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特許7649352携帯型物体内に含まれる取り外し可能なブレスレット
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-11
(45)【発行日】2025-03-19
(54)【発明の名称】携帯型物体内に含まれる取り外し可能なブレスレット
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/14 20060101AFI20250312BHJP
   A44C 5/02 20060101ALI20250312BHJP
【FI】
A44C5/14 Z
A44C5/02 C
A44C5/02 D
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023132456
(22)【出願日】2023-08-16
(65)【公開番号】P2024039611
(43)【公開日】2024-03-22
【審査請求日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】22194856.5
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】シュリヒティヒ、 ドーハン
(72)【発明者】
【氏名】シェンク、 マルク
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01688056(EP,A1)
【文献】実開昭62-092708(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/14
A44C 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型物体(1)の本体(3)に接続することができる取り外し可能なブレスレット(2)であって、
前記ブレスレット(2)は、可撓性の本体を設けられ、且つ前記携帯型物体(1)の本体(3)に前記ブレスレット(2)を締結するための締結端(15a)を含む少なくとも1つの端部を備え、前記締結端(15a)は、2つの剛性締結部(4a、4b)を設けられた取り付け領域(5)と、前記ブレスレット(2)を前記携帯型物体(1)の前記本体(3)に可逆的に締結することに寄与するように構成される変形可能部(6)とを含み、前記変形可能部(6)は、前記領域(5)の前記2つの剛性締結部(4a、4b)の間に配置され
前記変形可能部(6)は、前記2つの剛性締結部(4a、4b)の間において画定されたギャップ(G)を変化させるように構成されることを特徴とする、ブレスレット(2)。
【請求項2】
各剛性締結部は、前記取り付け領域(5)の前記変形可能部(6)を変形させるように構成される把持領域(10)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(2)。
【請求項3】
各剛性締結部は、前記取り付け領域(5)の前記変形可能部(6)を変形させるように構成される把持領域(10)を備え、前記剛性締結部(4a、4b)は、前記ブレスレット(2)の内面(11a)及び外面(11b)を互いに接合する貫通孔を有する通路を備えることを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(2)。
【請求項4】
各剛性締結部(4a、4b)は、前記ブレスレット(2)の内面(11a)における隠された入口ポート(18)と、前記ブレスレット(2)の外面(11b)における出口ポート(19)とを設けられた通路を備えることを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(2)。
【請求項5】
各剛性締結部(4a、4b)は、前記ブレスレット(2)を前記携帯型物体(1)の前記本体(3)に可逆的に締結することを補助する器具の自由端を挿入するように構成される通路を備えることを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(2)。
【請求項6】
前記変形可能部(6)は、前記ブレスレット(2)の前記可撓性の本体の領域によって形成され、且つ凹部領域(6)を設けられることを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(2)。
【請求項7】
前記変形可能部(6)は、前記ブレスレット(2)の前記本体の可撓性領域によって形成され、且つ前記2つの剛性締結部(4a、4b)の間に含まれる前記ブレスレット(2)の周壁(8)の一部を含む凹部領域(6)を設けられることを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(2)。
【請求項8】
各剛性締結部(4a、4b)は、前記ブレスレット(2)の本体と一体に一部品として形成された突起によって形成されることを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(2)。
【請求項9】
各剛性締結部(4a、4b)は、引っ掛け要素(9)が配置されたベッドを備えることを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(2)。
【請求項10】
少なくとも1つのストランドを備えることを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(2)。
【請求項11】
前記2つの剛性締結部(4a、4b)は、前記ブレスレット(2)の前記可撓性の本体の領域によって形成される前記変形可能部(6)によって分離されることを特徴とする、請求項1に記載のブレスレット(2)。
【請求項12】
前記ブレスレット(2)は、前記物体(1)の本体(3)に前記ブレスレット(2)を可逆的に締結するように構成される取り付け領域(5)を備える請求項1に記載の取り外し可能なブレスレット(2)を備える携帯型物体(1)。
【請求項13】
時計又は宝飾品であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の物体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計又は宝飾品等の携帯型物体の本体に可逆的に取り付けられる可撓性又は柔軟性を有する本体を備える取り外し可能なブレスレットに関する。
【0002】
本発明は、このようなブレスレットを備える携帯型物体にさらに関する。
【背景技術】
【0003】
時計等の携帯型物体のための可撓性ブレスレットは、通常、このケースの角部に接続するようにブレスレットの穴を通過するバーによって時計のケースに締結されている2本のストランドを含んでいる。このようなストランドは、ブレスレットの断片として画定されてもよく、その少なくとも一方の端部は、場合によっては中間部を介して、このケースに接続される。各ストランドの他方の端部は、解放されているか、又は、例えば、ブレスレットの留め具に接続され得る。単一ストランドのブレスレットも存在する。
【0004】
このような構成では、ストランドを分解又は交換する必要がある場合、このストランドをケースに接続するバーを取り外す必要がある。従来、この作業は、ブレスレットとケースの角部との間に挿入するように設計された「バーツール」として知られる工具を使用して実行される。この作業は、慣れていないユーザには困難であることが多く、この状況では角部を傷つけ、又はブレスレットを損傷する可能性がある。さらに、この構成では、このようなバーは取り外し可能なバーであり、脆弱であり、製造が複雑であることが知られていることに留意されたい。この文脈において、特に先行技術の欠点を克服する解決策を見つける必要があることが理解される。
【発明の概要】
【0005】
この目的のために、本発明は、携帯型物体の本体に接続することができる取り外し可能なブレスレットに関し、前記ブレスレットは、可撓性の本体を備え、且つ前記携帯型物体の本体に前記ブレスレットを締結するための少なくとも1つの端部を備え、締結端は2つの剛性締結部を備えた取り付け領域と、前記ブレスレットを前記携帯型物体の前記本体に可逆的に締結することに寄与するように構成される変形可能部とを含み、前記変形可能部は、前記領域の前記2つの剛性締結部の間に配置される。
【0006】
他の実施形態では、
・各剛性部は、前記取り付け領域の前記変形可能部を変形するように構成される把持領域を備え、
・各剛性部は、ブレスレットの内面及び外面を互いに結合する貫通孔を有する通路を備え、
・各剛性部は、前記ブレスレットの内面における隠された入口ポートと、前記ブレスレットの外面における出口ポートとを設けられた通路を備え、
・各剛性部は、前記ブレスレットを前記携帯型物体の前記本体に可逆的に締結することを補助する器具の自由端を挿入するように構成される通路を備え、
・前記変形可能部は、前記2つの剛性締結部の間で画定されたギャップを変化させるように構成され、
・前記変形可能部は、前記ブレスレットの前記可撓性の本体の領域によって形成され、且つ凹部領域を設けられ、
・前記変形可能部は、前記ブレスレットの前記本体の可撓性領域によって形成され、前記2つの剛性締結部の間に含まれる前記ブレスレット(2)の周壁の一部を含む凹部領域を設けられ、
・各剛性締結部は、前記ブレスレットの本体と一体に一部品として形成された突起によって形成され、
・各剛性締結部は、引っ掛け要素が配置されたベッドを備え、
・前記ブレスレットは、少なくとも1つのストランドを備える。
【0007】
本発明は、ブレスレットを前記物体の本体に可逆的に締結するように構成される取り付け領域を設けられた取り外し可能なブレスレットを含む携帯型物体にさらに関する。
【0008】
有利には、前記物体は、時計又は宝飾品である。
【0009】
本発明の目的の1つは、時計等の携帯型物体のための取り外し可能なブレスレットを提供することであり、このブレスレットは、この携帯型物体の本体との間で、完璧な美観、完璧な適合、優れた堅牢性及び組立/分解の容易さを正しく組み合わせたものである。
【0010】
別の目的は、ブレスレットはもちろんのこと、この物体を損傷することなく、この携帯型物体の本体に可逆的に締結することができる取り外し可能なブレスレットを提供することである。
【0011】
さらに、本発明の目的の1つは、携帯型物体の本体との間の組立/分解の間に特に使用される把持領域を有するブレスレットを提供することであり、これらの領域はブレスレットの本体内に隠されている/隠蔽されている。
【0012】
より一般的に、本発明の目的の1つは、既知の解決策の制限なしに、携帯型物体の本体との間で組立/分解することができる取り外し可能なブレスレットを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して与えられた以下の詳細な説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
図1】本発明の一実施形態による取り外し可能なブレスレットを設けられた時計等の携帯型物体の斜視図である。
図2図1の参照部分Aの拡大図である。
図3】本発明の実施形態による取り外し可能なブレスレットのストランドの斜視図であり、その1つの締結端は、携帯型物体の本体の取り付け部と協働することができる取り付け領域を含み、この取り付け領域の1つの表面は、このストランドを物体の本体に可逆的に締結するように、前記取り付け部に相補的な形状/レリーフを有する。
図4】本発明の実施形態による取り外し可能なブレスレットのストランドの斜視図であり、その1つの締結端は、携帯型物体の本体の取り付け部と協働することができる取り付け領域を含み、この取り付け領域の1つの表面は、このストランドを物体の本体に可逆的に締結するように、前記取り付け部に相補的な形状/レリーフを有する。
図5図4の参照部分Bの拡大図である。
図6】本発明の実施形態によるブレスレットのこのストランドの取り付け領域を含む締結端の異なる斜視図である。
図7】本発明の実施形態によるブレスレットのこのストランドの取り付け領域を含む締結端の異なる斜視図である。
図8】本発明の実施形態によるブレスレットのこのストランドの取り付け領域を含む締結端の異なる斜視図である。
図9】本発明の実施形態による取り外し可能なブレスレットのストランドの斜視図であり、その締結端は、把持領域を含み、各領域が、携帯型物体の本体へのブレスレットの可逆的な締結を補助/支援するための器具の自由端を挿入するために設けられた通路の隠された入口ポートを備える。
図10】本発明の実施形態による取り外し可能なブレスレットのストランドの斜視図であり、その締結端は、把持領域を含み、各領域が、携帯型物体の本体へのブレスレットの可逆的な締結を補助/支援するための器具の自由端を挿入するために設けられた通路の隠された入口ポートを備える。
図11】本発明の実施形態によるブレスレットの取り付け領域内に配置されることを意図した引っ掛け要素の斜視図である。
図12】本発明の実施形態による携帯型物体の本体、この場合、時計のケースの斜視図であり、この本体はブレスレットを備えており、ここに点線で示されているその把持領域内の出口ポートは、ブレスレットがこの本体に組み付けられるときに、この物体の本体によって隠される。
図13】本発明の実施形態による取り付け部を備えた時計の本体の斜視図であり、ここでは正面から見えている。
図14】本発明の実施形態による取り付け部を備えた時計の本体の斜視図であり、ここでは側面から見えている。
図15図14の参照部分Dの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図2及び図12は、ケース3及びブレスレット2を備える時計等の携帯型物体1を示しており、ここでは、このブレスレット2を構成するストランドの1つを示している。代替的に、この携帯型物体1は、宝飾品/宝石宝飾品、又は、より広義に言えば、個人が腕、脚、胴又は首等の身体の一部に着用する可能性のある任意の物体1であり得る。
【0015】
上述したように、このブレスレット2は、図1に示すように、ストランドを備えてもよい。より具体的には、本発明の実施形態では、このようなブレスレットは、少なくとも1つのストランドを備える。ブレスレット2又は前記少なくとも1つのストランドは、互いに対向する2つの面11a、11b、すなわち、携帯型物体1がユーザによって着用されたときに見える外面11b及び内面11aを有する。これらの2つの面11a、11bは、ブレスレット2の周壁8(図4を含むいくつかの図で見ることができる)によって接合されており、これはその厚さにさらに対応する。
【0016】
図3から図10を参照すると、このブレスレット2又は前記少なくとも1つのストランドは、全体的又は部分的に可撓性又は柔軟性を有する本体を備える。ここで、このブレスレット2の本体全体が完全に柔軟性/可撓性であることを理解しなければならないが、このブレスレット2を締結するための剛性部4a、4bは例外であり、これらは、後述する剛性引っ掛け要素9を備えている。ブレスレット2にこのような引っ掛け要素9がない場合、その本体が全体的に/完全に柔軟性/可撓性であることが理解される。
【0017】
代替的に、この本体は、かなり柔軟であるか、又は柔軟な部分を含んでもよい。このような本体は、特に、後述するように、ブレスレット2を携帯型物体1の本体3に取り付けるための1つ以上の領域5を有し、この1つ以上の領域は、この本体の可撓性領域内に位置することに留意されたい。このようなブレスレット2の本体は、革、シャグリン、ゴム、プラスチック又は他の任意の可撓性材料から作ることができる。
【0018】
このようなブレスレット2は、図1に示すように、携帯型物体1が時計である場合には、2本のストランドを含んでもよいことが理解される。この構成では、各ストランドは、2つの端部15a、15bを備える。
・「締結端」と呼ばれる第1の端部15aは、携帯型物体1が時計である場合に、携帯型物体1の本体3に、この場合はケース3に、締結/取り付け/組み付け/装着/接続されることを意図したものである。
・「自由端」と呼ばれる第2の端部15bは、携帯型物体1のブレスレット2の他方のストランドの自由端15bに、取り付け/接続されることを意図したものである。
【0019】
別の実施形態によれば、このブレスレット2は、一本のストランドからなる一体部品であってもよく、その2つの端部15aは、携帯型物体1が時計である場合に、携帯型物体1の本体3に、この場合はケース3に締結されることを意図した締結端15aである。
【0020】
図1図2図3図8図9図10及び図12において、このように、ブレスレット2は、1つ又は2つのストランドからなるかどうかに関わらず、2つの締結端15aを備えることが好ましい。各締結端15aは、上述の取り付け領域5を含む。この取り付け領域5は、変形可能部6と、2つの剛性締結部4a,4bとを設けられている。この領域5において、これら2つの剛性部4a,4bは、前記ブレスレット2を前記物体1の本体に可逆的に締結することに寄与するように構成される前記変形可能部6によって分離されている。したがって、これら2つの剛性部4a,4bは、別個の剛性締結部4a,4bであることが理解される。これらの剛性部は、好ましくは、ブレスレットの可撓性の本体によって、特に、この可撓性の本体の領域/部分によって形成される変形可能部6によって分離されるため、別個の剛性部である。本発明の実施形態において、これらの別個の剛性部4a、4bは、剛性部によってではなく、変形可能部6によってのみ互いに結合されることに留意されたい。
【0021】
このような取り付け領域5は、ブレスレット2の本体と一部品として一体に形成された一体部であってもよい。このような場合、ブレスレット又はこのブレスレットを構成するストランドは、それぞれ一体部である。
【0022】
この締結端15aにおいて、変形可能部6は、前記ブレスレット2の可撓性の本体の領域によって形成されており、凹部容積とも呼ばれる凹部領域7を備える。この凹部領域7は、前記ブレスレット2の周壁8に開口するV字状又はフレア状の形状にかなり類似する形状を有する。換言すれば、この凹部領域7は、2つの剛性締結部4a,4bの間に配置/包含される周壁8の一部を含む。この変形可能部6は、2つの剛性締結部4a,4bの間に画定される距離G又は間隔Gとも呼ばれるギャップGを変化させるように構成される。より具体的には、このギャップGは、これらの剛性部4a,4bに含まれる後述する引っ掛け要素9の作用部17の間に画定される。後述するように、このギャップGの変化は、携帯型物体1の本体3に対するブレスレット2の取り外し可能な締結を行うことに寄与する。
【0023】
上述したように、取り付け領域5は、携帯型物体1の本体3に対するブレスレット2の可逆的な締結に寄与するように構成されるこの変形可能部6によって分離された2つの剛性締結部4a,4bを備える。各剛性締結部4a,4bは、ブレスレット2の本体と一体に一部品として形成された突起によって形成される。換言すれば、各剛性部4a,4bは、取り付け領域5に含まれるブレスレット2の内面11aの一部から突出している。より具体的には、各剛性締結部4a,4bは、取り付け領域5に含まれる締結端15aの先端部に位置することが好ましい。これらの剛性部4a,4bは、ブレスレット2の本体に沿って長手方向に延びる対称軸Dから等距離のブレスレット2の内面11aに配置される。この対称軸Dは、ブレスレット2を2等分するとともに、凹部領域7の対称軸Eと一致し、この領域7も2等分する。
【0024】
各剛性部4a,4bは、例えば、図3図11に示すような引っ掛け要素9を備える。この引っ掛け要素9は、携帯型物体1の本体3にブレスレット2を可逆的に締結する役割を果たす。このような引っ掛け要素9は、この引っ掛け要素9をブレスレット2の本体内に、特に、取り付け領域5内に固定するための部分16と、ブレスレット2を携帯型物体1の本体3に引っ掛ける/締結する機能部とも呼ばれる作用部17とを備える。この引っ掛け要素9の固定部16は、一体的に一部品として形成されたこの作用部17を部分的に囲っている。この点において、引っ掛け要素9は、好ましくは、金属材料、硬質プラスチック材料、又は剛性複合材料から作られる一体要素である。
【0025】
各剛性部4a,4bには、引っ掛け要素9を備えるベッドが設けられている。より具体的には、このベッドは、この引っ掛け要素9の固定部16を備える。この構成において、各剛性部4a,4bは、この引っ掛け要素9の固定部16上にオーバーモールドされることが好ましい。この固定部16は、このベッドの内壁に接着されてもよい。
【0026】
各剛性締結部4a,4bは、取り扱い領域とも呼ばれる把持領域10を備え、これは取り付け領域5の変形可能部6を変形させるように構成される。この取り付け領域5の変形は、特に、ブレスレット2を携帯型物体1の本体3に締結/組み付け/装着する間に行われる。この把持領域10は、特に、図3図10に示すように、挿入領域とも呼ばれる通路を備える。この通路は、ブレスレット2の内面11a及び外面11bを互いに接合する貫通孔によって形成される。この通路は、ブレスレット2の内面11aに画定された隠蔽された/遮蔽された/隠された入口ポート18と、ブレスレット2の外面11bに画定された出口ポート19とを備える。これらの2つのポート18,19は、対応する通路を含む各把持領域10の入口ポート18及び出口ポート19をさらに構成する。このような通路は、携帯型物体1の本体3へのブレスレット2の可逆的な締結を補助/支援するために、把持領域10において器具の自由端を挿入できるように構成される。
【0027】
各通路は、ブレスレット2の長手方向又はブレスレット2の対称軸Dに対して垂直な又は実質的に垂直な方向に、ブレスレット2の厚さを通って直線的に又は実質的に直線的に延びる。この通路は、
・その2つの端部の一方で、この面11aにおいて、対応する通路の自動閉鎖を確実にするために、例えば、応力を受けていないとき、すなわち静止しているときに接触している可撓性のリップを含むスロットの形状を有する可撓性の開口部である入口ポート18を追跡することによって、ブレスレット2の内側面11aに通じ、
・通路の反対側の端部で、この面11bにおいて、好ましくは、円形の開口部である出口ポート19を追跡することによって、このブレスレット2の外側面11bに通じる。
【0028】
この把持領域10は、取り付け領域5を備えるブレスレット2の部分に存在する。この構成では、この把持領域10の通路は、ブレスレット2の内面11aと外面11bとを互いに接合するように剛性部4a,4bを通過する。この通路は、図11の参照番号20で示された貫通開口部においても、この取り付け領域5に配置された引っ掛け要素9を貫通していることが理解される。換言すれば、この通路は、特に、この引っ掛け要素9の開口部20によっても形成されている。
【0029】
このブレスレット2において、把持領域10、特に、その通路は、ブレスレット2を携帯型物体1の本体3に可逆的に締結することを補助/支援するために、器具の自由端を受けるように構成される。より具体的には、この器具の端部は、その入口ポート18を介して、これらの把持領域10の通路に挿入される。この挿入の範囲内で、これらの端部は、入口ポート18に、この場合、ブレスレット2の本体に隠されているスロット18に挿入されるように、把持領域10に向けて案内される。このスロット18へのこのような挿入は、このスロット18のリップを広げさせ、この端部がこの通路(又は把持領域10)の出口ポート19に、この場合は、開口部19に到達し、それを通過して、ブレスレット2の外面11bに現れるまで続く。
【0030】
これらの自由端が把持領域10に配置されると、器具は、このケース3に締結されるときに、ケース3に対する取り付け領域5の取り扱い/検査に寄与する。より具体的には、この器具は、使用時に、このブレスレット2をケース3に可逆的に締結するために、取り付け領域5の変形可能部6の変形の生成/発生に寄与する。
【0031】
また、これらの自由端が入口ポート18から除去されると、スロットのリップが再び閉じて、通路を遮蔽することに留意されたい。これらのスロット18のこの特定の特徴は、通路の存在、ひいては把持領域10の存在を隠すことによって、換言すれば、各通路の入口ポート18を隠すことによって、ブレスレット2の美観特性を維持する。このような特徴は、ブレスレット2内のこれらの通路、ひいては把持領域10の正確な位置を認識していない個人によってブレスレット2が分解されるのを防ぐのにも役立つ。言い換えれば、このような特徴は、把持領域10を識別することによって、子供が自分自身でブレスレット2を分解することを防ぐのに役立つ。このようなことは子供がこのブレスレット2又はそれを構成し得る要素を飲み込む等の重大な結果につながる可能性があるためである。
【0032】
図1図2及び図12図15を参照すると、携帯型物体1は、この物体1の本体3へのブレスレット2の締結の範囲内で、取り外し可能なブレスレット2の取り付け領域5と協働するように構成される取り付け部12を備える。取り付け部12及び取り付け領域5は、ブレスレット2を携帯型物体1の本体3に締結するための互いとの最適な協働を確保するように、互いに他方の表面と形状/レリーフが相補的な表面を有する。換言すれば、取り付け部12の表面は、取り付け領域5の表面の形状/レリーフと相補的な形状/レリーフを有する。
【0033】
携帯型物体1の本体3、ここでは時計1のケース3の取り付け部12は、ブレスレット2の取り付け領域5を受けるように構成されるベッド13を備える。このベッド13は、この取り付け部12の表面によって全体的に又は部分的に形成される。このようなベッド13は、
・互いに平行又は実質的に平行な壁14aを備える第1の部分であって、
-ブレスレット2を携帯型物体1の本体3に締結/組み付け/装着する間に、このベッド内の対応する取り付け領域5の配置を案内すること、及び
-ブレスレット2を携帯型物体1の本体3に締結する際に、この取り付け領域5をベッド内に保持することに寄与すること、
-ブレスレット2の把持領域10の出口ポート19を遮蔽し、隠し、隠蔽すること
が可能な第1の部分と、
・携帯型物体1の本体3にブレスレット2を締結する文脈内で、取り付け領域5の引っ掛け要素9の作用部17を受けて協働するように構成される引っ掛け領域を形成する空洞14bを含む第2の部分とを含む。
【0034】
携帯型物体1が時計である場合には、このケース3の周壁に画定された2つの取り付け部12を備えることが好ましい。このようなケース3では、これらの取り付け部12は、互いに対向して、このケース3の回転軸Fから等距離に配置される。
【0035】
このように、本発明は、一実施形態において、携帯型物体1の本体3に接続することができる取り外し可能なブレスレット2に関するものであり、このブレスレット2は、可撓性の本体を設けられ、且つ携帯型物体1の本体3にブレスレット2を締結するための少なくとも前記端部15aを備え、前記締結端15aは、2つの別個の剛性締結部4a、4bを備えた締結領域5、及びブレスレットの可撓性の本体の領域/部分によって形成される変形可能部6を備え、前記部分6は、携帯型物体1の本体3にブレスレット2を可逆的に締結することに寄与するように構成される。この文脈において、変形可能部6は、前記領域5の2つの剛性部4a、4bの間に配置され、及び/又はこの変形可能部6は、この領域5の2つの剛性部4a、4bを分離する。
【0036】
また、本発明の一実施形態は、ブレスレット2を携帯型物体1の本体3に締結するためのシステムにさらに関することに留意されたい。このシステムは、携帯型物体1及びそのブレスレット2に加えて、ブレスレット2を携帯型物体1の本体3に組み付ける(又は分解する)動作の間に、携帯型物体1の本体3の取り付け部12に対してブレスレット2の取り付け領域5を取り扱うための器具を備える。
【0037】
このシステムでは、ブレスレット2の取り付け領域5の把持領域10にこの器具の自由端を挿入し、これらの自由端を離間させるためにこの器具に力を加え、ブレスレット2の取り付け領域5の剛性締結部4a,4bに含まれる引っ掛け要素9の2つの作用部17間のギャップGを増加させる。この構成では、剛性部4a,4b、特に引っ掛け要素9が取り付け部12のベッドの表面に当接することなく、携帯型物体1の本体3の対応する取り付け部12に取り付け領域5を容易に挿入又は取出すことができる。
【0038】
ブレスレット2を携帯型物体1の本体3に着脱可能に締結する場合、ブレスレット2の各取り付け領域5は、携帯型物体1の本体3の対応する取り付け部12に配置される。この構成では、把持領域10、特に、各把持領域10の通路の出口ポート19は、携帯型物体1の本体内に隠されている。図12を参照すると、携帯型物体1が時計の場合、把持領域10の各出口ポート19は、この時計1のケース3の中央に隠されている。
【0039】
上記の実施形態では、ブレスレット2は、携帯型物体1の本体3に直接取り外し可能に締結されており、ブレスレット2の各取り付け領域5は、携帯型物体1の本体3の対応する取り付け部12内に位置している。
【0040】
図示していない代替的な実施形態では、このブレスレット2は、携帯型物体1の本体3に接続された取り付け要素によって、携帯型物体1の本体3に間接的に且つ取り外し可能に締結され得る。より具体的には、携帯型物体は2つの取り付け要素を備えており、各要素は、この本体に締結された第1の端部と、前述の参照番号12で示した取り付け部と同様の取り付け部を有する第2の端部とを備える。この構成では、ブレスレット2の各取り付け領域5は、対応する取り付け要素の取り付け部に配置され得る。この文脈では、携帯型物体が時計の場合、各取り付け要素は、その第1の端部を介してケースの角部に接続されることに留意されたい。最後に、この取り付け要素は、かなりの可撓性又は半剛性であり得ることに留意されたい。
【0041】
本発明は、本明細書に記載した実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲を離れることなく、当業者が様々な簡単な代替案及び変形を考慮することができることは言うまでもない。
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