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特許7649894図形データ作成装置、図形データ作成方法、及び図形データ作成プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】図形データ作成装置、図形データ作成方法、及び図形データ作成プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/12 20200101AFI20250313BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20250313BHJP
【FI】
G06F30/12
G06F30/10 100
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024029530
(22)【出願日】2024-02-29
【審査請求日】2024-10-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】庄司 七海
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 睦由
(72)【発明者】
【氏名】石田 将隆
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-022421(JP,A)
【文献】特開平06-348788(JP,A)
【文献】特開昭62-260269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
図形データ作成プログラムを記憶する非一時的記憶媒体と、
中央処理装置と、
表示部と、
を備え、
前記中央処理装置は、前記図形データ作成プログラムを実行することにより、
前記中央処理装置によって読み込まれ、前記表示部に表示されている、任意の物体の図面画像に描画されている矢印を検出し、
前記図面画像に描画されている線を検出し、
検出された前記矢印及び前記線に基づいて抽出された、前記図面画像に描画されている前記物体の複数の箇所における各箇所の寸法を示すための寸法線に対応して数字で表されている寸法情報を検出し、
前記複数の箇所におけるいずれかの箇所の寸法線が複数の他の箇所の寸法線と異なる縮尺で描画されているか、前記いずれかの箇所の寸法線に対応して数字以外の記号が表記されているとき、前記いずれかの箇所は非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所であって、前記図面画像は前記非比例寸法箇所を含む非比例寸法図面であると判定し、
前記各箇所の寸法線に対応して、前記各箇所の寸法線と同じ範囲を示す矢印線よりなる付加的寸法線を生成し、
前記各箇所の付加的寸法線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示し、
前記非比例寸法箇所を前記複数の他の箇所と同じ縮尺で描画するため、前記非比例寸法箇所を拡大または縮小する差分寸法を求め、
前記各箇所の付加的寸法線の矢印の先端を通る、前記各箇所の付加的寸法線に対して垂直な線をガイド線として生成し、
前記ガイド線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示し、
複数の前記ガイド線のうち、前記図面画像における前記物体の端部を通る前記ガイド線を選択することにより、前記物体の外形を作図し、
前記図面画像における前記物体の外形の前記非比例寸法箇所を前記差分寸法だけ拡大または縮小した図面データを生成する
図形データ作成装置。
【請求項2】
前記中央処理装置は、前記図形データ作成プログラムを実行することにより、
前記各箇所の寸法線の画素数と、前記各箇所の寸法線に対応して表記されている寸法情報とに基づいて、前記非比例寸法箇所が存在することを判定する
請求項1に記載の図形データ作成装置。
【請求項3】
前記中央処理装置は、前記図形データ作成プログラムを実行することにより、
前記非比例寸法箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の色と、前記非比例寸法箇所以外の比例寸法で描画されている前記複数の他の箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の色とを異ならせる
請求項1または2に記載の図形データ作成装置。
【請求項4】
前記中央処理装置は、前記図形データ作成プログラムを実行することにより、
前記複数の他の箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の近傍に、検出された寸法情報である数字を表示し、
前記非比例寸法箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の近傍に、寸法としての数字を入力する入力欄を表示し、
前記入力欄に寸法としての数字が入力されると、前記差分寸法として、入力された数字に対応する差分寸法を求める
請求項1または2に記載の図形データ作成装置。
【請求項5】
コンピュータ機器が、
任意の物体の図面画像を読み込んで表示部に表示し、
前記図面画像に描画されている矢印を検出し、
前記図面画像に描画されている線を検出し、
検出された前記矢印及び前記線に基づいて抽出された、前記図面画像に描画されている前記物体の複数の箇所における各箇所の寸法を示すための寸法線に対応して数字で表されている寸法情報を検出し、
前記複数の箇所におけるいずれかの箇所の寸法線が複数の他の箇所の寸法線と異なる縮尺で描画されているか、前記いずれかの箇所の寸法線に対応して数字以外の記号が表記されているとき、前記いずれかの箇所は非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所であって、前記図面画像は前記非比例寸法箇所を含む非比例寸法図面であると判定し、
前記各箇所の寸法線に対応して、前記各箇所の寸法線と同じ範囲を示す矢印線よりなる付加的寸法線を生成し、
前記各箇所の付加的寸法線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示し、
前記非比例寸法で描画されている前記非比例寸法箇所を前記複数の他の箇所と同じ縮尺で描画するため、前記非比例寸法箇所を拡大または縮小する差分寸法を求め、
前記各箇所の付加的寸法線の矢印の先端を通る、前記各箇所の付加的寸法線に対して垂直な線をガイド線として生成し、
前記ガイド線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示し、
複数の前記ガイド線のうち、前記図面画像における前記物体の端部を通る前記ガイド線を選択することにより、前記物体の外形を作図し、
前記図面画像における前記物体の外形の前記非比例寸法箇所を前記差分寸法だけ拡大または縮小した図面データを生成する
図形データ作成方法。
【請求項6】
前記コンピュータ機器が、
前記各箇所の寸法線の画素数と、前記各箇所の寸法線に対応して表記されている寸法情報とに基づいて、前記非比例寸法箇所が存在することを判定する
請求項5に記載の図形データ作成方法。
【請求項7】
前記コンピュータ機器が、
前記非比例寸法箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の色と、前記非比例寸法箇所以外の比例寸法で描画されている前記複数の他の箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の色とを異ならせる
請求項5または6に記載の図形データ作成方法。
【請求項8】
前記コンピュータ機器が、
前記複数の他の箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の近傍に、検出された寸法情報である数字を表示し、
前記非比例寸法箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の近傍に、寸法としての数字を入力する入力欄を表示し、
前記入力欄に寸法としての数字が入力されると、前記差分寸法として入力された数字に対応する差分寸法を求める
請求項5または6に記載の図形データ作成方法。
【請求項9】
コンピュータ機器に、
任意の物体の図面画像を読み込んで表示部に表示するステップと、
前記図面画像に描画されている矢印を検出するステップと、
前記図面画像に描画されている線を検出するステップと、
検出された前記矢印及び前記線に基づいて抽出された、前記図面画像に描画されている前記物体の複数の箇所における各箇所の寸法を示すための寸法線に対応して数字で表されている寸法情報を検出するステップと、
前記複数の箇所におけるいずれかの箇所の寸法線が複数の他の箇所の寸法線と異なる縮尺で描画されているか、前記いずれかの箇所の寸法線に対応して数字以外の記号が表記されているとき、前記いずれかの箇所は非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所であって、前記図面画像は前記非比例寸法箇所を含む非比例寸法図面であると判定するステップと、
前記各箇所の寸法線に対応して、前記各箇所の寸法線と同じ範囲を示す矢印線よりなる付加的寸法線を生成するステップと、
前記各箇所の付加的寸法線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示するステップと、
前記非比例寸法で描画されている前記非比例寸法箇所を前記複数の他の箇所と同じ縮尺で描画するため、前記非比例寸法箇所を拡大または縮小する差分寸法を求めるステップと、
前記各箇所の付加的寸法線の矢印の先端を通る、前記各箇所の付加的寸法線に対して垂直な線をガイド線として生成するステップと、
前記ガイド線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示するステップと、
複数の前記ガイド線のうち、前記図面画像における前記物体の端部を通る前記ガイド線を選択することにより、前記物体の外形を作図するステップと、
前記図面画像における前記物体の外形の前記非比例寸法箇所を前記差分寸法だけ拡大または縮小した図面データを生成するステップと、
を実行させる図形データ作成プログラム。
【請求項10】
前記コンピュータ機器に、
前記各箇所の寸法線の画素数と、前記各箇所の寸法線に対応して表記されている寸法情報とに基づいて、前記非比例寸法箇所が存在することを判定するステップを実行させる
請求項9に記載の図形データ作成プログラム。
【請求項11】
前記コンピュータ機器に実行させる前記付加的寸法線を生成するステップとして、
前記非比例寸法箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の色と、前記非比例寸法箇所以外の比例寸法で描画されている前記複数の他の箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の色とを異ならせる
請求項9または10に記載の図形データ作成プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータ機器に、
前記複数の他の箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の近傍に、検出された寸法情報である数字を表示するステップと、
前記非比例寸法箇所の寸法線に対応して表示する付加的寸法線の近傍に、寸法としての数字を入力する入力欄を表示するステップと、
前記入力欄に寸法としての数字が入力されると、前記差分寸法として入力された数字に対応する差分寸法を求めるステップと、
を実行させる請求項9または10に記載の図形データ作成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図形データ作成装置、図形データ作成方法、及び図形データ作成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、部品が描かれたラスタデータで形成された図面画像に基づいてベクトルデータよりなる図面データを作成する図形データ作成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2023/120432号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図面画像には、部品等の物体の一部の箇所に破断線が入れられていて物体の実際の形状とは異なる形状で描かれている省略図面がある。また、図面画像には、物体の寸法の少なくとも一部が寸法を示す数値ではなく、アルファベット等の記号を用いた変数で表示されていて、物体の実際の形状とは異なる形状で描かれているパラメトリック図面がある。このような物体が実際の形状とは異なる形状で描かれている図面を非比例寸法図面と称することとする。
【0005】
特許文献1に記載されている図形データ作成装置では、非比例寸法図面に基づいて図面データを作成することができない。非比例寸法図面に基づいて図面データを作成することができる図形データ作成装置、図形データ作成方法、及び図形データ作成プログラムの登場が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1またはそれ以上の実施形態の第1の態様は、図形データ作成プログラムを記憶する非一時的記憶媒体と、中央処理装置と、表示部とを備え、前記中央処理装置は、前記図形データ作成プログラムを実行することにより、前記中央処理装置によって読み込まれ、前記表示部に表示されている、任意の物体の図面画像に描画されている矢印を検出し、前記図面画像に描画されている線を検出し、検出された前記矢印及び前記線に基づいて抽出された、前記図面画像に描画されている前記物体の複数の箇所における各箇所の寸法を示すための寸法線に対応して数字で表されている寸法情報を検出し、前記複数の箇所におけるいずれかの箇所の寸法線が複数の他の箇所の寸法線と異なる縮尺で描画されているか、前記いずれかの箇所の寸法線に対応して数字以外の記号が表記されているとき、前記いずれかの箇所は非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所であって、前記図面画像は前記非比例寸法箇所を含む非比例寸法図面であると判定し、前記各箇所の寸法線に対応して、前記各箇所の寸法線と同じ範囲を示す矢印線よりなる付加的寸法線を生成し、前記各箇所の付加的寸法線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示し、前記非比例寸法箇所を前記複数の他の箇所と同じ縮尺で描画するため、前記非比例寸法箇所を拡大または縮小する差分寸法を求め、前記各箇所の付加的寸法線の矢印の先端を通る、前記各箇所の付加的寸法線に対して垂直な線をガイド線として生成し、前記ガイド線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示し、複数の前記ガイド線のうち、前記図面画像における前記物体の端部を通る前記ガイド線を選択することにより、前記物体の外形を作図し、前記図面画像における前記物体の外形の前記非比例寸法箇所を前記差分寸法だけ拡大または縮小した図面データを生成する図形データ作成装置を提供する。
【0007】
1またはそれ以上の実施形態の第2の態様は、コンピュータ機器が、任意の物体の図面画像を読み込んで表示部に表示し、前記図面画像に描画されている矢印を検出し、前記図面画像に描画されている線を検出し、検出された前記矢印及び前記線に基づいて抽出された、前記図面画像に描画されている前記物体の複数の箇所における各箇所の寸法を示すための寸法線に対応して数字で表されている寸法情報を検出し、前記複数の箇所におけるいずれかの箇所の寸法線が複数の他の箇所の寸法線と異なる縮尺で描画されているか、前記いずれかの箇所の寸法線に対応して数字以外の記号が表記されているとき、前記いずれかの箇所は非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所であって、前記図面画像は前記非比例寸法箇所を含む非比例寸法図面であると判定し、前記各箇所の寸法線に対応して、前記各箇所の寸法線と同じ範囲を示す矢印線よりなる付加的寸法線を生成し、前記各箇所の付加的寸法線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示し、前記非比例寸法で描画されている前記非比例寸法箇所を前記複数の他の箇所と同じ縮尺で描画するため、前記非比例寸法箇所を拡大または縮小する差分寸法を求め、前記各箇所の付加的寸法線の矢印の先端を通る、前記各箇所の付加的寸法線に対して垂直な線をガイド線として生成し、前記ガイド線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示し、複数の前記ガイド線のうち、前記図面画像における前記物体の端部を通る前記ガイド線を選択することにより、前記物体の外形を作図し、前記図面画像における前記物体の外形の前記非比例寸法箇所を前記差分寸法だけ拡大または縮小した図面データを生成する図形データ作成方法を提供する。
【0008】
1またはそれ以上の実施形態の第3の態様は、コンピュータ機器に、任意の物体の図面画像を読み込んで表示部に表示するステップと、前記図面画像に描画されている矢印を検出するステップと、前記図面画像に描画されている線を検出するステップと、検出された前記矢印及び前記線に基づいて抽出された、前記図面画像に描画されている前記物体の複数の箇所における各箇所の寸法を示すための寸法線に対応して数字で表されている寸法情報を検出するステップと、前記複数の箇所におけるいずれかの箇所の寸法線が複数の他の箇所の寸法線と異なる縮尺で描画されているか、前記いずれかの箇所の寸法線に対応して数字以外の記号が表記されているとき、前記いずれかの箇所は非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所であって、前記図面画像は前記非比例寸法箇所を含む非比例寸法図面であると判定するステップと、前記各箇所の寸法線に対応して、前記各箇所の寸法線と同じ範囲を示す矢印線よりなる付加的寸法線を生成するステップと、前記各箇所の付加的寸法線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示するステップと、前記非比例寸法で描画されている前記非比例寸法箇所を前記複数の他の箇所と同じ縮尺で描画するため、前記非比例寸法箇所を拡大または縮小する差分寸法を求めるステップと、前記各箇所の付加的寸法線の矢印の先端を通る、前記各箇所の付加的寸法線に対して垂直な線をガイド線として生成するステップと、前記ガイド線を前記表示部に表示されている前記図面画像上に表示するステップと、複数の前記ガイド線のうち、前記図面画像における前記物体の端部を通る前記ガイド線を選択することにより、前記物体の外形を作図するステップと、前記図面画像における前記物体の外形の前記非比例寸法箇所を前記差分寸法だけ拡大または縮小した図面データを生成するステップとを実行させる図形データ作成プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置、図形データ作成方法、及び図形データ作成プログラムによれば、非比例寸法図面に基づいて図面データを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置を示すブロック図である。
図2図2は、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成プログラムを概念的に示すブロック図である。
図3図3は、コンピュータ機器の中央処理装置が1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成プログラムを実行することによって実現される、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置の機能的な構成例を示すブロック図である。
図4図4は、部品の正面図、上面図、及び側面図を含む図面画像の第1の例である、部品の一部の箇所に破断線が入れられている非比例寸法図面を示す図である。
図5図5は、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置における作図支援装置が図4に示す非比例寸法図面を読み込んで、図面画像上に付加的寸法線を表示した状態を示す図である。
図6図6は、図5に示す図面画像上の非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所の付加的寸法線の近傍に設けられている入力欄に寸法としての数字を入力し、非比例寸法であることを示すチェックボックスにチェックした状態を示す図である。
図7図7は、図6に示す図面画像上で、正面図指示コマンドを使用して正面図を矩形の領域で囲い、投影図指示コマンドを使用して立体空間上の同じエッジとなる部分を選択した状態を示す図である。
図8図8は、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置における作図支援装置から図形編集装置へと転送される、ガイド線を含む第1の例の図面画像を示す図である。
図9図9は、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置における図形編集装置が図8に示す図面画像に基づいて部品の正面図及び上面図の外形を作図した状態を示す図である。
図10図10は、図9に示す図面画像上で拡大する箇所を矩形の領域で囲んだ状態を示す図である。
図11図11は、図10における矩形の領域を拡大した状態を示す図である。
図12図12は、図11に示す図面画像上で拡大する箇所を矩形の領域で囲んだ状態を示す図である。
図13図13は、図12における矩形の領域を拡大した状態を示す図である。
図14図14は、図13に示す正面図と上面図とを面合成して部品の展開図を作成した状態を示す図である。
図15図15は、部品の正面図、上面図、及び側面図を含む図面画像の第2の例である、部品の寸法の一部が数値以外の記号で表記されている非比例寸法図面を示す図である。
図16図16は、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置における作図支援装置が図15に示す非比例寸法図面を読み込んで、図面画像上に付加的寸法線を表示した状態を示す図である。
図17図17は、図16に示す図面画像上の非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所の付加的寸法線の近傍に設けられている入力欄に寸法としての数字を入力し、非比例寸法であることを示すチェックボックスにチェックした状態を示す図である。
図18図18は、図17に示す図面画像上で、正面図指示コマンドを使用して正面図を矩形の領域で囲い、投影図指示コマンドを使用して立体空間上の同じエッジとなる部分を選択した状態を示す図である。
図19図19は、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置における作図支援装置から図形編集装置へと転送される、ガイド線を含む第2の例の図面画像を示す図である。
図20図20は、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置における図形編集装置が図19に示す図面画像に基づいて部品の正面図及び上面図の外形を作図した状態を示す図である。
図21図21は、図20に示す図面画像上で拡大する箇所を矩形の領域で囲んだ状態を示す図である。
図22図22は、図21における矩形の領域を拡大した状態を示す図である。
図23図23は、図22に示す正面図と上面図とを面合成して部品の展開図を作成した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置、図形データ作成方法、及び図形データ作成プログラムについて、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
図1に示すように、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成装置100は、中央処理装置1、非一時的記憶媒体2、操作部3、表示部4を備える。非一時的記憶媒体2には、1またはそれ以上の実施形態に係る図形データ作成プログラム20が記憶されている。図形データ作成装置100は、コンピュータ機器で構成することができる。中央処理装置1は、図形データ作成プログラム20を実行する。中央処理装置1が図形データ作成プログラム20を実行する際に、図示していない作業用メモリが使用されることがある。
【0013】
図2に示すように、図形データ作成プログラム20は、AI作図支援プログラム201と図形編集プログラム202とを含み、両者が連携して後述する図形データを作成するように構成されている。AIは人工知能である。図3に示すように、中央処理装置1が図形データ作成プログラム20を実行すると、中央処理装置1は、作図支援装置101及び図形編集装置102として機能する。中央処理装置1がAI作図支援プログラム201を実行することにより作図支援装置101が仮想的に構成され、中央処理装置1が図形編集プログラム202を実行することにより図形編集装置102が仮想的に構成される。即ち、図3は、図形データ作成装置100の機能的な構成例を示している。作図支援装置101と図形編集装置102とは互いに連携する。
【0014】
作図支援装置101は、矢印検出部11、線検出部12、寸法情報検出部13、記号検出部14、寸法線生成部15、非比例寸法判定部16、差分寸法計算部17、ガイド線生成部18、編集部19を備える。図形編集装置102は、作図部21、図形変形部22、面合成部23、図形データ生成部24、編集部25を備える。
【0015】
まず、図形データ作成装置100が、非比例寸法図面の第1の例である図4に示す図面番号がABC0001である図面画像50に基づいて図形データを作成する場合の動作を説明する。図面画像50は、部品30の正面図31、上面図32、側面図33を含む。図面画像50の図形データは、PDFファイル、PNGファイル、JPEGファイル等のラスタデータで形成された任意の図形データでよい。図面画像50は、正面図31に2か所の破断線44a及び44bが入れられ、上面図32に2か所の破断線44c及び44dが入れられている省略図面である。よって、部品30は、部品30の実際の形状と相似していない形状で描かれている。部品30はフランジ30a及び30bを有し、フランジ30aは4つの丸穴34a~34dを有する。
【0016】
正面図31において、丸穴34a~34dの中心から垂直方向に寸法補助線41a~41dが引かれており、部品30の右下角から垂直方向に寸法補助線41eが引かれている。部品30の右下角から水平方向に寸法補助線41fが引かれており、丸穴34a~34dの中心を結ぶ中心線43の右方向に延長して寸法補助線41gが引かれている。「4×φ5」なる表記は、部品30が直径5mmの丸穴を4つ有していることを示している。
【0017】
上面図32において、部品30の左下角及び右下角から垂直方向に寸法補助線41h及び41iが引かれている。寸法補助線41a及び41b間、41b及び41c間、41c及び41d間、41d及び41e間、41f及び41g間、41h及び41i間には、それぞれ、両矢印線よりなる寸法線42a~42d、42f、42hが引かれている。「2×R5」なる表記は、部品30が半径5mmのコーナRを2つ有していることを示している。
【0018】
側面図33において、フランジ30aの下端及び上端から水平方向に寸法補助線41j及び41kが引かれており、フランジ30bの左端及び右端から垂直方向に寸法補助線41m及び41nが引かれている。フランジ30aの下端近傍から垂直方向に、フランジ30a(部品30)の板厚を示すための寸法補助線41o及び41pが引かれている。寸法補助線41j及び41k間には、両矢印線よりなる寸法線42jが引かれている。寸法補助線41m及び41n間には、両矢印線よりなる寸法線42mが引かれている。寸法補助線41o及び41p間には、外側から内向きの両矢印線よりなる寸法線42oが引かれている。
【0019】
寸法線42a~42d、42f、42h、42j、42m、42oの近傍には、寸法を示す数字が表記されている。寸法補助線41b及び41c間の寸法線42bの近傍には寸法情報として100と表記されており、丸穴34b及び34c間は100mmである。寸法補助線41a及び41b間、41c及び41d間の寸法線42a及び42cの近傍には寸法情報として250と表記されており、丸穴34a及び34b間、34c及び34d間は250mmである。
【0020】
しかしながら、丸穴34a及び34b間、34c及び34d間には破断線44a及び44bが入れられている。従って、丸穴34a及び34b間、34c及び34d間の図面上の寸法は、丸穴34b及び34c間の図面上の寸法に対して2.5倍で描かれていない。丸穴34a及び34b間、34c及び34d間の図面上の寸法は、丸穴34b及び34c間の図面上の寸法に対して比例していない。従って、丸穴34a及び34b間、34c及び34d間の各箇所は非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所であり、正面図31及び上面図32は非比例寸法図面である。
【0021】
図形データ作成プログラム20を実行する中央処理装置1(作図支援装置101)は、図4に示す図面画像50を読み込むと、以下のようなステップを実行する。矢印検出部11は図面画像50内の矢印とその方向を検出する。線検出部12は図面画像50内の線を検出する。寸法情報検出部13は図面画像50に数字で表記されている寸法情報を検出する。寸法情報検出部13は、少なくとも、検出された矢印及び線に基づいて抽出された、図面画像50に描画されている部品30の複数の箇所における各箇所の寸法を示すための寸法線に対応して表記されている数字で表されている寸法情報を検出すればよい。
【0022】
記号検出部14は図面画像50内の記号を検出する。図4において、丸穴34a~34dは記号ではないが、記号検出部14は丸穴34a~34dを記号として検出する。記号検出部14は、「4×φ5」なる表記における「φ」も記号として検出する。
【0023】
特許文献1に記載されているように、矢印検出部11、寸法情報検出部13、記号検出部14は、それぞれ、予め与えられた矢印用、寸法情報用、記号用の教師データに基づいて矢印、寸法情報、記号を学習している。よって、矢印検出部11、寸法情報検出部13、記号検出部14は、それぞれ、矢印、寸法情報、記号を正確に検出することができる。
【0024】
編集部19は、読み込んだ図面画像50を表示部4に表示する。図5は、表示部4に表示されている図面画像50を示している。寸法線生成部15は、寸法補助線41a~41k、41m~41pに基づいて、付加的寸法線420a~420d、420f、420h、420j、420mを生成する。付加的寸法線420a~420d、420f、420h、420j、420mは、それぞれ、描画されている寸法線42a~42d、42f、42h、42j、42mと同じ範囲を示す矢印線である。編集部19は、寸法線42a~42d、42f、42j、42mの近傍に付加的寸法線420a~420d、420h、420j、420mを表示する。
【0025】
非比例寸法判定部16は、寸法線42a~42d、42f、42h、42j、42mの長さ方向(水平方向または垂直方向)の画素数と、寸法情報検出部13が検出した寸法線42a~42d、42f、42h、42j、42mの近傍に表記されている寸法情報とを比較する。非比例寸法判定部16は、寸法線42a及び42cがその近傍に表記されている250mmに対応する長さではなく、寸法線42hがその近傍に表記されている700mmに対応する長さではなく、寸法線42b及び42dの長さと比例しない非比例寸法であると判定する。
【0026】
非比例寸法判定部16は、部品30の複数の箇所におけるいずれかの箇所の寸法線が複数の他の箇所の寸法線と異なる縮尺で描画されているとき、そのいずれかの箇所は非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所であって、図面画像50は非比例寸法箇所を含む非比例寸法図面であると判定すればよい。非比例寸法判定部16は、各箇所の寸法線の画素数と、各箇所の寸法線に対応して表記されている寸法情報とに基づいて、非比例寸法箇所が存在するか否かを判定することができる。この非比例寸法箇所が存在するか否かの判定方法によれば、破断線44a、44b、44c、44dが存在するか否かを判定する必要がなく、非比例寸法箇所を的確に検出することができる。
【0027】
編集部19は、非比例寸法箇所に付加した付加的寸法線420a、420c、420hを例えば赤色で、比例寸法箇所に付加した付加的寸法線420b、420d、420f、420j、420mを例えば緑色で表示する。破線の両矢印線は赤色であることを示し、実線の両矢印線は緑色であることを示す。実際には、赤色の両矢印線は実線でよい。非比例寸法箇所に付加した付加的寸法線の色と、非比例寸法箇所以外の比例寸法箇所に付加した付加的寸法線の色とを異ならせることにより、操作者は非比例寸法箇所を即座に認識することができる。
【0028】
ここでは、図面画像50は部品30を実寸で表示していないことを前提としているが、部品30が実寸で表示されていてもよい。
【0029】
図示を省略しているが、表示部4に図5に示す図面画像50が表示されている状態で、操作者は、操作部3を操作して部品30の板厚である1mmを入力する。加えて、図示を省略しているが、操作者は、寸法線42oの近傍に設定されている寸法としての数字を入力するための入力欄に板厚が1mmであることを示す1を入力する。
【0030】
編集部19は、付加的寸法線420b、420d、420f、420j、420mの近傍にそれぞれの寸法情報である100、50、15、40、15を表示する。編集部19は、付加的寸法線420a、420c、420hの近傍に入力欄を設定し、入力欄に初期値として0を表示する。操作者は、操作部3によって、付加的寸法線420a、420c、420hの近傍に0と表示されている入力欄に他の数値を入力する操作を実行することができる。図6に示すように、操作者は、付加的寸法線420a及び420cの近傍の入力欄に250、付加的寸法線420hの近傍の入力欄に700を入力する。
【0031】
すると、差分寸法計算部17は、丸穴34a及び34b間、丸穴34c及び34d間の寸法を250mmに相当する寸法とするのに必要な差分寸法を計算する。差分寸法とは、非比例寸法で描画されている非比例寸法箇所を比例寸法箇所である複数の他の箇所と同じ縮尺で描画するため、非比例寸法箇所を拡大または縮小する寸法である。ここでは、差分寸法計算部17は差分寸法を200mmと計算する。差分寸法が200mmであるということは、丸穴34a及び34b間、丸穴34c及び34d間を200mmに相当する寸法だけ伸ばせば、丸穴34a及び34b間、丸穴34c及び34d間の寸法が250mmに相当する寸法となるということである。
【0032】
差分寸法計算部17は、入力欄に寸法としての数字が入力されると、入力された数字に対応する差分寸法を求める。差分寸法計算部17は入力欄に数字が入力されるのに応答して差分寸法を求めるので、操作者は入力欄に寸法としての数字を入力する以外の操作を行う必要がない。編集部19は、付加的寸法線420a及び420cの近傍の入力欄に表示されている数値250に差分寸法が200mmであることを示す(diff.=200)を追記する。
【0033】
また、差分寸法計算部17は、寸法補助線41h及び41i間の寸法、即ち、部品30の左右方向の寸法を700mmに相当する寸法とするのに必要な差分寸法を計算する。ここでは、差分寸法計算部17は差分寸法を400mmと計算する。差分寸法が400mmであるということは、部品30の左右方向の寸法を400mmに相当する寸法だけ伸ばせば、部品30の左右方向寸法が700mmに相当する寸法となるということである。編集部19は、付加的寸法線420hの近傍の入力欄に表示されている数値700に差分寸法が400mmであることを示す(diff.=400)を追記する。
【0034】
加えて、編集部19は、付加的寸法線420a、420c、420hの例えば下方に、非比例寸法であることを示すチェックボックス421a、421c、421hを表示する。操作者が操作部3を操作してチェックボックス421a、421c、421hにチェックを付けると、編集部19は、操作者が入力した250及び700それぞれに対応する差分寸法200及び400を表示する。編集部19は、チェックボックス421a、421c、421hにチェックが付けられると、付加的寸法線420a、420c、420hを赤色から緑色に変更する。
【0035】
図6ではチェックが付けられたチェックボックス421a、421c、421hを同時に示しているが、編集部19は、チェックが付けられたらチェックボックス421a、421c、421hを消去する。
【0036】
図7に示すように、操作者は、正面図指示コマンドを使用して、正面図31を矩形の領域461で囲う。正面図31を領域461で囲うと、編集部19は、ガイド線生成部18が生成する点線で示すガイド線450a~450kを表示する。実際には、ガイド線450a~450kは実線でよい。ガイド線450a~450kは、付加的寸法線420a~420d、420f、420h、420j、420mの矢印の先端を通る、付加的寸法線420a~420d、420f、420h、420j、420mに対して垂直な線である。
【0037】
操作者が正面図指示コマンドを使用して正面図31を矩形の領域461で囲んだ時点では、上面図32における下方側及び上方側の端部を通るガイド線450m及び450nは表示されていない。これは、上面図32に、下方側の端部と上方側の端部との間の寸法を示す寸法線がなく、付加的寸法線が表示されていないからである。
【0038】
そこで、操作者は、続けて次のように操作する。操作者は、投影図指示コマンドを使用して、水平線及び垂直線を連結したL字状の選択線462で投影箇所を選択する。図7に示すように、投影箇所を選択するとは、正面図31以外の上面図32と側面図33における立体空間上の同じエッジとなる部分を選択することを意味する。選択線462によって、上面図32の下方側の端部と側面図33のフランジ30aの左端部とが立体空間上の同じエッジとなる部分として選択されている。
【0039】
これにより、ガイド線生成部18は、側面図33に描画されている寸法線42mを上面図32における寸法線として共有し、側面図33における付加的寸法線420mを上面図32における下方側の端部と上方側の端部との間の寸法を示す寸法線として認識する。ガイド線生成部18は、付加的寸法線420mを上面図32における下方側の端部と上方側の端部との間の寸法を示す寸法線として認識することにより、ガイド線450m及び450nを生成する。編集部19はガイド線450m及び450nを表示する。このように、操作者が投影図指示コマンドを使用することにより、上面図32に寸法線が描画されていない箇所においてもガイド線を表示することができる。
【0040】
以上のように、作図支援装置101は、図面画像50が存在する第1のレイヤとは異なる第2のレイヤに、付加的寸法線420a~420d、420f、420h、420j、420mと、寸法を示す数値と、差分寸法を示す数値と、ガイド線450a~450nとを描画する。操作者が第1及び第2のレイヤのデータを図形編集装置102へ転送するコマンドを実行すると、作図支援装置101は第1及び第2のレイヤのデータを図形編集装置102に転送する。図形編集装置102は以下のようなステップを実行する。
【0041】
図形編集装置102における編集部25は、受け取った第1及び第2のレイヤのデータを表示部4に表示する。図8は、表示部4に表示される第1及び第2のレイヤのデータを示している。図8に示すように、表示部4には、図面画像50と、付加的寸法線420a~420d、420f、420h、420j、420mと、寸法を示す数値と、差分寸法を示す数値と、ガイド線450a~450nとが表示されている。編集部25は、図面画像50を消去して、表示部4に、付加的寸法線420a~420d、420f、420h、420j、420mと、寸法を示す数値と、差分寸法を示す数値と、ガイド線450a~450nのみを表示することもできる。編集部25は、ガイド線450a~450nを消去することもできる。
【0042】
操作者が作図コマンドを使用して、フランジ30a及びフランジ30bの形状を作図する操作を実行すると、作図部21は、操作者による操作に応答してフランジ30a及びフランジ30bの形状を作図する。具体的には、操作者は次のようにフランジ30a及びフランジ30bの形状を作図する操作を実行する。
【0043】
操作者は、ガイド線450a、450f、450k、450iを任意の順番で選択する。すると、図9に示すように、作図部21は、ガイド線450a、450f、450g、450iで囲まれた太実線で示す正面図31におけるフランジ30a及びフランジ30bの外形を作図する。さらに、操作者は、丸穴作成コマンドを使用して、直径5mmの丸穴を丸穴34a~34dの各位置に配置する。すると、図9に示すように、作図部21は、丸穴34a~34dの各位置に丸穴340a~340dを作図する。作図部21は、直径5mmの丸穴の中心をガイド線450b~450eとガイド線450jとの交点に位置させることにより、丸穴340a~340dを高精度に丸穴34a~34dの各位置に配置することができる。
【0044】
また、操作者は、ガイド線450a、450f、450m、450nを任意の順番で選択する。すると、作図部21は、ガイド線450a、450f、450m、450nで囲まれた矩形の形状を作図する。操作者は、コーナR作成コマンドを使用して、半径5mmの円弧を上側左右2か所のコーナR32Rに配置する。図9に示すように、作図部21は、ガイド線450a、450f、450m、450nで囲まれ、上側左右の2か所がコーナR320Rとされた太実線で示す上面図320におけるフランジ30a及びフランジ30bの外形を作図する。
【0045】
このようにして、作図部21は、部品30を正面から見たときの丸穴340a~340dを含む部品30の形状、及び、部品30を上面から見たときの部品30の形状を作図することができる。
【0046】
ここでは、作図部21は、操作者による手動操作に従って、複数のガイド線のうち、正面図31及び上面図32における部品30の端部を通るガイド線を選択することにより、正面図31及び上面図32における部品30の外形を作図している。作図部21が部品30の外形を判定して、部品30の外形を自動的に作図するように構成されていてもよい。
【0047】
正面図31には破断線44a及び44b、上面図32には破断線44c及び44dが入れられているから、作図部21が作成した正面図310及び上面図320は非比例寸法図面である。そこで、操作者は、伸縮コマンドを使用して、図10に示すように、正面図310及び上面図320の右端部を矩形の領域470Rで囲み、右方向への拡大を指示する。すると、図形変形部22は、図11に示すように、丸穴340c及び340d間の非比例寸法箇所を差分寸法である200mmに相当する寸法だけ拡大するように正面図310及び上面図320を変形して、正面図311及び上面図321とする。
【0048】
次に、操作者は、伸縮コマンドを使用して、図12に示すように、正面図311及び上面図321の左端部を矩形の領域470Lで囲み、左方向への拡大を指示する。すると、図形変形部22は、図13に示すように、丸穴340a及び340b間の非比例寸法箇所を差分寸法である200mmに相当する寸法だけ拡大するように正面図311及び上面図321を変形して、正面図312及び上面図322とする。正面図312及び上面図322は、それぞれ、フランジ30a及び30bの比例寸法図面である。
【0049】
図形変形部22は、正面図310及び上面図320における部品30の外形の非比例寸法箇所を差分寸法だけ縮小することによって、部品30を比例寸法図面に変形することがあってもよい。
【0050】
図13において、操作者は、寸法確認コマンドを使用して、丸穴340a及び340b間、丸穴340c及び340d間が250mmに相当する寸法であり、正面図312及び上面図322の左右端部間が700mmに相当する寸法となっているかを確認するとよい。
【0051】
操作者が面合成コマンドを使用して正面図312及び上面図322を選択すると、面合成部23は、図14に示すように、正面図312と上面図322とを面合成した部品30の展開図350を作成する。なお、図面画像の種類によっては面合成部23による面合成の処理が必要ない場合がある。図形データ生成部24は、部品30の展開図350を示す図面データを生成する。典型的には、図形データ生成部24が生成する図面データはベクトルデータよりなる。部品30の展開図350を示す図面データは、レーザ加工機が板金より展開図350に相当する形状を切断したり、プレスブレーキが展開図350に相当する形状を有する板金を曲げて部品30を作製したりするために使用される。
【0052】
次に、図形データ作成装置100が、非比例寸法図面の第2の例である図15に示す図面番号がABC0002である図面画像80に基づいて図形データを作成する場合の動作を説明する。図形データ作成装置100が図4に示す図面画像50に基づいて図形データを作成する場合と共通する説明を省略することがある。図面画像80は、部品60の正面図61、上面図62、側面図63を含む。部品60はフランジ60a及び60bを有し、フランジ60aは2つの丸穴64a及び64bを有し、フランジ60bは丸穴64c及び64dを有する。
【0053】
正面図61において、部品60の左下角及び右下角から垂直方向にそれぞれ寸法補助線71a及び71dが引かれており、丸穴64a及び64bの中心から垂直方向にそれぞれ寸法補助線71b及び71cが引かれている。部品60の右下角及び右上角から水平方向にそれぞれ寸法補助線71e及び71fが引かれており、丸穴64a及び64bの中心を結ぶ中心線73aの右方向に延長して寸法補助線71gが引かれている。寸法補助線71a及び71b間、71a及び71d間、71c及び71d間、71e及び71f間、71e及び71g間には、それぞれ両矢印線よりなる寸法線72a~72eが引かれている。
【0054】
上面図62において、部品60の左端部及び右端部から垂直方向にそれぞれ寸法補助線71h及び71iが引かれており、丸穴64c及び64dの中心から垂直方向にそれぞれ寸法補助線71j及び71kが引かれている。丸穴64c及び64dの中心を結ぶ中心線73bの右方向に延長して寸法補助線71mが引かれており、部品60の上端部から右方向に延長して寸法補助線71nが引かれている。寸法補助線71h及び71i間には、両矢印線よりなる寸法線72fが引かれている。寸法補助線71h及び71j間、71k及び71i間、71m及び71n間には、それぞれ外側から内向きの両矢印線よりなる寸法線72g~72iが引かれている。
【0055】
側面図63において、フランジ60aの下端及び上端から水平方向に寸法補助線71o及び71pが引かれており、フランジ60bの左端及び右端から垂直方向に寸法補助線71q及び71rが引かれている。寸法補助線71o及び71p間、71q及び71r間には、それぞれ両矢印線よりなる寸法線72j及び72kが引かれている。
【0056】
寸法線72a、72c~72e、72g~72kの近傍には、寸法を示す数字が表記されている。寸法線72a、72c、72dの近傍には寸法情報として30と表記されている。寸法線72eの近傍には寸法情報として15と表記されている。寸法線72g、72h、72iの近傍には寸法情報として8と表記されている。寸法線72j及び72kの近傍には、それぞれ寸法情報として33及び25と表記されている。
【0057】
寸法線72b及び72fの近傍には、寸法を示す変数が表記されている。ここでは、寸法線72bの近傍に変数としてアルファベットのa、寸法線72fの近傍に変数としてアルファベットのbが表記されている。図面画像80には変数テーブル81が記載されている。変数テーブル81に記載のように、PART0001なる商品名の部品60であれば、寸法補助線71a及び71dの間隔、即ち、フランジ60aの幅は600mm、寸法補助線71h及び71iの間隔、即ち、フランジ60bの幅は500mmである。PART0002なる商品名の部品60であれば、フランジ60a及び60bの幅はそれぞれ700mm及び600mmであり、PART0003なる商品名の部品60であれば、フランジ60a及び60bの幅はそれぞれ800mm及び600mmである。
【0058】
このように、図面画像80は、部品60の寸法の一部が寸法を示す数値ではなく、アルファベット等の数字以外の記号を用いた変数で表示されていて、部品60の実際の形状とは相似していない形状で描かれているパラメトリック図面である。正面図61及び上面図62は非比例寸法図面である。以下、PART0002なる商品名の部品60を例にして、図形データ作成装置100が図面画像80に基づいて図形データを作成する場合の動作を説明する。
【0059】
図形データ作成プログラム20を実行する中央処理装置1は、図15に示す図面画像80を読み込む。すると、矢印検出部11は図面画像80内の矢印とその方向を検出する。線検出部12は図面画像80内の線を検出する。寸法情報検出部13は図面画像80に表記されている寸法情報を検出する。記号検出部14は丸穴64a~64d等を記号として検出する。
【0060】
編集部19は、読み込んだ図面画像80を表示部4に表示する。図16は、表示部4に表示されている図面画像80を示している。寸法線生成部15は、寸法補助線71a~71rに基づいて付加的寸法線720a~720kを生成する。編集部19は、寸法線72a~72kの近傍に付加的寸法線720a~720kを表示する。
【0061】
非比例寸法判定部16は、寸法線72b及び72fの近傍に寸法情報である数値ではなく、アルファベットの変数a及びbが表記されていることにより、寸法線72b及び72fが非比例寸法であると判定する。アルファベットの変数a及びbは、記号検出部14によって検出される。なお、寸法線72b及び72fの近傍に数値ではない記号が表記されている場合であっても、変数テーブル81に設定されている変数a及びbの値によっては図面画像80が比例寸法図面である場合があり得る。変数a及びbの値によって比例寸法図面である場合があっても、非比例寸法判定部16は、数値ではない記号が表記されている場合には、非比例寸法図面であるとみなす。
【0062】
編集部19は、非比例寸法である付加的寸法線720b及び720fを例えば赤色で、比例寸法である付加的寸法線720a、720c~720e、720g~720kを例えば緑色で表示する。破線の両矢印線は赤色であることを示し、実線の両矢印線は緑色であることを示す。実際には、赤色の両矢印線は実線でよい。
【0063】
部品60の板厚は1mmであるとする。図示を省略しているが、表示部4に図16に示す図面画像80が表示されている状態で、操作者は、操作部3を操作して部品60の板厚である1mmを入力する。図面画像80においては、側面図63に板厚を示す寸法線が描画されていないので、側面図63に板厚の入力欄を設けて板厚が1mmであることを示す1を入力する必要はない。
【0064】
編集部19は、付加的寸法線720a、720c、720d、720e、720g~720i、720j、720kの近傍にそれぞれ寸法情報である30、30、30、15、8、33、25を表示する。編集部19は、付加的寸法線720b及び720fの近傍に入力欄を設定し、入力欄に初期値として0を表示する。操作者は、操作部3によって、付加的寸法線720b及び720fの近傍に0と表示されている入力欄に他の数値を入力する操作を実行することができる。図17に示すように、操作者は、付加的寸法線720b及び720fの近傍の入力欄にそれぞれ700及び600を入力する。
【0065】
すると、差分寸法計算部17は、フランジ60aの横幅である寸法補助線71a及び71d間の寸法を700mmに相当する寸法とするのに必要な差分寸法を計算する。ここでは、差分寸法計算部17は差分寸法を100mmと計算する。また、差分寸法計算部17は、フランジ60bの横幅である寸法補助線71h及び71i間の寸法を600mmに相当する寸法とするのに必要な差分寸法を計算する。ここでは、差分寸法計算部17は差分寸法を100mmと計算する。フランジ60a及び60bの差分寸法が100mmであるということは、部品60の左右方向の寸法を100mmに相当する寸法だけ伸ばせば、部品60の左右方向寸法が700mmに相当する寸法となるということである。
【0066】
差分寸法計算部17は、入力欄に寸法としての数字が入力されると、入力された数字に対応する差分寸法を求める。編集部19は、付加的寸法線720b及び720fの近傍の入力欄に表示されている数値700及び600に差分寸法が100mmであることを示す(diff.=100)を追記する。
【0067】
加えて、編集部19は、付加的寸法線720b及び720fの例えば下方に、非比例寸法であることを示すチェックボックス721b及び721fを表示する。操作者が操作部3を操作してチェックボックス721b及び721fにチェックを付けると、編集部19は、操作者が入力した700及び600それぞれに対応する差分寸法100を表示する。編集部19は、チェックボックス721b及び721fにチェックが付けられると、付加的寸法線720b及び720fを赤色から緑色に変更する。編集部19は、チェックが付けられたらチェックボックス721b及び721fを消去する。
【0068】
なお、変数テーブル81に設定されている変数a及びbの値のうち、選択した変数a及びbの値で図面画像80が比例寸法図面となる場合には、差分寸法計算部17が求める差分寸法は0となる。このような場合、非比例寸法箇所は存在しないので、図形変形部22による後述する拡大または縮小の処理は不要となる。
【0069】
図18に示すように、操作者は、正面図指示コマンドを使用して、正面図61を矩形の領域761で囲う。正面図61を領域761で囲うと、編集部19は、ガイド線生成部18が生成する点線で示すガイド線750a~750k、750m~750pを表示する。実際には、ガイド線750a~450k、750m~750pは実線でよい。ガイド線750a~750k、750m~750pは、付加的寸法線720a~720kと直交し、付加的寸法線720a~720kの矢印の先端を通る、付加的寸法線720a~720kに対して垂直な線である。
【0070】
操作者が正面図指示コマンドを使用して正面図61を矩形の領域761で囲んだ時点では、上面図62における下方側の端部を通るガイド線750qは表示されていない。これは、上面図62に、下方側の端部と上方側の端部との間の寸法を示す寸法線がなく、付加的寸法線が表示されていないからである。
【0071】
そこで、操作者は、続けて次のように操作する。操作者は、投影図指示コマンドを使用して、水平線及び垂直線を連結したL字状の選択線762で投影箇所を選択する。図18に示すように、投影箇所を選択するとは、正面図61以外の上面図62と側面図63における立体空間上の同じエッジとなる部分を選択することを意味する。選択線762によって、上面図62の下方側の端部と側面図63のフランジ60aの左端部とが立体空間上の同じエッジとなる部分として選択されている。
【0072】
これにより、ガイド線生成部18は、側面図63に描画されている寸法線72kを上面図62における寸法線として共有し、側面図63における付加的寸法線720kを上面図62における下方側の端部と上方側の端部との間の寸法を示す寸法線として認識する。ガイド線生成部18は、付加的寸法線720kを上面図62における下方側の端部と上方側の端部との間の寸法を示す寸法線として認識することにより、ガイド線750qを生成する。編集部19はガイド線750qを表示する。
【0073】
以上のように、作図支援装置101は、図面画像80が存在する第1のレイヤとは異なる第2のレイヤに、付加的寸法線720a~720kと、寸法を示す数値と、差分寸法を示す数値と、ガイド線750a~750k、750m~750qとを描画する。操作者が第1及び第2のレイヤのデータを図形編集装置102へ転送するコマンドを実行すると、作図支援装置101は第1及び第2のレイヤのデータを図形編集装置102に転送する。
【0074】
図形編集装置102における編集部25は、受け取った第1及び第2のレイヤのデータを表示部4に表示する。図19は、表示部4に表示される第1及び第2のレイヤのデータを示している。図19に示すように、表示部4には、図面画像80と、付加的寸法線720a~720kと、寸法を示す数値と、差分寸法を示す数値と、ガイド線750a~750k、750m~750qとが表示されている。編集部25は、図面画像80を消去して、表示部4に、付加的寸法線720a~720kと、寸法を示す数値と、差分寸法を示す数値と、ガイド線750a~750k、750m~750qのみを表示することもできる。編集部25は、ガイド線750a~750k、750m~750qを消去することもできる。
【0075】
操作者が作図コマンドを使用して、フランジ60a及びフランジ60bの形状を作図する操作を実行すると、作図部21は、操作者による操作に応答してフランジ60a及びフランジ60bの形状を作図する。具体的には、操作者は次のようにフランジ60a及びフランジ60bの形状を作図する操作を実行する。
【0076】
操作者は、ガイド線750a、750c、750f、750g、750j、750m、750nを任意の順番で選択する。すると、図20に示すように、作図部21は、ガイド線750a、750c、750f、750g、750k、750m、750nで囲まれた太実線で示す正面図61におけるフランジ60a及びフランジ60bの外形を作図する。さらに、操作者は、丸穴作成コマンドを使用して、直径5mmの丸穴を丸穴64a及び64bの各位置に配置する。すると、図20に示すように、作図部21は、丸穴64a及び64bの各位置に丸穴640a及び640bを作図する。
【0077】
また、操作者は、ガイド線750c、750f、750p、750qを任意の順番で選択する。すると、作図部21は、ガイド線750c、750f、750p、750qで囲まれた矩形の形状を作図する。操作者は、コーナR作成コマンドを使用して、半径5mmの円弧を上側左右2か所のコーナR62Rに配置する。さらに、操作者は、丸穴作成コマンドを使用して、直径5mmの丸穴を丸穴64c及び64dの各位置に配置する。
【0078】
図20に示すように、作図部21は、ガイド線750c、750f、750p、750qで囲まれ、上側左右の2か所がコーナR620Rとされ、丸穴64c及び64dの各位置に丸穴640c及び640dを配置した太実線で示す上面図620おけるフランジ60a及びフランジ60bの外形を作図する。
【0079】
このようにして、作図部21は、部品60を正面から見たときの丸穴640a及び640bを含む部品60の形状、及び、部品60を上面から見たときの部品60の形状を作図することができる。
【0080】
付加的寸法線720b及び720fの近傍の入力欄に表示されている差分寸法は100mmであるから、作図部21が作成した正面図610及び上面図620は非比例寸法図面である。そこで、操作者は、伸縮コマンドを使用して、図21に示すように、正面図610及び上面図620の例えば右端部を矩形の領域770で囲み、右方向への拡大を指示する。すると、図形変形部22は、図22に示すように、正面図610及び上面図620を差分寸法である100mmに相当する寸法だけ拡大するように正面図610及び上面図620を変形して、正面図611及び上面図621とする。正面図611及び上面図621は、それぞれ、フランジ60a及び60bの比例寸法図面である。
【0081】
図形変形部22は、正面図610及び上面図620における部品60の外形の非比例寸法箇所を差分寸法だけ縮小することによって、部品60を比例寸法図面に変形することがあってもよい。
【0082】
図22において、操作者は、寸法確認コマンドを使用して、フランジ60a及び60bの左右端部間がそれぞれ700mm及び600mmに相当する寸法となっているかを確認するとよい。
【0083】
操作者が面合成コマンドを使用して正面図611及び上面図621を選択すると、面合成部23は、図23に示すように、正面図611と上面図621とを面合成した部品60の展開図650を作成する。図形データ生成部24は、部品60の展開図650を示すベクトルデータよりなる図面データを生成する。部品60の展開図650を示す図面データは、レーザ加工機が板金より展開図650に相当する形状を切断したり、プレスブレーキが展開図650に相当する形状を有する板金を曲げて部品60を作製したりするために使用される。
【0084】
以上のように、図形データ作成装置100、図形データ作成装置100(コンピュータ機器)が実行する図形データ作成方法、非一時的記憶媒体2に記憶され、中央処理装置1が実行する図形データ作成プログラム20によれば、非比例寸法図面に基づいて図面データを作成することができる。図形データ作成装置100、図形データ作成方法、図形データ作成プログラム20によれば、部品の一部の箇所に破断線が入れられている省略図面であっても、部品の寸法の一部が寸法を示す数値ではなく記号を用いた変数で表示されているパラメトリック図面であっても、図面データを作成することができる。
【0085】
本発明は以上説明した1またはそれ以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。以上説明した1またはそれ以上の実施形態においては、部品30の正面図31、上面図32、側面図33を含む図面画像50、部品60の正面図61、上面図62、側面図63を含む図面画像80を図面画像の例としたが、図面画像は部品の正面図、上面図、側面図を含む図面画像に限定されない。図面画像は、少なくとも1つの投影図を含む図面画像であってもよい。図面画像は、製品商用図、建築関連の平面図面または立面図面、基礎図面、屋根図面、電気図面、切削図面の図面画像であってもよい。図面画像に示される物体は部品に限定されるものではなく、任意の物体でよい。
【符号の説明】
【0086】
1 中央処理装置
2 非一時的記憶媒体
3 操作部
4 表示部
11 矢印検出部
12 線検出部
13 寸法情報検出部
14 記号検出部
15 寸法線生成部
16 非比例寸法判定部
17 差分寸法計算部
18 ガイド線生成部
19,25 編集部
20 図形データ作成プログラム
21 作図部
22 図形変形部
23 面合成部
24 図形データ生成部
100 図形データ作成装置
101 作図支援装置
102 図形編集装置
201 AI作図支援プログラム
202 図形編集プログラム
【要約】
【課題】非比例寸法図面に基づいて図面データを作成することができる図形データ作成装置を提供する。
【解決手段】中央処理装置1は、図面画像に描画されている矢印及び線を検出し、数字で表されている寸法情報を検出する。中央処理装置1は、いずれかの箇所の寸法線が複数の他の箇所の寸法線と異なる縮尺で描画されていれば、図面画像は非比例寸法箇所を含む非比例寸法図面であると判定する。中央処理装置1は、図面画像上に付加的寸法線を表示し、非比例寸法箇所を拡大する差分寸法を求め、各箇所の付加的寸法線の矢印の先端を通る、各箇所の付加的寸法線に対して垂直なガイド線を生成する。中央処理装置1は、ガイド線を選択して物体の外形を作図し、非比例寸法箇所を差分寸法だけ拡大した図面データを生成する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23