(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】薬液注入装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20250313BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20250313BHJP
【FI】
A61M5/168 500
A61M5/142 522
(21)【出願番号】P 2023521176
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 KR2021013469
(87)【国際公開番号】W WO2022075662
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0128452
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0135924
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523049225
【氏名又は名称】イオフロー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EOFLOW CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ピン,インウク
(72)【発明者】
【氏名】ハン,サンチン
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンハ
(72)【発明者】
【氏名】ノ,ヒョンドク
(72)【発明者】
【氏名】パク,テジョン
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/068623(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/038751(WO,A1)
【文献】特表2019-527086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/168
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1時点に内部が少なくとも一部開放され、前記第1時点より遅い第2時点に前記内部が封止されるハウジングと、
前記ハウジング内に位置し、前記第2時点より遅い第3時点にユーザの操作によって前記ハウジングの外側に少なくとも一部が吐出されるニードル組立体と、
薬液が収容され、前記ニードル組立体と流体接続され、前記第2時点の後に前記ハウジング内で封止されるリザーバーと、
前記ニードル組立体とリザーバーとの間に介在され、前記第2時点の後に前記ハウジング内で封止され、前記第3時点の後に前記薬液の吐出に対する駆動力を生成する駆動モジュールと、
前記ハウジング内に収容され、前記第2時点の後に前記ハウジング内で封止される電池モジュールと、
前記ハウジング内に収容され、前記第2時点の後に前記ハウジング内で封止され、前記第3時点の後に前
記電池モジュールと電気的に接続され、前記駆動モジュールを制御するコントロールモジュールと
、
前記ハウジング内に収容され、前記コントロールモジュールと電気的に接続された少なくとも1つの電子モジュールとを含
み、
前記ハウジングは、前記第1時点において開放され、前記第2時点において封止される入口孔を含み、
前記電子モジュールは、前記第1時点において前記入口孔を介して外部電子装置と電気的に接続され、前記第2時点において前記外部電子装置との電気的接続が遮断されるように構成され、
前記電池モジュールは、前記第1時点および前記第2時点において使用が遮断される、薬液注入装置。
【請求項2】
少なくとも前記第1時点及び第2時点に前記駆動モジュールが動作しないように制御するトリガモジュールをさらに含む、請求項1に記載の薬液注入装置。
【請求項3】
前記リザーバーの内部に配置されるプランジャーに前記駆動力を伝達する伝達モジュールと、
少なくとも前記第1時点及び第2時点に前記伝達モジュールが動作しないように制御するトリガモジュールとをさらに含む、請求項1に記載の薬液注入装置。
【請求項4】
前記コントロールモジュールは、前記第1時点には前記電池モジュールとの電気的接続が遮断される、請求項1に記載の薬液注入装置。
【請求項5】
第1時点に内部が少なくとも一部開放され、前記第1時点より遅い第2時点に前記内部が封止されるハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、前記第2時点より遅い第3時点に前記ハウジングの外側に少なくとも一部が吐出されるニードル組立体と、
前記ハウジング内に収容され、薬液が収容され、前記ニードル組立体と流体接続されたリザーバーと、
前記ハウジング内に収容され、電気的に制御可能な複数の電子モジュールと、
前記複数の電子モジュールと電気的に接続された電池モジュールと、
前記第1時点に前記電子モジュールのうち少なくとも1つと電気的に接続されるアクチベーターとを含
み、
前記ハウジングは、前記第1時点において開放され、前記第2時点において封止される入口孔を含み、
前記電子モジュールは、前記第1時点において前記入口孔を介して外部電子装置と電気的に接続され、前記第2時点において前記外部電子装置との電気的接続が遮断されるように構成され、
前記電池モジュールは、前記第1時点及び前記第2時点において使用が遮断される、薬液注入装置。
【請求項6】
前記電子モジュールは、前記ニードル組立体とリザーバーとの間に介在され、前記薬液を前記ニードル組立体に伝達する伝達モジュールを含み、
少なくとも前記第1時点及び第2時点に前記伝達モジュールが動作しないように制御するトリガモジュールとをさらに含む、請求項5に記載の薬液注入装置。
【請求項7】
前記リザーバーの内部に配置されるプランジャーに駆動力を伝達する駆動モジュールと、
少なくとも前記第1時点及び第2時点に前記駆動モジュールが動作しないように制御するトリガモジュールとをさらに含む、請求項5に記載の薬液注入装置。
【請求項8】
前記電子モジュールは、前記第1時点にアクチベーターと電気的に接続され、前記第3時点に前記電池モジュールと電気的に接続される通信部を含む、請求項5に記載の薬液注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インスリン注入装置などの薬液注入装置は、患者の体内に薬液を注入するために使用されるが、これは医師や看護師のような専門医療従事者によって使用されることもあるが、ほとんどの場合、患者自身または保護者のような一般人によって使用されている。
【0003】
糖尿病患者、特に、小児糖尿病患者の場合、インスリンなどの薬液を定められた時間間隔を置いて人体に注入する必要がある。一定期間、人体に付着して使用するパッチ状の薬液注入装置が開発されており、このような薬液注入装置は、患者の腹部または腰などの人体に一定期間パッチ状に付着した状態で使用することができる。
【0004】
薬液注入による効果の増大のために、薬液注入装置は、薬液を患者の体に精密に注入することを制御する必要があり、小型の薬液注入装置を介して少量の薬液を精密に注入することが重要である。
【0005】
薬液注入装置は、人体に付着する場合、着用感に優れ、使いやすく、耐久性に優れ、低電力で駆動される必要がある。特に、薬液注入装置は、患者の皮膚に直接付着されて使用されるため、ユーザが便利かつ安全に薬液注入装置を駆動することが重要である。
【0006】
さらに、このような薬液注入装置は通常、使用期限が1年以上必要とされ、使用期限が差し迫った時点で使用しても保証する使用期間内では問題なく動作するように、この使用期間までに電池消費を最小限に抑えられるように維持する必要がある。
【0007】
また、薬液注入装置は、人体に付着する場合、着用感に優れ、使いやすく、耐久性に優れ、低電力で駆動される必要がある。特に、薬液注入装置は、患者の皮膚に直接付着されて使用されるため、ユーザが便利かつ安全に薬液注入装置を駆動することが重要である。
【0008】
従来、薬液注入装置には正常動作や誤動作をユーザに知らせるアラーム機能があったが、正常動作状態であるにもかかわらず、エラーによりアラームが持続し、ユーザに不便をかける問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態は、前記のような問題及び/または限界を解決するためのものであり、安全に駆動され、正確に薬物を伝達できる薬液注入装置を提供する。また、製造及び/または流通過程における電池の消費を最小限に抑えることができる薬液注入装置を提供する。
【0010】
本発明の実施形態は、必要の際に内部に設置されるアラームユニット及び複数のセンサユニットなどの内部装置の駆動を停止させることができ、ユーザに利便性を提供する薬液注入装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、一実施形態は、第1時点に内部が少なくとも一部開放され、前記第1時点より遅い第2時点に前記内部が封止されるように設けられたハウジングと、前記ハウジング内に位置し、前記第2時点より遅い第3時点にユーザの操作によって前記ハウジングの外側に少なくとも一部が吐出されるように設けられたニードル組立体と、前記第2時点以降に前記ハウジング内で封止され、薬液が収容され、前記ニードル組立体と流体接続されたリザーバーと、前記第2時点以降に前記ハウジング内で封止され、前記ニードル組立体とリザーバーの間に介在され、前記第3時点以降に前記薬液の吐出に対する駆動力を生成する駆動モジュールと、前記第2時点以降に前記ハウジング内で封止される電池モジュールと、前記第2時点以降に前記ハウジング内に封止され、第3時点以降に前記伝達モジュール及び電池モジュールと電気的に接続されて前記駆動モジュールを制御するように設けられたコントロールモジュールとを含む薬液注入装置を提供することができる。
【0012】
少なくとも前記第1時点及び第2時点に前記駆動モジュールが動作しないように制御するトリガモジュールをさらに含むことができる。
【0013】
前記リザーバーの内部に配置されるプランジャーに前記駆動力を伝達する伝達モジュールと、少なくとも前記第1時点及び第2時点に前記伝達モジュールが動作しないように制御するトリガモジュールとをさらに含むことができる。
【0014】
前記コントロールモジュールは、前記第1時点には前記電池モジュールとの電気的接続が遮断されるように設けられることができる。
【0015】
また他の実施形態によれば、第1時点に内部が少なくとも一部開放され、前記第1時点より遅い第2時点に前記内部が封止されるように設けられたハウジングと、前記ハウジング内に収容され、前記第2時点より遅い第3時点に前記ハウジングの外側に少なくとも一部が吐出されるように設けられたニードル組立体と、前記ハウジング内に収容され、薬液が収容され、前記ニードル組立体と流体接続されたリザーバーと、前記ハウジング内に収容され、電気的に制御可能な複数の電子モジュールと、前記複数の電子モジュールと電気的に接続された電池モジュールと、前記第1時点に前記電子モジュールのうち少なくとも1つと電気的に接続されるように設けられたアクチベーターとを含む薬液注入装置を提供することができる。
【0016】
前記電子モジュールは、前記ニードル組立体とリザーバーとの間に介在され、前記薬液を前記ニードル組立体に伝達する伝達モジュールを含み、少なくとも前記第1時点及び第2時点に前記伝達モジュールが動作しないように制御するトリガモジュールをさらに含むことができる。
【0017】
前記リザーバーの内部に配置されるプランジャーに駆動力を伝達する駆動モジュールと、少なくとも前記第1時点及び第2時点に前記駆動モジュールが動作しないように制御するトリガモジュールとをさらに含むことができる。
【0018】
前記電子モジュールは、前記第1時点にアクチベーターと電気的に接続され、前記第3時点に前記電池モジュールと電気的に接続される通信部を含むことができる。
【0019】
第1時点とは、薬液注入装置への出庫が完了する前のステップを意味することができる。具体的に、前記第1時点は、薬液注入装置の組み立てが完了し、その内部が防水処理等の封止が完了する前の状態を意味することができる。
【0020】
第2時点は、前記第1時点以降、薬液注入装置の封止が完了した状態を意味する。したがって、薬液注入装置の製造完了後に流通が進行される過程も第2時点に該当することができる。
【0021】
第3時点は、ユーザが使用を開始する時点を意味し、それによってユーザは薬液注入装置の少なくともコントロールモジュール及び/または駆動モジュールに対する動作を開始するステップを含むことができる。
【0022】
前記のような目的を達成するために、一実施形態は、ニードル組立体が取り付けられる第1ボディと、前記第1ボディに設けられ、前記ニードル組立体の駆動を制御し、内部装置と電気的に接続される制御モジュールとを含み、前記制御モジュールと一側には外側方向に破断部が突出形成され、前記破断部が外力によって破断され、前記制御モジュールと前記内部装置の電気的接続を解除可能な薬液注入装置を提供する。
【0023】
前記破断部は、予め設定される領域において幅が比較的狭く形成されることができる。
【0024】
前記第1ボディ、前記制御モジュール、前記内部装置が設けられ、一側に開口部が形成されるハウジング及び前記ハウジングに形成される開口部をカバーし、ユーザに隣接して配置される付着部をさらに含むことができる。
【0025】
前記破断部と対向して配置され、前記破断部に外力が加えられる経路を開閉する破断カバーをさらに含むことができる。
【0026】
前記第1ボディから前記破断部側に突出形成され、前記破断部の予め設定された領域を支持する支持部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
前記のような本発明の実施形態によれば、本発明に係る薬液注入装置とその駆動方法は、ユーザが簡単かつ安全に駆動させることができる。ユーザがニードル組立体のスリーブを回転させると、ニードル組立体ではカニューレが対象体に挿入され、クラッチモジュールが伝達モジュールを接続させて駆動モジュールの駆動で薬液を注入することができ、同時に駆動モジュールの駆動が開始されるため、簡単かつ安全に薬液注入装置を使用することができる。
【0028】
本発明に係る薬液注入装置とその駆動方法は、駆動モジュールが最適化された駆動環境で駆動されるため、薬液を定量吐出することができる。スタータは、駆動モジュールが駆動される前に駆動軸の位置を移動させることで、接触部材が駆動モジュールの内側面に付着されて駆動モジュールの駆動が妨げられることを防止することができる。薬液注入装置の保管性を向上させ、精度を維持するため、長時間保管された後に駆動されるとしても、駆動モジュールが初期にスムーズに駆動され、薬液を対象体に定量吐出することができる。
【0029】
ユーザがニードル組立体のスリーブを回転させると、ニードル組立体では、カニューレが対象体に挿入され、薬液の注入のための準備が完了し、それと共にクラッチモジュールが伝達モジュールと駆動モジュールとを接続させ、薬液がリザーバーからニードルへ注入されることができ、同時に駆動モジュールの駆動が開始される。したがって、ユーザがニードル組立体を簡単に回転させて安全に薬液注入装置の駆動を開始することができる。
【0030】
本発明に係る薬液注入装置とその駆動方法は、ニードル組立体のカニューレが対象体に挿入された後に、クラッチモジュールによって薬液を吐出するための構造が駆動接続されるため、安全に定量の薬物を対象体に注入することができる。
【0031】
本発明に係る薬液注入装置とその駆動方法は、ニードル組立体の回転によって直観的に駆動が開始され、ニードル組立体とトリガモジュールの回転方向が一方向に制限され、回転距離が予め設定された距離に制限されるため、ユーザの安全性を確保することができる。
【0032】
本発明は、ユーザのための衛生状態を持続的に維持した状態で、製造過程において電池消費を最小限に抑えたまま各種テストを進めることができるため、薬液注入装置の精度及び信頼性をさらに高めることができる。
【0033】
薬液注入装置が組み立てられて出荷される前までの状態、すなわち装置が組み立てられ、入口孔が開放された状態で、アクチベーターを介してハウジングの内部に収容された様々な装置を試験作動またはテストすることができる。これにより、ハウジング内部に取り付けられた電池モジュールの電源を使用せずに、前述した各種テストを完了することができ、これによって、電池モジュールの電源消費を最小限に抑えることができるため、製造過程や流通過程での電源消費問題を最小限に抑えることができる。
【0034】
本発明は、アラームユニット及び複数のセンサユニットなど内部装置と電気的に接続される制御モジュールに形成される破断部を外力により破断されて制御モジュールと内部装置との電気的接続を解除させることができ、必要の際は内部に設置されるアラームユニット及び複数のセンサユニットなどの内部装置の駆動を停止させることができ、ユーザに利便性を提供できる効果がある。
【0035】
本発明は、破断部が破断されることにより制御モジュールと電気的に接続されるアラームユニットが正常状態または誤動作状態での継続的なアラーム提供によりユーザに発生する不便を解消できる効果がある。
【0036】
もちろん、このような効果によって本発明の範囲が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る薬液注入システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る薬液注入システムの構成図である。
【
図3】
図3は、
図2の薬液注入装置に対するより具体的な実施形態を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図2の薬液注入装置に対するより具体的な実施形態を示す底面図である。
【
図5a】
図5aは、一実施形態に係るニードル組立体の駆動を示す断面図である。
【
図5b】
図5bは、一実施形態に係るニードル組立体の駆動を示す断面図である。
【
図5c】
図5cは、一実施形態に係るニードル組立体の駆動を示す断面図である。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る駆動モジュールの断面図である。
【
図7】
図7は、リザーバー及び伝達モジュールの一実施形態の構造を示す断面図である。
【
図8】
図8は、リザーバー及び伝達モジュールの一実施形態の一部の平面図である。
【
図9】
図9は、ハウジングの入口孔に隣接して設けられたアクチベーター部分の断面を示す図である。
【
図9】
図10は、ハウジングの入口孔に隣接して設けられたアクチベーター部分の断面を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係る薬液注入システムを示すブロック図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る薬液注入装置を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に係る薬液注入装置を示す底面斜視図である。
【
図21】
図21は、リザーバーの流量をセンシングする駆動を示す平面図である。
【
図22】
図22は、リザーバーに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液をニードルに排出する駆動を示す断面図である。
【
図23】
図23は、リザーバーに薬液を注入して薬液を貯蔵し、薬液をニードルに排出する駆動を示す断面図である。
【発明を実施するための最善の形態】
【0038】
本発明は、様々な変換を加えることができとともに、様々な実施形態を有することができ、特定の実施形態を図面に例示し、詳細に説明しようとする。本発明の効果及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述する実施形態を参照することで明らかになるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、様々な形態で具現されてもよい。
【0039】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明するものとし、図面を参照して説明するとき、同一又は対応する構成要素は同一の図面符号を付与し、これに対する重複の説明は省略する。
【0040】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0041】
以下の実施形態において、含むまたは有するなどの用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0042】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などの部分が他の部分のうえまたは上にあると言うとき、他の部分の真上にある場合だけでなく、その中間に他の膜、領域、構成要素等が介在されている場合も含む。
【0043】
ある実施形態が他の方法で具現可能である場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なる方法で実行されてもよい。例えば、連続して説明される2つの工程が実質的に同時に実行されてもよく、説明される順序とは逆の順序で実施されてもよい。
【0044】
図面では、説明の便宜上、構成要素の大きさが誇張または縮小されてもよい。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上任意に示しているため、以下の実施形態は必ずしも示されたものに限定されるものではない。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態に係る薬液注入システムを示したもので、一実施形態に係る薬液注入システムは、薬液注入装置1及び薬液注入制御電子装置2を含むことができる。
【0046】
図1を参照すると、薬液注入装置1は、薬液注入対象体に付着され、内部に貯蔵された薬液をユーザに設定された通りに定量注入することができる。選択的実施形態として、薬液注入装置1は、ハウジング5に結合された付着モジュール6を介してユーザの体に付着されて使用されることができる。また、他の選択的実施形態として、薬液注入装置1は、動物にも取り付けられ薬液を注入することができる。
【0047】
薬液注入装置1は、注入される薬液の種類に応じて様々な用途に使用することができる。例えば、薬液は、糖尿病患者のためのインスリン系の薬液を含むことができ、他の膵臓のための薬液、心臓用の薬液など、様々な種類の薬液を含むことができる。
【0048】
薬液注入装置1は、有線または無線で接続された薬液注入制御電子装置2と接続することができる。ユーザは、薬液注入制御電子装置2を操作して薬液注入装置1を制御及び/または薬液注入装置1の使用状態をモニタリングすることができる。例えば、薬液注入装置1から注入される薬液の量、薬液の注入回数、リザーバーに貯蔵された薬液の量、ユーザのバイオ情報などをモニタリングすることができ、これに基づいてユーザが薬液注入装置1を駆動させることができる。
【0049】
図2は、一実施形態に係る薬液注入システムの構成図である。
【0050】
一実施形態として、薬液注入装置1は、ハウジング5と、ハウジング5内に配置される複数の素子とを含む。前記ハウジング5内に配置される素子としては、ニードル組立体100、リザーバー200、電池モジュール700、伝達モジュール400及び複数の電子モジュールを含むことができる。一実施形態によれば、前記電子モジュールとしては、コントロールモジュール800、駆動モジュール300、センシングモジュール181、緊急スイッチ810、ブザー820及び/またはアクチベーター830を含むことができる。
【0051】
まず、ハウジング5は内部に空間を設け、この空間に前述した様々なモジュール及び/または装置が収容されることで、少なくとも一部に入口孔103を設け、これを介して内部が選択的に開放されることができる。このような開放は製造工程中にのみ行われ、その後の特定の時点においてはカバー体104によって封止されることができる。すなわち、少なくともユーザが最初に使用しようとする時点に、前記入口孔103は、カバー体104によって封止された状態を維持することができる。したがって、この時点以降にハウジング5内に位置するモジュール及び/または装置は封止されることができる。
【0052】
このようなハウジング5の封止は、完全な気密を維持する封止のレベルではなくてもよく、例えば、気体の気密ではなく液体の気密の程度を意味することができる。また、液体の気密も高圧及び/または長時間の気密に限定されるものではなく、例えば、生活防水程度の気密であっても構わない。
【0053】
リザーバー200はハウジング5内に配置され、内部に薬液を貯蔵する。
【0054】
ニードル組立体100はハウジング5内に配置され、リザーバー200に貯蔵された薬液をユーザの体内に伝達する。
【0055】
ニードル組立体100とリザーバー200との間には、コントロールモジュール800の制御によって薬液をニードル組立体100に伝達する伝達モジュール400が位置する。この伝達モジュール400は、リザーバー200内にある薬液を定量吐出するメカニズムを含むことができる。
【0056】
電池モジュール700は、ハウジング5内に収容され、ハウジング5内の電子モジュールに電源を供給する。このような電池モジュール700は、一次電池または二次電池を使用することができ、防水及び/または汚染などの問題でハウジング5は前記電池モジュール700を交換するための別途締結構造を有しないようにすることができる。
【0057】
コントロールモジュール800はハウジング5内に収容され、電池モジュール700に電気的に接続されたものであり、薬液注入装置1を制御する。
【0058】
前記コントロールモジュール800は、通信部801、プロセッサ802及びスイッチングモジュール803を含むことができる。
【0059】
通信部801は、薬液注入制御電子装置2と通信するための構成である。通信部801は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(Wi-Fi)通信部、ジグビー(ZigBee、登録商標)通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD( Wi-Fi(登録商標) Direct)通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などの近距離通信部、移動通信網を含むことができる。
【0060】
プロセッサ802は、薬液注入装置1を全体的に制御するための構成である。例えば、プロセッサ802は、CPU、ラム(RAM)及び/またはロム(ROM)を含むことができる。ここで、ロムはシステム起動のための命令語セットが記憶される構成であることができる。本発明の一実施形態により、プロセッサ802は、デジタル信号を処理するデジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor(DSP)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、TCON(Time controller)に具現されることができる。ただし、これに限定されるものではなく、中央処理装置(central processing unit(CPU))、MCU(Micro Controller Unit)、MPU(micro processing unit)、コントローラ(controller)、アプリケーションプロセッサ(application processor(AP)またはコミュニケーションプロセッサ(communication processor(CP))、ARMプロセッサのうち1つまたは複数を含むか、該当用語で定義されることができる。また、プロセッサ802は、プロセッシングアルゴリズムが組み込まれたSoC(System on Chip)、LSI(large scale integration)で具現されてもよく、FPGA(Field Programmable gate array)の形態で具現されてもよい。
【0061】
前記スイッチングモジュール803は、薬液注入装置1の電気的接続を制御することができる。例えば、前記スイッチングモジュール803は、ユーザによってニードル組立体100のニードルが挿入される前まで電池モジュール700によってコントロールモジュール800が動作することを遮断することができる。すなわち、ユーザが使用する前までは、最小限の機能を除いて装置全体がOFF状態を維持するように制御することができる。また、前記スイッチングモジュール803は、ユーザが使用する前まで、すなわち製造過程とカバー体104による封止以降、ユーザの使用開始前までの時点にセンシングモジュール181、緊急スイッチ810、ブザー820、駆動モジュール300及びコントロールモジュール800が電池モジュール700に電気的に接続されて動作するか、または予備電力を消費することを選択的に遮断することができる。また、ユーザの装置使用以降は、装置全体の電子モジュールに対して電池モジュール700と電気的に接続するようにすることができる。また、後述するように、ユーザの装置使用前の時点においてもアクチベーター830と電気的に接続されて各種テストに応えるように設けられることができる。図示の実施形態によれば、前記スイッチングモジュール803はプロセッサ802と区別される別途のモジュールとして示されているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、前記スイッチングモジュール803はプロセッサ802の一ブロックとして、電気的接続を管理するように機能するプログラムを含むブロックであることができる。
【0062】
一方、前記駆動モジュール300はコントロールモジュール800に接続され、伝達モジュール400に対して動力を提供することができる。このような駆動モジュール300は、様々なポンプ装置を使用することができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、精密制御モータ、形状記憶素子などの駆動装置を使用することができる。
【0063】
一実施形態によれば、伝達モジュール400とリザーバー200との間にはクラッチモジュール500が含まれることができるが、クラッチモジュール500によってリザーバー200内の薬液吐出手段が伝達モジュール400に対して選択的に結合されることができる。
【0064】
そして、トリガモジュール600が駆動モジュール300、伝達モジュール400またはクラッチモジュール500のうち少なくとも1つに結合されることができ、ユーザの選択に応じて駆動モジュール300、伝達モジュール400及び/またはクラッチモジュール500の動作が開始されるようにするか、準備させることができる。
【0065】
センシングモジュール181は少なくとも1つのセンサを含むことができる。前記センサは、ニードル組立体100が挿入有無などをセンシングし、その情報をコントロールモジュール800に伝達することができる。一実施形態によれば、センシングモジュール181は、その他の様々なセンサをさらに含むことができる。例えば、リザーバー200に結合されてユーザがリザーバー200に薬液を充填する程度及び/またはリザーバー200から薬液の吐出程度を測定するセンサをさらに含むことができる。
【0066】
緊急スイッチ810は、コントロールモジュール800と電気的に接続されて薬液注入装置1に問題が生じた場合、ユーザが作動させ、薬液の注入を停止させる。このような緊急スイッチ810は、危険な状況でのセーフ機能を果たすようにして、患者に不要な薬液が供給されないようにすることができる。
【0067】
ブザー820はコントロールモジュール800と電気的に接続されたものであり、危機状況などで音を出すように設けられ、ユーザに注意を喚起させることができる。
【0068】
アクチベーター830は、前述したハウジング5の入口孔103が開放されたときに、ハウジング5内の電子モジュールのうち少なくとも1つと電気的に接続されるように設けられることができる。
【0069】
具体的に、前記アクチベーター830はコントロールモジュール800と電気的に接続されることができる。これにより、ハウジング5の入口孔103が開放された時点で外部装置をコントロールモジュール800と電気的に接続させることができ、また、コントロールモジュール800に電気的に接続された様々な電子モジュールともコントロールモジュール800を介して電気的に接続させることができる。入口孔103が開放された時点は、電池モジュール700から電源が遮断されている状態になり得るが、この状態でアクチベーター830を介してハウジング5の内部の収容された様々な電子モジュールに対するスイッチング、テスト及び/または診断を行うことができる。
【0070】
図2によれば、前記アクチベーター830がコントロールモジュール800に電気的に接続され、コントロールモジュール800を介して他の電子モジュールと電気的に通信するように示されているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、図には示されていないが、前記アクチベーター830は、ハウジング5内に使用された他の電子モジュール、例えば駆動モジュール300、センシングモジュール181、緊急スイッチ810及び/またはブザー820と直接接続されることができる。
【0071】
選択的に、前記アクチベーター830は、電池モジュール700と直接接続するように電気的に接続されることができる。これにより、前記入口孔103が開放された時点で外部からアクチベーター830を介して電池モジュール700の制御及び/または外部からの電源供給を可能にすることができる。さらに、前記アクチベーター830は接地用途にも使用することができる。
【0072】
薬液注入装置1は、非常に高い等級の防水性能を要求する医療機器であり、ユーザが任意に分解する場合、必ず分解した痕跡がはっきりと残るようにしなければならないなど、一度組み立てると再び分解して使用することが難しい。さらに、再使用できないように使い捨て電池で駆動されることもあり、12ヶ月以上の長い使用期限を有する場合もある。このように薬液注入装置1は、生産や流通の過程で電池の消費が最小限に抑えられ、その性能が低下しないように維持する必要がある。
【0073】
そのために、薬液注入装置1が組み立てられて出荷される前まで、薬液注入装置1の様々な部品の機能をテストするのに組み込まれた電池を使用することには限界がある。すなわち、この場合、薬液注入装置1の各種テスト時の電池消費を最小限に抑え、ユーザが薬液注入装置1を取得した後、動作を開始する前までは、最小限の電源で待機状態(standーby)が維持できなければならない。例えば、ユーザがリザーバー200に薬液を一定量注入すると、スイッチオンになるのに十分な程度の監視電力のみを維持するようにすることができる。
【0074】
この状態で、前記アクチベーター830は、前述したようにコントロールモジュール800、電子モジュール及び/または電池モジュール700と電気的に接続されているため、薬液注入装置1が組み立てられて前記入口孔103が開放されている状態で外部電源、テスト装置等をアクチベーター830に接続させることにより、電池モジュール700の電源を使用せずに薬液注入装置1の各種テストを行うことができる。
【0075】
より具体的には、前記アクチベーター830を介して外部電源が薬液注入装置1に供給されるようにすることができる。この場合、前記アクチベーター830は、少なくとも2つの配線パターンを含むことができる。
【0076】
選択的に、前記アクチベーター830を介して外部テスト装置を接続され、駆動モジュール300を含む各種装置をテストすることができる。
【0077】
選択的に、前記アクチベーター830を介して駆動モジュール300を試験動作させることができる。
【0078】
組み立てられて出荷される前までの状態、すなわち装置が組み立てられて入口孔103が開放された状態で前記アクチベーター830は外部に露出されることができる。このように露出されたアクチベーターを介して、前述したようにハウジング5の内部に収容された様々な装置を試験動作または試験することができる。この後、カバー体104を介して入口孔103を封止することにより、ハウジング5の防水機能が完了されることができる。このように前記アクチベーター830を介して各種テストを進めることができるため、ハウジング5の内部に取り付けられた電池モジュール700の電源を使用せずに、前述した各種テストを完了することができる。これは、電池モジュール700の電源消費を最小限に抑えることができるため、製造過程や流通過程での電源消費問題を最小限に抑えることができる。
【0079】
一方、薬液注入制御電子装置2は、有無線通信環境においてアプリケーションを利用できる通信端末を含むことができる。ここで、薬液注入制御電子装置2は、ユーザの携帯端末であることができる。これをより詳細に説明すると、薬液注入制御電子装置2は、コンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピューティングプラットフォーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピューティングデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアントなど)、携帯電話の任意の形態、ユーザの身体に付着または取り付けて使用可能なウェアラブル(wearable)デバイスの形態、または他の種類のコンピューティングまたはコミュニケーションプラットフォームの任意の形態を含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0080】
このような薬液注入制御電子装置2は、プロセッサ25、通信部21、入力部22、出力部23及び記憶部24を含むことができる。
【0081】
プロセッサ25は、薬液注入装置1及び/または薬液注入制御電子装置2を全体的に制御するための構成である。具体的には、プロセッサ25は、薬液注入制御電子装置2の記憶部24に記憶された各種プログラムを用いて薬液注入装置1及び/または薬液注入制御電子装置2の全体的な動作を制御する。例えば、プロセッサ25は、CPU、ラム(RAM)及び/またはロム(ROM)を含むことができる。ここで、ロムはシステム起動のための命令語セットが記憶される構成であり、CPUはロムに記憶された命令語に従って薬液注入制御電子装置2のメモリに記憶されたオペレーティングシステムをラムにコピーし、O/Sを実行させてシステムを起動させる。起動が完了すると、CPUは、記憶部24に記憶された各種アプリケーションをラムにコピー、実行させて各種動作を行うことができる。以上では、薬液注入制御電子装置2が1つのCPUのみを含むものとして説明したが、具現時には複数のCPU(またはDSP、SoCなど)で具現されることができる。
【0082】
本発明の一実施例により、プロセッサ25は、デジタル信号を処理するデジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor(DSP)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、TCON(Time controller)で具現されることができる。ただし、これに限定されるものではなく、中央処理装置(central processing unit(CPU))、MCU(Micro Controller Unit)、MPU(micro processing unit)、コントローラ(controller)、アプリケーションプロセッサ(application processor(AP)またはコミュニケーションプロセッサ(communication processor(CP))、ARMプロセッサのうち1つまたは複数を含むか、該当用語で定義されることができる。また、プロセッサ25は、プロセッシングアルゴリズムが組み込まれたSoC(System on Chip)、LSI(large scale integration)で具現されることもでき、FPGA(Field Programmable gate array)の形態で具現されることもできる。
【0083】
薬液注入制御電子装置2は、プロセッサ25の処理または制御のためのプログラム及び/またはプログラムの動作のための様々なデータを記憶した記憶部24を含むことができる。記憶部24は、薬液注入装置1及び/または薬液注入制御電子装置2で駆動される複数のアプリケーションプログラム(application program)またはアプリケーション(application)、薬液注入装置1及び/または薬液注入制御電子装置2の動作のためのデータ、命令語を記憶することができる。このようなアプリケーションプログラムのうち少なくとも一部は、無線通信を介して外部サーバからダウンロードすることができる。さらに、このようなアプリケーションプログラムのうち少なくとも一部は、薬液注入装置1及び/または薬液注入制御電子装置2の基本的な機能のために出庫当時から薬液注入制御電子装置2上に存在することができる。アプリケーションプログラムは、記憶媒体に記憶され、プロセッサ25によって薬液注入装置1及び/または薬液注入制御電子装置2の動作(または機能)を実行するように駆動されることができる。
【0084】
通信部21は、薬液注入装置1及び/または外部装置、すなわち、サーバ、他のユーザ端末などの装置とデータを送受信するための構成である。通信部21は、ブルートゥース通信部、BLE(Bluetooth Low Energy)通信部、近距離無線通信部(Near Field Communication unit)、WLAN(Wi-Fi)通信部、ジグビー(ZigBee)通信部、赤外線(IrDA、infrared Data Association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra wideband)通信部、Ant+通信部などの近距離通信部、移動通信網を含むことができる。
【0085】
入力部22は、薬液注入制御電子装置2に様々な情報を入力するためのユーザインタフェースを含むことができる。
【0086】
出力部23は、プロセッサ25によって処理された薬液注入ロジック、薬液注入状況、血糖値状況、エフェクトなどを表示することができる。本発明の一実施例によれば、出力部23は、入力部22を介して入力されたユーザ入力に応じたユーザインタフェースを表示することができる。出力部23は、記憶されたグラフィックデータ、視覚データ、聴覚データ、振動データを記憶部24の制御により出力することができる。
【0087】
出力部23は、様々な形態のディスプレイパネルで具現することができる。例えば、ディスプレイパネルは、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diodes)、AM-OLED(Active-Matrix Organic Light-Emitting Diode)、LcoS(Liquid Crystal on Silicon)、またはDLP(Digital Light Processing)などの様々なディスプレイ技術で具現することができる。また、出力部23は、フレキシブルディスプレイ(flexible display)の形態でディスプレイパネルの前面領域、側面領域及び背面領域のうち少なくとも一方に結合されることができる。
【0088】
出力部23は、層構造のタッチスクリーンで具現することができる。タッチスクリーンは、ディスプレイ機能だけでなくタッチ入力位置、タッチされた面積だけでなくタッチ入力の圧力までも検出する機能を有することができ、また実質的なタッチ(real-touch)だけでなく近接タッチ(proximity touch)も検出する機能を有することができる。
【0089】
薬液注入制御電子装置2は、記憶部24及び通信部21を内部に含むことができる。薬液注入制御電子装置2は、プロセッサ25、入力部22、出力部23のうち少なくとも1つを設けていなくてもよく、遠隔装置内に設けられたプロセッサ25、入力部22、出力部23のうち少なくとも1つと電気的に接続されることができる。
【0090】
図1及び
図2によれば、薬液注入制御電子装置2は単一のデバイスであるように示されているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、薬液注入装置1と通信することができる複数のデバイスを含むことができる。
【0091】
図3は、
図2の薬液注入装置1に対するより具体的な実施形態を示す平面図であり、
図4はその底面図である。
【0092】
図3を参照すると、薬液注入装置1の一実施形態は、薬液注入装置1は、ベースボディ50、ニードル組立体100、リザーバー200、駆動モジュール300、伝達モジュール400、クラッチモジュール500及び電池モジュール700を含むことができる。
【0093】
ベースボディ50は、ハウジング5の基本的なフレームを形成し、ハウジング5の内部空間に取り付けられる。ベースボディ50は複数設けられてもよい。他の実施形態として、ベースボディは一体型の1つのフレームで形成することができる。
【0094】
図3に示す実施形態による薬液注入装置1は、選択的にトリガモジュール600をさらに含むことができる。
【0095】
ベースボディ50は、トリガモジュール600が回動できる空間を提供することができる。ベースボディ50はトリガモジュール600を支持し、トリガモジュール600がベースボディ50から突出した回動軸51を基準に回動することができる。
【0096】
ベースボディ50は、トリガモジュール600の回動距離を制限するストッパーを設けることができる。ストッパーは複数設けられてもよく、トリガモジュール600が予め設定された位置まで回動するよう、トリガモジュール600の移動距離を制限することができる。一実施形態によれば、前記ストッパーは第1ストッパー52及び第2ストッパー53を含むことができる。
【0097】
第1ストッパー52はベースボディ50から上部に突出し、ニードル組立体100に隣接して配置される。第1ストッパー52は、トリガモジュール600の第1端610に接触するように配置され、第1端610が一方向に回転した後に逆方向に回転しないように、回転方向と回転距離を制限することができる。第1ストッパー52は、トリガモジュール600の回動方向を制限する側壁を有することができる。
【0098】
第2ストッパー53は、リザーバー200、伝達モジュール400及びクラッチモジュール500に隣接して配置される。第2ストッパー53は、ベースボディ50において上部も突出するように配置され、トリガモジュール600の第2端620の移動距離を制限することができる。一実施形態として、第2ストッパー53は、長手方向の延長線が回動軸51の中心を通過することができる。
【0099】
このようなトリガモジュール600の実施形態は必ずしも前述した実施形態に限定されるものではなく、ユーザの意図に従って駆動モジュール300、伝達モジュール400またはクラッチモジュール500のうち少なくとも1つの動作を開始できるようにする様々な装置を使用することができることは言うまでもない。
【0100】
薬液注入装置1の底面には付着部6が設けられ、ユーザの皮膚に付着されることができる。この底面にはニードルNが露出されることができるが、ユーザが装置を最初に使用する前のステップでは、ニードルNが露出された穴は別途のカバー部材(図示せず)と結合されており、外部と遮断された封止状態を維持することができる。そして、選択的に底面には緊急スイッチ810が露出され、ユーザがこのスイッチ810を押すことによって危険な状況で停止させることができる。この緊急スイッチ810は、外部の水分が浸透できないように、封止されるように設けられることができる。
【0101】
薬液注入装置1の底面には、前述した入口孔103が形成されることができるが、前記入口孔103は必ずしも1つに限定されるものではなく、複数個形成されることができる。また、薬液注入装置1が発売されるステップでは、この入口孔103はカバー体104で覆われて内部封止状態を維持することができる。前記カバー体104は、ハウジング内部を封止する接合フィルムを使用することができるが、一実施形態によれば、液体の連通を遮断し、気体は連通させるフィルムを使用することができる。具体的な一実施形態によれば、前記カバー体104としては、Tyvek材質またはゴアテックス(登録商標)材質を使用することができる。また、前記カバー体104は、複数の入口孔103を同時に覆う構造とすることができるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、入口孔103ごとに付着される構造とすることができる。
【0102】
図5a~
図5cは、一実施形態に係るニードル組立体100の駆動を示す断面図である。
【0103】
図5a~
図5cを参照すると、ニードル組立体100はベースボディ50に取り付けることができる。ニードル組立体100は、回転でニードルN及び/またはカニューレCが軸方向に移動することができる。ニードル組立体100は、スリーブ110、弾性部材120、第1ホルダー130、第2ホルダー140、ニードルN、カニューレC及びパッチPを設けることができる。
【0104】
スリーブ110はニードル組立体100の外観を形成し、長手方向を中心軸に回転することができる。スリーブ110の内部には弾性部材120が配置され、スリーブ110は弾性部材120から膨張力を伝達されることができる。
【0105】
選択的に、一実施形態によれば、スリーブ110の外側にはノブ101を配置することができる。ニードル組立体100が回動すると、ノブ101はトリガモジュール600の第1端610を加力し、トリガモジュール600を回動させることができる。
【0106】
スリーブ110の内側面には移動突起115を配置することができる。移動突起115は、第1ホルダー130の外周面に配置されたガイド溝131に沿って移動することができる。スリーブ110が回転すると、移動突起115はガイド溝131の側壁に沿って移動し、第1ホルダー130が上昇または下降することができる。
【0107】
弾性部材120は、スリーブ110と第1ホルダー130との間に配置されることができる。弾性部材120が膨張すると、第1ホルダー130を下方向に移動させることができる。また、第1ホルダー130が上方向に移動すると、弾性部材120は圧縮されることができる。
【0108】
第1ホルダー130はニードルNを支持することができる。第1ホルダー130の一側にはニードルNが挿入及び固定されるため、第1ホルダー130が軸方向に移動すると、ニードルNも一緒に移動する。第1ホルダー130はスリーブ110の内部空間に配置されるが、上部には弾性部材120が配置される。
【0109】
第1ホルダー130は、外側面にガイド溝131を設けることができる。ガイド溝131は、移動突起115の移動を案内することができる。スリーブ110が回転すると、移動突起115はガイド溝131が形成する予め設定された経路で移動し、第1ホルダー130が昇降または下降することができる。
【0110】
ガイド溝131は、第1停止溝131a、昇降溝131b、傾斜溝131c、第2停止溝131d及び移動制限溝131eを設けることができる。第1停止溝131aは移動突起115が最初に位置する溝であり、ここで弾性部材120は収縮状態を維持する。昇降溝131bは、第1ホルダー130の長手方向に延びる。弾性部材120が膨張すると、第1ホルダー130は下降し、移動突起115は昇降溝131bに沿って移動する。傾斜溝131cは、予め設定された傾斜を有するように延びる。移動突起115が傾斜溝131cに沿って移動すると、弾性部材120は再び収縮し、第1ホルダー130は再び上昇する。第2停止溝131dは移動突起115が再び最初の位置に戻る溝であり、このとき弾性部材120は再び収縮状態を維持する。
【0111】
第2ホルダー140は、第1ホルダー130の一側に面するように配置され、カニューレCを支持することができる。第2ホルダー140はフレキシブルな材料で形成され、外力が加わると瞬時に形状が変形されることができる。
【0112】
第2ホルダー140は、
図5a及び
図5bの位置では第1ホルダー130と接触を維持するが、
図5cのように弾性部材120が再び収縮すると、第1ホルダー130から分離されてベースボディ50に固定される。
【0113】
中央ボディ141の中心にはカニューレCが挿入され、第1ホルダー130の移動によってニードルNが選択的に結合されることができる。中央ボディ141は、第1ホルダー130の下端と接触することができる。
【0114】
ロッキング突起142は、中央ボディ141から外側に突出し、フレキシブルに形成されることができる。ロッキング突起142は複数個設けられることができる。
図5cを参照すると、ロッキング突起142は、第2ホルダー140が下降する際にレッジ部55に固定され、第1ホルダー130が再び昇降してもベースボディ50に固定されることができる。
【0115】
センサ143は、ロッキング突起142の一側に配置されることができる。ただし、これに限定されず、中央ボディ141の外側面に配置されることもできる。センサ143は、カニューレCが正確にユーザの皮膚に挿入されたかどうかを感知することができる。センサ143は、第2ホルダー140とベース40との接触をセンシングすることができる。
【0116】
詳細には、第2ホルダー140が下方向に移動する際にレッジ部55を越えて移動するため、センサ143でベース40の上部に配置された接触部45との接触有無を測定することができる。センサ143は導電性物質で形成され、接触部45と接触すると電気信号が生成され、コントロールモジュール(図示せず)は第2ホルダー140の挿入有無を確認することができる。
【0117】
ニードルNは、第1ホルダー130に固定されるため、第1ホルダー130の軸方向移動によってカニューレCに挿入または挿入解除されることができる。ニードルNの一端はリザーバー200に接続されて薬液が伝達されることができ、他端はカニューレCに挿入されてカニューレCに沿って移動することができる。
【0118】
カニューレCは、第2ホルダー140に固定されるため、第2ホルダー140の軸方向移動によってユーザの皮膚に挿入されることができる。カニューレCは、ニードルNを収容することができる導管状を有するため、ニードルNから吐出された薬液がユーザに注入されることができる。
【0119】
パッチPはベース40に支持され、カニューレCの位置を固定することができる。カニューレCの端部がパッチPに支持されるため、保管中や移動中にカニューレCが分離されることを防止することができる。
【0120】
図5aのように、ニードルNとカニューレCは初期にニードル組立体100の内部に配置される。ユーザがスリーブ110を一次回転させると、移動突起115はi方向に移動して第1停止溝131aを越える。
【0121】
図5bのように、弾性部材120の膨張力によって、第1ホルダー130は下降する。移動突起115は実際には軸方向に移動しないが、第1ホルダー130の下降によって、第1ホルダー130に対して相対的に昇降溝131bに沿ってj方向に移動する。第1ホルダー130と第2ホルダー140は共に下降し、ニードルNとカニューレCがパッチPを通過して対象体に挿入される。
【0122】
図5cのように、ユーザがスリーブ110を二次回転させると、移動突起115が傾斜溝131cに沿ってk方向に移動し、第2停止溝131dに挿入される。第2ホルダー140はレッジ部55によって固定されるが、第1ホルダー130はスリーブ110の回転によって上昇し、弾性部材120は第1ホルダー130の上昇によって再収縮される。
【0123】
この時、カニューレCはユーザの皮膚に挿入された状態を維持するが、ニードルNは上昇して対象体から分離される。ただし、カニューレCとニードルNとは流体接続され、リザーバー200から注入される薬液はニードルNとカニューレCを介してユーザに注入されることもできる。
【0124】
薬液注入装置10は、ユーザが簡単にスリーブ110を回転させ、カニューレCを対象体に挿入し、薬液注入を開始することができる。薬液注入装置1は、ユーザがスリーブ110を一次回転させてカニューレCが対象体に挿入され、ノブ101がトリガモジュール600を加力して駆動されることができる。より好ましくは、
図5cに示すように、ニードルNが対象体から引き出され、カニューレCのみが対象体に挿入された状態で、ノブ101がトリガモジュール600を加力して薬液を伝達するために駆動モジュール300を駆動させ、リザーバー200から薬液が定量吐出されることができる。したがって、ユーザは便利で安定的に薬液注入装置1を使用することができる。
【0125】
再び
図3を参照すると、リザーバー200はベースボディ50に取り付けられ、ニードル組立体100に接続される。リザーバー200の内部にはプランジャー(図示せず)が直線移動し、薬液をニードルNに排出することができる。
【0126】
駆動モジュール300は駆動力を生成して伝達モジュール400に駆動力を伝達することができる。伝達モジュール400によって伝達された駆動力は、プランジャー230(
図7参照)をリザーバー200の内部に直線移動させ、薬液を排出することができる。
【0127】
駆動モジュール300は、電気によって薬液吸引力と薬液吐出力を有するあらゆる種類の装置を用いることができる。例えば、機械変位型マイクロポンプや電磁気運動型マイクロポンプなどのあらゆる種類のポンプを用いることができる。機械変位型マイクロポンプは、流体の流れを誘導するために圧力差を生じさせるようにギアやダイアフラムなどの固体または流体の運動を利用するポンプであり、ダイヤフラム変位ポンプ(Diaphragm displacement pump)、流体変位ポンプ(Fluid displacement pump)、回転ポンプ(Rotary pump)などがある。電磁気運動型マイクロポンプは、電気的または磁気的形態のエネルギーを直に流体の移動に利用するポンプであり、電気流体力学ポンプ(Electro hydrodynamic pump、EHD)、電気浸透流ポンプ(Electro osmotic pump)、磁気流体力学ポンプ(Magneto hydrodynamic pump)、エレクトロウェッティングポンプ(Electro wetting pump)などがある。
【0128】
駆動モジュール300は、クラッチモジュール500によって伝達モジュール400が接続されると(engaged)、伝達モジュール400の駆動ホイール420を回転させ、駆動ホイール420の回転によりロッドが直線移動してプランジャー(図示せず)がリザーバー200の内部で移動することができる。
【0129】
図6は、一実施形態に係る駆動モジュール300の断面図である。
【0130】
駆動モジュール300は、カバー310の内部に配置されるメンブレン320を設けることができる。メンブレン320は、駆動モジュール300の内部空間を第1空間S1と第2空間S2とに区画することができる。駆動モジュール300は、第1空間S1と第2空間S2の体積変化によって駆動軸330を直線移動させることができる。
【0131】
メンブレン320は、流体とイオンの移動が可能な多孔性構造を有することができる。メンブレン320は、例えば、球状シリカを熱で焼成して製造したフリット状メンブレンであることができる。例えば、メンブレンの形成に使用する球状シリカは、約20nm~約500nmの直径を有することができ、具体的には、約30nm~約300nmの直径を有することができ、さらに具体的には、約40nm~約200nmの直径を有することができる。前記球状シリカの直径が前述した範囲を満たす場合、メンブレン320を通過する第1流体による圧力、すなわち、駆動軸330を移動させるのに十分な圧力を発生させることができる。
【0132】
前述した実施例において、メンブレン320が球状シリカを含むことを説明したが、メンブレン320がこれに限定されるものではない。他の実施例として、メンブレン320は、多孔性シリカまたは多孔性アルミナなどのゼータ電位(zeta potential)によるエレクトロキネティック(eletrokinetic)現象を引き起こす可能性がある材料であれば、その種類を限定するものではない。
【0133】
メンブレン320は、約20μm~約10mmの厚さを有することができ、具体的には、約300μm~約5mmの厚さを有することができ、さらに具体的には、約1,000μm~約4mmの厚さを有することができる。
【0134】
メンブレン320の両側には、第1電極体321と第2電極体322がそれぞれ配置される。第1電極体321及び第2電極体322はそれぞれ多孔性プレート形態を有することができる。
【0135】
多孔性プレートは、それぞれメンブレン320の両主面(main surface)と接触するように配置することができる。多孔性プレートは、多孔構造を通して流体とイオンを効果的に移動させることができる。多孔性プレートは、多孔性のベース層に電気化学反応物質が形成された構造を有することができる。電気化学反応物質は、例えば、無電解メッキ、真空蒸着、コーティング、ゾル-ゲルプロセスなどの方法で多孔性ベース層に電着またはコーティングすることによって形成されることができる。
【0136】
多孔性ベース層は、約0.1μm~約500μmの気孔サイズを有することができ、具体的には、約5μm~約300μmの気孔サイズを有することができ、さらに具体的には、約10μm~約200μmの気孔サイズを有することができる。多孔性ベース層の気孔サイズが前述した範囲を満たす場合、流体とイオンを効果的に移動させ、駆動モジュール300の安定性と寿命特性及び効率を向上させることができる。
【0137】
駆動軸330は、カバー310の一側に配置され、第1空間S1と第2空間S2の体積変化に応じて直線移動することができる。第1電極体321と第2電極体322で酸化還元反応が発生すると、酸化還元反応で生成された生成物(例えば、水素イオン、水)によって、第1空間S1と第2空間S2は体積変化が生じる。第1空間S1と第2空間S2の体積変化は駆動軸330を加力して駆動軸が直線移動することができる。
【0138】
図6を参照すると、駆動軸330の端部には移動端340が配置され、駆動モジュール300で生成された駆動力を伝達モジュール400に伝達することができる。移動端340は、駆動軸330に挿入されるボディ341と、ボディ341の上部に突出されるガイド突起342と及び伝達モジュール400と接続される接続シャフト343を設けることができる。
【0139】
ガイド突起342は、トリガモジュール600やスタータ650と対向する側壁が傾斜して形成されてもよい。傾斜面342aは、駆動軸330に沿って所定の角度を有することができる。
【0140】
接続シャフト343は、伝達モジュール400のコネクタ(図示せず)と接続される。駆動軸330の直線移動で接続シャフト343も直線移動し、前記コネクタを移動させて駆動ホイール420を駆動させることができる。
【0141】
駆動軸330の外側には接触部材350を取り付けることができる。駆動モジュール300の内部空間、例えばカバー310の内側面と駆動軸330の一側面とに定義される第2空間S2は、密閉空間で、内部には流体が存在する。接触部材350は、カバー310の内側面と駆動軸330との間の隙間に流体が漏れることを防止することができる。
【0142】
接触部材350は、所定の弾性を有する物質で形成され、カバー310の内側面と駆動軸330との間の隙間を緊密に密閉させることができる。一実施形態として、接触部材350は、シリコン系及び/またはゴム系の物質で形成されることができる。
【0143】
図7は、リザーバー200及び伝達モジュール400の一実施形態の構造を示す断面図であり、
図8は、その一部の平面図である。
【0144】
伝達モジュール400は、駆動モジュール300とリザーバー200との間に設けられ、駆動モジュール300で生成された駆動力でリザーバー200内に配置されたプランジャー230を移動させることができる。ただし、伝達モジュール400は、ロッド410と駆動ホイール420がクラッチモジュール500によってカップリングされている場合にのみプランジャー230を移動させることができる。
【0145】
ロッド410は、一端がプランジャー230に接続され、一方向に延びる。駆動ホイール420は駆動モジュール300に駆動可能に接続され、駆動モジュール300の駆動で回転することができる。駆動ホイール420は、第1接続端421と第2接続端422とを有し、内部にロッドが移動可能な空間を設けることができる。第1接続端421及び第2接続端422のうち少なくとも1つは、コネクタによって駆動モジュール300と駆動可能に接続されるため、駆動モジュール300の駆動で駆動ホイール420が回転することができる。
【0146】
一実施形態として、第1接続端421と第2接続端422はギア歯の形状を有することができる。駆動モジュール300に接続されるコネクタ(図示せず)はギア歯を加力して駆動ホイール420が回転することができる。
【0147】
駆動ホイール420は、第1接続端421に突出したハブ423を設けることができる。
図8を参照すると、ハブ423は予め設定された高さに突出することができる。ハブ423は、トリガモジュール600の第2フランジ621を挿入できる空間を形成することができる。
【0148】
駆動ホイール420は、一側から突出し、カプラー510の一端部511を支持する第1サポータ424を設ける。
図8に示すように、第1サポータ424は、駆動ホイール420の一面に配置され、カプラー510の直径が拡張した状態を維持するようにカプラー510の一端部511を支持することができる。
【0149】
選択的実施形態として、第1サポータ424は、端部にカプラー510の一端部511が外れないように突出した突起を設けることができる。
【0150】
カプラー510が第1サポータ424から分離されると、カプラー510は直径が縮小されながらインサーター520を把持する。カプラー510は設定された半径に収縮するため、インサーター520に予め設定された把持力を提供することができる。
【0151】
クラッチモジュール500は、駆動モジュール300と伝達モジュール400とを駆動的に接続させることができる。クラッチモジュール500は、ロッド410と駆動ホイール420との間に配置され、インサーター520とカプラー510を設けることができる。
【0152】
インサーター520は、少なくとも一部がロッド410に挿入されるように配置されることができる。インサーター520は、ロッドの外側を覆うように配置される。インサーター520は、カプラー510の動作によって駆動モジュール300とロッド410とを接続させることができる。
【0153】
一実施形態として、ロッドとインサーター520はそれぞれねじとねじ山の形態を有することができる。ロッドの外周面にはねじ山が形成され、インサーター520の内周面にねじ山が形成されてねじ込み結合形態で連結される。カプラー510がインサーター520の外側を加力すると、ロッド410とインサーター520はカプラー510によって駆動ホイール420と結合される。このとき、駆動ホイール420とインサーター520は共に回転し、ロッドは一方向に直線移動することができる。
【0154】
インサーター520は、カプラー510が加える弾性力によって伝達モジュール400と接続(engaged)されるように、所定の可撓性を有することができる。
【0155】
カプラー510はインサーター520の外側に配置され、活性化されるとロッド410と駆動ホイール420とを接続させることができる。カプラー510は、弾性力でインサーター520の外側を加力できる部品であり、特定の形態に限定されない。ただし、以下では説明の便宜のためにばね状の場合を中心に説明する。
【0156】
カプラー510の一端部511は、駆動ホイール420に分離可能に取り付けられることができる。一端部511は第1サポータ424に支持されているが、第2フランジ621の加力によって第1サポータ424の突起を超えて分離されることができる。カプラー510の他端部は駆動ホイール420に固定される。
【0157】
したがって、カプラー510の一端部511が駆動ホイール420に取り付けられると、カプラー510は駆動ホイール420にのみ取り付けられるため、ロッド410と駆動ホイール420は駆動的に分離された状態であるが、カプラー510の一端部511がインサーター520を把持すると、カプラー510はロッド410と駆動ホイール420とを駆動的に接続させる。
【0158】
クラッチモジュール500が活性化されないと、薬液を貯蔵するために薬液がリザーバー200に注入される際には、ロッド410及びインサーター520は駆動ホイール420の内部空間を移動することができる。インサーター520とカプラー510との間にはgの間隔が形成されているため、カプラー510がインサーター520を把持しないのであれば、ロッド410とインサーター520は移動することができる。
【0159】
クラッチモジュール500が活性化される場合、駆動ホイール420が回転するとインサーター520も一緒に回転する。このとき、ロッド410はインサーター520と結合されているため、インサーター520の回転によってロッド410が前方に直線移動することができる。
【0160】
トリガモジュール600は、薬液注入装置1の薬液が注入される機械的信号を生成することができる。トリガモジュール600は、ベースボディ50の一側に回動可能に配置され、トリガモジュール600が回動して駆動モジュール300の駆動を開始し、同時にクラッチモジュール500が伝達モジュール400を駆動接続させることができる。
【0161】
トリガモジュール600は、回動軸51を中心に一方向に回転することができる。このとき、トリガモジュール600はクラッチモジュール500を加力してロッドと駆動ホイール420とをカップリングさせることができる。また、トリガモジュール600は、スタータ650との接触を解除し、スタータ650が駆動軸330を加力して接触部材350の位置を移動させることができる。トリガモジュール600は、複数の折曲した部分に区画することができる。
【0162】
トリガモジュール600は、ニードル組立体100に延びる第1端610を設けることができる。第1端610は、第1ストッパー52と接触するように配置され、ユーザがニードル組立体100を回転させると、
図3に示すように、ノブ101が第1フランジ611を加力してトリガモジュール600の回動が開始されることができる。第1端610が回動した後は、切開溝612が第1ストッパー52の側壁52bに支持され、トリガモジュール600の反対方向への回転を制限することができる。
【0163】
トリガモジュール600は、クラッチモジュール500に延びる第2端620を設けることができる。第2端620は、第1端610から他方向に延び、カプラー510の一端部511と駆動ホイール420との間に挿入される第2フランジ621を設けることができる。トリガモジュール600が回転すると、第2フランジ621がカプラー510の一端部511を加力し、カプラー510をインサーター520と結合されてクラッチモジュール500が活性化される。
【0164】
トリガモジュール600は、駆動モジュール300に延びる第3端630を設けることができる。第3端630は、駆動モジュール300に向かって延び、駆動モジュール300の駆動を開始することができる。
【0165】
第3端630は、駆動軸330に向かって折曲した支持片631とガイド片632を設けることができる。
図6及び
図8を参照すると、支持片631は、薬液注入装置1の駆動前にスタータ650を支持することができる。ガイド片632は、支持片631に隣接して配置され、移動端340の側壁を支持するか、側壁に沿って移動することができる。
【0166】
第3端630はスタータ650によって駆動モジュール300の駆動軸を固定した状態に維持するが、トリガモジュール600が回動すると第3端630はスタータ650との接触が解放され、スタータ650が移動端340を加力して駆動モジュール300の駆動が開始される。
【0167】
スタータ650は、トリガモジュール600の回動で駆動モジュール300を移動させることができる。スタータ650は、トリガモジュール600との接触が解除されると、駆動モジュール300の移動端340を加力して駆動軸330を移動させることができる。
【0168】
一実施形態として、スタータ650は、予め設定された弾性力を有するばね状に形成されることができるが、これに限定されず、所定の弾性を有するスティック状に形成されることができる。
【0169】
スタータ650は、一端がベースボディ50に取り付けられ、他端がトリガモジュール600の端部を支持するように配置される。スタータ650の加力端651は、移動端340とトリガモジュール600の支持片631との間に配置される。
【0170】
スタータ650は、トリガモジュール600の回動で駆動軸330の端部を加力することができる。スタータ650は薬液注入装置1の駆動前は圧縮された状態を維持するが、支持片631との接触が解除されると、スタータ650の膨張力によって加力端651は移動端340を加力する。このとき、移動端340に接続された駆動軸330と、駆動軸330に設置される接触部材350が移動端340の移動によって移動されることができる。その後、駆動モジュール300で電気化学反応が開始され、駆動モジュール300の駆動が開始される。
【0171】
トリガモジュール600の支持片631はスタータ650が圧縮された状態を維持させる。スタータ650は、予め設定された圧縮状態でベースボディ50に取り付けられるが、支持片631が固定された位置を維持するため、圧縮力が解除されない。トリガモジュール600の支持片631は、スタータ650の加力端651と接触を維持し、スタータ650の移動を制限する。
【0172】
接触部材350は、カバー310の内側面の第1位置P1に位置し、駆動軸330の端部はiに位置する。第1位置P1は、薬液注入装置1が駆動前に接触部材350とカバー310の内側面とが接触する位置として定義され、特定の位置に限定されない。駆動軸330には外力が伝達されないため、接触部材350は予め設定された第1位置P1に位置する。
【0173】
このとき、クラッチモジュール500は駆動されないため、カプラー510はインサーター520に接続されない。したがって、伝達モジュール400のロッドと駆動ホイール420とは駆動的に分離された状態であり、リザーバー200に貯蔵された薬液はニードルNに流入されない。
【0174】
トリガモジュール600が回転して支持片631とスタータ650の接触が解除される。ニードル組立体100のノブ101が第1フランジ611を加力すると、回動軸51を中心にトリガモジュール600が回転し、支持片631も移動端340から離れる方向に回転する。このとき、支持片631と加力端651との接触が解除される。同時に、加力端651は移動端340を加力し、駆動軸330を移動させる。加力端651は圧縮力が解除され、傾斜面342aと接触し、傾斜面342aに沿って移動する。加力端651が移動端340を軸方向に押し、移動端340及び駆動軸330は、駆動モジュール300から離れる方向に移動する。駆動軸330の端部は、位置iから位置jに移動し、接触部材350は駆動軸330と一緒に移動し、第2位置P2に位置する。このとき、クラッチモジュール500が駆動され、カプラー510とインサーター520とが結合する。カプラー510の一端部511は駆動ホイール420から分離され、インサーター520の外側を把持するため、駆動ホイール420、カプラー510、インサーター520及びロッドは、一体で駆動される。
【0175】
加力端651は傾斜面342aを越えて移動することができる。加力端651は、
図8を基準に移動端340とは反対側に位置し、移動端340との接触が解除される。移動端340は、ベースボディ50の一側に支持されることができる。このとき、駆動モジュール300では電気化学反応が生成され、駆動軸330を直線往復移動させる駆動力が生成されることができる。駆動モジュール300の内部で発生する電気化学反応の結果は、第1空間S1と第2空間S2との体積変化を引き起こす。このような体積変化は駆動軸330に駆動力として伝達される。すなわち、第2空間S2の体積が増加すると駆動軸330は前進し、第2空間S2の体積が減少すると駆動軸330は後進する。駆動軸330の移動は移動端340を直線往復させ、移動端340の接続シャフト343はコネクタ(図示せず)で駆動ホイール420を回転させて薬液をリザーバー200から吐出させることができる。
【0176】
薬液注入装置1が製造された後、駆動される前まで接触部材350は長時間カバー310の特定領域(第1位置P1)に接触する。接触部材350はシリコン系やゴム系の材質を含むため、長時間の接触で変形されてカバー310の内側面に取り付けられることができる。もし、接触部材350が駆動モジュール300の内側面に付着されると、これは駆動モジュール300の初期駆動を妨げ、ニードルNから薬物を定量吐出するのに困難が発生する可能性がある。
【0177】
スタータ650は、薬液注入装置1の駆動前に接触部材350を移動させ、駆動モジュール300が最適化された駆動環境を有することができる。具体的には、スタータ650とトリガモジュール600との接触が解除されると、スタータ650が駆動モジュール300の駆動軸330を移動させるため、駆動モジュール300が電気化学反応で駆動される前に接触部材350の接触位置を変更することができる。スタータ650は、接触部材350の位置を第1位置P1から第2位置P2に移動させるため、接触部材350が駆動モジュール300の内側面に付着及び固定されるのを除去し、駆動モジュール300の初期駆動を円滑に進めることができる。
【0178】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1は、ユーザが簡単かつ安全に駆動させることができる。ユーザがニードル組立体100のスリーブ110を回転させると、ニードル組立体100ではカニューレCが対象体に挿入され、クラッチモジュール500が伝達モジュール400を接続させて駆動モジュール300の駆動により薬液を注入することができ、同時に駆動モジュール300の駆動が開始されるため、簡単かつ安全に薬液注入装置1を使用することができる。
【0179】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1は、駆動モジュール300が最適化された駆動環境で駆動されるため、薬液を定量吐出することができる。スタータ650は、駆動モジュール300が駆動される前に駆動軸330の位置を移動させ、接触部材350が駆動モジュール300の内側面に付着されて駆動モジュール300の駆動が妨げられることを防止することができる。薬液注入装置1の保管性を向上させ、精度を維持するため、長時間保管された後に駆動されるとしても、駆動モジュール300が初期にスムーズに駆動され、薬液を対象体に定量吐出することができる。
【0180】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1は、ニードル組立体100のカニューレCが対象体に挿入された後に、クラッチモジュール500によって薬液を吐出するための構造が駆動接続されるため、安全に定量の薬物を対象体に注入することができる。
【0181】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1は、ニードル組立体100の回転によって直観的に駆動が開始され、ニードル組立体100とトリガモジュール600の回転方向が一方向に制限され、回転距離が予め設定された距離に制限されるため、ユーザの安全性を確保することができる。
【0182】
図9及び
図10は、ハウジング5の入口孔103に隣接して設けられたアクチベーター830部分の断面を示す図である。
【0183】
アクチベーター830は、ハウジング5の内部に収容された基板831上に形成されることができる。前記アクチベーター830は、基板831の面のうち入口孔103に対応する面に入口孔103と整列するように形成される。そのようなアクチベーター830は、基板831に形成された配線パターン(図示せず)によってコントロールモジュール800及び/または他の電子モジュールに電気的に接続されることができる。一実施形態によれば、前記アクチベーター830は、基板831上に導電性材料で形成されることができる。アクチベーター830が形成される領域において、ハウジング5は、基板831との距離をより離れるようにすることによって、アクチベーター830がハウジング5によって干渉されないようにすることができる。
【0184】
前記アクチベーター830は、互いに分離された複数の電極パッドを含むことができる。一実施形態によれば、前記電極パッドのうち1つは外部電源供給ラインと電気的に接続するように設けられた第1電極パッドであることができる。前記第1電極パッドは、電池モジュール700及び/またはコントロールモジュール800と電気的に接続されることができる。他の実施形態によれば、前記電極パッドのうち1つは、駆動モジュール300と外部有線通信装置(UART、SPI、I2C、ISP、ICSPなどを含む)との物理的インタフェースを提供するためのRx及び/またはTx端子を含む第2電極パッドであることができる。前記第2電極パッドは、駆動モジュール300及び/またはコントロールモジュール800と電気的に接続されることができる。さらに他の実施形態によれば、前記電極パッドのうち1つは、外部装置による駆動モジュール300の起動を可能にするスイッチングパワーオン端子を含む第3電極パッドであることができる。前記第3電極パッドは、駆動モジュール300と電気的に接続されることができる。さらに他の実施形態によれば、前記電極パッドのうち1つは、他にもハウジング内に収容された様々な電子モジュールをテストするように設けられた端子を含むことができる。
【0185】
このようなアクチベーター830は、第1時点に入口孔103を介して外部の他の電子装置と電気的に接続されるように設けられることができる。前記第1時点とは、薬液注入装置1の製造過程及び/または組み立てが完了した直後などのいずれかの時点とすることができる。選択的に、この状態でスイッチングモジュール803によって、ハウジング5内の他の電子装置は電池モジュール700から電気的に遮断された状態とすることができる。
【0186】
このような第1時点で、場合によっては様々なテストなどが必要なこともある。このようなテストのために、電池モジュール700と他の電子装置とを接続させることもできない。前記薬液注入装置1の場合、電池モジュール700を組み込まれた状態で需要者に伝達することができるが、その間に電池モジュール700の諸費が行われることを最小限に抑える必要があるため、薬液注入装置1は、ユーザの使用開始に対する操作がある前は、眠った状態を維持することが好ましい。これは、薬液注入装置1を使い捨てモジュールとして使用される場合にはさらに必要性が高い。
【0187】
しかしながら、薬液注入装置1の様々な電子モジュールは、製造過程において多くのテストを受けなければならないが、そのたびに装置全体を起動させ、電池モジュール700との接続を維持することはできない。
【0188】
本発明の実施形態によれば、前記アクチベーター830を介して外部電子装置と薬液注入装置1内の様々な電子モジュールとが電気的に接続されるようにすることで、装置全体を起動させ、または電池モジュール700の電源を直接的に使用することなく薬液注入装置1の様々な電子モジュールをテストすることができ、これは電池を消費することなく装置を安定して製造できるようにする。
【0189】
このようなテストが終了すると、前記入口孔103を介して薬液注入装置1の内部を衛生処理することができる。衛生処理は、前記入口孔103を介して薬液注入装置1の内部に衛生ガスを注入することによって行うことができる。前記衛生ガスは、菌や微生物を殺すことができる滅菌ガス、殺菌ガス、消毒ガスなどであることができる。
【0190】
この衛生処理が完了すると、前記入口孔103を覆うようにハウジング5の外側にカバー体104が付着される。前記カバー体104は、前述したようにフィルム状に設けられることができるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、リジッドな形態のプレートで設けられることもできる。このように一度封止された後は、電池モジュールを取り付けるためにハウジングを開放することがないため、薬液注入装置1のシステム全体の衛生状態を維持することができる。
【0191】
さらに、衛生処理が完了した状態では、薬液注入装置1のシステム全体は眠っている状態を維持し、流通過程での電池消費を最小限に抑えることができる。
【0192】
以下、本発明の他の実施形態に係る薬液注入装置1010について説明する。
【0193】
図11は、本発明の一実施形態に係る薬液注入システム1000を示すブロック図である。
【0194】
図11を参照すると、薬液注入システム1000は、薬液注入装置1010、ユーザ端末1020、コントローラ1030及び生体情報センサ1040を設けることができる。薬液注入システム1000は、ユーザ端末20を用いてユーザがシステムを駆動及び制御することができ、生体情報センサ1040でモニタリングされる血糖情報に基づいて、薬液注入装置1010から薬液を定期的に注入することができる。
【0195】
薬液注入装置1010は、生体情報センサ1040でセンシングされたデータに基づいて、ユーザに注入されるべき薬物、例えばインスリン、グルカゴン、麻酔薬、鎮痛剤、ドーパミン、成長ホルモン、禁煙補助剤などの薬物を注入する機能を果たすこともある。
【0196】
また、薬液注入装置1010は、装置の残りの電池容量情報、装置の起動が成功したか否か、注入が成功したか否かなどを含む装置状態メッセージをコントローラ1030に送信することができる。コントローラに送信されたメッセージは、コントローラ1030を介してユーザ端末1020に送信されることができる。または、コントローラ1030は、受信したメッセージを加工した改良データをユーザ端末1020に送信することができる。
【0197】
一実施形態として、薬液注入装置1010は、生体情報センサ1040とは別に設けられ、対象体に離隔して設置されることができる。他の実施形態として、薬液注入装置1010と生体情報センサ1040は1つのデバイスに設けられることができる。
【0198】
一実施形態として、薬液注入装置1010はユーザの身体に取り付けられることができる。また、他の実施形態として、薬液注入装置1010は、動物にも取り付けられ薬液を注入することができる。
【0199】
ユーザ端末1020は、薬液注入システム1000を駆動及び制御するためにユーザから入力信号を入力されることができる。
【0200】
ユーザ端末1020は、コントローラ1030を駆動させる信号を生成し、コントローラ1030を制御して薬液注入装置1010を駆動させることができる。
【0201】
また、ユーザ端末1020は、生体情報センサ1040から測定された生体情報を表示することができ、薬液注入装置1010の状態情報を表示することができる。
【0202】
ユーザ端末1020は、有無線通信環境で利用可能な通信端末を意味する。例えば、ユーザ端末1020は、スマートフォン、タブレットPC、PC、スマートTV、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、ラップトップ、メディアプレーヤー、マイクロサーバ、GPS(global positioning system)装置、電子書籍端末、デジタル放送用端末、ナビゲーション、キオスク、MP3プレーヤー、デジタルカメラ、家電機器、カメラが搭載されたデバイス及びその他モバイルまたは非モバイルコンピューティング装置であることができる。
【0203】
また、ユーザ端末1020は、通信機能及びデータプロセッシング機能を設けた時計、メガネ、ヘアバンド及びリングなどのウェアラブルデバイスであることができる。しかしながら、上述したようにインターネット通信が可能なアプリケーションを搭載した端末は制限なく借用することができる。
【0204】
ユーザ端末1020は、予め登録されたコントローラ1030と一対一に接続されることができる。ユーザ端末1020は、外部装置からのコントローラ1030が駆動及び制御されることを防ぐために、コントローラ1030と暗号化して接続されることができる。
【0205】
一実施形態として、ユーザ端末1020とコントローラ1030は、それぞれ分離されて別々の装置として設けられることができる。例えば、コントローラ1030は、薬液注入装置1010が取り付けられた対象者に設けられ、ユーザ端末1020は対象者または第三者に設けられることができる。保護者によってユーザ端末1020が駆動され、薬液注入システム1000の安全性を高めることができる。
【0206】
他の実施形態として、ユーザ端末1020とコントローラ1030とを1つのデバイスとして設けられることができる。ユーザ端末1020と一体に設けられたコントローラ1030が薬液注入装置1010と通信し、薬物の注入を制御することができる。
【0207】
コントローラ1030は、薬液注入装置1010とデータを送受信する機能を果たし、薬液注入装置1010にインスリンなどの薬物の注入に関連する制御信号を送信し、生体情報センサ40から血糖値などの生体情報の測定に関連する制御信号を受信することができる。
【0208】
コントローラ1030は、一例として、薬液注入装置1010にユーザの現在の状態を測定するように指示要求を送信し、指示要求に応じて薬液注入装置1010から測定データを受信することができる。
【0209】
生体情報センサ1040は、目的に応じてユーザの血糖値、血圧、心拍数などの生体情報を測定する機能を果たすことができる。生体情報センサ1040で測定されたデータはコントローラ1030に送信されることができ、測定されたデータに基づいて薬物の周期及び/または注入量が設定されることができる。生体情報センサ1040で測定されたデータは、ユーザ端末1020に送信されて表示されることができる。
【0210】
一例として、生体情報センサ1040は、対象体の血糖量を測定するセンサであってもよい。持続血糖測定(CGM:Continuous Glucose Monitoring)センサであってもよい。持続血糖測定センサは対象体に付着され、連続的に血糖量をモニタリングすることができる。
【0211】
ユーザ端末1020、コントローラ1030及び薬液注入装置1010は、ネットワークを用いて通信を行うことができる。
【0212】
例えば、ネットワークは、近距離通信網(Local Area Network、LAN)、広域通信網(Wide Area Network、WAN)、付加価値通信網(Value Added Network、VAN)、移動通信網(mobile radio communication network)、衛星通信網及びそれらの相互の組み合わせを含み、各ネットワーク構成の主体が互いに円滑に通信できるようにする包括的な意味のデータ通信網であり、有線インターネット、無線インターネット及びモバイル無線通信網を含むことができる。
【0213】
また、無線通信は、例えば、無線LAN(Wi-Fi)、ブルートゥース、低エネルギー(Bluetooth low energy)、ZigBee(登録商標)、WFD(Wi-Fi Direct)、UWB(ultra wideband)、赤外線通信(IrDA、infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、5Gなどがあり得るが、これに限定されるものではない。
【0214】
図12は、本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1010を示す斜視図であり、
図13は、
図12の薬液注入装置1010の分解斜視図であり、
図14は、本発明の一実施形態である。薬液注入装置を示す底面斜視図である。
【0215】
図12~
図14を参照すると、薬液注入装置1010は、薬液を注入するユーザに付着され、内部に貯蔵された薬液をユーザに予め設定された定量で注入することができる。
【0216】
薬液注入装置1010は、注入される薬液の種類に応じて様々な用途に用いることができる。例えば、薬液は、糖尿病患者のためのインスリン系の薬液を含むことができ、他の膵臓のための薬液、心臓用の薬液など、様々な種類の薬液を含むことができる。
【0217】
図12~
図14を参照すると、本発明の一実施形態に係る他の薬液注入装置1010は外観を形成し、外側を覆うハウジング1011、ユーザの皮膚に隣接して位置する付着部1012を設けることができる。
【0218】
薬液注入装置1010は、ハウジング1011と付着部1012との間の内部空間に配置された複数の部品を含む。付着部1012とユーザの皮膚との間には別の接合手段がさらに介在されることができ、接合手段により薬液注入装置1010を皮膚に固定することができる。
【0219】
薬液注入装置1010は、ニードル組立体1100、リザーバーユニット1200、駆動モジュール1300、電池1350、駆動ユニット1400、クラッチモジュール1500、トリガ部材1600、ニードルカバー組立体1700、アラームユニット1800及び複数のセンサユニットを含むことができる。
【0220】
図12を参照すると、薬液注入装置1010は、ベースボディが、少なくとも1つ以上のボディが内部部品を支持するフレームを形成することができる。ベースボディは、配置によって第1ボディ1013、第2ボディ1014、第3ボディ1015及び下部カバー1017を有することができる。
【0221】
第1ボディ1013はハウジング1011の下に配置され、各開口または溝にニードル組立体1100、リザーバーユニット1200、駆動モジュール1300、電池1350などを支持することができる。
【0222】
第2ボディ1014は、第1ボディ1013の下に配置され、付着部1012と接続されることができる。第2ボディ1014は、薬液注入装置1010の下部を覆うことができる。
【0223】
第3ボディ1015は、第1ボディ1013の上側に配置され、各開口または溝にリザーバーユニット1200、駆動モジュール1300、電池1350、駆動ユニット1400などを支持することができる。図では、第1ボディ1013、第2ボディ1014及び第3ボディ1015を示しているが、これに限定されず、一体として設けられるか、複数設けられることができる。
【0224】
図15、
図19a、
図19bを参照すると、本発明の一実施形態に係る下部カバー1017は、取付部1012と対向して配置されるものであり、ハウジング1011の内側に配置されることができる。
【0225】
具体的には、下部カバー1017は、ハウジング1011の一側(
図13を基準に下側)に形成される開口部(図面符号未設定)を覆うものであり、ニードル組立体1100、リザーバーユニット1200、駆動モジュール1300、電池1350などが支持される第1ボディ1013と接続されることができる。
【0226】
言い換えれば、下部カバー1017は、第1ボディ1013と付着部1012との間に配置されることができる。下部カバー1017は、ニードル組立体1100を支持するように開口または溝を形成することができ、第1ボディ1013に形成される開口に跨って配置される駆動モジュール1300、電池1350などを覆い、第1ボディ1013に位置固定されるように接続されることができる。
【0227】
本発明の一実施形態に係る下部カバー1017は、平板(plate)状に形成されることができ、後述する制御モジュール1016に形成される破断部1161の位置に対応するように通過孔部(1017H)を形成することができる。
【0228】
【0229】
第2ボディ1014の下には回路基板である制御モジュール1016が配置され、具体的にはハウジング1011の内部において下部カバー1017と第1ボディ1013との間に配置されることができる。制御モジュール1016は下部カバー1017によって覆われることができる。
【0230】
図20を参照すると、本発明の一実施形態に係る制御モジュール1016は、薬液注入装置1010の全体的な駆動を制御することができる。制御モジュール1016は、駆動モジュール1300、電池1350、アラームユニット1800及び複数のセンサユニットなどの内部装置と電気的に接触及び接続され、それらの駆動を制御することができる。
【0231】
図16、
図17、
図19a及び
図19bを参照すると、本発明の一実施形態に係る制御モジュール1016の一側には、外側方向に破断部1161が突出形成されることができる。
【0232】
破断部1161には、アラームユニット1800と制御モジュール1016との電気的接続、具体的にはアラーム信号の移動経路である制御線1016Lが位置されることができ、破断部1161に棒等のツールTによる外力が加えられ、前記外力によって制御線1016Lが破断されることによって電気的に接続された内部装置と制御モジュール1016との電気的接続が解除されることができる。
【0233】
本明細書において、「内部装置」は、上述したように、駆動モジュール1300、電池1350、アラームユニット1800及び複数のセンサユニットなどの薬液注入装置1010の内部に設置され、電源を供給されて駆動される部品を意味する。
【0234】
図19a、
図19bを参照すると、制御線1016Lは破断部1161上で上側(
図19a基準)に配置されることができる。具体的には、制御線1016Lは、破断部1161の高さ上、中央部を基準に破断部1161上で通過孔部1017Hに対向する一面(
図19aを基準に上面)に近接して配置されることができる。
【0235】
これにより、ユーザがツールT等を用いて破断部1161に外力を加えると、ツールTが接触する破断部1161が完全に切断されなくても、破断部1161の表面に近接して配置される制御線1016Lが最初に破損され、アラームユニット1800と制御モジュール1016との電気的接続が解除されることができるという効果がある。
【0236】
しかし、これに限定されるものではなく、制御線1016Lは、アラーム信号の移動経路だけでなく、複数のセンサユニットなどの内部装置の駆動信号の移動経路として形成されることができ、ユーザが破断部1161に位置する制御線1016Lを破損することにより内部装置の駆動を解除できるなど、様々な変形実施が可能である。
【0237】
図16、
図17、
図19a及び
図19bを参照すると、本発明の一実施形態に係る制御モジュール1016に形成される破断部1161には境界を形成し、溝部の形状で切り欠き部1162を形成することができる。
【0238】
具体的には、制御モジュール1016において破断部1161が突出形成される領域と破断部1161が形成されない領域の境界に切り欠き部1162が形成されることができる。切り欠き部1162は、複数個設けられることができ、破断部1161の長手方向中心軸を基準に両側に形成されることができる。
【0239】
図17を参照すると、本発明の一実施形態に係る制御モジュール1016において外側方向に突出形成される破断部1161上で、切り欠き部1162が形成される領域では、そうでない領域に比べて幅が比較的狭く形成されることができる。
【0240】
これにより切り欠き部1162が形成されない破断部1161上の領域に外力が加わる場合、比較的に幅が狭く形成される領域である切り欠き部1162形成領域に応力が集中するようになり、
図19bのように、しきい値を超える外力が加わる場合に破断部1161、具体的には切り欠き部1162が形成される領域が破断されることができる。切り欠き部1162が形成される領域が破断されることによって、制御モジュール1016、具体的には破断部1161、切り欠き部1162にわたって形成される制御線1016Lが破損し、電気的に接続されたアラームユニット1800と制御モジュール1016との電気的接続が解除されることができる。
図16、
図17を参照すると、本発明の一実施形態に係る切り欠き部1162は、曲面状に丸みを帯びて形成されることができる。
【0241】
しかしながら、これに限定されるものではなく、破断部1161上で予め設定される区間の幅が比較的に狭くなるように形成される技術的思想の中で「V」字状に形成されるなど、様々な変形実施が可能である。
【0242】
図には示されていないが、切り欠き部1162が形成される領域の破断部1161の厚さが、切り欠き部1162が形成されない領域に比べて比較的薄く形成されることができる。
【0243】
これにより、破断部1161にツールTによる外力が加わったとき、切り欠き部1162が形成される領域に応力が集中するようにし、破断部1161が折り畳まれて容易に破断できるようにする効果がある。
【0244】
図17、
図18を参照すると、本発明の一実施形態に係る第1ボディ1013は、破断部1161と対向する領域に収容部1131、支持部1132を形成することができる。
【0245】
図17、
図18、
図19a及び
図19bを参照すると、収容部1131は溝部の形状に形成されるもので、収容部1131の底面部(図面符号未設定)は制御モジュール1016、具体的には、破断部1161と所定距離離隔するように形成されることができる。
【0246】
これにより破断部1161に外力が加わり、破断部1161が破断する際、破断部1161が破断するまで折り畳むことができる空間を確保でき、破断部1161が破断された後にも第1ボディ1013に形成される収容部1131に収容され、制御モジュール1016で破断された構成がハウジング1011の内部を回るのを防止することができる。
【0247】
図18、
図19a、
図19bを参照すると、本発明の一実施形態に係る第1ボディ1013、具体的に収容部1131の一面には破断部1161の予め設定される領域、具体的に切り欠き部1162が形成される領域に向かって支持部1132が突出形成されることができる。
【0248】
支持部1132は、破断部1161に外力が加わることによって破断部1161上で切り欠き部1162が形成される領域に接触することができ、支持部1132に切り欠き部1162が形成される領域を接触支持することにより、破断部1161がツールTで加えられる外力によって容易に破断されることができる効果がある。
【0249】
具体的には、
図19a、
図19bを参照すると、ユーザがツールTを用いて破断部1161に外力を上側から下側方向(
図19b基準)に加える際、支持部1132は外力が作用する方向とは反対方向(
図19bを基準に下側から上側方向)に支持することにより、破断部1161を外力により容易に破断できるようにする効果がある。
【0250】
図15、
図16を参照すると、破断部1161が突出形成される制御モジュール1016は下部カバー1017によって覆われることができ、下部カバー1017上には制御モジュール1016、具体的には破断部1161の位置に対応する位置に通過孔部1017Hを形成することができる。
【0251】
図15を参照すると、下部カバー1017に形成される通過孔部1017H上には破断カバー1018を付着することができる。
【0252】
破断カバー1018により、平常時には通過孔部1017Hが閉じられた状態に維持することができる。
【0253】
図15、
図19a、
図19bを参照すると、破断カバー1018は破断部1161と対向して配置されるものであり、破断部1161に外力が加わる経路を開閉することができる。
【0254】
一方、薬液注入装置1010、具体的には付着部1012がユーザに付着された後に予期しない状況によりアラームユニット1800の作動にエラーが発生すると、不要なアラームがユーザに伝達される状況が発生する可能性がある。
【0255】
図19a、
図19bを参照すると、ユーザは通過孔部1017Hを覆う破断カバー1018を下部カバー1017上から除去し、棒などのツールTを用いて通過孔部1017Hを通過させて制御モジュール1016、具体的には破断部1161にツールTを接触させることができる。
【0256】
本発明の一実施形態に係る破断カバー1018は薄いフィルムで形成することができ、ユーザが破断カバー1018を下部カバー1017上から除去せず、付着された状態でもロッド等のツールTを用いて破断カバー1018を引き裂くなど破損し、破断カバー1018の下側に配置する制御モジュール1016、具体的には破断部1161にツールTを接触させるなど様々な変形実施が可能である。
【0257】
図19bを参照すると、ツールTが破断部1161に接触された状態でユーザがさらに力を加えて一方向(
図19bを基準に下側方向)に力を加えることにより、破断部1161上において比較的に幅が狭く形成される切り欠き部1162の領域で破断が起こり、破断部1161が破断することにより、切り欠き部1162が形成される破断部1161に位置する制御線1016Lが破断され、制御モジュール1016とアラームユニット1800との電気的接続が解除されることができる。
【0258】
制御モジュール1016とアラームユニット1800との間の電気的接続が解除されることにより、薬液注入装置1010がユーザに付着された後にアラームユニット1800の誤動作によって引き続き不要なアラームが発生することを防止することができる。
【0259】
しかし、これに限定されるものではなく、制御線1016Lは、アラーム信号の移動経路だけでなく、複数のセンサユニットなどの内部装置の駆動信号の移動経路として形成されることができ、ユーザが破断部1161に位置する制御線1016Lを破損することにより内部装置の駆動を解除できるなど、様々な変形実施が可能である。
【0260】
図には示されていないが、本発明の他の実施形態において、破断部1161には、下部カバー1017に形成される通過孔部1017Hと中心を共有し、孔(hole)を形成することができる。
【0261】
破断部1161に形成される孔により、外部からロッドなどのツールTが下部カバー1017に形成される通過孔部1017Hを通過し、破断部1161に形成される孔に跨るようになり、破断部1161に加えられる外力の方向をガイドしながら、切り欠き部1162が形成される領域に応力が集中するようにし、破断部1161が容易に破断するようにすることができる。
【0262】
ニードル組立体1100は第1ボディ1013に取り付けられることができる。ニードル組立体1100は、スリーブ1110の回転によってニードルN及び/またはカニューレが軸方向に移動されることができる。
【0263】
ニードルNの一端はリザーバーユニット1200に接続されて薬液が伝達されることができ、他端はカニューレに挿入されてカニューレに沿って移動することができる。
【0264】
カニューレは、ニードルNを収容することができる導管状を有するため、ニードルNから吐出された薬液がユーザに注入されることができる。
【0265】
カニューレはユーザの皮膚に挿入された状態を維持するが、ニードルNは上昇して対象体から分離される。ただし、カニューレとニードルNとは流体が移動される経路を形成し、リザーバー1210から注入される薬液はニードルNとカニューレを介してユーザに注入されることができる。
【0266】
薬液注入装置1010は、ユーザが簡単にニードル組立体1100を回転させ、カニューレを対象体に挿入し、薬液注入を開始することができる。
【0267】
リザーバーユニット1200は、第1ボディ1013及び第3ボディ1015に取り付けられ、ニードル組立体1100に接続される。リザーバーユニット1200は、内部空間に薬液Dが貯蔵され、プランジャー1230の移動によって薬液をニードルNに定量的に移動させることができる。
【0268】
図21を参照すると、リザーバーユニット1200は、リザーバー1210、キャップカバー1220、プランジャー1230、シールリング1240及びコネクタ部材1250を設けることができる。
【0269】
図22を参照すると、リザーバー1210は、長手方向に予め設定された長さに延び、内部空間に薬液を貯蔵することができる。リザーバー1210は、プランジャー1230の移動により薬液がニードルNに吐出されることができる。リザーバー1210の端部にはキャップカバー1220が取り付けられ、キャップカバー1220に配置された開口(図示せず)を介してロッド1410及び/または接続部材1520が移動することができる。
【0270】
リザーバー1210は入口端と出口端を有することができる。入口端には薬液が注入され、出口端にニードルNが設けられ、ニードルNに薬液が排出されることができる。
【0271】
プランジャー1230はリザーバー1210の内部に配置され、駆動モジュール1300及び駆動ユニット1400の駆動によって直線移動することができる。プランジャー1230の前進によって、薬液は内部空間からニードルNに排出されることができる。
【0272】
プランジャー1230は、エンド端1231と傾斜面1232を有することができる。エンド端1231はリザーバー1210の前方1210Fに向けて移動し、薬液を移動させることができる。傾斜面1232はリザーバー1210の傾斜部に密着されることができる。
【0273】
プランジャー1230は、後方に延びるコネクタ部材1250と接続されることができる。コネクタ部材1250はプランジャー1230に設けられ、プランジャー1230の直線移動によって一緒に直線移動されることができる。
【0274】
コネクタ部材1250は、電気伝導性を有する素材で設けられ、シャフト形状を有することができる。コネクタ部材1250が移動しながら第1センサユニット1910Aと接触することにより、薬物の貯蔵量を測定したりして、薬液注入装置1010の駆動を開始することができる。
【0275】
コネクタ部材1250はプランジャー1230の後端に接続され、プランジャー1230の移動によって一緒に移動することができる。図では、コネクタ部材1250がシャフト形状を有することを示しているが、これに限定されず、第1センサユニット1910Aと接触して電気的信号を生成する様々な形態を有することができる。
【0276】
薬液がリザーバー1210に貯蔵され、プランジャー1230が後退すると、コネクタ部材1250はプランジャー1230と一緒に後退することができる。また、薬液がリザーバー1210からニードルNに吐出されるようにプランジャー1230が前進すると、コネクタ部材1250はプランジャー1230と一緒に前進することができる。
【0277】
プランジャー1230は、リザーバー1210の内壁に接触する部分にシール部1240が設けられ、プランジャー1230の移動時に薬液が漏れることを防止することができる。
【0278】
駆動モジュール1300は駆動力を生成して駆動ユニット1400に駆動力を伝達することができる。駆動ユニット1400によって伝達された駆動力は、プランジャー1230をリザーバー1210の内部に直線移動させて薬液を排出することができる。
【0279】
クラッチモジュール1500によって駆動ユニット1400が互いに接続されると(engaged)、駆動モジュール1300は駆動ユニット1400の駆動ホイール1420を回転させ、駆動ホイール1420の回転でロッド1410が直線移動してプランジャー1230が移動することができる。プランジャー1230が移動すると、コネクタ部材1250も一緒に直線移動することができる。
【0280】
駆動モジュール1300は、電気によって薬液吸引力と薬液吐出力を有するあらゆる種類の装置を用いることができる。例えば、機械変位型マイクロポンプや電磁気運動型マイクロポンプなどのあらゆる種類のポンプを用いることができる。機械変位型マイクロポンプは、流体の流れを誘導するために圧力差を生じさせるようにギアやダイアフラムなどの固体または流体の運動を利用するポンプであり、ダイヤフラム変位ポンプ(Diaphragm displacement pump)、流体変位ポンプ(Fluid displacement pump)、回転ポンプ(Rotary pump)などがある。電磁気運動型マイクロポンプは、電気的または磁気的形態のエネルギーを直に流体の移動に利用するポンプであり、電気流体力学ポンプ(Electro hydrodynamic pump、EHD)、電気浸透流ポンプ(Electro osmotic pump)、磁気流体力学ポンプ(Magneto hydrodynamic pump)、エレクトロウェッティングポンプ(Electro wetting pump)などがある。
【0281】
電池1350は薬液注入装置10に電気を供給し、各部品を活性化させることができる。図では一対の電池1350を示しているが、これに限定されず、薬液注入装置1010の容量、使用範囲、使用時間などに応じて様々に設定されることができる。
【0282】
電池1350は駆動ユニット1400に隣接して配置され、駆動ユニット1400に電気を供給することができる。また、電池1350は制御モジュール1016と接続され、センサユニットで測定された電気信号に基づいて、駆動ユニット1400の回転数または回転速度、リザーバー1210に貯蔵された薬液量、ユーザに注入された薬液量などのデータを測定することができる。
【0283】
図22を参照すると、駆動ユニット1400は、駆動モジュール1300とリザーバーユニット1200との間に設けられ、駆動モジュール1300によって生成された駆動力でリザーバー1210内に配置されたプランジャー1230を移動させることができる。ただし、駆動ユニット1400は、ロッド1410と駆動ホイール1420がクラッチモジュール1500によってカップリングまたは接続されている場合にのみプランジャー1230を前進移動させることができる。
【0284】
ロッド1410はプランジャー1230に接続され、一方向に延びる。ロッド1410はキャップカバー1220の開口に挿入され、ロッド1410はプランジャー1230を移動させるためにリザーバー1210の長手方向に移動することができる。ロッド1410は表面にねじ山形状を有することができる。ロッド1410は、接続部材1520に挿入され、薬液を定量吐出する際は、クラッチモジュール1500によって駆動ホイール1420と接続され、ロッド1410が前方に移動されることができる。
【0285】
駆動ホイール1420は駆動モジュール1300に駆動的に接続され、駆動モジュール1300の駆動で回転することができる。駆動ホイール1420は、第1接続端1421と第2接続端1422とを有し、内部にロッド1410が移動可能な空間を設けることができる。第1接続端1421及び第2接続端1422のうち少なくとも1つは、コネクタCNによって駆動モジュール1300と常に駆動的に接続されるため、駆動モジュール1300の駆動で駆動ホイール1420が回転することができる。
【0286】
クラッチモジュール1500は、駆動モジュール1300と駆動ユニット1400とを駆動的に接続させることができる。クラッチモジュール1500は、ロッド1410と駆動ホイール1420との間に配置され、カプラー1510と接続部材1520を設けることができる。
【0287】
カプラー1510は、接続部材1520の外側に配置され、非活性化時には接続部材1520と所定の間隔で離隔され(
図22及び
図23)、活性化時にはロッド1410と駆動ホイール1420を接続させることができる。カプラー1510は、弾性力で接続部材1520の外側を加力できる部品であり、特定の形態に限定されない。ただし、以下では説明の便宜のためにばね状の場合を中心に説明する。
【0288】
接続部材1520は、少なくとも一部がロッド1410に挿入されるように配置されることができる。接続部材1520は、ロッド1410の外側を覆うように配置される。接続部材1520は、カプラー1510の動作によって駆動モジュール1300とロッド1410とを接続させることができる。
【0289】
一実施形態として、ロッド1410と接続部材1520はそれぞれねじとねじ山の形態を有することができる。ロッド1410の外周面にはねじ山が形成され、接続部材1520の内周面にはねじ山が形成されてねじ結合形態に接続されることができる。
【0290】
一実施形態として、接続部材1520は、一端には内周面にねじ山が形成されているが、他端にねじ山が配置されていなくてもよい。
【0291】
図22を参照すると、接続部材1520の第1区間L1には内周面にねじ山が形成され、第1区間L1でのみロッド1410とねじ結合される。また、第1区間L1の直径はロッド1410に対応し、D1の大きさを有することができる。
【0292】
接続部材1520の第2区間L2には、内周面にねじ山が形成されない。また、第2区間L2の直径D2は、第1区間L1の直径D1より大きく設定されることができる。第2区間L2では、接続部材1520がロッド1410と接触しない。
【0293】
第1区間L1の長さは、接続部材1520が後方に移動する際にカプラー1510と重なるように設定されることができる。プランジャー1230が最後方に延びる際、第1区間L1の少なくとも一部はカプラー1510と重なるように、すなわち少なくとも一部がカプラー1510と対向するように配置される。カプラー1510の活性化時に、カプラー1510が第1区間L1の少なくとも一部を把持するように、接続部材1520で第1区間L1の長さが設定されることができる。
【0294】
ロッド1410は、接続部材1520の第1区間L1でのみねじ結合されるため、接続部材1520が回転してロッド1410を前方に移動させる際に、接続部材1520とロッド1410のねじ結合による負荷を減らすことができる。
【0295】
カプラー1510が活性化されると、カプラー1510が接続部材1520を把持し、駆動ホイール1420の回転によって接続部材1520も一緒に回転する。接続部材1520とロッド1410は第1区間L1でのみねじ結合されているため、駆動ホイール1420が少ないトルクで回転するとしても接続部材1520がロッド1410を前方に移動させることができる。
【0296】
すなわち、第1区間L1でのみロッド1410と接続部材1520がねじ結合をするため、駆動ユニット1400の駆動によってプランジャー1230は多少弱い力でも前方に移動することができる。
【0297】
図13を参照すると、本発明の一実施形態に係るトリガ部材1600は、薬液注入装置1010の薬液が注入される機械的信号を生成することができる。トリガ部材1600は、第3ボディ1015の一側に回動可能に配置され、トリガ部材1600が回動して駆動モジュール1300の駆動を開始し、同時にクラッチモジュール1500が駆動ユニット1400を駆動接続させることができる。
【0298】
トリガ部材1600は、回動軸を中心に一方向に回転することができる。このとき、トリガ部材1600はクラッチモジュール1500を加力してロッドと駆動ホイール1420とをカップリングさせることができる。
【0299】
詳細には、ユーザがニードル組立体1100を回転させると、ニードル組立体1100のノブがトリガ部材1600の端部を加力し、トリガ部材1600の回動が開始されることができる。トリガ部材1600が回転すると、トリガ部材1600がカプラー1510の端部を加力し、カプラー1510は接続部材1520と結合されてクラッチモジュール1500が活性化される。
【0300】
図13を参照すると、本発明の一実施形態に係るニードルカバー組立体1700は、ニードル組立体1100の下に取り付けられることができる。ニードルカバー組立体1700は、薬液を注入する前にリザーバーユニット1200に貯蔵された空気をプライミング(Priming)することができる。薬液注入器NIを介して、薬液がリザーバー1210に注入される際、リザーバー210に残留した気体(空気)を外部に排出することができる。
【0301】
ニードルカバー組立体1700は、第1カバー1710、第2カバー1720、フィルタ部材1730及び接着層1740を有することができる。
【0302】
第1カバー1710は、薬液注入装置1010の下部に配置されることができる。第1カバー1710の開口には、第2カバー1720が挿入されて組み立てられることができる。第1カバー1710の一側には、第2ボディ1014に挿入されてニードルカバー組立体1700を固定する挿入突起1711が配置されることができる。
【0303】
第2カバー1720は第1カバー1710に組み立てられ、中央にニードルN及び/またはカニューレが整列されることができる。第2カバー1720は、中央の高さ方向に貫通され、薬液Dが貯蔵される貯蔵空間を有することができる。
【0304】
第1カバー1710は、第2カバー1720より剛性が大きい。第1カバー1710は、外部に露出する部分であり、剛性がやや大きい材料で形成される。第2カバー1720は第1カバー1710に組み立てられ、第3ボディ1015の開口に挿入されるために第1カバー1710より剛性が小さい材料で形成される。
【0305】
第2カバー1720の中央には、第3ボディ1015に挿入される突出部721を設けることができる。また、第2カバー1720は固定突起1722を設け、固定突起1722が第1カバー1710に挿入され、第1カバー1710と第2カバー1720が組み立てられることができる。
【0306】
フィルタ部材1730は第2カバー1720に取り付けられる。フィルタ部材1730は、第2カバー1720の貯蔵空間の下に配置され、空気などの気体はフィルタ部材1730を通過するが、薬液などの液体はフィルタ部材1730を通過しない。したがって、ニードルNから吐出された空気はフィルタ部材1730を通過して外部に排出されるが、ニードルから吐出された薬液は第2カバー1720とフィルタ部材1730と定義される貯蔵空間に貯蔵されることができる。
【0307】
フィルタ部材1730は、貯蔵空間に貯蔵される薬液の量に応じて形状が変わることができる。例えば、貯蔵空間に薬液が満たされると、フィルタ部材1730が下方向に膨張し、ユーザがニードルカバー組立体1700に薬液が流入したことを認識することができる。
【0308】
接着層1740は、ニードルカバー組立体1700の一面に配置され、付着部1012にニードルカバー組立体1700を付着させることができる。
【0309】
アラームユニット1800は、薬液注入装置1010の内部または外部に配置され、薬液注入装置1010の正常動作または誤動作をユーザに知らせることができる。アラームユニット1800は、警告音を生成したり、光を生成したりして、外部ユーザにアラームを伝達することができる。
【0310】
本発明の一実施形態に係るアラームユニット1800は、ハウジング1011の下に配置され、回路基板である制御モジュール1016に電気的に接続される。制御モジュール1016上には、アラームユニット1800にアラーム信号を伝達する電気的信号の移動経路である制御線1016Lが形成されることができる。
【0311】
このような電気的信号の移動経路である制御線1016Lは、制御モジュール1016上で外側方向に突出形成される破断部1162上に位置し、破断部1162が外力により破断すると破断部1162上に形成される電気的信号の移動経路も断絶され、アラームユニット1800と制御モジュール1016との間の電気的接続が解除されることができる。
【0312】
図19a、
図19bを参照すると、制御線1016Lは、破断部1161の高さ上、中央部を基準に破断部1161上で通過孔部1017Hに対向する一面(
図19aを基準じ上面)に近接して配置されることができる。
【0313】
これにより、ユーザがツールT等を用いて破断部1161に外力を加えると、ツールTが接触する破断部1161が完全に切断されなくても、破断部1161の表面に近接して配置される制御線1016Lが最初に破損され、アラームユニット1800と制御モジュール1016との電気的接続が解除されることができるという効果がある。これにより、薬液注入装置1010をユーザに付着した状態でアラームユニット1800の予期しない誤動作により引き続きアラームユニット1800からアラームが発生する場合、ユーザは棒などのツールTを用いて破断部1161が形成される部分を一方向(
図19bを基準に下側方向)に押し、破断部1161を破断させることができ、制御モジュール1016とアラームユニット1800との電気的接続を解除させることができる。
【0314】
しかし、これに限定されるものではなく、制御線1016Lは、アラーム信号の移動経路だけでなく、複数のセンサユニットなどの内部装置の駆動信号の移動経路として形成されることができ、ユーザが破断部1161に位置する制御線1016Lを破損することにより内部装置の駆動を解除できるなど、様々な変形実施が可能である。
【0315】
また、アラームユニット1800の予期しない誤動作状況だけでなく、正常に駆動される状況においても、薬液Dを消費する過程で予め設定される量より不足することになる場合、アラームユニット1800が駆動されることがあるが、電池1350の容量がすべて消費されるまでアラームユニット1800が駆動されるため、アラームユニット1800の駆動を解除しなければならない状況が発生する可能性がある。
【0316】
この場合、ユーザは前記のような方法で破断部1161を破断させることができ、制御モジュール1016とアラームユニット1800との間の電気的接続を解除させることができる。
【0317】
図20を参照すると、複数のセンサユニット1910、1920は薬液注入装置1010の駆動を測定することができる。複数のセンサユニット1910、1920は、リザーバー1210の薬液の貯蔵量を測定したりして、駆動モジュール1300の駆動有無、駆動ユニット1400の駆動有無、駆動ホイール1420の回転角、プランジャー1230の移動距離などを測定することができる。
【0318】
センサユニットはそれぞれ複数の接触端を有することができる。接触端は、電気的接触の有無を測定して各イベントまたはデータを測定することができる。
【0319】
接触端は、他の部品との接触によっていずれか1つの端部の位置が変更されることができ、他の部品との接触が解除されると、復元力によって元の位置に戻ることができる。
【0320】
図20、
図21を参照すると、エンコーダユニット1930は駆動ユニット1400の一端に配置され、駆動ユニット1400の回転を測定することができる。エンコーダユニット1930は、駆動ホイール1420の回転を測定することができる。
【0321】
前記のような本発明の一実施形態に係る薬液注入装置の動作原理及び効果を説明する。
【0322】
<薬物貯蔵段階>
【0323】
図11、
図12を参照すると、ユーザは、外部の薬液注入器(図示せず)を用いて薬液注入装置1010のリザーバーユニット1200に薬液を注入する。
【0324】
図22を参照すると、薬液を注入する前には、リザーバー1210の前端にプランジャー1230が配置され、プランジャー1230の後端にロッド1410が接続部材1520に組み立てられている。このとき、カプラー1510は接続部材1520を把持しないため、駆動ホイール1420はロッド1410と接続されない。
【0325】
ユーザは、薬液注入器(図示せず)に注入される薬液Dを入れ、前記薬液注入器をリザーバーユニット1200の入口端に挿入する。このとき、リザーバー1210の内部に残留した空気は、プライミングされることができる。
【0326】
詳細には、リザーバーユニット1200の組み立て過程において、リザーバー1210とプランジャー1230との間に空気が残留する。空気がリザーバー1210に残留した状態で薬液を注入すると、空気も一緒にユーザに注入される危険性があるため、空気を除去する動作(プライミング動作)が必要である。
【0327】
薬液が薬液注入器からリザーバー1210に流入し始めると、リザーバー1210の内面とプランジャー1230との間に流入しながら残留気体をニードルNに押し出す。このとき、案内溝1211に沿って気体が移動することができる。すなわち、リザーバー1210の内部に残留した気体は、流入される薬液Dによって案内溝211の案内に沿ってニードルNに排出される。ニードルNを通過した気体は、ニードルカバー組立体1700に移動し、ニードルカバー組立体1700のフィルタ部材1730を通過して外部に排出される。案内溝1211のガイドにより、リザーバー1210の内部に残留した気体は速やかに外部に排出され、リザーバー1210の気体を除去することができる。
【0328】
図11を参照すると、ユーザ端末1020などを介してユーザにリザーバー1210に薬液Dが予め設定された基準量が貯蔵されたことを知らせ、ユーザが薬液注入装置1010を使用するように予め知らせることができる。
【0329】
薬液Dの注入によってプランジャー1230がP-1点を通過すると、コネクタ部材1250は第1位置P1で第1接触端1911と接触する。その後、プランジャー1230がP-2地点を通過すると、コネクタ部材1250は第2位置P2で第2接触端1912と接触する。
【0330】
一実施形態として、コネクタ部材1250が第1接触端1911と第2接触端1912を電気的に接続させると、第1モードが駆動される。第1モードは、薬液注入装置1010を起こす(awake)モードであり、その後、薬液注入装置1010がユーザに付着されると直ちに駆動されるように薬液注入装置1010を予め予熱することができる。
【0331】
また、ユーザ端末1020などを介して、ユーザにリザーバー1210に薬液Dが既定の第1基準量で貯蔵されていることを知らせ、ユーザが薬液注入装置1010を使用するように予め知らせることができる。
【0332】
他の実施形態として、コネクタ部材1250が第1接触端1911に接続されると制御モジュール1016が第1イベントとして認識し、第2接触端1912に接続されると制御モジュール1016が第2イベントとして認識することができる。すなわち、コネクタ部材1250がそれぞれの他の接触端と接触すると、互いに異なるイベントを認識し、前記イベントをユーザに送信することができる。
【0333】
<付着段階>
【0334】
図23を参照すると、リザーバー1210に薬物Dが貯蔵されると、薬液注入装置1010はユーザに付着される。前述した薬物貯蔵段階でニードルカバー組立体1700を介してリザーバー1210にあった気体が除去(プライミング動作が完了)されたため、ニードルカバー組立体1700は薬液注入装置1010から除去される。
【0335】
ユーザは薬液注入装置1010をユーザに付着し、ニードル組立体1100を回転させてニードルN及びカニューレを皮膚に挿入する。ニードルNはカニューレと共に皮膚に挿入され、カニューレが皮膚に挿入されることを誘導することができる。
【0336】
その後、ニードルNは皮膚から引き出されるが、カニューレに接続された状態を維持する。ユーザがニードル組立体1100をさらに回転させると、ニードルNはカニューレが皮膚に挿入された状態で上部に移動する。カニューレ及びニードルNは、少なくとも一部が接続され、薬液が移動する経路を形成及び維持する。
【0337】
<薬物注入段階-第2モード>
【0338】
カニューレとニードルNがユーザに挿入される動作と実質的に同時に、駆動モジュール1300及び駆動ユニット1400が駆動される。薬液注入装置1010は、第2モードで薬液Dを設定した周期及び注入量に応じてユーザに注入することができる。
【0339】
ユーザがニードルNとカニューレを皮膚に挿入するためにニードル組立体1100を回転させると、トリガユニット1600は駆動モジュール1300を駆動させる。
【0340】
ユーザがニードル組立体1100を回転させると、トリガユニット1600がカプラー1510を活性化させることができる。カプラー1510が接続部材1520の外側を把持すると、駆動ホイール1420、カプラー1510及び接続部材1520は一体のボディに一体化される。したがって、駆動ホイール1420が回転すると、接続部材1520も一緒に回転し、ロッド1410は前方に移動するようになる。
【0341】
ロッド1410が前方に移動すると、プランジャー1230も一緒に前方に移動しながら、薬液をニードルNに排出することができる。したがって、設定された駆動モジュール1300の駆動周期、駆動速度に応じて薬物がユーザに注入されることができる。
【0342】
駆動ホイール1420が回転すると、エンコーダユニット1930は、駆動ホイール1420の回転角、回転速度などを測定することができる。
【0343】
エンコーダユニット1930は、電気的に接続信号及び/または電気的に解除信号を測定し、駆動ホイール1420の回転に関するデータを測定することができる。制御モジュール1016は、エンコーダユニット1930で測定されたデータに基づいて駆動ホイール1420の回転角、回転速度を算出し、これに基づいてプランジャー1230の移動距離及び薬液の吐出量を算出することができる。
【0344】
<薬物注入段階-第3モード>
【0345】
プランジャー1230がP-2位置に位置し、コネクタ部材1250が第2位置P2に位置すると、第1センサユニット1910で第1接触端1911と第2接触端1912が電気的に分離される。
【0346】
制御モジュール1016は、第1センサユニット1910が電気的に解除されると第3モードを活性化させる。
【0347】
第3モードでは、制御モジュール1016は、ユーザ端末1020、コントローラ1030及び/またはアラームユニット1800を介してユーザに貯蔵された薬液の量が第2基準量に該当するというアラーム信号を送信することができる。
【0348】
第2基準量は、薬物注入段階の駆動時点で駆動モジュール1300が認識する薬液の量であると定義することができる。制御モジュール1016は、リザーバー1210に残った薬液の量が既定の第2基準量であることをユーザに送信し、ユーザは薬液注入装置1010を交換する準備をすることができる。
【0349】
一実施形態として、第1基準量は、第2基準量と同じ薬液貯蔵量に設定されることができる。プランジャー1230が前進または後退移動することにより、コネクタ部材1250が第2接触端1912と接触または接触解除する際に、リザーバー1210におけるプランジャー1230の位置は同じであるため、第1基準量と第2基準量は同じく設定されることができる。
【0350】
他の実施形態として、第1基準量は、第2基準量より大きい薬液貯蔵量に設定されることができる。第1基準量は、第1モードの駆動のために設定される基準値であり、リザーバー1210に貯蔵される薬液の量と実質的に同じように設定されることができる。第2基準量は、第3モードでの開始時点に駆動モジュール1300が認識する薬液の量であり、リザーバー1210に実際に残っている薬液の量より少なく設定されてマージンを有することができる。
【0351】
実際リザーバー1210に貯蔵された薬液の量より第2基準量が少なく設定されるため、実際リザーバー1210には、実際の薬液残留量と第2基準量との差に該当するマージンを有するようになる。たとえ薬液注入装置1010で薬液がないと知らせても、リザーバー1210に残された薬液をさらに利用することができ、突然の薬液の断絶や事故をなくし、薬液注入装置1010の安全性を高めることができる。
【0352】
第3モードでは薬液の残留量が重要であるため、制御モジュール1016は第3モードで非常に精密に薬液の注入量、リザーバー1210の薬液の残留量を算出することができる。第3モードになると、第2センサユニット1920とエンコーダユニット1930で取得したデートに基づいて、制御モジュール1016は駆動ホイール1420の回転角、プランジャー1230の移動距離を正確に測定し、薬液の吐出量及びリザーバー1210に残された薬液量を厳密に算出することができる。第3モードで正確に算出された薬液の残留量はリアルタイムでユーザに送信し、ユーザが危険性を認識することができる。
【0353】
一実施形態として、薬液注入装置1010は、第3モードでのみリザーバー1210に残された薬液の量を正確に算出することができる。第2モードでは、リザーバー1210に貯蔵された薬液の量が既定の範囲(すなわち、第2基準量)を超えるため、リザーバー1210にある薬液の量は精密に測定しないが、第3モードではリザーバー1210に貯蔵された薬液の量を定量的に算出することができる。薬液注入装置1010に貯蔵された薬液の量は、アラームが必要な水準でのみ薬液の貯蔵量を精密に算出するため、薬液注入装置1010の制御負荷を減らすことができる。
【0354】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1010は、リザーバー1210に貯蔵される薬液の注入量を測定することができる。リザーバー1210に貯蔵される薬液の量を第1センサ部1910が測定し、薬液注入装置1010の駆動を設定することができる。プランジャー1230がリザーバー1210の内部で直線移動すると、プランジャー1230に接続されたコネクタ部材1250も一緒に移動し、第1センサユニット1910と接触または接触解除しながら、リザーバー1210に貯蔵された薬液の量をセンシングすることができる。
【0355】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1010は、薬液がリザーバーにある程度満たされると、予熱されて駆動効率を高めることができる。第1センサユニット1910がリザーバー1210に注入される薬液の量が第1基準量以上または超過することとセンシングすると、薬液注入装置1010は第1モードで一部の部品の駆動を準備し、薬液注入装置1010がユーザに付着されると、直ちに薬液を注入することができる。
【0356】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1010は、リザーバー1210に貯蔵された薬液が所定の範囲以下に下がると、これをセンシングしてユーザに知らせることができる。第1センサユニット1910が、リザーバー1210に貯蔵された薬液の量が第2基準量以下または未満に下がることをセンシングすると、薬液注入装置1010は第2センサユニット1920及び/またはエンコーダユニット1930を駆動してリザーバー1210に残った薬液の量を精密に算出し、それに関する情報をユーザに伝達することができる。
【0357】
図12~
図18、
図19a、
図19bを参照すると、本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1010を使用する過程でアラームユニット1800が予期しない状況により誤動作する場合が発生することができる。
【0358】
このとき、ユーザは、薬液注入装置1010、具体的にハウジング1011の一側(
図12を基準に下側)を覆っている付着部1012を全部または一部除去することができる。
【0359】
ユーザは、付着部1012を除去した後、外部に露出される下部カバー1017上に形成される通過孔部1017Hを覆っている破断カバー1018を除去することができる。
【0360】
図15~
図17、
図19a、
図19bを参照すると、下部カバー1017上に形成される通過孔部1017Hは、ハウジング1011の内側に配置される制御モジュール1016上で外側方向に突出形成される破断部1161に対応する位置に形成されることができる。
【0361】
制御モジュール1016に形成される破断部1161には、制御モジュール1016とアラームユニット1800の電気的信号の移動経路である制御線1016Lが配置されることができる。破断部1161には境界を形成し、溝部の形状で切り欠き部1162が形成され、このような切り欠き部1162が複数設けられ、破断部1161の長手方向中心軸を基準に両側に形成されることができる。
【0362】
制御線1016Lは、制御モジュール1016上に形成され、切り欠き部1162が形成される破断部1161上に位置することができる。これにより、破断部1161が破断され、破断部1161に位置する制御線1016Lが破損され、アラームユニット1800と制御モジュール1016との電気的接続が解除されることができる。
【0363】
図17、
図19a、
図19bを参照すると、切り欠き部1162が形成されることにより、破断部1161上で所定区間の幅が比較的狭く形成されることができ、比較的広く形成される破断部1161の残りの領域に外力が加わると、切り欠き部1162が形成される領域に応力が集中し、破断されることがある。
【0364】
図18、
図19a、
図19bを参照すると、第1ボディ1013は制御モジュール1016、具体的に破断部1161と対向して配置される領域に収容部1131、支持部1132を形成することができる。
【0365】
収容部1131は、底面部が制御モジュール1016、具体的に破断部1161と所定距離離隔するように配置され、破断部1161と前記底面部との間に空間が形成されることができる。
【0366】
破断部1161と収容部1131の底面部との間に空間が形成されることにより、一方向(
図19bを基準に上側から下側方向)に沿ってツールTを介して外力が破断部1161に加わり、破断部1161が破断されるまで折り畳める空間を確保することができ、破断部1161が破断された後もハウジング1011の内部で破片が動き回ることなく、収容部1131に収容されることができるようにする効果がある。
【0367】
図18、
図19a、
図19bを参照すると、収容部1131の底面部上で破断部1161の予め設定される領域、具体的に切り欠き部1162が形成される領域側に支持部1132が突出形成されることができる。
【0368】
支持部1132が収容部1131の底面部上から突出し、切り欠き部1162が形成される領域と接触することができるため、ツールTによって破断部1161に外力が加わる方向(
図19bを基準に上側から下側方向)と反対方向(
図19b基準を基準に下側から上側方向)に切り欠き部1162が形成される領域を接触支持することにより、比較的小さな力で破断部1161を容易に破断させることができる効果がある。破断部1161が破断されることにより、制御モジュール1016とアラームユニット1800との間の電気的接続が解除され、誤動作などの理由で引き続きアラームユニット1800から警告音、光などの視覚的または聴覚的アラームが発生することを強制的に解除することができる効果がある。
【0369】
破断カバー1018が下部カバー1017に形成される通過孔部1017Hより比較的に大きい直径を有して下部カバー1017に付着され、通過孔部1017Hを覆うことにより、アラームユニット1800が正常に作動する場合には、ユーザの不注意等によりハウジング1011の内部で下部カバー1017の上側(
図13を基準に)に配置される制御モジュール1016、具体的に破断部1161が破損されることを防止することができる効果がある。
【0370】
本発明の一実施形態に係る下部カバー1017と対向する破断カバー1018の一面には接合手段が塗布されることができ、接合手段によって破断カバー1018が通過孔部1017Hを覆い、下部カバー1017と対向して配置される破断部1161への移動経路を遮断することができる効果がある。
【0371】
しかし、これに限定されるものではなく、破断カバー1018が下部カバー1017に位置固定される技術的思想の中で様々な変形実施が可能である。
【0372】
本発明の一実施形態に係る薬液注入装置1010は、ハウジング1011の内側に配置され、アラームユニット1800と電気的に接続される制御モジュール1016の予め設定される領域、具体的に破断部1161がアラームユニット1800の誤動作状況など、必要の際に外力によって破断され、制御モジュール1016とアラームユニット1800との電気的接続を解除させることができ、継続的なアラームの提供によるユーザに発生する不便を解消することができる効果がある。
【0373】
本発明は、添付の図に示された一実施形態を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、このことから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能であることが理解できるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定められるべきであろう。
【産業上の利用可能性】
【0374】
本発明によれば、薬液注入装置を提供する。また、産業上利用する患者の体内に薬液を注入する器具などに本発明の実施形態を適用することができる。