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<図1>
  • 特許-半導体記憶装置及びその制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】半導体記憶装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 7/10 20060101AFI20250313BHJP
   G11C 11/4093 20060101ALI20250313BHJP
   H03K 19/0175 20060101ALI20250313BHJP
【FI】
G11C7/10 405
G11C11/4093 150
H03K19/0175 290
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2024050818
(22)【出願日】2024-03-27
【審査請求日】2024-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】道岡 義久
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-034084(JP,A)
【文献】特開2009-021705(JP,A)
【文献】特開2021-185648(JP,A)
【文献】米国特許第10917093(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0364177(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 7/10
G11C 11/4093
H03K 19/0175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリブレーションパッドを介して共通の外部抵抗に接続された複数のメモリダイと、
前記複数のメモリダイのうち第1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に前記複数のメモリダイのうち前記第1メモリダイとは異なる1つ以上の第2メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、前記第2メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に前記第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行うように制御する制御部と、を備える、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数のメモリダイの各々は、
第1制御信号及び前記外部抵抗の抵抗値に基づいて第1電圧を生成するプルアップキャリブレーション部と、
前記第1制御信号及び第2制御信号に基づいて第2電圧を生成するプルダウンキャリブレーション部と、
プルアップキャリブレーションが行われる場合に、前記第1電圧と基準電圧との比較によって得られる第1比較結果に基づいて前記第1制御信号を生成し、プルダウンキャリブレーションが行われる場合に、前記第1電圧と前記第2電圧との比較によって得られる第2比較結果に基づいて前記第2制御信号を生成する生成部と、を備える、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う場合に、前記第1メモリダイの前記プルアップキャリブレーション部を動作させると共に前記第2メモリダイの前記プルダウンキャリブレーション部を動作させるように制御することによって、前記第1メモリダイにおいて生成された前記第1制御信号を用いて前記第2メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行う、
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行う場合に、前記第1メモリダイの前記プルダウンキャリブレーション部を動作させると共に前記第2メモリダイの前記プルアップキャリブレーション部を動作させるように制御することによって、前記第2メモリダイにおいて生成された前記第1制御信号を用いて前記第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行う、
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記プルアップキャリブレーション部は、
動作電圧に接続された第1端子と、前記キャリブレーションパッドに接続された第2端子と、前記第1制御信号が入力される制御端子と、を含む第1トランジスタであって、前記第1制御信号に基づいて抵抗値を調整する第1トランジスタを備える、
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う場合に、前記第1メモリダイの前記第1トランジスタを動作させると共に前記第2メモリダイの前記第1トランジスタの動作を停止させるように制御する、
請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1トランジスタはP型トランジスタである、
請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記プルダウンキャリブレーション部は、
動作電圧に接続された第1端子と、前記第1制御信号が入力される制御端子と、を含む第2トランジスタであって、前記第1制御信号に基づいて抵抗値を調整する第2トランジスタと、
接地電圧に接続された第1端子と、前記第2トランジスタの第2端子に接続された第2端子と、前記第2制御信号が入力される制御端子と、を含む第3トランジスタであって、前記第2制御信号に基づいて抵抗値を調整する第3トランジスタと、を備え、
前記第2トランジスタはP型トランジスタであり、前記第3トランジスタはN型トランジスタである、
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う場合に、前記第1メモリダイの前記第3トランジスタの動作を停止させると共に前記第2メモリダイの前記第2トランジスタの動作を停止させるように制御する、
請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行う場合に、前記第1メモリダイの前記第2トランジスタの動作を停止させると共に前記第2メモリダイの前記第3トランジスタの動作を停止させるように制御する、
請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第2トランジスタの第2端子は、前記キャリブレーションパッドとは異なる他のパッドに接続されており、
前記複数のメモリダイの各々の前記他のパッドは、互いに接続されている、
請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
外部抵抗を共有するメモリダイのセットが異なる外部抵抗毎に設けられている場合に、
前記制御部は、
前記メモリダイのセットの各々の前記第1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に前記メモリダイのセットの各々の前記第2メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、前記メモリダイのセットの各々の前記第2メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に前記メモリダイのセットの各々の前記第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行うように制御する、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記制御部は、
N(Nは3以上の整数)個のメモリダイのうち第i(iは1以上N-2以下の整数)メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第i+1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、前記第i+1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第i+2メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、第Nメモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行うように制御する、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
半導体記憶装置の制御方法であって、
前記半導体記憶装置は、
キャリブレーションパッドを介して共通の外部抵抗に接続された複数のメモリダイを備え、
前記半導体記憶装置の制御部が、
前記複数のメモリダイのうち第1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に前記複数のメモリダイのうち前記第1メモリダイとは異なる1つ以上の第2メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、前記第2メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に前記第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行うように制御するステップを実行する、
半導体記憶装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体記憶装置では、伝送路のインピーダンスと出力回路の出力インピーダンスとを整合させるために、例えばZQキャリブレーション等のインピーダンスキャリブレーションを実行するものが知られている(例えば、特許文献1)。また、従来の半導体記憶装置では、製造コストを低減するために、ZQ端子及び外部抵抗を複数のメモリダイで共有するように構成されたものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-123987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の半導体記憶装置においてZQキャリブレーションを行う場合には、先にプルアップキャリブレーションを行ってプルアップコードを最適化し、そのプルアップコードを用いてプルダウンキャリブレーションを行ってプルダウンコードを最適化するようになっている。これにより、ZQ端子及び外部抵抗が複数のメモリダイで共有される半導体記憶装置においてZQキャリブレーションを行う場合には、図1に示すように、各メモリダイ間でインピーダンスキャリブレーションの開始タイミングをずらす必要があることから、メモリダイの数の増加に応じてインピーダンスキャリブレーションの処理時間が長期化する虞がある。例えば、図1に示す例では、メモリダイの数をN(Nは2以上の整数)とし、プルアップキャリブレーション及びプルダウンキャリブレーションの各々の処理時間をt(t>0)とした場合、半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーションの処理時間は、(N+1)tで表される。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、外部抵抗に複数のメモリダイが接続されている場合に、インピーダンスキャリブレーションの処理時間を短縮することの可能な半導体記憶装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、キャリブレーションパッドを介して共通の外部抵抗に接続された複数のメモリダイと、前記複数のメモリダイのうち第1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に前記複数のメモリダイのうち前記第1メモリダイとは異なる1つ以上の第2メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、前記第2メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に前記第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行うように制御する制御部と、を備える、半導体記憶装置を提供する。
【0007】
かかる発明によれば、第1メモリダイにおけるプルアップキャリブレーションと第2メモリダイにおけるプルダウンキャリブレーションとを同時に行い、第1メモリダイにおけるプルダウンキャリブレーションと第2メモリダイにおけるプルアップキャリブレーションとを同時に行うことが可能になるので、例えば、各メモリダイ間でインピーダンスキャリブレーションの開始タイミングをずらす場合と比較して、半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーションの処理時間を短縮することができる。
【0008】
また、本発明は、半導体記憶装置の制御方法であって、前記半導体記憶装置は、キャリブレーションパッドを介して共通の外部抵抗に接続された複数のメモリダイを備え、前記半導体記憶装置の制御部が、前記複数のメモリダイのうち第1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に前記複数のメモリダイのうち前記第1メモリダイとは異なる1つ以上の第2メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、前記第2メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に前記第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行うように制御するステップを実行する、半導体記憶装置の制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の半導体記憶装置及びその制御方法によれば、外部抵抗に複数のメモリダイが接続されている場合に、インピーダンスキャリブレーション処理の時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来の半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーション処理のシーケンスの一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す図である。
図3】第1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションが行われる場合の半導体記憶装置の動作の一例を示す図である。
図4】第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションが行われる場合の半導体記憶装置の動作の一例を示す図である。
図5】一実施形態に係る半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーション処理のシーケンスの一例を示す図である。
図6】変形例に係る半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーション処理のシーケンスの一例を示す図である。
図7】変形例に係る半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーション処理のシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図2は、本発明の一実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す図である。図2に示すように、半導体記憶装置は、複数(図2に示す例では、2つ)のメモリダイ10を備えており、各メモリダイ10には制御部20が設けられている。ここで、複数のメモリダイ10の各々のキャリブレーションパッドZQPADには、複数のメモリダイ10によって共有される外部抵抗Rが接続されている。外部抵抗Rは、半導体記憶装置の出力回路の要求を満たす抵抗値を有してもよい。また、複数のメモリダイ10の各々には、キャリブレーションパッドZQPADとは異なる他のパッドPADが設けられており、各メモリダイ10の他のパッドPADは、互いに接続されている。なお、図2には、各メモリダイ10に2つのパッドZQPAD,PADが設けられている場合について示されているが、各メモリダイ10は、例えば3つ以上のパッドが設けられていてもよい。また、図2には、各メモリダイ10の全てのパッドが他のメモリダイ10のパッドに接続されている場合をについて示されているが、各メモリダイ10の全てのパッドのうち少なくとも1つのパッドは、他のメモリダイ10のパッドに接続されていなくてもよい。
【0012】
なお、本実施形態では、半導体記憶装置がDRAM(Dynamic Random Access Memory)である場合を一例として説明するが、半導体記憶装置は、他の半導体記憶装置(例えば、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ等)であってもよい。
【0013】
また、本実施形態では、説明を簡略化するために、DRAM等の半導体記憶装置において周知な他の回路(例えば、電源回路、コマンドデコーダ、アドレスデコーダ、クロックジェネレータ等)についての詳細な説明を省略する。
【0014】
各メモリダイ10は、プルアップキャリブレーション部11と、プルダウンキャリブレーション部12と、生成部13と、スイッチ部14と、制御部20と、を備える。
【0015】
プルアップキャリブレーション部11は、第1トランジスタM1を備えており、第1制御信号(プルアップコード)code_p及び外部抵抗Rの抵抗値に基づいて第1電圧を生成するように構成されている。ここで、本実施形態では、第1トランジスタM1がP型の電界効果トランジスタ(MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor))である場合を一例として説明するが、第1トランジスタM1は、例えば、N型のMOSFETであってもよいし、他のトランジスタであってもよい。この場合、第1トランジスタM1のソース端子(第1トランジスタの第1端子)が動作電圧VDDに接続されており、第1トランジスタM1のドレイン端子(第1トランジスタの第2端子)がキャリブレーションパッドZQPADを介して外部抵抗Rに接続されており、ゲート端子(第1トランジスタの制御端子)には第1制御信号code_pが入力される。
【0016】
プルダウンキャリブレーション部12は、第2トランジスタM2及び第3トランジスタM3を備えており、第1制御信号(プルアップコード)code_p及び第2制御信号(プルダウンコード)code_nに基づいて第2電圧を生成するように構成されている。ここで、本実施形態では、第2トランジスタM2がP型のMOSFETであり、第3トランジスタM3がN型のMOSFETである場合を一例として説明するが、第2トランジスタM2は、例えば、N型のMOSFETや他のトランジスタであってもよく、第3トランジスタM3は、例えば、P型のMOSFETや他のトランジスタであってもよい。この場合、第2トランジスタM2のソース端子(第2トランジスタの第1端子)が動作電圧VDDに接続されており、第2トランジスタM2のドレイン端子(第2トランジスタの第2端子)が第3トランジスタM3のドレイン端子(第3トランジスタの第1端子)に接続されており、ゲート端子(第2トランジスタの制御端子)には第1制御信号code_pが入力される。また、第3トランジスタM3のソース端子(第3トランジスタの第2端子)が接地電圧GNDに接続されており、ゲート端子(第3トランジスタの制御端子)には第2制御信号code_nが入力される。
【0017】
なお、プルアップキャリブレーション部11及びプルダウンキャリブレーション部12は、半導体記憶装置の出力回路と同じ電圧対電流特性を有してもよい。
【0018】
また、各メモリダイ10に設けられた第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2は、同じサイズ(例えば、同じチャネル幅及びチャネル長さ等)及び同じレイアウトを有してもよい。つまり、各メモリダイ10に設けられた第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2は、同じ抵抗特性を有してもよい。
【0019】
生成部13は、コンパレータ13a及び演算回路13bを備えており、対応するメモリダイにおいてプルアップキャリブレーションが行われる場合に、第1電圧と基準電圧との比較によって得られる第1比較結果に基づいて第1制御信号code_pを生成し、対応するメモリダイにおいてプルダウンキャリブレーションが行われる場合に、第1電圧と第2電圧との比較によって得られる第2比較結果に基づいて第2制御信号code_nを生成するように構成されている。
【0020】
コンパレータ13aの一方の端子(+端子)は、第1トランジスタM1のドレイン端子(第1トランジスタの第2端子)に接続されている。また、コンパレータ13aの他方の端子(-端子)は、スイッチ部14に接続されている。
【0021】
演算回路13bは、コンパレータ13aの出力端子に接続されており、コンパレータ13aにおける比較結果を受信する。また、演算回路13bは、受信した比較結果に基づいて、第1制御信号code_p又は第2制御信号code_nを生成する。なお、演算回路13bは、制御部20の制御に基づいて、第1制御信号code_p及び第2制御信号code_nの何れかを生成するように構成されてもよい。
【0022】
スイッチ部14は、基準電圧に接続された第1スイッチと、第2トランジスタM2のドレイン端子(第2トランジスタの第2端子)と第3トランジスタM3のドレイン端子(第3トランジスタの第1端子)との間のノードに接続された第2スイッチと、を備えており、第1スイッチ及び第2スイッチの何れか一方のみがオンに制御されるように構成されている。例えば、第1スイッチがオンに制御された場合には、基準電圧がコンパレータ13aの他方の端子に入力され、第2スイッチがオンに制御された場合には、第2トランジスタM2のドレイン端子(第2トランジスタの第2端子)と第3トランジスタM3のドレイン端子(第3トランジスタの第1端子)との間のノードの電圧がコンパレータ13aの他方の端子に入力される。なお、第1スイッチ及び第2スイッチのオンオフ制御は、制御部20によって行われてもよい。また、本実施形態では、基準電圧の値が動作電圧VDDの電圧値の半分である場合を一例として説明しているが、基準電圧の値は任意の値に設定されてもよい。
【0023】
制御部20は、複数のメモリダイ10のうち第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションを行う間に複数のメモリダイ10のうち第1メモリダイ10aとは異なる1つ以上の第2メモリダイ10bに対してプルダウンキャリブレーションを行い、第2メモリダイ10bに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションを行うように制御する。なお、制御部20は、専用のハードウェアデバイスや論理回路によって構成されてもよい。
【0024】
また、制御部20は、第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションを行う場合に、第1メモリダイ10aのプルアップキャリブレーション部11を動作させると共に第2メモリダイ10bのプルダウンキャリブレーション部12を動作させるように制御することによって、第1メモリダイ10aにおいて生成された第1制御信号code_pを用いて第2メモリダイ10bに対してプルダウンキャリブレーションを行ってもよい。これにより、第1メモリダイ10aにおいてプルアップキャリブレーションが行われている間に、第1メモリダイ10aにおいて生成された第1制御信号code_pを用いて、第2メモリダイ10bにおいてプルダウンキャリブレーションを行うことが可能になる。
【0025】
さらに、制御部20は、第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションを行う場合に、第1メモリダイ10aのプルダウンキャリブレーション部12を動作させると共に第2メモリダイ10bのプルアップキャリブレーション部11を動作させるように制御することによって、第2メモリダイ10bにおいて生成された第1制御信号code_pを用いて第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションを行ってもよい。これにより、第2メモリダイ10bにおいてプルアップキャリブレーションが行われている間に、第2メモリダイ10bにおいて生成された第1制御信号code_pを用いて、第1メモリダイ10aにおいてプルダウンキャリブレーションを行うことが可能になる。
【0026】
さらにまた、制御部20は、第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションを行う場合に、第1メモリダイ10aの第1トランジスタM1を動作させると共に第2メモリダイ10bの第1トランジスタM1の動作を停止させるように制御してもよい。これにより、後述するように、第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションが行われる場合に、第1メモリダイ10aの第1トランジスタM1を流れる電流のみを、キャリブレーションパッドZQPADを介して外部抵抗Rに送ることが可能になる。
【0027】
また、制御部20は、第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションを行う場合に、第1メモリダイ10aの第3トランジスタM3の動作を停止させると共に第2メモリダイ10の第2トランジスタM2の動作を停止させるように制御してもよい。これにより、後述するように、第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションが行われる場合に、第1メモリダイ10aの第2トランジスタM2を流れる電流を、第2メモリダイ10bの第3トランジスタM3に送ることが可能になる。
【0028】
さらに、制御部20は、第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションを行う場合に、第1メモリダイ10aの第2トランジスタM2の動作を停止させると共に第2メモリダイ10bの第3トランジスタM3の動作を停止させるように制御してもよい。これにより、後述するように、第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションが行われる場合に、第2メモリダイ10bの第2トランジスタM2を流れる電流を、第1メモリダイ10aの第3トランジスタM3に送ることが可能になる。
【0029】
なお、各メモリダイ10の制御部20は、所定のタイミングにおいて、対応するメモリダイ10に対して、プルアップキャリブレーション及びプルダウンキャリブレーションのうち何れの動作を行うかを、例えばヒューズROM(Read Only Memory)等のOTPROM(One Time Programmable ROM)や不揮発性メモリ等の不揮発性記憶装置に記憶された情報を用いて判別するように構成されてもよい。
【0030】
次に、本実施形態に係る半導体記憶装置の動作の一例について図3及び図4を参照して説明する。ここで、図3は、第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションが行われる場合の半導体記憶装置の動作の一例を示しており、図4は、第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションが行われる場合の半導体記憶装置の動作の一例を示している。
【0031】
先ず、図3の場合について説明する。例えば、ZQキャリブレーションコマンドが半導体記憶装置に入力されると、第1メモリダイ10aの制御部20は、外部から入力され又は半導体記憶装置内で生成されたクロック信号CLKに基づいて、第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションを行い、第2メモリダイ10bの制御部20は、第2メモリダイ10bに対してプルダウンキャリブレーションを行う。ここで、第1メモリダイ10aの制御部20は、第1メモリダイ10aの第3トランジスタM3の動作を停止させると共に、第2メモリダイ10bの制御部20は、第2メモリダイ10bの第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2の動作を停止させる。
【0032】
この場合、第1メモリダイ10aの第1トランジスタM1を流れる電流は、図中破線矢印に示すように、第1メモリダイ10aのキャリブレーションパッドZQPADを介して外部抵抗Rに流れる。また、第1メモリダイ10aの第2トランジスタM2を流れる電流は、図中破線矢印に示すように、第1メモリダイ10a及び第2メモリダイ10bの各々の他のパッドPADを介して、第2メモリダイ10bの第3トランジスタM3に流れる。なお、この場合には、第1メモリダイ10aの制御部20が、第1メモリダイ10aの第3トランジスタM3に接続されたスイッチ(図示省略)をオフに制御し、第2メモリダイ10bの制御部20が、第2メモリダイ10bの第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2の各々に接続されたスイッチ(図示省略)をオフに制御して、これらのトランジスタへの通電を遮断することによって、これらのトランジスタの動作を停止してもよい。
【0033】
また、第1メモリダイ10aの制御部20は、第1メモリダイ10aのスイッチ部14の第1スイッチをオンに制御する。これにより、第1メモリダイ10aの生成部13のコンパレータ13aの他方の端子に基準電圧(ここでは、基準電圧の値をVDD/2として示している)が入力される。さらに、第2メモリダイ10bの制御部20は、第2メモリダイ10bのスイッチ部14の第2スイッチをオンに制御する。これにより、第2メモリダイ10bの生成部13のコンパレータ13aの他方の端子に、第2メモリダイ10bの第2トランジスタM2のドレイン端子(第2トランジスタの第2端子)と第3トランジスタM3のドレイン端子(第3トランジスタの第1端子)との間のノードの電圧(第2電圧)が入力される。
【0034】
また、第1メモリダイ10aの生成部13のコンパレータ13aの一方の端子には、第1メモリダイ10aのプルアップキャリブレーション部11によって生成された第1電圧が入力される。ここで、第1電圧の値は、例えば、外部抵抗Rの抵抗値をRzqとし、第1トランジスタM1の抵抗値をRp0とした場合に、Rzq/(Rzq+Rp0)で表される。さらに、第1メモリダイ10aの生成部13のコンパレータ13aは、第1電圧と基準電圧とを比較して、比較結果を生成する。さらにまた、第1メモリダイ10aの生成部13の演算回路13bは、比較結果を受信すると、この比較結果に基づいて例えば二分探索等を実行することによって、キャリブレーションパッドZQPAD上の電圧の値が基準電圧に等しくなるように第1電圧(つまり、第1メモリダイ10aの第1トランジスタM1の抵抗値)を調整するための第1制御信号code_pを生成する。そして、生成された第1制御信号code_pが第1メモリダイ10aの第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2に入力される。
【0035】
このようにして、第1メモリダイ10aにおいてプルアップキャリブレーションが行われる。
【0036】
一方、第2メモリダイ10bの生成部13のコンパレータ13aの一方の端子には、上述した第1電圧(ここでは、第1電圧の値をRzq/(Rzq+Rp0)として示している)が入力される。また、第2メモリダイ10bの生成部13のコンパレータ13aの他方の端子には、第2メモリダイ10bのプルダウンキャリブレーション部12によって生成された第2電圧が入力される。ここで、第2電圧の値は、例えば、第1メモリダイ10aの第2トランジスタM2の抵抗値をRp0とし、第2メモリダイ10bの第3トランジスタM3の抵抗値をRn1とした場合に、Rn1/(Rn1+Rp0)で表される。さらに、第2メモリダイ10bの生成部13のコンパレータ13aは、第1電圧と第2電圧とを比較して、比較結果を生成する。ここで、上述したように、第1メモリダイ10aの第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2の各々の抵抗値(=Rp0)が等しいと想定した場合、コンパレータ13aは、外部抵抗Rの抵抗値Rzqと第3トランジスタM3の抵抗値Rn1との比較を行っていることになる。
【0037】
さらにまた、第2メモリダイ10bの生成部13の演算回路13bは、比較結果を受信すると、この比較結果に基づいて例えば二分探索等を実行することによって、第1電圧及び第2電圧が等しくなるように第2電圧(つまり、第2メモリダイ10bの第3トランジスタM3の抵抗値)を調整するための第2制御信号code_nを生成する。そして、生成された第2制御信号code_nが第2メモリダイ10bの第3トランジスタM3に入力される。ここで、第1メモリダイ10aの第2トランジスタM2の抵抗値が、第1メモリダイ10aにおいて生成された第1制御信号code_pによって制御されていることを考慮すると、第2メモリダイ10bでは、第1メモリダイ10aにおいて生成された第1制御信号code_pを用いてプルダウンキャリブレーションが行われていることになる。
【0038】
このようにして、第1メモリダイ10aにおいてプルアップキャリブレーションが行われるのと同時に、第2メモリダイ10bにおいて、第1メモリダイ10aにおいて生成された第1制御信号code_pを用いてプルダウンキャリブレーションが行われる。
【0039】
次に、図4の場合について説明する。例えば、第1メモリダイ10aに対するプルアップキャリブレーション及び第2メモリダイ10bに対するプルダウンキャリブレーションが完了すると、第1メモリダイ10aの制御部20は、第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションを行い、第2メモリダイ10bの制御部20は、第2メモリダイ10bに対してプルアップキャリブレーションを行う。ここで、第1メモリダイ10aの制御部20は、第1メモリダイ10aの第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2の動作を停止させると共に、第2メモリダイ10bの制御部20は、第2メモリダイ10bの第3トランジスタM3の動作を停止させる。
【0040】
この場合、第2メモリダイ10bの第1トランジスタM1を流れる電流は、図中破線矢印に示すように、第2メモリダイ10bのキャリブレーションパッドZQPADを介して外部抵抗Rに流れる。また、第2メモリダイ10bの第2トランジスタM2を流れる電流は、図中破線矢印に示すように、第2メモリダイ10b及び第1メモリダイ10aの各々の他のパッドPADを介して、第1メモリダイ10aの第3トランジスタM3に流れる。
【0041】
また、第2メモリダイ10bの制御部20は、第2メモリダイ10bのスイッチ部14の第1スイッチをオンに制御する。これにより、第2メモリダイ10bの生成部13のコンパレータ13aの他方の端子に基準電圧(ここでは、基準電圧の値をVDD/2として示している)が入力される。さらに、第1メモリダイ10aの制御部20は、第1メモリダイ10aのスイッチ部14の第2スイッチをオンに制御する。これにより、第1メモリダイ10aの生成部13のコンパレータ13aの他方の端子に、第1メモリダイ10aの第2トランジスタM2のドレイン端子(第2トランジスタの第2端子)と第3トランジスタM3のドレイン端子(第3トランジスタの第1端子)との間のノードの電圧(第2電圧)が入力される。
【0042】
また、第2メモリダイ10bの生成部13のコンパレータ13aの一方の端子には、第2メモリダイ10bのプルアップキャリブレーション部11によって生成された第1電圧が入力される。ここで、第1電圧の値は、例えば、外部抵抗Rの抵抗値をRzqとし、第1トランジスタM1の抵抗値をRp1とした場合に、Rzq/(Rzq+Rp1)で表される。さらに、第2メモリダイ10bの生成部13のコンパレータ13aは、第1電圧と基準電圧とを比較して、比較結果を生成する。さらにまた、第2メモリダイ10bの生成部13の演算回路13bは、比較結果を受信すると、この比較結果に基づいて例えば二分探索等を実行することによって、キャリブレーションパッドZQPAD上の電圧の値が基準電圧に等しくなるように第1電圧(つまり、第2メモリダイ10bの第1トランジスタM1の抵抗値)を調整するための第1制御信号code_pを生成する。そして、生成された第1制御信号code_pが第2メモリダイ10bの第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2に入力される。
【0043】
このようにして、第2メモリダイ10bにおいてプルアップキャリブレーションが行われる。
【0044】
一方、第1メモリダイ10aの生成部13のコンパレータ13aの一方の端子には、上述した第1電圧(ここでは、第1電圧の値をRzq/(Rzq+Rp1)として示している)が入力される。また、第1メモリダイ10aの生成部13のコンパレータ13aの他方の端子には、第1メモリダイ10aのプルダウンキャリブレーション部12によって生成された第2電圧が入力される。ここで、第2電圧の値は、例えば、第2メモリダイ10bの第2トランジスタM2の抵抗値をRp1とし、第1メモリダイ10aの第3トランジスタM3の抵抗値をRn0とした場合に、Rn0/(Rn0+Rp1)で表される。さらに、第1メモリダイ10aの生成部13のコンパレータ13aは、第1電圧と第2電圧とを比較して、比較結果を生成する。
【0045】
さらにまた、第1メモリダイ10aの生成部13の演算回路13bは、比較結果を受信すると、この比較結果に基づいて例えば二分探索等を実行することによって、第1電圧及び第2電圧が等しくなるように第2電圧(つまり、第1メモリダイ10aの第3トランジスタM3の抵抗値)を調整するための第2制御信号code_nを生成する。そして、生成された第2制御信号code_nが第1メモリダイ10aの第3トランジスタM3に入力される。ここで、第2メモリダイ10bの第2トランジスタM2の抵抗値が、第2メモリダイ10bにおいて生成された第1制御信号code_pによって制御されていることを考慮すると、第1メモリダイ10aでは、第2メモリダイ10bにおいて生成された第1制御信号code_pを用いてプルダウンキャリブレーションが行われていることになる。
【0046】
このようにして、第2メモリダイ10bにおいてプルアップキャリブレーションが行われるのと同時に、第1メモリダイ10aにおいて、第2メモリダイ10bにおいて生成された第1制御信号code_pを用いてプルダウンキャリブレーションが行われる。
【0047】
以上述べたように、第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第2メモリダイ10bに対してプルダウンキャリブレーションを行い、第2メモリダイ10bに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションが行われることによって、図5に示すように、半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーションの処理時間を、(図1に示した従来例の処理時間である3tから)2tに短縮することができる。
【0048】
上述したように、本実施形態の半導体記憶装置及びその制御方法によれば、第1メモリダイ10aにおけるプルアップキャリブレーションと第2メモリダイ10bにおけるプルダウンキャリブレーションとを同時に行い、第1メモリダイ10aにおけるプルダウンキャリブレーションと第2メモリダイ10bにおけるプルアップキャリブレーションとを同時に行うことが可能になるので、例えば、各メモリダイ間でインピーダンスキャリブレーションの開始タイミングをずらす場合と比較して、半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーションの処理時間を短縮することができる。
【0049】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0050】
例えば、上述した実施形態では、第2メモリダイ10bの数が1つである場合を一例として説明したが、本発明は、この場合に限定されない。例えば、第2メモリダイ10bの数は2つ以上であってもよい。この場合、第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションを行う間に複数の第2メモリダイ10bの各々に対してプルダウンキャリブレーションを行い、複数の第2メモリダイ10bの各々に対してプルアップキャリブレーションを行う間に第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションが行われてもよい。なお、この場合、複数の第2メモリダイ10bの各々の各トランジスタM1,M2,M3の抵抗特性は、複数の第2メモリダイ10b間で等しく構成されてもよい。この場合においても、上述した実施形態と同様に、半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーションの処理時間を短縮することができる。
【0051】
また、外部抵抗Rを共有するメモリダイのセットが異なる外部抵抗R毎に設けられている場合に、制御部20は、メモリダイのセットの各々の第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションを行う間にメモリダイのセットの各々の第2メモリダイ10bに対してプルダウンキャリブレーションを行い、メモリダイのセットの各々の第2メモリダイ10bに対してプルアップキャリブレーションを行う間にメモリダイのセットの各々の第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションを行うように制御してもよい。
【0052】
例えば、図6に示すように、第1メモリダイ及び第2メモリダイが第1外部抵抗を共有しており、第3メモリダイ及び第4メモリダイが第2外部抵抗を共有している場合に、第1メモリダイ及び第3メモリダイの制御部20が、対応するメモリダイ(すなわち、第1メモリダイ及び第3メモリダイ)に対してプルアップキャリブレーションを行う間に、第2メモリダイ及び第4メモリダイの制御部20が、対応するメモリダイ(すなわち、第2メモリダイ及び第4メモリダイ)に対してプルダウンキャリブレーションを行い、第2メモリダイ及び第4メモリダイの制御部20が、対応するメモリダイ(第2メモリダイ及び第4メモリダイ)に対してプルアップキャリブレーションを行う間に、第1メモリダイ及び第3メモリダイの制御部20が、対応するメモリダイ(第1メモリダイ及び第3メモリダイ)に対してプルダウンキャリブレーションを行ってもよい。この場合においても、上述した実施形態と同様に、半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーションの処理時間を短縮することができる。なお、メモリダイのセットを構成するメモリダイの数は、3つ以上であってもよい。
【0053】
さらに、制御部20は、N(Nは3以上の整数)個のメモリダイのうち第i(iは1以上N-2以下の整数)メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第i+1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、前記第i+1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第i+2メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、第Nメモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行うように制御してもよい。
【0054】
例えば、図7に示すように、N=4の場合、第1メモリダイの制御部20が第1メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第2メモリダイの制御部20が第2メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、第2メモリダイの制御部20が第2メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第3メモリダイの制御部20が第3メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、第3メモリダイの制御部20が第3メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第4メモリダイの制御部20が第4メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行い、第4メモリダイの制御部20が第4メモリダイに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第1メモリダイの制御部20が第1メモリダイに対してプルダウンキャリブレーションを行ってもよい。この場合においても、上述した実施形態と同様に、半導体記憶装置におけるインピーダンスキャリブレーションの処理時間を短縮することができる。
【0055】
また、上述した実施形態では、各メモリダイ10に制御部20が設けられている場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限られない。例えば、各メモリダイ10においてプルアップキャリブレーション及びプルダウンキャリブレーションのうち何れの動作を行うかを制御するように構成された単一の制御部20が設けられてもよい。
【0056】
なお、上述した実施形態の構成は一例であり、適宜変更されてもよいし、他の様々な構成が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10…メモリダイ
10a…第1メモリダイ
10b…第2メモリダイ
11…プルアップキャリブレーション部
12…プルダウンキャリブレーション部
13…生成部
20…制御部
code_p…第1制御信号
code_n…第2制御信号
GND…接地電圧
M1…第1トランジスタ
M2…第2トランジスタ
M3…第3トランジスタ
PAD…他のパッド
R…外部抵抗
VDD…動作電圧
ZQPAD…キャリブレーションパッド
【要約】
【課題】外部抵抗に複数のメモリダイが接続されている場合に、インピーダンスキャリブレーション処理の時間を短縮することの可能な半導体記憶装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、キャリブレーションパッドZQPADを介して共通の外部抵抗Rに接続された複数のメモリダイ10と、複数のメモリダイ10のうち第1メモリダイ10aに対してプルアップキャリブレーションを行う間に複数のメモリダイ10のうち第1メモリダイ10aとは異なる1つ以上の第2メモリダイ10bに対してプルダウンキャリブレーションを行い、第2メモリダイ10bに対してプルアップキャリブレーションを行う間に第1メモリダイ10aに対してプルダウンキャリブレーションを行うように制御する制御部20と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7