(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】無線基地局及び端末
(51)【国際特許分類】
H04W 16/28 20090101AFI20250313BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20250313BHJP
H04W 56/00 20090101ALI20250313BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20250313BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20250313BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20250313BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W16/14
H04W56/00 130
H04W72/0446
H04W72/23
H04W72/54 110
(21)【出願番号】P 2022556791
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 JP2020039000
(87)【国際公開番号】W WO2022079877
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 慎也
(72)【発明者】
【氏名】芝池 尚哉
(72)【発明者】
【氏名】岡野 真由子
【審査官】桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】Quectel,Discussions on Channel Access Mechanism for NR from 52.6GHz to 71GHz,3GPP TSG RAN WG1 #101-e R1- 2004303,2020年05月25日,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_101-e/Docs/R1-2004303.zip>
【文献】InterDigital Inc.,On Initial Access for NR Unlicensed Spectrum,3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1807037,2018年05月21日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1807037.zip>
【文献】Samsung,Channel access procedures for NR-U,3GPP TSG RAN WG1 #95 R1-1812977,2018年11月12日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_95/Docs/R1-1812977.zip>
【文献】Qualcomm Incorporated,Channel access mechanism for NR in 52.6 to 71GHz band,3GPP TSG RAN WG1 #102-e R1-2006798,2020年08月17日,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_102-e/Docs/R1-2006798.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1周波数帯と異なる第2周波数帯において、
複数の異なるビームを用いてチャネルアクセス手順を実行する制御部
と、
前記チャネルアクセス手順後のチャネル占有時間において、
複数の前記ビームそれぞれに対応する信号を送信する
送信部を備える無線
装置。
【請求項2】
前記制御部は、
異なるセンシングスロットでは異なるビームを用いて前記チャネルアクセス手順を実行する請求項1に記載の無線
装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記チャネル占有時間では、前記チャネルアクセス手順が成功したビームと対応づけられる前記信号について送信を行う請求項1に記載の無線
装置。
【請求項4】
第1周波数帯と異なる第2周波数帯において、複数の異なるビームを用いてチャネルアクセス手順を実行するステップと、
前記チャネルアクセス手順後のチャネル占有時間において、複数の前記ビームそれぞれに対応する信号を送信するステップを含む無線装置の通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信を実行する無線基地局及び端末に関し、特に、アンライセンス周波数帯を用いる無線基地局及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、5th generation mobile communication system(5G、New Radio(NR)またはNext Generation(NG)とも呼ばれる)を仕様化し、さらに、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる次世代の仕様化も進めている。
【0003】
3GPPのRelease 15及びRelease 16(NR)では、複数の周波数レンジ、具体的には、FR1(410 MHz~7.125 GHz)及びFR2(24.25 GHz~52.6 GHz)を含む帯域の動作が仕様化されている。
【0004】
また、3GPPのRelease-17では、52.6GHzを超え、71GHzまでをサポートするNRについても検討が進められている(非特許文献1)。この中で、52.6GHz~71GHzの周波数帯における免許不要のスペクトル(unlicensed spectrum、アンライセンス周波数帯と呼ばれてもよい)に適用される規制(Listen-Before-Talk (LBT)の実行など)を遵守したチャネルアクセス手順が検討されている。
【0005】
52.6GHz~71GHzのような高周波数帯におけるアンライセンス周波数帯の場合、FR1のアンライセンス周波数帯と比較して規制に基づく干渉抑圧機能への要求が厳しくないため、LBTを実行するチャネルアクセス手順と、LBTを実行しないチャネルアクセス手順との両方をサポートすることが合意されている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】"New WID on Extending current NR operation to 71 GHz", RP-193229, 3GPP TSG RAN Meeting #86, 3GPP, 2019年12月
【文献】"RAN1 Chairman’s Notes", 3GPP TSG RAN WG1 Meeting #102-e, e-Meeting, 3GPP, 2020年8月
【発明の概要】
【0007】
52.6GHz~71GHzの周波数帯では、FR2と同様に、最大64個までの同期信号ブロック(SSB:SS/PBCH Block)を用いることが検討されている。特に、52.6GHz~71GHzのような高周波数帯の場合、一定のカバレッジを確保するため、方向が異なるビームを順次スイープし、当該ビームと対応付けられたSSB(発見バーストと呼ばれてもよい)を順次送信する必要があると想定される。
【0008】
また、アンライセンス周波数帯が高周波数帯に存在する(例えば、60GHz帯)場合、複数のビームを用いる指向性(Directional)LBT/CCA(Clear Channel Assessment)(Beam-based LBT/CCAと呼ばれてもよい)が一つの解決策になると考えられる。
【0009】
しかしながら、特定のDirectional LBT/CCAは、特定の方向のみしかカバーできないため、対応するチャネル占有時間(COT:Channel Occupancy Time)内に送信可能な信号も当該特定の方向のみとなる。従って、Directional LBT/CCAを利用してSSBを送信する場合、単一のDirectional LBT/CCAは、方向が異なる複数SSBのCOT内での送信をサポートできず、送信効率の観点でも問題がある。
【0010】
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、60GHz帯などの高周波数帯のアンライセンス周波数帯を用いる場合でも効率的な同期信号ブロック(発見バースト)の送信に対応し得る無線基地局及び端末の提供を目的とする。
【0011】
本開示の一態様は、第1周波数帯と異なる第2周波数帯において、チャネルアクセス手順を実行する制御部(制御部270)を備え、前記制御部は、他の場合よりも広い単一の指向性または無指向性を用いて前記チャネルアクセス手順を実行し、前記チャネルアクセス手順後のチャネル占有時間において、複数の異なる同期信号ブロックを送信する無線基地局(gNB100)である。
【0012】
本開示の一態様は、第1周波数帯と異なる第2周波数帯において、チャネルアクセス手順を実行する制御部(制御部270)を備え、前記制御部は、複数の指向性を用いて前記チャネルアクセス手順を実行し、前記チャネルアクセス手順後のチャネル占有時間において、複数の異なる同期信号ブロックを送信する無線基地局(gNB100)である。
【0013】
本開示の一態様は、第1周波数帯と異なる第2周波数帯において、チャネルアクセス手順を実行する制御部(制御部270)を備え、前記制御部は、単一の指向性を用いて前記チャネルアクセス手順を実行し、前記チャネルアクセス手順後のチャネル占有時間において、単一の同期信号ブロックを送信する無線基地局(gNB100)である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。
【
図2】
図2は、無線通信システム10において用いられる周波数レンジを示す図である。
【
図3】
図3は、無線通信システム10において用いられる無線フレーム、サブフレーム及びスロットの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、gNB100及びUE200の機能ブロック構成図である。
【
図5】
図5は、従来のLBT/CCAに従ったチャネル占有時間と同期信号ブロックとの関係例を示す図である。
【
図6】
図6は、動作例1に係るLBT/CCAに従ったチャネル占有時間(COT)と同期信号ブロックとの関係例を示す図である。
【
図7】
図7は、動作例2に係るLBT/CCAに従ったチャネル占有時間と同期信号ブロックとの関係例を示す図である。
【
図8】
図8は、動作例3に係るLBT/CCAに従ったチャネル占有時間と同期信号ブロックとの関係例を示す図である。
【
図9】
図9は、gNB100及びUE200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0016】
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、5G New Radio(NR)に従った無線通信システムであり、Next Generation-Radio Access Network 20(以下、NG-RAN20、及び端末200(以下、UE200, User Equipment, UE)を含む。なお、無線通信システム10は、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる方式に従った無線通信システムでもよい。
【0017】
NG-RAN20は、無線基地局100(以下、gNB100)を含む。なお、gNB及びUEの数を含む無線通信システム10の具体的な構成は、
図1に示した例に限定されない。
【0018】
NG-RAN20は、実際には複数のNG-RAN Node、具体的には、gNB(またはng-eNB)を含み、5Gに従ったコアネットワーク(5GC、不図示)と接続される。なお、NG-RAN20及び5GCは、単に「ネットワーク」と表現されてもよい。
【0019】
gNB100は、5Gに従った無線基地局であり、UE200と5Gに従った無線通信を実行する。gNB100及びUE200は、複数のアンテナ素子から送信される無線信号を制御することによって、より指向性の高いアンテナビーム(以下、ビームBM)を生成するMassive MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)、複数のコンポーネントキャリア(CC)を束ねて用いるキャリアアグリゲーション(CA)、及びUEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うデュアルコネクティビティ(DC)などに対応することができる。
【0020】
gNB100は、送信方向(単に方向、或いは放射方向またはカバレッジなどと呼んでもよい)が異なる複数のビームBMを空間及び時分割して送信できる。なお、gNB100は、複数のビームBMを同時に送信してもよい。
【0021】
また、無線通信システム10は、複数の周波数レンジ(FR)に対応してよい。
図2は、無線通信システム10において用いられる周波数レンジを示す。
【0022】
・FR1:410 MHz~7.125 GHz
・FR2:24.25 GHz~52.6 GHz
FR1では、15, 30または60kHzのSub-Carrier Spacing(SCS)が用いられ、5~100MHzの帯域幅(BW)が用いられてもよい。FR2は、FR1よりも高周波数であり、60または120kHz(240kHzが含まれてもよい)のSCSが用いられ、50~400MHzの帯域幅(BW)が用いられてもよい。
【0023】
なお、SCSは、numerologyと解釈されてもよい。numerologyは、3GPP TS38.300において定義されており、周波数ドメインにおける一つのサブキャリア間隔と対応する。
【0024】
さらに、無線通信システム10は、FR2の周波数帯域よりも高周波数帯にも対応する。具体的には、無線通信システム10は、52.6GHzを超え、71GHzまでの周波数帯域に対応する。このような高周波数帯は、便宜上「FR2x」と呼ばれてもよい。
【0025】
このような問題を解決するため、52.6GHzを超える帯域を用いる場合、より大きなSub-Carrier Spacing(SCS)を有するCyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(CP-OFDM)/Discrete Fourier Transform - Spread(DFT-S-OFDM)を適用してもよい。
【0026】
図3は、無線通信システム10において用いられる無線フレーム、サブフレーム及びスロットの構成例を示す。
【0027】
図3に示すように、1スロットは、14シンボルで構成され、SCSが大きく(広く)なる程、シンボル期間(及びスロット期間)は短くなる。また、SCSとしては、480kHz、960kHzなどが用いられてもよい。
【0028】
また、1スロットを構成するシンボル数は、必ずしも14シンボルでなくてもよい(例えば、28、56シンボル)。さらに、サブフレーム当たりのスロット数は、SCSによって異なっていてよい。
【0029】
なお、
図3に示す時間方向(t)は、時間領域、シンボル期間またはシンボル時間などと呼ばれてもよい。また、周波数方向は、周波数領域、リソースブロック、サブキャリア、バンド幅部分(BWP:Bandwidth part)などと呼ばれてもよい。
【0030】
また、無線通信システム10では、無線通信システム10用に各通信事業者に個別に割り当てられる周波数帯に加え、当該周波数帯と異なるアンライセンス周波数帯Fuも用いられる。具体的には、無線通信システム10では、アンライセンス(無免許)周波数帯のスペクトルを用いて利用可能な周波数帯を拡張するNew Radio-Unlicensed(NR-U)が実行可能である。NR-Uは、Licensed- Assisted Access(LAA)を利用形態の一種として含むと解釈されてよい。
【0031】
無線通信システム10用に割り当てられる周波数帯とは、上述したFR1及びFR2などに周波数レンジ内に含まれ、行政による免許割り当てに基づく周波数帯である。
【0032】
アンライセンス周波数帯Fuとは、行政による免許割り当てが不要であり、特定の通信事業者に限定されずに使用可能な周波数帯である。例えば、無線LAN(WLAN)用の周波数帯(2.4GHz, 5GHz帯または60GHz帯など)が挙げられる。
【0033】
アンライセンス周波数帯Fuでは、特定の通信事業者に限らず無線局を設置することが可能であるが、近傍の無線局からの信号が互いに干渉して通信性能を大きく劣化させることは望ましくない。
【0034】
そのため、例えば日本では、アンライセンス周波数帯Fu(例えば、5GHz帯)を用いる無線システムへの要求条件として、送信を開始する前にgNB100がキャリアセンスを実行し、チャネルが近傍の他システムによって使用されていないことを確認できた場合にのみ、所定の時間長以内の送信を可能とするListen-Before-Talk(LBT)のメカニズムが適用される。なお、キャリアセンスとは、電波を発射する前に、その周波数キャリアが他の通信に使用されていないかを確認する技術である。
【0035】
なお、LBTには、特定の方向においてチャネルが他システムに使用されていないかを確認するために指向性を用いるDirectional LBT/CCA (Clear Channel Assessment)が含まれてよい。
【0036】
NR-UにおけるLBT用の帯域(LBT sub-band)は、アンライセンス周波数帯Fu内に設けることができ、アンライセンス周波数帯Fu内における利用有無の確認用帯域と表現されてもよい。LBT sub-bandは、例えば、20MHzであってもよいし、半分の10MHz、或いは1/4の5MHzなどであってもよい。或いは、無線基地局(gNB)が設定する所定の帯域(例えば利用するバンドにおける最小チャネル帯域幅かその整数倍の帯域幅)であってもよい。
【0037】
また、NR-Uにおける初期アクセスなどでも、3GPP Release-15などと同様に、同期信号ブロック(SSB)が用いられる。
【0038】
SSBは、同期信号(SS:Synchronization Signal)、及び下り物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast CHannel)から構成される。
【0039】
SSは、プライマリ同期信号(PSS:Primary SS)及びセカンダリ同期信号(SSS:Secondary SS)によって構成される。
【0040】
PSSは、セルサーチ手順においてUE200が最初に検出を試みる既知の信号である。SSSは、セルサーチ手順において物理セルIDを検出するために送信される既知の信号である。
【0041】
PBCHは、無線フレーム番号(SFN:System Frame Number)、及びハーフフレーム(5ミリ秒)内の複数のSS/PBCH Blockのシンボル位置を識別するためのインデックスなど、SS/PBCH Blockを検出した後にUE200が、gNB100が形成するNRセルとのフレーム同期を確立するために必要な情報を含む。
【0042】
また、PBCHは、システム情報(SIB)を受信するために必要となるシステムパラメータも含むことができる。さらに、SSBには、報知チャネル復調用参照信号(DMRS for PBCH)も含まれる。DMRS for PBCHは、PBCH復調のための無線チャネル状態を測定するために送信される既知の信号である。
【0043】
各SSBは、異なるビームBMと対応付けられると端末は想定する。つまり、各SSBは、送信方向(カバレッジ)の異なるビームBMと対応付けられると端末は想定(擬似コロケーション想定)する。これにより、NRセル内に在圏するUE200は、何れかのビームBMを受信し、SSBを取得して初期アクセス及びSSB検出・測定を開始できる。
【0044】
擬似コロケーション(QCL:Quasi Co-Location)とは、例えば、一方のアンテナポート上のシンボルが搬送されるチャネルの特性が、他方のアンテナポート上のシンボルが搬送されるチャネルから推測できる場合、2つのアンテナポートは擬似的に同じ場所にあるとするものである。QCLは、準コロケーションと呼ばれてもよい。
【0045】
なお、SSBの送信パターンは、SCS、周波数レンジ(FR)またはその他のパラメータに応じて様々でよい。
【0046】
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10の機能ブロック構成について説明する。具体的には、gNB100及びUE200の機能ブロック構成について説明する。
図4は、gNB100及びUE200の機能ブロック構成図である。
【0047】
(2.1)gNB100
図4に示すように、gNB100は、無線信号送受信部210、アンプ部220、変復調部230、制御信号・参照信号処理部240、符号化/復号部250、データ送受信部260及び制御部270を備える。
【0048】
無線信号送受信部210は、NRに従った無線信号を送受信する。無線信号送受信部210は、Massive MIMO、複数のCCを束ねて用いるCA、及びUEと2つのNG-RAN Nodeそれぞれとの間において同時に通信を行うDCなどに対応する。
【0049】
アンプ部220は、PA (Power Amplifier)/LNA (Low Noise Amplifier)などによって構成される。アンプ部220は、変復調部230から出力された信号を所定の電力レベルに増幅する。また、アンプ部220は、無線信号送受信部210から出力されたRF信号を増幅する。
【0050】
変復調部230は、所定の通信先(UE200)毎に、データ変調/復調、送信電力設定及びリソースブロック割当などを実行する。変復調部230では、Cyclic Prefix-Orthogonal Frequency Division Multiplexing(CP-OFDM)/Discrete Fourier Transform - Spread(DFT-S-OFDM)が適用されてもよい。また、DFT-S-OFDMは、上りリンク(UL)だけでなく、下りリンク(DL)にも用いられてもよい。
【0051】
制御信号・参照信号処理部240は、gNB100が送受信する各種の制御信号に関する処理、及びgNB100が送受信する各種の参照信号に関する処理を実行する。
【0052】
具体的には、制御信号・参照信号処理部240は、所定の制御チャネルを介して各種の制御信号、例えば、無線リソース制御レイヤ(RRC)の制御信号をUE200に送信できる。また、制御信号・参照信号処理部240は、UE200から、所定の制御チャネルを介して各種の制御信号を受信できる。
【0053】
制御信号・参照信号処理部240は、Demodulation Reference Signal(DMRS)、及びPhase Tracking Reference Signal (PTRS)などの参照信号(RS)を用いた処理を実行する。
【0054】
DMRSは、データ復調に用いるフェージングチャネルを推定するための端末個別の基地局~端末間において既知の参照信号(パイロット信号)である。PTRSは、高い周波数帯で課題となる位相雑音の推定を目的した端末個別の参照信号である。
【0055】
なお、参照信号には、DMRS及びPTRS以外に、Channel State Information-Reference Signal(CSI-RS)、Sounding Reference Signal(SRS)、及び位置情報用のPositioning Reference Signal(PRS)などが含まれてもよい。
【0056】
また、チャネルには、制御チャネルとデータチャネルとが含まれる。制御チャネルには、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、RACH(Random Access Channel、Random Access Radio Network Temporary Identifier(RA-RNTI)を含むDownlink Control Information (DCI))、及びPhysical Broadcast Channel(PBCH)などが含まれる。
【0057】
データチャネルには、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)などが含まれる。データとは、データチャネルを介して送信されるデータを意味する。データチャネルは、共有チャネルと読み替えられてもよい。
【0058】
さらに、NR-Uに関しては、チャネルとは、共有スペクトルにおいてチャネルアクセス手順が実行される、連続したリソースブロック(RB)のセットで構成されるキャリアまたはキャリアの一部を意味してもよい。
【0059】
チャネルアクセス手順は、3GPP TS37.213において規定されている。チャネルアクセス手順は、伝送を行うためのチャネルの利用可能性(availability)を評価するセンシングに基づく手順と解釈されてよい。また、センシングのための基本ユニットは、所定時間を有するセンシングスロットとして規定されてよい。
【0060】
センシングスロット期間では、gNB100またはUE200がチャネルを検知し、検知された電力が少なくともエネルギー検出閾値(energy detection threshold)未満であればアイドルと見なされ、そうでなければ、当該センシングスロット期間は、ビジー状態であると見なされてよい。
【0061】
また、「チャネル占有」(Channel Occupancy)とは、対応するチャネルアクセス手順を実行した後におけるgNB(eNBでもよい)/UEによるチャネル上の伝送を意味してよい。
【0062】
「チャネル占有時間(COT)」とは、gNB/UEが、対応するチャネルアクセス手順を実行した後、チャネル占有を共有するgNB/UEと、任意のgNB/UEとがチャネル上において伝送を実行する総時間を意味してよい。チャネル占有時間は、gNBと対応するUEとの間における送信のために共有されてよい。
【0063】
下りリンク(DL)送信バーストとは、gNBからの送信の集合として定義されてよい。所定の送信ギャップよりも大きいギャップを有するDL送信バーストは、別個のDL送信バーストと見なされてよい。
【0064】
上りリンク(UL)送信バーストとは、UEからの送信の集合として定義されてよい。所定の送信ギャップよりも大きいギャップを有するUL送信バーストは、別個のUL送信バーストと見なされてよい。
【0065】
発見(discovery)バーストとは、所定のウィンドウ内に閉じ込められ、duty cycleと関連付けられた信号またはチャネルのセットを含むDL送信バーストとてして定義されてよい。発見バーストとしては、gNBによって開始される次の何れかの送信が指定されてよい。
【0066】
・プライマリ同期信号(PSS)
・セカンダリ同期信号(SSS)
・下り物理報知チャネル(PBCH)
・PDSCHをスケジューリングするPDCCH用のCORESET(control resource sets:制御リソースセット)
・SIB1及び/またはnon-zero power CSI-RSを搬送するPDSCH
このように、発見バーストは、SS及びPBCHを含んでおり、SSBと同様と解釈されてもよい。つまり、同期信号ブロック(SSB)は、発見バーストと読み替えられてもよい。
【0067】
符号化/復号部250は、所定の通信先(UE200)毎に、データの分割/連結及びチャネルコーディング/復号などを実行する。
【0068】
具体的には、符号化/復号部250は、データ送受信部260から出力されたデータを所定のサイズに分割し、分割されたデータに対してチャネルコーディングを実行する。また、符号化/復号部250は、変復調部230から出力されたデータを復号し、復号したデータを連結する。
【0069】
データ送受信部260は、Protocol Data Unit (PDU)ならびにService Data Unit (SDU)の送受信を実行する。具体的には、データ送受信部260は、複数のレイヤ(媒体アクセス制御レイヤ(MAC)、無線リンク制御レイヤ(RLC)、及びパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル・レイヤ(PDCP)など)におけるPDU/SDUの組み立て/分解などを実行する。また、データ送受信部260は、ハイブリッドARQ(Hybrid automatic repeat request)に基づいて、データの誤り訂正及び再送制御を実行する。
【0070】
制御部270は、gNB100を構成する各機能ブロックを制御する。特に、本実施形態では、制御部270は、NR-Uに関する制御を実行する。
【0071】
具体的には、制御部270は、上述したNR-Uにおける定義上のチャネルにアクセスするため、チャネルアクセス手順を実行することができる。
【0072】
上述したように、チャネルアクセス手順は、3GPP TS37.213において規定されている。制御部270は、無線通信システム10用に通信事業者毎に割り当てられる周波数帯(第1周波数帯)と異なる周波数帯(第2周波数帯)において、チャネルアクセス手順を実行できる。具体的には、制御部270は、アンライセンス周波数帯Fuにおいて、チャネルアクセス手順を実行できる。
【0073】
なお、以下では、便宜上、FR1, FR2を第1周波数帯、つまり、移動体通信用に割り当てられる周波数帯として取り扱う。なお、
図2に示したように、実際には、FR1などにもアンライセンス周波数帯Fuが含まれる場合があるが、広義には、52.6GHz以下の周波数において、移動体通信用に割り当てられる周波数帯と解釈されてよい。
【0074】
gNB100によって実行されるチャネルアクセス手順は、下りリンク(DL)チャネルアクセス手順と呼ばれてもよい。なお、DLチャネルアクセス手順は、3GPP TS37.213 4.1章において規定されているType 1, 2A, 2B, 2CのDLチャネルアクセス手順が含まれてもよい。
【0075】
Type 1は、当該周波数帯における通信の衝突を回避するため、バックオフ時間(ランダムバックオフと呼ばれてもよい)が設定されるチャネルアクセス手順(LBT)と解釈されてもよい。
【0076】
Type 2A/2Bは、ランダムバックオフが設定されないチャネルアクセス手順(LBT)と解釈されてもよい。Type 2Aにおける他の送信とのギャップは、Type 2Bより長くてよい。Type 2Cは、LBTが実行されないチャネルアクセス手順と解釈されてもよい。Type 2Cにおける他の送信とのギャップは、Type 2A/2Bよりも短くてもよい。Type 2A/2B/2Cは、DL送信が確定的である前にアイドルであると検知されたスロットによってスパンされる期間に実行されるチャネルアクセス手順と解釈されてもよい。
【0077】
制御部270は、他の場合よりも広い単一の指向性を用いて、60GHzなどのFR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fuにおける同期信号ブロック送信のためのチャネルアクセス手順を実行できる。他の場合とは、例えば、FR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fuにおける同期信号ブロック(SSB)以外の送信のためのチャネルアクセス手順と解釈されてよい。
【0078】
具体的には、制御部270は、当該アンライセンス周波数帯Fuにおいて、LBT(CCAと呼ばれてもよい)を実行できる。
【0079】
gNB100は、上述したように、ビームフォーミングによって放射方向及び幅が異なる、つまり、指向性パターンが異なる複数のビームBMを送受信でき、他の場合よりも広い単一の指向性とは、当該ビームの指向性が広い、つまり、当該ビーム(電波、無線信号)の放射角度(領域)が少なくとも平面的に大きい(広い)ことを意味してよい。
【0080】
制御部270は、FR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fuにおけるチャネルアクセス手順後のチャネル占有時間(COT)において、複数の異なる同期信号ブロック(SSB)を送信してよい。
【0081】
上述したように、SSBは、SS及びPBCHブロックによって構成されるが、同期信号ブロックとは、3GPP TS37.213において規定されている発見(discovery)バーストと同等と解釈されてもよい。
【0082】
発見バーストは、上述したように、SS/PBCHだけでなく、CORESET及び/またはPDSCHを含んでもよい。
【0083】
さらに、本実施形態に係るチャネルアクセス手順は、同期信号ブロックまたは発見バースト以外の他のDL送信に適用されてもよい(以下同)。
【0084】
また、制御部270は、広い単一の指向性に代えて、無指向性を用いて上述したチャネルアクセス手順を実行してもよい。
【0085】
無指向性(Omni-directional)とは、少なくとも平面的に全方位、つまり、360度のすべての方向に向けて均等にゲインが得られる指向性を意味してよい。
【0086】
また、制御部270は、FR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fu(第2周波数帯)において、SSBを送信する場合にのみ、他の場合より広い指向性若しくは無指向性を用いてチャネルアクセス手順を実行してもよい。例えば、60GHzのアンライセンス周波数帯においてSSBを送信する場合にのみ、無指向性を用いてチャネルアクセス手順が実行されてもよい。つまり、FR2xのアンライセンス周波数帯FuにおいてSSB以外の信号を送信する場合には、指向性を用いたチャネルアクセス手順が用いられてもよい。
【0087】
制御部270は、FR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fu(第2周波数帯)における他の場合よりも広い指向性または無指向性を用いるチャネルアクセス手順の場合、FR1, FR2(第1周波数帯)の場合またはFR2xにおける他の場合のチャネルアクセス手順よりもチャネルアクセス手順に従ったセンシングスロット期間を長くしてもよい。
【0088】
センシングスロット期間は、3GPP TS38.213 4.1章において規定されているsensing slot duration(例えば、Tsi)を意味してもよいし、センシング間隔(sensing interval、例えば、Tshort dl(Type 2Aなどの場合))と解釈されてもよい。
【0089】
また、制御部270は、複数の指向性(指向性受信ビームと呼ばれてもよい)を用いてチャネルアクセス手順を実行することもできる。この場合、制御部270は、複数の指向性を用いた当該チャネルアクセス手順後のチャネル占有時間(COT)において、単一または複数の異なるSSBを送信してよい。
【0090】
指向性を用いるチャネルアクセス手順(directional sensing)とは、受信ビームBMが指向性を有し、一定の方向(領域)をカバーする受信ビームを用いてセンシングを行うことを意味してよい。制御部270は、方向が異なる複数の指向性を用いることができる。
【0091】
また、当該COTにおいて送信されるSSBは、上述したように、チャネルアクセス手順(Directional-LBT)に用いられた受信ビームBMと対応付けられているSSBとしてよい。
【0092】
制御部270は、FR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fu(第2周波数帯)のみにおいて、複数の指向性を用いたチャネルアクセス手順を実行してもよい。例えば、60GHzのアンライセンス周波数帯でのみ、複数の指向性を用いてチャネルアクセス手順が実行され、指向性のそれぞれと対応付けられているSSBがCOTにおいて複数送信されてもよい。
【0093】
また、制御部270は、センシングスロット毎に方向の異なる指向性を用いてもよい。上述したように、センシングスロットは、チャネルアクセス手順において規定されており、伝送を行うためのチャネルの利用可能性(availability)を評価するため基本ユニットと解釈されてよい。
【0094】
方向の異なる指向性とは、送受信(放射)方向及び/または送受信(放射)幅が異なるビームBMと解釈されてもよいし、単に識別子が異なるビームBMと解釈されてもよい。つまり、結果的に、送受信方向(カバーする領域)が異なるビームBMであればよい。
【0095】
また、制御部270は、COTにおいて、チャネルアクセス手順(Directional LBT/CCA)に成功した指向性と対応付けられているSSBのみを送信してもよい。
【0096】
つまり、センシングスロットにおけるセンシング(Directional LBT/CCA)の結果、衝突などが検出され、LBT/CCAに失敗した指向性と対応付けられているSSBは、送信されなくてよい。
【0097】
なお、COTにおいて、当該SSB用として確保されていたスロット(時間枠)では、何も送信されなくてもよいし、LBT/CCAに成功した他のSSBが繰り返し送信されてもよいし、LBT/CCAに成功した指向性を持つ他の信号が送信されてもよい。
【0098】
なお、制御部270は、指向性を用いて複数のSSBをCOT内において送信する場合、複雑性回避などの観点から、衝突回避のためのバックオフが設けられないチャネルアクセス手順を実行してもよい。
【0099】
具体的には、制御部270は、Type 1のチャネルアクセス手順を実行せず、Type 2A/2Bのチャネルアクセス手順を実行してよい。また、複数の指向性を用いたチャネルアクセス手順は、Type 2のチャネルアクセス手順においてのみ用いられてもよい。
【0100】
また、制御部270は、単一の指向性(指向性受信ビームと呼ばれてもよい)を用いてチャネルアクセス手順を実行することもできる。この場合、制御部270は、単一の指向性を用いた当該チャネルアクセス手順後のチャネル占有時間(COT)において、単一のSSBを送信してよい。
【0101】
単一の指向性とは、gNB100が送信可能な複数の指向性のうち、何れか1つの指向性と解釈されてよい。制御部270は、選択された当該1つの指向性を用いてチャネルアクセス手順(Directional LBT/CCA)を実行し、当該1つの指向性と対応付けられているSSBを送信してよい。
【0102】
この場合、つまり、FR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fu(第2周波数帯)において、単一の指向性を用いてチャネルアクセス手順を実行する場合、制御部270は、FR1, FR2(第1周波数帯)の場合よりもチャネルアクセス手順に従ったセンシングスロット期間を短くしてもよい。
【0103】
例えば、制御部270は、3GPP TS37.213において規定されるチャネルアクセス手順に従った送信ギャップ(25μs)よりも短いセンシングスロット期間を適用してよい。
【0104】
また、このようにFR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fu(第2周波数帯)において、単一の指向性を用いてチャネルアクセス手順を実行する場合、制御部270は、FR1, FR2(第1周波数帯)の場合よりも条件が緩和されたチャネルアクセス手順を実行してもよい。
【0105】
例えば、Type 2Aのチャネルアクセス手順では、送信継続時間(transmission duration)は1ms以下、発見バーストのデューティサイクルは1/20以下の場合にのみ適用可能と規定されているが、当該条件が緩和されてもよい。
【0106】
具体的には、より長い送信継続時間が適用されてもよいし、より大きなデューティサイクルが適用されてもよい。なお、発見バーストのデューティサイクルとは、発見バーストの送信周期時間に占める発見バーストの送信継続時間比と解釈されてよい。
【0107】
また、FR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fu(第2周波数帯)において、単一の指向性を用いてチャネルアクセス手順を実行する場合、制御部270は、FR1, FR2(第1周波数帯)の場合と異なるSSBのマッピングパターンを適用してもよい。
【0108】
例えば、時間方向において隣り合う2つのSSB間には、少なくとも一つのシンボルを含むLBT用のギャップが設けられてもよい。或いは、時間方向において隣り合う2つのSSB間には、LBT用のギャップを含む複数シンボルのギャップが設けられもよい。但し、当該SSBの特性(QCLなど)が類似している場合には、このようなギャップは設けられなくても構わない。
【0109】
(2.2)UE200
UE200の場合、上述したgNB100の機能説明を、UE200の機能、つまり、UL送信、DL受信を実行するものとして読み替えられてよい。
【0110】
本実施形態では、UE200の制御部270は、アンライセンス周波数帯Fuにおいて無線通信を実行できる。特に、制御部270は、FR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fu(第2周波数帯)において無線通信を実行できる。
【0111】
制御部270は、他の場合よりも広い単一の指向性を用いてgNB100が実行したチャネルアクセス手順後のチャネル占有時間(COT)において、複数の異なるSSBがgNB100によって送信されると想定してよい。
【0112】
或いは、制御部270は、複数の指向性受信ビームを用いてgNB100が実行したチャネルアクセス手順後のチャネル占有時間(COT)において、チャネルアクセス手順に成功した指向性に対応する単一または複数のSSBがgNB100によって送信されると想定してよい。
【0113】
或いは、制御部270は、単一の指向性受信ビームを用いてgNB100が実行したチャネルアクセス手順後のチャネル占有時間(COT)において、単一のSSBがgNB100によって送信されると想定してよい。
【0114】
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、アンライセンス周波数帯を用いる場合におけるチャネルアクセス手順に関する動作について説明する。
【0115】
(3.1)前提
3GPP TS37.213では、FR1に含まれるアンライセンス周波数帯Fu(例えば、5/6GHz帯)向けのチャネルアクセス手順(チャネルアクセス・メカニズムと呼んでもよい)が規定されている。
【0116】
また、3GPPでは、60GHzなど、FR2xに含まれるアンライセンス周波数帯FuにおけるFR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fuの拡張に向けて、LBTを実行するチャネルアクセス手順と、LBTを実行しないチャネルアクセス手順との両方をサポートすることが合意されている。
【0117】
なお、60GHzなどの高周波数帯については、各地域または国によってアンライセンス周波数帯の利用に関する規制が設けられている。例えば、欧州/CEPT (European Conference of Postal and Telecommunications Administrations)では、適切なスペクトル共用メカニズムが必要とされている。また、日本では、10dBmを超える送信電力を用いる場合、キャリアのセンシング機能が必要とされている。
【0118】
3GPP Release 16及び3GPPでの検討状況を踏まえると、FR1, FR2及びFR2x(アンライセンス周波数帯も含まれてよい)の何れにおいても、例えば、最大64個のSSB、つまり、各SSBと対応付けられた方向(指向性)が異なる複数のビームBMがサポートされると想定される。
【0119】
また、上述したように、アンライセンス周波数帯FuでのLBT/CCAを遵守したチャネルアクセスを実現するため、Directional LBT/CCA(Beam-based LBT/CCAと呼ばれてもよい)、つまり、指向性を用いたチャネルアクセス手順が適用されてよい。
【0120】
3GPP Release-16のNR-Uでは、gNB100とUE200との間におけるチャネル占有時間(COT)の共有(COT sharing)についても、幾つかの制限の下で許可されている。当該制限とは、例えば、送信期間、送信信号/チャネルの種類、優先クラスなどである。
【0121】
COTの期間(COの構成(利用可能なLBT sub-band、COTの長さ)は、UE200のグループに対して、DCI format 2_0を用いて示すことができる。
【0122】
また、NR-Uでは、LBE(Load Based Equipment)及びFBE(Frame Based Equipment)によるチャネルアクセス手順(LBT/CCA)が可能である。LBEとFBEとは、送信及び受信に用いられるフレーム及びCOTの構成などにおいて相違する。
【0123】
FBEは、LBTに関連する送受信のタイミングが固定である。LBEは、LBTに関連する送受信のタイミングが固定でなく、需要などに応じてLBTを柔軟に実行し得る。LBEの場合、衝突を回避するため、バックオフ時間が設けられてよい。
【0124】
LBEでは、時間の経過とともに複数のチャネルアクセス手順が実行され、COTの長さに応じたContention Window Size(CWS)を設定できる。また、バックオフ時間が満了する(バックオフカウンタが0になる)まで、衝突防止のため、送信が許可されない。また、gNBが主導したチャネルアクセス手順が実行された後のCOT(gNB-initiated COT)、及びUEが主導したチャネルアクセス手順が実行された後のCOT(UE-initiated COT)を設定できる。
【0125】
一方、FBEでも、時間の経過とともに複数のチャネルアクセス手順が実行される。但し、LBTに関連する送受信のタイミングは、Fixed Frame Period(FFP)に従っており、固定である。
【0126】
FR2xなどの高周波数帯を用いる場合、特に、広い帯域幅と大きな伝搬損失とに対応するため、方向が異なる複数の指向性を用いたDirectional LBT/CCA(Beam-based LBT/CCA)を適用することが想定される。これにより、FR2xなどの高周波数帯でも、チャネルアクセスの成功率を向上し得る。
【0127】
なお、LBT及びCCAは、3GPP TS37.213の記載に従い、チャネルアクセスまたはセンシングと解釈されてもよい。
【0128】
(3.2)課題
上述したように、FR2x、つまり、52.6~71GHzの高周波数帯でも、FR2などと同様に、最大64個の同期信号ブロック(SSB)を用い得ると考えられる。FR2xのような高周波数帯の場合、一定のカバレッジを確保するため、方向が異なるビームを順次スイープし、当該ビームと対応付けられたSSBを順次送信する必要があると想定される。
【0129】
図5は、従来のLBT/CCAに従ったチャネル占有時間と同期信号ブロックとの関係例を示す。具体的には、
図5の上段は、無指向性LBT(Omni-directional-LBT)(例えばType 1相当)によって得られたチャネル占有時間(COT)内に割り当てられたSSB、つまり、COT内において送信されるSSBの例を示す。Omni-directional LBTの場合、全方位においてセンシングが実行されるため、対応付けられている方向が異なる複数のSSB(SSB #0, 1, 2, 3)をCOT内において送信可能である。
【0130】
図5の下段は、指向性LBT(Directional-LBT)によって得られたチャネル占有時間(COT)内に割り当てられたSSB、つまり、COT内において送信されるSSBの例を示す。
図5の下段に示すように、特定のDirectional-LBTは、特定の方向のみしかカバーできないため、対応するCOTも当該特定の方向のみとなる。
【0131】
従って、Directional-LBTを利用してSSBを送信する場合、単一のDirectional-LBTでは、他の方向(SSB)向けのDirectional-LBTを実行する時間がなく、異なる複数SSBのCOT内での送信をサポートできない。このため、送信効率の観点でも問題がある。
【0132】
(3.3)動作概要
以下では、上述した課題を解決し、60GHzなどのFR2xに含まれるアンライセンス周波数帯Fuにおいて、チャネルアクセス手順を実行しつつ、効率的なSSB(発見バースト)の送信を実現し得る動作例について説明する。具体的には、以下の動作例について説明する。
【0133】
・(動作例1):Omni-directional-LBT(のみ)を適用したSSB送信
本動作例の場合、SSB以外の指向性送信(directional transmission)のためのチャネルアクセス手順(チャネルアクセス・メカニズム)は、Directional-LBTに限定されてもよい。つまり、SSB以外の指向性送信には、Omni-directional-LBTは適用されなくて構わない。
【0134】
換言すれば、Omni-directional-LBTは、SSB送信に例外的に適用されてもよい。また、SSB送信には、Directional-LBT及びOmni-directional-LBTの両方が適用されてもよいし、Omni-directional-LBTのみが適用されてもよい。
【0135】
・(動作例2):複数のDirectional-LBT(のみ)を適用したSSB送信
本動作例の場合、異なるセンシングスロットでは、LBTの方向(受信ビームの方向)が異なってよい。つまり、センシングスロット毎に、受信ビームBMをスイープするようにLBTの方向が変化してよい。
【0136】
また、本動作例の場合、LBTが成功した(つまり、衝突がなかった)方向と対応付けられているSSBのみについて送信が許可されてよい。さらに、本動作例の場合、SSB送信には、複数のDirectional-LBT及びOmni-directional-LBTなどが適用されてもよいし、複数のDirectional-LBTのみが適用されてもよい。
【0137】
・(動作例3):単一のDirectional-LBT(のみ)を適用したSSB送信
本動作例の場合、Directional-LBTのセンシングスロット期間は、25μs以下であってもよい。また、本動作例の場合、Type 2Aのチャネルアクセス手順に関する条件、例えば、送信継続時間(transmission duration、1ms以下)、発見バーストのデューティサイクル(1/20以下)は、緩和されても構わない。さらに、本動作例の場合、SSB送信には、単一のDirectional-LBT及びOmni-directional-LBTなどが適用されてもよいし、単一のDirectional-LBTのみが適用されてもよい。
【0138】
以下、それぞれの動作例の詳細についてさらに説明する。
【0139】
(3.4)動作例1
図6は、動作例1に係るLBT/CCAに従ったチャネル占有時間(COT)と同期信号ブロックとの関係例を示す。
【0140】
本動作例では、上述したように、Omni-directional-LBT(のみ)を適用したSSB送信が実行されてよい。
【0141】
また、無指向性(Omni-directional)の受信ビームBMではなく、他の場合よりも広い単一の受信ビームに置き換えて、LBT、つまり、チャネルアクセス手順が実行されてもよい。換言すると、通常のSSBを送信する場合に用いられるビームよりも広いビームフォーミングによってDirectional-LBTが実行されてもよい。
【0142】
このような場合、COTに含まれるSSBの上限数が規定されてもよい。例えば、最大X個のSSB(X=4, 8, 16など)が指定されてよい。
【0143】
また、
図6に示す例では、チャネルアクセス手順後のCOT内において異なるSSB(SSB #0, 1, 2, 3)が送信されているが、同一SSBが複数回送信されても構わない。
【0144】
また、SSB以外の指向性送信(directional transmission)のためのチャネルアクセス手順(チャネルアクセス・メカニズム)は、Directional-LBTに限定されてもよい。つまり、SSB以外の指向性送信には、Omni-directional-LBTは適用されなくて構わない。
【0145】
例えば、60GHzのアンライセンス周波数帯におけるSSB送信のためのチャネルアクセス手順は、Omni-directional-LBTのみに制限されてもよい。
【0146】
或いは、60GHzのアンライセンス周波数帯におけるSSB送信のためのチャネルアクセス手順には、Omni-directional-LBTまたは(複数の)Directional-LBTが用いられるケースがあってもよい。この場合、Omni-directional-LBTに適用される条件が規定されてよい。例えば、Directional-LBTの場合よりも低いエネルギー検出(ED)閾値が適用されてもよいし、Omni-directional-LBTに対しては、他のLBTと異なるED閾値が規定されてもよい。
【0147】
SSB送信のためのLBTの結果は、Type 1のチャネルアクセス手順のContention Window Size(CWS)に影響しない場合があってもよい(SSB送信のためのOmni-directional-LBTがType 1に基づく場合であってもCWSに影響しなくてよい)。
【0148】
また、センシングスロット期間は、Directional-LBTとOmni-directional-LBTとで異なってもよい。例えば、Omni-directional-LBTでは、より長いセンシングスロット期間が設定されてもよい。
【0149】
(3.5)動作例2
図7は、動作例2に係るLBT/CCAに従ったチャネル占有時間と同期信号ブロックとの関係例を示す。
【0150】
本動作例では、上述したように、複数のDirectional-LBT(のみ)を適用したSSB送信が実行されてよい。
【0151】
Directional-LBTは、異なるセンシングスロットにおいてビームスイープするように異なってよい。また、成功したLBT(方向)と対応付けられているSSBの送信が許可されてよい。つまり、
図7に示すように、失敗したLBT(方向)と対応付けられているSSB(SSB #2)は、送信されなくて構わない。
【0152】
このような複数のDirectional-LBT(多方向LBT)は、SSB送信のみに適用されてもよいし、他のDL送信にも適用されてもよい。
【0153】
また、60GHzのアンライセンス周波数帯におけるSSB送信のためのチャネルアクセス手順は、このような多方向LBTのみに制限されてもよい。
【0154】
または、60GHzのアンライセンス周波数帯におけるSSB送信のためのチャネルアクセス手順には、Omni-directional-LBTまたは多方向LBTが用いられるケースがあってもよい。
【0155】
或いは、60GHzのアンライセンス周波数帯におけるSSB送信のためのチャネルアクセス手順には、多方向LBTまたは単一のDirectional-LBTが用いられるケースがあってもよい。
【0156】
多方向LBTの適用は、Type 2のチャネルアクセス手順(つまり、ランダムバックオフなし)に制限されてもよい。Type 2のチャネルアクセス手順に多方向LBTを適用する場合の条件が規定されてもよい。
【0157】
例えば、X msまでの送信継続時間、Y以下のデューティサイクルとし、{X, Y}は、{1, 1/20}である場合と、60GHzなどのアンライセンス周波数帯とで異なってよい。
【0158】
(3.6)動作例3
図8は、動作例3に係るLBT/CCAに従ったチャネル占有時間と同期信号ブロックとの関係例を示す。
【0159】
本動作例では、上述したように、単一のDirectional-LBT(のみ)を適用したSSB送信が実行されてよい。なお、
図8に示すように、失敗したLBT(方向)と対応付けられているSSB(SSB #2)は、送信されなくて構わない(動作例2と同様)。
図8に示すように、単一のDirectional-LBTを用いたチャネルアクセス手順後のCOTでは、当該LBT(方向)と対応付けられているSSBが一つのみ送信されてよい。
【0160】
当該Directional-LBTのセンシングスロット期間は、25μs(Type 2Aと同様)以下であってもよい。最大COT(Maximum Channel Occupancy Time)は、1 ms以下であってもよい。
【0161】
また、Type 2Aのチャネルアクセス手順に関する条件、例えば、送信継続時間(1ms以下)、発見バーストのデューティサイクル(1/20以下)は、緩和されても構わない。例えば、デューティサイクルは、1/20以上としてもよい。
【0162】
また、SSBのマッピングパターンは、FR1, FR2と異なってもよい。例えば、時間方向において隣り合う2つのSSB間には、少なくとも一つのシンボルを含むLBT用のギャップが設けられてもよい。
【0163】
(4)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。具体的には、動作例1では、他の場合よりも広い単一の受信ビームまたは無指向性の受信ビームを用いてチャネルアクセス手順が実行され、当該チャネルアクセス手順後のCOTにおいて、複数の異なるSSB(発見バースト)が送信される。
【0164】
このため、一度のチャネルアクセス手順によって多くのSSBを送信し得る。これにより、60GHz帯などの高周波数帯のアンライセンス周波数帯を用いる場合でも効率的なSSB送信を実現し得る。
【0165】
動作例2では、複数の指向性受信ビームを用いてチャネルアクセス手順が実行され、当該チャネルアクセス手順後のCOTにおいて、複数の異なるSSBが送信される。
【0166】
このため、特定の方向を対象とした複数のLBT(センシング)を実行しつつ、同一COT内において複数のSSBを送信し得る。これにより、60GHz帯などの高周波数帯のアンライセンス周波数帯を用いる場合でも効率的なSSB送信を実現し得る。
【0167】
動作例3では、単一の指向性受信ビームを用いてチャネルアクセス手順が実行され、当該チャネルアクセス手順後のCOTにおいて、単一のSSBが送信される。
【0168】
このため、特定の方向を対象とした単一のLBT(センシング)を実行しつつ、COT内において当該LBT(方向)に対応したSSBを確実に送信し得る。これにより、60GHz帯などの高周波数帯のアンライセンス周波数帯を用いる場合でも効率的なSSB送信を実現し得る。
【0169】
また、動作例1に係るOmni-directional-LBT、及び動作例2に係る複数のDirectional-LBTは、60GHz帯などの高周波数帯のアンライセンス周波数帯のみに適用し得る。さらに、動作例1では、当該アンライセンス周波数帯において、SSBを送信する場合にのみ、Omni-directional-LBTを適用し得る。これにより、高周波数帯のアンライセンス周波数帯を用いる場合におけるLBTの成功率向上と、効率的なSSB送信との両立に寄与し得る。
【0170】
動作例1では、高周波数帯のアンライセンス周波数帯の場合、センシングスロット期間を長くしてよい。これにより、全方位のセンシングに必要な十分な時間を確保し易い。
【0171】
動作例2では、センシングスロット毎に方向の異なる指向性(の受信ビーム)が用いられてよい。これにより、より多くの方向を対象としたLBT(センシング)を効率的に実行し得る。
【0172】
また、動作例2では、チャネルアクセス手順に成功した指向性(の受信ビーム)と対応付けられているSSBのみを送信できる。このため、SSBの受信確率を向上し得る。動作例2では、衝突回避のためのバックオフが設けられないチャネルアクセス手順を実行することもできる。このため、複雑性を回避しつつ、多方向LBTを実現し得る。
【0173】
動作例3では、高周波数帯のアンライセンス周波数帯の場合、センシングスロット期間を短くすることができる。このため、単一のDirectional-LBTに対応した迅速なセンシングが可能となる。また、動作例3では、FR1, FR2の場合よりも条件が緩和されたチャネルアクセス手順を実行でき、FR1, FR2の場合と異なるSSBのマッピングパターンを適用できる。このため、単一のDirectional-LBTを用いた効率的なSSB送信を実現し得る。
【0174】
(5)その他の実施形態
以上、実施形態について説明したが、当該実施形態の記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0175】
例えば、上述した実施形態では、SSB(発見バースト)送信について説明したが、SSB以外の送信に適用されてもよい。具体的には、上述した動作例に係るチャネルアクセス手順は、他のDL送信(DLバースト)に適用されてもよい。
【0176】
この場合、SSB用のチャネルアクセス手順と、他のDL送信用のチャネルアクセス手順とは、同一でもよいし、異なっていてもよい。
【0177】
また、アンライセンス周波数帯は、異なる名称で呼ばれてもよい。例えば、免許免除(License-exempt)或いはLicensed-Assisted Access(LAA)などの用語が用いられてもよい。
【0178】
また、上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(
図4)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0179】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0180】
さらに、上述したgNB100及びUE200(当該装置)は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図9は、当該装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図9に示すように、当該装置は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0181】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0182】
当該装置の各機能ブロック(
図4参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0183】
また、当該装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0184】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0185】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0186】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0187】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0188】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0189】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0190】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0191】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0192】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0193】
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0194】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0195】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0196】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0197】
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0198】
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
【0199】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0200】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0201】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0202】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0203】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0204】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0205】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0206】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0207】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0208】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0209】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0210】
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0211】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0212】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0213】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0214】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0215】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームはさらに時間領域において1つまたは複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0216】
ニューメロロジーは、ある信号またはチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing:SCS)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0217】
スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0218】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0219】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、何れも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0220】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0221】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0222】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0223】
なお、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロットまたは1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0224】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partialまたはfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0225】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0226】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0227】
また、RBの時間領域は、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0228】
なお、1つまたは複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB:PRB)、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group:SCG)、リソースエレメントグループ(Resource Element Group:REG)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0229】
また、リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(Resource Element:RE)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0230】
帯域幅部分(Bandwidth Part:BWP)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0231】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つまたは複数のBWPが設定されてもよい。
【0232】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0233】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームまたは無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロットまたはミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0234】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0235】
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0236】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0237】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0238】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0239】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0240】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0241】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0242】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0243】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0244】
10 無線通信システム
20 NG-RAN
100 gNB
200 UE
210 無線信号送受信部
220 アンプ部
230 変復調部
240 制御信号・参照信号処理部
250 符号化/復号部
260 データ送受信部
270 制御部
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス