(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-12
(45)【発行日】2025-03-21
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20250313BHJP
【FI】
G06Q30/0251
(21)【出願番号】P 2024051956
(22)【出願日】2024-03-27
【審査請求日】2024-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】アリ トゥバ
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-178416(JP,A)
【文献】特開2016-081105(JP,A)
【文献】特開2020-047184(JP,A)
【文献】特開2018-106502(JP,A)
【文献】米国特許第08924465(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理を実行する割り勘処理部と、
前記割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
を備えて
おり、
前記割り勘データは、前記複数のユーザアカウントを含み、かつ、前記割り勘処理が行われる度に生成されるものであり、
前記推定部は、前記複数の割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウントのうち少なくとも1つが含まれた前記割り勘処理が行われている頻度を特定し、前記頻度が閾値以上であるか否かに基づいて、前記人間関係を推定する、
情報処理システム。
【請求項2】
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理を実行する割り勘処理部と、
前記割り勘処理が行われる場合に、前記複数のユーザアカウント間で特典を分配する特典分配部と、
前記割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
を備えて
おり、
前記割り勘データは、前記複数のユーザアカウントと、前記複数のユーザアカウント間での前記特典の分配結果とを含み、
前記推定部は、前記特典の分配結果が前記複数のユーザアカウント間で均等であるか否かに基づいて、前記人間関係を推定する、
情報処理システム。
【請求項3】
前記特典分配部は、前記推定部によって推定された前記人間関係に応じて前記特典の分配態様を異ならせる、
請求項
2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記配信部は、前記広告として、前記推定部によって推定された前記人間関係に対応した人間関係広告を配信する、
請求項1
~請求項3のうち何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記推定部によって、前記複数のユーザアカウントが特定人数のグループであると推定された場合、前記配信部は、前記人間関係広告として、前記特定人数以上用の広告を配信する、
請求項
4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記割り勘処理は、請求アカウントが支払いアカウントに対して割り勘をリクエストする割り勘リクエスト処理を含み、
前記配信部は、前記割り勘リクエスト処理が行われた割り勘リクエスト時点と、前記割り勘処理の対象となる決済が行われた決済時点との時間間隔に応じて、前記広告の内容を変更する、
請求項1
~請求項3のうち何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記配信部は、前記時間間隔が予め定められた閾値間隔以下である場合、前記人間関係に対応し且つ前記割り勘処理の対象となる決済情報に対応した広告を配信する一方、前記時間間隔が前記閾値間隔よりも長い場合には、前記人間関係に対応し、且つ、前記割り勘処理の対象となる決済情報に含まれる購入対象とは種類が異なる購入対象に関する広告を配信する、
請求項
6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記割り勘処理は、請求アカウントが支払いアカウントに対して割り勘をリクエストする割り勘リクエスト処理を含み、
前記配信部は、前記割り勘リクエスト処理が行われた割り勘リクエスト時点と、前記割り勘処理の対象となる決済が行われた決済時点との時間間隔に応じて、前記広告の配信時点を異ならせる、
請求項1
~請求項3のうち何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記割り勘処理は、
前記割り勘リクエスト処理が完了したことを前記請求アカウントに対して通知するリクエスト完了通知処理と、
前記支払いアカウントによる支払いが完了したことを通知する支払い完了通知処理と、
を含み、
前記配信部は、前記時間間隔が予め定められた閾値間隔以下である場合、前記リクエスト完了通知処理にて前記広告を配信する一方、前記時間間隔が前記閾値間隔よりも長い場合、前記広告を、前記リクエスト完了通知処理ではなく、前記支払い完了通知処理にて配信する、
請求項
8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
1または複数の情報処理装置を用いた情報処理方法であって、
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定することと、
前記人間関係に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信することと、
を含
み、
前記割り勘データは、前記複数のユーザアカウントを含み、かつ、前記割り勘処理が行われる度に生成されるものであり、
前記人間関係を推定することは、前記複数の割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウントのうち少なくとも1つが含まれた前記割り勘処理が行われている頻度を特定し、前記頻度が閾値以上であるか否かに基づいて、前記人間関係を推定することを含む、
情報処理方法。
【請求項11】
1または複数の情報処理装置を用いた情報処理方法であって、
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定することと、
前記割り勘処理が行われる場合に、前記複数のユーザアカウント間で特典を分配することと、
前記人間関係に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信することと、
を含
み、
前記割り勘データは、前記複数のユーザアカウントと、前記割り勘処理が行われる場合に前記複数のユーザアカウント間で特典を分配する特典の分配結果とを含み、
前記人間関係を推定することは、前記特典の分配結果が前記複数のユーザアカウント間で均等であるか否かに基づいて、前記人間関係を推定することを含む、
情報処理方法。
【請求項12】
1または複数の情報処理装置を、
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
として機能さ
せ、
前記割り勘データは、前記複数のユーザアカウントを含み、かつ、前記割り勘処理が行われる度に生成されるものであり、
前記推定部は、前記複数の割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウントのうち少なくとも1つが含まれた前記割り勘処理が行われている頻度を特定し、前記頻度が閾値以上であるか否かに基づいて、前記人間関係を推定する、
プログラム。
【請求項13】
1または複数の情報処理装置を、
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記割り勘処理が行われる場合に、前記複数のユーザアカウント間で特典を分配する特典分配部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
として機能さ
せ、
前記割り勘データは、前記複数のユーザアカウントと、前記複数のユーザアカウント間での前記特典の分配結果とを含み、
前記推定部は、前記特典の分配結果が前記複数のユーザアカウント間で均等であるか否かに基づいて、前記人間関係を推定する、
プログラム。
【請求項14】
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
を備えて
おり、
前記割り勘データは、前記複数のユーザアカウントを含み、かつ、前記割り勘処理が行われる度に生成されるものであり、
前記推定部は、前記複数の割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウントのうち少なくとも1つが含まれた前記割り勘処理が行われている頻度を特定し、前記頻度が閾値以上であるか否かに基づいて、前記人間関係を推定する、情報処理装置。
【請求項15】
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記割り勘処理が行われる場合に、前記複数のユーザアカウント間で特典を分配する特典分配部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
を備えて
おり、
前記割り勘データは、前記複数のユーザアカウントと、前記割り勘処理が行われる場合に前記複数のユーザアカウント間で特典を分配する特典の分配結果とを含み、
前記推定部は、前記特典の分配結果が前記複数のユーザアカウント間で均等であるか否かに基づいて、前記人間関係を推定する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1または複数の買い物決済履歴に基づく支払い済み金額を、複数の端末のユーザで負担する割り勘精算処理を行う通信システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、本願の発明者は、割り勘精算処理などの割り勘処理に関するデータである割り勘データには活用の余地があることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理を実行する割り勘処理部と、前記割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、を備えている。
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、1または複数の情報処理装置を用いた情報処理方法であって、1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定することと、前記人間関係に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信することと、を含む。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、1または複数の情報処理装置を、1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、として機能させる。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、サーバと通信可能であってディスプレイを有するユーザ端末を用いて決済を行うためのプログラムであって、前記ユーザ端末を、1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理の一部の処理であって、割り勘リクエスト情報を前記サーバに送信する割り勘リクエスト処理を実行する割り勘リクエスト部と、前記サーバから広告データを取得したことに基づいて、その取得された前記広告データに基づく広告を前記ディスプレイに表示させる広告表示部と、として機能させ、前記割り勘リクエスト情報は、前記複数のユーザアカウントのうち支払い対象のアカウントを含み、前記複数のユーザアカウント間の人間関係は、前記割り勘リクエスト情報を含む割り勘データに基づいて推定され、前記広告は、複数のユーザアカウント間の人間関係に対応した人間関係広告である。
【0009】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、割り勘データを用いて効果的な広告を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は第1実施形態の情報処理システムの構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は
図1の情報処理システムを構成するユーザ端末の電気的構成を例示するブロック図である。
【
図3】
図3は
図1の情報処理システムを構成するサーバの電気的構成を例示するブロック図である。
【
図4】
図4はユーザデータベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は店舗端末の電気的構成を例示するブロック図である。
【
図7】
図7は決済処理の一例を示すフロー図である。
【
図8】
図8は決済用コードが表示された画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は第1広告データ生成処理の一例を示すフロー図である。
【
図19】
図19は第2広告データ生成処理の一例を示すフロー図である。
【
図22】
図22は第2実施形態の金額設定画面の一例を示す図である。
【
図23】
図23は第2実施形態の金額設定画面の一例を示す図である。
【
図24】
図24は第3実施形態のホーム画面の一例を示す図である。
【
図25】
図25は第3実施形態の送受金処理の一部を示すフロー図である。
【
図26】
図26は第3実施形態の総額設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、
図1~
図21を参照しつつ、情報処理システム、情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置の第1実施形態を説明する。
【0013】
<情報処理システム10の構成>
図1に示すように、情報処理システム10は、例えば、複数のユーザ端末20,30と、1または複数のサーバ40と、店舗端末50と、を備えている。複数のユーザ端末20,30とサーバ40とは、ネットワークNTを介して通信可能となっている。また、ネットワークNTを介して、複数のユーザ端末20,30間でも通信可能となっている。すなわち、本実施形態の情報処理システム10は、複数のユーザ端末20,30とサーバ40とが接続され、全体としてまとまった機能を発揮している。なお、ユーザ端末20,30の数は2つに限られず、任意である。
【0014】
<ユーザ端末20,30の概要>
ユーザ端末20,30は、1または複数のコンピュータによって構成されている。ユーザ端末20,30は、ユーザが用いるコンピュータの一例ともいえる。ユーザ端末20,30は、例えばスマートフォン、スマートウォッチ、タブレットなどの携帯端末であってもよいが、これらに限られない。
【0015】
図2に示すように、ユーザ端末20は、端末プロセッサ21と、端末メモリ22と、通信IF23と、入出力部24と、ディスプレイ25と、位置検出部26と、を含む。
端末プロセッサ21は、例えば、各種ソフトウェア処理を実行するように構成される処理回路(processing circuitry)である。処理回路は、ソフトウェア処理の少なくとも一部を処理する専用のハードウェア回路(たとえばASIC等)を備えてもよい。すなわち、ソフトウェア処理は、1または複数のソフトウェア処理回路及び1または複数の専用のハードウェア回路の少なくとも一方を備えた処理回路によって実行されればよい。
【0016】
端末プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはその他の演算装置である。端末プロセッサ21は、与えられる信号に応じて、または、予め定められた条件が成立したことに応じて、端末メモリ22に格納されているコンピュータプログラムに含まれる一連の命令を実行する。
【0017】
端末メモリ22は、例えば、恒久的にプログラムを含むデータを保管するストレージを含んでもよい。プログラムは、アプリケーション及びオペレーティングシステムを含む。ストレージは、例えば、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read-Only Memory)、ハードディスク装置、フラッシュ端末メモリ、またはその他の不揮発性記憶装置であってもよい。ストレージは、端末メモリカードのように、着脱可能な記憶装置であってもよい。これに限られず、端末メモリ22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、またはその他の揮発性端末メモリを含んでもよい。端末メモリ22の数は任意であり、1つでもよいし複数でもよい。
【0018】
ここで、本実施形態では、端末メモリ22には、ユーザ端末20を用いて決済を行うための決済アプリプログラム22aが記憶されている。決済アプリプログラム22aは、決済アプリを実行するためのプログラムである。端末プロセッサ21は、決済アプリプログラム22aを実行することにより、決済アプリを動作させることができる。決済アプリは、端末決済処理、請求割り勘処理、支払い割り勘処理を実行可能に構成されている。すなわち、決済アプリプログラム22aは、ユーザ端末20に、端末決済処理、請求割り勘処理、支払い割り勘処理を実行させるためのプログラムとも言える。
【0019】
決済アプリには、ユーザアカウントが設定されている。ユーザアカウントは、ユーザを特定するためのユーザ固有の情報である。これにより、決済アプリを実行するユーザを特定することができる。説明の便宜上、以下の説明では、1つのユーザ端末20に対して1つのユーザアカウントが設定されているとする。
【0020】
本明細書における「決済」とは、電子的な決済(電子決済)である。決済は、電子貨幣を用いる構成を含む。電子貨幣とは、例えば、電子マネー、デジタル通貨、仮想通貨であってもよいし、クーポンやポイントであってもよい。また、決済は、クレジットカードを用いた電子的な決済を含む。
【0021】
通信IF23は、ネットワークNTに接続するように構成される。通信IF23は、ネットワークNTに接続されている他の装置と通信するように構成される。通信IF23は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、またはその他の無線通信IFとして実現される。ただし、これに限られず、通信IF23は、LAN、またはその他の有線通信IFとして実現されてもよい。
【0022】
入出力部24は、例えば、キーボード及びマウスであり、ボタン、キー、スイッチ、タッチパッド、またはマイクを含んでもよい。入出力部24は、タッチ操作、キーボード操作、マウス操作、音声などによる入出力が可能に構成されている。
【0023】
ディスプレイ25は、例えば、液晶モニタまたは有機EL(Electro Luminescence)モニタであってもよいし、入出力部24を兼ねたタッチパネルを有するタッチスクリーンであってもよい。
【0024】
位置検出部26は、ユーザ端末20の位置情報を取得するものである。位置検出部26は、例えばGPSである。ただし、これに限られず、位置検出部26は、ユーザ端末20の位置を検出することができれば任意である。
【0025】
同じくユーザ端末30は、端末プロセッサ31と、決済アプリプログラム32aを有する端末メモリ32と、通信IF33と、入出力部34と、ディスプレイ35と、位置検出部36と、を含む。これらの構成は、ユーザ端末20の対応する構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。本実施形態では、決済アプリプログラム22a,32aが「ユーザ端末を用いて決済を行うためのプログラム」に対応する。
【0026】
<サーバ40の概要>
1または複数のサーバ40は、1または複数のコンピュータによって構成されている。1または複数のサーバ40は、例えば管理者が管理するものである。1または複数のサーバ40は、決済処理の一部である管理決済処理、及び、割り勘処理の一部である管理割り勘処理を実行するように構成されている。サーバ40が複数ある場合、複数のサーバ40はネットワークNTを介して互いに通信を行うことにより、各種処理を行うのに必要な情報のやり取りを行うように構成されているとよい。
【0027】
図3に示すように、サーバ40は、サーバプロセッサ41と、サーバメモリ42と、通信IF43と、入出力部44と、ディスプレイ45と、を備えている。
サーバプロセッサ41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはその他の演算装置である。サーバプロセッサ41は、与えられる信号に応じて、または、予め定められた条件が成立したことに応じて、サーバメモリ42に格納されているコンピュータプログラムに含まれる一連の命令を実行する。
【0028】
サーバメモリ42は、端末メモリ22,32と同様に、例えばSSDなど不揮発性メモリであってもよい。通信IF43は、ユーザ端末20,30の通信IF23,33と同様に、ネットワークNTに接続するように構成されている。サーバ40は、ネットワークNTを介してユーザ端末20,30及び店舗端末50と通信可能となっている。
【0029】
入出力部44は、例えば、キーボード及びマウスであり、ボタン、キー、スイッチ、タッチパッド、またはマイクを含んでもよい。入出力部44は、タッチ操作、キーボード操作、マウス操作、音声などによる入出力が可能に構成されている。
【0030】
ディスプレイ45は、例えば、液晶モニタまたは有機EL(Electro Luminescence)モニタであってもよいし、入出力部44を兼ねたタッチパネルを有するタッチスクリーンであってもよい。
【0031】
サーバメモリ42は、決済処理及び割り勘処理を実行するのに必要な情報を記憶している。詳細には、サーバメモリ42には、決済管理プログラム42aと、広告データベース42bと、ユーザデータベース42cと、割り勘データベース42dと、が記憶されている。
【0032】
決済管理プログラム42aは、管理決済処理及び管理割り勘処理を実行するためのプログラムを含む。サーバプロセッサ41は、決済管理プログラム42aを実行することにより管理決済処理及び管理割り勘処理を実行することができる。すなわち、決済管理プログラム42aは、サーバ40に、管理決済処理及び管理割り勘処理を実行させるためのものであるとも言える。本実施形態では、決済管理プログラム42aが、1または複数の情報処理装置としてのサーバ40を「推定部」及び「配信部」として機能させるプログラムに対応する。
【0033】
広告データベース42bは、ユーザに提供する広告に関するデータを管理するデータベースである。広告データベース42bは、広告の依頼者から広告を入稿する際に、広告に関するデータが登録されるデータベースである。
【0034】
広告データベース42bには、例えば広告IDと、購入対象種別と、推奨属性と、クーポン情報と、店舗情報と、が対応付けられて設定されている。
広告IDは、広告を識別可能な情報である。購入対象種別は、広告に対応する購入対象の種別を示す情報である。例えば、購入対象種別は、複数のカテゴリを有してもよい。購入対象種別の複数のカテゴリは、例えば、電子商取引、旅行、証券などといったものでもよい。また、複数のカテゴリは、複数の階層を有する構造でもよい。例えば、電子商取引のカテゴリは、例えば家電製品、日用品などといった複数の下位カテゴリを有する構成でもよいし、家電製品カテゴリは更に複数の下位カテゴリを有する構成でもよい。
【0035】
なお、購入対象は、商品及びサービスの双方を含む。また、購入対象の商品は、実際の商品に限られず、電子上で取引されるデジタル商品を含む。デジタル商品は、例えばソフトウェア、電子書籍、音楽データ、NFT(Non-Fungible Token)を含む。
【0036】
推奨属性は、広告の提供を推奨するユーザの属性情報である。ユーザの属性情報は、ユーザの年齢、性別、好みといった個人に関する情報と、人間関係に関する情報とを含む。人間関係に関する情報とは、複数のユーザアカウント間における関係性に関する情報である。人間関係に関する情報とは、例えば、家族、恋人、友人、ルームメイト、同僚など複数のカテゴリを含む。推奨属性が人間関係に関する情報を含むことにより、友人同士で利用するのに推奨される広告、恋人同士で利用するのに推奨される広告などといった人間関係に対応した広告の選定が可能となる。
【0037】
クーポン情報は、購入対象に対する割引やポイントなど、特典に関する情報である。クーポン情報は、例えば複数人以上である場合に適用される適用条件を含んでもよい。なお、特典の具体的な態様については任意である。
【0038】
店舗情報は、購入対象を販売する店舗に関する情報である。店舗情報は、例えば店舗の位置情報を含む。また、店舗情報は、店舗で取り扱う商品リストといった他の情報を含んでもよい。
【0039】
図4に示すように、ユーザデータベース42cには、複数のユーザアカウントと、当該複数のユーザアカウントに対応させて設定された複数のユーザ情報と、が記憶されている。ユーザ情報は、ユーザアカウントに登録されている情報である。
【0040】
ユーザ情報は、ユーザ属性情報、ユーザ決済情報及び特典情報を含む。
ユーザ属性情報とは、例えばユーザの年齢、性別、住所、年収、勤務地、職業、メールアドレスといった個人情報を含むが、これに限られない。なお、住所は、登録された自宅住所でもよいし、ユーザアカウントでログインされているユーザ端末20,30の位置情報でもよい。
【0041】
本実施形態では、ユーザ属性情報は、ユーザアカウントのお気に入り情報及び人間関係に関する情報を含む。お気に入り情報とは、ユーザがお気に入り登録を行った登録リストの情報である。お気に入り情報は、例えばお気に入り登録された商品、サービス又は利用店舗に関する情報を含む。人間関係に関する情報とは、例えば、ユーザアカウントと関係性を有すると推定されるユーザアカウントと、その関係性についての情報である。
【0042】
ユーザ決済情報は、クレジットカード番号、デビットカード番号、または引き落とし口座の番号を含んでもよい。ユーザ決済情報は、決済アプリにて決済可能な利用可能金額に関する情報を含んでもよい。
【0043】
ユーザ決済情報は、決済履歴などといった決済アプリの利用状況に関する情報を含んでもよい。決済アプリの利用状況に関する情報は、例えば、決済を行った店舗、決済日時、決済金額などを含んでもよい。その他、ユーザ情報は、証券アプリ、旅行アプリ、ゴルフ場の利用アプリ等といった他のアプリケーションの利用状況を含んでもよい。
【0044】
特典情報は、特典の一種であるポイントに関する情報、例えば利用可能なポイントやポイントの利用実績などを含む。ただし、これに限らず、特典情報は、利用したクーポン情報を含んでもよい。
【0045】
割り勘データベース42dは、複数の割り勘データDsbが記憶されているデータベースである。割り勘データDsbは、上記割り勘処理に関するデータである。
詳述すると、本実施形態の情報処理システム10は、割り勘処理を実行可能に構成されている。割り勘処理は、1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する処理である。
【0046】
割り勘処理は、サーバ40を介して請求アカウントと支払いアカウントとが情報(例えば金額情報)をやり取りすることによって行われる。請求アカウントは、割り勘処理において費用を請求するアカウントであり、通常決済を行ったアカウントである。支払いアカウントは、割り勘処理において支払い対象のアカウントである。支払いアカウントは、請求アカウントから割り勘リクエストがあったアカウントである。各ユーザアカウントは、割り勘の請求及び支払いの双方を行うことができる。すなわち、1つのユーザアカウントが、請求アカウントにもなり得るし、支払いアカウントにもなり得る。
【0047】
図5に示すように、割り勘データDsbは、今回の割り勘対象となる決済に関する情報である決済情報と、割り勘対象者情報と、を含む。例えば、割り勘データDsbは、割り勘IDと、割り勘対象の決済情報と、割り勘対象者と、割り勘金額と、チャット内容と、を含んでもよい。
【0048】
割り勘IDは、割り勘処理を識別するための情報である。
決済情報は、例えば決済者と、決済日時と、決済金額と、決済店舗、購入品目と、決済場所とを含んでもよい。決済者は、実際に決済を行ったユーザアカウントであり、請求アカウントである。決済日時、決済金額、決済店舗、購入品目は、今回の割り勘の対象となる決済が行われた日時、金額、店舗、購入品目である。
【0049】
割り勘対象者は、請求アカウント及び支払いアカウントである。割り勘金額は、各アカウントにて割り振られた請求金額である。チャット内容は、割り勘処理においてユーザによって入力されたチャットであり、チャット欄82に入力されるテキスト情報である。チャット欄82については後述する。
【0050】
店舗端末50は、1または複数のコンピュータによって構成されている。店舗端末50は、例えば販売者が決済に用いる端末である。店舗端末50は、例えばPOS(Point of sales)であってもよいし、店舗決済用のアプリケーションがインストールされたPCまたはタブレットのような携帯端末であってもよい。店舗端末50は、ネットワークNTを介して、サーバ40と通信可能となっている。
【0051】
<店舗端末50の概要>
図6に示すように、店舗端末50は、店舗プロセッサ51と、店舗メモリ52と、通信IF53と、入出力部としてのスキャナ54と、ディスプレイ55と、を含む。
【0052】
店舗プロセッサ51は、端末プロセッサ21と同様に、CPUなどによって構成されている。店舗メモリ52は、端末メモリ22と同様に、例えばSSDなど不揮発性メモリであってもよい。店舗メモリ52は、店舗決済処理を実行するためのプログラムを含む。店舗プロセッサ51は、当該プログラムを実行することにより店舗決済処理を実行することができる。通信IF53は、ユーザ端末20の通信IF23と同様に、ネットワークNTに接続するように構成されている。
【0053】
<決済処理>
情報処理システム10は、ユーザ端末20、店舗端末50及びサーバ40が通信を行うことによって決済処理を行うように構成されている。当該決済処理について
図7を用いて説明する。なお、説明の便宜上、ユーザ端末20を用いた決済について説明するが、ユーザ端末30についても同様である。
【0054】
図7に示すように、決済処理は、商品またはサービスの購入に係る処理を含む。本実施形態では、決済処理は、端末決済処理と、管理決済処理と、店舗決済処理とを含む。端末プロセッサ21は、端末決済処理を実行する。サーバプロセッサ41は、管理決済処理を実行する。店舗端末50の店舗プロセッサ51は、店舗決済処理を実行する。各プロセッサ21,41,51が、対応する決済処理を実行して互いに情報のやり取りを行うことによって、決済処理が実行される。すなわち、本実施形態の情報処理システム10は、ユーザ端末20とサーバ40と店舗端末50が協働して決済が行われるように構成されているともいえる。
【0055】
まず、端末プロセッサ21は、ステップS101にて、ユーザ端末20に対してアプリ起動操作が行われることに基づいて、決済アプリを起動させる。アプリ起動操作は、任意であり、例えばディスプレイ25に表示されているアプリアイコンへのタップ操作が考えられる。その後、端末プロセッサ21は、決済用コード60を表示させる。
【0056】
図8に示すように、決済用コード60は、例えばバーコードまたはQRコード(登録商標)である。端末プロセッサ21は、決済アプリを起動させることにより自動的に決済用コード60を表示させる構成でもよいし、決済用コード60を表示させるための操作が行われたことに基づいて決済用コード60を表示させる構成でもよい。
【0057】
図7に示すように、店舗プロセッサ51は、決済用コード60の読み取り操作が行われた場合には、ステップS301にて、サーバ40に対して決済をリクエストする決済リクエスト処理を実行する。詳細には、店舗プロセッサ51は、サーバ40に対して決済に必要な情報を含む決済リクエスト情報を送信する。
【0058】
読み取り操作は任意であり、例えばスキャナ54によるバーコードまたはQRコードの読み取りが考えられる。ただし、読み取り操作についてはこれに限られず、指紋や顔などの人体認証を用いてもよいし、スキャナ54によるタッチ決済方式でもよい。
【0059】
サーバプロセッサ41は、決済リクエストがあった場合には、ステップS201にて、決済処理を実行する。サーバプロセッサ41は、ユーザ決済情報(例えば利用可能金額やクレジット利用情報)を参照して決済できるか否かを判定し、決済ができると判定した場合には決済を行う。例えば、サーバプロセッサ41は、決済対象のユーザアカウントの利用可能金額から今回の決済金額を差し引く。サーバプロセッサ41は、決済できないと判定した場合には、その旨の通知を店舗端末50及びユーザ端末20の少なくとも一方に送信してもよい。
【0060】
サーバプロセッサ41は、決済が正常に行われた場合には、ステップS202に進み、決済アカウントに対してポイントを付与するポイント付与処理を実行する。詳細には、サーバプロセッサ41は、今回の決済がポイントを付与する対象であるか否かを判定するとともに、付与対象である場合には、ポイントの額及び種類を決定して、決済アカウントに対してポイントを付与する。決済アカウントは、今回決済を行ったユーザアカウントである。
【0061】
続くステップS203では、サーバプロセッサ41は、決済が完了したことを示す決済完了通知をユーザ端末20及び店舗端末50に送信する。そして、サーバプロセッサ41は、今回の決済情報及びポイント付与に関する情報を、サーバメモリ42の所定のデータベースに記憶させる処理を実行して、本処理を終了する。例えば、サーバメモリ42に、決済情報が記憶されている決済データベースが設けられている場合、サーバプロセッサ41は、当該決済データベースに今回の決済情報を記憶させる処理を実行してもよい。これにより、決済履歴及びポイント履歴がサーバメモリ42に記憶される。
【0062】
端末プロセッサ21は、決済完了通知を受信した場合には、ステップS102にて、決済が完了したことに対応する決済完了処理を実行する。決済完了処理は、端末プロセッサ21が決済完了画面61を表示させる処理を含む。
【0063】
図9に示すように、決済完了画面61は、決済が正常に完了した旨を表示する画面である。決済完了画面61には、決済日時、決済店舗、決済金額、ポイントの利用の有無、獲得ポイントについて表示されている。
【0064】
図7に示すように、端末プロセッサ21は、ステップS103にて、お気に入り操作が行われたか否かを判定する。お気に入り操作は、今回決済を行った購入対象をお気に入りに登録するための操作である。
【0065】
お気に入り操作の具体的態様については任意である。例えば、
図9に示すように、端末プロセッサ21は、決済完了画面61における決済金額の隣にお気に入り登録するためのお気に入りアイコン62を表示させてもよい。この場合、お気に入り操作とは、お気に入りアイコン62をタップ操作することであってもよい。
【0066】
端末プロセッサ21は、お気に入り操作が行われた場合には、ステップS104に進み、今回の購入対象(決済対象)をお気に入り登録するリクエストをサーバ40に送信する。サーバプロセッサ41は、当該リクエストを受信した場合には、ステップS204にて、ユーザデータベース42cのユーザ属性情報に含まれるお気に入り情報に、当該リクエストされた購入対象を追加する更新処理を実行する。これにより、お気に入り情報を参照することによってユーザの好みであるかを把握できる。
【0067】
ちなみに、例えば購入対象が飲食店などのサービスである場合には、サーバプロセッサ41は、利用店舗をお気に入り登録してもよい。また、例えば購入対象がアクティビティである場合には、サーバプロセッサ41は、アクティビティの種類をお気に入り登録するとともに、今回の利用店舗をお気に入り登録してもよい。
【0068】
店舗プロセッサ51は、決済完了通知を受信したことに基づいて、ステップS302にて、決済完了処理を実行して本処理を終了する。決済完了処理は、例えば店舗端末50のディスプレイ55に決済が正常に完了したことを示す画面を表示する処理を含む。
【0069】
<割り勘処理>
次に、割り勘処理について説明する。なお、説明の便宜上、以降の説明において、請求アカウントのユーザ端末20を請求ユーザ端末20ともいい、支払いアカウントのユーザ端末30を支払いユーザ端末30ともいう。
【0070】
割り勘処理は、請求ユーザ端末20にて実行される請求割り勘処理と、支払いユーザ端末30にて実行される支払い割り勘処理と、サーバ40にて実行される管理割り勘処理とを含む。各割り勘処理を実行するユーザ端末20,30及びサーバ40(詳細には各プロセッサ21,31,41)が「割り勘処理部」に対応する。
【0071】
これら各割り勘処理について説明する。
図10に示すように、請求ユーザ端末20、詳細には請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、ステップS401にて、割り勘操作が行われるまで待機する。
【0072】
割り勘操作の具体的な態様は任意であるが、例えば
図9に示すように、決済完了画面61において割り勘を行うことを示す割り勘アイコン63が表示されていてもよい。この場合、割り勘操作は、当該割り勘アイコン63をタップ操作することである。
【0073】
なお、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、決済完了画面61が表示されてから所定期間が経過した場合、または、決済完了画面61が閉じた場合に、待機状態を解除して、請求割り勘処理を終了してもよい。
【0074】
図10に示すように、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、割り勘操作が行われた場合には、決済完了画面61に表示されている決済について割り勘を行うと判定し、ステップS402に進む。
【0075】
請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、ステップS402では、自分以外の割り勘対象者を選択する割り勘対象者選択処理を実行する。詳細には、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、対象者選択画面70を表示させる。
【0076】
図11に示すように、対象者選択画面70には、対象者を選択するための情報が表示されている。例えば、対象者選択画面70には、ユーザが入力可能な検索欄71が設けられている。請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、ユーザが検索欄71に電話番号やユーザアカウントなどが入力された場合、自身の端末メモリ22またはサーバ40と通信することによって対象者を検索して表示させる。
【0077】
そして、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、表示されるユーザ名のいずれかに対して選択操作が行われることによって選択されたユーザを割り勘対象者として選択する。なお、選択操作としては、例えば表示されたユーザ名へのタップ操作が考えられるが、これに限られない。また、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、選択中の対象者を識別できるようにチェックマークを表示してもよい。
【0078】
また、本実施形態の情報処理システム10は、人間関係を推定可能に構成されており、推定された人間関係に関する情報はユーザデータベース42cに記憶されている。この場合、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、対象者選択処理において、サーバ40に人間関係に関する情報をリクエストしてもよい。そして、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、サーバ40から取得された人間関係に関する情報に基づいて、対象者選択画面70に候補者リスト72を表示させてもよい。候補者リスト72は、例えばカテゴリごとに表示されてもよい。請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、候補者リスト72に表示されている表示名がタップ操作されることにより、タップ操作された表示名のユーザアカウントを割り勘対象者として選択する。ただし、候補者リスト72の表示態様は任意である。
【0079】
また、対象者選択画面70には、選択完了アイコン73が設けられていてもよい。請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、選択完了アイコン73へのタップ操作が行われたことに基づいて、選択確認画面74を表示させる。
【0080】
図12に示すように、選択確認画面74には、例えば、今回選択されたアカウントがリスト表示されるとともに確定アイコン75が表示される。請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、確定アイコン75に対するタップ操作が行われたことに基づいて、今回選択されたアカウントを支払いアカウントとして確定させる処理を行い、ステップS403に進む。
【0081】
なお、対象者選択画面70及び選択確認画面74の具体的な表示態様は任意である。例えば、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、候補者リスト72を省略してもよいし、選択確認画面74を省略して選択完了アイコン73へのタップ操作によって割り勘対象者が確定する構成でもよい。
【0082】
また、割り勘対象者の選択態様については、上記に限られない。例えば、支払いユーザ端末30の端末プロセッサ31は、ディスプレイ35に、自身のアカウントに関するQRコードを表示させてもよい。この場合、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、当該QRコードを読み取ることによって選択できるようにしてもよい。また、両ユーザ端末20,30が専用のURLを共有する構成でもよい。
【0083】
図10に示すように、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、ステップS403にて、割り勘の金額を設定する割り勘金額設定処理を実行する。詳細には、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、請求ユーザ端末20のディスプレイ25に金額設定画面80を表示させる。
【0084】
図13に示すように、金額設定画面80には、請求アカウント(自分)と、支払いアカウント名とが表示されるとともに、各アカウント名に対応させて請求金額アイコン81が表示される。
【0085】
ここで、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、請求金額の初期値を入力した状態で請求金額アイコン81を表示させてもよい。請求金額の初期値は、例えば決済金額を支払いアカウント数で割った値である。ただし、請求金額の初期値は必須ではなく、空白でもよい。
【0086】
本実施形態の情報処理システム10は請求金額を初期値から変更可能に構成されていてもよい。例えば、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、予め定められた変更操作(例えば請求金額アイコン81に対するタップ操作)が行われたことに基づいて、ユーザが請求金額を変更することができる状態にする。ユーザが請求金額を変更することができる状態とは、例えば、ユーザが金額を直接入力できる状態であってもよいし、変更アイコンを表示させ且つ当該変更アイコンを用いて金額を変更する構成でもよい。
【0087】
金額設定画面80には、ユーザがチャットを入力することができるチャット欄82が設けられていてもよい。これにより、ユーザが支払いアカウントに対して割り勘リクエストとともにチャットを付加することができる。
【0088】
金額設定画面80には、請求金額を確定させる確定アイコン83が設けられている。請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、確定アイコン83がタップ操作されたことに基づいて、請求金額を確定させて、割り勘金額設定処理を終了する。
【0089】
図10に示すように、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、割り勘金額設定処理の終了後、ステップS404にて、割り勘リクエスト処理を実行する。割り勘リクエスト処理は、支払いアカウント、各支払いアカウントの請求金額、及びチャットが設定された割り勘リクエスト情報をサーバ40に送信する処理を含む。本実施形態では、ステップS404の処理を実行する請求ユーザ端末20(端末プロセッサ21)が「割り勘リクエスト部」に対応する。
【0090】
サーバプロセッサ41は、請求ユーザ端末20から割り勘リクエストがあった場合、詳細には割り勘リクエスト情報を受信した場合には、ステップS501にて、割り勘リクエスト配信処理を実行する。割り勘リクエスト配信処理は、例えば支払いアカウントが設定された支払いユーザ端末30に対して支払いリクエスト情報を配信する。支払いリクエスト情報は、今回の割り勘の対象となる決済に関する情報である決済情報と、請求人情報と、請求金額情報と、を含む。また、割り勘リクエスト情報にチャットが含まれている場合、支払いリクエスト情報は、チャット情報を含んでもよい。
【0091】
その後、サーバプロセッサ41は、ステップS502にて、今回の割り勘に関するデータである割り勘データDsbを割り勘データベース42dに記憶させる処理を実行する。詳細には、サーバプロセッサ41は、新たな割り勘IDを付与するとともに、今回受信した割り勘リクエスト情報に基づいて、対応する情報を記憶させる。つまり、割り勘データDsbは、割り勘リクエスト情報を含む。
【0092】
ちなみに、サーバプロセッサ41は、割り勘処理が行われる度に新たな割り勘IDを付与して割り勘データDsbを生成して、割り勘データベース42dに記憶するように構成されている。このため、割り勘データDsbは、割り勘処理が行われる度に生成される。
【0093】
続くステップS503では、サーバプロセッサ41は、割り勘データDsbに基づいて、複数のアカウント間の人間関係を推定する推定処理を実行する。
<推定処理>
推定処理について
図14を用いて説明する。
【0094】
図14に示すように、サーバプロセッサ41は、まずステップS701にて、割り勘データベース42dにアクセスして、1または複数の割り勘データDsbを取得する。取得する割り勘データDsbは、今回の割り勘処理に係る割り勘データDsbのみであってもよいし、今回の割り勘対象者の少なくとも一人が含まれる過去の割り勘データDsbの一部または全てであってもよい。
【0095】
続くステップS702では、サーバプロセッサ41は、ユーザデータベース42cにアクセスして、割り勘対象者のユーザ情報を取得する。
次に、ステップS703では、サーバプロセッサ41は、1または複数の割り勘データDsbと、割り勘対象者のユーザ情報とに基づいて、今回の割り勘対象者の人間関係、換言すれば今回の割り勘対象となる複数のアカウント間の人間関係を推定する。
【0096】
推定対象の人間関係は、複数のカテゴリを有してもよい。複数のカテゴリは、例えば、友人、恋人、家族、会社の同僚、ルームメイトを含んでもよい。また、複数のカテゴリは、趣味が共通している趣味関係を含んでもよい。推定対象のカテゴリは、広告データベース42bの推奨属性における人間関係に関する情報のカテゴリと同一でもよい。この場合、推定対象のカテゴリに適した広告を提供することができる。
【0097】
かかる構成において、例えば、サーバプロセッサ41は、1または複数の割り勘データDsbの店舗情報に基づいて、人間関係を推定してもよい。例えば、レストラン、カフェ、商業施設などにおける決済の割り勘が複数回行われている場合には、サーバプロセッサ41は、今回の割り勘対象となる複数のアカウント間の人間関係を友人と推定してもよい。また、サーバプロセッサ41は、割り勘データDsbから、ガソリンスタンドの決済を割り勘していると把握した場合、今回の割り勘対象者の人間関係を友人と推定してもよい。例えば、割り勘データDsbの決済店舗がゴルフ場である場合、サーバプロセッサ41は、今回の割り勘対象者の人間関係をゴルフ仲間と推定してもよい。
【0098】
サーバプロセッサ41は、割り勘の頻度に基づいて人間関係を推定してもよい。詳細には、サーバプロセッサ41は、今回の割り勘対象の複数のユーザアカウントのうち少なくとも1つが含まれた割り勘処理が行われている頻度を特定してもよい。そして、サーバプロセッサ41は、その頻度に基づいて、人間関係を推定してもよい。
【0099】
例えば、サーバプロセッサ41は、割り勘の頻度に基づいて、友人関係の深さを推定してもよい。詳細には、割り勘対象の決済が行われる頻度が閾値未満である場合、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者を通常の友人関係であると推定してもよい。一方、割り勘対象の決済が行われる頻度が閾値以上である場合、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者を親しい友人関係であると推定してもよい。
【0100】
ちなみに、頻度を特定するのに用いる割り勘処理は上記に限られず、任意である。例えば、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者が同じ割り勘処理のみを抽出する構成でもよい。
【0101】
サーバプロセッサ41は、1または複数の割り勘データDsbの決済日時から人間関係を推定してもよい。今回の割り勘対象の決済が特別な日に行われた決済である場合、サーバプロセッサ41は、今回の割り勘対象者の人間関係を恋人であると推定してもよい。特別な日とは、例えばクリスマスやバレンタインといった日である。また、休日の決済について割り勘が行われる頻度が高い場合には、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者の人間関係をルームメイトであると推定してもよい。
【0102】
例えば、サーバプロセッサ41は、1または複数の割り勘データDsbの決済日時及び決済店舗から人間関係を推定してもよい。例えば、決済店舗がビジネスで用いられ易いまたはビジネス街にある店舗であり、且つ、決済日時が平日の夜である決済に係る割り勘が定期的に行われている場合、サーバプロセッサ41は、当該割り勘が行われている割り勘対象者を会社の同僚と推定してもよい。
【0103】
サーバプロセッサ41は、1または複数の割り勘データDsbの購入品目から人間関係を推定してもよい。例えば、割り勘対象の購入品目が家賃、光熱費、及び家庭内支出の少なくとも1つを含む場合、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者の人間関係をルームメイトと推定してもよい。例えば、割り勘対象の購入品目が旅行であった場合、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者の人間関係を旅行仲間と推定してもよい。
【0104】
サーバプロセッサ41は、1または複数の割り勘データDsbとユーザ情報とに基づいて人間関係を推定してもよい。
例えば、今回の割り勘対象者が頻繁にレストラン、カフェ、商業施設などにおける決済を割り勘している状況において、サーバプロセッサ41は、ユーザ情報の年齢を参照してもよい。そして、割り勘対象者が同年代である場合には、サーバプロセッサ41は今回の割り勘対象者が友人であると推定してもよい。一方、割り勘対象者の年齢差が大きい場合、例えば20歳以上である場合には、サーバプロセッサ41は今回の割り勘対象者が家族(親子)であると推定してもよい。また、サーバプロセッサ41は、ユーザ情報の性別を参照してもよい。そして、割り勘対象者全員が女性である場合には、サーバプロセッサ41は、今回の割り勘対象者を女子会仲間であると推定してもよい。また、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者の位置情報に基づいて近所の友人であるか否かを判定してもよい。
【0105】
推定対象の人間関係は、人数の概念を含んでもよい。例えば、サーバプロセッサ41は、割り勘データDsbの割り勘対象者の数に基づいて、何人組の人間関係であるかを推定してもよい。すなわち、本実施形態のサーバプロセッサ41は、割り勘データDsbに基づいて、グループ人数を推定してもよい。
【0106】
例えば、推定される人間関係が友人であって割り勘対象者が3名である場合、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者は3人組の友人と推定してもよい。例えば、休日のレストランでの決済についての割り勘処理が、5名の割り勘対象者にて定期的に行われている場合、サーバプロセッサ41は、5名のルームメイトであると推定してもよい。その他、サーバプロセッサ41は、人間関係が恋人と推定された場合、自ずと2人組であると推定してもよい。
【0107】
ちなみに、推定処理は、予め定められたルールベースの判定処理によって実行されてもよいし、予め学習された学習済みモデルによって実行されてもよい。学習済みモデルは、例えば人間関係が予め分かっている複数のアカウントにおける割り勘データDsbと人間関係とを対応付けて学習させることによって実現することができる。
【0108】
また、複数のカテゴリのうち少なくとも1つは、更に細分化された詳細カテゴリを有してもよい。例えば、家族の詳細カテゴリは、親子、兄弟といったものを含んでもよいし、趣味の詳細カテゴリは、ゴルフ仲間、キャンプ仲間、旅行仲間、投資仲間といったものを含んでもよい。この場合、サーバプロセッサ41は、複数のカテゴリのうちいずれかに属するかを推定するとともに、当該カテゴリのうちの詳細カテゴリについても推定する構成でもよい。
【0109】
<広告データの生成及び広告配信>
図10に示すように、サーバプロセッサ41は、ステップS503の推定処理の実行後は、ステップS504にて第1広告データ生成処理を実行する。
【0110】
第1広告データ生成処理について
図15を用いて説明する。
図15に示すように、ステップS801では、サーバプロセッサ41は、今回の割り勘に係る割り勘データDsbを取得する。
【0111】
ステップS802では、サーバプロセッサ41は、今回の割り勘対象者のユーザ情報を取得する。
ステップS803では、サーバプロセッサ41は、推定処理の推定結果である人間関係に関する情報を取得する。
【0112】
ステップS804では、サーバプロセッサ41は、配信対象者、すなわち広告配信の対象アカウントを特定する処理を実行する。配信対象者は、今回の割り勘対象者のうち一部でもよいし、全員でもよい。本実施形態では、サーバプロセッサ41は、請求アカウントを配信対象者として特定する。
【0113】
ただし、これに限られず、サーバプロセッサ41は、人間関係に基づいて配信対象者を特定してもよい。例えば、人間関係が友人である場合には、サーバプロセッサ41は、今回の割り勘対象者全員を配信対象者として設定してもよい。
【0114】
ステップS805~ステップS807では、サーバプロセッサ41は、人間関係に基づいて、広告を生成する処理を行う。
本実施形態では、サーバプロセッサ41は、推定処理によって推定された人間関係に対応した広告である人間関係広告データを生成する。すなわち、本実施形態の情報処理システム10は、人間関係広告データに対応する広告である人間関係広告AD1を提供するように構成されている。
【0115】
例えば、サーバプロセッサ41は、人間関係が家族であると推定された場合、人間関係広告AD1として家族用の広告を配信するように構成されている。これにより、家族と推定される対象アカウントに対して家族用の広告を提供することができるため、より対象アカウントに対して興味のある広告を提供できる。
【0116】
本実施形態では、サーバプロセッサ41は、割り勘リクエスト時点と、割り勘対象の決済が行われた決済時点との時間間隔T1に応じて、人間関係広告AD1の内容を異ならせる。割り勘リクエスト時点は、ステップS404の割り勘リクエスト処理またはステップS501の割り勘リクエスト配信処理が行われた時点である。決済時点は、割り勘対象の決済が行われた時点であり、例えばステップS201の処理が行われた時点である。
【0117】
詳細には、サーバプロセッサ41は、ステップS805にて、時間間隔T1が予め定められた閾値間隔Tth以下であるか否かを判定する。閾値間隔Tthは、例えば2時間、1日、3日である。ただし、閾値間隔Tthは任意である。
【0118】
サーバプロセッサ41は、時間間隔T1が閾値間隔Tth以下である場合には、ステップS806に進み、第1人間関係広告データを生成する処理を実行する。
第1人間関係広告データとは、人間関係広告であって割り勘対象の決済情報に対応した広告データである。割り勘対象の決済情報に対応した広告データとは、例えば購入対象種別が同一の広告データであってもよい。
【0119】
例えば、人間関係が友人であり、割り勘対象の決済が居酒屋での決済である場合、第1人間関係広告データは、友人同士での二次会の利用に適した飲食店の広告データであってもよい。例えば、人間関係がルームメイトであり、割り勘対象の決済が家具の決済である場合、第1人間関係広告データは、置物やインテリアの広告データであってもよい。
【0120】
また、上述したとおり、推定される人間関係には人数が含まれている。この点、第1人間関係広告データは、人数に応じて設定されてもよい。例えば、サーバプロセッサ41は、特定人数以上の人間関係と推定されている場合には、当該特定人数以上用の広告を生成するとよい。特定人数は任意であり、例えば2名でもよいし、8名でもよい。特定人数以上用の広告とは、例えば特定人数以上の利用で割引が発生する、または、割引率が高くなるクーポン付きの広告であってもよい。一例としては、サーバプロセッサ41は、割り勘データDsbから3人組の友人であると推定された場合、3人以上の利用で割引率が高くなるクーポンが設定された居酒屋の広告データを生成してもよい。
【0121】
また、第1人間関係広告データは、今回の割り勘対象となっている決済が行われた店舗に対して近隣の店舗に関する広告データでもよいし、決済者または割り勘対象者の現在位置に対して近隣の店舗に関する広告データでもよい。この場合、サーバプロセッサ41は、広告データベース42bに登録されている店舗情報に含まれている店舗の位置情報を参照することによって、近隣の店舗に関する広告データを生成するとよい。
【0122】
サーバプロセッサ41は、時間間隔T1が閾値間隔Tthよりも長い場合には、ステップS807に進み、第2人間関係広告データを生成する処理を実行する。
第2人間関係広告データとは、人間関係に対応する広告であって、割り勘対象の決済情報に含まれる購入対象とは種類が異なる購入対象に関する広告データである。割り勘対象の決済情報に含まれる購入対象とは種類が異なる購入対象に関する広告データとは、例えば購入対象種別が異なる広告データであってもよい。
【0123】
例えば、人間関係が友人であり、割り勘対象の決済が居酒屋の決済である場合、第2人間関係広告データは、友人同士での旅行に適した旅行プランの広告データであってもよい。例えば、人間関係が恋人であり、割り勘対象の決済がレストランの決済である場合、第2人間関係広告データは、2人で利用すると割引されるクーポンが設定された映画の広告データであってもよい。
【0124】
なお、両人間関係広告データは上記に限られず任意である。例えば、人間関係がゴルフ仲間であり、割り勘対象の決済が特定ゴルフ場での決済である場合、第1人間関係広告データは、当該特定ゴルフ場に併設されている施設の広告データであってもよい。この場合、第2人間関係広告データは、別のゴルフ場の広告データでもよい。つまり、第2人間関係広告データは、割り勘対象の決済と関連する広告データであってもよい。
【0125】
図10に示すように、サーバプロセッサ41は、第1広告データ生成処理の実行後、ステップS505にてリクエスト完了通知処理を実行する。リクエスト完了通知処理は、リクエスト完了通知を請求ユーザ端末20に送信する処理を含む。リクエスト完了通知は、割り勘リクエスト配信が完了したことを示す通知である。本実施形態では、リクエスト完了通知は、第1広告データ生成処理にて生成された人間関係広告データを含む。
【0126】
請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、リクエスト完了通知を受信した場合には、ステップS405にて、リクエスト完了処理を実行する。リクエスト完了処理は、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21がリクエスト完了画面90を表示させる処理を含む。
【0127】
図16に示すように、リクエスト完了画面90には、リクエストが完了したことを知らせる旨が表示される。本実施形態では、リクエスト完了画面90には、人間関係広告データに基づく人間関係広告AD1が表示される。一例として、割り勘対象の決済が居酒屋の利用決済であり、人間関係が友人と推定され、時間間隔T1が閾値間隔Tth以下である場合には、人間関係広告AD1は、友人同士が2次会で利用するのに適した第1人間関係広告AD11(例えばBAR)である。
【0128】
図17に示すように、支払いユーザ端末30の端末プロセッサ31は、支払いリクエスト情報を受信した場合には、ステップS601にて、支払い処理を実行する。支払い処理は、請求アカウントから請求された金額を支払うための処理である。支払い処理は、支払いユーザ端末30の端末プロセッサ31が支払い画面100を表示させる処理を含む。
【0129】
図18に示すように、支払い画面100には、請求アカウント名と、請求金額とが表示される。例えば、支払い画面100には、請求アカウントからのチャットが表示されてもよい。例えば、支払い画面100には、支払いアカウントが入力可能なチャット欄101が設けられていてもよい。
【0130】
支払いユーザ端末30の端末プロセッサ31は、支払い操作が行われたことに基づいて、支払いリクエストをサーバ40に送信する。支払いリクエストは、請求アカウントに対して請求金額の送金を行う送金処理を行うことをリクエストするものである。支払い操作は、例えば支払い画面100に支払いアイコン102が表示されている場合には当該支払いアイコン102に対するタップ操作またはスライド操作である。ただし、これに限られず、支払い操作は任意である。
【0131】
サーバプロセッサ41は、支払いリクエストを受信したことに基づいて、ステップS506にて、送金処理を行う。詳細には、送金処理は、例えば支払いアカウントの利用可能金額から請求金額を差し引く処理を行うとともに、請求アカウントの利用可能金額に請求金額を加算する処理である。
【0132】
その後のステップS507では、サーバプロセッサ41は、人間関係に基づく広告データを生成する第2広告データ生成処理を実行する。当該第2広告データ生成処理について説明する。
【0133】
図19に示すように、ステップS901では、サーバプロセッサ41は、今回の割り勘に係る割り勘データDsbを取得する。
ステップS902では、サーバプロセッサ41は、今回の割り勘対象者のユーザ情報を取得する。
【0134】
ステップS903では、サーバプロセッサ41は、推定処理の推定結果である人間関係に関する情報を取得する。
ステップS904では、サーバプロセッサ41は、対象アカウント、すなわち配信対象者のユーザアカウントを特定する。本ステップS904では、サーバプロセッサ41は、例えば割り勘対象者全員を対象アカウントとして特定する。なお、対象アカウントについては任意である。
【0135】
ここで、本実施形態では、サーバプロセッサ41は、請求アカウントと支払いアカウントとで提供する広告を異ならせる。
詳細には、請求アカウントについて、サーバプロセッサ41は、第1広告データ生成処理と同様に、ステップS905~S907の処理を行い、人間関係広告データを生成する。
【0136】
一方、支払いアカウントについて、サーバプロセッサ41は、決済者関連広告データを生成する。決済者関連広告データとは、決済者(換言すれば請求アカウント)に対応する広告データである。
【0137】
詳細には、ステップS908にて、サーバプロセッサ41は、請求アカウントのユーザ情報から、請求アカウントのお気に入り情報を取得する。
続くステップS909にて、サーバプロセッサ41は、広告データベース42bから、請求アカウントのお気に入り情報に関連した広告データを取得して、決済者関連広告データとして生成する。
【0138】
お気に入り情報に関連した広告データは、例えば同一のお気に入り情報が登録されているユーザがよく購入している購入対象に関する広告データであってもよい。例えば特定の店舗がお気に入り情報に登録されている場合、お気に入り情報に関連した広告データは、当該特定の店舗と類似の店舗に関する広告データであってもよい。例えば特定の商品がお気に入り情報に登録されている場合、お気に入り情報に関連した広告データは、当該特定の商品と類似の商品、または、上記特定の商品を販売しているメーカの新製品に関する広告データであってもよい。
【0139】
図17に示すように、サーバプロセッサ41は、第2広告データ生成処理の実行後、ステップS508に進む。
ステップS508では、サーバプロセッサ41は、支払い完了通知を請求ユーザ端末20及び支払いユーザ端末30の双方に送信する支払い完了通知処理を実行する。支払い完了通知は、支払いアカウントによる支払いが完了したことを知らせる通知である。
【0140】
ここで、例えば、請求ユーザ端末20へ送信する支払い完了通知には、人間関係広告データが含まれていてもよい。一方、支払いユーザ端末30へ送信する支払い完了通知には、決済者関連広告データが含まれていてもよい。
【0141】
請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、支払い完了通知を受信した場合には、ステップS406にて、請求アカウントに対して請求金額を受け取ったことを知らせる受取通知処理を実行する。詳細には、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、受取通知画面110を表示させる。
【0142】
図20に示すように、受取通知画面110には、支払いアカウント名と当該支払いアカウントから支払いがあった旨が表示されている。本実施形態では、受取通知画面110には、人間関係広告データに基づく人間関係広告AD1が表示される。一例として、割り勘対象の決済が居酒屋の利用決済であり、人間関係が友人と推定され、時間間隔T1が閾値間隔Tthよりも長い場合とする。この場合、人間関係広告AD1として、友人同士に適した広告であって居酒屋とは種類が異なる広告、例えば友人同士で行くのに適した旅行の広告である第2人間関係広告AD12が表示されてもよい。この場合、割り勘対象者が3名である場合には、3名以上の利用で割引されるクーポンが付与された広告であってもよい。
【0143】
図17に示すように、支払いユーザ端末30の端末プロセッサ31は、支払い完了通知を受信した場合には、ステップS602にて、支払い完了画面120を表示させる処理を実行する。
【0144】
図21に示すように、支払い完了画面120には、支払いが完了した旨が表示されている。本実施形態では、支払い完了画面120には、決済者関連広告データに基づく決済者関連広告AD2が表示される。一例として、請求アカウントのお気に入り情報に特定の居酒屋が登録されている場合には、当該特定の居酒屋と類似する居酒屋、または、当該特定の居酒屋をお気に入り登録しているユーザがお気に入り登録している他の居酒屋の広告が表示されてもよい。
【0145】
本実施形態では、推定処理を実行するサーバ40またはサーバプロセッサ41が「推定部」に対応し、ステップS504,S505,S507,S508の処理を実行するサーバ40またはサーバプロセッサ41が「配信部」に対応する。ステップS405,S406の処理を実行する請求ユーザ端末20(またはユーザプロセッサ21)が「広告表示部」に対応する。
【0146】
<本実施形態の作用>
割り勘処理が行われた場合、割り勘データDsbに基づいて割り勘対象者である複数のユーザアカウント間の人間関係が推定される。そして、推定された人間関係に基づいて、複数のユーザアカウントの少なくとも一部、例えば請求アカウントまたは割り勘対象者全員に対して、広告(例えば人間関係広告AD1または決済者関連広告AD2)が配信される。
【0147】
<本実施形態の効果>
(1-1)情報処理システム10は、1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理を実行するように構成されている。情報処理システム10は、割り勘処理に関するデータである割り勘データDsbに基づいて、複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する。情報処理システム10は、推定処理の推定結果に基づいて、複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する。
【0148】
かかる構成によれば、情報処理システム10は、割り勘データDsbに基づいて推定される複数のユーザアカウント間の人間関係に基づいて、複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信することができる。これにより、人間関係を考慮した広告を提供することができるため、対象アカウントに対してより興味のある広告を提供することができる。
【0149】
ちなみに、上記情報処理システム10を情報処理方法という観点で着目することができる。この場合、情報処理方法は、1または複数の情報処理装置としてのサーバ40が、割り勘データDsbに基づいて人間関係を推定することと、人間関係に基づいて広告を配信することと、を含むといえる。この構成によっても、(1-1)と同様の効果を奏する。
【0150】
同様に、決済管理プログラム42aは、サーバ40を、割り勘データDsbに基づいて人間関係を推定する推定部と、当該人間関係に基づいて広告を配信する配信部と、として機能させるものともいえる。
【0151】
サーバ40は、割り勘データDsbを用いて推定される複数のユーザアカウント間の人間関係に基づいて、対象アカウントに対して広告を配信する配信部を備えているともいえる。
【0152】
(1-2)割り勘データDsbは、割り勘処理が行われる度に生成されるものである。情報処理システム10のサーバ40(詳細にはサーバプロセッサ41)は、複数の割り勘データDsbに基づいて、人間関係を推定する。
【0153】
かかる構成によれば、複数の割り勘データDsbに基づいて人間関係を推定することによって、人間関係の推定精度を高めることができる。
(1-3)サーバ40は、複数の割り勘データDsbに基づいて、複数のユーザアカウントのうち少なくとも1つが含まれた割り勘処理の頻度を特定する。そして、サーバ40は、人間関係を推定するパラメータとして上記頻度を用いる。
【0154】
かかる構成によれば、例えば頻度が多い場合には親密な関係であるといったことが予測される。したがって、頻度を用いることによって、より正確な人間関係を推定できる。
(1-4)割り勘データDsbは、割り勘処理の対象となる決済に関する情報を含む。決済情報は、決済店舗、決済日時、を含む。サーバ40は、人間関係を推定するパラメータとして、決済金額、決済店舗、決済日時のうち少なくとも1つを用いる。
【0155】
かかる構成によれば、決済情報に含まれる決済金額、決済店舗、決済日時のうちの少なくとも1つを用いることにより、人間関係の推定精度を向上させることができる。
(1-5)サーバ40は、割り勘データDsbとユーザ情報とに基づいて、人間関係を推定する。
【0156】
かかる構成によれば、人間関係を推定するものとして、割り勘データDsbに加えてユーザ情報を用いることにより、人間関係の推定精度の更なる向上を図ることができる。
(1-6)ユーザ情報は、年齢及び性別を含む。サーバ40は、人間関係を推定するパラメータとして、複数のユーザアカウントにおける年齢及び性別の少なくとも1つを用いる。
【0157】
かかる構成によれば、人間関係を推定するものとして、年齢及び性別の少なくとも1つを用いることにより、より人間関係の推定精度を向上させることができる。
(1-7)人間関係は、複数のカテゴリを含む。サーバ40は、割り勘データDsbに基づいて、人間関係が複数のカテゴリのうちいずれのカテゴリに属するかを推定する。
【0158】
かかる構成によれば、カテゴリを推定することによって、そのカテゴリに対応した広告を提供することができる。
(1-8)サーバ40は、推定された人間関係に対応した人間関係広告AD1を配信する。
【0159】
かかる構成によれば、人間関係広告AD1を提供することにより、対象アカウントに対して、より興味を引く広告を提供することができる。
(1-9)サーバ40によって、複数のユーザアカウントが特定人数のグループであると推定された場合、サーバ40は、人間関係広告AD1として、上記特定人数以上用の広告を配信する。
【0160】
かかる構成によれば、特定人数以上のグループに対して特定人数以上用の広告を提供することにより、複数人にとって有益な広告を提供することができる。これにより、そのグループでの利用を促すことができる。
【0161】
(1-10)割り勘処理は、請求アカウントが支払いアカウントに対して割り勘をリクエストする割り勘リクエスト処理を含む。サーバ40は、割り勘リクエスト処理が行われた割り勘リクエスト時点と、割り勘処理の対象となる決済が行われた決済時点との時間間隔T1に応じて、広告の内容を変更する。
【0162】
かかる構成によれば、割り勘リクエスト時点と決済時点との時間間隔T1に応じて広告の内容を変更することにより、シチュエーションに応じた広告を提供できる。
(1-11)サーバ40は、時間間隔T1が閾値間隔Tth以下である場合、第1人間関係広告AD11を配信する一方、時間間隔T1が閾値間隔Tthよりも長い場合、第2人間関係広告AD12を配信する。第1人間関係広告AD11は、推定された人間関係に対応し、且つ、割り勘処理の対象となる決済情報に対応した広告である。第2人間関係広告AD12は、推定された人間関係に対応し、且つ、割り勘対象の決済情報に含まれる購入対象とは種類が異なる購入対象に関する広告である。
【0163】
時間間隔T1が閾値間隔Tth以下である場合、決済が行われてから割り勘が行われるまでの期間が比較的短い。この場合、複数のアカウントに対応する複数のユーザ同士は、近くにいるまたはリアルタイムで連絡を取り合っている状況である蓋然性が高い。
【0164】
この点、本構成によれば、時間間隔T1が閾値間隔Tth以下である場合には、人間関係及び割り勘処理の対象となる決済情報に対応した広告を提供することによって、タイムリーな広告を提供できる。例えば、1次会の終了直後と思われる場合には2次会に関する広告や、キャンプ店舗で購入した直後と思われる場合にはキャンプ用品でついでに購入するとよい商品に関する広告を提供することができる。よって、ユーザの状況に応じた広告を提供することができる。
【0165】
特に、本実施形態では、リクエスト完了通知処理よりも前に、人間関係の推定と人間関係広告データの生成とが行われ、リクエスト完了通知処理にて人間関係広告AD1(例えば第1人間関係広告AD11)が配信される。これにより、割り勘対象者からの支払いが行われる前に人間関係広告AD1を配信することができる。よって、割り勘をリクエストしてから広告配信までの期間を短くすることができ、広告配信の効果を高めることができる。
【0166】
一方、時間間隔T1が閾値間隔Tthよりも長い場合、複数のユーザ同士が別れている、またはリアルタイムで連絡を取り合っていない蓋然性が高い。
この点、本構成によれば、時間間隔T1が閾値間隔Tthよりも長い場合には、人間関係に対応し、且つ、割り勘対象の決済情報に含まれる購入対象とは種類が異なる購入対象に関する広告が配信される。これにより、別の機会に複数のユーザで利用できるような有益な情報を提供することができる。
【0167】
(1-12)請求ユーザ端末20は、サーバ40と通信可能である。請求ユーザ端末20は、ディスプレイ25を有している。決済アプリプログラム22aは、請求ユーザ端末20を用いて決済を行うためのプログラムである。決済アプリプログラム22aは、請求ユーザ端末20が、ステップS404の処理及びステップS405,S406の処理を実行するためのプログラムである。ステップS404の処理は、割り勘処理の一部であって、割り勘リクエスト情報をサーバ40に送信する処理を含む。ステップS405,S406の処理は、サーバ40が広告データを取得したことに基づいて、当該広告データに基づく広告をディスプレイ25に表示させる処理を含む。割り勘リクエスト情報は、複数のユーザアカウントのうち支払い対象のアカウントである支払いアカウントを含み、複数のユーザアカウント間の人間関係は、割り勘リクエスト情報を含む割り勘データDsbに基づいて推定される。そして、ステップS405,S406の処理にて表示される広告は、推定された人間関係に人間関係広告AD1である。これにより、(1-1)の効果を奏する。
【0168】
<第2実施形態>
本実施形態の情報処理システム10は、割り勘対象の決済によって得られたポイント(特典)を、割り勘対象者に分配可能に構成されている。この点について以下に説明する。
【0169】
図22に示すように、本実施形態の金額設定画面80では、分配ポイント200が表示されるように構成されている。分配ポイント200は、今回の割り勘対象の決済によって得られたポイントを割り勘対象者で分配するポイントである。例えば、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、今回の割り勘対象の決済によって得られたポイントが60ptであり、割り勘対象者が3名である場合、分配ポイント200として各対象者に20ptを設定してもよい。
【0170】
請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、分配ポイント200を変更可能に構成されていてもよい。例えば、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、分配ポイント200が表示されている箇所をタップ操作することによって分配ポイント200を変更してもよいし、金額設定画面80に、ポイント分配を変更するためのアイコンを別途設けてもよい。
【0171】
また、本実施形態の情報処理システム10は、人間関係に基づいてポイントの分配態様を提案可能に構成されていてもよい。
例えば、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、ステップS403の割り勘金額設定処理において、サーバ40に対して分配ポイント200の配分をリクエストしてもよい。サーバ40(詳細にはサーバプロセッサ41)は、当該リクエストがあった場合、割り勘対象者の人間関係を推定するとともに、その推定結果に基づいて分配ポイント200を仮設定してもよい。
【0172】
推定結果に基づく分配ポイント200の設定態様としては任意である。例えば、推定される人間関係が同僚であり、且つ、請求アカウントの年齢が支払いアカウントの年齢よりも高い場合、サーバプロセッサ41は、請求アカウントの分配ポイント200を減らし、その分支払いアカウントの分配ポイント200を増やしてもよい。
【0173】
その後、サーバプロセッサ41は、仮設定された分配ポイント200を提案する処理を行う。詳細には、サーバプロセッサ41は、仮設定された分配ポイント200を請求ユーザ端末20に送信する。請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、仮設定された分配ポイント200を初期値として表示させることによって分配ポイント200の提案を行う。サーバプロセッサ41が仮設定された分配ポイント200を請求ユーザ端末20に送信し、且つ、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21が仮設定された分配ポイント200を初期値として表示させる機能が「分配提案部」に対応する。
【0174】
情報処理システム10は、ポイントの分配をキャンセル可能に構成されていてもよい。例えば、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、金額設定画面80に分配切替アイコン201を表示させる。
【0175】
図23に示すように、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、分配切替アイコン201に対してタップ操作が行われた場合には、ポイント分配をキャンセルするとともに分配ポイント200に関する表示を消去してもよい。この場合、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、分配切替アイコン201がもう一度タップ操作された場合には、分配ポイント200を再表示させるとよい。
【0176】
請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、分配ポイント200が設定された状態で請求金額の確定処理が行われた場合には、分配ポイント200についても確定したものとして、割り勘リクエスト処理を実行する。割り勘リクエスト処理によってサーバ40に送信される割り勘リクエスト情報は、分配ポイント200に関する情報を含む。
【0177】
サーバプロセッサ41は、割り勘リクエスト情報に分配ポイント200に関する情報が含まれている場合には、割り勘リクエスト配信処理にて、分配ポイント200に関する情報を支払いアカウントに送信する。支払いユーザ端末30の端末プロセッサ31は、支払い画面100に、請求金額とともに分配ポイント200についても表示させるとよい。
【0178】
ここで、本実施形態では、割り勘データDsbは、分配ポイント200の有無及びそのポイント配分を記憶している構成でもよい。詳細には、サーバプロセッサ41は、ステップS502の割り勘データ記憶処理にて、決済情報などと同様に、分配ポイント200に関する情報を割り勘データDsbに記憶させる処理を実行するとよい。
【0179】
かかる構成において、サーバプロセッサ41は、ステップS503の推定処理において、割り勘データDsbに含まれる分配ポイント200に関する情報を用いてもよい。すなわち、サーバプロセッサ41は、複数のユーザアカウント間の人間関係を推定するパラメータの1つとして、分配ポイント200に関する情報を用いてもよい。例えば、サーバプロセッサ41は、分配ポイント200が均等である場合には、人間関係が友人またはルームメイトであると推定してもよい。例えば、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者が2名であり、ポイントの分配が行われていない場合、両者の人間関係は家族であると推定してもよい。
【0180】
本実施形態では、ステップS506の送金処理において、サーバ40のサーバプロセッサ41は、ポイントの配分に係る処理を行ってもよい。詳細には、サーバプロセッサ41は、請求アカウントのポイントから支払いアカウントへ分配ポイント200を移動させる処理を実行してもよい。
【0181】
本実施形態では、ステップS202の処理を実行するサーバ40(詳細にはサーバプロセッサ41)が「特典付与部」に対応し、ステップS506の処理を実行するサーバ40が「特典分配部」に対応する。
【0182】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(2-1)情報処理システム10は、特典付与部及び特典分配部としてのサーバ40を備えている。サーバ40は、決済が行われることに基づいて決済アカウントに対して特典を付与する。サーバ40は、割り勘処理が行われる場合に、複数のユーザアカウント間で特典としてのポイントを分配する。サーバ40は、人間関係を推定するパラメータとして、ポイントの分配結果を用いる。
【0183】
かかる構成によれば、複数のアカウントに対して割り勘に伴って得られた特典を分配することにより、ユーザの利便性または公平性を向上させることができる。この場合、特典の分配具合は人間関係を反映する可能性が高い。この点、本構成によれば、人間関係の推定に、特典の分配結果を用いることにより、人間関係の推定精度の向上を図ることができる。
【0184】
(2-2)サーバ40のサーバプロセッサ41は、人間関係に基づいて特典の分配態様を提案してもよい。
かかる構成によれば、人間関係に基づいて特典の分配態様を提案することによって、特典の分配に係る手間を抑制できる。
【0185】
なお、本実施形態では、サーバプロセッサ41は、人間関係に基づいて特典の分配態様を提案する構成であったが、これに限られない。例えば、サーバプロセッサ41は、人間関係に対応させて特典の分配態様を異ならせてもよい。詳細には、サーバプロセッサ41は、人間関係に対応させて特典の分配態様を異ならせた状態で当該特典を分配してもよい。特典(例えばポイント)の分配態様については、提案に係る構成と同様である。これにより、人間関係を反映した特典の分配を行うことができるとともに、分配に係る手間を抑制できる。なお、この場合、ユーザが分配ポイント200を変更するための構成を省略してもよい。
【0186】
<第3実施形態>
本実施形態では、割り勘操作及び割り勘の金額設定が第1実施形態と異なっている。その異なる点について以下に説明する。
【0187】
端末プロセッサ21,31は、決済アプリの起動操作が行われたことに基づいて、ディスプレイ25,35に決済アプリのホーム画面300を表示させる。
図24に示すように、ホーム画面300には、ログインしているユーザアカウントの使用可能金額が表示されている。ホーム画面300には、送金処理を行う契機となる送金アイコン301、及び、請求処理を行う契機となる請求アイコン302が表示されている。また、ホーム画面300には、広告が表示されてもよい。この場合、例えば直近の割り勘処理において推定された人間関係に対応する人間関係広告AD1が表示されてもよい。
【0188】
かかる構成において、情報処理システム10は、請求アイコン302に対するタップ操作が行われたことに基づいて、支払いアカウントに対して金額を請求して受け取る一連の送受金処理を実行するように構成されている。なお、割り勘に際して送受金が行われることを鑑みれば、送受金処理は、割り勘処理の一種であるともいえる。
【0189】
送受金処理は、請求ユーザ端末20と支払いユーザ端末30とがサーバ40を介して通信を行うことによって行われる。送受金処理は、請求ユーザ端末20にて実行される請求処理と、サーバ40にて実行される管理送受金処理と、支払いユーザ端末30にて実行される支払い処理と、によって構成されている。
【0190】
送受金処理について詳細に説明する。
図25に示すように、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、まずステップS1001にて、請求対象者選択処理を実行する。請求対象者選択処理は、ステップS402の割り勘対象者選択処理と同様である。
【0191】
続くステップS1002では、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、請求金額を設定する請求金額設定処理を実行する。本実施形態の情報処理システム10は、ユーザの入力によって総額を設定するように構成されている。詳細には、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、総額設定画面310を表示させる。
【0192】
図26に示すように、総額設定画面310には、例えば、総額を表示する総額欄311と、テンキー312と、確定アイコン313とが表示されている。テンキー312を操作することによって総額欄311に総額、すなわち割り勘対象の金額を入力することができる。
【0193】
請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、総額が入力された状態で確定アイコン313へのタップ操作が行われたことに基づいて、金額設定画面80を表示させる。この場合、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、総額と割り勘対象者の人数に基づいて、請求金額の初期値を算出するとともに、当該初期値を金額設定画面80に表示させる。その後の処理は、ステップS403の割り勘金額設定処理と同様である。
【0194】
ステップS1003では、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、請求処理を実行する。請求処理は、請求情報をサーバ40に送信する処理を含む。請求情報は、支払いアカウント、総額、各支払いアカウントの請求金額、及びチャットに関する情報を含む。
【0195】
サーバプロセッサ41は、請求情報を受信したことに基づいて、ステップS1101にて支払いリクエスト配信処理を実行する。支払いリクエスト配信処理は、例えば支払いユーザ端末30に対して支払いリクエスト情報を送信する。支払いリクエスト情報は、請求人情報と、請求金額情報と、を含む。また、請求情報にチャットが含まれている場合、支払い配信情報は、チャットを含んでもよい。
【0196】
続くステップS1102では、サーバプロセッサ41は、請求情報に基づいて、今回の割り勘対象の決済に関する決済情報を推定する処理を実行する。詳細には、サーバプロセッサ41は、請求アカウントの決済履歴を照会して、今回の請求と関連する決済情報を推定する。例えば、サーバプロセッサ41は、請求アカウントの決済履歴から、請求情報に含まれる総額と同一またはそれに近い金額の決済情報を検索する。そして、サーバプロセッサ41は、該当する決済情報が検出された場合には、当該決済情報が今回の割り勘対象の決済情報であると推定する。
【0197】
請求情報に基づいて決済情報を推定する態様については、これに限られず、任意である。例えば、サーバプロセッサ41は、請求処理が実行された時点から遡って所定期間内に行われた決済情報を、今回の割り勘対象の決済情報であると推定してもよい。
【0198】
その後、サーバプロセッサ41は、ステップS1103にて、推定された決済情報を含めて割り勘データDsbを記憶する処理を実行する。そして、サーバプロセッサ41は、ステップS1104にて、推定された決済情報を含む割り勘データDsbに基づいて、人間関係を推定する処理を実行する。
【0199】
なお、ステップS1103,S1104の処理の具体的な内容は、第1実施形態のステップS502,S503の処理と同様であり、ステップS1105以降の処理は第1実施形態のステップS504以降の処理と同様である。
【0200】
また、請求処理のステップS1004以降の処理は、第1実施形態のステップS405以降の処理と同様であり、支払い処理は、第1実施形態の支払い割り勘処理と同様である。このため、詳細な説明を省略する。
【0201】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(3-1)情報処理システム10は、複数のユーザアカウント間にて送受金を行う送受金処理を実行可能に構成されている。サーバプロセッサ41は、送受金処理に関する情報、詳細には請求情報に基づいて、今回の送受金と関連する決済情報、詳細には割り勘対象となる決済情報を推定する処理を実行する。そして、サーバプロセッサ41は、推定された決済情報を含む割り勘データDsbに基づいて、人間関係を推定する。
【0202】
かかる構成によれば、割り勘データDsbに対して今回割り勘対象となる決済情報を紐付ける作業が不要となるため、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
<変更例>
上記各実施形態は以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0203】
・サーバ40は、例えば広告データベース42bが記憶されたサーバ40と、ユーザデータベース42cが記憶されたサーバ40と、を別々に有する構成でもよい。また、サーバ40は、割り勘データベース42dとは別に決済情報が記憶された決済データベースを有する構成でもよい。この場合、サーバ40は、割り勘データベース42dが記憶されたサーバ40と、決済データベースが記憶されたサーバ40とを別々に有する構成でもよい。すなわち、サーバ40の個数やデータ管理の具体的な態様については任意である。
【0204】
・決済処理を行うシステムと、割り勘処理を行うシステムとが別々にあってもよい。すなわち、情報処理システム10は、決済処理を行う構成を備えていなくてもよい。この場合、情報処理システム10は、決済処理を行うシステムとネットワークNTを介して通信可能に構成されており、決済情報を取得可能に構成されているとよい。
【0205】
・推定処理または広告を配信する処理の実行主体は任意である。例えば、推定処理は、ユーザ端末20,30にて実行される構成でもよい。この場合、サーバ40は、ユーザ端末20,30に対して推定処理に必要な情報を送信するとよい。また、例えば、情報処理システム10は、人間関係を推定する推定サーバを別途備える構成でもよい。この場合、情報処理システム10は、推定に必要な情報が推定サーバに送信されるように構成されているとともに、推定結果が広告を提供するサーバに送信されるように構成されていてもよい。
【0206】
・人間関係に関する情報を含むユーザ情報はサーバ40に記憶される構成に限られず、ユーザ端末20,30の端末メモリ22,32に記憶されている構成でもよい。この場合、ユーザ端末20,30は、サーバ40と通信することなく、ユーザ情報を取得することができる。
【0207】
・割り勘対象とする決済は、1つに限らず、複数であってもよい。すなわち、割り勘処理は、複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する処理でもよい。
例えば、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、複数の決済履歴が表示される画面を表示させ、当該画面において割り勘対象の決済を選択させる構成でもよい。請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、ユーザによって複数の決済が選択された場合には、これら複数の決済を割り勘対象として設定するとともに、当該複数の決済に係る費用の総額を割り勘するための処理を実行してもよい。例えば、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、複数の決済に係る費用の総額と、割り勘対象者の人数とに基づいて、請求金額の初期値を設定してもよい。
【0208】
なお、上記のように複数の決済が割り勘対象となる場合、時間間隔T1は、複数の決済のうち最新の決済時点から割り勘リクエスト時点までの期間としてもよいし、複数の決済のうち最遅の決済時点から割り勘リクエスト時点までの期間としてもよい。
【0209】
・割り勘データDsbのうち、人間関係を推定するのに用いるパラメータは、1つでもよいし、複数のパラメータを組み合わせてもよい。
例えば、人間関係を推定するパラメータとして、割り勘データDsbに記憶されているチャットを用いてもよい。例えば、サーバ40は、チャットの解析を行う解析部を備えていてもよい。そして、サーバプロセッサ41は、チャット内に敬語または丁寧語が含まれている場合には、人間関係を、先輩/後輩または上司/部下といった上下関係と推定してもよい。一方、サーバプロセッサ41は、チャットがフランクな場合には、人間関係を友人と推定してもよい。
【0210】
・サーバプロセッサ41は、割り勘データDsbに特定ジャンルに関する情報が含まれる場合、複数のユーザアカウント(割り勘対象者)を特定ジャンルに興味がある仲間と推定してもよい。この場合、サーバプロセッサ41は、少なくとも支払いアカウントに対して、人間関係広告AD1として特定ジャンルに関する広告を配信してもよい。
【0211】
例えば、割り勘データDsbにゴルフに関する情報が含まれる場合、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者をゴルフ仲間と推定してもよい。この場合、サーバプロセッサ41は、支払いアカウントに向けて、人間関係広告AD1としてゴルフに関する広告を配信してもよい。これにより、決済者以外のユーザに対しても、当該ユーザが興味のある広告を提供しやすくなる。割り勘データDsbにゴルフに関する情報が含まれる場合とは、例えば、決済場所がゴルフ場である場合、購入品目がゴルフ用品である場合などである。
【0212】
すなわち、請求アカウントは特定ジャンルに関する決済を行っていることが想定されるため、決済履歴に基づく広告を行うことにより、特定ジャンルに関する広告を提供することができる。一方、支払いアカウントは、実際に購入決済を行っていないため、決済履歴に基づく広告では、特定ジャンルに関する広告を提供することができない。
【0213】
この点、上記変更例では、支払いアカウントに対して特定ジャンルに関する広告を提供することができるため、直接決済を行っていないアカウントに対しても興味のある広告を提供しやすくなる。
【0214】
・請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、推定される人間関係に基づいて、請求金額の初期値を変更してもよい。例えば、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、人間関係が友人であると推定される場合には、決済金額を支払いアカウント数で割った値を初期値とする。一方、人間関係が家族であると推定される場合には、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、決済金額を支払いアカウント数で割った値よりも小さい金額を初期値としてもよい。また、請求ユーザ端末20の端末プロセッサ21は、複数の支払いアカウントのうち、人間関係が後輩であると推定される支払いアカウントと、人間関係が先輩であると推定される支払いアカウントとにおいて請求金額の初期値を変更してもよい。
【0215】
・人間関係広告AD1の提供時点及び提供態様は任意である。例えば、決済が行われた時点から1日後に、ユーザ端末20,30にプッシュ通知する形式でもよい。
・情報処理システム10は、時間間隔T1に応じて、人間関係に基づく広告の提供タイミングを異ならせてもよい。これにより、ユーザに対して適切な時点で広告を提供することができる。
【0216】
例えば、サーバプロセッサ41は、時間間隔T1が閾値間隔Tth以下である場合にはリクエスト完了通知処理にて広告を配信する。一方、サーバプロセッサ41は、時間間隔T1が閾値間隔Tthよりも長い場合には、リクエスト完了通知処理ではなく、支払い完了通知処理にて広告を配信してもよい。換言すれば、情報処理システム10は、時間間隔T1が閾値間隔Tth以下である場合にはリクエスト完了画面90に広告を表示させる一方、時間間隔T1が閾値間隔Tthよりも長い場合には、支払い完了画面120に広告を表示させる構成でもよい。この場合、広告の提供時点が、割り勘リクエストが完了した時点から、支払いが行われた時点に変更されたともいえる。
【0217】
かかる構成によれば、時間間隔T1が比較的短い場合には、リクエスト完了通知処理にて広告が配信される一方、時間間隔T1が比較的長い場合には、支払い完了通知処理にて広告が配信される。支払い完了通知処理は、リクエスト完了通知処理よりも後に行われる処理である。このため、時間間隔T1が比較的短い場合には、比較的早期に広告配信が行われることによってタイムリーな広告の提供を行うことができる。一方、時間間隔T1が比較的長い場合には、すぐには広告配信が行われず、遅れて広告配信が行われる。これにより、ユーザが広告に対して過剰な印象を持つことを抑制できるとともに、長期に亘る関係性の構築を試みることができる。
【0218】
・情報処理システム10は、割り勘対象者の位置情報に基づいて、広告を提供するタイミングを調整するように構成されていてもよい。例えば、サーバプロセッサ41は、割り勘対象者が所定距離の範囲内にいるときに、人間関係に基づく広告を提供してもよい。
【0219】
・上記各実施形態では、時間間隔T1に応じて、提供される広告が異なっていたが、これに限られず、時間間隔T1に関わらず、共通の広告を提供してもよい。
・情報処理システム10は、店舗端末50を備えていなくてもよい。この場合、情報処理システム10は、当該店舗固有のコードを備え、当該コードを読み取ることによって決済が行われるように構成されているとよい。この場合、ユーザ端末20が、決済リクエストをサーバ40に送信するとよい。
【0220】
・各実施形態において説明した画面の表示態様及び各種操作態様は一例であり、視認性や操作性などを考慮して、種々の変更が可能である。
[付記]
以下に、上記各実施形態及び変更例から把握される態様を列挙する。
【0221】
[1]
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理を実行する割り勘処理部と、
前記割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
を備えている情報処理システム。
【0222】
[2]
前記割り勘データは、前記割り勘処理が行われる度に生成されるものであり、
前記推定部は、複数の前記割り勘データに基づいて、前記人間関係を推定する、
上記[1]に記載の情報処理システム。
【0223】
[3]
前記推定部は、前記複数の割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウントのうち少なくとも1つが含まれた割り勘処理が行われている頻度を特定し、前記人間関係を推定するパラメータとして前記頻度を用いる、
上記[2]に記載の情報処理システム。
【0224】
[4]
前記割り勘データは、前記割り勘処理の対象となる前記1または複数の決済に関する情報である決済情報を含み、
前記決済情報は、決済金額、決済店舗、決済日時、を含み、
前記推定部は、前記人間関係を推定するパラメータとして、前記決済金額、前記決済店舗、前記決済日時のうち少なくとも1つを用いる、
上記[1]~[3]のうちいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0225】
[5]
前記推定部は、前記割り勘データと、前記複数のユーザアカウントの各々に登録されているユーザ情報と、に基づいて、前記人間関係を推定する、
上記[1]~[4]のうちいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0226】
[6]
前記ユーザ情報は、年齢及び性別を含み、
前記推定部は、前記人間関係を推定するパラメータとして、前記複数のユーザアカウントにおける前記年齢及び前記性別の少なくとも1つを用いる、
上記[5]に記載の情報処理システム。
【0227】
[7]
前記人間関係は、複数のカテゴリを含み、
前記推定部は、前記割り勘データに基づいて、前記人間関係が前記複数のカテゴリのうちいずれのカテゴリに属するかを推定する、
上記[1]~[6]のうちいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0228】
[8]
前記配信部は、前記広告として、前記推定部によって推定された前記人間関係に対応した人間関係広告を配信する、
上記[1]~[7]のうちいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0229】
[9]
前記推定部によって、前記複数のユーザアカウントが特定人数のグループであると推定された場合、前記配信部は、前記人間関係広告として、前記特定人数以上用の広告を配信する、
上記[8]に記載の情報処理システム。
【0230】
[10]
前記割り勘処理は、請求アカウントが支払いアカウントに対して割り勘をリクエストする割り勘リクエスト処理を含み、
前記割り勘データに特定ジャンルに関する情報が含まれる場合、前記推定部は、前記人間関係として、前記特定ジャンルに興味がある仲間であると推定するものであり、
前記配信部は、前記複数のユーザアカウントのうち少なくとも前記支払いアカウントに対して、前記人間関係広告として前記特定ジャンルに関する広告を配信する、
上記[8]または[9]に記載の情報処理システム。
【0231】
[11]
前記割り勘処理は、請求アカウントが支払いアカウントに対して割り勘をリクエストする割り勘リクエスト処理を含み、
前記配信部は、前記割り勘リクエスト処理が行われた割り勘リクエスト時点と、前記割り勘処理の対象となる決済が行われた決済時点との時間間隔に応じて、前記広告の内容を変更する、
上記[1]~[10]のうちいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0232】
[12]
前記配信部は、前記時間間隔が予め定められた閾値間隔以下である場合、前記人間関係に対応し且つ前記割り勘処理の対象となる決済情報に対応した広告を配信する一方、前記時間間隔が前記閾値間隔よりも長い場合には、前記人間関係に対応し、且つ、前記割り勘処理の対象となる決済情報に含まれる購入対象とは種類が異なる購入対象に関する広告を配信する、
上記[11]に記載の情報処理システム。
【0233】
[13]
前記割り勘処理は、請求アカウントが支払いアカウントに対して割り勘をリクエストする割り勘リクエスト処理を含み、
前記配信部は、前記割り勘リクエスト処理が行われた割り勘リクエスト時点と、前記割り勘処理の対象となる決済が行われた決済時点との時間間隔に応じて、前記広告の配信時点を異ならせる、
上記[1]~[10]のうちいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0234】
[14]
前記割り勘処理は、
前記割り勘リクエスト処理が完了したことを前記請求アカウントに対して通知するリクエスト完了通知処理と、
前記支払いアカウントによる支払いが完了したことを通知する支払い完了通知処理と、
を含み、
前記配信部は、前記時間間隔が予め定められた閾値間隔以下である場合、前記リクエスト完了通知処理にて前記広告を配信する一方、前記時間間隔が前記閾値間隔よりも長い場合、前記広告を、前記リクエスト完了通知処理ではなく、前記支払い完了通知処理にて配信する、
上記[13]に記載の情報処理システム。
【0235】
[15]
決済が行われることに基づいて決済アカウントに対して特典を付与する特典付与部と、
前記割り勘処理が行われる場合に、前記複数のユーザアカウント間で前記特典を分配する特典分配部と、
を備え、
前記推定部は、前記人間関係を推定するパラメータとして、前記特典の分配結果を用いる、
上記[1]~[14]のうちいずれか1つに記載の情報処理システム。
【0236】
[16]
前記人間関係に基づいて前記特典の分配態様を提案する分配提案部を備えている、
上記[15]に記載の情報処理システム。
【0237】
[17]
前記特典分配部は、前記推定部によって推定された前記人間関係に応じて前記特典の分配態様を異ならせる、
上記[15]に記載の情報処理システム。
【0238】
[18]
前記割り勘処理に関する情報に基づいて、割り勘対象となる決済を推定する決済推定部を備えている、
上記[1]に記載の情報処理システム。
【0239】
[19]
1または複数の情報処理装置を用いた情報処理方法であって、
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定することと、
前記人間関係に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信することと、
を含む、
情報処理方法。
【0240】
[20]
1または複数の情報処理装置を、
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
として機能させる、
プログラム。
【0241】
[21]
サーバと通信可能であってディスプレイを有するユーザ端末を用いて決済を行うためのプログラムであって、
前記ユーザ端末を、
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理の一部の処理であって、割り勘リクエスト情報を前記サーバに送信する割り勘リクエスト処理を実行する割り勘リクエスト部と、
前記サーバから広告データを取得したことに基づいて、その取得された前記広告データに基づく広告を前記ディスプレイに表示させる広告表示部と、
として機能させ、
前記割り勘リクエスト情報は、前記複数のユーザアカウントのうち支払い対象のアカウントを含み、
前記複数のユーザアカウント間の人間関係は、前記割り勘リクエスト情報を含む割り勘データに基づいて推定され、
前記広告は、複数のユーザアカウント間の人間関係に対応した人間関係広告である、
プログラム。
【0242】
[22]
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
を備えている情報処理装置。
【0243】
[23]
決済が行われることに基づいて、当該決済が行われたユーザアカウントに対して特典を付与する特典付与部と、
1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理を実行する割り勘処理部と、
前記割り勘処理が行われる場合に、前記複数のユーザアカウント間で前記特典を分配する特典分配部と、
を備えている情報処理システム。
【0244】
[24]
複数のユーザアカウント間で送受金を行う送受金処理に関するデータである送受金データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
を備えている情報処理システム。
【0245】
[25]
1または複数の情報処理装置を用いて広告を配信する情報処理方法であって、
複数のユーザアカウント間で送受金を行う送受金処理に関するデータである送受金データを用いて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定することと、
前記人間関係に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信することと、
を含む情報処理方法。
【0246】
[26]
1または複数の情報処理装置を、
複数のユーザアカウント間で送受金を行う送受金処理に関するデータである送受金データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
として機能させるプログラム。
【0247】
[27]
サーバと通信可能であってディスプレイを有するユーザ端末を用いて、複数のユーザアカウント間で送受金を行う送受金処理を行うためのプログラムであって、
前記ユーザ端末を、
請求情報を前記サーバに送信する請求処理を実行する請求部と、
前記サーバから広告データを取得したことに基づいて、その取得された前記広告データに基づく広告を前記ディスプレイに表示させる広告表示部と、
として機能させ、
前記請求情報は、前記複数のユーザアカウントのうち支払い対象のアカウントを含み、
前記複数のユーザアカウント間の人間関係は、前記請求情報を含む送受金データに基づいて推定され、
前記広告は、複数のユーザアカウント間の人間関係に対応した人間関係広告である、
プログラム。
【0248】
[28]
複数のユーザアカウント間で送受金を行う送受金処理に関するデータである送受金データに基づいて、前記複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に基づいて、前記複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する配信部と、
を備えている情報処理装置。
【0249】
上記[24]~[28]の態様に着目した課題は以下のとおりである。
ここで、上記のような割り勘処理に限られず、複数のユーザアカウント間で送受金を行う送受金処理が行われる場合がある。本願の発明者は、送受金処理に関するデータである送受金データには活用の余地があることを見出した。本開示の目的は、送受金データを用いて効果的な広告を提供することである。
【0250】
なお、上記[24]~[28]の態様に着目すれば、人間関係の推定に用いるデータとしては、割り勘データDsbを用いる構成に限られず、送受金処理に関するデータである送受金データを用いる構成でもよい。すなわち、推定部は、割り勘処理に関するデータに基づく構成に限られず、複数のユーザアカウント間で送受金を行う送受金処理に関するデータに基づいて推定する構成でもよい。また、送受金データは、決済情報を含まない構成でもよい。この場合であっても、情報処理システム10は、送受金の頻度、金額、チャット内容、複数のユーザアカウントのユーザ情報などに基づいて、人間関係を推定してもよい。
【符号の説明】
【0251】
10…情報処理システム、20,30…ユーザ端末、21,31…端末プロセッサ、22,32…端末メモリ、22a,32a…決済アプリプログラム、25,35,45,55…ディスプレイ、40…サーバ、41…サーバプロセッサ、42…サーバメモリ、42a…決済管理プログラム、42b…広告データベース、42c…ユーザデータベース、42d…割り勘データベース、50…店舗端末、51…店舗プロセッサ、52…店舗メモリ、61…決済完了画面、63…割り勘アイコン、70…対象者選択画面、80…金額設定画面、90…リクエスト完了画面、100…支払い画面、110…受取通知画面、120…支払い完了画面、200…分配ポイント、300…ホーム画面、310…総額設定画面、AD1…人間関係広告、AD11…第1人間関係広告、AD12…第2人間関係広告、AD2…決済者関連広告、T1…時間間隔、Tth…閾値間隔、Dsb…割り勘データ。
【要約】
【課題】割り勘データを用いて効果的な広告を提供すること。
【解決手段】情報処理システム10は、1または複数の決済に係る費用を複数のユーザアカウント間で分配する割り勘処理を実行するように構成されている。情報処理システム10は、割り勘処理に関するデータである割り勘データに基づいて、複数のユーザアカウント間の人間関係を推定する。情報処理システム10は、推定処理の推定結果に基づいて、複数のユーザアカウントの少なくとも1つの対象アカウントに対して広告を配信する。
【選択図】
図1