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特許7649627判断精度を向上させて早期警告を出す安全運転支援システムと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】判断精度を向上させて早期警告を出す安全運転支援システムと方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20250313BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20250313BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20250313BHJP
   B60W 30/095 20120101ALI20250313BHJP
   B60W 30/09 20120101ALI20250313BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 F
G08G1/09 H
B60W50/14
B60W30/095
B60W30/09
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020076413
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2021009685
(43)【公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】108123205
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519158908
【氏名又は名称】帷享科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲テイ▼▲ボン▼
(72)【発明者】
【氏名】頼 怡任
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-534643(JP,A)
【文献】特開2017-076274(JP,A)
【文献】特開2017-219427(JP,A)
【文献】特開2006-072830(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0319280(US,A1)
【文献】特開2017-182570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
B60R 21/00 - 21/13
B60R 21/34 - 21/38
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G09B 23/00 - 29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全運転支援システムに適用され、該安全運転支援システムが少なくとも情報収集モジュールと処理ユニットとを含み、該情報収集モジュールが自車の周囲の感知情報を感知して取得する複数の車載用センサーを含み、該処理ユニットが該情報収集モジュールに接続され、感知情報に基づいて自車の周囲の人や車両を認識し、分析と判断を行った後に制御信号を出力する方法であって、
処理ユニットに接続される位置決め通信モジュールを提供する工程と、
該処理ユニットが該位置決め通信モジュールにより取得される位置決め信号は、自車及びその周囲の人や車両の座標をまとめて位置決めし、自車位置決め情報を生成する工程と、
位置決め通信モジュールにより無線通信を介して他の人や車両の拡充位置決め情報を取得し、拡充位置決め情報が少なくとも各人や車両の自分の位置決め座標を含む工程と、
自車位置決め情報と拡充位置決め情報をまとめ、所定の距離範囲内における前記拡充位置決め情報で特定された全ての人及び車両を交差検証し、該距離範囲が自車の速度の速いか遅いかによって増減される工程と、
該処理ユニットが前記全ての人及び車両の動的変動に対して分析と判断を行って制御信号を出力し、前記全ての人及び車両の動的変動に対して分析と判断を行うことが、前記全ての人及び車両の動向と移動量を時系列で分析し、自車の動向と移動量によって距離に関連する警告閾値を生成し、自車からある距離に離れる前記全ての人及び車両の移動量が対応の警告閾値より低いと判断した場合、該制御信号を出力する工程と、
を含むことを特徴とする判断精度を向上させて早期警告を出す方法。
【請求項2】
該位置決め通信モジュールが少なくとも無線通信ユニットを含み、該無線通信ユニットが無線通信ネットワークに接続してLBS測位信号を取得し、無線通信ネットワークを通じて位置決め情報を送信する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該位置決め通信モジュールがさらに衛星測位ユニットを含み、該衛星測位ユニットが衛星(GPS)測位信号を受信する請求項2に記載の方法。
【請求項4】
情報収集モジュールと処理ユニットとを含み、該情報収集モジュールが自車の周囲の感知情報を感知して取得する複数の車載用センサーを含み、該処理ユニットが該情報収集モジュールに接続され、感知情報に基づいて自車の周囲の人や車両を認識し、分析と判断を行った後に制御信号を出力する安全運転支援システムにおいて、
さらに位置決め通信モジュールを含み、該位置決め通信モジュールが該処理ユニットに接続され、位置決め信号を取得して位置決め情報を送信し、
該処理ユニットが位置決め信号に基づいて自車及びその周囲の人や車両の自車位置決め情報を位置決めし、該位置決め通信モジュールにより他の人や車両の拡充位置決め情報を取得し、自車位置決め情報と拡充位置決め情報をまとめ、所定の距離範囲内における前記拡充位置決め情報で特定された全ての人及び車両を交差検証し、前記全ての人及び車両の動的変動に対して分析と判断を行って該制御信号を出力し、前記拡充位置決め情報が少なくとも各人や車両の自分の位置決め座標と他の車両において感知で認識された位置決め座標を含み、
該処理ユニットがECU(Eletronic Control Unit)であり、前記全ての人及び車両の動向と移動量を時系列で分析し、自車の動向と移動量によって距離に関連する警告値を生成し、自車からある距離に離れる各人や車両の移動量が対応の警告閾値より低いと判断した場合、該制御信号を出力する
ことを特徴とする判断精度を向上させて早期警告を出す安全運転支援システム。
【請求項5】
該位置決め通信モジュールが少なくとも無線通信ユニットを含み、該無線通信ユニットが無線通信ネットワークに接続してLBS測位信号を取得し、無線通信ネットワークを通じて位置決め情報を送信する請求項4に記載の安全運転支援システム。
【請求項6】
該位置決め通信モジュールがさらに衛星測位ユニットを含み、該衛星測位ユニットが衛星(GPS)測位信号を受信する請求項5に記載の安全運転支援システム。
【請求項7】
該車載用センサーがミリ波レーダー、超音波レーダー、熱センサーレーダー、光学レーダー、又は画像センサーから選ばれる1つ又は複数の組み合わせである請求項4に記載の安全運転支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車用撮影の監視システムの技術分野に関し、支援運転の適用に関し、特に情報の交換によりシステムが事前に判断する精度を向上させる安全運転支援システムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先進運転支援システム(ADAS,Adavanced Driver Assistance System)は、近年に各工場の重点的な開発方向になり、主に車両に搭載された様々なセンサーを利用して車両自体に基づいて外部の環境データを収集し、また電子制御ユニット(ECU,Eletronic Control Unit)でセンサーによって収集された情報に対して分析処理を行い、起こりうる危険な状況を事前に警告し、運転者が事前に対応できるようにさせ、或いは緊急時にシステムで緊急処理の行いを支援することによって事故の発生率を減らさせる。
【0003】
ADASにはさまざまな支援機能が含まれ、例として死角検知システム(BSD,Bind Spot Detection System)、自動緊急ブレーキシステム(AEB,Autonomous Emergency Braking System)、駐車支援システム(PAS,Parking Aid System)、車間距離制御システム(ACC,Adaptive Cruise Control System)、車線逸脱警報システム(LDW,Lane Departure Warning System)、前方衝突警報システム(FCW,Forward Collision Warning System)などがよく挙げられ、さらに車体の内部に搭載されたセンサーと合わせて運転者の顔を認識し、運転者の集中力の程度を判断して運転者に対して生理的状態の監視と警告を行う効果を果たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-217978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来の運転支援システムに関し、その精度が車両に搭載されたセンサーの数、検知品質、及び分析と判断を行う計算処理技術に基づくが、精度を向上させるには高精度の検知装置、チップなどの部品を使用する必要があり、コストが高くて普遍的な適用との目的を達成することが困難である。また、このようなシステムの情報源は主に車両自体に搭載されたセンサーに基づくものであるため、その分析範囲が制限され、緊急時に早期警告を出しても運転者に十分な反応時間を与えない場合がある。例として一般的な運転では、車間距離の計算方法又は時間的距離の計算方法で先行車から安全距離を保つことに加え、ほとんどの運転者が先行車の運転状態を参照して自分の加速又は減速の判断を行うが、高速運転時に最小安全距離では安全性の確保が不十分であり、先行車のブレーキランプ点灯を見ると、しばしばそれを感知して速度を変更するかどうかを判断する時間がしばしばかかり(先行車が緩減速又は急停止をするのと判断する)、僅か1~2秒の感知時間(100km/hで2秒間約55m滑る)では、ブレーキをかける安全距離が不十分であるために先行車と衝突する可能性が非常に高くなり、従来の運転システムが運転者を支援して安全距離を検知するが、実際に各車両の状態(重量負荷、タイヤ機能、ブレーキ機能、停止距離など)が異なり、システムの検知認識機能が制限され、単にシステムの支援に依存して判断するのが危険を完全に避けることができず、2009年にスイスのAXA Winterthur保険会社が「ブレーキ時間―交通事故率」に対して調査を施し、1.5秒前に運転者に通知できるならば、追突事故の90%が避けられ、2秒前に運転者に通知できるならば、全ての種類のクラッシュ事故がほぼ避けられる。
【0006】
さらに、実際には必然的に不十分な感知でシステムが予想どおりに警告を出すことはない例外もあり、例として柱、低い壁の後ろに突然に現れた人や車両、或いは夜間で環境検知分析の精度が低下してしまうこと、深い霧や豪雨の環境で判断ミスが起こしやすいことなどの状況が知られるため、現在の段階では運転支援システムがまだ多くの欠陥と改良の余地があることを示している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
現在知られている安全運転支援システムでは、だいたいの構造が情報収集モジュールと処理ユニットとを有し、該情報収集モジュールが自車の周囲の感知情報を感知して取得する複数の車載用センサーを含み、該処理ユニットが該情報収集モジュールに接続され、感知情報に基づいて自車の周囲の人や車両を認識し、分析と判断を行った後に制御信号を出力し、減速を制御する又は警告信号を出すことで安全運転支援の効果が得られる。
【0008】
本発明の主な目的は、判断精度を向上させて早期警告を出す安全運転支援システムと方法を提供するものであり、感知情報と位置決め情報を共有させることにより、システムが分析と判断を行われる範囲と対象の数を大幅に増やし、システムが事前に判断する能力を確実に向上させ、判断の精度を向上させながらもっと早く警告を出し、危急の状況に近づく前に運転者が早期警告を受け取らせ、近づく可能性がある危険に早期に対応できるようにさせる。
【0009】
上記の効果と目的を達成するため、本発明の判断精度を向上させて早期警告を出す方法は、安全運転支援システムに適用され、主に(a)処理ユニットに接続される位置決め通信モジュールを提供する工程と、(b)位置決め通信モジュールにより位置決め信号を取得し、自車及びその周囲の人や車両の自車位置決め情報を位置決めする工程と、(c)位置決め通信モジュールにより無線通信を介して他の人や車両の拡充位置決め情報を取得する工程と、(d)自車位置決め情報と拡充位置決め情報をまとめ、所定距離範囲内の全ての人や車両を交差検証する工程と、(e)全ての人や車両の動的変動に対して分析と判断を行って制御信号を出力する工程と、を含む。
【0010】
要するに、本発明が提供する安全運転支援システムは、主な構成が情報収集モジュールと、処理ユニットと、位置決め通信モジュールとを含み、該情報収集モジュールが自車の周囲の感知情報を感知して取得する複数の車載用センサーを含み、該処理ユニットが該情報収集モジュールに接続され、感知情報に基づいて自車の周囲の人や車両を認識し、分析と判断を行った後に制御信号を出力し、該位置決め通信モジュールが該処理ユニットに接続され、位置決め信号を取得して位置決め情報を送信する安全運転支援システムにおいて、該処理ユニットが位置決め信号に基づいて自車及びその周囲の人や車両の自車位置決め情報を位置決めし、該位置決め通信モジュールにより他の人や車両の拡充位置決め情報を取得し、自車位置決め情報と拡充位置決め情報をまとめ、所定距離範囲内の全ての人や車両を交差検証し、全ての人や車両の動的変動に対して分析と判断を行って該制御信号を出力する。
【0011】
これにより、本発明に係る安全運転支援システムは、位置決めと情報の共有を通じて、システムが自車が感知できない多くの対象を校正して見つけ(対象がシステムで認識される動的状態を有する対象物を一般に指し、本願において人や車両を指すことに相当する)、さらに引き続いての判断を行い、精度を向上させる及び安全警告を事前に出す効果を果たす。従来の運転システム(限られた範囲内の対象を車載用センサーで検出する)と比較し、本発明がより広い距離範囲を検知でき、危険に近づく前に早期に警告し、センサーの環境によって制限される問題を補強するだけでなく、過度に高価で普及できないセンサーを配置する必要もなく、多方向情報の校正により対象をより正確に判断し、精度を向上させて広く使用される効果を果たす。
【0012】
本発明を利用すると、もう最小安全距離での監視に限定されることなく、従来の安全距離以外の対象の動的状態を引き続いて観測し、リスクがあると判断された場合にもっと早く早期警告を提供し、それにより運転者の対応を数秒早くさせることができ、知られた調査(前記の2009年のAXA Winterthur保険会社の調査研究のように)によって、運転者が警告を受け取った場合、前方の事故を見られない又ははっきり見えなくても早期に減速して早期警告を出すことができ、続いて行って事故区域に近づくと、既に警告の通知を受け取った状態で直接に対処して危険を避け、重要な瞬間の数秒で現場を判断する(停止距離が不十分である結果になる)必要がないので、追突の発生率をほぼ完全に避けられる。
【0013】
上記の本発明の構成によれば、該情報収集モジュールの中の該車載用センサーがミリ波レーダー、超音波レーダー、熱センサーレーダー、光学レーダー、又は画像センサーから選ばれる1つ又は複数の組み合わせである。該処理ユニットがECU(Eletronic Control Unit,車載マイクロコントローラー)であり、分析計算と判断を行い、制御信号を出力する。該位置決め通信モジュールが衛星測位ユニットと無線通信ユニットを含み、該衛星測位ユニットが衛星(GPS)測位信号を受信し、該無線通信ユニットが無線通信ネットワークに接続してLBS測位信号を取得し、無線通信ネットワークを通じて位置決め情報を送信する。
【0014】
実施可能な実施例において、該処理ユニットが該位置決め通信モジュールで取得される衛星(GPS)測位信号とLBS測位信号からまとめて分析し、自車の位置を推算し、自車の位置でさらに車載用センサーによって感知された情報に基づき、感知方向と距離から周囲の対象(人と車両)の位置を推算でき、まとめて自車位置決め情報を生成し、該無線通信ユニットを介して外部に自車位置決め情報を共有させる及び外部から他の人や車両より提供される拡充位置決め情報を取得し、交差検証をした後、所定距離範囲(自車の感知範囲よりもはるかに大きくなる)内の全ての対象の位置を解析し、まとめて全ての対象の動向と移動量(即ち移動方向と速度)を時系列で分析し、自車の動向と移動量によって距離に関連する警告閾値を生成し、ある距離に離れる対象の移動量が対応の警告閾値より低いと判断した場合、該制御信号を出力する。
【0015】
該制御信号がアクセル制御、ブレーキ制御、警告制御などに使用され、例として車両の動力システムに出力され、警告基準に達した時に、アクセルを自動的に解除する又はブレーキをかけて減速制御を行い、或いはブザーや音声放送器などの警報器に出力し、音声で運転者に警告を提供し、該所定距離範囲が使用の必要に応じて決定され、例え、自車の速度に応じて増減可能であり、或いは運転状態が相応的に設定され、適当な範囲の設定で、過度の必要ない対象を分析して効果に影響を及ぼすことが避けられる。
【0016】
さらに、本発明がさらに地図システム(例え、地理情報システム,GIS,Geographic Information System)と組み合わせ、全ての位置決めされた対象(人や車両)の動的状態を整理して仮想地図インターフェースになり、ディスプレイに出力して表示され、実施可能な実施例において、該処理ユニットが地図データベースに接続され、それから提供される地図情報を取得し、該地図データベースがシステムにおける保存用の記憶ユニット又は無線通信ユニットを介して接続される遠隔地図データベースに属される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のシステムの概要を示す図である。
図2】本発明のシステムの構成を示す図である。
図3】本発明の位置決め情報を送信する状態を示す図である。
図4】本発明の実際の適用状態を示す図である。
図5図4の地図インターフェースを示す図である。
図6】本発明の他の実際の適用状態である地図インターフェースを示す図である。
図7】本発明のさらに他の実際の適用状態である地図インターフェースを示す図である。
図8】本発明のさらに他の実際の適用状態である地図インターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上記の目的、特徴、及び機能作用を具体的に分かり易くするため、以下に好ましい実施例を挙げられ、図面を合わせて説明する。
【0019】
図1図3を参照し、本発明の安全運転支援システム1の主なシステム構成は、処理ユニット10と、情報収集モジュール20と、測位通信モジュール30とを含むことが分かる。該情報収集モジュール20が該処理ユニット10に接続され、複数の車載用センサーを含み、それぞれに自車の周囲を感知し、取得された感知情報を該処理ユニット10に提供し、該位置決め通信モジュール30が該処理ユニット10に接続され、位置決め信号を取得して該処理ユニット10による計算に提供し、基地局BSによって提供される無線通信ネットワークを介して位置決め情報の送信を行うことができ、該処理ユニット10が車載マイクロコントローラーECU(Eletronic Control Unit)であり、分析計算を行い、事前設定された条件に基づいて判断を行い、制御信号を出力し、制御信号が、アクセル、ブレーキなどのような制御を行うように車両の動力システムに出力する信号でもよく、警報器43の作動を駆動して運転者に警告するように警報器43に出力出力する信号でもよい。
【0020】
本実施例において、該情報収集モジュール20の中の該車載用センサーが複数のレーダー21(ミリ波レーダーと超音波レーダー)と複数の画像センサーとの組み合わせであるものを例とし、自車の周囲を感知し、取得された感知情報を処理ユニット10に送信し、自車の周囲の対象(人や車両)を認識する。実施可能な実施例において、該車載用センサーが、例え、熱センサーレーダー、光学レーダーなどの他の感知装置と組み合わせることも可能である。
【0021】
該位置決め通信モジュール30が主に衛星測位ユニット31と無線通信ユニット32とを含み、該衛星測位ユニット31が衛星(GPS)測位信号を受信し、処理ユニット10に提供して衛星(GPS)測位を行わせ、該無線通信ユニット32が基地局BSの無線通信ネットワークに接続され、LBS測位信号を取得し、処理ユニット10に提供してLBS測位を行わせる。
【0022】
該処理ユニット10について、その処理がいくつかの工程に分けられ、工程S1では、受信した衛星(GPS)測位信号により衛星(GPS)測位を行い、自車の位置決め座標を取得し、工程S2では、受信したLBS測位信号によりLBS測位を行い、自車の位置決め座標を取得し、工程S3では、受信した感知情報に基づいて自車の周囲の対象(人や車両)を認識し、自車に対する各対象の位置を分析し、工程S1と工程S12をまとめた結果、自車の位置決め座標から計算してその周囲の全てのの対象(人や車両)の位置決め座標を見かけ、自車と全てのの対象の位置決め座標をまとめて自車位置決め情報を生成し、工程S4では、該無線通信ユニット32を介して自車位置決め情報を出力し、該無線通信部32を介して他の人や車両から提供された拡充位置決め情報を取得し、拡充位置決め情報が少なくとも各人や車両の自分の位置決め座標を含み、さらに他の車両において感知で認識された位置決め座標を含み、自車位置決め情報と取得した拡充位置決め情報をまとめた後に、交差検証をした後、全ての人や車両の位置決め座標を解析し、好ましくは距離範囲を事前設定して該距離範囲内で注意が必要な人や車両の位置決め座標を解析することであり、地図データベース41から提供される地図情報に基づいてさらに整理して仮想地図インターフェースになり、ディスプレイ42に出力して視覚的表示で表示され、さらに、工程S4では、全ての人や車両の動向と移動量(即ち移動方向と速度)を時系列で分析し、自車の動向と移動量によって距離に関連する警告閾値を生成し、ある距離に離れる対象の移動量が対応の警告閾値より低いと判断した場合、該制御信号を出力する。
【0023】
上記のシステムの機制によれば、システムで観測される該距離範囲が実際の状況又は必要によって決定され、例え、システムに対して5倍の安全距離を事前に設定し、安全距離が車両の速度によって変化されるため、システムで引き続いて観測される該距離範囲が自車の速度の速いか遅いかによって増減され、安全距離の数倍以上に観測して予測でき、遠方で状況が生じると判断すると、例え、先行車の前方に車両が急減速した場合、運転者に対して注意を促し、十分な反応時間を与えられる。システムの判断機制に関しては、自車の動向と移動量によって距離に関連する警告閾値を生成し、ある距離に離れる対象の移動量が対応の警告閾値より低いと判断した場合、制御信号を出力し、例として小型車両が100km/hの速度で前進し、前方の安全距離が約50mであり、システムが自動的に位置決め情報をまとめて前方250m以内の対象を分析し、警告閾値の条件が、下記のように想定され、前方50mでの警告閾値が100(即ち速度が100km/hに要求される)、前方100mでの警告閾値が70、前方150mでの警告閾値が40であり、以下同様にし、前方100mの車両(前方の2番目又は3番目の車両で、運転者の視線が見えない場合もある)が突然に急ブレーキをかけ、その速度が40km/h以下に減速されると(相対の警告閾値より低い)、システムが判断に従って制御信号を出力し、設定によって自動的に減速する又は運転者に警告し、運転者にもっと十分な反応時間を持たせ、もし該車両が前方の1番目の車である場合、従来の警告システムのように前方の遅い車が安全範囲に入った時しか警告を出せず、また、もし該車両が前方の2番目又は3番目の車両である場合、運転者は、先行車の減速までに判断を始めない必要がなく、もっと早くもっと前方の緊急状況を分かり、もっと十分な反応時間を与えられる。
【0024】
実現可能な実施例において、制御信号が車両の動力システムに出力され、アクセル制御、ブレーキ制御などに使用されてもよく、該処理ユニット10に接続される警報器43に出力され、音声のような警告を出して運転者に警告してもよく、普通に該警告装置43がブザー、音声放送器などを使用してもよい。
【0025】
図3から図5をまた参照し、本発明の実際の適用では、自車V0の安全運転支援システム1の位置決め通信モジュール30により基地局BSの無線通信ネットワークに接続し、自車の位置と周囲の対象を感知した位置を含む自車位置決め情報を共有させ、並びに他の人や車両の拡充位置決め情報を取得し、図3に示すように、他の車両(車両V1、V2、及びTのように)が同じように安全運転支援システム1を有すると、位置決め情報の共有の工程によって、該車両自体の位置とそれが感知する周囲の対象の位置を含む拡充位置決め情報を取得し、他の車両や人(車両V3及びV4、人Pのように)が安全運転支援システム1を有さないと、それが携帯するモバイル装置を介して位置決め情報の共有を行い、該人や車両自体の位置のみを含む拡充位置決め情報を取得し、自車位置決め情報と全ての拡充位置決め情報をまとめ、全ての人や車両を交差検証し、所定の距離範囲に従って引き続いて警戒し、早期警告の効果を果たす。
【0026】
図4に示すように、自車V0が80km/hの速度で前進すると仮定し、システムがの前方へ引き続いて判断される該距離範囲が200mであり、前方約40mの箇所にある車両V3、約80mの箇所にある大型車両T、約120mの箇所にある遮られて直接観察できない車両V1とその対向車両V2、V4が存在し、位置決め情報の交換によってもっと多くの自車情報収集モジュール20で感知されない人や車両を分析でき、図5に示す地図インターフェイスのように表示され、他の人Pと車両V5もさらに表示される。自車V0の速度が80km/hである場合、本発明に係る安全運転支援システム1の事前に設定された警告条件によって、前方40mでの警告閾値が80、前方80mでの警告閾値が60、前方120mでの警告閾値が40であると仮定し、前方の1番目の車両V3、2番目の車両T、3番目の車両V1のいずれもが80km/hの速度で走行する場合、いずれも相応の警告閾値よりも高いので危険警告を出すことがないが、前方の視線から見えない3番目の車両V1が減速すると、例え、40km/h以下までに減速すると(即ち、該距離での相応の警告閾値である40より低い)、図に示すように、本発明に係る安全運転支援システム1の処理ユニット10が判断に従って制御信号を出力し、前方の大型車両Tと車両V3が順番に発見して減速を始める前に、自車の運転者が受信した警告通知に従って早期に加速をやめる又は直接に減速し、もっと十分な時間を持って対応し、前方の1番目の車両V3の減速までに急ブレーキして減速しない必要がなく、効果的に正確で早期の警告通知により、運転の快適さと安全性を向上させることができる。
【0027】
さらに、本発明に係る運転安全支援システム1によってより広い距離範囲内の全ての対象を継続的に引き続いて観察することが可能であり、運転者が視線から見えない又は自両が感知できない多くの対象の情報、例え、隣接車線にある車両の状況、対向車線にある対向車の状況を取得することができ、車線変更又は対向車線での追い越しを行う時の参考根拠として使用され、さらにシステムの判断により警告が提供され、例として左/右の方向指示灯が作動すると、システムが左/右の車線の交通状況を判断し、運転者に警告を提供することを支援する。
【0028】
なお、図6に示す状況のように、自車V0が路地から出る時に、運転者の視線又は自車情報収集モジュール20の感知範囲が制限されるため、運転者がただ大型車両T、対向車両V4と道路脇にある歩行者Pを注意し、区域Aの邪魔により車両V2を注意できず、区域Bの邪魔により車両V3を注意できず、運転者がそのために通行可能と判断して直接に出ると、事故を引き起こす可能性は高く、逆に本発明に係る安全運転支援システム1を利用し、位置決め情報の共有で交差検証した結果、左折ウィンカーを出した後、システムは走行経路と対向車両の速度を分析して警戒の必要がある対向車両V2とV3を通知し、運転者にもっと多くの人や車両を予想させ、もっと多くの対象を正確に解釈して安全に運転する目的を果たす。
【0029】
さらに、多くの障害物がある環境、例え、図7と8に示す駐車場の環境で、本発明に係る安全運転支援システム1を適用したら、自分や他の人の安全性を向上させることに助け、図7に示すように、車両V0が後退を行って駐車スペースに入るようとする場合、運転者の視界も車載情報収集モジュール20も障害物によって制限され、障害物の後方の状況、例え、柱の後方にいる歩行者P1、隣の車の後方にいる歩行者P2を分かることができず、運転者が十分に注意しないと、衝突又は他者の負傷の発生を容易に引き起こし、本発明に係る安全運転支援システム1が位置決め通信モジュール30を存分に利用して位置決め情報の共有と交換を行われ、運転者の運転状況に応じて所定の距離範囲内の対象を地図インターフェイスに表示され、システムでも利用して判断を行い、後退の状況で後方の警戒範囲に人P1とP2がいると判断された場合、速やかに警告を提供し、確実に運転と他者の安全性を向上させる。
【0030】
図8において、駐車場環境で発生可能な他の状況であり、自車V0が駐車スペースから後退しようとする場合、視線範囲と従来の車載用センサーの感知範囲では範囲外の車両や歩行者を注意できず、本発明に係る安全運転支援システム1により、自車V0の運転者が地図インターフェースを介して柱の前方にいる人P5、隣の車の前後にいる人P4,P6、及び車線で徐々に近づく車両V8を精確に分かり、或いはシステムで判断を行い、後退の状況で判断され、後方に警戒の必要がある人P6と車両V8を通知し、運転の安全性を効果的に向上させる。
【0031】
上記により、本発明に係る判断精度を向上させて早期警告を出す安全運転支援システムと方法は、情報の交換によりもっと多くの対象を検証し、解釈と早期警告を提供させ、天候や環境の影響で性能を低下させることなく、確実に安全運転支援システムの精度を向上させることができ、確実に新規性と創造性を具有具有する発明であり、法規によって特許出願を提出する。以上の説明は、本発明の好適な実施形態を示したものであり、本発明を限定するものではない。従って、本発明の主旨を逸脱しない範囲における修飾または変更は、全て、本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0032】
1 安全運転支援システム
10 処理ユニット
S1~S4 工程
20 情報収集モジュール
21 レーダー
22 画像センサー
30 位置決め通信モジュール
31 衛星測位ユニット
32 無線通信ユニット
41 地図データベース
42 ディスプレイ
43 動力システム
44 警報器
50 モバイル装置
51 位置決め通信モジュール
V0 車両(自車)
V1~V9 車両(小型車両)
T 車両(大型車両)
P,P1~P6 人
BS 基地局
A,B 区域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8