(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-11
(45)【発行日】2025-03-19
(54)【発明の名称】光学防振装置、光学装置及び磁気センサ固定方法
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20250312BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20250312BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20250312BHJP
H04N 23/68 20230101ALI20250312BHJP
【FI】
G03B5/00 K
G02B7/02 E
H04N23/50
H04N23/68
(21)【出願番号】P 2023105998
(22)【出願日】2023-06-28
(62)【分割の表示】P 2021572729の分割
【原出願日】2021-01-19
【審査請求日】2023-07-31
(31)【優先権主張番号】P 2020008232
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100153822
【氏名又は名称】増田 重之
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】岡森 和昭
(72)【発明者】
【氏名】三沢 充史
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-157040(JP,A)
【文献】特開2013-231924(JP,A)
【文献】特開2016-186587(JP,A)
【文献】特開2007-057605(JP,A)
【文献】特開2009-151063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
H04N 23/50
H04N 23/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材に対して、光軸に直交する面に沿って移動可能に構成されたレンズ保持枠と、
前記レンズ保持枠と一体に移動し、磁界を発生する磁性体と、
前記レンズ保持枠の移動に応じた磁界の変化を検出する磁気センサと、
前記ベース部材に固定されるセンサ取付部材と、を備え、
前記ベース部材は、位置決め部を有し、
前記センサ取付部材によって、前記磁気センサを前記位置決め部に
接しさせることにより位置決めするものであって、
前記ベース部材は、前記センサ取付部材とは別部材で構成される、
光学防振装置。
【請求項2】
前記磁気センサは、プリント基板に実装され、
前記プリント基板は、前記レンズ保持枠と前記ベース部材の間の位置で前記ベース部材に固定される、
請求項1に記載の光学防振装置。
【請求項3】
前記位置決め部は、前記磁気センサが前記位置決め部に接する際に、前記プリント基板との干渉を回避する逃げ部を有する、
請求項2に記載の光学防振装置。
【請求項4】
前記プリント基板は、フレキシブルプリント基板である、
請求項2又は3に記載の光学防振装置。
【請求項5】
前記ベース部材は、前記ベース部材に対する前記センサ取付部材の位置を規制する第1位置規制部を有し、
前記センサ取付部材は、前記第1位置規制部により前記ベース部材に対する前記センサ取付部材の位置の規制を受ける第2位置規制部を有する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項6】
前記ベース部材は、前記第1位置規制部として第1ピン及び第2ピンを有し、
前記センサ取付部材は、前記第2位置規制部として第1孔及び第2孔が形成され、
前記センサ取付部材は、前記第1孔及び前記第2孔がそれぞれ前記第1ピン及び前記第2ピンに挿通されて、前記ベース部材に位置決めされる、
請求項5に記載の光学防振装置。
【請求項7】
前記センサ取付部材には、締結具が挿通される締結用孔が形成され、
前記センサ取付部材は、前記締結用孔に挿通され、前記ベース部材に固定される締結具を介して前記ベース部材に固定される、
請求項1から6のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項8】
前記センサ取付部材は、前記磁気センサの光軸方向の位置を規制する位置規制部材を兼ねる、
請求項1から7のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項9】
前記センサ取付部材は、前記プリント基板を前記ベース部材に固定する固定部材を兼ねる、
請求項2から4のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項10】
前記センサ取付部材は、弾性部を有し、前記弾性部に生じる弾性力によって前記磁気センサを付勢し、前記位置決め部に接しさせる、
請求項1から9のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項11】
前記ベース部材及び前記センサ取付部材は、それぞれ樹脂による成形品である、
請求項1から10のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項12】
前記センサ取付部材は、前記ベース部材よりも成形流動性の高い樹脂による成形品である、
請求項11に記載の光学防振装置。
【請求項13】
前記ベース部材と前記センサ取付部材とは異なる材料である、
請求項1から12のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項14】
前記センサ取付部材は、前記ベース部材よりも弾性係数が低い材料である、
請求項1から13のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項15】
前記ベース部材と前記センサ取付部材とは、線膨張係数が同じ材料で製造される、
請求項1から14のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項16】
前記ベース部材は、前記センサ取付部材よりも剛性が高い材料である、
請求項1から15のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項17】
前記磁性体は、前記レンズ保持枠に設けられたマグネットである、
請求項1から16のいずれか1項に記載の光学防振装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の光学防振装置を備えた光学装置。
【請求項19】
ベース部材と、前記ベース部材に対して、光軸に直交する面に沿って移動可能に構成されたレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠と一体に移動し、磁界を発生する磁性体と、前記レンズ保持枠の移動に応じた磁界の変化を検出する磁気センサと、前記磁気センサが実装されたプリント基板と、前記ベース部材に固定されるセンサ取付部材と、を備え、前記レンズ保持枠を光軸と直交する面内で移動させる光学防振装置における磁気センサ固定方法であって、
前記ベース部材の前記レンズ保持枠と対向する面に前記プリント基板を配置し、
前記プリント基板を挟んで前記ベース部材に前記センサ取付部材を配置し、
前記センサ取付部材を固定する際に、前記センサ取付部材により前記磁気センサを前記ベース部材に設けられた位置決め部に
接しさせることにより位置決めし、
前記磁気センサが前記位置決め部
に接することにより位置決めされた状態で前記センサ取付部材を前記ベース部材に固定する、
磁気センサ固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学防振装置、光学装置及び磁気センサ固定方法に係り、特に振れ補正用のレンズの位置を検出する磁気センサをベース部材に取り付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に光学防振装置では、振れ補正用のレンズを光軸と直交する面内で移動させ、手持ち撮影における手振れ等の光学装置の振れに起因した像振れを抑制する。
【0003】
特許文献1には、振れ補正用のレンズの位置を検出する磁気センサ(ホール素子)を位置決めする技術が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載の光学防振装置は、振れ補正用のレンズを保持するレンズ保持枠と、レンズ保持枠を光軸に直交する面に沿って変位可能に支持するベース部材と、レンズ保持枠に設けられたマグネットの磁界の変化を検出するホール素子が実装されたフレキシブル基板と、を備え、フレキシブル基板は、ベース部材の一方の面(レンズ保持枠とは反対側の面)に位置決め固定される。
【0005】
また、フレキシブル基板に実装されたホール素子は、ベース部材に形成された開口部を介してレンズ保持枠の他方の面(レンズ保持枠側の面)から突出し、ホール素子の突出部分は、ベース部材に形成された開口部の周辺部に、ベース部材と一体的に形成された一対のホール素子付勢部とホール素子固定部との間で挟持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の技術に係る一つの実施形態は、振れ補正用のレンズの位置を検出する磁気センサを、簡単かつ精度よく、また衝撃や経時によっても位置ずれが生じないよう確実にベース部材に取り付けることが可能な光学防振装置、光学装置及び磁気センサ固定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様に係る光学防振装置は、ベース部材と、ベース部材に対して、光軸に直交する面に沿って移動可能に構成されたレンズ保持枠と、レンズ保持枠と一体に移動し、磁界を発生する磁性体と、レンズ保持枠の移動に応じた磁界の変化を検出する磁気センサと、ベース部材に固定されるセンサ取付部材と、を備え、ベース部材は、位置決め部を有し、センサ取付部材によって、磁気センサを位置決め部に対して位置決めするものであって、ベース部材は、センサ取付部材とは別部材で構成される。
【0009】
本発明の第2態様に係る光学防振装置において、磁気センサは、プリント基板に実装され、プリント基板は、レンズ保持枠とベース部材の間の位置でベース部材に固定されることが好ましい。
【0010】
本発明の第3態様に係る光学防振装置において、位置決め部は、磁気センサが位置決め部に当接する際に、プリント基板との干渉を回避する逃げ部を有することが好ましい。
【0011】
本発明の第4態様に係る光学防振装置において、プリント基板は、フレキシブルプリント基板であることが好ましい。
【0012】
本発明の第5態様に係る光学防振装置において、センサ取付部材と、ベース部材は直接位置規制が可能な位置規制部をそれぞれ有することが好ましい。
【0013】
本発明の第6態様に係る光学防振装置において、ベース部材は、第1ピン及び第2ピンを有し、センサ取付部材は、第1孔及び第2孔が形成され、センサ取付部材は、第1孔及び第2孔がそれぞれ第1ピン及び第2ピンに挿通されて、ベース部材に位置決めされることが好ましい。
【0014】
本発明の第7態様に係る光学防振装置において、センサ取付部材には、締結具が挿通される締結用孔が形成され、センサ取付部材は、締結用孔に挿通され、ベース部材に固定される締結具を介してベース部材に固定されることが好ましい。
【0015】
本発明の第8態様に係る光学防振装置において、センサ取付部材は、磁気センサの光軸方向の位置を規制する位置規制部材を兼ねることが好ましい。
【0016】
本発明の第9態様に係る光学防振装置において、センサ取付部材は、プリント基板をベース部材に固定する固定部材を兼ねることが好ましい。
【0017】
本発明の第10態様に係る光学防振装置において、センサ取付部材は、弾性部を有し、弾性部に生じる弾性力によって磁気センサを付勢し、位置決め部に当接させることが好ましい。
【0018】
本発明の第11態様に係る光学防振装置において、ベース部材及びセンサ取付部材は、それぞれ樹脂による成形品であることが好ましい。
【0019】
本発明の第12態様に係る光学防振装置において、センサ取付部材は、ベース部材よりも成形流動性の高い樹脂による成形品であることが好ましい。
【0020】
本発明の第13態様に係る光学防振装置において、ベース部材とセンサ取付部材とは異なる材料であることが好ましい。
【0021】
本発明の第14態様に係る光学防振装置において、センサ取付部材は、ベース部材よりも弾性係数が低い材料であることが好ましい。
【0022】
本発明の第15態様に係る光学防振装置において、ベース部材とセンサ取付部材とは、線膨張係数が同じ材料で製造されることが好ましい。
【0023】
本発明の第16態様に係る光学防振装置において、ベース部材は、センサ取付部材よりも剛性が高い材料であることが好ましい。
【0024】
本発明の第17態様に係る光学防振装置において、センサ取付部材は、ベース部材の有するどの部分の形状よりも、断面積に対する全長の比が大きい形状を有することが好ましい。
【0025】
本発明の第18態様に係る光学防振装置において、磁性体は、レンズ保持枠に設けられたマグネットであることが好ましい。
【0026】
本発明の第19態様に係る光学装置は、第1態様から第18態様のいずれかの光学防振装置を備える。
【0027】
第20態様に係る発明は、ベース部材と、ベース部材に対して、光軸に直交する面に沿って移動可能に構成されたレンズ保持枠と、レンズ保持枠と一体に移動し、磁界を発生する磁性体と、レンズ保持枠の移動に応じた磁界の変化を検出する磁気センサと、磁気センサが実装されたプリント基板と、ベース部材に固定されるセンサ取付部材と、を備え、レンズ保持枠を光軸と直交する面内で移動させる光学防振装置における磁気センサ固定方法であって、ベース部材のレンズ保持枠と対向する面にプリント基板を配置し、プリント基板を挟んでベース部材にセンサ取付部材を配置し、センサ取付部材を固定する際に、センサ取付部材により磁気センサをベース部材に設けられた位置決め部により位置決めし、磁気センサが位置決め部により位置決めされた状態でセンサ取付部材をベース部材に固定する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、光学防振装置を備えたデジタルカメラの一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、振れ補正レンズの移動の概念図である。
【
図3】
図3は、カメラマイコンが実現する主な機能のブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明に係る光学防振装置の正面図である。
【
図6】
図6は、レンズ保持枠を露出させた光学防振装置の正面図である。
【
図8】
図8は、センサ取付部材の第1実施形態を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、フレキシブルプリント基板の先端部分の平面図である。
【
図11】
図11は、フレキシブルプリント基板の先端部分にセンサ取付部材が配置された状態を示す平面図である。
【
図12】
図12は、フレキシブルプリント基板をベース部材に配置する様子を示す図である。
【
図14】
図14は、ベース部材にフレキシブルプリント基板が配置され、2つのセンサ取付部材により2つの位置検出用ホール素子が位置決めされた状態を示すベース部材の平面図である。
【
図15】
図15は、締結具によりセンサ取付部材をベース部材に固定する様子を示す斜視図である。
【
図16】
図16(A)及び(B)は、それぞれセンサ取付部材の平面図及び側面図である。
【
図17】
図17は、センサ取付部材の第2実施形態を示す斜視図である。
【
図19】
図19は、センサ取付部材の第3実施形態を示す平面図である。
【
図20】
図20は、センサ取付部材の第4実施形態を示す平面図である。
【
図21】
図21は、レンズ保持枠の位置を検出する位置検出部の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面に従って本発明に係る光学防振装置、光学装置及び磁気センサ固定方法の好ましい実施形態について説明する。
【0030】
[光学装置]
図1は、本発明に係る光学防振装置を備えた光学装置であるデジタルカメラの実施形態を示すブロック図である。
【0031】
図1に示すデジタルカメラ1は、レンズ一体式のデジタルカメラであり、レンズシフト方式の光学防振装置100を備える。
【0032】
図1に示すようにデジタルカメラ1は、撮像光学系10、イメージセンサ20、イメージセンサ駆動部20A、アナログ信号処理部22、デジタル信号処理部24、表示部30、記憶部32、操作部34、角速度検出部40、カメラマイコン50等を備える。
【0033】
撮像光学系10は、フォーカスレンズ12及び振れ補正レンズ14を含む複数のレンズ群で構成される。尚、便宜上、
図1には、フォーカスレンズ12及び振れ補正レンズ14のみを図示している。撮像光学系10は、その光路上に絞り16を備える。
【0034】
フォーカスレンズ12は、焦点調節用のレンズであり、光軸zに沿って前後移動することにより、撮像光学系10の焦点を調節する。フォーカスレンズ12は、フォーカスレンズ駆動部12Aに駆動される。フォーカスレンズ駆動部12Aは、アクチュエータとしてのボイスコイルモータ、及びその駆動回路を備える。フォーカスレンズ駆動部12Aは、カメラマイコン50からの指示に応じてボイスコイルモータを駆動し、フォーカスレンズ12を移動させる。
【0035】
振れ補正レンズ14は、デジタルカメラ1の手持ち撮影における手振れ等に起因した像振れを補正する振れ補正用のレンズであり、光軸zと直交する面内を移動して、像振れを補正する。
【0036】
【0037】
図2に示すように振れ補正レンズ14は、光軸zと直交するxy平面内を自在に移動する。
【0038】
x軸は、イメージセンサ20の中心を通り、かつイメージセンサ20の上下の辺と平行な軸として設定される。y軸は、イメージセンサ20の中心を通り、かつイメージセンサ20の左右の辺と平行な軸として設定される。x軸の方向は、デジタルカメラ1の横方向であり、y軸の方向は、デジタルカメラ1の縦方向である。x軸及びy軸は、互いに直交する。
【0039】
像振れを補正する場合は、振れを打ち消す方向に振れ補正レンズ14を移動させる。振れ補正レンズ14は、光学防振装置100によって駆動される。光学防振装置100の詳細については、後述する。
【0040】
絞り16は、例えば、アイリス絞りで構成される。絞り16は、絞り駆動部16Aに駆動され、その開口量が可変する。絞り駆動部16Aは、アクチュエータとしてのモータ、及びその駆動回路を備える。絞り駆動部16Aは、カメラマイコン50からの指示に応じてモータを駆動し、絞り16の開口量を可変させる。
【0041】
イメージセンサ20は、撮像光学系10を通る被写体像を示す光像を受光し、電気信号(画像信号)に変換する部分である。イメージセンサ20は、CMOS型(CMOS:Complementary Metal-Oxide Semiconductor)、CCD型(CCD:Charge Coupled Device)等の公知のイメージセンサで構成される。
【0042】
イメージセンサ駆動部20Aは、カメラマイコン50からの指示に応じてイメージセンサ20を駆動する。イメージセンサ駆動部20Aによってイメージセンサ20を駆動することにより、各画素に蓄積された受光光量に応じた電荷が画像信号として読み出される。
【0043】
アナログ信号処理部22は、イメージセンサ20から出力される画素ごとのアナログの画像信号を取り込み、所定の信号処理(例えば、相関二重サンプリング処理、増幅処理等)を施す。アナログ信号処理部22は、ADC(Analog to Digital Converter/ADコンバータ)を含み、所定の信号処理後のアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換して出力する。
【0044】
デジタル信号処理部24は、アナログ信号処理部22から出力されるデジタルの画像信号を取り込み、所定の信号処理(例えば、階調変換処理、ホワイトバランス補正処理、ガンマ補正処理、デモザイク処理(「同時化処理」ともいう)、輝度色差変換処理等)を施して、画像データを生成する。生成された画像データは、カメラマイコン50に出力される。
【0045】
また、デジタル信号処理部24は、取り込んだ画像信号に基づいて、露出制御に必要な被写体の明るさの情報を検出する。検出された被写体の明るさの情報は、カメラマイコン50に出力される。
【0046】
更に、デジタル信号処理部24は、取り込んだ画像信号に基づいて、オートフォーカス制御に必要な被写体のコントラストの情報を検出する。検出されたコントラストの情報は、カメラマイコン50に出力される。
【0047】
表示部30は、画像を含む各種情報を表示する。表示部30は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ(EL:Electro Luminescent)等の表示デバイス、及びその駆動回路を備えて構成される。
【0048】
表示部30には、撮像済みの画像の他、ライブビューが表示される。ライブビューとは、イメージセンサがとらえた画像をリアルタイムに表示する機能である。ライブビューを表示することより、表示部30で画像を確認しながら撮像できる。また、表示部30は、各種設定を行う際のユーザインターフェース用の表示画面としても利用される。表示部30への表示は、カメラマイコン50で制御される。
【0049】
記憶部32は、画像データを含む各種データを記憶する。記憶部32は、内蔵メモリと、その内蔵メモリに対してデータを読み書きする制御回路と、を備えて構成される。内蔵メモリは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリで構成される。記憶部32に対するデータの読み書きは、カメラマイコン50で制御される。
【0050】
記憶部32は、この他、いわゆるメモリカード等の外部メモリで構成することもできる。この場合、メモリカードを装填するためのカードスロット等がデジタルカメラ1に備えられる。
【0051】
操作部34は、レリーズボタン、電源スイッチ、撮像モードダイヤル、シャッタースピードダイヤル、露出補正ダイヤル、コマンドダイヤル、メニューボタン、十字キー、決定ボタン、キャンセルボタン、消去ボタン、振れ補正スイッチ等のデジタルカメラとしての一般的な操作手段を含み、操作に応じた信号をカメラマイコン50に出力する。
【0052】
ここで、振れ補正スイッチとは、振れ補正の機能をオン、オフするスイッチのことである。振れ補正スイッチをオンすると、振れ補正の機能がオンされ、振れ補正スイッチをオフすると、振れ補正の機能がオフされる。
【0053】
角速度検出部40は、デジタルカメラ1のヨー方向Yaw及びピッチ方向Pitの角速度を検出する。ヨー方向Yawとは、
図2に示すように、y軸回りの回転方向であり、デジタルカメラ1の横方向の回転方向である。また、ピッチ方向Pitとは、
図2に示すように、x軸回りの回転方向であり、デジタルカメラ1の縦方向の回転方向である。
【0054】
角速度検出部40は、ヨー方向角速度検出部40A及びピッチ方向角速度検出部40Bを備える。ヨー方向角速度検出部40Aで検出されたヨー方向Yawの角速度を示す角速度信号、及びピッチ方向角速度検出部40Bで検出されたピッチ方向Pitの角速度を示す角速度信号は、カメラマイコン50に出力される。
【0055】
カメラマイコン50は、デジタルカメラ1の全体の動作を統括制御する制御部として機能する。また、カメラマイコン50は、デジタルカメラ1の制御に必要な物理量を演算する演算処理部として機能する。
【0056】
カメラマイコン50は、CPU(Central Processing Unit/中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を備えたコンピュータ(マイクロコンピュータ)で構成される。カメラマイコン50は、所定のプログラムを実行することにより、各種機能を実現する。カメラマイコン50が実行するプログラム、制御に必要な各種データ等は、ROMに格納される。
【0057】
図3は、カメラマイコンが実現する主な機能を示すブロック図である。
【0058】
図3に示すようにカメラマイコン50は、フォーカス制御部52、露出設定部54、イメージセンサ駆動制御部56、絞り制御部58、振れ補正制御部60、表示制御部62、記憶制御部64、振れ検出部70、振れ補正量算出部90等として機能する。
【0059】
フォーカス制御部52は、オートフォーカス制御を実施する。即ち、合焦状態を検出し、フォーカスレンズ12を移動させてピント合わせを行う。
【0060】
露出設定部54は、被写体の明るさの検出結果に基づいて、適正露出となるシャッタスピード(露光時間)及び絞り値を設定する。
【0061】
イメージセンサ駆動制御部56は、露出設定部54で設定されたシャッタスピードで露光されるように、イメージセンサ駆動部20Aを介してイメージセンサ20の駆動を制御する。
【0062】
絞り制御部58は、露出設定部54で設定された絞り値となるように、絞り駆動部16Aを介して絞り16の開口量を制御する。
【0063】
表示制御部62は、表示部30の表示を制御する。例えば、撮像により得られた画像データを表示部30に表示する場合は、その画像データを表示部30に表示可能なデータ形式に変換して、表示部30に出力する。
【0064】
記憶制御部64は、記憶部32に対するデータの読み書きを制御する。撮像により得られた画像データは、記憶制御部64を介して記憶部32に記憶される。また、記憶部32に記憶された画像データを再生する場合は、記憶制御部64を介して記憶部32から読み出される。
【0065】
振れ検出部70は、角速度検出部40で検出されるヨー方向Yaw及びピッチ方向Pitの角速度の検出結果に基づいて、デジタルカメラ1の振れ量を算出する。具体的には、ヨー方向角速度検出部40Aから出力されるヨー方向Yawの角速度信号を積分し、ヨー方向Yawの振れ量を算出する。また、ピッチ方向角速度検出部40Bから出力されるピッチ方向Pitの角速度信号を積分し、ピッチ方向Pitの振れ量を算出する。
【0066】
振れ補正量算出部90は、振れ検出部70で検出されたヨー方向Yawの振れ量及びピッチ方向Pitの振れ量に基づいて、振れの補正量を算出する。振れの補正量は、検出された振れを打ち消すのに必要な振れ補正レンズ14の移動量として算出される。具体的には、振れを打ち消すのに必要な振れ補正レンズ14のx軸方向及びy軸方向の移動量として、振れ補正量が算出される。
【0067】
振れ補正制御部60は、振れ補正量算出部90で算出された振れの補正量に基づいて、振れ補正レンズ14の移動を制御し、像振れを補正する。
【0068】
<光学防振装置>
図4は、本発明に係る光学防振装置の正面図である。
図5は、
図4に示した光学防振装置の背面図である。
【0069】
光学防振装置100は、振れ補正レンズ14を保持するレンズ保持枠110と、レンズ保持枠110を光軸と直交する面内で移動自在に支持するベース部材120と、レンズ保持枠110の回転を規制する回転規制部140と、レンズ保持枠110の可動範囲を規制する可動範囲規制部160と、レンズ保持枠110をx軸方向に駆動するx軸方向駆動部180と、レンズ保持枠110をy軸方向に駆動するy軸方向駆動部190と、x軸方向におけるレンズ保持枠110の位置を検出するx軸方向の位置検出部210と、y軸方向におけるレンズ保持枠110の位置を検出するy軸方向の位置検出部220と、を備える。
【0070】
図6は、レンズ保持枠を露出させた光学防振装置の正面図である。
【0071】
レンズ保持枠110は、円筒状のレンズ保持部110Aと、そのレンズ保持部110Aの外側に張り出したフランジ部110Bと、を有する。振れ補正レンズ14は、レンズ保持部110Aの内周部に保持される。
【0072】
【0073】
本例のベース部材120は、樹脂による成形品である。ベース部材120の材料としては、例えば、ガラス繊維を含有するガラス繊維強化PC(Polycarbonate)樹脂を使用することができるが、これに限らず、種々の樹脂を適用することができる。
【0074】
ベース部材120は、円筒状の鏡筒部120Aと、ボール124を収容する固定側ボール収容部128と、バネ126の一端が掛けられる固定側バネ掛け部130と、後述するx軸方向の位置検出用ホール素子214、及びy軸方向の位置検出用ホール素子224の位置決めに使用される位置決め部132、134とを有する。
【0075】
これらの鏡筒部120A、固定側ボール収容部128、固定側バネ掛け部130、及び位置決め部132、134等は、同一部材の樹脂により一体成形され、ベース部材120が構成される。ベース部材120は、中央に開口120Bを有する。
【0076】
ベース部材120は、レンズ保持枠110を移動自在に支持する複数のボール124と、ベース部材120に向けてレンズ保持枠110を付勢する複数のバネ126と、を備える。
【0077】
固定側ボール収容部128は、レンズ保持枠110のフランジ部110Bと対向する面に備えられる。固定側ボール収容部128は、矩形状の凹部で構成され、ベース部材120の3箇所に備えられる。
【0078】
固定側バネ掛け部130は、径方向の外側に延びる鉤状の突出部で構成され、ベース部材120の4箇所に備えられる。
【0079】
図6に示すようにレンズ保持枠110には、ベース部材120に備えられた固定側ボール収容部128及び固定側バネ掛け部130に対応して、可動側ボール収容部116及び可動側バネ掛け部112が備えられる。
【0080】
可動側ボール収容部116は円形の凹部で構成され、ベース部材120と対向する面に備えられる。
【0081】
可動側バネ掛け部112は、径方向の外側に延びる鉤状の突出部で構成され、フランジ部110Bの4箇所に備えられる。
【0082】
バネ126は、コイルスプリングで構成され、光軸zと平行に配置される。バネ126は、その一端がベース部材120の固定側バネ掛け部130に掛けられ、他端がレンズ保持枠110の可動側バネ掛け部112に掛けられる。これにより、レンズ保持枠110が、ベース部材120に向けて付勢される。
【0083】
レンズ保持枠110が、ベース部材120に向けて付勢されることにより、ボール124がレンズ保持枠110とベース部材120との間に挟まれる。これにより、ベース部材120に対して、レンズ保持枠110が移動自在に支持される。
【0084】
回転規制部140は、光軸zと直交して配置されたガイド軸142と、ガイド軸142を揺動自在に支持する揺動ベース部材144と、レンズ保持枠110に一体的に備えられ、レンズ保持枠110をガイド軸142に沿ってガイドするガイド部114と、を備える。
【0085】
ガイド軸142は、金属製の丸棒で構成され、光軸zと直交して配置される。
【0086】
揺動ベース部材144は、ガイド軸142を保持するブラケット146と、ブラケット146に備えられる揺動軸148と、揺動軸148を支持する軸ベース部材150と、を有する。ブラケット146は、基部146Aと、基部146Aから平行に延びる一対のアーム部146Bと、を有し、全体としてU字状の形状を有する。ガイド軸142は、その両端を一対のアーム部146Bに支持される。揺動軸148は、基部146Aに備えられ、ガイド軸142と平行に配置される。軸ベース部材150は、ベース部材120に一体的に備えられ、揺動軸148の両端を回転自在に支持する。軸ベース部材150に支持された揺動軸148は、光軸zと直交して配置される。これにより、ガイド軸142が、光軸zと直交する軸を中心に揺動自在に支持される。
【0087】
ガイド部114は、レンズ保持枠110のフランジ部110Bに一体的に備えられる。ガイド部114は、ベース部材120と対向する面にガイド軸142が嵌まるガイド溝114Aを有する。ガイド溝114Aは、U字溝で構成され、振れ補正レンズ14の光軸と直交して配置される。
【0088】
レンズ保持枠110は、ガイド部114のガイド溝114Aにガイド軸142が嵌まることにより、光軸周りの回転が規制される。また、レンズ保持枠110は、ガイド部114のガイド溝114Aにガイド軸142が嵌まることにより、ガイド軸142に沿ってスライド自在に支持される。これにより、レンズ保持枠110が光軸zと直交する面内で移動自在に支持される。即ち、ガイド軸142は、光軸zと直交する軸を中心に揺動自在に支持されているため、レンズ保持枠110が光軸と直交する面内で移動した場合であっても、レンズ保持枠110の移動を阻害することがない。これにより、レンズ保持枠110が光軸zと直交する面内で移動自在に支持される。
【0089】
このように、レンズ保持枠110は、光軸zと直交する面内で移動自在に支持されるが、性能が損なわれない範囲で略直交する面内で移動自在に支持されてもよい。
【0090】
可動範囲規制部160は、
図6に示すようにレンズ保持枠110に備えられる可動範囲規制穴162と、その可動範囲規制穴162に挿通されて、レンズ保持枠110の可動範囲を規制するストッパ164と、を備える。ストッパ164は、ベース部材120に取り付けられる。
【0091】
可動範囲規制穴162は、開口部の一例である。可動範囲規制穴162は、レンズ保持枠110のフランジ部110Bの2箇所に備えられる。各可動範囲規制穴162は、振れ補正レンズ14の光軸に対し、対称な位置に配置される。
【0092】
x軸方向駆動部180は、ボイスコイルモータで構成され、レンズ保持枠110をx軸方向に駆動する。
【0093】
図4及び
図5に示すように、x軸方向駆動部180を構成するボイスコイルモータは、一対のヨーク200A、200Bと、一対のx軸方向駆動用磁石182A、182Bと、x軸方向駆動用コイル184と、を備える。
【0094】
一対のヨーク200A、200Bは、鋼板等の磁性を有する金属板で構成される。一対のヨーク200A、200Bは、ベース部材120の前面と背面にビス202A、202Bでネジ止めされて取り付けられる。ベース部材120に取り付けられたヨーク200A、200Bは、光軸z方向に一定の間隔をもって配置され、かつ、光軸zと直交して配置される。
【0095】
一対のx軸方向駆動用磁石182A、182Bは、対応するヨーク200A、200Bに一体的に取り付けられる。一対のx軸方向駆動用磁石182A、182Bは、ヨーク200A、200Bが、ベース部材120に取り付けられることにより、ベース部材120の所定の位置に配置される。具体的には、それぞれx軸上に配置され(x軸方向駆動用磁石182A、182Bの中心がx軸上に位置する)、かつ光軸zの方向に一定の間隔をもって互いに対向して配置される。一対のx軸方向駆動用磁石182A、182Bは、x軸方向と直交する方向(y軸方向)において、2つのストッパ164の中間位置に配置される。
【0096】
x軸方向駆動用コイル184は、レンズ保持枠110のフランジ部110Bに備えられる。x軸方向駆動用コイル184は、一対のx軸方向駆動用磁石182A、182Bの間に配置される。また、x軸方向駆動用コイル184は、振れ補正レンズ14の中心を通り、x軸と平行な直線上に配置される。
【0097】
以上のように構成されるx軸方向駆動部180は、x軸方向駆動用コイル184に通電することにより、レンズ保持枠110をx軸方向に移動させる。
【0098】
y軸方向駆動部190は、ボイスコイルモータで構成され、レンズ保持枠110をy軸方向に駆動する。
【0099】
y軸方向駆動部190を構成するボイスコイルモータは、一対のヨーク200A、200Bと、一対のy軸方向駆動用磁石192A、192Bと、y軸方向駆動用コイル194と、を備える。
【0100】
一対のヨーク200A、200Bは、鋼板等の磁性を有する金属板で構成される。一対のヨーク200A、200Bは、ベース部材120の前面と背面にビス202A、202Bでネジ止めされて取り付けられる。ベース部材120に取り付けられたヨーク200A、200Bは、光軸z方向に一定の間隔をもって配置され、かつ光軸zと直交して配置される。
【0101】
一対のy軸方向駆動用磁石192A、192Bは、対応するヨーク200A、200Bに一体的に取り付けられる。一対のy軸方向駆動用磁石192A、192Bは、ヨーク200A、200Bが、ベース部材120に取り付けられることにより、ベース部材120の所定の位置に配置される。具体的には、それぞれy軸上に配置され(y軸方向駆動用磁石192A、192Bの中心がy軸上に位置する)、かつ光軸zの方向に一定の間隔をもって互いに対向して配置される。一対のy軸方向駆動用磁石192A、192Bは、y軸方向と直交する方向(x軸方向)において、2つのストッパ164の中間位置に配置される。
【0102】
y軸方向駆動用コイル194は、レンズ保持枠110のフランジ部110Bに備えられる。y軸方向駆動用コイル194は、一対のy軸方向駆動用磁石192A、192Bの間に配置される。また、y軸方向駆動用コイル194は、振れ補正レンズ14の中心を通り、y軸と平行な直線上に配置される。
【0103】
以上のように構成されるy軸方向駆動部190は、y軸方向駆動用コイル194に通電することにより、レンズ保持枠110をy軸方向に移動させる。
【0104】
《x軸方向の位置検出部及びy軸方向の位置検出部》
〈x軸方向の位置検出部〉
図4及び
図7に示すように、x軸方向の位置検出部210は、x軸方向におけるレンズ保持枠110の位置を検出する。位置検出部210は、x軸方向の位置検出用マグネット(磁性体)212と、x軸方向の位置検出用ホール素子214と、を備える。
【0105】
位置検出用ホール素子214は、x軸方向の位置検出用マグネット212が形成する磁界を検出する磁気センサである。
【0106】
本例の位置検出用ホール素子214は、2つのホール素子がパッケージに内蔵されたリニアホールIC(IC:Integrated Circuit)として構成され、x軸方向の位置検出用マグネット212のx軸方向の移動に対して検出感度を有している。
【0107】
x軸方向の位置検出用マグネット212は、レンズ保持枠110のフランジ部110Bに備えられ(
図4参照)、位置検出用ホール素子214は、ベース部材120に固定される(
図7参照)。
【0108】
尚、位置検出用ホール素子214をベース部材120に固定するための構造及び固定方法の詳細につては後述する。
【0109】
x軸方向の位置検出部210は、位置検出用マグネット212のx軸方向の位置を位置検出用ホール素子214で検出して、x軸方向におけるレンズ保持枠110の位置(即ち、x軸方向における振れ補正レンズ14の位置)を検出する。
【0110】
〈y軸方向の位置検出部〉
y軸方向の位置検出部220は、y軸方向におけるレンズ保持枠110の位置を検出するもので、x軸方向の位置検出部210と同様に構成されている。
【0111】
即ち、y軸方向の位置検出部220は、y軸方向の位置検出用マグネット(磁性体)222と、y軸方向の位置検出用ホール素子224と、を備える。
【0112】
位置検出用ホール素子224は、y軸方向の位置検出用マグネット222が形成する磁界を検出する磁気センサであり、位置検出用マグネット222のy軸方向の移動に対して検出感度を有している。
【0113】
y軸方向の位置検出用マグネット222は、レンズ保持枠110のフランジ部110Bに備えられ、位置検出用ホール素子224は、ベース部材120に固定される。
【0114】
y軸方向の位置検出部210は、位置検出用マグネット222のy軸方向の位置を位置検出用ホール素子224で検出して、y軸方向におけるレンズ保持枠110の位置(即ち、y軸方向における振れ補正レンズ14の位置)を検出する。
【0115】
〈振れ補正〉
以下、光学防振装置100による振れ補正方法(光学防振装置の駆動制御方法)について説明する。
【0116】
デジタルカメラ1は、振れ補正の機能がオンされると、振れ補正が実施される。振れ補正の機能がオンされると、
図3に示した振れ検出部70でデジタルカメラ1の振れ量が検出され、その検出結果に基づいて振れの補正量が振れ補正量算出部90で算出される。そして、振れ補正量算出部90による算出結果に基づいて、振れ補正レンズ14の移動が振れ補正制御部60によって制御され、像振れが補正される。この際、予め定められた原点位置を基準にして振れ補正レンズ14の移動が制御され、かつ予め定められた振れ補正制御範囲内で振れ補正レンズ14の移動が制御される。
【0117】
デジタルカメラ1の電源がオフされると、振れ補正レンズ14は、その保持力を失い、自由落下する。この場合、振れ補正レンズ14は、ストッパ164によって保持される。
【0118】
〈位置検出用ホール素子の固定構造〉
図7に示すように、x軸方向の位置検出用ホール素子214及びy軸方向の位置検出用ホール素子224は、それぞれパッケージ化され、フレキシブルプリント基板230に実装される。
【0119】
このフレキシブルプリント基板230は、2つのセンサ取付部材240によりベース部材120に固定され、その結果、位置検出用ホール素子214、224は、ベース部材120に固定される。
【0120】
《センサ取付部材の第1実施形態》
図8は、センサ取付部材の第1実施形態を示す斜視図であり、
図9は、
図8に示したセンサ取付部材の平面図である。
【0121】
本例のセンサ取付部材240は、樹脂による成形品であり、ベース部材120とは別部材で構成される。センサ取付部材240の材料としては、例えば、ABS樹脂を使用することができるが、これに限らず、種々の樹脂を適用することができる。
【0122】
但し、センサ取付部材240に適用される樹脂は、ベース部材120に適用される樹脂と比較して、成形流動性の高い樹脂であることが好ましい。後述するようにセンサ取付部材240には、ベース部材120の有するどの部分の形状よりも、断面積に対する全長の比が大きい形状を有するからである。
【0123】
また、ベース部材120とセンサ取付部材240とは異なる材料で製造され、センサ取付部材240は、ベース部材120よりも弾性係数が低い材料であることが好ましく、更にベース部材120は、センサ取付部材240よりも剛性が高い材料であることが好ましい。
【0124】
本例のベース部材120は、ガラス繊維を含有するガラス繊維強化PC樹脂が適用され、センサ取付部材240は、ガラス繊維を含有しないPC樹脂が適用されるため、上記の材料の特性を満たす。
【0125】
また、ベース部材120とセンサ取付部材240とは、線膨張係数が同じ材料で製造されることが好ましい。センサ取付部材240は、ベース部材120に固定されるが、両者を線膨張係数が同じ材料で製造することで、両者間の寸法変化(熱応力)の発生を抑制することができる。尚、両者の線膨張係数は、完全に一致している場合に限らず、両者の線膨張係数の差による寸法変化が、位置検出用ホール素子214、224の検出誤差に比べて十分に小さい場合、あるいは位置検出用ホール素子214、224の位置検出精度に影響しない程度に小さい場合には、その線膨張係数の差は許容し得る。
【0126】
図8及び
図9に示すように、センサ取付部材240は、U字型の外形形状を有し、その中央部の空間に向かって延出する片持ち状の弾性部242を有する。弾性部242の先端には、弾性部242に生じる弾性力によって位置検出用ホール素子を付勢する突出部242Aが形成されている。
【0127】
また、センサ取付部材240には、位置決め用の第1孔245、及び第2孔246が形成され、更に締結具(雄ネジ)が挿通される締結用孔247、248が形成されている。
【0128】
図10は、フレキシブルプリント基板の先端部分の平面図であり、
図11は、フレキシブルプリント基板の先端部分にセンサ取付部材が配置された状態を示す平面図である。
【0129】
図10に示すフレキシブルプリント基板230の先端部分には、y軸方向の位置検出用ホール素子224が実装されている。
【0130】
フレキシブルプリント基板230の先端部分には、センサ取付部材240の位置決め用の第1孔245、及び第2孔246にそれぞれ対応する第3孔235、及び第4孔236と、センサ取付部材240の締結用孔247、248にそれぞれ対応する締結用孔237、238が形成されている。
【0131】
フレキシブルプリント基板230に形成された第3孔235、第4孔236、及び締結用孔237、238は、センサ取付部材240に形成された第1孔245、第2孔246、及び締結用孔247、248よりも大きく形成されている。これは、ベース部材120に対してフレキシブルプリント基板230をわずかに移動可能にするためである。
【0132】
尚、フレキシブルプリント基板230の、x軸方向の位置検出用ホール素子214が実装される部分にも、上記と同様の第3孔235、第4孔236、及び締結用孔237、238が形成されていることは言うまでもない。
【0133】
《磁気センサ固定方法》
次に、x軸方向の位置検出用ホール素子214及びy軸方向の位置検出用ホール素子224等を実装したフレキシブルプリント基板230を、2つのセンサ取付部材240を使用してベース部材120に固定し、位置検出用ホール素子214、224(磁気センサ)を位置決め固定する磁気センサ固定方法について説明する。
【0134】
図12は、フレキシブルプリント基板をベース部材に配置する様子を示す図である。
【0135】
図11及び
図12に示すように、ベース部材120には、第1ピン135及び第2ピン136が一体成形されている。センサ取付部材240に形成された位置決め用の第1孔245、及び第2孔246と、ベース部材120に形成された第1ピン135及び第2ピン136とは、センサ取付部材240とベース部材120とを直接位置規制が可能な位置規制部である。
【0136】
フレキシブルプリント基板230は、フレキシブルプリント基板230に形成された第3孔235、第4孔236がそれぞれベース部材120の第1ピン135及び第2ピン136に遊挿され、ベース部材120の一方の面(レンズ保持枠110と対向する面)に移動可能に配置される。
【0137】
続いて、センサ取付部材240の第1孔245及び第2孔246をそれぞれベース部材120の第1ピン135及び第2ピン136に挿通し、センサ取付部材240をベース部材120に位置決めする。
【0138】
その後、センサ取付部材240をフレキシブルプリント基板230に向かって押し込む。
【0139】
【0140】
図13に示すように、センサ取付部材240の弾性部242は、その先端の突出部242Aの下面がテーパ状に形成されており、センサ取付部材240をフレキシブルプリント基板230に向かって押し込むことで、位置検出用ホール素子224は、
図13上で右方向に押圧され、フレキシブルプリント基板230とともに移動させられる。
【0141】
このとき、位置検出用ホール素子224のパッケージの一方の側面は、ベース部材120の位置決め部134の2つの突出部134A、134Bに当接し、パッケージの他方の面は、センサ取付部材240の弾性部242の先端の突出部242Aが当接し、弾性部242に生じる弾性力により押圧される。
【0142】
尚、
図12及び
図13に示すように、位置決め部134には、位置検出用ホール素子224のパッケージが位置決め部134(2つの突出部134A、134B)に当接する際に、フレキシブルプリント基板230と位置決め部134との干渉を回避する逃げ部134Cが形成されている。
【0143】
センサ取付部材240に形成された弾性部242は、その断面積に対する全長の比が大きい形状を有している。
【0144】
弾性部242を上記のようにバネとして用いる場合に、断面積に対する全長の比が大きい形状の方が、バネ特性的に有利だからである。バネ特性が有利な点を更に具体的に言うと、例えば、バネの変位量を大きくとれ、変位誤差による荷重の変化が少ない点である。
【0145】
また、センサ取付部材240に形成された弾性部242は、ベース部材120の有するどの部分(例えば、固定側バネ掛け部130、第1ピン135、第2ピン136等)の形状よりも、その断面積に対する全長の比が大きい形状を有している。
【0146】
位置検出用ホール素子224のパッケージの一方の側面(位置決め部134の2つの突出部134A、134Bに当接する側面)は、位置検出用ホール素子224の検出方向であるy軸方向と直交する基準面になっており、この基準面が、ベース部材120に一体成形されている位置決め部134の2つの突出部134A、134Bに当接することで、位置検出用ホール素子224は、ベース部材120に精度よく位置決めされる。
【0147】
これにより、ベース部材120に対してレンズ保持枠110(位置検出用マグネット222)が、
図13上で左右方向に移動する場合、その位置検出用マグネット222の左右方向の位置を精度よく検出することができる。
【0148】
同様に、x軸方向の位置検出用ホール素子214も、センサ取付部材240及びベース部材120に形成された位置決め部132を使用して、ベース部材120に精度よく位置決めすることができる。
【0149】
また、ベース部材120に位置決め部132、134を一体的に設けることにより、振れ補正レンズ14を変位させる基準となるベース部材120に対して位置検出用ホール素子214、224を高精度に位置決めすることができる。
【0150】
一方、ベース部材120とは別部品の2つのセンサ取付部材240を用いて、位置検出用ホール素子214、224を位置決め部132、134に接しさせるようにしたため、センサ取付部材240の弾性部242のバネ力を用いて位置検出用ホール素子214、224を付勢する際に、ベース部材120の成形条件等の加工上の制約に縛られることなく、断面積に対する全長の比が大きい形状を有するセンサ取付部材240を、別部品として構成することができる。これにより、バネの有効長が長い優れたバネ特性を発揮する弾性部242を形成することが可能になり、位置検出用ホール素子214、224の安定した位置決めが可能になる。
【0151】
図14は、ベース部材にフレキシブルプリント基板が配置され、2つのセンサ取付部材により2つの位置検出用ホール素子が位置決めされた状態を示すベース部材の平面図であり、
図14に示す状態では、まだセンサ取付部材240は、ベース部材120に固定されていない。
【0152】
図15は、締結具によりセンサ取付部材をベース部材に固定する様子を示す斜視図であり、
図16(A)及び(B)は、それぞれセンサ取付部材の平面図及び側面図である。
【0153】
図15及び
図16に示すように、締結具である2本の雄ネジ249A、249Bが、センサ取付部材240の締結用孔247、248を介して、ベース部材120のネジ孔129A、129Bと螺合し、センサ取付部材240は、フレキシブルプリント基板230を挟んでベース部材120に固定する。
【0154】
その結果、フレキシブルプリント基板230(フレキシブルプリント基板230に実装された位置検出用ホール素子)もベース部材120に固定される。尚、センサ取付部材240をベース部材120に固定する締結具は、雄ネジとネジ孔との組合せによるものに限定されない。また、
図15上では、フレキシブルプリント基板230の図示は、省略されている。
【0155】
高精度・高強度かつ、組み立てが容易な締結具としては、通常、鉄やステンレスなどの金属性のネジ等が多く用いられるが、雄ネジ249A、249Bには非磁性金属の黄銅性のネジが用いられている。
【0156】
締結具として磁性体を用いると、マグネットの磁界を乱して位置検出誤差を発生させたり、マグネットの磁力に影響されてレンズ保持枠の移動が阻害される懸念があるため、締結具としては非磁性金属や、セラミックなど非磁性材料を用いることが望ましく、組み立て性等を考えれば黄銅等の非磁性金属のネジを用いることが最も好ましい。
【0157】
前述の
図7に示した2つのセンサ取付部材240は、それぞれ2本の雄ネジ249A、249Bによりベース部材120に固定されている点で、
図14と相違する。
【0158】
図7等に示すように、センサ取付部材240は、フレキシブルプリント基板230をベース部材120に固定する固定部材を兼ねる。
【0159】
また、位置検出用ホール素子214、224もベース部材120の面に密着して固定されるため、センサ取付部材240は、位置検出用ホール素子214、224(磁気センサ)の光軸方向の位置を規制する位置規制部材を兼ねる。
【0160】
《センサ取付部材の第2実施形態》
図17は、センサ取付部材の第2実施形態を示す斜視図であり、
図18は、
図17に示したセンサ取付部材の平面図である。尚、
図17及び
図18において、
図8及び
図9等に示した第1実施形態のセンサ取付部材240と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0161】
第2実施形態のセンサ取付部材250は、第1実施形態のセンサ取付部材240に対して、アーチ状の連結部252が一体形成されている点で相違する。
【0162】
連結部252は、U字型の外形形状を有する第1実施形態のセンサ取付部材240の一対の取付部の先端同士を連結し、センサ取付部材250は、全体として中央に弾性部242及び開口部を有する枠状の形状を有する。
【0163】
第2実施形態のセンサ取付部材250は、第1実施形態のセンサ取付部材240と比較して連結部252により剛性が増加する。これにより、例えば、位置検出用ホール素子の位置決め時にセンサ取付部材250は、フレキシブルプリント基板230に向かって押し込まれるが、この場合に弾性部242のみが変形し、他の部分が変形しないようにすることができる。
【0164】
また、連結部252は、アーチ状に形成されており、これによりベース部材120に形成された位置決め部134との干渉を回避している。
【0165】
《センサ取付部材の第3実施形態》
図19は、センサ取付部材の第3実施形態を示す平面図である。尚、
図19において、
図8及び
図9等に示した第1実施形態のセンサ取付部材240と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0166】
第3実施形態のセンサ取付部材260は、センサ取付部材260に形成された弾性部262の形状が、第1実施形態のセンサ取付部材240に形成された弾性部242の形状と相違する。
【0167】
センサ取付部材260の弾性部262は、ヘアピン状に屈曲し、その全長が、センサ取付部材240に形成された弾性部242の全長よりも長く形成されている。
【0168】
これにより、位置検出用ホール素子224を押圧するバネとして機能する弾性部262は、バネの有効長が長くできるので、変位量の誤差に対して荷重の変化が少なく、また、内部応力も小さいので「へたり」などによる荷重の低下が少ない優れたバネ特性を発揮し、より安定して位置検出用ホール素子224を位置決めすることができる。
【0169】
《センサ取付部材の第4実施形態》
図20は、センサ取付部材の第4実施形態を示す平面図である。尚、
図20において、
図8及び
図9等に示した第1実施形態のセンサ取付部材240と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0170】
第4実施形態のセンサ取付部材270は、
図19に示した第3実施形態のセンサ取付部材260と同様に、センサ取付部材270に形成された弾性部272の形状が、第1実施形態のセンサ取付部材240に形成された弾性部242の形状と相違する。
【0171】
センサ取付部材270の弾性部272は、センサ取付部材270の一対の取付部を連結する中央の部材から延出し、ヘアピン状に屈曲している。また、弾性部272の全長は、第3実施形態のセンサ取付部材260に形成された弾性部262の全長よりも更に長く形成されている。
【0172】
これにより、位置検出用ホール素子224を押圧するバネとして機能する弾性部272は、バネの有効長が長い優れたバネ特性を発揮し、より安定して位置検出用ホール素子224を位置決めすることができる。
【0173】
≪位置検出部の他の実施形態≫
図21は、レンズ保持枠の位置を検出する位置検出部の他の実施形態を示す図である。
【0174】
図21に示す位置検出部は、位置検出用マグネット211及び位置検出用ホール素子226と、を備える。
【0175】
位置検出用マグネット211は、2極で着磁された着磁部を有する2極マグネットである。この位置検出用マグネット211は、レンズ保持枠110に配置される。
【0176】
位置検出用ホール素子226は、1つのホール素子がパッケージに内蔵されたリニアホールICとして構成されている点で、2つのホール素子がパッケージに内蔵されたリニアホールICとして構成された位置検出用ホール素子214、224と相違する。
【0177】
位置検出用ホール素子226は、位置検出用マグネット211が、
図21に示す基準位置から
図21上で左右方向に移動し、位置検出用マグネット211のN極が近づくと、N極の強さに応じて出力電圧が上昇し、S極が近づくと、S極の強さに応じて出力電圧が下降する。
【0178】
これにより、
図21に示す位置検出部は、
図21上で位置検出用マグネット211の左右方向の移動に対して感度を有し、レンズ保持枠110の移動位置を検出することができる。
【0179】
[その他]
本実施形態では、磁性体の磁界の変化を検出する磁気センサとしてホール素子を使用する場合について説明したが、これに限らず、例えば、MR(Magneto Resistive)センサを適用することができる。
【0180】
本例のセンサ取付部材は、樹脂による成形品であるが、これに限らず、非磁性金属やセラミックなどを加工したものでもよい。
【0181】
本実施形態では、ベース部材とセンサ取付部材は異なる材料を用いる場合について説明したが、これに限らず、材料が同じ場合であっても、センサ取付部材が別部材で構成されるものであれば良い。一例として、ベース部材とセンサ取付部材が同じガラス繊維30%を含むPC(ポロカーボネート)の射出成型品の場合、ベース部材を成型する金型とセンサ取付部材を成型する金型が異なれば、センサ取付部材の方は金型自体が小さいためゲートからの射出圧力が届きやすく、温度調節などの成型条件が制御しやすくなるので、ベース部材のような大きな金型に比べて相対的に微細で複雑な構造が高精度に作成できる。例えばバネであれば、小さな部品上で細く長いバネが構成でき、応力安定性や「へたり」に強いバネができる。
【0182】
バネ以外の構造の場合も、当接力を与える構造部の形状が大型部品であるベース部材の加工制約を受けないことで、安定した当接力を与える構造を実現できる。
【0183】
他の例として切削加工の場合であっても、加工サイズが小さいほうが刃物の移動範囲が小さいことで、より微細加工に適した加工機(刃物の移動距離が小さい加工機)を選択できる。このように、材料が同じであってもセンサ取付部材が別部材で構成されることで、ベース部材の加工・成型条件の制約を受けることなく、相対的に微細な部品形状を精度よく作成することができ、位置決め部に当接させる当接力を初期的・経時的に安定して与えることができる。
【0184】
また、センサ取付部材は、少なくとも磁気センサをベース部材の位置決め部に当接させる押圧部を有していればよい。
【0185】
磁気センサが実装される基板は、フレキシブルプリント基板に限らず、可撓性を有さないプリント基板でもよい。
【0186】
更に、上記実施形態では、光学防振装置を備えたデジタルカメラについて説明したが、光学防振装置の光学装置への適用は、デジタルカメラに限らず、他の光学装置にも適用できる。他の光学装置としては、例えば、いわゆる銀塩カメラ、テレビカメラ、ビデオカメラ等の各種撮像装置、及び撮像装置に使用されるレンズ装置等を含む。
【0187】
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0188】
1 デジタルカメラ
10 撮像光学系
12 フォーカスレンズ
12A フォーカスレンズ駆動部
14 振れ補正レンズ
16 絞り
16A 絞り駆動部
20 イメージセンサ
20A イメージセンサ駆動部
21 位置検出用マグネット
22 アナログ信号処理部
24 デジタル信号処理部
30 表示部
32 記憶部
34 操作部
40 角速度検出部
40A ヨー方向角速度検出部
40B ピッチ方向角速度検出部
50 カメラマイコン
52 フォーカス制御部
54 露出設定部
56 イメージセンサ駆動制御部
58 絞り制御部
60 振れ補正制御部
62 表示制御部
64 記憶制御部
70 振れ検出部
90 振れ補正量算出部
100 光学防振装置
110 レンズ保持枠
110A レンズ保持部
110B フランジ部
112 可動側バネ掛け部
114 ガイド部
114A ガイド溝
116 可動側ボール収容部
120 ベース部材
120A 鏡筒部
120B 開口
124 ボール
126 バネ
128 固定側ボール収容部
129A、129B ネジ孔
130 固定側バネ掛け部
132、134 位置決め部
134A、134B 突出部
134C 逃げ部
135 第1ピン
136 第2ピン
140 回転規制部
142 ガイド軸
144 揺動ベース部材
146 ブラケット
146A 基部
146B アーム部
148 揺動軸
150 軸ベース部材
160 可動範囲規制部
162 可動範囲規制穴
164 ストッパ
180 x軸方向駆動部
182A、182B x軸方向駆動用磁石
184 x軸方向駆動用コイル
190 y軸方向駆動部
192A、192B y軸方向駆動用磁石
194 y軸方向駆動用コイル
200A、200B ヨーク
202A、202B ビス
210、220 位置検出部
211、212、222 位置検出用マグネット
214 位置検出用ホール素子
224、226 位置検出用ホール素子
230 フレキシブルプリント基板
235 第3孔
236 第4孔
237、238 締結用孔
240、250、260、270 センサ取付部材
242、262、272 弾性部
242A 突出部
245 第1孔
246 第2孔
247、248 締結用孔
249A、249B 雄ネジ
252 連結部