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特許7649788時期尚早な針の安全起動を抑制する機器及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】時期尚早な針の安全起動を抑制する機器及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20250313BHJP
【FI】
A61M25/06 512
A61M25/06 500
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022530156
(86)(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 US2020059737
(87)【国際公開番号】W WO2021108116
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2023-09-08
(31)【優先権主張番号】62/940,103
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/088,485
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メーガン シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-052499(JP,A)
【文献】特開平08-215315(JP,A)
【文献】特開2019-051220(JP,A)
【文献】特開平08-257131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムが、
カテーテル組立体であって、
末端端部、基端端部、及び前記末端端部及び前記基端端部を通って延びるルーメンを備える、カテーテルアダプタ、及び
前記カテーテルアダプタの前記末端端部から延びるカテーテル、
を備える、カテーテル組立体、及び
針組立体であって、
針ハブ、
前記針ハブ内に固定されて前記カテーテルを通って延びる導入針、
基端端部及び末端端部を備えるバレルであって、前記針ハブが前記バレル内にスライド可能に配置され、前記バレルが全体として中空である、バレル、
前記導入針のまわりに配置されたバネ、
頂部と底部を備える起動ラッチであって、前記起動ラッチは、前記針ハブと選択的に係合するように適合されて、前記バネのバイアスに抗して前記バレルの前記末端端部に隣接して前記針ハブを保持し、前記導入針が前記バレルの前記末端端部を越えて前記カテーテルを通って延びるようなっており、前記起動ラッチは、前記カテーテルアダプタの前記基端端部内に配置された突起を備え、前記カテーテルアダプタが前記バレルの前記末端端部に隣接するときに、前記起動ラッチの移動を防止するようになっており、前記カテーテルが前記導入針から移動されて前記カテーテルアダプタが前記バレルの前記末端端部に隣接しないようになると、起動される、起動ラッチ、及び
前記バレルの前記末端端部に結合され、前記起動ラッチの前記頂部の少なくとも一部にわたって基端に延びて、前記起動ラッチの時期尚早の押下を防止する、カバーであって、前記カテーテルアダプタが末端に進められた後、取り外される、カバー
を備える、針組立体、を備える、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記カバーの基端端部が、前記バレルによって支持されていない、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記カバーの前記基端端部の複数の側面が、前記バレルに接触して支持されている、請求項1記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記突起が、前記起動ラッチの底部に隣接して配置されている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
カテーテルシステムが、
カテーテル組立体であって、
末端端部、基端端部、及び前記末端端部と前記基端端部とを通って延びるルーメンを備える、カテーテルアダプタ、
前記カテーテルアダプタの前記末端端部から延びる、カテーテル、
を備える、カテーテル組立体、及び
針組立体であって、
針ハブ、
前記針ハブ内に固定されて前記カテーテルを通って延びる導入針、
基端端部及び末端端部を備えるバレルであって、前記針ハブが前記バレル内にスライド可能に配置され、前記バレルが全体として中空である、バレル
前記導入針のまわりに配置されたバネ、
前記バレルに結合された停止表面、
頂部及び底部を備えていて前記バレルに対して末端位置から基端位置にスライド可能な起動ラッチであって、前記起動ラッチが、前記針ハブと選択的に係合するように適合されて、前記針ハブを前記バネのバイアスに抗して前記バレルの前記末端端部に隣接して保持し、前記導入針が前記バレルの前記末端端部を越えて前記カテーテルを通って延びるようになっており、前記起動ラッチが前記末端位置にあることに応答して、前記停止表面が前記起動ラッチに接触して前記起動ラッチの押下が防止され、前記起動ラッチの前記末端位置から前記基端位置へのスライドに応答して、前記停止表面が前記起動ラッチに接触せず、前記起動ラッチが押下するように構成されている、針組立体、
前記バレルの前記末端端部に結合され、前記起動ラッチの前記頂部の少なくとも一部にわたって基端に延びて、前記起動ラッチの時期尚早の押下を防止する、カバーであって、前記カテーテルアダプタが末端に進められた後、取り外される、カバー、
を備える、カテーテルシステム。
【請求項6】
指が前記起動ラッチを前記末端位置から前記基端位置へスライドさせるときに、前記起動ラッチの前記頂部の基端端部が、前記指に接触するように構成された隆起表面を備える、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記起動ラッチの前記頂部が、前記カテーテルの長手方向軸に全体として垂直な複数の溝を備える、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記起動ラッチが、前記起動ラッチから延びていて前記カテーテルアダプタの前記基端端部内に配置された突起を備え、前記起動ラッチが前記末端位置にあることに応答して、前記停止表面が突起に接触して前記起動ラッチの押下が防止され、前記起動ラッチが前記末端位置から前記基端位置へスライドすることに応答して、前記停止表面が前記突起に接触せず、前記起動ラッチが押下するように構成されている、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記停止表面が、前記突起と前記カテーテルアダプタとの間の前記カテーテルアダプタの前記基端端部内に配置されている、請求項8に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記起動ラッチが前記末端位置から前記基端位置へスライドすることに応じて、前記バレルの内表面が、前記起動ラッチの前記底部及び前記突起を受容するように構成された溝を備えている、請求項8に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記起動ラッチの前記頂部の底面が第1突起を備え、前記停止表面が前記バレルから外向きに延びる第2突起を備え、前記起動ラッチが前記末端位置にあることに応答して、前記第1突起及び前記第2突起が整列され、前記起動ラッチの前記末端位置から前記基端位置へのスライドに応答して、前記第1突起が前記第2突起へ基端にスライドして、前記起動ラッチが押下する、請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
カテーテルシステムが、
カテーテル組立体であって、
末端端部、基端端部、及び前記末端端部と前記基端端部とを通って延びるルーメンを備えるカテーテルアダプタ、
カテーテルアダプタの末端端部から延びるカテーテル、
を備える、カテーテル組立体、及び
針組立体であって、
針ハブ、
前記針ハブ内に固定され、前記カテーテルを通って延びる導入針、
基端端部及び末端端部を備えるバレルであって、前記針ハブが前記バレル内にスライド可能に配置され、前記バレルが全体として中空である、バレル、
前記導入針のまわりに配置されたバネ、
前記バレルに結合された停止表面、
頂部及び底部を備え、前記バレルに対して基端位置から末端位置にスライド可能な起動ラッチであって、前記起動ラッチが、前記針ハブと選択的に係合するように適合されて、前記針ハブを前記バネのバイアスに抗して前記バレルの前記末端端部に隣接して保持し、前記導入針が前記バレルの前記末端端部を越えて前記カテーテルを通って延びるようになっている、起動ラッチ、
前記バレルの前記末端端部に結合され、前記起動ラッチの前記頂部の少なくとも一部にわたって基端に延びて、前記起動ラッチの時期尚早の押下を防止する、カバーであって、前記カテーテルアダプタが末端に進められた後、取り外される、カバー、
を備える、針組立体、を備え、
前記起動ラッチが前記基端位置にあることに応答して、前記停止表面が起動ラッチに接触して前記起動ラッチの押下が防止され、前記起動ラッチの前記基端位置から前記末端位置へのスライドに応答して、前記停止表面が前記起動ラッチに接触せず、前記起動ラッチが押下するように構成されている、カテーテルシステム。
【請求項13】
指が前記起動ラッチを基端位置から末端位置へスライドさせるときに、前記起動ラッチの前記頂部の末端端部が前記指に接触するように構成された隆起表面を備える、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記起動ラッチの前記頂部が、前記カテーテルの長手方向軸に全体として垂直な複数の溝を備える、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記起動ラッチが、前記起動ラッチから延びていて前記カテーテルアダプタの前記基端端部内に配置された突起を備える、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記起動ラッチの前記底部が段差表面を備え、前記起動ラッチが前記基端位置にあることに応答して、前記停止表面が前記段差表面に係合され、前記起動ラッチの押下が防止され、前記起動ラッチの前記基端位置から前記末端位置へのスライドに応答して、前記停止表面が前記段差表面に接触せず、前記起動ラッチが押下するように構成されている、請求項15に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
前記起動ラッチの前記頂部の底面が第1突起を備え、前記停止表面が前記バレルから外向きに延びる第2突起を備え、前記起動ラッチが前記基端位置にあることに応答して、前記第1突起及び前記第2突起が整列され、前記起動ラッチが前記基端位置から前記末端位置にスライドすることに応答して、前記第1突起が前記第2突起に末端にスライドし、前記起動ラッチが押下するように構成されている、請求項15記載のカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
静脈カテーテルは、様々な輸液療法に一般的に使用されている。例えば、静脈カテーテルは、正常な生理食塩水などの流体、様々な医薬品、及び全非経口栄養を患者に注入するために使用されることがある。また、静脈内カテーテルは、患者から血液を抜き取るために使用されることもある。
【0002】
静脈カテーテルは「オーバーザニードル」カテーテルを含んでもよく、これは鋭い末端先端を有する導入針の上に取り付けられてもよい。鋭い末端先端は、患者の皮膚及び静脈を穿刺するために使用されてもよい。静脈へのカテーテルの挿入は、導入針による静脈の穿刺の後に行ってもよい。導入針とカテーテルは、針のベベルが上向きで患者の皮膚から離れた状態で、皮膚を通して患者の静脈に浅い角度で挿入されてもよい。
【0003】
静脈内への導入針及び/又はカテーテルの適切な配置を確認する目的で、ユーザーは一般に血液のフラッシュバックが存在することを確認し、これはユーザーに視認可能であってもよい。更に詳細には、導入針は、導入針の末端端部に向けて配置されたノッチを含んでもよく、導入針の末端先端が静脈内に配置されることに応答して、血液は針ルーメンを通って基端に流れ、ノッチを通って針ルーメンを出て、導入針の外表面とカテーテルの内表面との間を基端に移動してもよい。従って、カテーテルが少なくとも部分的に透明である場合、ユーザーは少量の血液の「フラッシュバック」を視認することができ、それによって静脈内のカテーテルの配置を確認することができる。血液のフラッシュバックのような静脈入口インジケータがあると、カテーテルの配置が成功しやすくなるかもしれない。静脈内の導入針の配置が確認されると、ユーザーは、静脈内の流れを一時的に閉塞し、導入針を引き抜いて、将来の血液取出及び/又は流体注入のためにカテーテルを所定の位置に残しておいてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
針安全機構は、導入針が患者から引き抜かれるとき、導入針の鋭い末端先端を遮蔽して、偶発的な針刺しを防止してもよい。いくつかのシステムでは、導入針の鋭い末端先端が最初にバレルの末端端部を超えて延びた状態で、針ハブ及び導入針がバレル内にスライド可能に配置されてもよい。バネは、針ハブとバレルの末端端部との間に配置されてもよい。ラッチが針ハブをバレルの末端端部に隣接させておくために使用されて、針の鋭い末端端部がバレルの末端端部を越えて伸びるようになっていてもよい。導入針及びカテーテルが患者の静脈に適切に挿入された後、ラッチが作動されて、バネが針ハブをバレルの基端端部に押し付けてもよい。その結果、針の鋭い末端先端は、ユーザーの手の届かないバレル内に引き出される。機器はバネ作動されるたね、ラッチの移動は、バネが針をバレル内に引き込むことを可能にする。残念ながら、ある状況下では、カテーテルが患者の静脈に適切に配置される前に、ユーザーが不注意にラッチを押下することがある。
【0005】
ここで請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態に限定されず、また、上記のような環境でのみ動作する実施形態にも限定されない。むしろ、この背景は、ここに記載されるいくつかの実装が実践され得る一例の技術領域を説明するために提供されるに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示は、一般に、時期尚早の針の安全起動を低減する機器、システム、及び方法に関する。いくつかの実施形態において、カテーテルシステムは、カテーテル組立体を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル組立体は、カテーテルアダプタを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、及びカテーテルアダプタの末端端部とカテーテルアダプタの基端端部とを通って延びるルーメンを含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル組立体はカテーテルを含んでもよく、これはカテーテルアダプタの末端端部から延びていてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態において、カテーテルシステムは針組立体を含んでもよく、これは針ハブ及び導入針を含んでもよい。いくつかの実施形態において、導入針は、針ハブ内に固定されてもよく、カテーテルを通って延びてもよい。いくつかの実施形態において、針組立体はバレルを含んでもよく、これは末端端部及び基端端部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、針ハブは、バレル内にスライド可能に配置されてもよく、これは全体として中空であってもよい。いくつかの実施形態において、針組立体は、導入針のまわりに配置されたバネを含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、針組立体は、起動ラッチを含んでもよく、これは頂部及び底部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチは、針ハブとの選択的係合に適合して、バネのバイアスに抗してバレルの末端端部に隣接する針ハブを保持し、導入針がバレルの末端端部を越えてカテーテルを通って延びるようになっていてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチは突起を含んでもよく、これは、カテーテルアダプタがバレルの末端端部に隣接しているときに、カテーテルアダプタの基端端部内に配置されて、起動ラッチの移動を防止してもよい。いくつかの実施形態において、突起は、起動ラッチの底部に隣接して配置される。
【0009】
いくつかの実施形態において、針組立体はカバーを含んでもよく、これはバレルの末端端部に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、カバーは、起動ラッチの頂部の少なくとも一部にわたって基端に延びて、起動ラッチの時期尚早の押下を防止してもよい。いくつかの実施形態において、カバーの基端端部は、バレルによって支持されなくてもよい。いくつかの実施形態において、バレルは、カバーの基端端部を支持してもよい。例えば、カバーの基端端部の1つ以上の側面は、バレルに接触してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、針組立体は停止表面を含んでもよく、これはバレルに結合されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチは、バレルに対して第1位置から第2位置にスライド可能であってよい。例えば、起動ラッチは、バレルに対して末端位置から基端位置にスライド可能であってよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、起動ラッチが末端位置にあることに応答して、停止表面が起動ラッチに接触してもよく、起動ラッチの押下が防止されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチの末端位置から基端位置へのスライドに応答して、停止表面は、起動ラッチに接触しなくてもよく、起動ラッチが押下するように構成されてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、起動ラッチの頂部の基端端部は、指が末端位置から基端位置へ起動ラッチをスライドさせるときに、ユーザーの指に接触するように構成された隆起表面を含んでもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチの頂部は、1つ以上の溝を含んでもよく、これはカテーテルの長手方向軸に全体として垂直に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、指が起動ラッチを末端位置から基端位置へスライドさせるときに、溝はユーザーの指に接触するように構成されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、起動ラッチが末端位置にあることに応答して、停止表面が突起に接触してもよく、起動ラッチの押下が防止されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチの末端位置から基端位置へのスライドに応答して、停止表面は、突起に接触しなくてもよく、起動ラッチが押下するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、停止表面は、突起とカテーテルアダプタとの間のカテーテルアダプタの基端端部内に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、バレルの内表面は、起動ラッチが末端位置から基端位置へスライドすることに応答して、起動ラッチの底部及び突起を受容するように構成された溝を含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、起動ラッチの頂部の底面は、突起を含んでもよい。いくつかの実施形態において、停止表面は別の突起を含んでもよく、これはバレルから外向きに延びていてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチが末端位置にあることに応答して、突起及び別の突起は、整列されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチが末端位置から基端位置へスライドすることに応答して、突起は別の突起に基端にスライドしてもよく、起動ラッチは押下するように構成されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、起動ラッチは、基端位置から末端位置にスライド可能であってよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチが基端位置にあることに応答して、停止表面が起動ラッチに接触してもよく、起動ラッチの押下が防止されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチの基端位置から末端位置へのスライドに応答して、停止表面は起動ラッチに接触しなくてもよく、起動ラッチが押下するように構成されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、起動ラッチの頂部の末端端部は、隆起表面を含んでもよく、これは指が起動ラッチを基端位置から末端位置にスライドさせるときに指に接触するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチの頂部は溝を含んでもよく、これはカテーテルの長手方向軸に全体として垂直であってもよい。いくつかの実施形態において、指が起動ラッチを基端位置から末端位置へスライドさせるときに、溝がユーザーの指に接触するように構成されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、起動ラッチの底部は、段差表面を含んでもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチが基端位置にあることに応答して、停止表面が段差表面と係合してもよく、起動ラッチの押下が防止されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチが基端位置から末端位置へスライドすることに応答して、停止表面は、段差表面に接触しなくてもよく、起動ラッチが押下するように構成されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、起動ラッチの頂部の底面は、突起を含んでもよい。いくつかの実施形態において、停止表面は別の突起を含んでもよく、これはバレルから外向きに延びていてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチが基端位置にあることに応答して、底面の突起及び停止表面の別の突起は、整列されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチが基端位置から末端位置へスライドすることに応答して、突起は、底面の他の突起に末端にスライドしてもよく、起動ラッチが押下するように構成されてもよい。
【0019】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的であり、請求されるような本発明を制限するものではないことが理解されるであろう。様々な実施形態は、図面に示された配置及び機器に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態を組み合わせてもよいこと、又は他の実施形態を利用してもよいこと、及び、構造的な変更は、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行うことができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味でとられるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
例示的な実施形態は、その添付図面の使用を通じて、さらなる具体性及び詳細性をもって説明される。
【0021】
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的な針ハブに対して末端に進められた例示的なカテーテルアダプタを示す、例示的なカテーテルシステムの側面図である。
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、例示的なカバーの前面図である。
図1C図1Cは、いくつかの実施形態による、図1Bのカバーの背面図である。
図1D図1Dは、いくつかの実施形態による、患者の血管系への挿入の準備ができた、挿入構成におけるカテーテルシステムの上部斜視図である。
図1E図1Eは、いくつかの実施形態による、針ハブに対して末端に進められたカテーテルアダプタを示す、図1Aのカテーテルシステムの上部斜視図である。
図1F図1Fは、いくつかの実施形態による、挿入構成にある図1Aのカテーテルシステムの断面図である。
図1G図1Gは、いくつかの実施形態による、針ハブに対して末端に進められたカテーテルアダプタ、取り外されたカバー、及び起動された例示的なバネを示す、図1Aのカテーテルシステムの断面図である。
図2A図2Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的なカバーを示す、挿入構成における図1Aのカテーテルシステムの側面図である。
図2B図2Bは、いくつかの実施形態による、図2Aのカバーの前面図である。
図2C図2Cは、いくつかの実施形態による、図2Aのカバーの背面図である。
図2D図2Dは、いくつかの実施形態による、図1Aのカテーテルシステムの上部斜視図である。
図2E図2Eは、いくつかの実施形態による、針ハブに対して末端に進められたカテーテルアダプタを示す、図1Aのカテーテルシステムの上部斜視図である。
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、末端位置にある例示的な起動ラッチを示す、別の例示的なカテーテルシステムの断面図である。
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、図3Aのカテーテルシステムの断面図である。
図3C図3Cは、いくつかの実施形態による、図3Aのカテーテルシステムの別の断面図である。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による、起動ラッチの例示的な頂部を示す、図3Aのカテーテルシステムの断面図である。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、起動ラッチの別の例示的な頂部を示す、図3Aのカテーテルシステムの断面図である。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、基端位置にある例示的な起動ラッチを示す、別の例示的なカテーテルシステムの断面図である。
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、図5Aのカテーテルシステムの断面図である。
図5C図5Cは、いくつかの実施形態による、図5Aのカテーテルシステムの別の断面図である。
図6図6は、いくつかの実施形態による、起動ラッチの例示的な頂部を示す、図5Aのカテーテルシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで図1A~1Gを参照すると、いくつかの実施形態において、カテーテルシステム10は、カテーテル組立体12を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル組立体12は、カテーテルアダプタ14を含んでもよく、これは末端端部16、基端端部18、並びに末端端部16及び基端端部18を通って延びるルーメン20を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル組立体12は、カテーテル22を含んでもよく、これはカテーテルアダプタ14の末端端部16から延びてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル22は、末梢静脈カテーテル(「PIVC」)、末梢挿入中心カテーテル(「PICC」)、又は正中線カテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル22は、くさび又は他の適切な手段によってカテーテルアダプタ14内に固定されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、カテーテルシステム10は、針組立体24を含んでもよく、これは針ハブ26及び針ハブ26内に固定されカテーテル22を通って延びてもよい導入針28を含んでもよい。いくつかの実施形態において、導入針28は、鋭い末端先端30及び基端端部32を含んでもよい。いくつかの実施形態において、基端端部32は、針ハブ26内に固定されてもよい。いくつかの実施形態において、導入針28は、フラッシュバックノッチを含んでもよく、これはユーザーが導入針28の外表面とカテーテル22の内表面との間の血液フラッシュバックを可視化することを可能にしてもよい。加えて又は代替的に、ユーザーは、導入針28の基端端部32におけるキャビティ内の血液フラッシュバックを視覚化してもよい。いくつかの実施形態において、ユーザーによる血液フラッシュバックの視覚化は、患者の血管系における導入針28の存在をユーザーに示してもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、セプタム34は、カテーテルアダプタ14のルーメン20内に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、セプタム34は、カテーテルアダプタ14のルーメン20を末端チャンバと基端チャンバとに分割してもよい。いくつかの実施形態において、セプタムアクチュエータ35は、針組立体24が取り外された後に、カテーテルアダプタ14の基端端部18における輸液装置又は採血装置などの医療装置の挿入に応答してセプタム34を開くように構成されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、針組立体24は、針安全装置を含んでもよく、これはバレル36、バネ38、起動ラッチ40、及び突起42を含んでもよい。いくつかの実施形態において、バレル36は、末端端部44及び基端端部46を含んでもよい。いくつかの実施形態において、針ハブ26は、バレル36内にスライド可能に配置されてもよく、これは全体として中空であってもよい。いくつかの実施形態において、バネ38は、導入針28のまわりで、及び/又は針ハブ26とバレル36の末端端部44との間に、配置されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、起動ラッチ40は、頂部48及び底部50を含んでもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40は、バレル36の末端端部44に隣接して移動可能に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40は、針ハブ26との選択的な係合に適合されていて、針ハブ26をバネ38のバイアスに抗してバレル36の末端端部44に隣接して保持し、導入針28がバレル36の末端端部44を越えてカテーテル22を通って延びるようになっていてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、突起42は、カテーテルアダプタ14がバレル36の末端端部44に隣接しているときに、カテーテルアダプタ14の基端端部18内に配置されて、起動ラッチ40の移動を防止してもよい。いくつかの実施形態において、突起42は、起動ラッチ40の底部50に隣接して配置される。いくつかの実施形態において、突起42は、例えば図1Fに例示されているように、カテーテルアダプタ14がバレル36の末端端部44に隣接しているときに、カテーテルアダプタ14との係合のために起動ラッチ40から延びて、起動ラッチ40の移動を防止してもよい。いくつかの実施形態において、突起42は、カテーテルアダプタ14の末端端部16に向けて延びていてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、起動ラッチ40は、スロット52を介してバレル36内に延びてもよく、これは末端端部44に隣接してバレル36に形成されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40は、開口部54を含んでもよく、バレル36の末端端部44は、開口部56を含んでもよい。いくつかの実施形態において、開口部54及び開口部56は、導入針28及び針ハブ26が、起動ラッチ40及びバレル36の末端端部44を通って延びることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が非起動位置で「上」にあるとき、突起42及び/又は開口部56の端部は、針ハブ26に係合してもよく、バネ38の力に抗してバレル36の末端端部44に隣接する針ハブ26を保持してもよい。いくつかの実施形態において、針ハブ26は、全体として砂時計の形状を含んで、その内側部分がいずれかの端部よりも小さい直径を有するようになっていてもよい。この形状は、突起42及び/又は開口部56の端と針ハブ26との間の係合を容易にしてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が非起動位置にあるとき、突起42はカテーテルアダプタ14の内側に位置していてもよい。したがって、カテーテルアダプタ14がバレル36の末端端部44に隣接した状態で、カテーテル22が導入針28上に依然として位置しているとき、突起42は、起動ラッチ40が起動位置に「下」へ移動されることを防止してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、突起42の長さは異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、突起42の長さは、カテーテルアダプタ14がバレル36の末端端部44に隣接しているときに突起42がカテーテルアダプタ14と係合するのに十分な長さであってよい。いくつかの実施形態において、突起42の長さは、カテーテル22及び導入針28の使用を妨ぐほど長くなくてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、カテーテル22が導入針28から移動されてカテーテルアダプタ14がバレル36の末端端部44に隣接しないようになると、カテーテルアダプタ14がもはや突起42の移動を妨げないため、起動ラッチ40は「下に」移動される、すなわち、起動されてもよい。この位置では、突起42及び/又は開口部56の端部は、もはや針ハブ26に係合しなくてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が起動されると、開口部56の直径が大きくなってもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が起動されるとき、開口部54及び開口部56は、針ハブ26の最大直径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態において、バネ38は、このように、針ハブ26をバレル36の基端端部46に付勢し、例えば図1Gに示されるように、導入針28の鋭い末端先端30をバレル36内に引き抜いてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、針組立体24はカバー58を含んでもよく、これはバレル36の末端端部44に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、カバー58は、起動ラッチ40の頂部48の少なくとも一部にわたって基端に延びて、起動ラッチ40の時期尚早の押下を防止してもよい。いくつかの実施形態において、カバー58は、末端端部60及び基端端部62を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カバー58は1つ以上の側壁64を含んでもよく、これはカバー58の末端端部60から基端に延びていてもよい。いくつかの実施形態において、側壁64は、スナップ嵌め又はプレス嵌めでバレル36の末端端部44に係合されてもよい。いくつかの実施形態において、カバー58は、バレル36の末端端部44にぴったりと嵌まってもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、カバー58の末端端部60は開口部66を含んでもよく、これは末端端部60の底縁から延びていてもよい。いくつかの実施形態において、針ハブ26は、開口部66を通って延びてもよく、これは全体としてU字形状であってもよい。いくつかの実施形態において、開口部66はカバー58の容易な取り外しを促進してもよく、これはバレル36から上向きに持ち上げられてもよい。いくつかの実施形態において、カバー58の基端端部62は、バレル36によって支持されなくてもよい。いくつかの実施形態において、カバー58の基端端部62は、バレル36及び/又は起動ラッチ40に接触しなくてもよい。いくつかの実施形態において、基端端部62は、例えば図1Aに図示されているように、基端方向に湾曲されて全体としてJ字形状又は全体としてL字形状を形成するようにしてもよい。
【0034】
図1A及び1Eは、起動ラッチ40の起動に先立って、バレル36に対してカテーテルアダプタ14が末端へ進むことを図示している。いくつかの実施形態において、ユーザーが血液のフラッシュバックを観察すると、ユーザーはカテーテルアダプタ14を末端に進めてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ14が末端に進められた後、ユーザーは、カバー58を取り外し、起動ラッチ40を押下し、これにより、導入針28をバレル36内に引き込んでもよく、導入針28が完全に封入されてもよい。
【0035】
ここで図2A~2Eを参照すると、いくつかの実施形態において、バレル36の1つ以上の側面67が、カバー58の基端端部62を支持してもよい。例えば、バレル36の1つ以上の側面67は、カバー58の基端端部62に接触してもよい。
【0036】
ここで図3A~3Bを参照すると、いくつかの実施形態による、カテーテルシステム70が図示されている。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム70は、1つ以上の構成要素及び/又は動作の点で、図1A~2Cに関して論じたカテーテルシステム10と類似又は同一であってよい。いくつかの実施形態において、針組立体24は停止表面72を含んでもよく、これはバレル36に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40は、バレル36に対して第1位置から第2位置にスライド可能であってもよい。
【0037】
図3Aに例示されるように、いくつかの実施形態において、起動ラッチ40は、バレル36に対して末端位置から基端位置にスライド可能であってもよい。図3Aは、末端位置及び非起動位置における起動ラッチ40を示している。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が末端位置にあることに応答して、停止表面72は起動ラッチ40に接触してもよく、起動ラッチ40の押下が防止されてもよい。いくつかの実施形態において、末端位置から基端位置への起動ラッチのスライドに応答して、停止表面72は、起動ラッチ40に接触せず、起動ラッチ40が押下するように構成されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が末端位置にあることに応答して、停止表面72が突起42に接触してもよく、起動ラッチ40の押下が防止されてもよい。いくつかの実施形態において、末端位置から基端位置への起動ラッチ40のスライドに応答して、停止表面72は突起に接触しなくてもよく、起動ラッチが押下するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、停止表面72は、突起42とカテーテルアダプタ14との間のカテーテルアダプタ14の基端端部62内に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が末端位置から基端位置へスライドすることに応答して、バレル36の内表面74は、起動ラッチ40及び突起42の底部を受容するように構成された溝76を含んでもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、起動ラッチ40を押下する目的で、起動ラッチ40はカテーテルアダプタ14の基端端部18から取り外されてもよく、突起42は停止表面72に近接して移動されてもよい。いくつかの実施形態において、スロット52に接触する起動ラッチ40の部分の間の距離は、突起42に接触する停止表面の長さ及び/又は突起42の長さより大きいか又は等しくてもよい。
【0040】
図3Bに示されるように、いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の頂部48の底面78は、突起80を含んでもよい。いくつかの実施形態において、停止表面72は別の突起82を含んでもよく、これはバレル36から外向きに延びてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が末端位置にあることに応答して、突起80及び他の突起82は、例えば、図3Bに図示されているように、整列されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が末端位置から基端位置にスライドすることに応答して、突起80は、他の突起82の基端にスライドしてもよく、起動ラッチ40が押下するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の頂部48の基端端部とスロット52の基端端部との間の距離は、突起80の長さよりも大きいか又は同じであってもよい。
【0041】
ここで図3Cを参照すると、いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の頂部48は、起動ラッチ40の底部50から独立して移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、頂部48は、底部50とは別個の要素であってもよい。これらの実施形態において、頂部48及び底部50は、スライド式に互いに鍵構成となっていてもよい。例えば、頂部48は、底部50の1つ以上の溝内にスライド可能な1つ以上の突起を含んでもよく、又は底部50は、頂部48の1つ以上の溝内にスライド可能な1つ以上の突起を含んでもよい。いくつかの実施形態において、突起及び溝は、カテーテルシステム70の長手方向又は中心軸に全体として平行であってもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、頂部48及び底部50は、一体的に形成されてもよいし、単一ユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。これらの実施形態において、頂部48及び底部50は可撓性ジョイントによって接続されてもよく、これは底部50に対する頂部48の独立した移動を可能にしてもよい。例えば、頂部48は、底部50が静止しながら、カテーテルシステム70の長手方向軸に全体として平行な、水平方向に移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、底部50は、頂部48が垂直方向又は「下」に移動することに応答してのみ、垂直方向又は「下」に移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、頂部48及び/又は底部50は、バレル36によって支持されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の頂部48を末端位置から基端位置へ水平方向にスライドさせることに応答して、頂部48及び底部50は一緒にされ、及び/又は接触してもよい。いくつかの実施形態において、頂部48及び底部50が一緒にされ、突起42がカテーテルアダプタ14から取り外されることに応答して、頂部及び底部50は同時に押下し、バレル36への導入針28の引き込みを可能にするように構成されてもよい。
【0044】
ここで図4Aを参照すると、いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の頂部48の基端端部は、指が起動ラッチ40を末端位置から基端位置へスライドさせるときに使用者の指に接触するように構成された隆起表面84を含んでもよい。
【0045】
ここで図4Bを参照すると、いくつかの実施形態において、起動ラッチの頂部は1つ以上の溝86を含んでもよく、これはカテーテル22の長手方向軸に全体として垂直に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、溝86は、指が起動ラッチを末端位置から基端位置へスライドさせるときに、ユーザーの指に接触するように構成されてもよい。
【0046】
ここで図5A~5Bを参照すると、いくつかの実施形態による、カテーテルシステム90が図示されている。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム90は、図3A~4Bに関して論じたカテーテルシステム70及び/又は図1A~2Cに関して論じたカテーテルシステム10と、1つ以上のコンポーネント及び/又は動作に関して類似又は同一であってもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40は、基端位置から末端位置にスライド可能であってもよい。図5A~5Bに示されるように、いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が基端位置にあることに応答して、停止表面72が起動ラッチ40に接触し、起動ラッチ40の押下が防止されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の基端位置から末端位置へのスライドに応答して、停止表面72は、起動ラッチ40に接触せず、起動ラッチ40が押下するように構成されてもよい。
【0047】
図5Aに例示されているように、いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の底部50は、段差表面92を含んでもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が基端位置にあることに応答して、停止表面72が段差表面92と係合し、起動ラッチ40の押下が防止されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が基端位置から末端位置へスライドすることに応答して、停止表面72は、段差表面92に接触せず、起動ラッチ40は、押下するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40を押下する目的で、起動ラッチ40は、カテーテルアダプタ14の基端端部18から取り外されてもよく、突起42は、停止表面72に対して基端に移動されてもよい。
【0048】
図5Bに示されるように、いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の頂部48の底面78は、突起94を含んでもよい。いくつかの実施形態において、停止表面72は別の突起96を含んでもよく、これはバレル36から外向きに延びてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40が基端位置にあることに応答して、底面78の突起94と停止表面72の他の突起96は、整列されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の基端位置から末端位置へのスライドに応答して、起動ラッチ40の突起94は、他の突起96に対して末端にスライドしてもよく、起動ラッチ40は押下するように構成されてもよい。
【0049】
ここで図5Cを参照すると、いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の頂部48は、起動ラッチ40の底部50から独立して移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、頂部48は、底部50とは別個の要素であってもよい。これらの実施形態において、頂部48及び底部50は、スライド式に互いに鍵構成となっていてもよい。例えば、頂部48は、底部50の1つ以上の溝内でスライド可能な1つ以上の突起を含んでもよく、又は底部50は、頂部48の1つ以上の溝内でスライド可能な1つ以上の突起を含んでもよい。いくつかの実施形態において、突起及び溝は、カテーテルシステム70の長手方向又は中心軸に全体として平行であってもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、頂部48及び底部50は、一体的に形成されてもよいし、単一ユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。これらの実施形態において、頂部48及び底部50は可撓性ジョイントによって接続されてもよく、これは底部50に対する頂部48の独立した移動を可能にしてもよい。例えば、頂部48は、底部50が静止しながら、カテーテルシステム70の長手方向軸に全体として平行な、水平方向に移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、底部50は、頂部48が垂直方向又は「下」に移動することに応答してのみ、垂直方向又は「下」に移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、頂部48及び/又は底部50は、バレル36によって支持されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、頂部48及び底部50は、起動ラッチ40の頂部48を基端位置から末端位置に水平方向にスライドさせることに応答して、一緒にされ及び/又は接触していてもよい。いくつかの実施形態において、頂部48及び底部50が一緒にされて突起42がカテーテルアダプタ14から取り外されることに応答して、頂部及び底部50が同時に押下されてバレル36への導入針28の引き込みを可能にするように構成されてもよい。
【0052】
ここで図6を参照すると、いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の頂部48の末端端部は隆起表面98を含んでもよく、これは指が起動ラッチ40を基端位置から末端位置へスライドさせるときに指に接触するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、起動ラッチ40の頂部48は溝86を含んでもよく、これはカテーテル22の長手方向軸に全体として垂直であってもよい。いくつかの実施形態において、溝86は、指が起動ラッチを基端位置から末端位置へスライドさせるときに、ユーザーの指に接触するように構成されてもよい。
【0053】
ここに記載された全ての例及び条件文は、読者が本発明及び技術を促進するために発明者によって貢献された概念を理解するのを助けるための教育的目的のために意図されており、そのような具体的に記載された例及び条件に制限されないものとして解釈される。本発明の実施形態が詳細に説明されたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変がここになされ得ることが理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6