(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】マンコンベヤ欄干装置及びマンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
B66B 29/08 20060101AFI20250313BHJP
B66B 31/02 20060101ALI20250313BHJP
【FI】
B66B29/08 Z
B66B31/02 Z
(21)【出願番号】P 2024053136
(22)【出願日】2024-03-28
【審査請求日】2024-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 清秀
(72)【発明者】
【氏名】上垣 康司
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0276834(US,A1)
【文献】特開2017-088375(JP,A)
【文献】特開2008-031956(JP,A)
【文献】特開2009-013974(JP,A)
【文献】特開2014-173557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 29/08
B66B 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転して走行する環状の手摺ベルトと、
前記手摺ベルトに接し、前記手摺ベルトが走行することによって回転する回転体と、
前記回転体が回転することによって動作する動作部と、を備える、マンコンベヤ欄干装置
であって、
前記動作部は、送風するために、前記回転体が回転することによって回転する羽根車を備え、
前記マンコンベヤ欄干装置は、前記手摺ベルトを下方から支持する支持部を備え、
前記支持部は、前記手摺ベルトの内表面と対面する上部が開放される支持本体部を備え、
前記回転体の少なくとも一部及び前記羽根車は、前記支持本体部の内部に収容され、
前記回転体は、前記手摺ベルトの内表面に接する、マンコンベヤ欄干装置。
【請求項2】
前記支持本体部は、人へ向けて送風するために、空気を外部へ流出するための流出口を備える、請求項1に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項3】
前記羽根車は、前記回転体と一体となって回転するように、前記回転体に固定される、請求項
1又は2に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項4】
前記回転体は、筒状に形成され、
前記羽根車は、前記回転体の内部に配置される、請求項3に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項5】
前記回転体の一
部は、前記支持本体部の内部に収容され、
前記回転体の上部は、前記支持本体部の上部から上方へ突出する、請求項
1又は2に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項6】
前記支持本体部の内部に収容され、前記羽根車を内部に収容する収容部を備え、
前記収容部は、
空気を内部へ流入するための流入口と、
空気を外部へ流出するための流出口と、を備える、請求項
1又は2に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項7】
請求項1
又は2に記載のマンコンベヤ欄干装置を備える、マンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、マンコンベヤ欄干装置及びマンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤ欄干装置は、回転して走行する環状の手摺ベルトと、手摺ベルトへ向けて送風するために回転する羽根車とを備えている(例えば、特許文献1)。例えば、マンコンベヤ欄干装置は、羽根車(動作部)を動作させるモータと、機械室等に配置され、ケーブルを経由してモータに給電する制御盤とを備えている。ところで、制御盤からの給電ではなく、手摺ベルトの走行の駆動を用いて、動作部を動作させたい、という要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、手摺ベルトの走行の駆動を用いて、動作部を動作させることができるマンコンベヤ欄干装置及びマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マンコンベヤ欄干装置は、
回転して走行する環状の手摺ベルトと、
前記手摺ベルトに接し、前記手摺ベルトが走行することによって回転する回転体と、
前記回転体が回転することによって動作する動作部と、を備える。
【0006】
マンコンベヤは、前記のマンコンベヤ欄干装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0009】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0010】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、
図1~
図3を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤの構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤの構成を限定するものではない。
【0011】
図1に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人(乗客)を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対(
図1においては、一つのみ図示している)のマンコンベヤ欄干装置(以下、単に「欄干装置」ともいう)4と、搬送部3及び欄干装置4を駆動させる駆動部5と、装置全体を制御する処理部6とを備えていてもよい。
【0012】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向(「幅方向」ともいう)D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向(「前後方向」ともいう)D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0013】
第4方向D4は、搬送部3が人を搬送する方向であって、水平方向D2に対して傾斜する傾斜方向D4といい、第5方向D5は、傾斜方向D4と直交する方向(以下、「直交方向」ともいう)D5という。なお、第2~第5方向D2~D5は、それぞれ所定の同一仮想面に含まれる方向であって、第1方向D1は、当該仮想面に対して直交する方向である。
【0014】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0015】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状の走行部3aと、走行部3aに接続されることによって走行部3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部3aは、例えば、ローラチェーンとしてもよい。
【0016】
また、例えば、走行部3aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれの走行部3aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0017】
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、走行部3aの第2横方向D2の第1端部が巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する駆動輪5aと、走行部3aの第2横方向D2の第2端部を支持する巻掛部5bと、駆動輪5aを回転させる駆動源5cと、駆動輪5aの回転を制動する制動部5dとを備えていてもよい。これにより、ステップ3bは、駆動輪5aによって反転し、また、巻掛部5bによって反転する。
【0018】
特に限定されないが、駆動輪5aは、例えば、スプロケットとしてもよい。また、特に限定されないが、巻掛部5bは、例えば、走行部3aを反転するようにガイドするガイド材であってもよく、また、例えば、走行部3aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する回転材(例えば、スプロケット)であってもよい。また、特に限定されないが、駆動源5cは、例えば、モータとしてもよい。また、特に限定されないが、制動部5dは、例えば、駆動輪5aの回転を制動するブレーキとしてもよい。
【0019】
構造体2は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2のそれぞれの端部に配置される機械室2aを備えていてもよい。なお、構造体2は、例えば、複数の枠材で構成されるトラス構造又はケタ構造としてもよい。
【0020】
マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、機械室2aを上方から覆うように、構造体2に取り付けられる床プレート1aを備えていてもよい。これにより、床プレート1aは、搬送部3に乗り降りするために、搬送部3の第2横方向D2の各端部に配置される乗降部1b,1cを構成している。
【0021】
なお、例えば、マンコンベヤ1が人を斜め下方へ搬送する構成である場合には、上方に配置される第1乗降部1bは、乗り部1bとなり、下方に配置される第2乗降部1cは、降り部1cとなる。また、例えば、マンコンベヤ1が人を斜め上方へ搬送する構成である場合には、上方に配置される第1乗降部1bは、降り部1bとなり、下方に配置される第2乗降部1cは、乗り部1cとなる。
【0022】
図1及び
図2に示すように、欄干装置4は、回転して走行する無端環状の手摺ベルト7と、手摺ベルト7を下方から支持する支持部8と、手摺ベルト7が走行することによって動作する動作装置10とを備えている。また、欄干装置4は、例えば、本実施形態のように、支持部8を支持する欄干本体部4aと、欄干本体部4aの下部を覆うカバー部4bとを備えていてもよい。
【0023】
なお、例えば、手摺ベルト7が駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト7の走行は、ステップ3bの走行と同期してもよい。また、例えば、駆動輪5aの回転方向が変更されることによって、走行部3aの走行方向、ステップ3bの走行方向及び手摺ベルト7の走行方向は、それぞれ変更可能であってもよい。これにより、マンコンベヤ1は、人を斜め上方へ搬送する状態と斜め下方へ搬送する状態とに切り替え可能である。
【0024】
図2に示すように、手摺ベルト7は、例えば、第1横方向D1の中央部に配置されるベルト本体部7aと、第1横方向D1の端部に配置され、支持部8と係合するベルト係合部7bとを備えていてもよい。また、手摺ベルト7は、例えば、本実施形態のように、外部に露出されずに支持部8と対面する内表面7cと、外部に露出される外表面7dとを備えていてもよい。
【0025】
支持部8は、手摺ベルト7と対面する上部が開放される支持本体部8aを備えている。また、支持部8は、例えば、本実施形態のように、支持本体部8aから第1横方向D1へ突出してベルト係合部7bと係合する支持係合部8bを備えていてもよい。そして、ベルト係合部7bと支持係合部8bとが係合することによって、例えば、手摺ベルト7が支持部8から離脱しないように支持部8に装着され、また、例えば、手摺ベルト7が支持部8にスライドしてガイドされる。
【0026】
ベルト係合部7bは、例えば、本実施形態のように、ベルト本体部7aから第1横方向D1へ延びて折り返すように、形成されていてもよい。これにより、ベルト係合部7bは、手摺ベルト7のうち、手摺ベルト7の厚み方向視で、支持係合部8bと重なっている。なお、手摺ベルト7の厚み方向(以下、単に「厚み方向」ともいう)とは、手摺ベルト7の内表面7cの法線方向である。
【0027】
図2及び
図3に示すように、動作装置10は、手摺ベルト7に接して且つ手摺ベルト7が走行することによって第1横方向D1を軸にして回転する回転体11と、回転体11が回転することによって動作する動作部12と、支持本体部8aの内部に収容される収容部13とを備えている。なお、特に限定されないが、収容部13は、固定手段(例えば、ボルト・ナット等)によって、支持本体部8aに固定されていてもよい。
【0028】
動作部12は、送風するために、回転体11が回転することによって回転する羽根車12aを備えている。なお、羽根車12aの構成は、特に限定されない。羽根車12aは、例えば、本実施形態のように、軸流式(軸流送風機)の羽根車であってもよく、また、例えば、遠心式(遠心送風機)の羽根車であってもよく、また、例えば、斜流式(斜流送風機)の羽根車であってもよい。
【0029】
回転体11は、筒状に形成されており、羽根車12aは、回転体11の内部に配置されている。これにより、例えば、羽根車12a及び回転体11の小型化を図ることができる。そして、羽根車12aは、回転体11に固定されている。これにより、羽根車12aは、回転体11の内部で、回転体11と一体となって回転する。したがって、例えば、回転体11が回転することに伴って、羽根車12aを確実に回転させることができる。
【0030】
収容部13は、例えば、本実施形態のように、羽根車12aの全体を内部に収容し、且つ、回転体11の一部を内部に収容する、という構成でもよい。そして、回転体11の一部及び羽根車12aの全体は、支持本体部8aの内部に収容される一方で、回転体11の上部は、支持本体部8aの上部から上方へ突出している。
【0031】
これにより、回転体11の一部が支持本体部8aの内部に収容されつつも、回転体11は、上部で手摺ベルト7に接する。したがって、手摺ベルト7が走行することによって、回転体11は、回転する。それに伴って、羽根車12aが回転するため、送風することができる。
【0032】
その結果、羽根車12aを回転させる(動作部12を動作させる)ために、例えば、処理部6の制御盤から動作部12へ給電する必要がないため、制御盤から動作部12への配線が不要となる。なお、例えば、回転体11が手摺ベルト7をガイドするため、支持係合部8bがベルト係合部7bをガイドするよりも、ガイドに伴う摩擦力を小さくすることができる。
【0033】
収容部13は、空気を内部へ流入するための流入口13aと、空気を外部へ流出するための第1流出口13bとを備えている。これにより、空気は、流入口13aを経由して、収容部13の内部へ流入され、空気は、第1流出口13bを経由して、収容部13の外部へ流出される。したがって、例えば、空気の流路や圧力等を適正にすることができる。
【0034】
特に限定されないが、例えば、流出口13bの開口面積の合計は、第1流入口13aの開口面積の合計よりも、小さくてもよい。これにより、流出口13bから流出する空気の圧力を高めることができるため、例えば、流出口13bから流出する空気の圧力を適切にすることができる。
【0035】
また、収容部13は、例えば、本実施形態のように、羽根車12aから流出された空気を第1流出口13bへガイドする第1空気ガイド部13cを備えていてもよい。また、支持本体部8aは、例えば、本実施形態のように、空気を外部へ流出するために、収容部13の第1流出口13bと連通する第2流出口8cを備えていてもよい。
【0036】
なお、収容部13及び支持本体部8aの各流出口13b,8cは、例えば、本実施形態のように、各部13,8aの下部(具体的には、底部)に配置されていてもよく、また、例えば、各部13,8aの第1横方向D1の外側の側部に配置されていてもよい。流入口13aは、例えば、本実施形態のように、収容部13の第2横方向D2の側部に配置されていてもよく、また、例えば、収容部13の第1横方向D1の内側の側部に配置されていてもよい。
【0037】
また、動作装置10は、例えば、本実施形態のように、流出口13b,8cから流出された空気を、手摺ベルト7よりも、第1横方向D1の外側の領域X1へ向けてガイドする第2空気ガイド部14を備えていてもよい。これにより、手摺ベルト7を掴んでいる指に、空気を吹き付けることができる。
【0038】
特に限定されないが、第2空気ガイド部14は、例えば、本実施形態のように、欄干本体部4aの上部で且つ支持本体部8aよりも第1横方向D1の外側で、凹状に形成されていてもよい。これにより、第2空気ガイド部14は、第1横方向D1の内方から支持部8に覆われている。これにより、ステップ3bに乗った人(手摺ベルト7を掴む人)に、第2空気ガイド部14が触れられることを抑制することができる。
【0039】
図1に戻り、手摺ベルト7は、例えば、傾斜方向D4へ沿って直線状に延びる傾斜部7fと、水平方向(第2横方向)D2へ沿って直線状に延びる水平部7gと、傾斜部7f及び水平部7gとの間に配置され、曲線状に延びる湾曲部7hと、第2横方向D2の端部に配置される折返部7iとを備えていてもよい。
【0040】
動作装置10の個数は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、複数(
図1においては、二つ)であってもよく、また、例えば、一つであってもよい。なお、以下において、動作装置10を区別する場合は、第1及び第2動作装置10a,10bとし、動作装置10を区別しない場合は、動作装置10とする。
【0041】
第1動作装置10aは、例えば、本実施形態のように、第2乗降部1cの床プレート1aよりも第2横方向D2の中央寄りに配置されていてもよい。そして、マンコンベヤ1が人を斜め下方へ向けて搬送する場合に、第1動作装置10aの羽根車12aは、空気を流出口13b,8cから流出する構成としていてもよい。
【0042】
これにより、第1動作装置10aが、手摺ベルト7を掴んでいる指に、空気を吹き付けることによって、マンコンベヤ1で搬送されている人は、降り部(第2乗降部)1cの直前であることを認識する。なお、マンコンベヤ1が人を斜め上方へ向けて搬送する場合に、第1動作装置10aの羽根車12aは、空気を流出口13b,8cから流入する構成となる。
【0043】
また、第1動作装置10aは、例えば、回転体11が手摺ベルト7の傾斜部7fの下端部に接するように、配置されていてもよい。これにより、第1動作装置10aが、手摺ベルト7を掴んでいる指に、空気を吹き付けた後に、さらに、湾曲部7hであることを認識することによって、マンコンベヤ1で搬送されている人は、降り部(第2乗降部)1cに近づいていることを認識する。
【0044】
また、第2動作装置10bは、例えば、本実施形態のように、第1乗降部1bの床プレート1aよりも第2横方向D2の中央寄りに配置されていてもよい。そして、マンコンベヤ1が人を斜め上方へ向けて搬送する場合に、第2動作装置10bの羽根車12aは、空気を流出口13b,8cから流出する構成としていてもよい。
【0045】
これにより、第2動作装置10bが、手摺ベルト7を掴んでいる指に、空気を吹き付けることによって、マンコンベヤ1で搬送されている人は、降り部(第1乗降部)1bの直前であることを認識する。なお、マンコンベヤ1が人を斜め下方へ向けて搬送する場合に、第2動作装置10bの羽根車12aは、空気を流出口13b,8cから流入する構成となる。
【0046】
また、第2動作装置10bは、例えば、回転体11が手摺ベルト7の傾斜部7fの上端部に接するように、配置されていてもよい。これにより、第2動作装置10bが、手摺ベルト7を掴んでいる指に、空気を吹き付けた後に、さらに、湾曲部7hであることを認識することによって、マンコンベヤ1で搬送されている人は、降り部(第1乗降部1b)に近づいていることを認識する。
【0047】
[1]
マンコンベヤ欄干装置4は、本実施形態のように、
回転して走行する環状の手摺ベルト7と、
前記手摺ベルト7に接し、前記手摺ベルト7が走行することによって回転する回転体11と、
前記回転体11が回転することによって動作する動作部12と、を備える、
という構成が好ましい。
【0048】
斯かる構成によれば、回転体11が手摺ベルト7に接しているため、手摺ベルト7が走行することによって、回転体11は、回転する。そして、回転体11が回転することによって、動作部12は、動作する。これにより、手摺ベルト7の走行の駆動を用いて、動作部12を動作させることができる。
【0049】
[2]
また、上記[1]のマンコンベヤ欄干装置4においては、本実施形態のように、
前記動作部12は、送風するために、前記回転体11が回転することによって回転する羽根車12aを備えている、
という構成が好ましい。
【0050】
斯かる構成によれば、回転体11が回転することによって、羽根車12aが回転するため、送風することができる。これにより、手摺ベルト7の走行の駆動を用いて、羽根車12aが回転されるため、送風することができる。
【0051】
[3]
また、上記[2]のマンコンベヤ欄干装置4においては、本実施形態のように、
前記羽根車12aは、前記回転体11と一体となって回転するように、前記回転体11に固定される、
という構成が好ましい。
【0052】
斯かる構成によれば、羽根車12aは、回転体11に固定されている。これにより、回転体11が回転することによって、羽根車12aは、回転体11と一体となって回転する。
【0053】
[4]
また、上記[3]のマンコンベヤ欄干装置4においては、本実施形態のように、
前記回転体11は、筒状に形成され、
前記羽根車12aは、前記回転体11の内部に配置される、
という構成が好ましい。
【0054】
斯かる構成によれば、回転体11は、筒状に形成されており、羽根車12aは、回転体11の内部に配置され、回転体11に固定されている。これにより、回転体11が回転することによって、羽根車12aは、回転体11の内部で、回転体11と一体となって回転する。
【0055】
[5]
また、上記[2]~[4]の何れか1つのマンコンベヤ欄干装置4は、本実施形態のように、
前記手摺ベルト7を下方から支持する支持部8を備え、
前記支持部8は、前記手摺ベルト7と対面する上部が開放される支持本体部8aと、
前記回転体11の一部及び前記羽根車12aは、前記支持本体部8aの内部に収容され、
前記回転体11の上部は、前記支持本体部8aの上部から上方へ突出する、
という構成が好ましい。
【0056】
斯かる構成によれば、支持本体部8aの上部は、手摺ベルト7と対面し、開放されている。そして、回転体11の一部及び羽根車12aは、支持本体部8aの内部に収容され、回転体11の上部は、支持本体部8aの上部から上方へ突出している。これにより、回転体11の一部が支持本体部8aの内部に収容されつつも、回転体11は、上部で手摺ベルト7に接する。
【0057】
[6]
また、上記[5]のマンコンベヤ欄干装置4は、本実施形態のように、
前記羽根車12aを内部に収容し、前記支持本体部8aの内部に収容される収容部13を備え、
前記収容部13は、
空気を内部へ流入するための流入口13aと、
空気を外部へ流出するための流出口(本実施形態においては、第1流出口)13bと、を備える、
という構成が好ましい。
【0058】
斯かる構成によれば、収容部13は、羽根車12aを内部に収容しており、収容部13は、支持本体部8aの内部に収容されている。そして、空気は、流入口13aを経由して、収容部13の内部へ流入され、空気は、流出口13bを経由して、収容部13の外部へ流出される。
【0059】
[7]
また、マンコンベヤ1は、本実施形態のように、
上記[1]~[6]の何れか1つのマンコンベヤ欄干装置4を備える、
という構成が好ましい。
【0060】
斯かる構成によれば、手摺ベルト7の走行の駆動を用いて、動作部12を動作させることができる。
【0061】
なお、マンコンベヤ1及びマンコンベヤ欄干装置4は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1及びマンコンベヤ欄干装置4は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0062】
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4においては、動作装置10は、降り部1b,1cの手前の人へ向けて空気を吹き付ける、という構成である。即ち、降り部1b,1cの直前であることや、降り部1b,1cに近づいていることを認識させることを目的としている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。
【0063】
例えば、動作装置10は、第2横方向D2の全域に亘って、ステップ3bの上の人へ向けて空気を吹き付ける、という構成でもよい。即ち、例えば、夏場等に、涼しさ感を付与する(暑さを解消させる)ことを目的としている、という構成でもよい。なお、斯かる構成においては、マンコンベヤ欄干装置4から第1横方向D1の中央へ向けて(即ち、ステップ3bの上の人の顔や胴等へ向けて)、空気を吹き付ける、という構成としてもよい。
【0064】
(B)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4においては、動作部12は、回転体11が回転することによって回転する羽根車12aを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。
【0065】
例えば、動作部12は、回転体11が回転することによって表示する表示部(例えば、点滅する光源)を備えている、という構成でもよい。また、例えば、動作部12は、回転体11が回転することによって発音する発音部(例えば、ブザー)を備えている、という構成でもよい。そして、例えば、降り部1b,1cの手前の人へ向けて出力(表示、発音)することによって、降り部1b,1cの直前であることや降り部1b,1cに近づいていることを認識させることができる。
【0066】
また、例えば、動作部12は、人を検出するために検出光を出射(出力)する光電センサを、カバー部4bの内部に備えている、という構成でもよい。また、例えば、動作部12は、手摺ベルト7へ向けて紫外線を照射(出力)する紫外線照射装置を、カバー部4bの内部に備えている、という構成でもよい。
【0067】
これらの構成においては、特に限定されないが、動作装置10は、例えば、回転体11が回転することによって回転する回転子を有する発電機と、発電機の発電によって蓄電され且つ出力部(表示部、発音部、光電センサ、紫外線照射装置等)へ給電する蓄電池とを備えている、という構成でもよい。なお、例えば、発電機から蓄電池を経由することなく出力部へ給電されている、という構成でもよい。
【0068】
(C)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4においては、羽根車12aは、回転体11と一体となって回転するように、回転体11に固定されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。
【0069】
例えば、動作装置10は、回転体11が回転することによって羽根車12aが回転するように、回転体11の回転力を羽根車12aへ伝達する伝達手段を備えている、という構成でもよい。特に限定されないが、伝達手段は、各種のギア機構やベルト伝達機構としてもよい。そして、例えば、羽根車12aの回転速度を適切な回転速度となるように(例えば、羽根車12aの回転速度が回転体11の回転速度よりも速くなるように)、ギア比等が設定されていてもよい。
【0070】
また、例えば、動作装置10は、羽根車12aを回転させる羽根車駆動源(例えば、モータ)と、回転体11が回転することによって回転する回転子を有する発電機と、発電機の発電によって蓄電され且つ羽根車駆動源へ給電する蓄電池とを備えている、という構成でもよい。なお、例えば、発電機から蓄電池を経由することなく羽根車駆動源へ給電されている、という構成でもよい。
【0071】
(D)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4においては、回転体11は、筒状に形成され、羽根車12aは、回転体11の内部に配置される、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。例えば、回転体11の軸が、羽根車12aの軸に固定されることによって、羽根車12aは、回転体11と一体となって回転するように、回転体11に固定されている、という構成でもよい。
【0072】
(E)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4においては、回転体11の一部及び羽根車12aは、支持本体部8aの内部に収容されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。例えば、回転体11及び羽根車12aは、欄干装置4のカバー部4bの内部に収容されている、という構成でもよい。斯かる構成においては、回転体11は、例えば、手摺ベルト7の内表面7cに接していてもよく、また、例えば、手摺ベルト7の外表面7dに接していてもよい。
【0073】
(F)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4においては、動作装置10は、回転体11の一部及び羽根車12aを内部に収容して且つ支持本体部8aの内部に収容される収容部13を備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。
【0074】
例えば、羽根車12aのみが、収容部13の内部に配置されている一方で、回転体11は、収容部13の外部に配置されている、という構成でもよい。また、例えば、動作装置10は、収容部13を備えておらず、回転体11の一部及び羽根車12aは、支持本体部8aの内部に直接に収容されている、という構成でもよい。
【0075】
(G)また、例えば、マンコンベヤ欄干装置4は、回転体11が手摺ベルト7に加圧して接するように、回転体11に手摺ベルト7へ向けて力を加える加力部を備えている、という構成でもよい。特に限定されないが、例えば、加力部は、回転体11に弾性復元力を加える弾性体である、という構成でもよい。
【0076】
(H)また、例えば、マンコンベヤ欄干装置4は、手摺ベルト7に接する位置と手摺ベルト7から離れる位置とに、回転体11を移動可能な移動部を備えている、という構成でもよい。特に限定されないが、例えば、移動部は、収容部13が支持部8に対して移動可能となるように、収容部13と支持部8とを接続するリンク機構である、という構成でもよい。
【0077】
(I)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0078】
1…マンコンベヤ、1a…床プレート、1b…第1乗降部、1c…第2乗降部、2…構造体、2a…機械室、3…搬送部、3a…走行部、3b…ステップ、4…マンコンベヤ欄干装置、4a…欄干本体部、4b…カバー部、5…駆動部、5a…駆動輪、5b…巻掛部、5c…駆動源、5d…制動部、6…処理部、7…手摺ベルト、7a…ベルト本体部、7b…ベルト係合部、7c…内表面、7d…外表面、7f…傾斜部、7g…水平部、7h…湾曲部、7i…折返部、8…支持部、8a…支持本体部、8b…支持係合部、8c…第2流出口、10…動作装置、10a…第1動作装置、10b…第2動作装置、11…回転体、12…動作部、12a…羽根車、13…収容部、13a…流入口、13b…第1流出口、13c…第1空気ガイド部、14…第2空気ガイド部、D1…第1横方向(幅方向)、D2…第2横方向(前後方向)、D3…上下方向、D4…傾斜方向、D5…直交方向
【要約】
【課題】 手摺ベルトの走行の駆動を用いて、動作部を動作させることができるマンコンベヤ欄干装置及びマンコンベヤを提供する。
【解決手段】 マンコンベヤ欄干装置は、回転して走行する環状の手摺ベルトと、手摺ベルトに接し、手摺ベルトが走行することによって回転する回転体と、回転体が回転することによって動作する動作部と、を備える。
【選択図】
図2