(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】電力制御
(51)【国際特許分類】
A24F 40/50 20200101AFI20250313BHJP
A24F 40/65 20200101ALI20250313BHJP
A24F 40/60 20200101ALI20250313BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/65
A24F40/60
(21)【出願番号】P 2023561354
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(86)【国際出願番号】 GB2022050891
(87)【国際公開番号】W WO2022214829
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-11-29
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】カーシー, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ベーカー, ダリル
(72)【発明者】
【氏名】エルグヴェン, ネジャット
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03751919(EP,A1)
【文献】特表2018-533923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/50
A24F 40/65
A24F 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、
前記エアロゾル生成器に電力を供給するための電源と、
非燃焼性エアロゾル供給システムをユーザデバイスに通信可能に結合するように構成された送信器/受信器要素と
を備える非燃焼性エアロゾル供給システムであって、
前記非燃焼性エアロゾル供給システムが、標準モード及び省電力モードで動作可能であり、前記非燃焼性エアロゾル供給システムが前記省電力モードのとき、前記電源が、前記非燃焼性エアロゾル供給システムが前記標準モードのときよりも少ない電力を前記非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の電力消費構成要素に供給するように構成され、
前記送信器/受信器要素が、前記ユーザデバイスから命令を受信するように構成され、前記命令が、前記非燃焼性エアロゾル供給システムに前記
省電力モードに入らせるように構成さ
れ、
前記非燃焼性エアロゾル供給システムの前記1つ又は複数の電力消費構成要素が前記エアロゾル生成器を備え、
前記省電力モードのとき、前記電源が、前記エアロゾル生成器に最小動作電力を供給するように構成される、
非燃焼性エアロゾル供給システム。
【請求項2】
前記命令が、前記非燃焼性エアロゾル供給システムによって以前に記憶された
省電力モード命令に従って動作させるための1つ又は複数の命令を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記命令が、前記1つ又は複数の電力消費構成要素のための特定の電力範囲を前記非燃焼性エアロゾル供給システムに書き込む1つ又は複数の命令を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記特定の電力範囲が特定の電力値である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記エアロゾル生成器がヒーターを備え、前記電源が、前記ヒーターへの電力供給電圧を下げることによって前記エアロゾル生成器により少ない電力を供給するように構成される、請求項
1に記載のシステム。
【請求項6】
前記省電力モードのとき、前記電源が、前記エアロゾル生成器の動作電力設定範囲全体の連続するサブセット内の電力を前記エアロゾル生成器に供給するように構成され、前記サブセットが最小動作電力設定を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ又は複数の電力消費構成要素が、前記非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の表示灯を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記
省電力モードのとき、前記電源が、低動作電力レベルを前記1つ又は複数の表示灯に供給するように構成される、請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ又は複数の電力消費構成要素が、前記非燃焼性エアロゾル供給システムのプロセッサを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
非燃焼性エアロゾル供給システムに通信可能に結合されるように構成されたユーザデバイスであって、
ユーザインターフェース情報をユーザに提供するように構成された出力デバイスと、
通信可能に結合された非燃焼性エアロゾル供給システムの省電力モードを作動させる、ユーザからの入力を受信するように構成された入力デバイスと、
前記通信可能に結合された非燃焼性エアロゾル供給システムに前記省電力モードを採用するための命令を送信するように構成された受信器送信器要素であって、前記命令が、前記非燃焼性エアロゾル供給システムの電源に、前記非燃焼性エアロゾル供給システムが標準モードのときよりも少ない電力を、前記非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の電力消費構成要素に供給させる、受信器送信器要素と
を備
え、
前記命令が、前記電源から低電力レベルを前記非燃焼性エアロゾル供給システムのエアロゾル生成器に供給するための命令を含み、
前記命令が、前記エアロゾル生成器に最小動作電力を供給するための命令を含む、
ユーザデバイス。
【請求項11】
下記のうち少なくとも1つ:
前記命令が、前記通信可能に結合された非燃焼性エアロゾル供給システムに、前記非燃焼性エアロゾル供給システムにすでに記憶された省電力モード設定を採用させるように構成され;
前記命令が、前記1つ又は複数の電力消費構成要素のための特定の電力範囲を前記非燃焼性エアロゾル供給システムに書き込み;
前記特定の電力範囲が特定の電力値であり
;
前記命令が、前記電源から低電力レベルを前記エアロゾル生成器のヒーターに供給するための命令を含み
;
前記命令が、前記エアロゾル生成器の動作電力設定範囲全体の連続するサブセット内の電力を前記エアロゾル生成器に供給するための命令を含み、前記サブセットが最小動作電力設定を含み;
前記命令が、前記電源から低電力レベルを前記非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の表示灯に供給するための命令を含み;
前記命令が、低動作電力レベルを前記1つ又は複数の表示灯に供給するための命令を含み;及び/又は
前記命令が、前記電源から低電力レベルを前記非燃焼性エアロゾル供給システムのプロセッサに供給するための命令を含む、である、請求項
10に記載のユーザデバイス。
【請求項12】
電源を備える非燃焼性エアロゾル供給システムと、
前記非燃焼性エアロゾル供給システムに通信可能に結合されたユーザデバイスと
を備えるシステムであって、
前記非燃焼性エアロゾル供給システムが、標準モード及び省電力モードで動作可能であり、前記非燃焼性エアロゾル供給システムが前記省電力モードのとき、前記電源が、前記非燃焼性エアロゾル供給システムが前記標準モードのときよりも少ない電力を前記非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の電力消費構成要素に供給するように構成され、
前記ユーザデバイスが、前記省電力モードを採用するための命令を前記非燃焼性エアロゾル供給システムに送信するように構成さ
れ、
前記非燃焼性エアロゾル供給システムの前記1つ又は複数の電力消費構成要素がエアロゾル生成器を備え、
前記省電力モードのとき、前記電源が、前記エアロゾル生成器に最小動作電力を供給するように構成される、
システム。
【請求項13】
下記のうち少なくとも1つ:
前記命令が、前記非燃焼性エアロゾル供給システムによって以前に記憶された
省電力モード命令に従って動作させるための1つ又は複数の命令を含み;
前記命令が、前記1つ又は複数の電力消費構成要素のための特定の電力範囲を前記非燃焼性エアロゾル供給システムに書き込む1つ又は複数の命令を含み;
前記特定の電力範囲が特定の電力値であり;
前記エアロゾル生成器がヒーターを備え、前記電源が、前記ヒーターへの電力供給電圧を下げることによって前記エアロゾル生成器により少ない電力を供給するように構成され;
前記省電力モードのとき、前記電源が、前記エアロゾル生成器の動作電力設定範囲全体の連続するサブセット内の電力を前記エアロゾル生成器に供給するように構成され、前記サブセットが最小動作電力設定を含み;
前記1つ又は複数の電力消費構成要素が、前記非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の表示灯を含み;
前記
省電力モードのとき、前記電源が、低動作電力レベルを前記1つ又は複数の表示灯に供給するように構成され;及び/又は
前記1つ又は複数の電力消費構成要素が、前記非燃焼性エアロゾル供給システムのプロセッサを含む、である、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
非燃焼性エアロゾル供給システムに通信可能に結合されるように構成されたコンピューティングデバイスの処理回路によって実行されるとき、前記コンピューティングデバイスに、
ユーザからの入力を受信して、通信可能に結合された非燃焼性エアロゾル供給システムの省電力モードを作動することと、
前記通信可能に結合された非燃焼性エアロゾル供給システムに前記省電力モードを採用するための命令を送信することあって、前記命令は、前記非燃焼性エアロゾル供給システムの電源に、前記非燃焼性エアロゾル供給システムが標準モードのときよりも少ない電力を、前記非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の電力消費構成要素に供給させる、前記命令を送信することと
をさせる命令を含
み、
前記命令が、前記電源から低電力レベルを前記非燃焼性エアロゾル供給システムのエアロゾル生成器に供給するための命令を含み、
前記命令が、前記エアロゾル生成器に最小動作電力を供給するための命令を含む、
コンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項15】
下記のうち少なくとも1つ:
前記命令が、前記通信可能に結合された非燃焼性エアロゾル供給システムに、前記非燃焼性エアロゾル供給システムにすでに記憶された省電力モード設定を採用させるように構成され;
前記命令が、前記1つ又は複数の電力消費構成要素のための特定の電力範囲を前記非燃焼性エアロゾル供給システムに書き込み;
前記特定の電力範囲が特定の電力値であり
;
前記命令が、前記電源から低電力レベルを前記エアロゾル生成器のヒーターに供給するための命令を含み
;
前記命令が、前記エアロゾル生成器の動作電力設定範囲全体の連続するサブセット内の電力を前記エアロゾル生成器に供給するための命令を含み、前記サブセットが最小動作電力設定を含み;
前記命令が、前記電源から低電力レベルを前記非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の表示灯に供給するための命令を含み;
前記命令が、低動作電力レベルを前記1つ又は複数の表示灯に供給するための命令を含み;及び/又は
前記命令が、前記電源から低電力レベルを前記非燃焼性エアロゾル供給システムのプロセッサに供給するための命令を含む、である、請求項
14に記載のコンピュータ読取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野及び背景)
[0001]本開示は電力制御の分野に関する。特に、限定するものではないが、本開示は、エアロゾル供給システムの電力制御に関する。
【0002】
[0002]「非燃焼性」エアロゾル供給システムは、少なくとも1つの物質をユーザへ送達しやすくするために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成材料(又は、その成分)が燃焼されない又は燃やされないエアロゾル供給システムである。
【0003】
[0003]非燃焼性エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END:electronic nicotine delivery system)としても知られている電子タバコであってもよいが、エアロゾル生成材料内のニコチンの存在は必要条件ではないことに留意されたい。
【0004】
[0004]非燃焼性エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているエアロゾル生成材料加熱システムであってもよい。そのようなシステムの例としては、タバコ加熱システムがある。
【0005】
[0005]非燃焼性エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料(それらのうちの1つ又は複数は加熱されてもよい)を組み合わせたものを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムであってもよい。エアロゾル生成材料のそれぞれは、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と固体のエアロゾル生成材料とを備えてもよい。固体のエアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。
【0006】
[0006]典型的には、非燃焼性エアロゾル供給システムは、非燃焼性エアロゾル供給デバイスと、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品とを備えてもよい。
【0007】
[0007]非燃焼性エアロゾル供給システム、例えば、非燃焼性エアロゾル供給システムの非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、パワー源及びコントローラを備えてもよい。パワー源は、例えば、電気パワー源又は発熱パワー源であってもよい。発熱パワー源は、発熱パワー源の近傍のエアロゾル生成材料又は熱伝達材料に熱の形態でパワーを分配するようにエネルギーを与えられる炭素基材を備える。
【0008】
[0008]非燃焼性エアロゾル供給システムは、消耗品を受け入れるための領域、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、吸い口、フィルター、及び/又はエアロゾル改質剤を備えてもよい。
【0009】
[0009]非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料収納領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、フィルター、吸い口、及び/又はエアロゾル改質剤を備えてもよい。
【0010】
[0010]知られている手法は、国際公開第2015/155612(A2)号、国際公開第2020/260885(A1)号、国際公開第2012/109371(A2)号、米国特許出願公開第2017/049151(A1)号、及び国際公開第2014/163664(A1)号に記載されている。
【発明の概要】
【0011】
(概要)
[0011]第1の態様によれば、エアロゾルを生成するためのエアロゾル生成器と、エアロゾル生成器に電力を供給するための電源と、非燃焼性エアロゾル供給システムをユーザデバイスに通信可能に結合するように構成された送信器/受信器要素とを備え、非燃焼性エアロゾル供給システムが、標準モード及び省電力モードで動作可能であり、非燃焼性エアロゾル供給システムが省電力モードのとき、電源が、非燃焼性エアロゾル供給システムが標準モードのときよりも少ない電力を非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の電力消費構成要素に供給するように構成され、送信器/受信器要素が、ユーザデバイスから命令を受信するように構成され、その命令が、非燃焼性エアロゾル供給システムに低電力モードに入らせるように構成された、非燃焼性エアロゾル供給システムを提供することができる。したがって、本手法は、ユーザデバイスからの命令を受信すると、低電力動作モードに制御される非燃焼性エアロゾル供給システムを提供することができる。
【0012】
[0012]別の態様によれば、非燃焼性エアロゾル供給システムに通信可能に結合されるように構成されたユーザデバイスを提供することができ、本ユーザデバイスは、ユーザインターフェース情報をユーザに提供するように構成された出力デバイスと、通信可能に結合された非燃焼性エアロゾル供給システムの省電力モードを作動させる、ユーザからの入力を受信するように構成された入力デバイスと、通信可能に結合された非燃焼性エアロゾル供給システムに省電力モードを採用するための命令を送信するように構成された受信器送信器要素であって、この命令が、非燃焼性エアロゾル供給システムの電源に、非燃焼性エアロゾル供給システムが標準モードのときよりも少ない電力を、非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の電力消費構成要素に供給させる、受信器送信器要素とを備える。したがって、本手法は、非燃焼性エアロゾル供給システムを低電力動作モードに制御するために使用されるユーザデバイスを提供することができる。
【0013】
[0013]さらなる態様によれば、非燃焼性エアロゾル供給システムと、非燃焼性エアロゾル供給システムに通信可能に結合されたユーザデバイスとを備え、非燃焼性エアロゾル供給システムが、標準モード及び省電力モードで動作可能であり、非燃焼性エアロゾル供給システムが省電力モードのとき、電源が、非燃焼性エアロゾル供給システムが標準モードのときよりも少ない電力を非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の電力消費構成要素に供給するように構成され、ユーザデバイスが、非燃焼性エアロゾル供給システムに省電力モードを採用するための命令を送信するように構成された、システムを提供することができる。したがって、本手法は、ユーザデバイスからの命令を受信すると、非燃焼性エアロゾル供給システムを低電力動作モードに制御するために非燃焼性エアロゾル供給システムと相互作用するユーザデバイスを提供することができる。
【0014】
[0014]別の態様によれば、非燃焼性エアロゾル供給システムに通信可能に結合されるように構成されたコンピューティングデバイスの処理回路によって実行されるとき、コンピューティングデバイスに、ユーザからの入力を受信して、通信可能に結合された非燃焼性エアロゾル供給システムの省電力モードを作動することと、通信可能に結合された非燃焼性エアロゾル供給システムに省電力モードを採用するための命令を送信することであって、その命令は、非燃焼性エアロゾル供給システムの電源に、非燃焼性エアロゾル供給システムが標準モードのときよりも少ない電力を非燃焼性エアロゾル供給システムの1つ又は複数の電力消費構成要素に供給させる、命令を送信することとをさせる命令を含む、コンピュータ読取り可能な媒体を提供することができる。したがって、本手法は、非燃焼性エアロゾル供給システムを低電力動作モードに制御するためにプログラムされるユーザデバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
[0015]次に、添付図面を参照して、本手法の実施形態及び例を単なる例として説明する。
【
図1】[0016]
図1は、非燃焼性エアロゾル供給システムの例の概略図である。
【
図2】[0017]
図2は、ユーザデバイスの例の概略図である。
【
図3】[0018]
図3は、非燃焼性エアロゾル供給システムに低電力モード設定を選択する方法を示すフローチャートである。
【
図4】[0019]
図4は、非燃焼性エアロゾル供給システムに低電力モード設定を選択するためのユーザインターフェースの概略図である。
【0016】
[0020]ここで説明する手法は様々な改変及び代替形態が可能であるが、図には一例として特定の実施形態を示し、本明細書ではそれを詳細に説明する。しかしながら、図及び詳細な説明は、その範囲を、開示される特定の形態に限定することを意図するものではなく、むしろ反対に、その範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるような趣旨及び範囲内にあるすべての改変物、均等物、及び代替物を包含するものであることを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[詳細な説明]
[0021]非燃焼性エアロゾル供給システムは、典型的には、ヒーターを備えてエアロゾル生成材料に熱エネルギーを与えて、その結果、エアロゾル生成材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出させてエアロゾルを形成する。
【0018】
[0022]非燃焼性エアロゾル供給システムのヒーターに与える電力を変化させることによって、非燃焼性エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルの特性を制御することができる。例えば、所与のエアロゾル生成の作動に対して、ヒーターにより多くの電力を供給することによって、より低い電力が供給される場合よりも大きな体積のエアロゾルを非燃焼性エアロゾル供給システムによって生成することができる。エアロゾル生成を作動させることによって生成されるエアロゾルの体積は雲(cloud)と呼ばれることがあり、したがって、ヒーター電力を変えて雲の大きさを変えることができると言ってもよい。
【0019】
[0023]本明細書に記載する技法によれば、ユーザが非燃焼性エアロゾル供給システムに低電力モードを採用させることができる手法が提供される。低電力モードでは、非燃焼性エアロゾル供給システムに、低いヒーター電力及び/又は短い生成時間でエアロゾルを生成させることができる。非燃焼性エアロゾル供給システムの他の機能にも、又はそれに代えて、低電力消費動作を採用させることができる。したがって、ユーザは、非燃焼性エアロゾル供給システムの電源及び/又はエアロゾル化可能材料の貯蔵量の寿命を長くするための積極的な行動を採ることができる。
【0020】
[0024]このように非燃焼性エアロゾル供給システムの電力レベルの設定を制御する仕組みを提供することによって、本技法は、非燃焼性エアロゾル供給システムの非再生資源の節約を高いレベルで制御することができる。これは、例えば、低電力モードの作動とそれらの資源を補充することができる時間との間で、そのような非再生資源の認識された又は潜在的な不足を補償するのに有用であり得る。例えば、非燃焼性エアロゾル供給システムの電力供給量(例えば、バッテリー)及びエアロゾル化可能材料の供給量が使い尽くされる速度は、ヒーターに供給される電力と関連し得るので、ヒーターの電力設定の制御は、バッテリー/材料の供給量が使い果たされる速度に影響を与える(例えば、速度を落とす)ために使用することもできる。
【0021】
[0025]本手法は、非燃焼性エアロゾル供給システムへのデータの送信及び非燃焼性エアロゾル供給システムからのデータの送信、並びに記憶及び/又は受信したデータの非燃焼性エアロゾル供給システムのための処理を含むことが認識されよう。また、本手法は、ユーザデバイスが非燃焼性エアロゾル供給システムと通信することができることを必要とする。そのようなユーザデバイスは、他のサービス又はシステムと通信可能であってもよい。したがって、そのような機能を提供するための好適なデバイスを例示するために、例示的な非燃焼性エアロゾル供給システム10及び例示的なユーザデバイス40がそれぞれ
図1及び
図2に関して示されている。
【0022】
[0026]非燃焼性エアロゾル供給システム10の例が
図1に概略的に示されている。図示のように、エアロゾル送達デバイス10は、エアロゾル媒体容器又はカートリッジ12(ENDデバイスの場合、エアロゾル媒体容器又はカートリッジ12は、ニコチン又はニコチン含有配合物を含む)、エアロゾル生成チャンバ14、及び生成されたエアロゾルを放出することができる出口16などのエアロゾル生成に関連する要素を含むデバイスである。バッテリー18が、エアロゾル生成チャンバ14内の(又は、エアロゾル生成チャンバ14に機能的に隣り合う)熱生成器要素(ヒーターコイルの形態を採ることがあるヒーター20など)に電力を供給するために設けられてもよい。バッテリー18はまた、起動トリガに応答してエアロゾルを生成するためにデバイスを起動することなど、デバイスの使用のために、並びに通信及び機能制御のために役立つことができるプロセッサ/コントローラ22に電力を供給することができる。プロセッサ/コントローラ22は、プロセッサ/コントローラ22用の動作命令を記憶するために使用することができるメモリ24にアクセスすることができる。メモリ24はまた、非燃焼性エアロゾル供給システム10及び/又はその1つ若しくは複数の構成要素の動作条件及び/又は動作状態を示すデータを記憶するために使用することができる。メモリ24は、プロセッサ/コントローラ22の内部にあってもよいし、追加の別個の物理的要素として提供されてもよい。
【0023】
[0027]データ及び/又はメッセージングの送受信を実行するために、プロセッサ/コントローラ22は送信器/受信器要素26を備える。送信器/受信器要素26により、非燃焼性エアロゾル供給システム10は、パーソナルエリアネットワークプロトコルなどの接続技術を使用して、接続されたデバイスと通信することができる。例示的なパーソナルエリアネットワークプロトコルには、ブルートゥース(Bluetooth)(商標)、ブルートゥースローエナジー(Bluetooth Low Energy)(商標)(BLE)、ジグビー(Zigbee)(商標)、ワイヤレスUSB、及び近距離無線通信(NFC:Near-Field Communication)が含まれる。例示的なパーソナルエリアネットワークプロトコルにはまた、赤外線データ通信規格(IrDA:Infrared Data association)などの光通信及びdata-over-soundを利用したプロトコルも含まれる。非燃焼性エアロゾル供給システムが好適な能力を有する場合、Wi-Fi(商標)技術などの他の無線技術を使用することができる。他の例では、送信器/受信器要素26は、非燃焼性エアロゾル供給システム10の物理的ポートと接続されたデバイスとの間に設けられた有線通信チャネルを提供するように構成されてもよい。このような有線通信チャネルは、USB(商標)、シリアルポート、ファイヤーワイヤー(FireWire)(商標)、又は他のポイントツーポイント有線接続(point-to-point wired connectivity)などの物理的接続技術を利用してもよい。この議論の残りの部分では、BLEの例を使用し、BLEの用語を使用するが、他のパーソナルエリアネットワーク技術の対応する機能又は同等の機能が代用されてもよいことは認識されよう。したがって、本例では、送信器/受信器要素26は、無線通信用の無線アンテナを含む、又はそれに接続されたBLEインターフェース要素である。上記に示したものなどの他の例では、これは、代替の無線技術及び/又は有線接続インターフェース用のインターフェース要素であってもよい。
【0024】
[0028]接続されたデバイスとの間で確立されたいかなる通信も、特定の機能を実行するのに必要な時間の間、チャネルを確立することができるが、必要でないときには切断することもできるという意味で、永久的でなくてもよい、又は一時的であってもよい。このため、このような接続されたデバイスは、本明細書では、デバイスが非燃焼性エアロゾル供給システム10及び接続されたデバイスのユーザによって利用される及び/又は制御される可能性が高いという意味で、ユーザデバイスと呼ばれる。このようなユーザデバイス(デバイスが非燃焼性エアロゾル供給システムから遠隔にあるという意味で遠隔デバイス、又はデバイスが非燃焼性エアロゾル供給システムとロック解除/年齢確認サービスとの間を中継するという意味で中継デバイスとも呼ばれることがある)の例を、以下に
図2を参照して説明する。
【0025】
[0029]
図1の議論に戻ると、プロセッサ/コントローラ22は、一例では、STマイクロエレクトロニクスによって提供され、アーム(ARM)(商標)コーテクス(Cortex)(商標)-Mプロセッサに基づくようなSTM32マイクロコントローラであってもよい。他の例では、アーム(商標)アーキテクチャ及びアトム(Atom)(商標)アーキテクチャ、又は他の低電力プロセッサ技術に基づくことができる代替のマイクロコントローラ又はプロセッサが使用されてもよい。これに代えて又はこれに加えて、送信器/受信器要素26は、一例では、プロセッサ/コントローラと協働してBLE接続を非燃焼性エアロゾル供給システムに提供するためのnRF BLEチップを含んでもよい。他の例では、他の通信インターフェースチップ又はモジュールを使用して接続サービスを提供してもよい。
【0026】
[0030]図示のように、プロセッサ/コントローラ22は、例えば、エアロゾル媒体容器又はカートリッジ12、エアロゾル生成チャンバ14、及びバッテリー18に接続されてもよい。この接続は、構成要素のうちのいくつかからのインターフェース接続又は出力への接続であってもよく、及び/又は、構成要素のうちのいくつかに又はその中に配置されたセンサへの接続であってもよい。これらの接続により、プロセッサはそれぞれの構成要素のプロパティーへアクセスすることができる。例えば、バッテリー接続は、エアロゾル生成のための非燃焼性エアロゾル供給システムの作動を制御するために使用されてもよい。
【0027】
[0031]いくつかの例では、プロセッサ/コントローラ22は、バッテリーからヒーター20に供給する電圧レベルを制御し、以て、バッテリーからの電力の消費を制御し、及び/又は、以て、所与のエアロゾル生成作動中に非燃焼性エアロゾル供給システム10によって生成されるエアロゾルの量を制御するように構成されてもよい。プロセッサ/コントローラ22は、これに加えて又はこれに代えて、所与のエアロゾル生成作動中にバッテリーからヒーター20に電圧が供給される時間を制御し、以て、バッテリーからの電力の消費を制御し、及び/又は、以て、エアロゾル生成作動中に非燃焼性エアロゾル供給システム10によって生成されるエアロゾルの量を制御するように構成されてもよい。
【0028】
[0032]非燃焼性エアロゾル供給システム10はまた、出力要素30(ディスプレイ、音声出力、及び触覚出力のうちの1つ又は複数を含んでもよい)を備えてもよい。いくつかの例では、出力要素28は、非燃焼性エアロゾル供給システム10の状態、モード、又は動作に関する他の情報を示すために選択的に制御することができる1つ又は複数の光源を含んでもよい。いくつかの例では、1つ又は複数の光源は、1つ又は複数のLEDによって提供され、LEDは、単色又は多色のLEDであってもよい。
【0029】
[0033]いくつかの例では、プロセッサ/コントローラ22は、バッテリーから出力要素28に供給される電圧を制御するように構成されてもよい。したがって、発光出力要素(ディスプレイ又は光源など)の照明のレベル、及び/又は音声出力要素の出力のレベル、及び/又は触覚出力要素の振動/動きのレベルは、高レベルの出力及び制御出力を提供するように制御されてもよい。したがって、低い出力レベルに制御することによってバッテリー電力を節約することができる。
【0030】
[0034]いくつかの例では、プロセッサ/コントローラ22は、バッテリーからプロセッサ/コントローラ22に供給される電圧を制御するように構成されてもよい。したがって、プロセッサ/コントローラは、異なる計算速度、利用可能なプロセッサ/コントローラの特徴の異なる組、及び/又は異なる実行可能な命令にそれぞれが対応する異なる電力消費モード間で切り替え可能であってもよい。したがって、いくつかの例では、プロセッサ/コントローラ22は、エアロゾル生成機能(及び任意選択で、ロック/ロック解除機能)のみが利用可能である低電力モードに制御可能であってもよい。
【0031】
[0035]より一般的には、上記から、非燃焼性エアロゾル供給システム10の様々な構成要素は、動作するためにバッテリー(電源)からの電力を必要とすることが分かる。少なくともいくつかのこのような電力消費構成要素は、構成要素への電力の送達を制御することによって、又は構成要素に低電力状態を採用するように命じることによって、低電力モードで動作させることができる。
【0032】
[0036]低電力及び/又は省電力モード/状態を採用することに関する非燃焼性エアロゾル供給システムのさらなる機能を以下の本手法の例を参照して説明する。
【0033】
[0037]
図2にユーザデバイス40の例を概略的に示す。ユーザデバイスは、非燃焼性エアロゾル供給システム10のユーザ(及び/又は所有者)の移動電話器(携帯電話)又はタブレットなどのデバイスであってもよい。図示のように、ユーザデバイス40は、非燃焼性エアロゾル供給システム10と通信するための受信器送信器要素42を含む。したがって、受信器送信器要素42は、任意の所与の実施態様において相互作用する非燃焼性エアロゾル供給システム10と同じ接続性及びプロトコル等を使用するように構成される。したがって、本例では、受信器送信器要素42は、無線通信のための無線アンテナを含む、又は無線アンテナに接続されたBLEインターフェース要素である。上記の例などの他の例では、これは、代替の無線技術及び/又は有線接続インターフェース用のインターフェース要素であってもよい。
【0034】
[0038]受信器送信器要素42は、非燃焼性エアロゾル供給システムからのデータ又はメッセージングを受信して処理することができるプロセッサ又はコントローラ44に接続されている。プロセッサ又はコントローラ44は、プログラム情報及び/又はデータを記憶するために使用することができるメモリ46にアクセスする。ユーザデバイス40は、さらなるデータ送信インターフェース48を含んでもよい。このインターフェースは、例えば、有線ローカルエリアネットワークなどの有線接続、並びに/或いは、無線ローカルエリアネットワーク及び/又はセルラーデータサービスなどの無線接続に対して、1つ又は複数のインターフェース機能を提供してもよい。このインターフェースは、例えば、任意の特定の実施態様によって必要な場合に、様々な他のデバイス、コンピュータシステム、及び/又はコンピュータサービスへの及びそれらからのメッセージングを送受信するために使用されてもよい。このインターフェースは、非燃焼性エアロゾル供給システムの操作又は相互作用とは無関係なユーザデバイス40の他の機能に関する通信のためにも、又はその代わりに使用されてもよい。
【0035】
[0039]ユーザデバイス40はまた、出力デバイス50(ディスプレイ、音声出力、及び触覚出力のうちの1つ又は複数を含んでもよい)及び入力デバイス52(ボタン、キー、接触感知表示要素、又はマウス/トラックパッドのうちの1つ又は複数を含んでもよい)を含むユーザインターフェース要素を含む。
【0036】
[0040]ユーザデバイス40は、下記で論じる手法に従って機能を提供するように予めプログラム又は構成されていてもよい。これに加えて又はこれに代えて、ユーザデバイスは、ソフトウェアが実行されたときにプロセッサ又はコントローラ44にそれらの機能を持たせるためのアプリなどのソフトウェアを(例えばメモリ46に)記憶してもよい。したがって、ユーザデバイスは、アプリが実行されたときに、記載された機能を有する多目的デバイスであってもよい。
【0037】
[0041]ユーザデバイスを本明細書に記載する技法に対してプログラム化するためのソフトウェアはまた、命令を含むコンピュータ読取り可能な記憶媒体などのコンピュータ読取り可能な媒体に具現化又はコード化されてもよい。コンピュータ読取り可能な媒体に埋め込まれた又はコード化された命令により、プログラマブルプロセッサ又は他のプロセッサは、例えば、命令が実行されるとき、本方法を実行することができる。コンピュータ読取り可能な媒体には、非一時的なコンピュータ読取り可能な記憶媒体、並びに搬送信号及び伝送媒体などの一時的な通信媒体が含まれてもよい。コンピュータ読取り可能な記憶媒体には、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読取り専用メモリ(ROM:read only memory)、プログラム可能読取り専用メモリ(PROM:programmable read only memory)、消去可能なプログラム可能読取り専用メモリ(EPROM:erasable programmable read only memory)、電子的に消去可能なプログラム可能読取り専用メモリ(EEPROM:electronically erasable programmable read only memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD-ROM、フロッピーディスク、カセット、磁気媒体、光媒体、又は他のコンピュータ読取り可能な記憶媒体が含まれてもよい。「コンピュータ読取り可能な記憶媒体」という用語は、物理的な記憶媒体を指す。一時的な通信媒体は、単一のコンピューティングシステムの構成要素間(例えば、メモリとプロセッサ間の内部リンク又はバス)、又は別個のコンピューティングシステム間(例えば、ネットワーク又は他のコンピューティングデバイス間接続)で生じることがあり、伝送信号又は搬送波などを含んでもよい。
【0038】
[0042]このようなソフトウェアは、コンピュータ読取り可能な媒体からユーザデバイス40に直接ロードされてもよいし、又は、ユーザデバイスを別のコンピューティングデバイス(デスクトップコンピュータ又はラップトップコンピュータなど)に接続し、他のコンピューティングデバイスのソフトウェアを使用してユーザデバイスへのソフトウェアのロードを制御することによって、ユーザデバイスにロードされてもよい。
【0039】
[0043]このように、ユーザデバイスのユーザに非燃焼性エアロゾル供給システムのためのいくつかの付加的な機能を提供するように相互作用することができる非燃焼性エアロゾル供給システムとユーザデバイスとを説明してきた。次に、そのような機能の例を説明する。
【0040】
[0044]
図3は、非燃焼性エアロゾル供給システム10用の低電力モード設定を選択する方法を示すフローチャートである。破線内に示されているのは、本例において実行されるステップであるが、本手法のすべての例でこれらのステップが実施されなくてもよい。
【0041】
[0045]
図3に示すように、ステップS31において、ユーザデバイス40は、非燃焼性エアロゾル供給システム10の現在の電力消費状態に関する情報を受信する。本例では、これは非燃焼性エアロゾル供給システム10から受信されるが、他の例では、ユーザがモードを指示してもよく、又はユーザデバイスが現在のモードを示す値を記憶していてもよい。
【0042】
[0046]この例では、非燃焼性エアロゾル供給システム10は、電力消費の異なるプロファイルに対応する複数の電力消費モードで動作可能である。本例では、これらの異なる電力消費モードは、選択可能なヒーター電力設定に影響を与える。可能な電力消費状態には、ユーザが選択することができる利用可能なヒーター電力設定が「低」ヒーター電力設定に制限される省電力モードが含まれる。すなわち、省電力モードを作動させると、非燃焼性エアロゾル供給システム10は、省電力モード以外の電力消費状態のときに利用可能であるヒーター電力設定へのアクセスを制限するように構成される。このようにして、非燃焼性エアロゾル供給システム10は、デバイスのヒーター電力設定が特定の値より高く設定されないことを確実にすることができる。したがって、ヒーターに送達される電力を抑制することができ、以て、電力を節約し、デバイスのバッテリー寿命を延ばすことができる。加えて、このようにヒーター電力を制限することにより、非燃焼性エアロゾル供給システム10のエアロゾル化可能材料の供給の消耗を遅くすることもでき、以て、供給をより長く持続させることができる。
【0043】
[0047]いくつかの例では、省電力モードは、任意の出力要素30及び/又はプロセッサ/コントローラ22など、非燃焼性エアロゾル供給システム10の他の構成要素への動作電力の送達も、又はその代わりに制限することができる。
【0044】
[0048]ユーザデバイス40と組み合わせて非燃焼性エアロゾル供給システム10によって実施することができる電力消費モードの別の例は、標準モードである。標準モードで動作するとき、より高いヒーター電力設定は、ユーザにヒーター電力、したがって、生成されるエアロゾルの特性に対する最大の制御を与えるように利用可能であってもよい。
【0045】
[0049]次に、ステップS33において、ユーザデバイス40は、非燃焼性エアロゾル供給システム10で省電力モードを作動させることを示す入力を受信する。本例では、このユーザ入力は を介して受信される。
【0046】
[0050]本例では、ユーザは、ユーザデバイス40において好適な制御入力を提供することによって、非燃焼性エアロゾル供給システム10に特定の電力消費モードに入らせるように選択することができる。本例では、ユーザデバイスは、ユーザデバイス40の入力要素52(上記のように、ボタン、キー、接触感知表示要素、又はマウス/トラックパッドのうちの1つ又は複数を含んでもよい)でユーザ入力を受信する。このような入力を容易にするために、ユーザデバイス40の出力デバイス50にユーザに対して提示することができる例示的なユーザインターフェース画面を
図4を参照して以下で説明する。ユーザは、好きなときにいつでも自発的に省電力モードを作動させることができ、及び/又は、非燃焼性エアロゾル供給システム10の残っている電力及び/又はエアロゾル化可能材料資源に関連する情報を使用して省電力モードを作動させるときを決定することができる。
【0047】
[0051]ユーザ入力は、いくつかの可能な形態を採ることができる。本例では、ユーザは省電力モードの作動に対応する入力オプションを選択する。他の例では、ユーザ入力は、ヒーター電力設定に対応する値を含んでもよい。そのような場合、ユーザデバイス40は、ユーザがヒーター電力設定のための所望の値(例えば、電力のワット数又は最大電力に対する割合)を入力することができる入力フィールドを提供することができ、その値又は割合は、ヒーターの最小又は最小に近い動作電力に対応する。これに加えて又はこれに代えて、ユーザ入力は、スライダでの位置の選択を含むことができ、その位置は、ヒーター電力設定の値に対応し、ここでは、その位置又は割合は、ヒーターの最小又は最小に近い動作電力に対応する。与える電力の値をユーザが直接選択することができることによって、ユーザには、デバイスの動作に対する高レベルの制御が与えられ、これによって、生成されるエアロゾルに対して所望の特性を達成するためにデバイスの調節が容易になり得る。例えば、いくつかの実施態様では、省電力モードは、ヒーター電力を、可能な限り最低の動作電力設定に制限させ、又はこれに代えて、ヒーター電力を、低い範囲(例えば、可能な限り最低の動作電力設定を含み、例えば、可能な全電力値範囲の10%又は20%に及ぶ可能な値の連続した範囲)に選択することを可能にする。加えて、ユーザデバイス40は、ユーザの選択を、例えば固定された増分だけ変わる値(範囲は利用可能)に制限することができる。一例では、ユーザデバイス40は、標準モードにおけるユーザの選択を、0.1W刻みで2.0W~6.5Wの間のヒーター電力に対応する値に制限し、次いで、省電力モードにおけるユーザの選択を、2.0W(可能な最低の設定である)、又は2Wから始まり、例えば3.5Wまで及ぶ範囲のいずれかにさらに制限する。
【0048】
[0052]さらに、いくつかの例では、ユーザ入力オプションは、複数のプリセットヒーター電力設定からヒーター電力設定を選択することを含む。プリセット電力設定は、ユーザ自身によって予め設定されて、ユーザデバイス40に記憶されてもよい、又は、例えば、非燃焼性エアロゾル供給システム10の製造者によって設定された共通のプリセット設定であってもよい。この手法により、ヒーター電力設定を粗く調節することができ、ユーザがヒーター電力設定を選択するのを簡単にすることができる。本例では、省電力モードが有効であるときには、プリセットの選択は利用できなくなる。他の例では、省電力モードが有効であるとき、最低電力プリセットのみが選択可能であり、及び/又は、最低電力プリセットが選択されたとき、これも省電力モードを選択したとして扱われる。
【0049】
[0053]したがって、省電力モードでは、可能な電力設定を、通常モードで利用可能とすることができるヒーター設定のサブセットとしてもよい。
【0050】
[0054]上述のように、省電力モードは、ヒーター電力とは異なる1つ又は複数の追加又は代替の電力消費要素を制御してもよい。これらには、ヒーター作動時間(パフ時間)、出力要素電力、及び/又はコントローラ/プロセッサ電力が含まれてもよい。したがって、低電力モードの選択を、低電力モード選択入力オプションに追加された、又はその代わりの入力オプションによって提供することができる場合、非燃焼性エアロゾル供給システムのこれらの他の電力消費要素に対応するさらなる又は代替の入力オプションも提供することができる。
【0051】
[0055]ステップS31でデバイス10の現在の電力消費状態が伝達された場合、ユーザは、現在の電力消費状態に対して利用可能なヒーター電力設定を選択することに制限され得る。1つ又は複数の利用可能なヒーター電力設定は、電力消費状態の目的に基づいて選択され得る。例えば、省電力モードでは、利用可能なヒーター電力設定は、省電力モードで動作しないときに利用可能なヒーター電力設定よりも相対的に低いヒーター電力設定に制限され得る。
【0052】
[0056]
図3に示すように、ステップS35において、ユーザデバイス40は、低電力モードを採用するための命令を非燃焼性エアロゾル供給システム10に送信するように構成される。この送信は、ユーザデバイス40の受信器送信器要素42によって実行されて、非燃焼性エアロゾル供給システム10の送信器/受信器要素26によって受信される。この例では、送信はBLEを介して行われるが、上述の技術などの任意の好適な通信技術が使用されてもよいことが理解されよう。
【0053】
[0057]この例では、低電力モードを採用するための命令を送信するために、ユーザデバイス40は、関連する非燃焼性エアロゾル供給システム構成要素に適用される特定の電力消費限界(複数可)を表す値を、ユーザデバイス40と非燃焼性エアロゾル供給システム10との間のBLE通信を司るBluetoothプロファイル仕様に従って書き込むように構成される。したがって、非燃焼性エアロゾル供給システム10は、命令を解釈したり、省電力モードのための何らかの値を選択したりする必要はない。むしろ、使用されるこれらの特定の値は、後の命令(例えば、省電力モードを解除するユーザの決定、充電又はリセットの場合)によって変更されるまで使用するために、非燃焼性エアロゾル供給システム10に直接提供される。
【0054】
[0058]詳細には、ヒーター電力を制御することを含む省電力モードの例では、ユーザデバイス40は、符号なし整数の形の値を非燃焼性エアロゾル供給システム10に書き込むように構成される。符号なし整数は、デバイス10が対応することができるヒーター電力の下限値及び上限値に対応する特定の範囲の値を採ることができる。デバイス10に書き込まれた値からヒーターに与えられる電力を決定するために、デバイス10はその値を10で割る。したがって、ヒーター電力を2.0Wに設定すべきであるという指示を送信するために、ユーザデバイス40は、BLEインターフェースを介してデバイス10に20の値を書き込む。したがって、省電力モードで要求される特定のヒーター電力は、この手法を使用して直接書き込まれる。
【0055】
[0059]省電力モードが、非燃焼性エアロゾル供給システム10の他の電力消費構成要素又は要素の電力を制御することを含む例では、同様の手法を使用して、省電力モードパフ時間値、省電力モード出力要素電力レベル、及び/又はプロセッサ/コントローラ電力レベル/モード値を非燃焼性エアロゾル供給システム10に書き込むことができる。
【0056】
[0060]これらの例は、必要な省電力モード電力設定をユーザデバイスに送信することができる方法の例示的な一例に過ぎず、ヒーター電力設定のための他の通信モード及び符号化方式を使用してもよいことが理解されよう。
【0057】
[0061]別の例では、特定の省電力モード制御値を非燃焼性エアロゾル供給システム10に書き込むのではなく、代わりに、ユーザデバイス40は、省電力モードを作動させるためにあまり具体的でない命令を非燃焼性エアロゾル供給システム10に送ってもよい。そのような手法では、非燃焼性エアロゾル供給システム10は、その場合、ローカルパラメータに従って省電力モードを採用するようにこの命令を解釈する。これは、非燃焼性エアロゾル供給システム10が、非燃焼性エアロゾル供給システム10の関連する電力消費構成要素の電力消費変数に対する電力値をすでに記憶していることを含むことができる。代替案では、非燃焼性エアロゾル供給システム10は、プロセッサ/コントローラ22が、どの電力消費要素(複数可)が特定の電力制御設定を必要とするかを決定し、その設定のための適切な値を確立することができる省電力モードのプログラムを含んでもよい。
【0058】
[0062]非燃焼性エアロゾル供給システム10で省電力モード電力設定値が設定されると、非燃焼性エアロゾル供給システムは、次いで、指示された電力設定に従って動作する。したがって、ヒーターの電力設定の場合、非燃焼性エアロゾル供給システム10は、パワー源(バッテリー18又は発熱パワー源など)からヒーター(例えば、ヒーターコイル20)に電力を供給することを許可する。このようにヒーターに供給される電力を調節することによって、エアロゾル化可能材料が加熱される温度を調節することができ、以て、非燃焼性エアロゾル供給システム10によって生成されるエアロゾルの特性を調節することができる。このようにして、デバイスによって生成されるエアロゾルの雲の大きさ/強度を制御して、電源及び/又はエアロゾル化可能材料資源の寿命を最大化することができる。
【0059】
[0063]省電力モードで低電力動作に制御される他の電力消費構成要素の例でも同様に又はその代わりに、非燃焼性エアロゾル供給システム10は、同様に、ステップS35で非燃焼性エアロゾル供給システム10に書き込まれたような指示された設定を使用して、そのような要素に利用可能な電力を制御する。例えば、出力要素に対する低電力設定では、LED表示灯が点灯される明るさを低電力オプションに制限することができ、又はLED表示灯を全く作動させないようにすることもできる。
【0060】
[0064]ユーザがヒーターの目標温度を指定する手法とは対照的に、ヒーターに供給される電力を制御することによって、デバイス10の製造及びヒーターの制御を簡素化することができる。電源(例えば、バッテリー18)によって供給される電力は、製造及び制御が比較的容易な電源回路を用いて制御することができるので、非燃焼性エアロゾル供給システム10を製造するプロセス、及びヒーター電力設定を制御するプロセスは、ヒーターの温度を制御しようとする手法よりも効率的にすることができる。このような温度に基づく手法は、温度検知要素(サーミスタなど)及びフィードバック制御、及び/又は非常に綿密な較正を必要とする可能性が高くなる。
【0061】
[0065]このような入力を促す及び/又は受け取るために、ユーザデバイス40の出力デバイス50によってユーザに提供することができるユーザインターフェース画面の例を
図4に示す。
【0062】
[0066]図示のように、ユーザインターフェース画面60は、特定の電力モード(これは電力消費状態に対応し得る)を採用するために選択することができるいくつかの電力モードインジケータ62を備える。本例では、モード1に対するインジケータ62aは、すべての電力レベルが利用可能な通常モードに対応し、モード2に対するインジケータ62bは、上記で論じたように動作することができる省電力モードに対応する。したがって、本例では、インジケータ62bを介してモード2を選択することによって省電力モードが起動される。
【0063】
[0067]ユーザインターフェース画面60はまた、特定の電力レベルプリセットを採用するために選択可能ないくつかの現在インジケータ64を備える。本例では、プリセットAのインジケータ64aは低電力レベルに対応し、プリセットBのインジケータ64bは中電力レベルに対応し、プリセットCのインジケータ64cは高電力レベルに対応する。本例では、モード1(通常モード)が選択されているとき、これらのプリセットモードのすべてが選択可能であるが、モード2(低電力モード)が選択されているとき、低電力プリセットAのみ、又は低電力プリセットA及び中電力プリセットBが選択可能である。
【0064】
[0068]ユーザインターフェース画面60はまた、電力選択スライダ66を備え、スライダ66は、スライダ66に沿って動かして電力を変化させるために選択可能な電力選択制御要素68を含む。本例では、モード1(通常モード)が選択されたとき、スライダ66の全範囲が電力選択制御要素68を使用して選択可能であり、モード2(低電力モード)が選択されたとき、最低電力設定、又は低電力端の近くの制限された範囲のみが電力選択制御要素68を使用して選択可能である。
【0065】
[0069]他の例では、代替のユーザインターフェース手法が使用されてもよい。より大きい又は小さい範囲のインジケータ及び/又はセレクタが設けられてもよく、並びに/或いは、ユーザインターフェース要素が複数のユーザインターフェース画面にわたって分割されてもよい。いくつかの例では、プリセットインジケータ又はスライダのいずれかが提供されてもよいが、両方とも提供されなくてもよい。いくつかの例では、通常(標準)モードと省電力モードとを選択するオプションのみで、したがって、プリセット又は電力スライダのオプションがなくてもよい。
【0066】
[0070]したがって、非燃焼性エアロゾル供給システム10に結合されたユーザデバイス40のユーザによって非燃焼性エアロゾル供給システム10を省電力モードに制御し、以て、ユーザが非燃焼性エアロゾル供給システム10の電源及び/又はエアロゾル化可能材料の貯蔵量の寿命を効果的に延ばすことを可能にする、効率的で効果的な手法を説明してきた。
【0067】
[0071]本願では、「~ように構成された」という言葉は、装置の要素が、定められた動作を実行することができる構成を有することを意味するために使用される。この文脈において、「構成」とは、ハードウェア又はソフトウェアの相互接続の構成又は方式を意味する。例えば、装置は、定められた動作を提供する専用のハードウェアを有してもよく、又は、プロセッサ若しくは他の処理デバイスが機能を実行するようにプログラムされてもよい。「~ように構成された」は、定められた動作を提供するために、装置要素が何らかの変更をする必要があることを意味しない。
【0068】
[0072]本明細書に記載する様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を助けるためだけに提示されている。これらの実施形態は、実施形態のうちの単なる代表的な例として提供されており、すべての実施形態を網羅したものでもなければ、他の実施形態を排除するものでもない。本明細書に記載する利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本発明の範囲を限定するもの、又は特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることは理解されよう。本発明の様々な実施形態は、本明細書に詳細に記載するもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの適切な組み合わせを好適に備えてもよく、それらから構成されてもよく、又は実質的にそれらから構成されてもよい。加えて、本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性のある他の発明を含む可能性がある。