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<図1>
  • 特許-ワイヤハーネス 図1
  • 特許-ワイヤハーネス 図2
  • 特許-ワイヤハーネス 図3
  • 特許-ワイヤハーネス 図4
  • 特許-ワイヤハーネス 図5
  • 特許-ワイヤハーネス 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20250313BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20250313BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20250313BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H01B7/00 301
B60R16/02 623U
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022012047
(22)【出願日】2022-01-28
(65)【公開番号】P2023110538
(43)【公開日】2023-08-09
【審査請求日】2024-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 護
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-050264(JP,A)
【文献】特開2017-188427(JP,A)
【文献】特開2016-225081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H01B 7/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空電線として構成される筒状の第1電線と、
前記第1電線を収容する保護部材と、を備え、
前記第1電線は、第2電線を収容可能な中空部を有し、
メインバッテリ及びサブバッテリを搭載する車両に設置可能なワイヤハーネスであって、
前記第1電線は、前記メインバッテリに電気的に接続され、
前記第2電線は、前記サブバッテリに電気的に接続されるワイヤハーネス。
【請求項2】
中空電線として構成される筒状の第1電線と、
前記第1電線を収容する保護部材と、を備え、
前記第1電線は、第2電線を収容可能な中空部を有し、
前記第2電線は、第3電線を収容可能な第2中空部を有するワイヤハーネス。
【請求項3】
前記第1電線は、前記中空部を有する筒状の中空導体と、前記中空導体の外周を覆う絶縁被覆と、を有する請求項1又は請求項2に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
前記第1電線は、断面の幅が高さよりも大きい扁平部を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のワイヤハーネス。
【請求項5】
前記保護部材の断面の内周形状は、非円形であり、
前記第1電線の断面の外周形状は、非円形である請求項1から請求項のいずれか一項に記載のワイヤハーネス。
【請求項6】
前記保護部材及び前記第1電線の両方が角筒状である請求項に記載のワイヤハーネス。
【請求項7】
前記保護部材は、導電性を有するシールドパイプである請求項1から請求項のいずれか一項に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワイヤハーネスが開示されている。このワイヤハーネスは、複数の電線と、複数の電線を保護する保護部材(電線保護パイプ)と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-83603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のワイヤハーネスでは、保護部材を複数の車種で共通化しようとする場合、以下のような問題が生じる。すなわち、保護部材内に配置される電線の数は、車種に応じて異なる場合がある。このため、保護部材が電線の数の多い車種に合わせて形成されると、電線の数の少ない車種に搭載された場合に、電線が保護部材内でがたついてしまう。
【0005】
そこで、本開示は、保護部材に収容される電線の数が少ない場合であっても、電線のがたつきを抑えることが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のワイヤハーネスは、中空電線として構成される筒状の第1電線と、前記第1電線を収容する保護部材と、を備え、前記第1電線は、第2電線を収容可能な中空部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、保護部材に収容される電線の数が少ない場合であっても、電線のがたつきを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1のワイヤハーネスが設置された車両を示す模式図である。
図2図2は、ワイヤハーネスを図1のA-A線で切断した断面図である。
図3図3は、中空部に第2電線が収容されていない状態のワイヤハーネスの断面図である。
図4図4は、実施形態2のワイヤハーネスの断面図である。
図5図5は、実施形態3のワイヤハーネスの断面図である。
図6図6は、実施形態4のワイヤハーネスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示のシールド部材は、
(1)中空電線として構成される筒状の第1電線と、前記第1電線を収容する保護部材と、を備え、前記第1電線は、第2電線を収容可能な中空部を有する。
【0011】
この構成によれば、中空部に第2電線を収容することで、保護部材に複数の電線を収容することができる。しかも、中空部に第2電線が収容されなくても、第1電線の外周面と保護部材の内周面とのクリアランスは変わらない。このため、第1電線のがたつきが抑えられる。したがって、この構成によれば、保護部材に収容される電線の数が少ない場合であっても、電線のがたつきを抑えることができる。
【0012】
(2)前記(1)の構成において、前記第1電線は、前記中空部を有する筒状の中空導体と、前記中空導体の外周を覆う絶縁被覆と、を有することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、中空導体の外周面を外部から電気的に絶縁することができる。
【0014】
(3)前記(1)又は(2)の構成において、前記第1電線は、断面の幅が高さよりも大きい扁平部を有することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、ワイヤハーネスの低背化を図りやすい。
【0016】
(4)前記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記保護部材の断面の内周形状は、非円形であり、前記第1電線の断面の外周形状は、非円形であることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、保護部材に収容された第1電線の回転を防ぎやすい。
【0018】
(5)前記(4)の構成において、前記保護部材及び前記第1電線の両方が角筒状であることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、保護部材に収容された第1電線の回転をより防ぎやすい。
【0020】
(6)前記(1)から(5)のいずれか1つの構成において、前記保護部材は、導電性を有するシールドパイプであることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、保護部材が、第1電線を保護する機能と、電磁シールドする機能と、を兼ね備えることができる。
【0022】
(7)前記(1)から(6)のいずれか1つの構成において、メインバッテリ及びサブバッテリを搭載する車両に設置可能なワイヤハーネスであることが好ましい。前記第1電線は、前記メインバッテリに電気的に接続され、前記第2電線は、前記サブバッテリに電気的に接続されることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、メインバッテリに電気的に接続される第1電線と、サブバッテリに電気的に接続される第2電線と、を保護部材にまとめて収容することができる。また、上記ワイヤハーネスがサブバッテリを搭載しない車両に設置される場合に、第1電線の中空部に第2電線が収容されなくても、保護部材内での第1電線のがたつきを抑えることができる。
【0024】
(8)前記(1)から(7)のいずれか1つの構成において、前記第2電線は、第3電線を収容可能な第2中空部を有することが好ましい。
【0025】
この構成によれば、第2電線の第2中空部に第3電線を収容することができ、第3電線を収容しない場合であっても第2電線のがたつきを抑えることができる。
【0026】
なお、本明細書において、「断面」とは、横断面のことであり、ワイヤハーネスの延び方向と直交する方向で切断した断面のことである。
【0027】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0028】
<実施形態1>
図1には、実施形態1のワイヤハーネスWが設置された車両90が開示されている。車両90には、車載機器91と、メインバッテリ92と、サブバッテリ93と、が搭載されている。車載機器91は、車両90の前側に配置されており、メインバッテリ92及びサブバッテリ93は、車両90の後側に配置されている。車載機器91は、例えば電気部品を収納する電気接続箱である。電気接続箱は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合がある。本実施形態の電気接続箱は、例えば、図示しないリレー部品を有するリレーブロックを備えたリレーボックスである。メインバッテリ92及びサブバッテリ93は、例えば鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリなどの二次電池によって構成される。ワイヤハーネスWは、車載機器91と、メインバッテリ92及びサブバッテリ93とに電気的に接続されている。ワイヤハーネスWは、メインバッテリ92に基づく電力を車載機器91に供給する。ワイヤハーネスWは、メインバッテリ92に基づく電力供給が不足する場合に、サブバッテリ93に基づく電力を車載機器91に供給する。
【0029】
ワイヤハーネスWは、図2に示すように、第1電線10と、第2電線20と、保護部材40と、を備えている。
【0030】
第1電線10は、筒状、より具体的には角筒状をなしており、中空電線として構成されている。第1電線10は、第2電線20を収容可能な中空部11を有している。第1電線10は、中空導体12と、絶縁被覆13と、を有している。中空導体12は、筒状、より具体的には角筒状をなしている。中空導体12は、バスバーとして構成されている。中空導体12は、上述した中空部11を有している。絶縁被覆13は、中空導体12の外周を覆っている。絶縁被覆13は、筒状、より具体的には角筒状をなしている。絶縁被覆13は、中空導体12の外周面に接着されている。第1電線10は、断面の幅が高さよりも大きい扁平部14を有している。扁平部14は、筒状、より具体的には、角筒状をなしている。扁平部14の内側には、中空部11が設けられている。
【0031】
第2電線20は、中実電線として構成されている。第2電線20の断面における外周面の形状は、矩形状である。第2電線20は、中心導体22と、第2絶縁被覆23と、を有している。中心導体22は、棒状に延びる中実の導体である。中心導体22は、バスバーとして構成されている。中心導体22の断面形状は、矩形状である。第2絶縁被覆23は、中心導体22の外周を覆っている。第2絶縁被覆23は、筒状、より具体的には角筒状をなしている。第2絶縁被覆23は、中心導体22の外周面に接着されている。第2電線20は、断面の幅が高さよりも大きい第2扁平部24を有している。第2扁平部24の断面形状は、矩形状をなしている。第2扁平部24は、扁平部14の内側に設けられる中空部11内に収容される。第2扁平部24の幅寸法は、扁平部14の内側に設けられる中空部11の幅寸法よりも小さく、扁平部14の内側に設けられる中空部11の高さ寸法よりも大きい。このため、第2電線20は、中空部11内に収容された状態で、周方向の回転が規制される。
【0032】
保護部材40は、第1電線10を保護する部材であり、内部に第1電線10を収容する。保護部材40は、例えば導電性を有し、金属製のシールドパイプとして構成されている。保護部材40は、筒状、より具体的には角筒状をなしている。保護部材40は、第1電線10を収容可能な保護部材側中空部41を有している。保護部材40は、断面の幅が高さよりも大きい保護部材側扁平部44を有している。保護部材側扁平部44は、筒状、より具体的には、角筒状をなしている。保護部材側扁平部44の内側には、保護部材側中空部41が設けられており、上述した第1電線10の扁平部14が収容される。扁平部14の幅寸法は、保護部材側扁平部44の内側に設けられる保護部材側中空部41の幅寸法よりも小さく、保護部材側扁平部44の内側に設けられる保護部材側中空部41の高さ寸法よりも大きい。このため、第1電線10は、保護部材側中空部41内に収容された状態で、周方向の回転が規制される。
【0033】
第1電線10の一端は、車載機器91に電気的に接続され、他端は、メインバッテリ92に電気的に接続される。第2電線20の一端は、車載機器91に電気的に接続され、他端は、サブバッテリ93に電気的に接続される。
【0034】
ところで、ワイヤハーネスWは、サブバッテリ93を搭載しない車両に設置することも可能である。この場合、図3に示すように、サブバッテリ93に接続される第2電線20が、中空部11内に収容されない。しかし、第1電線10の外周面と保護部材40の内周面とのクリアランスが変わらない。このため、中空部11内に第2電線20が収容されなくても、第1電線10のがたつきが抑えられる。したがって、このワイヤハーネスWによれば、保護部材40に収容される電線の数が少ない場合であっても、電線のがたつきを抑えることができる。
【0035】
更に、第1電線10は、中空部11を有する筒状の中空導体12と、中空導体12の外周を覆う絶縁被覆13と、を有している。この構成によれば、中空導体12の外周面を保護部材40から電気的に絶縁することができる。
【0036】
更に、第1電線10は、断面の幅が高さよりも大きい扁平部14を有している。保護部材40は、断面の幅が高さよりも大きい保護部材側扁平部44を有している。扁平部14は、保護部材側扁平部44内に配置されている。この構成によれば、ワイヤハーネスWの低背化を図りやすい。
【0037】
更に、保護部材40及び第1電線10の両方が角筒状である。この構成によれば、保護部材40に収容された第1電線10の回転をより防ぎやすい。
【0038】
更に、保護部材40は、導電性を有するシールドパイプである。この構成によれば、保護部材40が、第1電線10を保護する機能と、電磁シールドする機能と、を兼ね備えることができる。
【0039】
<実施形態2>
実施形態1では、第2電線が、中実電線であったが、中空電線であってもよい。実施形態2では、第2電線が中空電線である例を説明する。なお、以下の説明では、実施形態1と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0040】
図4に示すように、実施形態2のワイヤハーネスW2は、第1電線10と、第2電線220と、第3電線230と、保護部材40と、を備えている。
【0041】
第2電線220は、筒状、より具体的には角筒状をなしており、中空電線として構成されている。第2電線220は、第3電線230を収容可能な第2中空部221を有している。第2電線220は、第2中空導体222と、第2絶縁被覆223と、を有している。第2中空導体222は、筒状、より具体的には角筒状をなしている。第2中空導体222は、バスバーとして構成されている。第2中空導体222は、上述した第2中空部221を有している。第2絶縁被覆223は、第2中空導体222の外周を覆っている。第2絶縁被覆223は、筒状、より具体的には角筒状をなしている。第2絶縁被覆223は、第2中空導体222の外周面に接着されている。第2電線220は、断面の幅が高さよりも大きい第2扁平部224を有している。第2扁平部224は、筒状、より具体的には角筒状をなしている。第2扁平部224の内側には、第2中空部221が設けられている。第2扁平部224は、扁平部14の内側に設けられる中空部11内に収容される。第2扁平部224の幅寸法は、扁平部14の内側に設けられる中空部11の幅寸法よりも小さく、扁平部14の内側に設けられる中空部11の高さ寸法よりも大きい。このため、第2電線220は、中空部11内に収容された状態で、周方向の回転が規制される。
【0042】
第3電線230は、中実電線として構成されている。第3電線230の断面における外周面の形状は、矩形状である。第3電線230は、中心導体232と、第3絶縁被覆233と、を有している。中心導体232は、棒状に延びる中実の導体である。中心導体232は、バスバーとして構成されている。中心導体232の断面形状は、矩形状である。第3絶縁被覆233は、中心導体232の外周を覆っている。第3絶縁被覆233は、筒状、より具体的には角筒状をなしている。第3絶縁被覆233は、中心導体232の外周面に接着されている。第3電線230は、断面の幅が高さよりも大きい第3扁平部234を有している。第3扁平部234は、第2扁平部224の内側に設けられる第2中空部221内に収容される。第3扁平部234の幅寸法は、第2扁平部224の内側に設けられる第2中空部221の幅寸法よりも小さく、第2扁平部224の内側に設けられる第2中空部221の高さ寸法よりも大きい。このため、第3電線230は、第2中空部221内に収容された状態で、周方向の回転が規制される。
【0043】
この構成によれば、第2電線220の第2中空部221に第3電線230を収容することができ、第3電線230を収容しない場合であっても第2電線220のがたつきを抑えることができる。
【0044】
<実施形態3>
実施形態1及び実施形態2では、第2電線の導体部分がバスバーであったが、バスバーでなくてもよい。また、実施形態1及び実施形態2では、第2電線の数が1本であったが、2本以上であってもよい。実施形態3では、第2電線が複数設けられ、第2電線の導体部分が単芯線である例を説明する。なお、以下の説明では、実施形態1と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0045】
図5に示すように、実施形態3のワイヤハーネスW3は、第1電線10と、第2電線320と、保護部材40と、を備えている。第1電線10の中空部11内には、複数(本実施形態では4本)の第2電線320が収容されている。
【0046】
第2電線320の断面形状は、円形である。第2電線320は、芯線322と、第2絶縁被覆323と、を有している。芯線322は、導電性を有している。芯線322は、円柱状の単芯線である。第2絶縁被覆323は、芯線322の外周を覆っている。第2絶縁被覆323は、筒状、より具体的には円筒状をなしている。第2絶縁被覆323は、芯線322の外周面に接着されている。
【0047】
<実施形態4>
実施形態3では、同じ種類の第2電線が複数設けられる構成であったが、異なる種類の第2電線が設けられる構成であってもよい。実施形態4では、異なる種類の第2電線が設けられる例について説明する。なお、以下の説明では、実施形態1と同じ構成については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0048】
図6に示すように、実施形態4のワイヤハーネスW4は、第1電線10と、第2電線420A,420Bと、保護部材40と、を備えている。第1電線10の中空部11内には、1本の第2電線420Aと、複数(本実施形態では4本)の第2電線420Bと、が収容されている。第2電線420Aは、実施形態1の第2電線20の幅寸法及び高さ寸法を小さくしたものである。第2電線420Bは、実施形態3の第2電線320と同じ形態である。
【0049】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
(1)上記各実施形態では、第1電線の中空導体がバスバーであったが、バスバーでなくてもよい。例えば、中空導体は、円柱状の単芯線であってもよいし、撚り線であってもよい。上記各実施形態では、第2電線の導体部分がバスバー又は円柱状の単芯線であったが、撚り線など別の構成であってもよい。
(2)上記各実施形態では、第1電線の導体部分と保護部材との間の絶縁部が第1電線の導体部分に接着される構成であったが、保護部材に接着される構成であってもよいし、第1電線の導体部分と保護部材のいずれにも接着されない構成であってもよい。
(3)上記各実施形態では、第1電線の導体部分と第2電線の導体部分との間の絶縁部が第2電線の導体部分に接着される構成であったが、第1電線の導体部分に接着される構成であってもよいし、第1電線の導体部分と第2電線の導体部分のいずれにも接着されない構成であってもよい。
(4)第1電線は、扁平部を有していなくてもよい。第2電線は、第2扁平部を有していなくてもよい。保護部材は、保護部材側扁平部を有していなくてもよい。
(5)第1電線及び保護部材は、角筒状でなくてもよい。第1電線及び保護部材は、例えば円筒状であってもよいし、断面が半円形の筒状であってもよい。また、第1電線及び保護部材は、互いに異なる形状であってもよい。
(6)保護部材は、導電性を有していなくてもよい。保護部材は、金属製でなく、合成樹脂製であってもよい。保護部材は、コルゲートチューブであってもよい。
(7)保護部材は、第1電線を収容可能な構成であれば筒状でなくてもよい。
(8)上記各実施形態では、第1電線に設けられる中空部の数が1つであったが、複数であってもよい。つまり、複数の中空部が並列に配置されていてもよい。

【符号の説明】
【0050】
10…第1電線
11…中空部
12…中空導体
13…絶縁被覆
14…扁平部
20…第2電線
22…中心導体
23…第2絶縁被覆
24…第2扁平部
40…保護部材
41…保護部材側中空部
44…保護部材側扁平部
90…車両
91…車載機器
92…メインバッテリ
93…サブバッテリ
220…第2電線
221…第2中空部
222…第2中空導体
223…第2絶縁被覆
224…第2扁平部
230…第3電線
232…中心導体
233…第3絶縁被覆
234…第3扁平部
320…第2電線
322…芯線
323…第2絶縁被覆
420A…第2電線
420B…第2電線
W…ワイヤハーネス
W2…ワイヤハーネス
W3…ワイヤハーネス
W4…ワイヤハーネス
図1
図2
図3
図4
図5
図6