(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】操作補助具
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20250313BHJP
E06B 9/78 20060101ALI20250313BHJP
A47H 11/02 20060101ALI20250313BHJP
E06B 9/322 20060101ALI20250313BHJP
【FI】
E06B9/42 Z
E06B9/78
A47H11/02
E06B9/322
(21)【出願番号】P 2021190266
(22)【出願日】2021-11-24
【審査請求日】2024-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大治
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-242559(JP,A)
【文献】特表2016-532035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00- 9/96
A47H 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体を開閉操作可能な操作コードに取り付けでき、前記操作コードの操作を補助するための操作補助具であって、
少なくとも一本の指で把持可能な把持部と、
前記操作コードが挿通可能な挿通部と、
前記操作コードの一部を係止可能な係止部と、を備え、
前記把持部を介した傾き操作に対応して、前記挿通部に挿通された前記操作コードの一部が前記係止部に係止される係止状態と、前記操作コードの一部が前記係止部に係止されない非係止状態とを切替可能である、操作補助具。
【請求項2】
前記把持部は、リング状に形成している、請求項1記載の操作補助具。
【請求項3】
前記操作コードは、複数のボール部を連結したボールチェーンからなり、
前記係止部は、前記ボール部を係止可能な形状に形成している、請求項1又は2記載の操作補助具。
【請求項4】
前記係止部は、前記挿通部における前記把持部側とは反対側に形成している、請求項1から3のいずれかに記載の操作補助具。
【請求項5】
前記係止部は、前記挿通部の上端部及び下端部の両方に形成している、請求項1から4のいずれかに記載の操作補助具。
【請求項6】
前記操作コードを無端状のまま前記挿通部に着脱可能とする少なくとも一つ以上の溝部を更に有している、請求項1から5のいずれかに記載の操作補助具。
【請求項7】
互いに回動可能な状態で上下に重ねられる上部部品及び下部部品で構成し、
前記上部部品及び前記下部部品は、互いに異なる位置に前記溝部を有している、請求項6記載の操作補助具。
【請求項8】
前記操作コードを狭着可能な係止溝部を更に備え、
前記係止溝部は、前記溝部からなる請求項6記載の操作補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作補助具に関する。特に、ブラインドなどの開閉体の操作を補助するために好適な操作補助具の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術によるブラインドの操作装置として、ヘッドボックス、ヘッドボックスの下方で昇降可能となった遮蔽材、及び、ヘッドボックスから垂下された操作コードを備え、操作コードの移動により遮蔽材の昇降動作を可能にするブラインドにおいて、操作コードには、操作者が把持可能となったグリップが取り付けられ、グリップには、操作コードに係合及び係合解除可能なストッパーを備えた、ブラインドの操作装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したグリップは、ブラインドの操作コードに取り付けられ、操作コードが挿通され、操作者が把持可能なグリップケースと、グリップケースの内部に配置され、グリップの操作により操作コードに係合及び係合解除可能となったストッパーと、を備えている。
【0005】
従来技術によるグリップ(操作補助具)は、操作コードとグリップを一体化でき、操作者がグリップを握って下方又は上方に移動することで、ブラインドを開閉操作できる。この場合、グリップは、操作コードの径よりも大きく握りやすいため、操作荷重の大きい製品であっても開閉操作が容易である。
【0006】
しかしながら、グリップを握ることが容易でない、手が不自由な操作者もいるため、そのような操作者であっても、ブラインドの開閉操作が容易となる操作補助具が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、操作コードを握ることが容易でない、手が不自由な操作者であっても、ブラインドの開閉操作が容易な操作補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、少なくとも一本の指で把持可能な把持部、操作コードが挿通可能な挿通部、及び、操作コードの一部を係止可能な係止部で操作補助具を構成し、操作補助具の傾き操作に対応して、挿通部に挿通された操作コードの一部が係止部に係止される係止状態と、操作コードの一部が係止部に係止されない非係止状態とに容易に切替できると考え、これに基づいて、以下のような新たな操作補助具を発明するに至った。
【0009】
(1)本発明による操作補助具は、開閉体を開閉操作可能な操作コードに取り付けでき、前記操作コードの操作を補助するための操作補助具であって、少なくとも一本の指で把持可能な把持部と、前記操作コードが挿通可能な挿通部と、前記操作コードの一部を係止可能な係止部と、を備え、前記把持部を介した傾き操作に対応して、前記挿通部に挿通された前記操作コードの一部が前記係止部に係止される係止状態と、前記操作コードの一部が前記係止部に係止されない非係止状態とを切替可能である。
【0010】
(2)前記把持部は、リング状に形成していることが好ましい。
【0011】
(3)前記操作コードは、複数のボール部を連結したボールチェーンからなり、前記係止部は、前記ボール部を係止可能な形状に形成していることが好ましい。
【0012】
(4)前記係止部は、前記挿通部における前記把持部側とは反対側に形成していることが好ましい。
【0013】
(5)前記係止部は、前記挿通部の上端部及び下端部の両方に形成していることが好ましい。
【0014】
(6)前記操作コードを無端状のまま前記挿通部に着脱可能とする少なくとも一つ以上の溝部を更に有していることが好ましい。
【0015】
(7)本発明による操作補助具は、互いに回動可能な状態で上下に重ねられる上部部品及び下部部品で構成し、前記上部部品及び前記下部部品は、互いに異なる位置に前記溝部を有していてもよい。
【0016】
(8)前記操作コードを狭着可能な係止溝部を更に備え、前記係止溝部は、前記溝部からなることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明による操作補助具は、指で把持することが可能な操作補助具を用いて、操作コードを開閉操作できる。そのため、操作コード又は操作コードの操作を補助するための操作補助具を握ることが容易でない手の不自由な操作者であっても、ブラインドの開閉操作を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態によるブラインドの全体構成を示す正面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態による操作補助具の構成を示す斜視図であり、
図2(A)は、操作補助具を一方の面から観た状態図、
図2(B)は、操作補助具を他方の面から観た状態図である。
【
図3】第1実施形態による操作補助具の構成を示す平面図である。
【
図5】第1実施形態による操作補助具の構成を示す斜視図であり、
図5(A)は、把持部の内部にボールチェーンを導入する前の状態図、
図5(B)は、把持部の内部にボールチェーンを導入した状態図、
図5(C)は、挿通部の内部にボールチェーンを導入した状態図である。
【
図6】第1実施形態による操作補助具の構成を示す右側面図であり、
図6(A)は、挿通部の内部にボールチェーンを導入した状態図、
図6(B)は、
図6(A)に示した状態から操作補助具を傾けて、ボールチェーンの一部を係止部に係止した状態図、
図6(C)は、
図6(B)に示した状態から操作補助具を操作して、ボールチェーンを引き下げた状図である。
【
図7】第1実施形態による操作補助具の構成を示す右側面図であり、二点鎖線で示した操作補助具を回転して、操作補助具を奥側のボールチェーンから手前側のボールチェーンに移動した状態図である。
【
図8】本発明の実施形態によるブラインドの全体構成を示す正面図であり、操作補助具を用いて、ボールチェーンを上方に束ねた状態図である。
【
図9】本発明の第2実施形態による操作補助具の構成を示す斜視図であり、
図9(A)は、操作補助具を一方の面から観た状態図、
図9(B)は、操作補助具を他方の面から観た状態図である。
【
図10】第2実施形態による操作補助具の構成を示す斜視図であり、
図10(A)は、把持部の内部にボールチェーンを導入する前の状態図、
図10(B)は、把持部の内部にボールチェーンを導入した状態図、
図10(C)は、挿通部の内部にボールチェーンを導入した状態図である。
【
図11】本発明の第3実施形態による操作補助具の構成を示す図であり、
図11(A)は、操作補助具の斜視図、
図11(B)は、操作補助具の斜視分解組立図である。
【
図12】第3実施形態による操作補助具の構成を示す斜視図であり、
図12(A)は、挿通部の内部にボールチェーンを導入する前の状態図、
図12(B)は、下部部品の挿通部の内部にボールチェーンを導入した状態図、
図12(C)は、上部部品と下部部品を閉じて、挿通部の内部にボールチェーンを導入した状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
(全体構成)
本発明による操作補助具の構成を説明する前に、操作補助具が適用されるブラインドの全体構成を説明する。
【0020】
開閉体としてのブラインドとしては、ロールスクリーン、横型ブラインド、プリーツスクリーン、ローマンシェードなどの任意のブラインドに適用することができるが、この実施形態では、ロールスクリーンを例にとって説明する。
【0021】
図1を参照すると、例示したロールスクリーンSrは、建物の窓枠などの矩形の開口部の内部に設置している。ロールスクリーンSrは、建物の室外に対して、窓ガラス(図示せず)などで仕切った室内に設置している。
【0022】
図1を参照すると、ロールスクリーンSrは、チャンネル状のセットフレームFs、シート状のスクリーンSc、及び、ウエイトバーBwを備えている。セットフレームFsは、一組のブラケットBr・Brを用いて、窓枠などの開口部の上面に固定している。
【0023】
又、
図1を参照すると、セットフレームFsは、一対のサイドプレートPs・Psを両端部に固定している。一対のサイドプレートPs・Psは、操作ユニットUcを介して、巻取りパイプPrを回転自在に支持している。
【0024】
図1を参照すると、スクリーンScは、その一端部を巻取りパイプPrに連結している。又、スクリーンScは、その他端部が巻取りパイプPrから垂下して、ウエイトバーBwに連結している。
【0025】
図1を参照すると、巻取りパイプPrは、操作ユニットUcを操作部側に設けている。操作ユニットUcは、スプロケットを内部に配置している。巻取りパイプPrは、スプロケットを同軸上に配置している。スプロケットには、操作コードとなるボールチェーンCbを巻き掛けしている。ループしたボールチェーンCbは、操作ユニットUcから垂下している。
【0026】
図1又は
図7を参照して、前方側(室内Ri側)に配置されたボールチェーンCbを下方に引くことで、巻取りパイプPrは、スクリーンScを巻き取ることができる。一方、後方側(室外Ro側)に配置されたボールチェーンCbを下方に引くことで、巻取りパイプPrは、スクリーンScを巻き解くことができる。ボールチェーンCbの操作を停止すれば、巻取りパイプPrは、その停止位置を維持できる。そして、ボールチェーンCbには、第1実施形態による操作補助具10を取り付けている。
【0027】
(操作補助具の構成)
次に、第1実施形態による操作補助具10の構成を説明する。
図2から
図7を参照すると、操作補助具10は、円形状の把持部11と方形状の挿通部12を有している。把持部11は、一本の指Fで把持できる(
図6参照)。挿通部12には、ボールチェーンCbを挿通できる(
図5(C)参照)。
【0028】
又、
図2から
図5を参照すると、操作補助具10は、方形溝で形成した係止部12dを有している。係止部12dは、挿通部12における把持部11側とは反対側に形成している。係止部12dは、ボールチェーンCbの一部を係止できる。ボールチェーンCbは、複数のボール部Bを線体Lで連結している。係止部12dは、ボール部Bを係止可能な形状に形成することが好ましい。係止部12dは、挿通部12の上端部及び下端部の両方に形成している。
【0029】
図6を参照すると、操作補助具10は、把持部11を介した傾き操作に対応して、係止状態と非係止状態に切替できる。係止状態は、挿通部12に挿通されたボールチェーンCbの一部が係止部12dに係止されている。非係止状態は、ボールチェーンCbが係止部12dに係止されていない。
【0030】
図2から
図4を参照すると、把持部11は、長円形の開口11aを中央部に開口している。開口11aには、指Fを挿入できる(
図6参照)。実体として、把持部11は、リング状に形成されている。挿通部12は、矩形の開口12aを中央部に開口している。開口12aには、ボールチェーンCbを挿通できる。
【0031】
図2又は
図3及び
図5を参照すると、把持部11は、外周の一部を断絶したスリット状の溝部11sを有している。溝部11sの幅は、線体Lの径と同等又は線体Lの径より狭く形成されている。
図5(A)に示すように、把持部11の円弧部を外側に拡げ、ボールチェーンCbの線体Lが溝部11sを通過することで、ボールチェーンCbを把持部11の内部に導入できる。把持部11の円弧部が弾性復帰することで、ボールチェーンCbを把持部11の内部に封鎖できる。
【0032】
図2又は
図3及び
図5を参照すると、把持部11と挿通部12の間には、スリット状の溝部12sを有している。溝部12sは、開口11aと開口12aを連通している。溝部12sの幅は、線体Lの径と同等又は線体Lの径より狭く形成されている。
図5(B)に示した状態から、把持部11の円弧部を外側に拡げることで、ボールチェーンCbの線体Lが溝部12sを通過できる。そして、ボールチェーンCbを挿通部12の内部に導入できる。把持部11の円弧部を解放することで、把持部11が弾性復帰し、ボールチェーンCbを挿通部12の内部に封鎖できる。このように、操作補助具10は、樹脂等の弾性を有する部材で構成している。なお、溝部12sの幅は線体Lの径より狭く形成されているものとしたが、広く形成されていてもよい。
【0033】
図2(B)又は
図4及び
図6(B)を参照すると、挿通部12は、内部に突出した直方体状の突出部12pを有している。ボールチェーンCbを挿通部12の内部に導入した状態から(
図6(A)参照)、操作補助具10を傾けることで、
図6(B)に示すように、ボールチェーンCbのボール部Bが突出部12pに当接することで、その位置でボールチェーンを屈曲させることもできる。挿通部12の内部に突出部12pを設けることで、ボールチェーンCbを係止部12dに係止しやすくなっている。又、挿通部12の内部に突出部12pを設けることで肉厚が増すため部品強度が高まり、操作荷重によって操作補助具10が破損してしまうことを防止できる。
【0034】
(操作補助具の作用)
次に、操作補助具10の動作を説明しながら、操作補助具10の作用及び効果を説明する。最初に、無端状のボールチェーンCbをその外周方向から把持部11の内部に導入する。
図5(A)に示した状態から、ボールチェーンCbを溝部11sに通過させることで、ボールチェーンCbを把持部11の内部に導入できる(
図5(B)参照)。
【0035】
次に、ボールチェーンCbが把持部11の内部に導入された状態から(
図5(B)参照)、把持部11の円弧部を外側に拡げることで、ボールチェーンCbが溝部12sを通過でき、ボールチェーンCbを挿通部12の内部に導入できる(
図5(C)参照)。これにより、操作補助具10をボールチェーンCbに取り付けることができる。
【0036】
図6(A)に示すように、ボールチェーンCbを挿通部12の内部に導入し、垂下したボールチェーンCbに対して、操作補助具10を水平方向に指Fで保持した状態から、
図6(B)に示すように、操作補助具10を下方に傾けることで、ボールチェーンCbを係止部12dに係止できる。次に、
図6(C)に示すように、操作補助具10を傾斜した方向に移動することで、ボールチェーンCbを引き下げることができる。このように、操作補助具10は、ボールチェーンCbの操作を補助できる。再度、
図6(A)に示すように操作補助具10を水平方向に保持した状態とすると、ボールチェーンCbに対する操作補助具10の位置を上下方向において変更できる。ボールチェーンCbを係止する位置を変更することで、繰り返し操作補助具10によるボールチェーンCbの引き下げ操作を行うことができる。
【0037】
図7を参照すると、実線で示した操作補助具10は、その挿通部12に、前方側(室内Ri側)のボールチェーンCbが挿通している。操作補助具10を下方に傾けることで、前方側のボールチェーンCbを上端部に形成した係止部12dに係止できる(
図2又は
図4参照)。そして、操作補助具10を傾斜した方向に移動することで、前方側のボールチェーンCbを引き下げることができる。
【0038】
図7を参照すると、想像線で示した操作補助具10は、実線で示した操作補助具10を反転させている。具体的には、想像線で示した操作補助具10をボールチェーンCbに沿って矢印方向に移動させた状態が実線で示した操作補助具10である。想像線で示した操作補助具10は、その挿通部12に、後方側(室外Ro側)のボールチェーンCbが挿通している。操作補助具10を下方に傾けることで、後方側のボールチェーンCbを前方側(室内Ri側)のボールチェーンCbを係止した係止部12dとは反対側に形成した係止部12dに係止できる。そして、操作補助具10を傾斜した方向に移動することで、後方側のボールチェーンCbを引き下げることができる。このように、挿通部12にボールチェーンCbを挿通させたまま操作補助具10をボールチェーンCbに沿って移動させることで、無端状のボールチェーンCbの前方側を引く操作と後方側を引く操作の両方の操作を一つの操作補助具10で実現できる。
【0039】
図2又は
図3及び
図5を参照すると、把持部11は、ボールチェーンCbを外周方向から挟着することもできる。把持部11に形成した一対の円弧部を外側に拡げた後に、一対の円弧部を閉じることで、ボールチェーンCbを外周方向から挟着できる。溝部1
12sは、ボールチェーンCbを狭着可能な係止溝部である、ということが言える。
【0040】
図8を参照して、ボールチェーンCbを外周方向から挟着することで、小さな子供やペットが手の届かない位置にボールチェーンCbを束ねておくことできる。
【0041】
操作補助具10は、一本の指Fで把持可能な把持部11を備え、把持部11を介した傾き操作に対応して、挿通部12に挿通されたボールチェーンCbの一部が係止部12dに係止される係止状態と、ボールチェーンCbの一部が係止部12dに係止されない非係止状態に切替できるので、操作コード又は操作コードの操作を補助するための操作補助具を握ることが容易でない手の不自由な操作者であっても、操作コードによるブラインドの開閉操作を容易に実現できる。
【0042】
操作補助具10は、操作コードが複数のボール部Bを連結したボールチェーンCbからなり、係止部12dは、ボール部Bを係止可能な形状に形成しているので、ボール部Bを利用して、操作コードの一部を操作補助具10に係止できる。
【0043】
図4を参照すると、操作補助具10は、係止部12dが挿通部12における把持部11側とは反対側に形成しているので、把持部11側が下方に傾くように操作すると、ボールチェーンCbの一部が反対側の係止部12dに係止されるため、指Fだけの操作でも力を入れやすい方向に操作補助具10を移動させて、ブラインドを開閉操作できる。
【0044】
図2又は
図4を参照すると、係止部12dは、挿通部12の上端部及び下端部の両方に形成しているので、
図7を参照して上述した通り、無端状の操作コードの手前側を引く操作と奥側を引く操作の両方の操作を一つの操作補助具10で実現できる。
【0045】
図5を参照すると、操作補助具10は、ボールチェーンCbを無端状の状態で、挿通部12に着脱可能とする溝部12sを有しているので、操作補助具を無端状の操作コードに着脱することができる。
【0046】
図8を参照すると、ボールチェーンCbを狭着可能な溝部11sからなる係止溝部を備えているので、小さな子供やペットが手の届かない位置にボールチェーンCbを束ねておくことできる。
【0047】
[第2実施形態]
(操作補助具の構成)
次に、第2実施形態による操作補助具20の構成を説明する。
図9又は
図10を参照すると、操作補助具20は、円形状の把持部21と方形状の挿通部22を有している。把持部21は、一本の指Fで把持できる。挿通部22には、ボールチェーンCbを挿通できる(
図10(C)参照)。
【0048】
又、
図9を参照すると、操作補助具20は、方形溝で形成した係止部22dを有している。係止部22dは、挿通部22における把持部21側とは反対側に形成している。係止部22dは、ボールチェーンCbの一部を係止できる。係止部22dは、ボール部Bを係止可能な形状に形成することが好ましい。係止部22dは、挿通部22の上端部及び下端部の両方に形成している。
【0049】
図9又は
図10を参照すると、把持部21は、長円形の開口21aを中央部に開口している。開口21aには、指Fを挿入できる。実体として、把持部21は、リング状に形成されている。挿通部22は、矩形の開口22aを中央部に開口している。開口22aには、ボールチェーンCbを挿通できる。
【0050】
図9又は
図10を参照すると、把持部21は、外周の一部を断絶したクランク状の溝部21sを有している。溝部21sは、一組の導入溝211・211と外周溝212が連通している。溝部2sの幅は、線体Lの径と同等又は線体Lの径より狭く形成されている。
図10(A)に示すように、一方の導入溝211から線体Lを導入し、外周溝212を通過した後に、他方の導入溝211から線体Lが導出することで、ボールチェーンCbを把持部11の内部に導入できる。そして、ボールチェーンCbを把持部21の内部に封鎖できる(
図10(B)参照)。ここで、操作補助具20は、樹脂等の弾性を有する部材で構成しているため、溝部21sの幅が線体Lより狭くても、上述のように導入溝211及び外周溝212を介してボールチェーンCbを把持部11の内部に導入できる。なお、溝部21sの幅は線体Lの径より狭く形成されているものとしたが、広く形成されていてもよい。
【0051】
図9又は
図10を参照すると、把持部21と挿通部22の間には、スリット状の溝部22sを有している。溝部22sは、開口21aと開口22aを連通している。溝部22sの幅は、線体Lの径と同等又は線体Lの径より狭く形成されている。
図10(B)に示した状態から、把持部21の円弧部を外側に拡げることで、ボールチェーンCbの線体Lが溝部22sを通過できる。そして、ボールチェーンCbを挿通部22の内部に導入できる。把持部21の円弧部を解放することで、把持部21が弾性復帰し、ボールチェーンCbを挿通部22の内部に封鎖できる。このように、操作補助具20は、樹脂等の弾性を有する部材で構成している。
【0052】
図9(B)を参照すると、挿通部22は、内部に突出した直方体状の突出部22pを有している。ボールチェーンCbを挿通部22の内部に導入した状態から、操作補助具20を傾けることで、ボールチェーンCbのボール部Bが突出部22pに当接することで、その位置でボールチェーンを屈曲させることもできる。を突出部12pに係止することもできる。挿通部22の内部に突出部22pを設けることで、ボールチェーンCbを係止部22dに係止しやすくなっている。又、挿通部22の内部に突出部22pを設けることで肉厚が増すため部品強度が高まり、操作荷重によって操作補助具20が破損してしまうことを防止できる。
【0053】
(操作補助具の作用)
次に、操作補助具20の動作を説明しながら、操作補助具20の作用及び効果を説明する。最初に、無端状のボールチェーンCbを把持部21の内部に導入する。
図10(A)に示した状態から、ボールチェーンCbの線体Lを溝部21sに通過させることで、ボールチェーンCbを把持部21の内部に導入できる(
図10(B)参照)。
【0054】
次に、ボールチェーンCbが把持部21の内部に導入された状態から(
図10(B)参照)、把持部21の円弧部を外側に拡げることで、ボールチェーンCbが溝部22sを通過でき、ボールチェーンCbを挿通部22の内部に導入できる(
図10(C)参照)。これにより、操作補助具20をボールチェーンCbに取り付けることができる。
【0055】
ボールチェーンCbを挿通部22の内部に導入し、垂下したボールチェーンCbに対して、操作補助具20を水平方向に指Fで保持した状態から、操作補助具20を下方に傾けることで、ボールチェーンCbを係止部22dに係止できる。次に、操作補助具20を傾斜した方向に移動することで、ボールチェーンCbを引き下げることができる。このように、操作補助具20は、ボールチェーンCbの操作を補助できる。
【0056】
第1実施形態で示した挿通部12と第2実施形態で示した挿通部22は、実質的に同じものであるが、説明の便宜上符号を変えて区別した。第2実施形態による操作補助具20は、第1実施形態による操作補助具10と同様な効果を奏するが、操作補助具20は、クランク状の溝部21sを有することで、ボールチェーンCbが把持部21から脱落し難いという特別な効果がある。
【0057】
[第3実施形態]
(操作補助具の構成)
次に、第3実施形態による操作補助具30の構成を説明する。
図11又は
図12を参照すると、操作補助具30は、上部部品3tと下部部品3bで構成している。上部部品3tと下部部品3bは、軸ピン31pを軸中心に互いに回動自在に連結している。
【0058】
図11又は
図12を参照すると、操作補助具30は、上部部品3tと下部部品3bを上下に重ね合わせることができ(
図11(A)参照)、軸ピン31pを軸中心に、上部部品3tと下部部品3bを互いに開くこともできる(
図12(A)参照)。
【0059】
図11を参照すると、上部部品3tは、円形状の把持部31と方形状の挿通部32を有している。同様に、下部部品3bは、円形状の把持部31と方形状の挿通部32を有している。上部部品3tと下部部品3bを重ね合わせた状態では、把持部31は、一本の指Fで把持できる。挿通部32には、ボールチェーンCbを挿通できる(
図12(C)参照)。
【0060】
図11を参照すると、把持部31は、長円形の開口31aを中央部に開口している。開口31aには、指Fを挿入できる。実体として、把持部31は、リング状に形成されている。挿通部32は、矩形の開口32aを中央部に開口している。開口32aには、ボールチェーンCbを挿通できる。
【0061】
図11(B)を参照すると、把持部31は、軸穴31hを端部に貫通している。軸穴31hに軸ピン31pを挿入することで、上部部品3tと下部部品3bを互いに回動自在に連結できる。
【0062】
図11を参照すると、上部部品3t及び下部部品3bは、方形溝で形成した係止部32dを挿通部32に有している。係止部32dは、挿通部32における把持部31側とは反対側に形成している。係止部32dは、ボールチェーンCbの一部を係止できる。係止部32dは、ボール部Bを係止可能な形状に形成することが好ましい。上部部品3tと下部部品3bを重ね合わせた状態では、係止部32dは、挿通部32の上端部及び下端部の両方に形成している。
【0063】
図11を参照すると、上部部品3tは、外周の一部を断絶したスリット状の溝部33sを挿通部32に有している。同様に、下部部品3bは、外周の一部を断絶したスリット状の溝部33sを挿通部32に有している。上部部品3t及び下部部品3bは、互いに異なる位置に溝部33sを有している。溝部33sには、ボールチェーンCbを外周方向から導入できる。
【0064】
図11(B)を参照すると、上部部品3tは、凹部32iを挿通部32の下面から穿設している。又、上部部品3tは、凸部32jを挿通部32の下面から突出している。同様に、下部部品3bは、凹部32iを挿通部32の上面から穿設している。又、下部部品3bは、凸部32jを挿通部32の上面から突出している。
【0065】
図11(A)又は
図12(C)を参照して、上部部品3tと下部部品3bを重ね合わせた状態では、凹部32iと凸部32jが嵌合することで、上部部品3tと下部部品3bが開くことを抑制している。
【0066】
(操作補助具の作用)
次に、操作補助具30の動作を説明しながら、操作補助具30の作用及び効果を説明する。最初に、無端状のボールチェーンCbをその外周方向から下部部品3bの挿通部32の内部に導入する。
図12(A)に示した状態から、ボールチェーンCbを溝部33sに通過させることで、ボールチェーンCbを挿通部32の内部に導入できる(
図10(B)参照)。
【0067】
次に、上部部品3tと下部部品3bを互いに閉じて、無端状のボールチェーンCbをその外周方向から上部部品3tの挿通部32の内部に導入する。
図12(B)に示した状態から、ボールチェーンCbを溝部33sに通過させることで、ボールチェーンCbを挿通部32の内部に導入できる(
図12(C)参照)。これにより、操作補助具30をボールチェーンCbに取り付けることができる。
【0068】
図11又は
図12を参照すると、操作補助具30は、一本の指Fで把持可能な把持部31を備え、把持部31を介した傾き操作に対応して、挿通部32に挿通されたボールチェーンCbの一部が係止部32dに係止される係止状態と、ボールチェーンCbの一部が係止部32dに係止されない非係止状態に切替できるので、操作コード又は操作コードの操作を補助するための操作補助具を握ることが容易でない手の不自由な操作者であっても、操作コードによるブラインドの開閉操作を容易に実現できる。
【0069】
操作補助具30は、操作コードが複数のボール部Bを連結したボールチェーンCbからなり、係止部32dは、ボール部Bを係止可能な形状に形成しているので、ボール部Bを利用して、操作コードの一部を操作補助具30に係止できる。
【0070】
図11を参照すると、操作補助具30は、係止部32dが挿通部32における把持部31側とは反対側に形成しているので、把持部31側が下方に傾くように操作すると、ボールチェーンCbの一部が反対側の係止部32dに係止されるため、指Fだけの操作でも力を入れやすい方向に操作補助具30を移動させて、ブラインドを開閉操作できる。
【0071】
図11を参照すると、係止部32dは、挿通部32の上端部及び下端部の両方に形成しているので、無端状の操作コードの手前側を引く操作と奥側を引く操作の両方の操作を一つの操作補助具30で実現できる。
【0072】
図12を参照すると、操作補助具30は、ボールチェーンCbを無端状の状態で、挿通部32に着脱可能とする溝部33sを有しているので、操作補助具を無端状の操作コードに着脱することができる。
【0073】
図11又は
図12を参照すると、操作補助具30は、把持部を介することなく、ボールチェーンCbを挿通部に直接導入できるというメリットがある。又、操作補助具30は、上部部品3tと下部部品3bを同じ部品で構成できる効果がある。更に、上部部品3tと下部部品3bで溝部33sの位置が異なるため、溝部33sを設けることによって操作補助具30の強度が低下することを抑制できる。
【0074】
本発明の操作補助具に適用される開閉体は、ロールスクリーンに限定されない。概ね全てのブラインドに適用される。又、本発明の操作補助具に一部が係止可能な操作コードを用いて開閉操作可能な開閉体であれば、ブラインドに限らず、アコーディオンドア、オーニング、網戸、シャッター、すべり出し窓(サッシ)、映写スクリーンなどに適用されてもよい。又、本発明の操作補助具に適用される操作コードは、ボールチェーンに限定されない。例えば、紐状の操作コードを挿通部に挿通して捩じることで、操作補助具を介して、操作コードを引っ張ることができる。又、本発明の操作補助具は、一本の指で把持して操作するものに限定されず、把持部の形状やサイズを変更するなどして複数本の指で把持して操作できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10 操作補助具
11 把持部
12 挿通部
12d 係止部
Cb ボールチェーン(操作コード)
F 指
Sr ロールスクリーン(開閉体)