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7649579エンターテインメントシステム、エンターテインメント方法及びエンターテインメントプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】エンターテインメントシステム、エンターテインメント方法及びエンターテインメントプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/47 20140101AFI20250313BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20250313BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20250313BHJP
   A63F 13/67 20140101ALI20250313BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20250313BHJP
   G06F 40/44 20200101ALI20250313BHJP
   G06F 40/56 20200101ALI20250313BHJP
【FI】
A63F13/47
A63F13/533
A63F13/58
A63F13/67
A63F13/80 D
G06F40/44
G06F40/56
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024064022
(22)【出願日】2024-04-11
【審査請求日】2024-04-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和6年4月7日 一般財団法人デザイロ 発明の詳細について公開 (2)令和6年4月8日 独立行政法人情報処理推進機構 未踏アドバンス事業2024にて発明の詳細な仕様を公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524140341
【氏名又は名称】木原 共
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木原 共
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-534931(JP,A)
【文献】特開2023-023978(JP,A)
【文献】特開2011-056110(JP,A)
【文献】特開2012-055644(JP,A)
【文献】特開2003-050965(JP,A)
【文献】特開2011-212266(JP,A)
【文献】国際公開第2020/153235(WO,A1)
【文献】特表2022-548331(JP,A)
【文献】特開2022-174244(JP,A)
【文献】特表2022-525411(JP,A)
【文献】特開2022-112315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
G06F 40/44,40/56
G06N 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤーとノンプレイヤーキャラクターでストーリーを展開するエンターテインメントシステムであって、
前記エンターテインメントシステムは、記憶部、受付部、パラメーター算出部、判定部、展開決定部、返答生成部、表示処理部、を備え、
前記記憶部は、ストーリーの途中の展開と当該展開を決定するためのパラメーターの条件を含む分岐展開情報を格納し、更に、ストーリーをプレイし終えるまでにユーザが入力する必要がある言葉の合計必要回数であるプレイヤー入力必要回数をストーリーごとに格納し、更に、ストーリーのエンディングの展開を決定するためのエンディング展開情報を格納し、
前記受付部は、プレイヤー端末を介して、前記プレイヤーから言葉の入力を受け付け、
前記判定部は、前記記憶部が格納するプレイヤー入力必要回数と、前記プレイヤーから受け付けた言葉の回数と、に基づいて、ストーリーが終盤であるかを判定し、
前記パラメーター算出部は、前記入力に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを算出し、
前記展開決定部は、前記パラメーターと、前記判定部の判定結果と、前記分岐展開情報と、前記エンディング展開情報と、に基づいて、ストーリーのエンディングの展開を含む展開を決定し、
前記返答生成部は、前記入力及び前記展開に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターの返答を生成し、
前記表示処理部は、前記展開に関する映像及び前記返答生成部が生成した返答を表示処理する、
エンターテインメントシステム。
【請求項2】
前記表示処理部は、前記プレイヤーの分身である登場人物の表情を変更するための映像を含む表情コマンドの一覧を表示処理し、
前記受付部は、プレイヤー端末を介して、前記プレイヤーから言葉及び前記表情コマンドの入力を受け付け、
前記パラメーター算出部は、前記表情コマンドに関する情報を含む入力に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを算出し、
前記返答生成部は、前記表情コマンドに関する情報を含む入力及び前記展開に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターの返答を生成する、
請求項1に記載のエンターテインメントシステム。
【請求項3】
前記エンターテインメントシステムは、判定部、を備え、
前記表示処理部は、特定の展開で前記プレイヤーが選択するための選択コマンドを複数のプレイヤーそれぞれの端末に同時に表示処理し、
前記判定部は、前記複数のプレイヤーから受け付けたそれぞれの選択コマンドが同一かを判定し、
前記展開決定部は、前記複数のプレイヤーそれぞれに対するパラメーター及び前記判定部の判定結果に基づいて、前記展開を決定する、
請求項1に記載のエンターテインメントシステム。
【請求項4】
前記エンターテインメントシステムは、初期パラメーター決定部、を備え、
前記初期パラメーター決定部は、所定条件に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターのストーリー開始時点でのパラメーターを決定する、
請求項1に記載のエンターテインメントシステム。
【請求項5】
前記ストーリー開始時点でのパラメーターは、前記ノンプレイヤーキャラクターのストーリー開始時点での感情に関するパラメーターである、
請求項に記載のエンターテインメントシステム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記ノンプレイヤーキャラクターのストーリー開始時点でのパラメーターに出現確率を紐づけて格納し、
前記初期パラメーター決定部は、前記出現確率に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターのストーリー開始時点でのパラメーターを決定する、
請求項に記載のエンターテインメントシステム。
【請求項7】
前記エンターテインメントシステムは、画像生成部、を備え、
前記分岐展開情報は、前記ストーリーの途中の展開に関する説明を含み、
前記画像生成部は、前記パラメーターと、前記説明と、に基づいて、ストーリーの途中の展開に関する映像を生成する、
請求項1に記載のエンターテインメントシステム。
【請求項8】
前記表示処理部は、前記受付部が受け付けた言葉を吹き出しに収まるように調整して表示処理する、
請求項1に記載のエンターテインメントシステム。
【請求項9】
プレイヤーとノンプレイヤーキャラクターでストーリーを展開するエンターテインメントシステムが実行するエンターテインメント方法であって、
前記エンターテインメントシステムは、記憶部、受付部、パラメーター算出部、判定部、展開決定部、返答生成部、表示処理部、を備え、
前記記憶部が、ストーリーの途中の展開と当該展開を決定するためのパラメーターの条件を含む分岐展開情報を格納し、更に、ストーリーをプレイし終えるまでにユーザが入力する必要がある言葉の合計必要回数であるプレイヤー入力必要回数をストーリーごとに格納し、更に、ストーリーのエンディングの展開を決定するためのエンディング展開情報を格納するステップと、
前記受付部が、プレイヤー端末を介して、前記プレイヤーから言葉の入力を受け付けるステップと、
前記判定部が、前記記憶部が格納するプレイヤー入力必要回数と、前記プレイヤーから受け付けた言葉の回数と、に基づいて、ストーリーが終盤であるかを判定するステップと、
前記パラメーター算出部が、前記入力に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを算出するステップと、
前記展開決定部が、前記パラメーターと、前記判定部の判定結果と、前記分岐展開情報と、前記エンディング展開情報と、に基づいて、ストーリーのエンディングの展開を含む展開を決定するステップと、
前記返答生成部が、前記入力及び前記展開に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターの返答を生成するステップと、
前記表示処理部が、前記展開に関する映像及び前記返答生成部が生成した返答を表示処理するステップと、を含む、
エンターテインメント方法。
【請求項10】
プレイヤーとノンプレイヤーキャラクターでストーリーを展開するエンターテインメントプログラムであって、
コンピュータを、記憶部、受付部、パラメーター算出部、判定部、展開決定部、返答生成部、表示処理部、として機能させ、
前記記憶部は、ストーリーの途中の展開と当該展開を決定するためのパラメーターの条件を含む分岐展開情報を格納し、更に、ストーリーをプレイし終えるまでにユーザが入力する必要がある言葉の合計必要回数であるプレイヤー入力必要回数をストーリーごとに格納し、更に、ストーリーのエンディングの展開を決定するためのエンディング展開情報を格納し、
前記受付部は、プレイヤー端末を介して、前記プレイヤーから言葉の入力を受け付け、
前記判定部は、前記記憶部が格納するプレイヤー入力必要回数と、前記プレイヤーから受け付けた言葉の回数と、に基づいて、ストーリーが終盤であるかを判定し、
前記パラメーター算出部は、前記入力に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを算出し、
前記展開決定部は、前記パラメーターと、前記判定部の判定結果と、前記分岐展開情報と、前記エンディング展開情報と、に基づいて、ストーリーのエンディングの展開を含む展開を決定し、
前記返答生成部は、前記入力及び前記展開に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターの返答を生成し、
前記表示処理部は、前記展開に関する映像及び前記返答生成部が生成した返答を表示処理する、
エンターテインメントプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンターテインメントシステム、エンターテインメント方法及びエンターテインメントプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボット(AI)と会話を行う技術が存在する。
【0003】
例えば、特許文献1には、ロボットが、あるユーザと会話した内容を、他のユーザに対して共有できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特願2019-183261
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
AIにどのような役割を担わせたいかはユーザごとに異なる。ユーザ自身があるストーリーの登場人物になり、その登場人物の話し相手及びストーリーの進行の役割をAIに担わせたいユーザも存在する。しかしながら特許文献1の技術では、AIとの会話を行うことができる一方、AIがストーリーの進行をすることはできない。
【0006】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、ユーザがストーリーの登場人物になって、そのストーリーをAIと共創しながら楽しむための新たな技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]プレイヤーとノンプレイヤーキャラクターでストーリーを展開するエンターテインメントシステムであって、
前記エンターテインメントシステムは、受付部、送信部、表示処理部、を備え、
前記受付部は、プレイヤー端末を介して、前記プレイヤーから言葉の入力を受け付け、
前記送信部は、前記入力及びノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを生成装置に送信し、当該生成装置にストーリーの展開に対応したノンプレイヤーキャラクターの返答を生成させ、
前記表示処理部は、前記生成結果に基づく返答を表示処理する、
エンターテインメントシステム。
【0008】
[10]プレイヤーとノンプレイヤーキャラクターでストーリーを展開するエンターテインメントシステムが実行するエンターテインメント方法であって、
前記エンターテインメントシステムは、受付部、送信部、表示処理部、を備え、
前記受付部が、プレイヤー端末を介して、前記プレイヤーから言葉の入力を受け付けるステップと、
前記送信部が、前記入力及びノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを生成装置に送信し、当該生成装置にストーリーの展開に対応したノンプレイヤーキャラクターの返答を生成させるステップと、
前記表示処理部が、前記生成結果に基づく返答を表示処理するステップと、を含む、
エンターテインメント方法。
【0009】
[11]プレイヤーとノンプレイヤーキャラクターでストーリーを展開するエンターテインメントプログラムであって、
コンピュータを、受付部、送信部、表示処理部、として機能させ、
前記受付部は、プレイヤー端末を介して、前記プレイヤーから言葉の入力を受け付け、
前記送信部は、前記入力及びノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを前記生成装置に送信し、当該生成装置にストーリーの展開に対応したノンプレイヤーキャラクターの返答を生成させ、
前記表示処理部は、前記生成結果に基づく返答を表示処理する、
エンターテインメントプログラム。
【0010】
このような構成にすることで、プレイヤー(ユーザ)がストーリーの登場人物として言葉を入力することが可能となり、プレイヤーは、ストーリーの登場人物になって、そのストーリーをノンプレイヤーキャラクター(AI(Artificial Intelligence)等)と共創しながら楽しむことができる。
【0011】
[2]前記生成装置は、パラメーター算出部、展開決定部、返答生成部、を備え、
前記パラメーター算出部は、前記入力に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを算出し、
前記展開決定部は、前記パラメーターに基づいて、前記展開を決定し、
前記返答生成部は、前記入力に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターの返答を生成する、
[1]に記載のエンターテインメントシステム。
【0012】
このような構成にすることで、パラメーターによってストーリーの展開が決定するため、プレイヤーは、ストーリーの進行をAIに担わせることができる。
【0013】
[3]前記エンターテインメントシステムは、記憶部、を備え、
前記記憶部は、前記展開に画像データを紐づけて格納し、
前記表示処理部は、前記決定に基づいて、前記画像データを表示処理する。
[1]又は[2]に記載のエンターテインメントシステム。
【0014】
このような構成にすることで、プレイヤーは、ストーリーの展開を画像によって視覚的に楽しむことができる。
【0015】
[4]前記受付部は、プレイヤー端末を介して、前記複数のプレイヤーから言葉の入力を受け付け、
前記パラメーター算出部は、前記複数のプレイヤーの入力に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターの当該複数のプレイヤーそれぞれに対するパラメーターを算出し、
前記展開決定部は、前記複数のプレイヤーそれぞれに対するパラメーターに基づいて、前記展開を決定する、
[2]又は[3]に記載のエンターテインメントシステム。
【0016】
このような構成にすることで、複数のプレイヤーが同時にストーリーを共創しながら楽しむことができる。
【0017】
[5]前記エンターテインメントシステムは、作成部を備え、
前記受付部は、前記プレイヤーから言葉の入力を複数回受け付け、
前記パラメーター算出部は、前記入力を受け付ける度に当該入力に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを算出し、
前記展開決定部は、前記パラメーターを算出する度に当該パラメーターに基づいて、前記展開を決定し、
前記返答生成部は、前記入力を受け付ける度に当該入力に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターの返答を生成し、
前記作成部は、前記決定した展開及び前記生成した返答に基づいて、一連のストーリーを作成して記憶部に格納する、
[2]~[4]の何れかに記載のエンターテインメントシステム。
【0018】
このような構成にすることで、プレイヤーは、自身が作成した一連のストーリーを、言葉(文字又は音声)と絵(画像)で構成されるメディア(漫画、ウェブトゥーン(Webtoon)、コミック(comic)、絵本)として楽しむことができる。
【0019】
[6]前記エンターテインメントシステムは、選択部、を備え、
前記表示処理部は、前記プレイヤー端末を介して、前記プレイヤーが選択するための選択コマンドを表示処理し、
前記選択部は、前記プレイヤーから選択コマンドの選択を受け付け、
前記パラメーター算出部は、前記入力及び選択に基づいて、前記ノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを算出する、
[2]~[5]の何れかに記載のエンターテインメントシステム。
【0020】
このような構成にすることで、プレイヤーは、言葉の入力の代わりに選択コマンドを選択することによって、ストーリーを進行させることができる。
【0021】
[7]前記エンターテインメントシステムは、選択部、判定部、を備え、
前記表示処理部は、前記複数のプレイヤーが選択するための選択コマンドを表示処理し、
前記選択部は、前記複数のプレイヤーから選択コマンドの選択を受け付け、
前記判定部は、前記受け付けたそれぞれの選択コマンドを判定し、
前記展開決定部は、前記判定に基づいて、ストーリーの展開を決定する、
[2]~[6]の何れかに記載のエンターテインメントシステム。
【0022】
このような構成にすることで、複数のプレイヤーの意思が一致した場合、ストーリー中のそれぞれの登場人物に対して共通の行動を実行させることができる。
【0023】
[8]前記エンターテインメントシステムは、画像生成部、を備え、
前記画像生成部は、前記ノンプレイヤーキャラクターのパラメーターに基づいて、ストーリーの展開映像を生成する、
[1]~[7]の何れかに記載のエンターテインメントシステム
【0024】
このような構成にすることで、パラメーターによって決定したストーリーの展開に適した映像を生成することができる。
【0025】
[9]前記表示処理部は、前記パラメーター及び返答を同一画面に表示処理する、
[1]~[8]の何れかに記載のエンターテインメントシステム。
【0026】
このような構成にすることで、プレイヤーは、ノンプレイヤーキャラクターのパラメーターと返答を閲覧しながら、自身の入力を考えることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ユーザがストーリーの登場人物になって、そのストーリーをAIと共創しながら楽しむための新たな技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本実施形態におけるエンターテインメントシステムの構成を示すブロック図。
図2】本実施形態におけるハードウェア構成図。
図3】本実施形態における機能構成要素を示すブロック図。
図4】本実施形態における記憶部に格納されたデータ構成の一例。
図5】本実施形態における記憶部に格納されたデータ構成の一例。
図6】本実施形態における記憶部に格納されたデータ構成の一例。
図7】本実施形態におけるエンターテインメントシステムの概略イメージ図。
図8】本実施形態におけるプレイヤー端末に表示される画面表示の遷移例。
図9】本実施形態におけるプレイヤー端末に表示される画面表示例。
図10】本実施形態におけるプレイヤー端末に表示される画面表示例。
図11】本実施形態におけるプレイヤー端末に表示される画面表示例。
図12】本実施形態におけるプレイヤー端末に表示される画面表示例。
図13】本実施形態におけるストーリーのプレイに関する処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を用いて、本発明のエンターテインメントシステムについて説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、本発明は多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0030】
例えば、本実施形態ではエンターテインメントシステムの構成、動作等について説明するが、実行される方法(ステップ)、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されても良いし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されても良いし、クライアント端末でその機能を実施するために外部のコンピュータにおいて当該プログラムを起動させても良い(いわゆるクラウドコンピューティング)。
【0031】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0032】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0033】
<システム概要>
図1は、本実施形態におけるエンターテインメントシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、エンターテインメントシステム0は、エンターテインメント装置1、プレイヤー端末2、生成装置3を備える。エンターテインメント装置1は、ネットワークNWを介してプレイヤー端末2及び生成装置3と通信可能に構成される。エンターテインメント装置1はサーバとして動作し、プレイヤー端末2はクライアント端末として動作する。
【0034】
ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0035】
エンターテインメント装置1は、プレイヤー端末2を介して、プレイヤー(ユーザ)から入力を受け付ける。エンターテインメント装置1は、プレイヤーから受け付けた入力や記憶部に格納する情報を生成装置3に送信する。エンターテインメント装置1は、プレイヤーから受け付けた入力に基づいて、ストーリーの展開の決定やNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の返答を生成しても良い。
【0036】
エンターテインメント装置1としては、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、複数のコンピュータを用いてエンターテインメント装置1を構成することも可能である。
【0037】
プレイヤー端末2は、プレイヤーがストーリーの登場人物を自身の分身として操作するための端末である。プレイヤーは、プレイヤー端末2を介して、ストーリーの登場人物のセリフやその登場人物の表情等を入力する。このような入力を行うことによって、プレイヤー自身がストーリーの登場人物になることが可能となりそのストーリーを体験(プレイ)することができる。さらに、ユーザがストーリーをプレイすることによって、ユーザは、独自のストーリーを作成することができる。
【0038】
プレイヤー端末2としては、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等の端末装置を利用することができる。プレイヤー端末2は、1つであっても複数であっても良い。さらに、1人のプレイヤーが1つのプレイヤー端末を利用しても、複数のプレイヤーが1つのプレイヤー端末を利用しても良い。
【0039】
生成装置3は、エンターテインメント装置1から受け付けた情報に基づいて、NPCのパラメーターの算出、ストーリーの展開の決定、NPCの返答の生成等を行う。
【0040】
生成装置3は、自然言語処理(NLP(Natural Language Processing))モデルを提供するサーバ装置であることが考えられる。生成装置3は、好ましくは大規模言語モデル(LLM(Large Language Model))を提供するサーバ装置である。自然言語処理モデルは、自然言語として入力されるデータをコンピュータで処理することを実現するものである。本実施形態において、採用される自然言語処理モデルの種類は限定されないが、例えば、ChatGPT(Chat Generative Pre-trained Transformer)等が挙げられる。
【0041】
生成装置3としては、返答生成モデル及び/又は画像生成モデルを提供するサーバ装置を利用することが可能である。返答生成モデル及び/又は画像生成モデルはニューラルネットワーク等の機械学習モデルであって、生成装置3が受け付けた情報に基づいて、ストーリーにおけるNPCの返答や展開映像を生成することが考えられる。生成装置3としては、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することも可能である。また、複数の装置を用いて生成装置3を構成することも可能である。
【0042】
本発明において、プレイヤーの数は予め用意された(記憶部に格納された)ストーリーによって異なる。また、ノンプレイヤーキャラクター(NPC(Non Player Character))の数も予め用意されたストーリーによって異なる。NPCはAIであり、プレイヤーは、ストーリーの登場人物になって、そのストーリーをAIと共創しながら楽しむことができる。
【0043】
エンターテインメントシステム0は、プレイヤーの入力に基づいて、NPCのパラメーターを変更する。詳細は後述するが、エンターテインメントシステム0は、NPCのパラメーターとして、NPCのプレイヤーに対するパラメーター(プレイヤーに対する好感度等)、NPC自身の感情に関するパラメーター(恐怖、人間不信等)を変更する。
【0044】
そして、エンターテインメントシステム0は、NPCのパラメーターに基づいて、ストーリーの展開を決定する。ストーリーの展開は、ストーリーのエンディングの展開、ストーリーの途中(エンディング以外)の展開等を含む。ユーザがストーリーの登場人物として言葉等を入力してエンターテインメントシステム0が展開を決定することによって、ユーザは、ストーリーを体験し、更に、独自のストーリーを作成することができる。
【0045】
本実施形態において、プレイヤーの数が2人である形態を説明する。しかしながら、本発明において、プレイヤーの数は1人であっても3人以上であっても良い。また、本実施形態において、NPCが1人である形態を説明する。しかしながら、本発明において、NPCの数は2人以上でも良い。
【0046】
本発明によって、複数のプレイヤーが同時にストーリーを楽しむことができる。例えば、進行役が必要なTRPG(Tabletop Role-Playing Game)の進行役をAIに担わせることが可能となり、プレイヤーがストーリーの登場人物となって、そのストーリーを楽しむことができる。
【0047】
この他にも、複数のプレイヤーの中にAIを紛れ込ませておくことによって、プレイヤーは、複数のプレイヤーの中からAIを探し出すような推理系のストーリーを楽しむことができる。本発明においてAIにストーリーの様々な役割(進行等)を担わせることによって、プレイヤーはストーリーの登場人物となって、そのストーリーを楽しむことができる。
【0048】
<ハードウェア構成>
図2は、ハードウェア構成図である。図2(a)に示すように、情報処理装置10(エンターテインメント装置1及び生成装置3)は、制御部101、記憶部102、及び通信部103を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0049】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係るエンターテインメントプログラム、OS(Operating System)やブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置10の動作処理全体を制御する。
【0050】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、本発明に係るエンターテインメントプログラム及び、制御部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部101が、記憶部102に記憶されているエンターテインメントプログラムに基づき処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0051】
通信部103は、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報処理装置10を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0052】
図2(b)のように、端末装置9(プレイヤー端末2)は、制御部91、記憶部92、通信部93、入力部94、及び出力部95を有し、各部及び各工程の作用発揮に用いられる。
【0053】
端末装置9の制御部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末装置9の動作処理全体を制御する。端末装置9の記憶部92は、HDD、SSD、ROM、RAM等であって、上述のアプリケーション及び、制御部91がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。
【0054】
端末装置9の通信部93は、ネットワークNWとの通信を制御する。端末装置9の入力部94は、マウス及びキーボード等であって、利用者/提供者による操作要求を制御部91に入力する。端末装置9の出力部95は、ディスプレイ等であって、制御部91の処理の結果等を表示する。
【0055】
<学習済みモデルの利用>
生成装置3が大規模言語モデル等の自然言語処理モデル(例えば、返答生成モデル及び/又は画像生成モデル)を提供するサーバ装置である場合、そのモデルが予め学習済みであっても良い。学習済みモデルは、後述のデータ構成の情報等によって学習したモデルであることが考えられる。
【0056】
後述の送信部13は、プレイヤーから受け付けた言葉の入力及びNPCのパラメーターを生成装置3に送信し、生成装置3にストーリーの展開に対応したNPCの返答を生成させる。送信部13が送信するNPCのパラメーターは、ストーリー進行中のNPCのパラメーター(困惑、恐怖、喜び、悲しみ、怒り、罪悪感、人間不信等のNPC自身の感情に関するパラメーター、プレイヤーへの好感度、疑念等のNPCのプレイヤーに対するパラメーター、NPC自身の体力(ライフ)等に関するパラメーター等)である。
【0057】
生成装置3は、プレイヤーからの入力に基づいて、NPCのパラメーターを新たに算出する。また、生成装置3は、算出したパラメーターに基づいて、今後のストーリーの展開を決定する。さらに、生成装置3は、プレイヤーからの入力に基づいて、NPCの返答を生成する。
【0058】
<機能構成要素>
図3に示すように、エンターテインメント装置1は、受付部11、表示処理部12、送信部13、作成部14、遭遇展開集計部15、初期パラメーター決定部16、選択部17、時間制限算出部18を備える。
【0059】
また、本実施形態で生成装置3は、パラメーター算出部31、展開決定部32、判定部33、返答生成部34、送信部35、画像生成部36を備える。生成装置3が自然言語処理モデル(例えば、返答生成モデル及び/又は画像生成モデル)を提供するサーバ装置である場合、自然言語処理モデルがこれら機能構成要素の処理を行う。
【0060】
これら機能構成要素の配置は一例であり、エンターテインメント装置1の備えた機能構成の一部が、プレイヤー端末2、生成装置3、エンターテインメント装置1と通信可能に構成された1又は複数の装置に配置されても良い。同様に、生成装置3の備えた機能構成の一部が、エンターテインメント装置1、プレイヤー端末2、生成装置3と通信可能に構成された1又は複数の装置に配置されても良い。
【0061】
<データ構成>
図4~6は、本実施形態における記憶部に格納されたデータ構成の一例である。エンターテインメント装置1の記憶部は、ストーリー情報、エンディング展開情報、表情コマンド情報、分岐展開情報、プレイヤー情報、NPC設定情報、アクションコマンド情報を格納する。
【0062】
ストーリー情報は、プレイヤーが登場人物となって体験(プレイ)することができるストーリーに関する情報である。ストーリー情報は、図4(a)のような情報を含み、ストーリー毎にストーリーIDで管理される。ストーリー情報は、そのストーリーを同時にプレイするプレイヤーの人数、そのストーリーに登場するNPCの人数、そのストーリーのプレイにかかるプレイ時間を含む。
【0063】
また、ストーリー情報は、そのストーリーのジャンル、シチュエーション、設定等を含む。さらに、ストーリー情報は、プレイヤーからのプレイヤー入力回数を含む。プレイヤー入力回数は、プレイヤーがストーリーをプレイし終えるまでに入力する言葉の合計数であって、プレイヤー入力回数の言葉を受け付けた後にストーリーの展開がエンディングに到達する。
【0064】
例えば、ストーリーID:ST1において、2人のプレイヤーが合計8回の言葉を入力すると、ストーリーの展開がエンディングに到達する。ストーリーID:ST1ではプレイヤー人数が2人であるため、それぞれのプレイヤーが4回ずつ言葉を入力するとエンディングに到達することが考えられる。
【0065】
エンディング展開情報は、ストーリーのエンディングの展開を決定するための情報であって、エンディングの展開を決定するための条件(展開パラメーター)を含む。エンディング展開情報は、図4(b)のような情報を含み、展開IDで管理される。
【0066】
図4(b)のように、記憶部が、異なる展開パラメーターが紐づくエンディングの展開を複数種類格納することによって、NPCのパラメーターと展開パラメーターに基づいてストーリーの展開を決定できる。
【0067】
エンディング展開映像は、ストーリーのエンディングの展開に関する映像(画像、動画等)である。エンディング展開映像が画像データの場合、ファイル形式は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、PNG(Portable Network Graphics)、GIF(Graphics Interchange Format)等であり、その形式に指定はない。エンディング展開映像が動画データの場合、ファイル形式は、MP4、MOV等であり、その形式に指定はない。
【0068】
エンディング展開説明は、そのエンディングの展開(シーン)に関する説明である。エンディングの展開毎にエンディング展開説明が紐づくことによって、プレイヤーは、そのエンディングの説明を確認することができる。
【0069】
エンディング展開情報がストーリーIDを含むことによって、その展開がどのストーリーに関するエンディングであるかを管理することができる。また、エンディング展開情報がENDフラグを含むことによって、ストーリーの途中(エンディング以外)の展開と区別することができる。
【0070】
表情コマンド情報は、プレイヤー自身の分身である登場人物の表情に関する情報であって、登場人物の表情を変更するための映像である表情コマンド映像を含む。プレイヤーは、プレイヤー端末2を介して表情コマンドを入力することによって、ストーリーに登場する自身の分身の表情を変更することができる。
【0071】
表情コマンド情報は、図4(c)のような情報を含み、表情コマンドIDで管理される。表情コマンド映像が画像データの場合、ファイル形式は、JPEG、PNG、GIF等であり、その形式に指定はない。表情コマンド映像が動画データの場合、ファイル形式は、MP4、MOV等であり、その形式に指定はない。
【0072】
さらに、表情コマンド情報は、その表情に関する説明である表情コマンド説明を含む。表情コマンド映像毎に表情コマンド説明が紐づくことによって、プレイヤーは、その表情コマンドの説明を確認することができる。
【0073】
登場人物の表情としては、普段通りの「普通」の表情、怒った「怒り」の表情、泣いている「泣き」の表情、笑っている「笑い」の表情、名案をひらめいた「ひらめき」の表情、焦っている「焦り」の表情、困惑している「困惑」の表情、あきらめた「あきらめ」の表情、が考えられる。この他にも、慌てる様子の「慌てる」の表情、混乱している「混乱」の表情、呆れる様子の「呆れる」の表情、何も言い返せない「静止」の表情、図星を言われた「図星」の表情、どうしようもない「とほほ」の表情、が考えられる。
【0074】
分岐展開情報は、ストーリーの途中の展開を決定するための情報であって、途中の展開を決定するための条件(展開パラメーター)を含む。分岐展開情報は、図5(d)のような情報を含み、展開IDで管理される。
【0075】
分岐展開映像は、ストーリーの途中の展開に関する映像(画像、動画等)である。分岐展開映像が画像データの場合、ファイル形式は、JPEG、PNG、GIF等であり、その形式に指定はない。分岐展開映像が動画データの場合、ファイル形式は、MP4、MOV等であり、その形式に指定はない。
【0076】
分岐展開説明は、その展開(シーン)に関する説明である。ストーリーの途中の展開毎に分岐展開説明が紐づくことによって、プレイヤーは、その分岐の展開の説明を確認することができる。また、分岐展開説明が生成装置3に送信されることによって、生成装置3は、分岐展開説明及びNPCのパラメーターに基づいて、NPCの返答を生成することができる。
【0077】
分岐展開情報がストーリーIDを含むことによって、その展開がどのストーリーに関する展開であるかを管理することができる。また、分岐展開情報がENDフラグを含むことによって、ストーリーのエンディングの展開と区別することができる。
【0078】
プレイヤー情報は、今までプレイヤーが遭遇した展開の遭遇回数、今までプレイヤーが作成したストーリーに関するメディアを含み、プレイヤーIDで管理される。
【0079】
遭遇回数は、プレイヤーがストーリーの登場人物として今までストーリーをプレイした中で遭遇した展開(シーン)の回数に関する情報である。遭遇回数は、図5(e)のように、プレイヤーがストーリーを作成する中で、そのシーンに遭遇した回数が考えられる。
【0080】
メディアは、プレイヤーが今までに作成したストーリーを閲覧するための情報である。メディアは、映像(画像、動画等)ファイルとして記憶部に格納されていても良いし、映像を閲覧するためのURL(Uniform Resource Locator)や映像ファイルのパス(格納場所)が格納されていても良い。
【0081】
NPC設定情報は、ストーリー開始時におけるNPCの設定に関する情報である。NPC設定情報は、図6(f)のような情報を含み、NPC設定IDで管理される。NPC設定情報は、NPCのストーリー開始時における(初期)パラメーター、ストーリーID、出現確率、NPCの生い立ち設定を含む。
【0082】
初期パラメーターは、NPCのプレイヤーに対するパラメーター(プレイヤーへの好感度等)ではなく、NPC自身の感情に関するパラメーターであることが考えられる。例えば、困惑、恐怖、喜び、悲しみ、怒り、罪悪感、人間不信に関する感情パラメーター等が考えられる。
【0083】
NPC設定情報がストーリーIDを含むことによって、そのNPC設定情報がどのストーリーの設定であるかを管理することができる。また、NPC設定情報が出現確率を含むことによって、ストーリー開始時におけるそのNPC設定情報の出現確率を管理することができる。
【0084】
アクションコマンド情報は、プレイヤーが選択することができる選択(アクション)コマンドに関する情報である。アクションコマンド情報は、図6(g)のような情報を含み、アクションコマンドIDで管理される。
【0085】
さらに、アクションコマンド情報は、その選択コマンドに関する説明であるアクションコマンド説明を含む。アクションコマンド説明は、プレイヤーがその選択コマンドを選択した場合に、ストーリーの登場人物がどのような行動を行うかを説明する。
【0086】
各データの配置も一例であり、エンターテインメント装置1の記憶部に格納されたデータの一部又は全部が、プレイヤー端末2、生成装置3、エンターテインメント装置1と通信可能に構成された1又は複数の装置に配置されても良い。
【0087】
<概略イメージ>
図7は、本実施形態におけるエンターテインメントシステムの概略イメージ図である。概略イメージ図を用いて、2人のプレイヤーによる1回のストーリーの作成を説明する。
【0088】
プレイヤーPaは、プレイヤー端末2aを介して言葉(文字又は音声)を入力し、プレイヤー端末2aは受け付けた言葉をエンターテインメント装置1及び/又はプレイヤー端末2bに送信する((A)を参照)。
【0089】
エンターテインメント装置1は、プレイヤー端末2aを介して受け付けた入力(言葉及び/又は表情)、記憶部が格納する情報(ストーリー進行中における現状のNPCのパラメーター、ストーリーを分岐させるための展開パラメーター等)を生成装置3に送信する((B)を参照)。
【0090】
生成装置3は、エンターテインメント装置1から受け付けた入力に基づいて、NPCのパラメーターを変更する。さらに、生成装置3は、エンターテインメント装置1から受け付けた言葉及び/又は変更したNPCのパラメーターに基づいて、ストーリーの展開を決定する。さらに、生成装置3は、エンターテインメント装置1から受け付けた言葉及び/又は変更したNPCのパラメーターに基づいて、NPCの返答を生成する((C)を参照)。
【0091】
生成装置3は、変更したパラメーターと、決定した展開と、生成した返答と、をエンターテインメント装置1に送信する((D)を参照)。
【0092】
エンターテインメント装置1は、ストーリー進行中における現状のNPCのパラメーターを、生成装置3から受け付けたパラメーターに更新する((E)を参照)。
【0093】
エンターテインメント装置1は、生成装置3から受け付けた展開及び返答を、プレイヤー端末2a及び2bに送信する((F)を参照)。
【0094】
プレイヤーPbは、プレイヤー端末2bを介して言葉(文字又は音声)を入力し、プレイヤー端末2bは受け付けた言葉をエンターテインメント装置1及び/又はプレイヤー端末2aに送信する((G)を参照)。
【0095】
1回のストーリーにおいてプレイヤーが2人の場合、(A)→(B)→(C)→(D)→(E)→(F)→(G)→(B)→(C)→(D)→(E)→(F)の流れが繰り返されることによって、1つのストーリーが作成される。例えば、この流れが4回繰り返される場合、生成装置3は、8回目の(C)において、ストーリーの展開としてエンディングを決定する。つまり、この流れがN回(N=1、2、・・・)繰り返される場合、生成装置3は、2N回目の(C)において、ストーリーの展開としてエンディングを決定する。
【0096】
プレイヤーが3人以上の場合も同様の流れで1つのストーリーが作成される。また、プレイヤーが1人の場合、プレイヤーPb及びプレイヤー端末2bが存在せず、(A)→(B)→(C)→(D)→(E)→(F)の流れが繰り返される。
【0097】
このような流れでストーリーを作成することによって、プレイヤーが入力する言葉等を毎回変更することが可能となり、同一のストーリー設定であっても毎回異なる中身(途中の展開、エンディングの展開、プレイヤーが入力する言葉等)のストーリーを作成して楽しむことができる。
【0098】
<プレイヤー(ユーザ)による入力のための画面表示例>
図8は、本実施形態におけるプレイヤー端末に表示される画面表示の遷移例である。また、図9~12は、本実施形態におけるプレイヤー端末に表示される画面表示例である。図8では、プレイヤーからの入力等に応じて、プレイヤー端末2に表示される画面が、F1(図9)→F2(図10)→F3(図11)→F4(図12)の順番に遷移する。
【0099】
F1(図9)では、NPCのセリフW81が表示され、プレイヤーPaのターン(プレイヤーPaが入力を行う番)であることが表示されている。W88のようなテキストの入力を促す表示やW89のような登場人物の表情の選択を促す表示によって、プレイヤーPaは、自身が入力するべきことを視覚的に認識することができる。
【0100】
F2(図10)では、プレイヤーPaが自身のプレイヤー端末を介して入力を行っている。具体的に、プレイヤーPaは、NPCのセリフW81に続く登場人物(自身の分身)のセリフW82を文字(テキスト)で入力する。
【0101】
また、プレイヤーPaは自身のプレイヤー端末2aを介して、登場人物の表情を入力可能でも良い。例えば、表情コマンド(表情コマンド説明W83及び/又は表情コマンド映像W84)がプレイヤー端末2に表示されることによって、プレイヤーは表情コマンドを選択して入力することが可能となり、登場人物の表情を変更することができる。
【0102】
さらに、F1のように、NPCのセリフ(返答)W81時点でのNPCのパラメーターW85が表示されても良い。NPCのパラメーターは、そのキャラクターの感情やプレイヤーに対する感情に関するパラメーターが考えられる。この他にも、プレイヤーへの好感度及び/又は疑念に関するパラメーターが表示されても良い。
【0103】
NPCのパラメーターと返答が同一画面に表示されることによって、プレイヤーは、NPCのパラメーターを閲覧しながらNPCの返答に続く登場人物のセリフを考えることができる。
【0104】
F3(図11)では、プレイヤーPaが入力を行った後のコマが表示されている。プレイヤーPaが入力後、表示処理部12は、プレイヤーPaが入力した文字及び表情に基づいて、W94のようなコマを表示する。また、F3では、プレイヤーPaの入力後、NPCが返答を生成中であることが表示されている。さらに、吹き出しW95は、プレイヤーPaの入力に基づいて、その形が異なっていても良い。表示処理部12は、プレイヤーPaの入力に基づいて、吹き出しを生成しても良い。
【0105】
F4(図12)では、プレイヤーPaが自身のプレイヤー端末2aを介して入力を行った後のNPCのセリフ(返答)W91が表示されている。また、NPCのセリフW91時点でのNPCのパラメーターW92が表示されても良い。さらに、W92のように、プレイヤーからの入力に基づいて、どのようにNPCのパラメーターが変化したかを表す情報(例えば、NPCのパラメーターの増減の値)が表示されても良い。
【0106】
<ストーリーの選択>
図13は、本実施形態におけるストーリーのプレイに関する処理のフローチャートである。ステップS1001において、受付部11は、プレイヤー端末2を介して、プレイヤーがプレイするストーリーを受け付ける。プレイヤーは、自身がプレイしたいストーリーを選択することができる。
【0107】
図4(a)のようにストーリーIDに、プレイヤー人数、NPC人数、プレイ時間、ジャンル、シチュエーション、ストーリー設定、プレイヤー入力回数が紐づいているため、プレイヤーはこれらの情報に基づいて、自身がプレイするストーリーを選択することができる。例えば、プレイヤーがストーリーを選択する際に、ストーリーIDに紐づく情報が表示されても良い。また、プレイヤーがジャンル等を入力可能であって、ジャンル等からストーリーを検索できても良い。
【0108】
<入力の受付>
ステップS1002において、受付部11は、プレイヤー端末2を介して、プレイヤーから入力を受け付ける。受付部11は、ストーリー進行中にプレイヤーから入力を受け付ける。受付部11は、プレイヤーから言葉(文字又は音声)、表情コマンド、選択(アクション)コマンド等を入力として受け付ける。
【0109】
プレイヤーが複数いる場合、受付部11は、複数のプレイヤーから言葉等の入力を受け付ける。また、ストーリーを進行させるために、受付部11は、プレイヤーから言葉の入力を複数回受け付ける。受付部11がプレイヤーから1回で受け付けることが可能な言葉の文字数には制限があっても良い。プレイヤーが制限よりも多くの文字数を入力した場合、受付部11が文字数制限までの言葉しか受け付けなくても良い。
【0110】
ステップS1003において、表示処理部12は、受付部11が受け付けた言葉及び/又は表情コマンドに基づいて、図10のコマW86を表示処理する。具体的に、表示処理部12は、受付部11が受け付けた言葉を図10の吹き出しW87に収まるように調整してコマW86を表示処理する。
【0111】
また、表示処理部12は、受付部11が表情コマンドを受け付けた場合、コマW86の登場人物の顔を変更して表示処理しても良い。さらに、プレイヤーが制限よりも多くの文字数を入力しようとした場合、表示処理部12は、プレイヤーが入力しようとしている言葉の文字数が制限を超えている旨を表示処理しても良い。
【0112】
ステップS1004において、送信部13は、受付部11がプレイヤー端末2を介して受け付けた情報、記憶部が格納する情報、を生成装置3に送信する。送信部13は、プレイヤー端末2を介して受け付けたプレイヤーからの言葉、ストーリー進行中における現状のNPCのパラメーター、エンディング展開情報等を生成装置3に送信する。
【0113】
さらに、送信部13は、ストーリーIDに紐づくプレイヤー入力回数と、生成装置3に何回目の言葉を送信するかを表す情報と、を生成装置3に送信しても良い。送信部13は、分岐展開情報を生成装置3に送信しても良い。また、送信部13は、受付部11が受け付けた表情コマンドに関する情報を送信しても良い。
【0114】
<NPCのパラメーターの算出>
パラメーター算出部31は、プレイヤーからの入力(送信部13から受け付けた情報)に基づいて、NPCのパラメーターを算出する。例えば、パラメーター算出部31は、困惑、恐怖、喜び、悲しみ、怒り、罪悪感、人間不信等のNPC自身の感情に関するパラメーターを算出する。パラメーター算出部31は、受付部11がプレイヤーから入力を受け付ける度にその入力に基づいて、NPCのパラメーターを算出する。
【0115】
プレイヤーが複数いる場合、パラメーター算出部31は、複数のプレイヤーの入力に基づいて、NPCのパラメーターを算出する。パラメーター算出部31は、複数のプレイヤーの入力に基づいて、複数のプレイヤーそれぞれに対するNPCのパラメーターを算出する。
【0116】
例えば、パラメーター算出部31は、プレイヤーPaからの言葉の入力に基づいて、NPCのプレイヤーPaへの好感度及び/又は疑念に関するパラメーターを算出する。パラメーター算出部31は、プレイヤーPbからの言葉の入力に基づいて、NPCのプレイヤーPbへの好感度及び/又は疑念に関するパラメーターを算出する。パラメーター算出部31は、プレイヤーPa及びPbからの言葉の入力に基づいて、NPCのプレイヤーPa及びPbへの好感度及び/又は疑念に関するパラメーターを算出する。
【0117】
<展開の決定>
展開決定部32は、NPCのパラメーターに基づいて、展開を決定する。展開決定部32は、パラメーター算出部31が算出したNPCのパラメーター(NPC自身の感情に関するパラメーター等)、送信部13から受け付けた展開情報(エンディング展開情報及び/又は分岐展開情報)、に基づいて、ストーリーの展開(ストーリーのエンディングの展開及び/又はストーリーの途中の展開)を決定する。展開決定部32は、パラメーター算出部31がパラメーターを算出する度にそのパラメーターに基づいて、展開を決定する。
【0118】
プレイヤーが複数いる場合、展開決定部32は、複数のプレイヤーそれぞれに対するパラメーターに基づいて、ストーリーの展開を決定する。例えば、展開決定部32は、NPCのプレイヤーPa及び/又はPbへの好感度及び/又は疑念に関するパラメーターに基づいて、展開を決定する。
【0119】
また、展開決定部32は、プレイヤーからの入力に基づいて、展開を決定しても良い。具体的に、展開決定部32は、プレイヤーからの入力に含まれる特定のキーワードに基づいて、展開を決定しても良い。例えば、プレイヤーからの入力に「じゃんけん」というキーワードが含まれている場合、展開決定部32は、プレイヤーとNPCが「じゃんけん」を行う展開にすることを決定する。
【0120】
記憶部が展開IDに特定のキーワードを紐づけて記憶しておくことによって、プレイヤーからの入力に含まれるキーワードに基づいて展開を決定することができる。プレイヤーからの入力に含まれるキーワードに基づいて展開を決定する場合、展開決定部32は、NPCのパラメーターを参照しなくても良い。
【0121】
ステップS1005において、判定部33は、送信部13から受け付けたプレイヤー入力回数に基づいて、ストーリーが終盤か否かを判定する。プレイヤー入力回数と生成装置3に言葉を送信する回数が一致した場合、判定部33は、ストーリーが終盤であると判定する。例えば、ストーリーID:ST1において、生成装置3に8回目の言葉を送信する場合、判定部33は、ストーリーが終盤であると判定する。
【0122】
展開決定部32は、判定部33がストーリーの終盤であると判定した場合、算出したNPCのパラメーターと、図4(b)のような展開パラメーターと、を判定し、NPCのパラメーターが展開IDに紐づく展開パラメーターを満たす場合、ストーリーのエンディングの展開をその展開IDの展開に決定する。
【0123】
展開決定部32は、判定部33がストーリーの終盤でないと判定した場合、算出したNPCのパラメーターと、図5(d)のような展開パラメーターと、を判定し、NPCのパラメーターが展開IDに紐づく展開パラメーターを満たす場合、ストーリーの途中の展開をその展開IDの展開に決定しても良い。
【0124】
エンディング展開情報がENDフラグ:1を含み、分岐展開情報がENDフラグ:0を含むため、ストーリーのエンディングの展開とストーリーの途中の展開を判別することができる。
【0125】
<返答の生成>
返答生成部34は、プレイヤーからの入力(送信部13から受け付けた情報)に基づいて、NPCの返答(セリフ)を生成する。返答は、文字又は音声であることが考えられる。返答生成部34は、プレイヤーからの入力を受け付ける度にその入力に基づいて、NPCの返答を生成する。
【0126】
返答生成部34は、NPCのパラメーター及び/又は展開説明(エンディング展開説明又は分岐展開説明)に基づいて、NPCの返答を生成しても良い。このようにすることによって、同じ展開IDの展開であっても、返答生成部34は異なる返答を生成することが可能となり、プレイヤーは、同じ展開に遭遇した場合でも異なる返答のストーリーを楽しむことができる。
【0127】
例えば、展開ID:SC1に分岐する際にプレイヤーPa及びプレイヤーPbへの好感度が80の場合、返答生成部34は、普通に申し訳なさそうにNPCが謝る返答を生成することが考えられる。一方、プレイヤーPa及びプレイヤーPbへの好感度が100の場合、返答生成部34は、普通(好感度80の場合)よりも申し訳なさそうにNPCが謝る返答を生成すること等が考えられる。つまり、展開説明は、返答生成部34に返答の生成を促すためのプロンプトのようなものであっても良い。
【0128】
この他にも、返答生成部34は、NPCのセリフのための吹き出しを生成しても良い。返答生成部34がNPCのセリフのための吹き出しを生成する場合、NPCのパラメーターに基づいて、その吹き出しの形が異なっていても良い。
【0129】
<生成装置からの情報の受付(ストーリーが終盤でない場合)>
ステップS1005:NOの場合、送信部35は、パラメーター算出部31が算出したパラメーターと、返答生成部34が生成した返答と、をエンターテインメント装置1に送信する。ステップS1006において、受付部11は、送信部35が送信したパラメーターと返答を受け付ける。
【0130】
送信部35は、更に、展開決定部32が決定したストーリーの途中の展開をエンターテインメント装置1に送信しても良い。受付部11は、更に、送信部35が送信したストーリーの途中の展開を受け付けても良い。
【0131】
ステップS1007において、受付部11は、受け付けたパラメーターを、ストーリー進行中における現状のNPCのパラメーターとして更新(記憶部に格納)する。
【0132】
<返答の表示(ストーリーが終盤でない場合)>
ステップS1008において、表示処理部12は、受付部11が受け付けた返答を表示処理する。具体的に、表示処理部12は、受け付けた返答を図11の吹き出しW93に収まるように調整してコマを表示処理する。
【0133】
例えば、受け付けた返答に句読点が存在する場合、表示処理部12は、句読点の後で改行し、吹き出しに収まるように調整してコマを表示処理する。この他にも、受け付けた返答に句点が存在する場合、表示処理部12は、受け付けた返答を句点までで分解し、分解した返答が1つの吹き出しに収まるように調整して複数の吹き出しによってコマを表示処理しても良い。
【0134】
ステップS1008において、表示処理部12は、受付部11が受け付けた返答と、ストーリーの途中の展開と、を表示処理しても良い。具体的に、表示処理部12は、受け付けた返答と、展開決定部32が決定した展開IDに紐づく分岐展開映像(画像データ等)と、に基づいて表示処理する。
【0135】
表示処理部12は、パラメーター算出部31が算出したパラメーターと、返答生成部34が生成した返答と、を同一画面に表示処理しても良い。さらに、表示処理部12は、パラメーターと返答と共に、表情コマンド(表情コマンド説明及び/又は表情コマンド映像)を同一画面に表示処理しても良い。
【0136】
<生成装置からの情報の受付(ストーリーが終盤である場合)>
ステップS1005:YESの場合、送信部35は、返答生成部34が生成した返答と、展開決定部32が決定したストーリーのエンディングの展開と、をエンターテインメント装置1に送信する。ステップS1009において、受付部11は、送信部35が送信したエンディングの展開と返答を受け付ける。
【0137】
<返答の表示(ストーリーが終盤である場合)>
ステップS1010において、表示処理部12は、受付部11が受け付けた返答と、ストーリーのエンディングの展開と、を表示処理する。具体的に、表示処理部12は、受け付けた返答と、展開決定部32が決定した展開IDに紐づくエンディング展開映像(画像データ等)と、に基づいて表示処理する。表示処理部12は、受け付けた返答を吹き出しに収まるように調整してコマを表示処理しても良い。
【0138】
<メディアの作成>
作成部14は、展開決定部32が決定した展開及び返答生成部34が生成した返答に基づいて、一連のストーリーを作成して記憶部に格納する。具体的には、作成部14は、展開決定部32が決定した画像データと、返答生成部34が生成した文字と、で構成されるメディア(漫画、ウェブトゥーン(Webtoon)、コミック(comic)、絵本)を作成して記憶部に格納する。
【0139】
作成部14は、図5(e)のように、プレイヤーIDに紐づけて作成したメディアを記憶部に格納する。このようにすることによって、プレイヤーは、今まで体験したストーリーを漫画等として後ほど振り返ることができる。
【0140】
<遭遇した展開の回数の集計>
遭遇展開集計部15は、今までプレイヤーがプレイしたストーリーで遭遇した展開の回数を集計する。遭遇展開集計部15は、図5(e)のように遭遇回数として、プレイヤーが遭遇した展開の回数をプレイヤーIDに紐づけて記憶部に格納する。
【0141】
<展開映像の生成>
生成装置3が展開映像の一部又は全部を生成することが考えられる。画像生成部36は、返答生成部34が生成した返答に基づいて、ストーリーの展開映像の一部又は全部を生成する。
【0142】
また、記憶部が展開映像を格納している場合、画像生成部36は、ストーリーの展開として画像の一部を生成し、記憶部が格納する展開映像と合成させることが考えられる。記憶部が展開映像を格納していない場合、画像生成部36は、ストーリーの展開として画像を一から生成する。
【0143】
画像生成部36は、NPCのパラメーター及び/又は展開説明(エンディング展開説明又は分岐展開説明)に基づいて、ストーリーの展開映像を生成しても良い。このようにすることによって、同じ展開IDの展開であっても、返答生成部34は異なる展開映像を生成することが可能となり、プレイヤーは、同じ展開に遭遇した場合でも異なる展開映像のストーリーを楽しむことができる。
【0144】
例えば、展開ID:SC1に分岐する際にプレイヤーPa及びプレイヤーPbへの好感度が80の場合、画像生成部36は、NPCが普通に申し訳なさそうに謝る展開映像を生成することが考えられる。一方、展開ID:SC1に分岐する際にプレイヤーPa及びプレイヤーPbへの好感度が100の場合、画像生成部36は、NPCが土下座しながら申し訳なさそう(普通よりも申し訳なさそう)に謝る展開映像を生成すること等が考えられる。つまり、展開説明は、画像生成部36に展開映像の生成を促すためのプロンプトのようなものであっても良い。
【0145】
<初期パラメーターの決定>
初期パラメーター決定部16は、所定条件(例えば、ランダム)に基づいて、NPCのストーリー開始時点での(初期)パラメーターを決定する。同じストーリーIDのストーリーを何度かプレイするうちに、プレイヤーは、そのストーリーIDのストーリーにおける展開やNPCのパラメーターの変更に関する傾向を把握する可能性がある。よって、プレイヤーが同じストーリーを何度もプレイすることを想定し、プレイヤーを飽きさせないようにする必要がある。
【0146】
初期パラメーター決定部16は、図6(f)のようなNPC設定情報に基づいて、NPCの初期パラメーターを毎回ランダムに決定しても良い。図6(f)のように、初期パラメーターにそのパラメーターの出現確率を紐づけることによって、初期パラメーター決定部16は、ストーリー開始時点でのNPCのパラメーターとして、異なるパラメーターを決定することができる。
【0147】
また、初期パラメーター決定部16は、プレイヤー情報に基づいて、NPCの初期パラメーターを決定しても良い。プレイヤー情報は、プレイヤーの基本情報(プレイヤーの年齢、性別等)等を含む。例えば、プレイヤーの年齢等によって、プレイヤーがストーリーを楽しむことができるNPCの初期パラメーターが異なることが考えられる。
【0148】
さらに、プレイヤー情報は、プレイヤーの性格診断の結果や生活等におけるアンケートの結果等を含んでも良い。例えば、プレイヤーの性格や習慣等によって、プレイヤーがストーリーを楽しむことができるNPCの初期パラメーターが異なることが考えられる。初期パラメーター決定部16がプレイヤー情報に基づいてNPCの初期パラメーターを決定することによって、それぞれのプレイヤーがストーリーをより楽しむためのNPCの初期パラメーターを決定することができる。
【0149】
初期パラメーター決定部16がNPCの初期パラメーターを決定する場合、表示処理部12は、ストーリー開始時に、そのNPC設定IDに紐づくNPCの生い立ち設定を表示処理しても良い。NPCの生い立ち設定がストーリー開始時に表示処理されることによって、プレイヤーは、NPCの初期パラメーターを推測することが可能となり、よりストーリーを楽しむことができる。
【0150】
<アクション(選択)コマンドによる展開の決定>
表示処理部12は、プレイヤーが選択するための選択コマンドをプレイヤー端末2に表示処理しても良い。記憶部が図6(g)のようなアクションコマンド情報を予め格納しておくことによって、表示処理部12は、選択コマンドを表示処理することができる。
【0151】
選択部17は、プレイヤーからプレイヤーが選択するための選択コマンドを受け付けても良い。プレイヤーが言葉を入力する代わりに、選択コマンドを入力可能であっても良い。送信部13は、選択部17が受け付けた選択コマンドに関する情報を生成装置3に送信する。パラメーター算出部31は、選択部17が受け付けた選択に基づいて、NPCのパラメーターを算出しても良い。
【0152】
また、表示処理部12は、複数のプレイヤーが選択するための選択コマンドを表示処理しても良い。具体的に、表示処理部12は、ある展開において、同じ選択コマンドを複数のプレイヤーのそれぞれの端末に同時に表示処理しても良い。図6(g)のようにアクションコマンドIDに展開IDを紐づけておくことによって、表示処理部12は、特定の展開で選択コマンドを表示処理することができる。
【0153】
選択部17は、複数のプレイヤーから選択コマンドの選択を受け付けても良い。判定部33は、複数のプレイヤーから受け付けたそれぞれの選択コマンドを判定する。具体的に、判定部33は、複数のプレイヤーから受け付けた選択コマンドに関する情報が同一のものであるか否かを判定する。
【0154】
判定部33が複数のプレイヤーから受け付けた選択コマンドに関する情報が同一の場合、展開決定部32は、ストーリーの展開を、その選択コマンドに関する展開に決定する。例えば、図6(g)のように「機長室に殴り込む」が同一である場合、複数の登場人物が機長室に殴り込みに行く展開となる。
【0155】
<入力時間制限の表示>
プレイヤーが言葉等を入力する際に、入力までの時間制限が設けられていても良い。表示処理部12は、プレイヤーに対する入力までの時間制限をプレイヤー端末2に表示処理する。入力の時間制限は、それぞれのプレイヤーに対して一定であっても良いし、一定でなくても良い。
【0156】
時間制限算出部18は、プレイヤーに対する入力の時間制限を算出する。具体的に、時間制限算出部18は、NPCのパラメーターに基づいて、プレイヤーそれぞれに対する入力の時間制限を算出する。
【0157】
例えば、時間制限算出部18は、NPCのパラメーターに関して不利なプレイヤーに対しては、入力のための時間制限を長く算出し、NPCのパラメーターに関して有利なプレイヤーに対しては、入力のための時間制限を短く算出することが考えられる。
【0158】
<登場人物の見た目の変更>
受付部11は、プレイヤーの分身である登場人物の見た目(例えば、髪の毛、メガネ、ひげ)に関する変更を受け付け、プレイヤーIDに紐づけて記憶部に格納しても良い。プレイヤーが自身の分身である登場人物の見た目の変更が可能になることによって、プレイヤーはストーリーをより楽しむことができる。
【0159】
以上のように、本発明の構成によれば、ユーザがストーリーの登場人物になって、そのストーリーをAIと共創しながら楽しむための新たな技術を提供することができる。
【符号の説明】
【0160】
0 エンターテインメントシステム
1 エンターテインメント装置
11 受付部
12 表示処理部
13 送信部
14 作成部
15 遭遇展開集計部
16 初期パラメーター決定部
17 選択部
18 時間制限算出部
2 プレイヤー端末
3 生成装置
NW ネットワーク
【要約】
【課題】
ユーザがストーリーの登場人物になって、そのストーリーをAIと共創しながら楽しむための新たな技術を提供すること。
【解決手段】
エンターテインメントシステム0は、受付部、送信部、表示処理部、を備える。受付部は、プレイヤー端末を介して、プレイヤーから言葉の入力を受け付ける。送信部は、入力及びノンプレイヤーキャラクターのパラメーターを生成装置に送信し、生成装置にストーリーの展開に対応したノンプレイヤーキャラクターの返答を生成させる。表示処理部は、生成結果に基づく返答を表示処理する。
【選択図】図1
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