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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】対基板作業機、及び対基板作業システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20250313BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20250313BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20250313BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
G05B19/418 Z
H05K13/02 U
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021102409
(22)【出願日】2021-06-21
(65)【公開番号】P2023001597
(43)【公開日】2023-01-06
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】田中 基生
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-150119(JP,A)
【文献】特開2021-033566(JP,A)
【文献】特開2020-080435(JP,A)
【文献】特開2004-167622(JP,A)
【文献】特開2021-012901(JP,A)
【文献】特開2010-251449(JP,A)
【文献】特開2004-310264(JP,A)
【文献】特開2011-171538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
G05B 19/418
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ラインにおいて基板に対する作業を実行する対基板作業機であって、
搬送方向に前記基板を搬送し、前記搬送方向における前記対基板作業機の上流側装置及び下流側装置のうち、少なくとも一方の装置との間で前記基板の受け渡しを実行する搬送装置と、
前記生産ラインを管理する管理装置と管理ネットワークを介して接続される通信インタフェースと、
前記少なくとも一方の装置との間で前記搬送装置が前記基板の受け渡しを実行する動作を制御するための制御情報を、前記管理ネットワークを介して取得し、取得した前記制御情報に基づいて、前記搬送装置と前記少なくとも一方の装置との間の前記基板の受け渡しを制御する制御部と、
を備え
前記管理装置は、
前記対基板作業機及び前記少なくとも一方の装置から前記管理ネットワークを介してアクセス可能な記憶装置を備え、
前記少なくとも一方の装置は、
前記対基板作業機との間で前記基板の受け渡しを実行する準備が完了したことを示す前記制御情報を前記記憶装置へ記憶させ、
前記制御部は、
前記管理ネットワークを介して取得した前記制御情報に基づいて前記少なくとも一方の装置の準備が完了したことを検出した場合、前記少なくとも一方の装置との間の前記基板の受け渡しを実行し、
所定時間ごとに前記記憶装置へアクセスし、前記少なくとも一方の装置について前記基板の受け渡しを実行する準備が完了したことを示す前記制御情報が記憶されているか確認する、対基板作業機。
【請求項2】
請求項1に記載の前記対基板作業機と、
前記少なくとも一方の装置と、
前記管理装置と、
を備える対基板作業システムであって、
前記対基板作業機は、
前記制御情報に基づいて、前記搬送装置と前記少なくとも一方の装置との間の前記基板の受け渡しが完了したことを前記管理装置へ通知し、
前記管理装置は、
前記対基板作業機からの通知に基づいて前記生産ラインにおける前記基板の位置を検出する、対基板作業システム。
【請求項3】
対基板作業機を備える対基板作業システムであって、
前記対基板作業機は、
生産ラインにおいて基板に対する作業を実行し、
搬送方向に前記基板を搬送し、前記搬送方向における前記対基板作業機の上流側装置及び下流側装置のうち、少なくとも一方の装置との間で前記基板の受け渡しを実行する搬送装置と、
前記生産ラインを管理する管理装置と管理ネットワークを介して接続される通信インタフェースと、
前記少なくとも一方の装置との間で前記搬送装置が前記基板の受け渡しを実行する動作を制御するための制御情報を、前記管理ネットワークを介して取得し、取得した前記制御情報に基づいて、前記搬送装置と前記少なくとも一方の装置との間の前記基板の受け渡しを制御する制御部と、
を備え
前記対基板作業システムは、
前記少なくとも一方の装置と、
前記管理装置と、
を備え、
前記対基板作業機は、
前記制御情報に基づいて、前記搬送装置と前記少なくとも一方の装置との間の前記基板の受け渡しが完了したことを前記管理装置へ通知し、
前記管理装置は、
前記対基板作業機からの通知に基づいて前記生産ラインにおける前記基板の位置を検出し、
前記生産ラインにおいて生産する前記基板の種類を第1基板から第2基板に変更する場合に、前記生産ラインにおいて生産される前記第1基板のうち、最後に生産される前記第1基板の位置を前記対基板作業機からの通知に基づいて検出し、前記生産ラインにおいて前記第1基板の生産が終了した装置の前記第2基板を生産するための準備に係わる情報を報知する報知処理を実行する、対基板作業システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
前記第1基板の生産が終了した装置に対して前記第2基板の生産で補充が必要な電子部品の情報をユーザに報知する前記報知処理、及び前記生産ラインを移動し前記第2基板の生産に使用する電子部品の補給を実行する移動装置に対して補給の開始を報知する前記報知処理のうち、少なくとも一方の前記報知処理を実行する、請求項3に記載の対基板作業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、搬送される基板に対する作業を行う対基板作業機、及び対基板作業システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、部品装着装置などの基板に対する作業を行う対基板作業機を複数台備える対基板作業システムに係わる技術が種々提案されている。下記特許文献1の対基板作業システムは、複数の対基板作業機間において、SMEMA(The Surface Mount Equipment Manufacturers Association)の通信規格に準じた通信を用いて基板の搬送を行っている。SMEMAとは、例えば、基板の搬送方向の上流側の対基板作業機と下流側の対基板作業機との間で基板の搬出と搬入をやり取りするための通信規格である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-201425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した対基板作業システムでは、基板搬送装置のSMEMAインタフェースを上流側又は下流側の対基板作業機のコネクタに接続し、SMEMAインタフェースを介した信号に基づいて基板の搬送を実行している。しかしながら、上記した構成では、基板搬送装置を含む複数の対基板作業機において、上流側の対基板作業機と下流側の対基板作業機とを接続する配線を配設する必要があった。
【0005】
本願は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、基板を受け渡す対基板作業機間において基板の搬送に係わる制御情報を伝達する配線を減らすことができる対基板作業機、及び対基板作業システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本明細書は、生産ラインにおいて基板に対する作業を実行する対基板作業機であって、搬送方向に前記基板を搬送し、前記搬送方向における前記対基板作業機の上流側装置及び下流側装置のうち、少なくとも一方の装置との間で前記基板の受け渡しを実行する搬送装置と、前記生産ラインを管理する管理装置と管理ネットワークを介して接続される通信インタフェースと、前記少なくとも一方の装置との間で前記搬送装置が前記基板の受け渡しを実行する動作を制御するための制御情報を、前記管理ネットワークを介して取得し、取得した前記制御情報に基づいて、前記搬送装置と前記少なくとも一方の装置との間の前記基板の受け渡しを制御する制御部と、を備え、前記管理装置は、前記対基板作業機及び前記少なくとも一方の装置から前記管理ネットワークを介してアクセス可能な記憶装置を備え、前記少なくとも一方の装置は、前記対基板作業機との間で前記基板の受け渡しを実行する準備が完了したことを示す前記制御情報を前記記憶装置へ記憶させ、前記制御部は、前記管理ネットワークを介して取得した前記制御情報に基づいて前記少なくとも一方の装置の準備が完了したことを検出した場合、前記少なくとも一方の装置との間の前記基板の受け渡しを実行し、所定時間ごとに前記記憶装置へアクセスし、前記少なくとも一方の装置について前記基板の受け渡しを実行する準備が完了したことを示す前記制御情報が記憶されているか確認する、対基板作業機を開示する。
【0007】
また、本明細書は、対基板作業機を備える対基板作業システムであって、前記対基板作業機は、生産ラインにおいて基板に対する作業を実行し、搬送方向に前記基板を搬送し、前記搬送方向における前記対基板作業機の上流側装置及び下流側装置のうち、少なくとも一方の装置との間で前記基板の受け渡しを実行する搬送装置と、前記生産ラインを管理する管理装置と管理ネットワークを介して接続される通信インタフェースと、前記少なくとも一方の装置との間で前記搬送装置が前記基板の受け渡しを実行する動作を制御するための制御情報を、前記管理ネットワークを介して取得し、取得した前記制御情報に基づいて、前記搬送装置と前記少なくとも一方の装置との間の前記基板の受け渡しを制御する制御部と、を備え前記対基板作業システムは、前記少なくとも一方の装置と、前記管理装置と、を備え、前記対基板作業機は、前記制御情報に基づいて、前記搬送装置と前記少なくとも一方の装置との間の前記基板の受け渡しが完了したことを前記管理装置へ通知し、前記管理装置は、前記対基板作業機からの通知に基づいて前記生産ラインにおける前記基板の位置を検出し、前記生産ラインにおいて生産する前記基板の種類を第1基板から第2基板に変更する場合に、前記生産ラインにおいて生産される前記第1基板のうち、最後に生産される前記第1基板の位置を前記対基板作業機からの通知に基づいて検出し、前記生産ラインにおいて前記第1基板の生産が終了した装置の前記第2基板を生産するための準備に係わる情報を報知する報知処理を実行する、対基板作業システム、を開示する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の対基板作業機、及び対基板作業システムによれば、基板を受け渡す対基板作業機間において基板の搬送に係わる制御情報を伝達する配線を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】生産システムの構成を示す図である。
図2】部品装着機の斜視図である。
図3】部品装着機のブロック図である。
図4】第1~第3モードを説明するための図である。
図5】ホスト経由通信を説明するためのブロック図である。
図6】直線通信を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の対基板作業システムを具体化した一実施形態である生産システム10について、図を参照しつつ詳しく説明する。図1は、生産システム10の構成を示している。図1に示すように、生産システム10は、複数の生産ライン11、管理装置13、複数の生産ライン11を移動する移動装置15を備えている。
【0012】
(生産システム10について)
生産ライン11は、基板16を搬送方向(図1に示す例では左から右に向かう方向)に搬送しつつ、基板16に対する作業を実行する。基板16の搬送方向とは、例えば、生産ライン11に並ぶ複数の対基板作業機において、生産工程の前工程の装置から後工程の装置に向かう方向である。以下の説明では、図1に示すように、生産ライン11が基板16を搬送する搬送方向をX方向、X方向に垂直で搬送される基板16の平面に平行な方向をY方向(装置の後から前に向かう方向)、X方向及びY方向に垂直な方向(装置下方から上方に向かう方向)をZ方向と称して説明する。生産ライン11には、X方向に沿って順番に、印刷機21、はんだ印刷検査機23、フィーダ管理装置25、複数(図1では4つ)の部品装着機26、リフロー炉27、基板外嵌検査機29が設けられている。印刷機21、はんだ印刷検査機23、フィーダ管理装置25、部品装着機26、リフロー炉27、基板外嵌検査機29(以下、部品装着機26等という)は、本開示の対基板作業機の一例である。
【0013】
部品装着機26等は、管理ネットワーク17を介して管理装置13と通信可能に接続されている。管理ネットワーク17は、例えば、有線LANである。尚、管理ネットワーク17の通信形態は、LANに限らず、光ケーブルを用いた光ネットワークやUSBケーブルを用いたシリアル通信のネットワークなどでも良い。また、管理ネットワーク17の通信方式は、有線通信に限らず、Wi-Fi(登録商標)やBlueTooth(登録商標)などの無線通信でも良い。また、部品装着機26等は、管理ネットワーク17を介して互いに通信しても良い。
【0014】
部品装着機26等は、管理装置13によって管理され、管理装置13から取得した制御プログラム(所謂、レシピ)に基づいて基板16に対する作業を実行する。尚、取得とは、要求を必ずしも必要としない概念で用いる。従って、部品装着機26等が要求することなく管理装置13から部品装着機26等へ制御プログラムを送信することも取得という。また、以下の説明では、制御プログラム等のプログラムに基づいて動作する装置を単に装置名で記載する場合がある。例えば、「印刷機21は」との記載は、「制御プログラム等をCPU等の処理装置で実行する印刷機21は、」ということを意味する場合がある。
【0015】
部品装着機26等は、X方向に搬送される基板16に対して各種の作業を実行する。印刷機21は、はんだを塗布するスキージ等を備え、搬入した基板16に対してはんだを塗布した後、はんだ印刷検査機23へ搬出する。はんだ印刷検査機23は、印刷機21によって塗布されたはんだの塗布状態を検査し、検査結果が良好であると判断するとフィーダ管理装置25へ搬出する。フィーダ管理装置25は、下流の部品装着機26の状態を監視しながら部品装着機26へ基板16を搬出する。複数の部品装着機26の各々は、はんだ印刷検査機23で検査した後の基板16に対して電子部品の装着を実行する。最も下流側の部品装着機26は、電子部品の装着が完了した基板16をリフロー炉27へ搬出する。リフロー炉27は、はんだを溶融された後に固化して電子部品を基板16に実装する。基板外嵌検査機29は、リフロー炉27から搬入した基板16、即ち、電子部品を実装した基板16の実装状態を検査する。
【0016】
尚、部品装着機26等は、X方向(搬送方向)とは逆方向に、即ち、下流側の装置から上流側の装置へ基板16を受け渡しても良い。例えば、複数の部品装着機26のうち、任意の部品装着機26が上流側の部品装着機26へ基板16を搬出しても良い(戻しても良い)。この場合、後述する制御情報を用いた基板16の搬送制御を、下流から上流側の装置への搬送制御に適用しても良い。
【0017】
移動装置15は、生産システム10が設置されたフロア上を移動し、部品装着機26等との間で部品の交換や補給を行う。ここでいう部品とは、例えば、後述する部品装着機26が使用するフィーダ39、装着ヘッド35、保持部材35A、印刷機21が使用するスキージ等である。移動装置15は、例えば、Wi-Fi(登録商標)の無線通信規格により管理ネットワーク17に接続され、管理装置13と通信可能となっている。管理装置13は、複数の生産ライン11の生産状況を監視しながら、移動装置15を制御して部品の補給等を行う。
【0018】
(部品装着機26について)
次に、部品装着機26の構成について説明する。以下の説明では、本願の対基板作業機として、部品装着機26を採用し、部品装着機26における基板16の搬送について主に説明する。しかしながら、印刷機21等の他の対基板作業機についても部品装着機26と同様に基板16の搬送の制御を実行することができる。図2は、部品装着機26の斜視図である。図3は、部品装着機26のブロック図を示している。
【0019】
部品装着機26は、基板16に対して電子部品を装着する装置である。図2及び図3に示すように、部品装着機26は、ベース31、モジュール32を備えている。ベース31は、隣の部品装着機26(図1参照)のベースと互いに固定されている。モジュール32は、ベース31の上に載置され、基板16に対する電子部品の装着を行う。モジュール32は、基板搬送装置33、フィーダ台34、装着ヘッド35、ヘッド移動機構37を備える。
【0020】
図3に示すように、部品装着機26の制御装置40は、コントローラ41、複数の駆動回路43を備えている。コントローラ41は、例えば、CPU、RAM、ROM等を備え、コンピュータを主体とする装置である。複数の駆動回路43は、上記した基板搬送装置33等の各装置に接続されている。コントローラ41は、上記した制御プログラム等を実行して駆動回路43を介して各装置の動作を制御する。
【0021】
図2及び図3に示すように、基板搬送装置33は、モジュール32内に設けられ、2つのレーンの各々で基板16をX方向に搬送する。基板搬送装置33は、コントローラ41の制御に基づいて基板16をX方向に搬送する。基板搬送装置33は、コンベアーベルト等を備え、上流側の装置(フィーダ管理装置25又は部品装着機26)や、下流側の装置(部品装着機26やリフロー炉27)との間で基板16の搬入や搬出(受け渡し)を実行する。また、基板搬送装置33は、基板16を固定する固定機構を備え、搬入した基板16を所定の作業位置で固定する。基板搬送装置33は、装着ヘッド35による装着作業が終了すると、固定を解除し基板16を下流の装置へ搬出する。
【0022】
また、基板搬送装置33は、上流側基板センサ28及び下流側基板センサ30を備えている。上流側基板センサ28は、上流側の装置から搬入する基板16を検出するセンサである。下流側基板センサ30は、下流側の装置へ搬出する基板16を検出するセンサである。上流側及び下流側基板センサ28,30の各々は、2つのレーンの各々に対応して2つずつ設けられている。上流側及び下流側基板センサ28,30としては、例えば、光センサや近接センサ等の非接触式センサを採用できる。また、上流側及び下流側基板センサ28,30は、リミットスイッチ等の接触式センサでも良い。あるいは、部品装着機26は、カメラで基板16を撮像し、画像処理により基板16の搬入や搬出を検出しても良い。この場合、部品装着機26は、上流側及び下流側基板センサ28,30の少なくとも一方を備えなくとも良い。
【0023】
コントローラ41は、例えば、上流側基板センサ28の検出信号に基づいて、基板16が搬入されたことを検出し、基板搬送装置33の対応するレーンのコンベアーベルトの回転を開始させる。また、コントローラ41は、下流側基板センサ30の検出信号に基づいて、基板16の搬出が完了したことを検出し、基板搬送装置33の対応するレーンのコンベアーベルトの回転を停止させる。
【0024】
フィーダ台34は、モジュール32の前面に設けられ、X方向に複数配列されたスロット(図示略)を備える。フィーダ台34の各スロットには、電子部品を供給するフィーダ39が装着され、電気的に接続される。コントローラ41は、フィーダ台34を介して複数のフィーダ39の各々と接続され、複数のフィーダ39の各々の供給動作を制御する。フィーダ39は、例えば、カセット型のテープフィーダであり、コントローラ41の制御に基づいてテープ化された部品テープから電子部品を供給する。
【0025】
装着ヘッド35は、電子部品を保持する保持部材35A(吸着ノズルやチャックなど)を有し、コントローラ41の制御に基づいてフィーダ39から供給された電子部品を基板16に装着する。また、ヘッド移動機構37は、装着ヘッド35をX方向に移動させるX軸スライド機構37A、装着ヘッド35をY方向に移動させるY軸スライド機構37Bを備えている。ヘッド移動機構37は、コントローラ41の制御に基づいて、モジュール32の上部部分において、X方向及びY方向の任意の位置に装着ヘッド35を移動させる。X軸スライド機構37Aは、Y軸スライド機構37Bに取り付けられている。装着ヘッド35は、X軸スライド機構37Aに対して着脱可能に取り付けられている。
【0026】
また、基板搬送装置33、装着ヘッド35、X軸スライド機構37A、及びY軸スライド機構37B(以下、基板搬送装置33等という)は、例えば、駆動源としてのリニアモータやサーボモータ、位置を検出するためのリニアスケールやエンコーダを備える。また、基板搬送装置33等は、装着作業に係わる制御を行うための各種のセンサやリレーなどの素子を備える。上記したリニアスケール等の位置検出装置や、センサ等の素子の少なくとも一部のデータは、産業用ネットワークによって送受信され、コントローラ41によって管理・制御される。
【0027】
ここでいう産業用ネットワークとは、例えば、EtherCAT(登録商標)である。尚、本開示の産業用ネットワークとしては、EtherCAT(登録商標)に限らず、例えば、UNET(登録商標)、MECHATROLINK(登録商標)-IIIやProfinet(登録商標)等の他のネットワーク(通信規格)を採用できる。例えば、コントローラ41には、産業用ネットワークのデータを管理するマスターが設けられ、基板搬送装置33等の各々には、産業用ネットワークに接続されるスレーブが設けられている。例えば、基板搬送装置33に設けられたスレーブは、マスターから受信した制御データ(産業用ネットワークのフレームデータFD(図6参照)など)に基づいて、基板搬送装置33に設けられたリレーやセンサなどの各種素子が入出力する信号を処理する。
【0028】
また、モジュール32の上部カバー(図示略)の上には、部品装着機26に対する操作入力を行うタッチパネル45(図3参照)が設けられている。図2は、上部カバーやタッチパネル45を取り外した状態を示している。尚、図3に示す部品装着機26の構成は、一例である。例えば、部品装着機26は、装着ヘッド35に吸着された電子部品を撮像するパーツカメラや基板16を撮像するマークカメラを備えても良い。
【0029】
また、複数の部品装着機26は、生産ライン11を移動するローダ19によってフィーダ39を自動で交換される。ローダ19は、サーボモータ等の駆動源を備え、部品装着機26のベース31の前面に設けられた一対のガイドレール47に沿ってX方向に移動する。ローダ19は、フィーダ39をクランプする把持部(図示略)を備え、複数の部品装着機26との間でフィーダ39の交換や補充を実行する。
【0030】
例えば、図1に示すように、フィーダ管理装置25には、ローダ19の動作を管理するライン制御装置49が設けられている。ライン制御装置49は、部品装着機26に設けられたフィーダ39の電子部品の種類や個数を管理し、ローダ19によってフィーダ39の交換等を実行させる。フィーダ管理装置25には、複数のフィーダ39を収納可能なマガジン51が配置されている。ローダ19は、フィーダ管理装置25に配置されたマガジン51のフィーダ39と、各部品装着機26に設けられたフィーダ39の交換等を実行する。尚、フィーダ39の交換は、ユーザが手動で実行しても良い。
【0031】
移動装置15は、フィーダ39やマガジン51を保管する保管室53、生産工場内のフィーダストック装置55、生産ライン11のフィーダ管理装置25等に移動し、マガジン51の交換や補充を実行する。保管室53には、保管室管理装置57が設けられている。保管室管理装置57は、管理ネットワーク17を介して管理装置13に接続され、保管室53内のフィーダ39を管理する。
【0032】
また、管理装置13は、例えば、任意の種類の基板16の生産終了に合わせて次の基板16の種類に応じた電子部品を供給できるように、フィーダ39の補給等を実行する。例えば、管理装置13は、補給が必要なフィーダ39の識別情報を保管室管理装置57に表示させる。保管室53のユーザは、保管室管理装置57に表示された識別情報に基づいてフィーダ39を準備し、保管室管理装置57のバーコードリーダによってフィーダ39のバーコードを読み取って部品種の確認を行う。保管室53には、移動装置15との間でマガジン51を交換する作業を行うフィーダ交換装置59が設けられている。ユーザは、保管室管理装置57で確認したフィーダ39をフィーダ交換装置59のマガジン51にセットする。フィーダ交換装置59は、生産ライン11から戻ってきた移動装置15のマガジン51と、ユーザにフィーダ39をセットされたマガジン51の交換を実行する。移動装置15は、管理装置13の制御に基づいて、各生産ライン11のフィーダ管理装置25やフィーダストック装置55へ移動し、マガジン51の交換や補充を実行する。ローダ19は、フィーダ管理装置25のマガジン51と部品装着機26との間でフィーダ39の交換や補充を実行する。これにより、生産システム10におけるフィーダ39の交換等を実行できる。
【0033】
次に、部品装着機26の通信装置の構成について説明する。部品装着機26は、上記したように、例えば、X方向に沿って上流側から下流側へと基板16を搬送する。部品装着機26は、上流側や下流側の部品装着機26の基板搬送装置33と、自装置の基板搬送装置33とが基板16の受け渡しを実行する動作を制御する(同期等させる)ために、制御情報CI(図3参照)を送受信する。制御情報CIは、例えば、SMEMA(The Surface Mount Equipment Manufacturers Association)の通信規格に準じた通信で用いられる制御情報である。尚、制御情報CIは、SMEMA通信の制御情報に限らず、例えば、ベンダーが独自に規定した制御情報でも良い。
【0034】
制御情報CIは、例えば、自装置が上流側の装置から基板16を搬入する準備が完了したことを示す情報である。制御情報CIは、例えば、搬入の準備が未完了であれば“0”ビットの値を、搬入の準備が完了していれば“1”ビットの値が設定される。尚、制御情報CIは、上記した2値の値に限らず、例えば、何秒後に準備が完了する、搬入の準備がどの段階まで完了しているなどを示す情報でも良い。また、制御情報CIは、自装置が下流側の装置へ基板16を搬出する準備が完了したことを示す情報でも良い。例えば、上流側の装置は、搬出する準備が完了したことを示す制御情報CIを下流側の装置へ送信し、その制御情報CIに対して搬入の準備が完了したことを示す応答を下流側の装置から取得した場合に、搬出を開始しても良い。
【0035】
図3に示すように、部品装着機26の制御装置40は、LANインタフェース(図3中ではIFと記載)61、無線インタフェース62,63を備えている。LANインタフェース61は、管理ネットワーク17を介して管理装置13に接続されている。無線インタフェース62は、上流側の装置との間で無線通信を実行する。ここでいう上流側の装置とは、X方向において上流側となる部品装着機26やフィーダ管理装置25である。また、無線インタフェース63は、下流側の装置との間で無線通信を実行する。ここでいう下流側の装置とは、X方向において下流側となる部品装着機26やリフロー炉27である。無線インタフェース62,63は、例えば、BlueTooth(登録商標)規格に準じた通信により他の装置との間で通信を実行する。尚、無線インタフェース62,63の通信規格は、BlueTooth(登録商標)規格に限らず、赤外線通信、NFC、Wi-Fi(登録商標)などの他の無線通信規格でも良い。
【0036】
生産システム10の部品装着機26以外の対基板作業機についても、上記したLANインタフェース61、無線インタフェース62,63と同様の通信装置を備えている。従って、部品装着機26等(全ての対基板作業機)は、LANインタフェース61を介して管理装置13との間で制御情報CIを送受信する通信(以下、ホスト経由通信という場合がある)を実行できる。また、部品装着機26等は、無線インタフェース62,62を介して上流側又は下流側の装置との間で制御情報CIを送受信する通信(以下、直接通信という場合がある)を実行できる。尚、上記した制御情報CIの送受信の経路は、一例である。例えば、部品装着機26等は、管理装置13を介さずに、管理ネットワーク17を介して上流側又は下流側の装置との間で制御情報CIを直接送受信しても良い。
【0037】
図4に示すように、生産システム10は、部品装着機26等の間で制御情報CIを送受信するモードとして、第1~第3モードの3つのモードを備えている。部品装着機26等は、例えば、管理装置13によってモードを切り替えられる。第1モードは、ホスト経由通信を優先するモードである。第2モードは、直線通信を優先するモードである。部品装着機26等は、第1及び第2モードにおいて、制御情報CIの送受信にエラー等が発生した場合、別の通信方法で制御情報CIを送受信する。例えば、部品装着機26等は、第1モードが設定された場合に、ホスト経由通信の制御情報CIの送受信にエラーが発生すると、直接通信に切り替え、無線インタフェース62,63で制御情報CIを送受信する。ホスト経由通信のエラーとは、例えば、後述する管理装置13の記憶装置13A(図5参照)の読み取りエラーや管理ネットワーク17のLANケーブルの断線である。同様に、例えば、部品装着機26等は、第2モードが設定された場合に、直接通信の制御情報CIの送受信にエラーが発生すると、ホスト経由通信に切り替え、管理装置13を介して制御情報CIを送受信する。直線通信のエラーとは、例えば、無線インタフェース62,63の故障、外来ノイズによる無線通信の切断などである。管理装置13は、エラーの発生に応じてエラーが発生した装置間(任意の部品装着機26間など)だけで通信方式の切り替えを実行しても良く、生産ライン11の全ての装置の通信方式を一括して切り替えても良く、生産システム10の全ての装置の通信方式を一括して切り替えても良い。また、ホスト経由通信と直線通信の切り替えを部品装着機26等が実行しても良い。
【0038】
第3モードは、上記したホスト経由通信又は直接通信の一方のみを実行するモードである。管理装置13は、例えば、自装置のユーザインタフェース(キーボードなど)を介して上記した第1~第3モードの切り替え指示を受け付ける。管理装置13は、切り替え指示の受け付けに応じて、対象となる部品装着機26等の通信方式を切り替える。管理装置13は、部品装着機26等の装置単位(上流側及び下流側装置の1組単位)で切り替え指示を受け付けても良く、生産ライン11のライン単位や生産システム10のシステム単位で切り替え指示を受け付けても良い。また、管理装置13は、第3モードが選択された場合、ホスト経由通信又は直接通信の選択を受け付け、受け付けた通信のみを実行するように部品装着機26等を制御する。
【0039】
(ホスト経由通信について)
次に、ホスト経由通信について説明する。図5は、ホスト経由通信を説明するためのブロック図である。以下の説明では、図5に示すように、X方向で隣り合う2つの部品装着機26を用いて説明する。また、説明が分かり易くするため、上流側の部品装着機26については符号の後ろに「A」を付し、下流側の部品装着機26については符号の後ろに「B」を付して説明する。尚、図5は、上流側の部品装着機26Aの上流側基板センサ28Aと、下流側の部品装着機26Bの下流側基板センサ30Bの図示を省略している。図5では、一例として、上流側の部品装着機26Aから下流側の部品装着機26Bに基板16を搬送する制御における制御情報CIの送受信方法について説明する。
【0040】
管理装置13は、記憶装置13Aを備えている。記憶装置13Aは、例えば、RAM、ROM等のメモリである。記憶装置13Aには、部品装着機26等の対基板作業機から管理ネットワーク17を介してアクセス可能な記憶領域が設定されている。この記憶領域は、例えば、管理ネットワーク17に接続された特定の装置からアクセス可能となるように共有する設定がなされている。記憶領域内には、部品装着機26等の生産システム10が備える各対基板作業機の各々について制御情報CIが記憶可能な領域が設定されている。尚、記憶装置13Aは、管理装置13とは別に設けられた装置、例えば、管理ネットワーク17に接続されたネットワークストレージでも良い。
【0041】
尚、図2に示すように、部品装着機26A,26Bの各々の基板搬送装置33は、モジュール32内に設けられた2つのレーンを有する。記憶装置13Aの記憶領域のうち、各部品装着機26に対応する記憶領域には、2つのレールの各々に対応する制御情報CIを書き込む領域が設定されている。部品装着機26A,26Bの各々は、2つのレーンについて、制御情報CIを個別に制御する。即ち、部品装着機26A,26Bは、2つのレーンについて、それぞれの制御情報CIを判断し、基板16の受け渡しを制御する。以下の説明では、説明を分かり易くするため、2つのレーンのうち、一方のレーンを制御する場合について説明する。また、部品装着機26A,26Bは、2つのレーンを個別に制御せずに、例えば、2つのレーンの準備が両方完了した後で、基板16の受け渡しを2つのレーンで同時に実行しても良い。この場合、記憶装置13Aには、2つのレーンの各々に対応する制御情報CIの書き込み領域が不要となる。
【0042】
図5のステップ(以下、単にSと記載する)11に示すように、上流側の部品装着機26Aのコントローラ41Aは、LANインタフェース61Aを介して記憶装置13Aに定期的にアクセスする処理を実行する。コントローラ41Aは、例えば、自装置の装着作業が完了し、自装置から下流側の部品装着機26Bへ基板16を搬出する準備が完了すると、記憶装置13Aにアクセスする処理を開始する(S11)。あるいは、コントローラ41Aは、下流側の部品装着機26Bへ基板16を搬出する準備が完了する予定の時間を演算し、予定時間から所定時間前から記憶装置13Aへのアクセスを開始してもよい。この所定時間は、制御情報CIの取得や内容の判断処理に必要な時間である。コントローラ41Aは、記憶装置13Aのうち、部品装着機26Bに対応する記憶領域の制御情報CIを取得し判断する。この部品装着機26Bに対応する記憶領域のアクセス先の情報は、予め部品装着機26Aに設定しても良く、コントローラ41Aが管理装置13から取得しても良い。
【0043】
一方、下流側の部品装着機26Bのコントローラ41Bは、自装置へ基板16を搬入する準備が完了するまでの間、記憶装置13Aの自装置の情報を、準備が未完了である情報にする。コントローラ41Bは、自装置における装着処理が完了する、あるいは、基板16を下流の装置へ搬出する処理が完了する等し、上流側の部品装着機26Aから基板16を搬入する準備が完了すると、LANインタフェース61Bを介して記憶装置13Aにアクセスする(S13)。コントローラ41Bは、記憶装置13Aのうち、自装置(部品装着機26B)対応する記憶領域内に、搬入の準備が完了したことを示す制御情報CIを書き込む(S13)。尚、制御情報CIの書き込み位置の判断や書き込み処理は、管理装置13が実行してもよい。例えば、コントローラ41Bは、未完了又は完了を示す制御情報CIを送信する。管理装置13は、制御情報CIを取得すると、IPアドレス等により送信元の装置を判断し、送信元の装置に応じた記憶装置13Aの記憶領域に取得した制御情報CIを書き込んでも良い。
【0044】
上流側のコントローラ41Aは、S11で定期的にアクセスし記憶装置13Aから取得した部品装着機26Bの制御情報CIが搬入する準備が未完了であることを示している場合、基板16を搬出せずに自装置に滞留させた状態で維持する。コントローラ41Aは、部品装着機26Bの制御情報CIを取得して確認する処理を所定時間毎に繰り返し実行する。そして、コントローラ41Aは、記憶装置13Aから取得した部品装着機26Bの制御情報CIが搬入する準備が完了したことを示している場合、基板16の搬出を開始する(S15)。
【0045】
コントローラ41Aは、例えば、基板16の搬出を開始すると、部品装着機26Aの下流側基板センサ30Aの検出信号に基づいて基板16の搬出が完了するまで、基板搬送装置33の対応するレーンのコンベアーベルトを回転させる。コントローラ41Aは、基板16の搬出の完了を下流側基板センサ30Aにより検出すると、コンベアーベルトの回転を停止する。これにより、部品装着機26Aからの基板16の搬出が完了する。
【0046】
また、下流側のコントローラ41Bは、部品装着機26Bの上流側基板センサ28Bの検出信号に基づいて、基板16が搬入されたことを検出すると、基板搬送装置33の対応するレーンのコンベアーベルトを回転させる。コントローラ41Bは、例えば、搬入した基板16を作業位置まで移動させて基板搬送装置33によって固定する。これにより、部品装着機26Bは、搬入した基板16に対する装着作業を開始することができる。コントローラ41Bは、記憶装置13Aにアクセスし、自装置の制御情報CIを搬入の準備が未完了である情報に更新する。コントローラ41Bは、次の基板16の搬入が可能となるまで、制御情報CIを、未完了を示す情報に維持する。これにより、次の基板16が部品装着機26Aから搬出されることを抑制できる。尚、コントローラ41は、上流側基板センサ28Bで基板16の搬入の開始を検出した時点で、制御情報CIを未完了の情報に書き換えても良い。
【0047】
尚、上記した搬入及び搬出の制御方法は、一例である。例えば、部品装着機26Aは、下流側基板センサ30Aを備えなくとも良い。部品装着機26Aは、下流側の部品装着機26Bから搬入が完了したことを示す情報を取得するまで、基板搬送装置33のコンベアーベルトを回転させても良い。逆に、例えば、部品装着機26Bは、上流側基板センサ28Bを備えなくとも良い。この場合、下流側の部品装着機26Bは、カメラで基板16を撮像し、画像処理により基板16の搬入を検出し、基板搬送装置33を制御しても良い。
【0048】
従って、上記したように、管理装置13は、部品装着機26A,26Bから管理ネットワーク17を介してアクセス可能な記憶装置13Aを備えている。部品装着機26Bは、部品装着機26Aとの間で基板16の受け渡しを実行する準備が完了したことを示す制御情報CIを記憶装置13Aへ記憶させる(S13)。コントローラ41Aは、管理ネットワーク17を介して取得した制御情報CIに基づいて部品装着機26Bの準備が完了したことを検出した場合、部品装着機26Bとの間の基板16の受け渡しを実行する(S15)。これによれば、基板16を搬出する側の装置(例えば、部品装着機26A)は、管理装置13の記憶装置13Aにアクセスすることで、搬出先の装置(例えば、部品装着機26B)の制御情報CIを確認できる。また、管理装置13は、生産ライン11に設置された部品装着機26等について、記憶装置13Aの制御情報CIに基づいて、基板16の搬入準備が完了しているか等を確認できる。部品装着機26等の生産効率や稼働状況等を監視することができる。
【0049】
また、コントローラ41Aは、所定時間ごとに記憶装置13Aへアクセスし、部品装着機26Bについて基板16の受け渡しを実行する準備が完了したことを示す制御情報CIが記憶されているか確認する。これによれば、コントローラ41Aは、自装置の搬出準備が先に完了した場合、定期的に制御情報CIを確認し、下流側の部品装着機26Bが準備でき段階で直ぐに搬出を開始できる。また、コントローラ41Aは、自装置の搬出準備が未完了の状態で、部品装着機26Bの準備が完了したことを検出した場合、自装置の該当するレーンの搬出の準備を他の作業(他のレーンの作業など)よりも優先して処理する等の適切な対応が可能となる。
【0050】
(直接通信について)
次に、直接通信について説明する。以下の説明では、上記したホスト経由通信と同様の内容については、その説明を適宜省略する。図6は、直接通信を説明するためのブロック図である。図6では、一例として、部品装着機26Aから部品装着機26Bに基板16を搬送する制御における制御情報CIの送受信方法について説明する。
【0051】
図6のS21に示すように、上流側のコントローラ41Aは、無線インタフェース63Aを介して部品装着機26Bの準備が完了したか定期的に確認する。部品装着機26A,26Bは、例えば、上記した産業用ネットワークのフレームデータFDによって制御情報CIを送受信する。詳述すると、例えば、コントローラ41Aには、産業用ネットワークのフレームデータFDを管理するマスターMTが設けられている。マスターMTは、例えば、自装置のセンサの信号や動作等を、フレームデータFDにより管理する。
【0052】
また、部品装着機26Bのコントローラ41Bには、例えば、フレームデータFDを送受信するスレーブSVが設けられている。マスターMT、及びスレーブSVは、例えば、コントローラ41A,41Bに設けられたFPGAのIPコア(論理回路)である。スレーブSVは、無線インタフェース62Bを介して上流側の部品装着機26Aの産業用ネットワークに接続されている。例えば、フレームデータFDは、所定の制御周期でマスターMTから送信され、部品装着機26Aの基板搬送装置33等に設けられたスレーブ(図示略)と、部品装着機26BのスレーブSVを循環するように転送され、マスターMTに戻ってくる。
【0053】
フレームデータFDには、例えば、スレーブSVを含む各スレーブに対応する記憶領域が設定されている。各スレーブは、フレームデータFDからのデータの読み取り処理やフレームデータFDへのデータの書き込み処理を実行する。スレーブSVは、部品装着機26Bの搬入の準備が完了するまでの間、フレームデータFDの自装置(スレーブSV)に対応する記憶領域内(該当するレールの記憶領域内)に、準備が未完了であることを示す制御情報CIを書き込む。スレーブSVは、部品装着機26Bの搬入の準備が完了すると、フレームデータFDの自装置に対応する記憶領域内に、準備が完了したことを示す制御情報CIを書き込む。コントローラ41Aは、マスターMTで取得したフレームデータFDのスレーブSVに対応する記憶領域の制御情報CIを判断することで部品装着機26Bの準備状態を判断できる(S23)。
【0054】
従って、コントローラ41Aは、フレームデータFDを循環させる制御周期ごとにフレームデータFDを取得し(S21)、フレームデータFDを取得するごとに部品装着機26Bの準備状態を判断する(S23)。コントローラ41Aは、自装置の搬出の準備が完了し、フレームデータFDの制御情報CIに基づいて部品装着機26Bの準備の完了を検出すると、基板16の搬出を開始する(S25)。コントローラ41Aは、上記したホスト経由通信と同様に、部品装着機26Bとの間で基板16の搬送を実行する。
【0055】
例えば、スレーブSVは、自装置の準備が完了すると、制御情報CIとして準備完了を示すデータを設定する処理を、フレームデータFDを取得するごとに継続する。そして、コントローラ41Bは、上流側基板センサ28Bに基づいて基板16の搬送が開始されたことを検出すると、スレーブSVに対して準備が未完了であることを示す制御情報CIをフレームデータFDに書き込むように制御する。コントローラ41Bは、次の基板16の搬入が可能となるまで、制御情報CIを、未完了を示す情報に維持する。
【0056】
尚、スレーブSVは、準備完了を示す制御情報CIを設定する処理を、フレームデータFDを取得するごとに継続しなくとも良い。スレーブSVは、例えば、搬入の準備が完了した場合に、1回だけ制御情報CIを準備完了の情報に書き換えても良い。また、上記した直線通信における制御情報CIの送受信処理の内容は、一例である。例えば、コントローラ41Aは、産業用ネットワークを用いずに、BlueTooth(登録商標)規格に準じた通信、赤外線通信、又はWi-Fi(登録商標)により、部品装着機26Bに対して準備の完了を定期的に確認しても良い。この場合、コントローラ41Bは、スレーブSVを備えなくとも良い。あるいは、部品装着機26Aから部品装着機26Bへの問い合わせを実行しなくとも良い。部品装着機26Bは、自装置の準備が完了すると、完了した旨の制御情報CIを無線インタフェース62Bから無線インタフェース63Aへ送信しても良い。そして、コントローラ41Aは、部品装着機26Bから準備完了の通知を取得し、自装置の準備も完了した後に、搬出を開始しても良い。
【0057】
また、上記したホスト経由通信及び直線通信では、上流側の部品装着機26Aから下流側の部品装着機26Bへ基板16を搬送する場合について説明したが、逆方向(X方向とは逆方向)の搬送においても、上記したホスト経由通信及び直線通信を適用できる。即ち、部品装着機26Bから部品装着機26Aへ搬送する場合に、部品装着機26Bが上流側となって部品装着機26Aとの間で上記したホスト経由通信や直線通信を実行しても良い。
【0058】
従って、上記した直線通信において、コントローラ41Aは、部品装着機26Bとの間で制御情報CIを、無線インタフェース63A,62Bを介して取得する(S21)。コントローラ41Aは、取得した制御情報CIに基づいて、基板搬送装置33と部品装着機26Bとの間の基板16の受け渡しを制御する(S25)。これによれば、上流側と下流側の部品装着機26A,26B等の間で基板16の受け渡しをするための制御情報CIを、無線インタフェース62,63の無線通信により送受信できる。このため、上流側と下流側の部品装着機26A,26B等を接続しSMEMA信号をやり取りするための配線やケーブル等をなくすことが可能となる。その結果、基板16を受け渡す対基板作業機間において基板16の搬送に係わる制御情報CIを伝達する配線を減らすことができる。
【0059】
また、コントローラ41AのマスターMTは、無線インタフェース63Aを介した無線通信により部品装着機26BのスレーブSVとの間で産業用ネットワークに係わる通信規格に準じた通信が可能であり、産業用ネットワークを介して制御情報CIを取得する。これによれば、産業用ネットワークのフレームデータFDを用いてリレー等を制御する通信ネットワークにおいて、基板16を受け渡すための情報を送受信することができる。
【0060】
(基板16の搬送位置に基づく制御)
次に、管理装置13が、基板16の搬送位置に基づいて実行する制御について説明する。管理装置13は、上記した制御情報CIを利用することで、複数の生産ライン11の各々を搬送される基板16の現在位置を検出することができる。例えば、図5に示すホスト経由通信において、コントローラ41Aは、S15における基板16の搬出が完了すると、完了したことを管理装置13へ通知する(S17)。例えば、コントローラ41Aは、基板16の搬出の完了を下流側基板センサ30Aにより検出すると、コンベアーベルトの回転を停止し、管理ネットワーク17を介して完了を示す情報を管理装置13へ送信する。これにより、管理装置13は、部品装着機26Aから基板16が搬出されたことを検出することができる。
【0061】
同様に、図6に示す直線通信において、コントローラ41Aは、S25における基板16の搬出が完了すると、完了したことを管理装置13へ通知する(S27)。また、部品装着機26以外の対基板作業機(印刷機21、はんだ印刷検査機23、フィーダ管理装置25、リフロー炉27、基板外嵌検査機29)も、基板16の搬出の完了を管理装置13へ通知する。尚、基板16の搬出は通知せずに、基板16を搬入する側の装置(例えば、基板外嵌検査機29)が搬入の完了を管理装置13に通知しても良い。また、搬出側と搬入側の両方の装置が、搬入と搬出のそれぞれを管理装置13に通知しても良い。
【0062】
従って、部品装着機26Aのコントローラ41Aは、制御情報CIに基づいて、基板搬送装置33と部品装着機26Bとの間の基板16の受け渡しが完了したことを管理装置13へ通知する(S17,S27)。管理装置13は、部品装着機26Aの通知に基づいて生産ライン11における基板16の位置を検出する。これにより、管理装置13は、生産システム10の各生産ライン11について、基板16がどの装置まで搬送されたのか、その基板16の現在位置を検出できる。例えば、管理装置13は、1つの生産ライン11を搬送される1又は2以上の基板16について、現在位置をリアルタイムに表示することができる。
【0063】
ここで、生産システム10は、各生産ライン11において、例えば、制御プログラムで規定された生産枚数に従って、基板16を生産する。管理装置13は、生産ライン11において1種類の基板16の生産が終了すると、次の種類の基板16の生産を開始する。以下の説明では、変更前の基板を第1基板、変更後の基板を第2基板という。第1及び第2基板は、例えば、基板16の大きさや形状、装着する部品等が異なる基板16である。
【0064】
管理装置13は、第1基板の生産が終了し、第1基板から第2基板に変更する場合に、生産ライン11において生産される第1基板のうち、最後に生産される第1基板の位置を部品装着機26等からの通知に基づいて検出する。管理装置13は、生産ライン11において第1基板の生産が終了した装置の第2基板を生産するための準備に係わる情報を報知する報知処理を実行する。
【0065】
例えば、図1に示すように、管理装置13は、図1の最も上側の生産ライン11において、最後に生産される第1基板16Aが印刷機21からはんだ印刷検査機23へ搬送されたことを検出する。この場合、管理装置13は、例えば、印刷機21のスキージの交換や、はんだの種類の交換が必要であれば、即ち、第1基板16Aと第2基板とでスキージ等が違えば、準備すべきスキージやはんだの種類、保管場所の情報を報知する。
【0066】
その後、例えば、第1基板16Aは、生産ライン11をX方向に順番に搬送され、X方向に並ぶ4つの部品装着機26のうち、最も左側の部品装着機26から左から2番目の部品装着機26へ搬出されたとする(図1中の第1基板16B参照)。管理装置13は、第1基板16A,16Bの搬送が完了した通知を取得するごとに、通知を取得した対基板作業機について次の第2基板の準備に必要な情報を報知する。例えば、管理装置13は、第1基板16Bの位置まで搬送されたことを検出すると、X方向に並ぶ4つの部品装着機26のうち、最も上流側(図1の最も左側の部品装着機26)について、第2基板の生産に必要なフィーダ39の準備の情報を報知する。管理装置13は、第2基板の生産のために、この部品装着機26にどのような種類(識別情報)のフィーダ39を補充する必要があるか、フィーダ39や電子部品の種類、フィーダ39の保管場所の情報を報知する。これにより、変更前の第1基板16A,16Bの生産が終了した対基板作業機から順番に次の第2基板の生産に必要な準備を開始できる。基板種の変更にともなう生産ライン11の停止時間を短縮でき、稼働率を高めることができる。
【0067】
第2基板を生産するための準備に係わる情報の報知は、ユーザに対する報知でも良く、装置に対する報知でも良く、ユーザと装置の両方に対する報知でも良い。管理装置13は、例えば、第1基板16Bの生産が終了した部品装着機26に対して第2基板の生産で補充が必要な電子部品の情報をユーザに報知する。上記したように、生産システム10は、ローダ19によってフィーダ39の交換が可能であるが、ユーザが手動でフィーダ39の交換を実行しても良い。例えば、移動装置15は、管理装置13の制御に基づいて、第2基板の生産に必要なフィーダ39を、補充が必要な生産ライン11のフィーダストック装置55まで搬送する。管理装置13は、どの部品装着機26のどのスロットに、どのような識別情報のフィーダ39を補充すべきか、ライン制御装置49や部品装着機26のタッチパネル45に表示等する。これにより、生産ライン11のユーザは、ライン制御装置49の表示画面等を確認することで、例えば、第1基板16Bの搬出が完了した最も上流の部品装着機26に、フィーダストック装置55から持ってきたフィーダ39を補充することで第2基板の生産の準備ができる。この際、ユーザは、ライン制御装置49でフィーダ39のバーコード等を読み取って、フィーダストック装置55のフィーダ39を移動させたことを管理装置13に通知しても良い。
【0068】
あるいは、管理装置13は、第1基板16Bの搬出が完了した最も上流の部品装着機26で必要なフィーダ39の情報を保管室管理装置57に表示し、保管室53にいるユーザに対して準備を促しても良い。これにより、保管室53のユーザは、次に搬送予定のマガジン51に、最も上流側の部品装着機26で必要なフィーダ39を補充するなどの準備ができる。ユーザは、移動装置15が保管室53に戻ってくるまでの間、保管室53内で、保管室管理装置57の表示に従ってフィーダ39の補充を実行する。これにより、次に、移動装置15が、マガジン51を取りに保管室53に戻ってきた時点で、それまでに第1基板16A,16Bの生産が終了した部品装着機26に補充するフィーダ39を1つのマガジン51に装着して準備できる。
【0069】
また、管理装置13は、1つ1つの部品装着機26に対応して報知処理を実行せずに、まとめて報知処理を実行しても良い。例えば、管理装置13は、4つの全ての部品装着機26の装着作業が終わり、リフロー炉27に第1基板16Aが搬出されたタイミングで、上流側の4つの部品装着機26で第2基板の生産に必要なフィーダ39の情報をユーザに通知しても良い。これにより、例えば、保管室53のユーザは、1つのマガジン51に、複数の部品装着機26で必要なフィーダ39をまとめて準備できる。
【0070】
また、例えば、管理装置13は、生産ライン11を移動する移動装置15に対し、第2基板の生産に使用する電子部品の補給を開始する指示を通知しても良い。管理装置13は、第1基板16A,16Bの生産が終了した部品装着機26において第2基板の生産に必要なフィーダ39を移動装置15に搬送させる。例えば、管理装置13は、補充するフィーダ39の保管位置(フィーダストック装置55や保管室53)の情報を移動装置15に通知する。これにより、移動装置15は、補充が必要なフィーダ39のマガジン51を最短経路で取りに行くことができる。また、管理装置13は、例えば、ローダ19に対して、フィーダ管理装置25と部品装着機26との間でフィーダ39の交換を実行させ、第2基板の生産に不要なフィーダ39の撤去や、必要なフィーダ39の補充を実行させる。
【0071】
また、管理装置13は、フィーダ39の他に、上記したスキージや部品装着機26の保持部材35Aなどを、移動装置15によって搬送させて、第2基板の準備を実行しても良い。また、管理装置13は、ユーザ、移動装置15、ローダ19等にそれぞれ補充等の指示を出しても良い。また、生産システム10に複数の移動装置15が存在する場合、管理装置13は、複数の移動装置15に対して別々の指示を出しても良い。
【0072】
因みに、生産システム10は、対基板作業システムの一例である。印刷機21、はんだ印刷検査機23、フィーダ管理装置25、部品装着機26、リフロー炉27、基板外嵌検査機29は、対基板作業機及び少なくとも一方の装置の一例である。コントローラ41,41A,41Bは、制御部の一例である。X方向は、搬送方向の一例である。LANインタフェース61は、通信インタフェースの一例である。
【0073】
以上、上記した本実施形態では、以下の効果を奏する。
本願の一態様である部品装着機26の基板搬送装置33は、X方向に基板16を搬送し、X方向における部品装着機26の上流側装置(部品装着機26Aやフィーダ管理装置25)及び下流側装置(部品装着機26Bやリフロー炉27)のうち、少なくとも一方の装置との間で基板16の受け渡しを実行する。部品装着機26のLANインタフェース61は、生産ライン11を管理する管理装置13と管理ネットワーク17を介して接続されている。そして、部品装着機26のコントローラ41A(図5図6参照)は、部品装着機26Bとの間で基板搬送装置33が基板16の受け渡しを実行する動作を制御するための制御情報CIを、管理ネットワーク17を介して取得する(S11)。コントローラ41Aは、取得した制御情報CIに基づいて、基板搬送装置33と部品装着機26Bとの間の基板16の受け渡しを制御する(S15)。
【0074】
これによれば、上流側と下流側の部品装着機26A,26B等の間で基板16を受け渡しするための制御情報CIを、管理装置13を経由して送受信できる。このため、上流側と下流側の部品装着機26A,26B等を直接接続し、SMEMA信号をやり取りするための配線、コネクタ等をなくすことが可能となる。その結果、基板16を受け渡す対基板作業機間において基板16の搬送に係わる制御情報CIを伝達する配線を減らすことができる。例えば、装着ヘッド35を交換する場合や、基板搬送装置33をメンテナンスする場合など、モジュール32をベース31に対して前方側(Y方向)に引き出す作業が必要となる。このような保守作業などにおいて、SMEMA信号の配線のコネクタが脱落する、あるいは、配線が断線すると、障害が発生する。上記したように、配線やコネクタをなくすことで、障害の発生を抑制することができる。
【0075】
また、本開示の内容は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、生産システム10は、第1~第3モードを備えた。しかしながら、生産システム10は、第1~第3モードのうち、少なくとも1つのモードのみを実行可能な構成でも良い。
また、生産システム10は、ホスト経由通信又は直線通信の一方の通信のみを実行可能な構成でも良い。従って、ホスト経由通信を実行する場合、部品装着機26は、無線インタフェース62,63を備えなくとも良い。また、直線通信を実行する場合、管理装置13は、記憶装置13Aを備えなくとも良い。
部品装着機26等は、基板16の搬出を管理装置13に通知しなくとも良い。また、管理装置13は、生産ライン11における基板16の現在位置(搬送中の位置)を検出しなくとも良い。
【0076】
また、上記実施形態では、主にX方向における上流側から下流側への基板16の受け渡しについて説明した。しかしながら、本願の内容は、下流側の装置から上流側の装置へ基板16を受け渡す場合にも、制御情報CIによる制御が可能である。
また、図5のホスト経由通信や図6の直線通信では、上流側の部品装着機26Aが、制御情報CIを取得し基板搬送装置33を制御したが、これに限らない。例えば、ホスト経由通信において、下流側の部品装着機26Bが、記憶装置13Aから制御情報CIを取得して自装置の基板搬送装置33を制御しても良い。部品装着機26Aは、部品装着機26Bから準備完了の制御情報CIを取得し、基板16の搬出を開始する前に、開始することを示す制御情報CIを記憶装置13Aに書き込んでも良い。そして、部品装着機26Bは、記憶装置13Aから取得した部品装着機26Aの制御情報CIが搬出を開始する情報であった場合に、自装置の基板搬送装置33のベルトコンベアを回転させても良い。あるいは、直線通信において、部品装着機26Aは、基板16の搬出を開始する前に、開始することを示す制御情報CIをフレームデータFDで部品装着機26Bに送信しても良い。そして、部品装着機26Bは、取得したフレームデータFDの制御情報CIが搬出を開始する情報であった場合に、自装置の基板搬送装置33のベルトコンベアを回転させても良い。この場合、下流側の部品装着機26Bは、本開示の対基板作業機の一例である。また、上流側の部品装着機26Aは、少なくとも一方の装置の一例である。
また、本願の対基板作業機は、上記した印刷機21、印刷検査機23、フィーダ管理装置25、部品装着機26、リフロー炉27、基板外嵌検査機29に限らない。例えば、対基板作業機は、部品装着機26と部品装着機26の間で基板16を搬送(転送)する転送装置や、反転させて受け渡す反転装置でも良い。また、対基板作業機は、基板に接着剤を塗布する接着剤塗布装置でも良い。
【符号の説明】
【0077】
10 生産システム(対基板作業システム)、11 生産ライン、13 管理装置、13A 記憶装置、15 移動装置、16 基板、17 管理ネットワーク、21 印刷機(対基板作業機、少なくとも一方の装置)、23 はんだ印刷検査機(対基板作業機、少なくとも一方の装置)、25 フィーダ管理装置(対基板作業機、少なくとも一方の装置)、26,26A,26B 部品装着機(対基板作業機、少なくとも一方の装置)、27 リフロー炉(対基板作業機、少なくとも一方の装置)、29 基板外嵌検査機(対基板作業機、少なくとも一方の装置)、33 基板搬送装置、41,41A,41B コントローラ(制御部)、61 LANインタフェース(通信インタフェース)、62,63,62A,62B,63A,63B 無線インタフェース、CI 制御情報。
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図5
図6