができ、このユニットは、複雑ではなく、比較的安価な検出器デバイス40、43’も単回使用後に廃棄することができるため、単回使用用のプローブとしての使用に良好に適している。
【0075】
別の改変では、コネクタ15内に統合された
図4bによる評価デバイス36’の明暗検出器デバイスは、フォトダイオード40、または受信光を電気信号に変換するための別の手段のみを備えることができる。次に、電気信号は、閾値フィルタリングおよび/または評価のために、インターフェース46を介して外部制御装置4に送信され得る。
図4bの明暗検出器ユニット43’の機能は、制御装置4に移すことができ、これにより、コネクタ15内に取り付けられる評価デバイス36’の労力およびコストをさらに削減する。
【0076】
本発明の位置決定デバイス27の追加の実施形態が、
図6および
図7a、
図7bに示されている。これらが構成および/または機能のタイプに対応する限り、同じ参照記号に基づいて上記の説明を参照する。
【0077】
図6は、導光体28が、作業器具3の管23の内側チャネル26ではなく、壁24の外側51に配置されている実施形態を示している。導光体28は、入光面として役立つベベル付き面またはファイバベベル52を備えて、作業器具3の遠位端14において周囲光を受け取り、これを光ファイバ中央セクション32内で案内することができる。光ファイバ中央セクションは、評価のために、光をさらに作業器具3の近位端16まで案内する。べべル付き面52は、器具3の長手方向だけでなく半径方向または横方向に外方向に、好ましくは遠位端14に向かって配向されている。導光体28の中央セクション33は、管の外側51において管23に沿って実質的に直線的にベベル付き面52から延び、例えば接着によって外側51に取り付けることができる。基本的に、作業器具3のホース23の押し出し中にすでに光ファイバが作業器具3の中に埋め込まれていることで、管23の外側51に導光体28を実質的に同一平面に配置することも可能である。導光体28がホース23の壁24の外側にどのように取り付けられているかに関係なく、外側の取り付けは、作業器具の内側チャネル26内の配置と比較して簡略化される。
図6による実施形態における位置決定デバイス27の機能は、上記
図1~
図5に関連して説明した機能に対応する。
【0078】
図7aおよび7bは、本発明による位置決定デバイス27のさらに別の実施形態を示し、ここで、作業器具3を取り囲む光を受け取るための入光面は、別個の光受け取り要素、すなわち図示する例では長手方向のガラス棒53によって形成される。ケイ酸塩ガラスまたはアクリルガラスで作ることができるガラス棒53は、管23の外側51に配置され、管23の上に取り付けられ、および/または管23の中に埋め込まれる。いずれの場合でも、長手方向ガラス棒53は、その幅よりも長く、かつ作業器具3の長手方向延長部に沿って向けられた長さを含む。ガラス棒53の長さは任意であり、好ましくは、所望の作業位置における作業器具3の遠位端14の半分の突出長さより、または作業器具3の遠位端14とガラス棒53の遠位端との間の距離よりも長い。径方向または横方向に外側を向いているガラス棒53の外面54は、入光面として役立つ。作業器具3の遠位端14とは反対側を向いているガラス棒53の面端56は、導光体28の面端57に接続され、それにより、ガラス棒53によって受け取られた光は、導光体28に伝送され、これを通ってさらに作業器具3の近位端16まで伝送される。
【0079】
図7a、
図7bによる実施形態における作業器具3および位置決定デバイス27の機能は、主に上記で説明した実施形態の機能に対応するが、ここでは、内視鏡2に対する作業器具3の相対位置のより正確な決定が、可能である。例えば、
図7aは、作業器具3の所望の位置決めの状態を示しており、この状態では、作業器具3の遠位端14は、電極22が内視鏡2の遠位端8まで所望の距離にあるようなところまで作業チャネル7から突出している。この場合、ガラス棒53も作業チャネル7から完全に外にスライドしており、それにより、高強度の光信号が、導光体28によって受け取られ、位置決定デバイス27に供給される。評価デバイス36または36’は、例えば、複数の閾値の最大に基づいて最大強度の光信号を認識し、その際、作業器具3が現在所望の作業位置に位置していることを示す位置検出信号を生成する。
【0080】
図7bには、内視鏡2の遠位端8までの作業器具3の遠位端14または電極22の距離が所望の距離よりも小さい状態が示されている。この状態は、APC凝固または別の内視鏡治療または検査の準備のために作業チャネル7に作業器具3を挿入している間、または操作中、例えば、ユーザが意図せずに、作業器具3を作業チャネル7内に少なくとも部分的に再度引っ込める場合に起こる。この場合、内視鏡2の管6は、ガラス棒53の外面54の少なくとも一セクションを覆い、それにより、減少した光の量のみが、ガラス棒53によって受け取られ、導光体28内に導入される。評価デバイス36または36’は、受け取られた光の強度の低下を認識し、この場合、例えば、起動ロックを開始または維持して、プラズマ放電の点火の場合に、内視鏡2またはその構成要素が電極22に近接することによって損傷を受けることを回避することができる。
【0081】
内視鏡2の作業チャネル7に挿入され、作業チャネル7の中にスライド可能に位置する手術作業器具3が、開示されている。内視鏡2に対する作業器具3の相対位置を決定するためのデバイス27は、作業器具3の遠位端8が作業チャネル7の遠位端8に到達したことを光学的に決定するように構成される。位置決定デバイス27は、導光体28を備え、導光体は、作業器具3に取り付けられ、作業器具3の遠位端14の近くで作業器具3を取り囲む光を受け取るように構成され、導光体28によって受け取られた光に基づいて、内視鏡2に対する導光体28、したがって作業器具3の相対位置を決定することができる。